JP2005053365A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対のセンター周溝2と、一対のショルダー周溝4と、センターリブ3と、中間陸部7と、ショルダー周溝4に開口する緩傾斜溝8と、横溝6とを有する空気入りタイヤであって、緩傾斜溝8のセンター側端を中間陸部7内で終了させ、緩傾斜溝8のその終端9から全長にわたって、周方向に対して緩傾斜溝8より小さい角度でショルダー周溝4側へ延在して、緩傾斜溝8のショルダー周溝4への開口11と重なる位置でまたは、その開口よりわずかに下方側でショルダー周溝4に開口する急傾斜溝10を形成して、両傾斜溝8、10により中間陸部7に、三角ブロック12とリブ13を区画し、そのリブ13の、ショルダー周溝4の近傍に形成される隅部14の表面高さをショルダー周溝4に向けて漸減させる。
【選択図】図1
Description
これに対する、トレッド中央域の陸部剛性の低下を招くことなく、耐ハイドロプレーニング性能を向上させる技術としては、例えば特開2001−225611号公報に開示されたものがある。
ここで、急傾斜溝および緩傾斜溝のそれぞれをともに中間陸部内で終了させることにより、急傾斜溝および緩傾斜溝をセンター周溝に開口させることに起因する、とくに急傾斜溝とセンター溝とによる鋭角部分画成をなくすことができ、かつ、急傾斜溝および緩傾斜溝とセンター溝との間にトレッド周方向に連続するほぼ鋸歯状のリブを形成することができるので、中間陸部の剛性を高めて、ドライ路面およびウェット路面の双方における操縦安定性を高めることができる。
さらに、ショルダー陸部に横溝を設けることにより、旋回走行時における耐ハイドロプレーニング性能を高め、ウェット路面などの摩擦の低い路面において、駆動及び制動性能を高めることができる。
急傾斜溝と緩傾斜溝とはともに、トレッド周方向に対し鋭角をなすことにより、急傾斜溝は主に直進走行時での排水に寄与し、緩傾斜溝は主に旋回走行時での排水に寄与するので、全ての走行シーンにおいて効率的な排水を実現し、より高いウェット排水性能とくには耐ハイドロプレーニング性能を得ることができる。
これにより、緩傾斜溝が排水水流に及ぼす抵抗を減らしてウェット排水性能を高めることができる。
これによれば、急傾斜溝はトレッド中央域ではトレッド周方向に対する角度が小さくなり、排水の流速を高めることができ、タイヤ幅方向外側に向けて徐々に角度を大きくすることにより、ショルダー周溝への水の流れをスムーズなものとすることができるため、排水効率を高めて、ウェット排水性能とくには耐ハイドロプレーニング性能を高めることができる。
これによれば、ショルダー陸部に横溝により区画されるブロックを、中間陸部に急傾斜溝および緩傾斜溝により区画されるブロックよりも小さくすることができ、ブロックの路面への衝接力を小さくしてパターンノイズを抑制し、ショルダー陸部の剛性を下げることにより、振動乗り心地性能を高めることができる。また、ショルダー陸部のブロックの周方向長さを短くすることにより、摩耗の進行に伴い、ブロックのヒール部分と、隣接する回転方向後方のブロックのトウ部分との間に発生する高低段差を小さくし、タイヤの外観上の不良を抑制することができる。
横溝の配列ピッチ数を緩傾斜溝の配列ピッチ数の1.5倍未満とすると、上記の作用効果が小さくなり、3.0倍より大きくすると、ショルダー陸部のブロックの剛性が小さくなりすぎて好ましくない。
これによればトレッド中央域のウェット排水性能と耐偏摩耗性および操縦安定性能をバランスよく高めることができる。
緩傾斜溝の終端を、中間陸部のタイヤ赤道面側端から中間陸部の幅の3%より小さい範囲に位置させると、センター周溝と急傾斜溝および緩傾斜溝との間に区画される鋸波状のリブの狭窄部分の剛性が小さくなり、耐偏摩耗性および操縦安定性能が低下する。また、緩傾斜溝の終端を、中間陸部のタイヤ赤道面側端から中間陸部の幅の50%より大きい範囲に位置させると、急傾斜溝及び緩傾斜溝によるトレッド中央域の排水効果が小さくなるとともに、三角ブロックが小さくなりすぎて剛性が小さくなりすぎ、操縦安定性能が低下する。
これによれば、ショルダー周溝の水をショルダー陸部の横溝にスムーズに流し込み、排水効率を高めて、耐ハイドロプレーニング性能を高めることができる。
また、緩傾斜溝の終端からセンター周溝に向けて折れ曲がり傾斜面を形成することにより、センター周溝の溝体積を増やしてウェット排水性能及び耐ハイドロプレーニング性能を高めることができ、かつ、トレッド周方向に連続する折れ曲がり傾斜面がセンター周溝内の空気に積極的に擾乱を与えることにより、センター溝内の気中共鳴音の発生を有効に抑制することができる。
これによれば、中間陸部の表面から緩傾斜溝の終端を経由して、急傾斜溝及び緩傾斜溝への水の流し込みをさらにスムーズにすることにより、排水性能を高めて、耐ハイドロプレーニング性能をさらに高めることができる。
これによれば、中間陸部の表面から緩傾斜溝の終端を経由して、急傾斜溝及び緩傾斜溝への水の流し込みをさらにスムーズにすることにより、排水性能を高めて、耐ハイドロプレーニング性能をさらに高めることができる。
図1は、本発明の実施の形態を、車両への装着姿勢の正面視で示すトレッドパターンの展開図である。
ここでは、トレッド踏面部1に、タイヤ赤道線Cを隔てて対称に位置して、トレッド周方向に直線状に連続して延在する一対のセンター周溝2を比較的近接させて設け、一対のセンター周溝2間にセンターリブ3を区画するとともに、タイヤ赤道線Cからその両側にトレッド幅Wのほぼ1/4ずつの距離を隔てた位置に、一対のショルダー周溝4を設ける。さらに、ショルダー周溝4とトレッド踏面端との間にショルダー陸部5を区画し、ショルダー陸部5にはショルダー周溝4とトレッド踏面端とを連通する横溝6を設ける。
また、緩傾斜溝8をほぼ直線状に延在させて、トレッド周方向に対する角度αを、下方から上方に向けてほぼ一定とする。
さらに、ショルダー周溝4の溝幅を、緩傾斜溝8のショルダー周溝への開口位置11の近傍での幅Gから急傾斜溝の開口位置の近傍での幅Hへと、徐々に狭くするとともに、当該次の開口位置11近傍の位置にて幅Gに戻し、トレッド周方向において、周期的に変化させる。
図1および図2(a)に示すように、緩傾斜溝8および急傾斜溝10の溝底から緩傾斜溝8の終端9に向けて溝深さを漸減させるように溝底を底上げして、タイヤの車両への装着姿勢の正面視形状がほぼ三角形状の上げ底傾斜面15を形成し、図1および図2(b)に示すように、緩傾斜溝8の終端9より下方側部分にその終端と対応する部分で表面高さが最も低く、下方側に向けて高さが漸増する一方、センター周溝2に向けて、高さが漸減するよう、リブ13を面取りして、正面視形状がほぼ三角形状の折れ曲がり傾斜面16を形成する。また、三角ブロックのセンター周溝側の端部分をブロック表面高さを漸減させてほぼ三角形状の面取り傾斜面17を形成し、上げ底傾斜面15の急傾斜溝10及び緩傾斜溝8の溝底との交線Lを、三角ブロックの下方端18よりも上方に位置させて、三角ブロック12の面取り傾斜面17の表面高さの最低位置を、上げ底傾斜面15の高さの中間位置で連続させて、上げ底傾斜面15と面取り傾斜面17とは、図2(c)の断面図及び図3の斜視図に示すような、複合面を形成する。これにより、緩傾斜溝8の終端9から急傾斜溝10および緩傾斜溝8への排水をよりスムーズなものとすることができる。ここでは、上げ底傾斜面15と、折れ曲がり傾斜面16および面取り傾斜面17は、平坦面としているが、凸曲面形状とすることも出来る。
さらに、三角ブロック12のショルダー周溝4に面する上方端19と下方端20にも面取りを施し、三角ブロック12の剛性を高めている。
また、比較例タイヤ1は図5に示したトレッドパターンを有し、表2に示す寸法諸元を有するものとし、比較例タイヤ2は図4に示したトレッドパターンを有し、表1に示す寸法諸元を有するものとした。なお、表1に示す符号は、図1、4中の符号と対応するものとし、図4に示すトレッドパターンは、図1に示すトレッドパターンのリブ13のショルダー周溝4に面する端部分14の面取りをしない形状のものである。
比較例タイヤ1と比較例タイヤ2とを比較すると、比較例タイヤ2では、比較例タイヤに較べ耐ハイドロプレーニング性能は高められているものの、リブのショルダー周溝側に面する隅部を面取りしないことにより、ブロックの剛性が低下し、ドライおよびウェット操縦安定性が低下していることが分かる。
2 センター周溝
3 センターリブ
4 ショルダー周溝
5 ショルダー陸部
6 横溝
7 中間陸部
8 緩傾斜溝
9 終端
10 急傾斜溝
11 開口位置
12 三角ブロック
13 リブ
14 隅部
15 上げ底傾斜面
16 折れ曲がり傾斜面
17 面取り傾斜面
18 下方端
19 上方端
20 下方端
21 開口位置
22 開口位置
23 テーパ面
Claims (9)
- トレッド踏面部に、タイヤ赤道線を隔てて位置してトレッド周方向に連続して延びる一対のセンター周溝を形成して、それらの間にセンターリブを区画し、各センター周溝とトレッド踏面端との間に、トレッド周方向に連続して延びる一対のショルダー周溝を形成して、ショルダー周溝とセンター周溝との間に中間陸部を、ショルダー周溝とトレッド踏面端との間にショルダー陸部をそれぞれ区画し、それぞれの中間陸部に、タイヤの車両への装着姿勢の正面視で、上方に向けて相互に離隔する方向に延在してショルダー周溝に開口するそれぞれの緩傾斜溝をトレッド周方向に間隔をおいて形成し、ショルダー陸部に、ショルダー周溝とトレッド踏面端とに開口するそれぞれの横溝をトレッド周方向に間隔をおいて形成してなる空気入りタイヤであって、
各緩傾斜溝のセンター側端を中間陸部内で終了させるとともに、緩傾斜溝のその終端から全長にわたって、周方向に対して緩傾斜溝より小さい角度でショルダー周溝側へ延在して、上方側に隣接する緩傾斜溝のショルダー周溝への開口と重なる位置で、または、その開口よりわずかに下方側でショルダー周溝に開口する急傾斜溝を形成して、これらの両傾斜溝により中間陸部に、三角ブロックとリブとのそれぞれを区画し、そのリブの、ショルダー周溝の近傍に形成される隅部の表面高さをショルダー周溝に向けて漸減させてなる空気入りタイヤ。 - 緩傾斜溝の少なくとも一部を直線状に延在させる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 急傾斜溝を曲線状に延在させるとともに、それの、トレッド周方向に対する角度を、下方から上方に向けて徐々に大きくしてなる請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
- 横溝のトレッド周方向の配列ピッチ数を、緩傾斜溝のトレッド周方向の配列ピッチ数の1.5倍以上かつ3.0以下としてなる請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 緩傾斜溝の前記終端を、中間陸部の、タイヤ赤道面側の縁から中間陸部の幅の3〜50%の範囲に位置させてなる請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- ショルダー周溝の溝幅を、緩傾斜溝のそこへの開口位置から、それの上方側の急傾斜溝のそこへの開口位置までの間で、徐々に狭くしてなる請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 緩傾斜溝の前記終端の近傍部分で、その緩傾斜溝および急傾斜溝のそれぞれの溝底を、その終端に向けて溝深さを漸減する上げ底傾斜面とするとともに、前記リブの、緩傾斜溝の終端位置より下方側部分にその終端と対応する部分で表面高さが最も低く、下方側に向けて高さが漸増する一方、周溝に向けて高さが漸減する、正面視形状がほぼ三角形をなす折れ曲がり傾斜面を設けてなる請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 三角ブロックの、センター周溝に近接する隅部の表面高さを、センター周溝に向けて漸減させる面取り傾斜面を設け、この面取り傾斜面を、表面高さの最低位置で前記上げ底傾斜面に連続させてなる請求項7に記載の空気入りタイヤ。
- 面取り傾斜面の表面高さの最低位置を、前記上げ底傾斜面の高さの中間位置でそれに連続させてなる請求項8に記載の空気入りタイヤ。
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