JP2000247111A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

Info

Publication number
JP2000247111A
JP2000247111A JP11049516A JP4951699A JP2000247111A JP 2000247111 A JP2000247111 A JP 2000247111A JP 11049516 A JP11049516 A JP 11049516A JP 4951699 A JP4951699 A JP 4951699A JP 2000247111 A JP2000247111 A JP 2000247111A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
land portion
tread
pneumatic tire
tire
rib
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11049516A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Himuro
泰雄 氷室
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP11049516A priority Critical patent/JP2000247111A/ja
Priority to EP00905285A priority patent/EP1075971B1/en
Priority to JP2000602478A priority patent/JP4559638B2/ja
Priority to DE60036168T priority patent/DE60036168T2/de
Priority to US09/674,039 priority patent/US6823911B1/en
Priority to PCT/JP2000/001026 priority patent/WO2000051831A1/ja
Priority to ES00905285T priority patent/ES2292428T3/es
Publication of JP2000247111A publication Critical patent/JP2000247111A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 他の性能を犠牲にすることなく排水性能を有
効に高めることができる空気入りタイヤ、特に高性能タ
イヤを提供することにある。 【解決手段】 トレッド部1に、タイヤ周方向に沿って
延びる1対の周方向溝3,4と、前記周方向溝3,4 からト
レッド接地端5,6 に向かって傾斜して延びる多数本の傾
斜溝7a,7b と、前記周方向溝3,4 間にリブ状陸部8とを
配設し、リブ状陸部8の側壁8a,8b の、周方向溝3,4 に
傾斜溝7a,7b が開口する位置7a1,7b1 と対応する部分
に、これと隣接する周方向溝3,4 内に突出する擬似陸部
11を固設し、前記擬似陸部11の表面12を、周方向主溝3,
4 の溝底20からのタイヤ径方向距離がリブ状陸部8の側
壁8a,8b から離れるに従って漸減するような傾斜面で形
成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、他の性能を犠牲
にすることなく排水性能を有効に高めることができる空
気入りタイヤ、特に高性能タイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の空気入りタイヤ、特に、操縦安定
性の向上等を目的として偏平率を小さくした、いわゆる
高性能タイヤのトレッドパターンとしては、タイヤ周方
向に沿って延びる周方向溝と、前記周方向溝からトレッ
ド端に向かって傾斜して延びる多数本の傾斜溝とを組み
合わせて形成するのが一般的である。
【0003】かかるタイヤにおいて、排水性をさらに向
上させるための手段としては、周方向溝や傾斜溝の溝幅
を広げるなどして溝面積比率(ネガティブ率)を高める
のが有用である。
【0004】即ち、上記トレッドパターンを有するタイ
ヤにおいては、周方向溝が主にタイヤの前後方向に排水
する役割を担い、傾斜溝が主にタイヤ側方に排水する役
割を担うことから、かかる溝のネガティブ率を高めるこ
とによって、タイヤの前後方向と側方への排水効率が高
まり、この結果として、タイヤ全体としての排水性能の
向上が期待できるのである。
【0005】また、排水性能を高めるための他の手段と
しては、傾斜溝を、タイヤ周方向に対して小さい角度で
傾斜する、いわゆるハイアングル溝にすること、及び、
傾斜溝をタイヤ赤道側からそれぞれのトレッド端側に向
かって順次接地域に入る方向に配設して、トレッド部に
方向性パターンを形成するのが有用である。
【0006】さらに、トレッド部に同一寸法でかつ同一
本数の周方向溝を配設する場合、トレッド中央域に1本
の周方向溝を配設したタイヤよりも、トレッド中央域に
2本の周方向溝を配設したタイヤの方が排水性能が良好
であることは、発明者の実験などから明らかである。
【0007】しかしながら、これらの排水性能を高める
ための手段はいずれも、他の性能を確保する点から自ず
と限界があった。
【0008】発明者は、トレッド中央域に1対の周方向
溝を配設するとともに、各周方向溝からそれぞれのトレ
ッド端に向かって傾斜して延びる多数本の傾斜溝を配設
したタイヤについて、他の性能を犠牲にすることなく、
排水性能をさらに高めるための詳細な検討を行なったと
ころ、以下の知見を得た。
【0009】即ち、タイヤ前後方向への排水を促進する
周方向溝とタイヤ側方への排水を促進する傾斜溝とは、
排水する方向が大きく異なるため、これらの溝が交差す
る部分において、周方向溝に沿う水の流れと傾斜溝に沿
う水の流れが合流又は分岐する時に衝突してこれらの流
れに乱れが生じ、また、空気を巻きこんで気泡も発生し
やすくなり、双方のスムーズな流れが阻害される結果と
して、排水効率が低下する傾向にあることが判明した。
【0010】また、タイヤ負荷転動時におけるタイヤの
排水機構は、経時的に変化すること、より具体的に言え
ば、タイヤの接地直前は、周方向溝によるタイヤ前方へ
の排水が主であり、また、接地直後(接地時も含む。)
は、周方向溝によるタイヤ前後方向の排水よりもむし
ろ、傾斜溝によるタイヤ側方への排水が主になることを
見出した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、 周
方向溝内に適正形状の擬似陸部を配設することにより、
他の性能を犠牲にすることなく排水性能を有効に高める
ことができる空気入りタイヤ、特に高性能タイヤを提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、 この発明は、 トレッド部に、タイヤ周方向に沿って
延びる1対の周方向溝と、前記周方向溝からトレッド接
地端に向かって傾斜して延びる多数本の傾斜溝と、前記
周方向溝間にリブ状陸部とを配設してなる空気入りタイ
ヤにおいて、リブ状陸部の側壁の、周方向溝に傾斜溝が
開口する位置と対応する部分に、これと隣接する周方向
溝内に突出する擬似陸部を固設し、前記擬似陸部の表面
は、周方向主溝の溝底からのタイヤ径方向距離がリブ状
陸部の側壁から離れるに従って漸減するような傾斜面で
形成することを特徴とする空気入りタイヤである。
【0013】また、リブ状陸部の側壁に固設される前記
傾斜面の基準辺は、リブ状陸部踏面の陸部高さ位置と実
質同一高さ位置にあること、前記リブ状陸部の幅中央位
置は、パターンセンター位置と実質上一致すること、及
び/又は前記傾斜面とリブ状陸部踏面との交角は、タイ
ヤ幅方向断面で見て120 〜150 °の範囲であることが好
ましい。
【0014】加えて、前記傾斜面は実質平面状又は実質
曲面状に形成することが好ましい。前記傾斜面をタイヤ
接地面上に投影するとき、その形状が略三角形状又は略
台形状であることが好ましい。前記傾斜面は、その基準
辺に対向する斜辺がリブ状陸部の側壁の近い側から離れ
る側に向かって順次接地域内に入る向きに形成すること
が好ましい。前記傾斜面の基準辺と斜辺とをタイヤ接地
面上に投影するとき、これらのなす角度は2〜15°の範
囲であることが好ましく、また、前記傾斜面の斜辺をタ
イヤ接地面上に投影したときの形状が、曲率中心がタイ
ヤ幅方向外側にある曲線状であることがより好適であ
る。
【0015】周方向溝、傾斜溝、及び/又はトレッド端
の配設によって区分される陸部の角部を鋭角に形成し、
前記角部を前記擬似陸部の後に接地域に入る位置に配設
すること、擬似陸部の溝底端部と同位置またはその斜辺
の延長線上に、前記角部を配置すること、前記角部に、
好適にはなだらかな曲面状の面取りを施すことが好まし
い。
【0016】そして、この発明のタイヤは、各周方向溝
からそれぞれのトレッド端に向かって延びる傾斜溝はい
ずれも、周方向溝側からトレッド接地端側に向かって順
次接地域内に入る方向に配設し、これによってトレッド
部に方向性パターンを形成するのが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、 この発明の実施の形態の一
例を以下で説明する。図1は、 この発明に従う空気入り
タイヤのトレッドパターンを示したものであり、 図中1
はトレッド部、2はタイヤ赤道面、3及び4は周方向
溝、5及び6はトレッド接地端、7a及び7bは傾斜溝、8
はリブ状陸部、11は擬似陸部、12は傾斜面である。
【0018】この図に示すトレッドパターンを有する空
気入りタイヤは、トレッド部1、好ましくはトレッド中
央域に、タイヤ周方向(タイヤ赤道面2に平行な方向)
に沿って延びる1対の周方向溝3,4と、前記周方向溝
3,4からそれぞれのトレッド接地端5,6に向かって
傾斜して延びる多数本の傾斜溝7a,7b と、前記周方向溝
3,4間にリブ状陸部8とを配設したものである。
【0019】尚、周方向溝3,4をトレッド部に 1対配
設するのは、1本だけだとハイドロプレーニング現象の
発生を十分に抑制することができず良好な排水性能が得
られないからである。
【0020】また、周方向溝3,4は、タイヤ周方向に
沿って延びる形状であればよく、図1に示すような直線
状だけには限定されず、種々の形状にすることができ
る。
【0021】傾斜溝7a,7b は、周方向溝3,4とトレッ
ド接地端5,6との間でタイヤ周方向に対して傾斜して
延びる形状であればよく、図1に示すように、傾斜溝7
a,7bの、トレッド中央域に位置する溝部分9a,9b を、
タイヤ周方向に対する角度が小さくなるように配設し、
トレッド側方域に位置する溝部分10a,10b を、前記角度
が大きくするように配設することが排水性を向上させる
上で好ましいが、両溝部分9aと10a,9bと10b を同じ角度
で配設してもよい。尚、傾斜溝の前記角度は、トレッド
中央域に位置する溝部分9a,9b で、5〜50°の範囲、
トレッド側方域に位置する溝部分10a,10b で、60〜85°
の範囲にすることが好ましい。
【0022】また、この発明では、トレッド中央域に配
置した前記周方向溝3,4間にリブ状陸部8を配設した
トレッドパターンを採用しているが、これは、トレッド
中央域に位置する陸部の剛性を大きくすることによっ
て、微小舵角応答性を高め、乾いた路面での操縦安定性
を確保するためである。
【0023】そして、この発明の構成上の主な特徴は、
周方向溝3,4内に適正形状の擬似陸部11を配設するこ
と、より具体的には、リブ状陸部8の側壁8a,8b の、周
方向溝に傾斜溝が開口する位置と対応する部分に、これ
ら8a,8b とそれぞれ隣接する周方向溝3,4内に突出す
る擬似陸部11を固設し、前記擬似陸部11の表面12を、周
方向主溝3,4の溝底20からのタイヤ径方向距離Lがリ
ブ状陸部8の側壁8a,8b から離れるに従って漸減するよ
うな傾斜面で形成することにあり、この構成を採用する
ことによって、他の性能を犠牲にすることなく排水性能
を有効に高めた空気入りタイヤを開発することに成功し
たのである。以下に、この発明を完成するまでに至った
経緯について作用の説明とともに説明する。
【0024】発明者は、トレッド中央域に1対の周方向
溝を配設するとともに、各周方向溝からそれぞれのトレ
ッド接地端に向かって傾斜して延びる多数本の傾斜溝を
配設したタイヤについて、排水性能をさらに高めるため
の詳細な検討を行なった結果、タイヤ負荷転動時におけ
るタイヤの排水機構が、経時的に変化すること、より具
体的に言えば、タイヤの接地直前は、周方向溝によるタ
イヤ前方への排水が主であり、また、接地直後は、周方
向溝によるタイヤ前後方向の排水よりもむしろ、傾斜溝
によるタイヤ側方への排水が主であるという知見を得た
ことについては既に前述した通りである。
【0025】そこで、発明者は、上記排水機構を考慮し
た上で、排水性能の向上を図るため鋭意検討を行なった
結果、周方向溝内であって、かつ周方向溝に傾斜溝が開
口する位置に対応するリブ状陸部の側壁部分に、所定形
状の擬似陸部を固設することによって、特に、接地直後
における周方向溝内を流れる水が、配設角度の異なる傾
斜溝内へスムーズに流れ込むことができ、接地直後にお
ける傾斜溝によるタイヤ側方への排水効率が顕著に高め
られ、これによって、タイヤの排水性能を有効に向上で
きることを見出し、この発明を完成することに成功した
のである。
【0026】以下に、この発明の具体的構成について詳
細に説明する。擬似陸部11は、周方向溝3,4内であっ
て、かつリブ状陸部8の側壁8a,8b 位置に固設し、かつ
その固設位置が、周方向溝3,4に傾斜溝7a,7b が開口
する位置7a1,7b1 と対応する位置であること、より具体
的には、周方向溝内を流れる水が配設角度の異なる傾斜
溝内への方向転換を行うことができる位置であることが
必要である。
【0027】また、擬似陸部11の配設形状は、リブ状陸
部8の側壁8a,8b とそれぞれ隣接する周方向溝3,4内
に突出する形状とし、これによって、周方向溝3,4内
を流れる水は、擬似陸部11への衝突を通じて、傾斜溝7
a,7b 内への水の流れに方向転換を余儀なくされること
になる。
【0028】しかしながら、上記構成だけでは、水の流
れの上記方向転換をスムーズに行なうことはできない。
【0029】そのため、この発明では、上記構成に加え
て、さらに、前記擬似陸部11の表面12を、周方向主溝
3,4の溝底20からのタイヤ径方向距離Lがリブ状陸部
8の側壁8a,8b から離れるに従って漸減するような傾斜
面で形成することを必須の発明特定事項とする。
【0030】図2は、図1に示す擬似陸部11のA−A線
及びB−B線で切断したときの断面図である。
【0031】擬似陸部11の傾斜面12は、具体的には、リ
ブ状陸部の側壁8a,8b に固設される1辺である基準辺12
a と、その基準辺12a に対向する斜辺12b とを少なくと
も有する。
【0032】尚、ここでいう斜辺12b とは、図1及び図
3(b) のように傾斜面をタイヤ接地面に投影したときの
平面図において、斜辺12b が基準辺12a に対して傾斜し
ている場合の他、図3(a) に示すように、前記平面図に
おいては斜辺12b が基準辺12a と平行であるが、傾斜面
をタイヤ赤道面2に投影したときの側面図において、斜
辺12b が基準辺12a に対して傾斜している場合も含まれ
る。
【0033】そして、この発明では、傾斜面12が、その
基準辺12a がタイヤ踏面近くにあり、その斜辺12b が周
方向溝3,4の溝底20の近くにあることによって、回転
接地直前はタイヤ前方への排水を容易に行うことがで
き、接地が進むにつれて周方向溝3,4内を流れる水
を、傾斜面12によって無理なく方向転換した後、傾斜溝
内にスムーズに流入させることができる。
【0034】この結果、溝内の流れの現象の経時的変化
に応じた排水機構に適したトレッドパターンにすること
ができ、効率的な排水を行うことができる。
【0035】また、前記傾斜面12を有する擬似陸部11を
周方向溝3,4内に配設することに伴う周方向溝3,4
の溝容積の減少によって、タイヤ前方への過大な排水量
を制限し、進行前方の水量の増加を防ぐことができ、こ
れは、ハイドロプレーニング現象の発生を抑制するのの
に有利に作用する。
【0036】さらに、擬似陸部11の配設は、リブ状陸部
8の剛性を補強することができ、これは、乾いた路面に
おける操縦安定性の向上に寄与する。
【0037】前記傾斜面12は、その基準辺12a をリブ状
陸部踏面21の陸部高さ位置と実質同一高さ位置にするこ
と(図2(a),(b))が好ましいが、特に、周方向溝3,4
によるタイヤ前後方向の排水性能を重視する場合には、
前記基準辺12a をリブ状陸部踏面21よりもタイヤ径方向
内側に配置するか、又は基準辺12a と斜辺12b の交角α
を小さく設定して、周方向溝の溝容積をできるだけ確保
することが好ましい。
【0038】前記リブ状陸部の幅中央位置は、パターン
センター位置と実質上一致するように設定することが、
車両の左右車輪のいずれにも使用できるなどの点で好ま
しい。尚、図1では、パターンセンター位置とタイヤ赤
道位置2とが一致する場合を示してあるが、両位置がず
れていてもよい。
【0039】前記傾斜面12は、リブ状陸部踏面21との交
角θは、タイヤ幅方向断面で見て120 〜150 °の範囲に
することがタイヤ前方への排水体積の確保とタイヤ側方
への整流効果の双方をバランスよく満足させることがで
きる点から好ましい。
【0040】前記傾斜面12は、実質平面状に形成する
か、又は実質曲面状に形成するのが乱れのないスムーズ
な排水を行なう点から好ましい。
【0041】前記傾斜面12は、タイヤ接地面上に投影し
たときの形状が略三角形状 (図1)に形成するか、又は
略台形状 (図3(b))に形成するのが、周方向溝3,4の
溝容積を確保しつつ、周方向溝3,4から傾斜溝7a,7b
へ水の流れをスムーズに方向転換するのに好適である
が、これらの形状だけには限定されず、図3(a) に示す
ように傾斜面12の平面形状を矩形状に形成してもよい。
【0042】前記傾斜面12は、その基準辺12a に対向す
る斜辺12b が、リブ状陸部8の側壁側8a,8b の近い側か
ら離れる側に向かって順次接地域内に入るように配設す
れば、傾斜面12が、周方向溝3,4内の水の流れを、傾
斜溝7a,7b の開口部7a1,7b1に向かう方向に傾斜配置
しているため、周方向溝3,4内を流れてきた水がスム
ーズに傾斜溝7a,7b 内に導入されることになる。
【0043】前記傾斜面12の基準辺12a と斜辺12b は、
これらをタイヤ接地面上に投影するとき、これらのなす
角度αは2〜15°の範囲であることが好ましい。即ち、
前記角度αが2°未満だと、タイヤ側方への整流効果が
不足する傾向があるからであり、15°よりも大きいと、
タイヤ前方への排水能力が不足する傾向があるからであ
る。
【0044】前記傾斜面12の斜辺12b は、それをタイヤ
接地面上に投影したときの形状が、曲率中心がタイヤ幅
方向外側にある曲線状であることが溝底へ向かうほどタ
イヤ側方へ流水させる傾向を徐々に強めることになる点
で好ましい。
【0045】周方向溝3,4、傾斜溝7a,7b 、及び/又
はトレッド端の配設によって区分される陸部16a,16b の
角部15を鋭角に形成し、前記角部15は、前記擬似陸部の
後に接地域に入る位置に配設することが、スムーズなタ
イヤ側方への流水導入の点で好ましく、また、図4に示
すように、角部15の溝底頂点が、傾斜面12の斜辺12bの
溝底部とほぼ同位置またはその斜辺12b の延長線上にあ
ることが、同様な理由で好ましく、加えて、前記角部15
に面取り、好適にはなだらかな曲面状の面取りを施すこ
とが、タイヤ前方への排水体積の確保及びブロック剛性
を確保する点で好ましい。
【0046】また、傾斜溝7a,7b は、各周方向溝3,4
からそれぞれのトレッド接地端5,6に向かって延びる
傾斜溝7a,7b はいずれも、周方向溝3,4側からトレッ
ド接地端5,6側に向かって順次接地域内に入る方向に
配設し、これによってトレッド部1に方向性パターンを
形成することが、高排水性を得る上で好ましいが、パタ
ーンセンターで区分された2つの領域のうちのいずれか
一方の位置する傾斜溝7a又は7bが上記構成にすればこの
発明の効果を奏することができる。
【0047】尚、上述したところは、この発明の実施形
態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の
変更を加えることができる。
【0048】例えば、図1に示すように、傾斜溝7a-7a
及び7b-7b 間に位置する陸部16a,16b を、さらに2つの
ブロック陸部13a と14a ,13b と14b に区分する補助溝
17を配設してもよい。また、ブロック陸部13a,13b は、
前記角部15に対向する角部18にも同様の面取りを形成す
ることも可能である。加えて、前記角部18と隣接するブ
ロック陸部14a,14b の側縁部19に擬似陸部11の傾斜面12
と同様な傾斜面を形成することも可能である。
【0049】
【実施例】次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作
し、性能を評価したので以下で説明する。 ・実施例1 実施例1のタイヤは、図1に示すトレッドパターンを有
し、タイヤサイズがPSR205/55R16(トレッド幅:170
mm)であり、周方向溝3,4 、傾斜溝7a,7b 、リブ状陸
部8、擬似陸部11等の寸法等については表1にまとめて
記載してある。尚、トレッド部以外のタイヤ構造につい
ては、従来の乗用車用空気入りタイヤの構造とほぼ同様
とした。
【0050】・実施例2 実施例2のタイヤは、図4に示すトレッドパターンを有
し、表2に示すような周方向溝3,4 、傾斜溝7a,7b 、リ
ブ状陸部8、擬似陸部11等の寸法等を有すること以外は
実施例1のタイヤとほぼ同様に構成した。
【0051】・従来例 また、比較のため、図5に示す一般的なブロックパター
ンを有する従来例のタイヤについても併せて試作し、実
施例と同様に性能を評価した。尚、図5のブロックパタ
ーンを構成する周方向溝101 〜103 及び傾斜溝104 〜10
6 の寸法等については表3に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】(試験方法)上記各供試タイヤをJATMA で
規定する標準リムに装着し、タイヤ内圧:2.3kgf/c
m2 、タイヤ負荷荷重:実車2名乗車相当の条件下で、
濡れた路面での排水性能、乾いた路面での操縦安定性
能、及びパターンノイズを評価するための試験を行なっ
た。
【0056】濡れた路面での排水性能は、直進走行時の
排水性能と、旋回走行時の排水性能のに双方によって評
価した。
【0057】直進走行時の排水性能は、水深5mmの濡
れた路面を走行させ、速度をステップ的に増加させてい
き、ハイドロプレーニング現象が発生したときの速度を
測定し、これによって評価した。
【0058】旋回走行時の排水性能は、水深5mmの半
径80mの濡れた旋回路面を走行させ、速度をステップ
的に増加させていき、ハイドロプレーニング現象が発生
したときの速度を測定し、これによって評価した。
【0059】乾いた路面での操縦安定性能は、乾いた路
面状態にあるサーキットコースを各種走行モードにてス
ポーツ走行したときのテストドライバーによるフィーリ
ングによって評価した。
【0060】パターンノイズは、平滑な路面上を走行さ
せ、100km /hから惰行させたときの車内音をテストド
ライバーによるフィーリングによって評価した。
【0061】これらの評価結果を表4に示す。尚、表4
中の数値は、いずれも従来例を100とした指数比で示し
てあり、直進走行時の排水性能旋回走行時の排水性能、
及び乾いた路面での操縦安定性能は、数値が大きいほど
優れており、また、パターンノイズは数値が小さいほど
優れている。
【0062】
【表4】
【0063】表4の結果から、実施例1及び2のタイヤ
は、従来例のタイヤに比べて、濡れた路面での排水性能
と乾いた路面での操縦安定性能のいずれもが優れてお
り、しかも、パターンノイズについても従来例と同等レ
ベルである。
【0064】
【発明の効果】この発明によって、パターンノイズ等の
他の性能を犠牲にすることなく排水性能を有効に高める
ことができる空気入りタイヤ、特に高性能タイヤを提供
することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う空気入りタイヤ (実施例1)
のトレッド部の一部を展開した図である。
【図2】 (a) 及び(b) はそれぞれ図1のA−A及びB
−B断面図である。
【図3】 (a) 及び(b) は擬似陸部11の傾斜面12の平面
図である。
【図4】 実施例2のタイヤのトレッド部の一部を展開
した図である。
【図5】 従来タイヤ (従来例) のトレッド部の一部を
展開した図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 タイヤ赤道面 3,4 周方向溝 5,6 トレッド接地端 7a,7b 傾斜溝 8 リブ状陸部 9a,9b 傾斜溝7a,7b の溝部分 10a,10b 傾斜溝7a,7b の溝部分 11 擬似陸部 12 擬似陸部11の傾斜面 13a,13b ブロック陸部 14a,14b ブロック陸部 15 角部 16a,16b 陸部 17,22 補助溝 18 角部 19 陸部14a,14b の側縁部 20 周方向溝3,4 の溝底 21 リブ状陸部8の踏面

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延
    びる1対の周方向溝と、前記周方向溝からトレッド接地
    端に向かって傾斜して延びる多数本の傾斜溝と、前記周
    方向溝間にリブ状陸部とを配設してなる空気入りタイヤ
    において、 リブ状陸部の側壁の、周方向溝に傾斜溝が開口する位置
    と対応する部分に、これと隣接する周方向溝内に突出す
    る擬似陸部を固設し、 前記擬似陸部の表面は、周方向主溝の溝底からのタイヤ
    径方向距離がリブ状陸部の側壁から離れるに従って漸減
    するような傾斜面で形成することを特徴とする空気入り
    タイヤ。
  2. 【請求項2】 リブ状陸部の側壁に固設される前記傾斜
    面の基準辺は、リブ状陸部踏面の陸部高さ位置と実質同
    一高さ位置にある請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記リブ状陸部の幅中央位置は、パター
    ンセンター位置と実質上一致する請求項1又は2記載の
    空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記傾斜面とリブ状陸部踏面との交角
    (θ)は、タイヤ幅方向断面で見て120 〜150 °の範囲
    である請求項1、2又は3記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記傾斜面は実質平面状に形成する請求
    項1〜4のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記傾斜面は実質曲面状に形成する請求
    項1〜4のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 前記傾斜面をタイヤ接地面上に投影する
    とき、その形状が略三角形状又は略台形状である請求項
    1〜6のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  8. 【請求項8】 前記傾斜面は、その基準辺に対向する斜
    辺が、リブ状陸部の側壁に近い側から離れる側に向かっ
    て順次接地域内に入る請求項7記載の空気入りタイヤ。
  9. 【請求項9】 前記傾斜面の基準辺と斜辺とをタイヤ接
    地面上に投影するとき、これらのなす角度(α)は2〜
    15°の範囲である請求項8記載の空気入りタイヤ。
  10. 【請求項10】 前記傾斜面の斜辺をタイヤ接地面上に
    投影したときの形状が、曲率中心がタイヤ幅方向外側に
    ある曲線状である請求項8又は9記載の空気入りタイ
    ヤ。
  11. 【請求項11】 周方向溝、傾斜溝、及び/又はトレッ
    ド端の配設によって区分される陸部の角部を鋭角に形成
    し、前記角部は、前記擬似陸部の後に接地域に入る位置
    に配設する請求項1〜10のいずれか1項記載の空気入
    りタイヤ。
  12. 【請求項12】 擬似陸部の溝底端部と同位置またはそ
    の斜辺の延長線上に、前記角部を配置する請求項11記
    載の空気入りタイヤ。
  13. 【請求項13】 前記角部に面取りを施してなる請求項
    11又は12記載の空気入りタイヤ。
  14. 【請求項14】 前記角部の面取りをなだらかな曲面状
    に形成する請求項13記載の空気入りタイヤ。
  15. 【請求項15】 各周方向溝からそれぞれのトレッド接
    地端に向かって延びる傾斜溝はいずれも、周方向溝側か
    らトレッド端側に向かって順次接地域内に入る方向に配
    設し、これによってトレッド部に方向性パターンを形成
    する請求項1〜14のいずれか1項記載の空気入りタイ
    ヤ。
JP11049516A 1999-02-26 1999-02-26 空気入りタイヤ Pending JP2000247111A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11049516A JP2000247111A (ja) 1999-02-26 1999-02-26 空気入りタイヤ
EP00905285A EP1075971B1 (en) 1999-02-26 2000-02-23 Pneumatic tire
JP2000602478A JP4559638B2 (ja) 1999-02-26 2000-02-23 空気入りタイヤ
DE60036168T DE60036168T2 (de) 1999-02-26 2000-02-23 Luftreifen
US09/674,039 US6823911B1 (en) 1999-02-26 2000-02-23 Pneumatic tire including pseudo-land portion formed in circumferential groove
PCT/JP2000/001026 WO2000051831A1 (fr) 1999-02-26 2000-02-23 Pneumatique
ES00905285T ES2292428T3 (es) 1999-02-26 2000-02-23 Cubierta neumatica.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11049516A JP2000247111A (ja) 1999-02-26 1999-02-26 空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000247111A true JP2000247111A (ja) 2000-09-12

Family

ID=12833315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11049516A Pending JP2000247111A (ja) 1999-02-26 1999-02-26 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000247111A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002103920A (ja) * 2000-09-06 2002-04-09 Goodyear Tire & Rubber Co:The 空気タイヤ用トレッド
JP2002114009A (ja) * 2000-10-10 2002-04-16 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
US6796348B2 (en) * 2000-07-18 2004-09-28 Bridgestone Corporation Pneumatic tire including blocks having reinforcing portions
WO2004106091A1 (ja) * 2003-05-28 2004-12-09 Bridgestone Corporation 空気入りタイヤ
JP2005053365A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
KR100492249B1 (ko) * 2002-09-27 2005-05-30 한국타이어 주식회사 배토성 및 배수성을 향상시킨 공기입 타이어
US7182113B2 (en) * 2002-01-18 2007-02-27 Bridgestone Corporation Pneumatic tire with tread including protruding portions on wall surface of groove
WO2011059008A1 (ja) * 2009-11-16 2011-05-19 株式会社ブリヂストン タイヤ
WO2013088717A1 (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
DE102015226035A1 (de) 2014-12-22 2016-06-23 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. Luftreifen
KR20180125891A (ko) * 2017-05-16 2018-11-26 스미토모 고무 고교 가부시키가이샤 타이어
JP2020152267A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 住友ゴム工業株式会社 タイヤ
CN112313090A (zh) * 2018-06-21 2021-02-02 株式会社普利司通 轮胎

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6796348B2 (en) * 2000-07-18 2004-09-28 Bridgestone Corporation Pneumatic tire including blocks having reinforcing portions
JP2002103920A (ja) * 2000-09-06 2002-04-09 Goodyear Tire & Rubber Co:The 空気タイヤ用トレッド
JP2002114009A (ja) * 2000-10-10 2002-04-16 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP4562268B2 (ja) * 2000-10-10 2010-10-13 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
US7182113B2 (en) * 2002-01-18 2007-02-27 Bridgestone Corporation Pneumatic tire with tread including protruding portions on wall surface of groove
CN1322991C (zh) * 2002-01-18 2007-06-27 株式会社普利司通 充气轮胎
KR100492249B1 (ko) * 2002-09-27 2005-05-30 한국타이어 주식회사 배토성 및 배수성을 향상시킨 공기입 타이어
WO2004106091A1 (ja) * 2003-05-28 2004-12-09 Bridgestone Corporation 空気入りタイヤ
US7527082B2 (en) 2003-05-28 2009-05-05 Bridgestone Corporation Pneumatic tire with outermost circumferential grooves having zigzag bottoms
JP2005053365A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
WO2011059008A1 (ja) * 2009-11-16 2011-05-19 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP2011105094A (ja) * 2009-11-16 2011-06-02 Bridgestone Corp タイヤ
US8844590B2 (en) 2009-11-16 2014-09-30 Bridgestone Corporation Tire with tread having projecting portion projecting from groove bottom of circumferential groove
WO2013088717A1 (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
DE102015226035A1 (de) 2014-12-22 2016-06-23 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. Luftreifen
KR20180125891A (ko) * 2017-05-16 2018-11-26 스미토모 고무 고교 가부시키가이샤 타이어
KR102528225B1 (ko) * 2017-05-16 2023-05-02 스미토모 고무 코교 카부시키카이샤 타이어
CN112313090A (zh) * 2018-06-21 2021-02-02 株式会社普利司通 轮胎
US11872847B2 (en) 2018-06-21 2024-01-16 Bridgestone Corporation Tire
JP2020152267A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 住友ゴム工業株式会社 タイヤ
JP7298226B2 (ja) 2019-03-20 2023-06-27 住友ゴム工業株式会社 タイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4559638B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3380605B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4862090B2 (ja) 空気入りタイヤ
US7178570B2 (en) Pneumatic tire including main and auxiliary oblique grooves in axially inner region of tread
JP3493177B2 (ja) 空気入りタイヤ
US20100326577A1 (en) Pneumatic tire
JP4562268B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4744800B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH09328003A (ja) 空気入りタイヤ
JP2007161114A (ja) 空気入りタイヤ
JP4065718B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3383405B2 (ja) ストレート溝を有する空気入りタイヤ
JP2002172916A (ja) 空気入りタイヤ
JP2000247111A (ja) 空気入りタイヤ
JPH05330313A (ja) 空気入りタイヤ
JP4462667B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3447367B2 (ja) 方向性傾斜溝を有する空気入りタイヤ
JP4615655B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH11198611A (ja) 方向性傾斜溝を備えた乗用車用空気入りラジアル・タイヤ
JP2001225611A (ja) 方向性パターンを有する空気入りタイヤ
JP2001163011A (ja) 空気入りタイヤ
JP4275257B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2003237318A (ja) 空気入りタイヤ
JP2003237319A (ja) 空気入りタイヤ
JPH1016515A (ja) 空気入りタイヤ