JP2001225611A - 方向性パターンを有する空気入りタイヤ - Google Patents
方向性パターンを有する空気入りタイヤInfo
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Abstract
おしなべて向上させる。 【解決手段】 トレッド中央域に周方向主溝2を設ける
とともに、トレッド側部域に、トレッド中心線Cに対し
て対称的に傾斜して延びる緩急二種類のそれぞれの傾斜
溝4,5を周方向に交互に設け、急傾斜溝を、トレッド
中央域で屈曲させ、この屈曲部5aよりトレッド中心線
側で、そのトレッド中心線Cに対する傾斜角度を緩傾斜
溝のそれより小さくするとともに、その緩傾斜溝に相合
させ、緩急両傾斜溝4,5を屈曲部5aよりトレッド端
側でほぼ平行に延在させ、両傾斜溝4,5を直接的また
は間接的に周方向主溝2に開口させるとともに、両傾斜
溝4,5の相合部6の近傍部分に、溝底をなだらかに底
上げする隆起部8を設けてなる。
Description
パターンを有する、運動性能に優れた高性能空気入りタ
イヤに関し、特に、排水性能、操縦安定性能および低騒
音性能のそれぞれを、他の性能を犠牲にすることなく向
上させるものである。
操縦安定性能および低騒音性能を向上させるためには、
それぞれ以下のような構成を採用することが一般的であ
る。
傾斜溝との組み合わせになるブロックパターンを基本と
して、周方向主溝によって前後方向の排水を、そして傾
斜溝によって横方向の排水をそれぞれ促進することの
他、ネガティブ率を大きくして溝内への水の流入効率を
高め、また、傾斜溝を、それのトレッド周方向に対する
傾斜角を小さくしたハイアングル溝として、とくにトレ
ッド中央域でのタイヤ周方向の排水を迅速かつ円滑なら
しめることが広く行われている。
斜溝の溝底の一部を底上げすること等によってブロック
剛性を高めることが、そして、低騒音性能に関しては、
傾斜溝を周方向主溝に開口させずに止めることで、ブロ
ックの、路面への衝突衝撃および振動を抑制して低ノイ
ズ化を図ることがともに広く行われている。
構成を組み合わせ適用して、これらの性能をおしなべて
向上させようとすると、以下のような不都合が生じる。
すなわち、前後方向の排水のための周方向主溝と横方向
排水のための傾斜溝とに代表されるように、角度の異な
る溝どうしが互いに交差する構成の下では、各溝から流
入する水が衝突等するために水流に乱れが生じ、気泡が
発生して排水性能の低下を招くおそれがあり、また、傾
斜溝の溝底の底上げおよび、傾斜溝の、周方向主溝の手
前での終了によれば、ブロック剛性を高め、低ノイズ化
をもたらし得るも、溝体積の減少等によって排水性能が
低下することになる。
合には、それにて区画される陸部の剛性低下に起因する
操縦安定性の低下が否めず、また、ネガティブ率を大き
くした場合には、溝内の空気体積の増加に起因するパタ
ーンノイズの増加が余儀なくされる。
組合わせの下に、排水性能、操縦安定性能および低騒音
性能のそれぞれをともに有利に向上させた空気入りラジ
アルタイヤを、特開平9−2025号として提案した。
対の周方向主溝からパターンエンド側に延び、周方向主
溝に対して同一方向に傾斜してトレッド接地端に開口す
る複数本の傾斜主溝を設けた空気入りラジアルタイヤに
おいて、各傾斜主溝を、パターンセンタ区域の近傍部分
に位置する急傾斜部分と、トレッド接地端の近傍部分に
位置する緩傾斜部分とで構成し、急傾斜部分のトレッド
周方向に対する角度を0〜30°、緩傾斜部分の同様の
角度を70〜90°とし、周方向主溝と傾斜主溝で画成
される陸部の、トレッド中央域側の先細り端部分の表面
高さを、先端側に向けて滑らかに低減させたものであ
る。
ような空気入りラジアルタイヤにさらに改良を加えたも
のであり、それの目的とするところは、優れた排水性能
を確保しつつ、操縦安定性能および低騒音性能のそれぞ
れを一層向上させた空気入りタイヤを提供することにあ
る。
ーンを有する空気入りタイヤは、トレッド中央域に少な
くとも一本の周方向主溝を設けるとともに、それぞれの
トレッド側部域に、トレッド中心線に対して対称的に傾
斜して延びる緩急二種類のそれぞれの傾斜溝を周方向に
交互に設け、急傾斜溝を、トレッド端から測ってトレッ
ド幅の1/4の位置よりトレッド中心線側で屈曲させ、
この屈曲部よりトレッド中心線側で、そのトレッド中心
線に対する傾斜角度を緩傾斜溝のそれより小さくすると
ともに、トレッド中央域でその緩傾斜溝に相合させ、緩
急両傾斜溝を前記屈曲部よりトレッド端側でほぼ平行に
延在させたところにおいて、両傾斜溝を直接的または間
接的に周方向主溝に開口させるとともに、両傾斜溝が相
互に連通する相合部の近傍部分、いいかえれば、その相
合部をも含む近傍部分に、溝底をなだらかに底上げする
隆起部を設けたものである。
溝によりトレッド接地面の前後方向へのまた、周方向主
溝に開口する傾斜溝により、主には、接地面の側方への
それぞれの排水を司ることができる。
方域では、トレッド中心線に対する傾斜角度が大きい緩
傾斜とし、トレッド中央域では急傾斜とすることが、溝
の延在方向を、トレッド接地面内での排水水流の流線に
一致させる上で好ましいも、急傾斜をなす溝は、配設ピ
ッチを大きくし難く、十分な陸部剛性の確保が懸念され
るので、ここでは、緩急二種類の溝を周方向に交互に配
設することで、とくにトレッド中央域での排水性能の向
上を、陸部剛性の低下なしに実現する。
を、それらの相合下で周方向主溝に開口させることで、
周方向主溝を流れる水を、傾斜溝内へ、水流の乱れ等な
しに円滑に分岐流動させることができるので、その水
を、エネルギ損失なしに効率よく排水することができ
る。
は、溝底を底上げする隆起部を設けることで、両傾斜溝
間に区画される陸部の、先細り端部分の剛性低下を抑制
することができる。ところで、この隆起部は、溝底をな
だらかに底上げするものとすることで、周方向主溝を流
れる水の、傾斜溝への分岐流動を、少ない抵抗の下で十
分円滑に行わせることができる。
円周上での溝底部の曲げ剛性を高めて、トレッド部の回
転接地に際する、陸部の踏込み辺縁の、路面への衝突衝
撃を緩和することおよび、溝内の空気体積を低減させる
こと等によって、パターンノイズの低下に大きく寄与す
ることができる。
の溝の他、とくには隆起部の作用の下で、排水性能、操
縦安定性能および低騒音性能のそれぞれを、他の性能を
犠牲にすることなくおしなべて向上させることができ
る。
のトレッド中心線側に隆起部のピークを設け、このピー
ク位置から、トレッド中心線側およびトレッド端側のそ
れぞれに向けて隆起部の高さを漸減させ、より好ましく
は、高さの漸減を直線的に行わせる。
積を低減させて、そこで流水速度を高めるノズル効果を
もたらすことにより、周方向主溝からの分岐水流の、そ
れぞれの傾斜溝への迅速にして円滑な流入を担保するこ
とができ、このことは、隆起部の高さを、そのピーク部
分から直線的に低下させて、溝ボリュームを確保しつ
つ、溝壁面の流動抵抗を極力抑制した場合に一層効果的
である。
部の幅、いいかえれば、隆起部を形成した溝部の幅を、
それのピーク位置を境に、トレッド中心線側およびトレ
ッド端側のそれぞれに向けて漸増させた場合により顕著
になる。
の隣接縁の高さを、タイヤの回転方向後方側へ向けて漸
減させ、これにより、陸部の剛性確保とスムースな排水
とを両立させる。
れる陸部の先細り端部分を隆起部内へ入り込ませ、これ
によって、その先細り端部分の剛性を一層高めて、すぐ
れた操縦安定性能を確保する。
先端に向けて漸減させる、たとえば曲面状の面取り部を
設けた場合には、先細り先端部分の剛性のより一層の増
加をもたらすことができ、併せて、周方向主溝からの分
岐水流を、それぞれの傾斜溝に再び分岐させるに当って
の、その分岐点での流れの停滞を防止することができ
る。
回転方向後方側に隣接する陸部先細り部分に、その高さ
を先端に向けて漸減させる、たとえば曲面状の面取り部
を設けた場合にもほぼ同様である。
向に連続する環状陸部を設け、また、トレッド端から測
ってトレッド幅方向の1/4の位置近傍に、周方向副溝
を設ける。前者によれば、環状陸部それ自身の剛性の下
で、とくに小蛇角時の操縦安定性能を向上させることが
でき、後者によれば、前後方向の排水性能を向上させる
ことができる他、ショルダー域の接地性を向上させて、
操縦性を高めることができる。
面に示すところに基づいて説明する。図1は、一の実施
形態を示すトレッドパターンの展開図であり、ここで
は、トレッド1の中央域に、トレッド周方向に直線状に
連続して延びる一対の周方向主溝2を、トレッド中心線
Cに対して対称に形成して、トレッド中央部に、周方向
に連続する一本の環状陸部3を区画する。
てたそれぞれの側部に、図の下方から上方に向かって相
互に離隔する方向へ傾斜して延在する緩急二種類の傾斜
溝4,5のそれぞれを、周方向に交互に形成して、周方
向主溝2およびトレッド踏面端TEのそれぞれに開口さ
せて、それぞれの側部の傾斜溝4,5の相互を、トレッ
ド周方向でのオフセット状態の下に対称的に傾斜させて
延在させる。
に対して比較的大きな傾斜角度で延在させ、また、急傾
斜溝5は、トレッド端Eから測ってトレッド幅Wの1/
4の位置よりトレッド中心側で屈曲させ、この屈曲部5
aよりトレッド中心線側では、その中心線Cに対する傾
斜角度を緩傾斜溝4のそれより小さくして、トレッド中
央域、図では周方向主溝3の近傍域でその緩傾斜溝4に
相合させ、この一方で、急傾斜溝5の他の部分は、緩傾
斜溝4とほぼ平行に延在させる。
5を、相合部6から拡幅部分7を介して周方向溝2に開
口させるとともに、その相合部6をも含むその近傍部分
に、溝底をなだらかに底上げする隆起部8を設ける。
斜溝4,5の、相合部6の手前側部分から拡幅部分7の
全体に至る領域にあって、相合部6のトレッド中心線側
に、溝とほぼ直交する方向に直線状に延びるピーク8a
を有するとともに、図2に、図1のII−II線に沿う断面
を示すところから明らかなように、そのピーク位置か
ら、トレッド端側およびトレッド中心線側のそれぞれに
向けて、隆起部8の高さをたとえば直線的に漸減させる
傾斜面9a,9bを有する。
された陸部の先細り端部分を示し、ここでは、隆起部内
へ入り込むこの先端部分10は、先端に向けて陸部高さ
を、たとえば曲面状に漸減させる面取り部10aを具え
る。
それを設けた溝部は、図1に示すところから明らかなよ
うに、それのピーク8aを境として、トレッド端側およ
びトレッド中心線側のそれぞれに向けて次第に漸増する
幅を有しており、この隆起部8の平面形状は、ピーク8
を共通の頂辺とする一対のほぼ台形形状をなす。
の、周方向主溝2への隣接縁の高さを、タイヤの回転方
向後方側に向けて、たとえば直線状に漸減させ、この一
方で、その隆起部8の、タイヤ回転方向後方側に隣接す
る隆部先細り部分11に、その高さを先端に向けて、い
いかえれば隆起部側に向けて漸減させる、たとえば曲面
状の面取り部11aを設ける。図3は、これらのそれぞ
れの面の相対関係を示す図1のIII −III 線に沿う断面
図であり、傾斜面9bと面取り部11aとの境界には谷
線が形成されることになる。
から測ってトレッド幅Wの1/4の位置近傍に、細幅の
周方向副溝12を形成し、これにより、その周方向副溝
12よりトレッド中心線側に、緩急二種類の傾斜溝4,
5に挟まれるブロック13と、それらの傾斜溝4,5お
よび、隆起部8の形成溝部の他、周方向主溝2にも挟ま
れるブロック14とを区画し、その副溝12よりトレッ
ド端側に他の二種類のブロック15,16を区画する。
なお図4は、以上のように構成してなるタイヤのIV−IV
線に沿う断面図である。
であり、これはとくに、ブロック14の、面取り部11
aを設けた陸部先細り部分11を、隆起部8によって挟
み込んだものであり、これにより、先細部分11と隆起
部8とが図6に示すような断面形状を有するものであ
る。
ば、主には、それぞれの溝2,4,5と、隆起部8と、
面取り部10a,11aの作用の下に、排水性能、操縦
安定性能および低騒音性能のそれぞれをともに有効に向
上させることができる。
して行った、排水性能、ドライ路面での操縦安定性能お
よび低騒音性能に関する比較試験について説明する。 ◎供試タイヤ サイズが205/55R16で、トレッド接地幅(W)
が170mmのタイヤ。 ・実施例タイヤ1および2 図1および2に示すそれぞれのトレッドパターンを有す
るタイヤであって、表1および2に示すそれぞれの寸法
諸元を有するものとした。
表3に示す寸法諸元を有するものとした。
2名乗車相当分としたところにおいて、排水性能につい
ては、水深5mmのウェット路面を直進走行する際のハ
イドロプレーニング現象の発生限界速度を計測評価する
と共に、水深5mmの半径80mのウェット路面を旋回
走行する際のハイドロプレーニング現象の発生限界横G
を計測評価した。また、操縦安定性能については、ドラ
イ状態のサーキットコースを各種走行モードにてスポー
ツ走行した際のテストドライバーのフィーリングをもっ
て評価した。そして、低騒音性能については、直線平滑
路を100km/hから惰性走行した際の車室内騒音を
フィーリングをもって評価した。
指数表示する。なお、指数地は大きいほど優れた結果を
示すものとする。
イヤはいずれも、排水性能、操縦安定性能および低騒音
性能のそれぞれを、従来タイヤに比しておしなべて向上
させ得ることが明らかである。
に、この発明によれば十分な排水性能を確保してなお、
操縦安定性能および低騒音性能をともに有効に向上させ
ることができる。
ンの展開図である。
る。
Claims (11)
- 【請求項1】 トレッド中央域に少なくとも一本の周方
向主溝を設けるとともに、それぞれのトレッド側部域
に、トレッド中心線に対して対称的に傾斜して延びる緩
急二種類のそれぞれの傾斜溝を周方向に交互に設け、急
傾斜溝を、トレッド端から測ってトレッド幅の1/4の
位置よりトレッド中心線側で屈曲させ、この屈曲部より
トレッド中心線側で、そのトレッド中心線に対する傾斜
角度を緩傾斜溝のそれより小さくするとともに、トレッ
ド中央域でその緩傾斜溝に相合させ、緩急両傾斜溝を前
記屈曲部よりトレッド端側でほぼ平行に延在させてなる
方向性パターンを有する空気入りタイヤにおいて、 両傾斜溝を直接的または間接的に周方向主溝に開口させ
るとともに、両傾斜溝の相合部の近傍部分に、溝底をな
だらかに底上げする隆起部を設けてなる方向性パターン
を有する空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 前記相合部の交差部分に隆起部のピーク
を設け、このピク位置から、トレッド中心線側およびト
レッド端側のそれぞれに向けて隆起部の高さを漸減させ
てなる請求項1に記載の方向性パターンを有する空気入
りタイヤ。 - 【請求項3】 前記隆起部の高さを、ピーク位置から、
トレッド中心線側およびトレッド端側のそれぞれに向け
て直線的に低下させてなる請求項2に記載の方向性パタ
ーンを有する空気入りタイヤ。 - 【請求項4】 前記隆起部の幅を、前記ピーク位置を境
として、トレッド中心線側およびトレッド端側のそれぞ
れに向けて漸増させてなる請求項2もしくは3に記載の
方向性パターンを有する空気入りタイヤ。 - 【請求項5】 前記隆起部の平面形状を、それのピーク
位置を共通辺とする一対のほぼ台形形状としてなる請求
項2〜4のいずれかに記載の方向性パターンを有する空
気入りタイヤ。 - 【請求項6】 前記隆起部の、周方向主溝への隣接縁の
高さを、タイヤの回転方向後方側に向けて漸減させてな
る請求項1〜5のいずれかに記載の方向性パターンを有
する空気入りタイヤ。 - 【請求項7】 緩急両傾斜溝間に区画される陸部の先細
り端部分を、前記隆起部内へ入り込ませてなる請求項1
〜6のいずれかに記載の方向性パターンを有する空気入
りタイヤ。 - 【請求項8】 緩急両傾斜溝間に区画される陸部の先細
り端部分に、その高さを先端に向けて漸減させる面取り
部を設けてなる請求項1〜7のいずれかに記載の方向性
パターンを有する空気入りタイヤ。 - 【請求項9】 前記隆起部の、タイヤ回転方向後方側に
隣接する陸部先細り部分に、その高さを先端に向けて漸
減させる面取り部を設けてなる請求項1〜8のいずれか
に記載の方向性パターンを有する空気入りタイヤ。 - 【請求項10】 トレッド中央域に、周方向に連続する
環状陸部を設けてなる請求項1〜9のいずれかに記載の
方向性パターンを有する空気入りタイヤ。 - 【請求項11】 トレッド端から測ってトレッド幅の1
/4の位置近傍に、周方向副溝を設けてなる請求項1〜
10のいずれかに記載の方向性パターンを有する空気入
りタイヤ。
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