JP2005047568A - 蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチとそれを用いたスタンディングパウチ包装体 - Google Patents

蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチとそれを用いたスタンディングパウチ包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】膨張時の形状を安定させて、加熱しても袋が傾かないようにした電子レンジ加熱用の蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチとそれを用いた包装体を提供すること。
【解決手段】二つ折りされた底テープ(3)と表裏二枚の本体フィルム(1、2)の両端縁を側部シール(11)し、下部端縁を船底形状に底部シール(12)してなるスタンディングパウチにおいて、底部シールの形状が、船底部分で角度(θ)を有する形状であり、底テープと表裏二枚の本体フィルムのうちのいずれか一方の本体フィルムの間に、イージーピールテープ(4)が底部シールの幅方向においては全体にわたって設けられ、縦方向においてはパウチの端縁から中央近傍で船底シールの上縁より突出するように設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチと該スタンディングパウチを用いた蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチ包装体に関し、特には、電子レンジ加熱により発生する蒸気の力でスタンディングパウチの開口を行う蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチとその包装体に関する。
従来、レトルト殺菌が可能で、かつ、電子レンジ加熱が可能なスタンディングパウチとして、電子レンジ加熱時に食品から発生する蒸気圧等の内圧により突然に破袋することを防止するため、底テープの積層フィルムのシーラント層にイージーピールフィルムを使用したものがある。
例えば、本体フィルムとして、延伸ナイロン(ONy)フィルム/未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムからなる積層フィルムを使用し、底テープとして、ONyフィルム/イージーピールフィルムからなる積層フィルムを使用した構成のものがある。
しかしながら、この構成のスタンディングパウチは、底部シール全体のシーラント層にイージーピールフィルムを使用しているため、レトルト殺菌時には真空包装してないと底シールが破れて漏れる、殺菌条件も100〜110°C程度の温度条件のみ可能でそれ以上の温度(例えば120°C)になると適応できない、また、流通段階では耐圧性が弱く、底シール部分が後退する、等の問題があり、さらにこのスタンディングパウチを電子レンジ加熱する際には、袋が破れないように必ず、横に倒す必要があり、また、開口を片方の面に限定するため、孔を開けて後退幅を短くしている。また、孔はパンチングによる開口であり、抜きカスが製品のスタンディングパウチに混入する恐れもある。
また、シーラント層を有する少なくとも1枚のシートを両シーラント層が対向するように配置してヒートシールすることにより製袋した袋において、袋の底辺側を二股に分れたガゼットに形成し、その二股のうちの片方の室の上端側および下端側にそれぞれ第1薄膜介在シール部、第2薄膜介在シール部を設けると共に、これら両薄膜介在シール部のシール強度が、袋のシール部のうち薄膜非介在シール部のシール強度よりも相対的に小さくなるようにしてあるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−175681号公報(請求項1) しかしながらこの場合にも、電子レンジで加熱を行うと、スタンディングパウチ(50)が加熱により膨張する際に、図4に示すように、例えば、スタンディングパウチ(50)が前後や左右に傾き、前に傾いた時には内容物(60)がイージーピール部分(52)から飛び出してしまうことがある。
また、蒸気がどこから抜け出すか確定できず、不安定である。
本発明は、電子レンジ加熱により発生する蒸気の力でスタンディングパウチの開口を行う、蒸気抜き機能を有する包装袋に関する以上のような問題を解決するためになされたもので、膨張時に蒸気が一点に集中して抜け出るようにし、形状を安定させて、電子レンジ加熱を施しても袋が傾かないようにした電子レンジ加熱用の蒸気抜き機能を有するスタン
ディングパウチとそれを用いたスタンディングパウチ包装体を提供することを課題とする。
本発明の請求項1の発明は、二つ折りされた底テープと表裏二枚の本体フィルムの両端縁を側部シールし、下部端縁を船底形状に底部シールしてなるスタンディングパウチにおいて、前記底部シールの形状が、船底部分で角度を有する形状であり、かつ、前記二つ折りされた底テープと、表裏二枚の本体フィルムのうちのいずれか一方の本体フィルムの間に、易剥離性のイージーピールテープが底部シールの幅方向においては全体に渡って設けられ、また、縦方向においては袋の端縁から中央近傍で船底シールの上縁より突出するように設けられていることを特徴とする、蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチである。
このように請求項1記載の発明によれば、底部シールの形状が、船底部分で角度を有する形状であり、かつ、前記二つ折りされた底テープと、表裏二枚の本体フィルムのうちのいずれか一方の本体フィルムの間に、易剥離性のイージーピールテープが底部シールの幅方向においては全体に渡って設けられ、また、縦方向においては袋の端縁から中央近傍で船底シールの上縁より突出するように設けられているので、内容物を充填して開口部を熱融着した包装体を横置きして電子レンジ加熱して、内圧が上昇して包装袋が膨らんできても、底部の底テープの部分が足の役割を果してスタンディングパウチ包装体が上下左右に傾かない。
また、底部シールが上記のような形状からなるので、蒸気は高い個所に設けられた角度部分に集中してそこから放出される。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記底部シールの形状が、船底部分で角度を有する形状であり、かつ、角度の先端が底部方向に向けてVの字状に一段と尖って形成されていることを特徴とする、蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチである。
このように請求項2記載の発明によれば、底部シールの形状が船底部分で角度を有する形状であり、かつ、角度の先端が底部方向に向けてVの字状に一段と尖って形成されているので、その部分から蒸気がより抜け出しやすし、折り曲げ線がつき易い。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2記載の蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチに内容物を充填して開口部を熱融着した包装体を、イージーピールテープが挟まれた本体フィルム側を上にして横置きして加熱し、包装体の内圧が上昇したとき、底テープと本体フィルムのイージーピールテープが挟まれた部分で角度を有する部分から、内圧が逃げだすようにしたことを特徴とする、蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチ包装体である。
上記のように、本発明の蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチは、スタンディングパウチの2つ折りされた底テープの船底シール部分が足の役割を果して、加熱して包装体が膨張しても上下左右に傾かず、従って、膨張時の内容物の液面が安定し、イージーピール部分から蒸気が噴出しても内容物が飛び出さない。
本発明の蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチと該スタンディングパウチを用いたスタンディングパウチ包装体を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は、本発明の蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチの一実施例を示す、明図であり、図2は、図1のスタンディングパウチに内容物を充填し開口部を熱融着して包装体とし、電子レンジ加熱した状態を示す、各工程での説明図である。
本発明の蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチは、例えば、図1(a)、(b)に示すように、表裏二枚の本体フィルム(1、2)の間に、別体の断面が逆V字形に二つ折りされた底テープ(3)を介在させて、本体フィルムの両端縁を側部シール(11)し、下部端縁を底部シール(12)してなる。
そして、二つ折りされた底テープ(3)と、表裏二枚の本体フィルム(1、2)のうちのいずれか一方の本体フィルム(図1では表側の本体フィルム(1))の間に、易剥離性のイージーピールテープ(4)が底部シールの幅方向においては全体に渡って設けられ、また、縦方向においては袋の端縁から中央近傍で船底シールの上縁より突出するように設けられている。
また、底部シール(12)の形状は、船底部分で角度(θ)を有する形状である。かつ、さらに角度(θ)の先端を底部方向に向けてVの字状に一段と尖って形成させても良い(図3参照)。
船底部分に角度(θ)を形成させることにより、さらには、角度(θ)の先端を一段と尖って形成させることにより、本発明のスタンディングパウチ(10)に液状物等の内容物(21)を充填して開口部(15)をヒートシール等の方法により密封してスタンディングパウチ包装体(20)を作製し、この包装体を電子レンジ等の加熱装置に入れ、横置きして加熱した場合、内容物に含まれる水分が沸騰したり、スタンディングパウチ内部の水蒸気と空気の膨張等によってスタンディングパウチの内圧は上昇してスタンディングパウチは徐徐に膨らむが、二つ折りされた底テープの一方の船底の角度(θ)部分ともう一方の角度(θ)部分の先端は尖って,それぞれの先端を結ぶ、および各先端から天部の中央近傍を結ぶ、折り曲げ線(k)が発生してスタンディングパウチ包装体の各面は柱の面のようになる。
本発明の蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチはこのような構造を有しているので、このスタンディングパウチ(10)の開口部(15)から液状物等の内容物(21)を充填し、開口部(15)を熱融着したスタンディングパウチ包装体(20)をイージーピール部分(18)を上にして電子レンジ等の加熱装置に入れ、横置きして加熱すると、内容物に含まれる水分が沸騰したり、スタンディングパウチ内部の水蒸気と空気の熱膨張等によってスタンディングパウチの内圧が上昇してスタンディングパウチは徐徐に膨らむが、上述のようにスタンディングパウチの胴部分の各面に折り曲げ線(k)が発生して柱状になるため、横置きしたスタンディングパウチ包装体(20)は水平に保たれ、包装体(20)が傾くことがない。そのため、液面(22)が安定し、イージーピール部分(18)からは蒸気(v)のみが放出され、内容物(21)が飛び出すことはない(図2(a)〜(d)参照)。
スタンディングパウチ(10)に使用する本体フィルムや底テープは、電子レンジ加熱が可能で、耐熱性がある、例えば、〔外層〕二軸延伸ナイロンフィルム/線状低密度ポリエチレン〔内層〕、〔外層〕二軸延伸ポリプロピレンフィルム/酸化アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム/未延伸ポリプロピレンフィルム〔内層〕等の一般的に公知の積層フィルムが使用できる。
なお、加熱手段に電子レンジを用いない場合には、〔外層〕二軸延伸ナイロンフィルム
/アルミニウム箔/線状低密度ポリエチレン〔内層〕、〔外層〕二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/アルミニウム箔/二軸延伸ナイロンフィルム/線状低密度ポリエチレン〔内層〕等の一般的に公知のアルミニウム箔を使用した積層フィルムも使用できる。
本発明のスタンディングパウチの一実施例を示す、(a)は斜視説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図である。 図1のスタンディングパウチに内容物を充填し、電子レンジ加熱した時の状態を示す、(a)は内容物を充填し開口部を熱融着した状態の斜視説明図であり、(b)は加熱により包装体に折り曲げ線が発生した状態の説明図であり、(c)はそれを横置きした状態の説明図であり、(d)はさらに加熱を続け、イージーピール部分から蒸気が噴出している状態の断面説明図である。 本発明のスタンディングパウチの別の実施例を示す、斜視説明図である。 従来のスタンディングパウチに内容物を充填し、電子レンジ加熱した時の状態を示す、(a)は内容物を充填し開口部を熱融着した状態の平面説明図であり、(b)は加熱により包装体にしわが発生した状態の説明図であり、(c)はそれを横置きした状態の説明図であり、(d)はさらに加熱を続け、イージーピール部分から蒸気が噴出している状態の説明図である。
符号の説明
1‥‥本体フィルム(表側)
2‥‥本体フィルム(裏側)
3‥‥底テープ
4‥‥イージーピールテープ
10‥‥スタンディングパウチ
11‥‥側部シール
12‥‥底部シール
15‥‥開口部(天部)
17‥‥横置きした底部
18‥‥イージーピール部分
20‥‥包装体
21‥‥内容物
22‥‥液面(内容物面)
50‥‥スタンディングパウチ
52‥‥イージーピール部分
60‥‥内容物
k‥‥折り曲げ線
v‥‥蒸気

Claims (3)

  1. 二つ折りされた底テープと表裏二枚の本体フィルムの両端縁を側部シールし、下部端縁を船底形状に底部シールしてなるスタンディングパウチにおいて、
    前記底部シールの形状が、船底部分で角度を有する形状であり、かつ、前記二つ折りされた底テープと、表裏二枚の本体フィルムのうちのいずれか一方の本体フィルムの間に、易剥離性のイージーピールテープが底部シールの幅方向においては全体に渡って設けられ、また、縦方向においては袋の端縁から中央近傍で船底シールの上縁より突出するように設けられていることを特徴とする、蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチ。
  2. 前記底部シールの形状が、船底部分で角度を有する形状であり、かつ、角度の先端が底部方向に向けてVの字状に一段と尖って形成されていることを特徴とする、請求項1記載の蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチ。
  3. 請求項1又は2記載の蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチに内容物を充填して開口部を熱融着した包装体を、イージーピールテープが挟まれた本体フィルム側を上にして横置きして加熱し、包装体の内圧が上昇したとき、底テープと本体フィルムのイージーピールテープが挟まれた部分で角度を有する部分から、内圧が逃げだすようにしたことを特徴とする、蒸気抜き機能を有するスタンディングパウチ包装体。
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