JP2005046273A - 内視鏡用オーバーチューブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の内視鏡用オーバーチューブ1は、内視鏡を挿通可能な管路3Aを有する可撓性管状部材であり、内視鏡13が挿通された際に、内視鏡13の先端部が外シース7の先端面と同面または突出する長さで形成され、挿通された内視鏡13の形状変化によって受動的に変形する挿入部3と、挿入部3に設けられ、該挿入部3の形状が自由に変形する状態である変形可能状態と、挿入部の形状を変形状態のままに保持する変形保持状態とに選択的に切り替え可能な形状保持手段(内シース6,螺旋状形状管8,外シース7)と、挿入部3基端側に配置され、前記形状保持手段を切替え操作する操作部4と、を具備している。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡用オーバーチューブに関し、詳しくは体腔内に挿入する挿入部のチューブ形状を自由に変化、固定保持可能として内視鏡の各種処置の操作性を向上させた内視鏡用オーバーチューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内視鏡挿入部の先端部に、対物光学系、固体撮像素子(CCD)及び回路基板などで構成した撮像装置を内蔵させて、前記対物光学系でとらえた観察像を固体撮像素子で光電変換し、この光電変換した電気信号を信号ケーブルを介して内視鏡外部装置である画像処理装置に伝送して画像信号を生成し、この画像信号をモニタ画面に表示して内視鏡観察像の観察を行える電子内視鏡装置(以下、内視鏡と称す)が広く利用されている。
【0003】
この内視鏡を用いることにより、術者は、例えば人体内の臓器の観察及び治療等の各種処置を行うことができる。
【0004】
また、このような内視鏡を体腔内に挿入する場合、まず、内視鏡の可撓管部より硬めに形成された管状のチューブ、所轄内視鏡用オーバーチューブ(以下、オーバーチューブと称す)を体腔内に挿入して内視鏡の挿入経路を確保し、その後オーバーチューブの内部空間に観察したい部位ので内視鏡を挿入する手法が広く一般的に知られている。
【0005】
このように、内視鏡の挿入にオーバーチューブを用いれば、該オーバーチューブはある程度硬さを有するため、その内部空間に挿入される内視鏡の可撓管のたるみを防ぐことができ、また、さらに奥へと内視鏡を挿入する際に、該内視鏡の先端部に押し込む力を有効に伝達することが可能となる。
【0006】
この種のオーバーチューブの関連技術としては、例えば特開2002−36971号公報に記載の内視鏡の挿入補助具がある。
【0007】
この提案では、オーバーチューブに該オーバーチューブの硬さを調節するための可撓性調整機構を設け、挿入される臓器の硬さに応じて、オーバーチューブの硬さを変化させることにより、挿入の際の患者の苦痛を軽減する技術について開示している。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−36971号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、人体内の臓器を観察するための内視鏡をオーバーチューブに被せて体腔内に挿入する場合、体腔内は非常に柔らかいため、屈曲する角度の大きい湾曲部が多く存在する、例えば気管支などの多くの臓器に挿入した場合には、ある程度の硬いオーバーチューブの方が、その形状を維持するためには良いが、その反面、その臓器の形状に対応するように思い通りの形状に曲げにくく、柔軟性も要求される。
【0010】
また、オーバーチューブの内部空間に挿入された状態で内視鏡下で処置を行う場合、オーバーチューブ自体はその弾性でその形状を維持しているため、該内視鏡の軟性挿入部(またはオーバーチューブと軟性挿入部)が変形することもあり、このような場合には、内視鏡による視野・術野が安定しなかったり、処置具へ皮得た力がこれら変形部により吸収されてしまい、処置しづらいといった不都合がある。
【0011】
しかしながら、従来の硬度が一定であり、その弾性で形状を維持する従来のオーバーチューブや、前記特開2002−36971号公報に記載の内視鏡の挿入補助具では、上記要求を満足する技術に関してはなんら考慮されていないのが現状である。
【0012】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、オーバーチューブの形状を自由に変化、あるいはその湾曲状態を固定保持可能に構成することで、内視鏡の各種処置の操作性を向上させることができる内視鏡用オーバーチューブを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明の内視鏡用オーバーチューブは、内視鏡を挿通可能な管路を有する可撓性管状部材であり、前記内視鏡が挿通された際に、前記内視鏡の先端部が前記管状部材の先端面と同面または突出する長さで形成されるとともに、挿通された前記内視鏡の形状変化によって受動的に変形する挿入部と、前記挿入部に設けられ、該挿入部の形状が自由に変形する状態である変形可能状態と、挿入部の形状を変形状態のままに保持する変形保持状態とに選択的に切り替え可能な形状保持手段と、前記挿入部基端側に配置され、前記形状保持手段を切替え操作する操作部と、を具備したことを特徴とするものである。
【0014】
請求項2に記載の発明の内視鏡用オーバーチューブは、請求項1に記載の内視鏡用オーバーチューブにおいて、前記形状保持手段は、前記挿入部の外観を構成する外管と、拡開させることによって、前記外管の内周面に接触して摩擦力を発生する、帯状部材を螺旋状に巻回して形成した螺旋管と、前記螺旋管の内周面側に配置され、前記螺旋管の一端部が外周面先端に一体固定される内管と、を具備し、前記操作部は、前記螺旋管の他端部が一体固定され、この一体固定された位置を変化させることによって、前記螺旋管を拡開変形させる、前記外管の基端部に一体配置された固定部材に対して摺動可能な操作レバーと、を具備して構成したことを特徴とするものである。。
【0015】
請求項3に記載の発明の内視鏡用オーバーチューブは、請求項1に記載の内視鏡用オーバーチューブにおいて、前記挿入部は、少なくとも1つの処置具を挿通可能な管路を有して構成したことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は本発明の係る内視鏡用オーバーチューブの基本構造を説明するためのもので、図1(a)は該内視鏡用オーバーチューブの外観構成を示す斜視図、図1(b)は本発明の特徴となる構成を説明するための該内視鏡用オーバーチューブの断面図である。
【0018】
本発明の内視鏡用オーバーチューブ1は、図1(a)に示すように、軟性鏡などの内視鏡を挿通可能な内視鏡挿通孔3Aを有し可撓性のチューブ形状に構成されたもので、内視鏡挿通孔3Aが連通され、変形自在な変形可能状態(第1の状態)と湾曲状態を保持したまま形状固定される変形保持状態(第2の状態)とに切替え可能な形状保持手段を有し、体腔内に挿入される挿入部3と、この挿入部3の手元側に配され、前記挿入部の第1の状態と第2の状態とを切替え操作するための操作部2とで、主に構成されている。
【0019】
操作部2は、その外周の一部には前記内視鏡挿通孔3Aの軸方向に対して略鉛直方向に移動溝5が設けられており、この移動溝5には該移動溝5に沿ってスライド可能な操作レバー4が設けられている。
【0020】
なお、図示はしないが、操作部2の基端面には、前記挿入部3内の内視鏡挿通孔3Aが連通された開口が設けられており、内視鏡をこの超音波内視鏡用オーバーチューブの内視鏡挿通孔3A内に挿通する場合は、この開口を介して挿通されるようになっている。
【0021】
さらに、詳細な構成を説明すると、挿入部3は、図1(b)に示すように、前記内視鏡挿通孔3Aを内部に形成する内シース6と、この内シース6の外周面に配された螺旋状形状管8と、内シース6及び螺旋状形状管8に対して所定の隙間を設けてこれらを収容する外シース7と、該挿入部3の先端部及び基端部内に配され、内シース6と螺旋状形状管8とを固定する固定部材11、11aとで主に構成されている。
【0022】
外シース7は、可撓性を有する筒状体であり、前記内シース6よりも若干硬めに構成されている。
【0023】
この外シース7内に配される内シース6は、前記外シース7よりも柔軟性がある材質で構成された筒状体であり、その外周面には先端部から基端部にかけて螺旋状形状管8が螺旋状に巻回されるように設けられている。
【0024】
この螺旋状形状管8は、例えば所定幅の板形状で形成された板部材が螺旋状に構成されたもので、巻回方向(螺旋方向)とは逆方向に回転力を与えることにより、外側に拡張する力を生じる特性を有している。
【0025】
螺旋状形状管8の先端部は、固定部材11によって内シース6の先端部と固定されている。一方、螺旋状形状管8の基端部(手元側)についても同様に、操作部2内において固定部材11aによって内シース6の基端部に固定されている。
【0026】
この構成において、該螺旋状形状管8が巻回されて固定された内シース6を、前記螺旋状形状管8の巻回方向(螺旋方向)とは逆方向に回転させることにより、該螺旋状形状管8の外側に拡張する力が生じることから、該内シース6自体を、内視鏡挿通孔3Aの軸に対して距離が遠ざかる外側方向に広げることができるようになっている。
【0027】
なお、挿入部3の長さは、該挿入部3の内視鏡挿通孔3Aに内視鏡を挿入した場合に、該内視鏡の先端が挿入部3の先端面と同面、あるいは突出する長さ関係となるような所定の長さで形成されている。
【0028】
挿入部3の基端部(手元側)は、外シース7,内シース6及び螺旋状形状管8とともに、操作部2内に嵌装されている。
【0029】
操作部2は、上述したように移動溝5にスライド可能に設けられた操作レバー4と、外シース7を操作部2に固定するための外シース固定部材10と、内シース6に螺旋状形状管8を固定するための固定部材11aと、この固定部材11a及び内シース6に接続して操作レバー4における回転力を伝達するための伝達部材9と、内シース6及び螺旋状形状管8とを固定するための固定部材11とで主に構成されている。
【0030】
本発明の内視鏡用オーバーチューブ1においては、操作部2の操作レバー4のポジション(操作位置)が図1(b)に示す状態で、挿入部3内の内シース6及び外シース7との位置関係も図1(b)に示す状態だとすると、この場合、挿入部3は可撓性を有した外シース7及び内シース6で構成されているので自在に変形、湾曲可能な変形可能状態(第1の状態)となる。
一方、操作部2の操作レバー4を螺旋状形状管8の巻回方向(螺旋方向)とは逆方向(図1(a)では下方向)にスライド操作すると、このスライド操作に連動して伝達部材9を介して内シース6に回転力を与え、つまり、螺旋状形状管8が巻回されて固定された内シース6を、前記螺旋状形状管8の巻回方向(螺旋方向)とは逆方向に回転させることにより、該螺旋状形状管8の外側に拡張する力が生じ、これにより、該内シース6自体を、内視鏡挿通孔3Aの軸に対して距離が遠ざかる外側方向(外シース7の内周面方向)に広げることになる。
【0031】
すると、螺旋状形状管8の外周面は、外シース7の内周面と接触して摩擦力が発生するため、挿入部3は、この状態を固定し確保する変形維持状態(第2の状態)となる。
【0032】
例えば、挿入部3を湾曲させた状態にて、操作レバー4をスライド操作させることにより、上記作用により、挿入部3の湾曲状態は変形維持状態(第2の状態)となり形状が固定されることになる。
【0033】
そして、挿入部3の第2の状態を解除する場合には、前記操作と逆の操作を行えば良い。
【0034】
すなわち、操作部2の操作レバー4を螺旋状形状管8の巻回方向(螺旋方向、図1(a)では上方向)にスライド操作すれば、このスライド操作に連動して伝達部材9を介して内シース6に回転力を与え、つまり、螺旋状形状管8が巻回されて固定された内シース6を、前記螺旋状形状管8の巻回方向(螺旋方向)に回転させることにより、該螺旋状形状管8の内側に戻る力が生じ、これにより、拡張されている内シース6自体を、内視鏡挿通孔3Aの軸に対して距離が近くなる軸方向に縮小させることになる。
【0035】
その結果、外シース7の内周面と接触して摩擦力を生じていた螺旋状形状管8の外周面は、外シース7の内周面と離れることにより、隙間が生じ、挿入部3を変形可能な変形可能状態(第1の状態)にすることができる。
【0036】
なお、本発明では、挿入部3のチューブ形状を変化、あるいは湾曲状態を保持したまま形状固定させるための形状保持手段として、内シース6、該内シース6に設けられた螺旋状形状管8、外シース7等での主要構成部で構成したが、これに限定されるものではない。
【0037】
これにより、簡単な構成でオーバーチューブの形状を自由に変化、あるいはその湾曲状態を固定保持可能な、本発明の特徴となる内視鏡用オーバーチューブを実現している。
【0038】
したがって、上記構成の内視鏡用オーバーチューブ1と、軟性鏡などの内視鏡とを組み合わせて内視鏡システムを構成すれば、消化管等の体腔内の形状に合わせた形状で、挿入された内視鏡用オーバーチューブ1の挿入部3を固定することができるため、患者の苦痛を軽減することが可能となる。
【0039】
また、軟性鏡等の内視鏡の内視鏡操作によってのみ観察可能な位置の病変に対しても、一度視野に捉えることができれば、上記のように挿入部3のそのときの湾曲形状を固定することにより、内視鏡再挿入時も容易にその病変を視野内に捉えることが可能になる。
【0040】
次に、このような基本構成の本発明の内視鏡用チューブの実施の形態について後述する。
【0041】
第1の実施の形態:
(構成)
図2乃至図4は本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第1の実施の形態を示し、図2は該内視鏡用オーバーチューブの外観構成を示す斜視図、図3は図2の挿入部の断面図、図4は本実施の形態の特徴となる作用を説明するための説明図である。また、図5は内視鏡用オーバーチューブの挿入部の変形例を示す断面図である。
【0042】
本実施の形態では、上記基本構造を採用した内視鏡用オーバーチューブ1を、さらに、少なくとも1本の処置具を挿通可能に構成することにより、該内視鏡用オーバーチューブ1と、該内視鏡用オーバーチューブ1に挿通される軟性鏡等の内視鏡13と、内視鏡用オーバーチューブ1に挿通される処置具14とで、人体内の臓器の観察及び治療等の各種処置を行うのに好適な内視鏡システムとして構成している。
【0043】
本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1は、図1にて説明したよう基本構造(図1参照)を採用して構成されたもので、すなわち、挿入部3のチューブ形状を変化、あるいは湾曲状態を保持したまま形状固定させるための形状保持手段として、内シース6、該内シース6に設けられた螺旋状形状管8、外シース7等の主要構成部で構成されており、その外観構成が図2に示されている。
【0044】
したがって、本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1においても、図1で説明したように、操作部2の操作レバー4のスライド操作により、挿入部3を、変形自在な第1の状態と湾曲状態を保持したまま形状固定される第2の状態とに切替えることが可能である。
【0045】
本実施の形態では、図3に示すように、内視鏡用オーバーチューブ1の挿入部3内(内視鏡用オーバーチューブ1の長手方向全体)に、処置具14を挿通可能な処置具挿通管路3bを2つ、内視鏡挿通孔3Aと延設するように設けて構成されている。
【0046】
処置具挿通管路3bは、例えば内シース6のいずれか一方側の外周面を変形することにより、形成されている。
【0047】
なお、本実施の形態では、処置具挿通管路3bは、2つ設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、また、配置位置も隣接するように設けたがこれに限定されるものではない。
【0048】
その他の構成は、図1に示す構成と同様である。
【0049】
(作用)
次に、本実施の形態の特徴となる作用を図4を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
いま、本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1を有する内視鏡システムを用いて、消化管等の体腔内100の病変101を処置するものとする。
【0051】
まず、図2に示す内視鏡用オーバーチューブ1の内視鏡挿通孔3Aに軟性鏡13を挿通させる。
【0052】
そして、軟性鏡13とともに、内視鏡用オーバーチューブ1の挿入部3を、消化管などの体腔内100に挿入する。
【0053】
この場合、消化管の形状の合わせて、該内視鏡用オーバーチューブ1の形状を、操作レバー4によって適宜操作して、自在に変形、湾曲可能な第1の状態、あるいは湾曲状態を保持したまま形状固定される第2の状態とを切替えることにより、患者に苦痛を与えることなく、円滑に体腔内100に挿入される。
【0054】
そして、軟性鏡13による観察により、体腔内100の病変を捉えると、その体腔内100の形状に合わせた形状で、術者は操作レバー4をスライド操作することにより、本発明の特徴となる挿入部3内に形状保持手段(内シース6,螺旋状形状管8,外シース7等)が作用することで、挿入された内視鏡用オーバーチューブ1の挿入部3の形状が固定される。
【0055】
その結果、消化管等の体腔内100の形状に合わせた形状で、挿入された内視鏡用オーバーチューブ1の挿入部3を固定することができるため、患者の苦痛を軽減することができ、また、軟性鏡13の内視鏡操作によってのみ観察可能な位置の病変に対しても、一度視野に捉えることができれば、上記のように挿入部3のそのときの湾曲形状を固定することにより、内視鏡再挿入時も容易にその病変を視野内に捉えることが可能になる。
【0056】
その後、術者は、その状態を保持したまま、図4に示すように、内視鏡用オーバーチューブ1の操作部2側より、処置具14を処置具挿通管路3bに挿通して挿入部3の先端部から突出させ、同様に挿入部3から突出している軟性鏡13により観察を行いながら、該処置具14を操作することにより、体腔内100の病変101の処置を行う。
【0057】
この場合、処置具14は、処置を行うのに好適な湾曲状態に固定保持された挿入部3に挿通されているので、該処置具14により病変101の生体組織に力を加えても、軟性鏡13の変形で力が吸収されることはなく、大きな力を加えることが可能となる。
【0058】
また、挿入部3が固定保持されているので、術者が該内視鏡用オーバーチューブ1自体を保持せずとも、術者自身で処置具14や軟性鏡13の出し入れや操作、及び処置等を行うことが可能となる。
【0059】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、本発明の内視鏡用オーバーチューブによる効果は得られることは勿論のこと、上記構成の内視鏡用オーバーチューブ1と、軟性鏡などの内視鏡13と、処置具14とを組み合わせて内視鏡システムを構成すれば、処置具14が処置を行うのに好適な湾曲状態に固定保持された挿入部3に挿通されるているので、該処置具14により病変101の生体組織に力を加えても、軟性鏡13の変形で力が吸収されることはなく、大きな力を加えることが可能となる。また、軟性鏡13も同様に挿入部3によって固定保持されるので、視野も固定されて安定し、その結果、処置操作性が向上する。
【0060】
また、挿入部3が固定保持されているので、術者が該内視鏡用オーバーチューブ1自体を保持せずとも、術者自身で処置具14や軟性鏡13の出し入れや操作、及び処置等を行うことが可能となり、より安全に手術を行うことが可能となる。
【0061】
さらに、軟性鏡13として、処置具管路の有する軟性鏡を用いれば、より一層、処置操作性を向上させることができるのは勿論である。
【0062】
(変形例)
図5は前記第1の実施の形態の変形例を示す挿入部の断面図である。
【0063】
前記第1の実施の形態では、挿入部3内に処置具挿通管路3bを内視鏡挿通孔3Aと延設するように設けた場合について説明したが、例えば図5に示すように、挿入部3内に、処置具挿通管路3cを内視鏡挿通孔3Aとはそれぞれ独立(別体)となるように設けて構成してもよい。つまり、挿入部3内の例えば外シース7の肉厚部分に、処置具挿通管路3cを構成する。
【0064】
その他の構成、作用及び効果については、前記第1の実施の形態と同様である。
【0065】
第2の実施の形態:
(構成)
図6及び図7は本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第2の実施の形態を示し、図6は該内視鏡用オーバーチューブの外観構成を示す斜視図、図7は本実施の形態の特徴となる作用を説明するための説明図である。なお、図6及び図7は、前記第1の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0066】
本実施の形態では、内視鏡用オーバーチューブ1Aの操作部2と挿入部3の中間に、第2の状態に変化しない軟性部15を設けて構成したことが特徴である。
【0067】
本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Aでは、挿入部3が、図6に示すように、操作部2から挿入部3の所定寸法に配された軟性部15と、この軟性部15から挿入部先端部にかけて前記第1の実施の形態と同様な形状保持手段(内シース6,螺旋状形状管8,外シース7等)を有する構成の形状保持部3Bとを有して構成されている。
【0068】
軟性部15は、例えば操作レバー4をスライド操作しても内シース6の外周面に設けられた螺旋状形状管8と外シース7の内周面とが接触して摩擦が生じない隙間となるように、外シース7自体の肉厚が薄くなるように形成されている。
【0069】
一方、軟性部15の境界部分と挿入部先端部にかけて配された形状保持部3Bは、前記第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0070】
したがって、上記構成によれば、図6の波線で示すように、操作部2が、軟性部15と形状保持部3Bとの境界部分、あるいは軟性部15自体を介して自在に、湾曲可能になる。
【0071】
なお、本実施の形態では、軟性部15の長さについては、使用する処置内容に応じて適宜変更して構成することも可能であり、例えば、口腔から咽頭部に位置する長さに対応する長さで構成すれば、患者の口腔から挿入する気管支や消化器の検査用として好適である。
【0072】
(作用)
次に、本実施の形態の特徴となる作用を図7を参照しながら詳細に説明する。
【0073】
なお、前記第1の実施の形態と同様な作用については説明を省力し、異なる作用についてのみを説明する。
【0074】
いま、本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Aを有する内視鏡システムを用いて、消化管等の体腔内100の病変101を観察するものとする。
【0075】
この場合、前記第1の実施の形態と略同様に、軟性鏡13とともに、内視鏡用オーバーチューブ1Aの挿入部3を患者102の口腔から挿入し、そして、操作レバー4により適宜操作して、自在に変形、湾曲可能な第1の状態、あるいは湾曲状態を保持したまま形状固定される第2の状態とを切替えながら円滑に体腔内100へと挿入する。
【0076】
そして、軟性鏡13による観察により、体腔内100の病変101を捉えると、その体腔内100の形状に合わせた形状で、術者は操作レバー4をスライド操作することにより、本発明の特徴となる挿入部3内の形状保持手段(内シース6,螺旋状形状管8,外シース7等)が作用することで、挿入された内視鏡用オーバーチューブ1Aの形状保持部3Bの形状が固定される。
【0077】
そこで、このような検査中に、内視鏡用オーバーチューブ1Aの形状を固定した状態で、該内視鏡用オーバーチューブ1Aの押し引き等の微調整を行うものとする。
【0078】
すると、本実施の形態では、軟性部15の長さが例えば解剖的に屈曲の大きな口腔から咽頭部に位置する長さに対応する長さで構成されているので、図7に示すように、患者102の口腔に対して無理な力(圧迫)を与えずに、該軟性鏡13の操作部13Aを操作しながら円滑に観察を行うことが可能となる。
【0079】
その他の作用については、前記第1の実施の形態と同様である。
【0080】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られる他に、挿入部3に軟性部15と形状保持部3Bとを設けた構成とすることで、検査中に、内視鏡用オーバーチューブ1Aの形状を固定した状態で、該内視鏡用オーバーチューブ1Aの押し引き等の微調整を行う場合に、患者102の口腔に対して無理な力(圧迫)を与えずに、円滑に観察を行うことが可能となる。
【0081】
第3の実施の形態:
(構成)
図8乃至図10は本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第3の実施の形態を示し、図8は第1及び第2の湾曲部を設けた内視鏡用オーバーチューブの外観構成を示す斜視図、図9は第1及び第2の湾曲部を動作させてそれぞれ湾曲させた状態の内視鏡用オーバーチューブの構成を示す斜視図、図10は本実施の形態の特徴となる作用を説明するための説明図で、図10(a)は従来の内視鏡用オーバーチューブを用いた場合、図10(b)は本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブを用いた場合をそれぞれ示している。なお、図8乃至図10は、前記第1の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0082】
従来の内視鏡用オーバーチューブでは、能動湾曲機能が付いていないため、希望の湾曲形状を形成することが難しい場合がある。
【0083】
そこで、本実施の形態では、上記第1の実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1の第1の状態において、挿入部3の所定位置に、該挿入部3を能動的に湾曲させる湾曲機構を少なくとも1つ以上設けて構成したことが特徴である。
【0084】
本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Bは、図8に示すように、挿入部3全体が基本的に前記第1の実施の形態と略同様な形状保持手段(内シース6,螺旋状形状管8,外シース7等)を有する構成の形状保持部3Bで構成されるとともに、この形状保持部3Bは、図9に示すように、該形状保持部3Bの中間位置に設けられ、能動的に湾曲可能な第1の湾曲部16と、この第1の湾曲部16と隣接するように形状保持部3Bの先端位置に設けられ、同様に能動的に湾曲可能な第2の湾曲部17とを有して構成されている。
【0085】
第1及び第2の湾曲部16,17は、それぞれ挿入部3内に設けられた湾曲用ワイヤーを牽引することにより、該当する挿入部3を湾曲させる湾曲機構で構成されたもので、この湾曲機構については周知の技術である。
【0086】
一方、上記第1及び第2の湾曲部16,17の設置に許ない、操作部2についてもこれら第1及び第2の湾曲部16,17をそれぞれ湾曲操作するための第1及び第2のノブ2A,2Bがそれぞれ該操作部2の上面側に併設されている。
【0087】
第1のノブ2Aは、図示はしないが操作部2内部で第1の湾曲部16に接続されている湾曲用ワイヤーと係合しており、該第1のノブ2Aを回転操作することで、第1の湾曲部16を例えば2方向に湾曲動作可能である。
【0088】
第2のノブ2Bは、図示はしないが操作部2内部で第2の湾曲部17に接続されている湾曲用ワイヤーと係合しており、該第2のノブ2Bを回転操作することで、第2の湾曲部16を例えば2方向に湾曲動作可能である。
また、操作部2の下端には、前記第1の実施の形態と同様に形状保持部3Bを第1,または第2の状態に切替え操作するための操作レバー4が設けられている。
【0089】
その他の構成については前記第1の実施の形態と同様である。
【0090】
(作用)
次に、本実施の形態の特徴となる作用を図10を参照しながら詳細に説明する。
【0091】
なお、前記第1の実施の形態と同様な作用については説明を省力し、異なる作用についてのみを説明する。
【0092】
いま、本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Bを有する内視鏡システムを用いて、特に胃などの空間の大きい臓器を示す体腔内100の病変101を観察するものとする。
【0093】
この場合、従来の能動的な湾曲機構を備えてない内視鏡用オーバーチューブ103では、図10(a)に示すように、胃などの体腔内100に挿入後、能動的な湾曲機構がないことため、病変101を捉えるのに最適な湾曲形状にできず、その結果、該内視鏡用オーバーチューブ103は直線的な形状になってしまい、挿通された軟性鏡13の先端部がわずかに湾曲したとしても、病変101全体を捉える視野を確保することができない。このため、満足する視野を確保するためには、該内視鏡用オーバーチューブ103の出し入れを何度も行う必要がある。
【0094】
ところが、本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Bでは、まず、第1のノブ2Aを操作することにより、図10(b)に示すように第1の湾曲部16を病変101から離れる方向に湾曲させ、そして、第2のノブ2Bを操作することにより、第2の湾曲部17を上記第1の湾曲部16とは逆方向に湾曲させる。
【0095】
そして、操作レバー4をスライド操作することにより、形状保持部3Bの作用により、第1及び第2の湾曲部16,17の湾曲形状がそのまま固定保持されることになる。
【0096】
これにより、軟性鏡13の先端部は、該病変101に対して略対向する位置に配することが可能となり、よって、病変101全体を確実に視野内にいれることができる。
【0097】
その他の作用については、前記第1の実施の形態と同様である。
【0098】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られる他に、挿入部3に軟性部15と形状保持部3Bとを設けた構成とすることで、検査中に、内視鏡用オーバーチューブ1Aの形状を固定した状態で、該内視鏡用オーバーチューブ1Aの押し引き等の微調整を行う場合に、患者102の口腔に対して無理な力(圧迫)を与えずに、円滑に観察を行うことが可能となる。
【0099】
なお、本実施の形態では、第1及び第2の湾曲部16,17を設けた構成について説明したが、いずれか1つの湾曲部を設けて構成しても良く、あるいは2つ以上の湾曲部を設けて構成しても良い。
【0100】
第4の実施の形態:
(構成)
図11乃至図13は本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第4の実施の形態を示し、図11は内視鏡用オーバーチューブの主要構成部分を示す構成図、図12は図11のA−A線断面図、図13は本実施の形態の特徴となる作用を説明するための説明図で、図13(a)は湾曲部を略鉛直に湾曲させた状態、図13(b)はさらに、挿通される湾曲内視鏡の湾曲部を湾曲させた状態、図13(c)は図13(b)に示す状態を保持しながら、さらに湾曲内視鏡の湾曲部を湾曲させ処置具同士を対向配置させた状態をそれぞれ示している。なお、図11乃至図13は、前記第1の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0101】
従来の内視鏡用オーバーチューブ,内視鏡,処置具を組み合わせた内視鏡システムでは、内視鏡と処置具が略同軸上に配置されていたため、処置しにくいと場合があった。
【0102】
そこで、本実施の形態では、前記第3の実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1に改良を施し、例えば湾曲部を有する形状保持部3Bを先端部に配するとともに、この形状保持部3Bを収容する主オーバーチューブ1B1を設け、この主オーバーチューブ1B1に処置具挿通管路3cを設けて構成したことが特徴である。
【0103】
具体的には、図11に示すように、本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Bは、前記第3の実施の形態と同様の形状保持手段を有する形状保持部3Bと、この形状保持部3Bを先端側に所定の長さ分突出するように配されるとともに、該形状保持部3Bを内部に収容する主オーバーチューブ1B1とで主に構成されている。
【0104】
また、形状保持部3Bには、湾曲用ワイヤー18によってその基端部近傍を湾曲する湾曲部16が設けられている。
【0105】
この湾曲用ワイヤー18は、図12に示すように、主オーバーチューブ1B1の湾曲用ワイヤー管路3dに挿通して図示しない操作ノブに接続されている。また、湾曲用ワイヤー18の基端側は、主オーバーチューブ1B1の基端部から露出されて前記形状保持部3B内の湾曲部16に接続されるようになっている。
【0106】
したがって、図示しない操作ノブを操作することにより、湾曲用ワイヤー18によって湾曲部16を牽引することで、該湾曲部16が配される形状保持部3Bの基端部分を、例えば図13(b)に示すように湾曲させることが可能となる。
【0107】
また、形状記憶3Bは、前記第1の実施の形態と同様に自在に変形可能であり、例えば内視鏡挿通孔3Aに湾曲可能な内視鏡20(図13(c)参照)を挿通した場合には、この内視鏡20の湾曲部20a(図13(a)参照)の湾曲動作に伴い、対応する形状保持部3Bの先端部分3bについても湾曲するようになっている。勿論、その湾曲形状を操作レバー4(図示せず)を操作することにより、固定保持することも可能である。
【0108】
一方、主オーバーチューブ1B1の下端部には、図12に示すように、処置具14を挿通するための処置具挿通管路3cが設けられている。
【0109】
これにより、主オーバーチューブ1B1の処置具挿通管路3cに処置具14を挿通することができ、さらに、内視鏡挿通孔3Aに湾曲可能で且つ処置具挿通管路を有する内視鏡20を挿通して使用すれば、主オーバーチューブ1B1側の処置具14と内視鏡20の処置具20b(図13(c)参照)とを、同時に使用することができ、しかも、内視鏡20の湾曲形状を所望の形状に操作することができるので、内視鏡20側の処置具20bを他の処置具14の軸に対して最適な角度に配置することが可能となる。
【0110】
なお、本実施の形態では、挿入部3の形状保持部3Bの基端側部分に湾曲用ワイヤー18により湾曲可能な湾曲部16のみを設けた構成としたが、前記第3の実施の形態と同様に、形状保持部3Bの先端側にもう1つ湾曲部を設けて構成しても良い。
【0111】
その他の構成は、前記第1の実施の形態と同様である。
【0112】
(作用)
次に、本実施の形態の特徴となる作用を図13を参照しながら詳細に説明する。
【0113】
なお、前記第1の実施の形態と同様な作用については説明を省力し、異なる作用についてのみを説明する。
【0114】
いま、本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Bと湾曲可能で且つ処置具挿通管路を有する内視鏡20と他の処置具14とを有する内視鏡システムを用いて、例えば、従来の内視鏡と処置具が略同軸上に配置された内視鏡システムでは処置しづらい体腔内の病変の処置を行うものとする。
【0115】
この場合、本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Bでは、まず、図示しない操作ノブを操作することにより、図13(a)に示すように形状保持部3Bの湾曲部16を、処置具挿通管路3cの軸方向に対して例えば略鉛直上方向に湾曲させる。
【0116】
そして、術者は、図示しない内視鏡20の操作部を操作することにより、形状保持部3の内視鏡挿通孔3Aに挿通された内視鏡20の湾曲部20aを、処置具挿通管路3cの軸方向に対して略平行となるように湾曲させる。すなわち、この内視鏡20の湾曲部20aの湾曲動作に伴い、対応する形状保持部3Bの先端部分3bが、図13(b)に示すように同様の湾曲形状となる。
【0117】
その後、術者は、図示はしないが前記第1の実施の形態と同様に操作レバー4をスライド操作することにより、形状保持部3Bの作用により、湾曲部16と先端部分3bとの湾曲形状がそのまま固定保持されることになる。
【0118】
そして、さらに、内視鏡30を、形状保持部3Bの先端面から突出するように押し込み、そして、図示しない操作ノブを操作することにより、図13(c)に示すように内視鏡20の湾曲部20aを略180°湾曲させる。こうして、該内視鏡20の先端面が、主オーバーチューブ1B1の処置具挿通管路3cから突出している処置具14に対して対向配置させることが可能となる。
【0119】
これにより、従来技術では成し得ない視野を撮ることが可能となり、例えば一方の処置具20bで部位の組織を起こし、また一方の処置具14にてそれを剥離する等、従来技術では処置出来ない処置方法を行うことが可能となる。よって、処置操作性を向上させることができるのは明かである。
【0120】
その他の作用については、前記第1の実施の形態と同様である。
【0121】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られる他に、形状保持部3Bの一部に湾曲部16を設けるとともに、この形状記憶を収容する主オーバーチューブ1B1に処置具挿通管路3cを設け、さらに、形状保持部3bの内視鏡挿通孔3Aに、湾曲可能可能で且つ処置具挿通管路を有する内視鏡20を挿通させたシステム構成とすることで、内視鏡20と処置具14の軸に適切な角度をつれることができるため、処置が容易となる。また、形状保持部3Bの先端部分3dを、内視鏡20の湾曲部20aを使って湾曲することで、基端側の湾曲部16の形状と合わせてより複雑な湾曲形状を作り出すことが可能となる。よって、症例に合った最適な(処置し易い)方向から視野を撮ることが可能となり、処置操作性の向上化に大きく寄与する。
【0122】
なお、前記第4の実施の形態では、湾曲部16を牽引する湾曲用ワイヤー18が露出する構成について説明したが、通常の能動的に湾曲させる機構のように、挿入部3内部に収容される構成としても良い。このような変形例を図14及び図15に示す。
【0123】
(変形例1)
図14及び図15は前記第4の実施の形態の変形例1を示し、図14は湾曲用ワイヤーをチューブ内に収容可能にした場合の湾曲部近傍の具体的な構成を示す断面図、図15は図14に示す内視鏡用オーバーチューブの作用を説明するための説明図で、図15(a)は挿入部先端方向からみた形状保持部の湾曲方向を示す図、図15(b)は湾曲部を略上方向に鉛直に湾曲させた状態を示す図である。なお、図14及び図15は、前記第4の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付している。
【0124】
本例では、前記第4の実施の形態における形状保持部3Bの湾曲部16は、例えば図14に示すように、複数の関節部材18bが延設されることにより、湾曲可能に構成されている。これら複数の関節部材18bは、主オーバーチューブ1B1,形状保持部3B内に挿通される4本の湾曲用ワイヤー(アングルワイヤともいう)18が係合されている。また、これら4本の湾曲用ワイヤー18の基端部は、形状保持部3B内に配された湾曲用ワイヤー固定部18aに固定されている。
【0125】
したがって、これら4本の湾曲用ワイヤー18を、図示しない操作ノブによる操作にて適宜牽引することにより、前記湾曲部16は、上下、左右の4方向に湾曲させることが可能となる。
【0126】
また、本例では、形状保持部3B及び湾曲部16を有する挿入部3は、主オーバーチューブ1B1内の挿通孔に回転自在に挿通されたものである。
【0127】
したがって、本例においては、前記第4の実施の形態と同様に作用するが、例えば主オーバーチューブ1B1の先端部から突出している形状保持部3Bは、図15(a)に示すように、処置具挿通管路3cの軸に対して略360°回転移動可能である。
【0128】
その後、形状保持部3Bを所望する回転角度に回転させた後に、前記第4の実施の形態と同様に、操作ノブを操作することで、図15(b)に示すように湾曲部16を湾曲させる。
【0129】
また、形状保持部3Bの内視鏡挿通孔3Aに、湾曲可能で且つ処置具挿通管路を有する内視鏡20を挿通させ、また主オーバーチューブ1B1の処置具挿通管路3cに処置具14を挿通させることにより、前記第4の実施の形態と同様に作用して同様の効果を得ることが可能となる。
【0130】
したがって、本例によれば、湾曲用ワイヤー18を挿入部3内に収容した構成とし、また、該挿入部3を回転可能に主オーバーチューブ1B1内の挿通孔に収容した構成とすることにより、前記第4の実施の形態よりもさらに処置性能を向上させることが可能となる。
【0131】
(変形例2)
図16及び図17は前記第4の実施の形態の変形例2を示し、図16は内視鏡用オーバーチューブと主オーバーチューブとを別体構成した場合の具体的なシステム構成を示す構成図、図17は図16に示すシステムの作用を説明するための説明図で、図17(a)は主オーバーチューブより内視鏡用オーバーチューブを突出させ湾曲させた状態を示し、17(b)はその湾曲形状を固定保持しながら2つの処置具で処置を行っている状態をそれぞれ示している。なお、図16及び図17は、前記第4の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付している。
【0132】
本例では、前記第4の実施の形態における挿入部3を備えた内視鏡用オーバーチューブ1Bと、主オーバーチューブ1BBとを別体に構成したことが特徴である。
【0133】
内視鏡用オーバーチューブ1Bは、図16に示すように、前記第3の実施の形態と略同様の構成の第1,第2の湾曲部16,17を有する内視鏡用オーバーチューブ1Bを用いている。なお、本例では、2つの第1,第2の湾曲部16,17を設けているが、前記第4の実施の形態と同様に形状保持部3Bの基端側に配される1つの湾曲部16のみを設けた構成としても良い。
【0134】
一方、前記内視鏡用オーバーチューブ1Bと別体に構成された主オーバーチューブ1BBは、前記内視鏡用オーバーチューブ1Bを挿通可能な挿通管路3Eと、前記第4の実施の形態と同様に処置具挿通管路3cとを備えて構成されている。
【0135】
また、本例では、前記内視鏡用オーバーチューブ1Bの挿入部3と、主オーバーチューブ1BBとの長さ関係は、内視鏡用オーバーチューブ1Bの形状保持部3Bの基端部から前記第1の湾曲部16までの長さをl1とし、主オーバーチューブ1BBの前端の長さをl2とすると、l1≒l2 となる関係を有して構成されている。
【0136】
本例の内視鏡用オーバーチューブ1Bでは、前記第4の実施の形態と略同様に作用する。すなわち、まず、図示しない操作ノブを操作することにより、図17(a)に示すように形状保持部3Bの第1の湾曲部16を、処置具挿通管路3cの軸方向に対して例えば略鉛直上方向に湾曲させ、その後、第2の湾曲部17を処置具挿通管路3cの軸方向に対して略平行となるように湾曲させる。
【0137】
この場合、1つの湾曲部16のみを備えた構成(図11参照)では、前記第4の実施の形態と同様に、形状保持部3の内視鏡挿通孔3Aに挿通された内視鏡20の湾曲部20aを湾曲させることにより、対応する形状保持部3Bの先端部分3bを同様の湾曲形状となるようにしても良い。
【0138】
その後、術者は、図示はしないが前記第1の実施の形態と同様に操作レバー4をスライド操作することにより、形状保持部3Bの作用により、形状保持部3Bの湾曲形状がそのまま固定保持される。
【0139】
そして、さらに、内視鏡20を、形状保持部3Bの先端面から突出するように押し込み、そして、図示しない操作ノブを操作することにより、図17(b)に示すように内視鏡20の湾曲部20aを略180°湾曲させて、前記第4の実施の形態と略同様に該内視鏡20の先端面が、主オーバーチューブ1B1の処置具挿通管路3cから突出している処置具14に対して対向配置させることが可能となる。
【0140】
したがって、本例によれば、前記第4の実施の形態及び変形例1と同様の効果が得られる他に、内視鏡用オーバーチューブ1Bと主オーバーチューブ1BBとを別体に構成したことで、外径の制限があるように場合など、必要に応じて主オーバーチューブ1BBを切り離して使用することが可能となとにり、汎用性を向上させることができる。
【0141】
第5の実施の形態:
(構成)
図18乃至図21は本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第5の実施の形態を示し、図18は形状保持手段として形状記憶合金,フレックスコイル及び発熱コイルを用いて構成した場合の内視鏡用オーバーチューブを含むシステム構成を示す構成図、図19は図18に示す形状保持部3Dの具体的な構成を示す断面図、図20は図19の発熱コイルに接続される発熱体とコントロールユニットとの接続形態を示す説明図、図21は形状保持部の形状の変形例を示す断面図である。なお、図18乃至図21は、前記第1の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0142】
本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Cは、前記第1乃至第4の実施の形態において形状保持手段として用いられていた螺旋状形状管8に変えて、図18に示すように、形状記憶合金19,発熱コイル23及びフレックスコイル21(図19参照)を用いて構成したことが特徴である。
【0143】
具体的には、内視鏡用オーバーチューブ1Cの挿入部3は、その下端側内部に形状保持手段として形状記憶合金19,発熱コイル23が内視鏡挿通孔3Aと平行に配されて形状保持部3Dとして構成されている。
【0144】
形状記憶合金19は、湾曲機能を取得するための手段及びその湾曲形状を保持固定するための形状保持手段として用いられており、例えばある所定レベルの熱を加えると、予め記憶された形状を形成するといった特性を有している。
【0145】
また、発熱コイル23は、図19に示すように、形状記憶合金19に巻回されるように設けられている。また、発熱コイル23の所定箇所には、図20に示すように、該発熱コイル23に伝達させる熱を発生するための発熱体24が所定数(本実施の形態では2個)設けられており、これら発熱体24には、接続線22aが接続されている。
【0146】
この接続線22aは、形状保持部3D内を介して操作部2側へと配されており、その基端部が操作部2上に設けられた通電SW4aに接続されている。
【0147】
この通電SW4aは、操作部2内,及び接続ケーブル22を介してコントロールユニット22に接続されている。
【0148】
通電スイッチ4aは、前記発熱コイル23に通電するか否かを操作するための操作スイッチである。また、コントロールユニット22は、前記発熱コイル23を発熱させるための発熱体24(図20参照)に電流を供給するための電源(図示せず)と、この電源の出力を制御するコントローラ(図示せず)とで主に構成されている。
【0149】
(作用)
本実施の形態においては、該内視鏡用オーバーチューブ1Cを用いる場合には、まず、コントロールユニット22の電源を投入して、内視鏡用オーバーチューブ1C内の発熱体24に電流を供給可能状態とし、その後、体腔内に挿入部3を挿入後、その挿入部3の形状を保持固定する場合には、術者が通電SW4aを押下することによって、通電状態とする。
【0150】
これにより、該コントロールユニット22からの電流が接続線22aを介して発熱体24に供給されることにより、該発熱体24が発熱し、この発生した熱が発熱コイル23に伝わることで、その結果、形状記憶合金19の熱が伝導されることになり、形状記憶合金19は予め記憶された形状に変形し、これに伴い、形状保持部3Dを湾曲させることが可能となる。また、この湾曲形状は、フレックスコイル21によって保持固定される。
【0151】
この場合、形状記憶合金19には熱を継続して伝導させる必要はなく、つまり、発熱体24に継続して電流を供給する必要はない。つまり、一度形状記憶合金19を変形させれば、該形状記憶合金19は熱が下がってもその形状を保持する機能を有しているので、その機能を利用してその形状を保持するようにしても良い。
【0152】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、形状保持手段として螺旋状形状管8を用いずとも、簡単な構成で内視鏡用オーバーチューブ1Cの挿入部3に湾曲機能を設けることが可能となる。また、湾曲機能を有する内視鏡20と組み合わせて用いれば、さらにより観察性能を向上させることが可能となる。
【0153】
なお、本実施の形態では、形状保持手段として形状記憶合金19を用いた構成としたが、前記第1乃至第4の実施の形態にて使用した螺旋状形状管8を併用した構成としても良い。
【0154】
また、本実施の形態では、形状保持手段としての螺旋状形状管8と併用して構成した場合でも、前記形状記憶合金を有する形状保持部3Dの断面形状に改良を施し、挿入部の細径化を図ることも可能である。このような変形例を図21に示す。
【0155】
(変形例)
本例では、内視鏡用オーバーチューブ1Cの形状保持部3Dは、前記第1の実施の形態と同様に形状保持手段としての螺旋状形状管8と形状記憶合金19とを設けて構成され、図21に示すように、形状保持部3Dの外径形状が楕円状(長円形)となるように形成されている。
【0156】
この楕円状(長円形)の対応する部分の挿入部3内には、形状記憶合金19が前記内視鏡挿通孔3Aと平行に配設され、さらにこの形状記憶合金19の外周面には前記発熱コイル23が配設されている。この場合、形状記憶合金19は、外シース7内に挿通される構成とすれば良い。
【0157】
また、挿入部3内の内視鏡挿通孔3Aを形成するように、前記フレックスコイル21が設けられている。つまり、このフレックスコイル21は、内シース6(図1参照)に変えて設けられたものである。
【0158】
このように構成とすることで、形状保持手段としての螺旋状形状管8と形状記憶合金19とを併用して構成した場合でも、内視鏡用オーバーチューブ1Cの挿入部3の細径化を図ることが可能となる。
【0159】
第6の実施の形態:
(構成)
図22及び図23は本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第6の実施の形態を示し、図22は改良を施した内視鏡用オーバーチューブの外観構成を示す構成図、図23は図22に示す内視鏡用オーバーチューブとを含む内視鏡システムの構成を示す構成図である。なお、図22及び図23は、前記第1の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0160】
前記第1乃至前記第5の実施の形態における能動的な形状変化機構を有する内視鏡用オーバーチューブを含め、一度体腔内に挿入してしまうと、内視鏡用オーバーチューブの実際の形状が術者にとっては解らず、必ずしも最適なチューブ形状とすることが難しい。
【0161】
そこで、本実施の形態では、図22に示すように、前記第1乃至第4の実施の形態における内視鏡用オーバーチューブの挿入部(形状保持部)3の外周上の長手方向の所定位置に、外部機器によりその形状を把握するためのデバイス25を複数設け、そのデバイス25を検知してチューブ形状を確認、表示する内視鏡用オーバーチューブシステムとして構成したことが特徴である。
【0162】
具体的には、本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Dは、図22に示すように、内視鏡用オーバーチューブの挿入部(形状保持部)3の外周上の長手方向の所定位置に、デバイス25としての例えば磁気コイル,X−ray不透過マーカー,金属チップなどの形状把握マーカーを複数併設して構成する。
【0163】
また、前記デバイス25を検知してチューブ形状を確認、表示する外部機器としては、図23に示すように、前記挿入部3のデバイス25を検知する磁気センサー26と、この磁気センサ−26からの検知結果に基づき挿入部3の形状を算出し、例えばその形状を画像として表示するための表示制御を行うCPU27と、このCPU27からの形状位置を示す画像28Aを表示するモニタ28とを設けている。
【0164】
(作用)
次に、本実施の形態の特徴となる作用を図23を参照しながら詳細に説明する。
【0165】
本実施の形態の上記構成の内視鏡システムにおいては、例えば軟性鏡13及び処置具14を本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Dにそれぞれ挿通し、そして、前記第1の実施の形態と同様に患者102の体腔内100内に挿入して観察や処置を行うものとする。
【0166】
この場合、例えば、図23に示すように、内視鏡用オーバーチューブ1Dの挿入部の形状が形状保持手段による作用にて固定保持された形状であるとすると、磁気センサー26は、前記挿入部3のデバイス25を検知し、検知結果がCPU27に供給される。
【0167】
そして、CPU27は、磁気センサ−26からの検知結果に基づき挿入部3の形状を算出し、例えばその形状を画像28Aとしてモニタ28の画面上に表示させる。
【0168】
これにより、内視鏡用オーバーチューブ1Dを体腔内100に挿入した場合でも、該内視鏡用オーバーチューブ1Dの挿入部3の形状がモニタ28の画面上に表示されることになるため、術者はこれを認識することが可能となる。
【0169】
そして、術者は、このモニタ38の形状画像28Aを見ながら、体腔内100の病変を処置するのに好適な形状となるように、再度、内視鏡用オーバーチューブ1Dの挿入部3を挿入し変形すれば良い。
【0170】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、内視鏡用オーバーチューブ1Dを体腔内100に挿入した場合でも、該内視鏡用オーバーチューブ1Dの挿入部3の形状がモニタ28の画面上に表示されることになるため、術者はこれを認識することが可能となる。こうして、内視鏡用オーバーチューブ1Dの挿入部3の形状を、、形状画面28Aを見ながら最適な形状にすることができるため、軟性鏡13による観察性能や処置具14による処置性能をより向上させることが可能となる。
【0171】
特に、胃などの空間が大きい臓器で、チューブ形状を固定して処置を行う場合、形状画面28Aにより形状を確認しながらチューブ形状を変換させることにより、最適なチューブ形状とすることが可能となる。
【0172】
第7の実施の形態:
(構成)
図24及び図25は本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第7の実施の形態を示し、図24は改良を施した内視鏡用オーバーチューブの先端側部分の概略成を示す構成図、図25は図24に示す内視鏡用オーバーチューブの特徴となる作用を説明するための説明図で、図25(a)は本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブを管腔内に挿入した状態、図25(b)は従来の内視鏡用オーバーチューブを管腔内に挿入した状態をそれぞれ示している。なお、図24及び図25は、前記第1の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0173】
従来、内視鏡用オーバーチューブと軟性鏡との間に隙間(段差)があると、内視鏡用オーバーチューブ(及び軟性鏡)挿入時に、例えば図25(b)に示すように、粘膜104を傷つけたり、巻き込んだりする虞れや、管腔内や体腔内を膨らませて(スペースを確保して)観察するために送ったガス(空気、酸素、二酸化炭素等)が漏れてしまうといった不都合があった。
【0174】
そこで、本実施の形態では、上記不都合を解消するために、内視鏡用オーバーチューブにおいて、内径の一部を縮径化した小径部を設けて構成したことが特徴である。
【0175】
図24に示すように、本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Eは、挿入部3の基端部に、内径の一部を縮径化した小径部を有する弾性部材29を設けて構成されている。
【0176】
この弾性部材29は、例えばゴム等の伸縮自在な弾性部材からなり、軟性鏡13を挿通する内視鏡挿通孔3Aと連通した小径部29Bを先端側に設け、さらに、この小径部29Bから挿入部3の基端部にかけての外周部分にはテーパー状に形成されたテーパー部29Aを設けて構成されている。
【0177】
この場合、前記弾性部材29が嵌合される境界部分から挿入部3の基端部にかけてを大径部3Eの寸法をΦD3とし、前記弾性部材29の小径部29Bの寸法をΦD2とし、軟性鏡13の寸法をΦD1とすると、本実施の形態では、
ΦD3>ΦD1>ΦD2 となる関係を満足するように構成されており、少なくとも2種類以上の組み合わせ可能な軟性鏡13が用いられるようになっている。いる。
【0178】
(作用)
本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Eにおいては、上記構成の小径部29Bを有する弾性部材29を内視鏡用オーバーチューブ1Eの挿入部3の先端部に設けているので、内視鏡用オーバーチューブ1E(及び軟性鏡13)の管腔内や体腔内の挿入時に、例えば図25(a)に示すように、粘膜を傷つけたり、巻き込んだりする虞れがなく、円滑に挿入させることが可能となる。
【0179】
また、小径部29Bは、弾性部材で構成されているので挿通される軟性鏡13の外周面に密着されるため、管腔内や体腔内を膨らませて(スペースを確保して)観察するために送ったガス(空気、酸素、二酸化炭素等)が漏れてしまうことも防止することができ、良好な視野を得ることが可能となる。
【0180】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、小径部29Bを有する弾性部材29を設けた構成により、内視鏡用オーバーチューブ1及び軟性鏡13の挿入を円滑に行うことができ、また、ガスのリークがなく、良好な視野が得られる。
【0181】
また、小径部29Bを挿入部3の先端部となる遠位側に設けたことにより、軟性鏡13の外周面と摺動する範囲を小さく(短く)することができるため、軟性鏡13の耐性上有利となる。
【0182】
また、小径部29Bを有する弾性部材29は、ゴムなどの伸縮可能な弾性部材からなり、組み合わせる軟性鏡13と内視鏡用オーバーチューブ1Eとが、上述したようにΦD3>ΦD1>ΦD2 となる関係を満足するとともに、少なくとも2種類以上の組み合わせ可能な軟性鏡13が用いられるように構成されているので、複数の軟性鏡13と組み合わせ可能に内視鏡用オーバーチューブに汎用性を持たせたことにより、既に所有している軟性鏡を使用することも可能となり、購入コストを抑制できることが期待できる。
【0183】
第8の実施の形態:
(構成)
図26及び図28は本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第8の実施の形態を示し、図26は電動で操作部による操作を可能にした電動操作ユニットを含む制御システム全体の構成を示す構成図、図27は図26の電動操作ユニットが装着される内視鏡用オーバーチューブの操作部を示す図、図28は図26の電動操作ユニットの具体的な構成を説明するためのもので、図28(a)は回転操作板の構成を示す構成図、図28(b)はモータユニットの構成を示す構成図である。なお、図26及び図28は、前記第1の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0184】
本実施の形態では、本発明に係る形状保持手段を利用した、形状変形時あるいは形状保持固定時における操作レバー4による操作を、手動ではなく電動で行うように構成したことが特徴である。
【0185】
具体的には、本実施の形態では、図26に示すように、内視鏡用オーバーチューブ1の操作部2に装着可能な電動操作ユニット30と、この電動操作ユニット30の駆動を制御する制御ユニット31と、この制御ユニット31の駆動をオン・オフ操作するためのフットスイッチ32とを設けて、内視鏡用オーバーチューブを含めた内視鏡システムを構成している。
【0186】
電動操作ユニット30は、内視鏡用オーバーチューブ1の操作部上に、操作レバー4の位置に合わせて着脱可能自在に装着可能であり、操作部2の挿入部3側に設けられ回転操作板33と、この回転操作板33を回転可能に支持するとともに、該回転操作板33を回転駆動させるモータユニット37とで主に構成されている。
【0187】
回転操作板33は、図28(a)に示すように、リング形状に構成され、内シース固定部材12を挿通する挿通孔39と、その挿通孔39の一部に操作レバー4(図27参照)と嵌合して保持するための係合部38と、前記モータユニット37内のモータ36と係合して該回転操作板33自体を回転させるための回転力を伝達する駆動ギア51とを有して構成されている。
【0188】
一方、モータユニット37は、図28(b)に示すように、前記回転操作板33と同様にリング形状に構成され、該モータユニット37自体を操作部3の外周面上に固定するための固定ビス40と、前記回転操作板33の駆動ギア51と噛合して回転力を伝達するための駆動源であるモータ36とで主に構成されている。なお、このモータ36は、リング形状の下部内に接着部35によって固定されている。
【0189】
(作用)
本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1を有する内視鏡用オーバーチューブシステムにおいては、本発明の内視鏡用オーバーチューブ1の操作部2上に電動操作ユニット30が装着されているので、内視鏡用オーバーチューブ1を体腔内に挿入し、その形状保持部3Bの形状を保持固定する場合には、術者は、フットスイッチ32を踏むことにより、制御ユニット31から駆動信号がモータユニット37内のモータ36に供給され、該モータ36が回転駆動する。
【0190】
そして、このモータ36の回転駆動力は、回転操作板33の駆動ギア51を介して該回転操作板33自体に伝達されて回転される。この回転により、該回転操作板33内の係合部38に係合している内視鏡用オーバーチューブ1の操作レバー4がスライド操作されることになる。
【0191】
一方、内視鏡用オーバーチューブ1の形状を保持する際の操作は、再度フットスイッチ32を踏めば、これを制御ユニット31がこれを認識して、モータ36を逆回転させるように制御することで、上記同様に作用して操作レバー4を逆方向へとスライド操作させることが可能となる。
【0192】
なお、その操作の切替えは、これに限定されるものではなく、例えばフットスイッチ32を1度踏んだら操作レバー4を固定保持する方向へと操作させ、一方二度連続して踏んだら逆方向(固定保持を解除する方向)へと操作レバー4を操作するように、制御ユニット31側にて予め設定すれば良い。
【0193】
(効果)したがって、本実施の形態によれば、内視鏡用オーバーチューブ1の操作部の操作を手動では無く、電動にて行うことが可能となり、操作性を向上させることが可能となる。
【0194】
第9の実施の形態:
(構成)
図29及び図30は本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第9の実施の形態を示し、操作部に改良を施すとともに挿入部先端部に湾曲部を設けた場合の内視鏡用オーバーチューブの構成を示す断面図、図30は該内視鏡用オーバーチューブの一例の使用方法を示す説明図である。なお、図29及び図30は、前記第4の実施の形態(変形例1)と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0195】
本実施の形態では、さらに内視鏡用オーバーチューブ1の操作性及び観察性能を向上させるために、操作部2の操作レバー4に変えて形状保持固定リング41とオレドメ42とを設けるとともに、挿入部3の基端部分に湾曲部を設けて構成したことが特徴である。
【0196】
具体的には、図29に示すように、内視鏡用オーバーチューブ1Fの操作部2には、伝達部材9に固定された操作部2の外径と同様の外径を有する形状保持固定リング41が設けられている。つまり、この形状保持固定リング41を回転させることにより、伝達部材9を介して螺旋状形状管8及び内シース6を回転させて保持、固定を行う。
【0197】
この場合、形状保持固定リング41を回転操作する場合、挿入部3の先端側が体腔内に挿入された状態である程度負荷がかけられてたとすると、形状保持部3Bの操作部2側部分によじれ等が生じることもあるため、これを防止するために対応する部分にテーパー形状に形成されたオレドメ42が嵌装されている。
【0198】
一方、内視鏡用オーバーチューブ1Eの挿入部3の先端部分には、前記第4の実施の形態(変形例1:図14参照)と略同様の湾曲部3Fが形成されているが、この湾曲部3Fに対応する挿入部先端部分は、湾曲ゴム等の材質でチューブを形成している。
【0199】
(作用)
本実施の形態の内視鏡用オーバーチューブ1Fにおいては、内視鏡挿通孔3Aにスコープを挿通し、図30に示すように、例えばスコープと共に内視鏡用オーバーチューブ1Fを子宮頸管105を介して挿入する。
【0200】
そして、図示しない操作ノブを操作することにより、挿入部3の湾曲部3Fを湾曲させて、その後、形状保持固定リング41を回転させることにより、形状保持部3Bの形状を固定保持させた後、卵管108に導かれる卵管子宮口107に挿入させる。
【0201】
そして、該内視鏡用オーバーチューブ1Fに挿通されたスコープ43をさらに押し込み、卵管108を観察する。
【0202】
(効果)
したがって、本実施の形態例によれば、操作レバー4に変えて形状保持固定リング41を設けたことにより、より一層操作性を向上させることが可能となり、また、挿入部3の先端部分に柔軟な湾曲部3Fを設けた構成とすることで、より一層安全な観察を行うことが可能となる。
【0203】
第10の実施の形態:
(構成及び作用))
図31は本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第10の実施の形態を示し、トラカールを用いて内視鏡用オーバーチューブを体腔内に挿入する場合の構成を示す構成図である。なお、図31は、前記第1の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0204】
本実施の形態では、前記第1乃至第9のいずれかの内視鏡用オーバーチューブ1を用いて体腔内の肺109等の臓器を観察する場合には、例えば体腔内の挿入口に保持されるトラカール50を設け、このトラカール50にガイドされながら本発明の内視鏡用オーバーチューブ1を挿入する。そして、この内視鏡用オーバーチューブ1に挿通された軟性鏡13によって肺109の観察や処置等を行う。
【0205】
(効果)
したがって、本実施の形態例によれば、トラカール50を用いて内視鏡用オーバーチューブ1を体腔内に挿入するので、患者に苦痛を与えることがなく、より安全に観察,処置等を行うことが可能となる。
【0206】
ところで、本発明の内視鏡用オーバーチューブでは、形状保持機能を有していることから、単に内視鏡用オーバーチューブを挿通し、観察,処置を行うために使用するだけでなく、その他にも幅広く活用することが可能である。このような技術に関し、図32乃至図37を参照しながら開示する。
【0207】
例えば、本発明の内視鏡用オーバーチューブを図32に示すように、鉗子口延長チューブ1Gとして使用する。この場合、鉗子口延長チューブ1Gは、内視鏡13の鉗子口51aとチューブ先端をコネクトし、さらに操作部52側の基端部を鉗子53のシース54の先端部(鉗子栓52)とコネクトする。
【0208】
そして、術者は、所望する鉗子操作し易い位置にて、操作部52により操作することで、鉗子口延長チューブ1Gの形状を固定保持する。
【0209】
これにより、鉗子操作し易い位置に鉗子33を配置することが可能となり、鉗子53の操作部55による鉗子操作性の向上化を図れる。
【0210】
また、図33に示すように、硬性鏡60の鉗子口51aに鉗子口延長チューブ1Gとして装着し、さらに、該鉗子口延長チューブ1Gの基端部に通常の軟性チューブ61を設けた構成としても良い。これにより、前記図32に示す一例と同様に、鉗子やスコープ等を所定位置にて保持固定することができるため、操作性を向上させることが可能となる。
【0211】
ところで、本発明の内視鏡用オーバーチューブでは、上記鉗子口延長チューブだけでなく、例えば、内視鏡と光源装置やビデオプロセッサとを接続するユニバーサルコードを挿通用のオーバーチューブとしても適用することが可能である。
【0212】
例えば図34に示すように、内視鏡60aのCCD66やライトガイド67にそれぞれ接続される信号ケーブル等のユニバーサルコードを、本発明のオーバーチューブ1Hに挿通させても良い。これにより、内視鏡60aを、モニタ65,コントロールパネル64,ビデオプロセッサ63及び光源装置62等の外部周辺機器に対して、所望する位置に保持固定して配することが可能となり、このような内視鏡システムにおいても、より操作性を向上させることが可能となる。
【0213】
また、内視鏡がビデオ内視鏡70である場合にも、例えば図35に示すように、硬性または軟性のビデオ内視鏡70の接続ケーブルを挿通する接続延長チューブ1Iとして2つ延設し、光源装置62及びビデオプロセッサ63に接続するように構成すれば、それぞれの接続延長チューブ1Iの形状が所望する位置に配された形状で操作部51を操作して固定保持することにより、術者110及び患者102に対してじゃまにならない位置に接続ケーブルを配置することが可能となる。これにより、より操作性を向上させることができるとともに、より安全に内視鏡による診察を行うことができる。
【0214】
ところで、本発明の内視鏡用オーバーチューブ1を上記のように接続延長チューブとして使用した場合、例えば図36に示す手術システムにおいても適用することが可能である。
【0215】
例えば、天井には、内視鏡13と吸引管74とがそれぞれ接続されるビデオコントローラや吸引装置等の機器が収容された懸架部73が配設され、この懸架部73からの各接続ケーブルをそれぞれ挿通するように2つの接続延長チューブ1Iがそれぞれ設けられ、各接続延長チューブ1Iには内視鏡13と吸引管74とが接続されている。
【0216】
したがって、このように内視鏡13及び吸引管74を天井の懸架部73から吊るして観察や吸引処置等を行う手術システムにおいても、本発明に係る接続延長チューブ1Iをそれぞれ設けたことにより、内視鏡13と吸引管74とをそれぞれ所望する位置に配されるように接続延長チューブ1Iの形状を固定保持することができるため、接続延長チューブ1I同士が重なることもなく、より好適なポジションにて観察や吸引処置を行うことが可能となる。よって、従来の接続ケーブルのみで吊り下げた手術システムよりも操作性を向上させることが可能となる。
【0217】
また、本発明の内視鏡用オーバーチューブ1では、さらに、その形状保持機能を利用して、例えば泌尿器科における男性患者の膀胱検査を行う場合の陰茎を保持する手術システムにも適用可能である。
【0218】
この手術システムでは、例えば、図37に示すように、本発明の内視鏡用オーバーチューブ1を患者の陰茎を保持する長さ形状に合わせて形成された形状保持チューブ1Jとし、さらに、この形状保持チューブ1Jの操作部41aの外周部に湾曲自在な支持部材76を固定するとともに、この支持部材76をクランプ75を介してテーブル77に固定する。
【0219】
このような手術システムにおいては、陰茎を術者あるいは看護師が接触せずに形状保持チューブ1Jによって所望する角度で固定保持することができるので、内視鏡13の先端部13aを亀頭111の尿道を介して、容易に挿入することができ、さらに、尿道112を介して膀胱113の観察を、容易に行うことが可能となる。
【0220】
これにより、このような泌尿器化における手術システムに形状保持チューブを適用することにより、該当する内視鏡処置における内視鏡の操作性をより向上させることが可能となる。
【0221】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0222】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0223】
(1) 内視鏡を挿通可能な管路を有する可撓性管状部材であり、前記内視鏡が挿通された際に、前記内視鏡の先端部が前記管状部材の先端面と同面または突出する長さで形成されるとともに、挿通された前記内視鏡の形状変化によって受動的に変形する挿入部と、
前記挿入部に設けられ、該挿入部の形状が自由に変形する状態である変形可能状態と、挿入部の形状を変形状態のままに保持する変形保持状態とに選択的に切り替え可能な形状保持手段と、
前記挿入部基端側に配置され、前記形状保持手段を切替え操作する操作部と、
を具備したことを特徴とする内視鏡用オーバーチューブ。
【0224】
(2) 前記形状保持手段は、
前記挿入部の外観を構成する外管と、
拡開させることによって、前記外管の内周面に接触して摩擦力を発生する、帯状部材を螺旋状に巻回して形成した螺旋管と、
前記螺旋管の内周面側に配置され、前記螺旋管の一端部が外周面先端に一体固定される内管と、を具備し、、
前記操作部は、
前記螺旋管の他端部が一体固定され、この一体固定された位置を変化させることによって、前記螺旋管を拡開変形させる、前記外管の基端部に一体配置された固定部材に対して摺動可能な操作レバーと、
を具備して構成したことを特徴とする(1)に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【0225】
(3) 前記挿入部は、少なくとも1つの処置具を挿通可能な管路を有して構成したことを特徴とする(1)に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【0226】
(4) 前記挿入部は、前記操作部と該挿入部との間に、前記変形保持状態に変形しない軟性部を設けたことを特徴とする(2)に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【0227】
(5) 前記挿入部は、前記挿入部状態切替え手段により前記変形可能状態において、該挿入部を能動的に湾曲させる湾曲部を少なくとも1つ設けて構成したことを特徴とする(1)に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【0228】
(6) さらに、少なくとも1つの処置具を挿通可能な管路を有し、前記内視鏡用オーバーチューブを挿通可能とする主オーバーチューブを設けたことを特徴とする(5)に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【0229】
(7) 前記挿入部は、前記内視鏡を挿通可能な管路に挿通された内視鏡とを気密にする小径部を有するテーパー形状の弾性部材が該挿入部先端側に配置され、この小径部は、前記挿入部の内径よりも小さい内視鏡の外径より、小さくなるように形成したことを特徴とする(1)に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【0230】
(8) さらに、前記操作レバーを電動的に摺動可能であり、前記内視鏡用オーバーチューブの前記操作部に着脱可能な電動調整操作手段を設けたことを特徴とする(2)に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【0231】
(9) 前記電動調整操作手段は、前記操作レバーを駆動する駆動部と、この駆動部を制御する制御部と、で構成したことを特徴とする(8)に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【0232】
(10) 前記挿入部は、さらに、加熱されることにより前記挿入部を前記変形保持状態にさせる形状保持部材が、前記内視鏡を挿通可能な管路と平行に設けられて構成したことを特徴とする(1)に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【0233】
(11) 前記操作レバーは、前記固定部材に対して回転摺動可能な固定リングレバーであり、前記操作部と前記挿入部との接続部分に、前記固定リングによる回転操作による影響を防止するためのオレドメを嵌装したことを特徴とする(2)記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【0234】
(12) 前記挿入部は、体腔内に挿入する際に、体腔口に保持されたトラカール内を挿通させて挿入させることを特徴とする前記(1)乃至(11)のいずれか1つに記載の内視鏡用オーバーチューブ。
【0235】
(13) 前記内視鏡は、軟性鏡であることを特徴とする前記(1)乃至(12)のいずれか1つに記載の内視鏡用オーバーチューブ。
(14) 前記(1)乃至(12)のいずれか1つに記載の内視鏡用オーバーチューブは、ユニバーサルコードを挿通させる接続延長チューブとして適用したことを特徴としたもの。
【0236】
(15) 前記(1)乃至(13)のいずれか1つに記載の内視鏡用オーバーチューブは、鉗子口延長チューブ、あるいは、内視鏡及び吸飲管の接続延長チューブとして適用したことを特徴としたもの。
【0237】
(16) 前記(1)乃至(13)のいずれか1つに記載の内視鏡用オーバーチューブは、泌尿器科での膀胱観察を行う際の陰茎を保持固定するための保持チューブとして適用したもの。
【0238】
(17) 前記(10)に記載の内視鏡用オーバーチューブと、
前記内視鏡用オーバーチューブの前記形状保持部材と係合する位置に配され、前記形状保持部材を加熱するための発熱手段と、
前記発熱手段の発熱動作を制御する発熱制御手段と、
を具備したことを特徴とする内視鏡システム。
【0239】
(18) 前記(1)乃至(13)のいずれか1つに記載の内視鏡用オーバーチューブと、
前記内視鏡用オーバーチューブに挿通可能であり、操作ノブにより能動的に湾曲する湾曲部を先端側に有し、処置具挿通可能な管路を有する内視鏡と、
前記内視鏡の管路に挿通される第1の処置具と、
前記内視鏡用オーバーチューブの挿入部に設けられた処置具挿通可能な管路に挿通される第2の処置具と、
を具備したことを特徴とする内視鏡システム。
【0240】
(19) 前記(1)乃至(13)のいずれか1つに記載の内視鏡用オーバーチューブと、
前記内視鏡用オーバーチューブの挿入部外周面の長手方向全体に複数併設され、、その挿入部の形状を検出するための検出用デバイスと、
前記検出用デバイスの位置を検出する検出センサーと、
前記検出センサーの検出結果に基づき前記挿入部の形状を算出し、算出結果をモニター表示させる表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする内視鏡システム。
【0241】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、オーバーチューブの形状を自由に変化、あるいはその湾曲状態を固定保持可能に構成することで、内視鏡の各種処置の操作性を向上させることができる内視鏡用オーバーチューブを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の係る内視鏡用オーバーチューブの基本構造を説明するための構成図。
【図2】本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第1の実施の形態を示し、該内視鏡用オーバーチューブの外観構成を示す斜視図。
【図3】図2の挿入部の断面図。
【図4】本実施の形態の特徴となる作用を説明するための説明図。
【図5】内視鏡用オーバーチューブの挿入部の変形例を示す断面図。
【図6】本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第2の実施の形態を示し、該内視鏡用オーバーチューブの外観構成を示す斜視図。
【図7】本実施の形態の特徴となる作用を説明するための説明図。
【図8】本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第3の実施の形態を示し、第1及び第2の湾曲部を設けた内視鏡用オーバーチューブの外観構成を示す斜視図。
【図9】第1及び第2の湾曲部を動作させてそれぞれ湾曲させた状態の内視鏡用オーバーチューブの構成を示す斜視図。
【図10】本実施の形態の特徴となる作用を説明するための説明図。
【図11】本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第4の実施の形態を示し、内視鏡用オーバーチューブの主要構成部分を示す構成図。
【図12】図11のA−A線断面図。、
【図13】本実施の形態の特徴となる作用を説明するための説明図。
【図14】第4の実施の形態の変形例1を示し、湾曲用ワイヤーをチューブ内に収容可能にした場合の湾曲部近傍の具体的な構成を示す断面図。
【図15】図14に示す内視鏡用オーバーチューブの作用を説明するための説明図。
【図16】第4の実施の形態の変形例2を示し、内視鏡用オーバーチューブと主オーバーチューブとを別体構成した場合の具体的なシステム構成を示す構成図。
【図17】図16に示すシステムの作用を説明するための説明図。
【図18】本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第5の実施の形態を示し、形状保持手段として形状記憶合金を用いて構成した場合の内視鏡用オーバーチューブを含むシステム構成を示す構成図。
【図19】図18に示す形状保持部3Dの具体的な構成を示す断面図。
【図20】図19の発熱コイルに接続される発熱体とコントロールユニットとの接続形態を示す説明図。
【図21】形状保持部の配置位置を変えた変形例を示す挿入部の断面図。
【図22】本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第6の実施の形態を示し、改良を施した内視鏡用オーバーチューブの外観構成を示す構成図。
【図23】図22に示す内視鏡用オーバーチューブとを含む内視鏡システムの構成を示す構成図。
【図24】本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第7の実施の形態を示し、改良を施した内視鏡用オーバーチューブの先端側部分の概略成を示す構成図。
【図25】図24に示す内視鏡用オーバーチューブの特徴となる作用を説明するための説明図。
【図26】本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第8の実施の形態を示し、電動で操作部による操作を可能にした電動操作ユニットを含む制御システム全体の構成を示す構成図。
【図27】図26の電動操作ユニットが装着される内視鏡用オーバーチューブの操作部を示す図。
【図28】図26の電動操作ユニットの具体的な構成を説明するための構成図。
【図29】本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第9の実施の形態を示し、操作部に改良を施すとともに挿入部先端部に湾曲部を設けた場合の内視鏡用オーバーチューブの構成を示す断面図。
【図30】内視鏡用オーバーチューブの一例の使用方法を示す説明図
【図31】本発明に係る内視鏡用オーバーチューブの第10の実施の形態を示し、トラカールを用いて内視鏡用オーバーチューブを体腔内に挿入する場合の構成を示す構成図。
【図32】内視鏡用オーバーチューブを鉗子口延長チューブとして適用した場合の説明図。
【図33】内視鏡用オーバーチューブを硬性鏡の鉗子口に鉗子口延長チューブとして装着した場合の説明図。
【図34】内視鏡用オーバーチューブをユニバーサルコードを挿通させた接続延長チューブとして適用した場合の説明図。
【図35】内視鏡用オーバーチューブを硬性または軟性のビデオ内視鏡の接続ケーブルを挿通する接続延長チューブとして適用した場合の説明図。
【図36】内視鏡及び吸引管を天井の懸架部から吊るして観察や吸引処置等を行う手術システムの接続延長ケーブルとして適用した場合の説明図。
【図37】泌尿器科における男性患者の膀胱検査を行う場合の陰茎を保持する保持固定チューブとして適用した場合の説明図。
【符号の説明】
1…内視鏡オーバーチューブ
1B1,1BB…主オーバーチューブ
2…操作部、
2A,2B…操作ノブ、
2O…内視鏡
3…挿入部、
3A…内視鏡挿通孔、
3B…形状保持部、
3D…形状保持部
3E…大径部、
3F…湾曲部、
3b…処置具挿通管路、
3c…処置具挿通管路、
3d…湾曲用ワイヤー管路、
4…操作レバー、
4a…通電スイッチ、
5…移動溝
6…内シース、
7…外シース、
8…螺旋状形状管、
9…伝達部材
10…外シース固定部材、
11…固定部材
12…内シース固定部材、
13…内視鏡(軟性鏡)
14…処置具、
15…軟性部、
16,17…湾曲部、
18…湾曲用ワイヤー、
19…形状記憶合金、
20…内視鏡、
20a…湾曲部、
20b…処置具、
21…フレックスコイル、
22…コントロールユニット、
23…フットスイッチ、
23…発熱コイル、
24…発熱体、
25…デバイス、
26…磁気センサー、
28…モニタ、
29…弾性部材、
29A…テーパー部、
29B…小径部、
30…電動操作ユニット、
41…形状保持固定リング、
42…オレドメ。
Claims (3)
- 内視鏡を挿通可能な管路を有する可撓性管状部材であり、前記内視鏡が挿通された際に、前記内視鏡の先端部が前記管状部材の先端面と同面または突出する長さで形成されるとともに、挿通された前記内視鏡の形状変化によって受動的に変形する挿入部と、
前記挿入部に設けられ、該挿入部の形状が自由に変形する状態である変形可能状態と、挿入部の形状を変形状態のままに保持する変形保持状態とに選択的に切り替え可能な形状保持手段と、
前記挿入部基端側に配置され、前記形状保持手段を切替え操作する操作部と、
を具備したことを特徴とする内視鏡用オーバーチューブ。 - 前記形状保持手段は、
前記挿入部の外観を構成する外管と、
拡開させることによって、前記外管の内周面に接触して摩擦力を発生する、帯状部材を螺旋状に巻回して形成した螺旋管と、
前記螺旋管の内周面側に配置され、前記螺旋管の一端部が外周面先端に一体固定される内管と、を具備し、
前記操作部は、
前記螺旋管の他端部が一体固定され、この一体固定された位置を変化させることによって、前記螺旋管を拡開変形させる、前記外管の基端部に一体配置された固定部材に対して摺動可能な操作レバーと、
を具備して構成したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用オーバーチューブ。 - 前記挿入部は、少なくとも1つの処置具を挿通可能な管路を有して構成したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用オーバーチューブ。
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