JP2005045447A - 積層型バンドパスフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】積層型バンドパスフィルタ1は、1つの不平衡入力端2と、2つの平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、それぞれTEM線路よりなる複数の共振器40を有している。積層型バンドパスフィルタ1は、更に、複数の共振器40を集積するための多層基板を備えている。バンドパスフィルタ部4は、共振器40として、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器41Aを含んでいる。平衡出力端3A,3Bは、平衡出力用1/2波長共振器41Aに直接接続されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平衡出力端を有する積層型バンドパスフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の無線通信機器では、小型化、薄型化の要求が強いことから、高密度の部品実装技術が要求されている。そこで、多層基板を用いて部品を集積することも提案されている。
【0003】
ところで、無線通信機器における部品の一つには、受信信号を濾波するバンドパスフィルタがある。このバンドパスフィルタとしては、例えば特許文献1に記載されているように、積層型のバンドパスフィルタが知られている。この積層型のバンドパスフィルタは、多層基板における導体層を用いて構成された共振器を備えている。
【0004】
ところで、従来の積層型のバンドパスフィルタは、接地電位を基準電位とした不平衡信号を入出力するようになっていた。そのため、このバンドパスフィルタの出力信号を、平衡入力型の増幅器に与えるためには、不平衡信号を、互いに位相がほぼ180°異なり、振幅がほぼ等しい2つの信号からなる平衡信号に変換するバラン(不平衡−平衡変換器)が必要であった。このバランも、多層基板における導体層を用いて構成することができる。
【0005】
従来、上記バンドパスフィルタとバランは、互いに別個の回路として構成されていた。なお、特許文献1には、多層基板を用いてフィルタとバランとを一体化してなる積層型誘電体フィルタが記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、バランを用いることなく平衡信号の入出力を行うことができるようにした誘電体フィルタが記載されている。この誘電体フィルタは、両端が開放または短絡された1/2波長共振器と、一端が短絡され、他端が開放された1/4波長共振器と、1/4波長共振器に結合する不平衡端子と、1/2波長共振器の2つの開放端付近にそれぞれ結合する2つの平衡端子とを備えている。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−87008号公報
【特許文献2】
特開2000−349505号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
バンドパスフィルタとバランとが互いに別個の回路として構成されている場合には、部品点数が多くなるため、バンドパスフィルタおよびバランを含む回路の損失および大きさが大きくなるという問題点がある。特許文献1に記載されている積層型誘電体フィルタでは、フィルタとバランとが多層基板を用いて一体化されているものの、フィルタとバランは別個の回路となっているため、上述の問題点は解決されない。
【0009】
特許文献2に記載されている誘電体フィルタでは、2つの平衡端子は、1/2波長共振器から離れた位置に配置され、それぞれ1/2波長共振器と平衡端子との間に生じるキャパシタンスを介して、1/2波長共振器に結合されている。この構成では、上記キャパシタンスの大きさによって1/2波長共振器の共振周波数が変化する。そのため、この構成では、フィルタの特性の調整が難しいという問題点がある。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、平衡信号を出力でき、小型で、調整の容易な積層型バンドパスフィルタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の積層型バンドパスフィルタは、
不平衡信号を入力する不平衡入力端と、
平衡信号を出力する2つの平衡出力端と、
それぞれTEM線路よりなる複数の共振器を有し、不平衡入力端と平衡出力端との間に設けられたバンドパスフィルタ部と、
複数の共振器を集積するための多層基板とを備え、
バンドパスフィルタ部は、共振器として、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器を含み、
平衡出力端は、平衡出力用1/2波長共振器に直接接続されているものである。
【0012】
本発明の第1の積層型バンドパスフィルタでは、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器に、2つの平衡出力端が直接接続されている。これにより、第1の積層型バンドパスフィルタによれば、バランを設けることなく、2つの平衡出力端より平衡信号を出力することができる。なお、本出願において、「直接接続されている」とは、接続される両者が、導体として物理的に連続しているという意味である。
【0013】
本発明の第1の積層型バンドパスフィルタにおいて、一方の平衡出力端は、平衡出力用1/2波長共振器の長手方向についての一方の半分の部分に直接接続され、他方の平衡出力端は、平衡出力用1/2波長共振器の長手方向についての他方の半分の部分に直接接続されていてもよい。この場合、2つの平衡出力端は、平衡出力用1/2波長共振器の長手方向の中央に対して非対称な位置において、平衡出力用1/2波長共振器に接続されていてもよい。
【0014】
また、本発明の第1の積層型バンドパスフィルタは、更に、平衡出力用1/2波長共振器の長手方向の中央の近傍において平衡出力用1/2波長共振器に接続され、平衡出力用1/2波長共振器に直流電圧を印加するために用いられる直流電圧印加用端子を備えていてもよい。
【0015】
また、本発明の第1の積層型バンドパスフィルタにおいて、複数の共振器のうちの少なくとも1つは、その形状が矩形である場合に比べて、キャパシタンスまたはインダクタンスが大きくなる形状をなしていてもよい。
【0016】
また、本発明の第1の積層型バンドパスフィルタにおいて、バンドパスフィルタ部に含まれる少なくとも1つの両端開放の1/2波長共振器の両端がキャパシタを介して接続されていてもよい。
【0017】
本発明の第2の積層型バンドパスフィルタは、
不平衡信号を入力する不平衡入力端と、
平衡信号を出力する2つの平衡出力端と、
それぞれTEM線路よりなる複数の共振器を有し、不平衡入力端と平衡出力端との間に設けられたバンドパスフィルタ部と、
複数の共振器を集積するための多層基板とを備え、
バンドパスフィルタ部は、共振器として、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器と、それぞれ1/4波長共振器よりなり、平衡出力用1/2波長共振器と平衡出力端との間に、一対の1/4波長共振器を1段として、1段以上設けられた平衡出力用1/4波長共振器とを含み、
各平衡出力端は、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器の各々に直接接続されているものである。
【0018】
本発明の第2の積層型バンドパスフィルタは、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器と、この平衡出力用1/2波長共振器と平衡出力端との間に設けられた1段以上の平衡出力用1/4波長共振器とを備え、2つの平衡出力端が最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器の各々に直接接続されている。これにより、第2の積層型バンドパスフィルタによれば、バランを設けることなく、2つの平衡出力端より平衡信号を出力することができる。
【0019】
本発明の第2の積層型バンドパスフィルタにおいて、平衡出力用1/4波長共振器としては、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のみ設けられていてもよい。そして、この最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分に結合され、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分に結合されていてもよい。
【0020】
最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、平衡出力用1/2波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていてもよい。また、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分にのみ結合され、一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分にのみ結合されていてもよい。
【0021】
また、本発明の第2の積層型バンドパスフィルタにおいて、平衡出力用1/4波長共振器は、複数段設けられ、最も平衡出力用1/2波長共振器に近い1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分に結合され、1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分に結合されていてもよい。
【0022】
1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、平衡出力用1/2波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていてもよい。また、1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分にのみ結合され、1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分にのみ結合されていてもよい。また、各段の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、その前段または後段の一対の平衡出力用1/4波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていてもよい。
【0023】
また、本発明の第2の積層型バンドパスフィルタにおいて、複数の共振器のうちの少なくとも1つは、その形状が矩形である場合に比べて、キャパシタンスまたはインダクタンスが大きくなる形状をなしていてもよい。
【0024】
また、本発明の第2の積層型バンドパスフィルタにおいて、バンドパスフィルタ部に含まれる少なくとも1つの両端開放の1/2波長共振器の両端がキャパシタを介して接続されていてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタの基本構成について説明する。図1に示したように、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1は、不平衡信号を入力する1つの不平衡入力端2と、平衡信号を出力する2つの平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、それぞれTEM線路よりなる複数の共振器40を有している。積層型バンドパスフィルタ1は、更に、複数の共振器40を集積するための多層基板を備えている。
【0026】
TEM線路とは、電界および磁界が共に電磁波の進行方向に垂直な断面内にのみ存在する電磁波であるTEM波(Transverse Electromagnetic Wave)を伝送する伝送線路である。
【0027】
後で詳しく説明するが、多層基板は、誘電体層と、パターン化された導体層とが交互に積層された構造になっている。各共振器40は、この多層基板の導体層を用いて構成されている。また、各共振器40は、分布定数線路になっている。
【0028】
バンドパスフィルタ部4を構成する複数の共振器40の共振周波数は等しい。また、複数の共振器40は、隣り合うもの同士が電磁結合するように配列されている。これにより、複数の共振器40は、所定の周波数帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタとしての機能を発揮する。
【0029】
各共振器40としては、両端開放の1/2波長共振器と、両端短絡の1/2波長共振器と、1/4波長共振器のうちのいずれかを用いることができる。
【0030】
図2は、両端開放の1/2波長共振器41と、この共振器41における電界分布とを示している。図2に示したように、この共振器41では、長手方向の中央において電界がゼロとなり、両端部において電界は最大となる。共振器41における長手方向についての一方の半分の部分では、全ての点において電界の位相は等しい。同様に、共振器41における長手方向についての他方の半分の部分でも、全ての点において電界の位相は等しい。一方の半分の部分と他方の半分の部分では、電界の位相は180°異なり、電界の正負の符号は互いに逆になる。
【0031】
図3は、両端短絡の1/2波長共振器42と、この共振器42における電界分布とを示している。図3に示したように、この共振器42では、長手方向の中央において電界が最大となり、両端部において電界はゼロとなる。
【0032】
図4は、1/4波長共振器43と、この共振器43における電界分布とを示している。図4に示したように、この共振器43では、一端が短絡され、他端が開放されている。この共振器43では、短絡された端部において電界がゼロとなり、開放された端部において電界が最大となる。
【0033】
本実施の形態では、バンドパスフィルタ部4は、共振器40として、両端開放の1/2波長共振器41よりなる平衡出力用1/2波長共振器41Aを含んでいる。そして、平衡出力端3Aは、平衡出力用1/2波長共振器41Aの長手方向についての一方の半分の部分に直接接続され、平衡出力端3Bは、平衡出力用1/2波長共振器41Aの長手方向についての他方の半分の部分に直接接続されている。
【0034】
また、不平衡入力端2は、最も不平衡入力端2に近い位置に配置された共振器40である入力共振器40Iに接続されている。
【0035】
次に、図5を参照して、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1の作用について説明する。積層型バンドパスフィルタ1の不平衡入力端2には、不平衡の信号が入力される。この信号のうち、所定の周波数帯域内の周波数の信号が選択的にバンドパスフィルタ部4を通過する。バンドパスフィルタ部4の最終段の共振器40は、両端開放の1/2波長共振器41よりなる平衡出力用1/2波長共振器41Aになっている。この共振器41Aでは、図2を参照して説明したように、長手方向についての一方の半分の部分と他方の半分の部分では、電界の位相は180°異なる。平衡出力端3Aは共振器41Aの一方の半分の部分に接続され、平衡出力端3Bは共振器41Aの他方の半分の部分に接続されている。そのため、平衡出力端3A,3Bから出力される各電圧は、必ず位相が互いに180°異なっている。従って、平衡出力端3A,3Bから出力される2つの電圧の振幅が等しくなるような位置に平衡出力端3A,3Bを設けることにより、平衡出力端3A,3Bから平衡信号を出力させることができる。
【0036】
ここで、図5に示したように、共振器41Aにおいて平衡出力端3Aが接続される位置を、共振器41Aの長手方向の中央Cから一方の端部側へ距離xaだけ離れた位置とし、共振器41Aにおいて平衡出力端3Bが接続される位置を、共振器41Aの長手方向の中央Cから他方の端部側へ距離xbだけ離れた位置とする。距離xa,xbは、いずれもゼロより大きい。距離xa,xbが大きくなるほど、平衡出力端3A,3Bから出力される電圧の振幅は大きくなる。
【0037】
共振器41Aの一方の半分の部分と他方の半分の部分とで電界の分布が対称である場合には、平衡出力端3A,3Bから出力される2つの電圧の振幅を等しくするには、距離xa,xbを等しくすればよい。しかし、入力共振器40Iに不平衡入力端2が接続されること等の理由から、共振器41Aの一方の半分の部分と他方の半分の部分とで電界の分布が対称ではない場合もある。この場合には、平衡出力端3A,3Bから出力される2つの電圧の振幅を等しくするための距離xa,xbは等しくなくなる。すなわち、平衡出力端3A,3Bは、共振器41Aの長手方向の中央Cに対して非対称な位置において、共振器41Aに接続される。
【0038】
次に、入力共振器40Iに対する不平衡入力端2の接続方法について説明する。入力共振器40Iに対する不平衡入力端2の接続方法には、主に、次の2つの方法がある。第1の方法は、キャパシタを介して不平衡入力端2を入力共振器40Iに接続する方法である。第2の方法は、キャパシタを介さずに、不平衡入力端2を入力共振器40Iに直接接続する方法である。以下、この2つの方法について、図6および図7を参照して順に説明する。
【0039】
まず、図6を参照して、第1の方法について説明する。第1の方法では、図6に示したように、キャパシタ21を介して不平衡入力端2を入力共振器40Iに接続する。なお、図6において、不平衡入力端2には信号源22が接続されている。この第1の方法では、キャパシタ21のキャパシタンスを小さくする程、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの結合は弱くなり、キャパシタ21のキャパシタンスを大きくする程、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの結合は強くなる。ただし、キャパシタ21のキャパシタンスを大きくする程、入力共振器40Iの共振周波数は低くなる。そのため、第1の方法を用いる場合において、入力共振器40Iにおいて所望の共振周波数が得られるようにするためには、キャパシタ21によって共振周波数が低くなることを見込んで、入力共振器40Iの長さを小さくして共振周波数を調整する必要がある。
【0040】
次に、第2の方法について説明する。第2の方法では、不平衡入力端2を入力共振器40Iに直接接続する。ここで、図7を参照して、入力共振器40Iが1/4波長共振器43である場合において、第2の方法を用いる場合について説明する。なお、図7において、不平衡入力端2には信号源22が接続されている。図7では、入力共振器40Iを、不平衡入力端2が接続された位置から短絡端までの第1の部分40Iaと、不平衡入力端2が接続された位置から開放端までの第2の部分40Ibとに分けて示している。第1の部分40Iaの長さと第2の部分40Ibの長さとの比を、x:(10−x)とする。なお、xは0より大きく、10以下である。この場合、xの値を小さくする程、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの結合は弱くなり、xの値を大きくする程、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの結合は強くなる。第2の方法では、xの値を変えても、入力共振器40Iの共振周波数は変化しない。
【0041】
次に、入力共振器40Iが1/2波長共振器である場合において、第2の方法を用いる場合について説明する。まず、入力共振器40Iが、図2に示した両端開放の1/2波長共振器41である場合には、入力共振器40Iに不平衡入力端2を接続する位置が入力共振器40Iの長手方向の中央に近づく程、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの結合は弱くなり、入力共振器40Iに不平衡入力端2を接続する位置が入力共振器40Iの開放端に近づく程、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの結合は強くなる。この場合、入力共振器40Iに不平衡入力端2を接続する位置を変えても、入力共振器40Iの共振周波数は変化しない。
【0042】
また、入力共振器40Iが、図3に示した両端短絡の1/2波長共振器42である場合には、入力共振器40Iに不平衡入力端2を接続する位置が入力共振器40Iの短絡端に近づく程、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの結合は弱くなり、入力共振器40Iに不平衡入力端2を接続する位置が入力共振器40Iの長手方向の中央に近づく程、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの結合は強くなる。この場合、入力共振器40Iに不平衡入力端2を接続する位置を変えても、入力共振器40Iの共振周波数は変化しない。
【0043】
このように、第2の方法では、入力共振器40Iの長さを調整することなく、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの結合の強さを変えることができる。
【0044】
以下、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1の具体的な構成の第1ないし第4の例について説明する。
【0045】
[第1の構成例]
図8は、第1の構成例の積層型バンドパスフィルタ1の回路図である。この積層型バンドパスフィルタ1は、不平衡入力端2と、平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、いずれも両端開放の1/2波長共振器41よりなり、並べて配置された3つの共振器40を有している。3つの共振器40のうち、最も不平衡入力端2に近い位置に配置された共振器40は入力共振器40Iである。入力共振器40Iには、不平衡入力端2が直接接続されている。また、最も平衡出力端3A,3Bに近い位置に配置された共振器40は平衡出力用1/2波長共振器41Aである。平衡出力用1/2波長共振器41Aには、平衡出力端3A,3Bが直接接続されている。以下、共振器40Iと共振器41Aとの間に配置された共振器40を、中間の共振器40Mと呼ぶ。入力共振器40Iと中間の共振器40Mは電磁結合され、中間の共振器40Mと平衡出力用1/2波長共振器41Aも電磁結合されている。また、3つの共振器40の各開放端とグランドとの間にはキャパシタCが設けられている。
【0046】
図9は、図8に示した積層型バンドパスフィルタ1を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。この例では、多層基板30は、下から順に積層された7つの誘電体層31a〜31gを有している。誘電体層31bの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層32が形成されている。誘電体層31cの上面には、入力共振器40I、中間の共振器40Mおよび平衡出力用1/2波長共振器41Aが形成されている。誘電体層31cの上面には、更に、平衡出力用1/2波長共振器41Aに直接接続された端子用導体層33A,33Bが形成されている。端子用導体層33A,33Bにおける共振器41Aとは反対側の端部は平衡出力端3A,3Bとなっている。
【0047】
誘電体層31dの上面には、共振器40I,40M,41Aの両端部に対応する位置において、6つのスルーホール34が形成されている。誘電体層31dの上面には、更に、共振器40Iの一方の端部に対応する位置に配置されたスルーホール34に接続された端子用導体層35が形成されている。端子用導体層35におけるスルーホール34とは反対側の端部は不平衡入力端2となっている。
【0048】
誘電体層31eの上面には、6つのスルーホール34に対応する位置において、6つのキャパシタ用導体層36およびこれらに接続された6つのスルーホール37が形成されている。各キャパシタ用導体層36は、それぞれスルーホール34,37を介して、共振器40I,40M,41Aの各端部に接続されている。誘電体層31fの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層38が形成されている。図8におけるキャパシタCは、キャパシタ用導体層36とグランド用導体層38とによって形成されている。
【0049】
図10は、図9に示した多層基板30の外観の一例を示す斜視図である。この例では、多層基板30の上面、下面および側面には、複数の端子電極39が形成されている。この端子電極39は、多層基板30の内部の導体層に接続され、導体層と外部装置との接続に用いられる。
【0050】
多層基板30は、例えば低温焼成セラミック多層基板になっている。この場合、多層基板30は、例えば以下のようにして製造される。すなわち、まず、予めスルーホール用の孔が形成されたセラミックグリーンシート上に、例えば銀を主成分とする導電性ペーストを用いて、所定のパターンの導体層を形成する。次に、このように導体層が形成された複数のセラミックグリーンシートを積層し、これらを同時に焼成する。これにより、スルーホールも同時に形成される。次に、端子電極39を形成して、多層基板30を完成させる。
【0051】
第1の構成例の積層型バンドパスフィルタ1では、いずれも両端開放の1/2波長共振器41よりなる3つの共振器40を並べてバンドパスフィルタ部4を構成しているので、平衡信号のバランスがよい。また、この積層型バンドパスフィルタ1では、共振器40の各開放端とグランドとの間にキャパシタCを設けているので、キャパシタCを設けない場合に比べて、所望の共振周波数を有する共振器40の物理的な長さを小さくすることができる。
【0052】
[第2の構成例]
図11は、第2の構成例の積層型バンドパスフィルタ1の回路図である。この積層型バンドパスフィルタ1は、図8に示した第2の構成例の積層型バンドパスフィルタ1に、直流電圧印加用端子5を加えたものである。直流電圧印加用端子5は、平衡出力用1/2波長共振器41Aの長手方向の中央の近傍において平衡出力用1/2波長共振器41Aに接続されている。また、直流電圧印加用端子5は、平衡出力用1/2波長共振器41Aに直流電圧を印加するために用いられる。この直流電圧は、例えば、平衡出力端3A,3Bに接続される集積回路を駆動するために用いられる。
【0053】
図12は、図11に示した積層型バンドパスフィルタ1を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。この例では、多層基板30では、図9に示した多層基板30における誘電体層31cの上面に、平衡出力用1/2波長共振器41Aに直接接続された端子用導体層50が形成されている。端子用導体層50における共振器41Aとは反対側の端部は直流電圧印加用端子5となっている。
【0054】
第2の構成例の積層型バンドパスフィルタ1のその他の構成は、第1の構成例の積層型バンドパスフィルタ1と同様である。
【0055】
[第3の構成例]
図13は、第3の構成例の積層型バンドパスフィルタ1の回路図である。この積層型バンドパスフィルタ1は、不平衡入力端2と、平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、並べて配置された3つの共振器40を有している。3つの共振器40のうち、最も不平衡入力端2に近い位置に配置された共振器40は入力共振器40Iである。入力共振器40Iには、不平衡入力端2が直接接続されている。また、最も平衡出力端3A,3Bに近い位置に配置された共振器40は平衡出力用1/2波長共振器41Aである。平衡出力用1/2波長共振器41Aには、平衡出力端3A,3Bが直接接続されている。入力共振器40Iおよび中間の共振器40Mには、1/4波長共振器43が用いられている。入力共振器40Iと中間の共振器40Mは電磁結合され、中間の共振器40Mと平衡出力用1/2波長共振器41Aも電磁結合されている。
【0056】
図14は、図13に示した積層型バンドパスフィルタ1を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。この例では、多層基板30は、下から順に積層された5つの誘電体層51a〜51eを有している。誘電体層51bの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層52が形成されている。誘電体層51cの上面には、入力共振器40I、中間の共振器40Mおよび平衡出力用1/2波長共振器41Aが形成されている。誘電体層51cの上面には、更に、平衡出力用1/2波長共振器41Aに直接接続された端子用導体層53A,53Bと、入力共振器40Iに直接接続された端子用導体層54が形成されている。端子用導体層53A,53Bにおける共振器41Aとは反対側の端部は平衡出力端3A,3Bとなっている。端子用導体層54における共振器40Iとは反対側の端部は不平衡入力端2となっている。誘電体層51dの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層55が形成されている。
【0057】
第3の構成例における多層基板30の外観は、例えば、第1の構成例における多層基板30と同様である。第3の構成例では、入力共振器40Iおよび中間の共振器40Mとして1/4波長共振器43を用いているので、第1の構成例に比べて積層型バンドパスフィルタ1を小型化することができる。
【0058】
[第4の構成例]
図15は、第4の構成例の積層型バンドパスフィルタ1の回路図である。この積層型バンドパスフィルタ1は、不平衡入力端2と、平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、いずれも両端開放の1/2波長共振器41よりなり、並べて配置された2つの共振器40を有している。不平衡入力端2に近い位置に配置された共振器40は入力共振器40Iである。入力共振器40Iには、不平衡入力端2が直接接続されている。また、平衡出力端3A,3Bに近い位置に配置された共振器40は平衡出力用1/2波長共振器41Aである。平衡出力用1/2波長共振器41Aには、平衡出力端3A,3Bが直接接続されている。入力共振器40Iと平衡出力用1/2波長共振器41Aは電磁結合されている。また、2つの共振器40の各開放端とグランドとの間にはキャパシタCが設けられている。更に、2つの共振器40の一方の開放端同士の間にはキャパシタC1が設けられている。また、2つの共振器40の他方の開放端同士の間にはキャパシタC2が設けられている。
【0059】
図16は、図15に示した積層型バンドパスフィルタ1を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。この例では、多層基板30は、下から順に積層された7つの誘電体層61a〜61gを有している。誘電体層61bの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層62が形成されている。誘電体層61cの上面には、2つのキャパシタ用導体層63Aと、この2つのキャパシタ用導体層63Aを接続する導体層64Aと、2つのキャパシタ用導体層63Bと、この2つのキャパシタ用導体層63Bを接続する導体層64Bとが形成されている。
【0060】
誘電体層61dの上面には、入力共振器40Iと平衡出力用1/2波長共振器41Aが形成されている。誘電体層61dの上面には、更に、共振器40I,41Aの各一方の端部に接続された2つのキャパシタ用導体層65Aと、共振器40I,41Aの各他方の端部に接続された2つのキャパシタ用導体層65Bとが形成されている。2つのキャパシタ用導体層65Aは、2つのキャパシタ用導体層63Aに対向する位置に配置されている。同様に、2つのキャパシタ用導体層65Bは、2つのキャパシタ用導体層63Bに対向する位置に配置されている。
【0061】
誘電体層61dの上面には、更に、キャパシタ用導体層65A,65Bを介して、平衡出力用1/2波長共振器41Aに直接接続された端子用導体層66A,66Bが形成されている。端子用導体層66A,66Bにおける共振器41Aとは反対側の端部は平衡出力端3A,3Bとなっている。誘電体層61dの上面には、更に、キャパシタ用導体層65Aを介して、入力共振器40Iの一方の端部に直接接続された端子用導体層67が形成されている。端子用導体層67における入力共振器40Iとは反対側の端部は不平衡入力端2となっている。
【0062】
誘電体層61eの上面には、2つのグランド用導体層68Aと、2つのグランド用導体層68Bとが形成されている。2つのグランド用導体層68Aは、2つのキャパシタ用導体層65Aに対向する位置に配置されている。同様に、2つのグランド用導体層68Bは、2つのキャパシタ用導体層65Bに対向する位置に配置されている。誘電体層61fの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層69が形成されている。
【0063】
図15におけるキャパシタCは、キャパシタ用導体層65A,65Bとグランド用導体層68A,68Bとによって形成されている。図15におけるキャパシタC1は、2つのキャパシタ用導体層65A、2つのキャパシタ用導体層63Aおよび導体層64Aによって形成されている。また、図15におけるキャパシタC2は、2つのキャパシタ用導体層65B、2つのキャパシタ用導体層63Bおよび導体層64Bによって形成されている。
【0064】
第4の構成例における多層基板30の外観は、例えば、第1の構成例における多層基板30と同様である。第4の構成例では、共振器40の各開放端とグランドとの間にキャパシタCを設けているので、キャパシタCを設けない場合に比べて、所望の共振周波数を有する共振器40の物理的な長さを小さくすることができる。また、第4の構成例では、2つの共振器40の一方の開放端同士の間にキャパシタC1を設け、2つの共振器40の他方の開放端同士の間にキャパシタC2を設けている。これらのキャパシタC1,C2は、積層型バンドパスフィルタ1の減衰・挿入損失特性において減衰極を形成する機能を有する。また、第4の構成例では、2つの共振器40によってバンドパスフィルタ部4を構成しているので、3つの共振器40によってバンドパスフィルタ部4を構成する場合に比べて、挿入損失が小さくなる。
【0065】
ここで、図17ないし図20に、第1の構成例の積層型バンドパスフィルタ1の特性の一例を示す。図17は、積層型バンドパスフィルタ1の減衰・挿入損失特性を示している。図18は、積層型バンドパスフィルタ1の反射損失特性を示している。図17および図18から、この積層型バンドパスフィルタ1は、所定の周波数帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタとして機能していることが分かる。図19は、積層型バンドパスフィルタ1の平衡出力端3A,3Bの出力信号の振幅差の周波数特性を示している。図20は、積層型バンドパスフィルタ1の平衡出力端3A,3Bの出力信号の位相差の周波数特性を示している。図19および図20から、この積層型バンドパスフィルタ1では、平衡出力端3A,3Bより平衡信号が出力されることが分かる。
【0066】
以上説明したように、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1によれば、互いに位相がほぼ180°異なり、振幅がほぼ等しい2つの信号からなる平衡信号を出力することができる。
【0067】
また、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1によれば、バランを用いることなく、平衡信号を出力することができる。また、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1では、多層基板30によって複数の共振器40が集積されている。これらのことから、本実施の形態によれば、積層型バンドパスフィルタ1の小型化が可能になる。
【0068】
また、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1では、平衡出力端3A,3Bが平衡出力用1/2波長共振器41Aに直接接続されているので、特性の調整が容易である。
【0069】
[第2の実施の形態]
次に、図21を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタの基本構成について説明する。図21に示したように、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ71は、不平衡信号を入力する1つの不平衡入力端2と、平衡信号を出力する2つの平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、それぞれTEM線路よりなる複数の共振器を有している。積層型バンドパスフィルタ71は、更に、複数の共振器を集積するための多層基板を備えている。バンドパスフィルタ部4を構成する複数の共振器の共振周波数は等しい。また、複数の共振器は、隣り合うもの同士が電磁結合するように配列されている。これにより、複数の共振器は、所定の周波数帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタとしての機能を発揮する。
【0070】
バンドパスフィルタ部4は、共振器として、両端開放の1/2波長共振器41よりなる平衡出力用1/2波長共振器41Aと、平衡出力用1/2波長共振器41Aと平衡出力端3A,3Bとの間に設けられた平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bとを含んでいる。平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bは、それぞれ1/4波長共振器43よりなる。平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bは、一対の共振器72A,72Bを1段として、複数段設けられている。各平衡出力端3A,3Bは、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bの各々に直接接続されている。
【0071】
バンドパスフィルタ部4は、更に、不平衡入力端2と平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間に設けられた1以上の共振器を含んでいてもよい。この共振器としては、両端開放の1/2波長共振器と、両端短絡の1/2波長共振器と、1/4波長共振器のうちのいずれかを用いることができる。図21には、不平衡入力端2と平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間に、少なくとも入力共振器40Iが設けられている例を示している。しかし、不平衡入力端2と平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間に他の共振器を設けずに、平衡出力用1/2波長共振器41Aに不平衡入力端2を接続し、平衡出力用1/2波長共振器41Aが入力共振器40Iを兼ねるようにしてもよい。
【0072】
入力共振器40Iに対する不平衡入力端2の接続方法は、第1の実施の形態と同様に、キャパシタを介して不平衡入力端2を入力共振器40Iに接続する方法でもよいし、キャパシタを介さずに、不平衡入力端2を入力共振器40Iに直接接続する方法でもよい。
【0073】
次に、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ71の作用について説明する。まず、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bとして、最終段の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bのみが設けられている場合における積層型バンドパスフィルタ71の作用について説明する。この場合、一方の共振器72Aは、平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての一方の半分の部分に結合され、他方の共振器72Bは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての他方の半分の部分に結合される。
【0074】
第1の実施の形態で説明した通り、平衡出力用1/2波長共振器41Aでは、長手方向についての一方の半分の部分と他方の半分の部分では、電界の位相は180°異なる。そのため、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bにおける電界の位相も180°異なる。従って、平衡出力端3A,3Bから出力される2つの電圧の振幅が等しくなるような位置に平衡出力端3A,3Bを設けることにより、平衡出力端3A,3Bから平衡信号を出力させることができる。
【0075】
以上説明したように、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ71によれば、第1の実施の形態と同様に、バランを用いることなく、平衡信号を出力することができる。また、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ71では、多層基板30によって複数の共振器40が集積されている。これらのことから、本実施の形態によれば、積層型バンドパスフィルタ71の小型化が可能になる。
【0076】
また、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ71では、平衡出力端3A,3Bが平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bに直接接続されているので、特性の調整が容易である。
【0077】
ここで、図22ないし図28を参照して、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bと平衡出力用1/2波長共振器41Aとの結合方法について説明する。2つの共振器の結合方法としては、インターデジタル結合とコムライン結合とがある。インターデジタル結合とは、図22に示したように、一方の共振器301の開放端301aと他方の共振器302の短絡端302bとが対向し、一方の共振器301の短絡端301bと他方の共振器302の開放端302aとが対向するように、共振器301,302が配置された構造となる結合方法である。コムライン結合とは、図23に示したように、一方の共振器301の開放端301aと他方の共振器302の開放端302aとが対向し、一方の共振器301の短絡端301bと他方の共振器302の短絡端302bとが対向するように、共振器301,302が配置された構造となる結合方法である。インターデジタル結合は、コムライン結合に比べて結合が強い。
【0078】
平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bと平衡出力用1/2波長共振器41Aとの結合方法には、図24ないし図26に示した3通りの結合方法が考えられる。図24に示した結合方法は、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bの両方が、平衡出力用1/2波長共振器41Aに対してインターデジタル結合されるものである。図25に示した結合方法は、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bの両方が、平衡出力用1/2波長共振器41Aに対してコムライン結合されるものである。図26に示した結合方法は、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bのうちの一方(図26では共振器72B)が平衡出力用1/2波長共振器41Aに対してインターデジタル結合され、他方(図26では共振器72A)が平衡出力用1/2波長共振器41Aに対してコムライン結合されるものである。
【0079】
図26に示した結合方法では、平衡信号の振幅のバランスが悪くなる。従って、図24または図25に示したように、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bは、平衡出力用1/2波長共振器41Aに対して同じ結合方法で結合されることが好ましい。
【0080】
また、図27に示したように、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bの一方(図27では共振器72B)が、平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての一方の半分の部分41Aaと他方の半分の部分41Abの両方に結合されていると、平衡信号のバランスが悪くなる。従って、図28に示したように、平衡出力用1/4波長共振器72Aは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての一方の半分の部分41Aaにのみ結合され、平衡出力用1/4波長共振器72Bは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての他方の半分の部分41Abにのみ結合されることが好ましい。
【0081】
次に、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bとして、複数段の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bが設けられている場合における積層型バンドパスフィルタ1の作用について説明する。この場合、最も平衡出力用1/2波長共振器71Aに近い1段目の一対の共振器72A,72Bのうちの一方の共振器72Aは、平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての一方の半分の部分に結合され、他方の共振器72Bは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての他方の半分の部分に結合される。後段の共振器72Aは前段の共振器72Aに結合され、後段の共振器72Bは前段の共振器72Bに結合される。
【0082】
前述のように、平衡出力用1/2波長共振器41Aでは、長手方向についての一方の半分の部分と他方の半分の部分では、電界の位相は180°異なる。そのため、各段における平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bにおける電界の位相も180°異なる。従って、平衡出力端3A,3Bから出力される2つの電圧の振幅が等しくなるような位置に平衡出力端3A,3Bを設けることにより、平衡出力端3A,3Bから平衡信号を出力させることができる。
【0083】
図24ないし図26を参照した説明と同じ理由から、1段目の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bは、平衡出力用1/2波長共振器41Aに対して同じ結合方法で結合されることが好ましい。更に、同様の理由から、図29または図30に示したように、各段の一対の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bは、その前段または後段の一対の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bに対して同じ結合方法で結合されることが好ましい。図29は、隣り合う2つの段の共振器72A同士および共振器72B同士が、いずれもコムライン結合によって結合されている場合を示している。また、図30は、隣り合う2つの段の共振器72A同士および共振器72B同士が、いずれもインターデジタル結合によって結合されている場合を示している。
【0084】
また、図27および図28を参照した説明と同じ理由から、1段目の平衡出力用1/4波長共振器72Aは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての一方の半分の部分41Aaにのみ結合され、1段目の平衡出力用1/4波長共振器72Bは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての他方の半分の部分41Abにのみ結合されることが好ましい。
【0085】
本実施の形態における多層基板30の構成は、例えば、第1の実施の形態における平衡出力用1/2波長共振器41Aと平衡出力端3A,3B用の導体層との間に1段以上の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bを配置したものとなる。また、本実施の形態における多層基板30の外観は、例えば、図10に示した多層基板30と同様である。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0086】
[第3の実施の形態]
次に、図31ないし図38を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタについて説明する。本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタは、第1または第2の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタにおいて、バンドパスフィルタ部4を構成する複数の共振器のうちの少なくとも1つが、その形状が矩形である場合に比べて、キャパシタンスまたはインダクタンスが大きくなる形状をなしているものである。
【0087】
以下、本実施の形態における共振器の具体的な形状の4つの例について説明する。
【0088】
[共振器の形状の第1の例]
図31は、第1の例の共振器101と、この共振器101と比較するための矩形の共振器102とを示す説明図である。共振器101,102は、いずれも両端開放の1/2波長共振器である。共振器101,102の共振周波数は等しくなっている。共振器101では、開放端近傍の2つの部分101a,101bの幅が、部分101a,101bの間の部分101cの幅よりも大きくなっている。部分101cの幅は、共振器102の幅と等しくなっている。共振器101では、共振器102に比べて、開放端近傍におけるキャパシタンスが大きくなる。その結果、共振器101の物理的な長さは、共振器102の物理的な長さよりも小さくなる。
【0089】
図32は、図31に示した共振器101を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、図32は、多層基板30のうち、共振器101の近傍の部分のみを示している。図32に示した多層基板30は、下から順に積層された9つの誘電体層111a〜111iを有している。誘電体層111bの上面には、グランド用導体層112が形成されている。誘電体層111cの上面には、一方向に長い導体層113が形成されている。誘電体層111dの上面には、グランド用導体層114と、2つのスルーホール115とが形成されている。なお、スルーホール115は、グランド用導体層114には接触していない。誘電体層111eの上面には、2つのキャパシタ用導体層116a,116bと、それぞれ各キャパシタ用導体層116a,116bに接続された2つのスルーホール117とが形成されている。誘電体層111fの上面には、グランド用導体層118と、2つのスルーホール119とが形成されている。なお、スルーホール119は、グランド用導体層118には接触していない。誘電体層111gの上面には、2つのキャパシタ用導体層120a,120bと、それぞれ各キャパシタ用導体層120a,120bに接続された2つのスルーホール121とが形成されている。誘電体層111hの上面には、グランド用導体層122が形成されている。
【0090】
キャパシタ用導体層116a,116b,120a,120bの幅は、導体層113の幅よりも大きくなっている。キャパシタ用導体層116a,120aは、スルーホール115,117,119,121を介して、導体層113の一方の端部近傍に接続されている。キャパシタ用導体層116b,120bは、スルーホール115,117,119,121を介して、導体層113の他方の端部近傍に接続されている。導体層113およびキャパシタ用導体層116a,116b,120a,120bは、図31に示した共振器101を構成する。キャパシタ用導体層116a,120aは、図31における部分101aに対応する。キャパシタ用導体層116b,120bは、図31における部分101bに対応する。
【0091】
[共振器の形状の第2の例]
図33は、第2の例の共振器131と、この共振器131と比較するための矩形の共振器132とを示す説明図である。共振器131,132は、いずれも両端短絡の1/2波長共振器である。共振器131,132の共振周波数は等しくなっている。共振器131では、長手方向の中央近傍の部分131cの幅が、短絡端近傍の2つの部分131a,131bの幅よりも大きくなっている。部分131a,131bの幅は、共振器132の幅と等しくなっている。共振器131では、共振器132に比べて、長手方向の中央近傍におけるキャパシタンスが大きくなる。その結果、共振器131の物理的な長さは、共振器132の物理的な長さよりも小さくなる。
【0092】
図34は、図33に示した共振器131を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、図34は、多層基板30のうち、共振器131の近傍の部分のみを示している。図34に示した多層基板30は、下から順に積層された8つの誘電体層141a〜141hを有している。誘電体層141bの上面には、グランド用導体層142が形成されている。誘電体層141cの上面には、一方向に長い導体層143が形成されている。誘電体層141dの上面には、キャパシタ用導体層144と、このキャパシタ用導体層144に接続されたスルーホール145とが形成されている。誘電体層141eの上面には、グランド用導体層146と、スルーホール147とが形成されている。なお、スルーホール147は、グランド用導体層146には接触していない。誘電体層141fの上面には、キャパシタ用導体層148と、このキャパシタ用導体層148に接続されたスルーホール149とが形成されている。誘電体層141gの上面には、グランド用導体層150が形成されている。
【0093】
キャパシタ用導体層144,148の幅は、導体層143の幅よりも大きくなっている。キャパシタ用導体層144,148は、スルーホール145,147,149を介して、導体層143の長手方向の中央部分に接続されている。導体層143およびキャパシタ用導体層144,148は、図33に示した共振器131を構成する。
【0094】
[共振器の形状の第3の例]
図35は、第3の例の共振器151と、この共振器151と比較するための矩形の共振器152とを示す説明図である。共振器151,152は、いずれも、一端が短絡され、他端が開放された1/4波長共振器である。共振器151,152の共振周波数は等しくなっている。共振器151では、開放端側の部分151aの幅が、短絡端側の部分151bの幅よりも大きくなっている。部分151bの幅は、共振器152の幅と等しくなっている。共振器151では、共振器152に比べて、開放端側の部分151aにおけるキャパシタンスが大きくなる。その結果、共振器151の物理的な長さは、共振器152の物理的な長さよりも小さくなる。
【0095】
図36は、図35に示した共振器151を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、図36は、多層基板30のうち、共振器151の近傍の部分のみを示している。図36に示した多層基板30は、下から順に積層された8つの誘電体層161a〜161hを有している。誘電体層161bの上面には、グランド用導体層162が形成されている。誘電体層161cの上面には、一方向に長い導体層163が形成されている。誘電体層161dの上面には、キャパシタ用導体層164と、このキャパシタ用導体層164に接続されたスルーホール165とが形成されている。誘電体層161eの上面には、グランド用導体層166と、スルーホール167とが形成されている。なお、スルーホール167は、グランド用導体層166には接触していない。誘電体層161fの上面には、キャパシタ用導体層168と、このキャパシタ用導体層168に接続されたスルーホール169とが形成されている。誘電体層161gの上面には、グランド用導体層170が形成されている。
【0096】
キャパシタ用導体層164,168の幅は、導体層163の幅よりも大きくなっている。キャパシタ用導体層164,168は、スルーホール165,167,169を介して、導体層163の開放端の近傍に接続されている。導体層163およびキャパシタ用導体層164,168は、図35に示した共振器151を構成する。
【0097】
ここで、第1ないし第3の例の共振器によれば、矩形の共振器に比べて物理的な長さを小さくすることができる理由について説明する。第1ないし第3の例の共振器では、いずれも、共振器において電界が最大となる部分の近傍部分の幅を、他の部分の幅に比べて大きくしている。このような形状の共振器の等価回路を図37に示す。図37に示した回路は、並列に接続されたインダクタ171、キャパシタ172およびキャパシタ173を有している。インダクタ171、キャパシタ172およびキャパシタ173の各一端は接地されている。インダクタ171およびキャパシタ172は、矩形の共振器におけるインダクタンス成分およびキャパシタンス成分に対応する。キャパシタ173は、この矩形の共振器の一部の幅を大きくすることによって生じたキャパシタンス成分に対応する。
【0098】
ここで、インダクタ171のインダクタンスをL0とし、キャパシタ172のキャパシタンスをC0とし、キャパシタ173のキャパシタンスをCaddとする。また、図37に示した回路からキャパシタ173を除いた回路の共振周波数をf0とし、図37に示した回路の共振周波数をf1とする。共振周波数f0,f1は、それぞれ以下の式で表される。
【0099】
f0=1/{2π√(L0C0)}
【0100】
f1=1/[2π√{L0(C0+Cadd)}]
【0101】
上記の2つの式から分かるように、矩形の共振器の一部の幅を大きくしてキャパシタンスCaddを発生させた共振器では、矩形の共振器に比べて共振周波数が低くなる。従って、共振周波数を変えないとすれば、矩形の共振器の一部の幅を大きくすることによって、共振器の物理的な長さを小さくすることができる。
【0102】
[共振器の形状の第4の例]
第4の例の共振器は、矩形の共振器に比べて、共振器において電界がゼロとなる部分の近傍部分におけるインダクタンス成分が大きくなる形状としたものである。具体的には、第4の例の共振器では、共振器において電界がゼロとなる部分の近傍部分に、スパイラル形状のインダクタを形成している。このような形状の共振器によれば、この共振器の占有領域の物理的な長さを、矩形の共振器の物理的な長さに比べて小さくすることができる。
【0103】
図38は、第4の例の共振器を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、図38は、多層基板30のうち、第4の例の共振器の近傍の部分のみを示している。図38に示した多層基板30は、下から順に積層された8つの誘電体層181a〜181hを有している。誘電体層181bの上面には、グランド用導体層182が形成されている。誘電体層181cの上面には、約3/4ターンの形状のインダクタ用導体層183が形成されている。誘電体層181dの上面には、約3/4ターンの形状のインダクタ用導体層184と、このインダクタ用導体層184の一端部に接続されたスルーホール185とが形成されている。誘電体層181eの上面には、グランド用導体層186と、スルーホール187とが形成されている。なお、スルーホール187は、グランド用導体層186には接触していない。誘電体層181fの上面には、キャパシタ用導体層188と、このキャパシタ用導体層188に接続されたスルーホール189とが形成されている。誘電体層181gの上面には、グランド用導体層190が形成されている。
【0104】
キャパシタ用導体層188の幅は、導体層183,184の幅よりも大きくなっている。導体層183の一端部は、図示しない端子電極を介してグランド用導体層182,186,190に接続されている。導体層183の一端部は、スルーホール185を介して、導体層184の一端部に接続されている。導体層184の他端部は、スルーホール187,189を介して、キャパシタ用導体層188に接続されている。導体層183,184,188は共振器を構成する。
【0105】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1または第2の実施の形態と同様である。
【0106】
[第4の実施の形態]
次に、図39ないし図41を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタについて説明する。図39に示したように、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタは、第1ないし第3の実施の形態におけるバンドパスフィルタ部4に含まれる少なくとも1つの両端開放の1/2波長共振器191の両端がキャパシタ192を介して接続されているものである。1/2波長共振器191は、平衡出力用1/2波長共振器41Aでもよいし、その他の両端開放の1/2波長共振器でもよい。
【0107】
図39において、符号193で示した破線は、1/2波長共振器191の長手方向の中央位置およびキャパシタ192を構成する2枚の導体間の中央位置を示している。図39に示した回路では、符号193で示した位置で電位がゼロになる。図39に示した回路は、図40に示した回路と等価である。図40に示した回路は、1/4波長共振器191aとキャパシタ192aとを有している。1/4波長共振器191aの短絡端は接地されている。1/4波長共振器191aの開放端はキャパシタ192aの一端に接続されている。キャパシタ192aの他端は接地されている。キャパシタ192aのキャパシタンスは、図39に示したキャパシタ192のキャパシタンスの2倍である。
【0108】
従って、図39に示した構成によれば、1/2波長共振器191の両端をそれぞれ別個のキャパシタを介して接地する場合に比べて、少ないキャパシタを用いて1/2波長共振器191の物理的な長さを小さくすることができる。
【0109】
図41は、図39に示した共振器191およびキャパシタ192を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、図41は、多層基板30のうち、共振器191およびキャパシタ192の近傍の部分のみを示している。図41に示した多層基板30は、下から順に積層された9つの誘電体層201a〜201iを有している。誘電体層201bの上面には、グランド用導体層202が形成されている。誘電体層201cの上面には、一方向に長い導体層203が形成されている。誘電体層201dの上面には、キャパシタ用導体層204と、このキャパシタ用導体層204に接続されたスルーホール205とが形成されている。誘電体層201eの上面には、キャパシタ用導体層206と、このキャパシタ用導体層206に接続されたスルーホール207とが形成されている。誘電体層201fの上面には、キャパシタ用導体層208と、このキャパシタ用導体層208に接続されたスルーホール209とが形成されている。誘電体層201gの上面には、キャパシタ用導体層210と、このキャパシタ用導体層210に接続されたスルーホール211とが形成されている。誘電体層201hの上面には、グランド用導体層212が形成されている。
【0110】
キャパシタ用導体層204,206,208,210の幅は、導体層203の幅よりも大きくなっている。キャパシタ用導体層204,208は、スルーホール205,209を介して、導体層203の一方の端部の近傍に接続されている。また、キャパシタ用導体層206,210は、スルーホール207,211を介して、導体層203の他方の端部の近傍に接続されている。導体層203は、図39における共振器191を構成し、キャパシタ用導体層204,206,208,210は、図39におけるキャパシタ192を構成する。
【0111】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1ないし第3の実施の形態と同様である。
【0112】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、バンドパスフィルタ部4を構成する共振器40としては、実施の形態で挙げたもの以外にも種々の組み合わせが可能である。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし6のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタでは、複数の共振器を有するバンドパスフィルタ部は、共振器として、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器を含み、平衡出力端は、平衡出力用1/2波長共振器に直接接続されている。また、本発明の積層型バンドパスフィルタは、複数の共振器を集積するための多層基板を備えている。以上のことから、本発明によれば、平衡信号を出力でき、小型で、調整の容易な積層型バンドパスフィルタを実現することができる。
【0114】
また、請求項7ないし16のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタでは、複数の共振器を有するバンドパスフィルタ部は、共振器として、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器と、それぞれ1/4波長共振器よりなり、平衡出力用1/2波長共振器と平衡出力端との間に、一対の1/4波長共振器を1段として、1段以上設けられた平衡出力用1/4波長共振器とを含み、各平衡出力端は、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器の各々に直接接続されている。また、本発明の積層型バンドパスフィルタは、複数の共振器を集積するための多層基板を備えている。以上のことから、本発明によれば、平衡信号を出力でき、小型で、調整の容易な積層型バンドパスフィルタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタの基本構成を示す説明図である。
【図2】両端開放の1/2波長共振器を示す説明図である。
【図3】両端短絡の1/2波長共振器を示す説明図である。
【図4】1/4波長共振器を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタの作用を説明するための説明図である。
【図6】キャパシタを介して不平衡入力端を入力共振器に接続する方法を説明するための説明図である。
【図7】キャパシタを介さずに不平衡入力端を入力共振器に直接接続する方法を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における第1の構成例の積層型バンドパスフィルタの回路図である。
【図9】図8に示した積層型バンドパスフィルタを実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図10】図9に示した多層基板の外観の一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における第2の構成例の積層型バンドパスフィルタの回路図である。
【図12】図11に示した積層型バンドパスフィルタを実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における第3の構成例の積層型バンドパスフィルタの回路図である。
【図14】図13に示した積層型バンドパスフィルタを実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態における第4の構成例の積層型バンドパスフィルタの回路図である。
【図16】図15に示した積層型バンドパスフィルタを実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図17】図8に示した積層型バンドパスフィルタの減衰・挿入損失特性を示す特性図である。
【図18】図8に示した積層型バンドパスフィルタの反射損失特性を示す特性図である。
【図19】図8に示した積層型バンドパスフィルタの平衡出力端の出力信号の振幅差の周波数特性を示す特性図である。
【図20】図8に示した積層型バンドパスフィルタの平衡出力端の出力信号の位相差の周波数特性を示す特性図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタの基本構成を示す説明図である。
【図22】共振器の結合方法としてのインターデジタル結合を説明するための説明図である。
【図23】共振器の結合方法としてのコムライン結合を説明するための説明図である。
【図24】平衡出力用1/4波長共振器と平衡出力用1/2波長共振器との結合方法を説明するための説明図である。
【図25】平衡出力用1/4波長共振器と平衡出力用1/2波長共振器との結合方法を説明するための説明図である。
【図26】平衡出力用1/4波長共振器と平衡出力用1/2波長共振器との結合方法を説明するための説明図である。
【図27】平衡出力用1/4波長共振器と平衡出力用1/2波長共振器との結合方法を説明するための説明図である。
【図28】平衡出力用1/4波長共振器と平衡出力用1/2波長共振器との結合方法を説明するための説明図である。
【図29】隣り合う2つの段の平衡出力用1/4波長共振器の結合方法を説明するための説明図である。
【図30】隣り合う2つの段の平衡出力用1/4波長共振器の結合方法を説明するための説明図である。
【図31】本発明の第3の実施の形態における共振器の形状の第1の例を示す説明図である。
【図32】図31に示した共振器を実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図33】本発明の第3の実施の形態における共振器の形状の第2の例を示す説明図である。
【図34】図33に示した共振器を実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図35】本発明の第3の実施の形態における共振器の形状の第3の例を示す説明図である。
【図36】図35に示した共振器を実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図37】第1ないし第3の例の共振器の等価回路を示す回路図である。
【図38】本発明の第3の実施の形態における第4の例の共振器を実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図39】本発明の第4の実施の形態における両端開放の1/2波長共振器およびキャパシタからなる回路を示す回路図である。
【図40】図39に示した回路と等価な回路を示す回路図である。
【図41】図39に示した共振器およびキャパシタからなる回路を実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1…積層型バンドパスフィルタ、2…不平衡入力端、3A,3B…平衡出力端、4…バンドパスフィルタ部、40…共振器、41A…平衡出力用1/2波長共振器。
Claims (16)
- 不平衡信号を入力する不平衡入力端と、
平衡信号を出力する2つの平衡出力端と、
それぞれTEM線路よりなる複数の共振器を有し、前記不平衡入力端と前記平衡出力端との間に設けられたバンドパスフィルタ部と、
前記複数の共振器を集積するための多層基板とを備え、
前記バンドパスフィルタ部は、前記共振器として、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器を含み、
前記平衡出力端は、前記平衡出力用1/2波長共振器に直接接続されていることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。 - 一方の平衡出力端は、前記平衡出力用1/2波長共振器の長手方向についての一方の半分の部分に直接接続され、他方の平衡出力端は、前記平衡出力用1/2波長共振器の長手方向についての他方の半分の部分に直接接続されていることを特徴とする請求項1記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 2つの平衡出力端は、前記平衡出力用1/2波長共振器の長手方向の中央に対して非対称な位置において、前記平衡出力用1/2波長共振器に接続されていることを特徴とする請求項2記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 更に、前記平衡出力用1/2波長共振器の長手方向の中央の近傍において前記平衡出力用1/2波長共振器に接続され、前記平衡出力用1/2波長共振器に直流電圧を印加するために用いられる直流電圧印加用端子を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 前記複数の共振器のうちの少なくとも1つは、その形状が矩形である場合に比べて、キャパシタンスまたはインダクタンスが大きくなる形状をなしていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 前記バンドパスフィルタ部に含まれる少なくとも1つの両端開放の1/2波長共振器の両端がキャパシタを介して接続されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 不平衡信号を入力する不平衡入力端と、
平衡信号を出力する2つの平衡出力端と、
それぞれTEM線路よりなる複数の共振器を有し、前記不平衡入力端と前記平衡出力端との間に設けられたバンドパスフィルタ部と、
前記複数の共振器を集積するための多層基板とを備え、
前記バンドパスフィルタ部は、前記共振器として、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器と、それぞれ1/4波長共振器よりなり、前記平衡出力用1/2波長共振器と前記平衡出力端との間に、一対の1/4波長共振器を1段として、1段以上設けられた平衡出力用1/4波長共振器とを含み、
各平衡出力端は、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器の各々に直接接続されていることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。 - 前記平衡出力用1/4波長共振器としては、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のみ設けられ、この最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分に結合され、前記最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分に結合されていることを特徴とする請求項7記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 前記最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、前記平衡出力用1/2波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていることを特徴とする請求項8記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 前記最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分にのみ結合され、前記一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分にのみ結合されていることを特徴とする請求項8または9記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 前記平衡出力用1/4波長共振器は、複数段設けられ、最も前記平衡出力用1/2波長共振器に近い1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分に結合され、前記1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分に結合されていることを特徴とする請求項7記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 前記1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、前記平衡出力用1/2波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていることを特徴とする請求項11記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 前記1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分にのみ結合され、前記1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分にのみ結合されていることを特徴とする請求項11または12記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 各段の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、その前段または後段の一対の平衡出力用1/4波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていることを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 前記複数の共振器のうちの少なくとも1つは、その形状が矩形である場合に比べて、キャパシタンスまたはインダクタンスが大きくなる形状をなしていることを特徴とする請求項7ないし14のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタ。
- 前記バンドパスフィルタ部に含まれる少なくとも1つの両端開放の1/2波長共振器の両端がキャパシタを介して接続されていることを特徴とする請求項7ないし15のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタ。
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