JP2005041888A - 光カチオン重合開始剤、uv硬化性組成物、及び硬化塗膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光カチオン重合開始剤として、トリフェニルピリリウム−PF6錯体と2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノンとの組み合わせて使用する。
【選択図】 なし。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な光カチオン重合開始剤、これを含むUV硬化性組成物、及び硬化塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多官能性エポキシ化合物とビニルエーテルとの光カチオン重合は、アクリル酸エステルの光ラジカル重合に比較してその架橋反応が雰囲気酸素の存在下で行うことができるため光硬化性ラッカーや印刷インクに広く用いられている。特に、脂環式エポキシド系の化合物は収縮の程度が低いために錫プレート、アルミニウム等の種々の基板及び多種のプラスチック材料に対し極めて良好な接着性を示すためラッカー類として有用である。脂環式エポキシドは臭気の発生が少なく蒸気圧が低いことも利点の一つといえる。
【0003】
このような光カチオン重合に適した重合開始剤は、これまで、トリアリルスルホニウム塩、ジアリルヨードニウム塩などの、錯体や非求核性アニオンとのオニウム塩が知られており、具体的にはJ. Crivello及び共同執筆者のinter alia, Journal of Polymer Science, Polymer Chemistry Edition, Vol.18, 2677−2695(1980)、Journal of Radiation Curing 10 (1), 6−13(1983)、米国特許第4,058,400号公報、米国特許第4,102,687号公報、米国特許第4,161,478号公報、米国特許第4,423,136号公報には、トリアリルスルホニウム又はジアリルヨードニウムと、ヘキサフルオロ燐酸塩アニオン、ヘキサフルオロヒ酸塩アニオンまたはヘキサフルオロアンチモン酸塩アニオンとのオニウム塩が開示されている。
【0004】
これらの重合開始剤は波長範囲350nm未満の領域での光照射により、先ずラジカルに分解され、次いで生成したラジカルが溶媒またはモノマーとの二次反応でプロトンを放出する。次いで、プロトン放出によって生成した強酸、HPF6,HSbF6またはHAsF6が次にエポキシド、例えばエポキシシクロヘキシル化合物の開環重合、及び高電子密度オレフィン、例えばビニルエーテルなどの連鎖重合を開始させるものである。
【0005】
一般に、プロトンにより開始される光カチオン重合においては、雰囲気酸素の影響は受けないものの、酸性不純物やアルカリ性不純物及び高い雰囲気湿度によって影響を受け易いものである。
【0006】
一方、3,4−エポキシシクロヘキシル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステルに代表されるエポキシシクロヘキシル化合物は、架橋速度が高く毒性が低いため、光カチオン重合性ラッカーの原料として工業上有用である。また、このエポキシシクロヘキシル化合物は、ラッカー特性を改質するため多官能性脂肪族及び芳香族グリシジルエーテル、オレフィンジエポキシド、OH含有化合物を20質量%までの割合で併用される。しかしながら、これらの併用成分の使用量が高い程、架橋速度は減少するという問題がある。
【0007】
工業的に広く用いられている光カチオン重合開始剤であるトリアリルスルホニウム塩は種々の芳香族スルホニウム塩の混合物であり、通常、炭酸プロピレンまたはγ−ブチロラクトン中の50%溶液として用いられる。これらのヘキサフルオロ燐酸塩は、その架橋速度が対応するヘキサフルオロアンチモン酸塩及びヘキサフルオロヒ酸塩よりも低いにもかかわらず、その毒性の低さのために特に好まれるている。そのため、ヘキサフルオロ燐酸塩とヘキサフルオロアンチモン酸塩の混合物が、速硬化性が要求されるラッカー用途によく用いられている。しかし、食品と接する容器には使用できないのが現状であった。
【0008】
また、光カチオン性反応開始剤溶液の濃度は、湿潤被膜厚みが5及び25μmのラッカー及び印刷インクの場合、2質量%乃至10質量%である。
【0009】
脂環式エポキシ化合物及びトリアリルスルホニウムヘキサフルオロ燐酸塩の組み合わせにおける光カチオン性ラッカーの主な欠点は光ラジカル架橋性アクリル酸塩ラッカーに関してその架橋速度が著しく低いことと、トリアリルスルホニウム塩及びジアリルヨードニウム塩のUV吸収が320nmより高い領域で弱いことであり、その結果として工業的に好まれる高圧水銀蒸気ランプの主発光最大値と350乃至420nmでは僅かに重なるだけであり充分な吸収がされない点にある。
【0010】
従って、アンスラセンまたはチオキサントンなどの光増感剤、具体的には上記の波長域で吸収するイソプロピルチオキサントンを加えることで感度を補うことができるが、得られるラッカーは毒性が高い有害な多環式芳香族炭化水素を含むものとなり、また黄変を生じるという問題を来す。
【0011】
工業的に使用されるトリアリールスルホニウム塩光反応開始剤のさらなる顕著な欠点は芳香族硫化物及びベンゼンなど毒性光分解生成物を放出することである。
【0012】
更に、上記の重合開始剤が短波長でUV最大値をとるため、顔料を含むエポキシラッカーを架橋することは不可能であった。即ち、二酸化チタンは400nmより下で光を完全に吸収してしまう他、350と400nmとの間で高い透過率を持つ鋭錐石型のものであっても反応開始剤の吸収領域と大きく重なるからである。従って、例えば印刷インキ用途の場合、光カチオン的に架橋するには厚さ数ミクロンの程度の薄い着色層にする必要があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、光カチオン重合開始剤において、そのUV吸収が工業的に主に利用される金属ドープ中圧及び高圧水銀蒸気ランプの発光範囲と350と420nmとの間でよく重なり、かつ感度を向上させること、更にそれを含むUV硬化性組成物において、硬化反応時に毒性光分解生成物を生じず、また、着色エポキシラッカーへの適用を可能とすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定構造の化合物を組み合わせることにより光カチオン重合開始剤として、UV波長領域350〜420nmの範囲での感度に優れ、かつ、UV硬化性組成物、とりわけ着色ラッカーとして架橋性が飛躍的に向上することを見出し本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、本発明は、(a)一般構造式(I)
【0016】
【化2】
(上式(I)中、X−は非求核性アニオン、Ar1,Ar2及びAr3は、それぞれ独立した芳香族炭化水素基を表す。)
で表される2,4,6−トリアリルピリリウム塩、及び、
(b)該2,4,6−トリアリルピリリウム塩の存在下、光作用でカチオンを生成する有機電子供与体を必須の構成成分とすることを特徴とする光カチオン重合開始剤に関する。
【0017】
もう一つは、前記光カチオン重合開始剤を、エポキシ化合物とを含有することを特徴とするUV硬化性組成物に関する。
【0018】
更にもう一つは、前記UV硬化性組成物を基板に塗布又は印刷する工程(工程1)、次いで、工程1で生成した被膜をUV光に照射する工程(工程2)からなる硬化塗膜の形成方法に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の光カチオン重合開始剤は、(a)一般構造式(I)
【0020】
【化3】
(上式(I)中、X−は非求核性アニオン、Ar1,Ar2及びAr3は、それぞれ独立した芳香族炭化水素基を表す。)で表される2,4,6−トリアリルピリリウム塩、及び、
(b)該2,4,6−トリアリルピリリウム塩の存在下、光作用でカチオンを生成する有機電子供与体とを必須の構成成分とするもので、使用の際これら(a)成分と(b)成分とを適宜組み合わせて使用するものである。
【0021】
本発明の光カチオン重合開始剤が、波長範囲320から420nmのUV光照射で着色を招くことなく、極めて速く架橋無着色又は着色のエポキシ化合物を架橋することは特筆すべき点である。
【0022】
これは、2,4,6−トリアリルピリリウム塩が350と450nmとの間で27−30,000 l/モル−cmのモル吸収係数の極めて強いUV吸収を示し、その有機溶媒の溶液及び脂環式エポキシド溶液が強く着色し、かつ蛍光を発するという事実からも驚くべきことであるといえる。
【0023】
故に、このような2,4,6−トリアリルピリリウム塩を、長波長UV吸収最大値が350と420nmとの間にある光カチオン重合開始剤に用いることは特に好適である。
【0024】
また、前記構造式(I)中、X−は非求核性アニオンであるが、具体的には、PF6 −,SbF6 −,AsF6 −または[B(C6F5)4]−であるのが好ましい。
前記構造式(I)中、Ar1,Ar2及びAr3は、それぞれ独立した芳香族炭化水素基を表すが、特に受容した電子の安定化効果が良好となる点からフェニル基、アルキル基若しくはアルコキシ基で置換されたフェニル基、ビフェニル基、またはアルキル基若しくはアルコキシ基で置換されたビフェニル基であることが好ましく、具体的には、下記の構造であることが好ましい。
【0025】
【化4】
尚、上記構造式(II)及び構造式(III)中、R1〜R8は、それぞれ独立的に水素原子、又は炭素原子数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基を表す。
【0026】
本発明の光カチオン重合開始剤は、公知の光カチオン重合開始剤と比べ、如何なるH+イオンも発生しないが、代わりに熱的、光化学的に活性化されたカチオン性エポキシド重合及び架橋をより速く開始することができる有機カルボカチオンを生成する。
【0027】
この有機カルボカチオンの生成は波長範囲300乃至500nmの光によって励起されたピリリウム塩と、光ラジカル反応開始剤から同じ波長範囲で光化学的に生成するラジカルとの光電子移動に基づく。この場合、当該ラジカルは次いで酸化されてカルボカチオンとなる。或いは、励起されたピリリウム塩への光電子移動によって、芳香族オレフィンと芳香族カルボニル化合物とが酸化されることに基づいている。この関連において酸化される上述の化合物は上述した波長範囲で如何なる光吸収をも示してはならない。
【0028】
2,4,6−トリアリルピラニルラジカルは光電子移動プロセスによって生成し、次に直ちにさらに反応して無色の生成物を生成し、その結果として架橋ラッカー層の脱色が起こる。
【0029】
実施に際し特に効果的であることが判明した複合体には、350と450nmの間で吸収がある2,4,6−トリアリルピリリウム塩、その吸収スペクトルが選択されたピリリウム塩の吸収スペクトルと僅かだけ重なる光ラジカル反応開始剤、その吸収スペクトルがピリリウム塩または光反応開始剤の吸収スペクトルと重ならない芳香族オレフィン及び芳香族カルボニル化合物が含まれる。この種の反応開始剤複合体は2〜8質量%の量で液状脂環式エポキシドまたは液状脂環式エポキシドを50〜90質量%含有する混合物中に添加され得る。この場合、トリアリルピリリウム塩単独の含有量は全混合物の0.5乃至2重量%、光ラジカル反応開始剤は1乃至5重量%、芳香族オレフィンまたはカルボニル化合物は1乃至5質量%を占める。それに加え、トリアリルピリリウム塩を溶かすのに必要な溶媒留分がある。この方法で調合されたラッカーは通常の工業的照射装置を用いて高い架橋速度で架橋され、表面が高品質で良好な化学品耐性をもつ硬く無色のラッカー被膜を生成する。ラッカー及び架橋被膜の臭気レベルが低いことも利点である。
【0030】
本発明の光カチオン重合開始剤は着色したラッカーの架橋に特に有利であり、顔料/バインダーの割合が5〜50質量%、好ましくは15〜35質量%であり、そのほかに流動性改良剤、消泡剤、UV吸収剤、摩擦樹脂などのその他の通常添加物が含まれることもあるTiO2で白色に着色されたラッカーの架橋に特に好適である。架橋の後に得られたラッカーは白色、光沢が良好で、高品質の表面を有し、化学品耐性が良好である。
【0031】
本発明になる反応開始剤混合物に適切な2,4,6−トリアリルピリリウム塩には、例えば、2,4,6−トリフェニルピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩、2,4,6−(4−メチルフェニル)ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩、2,6−ジフェニル−4−(ビフェニリル)ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩、2,4,6−ビフェニリル−ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩、2,6−(4−(メトキシフェニル)−4−フェニル−ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩、2,6−ジフェニル−4−(4−メトキシフェニル)ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩、2,6−ジフェニル−4−(4−ドデシルフェニル)ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩、2,6−ジフェニル−4−(オクチルオキシフェニル)ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩、2,6−ジフェニル−4−(2−メチルフェニル)ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩、2,6−ジフェニル−4−(2,4,6−トリメチルフェニル)ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩及び対応するヘキサフルオロヒ酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩及び、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸塩が含まれる。この種の塩は350と550nmとの間で通常技術のUV/VIS照射装置とよく重なる吸収スペクトルをもつ。特に好適な塩はその吸収最大値が350と420nmとの間にある塩である。
【0032】
この種2,4,6−トリアリルピリリウム塩の合成は種々の方法に拠って行うことができる。K. Dimroth,C. Reichardt及びK. VogelがOrganic Synthesis, Coll. Vol.5,p.1135に記述するカルコンと非置換または置換アセトフェノンとのエーテルHBF4溶液中トリチル塩の存在下での縮合、R. Lombard及びJ. P. StephanがBull. Soc. Chim. Fr. 1458(1958)に記述する手順に拠るアセトフェノンとベンズアルデヒドとの縮合はいずれも特に適当であることが証明されている。
【0033】
この方法で得られたピリリウムテトラフルオロ硼酸塩は水溶性アルカリ金属またはヘキサフルオロ燐酸アンモニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸アンモニウムまたはテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)硼酸アンモニウム溶液とのイオン交換によって対応する反応開始剤活性2,4,6−トリアリルピリリウム塩に変換される。
【0034】
次に、上記の2,4,6−トリアリールピリリウム塩と組み合わせて使用される有機電気供与体(b)は、特に限定されるものではないが、具体的には、
(i)芳香族オレフィン化合物と芳香族カルボニル化合物との混合物、又は
(ii)ラジカル生成し得る有機過酸化物または有機アゾ化合物であることが好ましい。
【0035】
混合物(i)において、適切な芳香族オレフィンは少なくとも二個の非置換または置換フェニル環をもつ芳香族オレフィンで、例えば、1,1−ジフェニルエチレン、トランス−及びシス−スチルベン、1,1,2−トリフェニルエチレン、テトラフェニルエチレン及び置換基中の炭素原子数が1〜12であるそれらの一または多置換アルキル及びアルコキシ誘導体が挙げられる。
【0036】
次に、芳香族カルボニル化合物は少なくとも二個の非置換または置換フェニル環をもつ化合物であることが好ましく、例えばジフェニルアセトアルデヒド、2,2−ジフェニルアセトフェノン、2,2,2−トリフェニルアセトフェノン及び置換基中の炭素原子数が1〜12であるそれらの一または多置換アルキル及びアルコキシ誘導体が挙げられる。
【0037】
次に、成分(ii)においてラジカル生成し得る有機過酸化物としては、具体的には有機ジアルキル、ジアリル及びジアシルパーオキシド、パーエステル、ヒドロパーオキシドなどのラジカルを生成可能な有機パーオキシ化合物があり、具体的には、第三級ブチルヒドロパーオキシド、ジ−第三級ブチルヒドロパーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、第三級ブチルパー安息香酸及び第三級ブチルパージエチル酢酸が挙げられる。
【0038】
このような有機過酸化物は、そのn−π’吸収が320と380nmとの間にある適切な光ラジカル反応開始剤であることが好ましく、望ましくは光の作用下でノリッシュI型開裂によってラジカルを生成するものであり、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン(Darocure−1173TM)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン(Darocure−1116TM)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure−184TM)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(Irgacure−651TM)、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ω,ω−ジエトキシアセトフェノンが挙げられる。また、ジフェニル(2,4,6−トリメチル−ベンゾイル)ホスフィンオキシド(Lucirin−TPOTM)は、そのUV吸収がピリリウム塩の吸収としっかりと重なるため、ほかの光ラジカル反応開始剤との組合せで使用することもできる。
【0039】
次に、ラジカル生成し得るアゾ化合物は、有機アゾ化合物であることが望ましく、具体的には、2,2’−アゾ−ビス−(イソブチロニトリル)及び1,1’−アゾ−ビス−(1−シクロヘキサンカルボニトリル)が挙げられる。
【0040】
以上詳述した本発明の光カチオン重合開始剤は、エポキシ化合物の重合開始剤として極めて有用であり、エポキシ化合物に配合することにより本発明のUV硬化性組成物となる。
【0041】
本発明のUV硬化性組成物は、全組成物中、前記光カチオン重合開始剤を2〜8質量%となる割合で含有することが好ましく、更に、組成物中2,4,6−トリアリルピリリウム塩を0.5〜2質量%の割合で含有し、また、電子供与体(b)を0.5〜2質量%の割合で含有することにより、効果時の着色防止の効果及び架橋速度が一層高まる点から好ましい。
【0042】
本発明のUV硬化性組成物において用いられるエポキシ化合物は、例えば3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)、アジピン酸ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)、ポリカプロラクトントリオールのエポキシシクロヘキシルエステル、オレフィン酸化物としてビニルシクロヘキセンオキシド、リモネンジオキシド、ブタジエンジエポキシド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、エポキシ化ポリブタジエンなどが挙げられる。また、芳香族及び脂肪族ジグリシジルエーテル及びポリグリシジルエーテルとし、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、及びこれをビスフェノールAで伸張したそのオリゴマー、ヘキサンジオール−1,6−ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリジメチルシロキサンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0043】
これらの中でも脂環式ジエポキシドが特に好適であり、主成分として存在する必要がある。市販のトリアリールスルホニウム塩及びジアリルヨードニウム塩反応開始剤と対照的に、本発明の反応開始剤複合体は脂肪族または芳香族グリシジルエーテル及びそれらのオレフィンエポキシドとの混合物などの非脂環式エポキシドも架橋させることができる。
【0044】
本発明のUV硬化性組成物は、1種類以上の脂環式ジエポキシド、好ましくは3,4−エポキシシクロへキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の50〜90質量%と、任意的な芳香族または脂肪族ジグリシジルエーテル及びポリグリシジルエーテル、オレフィンジエポキシドであるビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ブタジエンジエポキシド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、エポキシ化ポリブタジエン、OH−官能性化合物、好ましくは1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、オリゴマー性テトラメチレングリコール、ヘキサンジオール−1,6などのジオール、或いはOH数が30乃至150KOH/g−ポリマーのポリエステルポリオール及びポリアクリル酸ポリオールの添加物を上記の任意的な合計添加物が組成物中40質量%を超えない量で含有する透明ラッカーとして調整し、湿潤被膜厚み1乃至150μmのラッカー層内で、それらの近UV及び可視スペクトル発光範囲を拡張するためにFeまたはGaなどの金属イオンが付加的にドープされることもある中圧及び高圧水銀蒸気ランプで粘性のない表面を生成するために必要な50〜500mJ/cm2の照射線量を50μm湿潤被膜につき照射することによって急速に、かつ完全に着色を招くことなく架橋させることができる。
【0045】
このような透明ラッカー用途においては、1種類以上の2,4,6−トリアリルピリリウム塩、好ましくはそれらのヘキサフルオロリン酸塩の0.5乃至2質量%と吸収最大値が350nm以下の1種類以上の光ラジカル反応開始剤、特に好適である2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン(Darocure−1173TM)の0.5〜6質量%から構成される、光カチオン重合開始剤が好ましい。
【0046】
透明ラッカー用途において光カチオン重合開始剤のその他の好ましい態様としては、1種類以上の2,4,6−トリアリルピリリウム塩、好ましくはそれらのヘキサフルオロリン酸塩の0.5〜2質量%と1種類以上の有機オレフィン、好ましくは1,1−ジフェニルエチレンの0.5〜5質量%、1種類以上の有機カルボニル化合物、好ましくはジフェニルアセトアルデヒドの0.5〜5質量%から構造されるものが挙げられる。
【0047】
その他としては、1種類以上の2,4,6−トリアリルピリリウム塩、好ましくはヘキサフルオロリン酸塩の0.5〜2質量%、その吸収最大値が350nm以下にある1種類以上の光ラジカル反応開始剤、特に好ましくは2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン(Darocure−1173TM)の0.5〜6質量%、1種類以上の芳香族オレフィン、好ましくは1,1−ジフェニルエチレンの0.5〜5質量%から構成されるものが好ましい。
【0048】
透明ラッカー用途においては、上記各成分の他、極性非プロトン溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、プロピレン炭酸塩、テトラメチル尿素、N,N’−ジエチルイミド−アゾリジノン、或いはγ−ブチロラクトンを用いて溶液にすることができ、この場合、溶液の形で透明ラッカーに、透明ラッカー中の反応開始剤の割合が10質量%を超えずに、好ましくは4〜6重量%で都合よく加えられる。
【0049】
本発明においては肉厚な層においても、高い架橋速度、完全なる硬化、良好な表面品質、完全なる着色防止を実現することが可能である。かかる特性を具備する組成物としては、全ラッカー質量に対して、2,4,6−トリフェニルピリリウムヘキサフルオロリン酸塩を0.7〜1.5質量%、Darocure−1173TMを1〜2重量%、1,1−ジフェニルエチレンを1〜2重量%、上述の溶媒の1種類以上を5重量%含有するものが好ましい。
【0050】
例えば、エポキシ化合物として3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の77.5質量部と15質量部のリモネンジオキシドとを用い、全ラッカーに対し2,4,6−トリフェニルピリリウムヘキサフルオロリン酸塩の1質量部、Darocure−1173TMの1.5質量部、1,1−ジフェニルエチレンの1.5質量部、γ−ブチロラクトンの4質量部を含む反応開始剤溶液の7.5質量部用いた場合は、湿潤被膜の厚み12μm、ベルト粘度50m/分において発光出力300W(FUSION SYSTEMTM)の中圧水銀蒸気ランプ1回通過で完全に架橋し、硬質で耐溶媒性の無色被膜を得ることができる。この場合の照射線量は80mJ/cm2である。
【0051】
市販のトリアリルスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩反応開始剤溶液による光カチオン性ラッカーの硬化とは対照的に、本発明の光カチオン重合開始剤による架橋は、作業環境を汚染する環境的に有害で毒性のある有臭放散物の生成はない。2,4,6−トリアリルピリリウム塩の高いモル吸収係数にために、その使用量も従来に比べ少量にできるという利点を有する。
【0052】
本発明のUV硬化性組成物は、特に着色ラッカー、具体的にはTiO2で着色された白色ラッカーとして極めて有用である。
【0053】
ルチル型の場合の400nmより下の領域、及び鋭錐石型の370nmより下の領域におけるTiO2顔料の固有の吸収のために、この方法で着色されたエポキシドラッカーを、特に5μm以上の肉厚の層において、従来のトリアリルスルホニウム塩溶液を用いて光カチオン的に架橋するのは不可能であった。
【0054】
また、工業的に使用される中圧及び高圧水銀蒸気ランプの主発光域における光吸収が良好であり、かつエネルギーをトリアリールスルホニウム塩にこの領域での吸収なく伝達することができる増感剤、例えばアンスラセンまたはピレンなどの多環式芳香族化合物及び/またはそれらのポリマー結合誘導体及び特にイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントンの使用は、それらの潜在的な毒性のため、或いは黄変の危険のために、用途が制限されるものであった。
【0055】
これに対して、本発明で使用する2,4,6−トリアリルピリリウム塩、具体的に2,4,6−トリフェニルピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩はTiO2修飾の吸収縁を超えて吸収し、スペクトルの可視領域中に拡張する。したがって、この種の化合物は汎用性の高いFeドープ及びGaドープ中圧及び高圧水銀蒸気ランプからの光を着色したラッカーの中でも吸収し、本発明の反応開始剤複合体の電子供与体との光電子移送反応を生じさせ、反応開始カチオンを良好に生成することができる。
【0056】
ルチル型及び鋭錐石型として特に好適な白色顔料TiO2とは別に、350と500nmとの間の波長域で僅かな光を透過するほかの着色顔料も、単独で或いは、上記TiO2と混合して用いることができる。
【0057】
本発明の顔料を配合したUV硬化性組成物は、それらが1〜45質量部の顔料、好ましくはルチル型または鋭錐石型のTiO2を少なくとも1種類以上、少なくとも1種類以上の脂環式エポキシド化合物のバインダーまたはそれらのバインダー混合物を50乃至95質量部、および、本発明の光カチオン重合開始剤の溶液を5〜10質量部含有するものがとりわけ好ましい。
【0058】
ここで使用しうるバインダーには、上述した脂環式ジエポキシド、好ましくは3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)を必須の成分として含むことが好ましく、任意的な成分として、芳香族または脂肪族ジグリシジルエーテル及びポリグリシジルエーテル、オレフィンジエポキシドであるビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ブタジエンジエポキシド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、エポキシ化ポリブタジエン、OH−官能性化合物を含有することが好ましい。当該任意成分として、更に1,2−プロパンジオール及び1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジ−、トリ−及びテトラ−エチレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、オリゴマー性テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール、或いはOH数が30〜150gKOH/gポリマーのポリエステルポリオール及びポリアクリル酸ポリオール等の添加剤を上記の任意的な合計添加物がバインダー混合物中40質量%を超えない量で含有してもよい。
【0059】
着色ラッカーに使用される反応開始剤混合物は全組成物に対し、1種類以上の2,4,6−トリアリルピリリウム塩、好ましくはそれらのヘキサフルオロリン酸塩を0.7〜2質量%、1種類以上の光ラジカル反応開始剤、特に好ましくは2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン(Darocure−1173TM)を1〜10、好ましくは2〜8質量%含むものが好ましい。
【0060】
さらに、2,4,6−トリアリルピリリウム塩の1種類以上、好ましくはそれらのヘキサフルオロリン酸塩を0.7〜2質量%、1種類以上の芳香族オレフィン、好ましくは1,1−ジフェニルエチレンを0.5〜8質量%、芳香族カルボニル化合物、例えばジフェニルアセトアルデヒドなどを0.5〜5質量%含む混合物が使用されることもある。
【0061】
また、2,4,6−トリアリルピリリウム塩の1種類以上、好ましくはそれらのヘキサフルオロリン酸塩を0.7〜2質量%、吸収最大値が350nmより下の光ラジカル反応開始剤の1種類以上、特に好ましくは2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン(Darocure−1173TM)を1〜6質量%、1種類以上の芳香族オレフィン、特に好ましくは1,1−ジフェニルエチレンを0.5〜5質量%含む組成物も極めて有用であり好ましい。
【0062】
着色ラッカー用途における光カチオン重合開始剤は、着色ラッカー中に、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレン炭酸塩、テトラメチル尿素、N,N’−ジエチルイミドアゾリジノン、γ−ブチロラクトンなどの極性非プロトン溶媒中の溶液の形で用いることが好ましく、該着色ラッカー中の光カチオン重合開始剤を10質量%以下、なかでも4〜6質量%となるように使用することが好ましい。
【0063】
着色ラッカー用途においても、肉厚層での高い架橋速度、完全なる硬化、良好な表面品質、完全なる着色防止を実現することが可能である。かかる特性を具備する組成としては、着色ラッカーの全質量に対し、2,4,6−トリフェニルピリリウムヘキサフルオロリン酸塩を0.7〜2質量%、Darocure−1173TMを2〜6質量%、1,1−ジフェニルエチレンを1〜2質量%、上述した溶媒の1種類を5質量%なる割合で含有する者が好ましい。光カチオン重合開始剤の組成は、着色ラッカーの場合、該光カチオン重合開始剤の高い濃度を用いることができるように、塗布層の厚み、顔料/バインダー比、使用される顔料の使用量を適宜選択することが望ましい。
【0064】
着色ラッカーの製造方法は、特に制限されるものでなく当業者に周知な方法、例えば顔料をバインダー中に高速回転分散機を用いて分散すること、或いは三本ロールミルまたはボールミル中で粉砕することによって行われる。光カチオン重合開始剤の溶液は顔料が混合物中に取り込まれた後でのみ都合よく添加、混合される。また、通常の添加物、例えば消泡剤、流動制御剤、カップリング剤、酸化防止剤、UV安定剤などを適宜併用してもよい。
【0065】
以上詳述した本発明のUV硬化性組成物は、上記UV硬化性組成物を基板に塗布又は印刷する工程(工程1)、
次いで、工程1で生成した被膜をUV光に照射する工程(工程2)
により硬化塗膜を形成することができる。
【0066】
無着色又は着色ラッカーとして基板に塗布する場合、基板としては、例えば鋼板、錫プレート、アルミニウム、板紙、厚紙、紙、ガラス及び種々のフィルム、ホイルまたはシート状プラスチック等が挙げられ、塗布方法としては、ローリング、吹付けまたは浸漬などの周知のプロセスが適用できる。
【0067】
次いで、工程2は、主発光が320nmより上の波長領域である適当な光源、好ましくは中圧及び高圧水銀蒸気ランプによりUV照射することにより行うことができる。
【0068】
また、工程2の後、適宜、熱的後処理の工程(工程3)を施しても良い。
【0069】
本発明において、脂環式エポキシド化合物を用いる場合、UV硬化性組成物は金属製基板への塗布に特に有利である。即ち、エポキシバインダーの低い収縮傾向のために金属製基板に堅固に接着し、2,4,6−トリアリルピリリウム塩の高い吸収係数のために1乃至150μmの厚みの層でUV架橋することができる。
【0070】
本発明になる光カチオン重合開始剤の主な技術上の利点は使用された2,4,6−トリアリルピリリウム塩の広いUV吸収域に基づくものであり、その吸収域はフェニル基の置換及び使用されたピリリウム化合物の高いモル吸収係数に依存して、スペクトルの可視領域までにも拡張し、工業的に使用されるランプの発光範囲と極めてよく重なる。これらの化合物の架橋エポキシド混合物中の量が少ないことは着色したラッカー及び印刷インクをピリリウム塩の完全な脱色を伴って架橋することができ、その結果誤った色相が発生せず、架橋層の臭気が無視できて問題を起こすまたは毒性の成分をなんら発生しない、という従来にない特質を有する。
【0071】
本発明のUV硬化性組成物は、適切な表面予備処理後の金属及びプラスチック基板の被覆に有用である他、紙、板紙、アルミニウム及びプラスチックシート、ホイル及びフィルム用印刷インクとしても極めて有用である。特筆すべき点は150μmまでの著しく肉厚の層であっても完全に硬化させることができる点にあり、厚い被膜肉厚が要求される応用分野を開拓することができる。
【0072】
従って、本発明のUV硬化性組成物は、包装材料、自動車部品、家庭用器具、ハウジング、家具用のラッカー、ラッカー塗布スチール、アルミニウム帯用のラッカーとして、金属、プラスチック、紙及び板紙の印刷インクとして、UV硬化性接着剤、関連する用件のそれぞれの場合に適合可能なバインダー組成物として極めて有用である。
【0073】
【実施例】
[試験方法]
ラッカー塗布冶具を用いてガラスプレート(18x12x0.2cm)に厚さ76μmまたは50μmの湿潤被膜に液体ラッカーを塗布し、主発光が350と420nmとの間のFeドープ高圧水銀バーナー(Dバルブ)を持つF−300ランプ及びベルト速度16m/分で運転する可変速度15乃至75m/分のLC−6コンベア装置から構成されたUV照射装置(FUSION SYSTEM, Gaithersburg, MD, USA)に、ラッカー層を硬化し、表面の粘性がなくなるまでUV照射した。
【0074】
照射中320乃至450nmの入射UV強度、mJ/cm2をUVICUREラジオメータ(EIT, Sterling, Va., USA)を用い異なるベルト速度で測定し、測定値をベルト速度に対しグラフにプロットし、得られた検量線を粘性フリーラッカー表面及び通し硬化ラッカー層の生成に必要な最低UV線量の決定に使用した。速度10x16m/分での入射線量は1.8J/cm2、1x5m/分で550mJ/cm2、1x16m/分で190mJ/cm2、1x50m/分で60mJ/cm2であった。照射したラッカー被膜をメチルエチルケトン(MEK)含浸吸い取り紙で擦った。被膜の溶解または膨潤のない、或いは表面擦過傷を受けない≧75往復工程(DS)MEK抵抗を極めて良好とした。
【0075】
実施例中の百分率は全て全ラッカー質量に対するものである。
(実施例1)
(a)0.1g、(b)0.4g、(c)1gの2,4,6−トリフェニルピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩(TPP−PF6)溶液(γ−ブチロラクトン中25%)を3,4−エポキシシクロヘキシル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の4gとリモネンジオキシドの1gとの混合物に別々に加え、全体を完全に混合した。(a)におけるTPP−PF6反応開始剤塩濃度は0.5重量%、(b)では2重量%、(c)では5重量%であった。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表1に示した。
【0076】
(実施例2)
(a)0.1g(塩の0.5重量%)、(b)0.4g(2重量%)、(c)1g(5重量%)のTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)とそれぞれの場合に0.8重量%の2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン(Darocure−1173TM)とを3,4−エポキシシクロヘキシル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の4gとリモネンジオキシドの1gとの混合物に別々に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表1に示した。
【0077】
(実施例3)
(a)0.1g(0.5重量%)、(b)0.4g(2重量%)、(c)1g(5重量%)のTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)とそれぞれの場合に4.0重量%の2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン(Darocure−1173TM)とを3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の4gとリモネンジオキシドの1gとの混合物に別々に加え、全体を完全に混合した。
ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表1に示した。
【0078】
(実施例4)
0.30gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩1.4重量%と、(a)0.075g(1.4重量%)のω,ωジエトキシアセトフェノン、(b)0.1g(1.8重量%)のジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(Lucirin−TPOTM)、(c)0.075g(1.3重量%)のジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド+2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン0.11g(2.0重量%)とを別々に3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の4gとリモネンジオキシドの1gとの混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表1に示した。
【0079】
(実施例5)
0.30gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩1.5重量%と、(a)0.1g(2.0重量%)のジフェニルアセトアルデヒド、(b)0.075g(1.5重量%)の1,1−ジフェニルアセトン、(c)0.10g(2.0重量%)のトリフェニルアセトフェノンとを別々に3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の4gとリモネンジオキシドの1gとの別の混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表1に示した。
【0080】
(実施例6)
0.20gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、ラッカーに対し反応開始剤塩1.0重量%と、(a)0.075g(1.5重量%)のトリフェニルエチレン、(b)0.075g(1.5重量%)のトランス−スチルベン、(c)0.075g(1.5重量%)の1,1−ジフェニルエチレンとを3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の別々の5gロットに加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表1に示した。
【0081】
(実施例7)
0.15gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩0.75重量%及び2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノンの0.075g(1.4重量%)、(a)0.075g(1.4重量%)のトリフェニルエチレン、(b)0.075g(1.4重量%)のトランス−スチルベン(1.5重量%)、(c)0.075g(1.4重量%)の1,1−ジフェニルエチレンを別々の3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の5gロットに加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表1に示した。
【0082】
(実施例8)
0.35gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩1.3重量%と、(a)0.08g(1.5重量%)の第三級ブチルヒドロペルオキシド、(b)0.08g(1.5重量%)の第三級ブチルペル安息香酸、(c)0.075g(1.4重量%)のジクミルペルオキシドを別々の3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の4gとリモネンジオキシドの1gとの混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表1に示した。
【0083】
(実施例9)
0.30gの2,4,6−トリス−(4,4’−ビフェニリル)ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩(TBP−PF6)溶液(γ−ブチロラクトン中10%)、反応開始剤塩0.6重量%を3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の4gとリモネンジオキシドの1gとの混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表1に示した。
【0084】
(実施例10)
0.30gの2,4,6−トリス−(4,4’−ビフェニリル)ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩(TBP−PF6)溶液(γ−ブチロラクトン中10%)、反応開始剤塩0.6重量%と0.2g(3.6重量%)2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノンとを3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の4gとリモネンジオキシドの1gとの混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表1に示した。
【0085】
(実施例11)
0.50gの2,4,6−トリス−(1, 1’ビフェニル−4−イル)ピリリウムヘキサフルオロ燐酸塩(TBP−PF6)溶液(プロピレン炭酸塩/リモネンジオキシド2:3中10%)、反応開始剤塩1.0重量%と0.2g(3.5重量%)の2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン、0.1g(1.9重量%)の1,1−ジフェニルエチレンとを3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の4gとリモネンジオキシドの1gとの混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表1に示した。
【0086】
(実施例12)
(a)0.25gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩1.1重量%と0.22g(4.0重量%)の2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノンとを5gのリモネンジオキシドに加え、UV架橋させて試験した。
(b)0.30gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩の1.3重量%と0.075g(1.3重量%)の2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン及び0.075gの1,1−ジフェニルエチレンを5gのリモネンジオキシドに加え、UV架橋させて試験した。
(c)比較のために5gのリモネンジオキシドを0.30gのトリアリルスルホニウムヘキサフルオロ燐酸塩溶液(UVI−6990TM、γ−ブチロラクトン中50%)に加え、UV架橋させて試験した。結果を表2に示す。
【0087】
(a)及び(b)の場合には、MEK中に完全に溶解する弾性で粘性のない被膜が生成した。このことはリモネンジオキシドの1個のエポキシド基のみが重合を受けたことを示唆する。THF溶解被膜(a)及び(b)のポリマー試料のポリスチレン標準に対するゲルクロマトグラフは得られたポリマーの数平均MNが2000〜3000g/モルであることを示した。ラッカー(c)は10x16m/分でも液状であった。
【0088】
(実施例13)
0.38gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩1.5重量%と0.075g(1.3重量%)の2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン及び0.075g(1.3重量%)の1,1−ジフェニルエチレン、ラッカーに対し1.5重量%を5gのヘキサンジオール−1,6−ジグリシジルエーテルに加え、UV架橋させて試験した。結果を表2に示した。
【0089】
(実施例14)
5gの1,2,7,8−ジエポキシオクタンを0.30gTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩1.3重量%と0.90g(1.5重量%)の2−ヒドロキシ−2メチルアセトフェノン、0.075g(1.3重量%)の1,1−ジフェニルエチレンとUV架橋させ、試験した。結果を表2に示した。
【0090】
(実施例15)
0.13gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩0.5重量%と2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノンの0.11g(2.0重量%)及び0.11g(2.0重量%)の1,1−ジフェニルエチレンとの溶液を3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の4gと1gのリモネンジオキシドとの混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表2に示した。
【0091】
(実施例16)
0.20gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩1.1重量%と0.09g(2.0重量%)の2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン、0.09g(2.0重量%)のトランス−スチルベンとの溶液を3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)の1gと3gのビスフェノール−Aジグリシジルエーテルとの混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表2に示した。
【0092】
(実施例17)
0.18gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩0.9重量%と2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノンの0.09g(1.8重量%)及び0.09g(1.8重量%)の1,1−ジフェニルエチレンを2gのヘキサンジオール−1,6−ジグリシジルエーテルと2gのリモネンジオキシドとの混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表2に示した。
【0093】
(実施例18)
0.15gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩0.75重量%と2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノンの0.09g(2.0重量%)及び0.09g(2.0重量%)の1,1−ジフェニルエチレンを2gのビスフェノールA−ジグリシジルエーテルと2gのリモネンジオキシドとの混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表2に示した。
【0094】
(実施例19)
0.25gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、反応開始剤塩1.15重量%とトリフェノールアセトフェノンの0.1g(1.9重量%)を4.0gの3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4エポキシシクロヘキシルメチルエステル)と1.0gのポリカプロラクトントリオール(OH数、85mg KOH/g)との混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表2に示した。
【0095】
(実施例20)
0.15gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中20%)、反応開始剤塩0.7重量%と2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノンの0.02g(0.5重量%)及び0.02g(0.5重量%)の1,1−ジフェニルエチレンを3.6gの3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)と0.4gのブタンジオール−1,3との混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表2に示した。
【0096】
(実施例21)
0.15gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中20%)、反応開始剤塩0.7重量%と2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノンの0.02g(0.5重量%)及び0.02g(0.5重量%)の1,1−ジフェニルエチレンを2.8gの3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロメチルエステル)と1.2gのエポキシシクロヘキシルメタノールとの混合物に加え、全体を完全に混合した。ラッカーを塗布し、UV架橋させて試験方法に記述したように試験した。結果を表2に示した。
【0097】
(実施例22)
TiO2(鋭錐石、KRONOS 1071))の4g(16.2重量%)を250mlビーカー中、分散器(VGA Getzmann)の手段によって15gの3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)中に2−5000rpmで10分間分散させた。3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)溶液の5g、0.60gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中20%)、0.61重量%と0.12g(0.5重量%)の1,1−ジフェニルエチレンを次いで加え、低回転速度で黄色分散液と均一化させた白色ラッカーをガラスプレートと深絞り成型用シート(18x10x0.1cm)に肉厚75μmの被膜として塗布、16m/分、ランプ10回通過でUV硬化させて試験した。二回通過でラッカー表面は脱色によって既に白色化した。ラッカー基板は6〜8回通過でガラスプレート上の試験で確立されたように、脱色、硬化した。得られたラッカーは艶消面をもつ軟質で僅かに耐引掻き性の白色ラッカーに硬化した。MEK抵抗は表面に磨耗が起こる以前で<30往復工程であった。
【0098】
(実施例23)
TiO2(鋭錐石、KRONOS 1071))の4g(12.8重量%)を250mlビーカー中、分散器(VGA Getzmann)の手段によって14.5gの3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)中に2−5000rpmで10分間分散させた。3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)溶液の5g、0.60gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中20%)、0.5重量%と0.2g(0.7重量%)の2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン及び3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)5g中1.3gのポリカプロラクトントリオール(OH数、85mg KOH/g)の溶液6.3gを次いで加え、低回転速度で黄色分散液と均一化させた白色ラッカーをガラスプレートと深絞り成型用シート(18x10x0.1cm)に肉厚75μmの被膜として塗布、16m/分、ランプ10回通過でUV硬化させて試験した。二回通過でラッカー表面は脱色によって既に白色化した。ラッカーを照射した後に、100℃で10分間後処理した。得られたラッカーは光沢面をもつ軟質な白色ラッカーに硬化した。表面の耐引掻き性は実施例23の場合よりも良好であった。MEK抵抗は表面に磨耗が起こる以前で<40往復工程であった。
【0099】
(実施例24)
TiO2(鋭錐石、KRONOS10 71))の10g(17.8重量%)を250mlビーカー中、分散器(VGA Getzmann)の手段によって30gの3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)中に2−5000rpmで10分間分散させた。3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)溶液の10g、2.50gのTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、1.1重量%と3.6g(8.9重量%)の2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノンを次いで加え、低回転速度で黄色分散液と均一化させた白色ラッカーをガラスプレートと深絞り成型用シート(18x10x0.1cm)に肉厚76μmの被膜として塗布、16m/分、ランプ10回通過でUV硬化させて試験した。一回通過でラッカー表面は既に白色化し、基板は7回通過後に脱色した。また、ガラス及びスチールプレート上に厚み12μmの皮膜状に架橋させたラッカー混合物は3x16m/分後に硬化、白色化した。得られたラッカーは艶消面をもつ硬質な形状で耐引掻き性の白色ラッカーに硬化した。MEK抵抗は表面に磨耗が起こる以前で>75往復工程であった。
【0100】
(実施例25)
TiO2(鋭錐石、KRONOS 1071))の10g(19.1重量%)を250mlビーカー中、分散器(VGA Getzmann)の手段によって30gの3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)中に2−5000rpmで10分間分散させた。3,4−エポキシシクロヘキシル−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエステル)溶液の10g、3.5g(5.8重量%)のエポキシシクロヘキシルメタノール、2.40gTPP−PF6溶液(γ−ブチロラクトン中25%)、1.0重量%、3.6g(5.8重量%)の2−ヒドロキシ−2−メチルアセトフェノン及び0.6g(1.0重量)の1,1‐ジフェニルエチレンを次いで加え、低回転速度で黄色分散液と均一化させた白色ラッカーをガラスプレートと深絞り成型用シート(18x10x0.1cm)に肉厚76μmの被膜として塗布、16m/分、ランプ10回通過でUV硬化させて試験した。一回通過後でもラッカー表面は白色化し、基板は6回通過後に脱色した。また、ガラス及びスチールプレート上に厚み12μmの皮膜状に架橋させたラッカー混合物は3x16m/分後に硬化、白色化した。得られたラッカーは高い光沢、欠陥のない表面をもつ硬質な形状で耐引掻き性の白色ラッカーに硬化した。MEK抵抗は表面に磨耗が起こる以前で>75往復工程であった。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【0104】
【表3】
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、光カチオン重合開始剤において、そのUV吸収が工業的に主に利用される金属ドープ中圧及び高圧水銀蒸気ランプの発光範囲と350と420nmとの間でよく重なり、かつ感度を向上させることができる。更にそれを含むUV硬化性組成物において、硬化反応時に毒性光分解生成物を生じず、また、着色エポキシラッカーへの適用が可能となる。
Claims (13)
- 前記芳香族炭化水素基が、フェニル基、アルキル基若しくはアルコキシ基で置換されたフェニル基、ビフェニル基、またはアルキル基若しくはアルコキシ基で置換されたビフェニル基である請求項1記載の光カチオン重合開始剤。
- 2,4,6−トリアリルピリリウム塩の存在下、光作用でカチオンを生成する電子供与体(b)が、
(i)芳香族オレフィン化合物と芳香族カルボニル化合物との混合物、又は
(ii)ラジカル生成し得る有機過酸化物または有機アゾ化合物である請求項1記載の光カチオン重合開始剤。 - X−がPF6 −、SbF6 −、AsF6 −または[B(C6F5)4]−である請求項1に記述の光カチオン重合開始剤。
- 前記電子供与体(b)が、光作用下でラジカルを生成する1種類以上の光ラジカル反応開始剤をさらに含有する請求項3記載の光カチオン重合開始剤。
- 請求項1から5の何れか一つに記載の光カチオン重合開始剤と、エポキシ化合物とを含有することを特徴とするUV硬化性組成物。
- 前記光カチオン重合開始剤を組成物中2〜8質量%の量で含有し、かつ、前記2,4,6−トリアリルピリリウム塩(a)の含有量が組成物中0.5〜2質量%である請求項6記載のUV硬化性組成物。
- 有機電子供与体(b)を0.5〜2質量%となる割合で含有する請求項7記載のUV硬化性組成物。
- エポキシ化合物が脂環式ジエポキシドである請求項6記載のUV硬化性組成物。
- 前記光カチオン重合開始剤と、エポキシ化合物に加え、さらに顔料を含有する請求項6〜9の一つに記載のUV硬化性組成物。
- 顔料がTiO2である請求項10記載のUV硬化性組成物。
- 請求項6〜11の何れか1つに記載のUV硬化性組成物を基板に塗布又は印刷する工程(工程1)、
次いで、工程1で生成した被膜をUV光に照射する工程(工程2)からなる硬化塗膜の形成方法。 - 工程2の後に、熱的後処理の工程(工程3)を有する請求項12の硬化塗膜の形成方法。
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