JP2004352980A - 光カチオン重合性樹脂組成物及び光ディスク表面保護用材料 - Google Patents

光カチオン重合性樹脂組成物及び光ディスク表面保護用材料 Download PDF

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Yuichi Ito
祐一 伊東
Satoru Suda
覚 須田
Yasushi Mizuta
康司 水田
Katsunori Nishiura
克典 西浦
Shunichi Gomi
俊一 五味
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Abstract

【課題】硬化性に優れ、樹脂の着色が少なく、腐食性に優れ、且つ、硬化収縮の少ないカチオン重合性樹脂組成物の提供し、更に、光ディスク保護材料に好適な材料を提供することである。
【解決手段】
(A)[化1]で示すエポキシ系化合物(式中、R1及びR2が炭素原子で、且つ、その炭素原子が飽和もしくは、不飽和である。及びRが水素原子、もしくは、炭素原子で、且つ、その炭素原子が飽和もしくは、不飽和である。)を必須成分とし、(B)[化1]で示すエポキシ系化合物以外のカチオン重合性化合物、(C)光カチオン重合開始剤、(D)光ラジカル重合開始剤を含有する事を特徴とするカチオン重合性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、重合時の硬化に優れたカチオン重合性樹脂組成物であり、寸法精度が求められる光ディスク用の接着剤、コーティング材、保護シート用接着剤に関する。
エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度及び電気特性等に優れており、半導体封止用樹脂、積層板用樹脂、コーティング材、接着剤、インキ、各種シーリング材等に用いられている。そのエポキシ樹脂を硬化させる方法としては、酸無水物、アミン化合物、イソシアナート化合物、フェノール系化合物と言った硬化剤を用いる方法や、エポキシ樹脂その物の重合反応(付加反応)、すなわち、カチオン重合による光・熱硬化システムが知られている。このカチオン重合を利用した硬化システムとしては、エポキシ樹脂の他に、オキセタン樹脂、ビニルエーテル類、スチレン類等が知られおり、特にエポキシ樹脂及びオキセタン樹脂を用いたカチオン重合について広く検討がなされている。
ところで近年、光記録メディアの中でも大容量の情報記録を可能にしたDVD(デジタル・ビデオ・ディスクまたはデジタル・バーサタイル・ディスク)が注目されており、さらに波長405nmの青紫レーザ光源の利用と記録層を覆う保護層を0.1〜0.3mmと薄くすることにより光ディスクの記憶容量を片面で20Gバイト〜30Gバイトに高める技術が提案されている(Japanese Journal Applied Physics. Vol.30 (2000))。このDVDは、従来の2枚のディスクを貼り合わせる構造とは異なり、基本的に1枚のディスクで構成されているため表面を保護層が必要となる。この保護層の材料の提案としては、(Japanese Journal Applied Physics. Vol.39 775-778 (2000))に光カチオン重合性樹脂組成物を光ディスク上にスピンコート後、窒素雰囲気下でUV光を照射して保護層を形成する方法とポリカーボネートシートに光カチオン重合性樹脂組成物をスピンコート塗布後、光ディスクに貼り合わせてUV光を照射して保護層を形成する方法が紹介されている。
これらの保護コートに求められる性能としては、405nmの青紫レーザを光源に用いて記録している為、405nmにおける光線透過率が優れている事、具体的には90%の光線透過率が必要とされている。また、スピンコートした後、もしくは、ポリカーボネートシートを貼り合わせた後、紫外線を照射し硬化する際、基体ポリカーボネート盤が変形しない事がのぞまれている為、光ディスク表面保護材料には、硬化収縮率が小さい事が望まれている。この様な観点から、開環重合を用いると光カチオン重合は好適である。また、架橋密度の調整による硬度の設計に自由度が高い。
しかしながら、カチオン重合系は、先に挙げた酸無水物やアミン系に比較して、重合性が乏しい。そこで、この重合性について様々な検討がなされている。例えば、ファインケミカル、Vol.29, No.19, 5, 2000によればオキセタン樹脂とエポキシ樹脂の併用により、重合性を挙げる方法、特許文献1に記載の水添されたエポキシ樹脂を用いる方法、特許文献2に記載のシクロヘキセンオキシドを用いる方法、特許文献3にはビニルエーテル類と弱塩基物質との併用系が提案されている。また、カチオン重合用の触媒量を多く添加する簡便な方法も有る。
しかしながら、オキセタン樹脂を用いる方法では、重合速度を上げる事はできるが、開始反応そのものは、触媒添加量を上げる、エポキシ樹脂との併用、もしくは、高エネルギー化により対応せざるを得なく、触媒由来のイオン性成分による耐水性の劣化、樹脂の着色といった問題を有する。また、水添され、更に、水酸基を有するエポキシ樹脂を用いる方法では、機能発現の為に用いる他の骨格を有するエポキシ樹脂を用いるのに制限が有る。一方、シクロヘキセンオキシドを用いる方法の場合、硬化収縮が大きいという問題を有している。また、ビニルエーテル類と弱塩基物質に併用系では、硬化後、樹脂と化学的な結合を成さない弱塩基物質を添加している為、耐水性が劣る問題を有している。また、カチオン重合用の触媒量を増やした物に関しては、耐水性や腐食性が著しく低下することが分かっている。
特開2001−261780号公報 特開2001−316450号公報 特開2000−109511号公報
本発明は、上記問題点、すなわち、硬化性に優れ、樹脂の着色が少なく、腐食性に優れ、且つ、硬化収縮の少ないカチオン重合性樹脂組成物を提供し、更に、光ディスク保護材料に好適な材料を提供する事にある。
本発明は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、開始反応時に於ける、カチオン開環重合性化合物のオキソニウムイオンの生成、及びそのオキソニウムイオンの安定性に着目し検討した。その安定性の尺度として、環状エーテル化合物類へのメチルカチオン付加における開環物生成までの活性化エネルギーに着目した。具体的には、第一原理計算により比較検討したところ、特定の活性エネルギー以下であれば、従来からある光カチオン重合を活性化させる事が可能である事を見出した。特に[化1]で示すエポキシ系化合物が、最も、活性化エネルギーが低く、且つ、容易に開始反応が起こる事を見出した。
更に、光カチオン重合の重合開始過程にラジカルが介在することに着目し、各種ラジカル開始剤を検討した結果、特定の光ラジカル重合開始剤を併用することにより、更に活性化される事を見出し、従来、重合性が優れているとされていたオキセタン類を用いた系よりも高い重合能を有し、ラジカル重合系並みの硬化性を発現する事を見出した。また、特定の分子量域のカチオン重合性樹脂を配合することにより、高い寸法精度を必要とする光ディスク表面保護材料として好適な事を見出し、本問題を解決し、発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)メチルカチオン付加時の開環反応における活性化エネルギーが15kcal/mol以下であるカチオン開環重合性化合物と、(B)カチオン重合性化合物と、(C)光カチオン重合開始剤とを含むことを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
(2)前記(A)カチオン開環重合性化合物が一分子鎖中に少なくとも1個の[化1]で示すオキシラン環基を有する化合物であり、(B)カチオン重合性化合物が[化1]で示す構造を含まないカチオン重合性化合物であることを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
Figure 2004352980
(式中、R1及びR2は炭素原子で且つ、その炭素原子が飽和もしくは不飽和である。Rは水素原子、もしくは、炭素原子で、且つ、その炭素原子が飽和もしくは不飽和である。)
(3)前記光カチオン重合性樹脂組成物の(A)カチオン開環重合性化合物と(B)カチオン重合性化合物との合計100重量部に対して、(A)が0.1〜10.0重量部、(B)が90.0〜99.9重量部であることを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
(4)前記光カチオン重合性樹脂組成物の内、(A)カチオン開環重合性化合物と(B)カチオン重合性化合物との合計100重量部に対して、(C)光カチオン重合開始剤の添加量が0.1〜10.0重量部の範囲であることを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
(5)前記光カチオン重合性樹脂組成物に、(D)光ラジカル重合開始剤を(A)カチオン開環重合性化合物と(B)カチオン重合性化合物との合計100重量部に対して、10.0重量部以下の範囲で含有されていることを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
(6)前記(B)カチオン重合性化合物のカチオン重合性官能基がエポキシ基及び/又はオキセタン基であり、前記(A)カチオン開環重合性化合物にエポキシ基及び/又はオキセタン基を含有しても構わないことを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
(7)前記(A)カチオン開環重合性化合物と(B)カチオン重合性化合物と中に含有されるエポキシ基のモル数と[化1]で示すオキシラン環基とのモル数の合計とオキセタン基のモル数との比が0.05〜20.0であることを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
(8)前記(C)光カチオン重合開始剤がヨードニウム塩系開始剤であることを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
(9)前記(D)光ラジカル重合開始剤がアセトフェノン系化合物であることを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
(10)前記光カチオン重合性樹脂組成物を含有していることを特徴とするコーティング材組成物、接着剤組成物である。
(11)前記光カチオン重合性樹脂組成物の(B)カチオン重合性化合物の官能基の官能基当量が700以上である(B−1)とカチオン重合性化合物の官能基の官能基当量が700未満である(B−2)からなる光カチオン重合性樹脂組成物。
(12)前記光カチオン重合性樹脂組成物の(A)カチオン開環重合性化合物と(B)カチオン重合性化合物との合計100重量部に対して、(B)カチオン重合性化合物中に、前記(B−1)が5.0〜40.0重量部、前記(B−2)が50.0〜94.9重量部であることを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
(13)前記光カチオン重合性樹脂組成物を用いたコーティング材、及び/又は、接着剤、及び/又は、接着剤を施した保護シートからなる光ディスク用材料及び光ディスク表面保護用材料である。
本発明のカチオン重合性組成物は、硬化性に優れ、樹脂の着色が少なく、腐食性に優れ、且つ、硬化収縮の少ないカチオン重合性樹脂組成物であり、更に、光ディスク保護材料に好適な材料を提供することができる。
本発明を、以下に詳しく説明する。
本発明の(A)とは、カチオン開環重合性化合物の重合における開環重合性をメチルカチオンの環状化合物への付加反応をモデルに比較検討した化合物群である。具体的には図1に示す反応経路における活性化エネルギーを、第一原理計算を用いて計算し、その結果を表1に示す。その結果、従来からよく用いられるエポキシ化合物や、オキセタン化合物や、脂環式エポキシ化合物よりも、低い活性化エネルギーを有する環状エーテル構造が存在し、その活性化エネルギーは、15kcal/molが好ましく、更に好ましくは、その構造が[化1]に示す構造を有するエポキシ系化合物である。
Figure 2004352980
Figure 2004352980
(式中、R1及びR2は炭素原子で且つ、その炭素原子が飽和もしくは不飽和である。Rは水素原子、もしくは、炭素原子で、且つ、その炭素原子が飽和もしくは不飽和である。)
本構造は、カチオン開環重合の開始反応時に生成するオキソニウムイオンである状態では不安定で、活性の高いカルベニウムイオンへ容易に転位し、その為、重合が直ちに進行する。一方、他の構造の環状エーテル類は活性化エネルギーが高い為、開環せずにオキソニウムイオンで存在しているほうが有利であり、その為、重合性が低下する。
[化1]で示されるエポキシ系化合物は、オキシラン環を成す炭素原子の内、1個の炭素原子は、少なくとも1個の水素原子で置換されており、他の1個の炭素原子は2個の炭素原子で置換されており、その置換している炭素原子は飽和結合、もしくは、不飽和結合である事を特徴とするエポキシ系化合物である。なお、この炭素原子の飽和結合もしくは不飽和結合は、任意の原子団で置換されていても構わない。
具体的には、R1及びRは、アルカン、アルケン、アルキンのいずれかからなる炭化水素を示し、置換基を有していても良い。その置換基としては、アルキル基、シクロアル環、芳香族環、ハロゲン、水酸基、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル基、アルキル置換のアミド基、アルキル置換のアミノ基等が挙げられるが特に制限は無い。また、Rは、水素原子に加えて、アルカン、アルケン、アルキンのいずれかからなる炭化水素を示し、置換基を有していても良い。その置換基としては、アルキル基、シクロアル環、芳香族環、ハロゲン、水酸基、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル基、アルキル置換のアミド基、アルキル置換のアミノ基等が挙げられるが特に制限は無い。
更に具体的に[化1]で現されるエポキシ系化合物を例示すると、Terpinolene
Dioxide、Isobutylene oxide、Isoprene oxide、β-Pinene oxide、2-Methyl glycidol、Limonene dioxide、Methyl 2-methylglycidate、7-Oxa-bicyclo[4.1.0]heptane oxiranyl、2-Acetyl-2-methyloxirane、2-(Benzyloxymethyl)-2-methyloxirane、5,6-Epoxy-4,7-methano-1-oxaspiro-(2,5)-octane、2-methyl-1-(2-methyl-oxiranyl)-non-3-en-1-ol、Myrcene Dioxide等が挙げられる。特に、Terpinolene Diepoxide、Limonene dioxideや7-Oxa-bicyclo[4.1.0]heptane oxiranyl、5,6-Epoxy-4,7-methano-1-oxaspiro-(2,5)-octaneや Myrcene Dioxideの様に、[化学式1]で示される特有なオキシラン環構造を分子内に最低1個以上有すれば良いので、他のオキシラン環等のカチオン重合性を有する骨格を同一分子内に有しても構わない。
また、2-Chloromethyl-2-methyloxiraneとフェノール性水酸基を有する化合物から常法で得られる[化1]の構造を有するフェノール系エポキシ系化合物も本発明に供する。また、2-Chloromethyl-2-methyloxiraneとアルコール性水酸基を金属ナトリウム等でアルコラートにした物と脱塩反応にてエーテル化した化合物も本発明に共する。同様に、2-Methyl glycidolのイソシアナート化合物による変性物やメチルグリシジル基を有するメタクリレートモノマー(MGMA:ダイセル化学工業社製)を含むアクリル樹脂も[化1]の構造を有するエポキシ系化合物も本発明に供する。
本発明に用いられる(B)とは、[化1]で示す構造を含有しないカチオン重合性化合物を用いる。具体的には、分子内にオキシラン環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環等、環状エーテルを有する化合物類、ビニルエーテル類、スチレン類等カチオン重合性を有する化合物を言い、カチオン重合性を有すれば、特に制限は無いが、実施上、好ましくは、オキシラン環を有する化合物、すなわち、エポキシ樹脂、オキセタン環を有する化合物、すなわち、オキセタン樹脂が望ましい。
次に具体的に(B)を例示する。オキシラン環を1個有する化合物の具体例としては、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等があり、オキシラン環を2個以上有する化合物としては、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、ポリプロピレンジグリシジルエーテル、ポリブタジエン又はポリスルフィドの両末端ジグリシジルエーテル修飾物等のグリシジルエーテル等が挙げられる。また、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等の脂環式エポキシも挙げられる。
また、オキセタン環を1個有する化合物の具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−シクロヘキシルメチルー3−エチル−オキセタン等が挙げられる。
オキセタン環を2個有する化合物の具体例としては、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、ビス{〔(1−エチル)3−オキセタニル〕メチル}エーテル、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ベンゼン、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕エタン、1,2−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、等が挙げられる。
オキセタン環を3以上有する化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。これらのカチオン重合性化合物は、単独で使用しても2種類以上組み合わせて使用しても構わない。
先に挙げた(A)[化1]で示すエポキシ系化合物と(B)[化1]で示すエポキシ化合物以外のカチオン重合性化合物は、(A)[化1]で示すエポキシ系化合物と(B)[化1]で示すエポキシ系化合物以外のカチオン重合性化合物の合計100.0重量部に対して、通常(A)が0.1〜30.0重量部、(B)が70.0〜99.9重量部であり、好ましくは、(A)が0.5〜10.0重量部、(B)が90.0〜99.9重量部である。(A)と(B)との量比がこの範囲であると、硬化性の発現が十分で、硬化時の発熱により樹脂が着色しない。
更に、これらの(A)、(B)中に含有されるエポキシ基のモル数と[化1]で示すオキシラン環基のモル数の合計とオキセタン基のモル数との比、すなわち、エポキシ基mol数/オキセタン基mol数が0.05〜20.0で有る事が好ましく、更に好ましくはエポキシ基mol数/オキセタンmol数が0.1〜10.0であることが好ましい。
本発明の光カチオン重合性樹脂組成物は、活性エネルギー線にて(C)光カチオン重合開始剤と(D)光ラジカル重合開始剤が活性化され、重合が開始する。この活性エネルギー線とは特に限定されるものではないが、例えばマイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、γ線、電子線等が挙げられ、好ましくはその中でも簡便に使用できる紫外線が使用される。また、上記の紫外線の光源は、特に限定されるものではないが、好ましくは水銀灯、メタルハライドランプが使用される
本発明に用いられる(C)光カチオン重合開始剤とは、活性エネルギー線(可視光、紫外線、電子線等)によりカチオン種又はルイス酸を発生する化合物であり、好ましくは、オニウム塩化合物で有り、更に好ましくは、ヨードニウム塩である。
活性エネルギー線によりカチオン種又はルイス酸を発生するオニウム塩化合物としては、ジフェニルヨードニウム、4−メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム、ビス〔4−(ジフェニルスルフォニオ)−フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニル〕スルフィド、η5−2,4−(シクロペンタジェニル)〔1,2,3,4,5,6−η−(メチルエチル)ベンゼン〕−鉄(1+)等のオニウムイオンと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサクロロアンチモネート等の陰イオンとの組み合わせからなる化合物が挙げられる。
また、市販の活性エネルギー線によりカチオン種又はルイス酸を発生するオニウム塩としては、Uvacure1590、1591(以上、ダイセルUCB社製、商品名)、サンエイドSI−110、SI−180、SI−100L、SI−80L、SI−60L(以上、三新化学工業社製、商品名)、アデカオプトマーSP−100、SP−172、SP−170、SP−152(以上、旭電化社製、商品名)、2074(ローディア社製、商品名)等が挙げられる。
また、熱によりカチオン種又はルイス酸を発生する化合物も併用することができる。具体的は、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、p−t−ブチルベンジルテトラヒドロチオフェニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−(4−クロロベンジル)アニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−(1−フェニルエチル)アニリニウム六フッ化アンチモン、N−ベンジル−4−ジメチルアミノピリジニウム六フッ化アンチモン、N−ベンジル−4−ジエチルアミノピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸、N−(4−メトキシベンジル)−4−ジメチルアミノピリジニウム六フッ化アンチモン、N−(4−メトキシベンジル)−4−ジエチルアミノピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アンチモン、ジフェニルヨードニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−クロロフェニルヨードニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−ブロムフェニルヨードニウム六フッ化ヒ素、ジ−p−トリルヨードニウム六フッ化ヒ素、フェニル(4−メトキシフェニル)ヨードニウム六フッ化ヒ素などが挙げられる。また、市販の熱潜在性カチオン重合開始剤として、例えば、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−80、サンエイドSI−100、サンエイドSI−145、サンエイドSI−150、サンエイドSI−160(以上、三新化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
これらの開始剤の内、ヨードニウム塩系の開始剤は、その他のカチオン重合開始剤と比較しても、更に、重合反応性が良好で有る。以上のカチオン重合開始剤は、単独で使用しても2種類以上組み合わせて使用しても構わない。また、本発明の光カチオン重合性樹脂組成物に増感剤等を添加して用いる事もできる。更に、活性エネルギー線照射後に熱を併用して重合する事も可能で有る。
ここまでに挙げた、(A)、(B)及び(C)を含有してなる光カチオン硬化性樹脂組成物は、特許文献に挙げた光カチオン硬化性樹脂組成物よりも良好な硬化性を示すが、(D)光ラジカル重合開始剤を添加すると、更に優れた硬化性を発現する。本発明に用いられる(D)光ラジカル重合開始剤は活性エネルギー線等によりラジカルを生成する化合物である。その中でも、ベンジルジメチルケタール、α-ヒドロキシケトン等のアセトフェノン系化合物が好ましい。具体的は、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン等が挙げられる。市販品としては、イルガキュア651、イルガキュア184、ダロキュア1173、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア2959等が挙げられ、アセトフェノン系開始剤にベンゾフェノンを併用することもできる。
以上の(A)[化1]で示すエポキシ系化合物を必須成分とし、(B)[化1]で示すエポキシ系化合物以外のカチオン重合性化合物、(C)光カチオン重合開始剤を含有する事を特徴とするカチオン重合性樹脂組成物は、良好な重合特性を有するが、接着剤や塗料等の実用的な用途に於いては、有る特定の範囲で安定性、速硬化性、実施温度(室温雰囲気)等実用条件においても優れる特性を示す。すなわち、本発明のカチオン重合性樹脂組成物において(A)[化1]で示すエポキシ系化合物と(B)[化1]で示すエポキシ系化合物以外のカチオン重合性化合物の合計100.0重量部に対して、(C)光カチオン重合開始剤が0.1〜10.0重量部で配合されることが好ましく、(D)光ラジカル重合開始剤を用いる際には、10.0重量部以下で配合される事が好ましい。
ここで、(C)カチオン重合開始剤がこの範囲であると、硬化性発現が十分で、実用的用途において耐水性の低下や樹脂の着色が起こらない。また、(D)光ラジカル重合開始剤を添加しなくても、十分に硬化するが、従来からあるラジカル重合系並みの硬化速度を求める場合は、10.0重量部以下の範囲で添加すると十分な硬化速度を得る事ができる。
ここまでの(A)〜(C)及び(D)を特定の範囲で配合することにより、先に挙げた課題の硬化性に優れ、着色が少なく、腐食性に優れた、硬化収縮の少ないカチオン重合性樹脂組成物を得る事ができ、そのまま、各種コーティング材や接着剤、粘着剤に用いる事ができる。
また、本発明の組成物には、必要に応じてその他の樹脂を使用することができる。他の樹脂成分としては、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレン−ブタジェン−スチレンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等が挙げられる。これらは、単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。
改質剤としては、例えば、重合開始助剤(光増感剤)、老化防止剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、密着付与剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは、1種単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。希釈剤は、塗布性付与又はその向上のために用いることができる。希釈剤としては通常の有機溶剤が用いられる。
さて、光カチオン重合は、特徴である低硬化収縮を生かした用途、すなわち、寸法精度を要求される用途に好適である。本発明のカチオン重合性樹脂組成物は、そのままでも高い寸法安定性を発現するが、特定の範囲の組成で高い寸法精度を発現し、光ディスクの保護材料用の素材として用いる事ができる。また、表面硬度も同時に向上できる配合を見出した。具体的には、(B)がカチオン重合性官能基の官能基当量が700以上、好ましくは700〜10000、更に好ましくは700〜5000である(B−1)と、カチオン重合性官能基の官能基当量が700未満、好ましくは100以上700未満、更に好ましくは100以上300未満である(B−2)との2種類の官能基当量域を用いる。それぞれ、官能基当量がこの範囲であると、塗布適性の点で良い。
(B−1)の成分として具体的には、エポキシ当量が700以上である高分子のビスフェノールA型のエポキシ樹脂、それの水添化物、官能基当量が700以上になるようにグリシジル基を導入したアクリル樹脂、同様にオキセタン基を導入したアクリル樹脂等が挙げる事ができる。一方、(B−2)の成分として具体的には、官能基当量が700未満になるように調整したアクリル樹脂、先に例示した(B)を挙げる事ができる。それら(B−1)、(B−2)は特定の範囲で用いる。すなわち、前記光カチオン重合性樹脂組成物の(A)カチオン開環重合性化合物と(B)カチオン重合性化合物との合計100重量部に対して、(B)カチオン重合性化合物中に、前記(B−1)が5.0〜40.0重量部、前記(B−2)が50.0〜94.9重量部である。(B−1)がこの範囲であると光ディスクにコートした場合ディスクの変形が小さくなりまた、硬化速度が好適で塗工性が良好で従って、表面状態が良好になる。
以下、実施例と比較例により本発明を具体的に説明する。なお、硬化性、硬度、光線透過率、耐水性、硬化収縮については以下の方法で評価を行った。
(硬化性)
ガラス板(4.5cm×2.0cm×0.2cm)上にアプリケーターを用いガラス板の表面に100μmに塗布し、更にガラス板の端面(0.2cmの部分)にも樹脂液が塗布したガラス板を、メタルハライドランプにて0.1J/cm2照射し、照射直後のガラス板表面および端面の塗膜の硬化度合いを目視評価した。硬化度合いは、硬化し、ベトつき(タック)の無いものを○、表面のみ硬化したもの、又は表面にベトつき(タック)のあるものを△、全く硬化しなかったものを×とした。
(硬度)
上記ガラス板に塗布された塗面(照射、1時間後)をJIS-K-5400.6.14 の鉛筆引っかき試験に準じて評価した。
(腐食性)
ガラス板(4.5cm×2.0cm×0.2cm)上にアルミを100nmスパッタリングし、このガラス板にアプリケーターを用いガラス板の表面に100μmに塗布し、メタルハライドランプにて0.5J/cm2照射し、樹脂の塗布されていない部分をカプトンテープ(スコッチ社製)でシーリングし、この試験片を85℃×95%湿度下で24時間放置し、ガラス板表面上のアルミの腐食を目視評価した。目視評価でアルミ面に腐食等の異常が見られない物を○、アルミ面が一部透明に変化した物、もしくは、ピンホールが発生した物を△、アルミ面、全面が透明になった物を×とした。
(収縮率)
硬化前のカチオン性樹脂組成物の硬化前比重と0.5J/cm2にて硬化させたカチオン重合性樹脂組成物の硬化後比重を測定し、硬化後比重(固体比重)/硬化前比重(液体比重)×100から算出した。
[実施例1] 遮光性の褐色ビンに(B)[化1]で示すエポキシ系化合物以外のカチオン重合性化合物として、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化社製、アデカレジンEP−4080S)69.9重量部とジ〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテル(東亞合成社製、アロンオキセタンOXT−221)30重量部、(C)カチオン重合開始剤として(tolylcumyl)iodonium tetrakis(pentafluorophenyl)borate(Rhodia社製 RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074)3重量部混合溶解した。この溶解液に(A)[化学式1]で示すエポキシ系化合物としてβ−Pinene Oxide(アトフィナ社製)0.1重量部、Darocure1173(チバスペシャリティーケミカル社製)0.5重量部を添加し、更に混合溶解し、本発明、カチオン重合性樹脂組成物を得た。
このカチオン重合性樹脂組成物を前記評価方法に従い、評価した結果を表2に示した。[実施例2〜7] 表2に示す(A)[化1]で示すエポキシ系化合物と(B)[化1]で示すエポキシ系化合物以外のカチオン重合性化合物、(C)光カチオン重合開始剤、(D)光ラジカル重合開始剤の種類及び量を変化させた以外は、実施例1と同様に配合し、評価を行い、結果を表3に示した。
[実施例8〜10] 表2に示す(A)[化1]で示すエポキシ系化合物の種類を変化させ、(D)光ラジカル開始剤を用いなかった以外は、実施例2〜4と同様に配合し、評価を行い、結果を表3に示した。
[比較例] 表2に示す(A)[化1]で示すエポキシ系化合物と(B)[化1]で示すエポキシ系化合物以外のカチオン重合性化合物、(C)光カチオン重合開始剤、(D)光ラジカル重合開始剤の種類及び量を変化させた以外は、実施例1と同様に配合し、評価を行い、結果を表3に示した。
Figure 2004352980
Figure 2004352980
[実施例11]遮光性の褐色ビンにカチオン重合性官能基の官能基当量が700以上である(B−1)として、エピコート1007を15.0重量部、カチオン重合性官能基の官能基当量が700未満である(B−2)として水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化社製、アデカレジンEP−4080S)45.0重量部とジ〔1−エチル(3−オキセタニル)〕メチルエーテル(東亞合成社製、アロンオキセタンOXT−221)38.0重量部、(C)カチオン重合開始剤として(tolylcumyl)iodonium tetrakis(pentafluorophenyl)borate(Rhodia社製、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074)3重量部混合溶解した。この溶解液に(A)[化1]で示すエポキシ系化合物としてMyrcene Dioxide(アトフィナ社製)2.0重量部、Darocure1173(チバスペシャリティーケミカル社製)0.5重量部を添加し、更に混合溶解し、本発明、カチオン重合性樹脂組成物を得た。
(硬化性)
直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネートディスクにスピンコータを用いて100μmに塗布し、メタルハライドランプにて1J/cm照射し、100μmコートされたポリカーボネートディスクを得た。その際、ディスクの硬化性を照射光に対して垂直な表面と、照射光に対して平行になるディスク端面について評価した。硬化度合いは、硬化し、ベトつき(タック)の無いものを○、表面のみ硬化したもの、又は表面にベトつき(タック)のあるものを△、全く硬化しなかったものを×とし、結果を表5に示した。
(反り角)
上記ディスクの硬化1時間後、コート面を上向きにして、ディスク中心から半径58mmまでの半径方向の反り角(R−Skew)をディスク反り角測定装置T−7DRB(東菱アット社製)で測定し、樹脂塗工前のディスクも同様に測定し、樹脂塗工前後の最大反り角の変動を表5に示した。
(硬度)
コート表面の硬度をJIS―K−5400に準じて測定し、併せて結果を表5に示した。
[実施例12〜14] 表4に示す(A)[化1]で示すエポキシ系化合物とカチオン重合性官能基の官能基当量が700以上である(B−1)とカチオン重合性官能基の官能基当量が700未満である(B−2)の種類及び量を変化させた以外は、実施例8と同様に配合し、評価を行い、結果を表5に示した。
Figure 2004352980
Figure 2004352980
本発明のカチオン重合性組成物は、低光量でも十分に硬化し、樹脂の透明性が優れており、電子部品等に用いる際に問題になる腐食性に優れ、且つ、硬化収縮の少ないカチオン重合性樹脂組成物を与える事ができ、半導体封止用樹脂、積層板用樹脂、コーティング材、接着剤、インキ、各種シーリング材等に使用可能で有る。また、特定の領域の配合を用いれば、光ディスク用材料及び光ディスク表面保護用材料として用いることができる。
活性化エネルギーの概念図を示す。

Claims (14)

  1. (A)メチルカチオン付加時の開環反応における活性化エネルギーが15kcal/mol以下であるカチオン開環重合性化合物と、(B)カチオン重合性化合物と、(C)光カチオン重合開始剤とを含むことを特徴とする光カチオン重合性樹脂組成物。
  2. 前記(A)カチオン開環重合性化合物が一分子鎖中に少なくとも1個の[化1]で示すオキシラン環基を有する化合物であり、(B)カチオン重合性化合物が[化1]で示す構造を含まないカチオン重合性化合物であることを特徴とする請求項1記載の光カチオン重合性樹脂組成物。
    Figure 2004352980
    (式中、R1及びR2は炭素原子で且つ、その炭素原子が飽和もしくは不飽和である。Rは水素原子、もしくは、炭素原子で、且つ、その炭素原子が飽和もしくは不飽和である。)
  3. 前記光カチオン重合性樹脂組成物の(A)カチオン開環重合性化合物と(B)カチオン重合性化合物との合計100重量部に対して、(A)が0.1〜10.0重量部、(B)が90.0〜99.9重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の光カチオン重合性樹脂組成物。
  4. 前記光カチオン重合性樹脂組成物の内、(A)カチオン開環重合性化合物と(B)カチオン重合性化合物との合計100重量部に対して、(C)光カチオン重合開始剤の添加量が0.1〜10.0重量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光カチオン重合性樹脂組成物。
  5. 前記光カチオン重合性樹脂組成物に、(D)光ラジカル重合開始剤を(A)カチオン開環重合性化合物と(B)カチオン重合性化合物との合計100重量部に対して、10.0重量部以下の範囲で含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光カチオン重合性樹脂組成物。
  6. 前記(B)カチオン重合性化合物のカチオン重合性官能基がエポキシ基及び/又はオキセタン基であり、前記(A)カチオン開環重合性化合物にエポキシ基及び/又はオキセタン基を含有しても構わないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光カチオン重合性樹脂組成物。
  7. 前記(A)カチオン開環重合性化合物と(B)カチオン重合性化合物と中に含有されるエポキシ基のモル数と[化1]で示すオキシラン環基とのモル数の合計とオキセタン基のモル数との比が0.01〜20.0であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光カチオン重合性樹脂組成物。
  8. 前記(C)光カチオン重合開始剤がヨードニウム塩系開始剤であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光カチオン重合性樹脂組成物。
  9. 前記(D)光ラジカル重合開始剤がアセトフェノン系化合物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光カチオン重合性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の光カチオン重合性樹脂組成物を含有していることを特徴とするコーティング材組成物。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の光カチオン重合性樹脂組成物を含有していることを特徴とする接着剤組成物。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の光カチオン重合性樹脂組成物の(B)カチオン重合性化合物の官能基の官能基当量が700以上である(B−1)とカチオン重合性化合物の官能基の官能基当量が700未満である(B−2)からなる請求項1〜9のいずれかに記載の光カチオン重合性樹脂組成物。
  13. 前記光カチオン重合性樹脂組成物の(A)カチオン開環重合性化合物と(B)カチオン重合性化合物との合計100重量部に対して、(B)カチオン重合性化合物中に、前記(B−1)が5.0〜40.0重量部、前記(B−2)が50.0〜94.9重量部であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光カチオン重合性樹脂組成物。
  14. 請求項1〜13記載の光カチオン重合性樹脂組成物を用いたコーティング材、及び/又は、接着剤、及び/又は、接着剤を施した保護シートからなる光ディスク用材料及び光ディスク表面保護用材料。
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