JPH07316262A - 光造形用樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

光造形用樹脂組成物及びその硬化物

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JPH07316262A
JPH07316262A JP6137885A JP13788594A JPH07316262A JP H07316262 A JPH07316262 A JP H07316262A JP 6137885 A JP6137885 A JP 6137885A JP 13788594 A JP13788594 A JP 13788594A JP H07316262 A JPH07316262 A JP H07316262A
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JP
Japan
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resin composition
stereolithography
compound
resin
peroxide
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Application number
JP6137885A
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English (en)
Inventor
Koji Isobe
孝治 磯部
Kazunori Sasahara
数則 笹原
Kazuhiko Hinokuchi
和彦 樋之口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光硬化性流動物質に可視光線/近赤外線を照射
して、造形精度に優れた3次元固体を造形するに当り、
この方法に適した光学的造形用樹脂組成物を提供するこ
と。 【構成】脂環式エポキシ化合物(A)、メタロセン化合
物(B)、過酸化物(C)又は(及び)増感剤(D)を
含有し、可視光線の照射により重合硬化することを特徴
とする光造形用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光線の照射により重合
硬化する光造形用樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】光硬化性樹脂組成物を用い、レーザー光
を照射することにより硬化させて、3次元の造形物を成
形する技術は、従来より光造形法として知られている。
例えば、特公昭63ー40650号のように、昇降可能
な副走査台上に設置された容器内に、形成すべき立体形
状を複数個の輪切りに分割した1層分に対応する液状光
硬化性樹脂組成物を供給し、その樹脂表面にレーザー光
を照射し、一定のパターン形成後、副走査台を下降さ
せ、露光硬化させた光硬化性樹脂組成物の上に更に該液
状光硬化性樹脂組成物を供給し、以後同様にレーザー光
照射による露光硬化を行う、即ち、この立体形状の輪切
りの1層分毎の硬化操作を繰り返し、パターン化を行
い、3次元の成形物を順次形成していく方法がある。こ
の従来の光造形法には、紫外線硬化性樹脂組成物が用い
られており、レーザー光の光源としては、紫外線光源で
あるアルゴンレーザーやヘリウム・カドミウムレーザー
等が用いられている。しかし、紫外線の取扱いには、人
体に対する影響など十分な注意が必要である。しかも、
光源として比較的規模の大きな装置が必要となるだけで
なく、この装置に付属する冷却装置や紫外線防護装置も
必要となり、装置が大型になるという問題がある。これ
らの欠点を解決するために、可視光線や近赤外線の照射
によって重合硬化する樹脂を利用して光造形物を作製す
る方法が提案されている(例えば特開平4ー34946
号、特開平5ー86149号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、可視光線や近
赤外線を使用する光造形方法では、紫外線に比較して光
線のエネルギーが小さく、硬化速度が遅い。又硬化精度
等の点でも満足のいく光硬化性樹脂組成物がなく、その
開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、本発明者らは、鋭意研究の結果、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は(1)脂環式エポキシ化合物
(A)、メタロセン化合物(B)、過酸化物(C)又は
(及び)増感剤(D)を含有する光造形用樹脂組成物、
(2)さらにレベリング剤(E)又は(及び)光線を吸
収する物質(F)を含有する上記(1)に記載の光造形
用樹脂組成物、(3)光線が波長400〜1,500n
mの光線である、上記(2)に記載の光造形用樹脂組成
物、(4)上記(1)ないし(3)に記載の光造形用樹
脂組成物の硬化物、(5)上記(1)又は(2)に記載
の光造形用樹脂組成物に波長400〜1,500nmの
レーザー光線を照射することを特徴とする光造形方法、
に関するものである。
【0005】本発明で使用する脂環式エポキシ化合物
(A)の具体例としては、ビニルシクロヘキセンオキシ
ド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネン(モ
ノ)ジエポキシド、1,2ーエポキシー5ーヒドロキシ
ー4,7ーメタノーパーヒドロインデン、3,4ーエポ
キシシクロヘキシルメチル(3,4ーエポキシ)シクロ
ヘキサンカルボキシレート、ビス(3、4ーエポキシシ
クロヘキシル)アジペート、2ー(3、4ーエポキシシ
クロヘキシルー5、5ースピロー3、4ーエポキシ)シ
クロヘキサンーメタージオキサン、2,2ービス(ヒド
ロキシメチル)ー1ーブタノールの1,2ーエポキシー
4ービニルシクロヘキサン付加重合物のエポキシ化物、
メタクリル酸ー(3、4ーエポキシシクロヘキシル)メ
チル等が挙げられる。これらの脂環式エポキシ化合物は
必要に応じて1種又は2種以上を任意の割合で混合使用
することができる。
【0006】本発明で使用するメタロセン化合物(B)
としては、下記一般式(1) [(R1 )(R2 M)a +an ・(an/q )[LQm -q (1) (式中、aは1又は2の数であり、nとqは互いに独立
して1〜3の整数であり、Mは周期律表の1B族、4A
族〜7A族又は8族の1価〜3価の金属カチオンであ
り、mはL+qの原子価に対応する整数であり、Qはハ
ロゲン原子であり、Lは2価〜7価の金属又は非金属で
あり、R1 はπ−アレーンであり、R2 はπ−アレーン
又はπ−アレーンのアニオンである。)で示される化合
物が好ましく、特に(η6 −ベンゼン)(η5 −シクロ
ペンタジエニル)鉄(2価)ヘキサフルオロリン酸塩、
(η6 −トルエン)(η5 −シクロペンタジエニル)鉄
(2価)ヘキサフルオロリン酸塩、(η6 −クメン)
(η5 −シクロペンタジエニル)鉄(2価)ヘキサフル
オロリン酸塩、(η6 −イソプロピルベンゼン)(η5
−シクロペンタジエニル)鉄(2価)ヘキサフルオロア
ンチモネート、(η6 −ナフタレン)(η5 −シクロペ
ンタジエニル)鉄(2価)ヘキサフルオロアンチモネー
ト等のフェロセン系の化合物が好ましい。上記、メタロ
セン化合物は必要に応じて1種又は2種以上を任意の割
合で混合使用することができる。
【0007】本発明では樹脂組成物の硬化性を増進させ
る目的で、有機過酸化物(C)又は(及び)増感剤
(D)が使用される。本発明で使用する有機過酸化物
(C)の具体例としては、例えばメチルエチルケトンパ
ーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、2,
4ージクロロベンゾイルパーオキサイド、ビスー3,
3,5ートリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、キ
ュメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、ジーtーブチルパーオキサイド、3,3,5ートリ
メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、1,1ージー
tーブチルパーオキシー3,3,5ートリメチルシクロ
ヘキサン、2,2ージーtーブチルパーオキシブタン、
tーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエート、t
ーブチルパーオキシベンゾエート、ジー2ーエチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、tーブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート等が挙げられる。これらの有機過酸化物
は必要に応じて一種又は二種以上を任意の割合で混合使
用することができる。
【0008】本発明で使用する増感剤(D)としては、
本発明の樹脂組成物の硬化性を増進する化合物であれば
いかなる物も使用でき、4ー(4ーブトキシフェニル)
ー2,6ービス(4ーメトキシフェニル)チオビリリウ
ム=テトラフルオロボラートなどのビリリウム塩、メロ
シアニン、アントラセン、クマリン、ジケトクマリン、
ケトクマリン系色素、キサンテン系色素、チオキサンテ
ン系色素等が代表例として挙げられる。これらの増感剤
は必要に応じて一種又は二種以上を任意の割合で混合使
用することができる。
【0009】本発明の上記樹脂組成物に於て、樹脂組成
物の総量に対する各成分の使用量は、有機過酸化物
(C)を添加しない場合、脂環式エポキシ化合物(A)
が好ましくは5〜99.8重量%、特に好ましくは10
〜98重量%、メタロセン化合物(B)が好ましくは
0.1〜10重量%、特に好ましくは1〜8重量%であ
り、増感剤が好ましくは0.01〜4重量%、特に好ま
しくは0.05〜3重量%である。増感剤(D)を添加
しない場合、エポキシ化合物(A)の使用量は5〜9
9.8重量%が好ましく、特に好ましくは10〜99重
量%、メタロセン化合物(B)の使用量は0.1〜10
重量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜8重量%で
あり、有機過酸化物の使用量は好ましくは0.1〜8重
量%、特に好ましくは0.2〜5重量%である。有機過
酸化物(C)及び増感剤(D)の両者を添加する場合、
脂環式エポキシ化合物(A)の使用量は5〜99.7重
量%が好ましく、特に好ましくは10〜96重量%、メ
タロセン化合物(B)の使用量は0.1〜9重量%が好
ましく、特に好ましくは0.5〜7重量%であり、有機
過酸化物(C)の使用量は好ましくは0.1〜8重量
%、特に好ましくは0.2〜5重量%であり、増感剤
(D)の使用量は好ましくは0.01〜4重量%、特に
好ましくは0.05〜3重量%である。
【0010】本発明で、レベリング剤(E)は、本発明
の光造形用樹脂組成物の貯層における表面の均一性を高
めることが要求される場合(例えば硬化前の液状の樹脂
組成物の厚みを薄くした場合に生ずる液膜の不連続化の
防止)に使用するもので、一般的な界面活性剤を用いる
ことにより、充分目的が達成される。具体的な化合物と
しては、例えばシリコーン系化合物としてSH−29P
A(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株))、NU
Cシリコーン17002(日本ユニカー(株))、ノニ
オン系のアクリルコポリマーとしてモダフロー(モンサ
ント社製)、ノニオン系のフッ素化アルキルエステルと
してフロラードFC−430(住友スリーエム
(株))、メガファックスF−177(大日本インキ化
学工業(株))等が挙げられる。レベリング剤(E)の
使用量は、化合物(A)、(B)、(C)又は(及び)
(D)の総量100重量部に対して、0.01〜5.0
重量部が好ましく、特に好ましくは0.05〜4.0重
量部である。
【0011】本発明で、光線を吸収する物質(F)は、
より高い精度が要求される場合に使用するものであり、
染料、顔料又はカーボンブラック等のような可視光線や
近赤外線(例えば波長400〜1,500nm)を吸収
するものであれば、特に限定されないが、例えばアゾ
系、アンスラキノン系、フタロシアニン系の色素などが
好適な物質として挙げられる。これらの具体例として
は、ソルベントレッド146(日本化薬(株)製、カヤ
セットレッドB)、ソルベントレッド185(日本化薬
(株)製、カヤセットレッドK−BL)、ソルベントブ
ルー(日本化薬(株)製、カヤセットブルーK−F
L)、ソルベントブルー83(日本化薬(株)製、カヤ
セットブルーA−2R)、ソルベント混合物(日本化薬
(株)製、カヤセットブルーA−D)、ソルベントブル
ー(日本化薬(株)製、カヤセットブルーN)、ソルベ
ントグリーン3(日本化薬(株)製、カヤセットグリー
ンAーB)、ソルベントイエロー(日本化薬(株)製、
カヤセットイエローKーCL)、混合物(日本化薬
(株)製、カヤセットブラックAーN、カヤセットブラ
ックG、カヤセットブラックB)、ソルベントブラック
(日本化薬(株)製、カヤセットブラックKR)等が挙
げられる。光線を吸収する化合物(F)の使用量は、化
合物(A)、(B)、(C)又は(及び)(D)の総量
100重量部に対して、0.01〜4.0重量部が好ま
しく、特に好ましくは0.02〜2.0重量部である。
【0012】本発明の光造形用樹脂組成物はエポキシ化
合物(A)、メタロセン化合物(B)、有機過酸化物
(C)又は(及び)増感剤(D)、所望によりレベリン
グ剤(E)、光線を吸収する物質(F)等を、さらに必
要に応じて光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始
剤、非反応性ポリマー、架橋剤、体質顔料、重合禁止
剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、艶消し剤、可塑
剤、溶剤、充填剤、顔料ないしは染料等の着色剤等の助
剤類を、撹拌などの公知の混合方法によって均一に混合
することにより得られる。
【0013】本発明の光造形用樹脂組成物に照射する光
線は可視光線や近赤外線が好ましい。可視光線や近赤外
線の線源としては可視光線ランプ、アルゴンイオンレー
ザーや半導体レーザー等を利用することができる。特
に、取扱が容易で、硬化性の良好な波長400〜800
nmの光線を使用することが便利である。本発明の光造
形用樹脂組成物を硬化させる装置としては、例えば規制
液面法の引き上げ方式による三次元積層造形装置(デン
ケンエンジニアリング(株)製、SLPー3000、レ
ーザー光波長約680nm、射出端出力24mw)があ
げられる。本発明の光造形用樹脂組成物を硬化させて得
られた造形物を取り出した後、造形物に付着した未硬化
物を除去するために、水、界面活性剤含有水、アルカリ
水、溶剤等で洗浄することが望ましく、洗浄後、紫外
線、赤外線の照射または熱風等で加熱することにより、
乾燥及び後硬化することが出来る。
【0014】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定され
るものでない。尚、25℃における組成物の粘度はE型
粘度計を用いて測定した。又、底面1.5cm、高さ3
cmの四角錐造形物側面の任意の5箇所を測定し、所定
寸法からの平均誤差を求め、造形精度とした。
【0015】実施例1 脂環式エポキシ化合物(A)として、リモネンモノ又は
ジエポキシド(ダイセル化学工業(株)製、セロキサイ
ド4000)15部、3、4ーエポキシシクロヘキシル
メチル(3、4ーエポキシ)シクロヘキサンカルボキシ
レート85部(ダイセル化学工業(株)製、セロキサイ
ド2021)、メタロセン化合物(B)として、(η6
ークメン)(η5 ーシクロペンタジエニル)鉄(1+)
ヘキサフルオロリン酸(1−)(チバガイギー社製、イ
ルガキュア261)4部、有機過酸化物(C)として、
クメンハイドロパーオキサイド(カヤクメンH、化薬ア
クゾ社製)2部を充分混合して、粘度が400CPS/
25℃の光学的造形用樹脂組成物を得た。この液状樹脂
組成物を高さ2.0mmの樹脂貯槽を有する光造形装置
(デンケンエンジニアリン(株)製、SLPー300
0、波長約680nm、射出端出力24mw)を用い
て、レーザー走査速度2mm/秒で硬化させ、底面各
1.5cm、高さ3cmの四角錘の樹脂造形物を得た。
ついで、メタノールで樹脂造形物に付着した未硬化の樹
脂液を洗浄除去した後、乾燥炉内で熱風乾燥し、樹脂造
形物を得た。この造形物は歪がなく、造形精度は3.0
%であった。
【0016】実施例2 エポキシ化合物(A)として、リモネンモノ又はジエポ
キシド(ダイセル化学工業(株)製、セロキサイド30
00)60部、2、2ービス(ヒドロキシメチル)ー1
ーブタノールの1、2ーエポキシー4ービニルシクロヘ
キサン付加重合物40部(ダイセル化学工業(株)製、
EHPEー3150)、メタロセン化合物(B)とし
て、(η6 ークメン)(η5 ーシクロペンタジエニル)
鉄(1+)ヘキサフルオロリン酸(1−)(チバガイギ
ー社製、イルガキュア261)6部、増感剤(D)とし
て、アントラセン0.2部、光カチオン重合開始剤とし
てアデカオプトマーSPー170(旭電化(株)製)1
部を充分混合して、粘度が900CPS/25℃の光造
形用樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、実施例1に
記載の方法により硬化させ、樹脂硬化物を得、ついでメ
タノールで洗浄し、樹脂硬化物に付着した未硬化の樹脂
液を洗浄除去した後、高圧水銀灯を用いて600mj/
cm2の紫外線を照射して、後硬化を行い、樹脂造形物
を得た。得られた造形物は歪がなく、造形精度は2.5
%であった。
【0017】実施例3 エポキシ化合物(A)として、リモネンモノ又はジエポ
キシド(ダイセル化学工業(株)製、セロキサイド30
00)60部、ビスフェノールA型エポキシ(三井石油
化学(株)製、エポミックR−140)40部、メタロ
セン化合物(B)として、(η6 ークメン)(η5 ーシ
クロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロリン酸
(1−)(チバガイギー社製、イルガキュア261)6
部、有機過酸化物(C)として、クメンハイドロパーオ
キサイド(カヤクメンH、化薬アクゾ社製)3部、レベ
リング剤(E)として、SH29PA(東レ・ダウコー
ニング・シリコン(株)製)0.1部を充分混合して、
粘度が850CPS/25℃の光学的造形用樹脂組成物
を得た。この液状樹脂組成物は高さ0.5mmの樹脂貯
槽に30分放置後も均一な膜を形成していた。この液状
樹脂組成物を使用して、高さ0.5mmの樹脂貯槽を有
する造形装置を用いて、実施例1に記載の方法で樹脂硬
化物を得た。メタノールで樹脂造形物に付着した未硬化
の樹脂液を洗浄除去した後、乾燥炉内で熱風乾燥した。
得られた造形物は歪がなく、造形精度は2.5%であっ
た。
【0018】実施例4 エポキシ化合物(A)として、リモネンモノ又はジエポ
キシド(ダイセル化学工業(株)製、セロキサイド30
00)60部、フェノールノボラック型エポキシ(油化
シェル(株)製、EPー154)40部、メタロセン化
合物(B)として、(η6 ークメン)(η5 ーシクロペ
ンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロリン酸(1
−)(チバガイギー社製、イルガキュア261)6部、
有機過酸化物(C)として、クメンハイドロパーオキサ
イド(カヤクメンH、化薬アクゾ社製)3部、可視光線
を吸収する化合物(F)として、ソルベントブラック
(日本化薬(株)製、カヤセットブラックKR)0.0
1部を充分混合して、粘度が185CPS/25℃の光
学的造形用樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を使
用して、実施例1に記載の方法で樹脂造形物を得た。メ
タノールで樹脂造形物に付着した未硬化の樹脂液を洗浄
除去した後、高圧水銀灯を用いて500mj/cm2
紫外線を照射して、後硬化を行った。得られた造形物は
歪がなく、造形精度は1.0%であった。
【0019】実施例5 エポキシ化合物(A)として、リモネンモノ又はジエポ
キシド(ダイセル化学工業(株)製、セロキサイド30
00)15部、脂肪族エポキシのグリセロールポリグリ
シジルエーテル(ナガセ化成化学工業(株)製、デナコ
ールEXー313)85部、メタロセン化合物(B)と
して、(η6 ークメン)(η5 ーシクロペンタジエニ
ル)鉄(1+)ヘキサフルオロリン酸(1−)(チバガ
イギー社製、イルガキュア261)6部、有機過酸化物
(C)として、クメンハイドロパーオキサイド(カヤク
メンH、化薬アクゾ社製)2部、レベリング剤(E)と
して、モダフロー(モンサント社製)0.1部、可視光
線を吸収する化合物(F)として、ソルベントグリーン
(日本化薬(株)製、カヤセットグリーンAB)0.0
05部を充分混合して、粘度が96CPS/25℃の光
造形用樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を使用し
て、実施例1に記載の方法で樹脂造形物を得た。メチル
エチルケトンで樹脂造形物に付着した未硬化の樹脂液を
洗浄除去した後、乾燥炉内で熱風乾燥した。得られた造
形物は歪がなく、造形精度は1.5%であった。
【0020】実施例6 エポキシ化合物(A)として、アクリル酸ー(3、4ー
エポキシシクロヘキシル)メチル(ダイセル化学工業
(株)製、EPOLEAD GK−200)20部、
3、4ーエポキシシクロヘキシルメチル(3、4ーエポ
キシ)シクロヘキサンカルボキシレート80部(ダイセ
ル化学工業(株)製、セロキサイド2021)、メタロ
セン化合物(B)として、(η6 ークメン)(η5 ーシ
クロペンタジエニル)鉄(1+)ヘキサフルオロリン酸
(1−)(チバガイギー社製、イルガキュア261)4
部、有機過酸化物(C)として、tーブチルパーオキシ
ー2ーエチルヘキサネート(カヤエステルO−50、化
薬アクゾ社製)2部、アントラセン0.2部、レベリン
グ剤(E)として、モダフロー(モンサント社製)0.
1部、可視光線を吸収する化合物(F)として、ソルベ
ントグリーン(日本化薬(株)製、カヤセットグリーン
AB)0.005部を充分混合して、粘度が270CP
S/25℃の光学的造形用樹脂組成物を得た。得られた
樹脂組成物を使用して、実施例1に記載の方法で樹脂造
形物を得た。石鹸水で洗浄して、樹脂造形物に付着した
未硬化の樹脂液を洗浄除去した後、乾燥炉内で熱風乾燥
した。得られた造形物は歪がなく、造形精度は1.5%
であった。
【0021】
【発明の効果】本発明の光学的造形用樹脂組成物を用い
ることにより、安全性の高い可視光線を利用した小型の
光造形装置を用いて、精度のよい造形物を効率よく製造
できる。又、可視光線や近赤外線を使用する光造形方法
には、紫外線に比較して光線の光硬化性樹脂への吸光減
衰が小さいため、硬化深度(光を照射した際に樹脂組成
物が硬化する厚さを意味する)が厚く、ステップ幅(立
体形状の輪切りの1層分を意味する)を小さく出来ない
問題があった。ステップ幅が厚いという問題を解決する
ために、下部が透明である容器内に貯留された液状の光
硬化性樹脂の上面に引き上げ機構を有する基板を接触さ
せた後、下部から可視光線や近赤外線のレーザー光を照
射して、前記液状の光硬化性樹脂を硬化し、基板に付着
した硬化部分を徐々に引き上げ、再び硬化部分の下方に
供給された光硬化性樹脂にレーザー光を照射して前記硬
化部分の下側に硬化部分を積層させていき、所定形状の
造形物を得る方法に於て、ステップ幅に相当する液状樹
脂の厚さを薄くすることにより解決をはかる方法があ
る。しかし、貯層に供給する液状の光硬化性樹脂組成物
を薄膜にすると、樹脂組成物によっては貯層全体に均一
な膜とならない問題が生ずることがある。又、硬化部分
に当った可視光線や近赤外線の一部が反射し、所望硬化
部分以外の部分が硬化するという問題が生ずることがあ
る。このような場合、レベリング剤(E)を光造形用樹
脂組成物に添加することにより、樹脂組成物の弾きを防
止して、貯層に均一な薄膜を形成させることができる。
又、光造形用樹脂組成物に光線を吸収する物質(F)を
添加することにより、所望硬化部分以外の部分の硬化を
防止でき、造形物の精度がより高い光造形法を提供する
ことができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/029 7/038 503 // B29K 105:24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂環式エポキシ化合物(A)、メタロセン
    化合物(B)、過酸化物(C)又は(及び)増感剤
    (D)を含有する光造形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】さらにレベリング剤(E)又は(及び)光
    線を吸収する物質(F)を含有する請求項1に記載の光
    造形用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】光線が波長400〜1,500nmの光線
    である請求項2に記載の光造形用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3に記載の光造形用
    樹脂組成物の硬化物。
  5. 【請求項5】請求項1又は請求項2に記載の光造形用樹
    脂組成物に波長400〜1,500nmのレーザー光線
    を照射することを特徴とする光造形方法。
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