JP4356909B2 - 光学的立体造形用樹脂組成物および光学的立体造形方法 - Google Patents

光学的立体造形用樹脂組成物および光学的立体造形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形方法に関し、詳しくは耐熱性と柔軟性を兼ね備えた造形物が得られる光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学的立体造形とは、特開昭60−247515号公報に記載されている様に、光硬化性を有する各種樹脂を容器に入れ、上方からアルゴンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、半導体レーザ等のビームを該樹脂の任意の部位に照射し、照射を連続的に行うことによって、樹脂の上記ビーム照射部位を硬化させ、これにより目的とする平面を創生して硬化層を形成する。続いて、該硬化層上に前述の光硬化性を有する樹脂をさらに1層分供給して、これを上記と同様にして硬化し、前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって目的とする三次元の立体物を得る方法である。
【0003】
従来、上記光学的立体造形に用いられていた樹脂としては、まずラジカル重合性樹脂組成物があり、例えば特開平2−228312号公報や特開平5−279436号公報には、(メタ)アクリル樹脂を中心とした立体造形用樹脂組成物が開示されている。また、特開平2−145616号公報には、変形の低減を目的として、液状樹脂と見かけ上比重差が0.2未満である微小粒子を含む光学的立体造形用樹脂が開示されている。さらに、造形物の精度向上のために特開平3−15520号公報にはエチレン系不飽和モノマー、光開始剤及び不溶性潜在放射線偏光物質からなる組成物の報告が、また特開平3−41126号公報にはエチレン系不飽和モノマー、光開始剤及び可溶性潜在放射線偏光物質からなる組成物の報告が、夫々なされている。さらにまた、特開平4−85314号公報にはシリコーンウレタンアクリレート、多官能エチレン性不飽和結合を有する化合物及び重合開始剤を含む樹脂組成物が開示されている。
【0004】
また、他の光学的立体造形用樹脂としては、カチオン重合性樹脂組成物が知られている。例えば、特開平1−213304号公報には、エネルギー線硬化型カチオン重合性有機化合物とエネルギー線感受性カチオン重合開始剤とを含有することを特徴とする発明が記載されている。また、特開平2−28261号公報には、エネルギー線硬化型カチオン重合性有機化合物に一部エネルギー線硬化型ラジカル重合性有機化合物を配合した低収縮率、高解像度の樹脂が開示されている。さらに、特開平2−80423号公報には、エポキシ樹脂にビニルエーテル樹脂と、エネルギー線感受性カチオン重合開始剤と、ラジカル硬化性樹脂と、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤とを配合した樹脂組成物が開示されている。さらにまた、特開平2−75618号公報には、エネルギー線硬化性カチオン重合性有機化合物、エネルギー線感受性カチオン重合開始剤、エネルギー線硬化性ラジカル重合性有機化合物、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤及び水酸基含有ポリエステルを含有することを特徴とする光学的造形用樹脂組成物が開示されている。
【0005】
また、特開平10−87791号公報には、エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤とアクリル樹脂と光ラジカル開始剤とアルキレンオキシドを付加したフェノール系化合物を含有することを特徴とする光学的造形用樹脂組成物が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラジカル重合性樹脂やそれを主成分とした光学的立体造形用樹脂組成物は、ラジカル重合を用いているため、何れの樹脂(組成物)を用いた場合でも酸素による硬化阻害が起こり、また、これらの樹脂は硬化時の収縮も大きく、所望の寸法の造形物を得ることが困難であった。
【0007】
また、特開平1−213304号公報、特開平2−28261号公報、特開平2−75618号公報記載のようなカチオン硬化型光学的立体造形用樹脂は、酸素による硬化阻害が起こらず、樹脂中の活性子により光遮断後も硬化が進行することから、後硬化処理が不要であり、変形が少ないという優れた特徴を有し、また硬化時の収縮も小さく、所望の寸法の造形物を得ることができるが、得られた造形物の耐熱性や引張り伸び性が十分ではないという欠点があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、酸素による硬化阻害が起こらず、変形が少ないという優れた特徴を有し、また硬化時の収縮も小さく、所望の寸法の造形物を得ることが容易であり、しかも得られた造形物の耐熱性や引張り伸び性が良好である光学的造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形方法ならびに後処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は下記の通りである。先ず、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、必須の構成成分として、(A)トリシクロデカン−4、8−ジメタノール又は水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物と、(B)カチオン重合性有機物質と、(C)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を含有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の他の光学的立体造形用樹脂組成物は、上記光学的立体造形用樹脂組成物にさらに、(D)ラジカル重合性有機物質と、(E)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の光学的立体造形方法は、エネルギー線硬化性樹脂組成物の任意の表面に、エネルギー線を照射し、該樹脂組成物のエネルギー線照射表面を硬化させて所望の厚さの硬化物を形成し、該硬化層上に前述のエネルギー線硬化性樹脂組成物をさらに供給して、これを同様に硬化させ前述の硬化層と連続した硬化物を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって三次元の立体物を得る光学的立体造形法において、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物が、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物であることを特徴とするものである。
【0012】
さらに、本発明の他の光学的立体造形方法は、第三発明の方法で得られた三次元の立体物をさらに加熱処理及び/又はエネルギー線照射処理することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される必須成分は(A)トリシクロデカン−4、8−ジメタノール又は水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物であるが、その他任意成分として(A’)分子中に飽和の炭素環構造を1個以上と、水酸基を2個以上含有する化合物を使用することができる。この(A’)分子中に飽和の炭素環構造を1個以上と、水酸基を2個以上含有する化合物としては特に限定されず、環構造に関しては、分子中に飽和の炭素環構造を1個以上有すれば、分子内に飽和の炭素環以外の環構造(例えば、不飽和の炭素環、芳香族環、複素環など)を有していても良く、又、飽和の炭素環が他の環構造と縮合していてもよく、この場合の縮合環系には他の飽和の炭素環、不飽和の炭素環、複素環、芳香族環を含有していても良く、又、分子内にこのような環系(縮合していない環も1つの環系と見なす)が複数存在していても良いが、好ましくは環構造として飽和の炭素環(飽和の炭素環同士の縮合環系を包含する)のみを有するのが引張り伸び性の点で良い。
【0014】
また、水酸基に関しては分子内に2個以上存在すればよいが、好ましくは2個以上の水酸基が炭素原子に結合したものが、更に好ましくは2個以上の水酸基が1級の炭素原子に結合したものであるのが、反応性(硬化性)の点で良い。
【0015】
このような(A’)分子中に飽和の炭素環構造を1個以上と、水酸基を2個以上含有する化合物の具体例としては、例えば、1,3−アダマンタンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、デカリン−2,6−ジメタノール、グリオキザールトリメリックハイドレード、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,5−デカリンジオール、ノルボルナンジオール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールF等を挙げることができる。
【0016】
さらに、これらの化合物やトリシクロデカン−4、8−ジメタノールにエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドや、εカプロラクトンを付加した化合物も用いることができる。
【0017】
なお、本発明では、上記化合物の2種またはそれ以上を併用することができる。
【0018】
本発明に使用する、(B)カチオン重合性有機物質とは、エネルギー線照射により活性化したエネルギー線感受性カチオン重合開始剤により高分子化または架橋反応を起こす化合物である。
【0019】
例えば、エポキシ化合物、オキセタン環を有する化合物以外の環状エーテル化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルトエステル化合物などであり、これらの1種または2種以上を使用することができる。中でも入手するのが容易であり、取り扱いに便利なエポキシ化合物が適している。該エポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などが好ましい。
【0020】
前記芳香族エポシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノールまたは、そのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、またはこれらに更にアルキレンオキサイドを付加させた化合物のグリシジルエーテルやエポキシノボラック樹脂などがあげられる。
【0021】
また、前記脂環族エポキシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテルまたはシクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキサンオキサイドやシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3、4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0022】
また前記脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成したホモポリマー、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートとその他のビニルモノマーとのビニル重合により合成したコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
【0023】
本発明で用いることができる(B)カチオン重合性有機物質のエポキシ化合物以外の具体例としては、テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等のトリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサシクロオクタン等の環状エーテル化合物、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン化合物、エチレンスルフィド等のチイラン化合物、トリメチレンスルフィド、3,3−ジメチルチエタン等のチエタン化合物、テトラヒドロチオフェン誘導体等の環状チオエーテル化合物、エポキシ化合物とラクトンとの反応によって得られるスピロオルトエステル化合物、スピロオルトカーボナート化合物、環状カーボナート化合物、エチレングリコールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、3,4−ジヒドロピラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラン−2−カルボキシレート)及び上記誘導体等が挙げられる。
【0024】
本発明に使用される(C)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤とは、エネルギー線照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出させることが可能な化合物であり、特に好ましいのは、照射によってルイス酸を放出するオニウム塩である複塩、またはその誘導体である。かかる化合物の代表的なものとしては、一般式
[A]m+[B]m−
で表される陽イオンと陰イオンの塩を挙げることができる。
【0025】
ここで陽イオン[A]m+はオニウムであるのが好ましく、その構造は、例えば、
[(RQ]m+
で表すことができる。
【0026】
更にここで、Rは炭素数が1〜60であり、炭素原子以外の原子をいくつ含んでもよい有機の基である。aは1〜5なる整数である。a個のRは各々独立で、同一でも異なっていてもよい。また、少なくとも1つは、芳香環を有する上記の如き有機の基であることが好ましい。QはS,N,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,Br,Cl,F,N=Nからなる群から選ばれる原子あるいは原子団である。また、陽イオン[A]m+中のQの原子価をqとしたとき、m=a−qなる関係が成り立つことが必要である(但し、N=Nは原子価0として扱う)。
【0027】
また、陰イオン[B]m−は、ハロゲン化物錯体であるのが好ましく、その構造は例えば、
[LXm−
で表すことができる。
【0028】
更にここで、Lはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(Metalloid)であり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲン原子である。bは3〜7なる整数である。また、陰イオン[B]m−中のLの原子価をpとしたとき、m=b−pなる関係が成り立つことが必要である。
【0029】
上記一般式の陰イオン[LXm−の具体例としてはテトラフルオロボレート(BF、ヘキサフルオロフォスフェート(PF、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF、ヘキサフルオロアルセネート(AsF、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl等が挙げられる。
【0030】
また、陰イオン[B]m−は、
[LXb−1 (OH)]m−
で表される構造のものも好ましく用いることができる。L、X、bは上記と同様である。また、その他用いることができる陰イオンとしては、過塩素酸イオン(ClO、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CFSO、フルオロスルホン酸イオン(FSO、トルエンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0031】
本発明では、この様なオニウム塩の中でも、下記のイ)〜ハ)の芳香族オニウム塩を使用するのが特に有効である。これらの中から、その1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0032】
イ)フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどのアリールジアゾニウム塩
【0033】
ロ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのジアリールヨードニウム塩
【0034】
ハ)トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス(ジフェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス(ジフェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、4−[4’−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−[4’−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどのトリアリールスルホニウム塩等が好ましい。
【0035】
また、その他好ましいものとしては、(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)〔(1,2,3,4,5,6,−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン〕−アイアン−ヘキサフルオロホスフェート等の鉄−アレーン錯体や、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(エチルアセトナトアセタト)アルミニウム、トリス(サリチルアルデヒダト)アルミニウムなどのアルミニウム錯体とトリフェニルシラノールなどのシラノール類との混合物なども挙げられる。これらの中でも実用面と光感度の観点から芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、鉄−アレーン錯体を用いることが好ましい。
【0036】
上記(A)の化合物の配合量は、その水酸基の量が(B)のカチオン重合性基に対して0.02当量以上0.5当量以下であることが好まく、さらに好ましくは0.02当量以上0.3当量以下である。
【0037】
上記未満では柔軟性が十分でない場合があり、上記を超えると硬化物の耐熱性を損ねる場合がある。
【0038】
また、(C)の配合量は、(A)と(B)の総量100重量部に対して0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部が良い。
【0039】
上記量に満たなければ樹脂組成物が十分硬化しない場合があり、上記量より多ければ十分な強度を有する樹脂が得られないことがある。
【0040】
本発明に使用する(D)ラジカル重合性有機化合物とは、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤の存在下、エネルギー線照射により高分子化または架橋反応するラジカル重合性有機化合物で、好ましくは1分子中に少なくとも1個以上の不飽和二重結合を有する化合物である。
【0041】
かかる化合物としては、例えばアクリレート化合物、メタクリレート化合物、アリルウレタン化合物、不飽和ポリエステル化合物、スチレン系化合物等が挙げられる。
【0042】
かかるラジカル重合性有機化合物の中でもメタ(アクリル)基を有する化合物は、合成、入手が容易で、かつ取り扱いも容易であり、好ましい。例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
【0043】
ここで、エポキシ(メタ)アクリレートとは、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などと、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるアクリレートである。これらのエポキシアクリレートのうち、特に好ましいものは、芳香族エポキシ樹脂のアクリレートであり、少なくとも1個の芳香核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレートである。例えば、ビスフェノールA、またはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロロヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレート、エポキシノボラック樹脂と(メタ)アクリル酸を反応して得られる(メタ)アクリレート等が挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートとして好ましいものは、1種または2種以上の水酸基含有ポリエステルや水酸基含有ポリエーテルに水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレートや、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレート等である。
【0044】
ここで使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種または2種以上の多価アルコールと、1種または2種以上の多塩基酸との反応によって得られる水酸基含有ポリエステルであって、脂肪族多価アルコールとしては、例えば1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。
【0045】
水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられる。
【0046】
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとして好ましいものは、多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。
【0047】
かかる水酸基含有(メタ)アクリル酸のうち、二価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルは特に好ましく、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0048】
イソシアネート類としては、分子中に少なくとも1個以上のイソシアネート基を持つ化合物が好ましく、トリレンジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの2価のイソシアネート化合物が特に好ましい。
【0049】
ポリエステル(メタ)アクリレートとして好ましいものは、水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種または2種以上の多価アルコールと、1種または2種以上の1塩基酸、多塩基酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。1塩基酸としては、例えばギ酸、酢酸、酪酸、安息香酸が挙げられる。多塩基酸としては、例えばアジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸が挙げられる。
【0050】
ポリエーテル(メタ)アクリレートとして好ましいものは、水酸基含有ポリエーテルと、メタ(アクリル)酸とを反応させて得られるポリエーテル(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられる。
【0051】
アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルとして好ましいものは、分子中に少なくとも1個の水酸基を持つ芳香族または脂肪族アルコール、及びそのアルキレンオキサイド付加体と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートであり、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0052】
ラジカル重合性有機化合物100重量部のうち50重量部以上が、分子中に(メタ)アクリル基を有する化合物であることが好ましい。
【0053】
本発明における(D)ラジカル重合性有機化合物の配合は、カチオン重合性有機物質100重量部に対して200重量部以下であることが好ましく、150重量部以下であることが特に好ましい。
【0054】
(D)ラジカル重合性有機化合物を配合した本発明の樹脂組成物は、これらを配合しない場合に比べて、光学的立体造形を行った際の硬化速度が更に上昇し、光学的立体造形用樹脂組成物として好ましいものとなる。
【0055】
本発明に使用する(E)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤は、エネルギー照射によってラジカル重合を開始させることが可能な化合物であり、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などのケトン系化合物が好ましい。
【0056】
アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
【0057】
ベンジル系化合物としては、ベンジル、アニシル等が挙げられる。
【0058】
ベンゾフェノン系化合物としては、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
【0059】
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
【0060】
これらの(E)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤は、1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
【0061】
これら(E)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を配合した本発明の樹脂組成物は、これらを配合しない場合に比べて、光学的立体造形を行った際の硬化速度が更に上昇し、光学的立体造形用樹脂組成物として好ましいものとなる。
【0062】
以上のような(E)エネルギー感受性ラジカル重合開始剤は、(D)ラジカル重合性有機化合物に対して、0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜10重量%配合される。この範囲を上回ると十分な強度を有する硬化物が得られず、下回ると樹脂が十分硬化しない。
【0063】
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物には、必須ではないが必要に応じて光増感剤などを配合することができる。例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体等の光増感剤を併用することにより、これらを配合しない場合に比べて光造形を行った際の硬化速度がさらに向上し、樹脂組成物として好ましいものになる。
【0064】
また、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物には、必須ではないが必要に応じて熱可塑性高分子化合物を配合することができる。熱可塑性高分子化合物は、室温において液体または固体であり、室温において樹脂組成物と均一に混和する高分子化合物である。
【0065】
かかる熱可塑性高分子化合物の代表的なものとしては、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリカーボナート、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブテン、スチレンブタジエンブロックコポリマー水添物などが挙げられる。また、これらの熱可塑性高分子化合物に水酸基、カルボキシル基、ビニル基、エポキシ基などの官能基を導入した物を用いることもできる。かかる熱可塑性高分子化合物について本発明に対して望ましい数平均分子量は1000〜500000であり、さらに好ましい数平均分子量は5000〜100000である。この範囲外であっても使用できないわけではないが、あまり低分子量であると強度を改善するという効果が十分得られず、あまり高分子量であっては樹脂組成物の粘度が高くなり、光学的立体造形用樹脂組成物として好ましいものとは言えなくなる。
【0066】
熱可塑性高分子化合物を配合した本発明の樹脂組成物は、これらを配合しない場合に比べて、光学的立体造形を行った際の硬化物の機械物性が更に上昇し、光学的立体造形用樹脂組成物として好ましいものとなる。
【0067】
また、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物には、必須ではないが必要に応じて充填剤を配合することができる。充填剤は無機および有機の粉末状、フレーク状、繊維状物質のことである。
【0068】
無機の充填剤の例としては、ガラス粉末、マイカ粉末、シリカまたは石英粉末、炭素粉末、炭酸カルシウム粉末、アルミナ粉末、水酸化アルミニウム粉末、ケイ酸アルミニウム粉末、ケイ酸ジルコニウム粉末、酸化鉄粉末、硫酸バリウム粉末、カオリン、ドロマイト、金属粉末、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト、金属ホイスカー、炭酸カルシウムホイスカー、中空ガラスバルーンあるいはこれらの表面をカップリング剤で処理し、表面に有機基をつけたものなどが挙げられる。
【0069】
有機の充填剤の例としては、パルプ粉末、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、架橋ポリスチレン粉末、架橋アクリル樹脂粉末、架橋フェノール樹脂粉末、架橋尿素樹脂粉末、架橋メラミン樹脂粉末、架橋エポキシ樹脂粉末、ゴム粉末あるいはこれらの表面にエポキシ基、アクリル基、水酸基などの反応性の基をつけたものなどが挙げられる。
【0070】
また、本発明の硬化を損なわない限り熱感応性カチオン重合開始剤、顔料、染料などの着色剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤等の各種樹脂添加物等を添加することができる。上記熱感応性カチオン重合開始剤としては、例えば特開昭57−49613号、特開昭58−37004号公報記載の脂肪族オニウム塩類が挙げられる。
【0071】
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で所望により、上記のような熱可塑性高分子化合物、充填剤、熱感応性カチオン重合開始剤、顔料、染料、着色剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤等の各種樹脂添加物等を通常の使用の範囲で併用することができるが、造形物の歪みの点で、本発明の光造形用樹脂組成物の総量に対して200重量%以下とするのが好ましい。
【0072】
本発明の樹脂組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等があり、紫外線が経済的にもっとも好ましい。紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ 、キセノンランプ、アルカリ金属ランプ等があるが、集光性が良好なことからレーザ光線が特に好ましい。
【0073】
更に、好ましいレーザとしては、アルゴンイオンレーザ(333nm、351nm、364nmの全て、又はそのうちの1つ若しくは2つの波長の光からなる)、ヘリウムカドミウムレーザ(325nm)、更にNd−YAGレーザを非線形結晶を用いて1/3波長に変換したレーザ光(355nm)等を挙げることができる。
【0074】
次に、本発明の光学的立体造形方法について詳述する。先ず、必須の構成成分として、(A)分子中に飽和の炭素環構造を1個以上と、水酸基を2個以上含有する化合物と、(B)カチオン重合性有機物質と、(C)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤と、必要に応じて、(D)ラジカル重合性有機化合物と、(E)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤、及びその他の材料から光学的立体造形用樹脂組成物を得る。
【0075】
この工程は周知の工程によるのがよいが、例えば、これらの材料を十分混合する。具体的な混合方法としては、例えばプロペラの回転に伴う撹拌力を利用する撹拌法やロール練り込み法などが挙げられる。上記(A)〜(E)の好ましい配合比、また必要に応じて配合される添加剤の種類及びその配合比は、本発明の光学的立体造形用樹脂組成物について述べたものと同じ範囲または種類を使用することができる。このようにして得られた光学的立体造形用樹脂組成物は概ね常温で液状である。
【0076】
次に、上記樹脂組成物の任意の表面に、エネルギー線を照射し、該樹脂組成物のエネルギー線照射表面を硬化させて所望の厚さの硬化層を形成し、該硬化層上に前述のエネルギー線硬化性樹脂組成物をさらに供給して、これを同様に硬化させて前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって三次元の立体物を得る。
【0077】
本発明の光学的立体造形法に使用する活性エネルギー線の種類は、本発明の樹脂組成物を硬化させる活性エネルギー線と同じである。すなわち、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等があり、紫外線か経済的にもっとも好ましい。紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセノンランプ、アルカリ金属ランプ等があるが、集光性が良好なことからレーザ光線が特に好ましい。
【0078】
更に、好ましいレーザとしては、アルゴンイオンレーザ(333nm、351nm、364nmの全て、又はそのうちの1つ若しくは2つの波長の光からなる)、ヘリウムカドミウムレーザ(325nm)、更にNd発振固体レーザ(例えば、Nd−YVOレーザ、Nd−YAGレーザ等)に非線形結晶を用いて1/3波長に変換したレーザ光(355nm)等を挙げることができる。
【0079】
さらに得られた三次元の立体物は必要に応じてさらに加熱またはエネルギー線を照射することによって後硬化を施すことにより耐熱性を向上させることができる。 加熱の方法は、恒温槽、熱硬化炉などを用いるのが好ましく、加熱温度は60〜250℃の範囲が好ましい。
【0080】
エネルギー線としては紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等があり、紫外線がもっとも好ましい。紫外線の光源としては、水銀ランプ、蛍光ランプ、キセノンランプ、アルカリ金属ランプ等が挙げられる。
【0081】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。
実施例1〜6及び比較例1〜3
表1及び表2に示す配合で樹脂を十分混合して、各光学的立体造形用樹脂組成物を得た。(なお、表1及び表2に示す配合量は重量部を示す)。次に、得られた樹脂組成物入り容器、容器内を上下動するNCテーブル、紫外Arイオンレーザ(波長333,351,364nmのマルチライン、出力100mW)と、光学系および制御用コンピュータを中心とした制御部からなる光学的立体造形システムを用いて、この樹脂組成物からCADデータを元に、0.1mmピッチで積層して荷重たわみ温度測定用試験片(JISK−7191、7192、高さ12.7mm、幅6.4mm、長さ127mm)と引張り試験用試験片(JISK−7161、7162、1A型試験片)を作製した。操作を図を参照して説明する。図1に示すように、NCテーブル2を樹脂5中に位置させ、テーブル2上に上記ピッチに相当する深度の未硬化樹脂層を形成する。次にCADデータを元に制御部1からの信号に従って光学系3を制御してレーザー4からのレーザー光線6を未硬化樹脂表面に走査照射して第1硬化層7を得る(図2参照)。次に制御部1からの信号に従ってNCテーブル2を下降させ、第1硬化層7上にさらに上記ピッチに相当する深度の未硬化樹脂層を形成する(図3参照)。同様にレーザー光線6を走査照射して第2硬化層8を得る(図4参照)。以下同様にして積層する。
【0082】
得られた荷重たわみ温度測定用試験片は、表に示す条件で処理をした後に/またはせずにJIS K−7191、7192にしたがって荷重たわみ温度を測定した。また引張り試験用試験片はJIS K−7161、7162にしたがって引張り試験を行い、引張り破断歪み(柔軟性)を測定した。
【0083】
得られた荷重たわみ温度を耐熱性、引張り試験での引張り破断歪みを柔軟性の指標とした。
【0084】
また同一の条件で、設計寸法縦150mm、横150mm、高さ20mmの試験片を作成し、この試験片の縦横各10個所ずつ長さを測定して、設計寸法からの測定値のずれの平均値を寸法誤差とした。結果を表に示す。
なお、各実施例および比較例で使用した化合物は以下の通りである。
【0085】
必須成分として、
(A)−1:トリシクロデカン−4、8−ジメタノール
(A)−2::水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド(2モル)付加物
を使用した。また、(A’)分子中に飽和の炭素環構造を1個以上と、水酸基を2個以上含有する化合物としては下記の(A’)−1を使用した。
(A’)−1:1、4−シクロヘキサンジメタノール
【0086】
(B)カチオン重合性有機物質としては、下記の(B)−1〜4を用いた。
(B)−1:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ クロヘキサンカルボキシレート
(B)−2:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
(B)−3:ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート
(B)−4:ビスフェノールAジグリシジルエーテル
【0087】
エネルギー線感受性カチオン重合開始剤としては、下記の(C)−1〜3を用いた。
(C)−1:4,4’ビス−(ジフェニルスルホニオ)フェニルスルフィ ド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート[R’R”S][B]
Figure 0004356909
B=SbF
【0088】
(C)−2:4,4’ビス−[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルス ルホニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアン チモネート
[R’R”S][B]
Figure 0004356909
B=SbF
【0089】
(C)−3:4−[4’−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ− (4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアン チモネート
[R’R”S][B]
Figure 0004356909
B=SbF
【0090】
(D)ラジカル重合性有機化合物としては、下記の(D)−1〜3を用いた。
(D)−1:ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート
(D)−2:トリメチロールプロパントリアクリレート
(D)−3:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
【0091】
(E)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤としては下記の(E)−1、2を用いた。
(E)−1:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(E)−2:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルメタン−1−オン
(F) (A)以外の水酸基含有化合物
(F)−1:トリメチロールプロパンのε−カプロラクトン付加物(分子量=500)
(F)−2:ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(分子量=580)」
【0092】
【表1】
Figure 0004356909
【0093】
【表2】
Figure 0004356909
【0094】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明の光学的造形用樹脂組成物においては、酸素による硬化阻害が起こらず、変形が少なく、硬化時の収縮も小さいため、所望の寸法の造形物を得ることが容易であり、しかも加熱等の後処理によって耐熱性や引張り伸び性が極めて良好な造形物を得ることができる。よって、光学的立体造形方法に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学的立体造形システムにおいて、未硬化樹脂層を形成する工程を示す説明図である。
【図2】光学的立体造形システムにおいて、第1硬化層を得る工程を示す説明図である。
【図3】光学的立体造形システムにおいて、第1硬化層上にさらに未硬化樹脂を形成する工程を示す説明図である。
【図4】光学的立体造形システムにおいて、第2硬化層を得る工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 制御部
2 NCテーブル
3 光学系
4 レーザー
5 樹脂
6 レーザー光線
7 第1硬化層
8 第2硬化層

Claims (4)

  1. 必須の構成成分として、(A)トリシクロデカン−4、8−ジメタノール又は水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物と(B)カチオン重合性有機物質と、(C)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする光学的立体造形用樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の光学的立体造形用樹脂組成物にさらに、(D)ラジカル重合性有機物質と、(E)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする光学的立体造形用樹脂組成物。
  3. エネルギー線硬化性樹脂組成物の任意の表面に、エネルギー線を照射し、該樹脂組成物のエネルギー線照射表面を硬化させて所望の厚さの硬化物を形成し、該硬化層上に前述のエネルギー線硬化性樹脂組成物をさらに供給して、これを同様に硬化させ前述の硬化層と連続した硬化物を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって三次元の立体物を得る光学的立体造形法において、上記エネルギー線硬化性樹脂組成物が、請求項1または2記載の光学的立体造形用樹脂組成物であることを特徴とする光学的立体造形方法。
  4. 請求項3の方法で得られた三次元の立体物をさらに加熱処理及び/又はエネルギー線照射処理することを特徴とする光学的立体造形方法。
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