JP4169397B2 - 光学的立体造形方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的立体造形用樹脂組成物を用いた光学的立体造形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学的立体造形とは、特開昭60−247515号公報に記載されている様に、光硬化性を有する各種樹脂を容器に入れ、上方からアルゴンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、半導体レーザ等のビームを該樹脂の任意の部位に照射し、照射を連続的に行うことによって、樹脂の上記ビーム照射部位を硬化させ、これにより目的とする平面を創生して硬化層を形成する。続いて、該硬化層上に前述の光硬化性を有する樹脂をさらに1層分供給して、これを上記と同様にして硬化させ、前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって目的とする三次元の立体物を得る方法である。
【0003】
従来、上記光学的立体造形に用いられていた樹脂としては、まずラジカル重合性樹脂組成物があり、例えば特開平2−228312号公報や特開平5−279436号公報には、(メタ)アクリル樹脂を中心とした立体造形用樹脂組成物が開示されている。また、特開平2−145616号公報には、変形の低減を目的として、液状樹脂と見かけ上比重差が0.2未満である微小粒子を含む光学的立体造形用樹脂が開示されている。さらに、造形物の精度向上のために特開平3−15520号公報には、エチレン系不飽和モノマー、光開始剤及び不溶性潜在放射線偏光物質からなる組成物の報告がなされており、また特開平3−41126号公報には、エチレン系不飽和モノマー、光開始剤及び可溶性潜在放射線偏光物質からなる組成物の報告がなされている。さらにまた、特開平4−85314号公報には、シリコーンウレタンアクリレート、多官能エチレン性不飽和結合を有する化合物及び重合開始剤を含む樹脂組成物が開示されている。
【0004】
また、上述のラジカル重合性樹脂組成物以外の光学的立体造形用樹脂としては、カチオン重合性樹脂組成物が知られている。例えば、特開平1−213304号公報には、エネルギー線硬化型カチオン重合性有機化合物とエネルギー線感受性カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする発明が記載されている。また、特開平2−28261号公報にはエネルギー線硬化型カチオン重合性有機化合物に一部エネルギー線硬化型ラジカル重合性有機化合物を配合した低収縮率、高解像度の樹脂が開示されている。さらに、特開平2−80423号公報には、エポキシ樹脂にビニルエーテル樹脂と、エネルギー線感受性カチオン重合開始剤と、ラジカル硬化性樹脂と、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤とを配合した樹脂組成物が開示されている。さらにまた、特開平2−75618号公報には、エネルギー線硬化性カチオン重合性有機化合物、エネルギー線感受性カチオン重合開始剤、エネルギー線硬化性ラジカル重合性有機化合物、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤及び水酸基含有ポリエステルを含有することを特徴とする光学的造形用樹脂組成物が開示されている。
【0005】
また、特開平7−61694号公報、特開平7−25922号公報および特開平7−10914号公報には、光カチオン重合開始剤として、4’位にカルボニル基を有するジフェニルスルフィド構造を持ったスルホニウム塩が開示されており、これを用いた組成物は保存安定性、ビニルエーテルとの相溶性および硬化性が良好で、硬化物の臭気が少ないことが報告されている。
【0006】
さらに、特開平9−87311号公報、特開平9−278935号公報および特開平10−168107号公報には、4’位にベンゾイル基を有するジフェニルスルフィド構造を持ったスルホニウム塩を光開始剤に用いた光造形用樹脂が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラジカル重合性樹脂やそれを主成分とした光学的立体造形用樹脂組成物は、ラジカル重合を用いているため、何れの樹脂(組成物)を用いた場合でも酸素による硬化阻害が起こり、硬化時の硬化率が低くなってしまうことから、造形時に必ず硬化に関与する光または熱を与える「後硬化処理」をする必要があり、この後硬化処理に際して造形物が変形しやすい欠点を有していた。またこれらの樹脂は硬化時の収縮も大きく、所望の寸法の造形物を得ることが困難であった。
【0008】
また、上記特開平1−213304号公報、特開平2−28261号公報、特開平2−75618号公報記載のようなカチオン硬化型光学的立体造形用樹脂は、酸素による硬化阻害が起こらず、樹脂中の活性子により光遮断後も硬化が進行することから、後硬化処理が不要であり、変形が少ないという優れた特徴を有し、また硬化時の収縮も小さく、所望の寸法の造形物を得ることが容易であるが、機械物性が十分ではなく、また照射エネルギーに対して感度が十分ではない欠点があった。
【0009】
さらに、上記特開平9−87311号公報に記載の発明は、He−Cdレーザーを使用しているため硬化深度が不十分で層剥離があり、また特開平9−278935号公報、特開平10−168107号公報に記載の発明は、Arイオンレーザーを使用しているため余剰硬化部が大きいものであった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上述の従来技術の欠点を解消し、酸素による硬化阻害が起こらず、硬化時の精度が良く、余剰硬化部も小さく、容易に所望の寸法の造形物を得ることができ、しかも照射エネルギーに対して高感度で、硬化深度が十分であり層剥離のない、光学的立体造形用樹脂組成物を用いた光学的立体造形方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を続けた結果、カチオン重合性有機化合物と、エネルギー線感受性カチオン重合開始剤として特定の芳香族スルホニウム塩化合物を含有する光学的立体造形用樹脂組成物を使用し、照射エネルギーとして特定条件の光を使用して光造形を行ったところ、酸素による硬化阻害が起こらず、硬化時の精度が良く容易に所望の寸法の造形物を得ることができ、しかも照射エネルギーに対して高感度であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の光学的立体造形方法は、必須の構成成分として、
(1)カチオン重合性有機化合物と、
(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤として下記式、
Figure 0004169397
(式中、Y、Yは同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、あるいは酸素原子、またはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、もしくは置換基がついていてもよいアルコキシ基、Arは1以上の水素原子が置換されていてもよいフェニル基、陰イオンAは[LXb−a(OH)で表わされ、ここで、Lはホウ素原子、リン原子、ヒ素原子およびアンチモン原子からなる群から選ばれ、Xはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれ、またaは0か1、bは3から7までの整数で、Lの原子価をpとしたときb−p=1となる数である)で表わされる芳香族スルホニウム塩化合物と、
を含有する光学的立体造形用樹脂組成物の任意の表面に、250〜400nmの波長間の光の総合計エネルギー量に対して345〜360nmの波長間の光の合計エネルギー量が70%以上である光を照射し、該樹脂組成物の光照射表面を硬化させて所望の厚さの硬化層を形成し、該硬化層上に前述の光学的立体造形用樹脂組成物をさらに供給して、これを同様に硬化させ前述の硬化層と連続した硬化物得る積層操作を行ない、この操作を繰り返すことによって三次元の立体物を得ることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の光学的立体造形方法においては、必須の構成として更に(3)ラジカル重合性有機化合物と、(4)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤とを含めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する(1)カチオン重合性有機化合物とは、エネルギー線照射により活性化したエネルギー線感受性カチオン重合開始剤により高分子化または架橋反応を起こす化合物をいう。
【0015】
例えば、エポキシ化合物、環状エーテル化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルトエステル化合物、ビニル化合物などであり、これらの1種または2種以上使用することができる。中でも入手するのが容易であり、取り扱いに便利なエポキシ化合物が適している。該エポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などが適している。
【0016】
前記芳香族エポキシ化合物の具体例としては、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノールまたは、そのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、またはこれらに更にアルキレンオキサイドを付加させた化合物のグリシジルエーテルやエポキシノボラック樹脂などが挙げられる。
【0017】
また、前記脂環族エポキシ化合物の具体例としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテルまたはシクロヘキセン、シクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキサンオキサイド構造含有化合物またはシクロペンテンオキサイド構造含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサセン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0018】
前記脂肪族エポキシ化合物の具体例としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのホモポリマー、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル等が挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
【0019】
また、上記のエポキシ化合物の中では分子中にシクロヘキセンオキシド構造を有するエポキシ化合物を、カチオン重合性有機化合物全量に対して50重量%以上用いるのが特に好ましい。残りの50重量%未満のカチオン重合性有機化合物成分は、その他のエポキシ樹脂や、以下に例示するエポキシ化合物以外のカチオン重合性有機化合物であってよい。なお、エポキシ化合物以外のカチオン重合性化合物と上記シクロヘキセンオキシド化合物の混合物も好ましい。
【0020】
本発明で用いることができるカチオン重合性有機化合物のエポキシ化合物以外の具体例としては、トリメチレンオキサイド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン等のオキセタン化合物、テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等のトリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサシクロオクタン等の環状エーテル化合物、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン化合物、エチレンスルフィド、3,3−ジメチルチエタン等のチイラン化合物、1,3−プロピンスルフィド、3,3−ジメチルチエタン等のチエタン化合物、テトラヒドロチオフェン誘導体等の環状チオエーテル化合物、エポキシ化合物とラクトンとの反応によって得られるスピロオルトエステル化合物、スピロオルトカーボナート化合物、環状カーボナート化合物、エチレングリコールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、3,4−ジヒドロピラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラン−2−カルボキシレート)、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のビニル化合物、スチレン、ビニルシクロヘキセン、イソブチレン、ポリブタジエン等のエチレン性不飽和化合物及び上記誘導体等が挙げられる。
【0021】
なお、本発明においては、カチオン重合性有機化合物として、上述したカチオン重合性有機化合物のうち1種または2種類以上の化合物を配合して使用することができる。
【0022】
本発明に使用する(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤は下記の一般式(I)、
Figure 0004169397
(式中、Y 、Y は同一でも異なってもよい水素原子、ハロゲン原子、あるいは酸素原子またはハロゲン原子を含んでもよい炭化水素基、もしくは置換基がついてもよいアルコキシ基、Arは1以上の水素原子が置換されていてもよいフェニル基、陰イオンA は[LXb−a (OH) で表され、ここで、Lはホウ素原子、リン原子、ヒ素原子およびアンチモン原子からなる群から選ばれ、Xはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれ、またaは0か1、bは3から7までの整数で、Lの原子価をpとしたときb−p=1となる数である)で表される芳香族スルホニウム化合物である。
【0023】
前記一般式(I)で表される化合物において、Arは非置換フェニル基若しくは、1以上の水素原子がハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、置換基がついてもよいアルコキシ基、水酸基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基等の1種以上で置換されたフェニル基であることが好ましい。前記ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0024】
前記アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、セカンダリブチル、ペンチル、イソペンチル、ターシャリペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル等が挙げられる。また、これらの基の1以上の水素原子がフェニル、アシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
前記ヒドロキシアルキル基としては、前記アルキル基の1以上の水素原子を水酸基で置換したものが挙げられる。
【0025】
前記置換基がついてもよいアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、ミリスチルオキシ、パルミチルオキシ、ステアリルオキシまたはこれらの1以上の水素原子が水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基で置換された基等が挙げられる。
【0026】
ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基にあっては1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。
これらアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基においては炭素数1〜12のものが好ましい。
【0027】
次に、前記一般式(I)で表される化合物においてY 、Y は同一でも異なってもよい水素原子、ハロゲン原子、あるいは酸素原子またはハロゲン原子を含んでもよいアルキル基を示す。酸素原子またはハロゲン原子を含んでもよいアルキル基にあっては、前記Arで例示した基であってよく、置換基がついても良いアルコキシ基にあっては、前に例示した基であってよく、その他にポリオキシアルキレン基であってもよい。Y 、Y の置換位置は特に限定されない。
【0028】
前記一般式(I)において、陰イオンA は[LXb−a (OH) で表され、ここで、Lはホウ素原子、リン原子、ヒ素原子およびアンチモン原子からなる群から選ばれ、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素からなる群から選ばれ、またaは0か1、bは3から7までの整数で、Lの原子価をpとしたときb−p=1となる数である。
【0029】
の中でも、SbF 、PF 、AsF 、BF 、SbCl、SbF5 (OH) 、PF(OH) 、AsF(OH) 、BF(OH) 、SbCl(OH) 等が合成上特に好ましい。
【0030】
本発明における前記一般式(I)で表されるアシル化されたスルホニウム塩として好ましいものとしては、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:フェニル、Y :H、Y :H、A:SbF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサクロロアンチモネート(置換基は、Ar:フェニル、Y :H、Y :H、A:SbCl )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート(置換基は、Ar:フェニル、Y :H、Y :H、A:BF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート(置換基は、Ar:フェニル、Y :H、Y :H、A:AsF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−メチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:フェニル、Y :メチル、Y :メチル、A:SbF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−ヒドロキシエチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:フェニル、Y :ヒドロキシエチル、Y :ヒドロキシエチル、A:SbF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−ヒドロキシエチルオキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:フェニル、Y :ヒドロキシエチルオキシ、Y :ヒドロキシエチルオキシ、A:SbF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−ヒドロキシエチルオキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロフォスフェート(置換基は、Ar:フェニル、Y :ヒドロキシエチルオキシ、Y :ヒドロキシエチルオキシ、A:PF )、
4−[4−(4−ヒドロキシエチルオキシベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:4−ヒドロキシエチルオキシフェニル、Y :H、Y :H、A:SbF )、
4−[4−(4−ヒドロキシエチルオキシベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート(置換基は、Ar:4−ヒドロキシエチルオキシフェニル、Y :H、Y :H、A:PF )、
4−[4−(4−ヒドロキシエチルオキシベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4−ヒドロキシエチルオキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:4−ヒドロキシエチルオキシフェニル、Y :ヒドロキシエチルオキシ、Y :ヒドロキシエチルオキシ、A:SbF )、
4−[4−(4−ヒドロキシエチルオキシベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4−ヒドロキシエチルオキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロフォスフェート(置換基は、Ar:4−ヒドロキシエチルオキシフェニル、Y :ヒドロキシエチルオキシ、Y :ヒドロキシエチルオキシ、A:PF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−メトキシエトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:フェニル、Y :メトキシエトキシ、Y :メトキシエトキシ、A:SbF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−(1,2−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:フェニル、Y :1,2−ジヒドロキシプロピルオキシ、Y :1,2−ジヒドロキシプロピルオキシ、A:SbF )、
4−[4−(3−クロロベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:3−クロロフェニル、Y :H、Y :H、A:SbF )、
4−[4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:4−メチルフェニル、Y :H、Y :H、A:SbF )、
4−[4−(3−メトキシベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:3−メトキシフェニル、Y :H、Y :H、A:SbF )、
4−[4−(2−メトキシカルボニルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:2−メトキシカルボニルフェニル、Y :H、Y :H、A:SbF )、
4−[4−(2−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:2−ヒドロキシメチルフェニル、Y :H、Y :H、A:SbF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート(置換基は、Ar:フェニル、Y :H、Y :H、A:PF )、
4−[4−(4−クロロベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート(置換基は、Ar:4−クロロフェニル、Y :H、Y :H、A:PF )、
4−[4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート(置換基は、Ar:4−メチルフェニル、Y :H、Y :H、A:PF )、
4−[4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート(置換基は、Ar:4−メトキシフェニル、Y :H、Y :H、A:PF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:フェニル、Y :4−クロロ、Y :4−クロロ、A:SbF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:フェニル、Y:4−フルオロ、Y :4−フルオロ、A:SbF )、
4−[4−(3−クロロベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:3−クロロフェニル、Y :4−フルオロ、Y :4−フルオロ、A:SbF )、
4−[4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:4−メチルフェニル、Y :4−フルオロ、Y :4−フルオロ、A:SbF) 、
4−[4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:4−メトキシフェニル、Y :4−フルオロ、Y :4−フルオロ、A:SbF )、
4−[4−(4−フルオロベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:4−フルオロフェニル、Y :4−フルオロ、Y :4−フルオロ、A:SbF )、
4−[4−(2−メトキシカルボニルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(置換基は、Ar:2−メトキシカルボニルフェニル、Y :4−フルオロ、Y :4−フルオロ、A:SbF )、
4−[4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロフォスフェート(置換基は、Ar:4−メトキシフェニル、Y :4−フルオロ、Y :4−フルオロ、A:PF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロフォスフェート(置換基は、Ar:フェニル、Y :4−クロロ、Y :4−クロロ、A:PF )、
4−[4−(3−クロロベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロフォスフェート(置換基は、Ar:3−クロロフェニル、Y :4−フルオロ、Y :4−フルオロ、A:PF )、
4−[4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロフォスフェート(置換基は、Ar:4−メチルフェニル、Y :4−フルオロ、Y :4−フルオロ、A:PF )、
4−[4−(2−クロロ−4−メチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト(置換基は、Ar:2−クロロ−4−メチルフェニル、Y :H、Y :H、A:SbF )、
4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニル−4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)フェニル−4−フルオロフェニルヘキサフルオロアンチモネ−ト(置換基は、Ar:フェニル、Y :4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)、Y :4−フルオロ、A:SbF )等が挙げられる。
【0031】
以上のような(2)エネルギー感受性カチオン重合開始剤は、(1)カチオン重合性有機化合物に対して化学量論的必要量を使用すればよいが、好ましくは(1)カチオン重合性有機化合物に対して0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%配合されるのがよい。この範囲を上回ると十分な強度を有する硬化物が得られず、下回ると樹脂が十分硬化しない場合がある。
【0032】
本発明に使用する(3)ラジカル重合性有機化合物とは、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤の存在下、エネルギー線照射により高分子化または架橋反応するラジカル重合性有機化合物で、好ましくは1分子中に少なくとも1個以上の不飽和二重結合を有する化合物である。
【0033】
かかる化合物としては、例えばアクリレート化合物、メタクリレート化合物、アリルウレタン化合物、不飽和ポリエステル化合物、スチレン系化合物等が挙げられる。
【0034】
かかるラジカル重合性有機化合物の中でも(メタ)アクリル基を有する化合物は、合成、入手が容易であり、取り扱いが容易であり好ましい。例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
【0035】
ここで、エポキシ(メタ)アクリレートとは、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などと、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるアクリレートである。これらのエポキシ(メタ)アクリレートのうち、特に好ましいものは、芳香族エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートであり、少なくとも1個の芳香核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレートである。例えば、ビスフェノールA、またはそのアルキレンオキサイド付加体をエピクロロヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレート、エポキシノボラック樹脂と(メタ)アクリル酸を反応して得られる(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0036】
ウレタン(メタ)アクリレートとして好ましいものは、1種または2種以上の水酸基含有ポリエステルや水酸基含有ポリエーテルに水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレートや、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレート等である。
【0037】
ここで使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種または2種以上の脂肪族多価アルコールと、1種または2種以上の多塩基酸との反応によって得られる水酸基含有ポリエステルであって、脂肪族多価アルコールとしては、例えば1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。
【0038】
水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、脂肪族多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられる。
【0039】
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルであって、脂肪族多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。
【0040】
かかる水酸基含有(メタ)アクリル酸のうち、脂肪族二価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルは特に好ましく、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0041】
イソシアネート類としては、分子中に1個以上のイソシアネート基を持つ化合物が好ましく、トリレンジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの2価のイソシアネート化合物が特に好ましい。
【0042】
ポリエステル(メタ)アクリレートとして好ましいものは、水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種または2種以上の脂肪族多価アルコールと、1種または2種以上の1塩基酸、多塩基酸、及びフェノール類とのエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステルであって、脂肪族多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。1塩基酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ブチルカルボン酸、安息香酸等が挙げられる。多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸等が挙げられる。フェノール類としては、例えば、フェノール、p−ノニルフェノール、ビスフェノールA等が挙げられる。ポリエーテル(メタ)アクリレートとして好ましいものは、水酸基含有ポリエーテルと、メタ(アクリル)酸とを反応させて得られるポリエーテル(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、脂肪族多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0043】
アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルとして好ましいものは、分子中に少なくとも1個の水酸基を持つ芳香族または脂肪族アルコール、及びそのアルキレンオキサイド付加体と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートであり、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0044】
これらの(メタ)アクリレートのうち、多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類が特に好ましい。
【0045】
これらのラジカル重合性有機化合物は1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて、配合して使用することができる。
【0046】
ラジカル重合性有機化合物のうち50重量%以上が、分子中に(メタ)アクリル基を有する化合物であることが好ましい。
【0047】
本発明におけるラジカル重合性有機化合物の配合は、カチオン重合性有機化合物100重量部に対して200重量部以下であることが好ましく、10〜100重量部であることが特に好ましい。
【0048】
本発明に使用する(4)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤は、エネルギー線照射を受けることによってラジカル重合を開始させることが可能となる化合物であればよく、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、チオキサントン系化合物などのケトン系化合物を好ましいものとして例示することができる。
【0049】
アセトフェノン系化合物としては例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
【0050】
ベンジル系化合物としては、ベンジル、アニシル等が挙げられる。
【0051】
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
【0052】
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
【0053】
その他のエネルギー線感受性ラジカル重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフェインオキサイド、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)]チタニウムなどが挙げられる。
【0054】
これらのエネルギー線感受性ラジカル重合開始剤は1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
【0055】
以上のような(4)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤は、(3)ラジカル重合性有機化合物に対して化学量論的必要量を使用すればよいが、好ましくは(3)ラジカル重合性有機化合物に対して0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%配合するのがよい。この範囲を上回ると十分な強度を有する硬化物が得られず、下回ると樹脂が十分硬化しない場合がある。
【0056】
これら(4)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤と(3)ラジカル重合性有機化合物とを配合した本発明の樹脂組成物は、これらを配合しない場合に比べて、光学的立体造形を行った際の硬化速度が更に上昇し、光学的立体造形用樹脂組成物として好ましいものとなる。
【0057】
本発明に使用する光学的立体造形用樹脂組成物には任意の成分として(5)1分子中に2個以上の水酸基を有する有機化合物、(6)熱可塑性高分子化合物などを配合することができる。
【0058】
上記(5)1分子中に2個以上の水酸基を含有する有機化合物としては、多価アルコール、水酸基含有ポリエーテル、水酸基含有ポリエステル、多価フェノールなどが好ましい。
【0059】
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
【0060】
水酸基含有ポリエーテルとは、1種または2種以上の多価アルコールまたは多価フェノールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加して得られる化合物である。これに用いられる多価アルコール、多価フェノールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。またアルキレンオキサイドの例としては、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドなどが挙げられる。
【0061】
水酸基含有ポリエステルとしては、1種または2種以上の多価アルコール及び/又は多価フェノ−ルと1種または2種以上の1塩基酸、多塩基酸などとのエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステル、および1種または2種以上のラクトン類と、1種または2種以上の多価アルコールとのエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステルが挙げられる。多価アルコール、多価フェノ−ルの例としては、前述のものと同様のものが挙げられる。1塩基酸としては、例えばギ酸、酢酸、ブチルカルボン酸、安息香酸などが挙げられる。多塩基酸としては、例えばアジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。ラクトン類としては、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙がられる。多価フェノールとは、芳香環に直接結合した水酸基を1分子中に2個以上含有する化合物である。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などが挙げられる。
【0062】
これらの(5)1分子中に2個以上の水酸基を含有する有機化合物は、単独あるいは2種以上の物を所望の性能に応じて使用することができる。
【0063】
この、(5)1分子中に2個以上の水酸基を含有する有機化合物の好ましい配合量は、樹脂組成物中の(1)カチオン重合性有機化合物100重量部に対して1〜50重量部である。
【0064】
上記(6)熱可塑性高分子化合物としては、室温において液体または固体であり、室温において樹脂組成物と均一に混和する高分子化合物である。
【0065】
かかる熱可塑性高分子化合物の代表的なものとしては、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリカーボナート、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブテン、スチレンブタジエンブロックコポリマー水添物などが挙げられる。
【0066】
また、これらの熱可塑性高分子化合物に水酸基、カルボキシル基、ビニル基、エポキシ基などの官能基が導入されたものを用いることもできる。
【0067】
かかる熱可塑性高分子化合物について本発明に対して望ましい数平均分子量は1000〜500000であり、さらに好ましい数平均分子量は5000〜100000である。この範囲外であっても使用できないわけではないが、あまり低分子量であると強度を改善するという効果が十分得られず、あまり高分子量であっては樹脂組成物の粘度が高くなり、光学的立体造形用樹脂組成物として好ましいものとは言えなくなる。
【0068】
また、かかる熱可塑性高分子化合物の配合量は、組成物全体を基準にして5〜50重量%、好ましくは5〜30重量%がよい。これより少ないと、熱可塑性高分子化合物を添加しない場合と有意な差がなく、逆にこれより多いと樹脂組成物の粘度が高くなり、光学的立体造形用樹脂組成物として好ましいものとは言えなくなる。
【0069】
熱可塑性高分子化合物を配合した本発明の樹脂組成物は、これらを配合しない場合に比べて、光学的立体造形を行った際の硬化物の機械物性が更に上昇し、光学的立体造形用樹脂組成物として好ましいものとなる。
【0070】
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物には、必須ではないが必要に応じて光増感剤などを配合することができる。例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体等の光増感剤を併用することにより、これらを配合しない場合に比べて光造形を行った際の硬化速度がさらに向上し、樹脂組成物として好ましいものになる。
【0071】
また、本発明の硬化を損なわない限り、必要に応じて熱感応性カチオン重合開始剤、無機フィラー、有機フィラー、顔料、染料などの着色剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤等の各種樹脂添加物等を添加することができる。上記熱感応性カチオン重合開始剤としては、例えば特開昭57−49613号、特開昭58−37004号公報記載の脂肪族オニウム塩類が挙げられる。
【0072】
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で所望により、上記のような熱感応性カチオン重合開始剤、無機フィラー、有機フィラー、顔料、染料などの着色剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤等の各種樹脂添加物等を通常の使用の範囲で併用することができるが、造形物の歪みの点で、本発明の光造形用樹脂組成物の総量に対して150重量%以下とするのが好ましい。
【0073】
本発明において上記光学的立体造形用樹脂組成物に照射する光は、250〜400nmの波長間の光の総合計エネルギー量に対して345〜360nmの波長間の光の合計エネルギー量が70%以上であることが必須の条件である。
【0074】
250nm未満、或いは400nmを超える波長の光は上記光学的立体造形用樹脂組成物の硬化、即ち(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤の活性化に関与しないので不要であるが、所望により併用しても差し支えない。
【0075】
従って、上記光学的立体造形用樹脂組成物の硬化、即ち(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤の活性化には250〜400nmの波長間の光の総合計エネルギー量が、その必要量以上あればよい。
【0076】
250〜400nmの波長間の光の総合計エネルギー量に対して345〜360nmの波長間の光の合計エネルギー量が70%以上でないと、光が十分に吸収されず、所望とする硬化深度を越えてしまい、非設計部位を硬化させる、所謂余剰硬化部が大きくなってしまう。
【0077】
250〜400nmの波長間の光の総合計エネルギー量に対して345〜360nmの波長間の光の合計エネルギー量が70%以上である光は、具体的には例えば、Nd発振固体レーザー(例えばNd−YVOレーザー、Nd−YAGレーザー等)に非線形結晶を組み合わせて1/3の波長(355nm)に変換した光(レーザー光)や、アルゴンイオンレーザ(333nm、351nm、364nmの波長の光からなる)光をフィルター処理などして351nmリッチにした光等として得ることができる。
【0078】
本発明の光学的立体造形方法を行なうには、まず上記光学的立体造形用樹脂組成物の必須構成成分、必要に応じて任意の成分、その他の材料から上記光学的立体造形用樹脂組成物を得る。
【0079】
この工程は周知の工程によるのがよいが、例えば、これらの材料を十分混合する。具体的な混合方法としては、例えば、プロペラの回転に伴う撹拌力を利用する撹拌法やロール練り混込み法などが挙げられる。上記(1)〜(4)の好ましい配合比、また必要に応じて配合される添加剤の種類及びその配合比は、上述した本発明の光学的立体造形用樹脂組成物と同じ範囲または種類を使用することができる。このようにして得られた光学的立体造形用樹脂組成物は概ね常温で液状である。
【0080】
次に、上記樹脂組成物の任意の表面に、エネルギー線を照射し、該樹脂組成物のエネルギー線照射表面を硬化させて所望の厚さの硬化層を形成し、該硬化層上に前述のエネルギー線硬化性樹脂組成物をさらに供給して、これを同様に硬化させて前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すとによって三次元の立体物を得る。
【0081】
さらに図を参照して具体的に説明すると、図1に示すように、NCテーブル2を樹脂5中に位置させ、テーブル2上に所望ピッチに相当する深度の未硬化樹脂層を形成する。次にCADデータを元に制御部1からの信号に従って光学系3を制御してレーザー4からのレーザー光線6を未硬化樹脂表面に走査照射して第1硬化層7を得る(図2参照)。次に制御部1からの信号に従ってNCテーブル2を降下させ、第1硬化層7上にさらに所望ピッチに相当する深度の未硬化樹脂層を形成する(図3参照)。同様にレーザー光線6を走査照射して第2硬化層8を得る(図4参照)。以下同様にして積層する。
【0082】
【実施例】
以下に本発明の各種実施例を記載する。なお、本実施例では、部は重量部を意味する。
本実施例、比較例で行った実験を説明する。
実験1:造形精度(縦横方向)および造形性試験
樹脂組成物を可動NCテーブル、光学系(レーザーを含む)、制御用コンピュータからなる光造形用実験システムに入れ、この樹脂組成物からCADデータを元に、0.1mmピッチで縦100mm、横100mm、高さ10mmの中実の箱を作成し、縦横の長さのCADデータからのずれを測定した。また、このときの造形性や得られたモデルの外観も観察した。
【0083】
実験2:造形精度試験(深さ方向の余剰硬化部の厚さ)
実験1と同様に、但し図1のような形状の試験片を作成した。この試験片で中央部は支えがない。中央部の硬化時には光が十分吸収されないと下層へ達して余剰硬化部を形成する。余剰硬化部は硬化性が悪く他の部分と比較して硬度が低いので、造形後中央部の凹部の厚さをノギスで測定し、次いでナイフで軽く削り余剰硬化部を取り除き再び厚さを測定し、この差から余剰部の厚さを求めた。
【0084】
実験3:機械強度測定
実験1と同様に、曲げ試験並びに衝撃試験用試験片を得た。得られた試験片を用い、JIS−6911に従って曲げ強さ及びアイゾット衝撃強さ(ノッチ付)を測定した。
なお、実験に使用した材料は以下の通りである。
【0085】
(1)カチオン重合性有機化合物(「カチオン樹脂」と略記する)としては下記のカチオン樹脂1〜4を用いた。
カチオン樹脂1:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
カチオン樹脂2:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
カチオン樹脂3:ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート
カチオン樹脂4:ビスフェノールAジグリシジルエーテル
(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤(「カチオン開始剤」と略記する)としては下記のカチオン開始剤1〜5を用いた。
カチオン開始剤1:4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
カチオン開始剤2:4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)
カチオン開始剤3:4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)
カチオン開始剤4:4,4’−ビス(ジフェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート
カチオン開始剤5:4,4’−ビス[ビス(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルフォニオフェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート
(3)ラジカル重合性有機化合物(「ラジカル樹脂」と略記する)としては下記のラジカル樹脂1〜3を用いた。
ラジカル樹脂1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
ラジカル樹脂2:ビスフェノールAエポキシ樹脂のアクリル化物
ラジカル樹脂3:トリメチロールプロパントリアクリレート
(4)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤(「ラジカル開始剤」と略記する)としては下記のラジカル開始剤1〜2を用いた。
ラジカル開始剤1:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
ラジカル開始剤2:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン
【0086】
実験に使用したレーザーは以下の3種類である。
Nd−YVO:Nd−YVOレーザーに非線形結晶を組み合わせて1/3の波長に変換したレーザー。波長355nm、パルス発振(スペクトラフィジックス社製、商品名:BLIO−355Q)
He−cd:紫外線発振のHe−Cdレーザー。波長325nm(金門電気(株)製、商品名:IK3452R−F)
Ar−1:紫外線発振のArイオンレーザー。333、351、364nmの混合波(コヒーレント社製、商品名:INNOVA325。351nm波のエネルギー量割合は44%)
Ar−2:紫外線発振のArイオンレーザー。351nmを主とし、333nmを少量含む混合波(コヒーレント社製、商品名:INNOVA325/0165−148−00。351nm波のエネルギー量割合は76%)
【0087】
実施例1
表1に示した配合比で樹脂を充分混合して光学的立体造形用樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は淡黄色透明の液体である。得られた樹脂組成物を用い、表1に示したレーザーを用いて実験1〜3を行った。得られた結果を下記の表1に示す。
同様に実施例2〜6、比較例1〜5について行なった。得られた結果を下記の表1および表2に示す。
【0088】
【表1】
Figure 0004169397
【0089】
【表2】
Figure 0004169397
【0090】
各実施例および比較例の結果について要約する。
実施例1〜6では、いずれも問題なくモデルが得られ、精度も良好であった。これに対し、比較例1および2では、カチオン開始剤を本発明のもの以外に変更したところ、硬化性は問題無かったが、余剰硬化部が大きくなり、精度が低下した。また、比較例3では、本発明の開始剤を使用してHe−Cdレーザーで硬化したところ、硬化深度が浅くなり、層間が剥離しモデルができなかった。一方、比較例4では、比較例3で硬化深度が浅すぎたため、開始剤の量を減らした。その結果、モデルを作製することはできたが、モデルの強度が不足していた。また、比較例5では、本発明の開始剤を使用してArレーザーで硬化したところ、硬化性は問題無かったが、余剰硬化部が大きくなり、精度が低下した。
【0091】
【発明の効果】
本発明の効果は、上述の従来技術の欠点を解消し、酸素による硬化阻害が起こらず、硬化時の精度が良く、余剰硬化部も小さく、容易に所望の寸法の造形物を得ることができ、しかも照射エネルギーに対して高感度で、硬化深度が十分であり層剥離のない、光学的立体造形用樹脂組成物を用いた光学的立体造形方法を提供したことにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学的立体造形システムにおいて、未硬化樹脂層を形成する工程を示す説明図である。
【図2】光学的立体造形システムにおいて、第1硬化層を得る工程を示す説明図である。
【図3】光学的立体造形システムにおいて、第1硬化層上にさらに未硬化樹脂を形成する工程を示す説明図である。
【図4】光学的立体造形システムにおいて、第2硬化層を得る工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 制御部
2 NCテーブル
3 光学系
4 レーザー
5 樹脂
6 レーザー光線
7 第1硬化層
8 第2硬化層

Claims (4)

  1. 必須の構成成分として、
    (1)カチオン重合性有機化合物と、
    (2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤として下記式、
    Figure 0004169397
    (式中、Y、Yは同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、あるいは酸素原子、またはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、もしくは置換基がついていてもよいアルコキシ基、Arは1以上の水素原子が置換されていてもよいフェニル基、陰イオンAは[LXb−a(OH)で表わされ、ここで、Lはホウ素原子、リン原子、ヒ素原子およびアンチモン原子からなる群から選ばれ、Xはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選ばれ、またaは0か1、bは3から7までの整数で、Lの原子価をpとしたときb−p=1となる数である)で表わされる芳香族スルホニウム塩化合物と、
    を含有する光学的立体造形用樹脂組成物の任意の表面に、250〜400nmの波長間の光の総合計エネルギー量に対して345〜360nmの波長間の光の合計エネルギー量が70%以上である光を照射し、該樹脂組成物の光照射表面を硬化させて所望の厚さの硬化層を形成し、該硬化層上に前述の光学的立体造形用樹脂組成物をさらに供給して、これを同様に硬化させ前述の硬化層と連続した硬化物を得る積層操作を行ない、この操作を繰り返すことによって三次元の立体物を得ることを特徴とする光学的立体造形方法。
  2. 前記光学的立体造形用樹脂組成物が、必須の構成成分として更に、
    (3)ラジカル重合性有機化合物と、
    (4)エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤と
    を含有する請求項1に記載の光学的立体造形方法。
  3. 前記一般式(I)中のArが非置換フェニル基若しくは、1以上の水素原子がハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、置換基がついてもよいアルコキシ基、水酸基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基の1種以上で置換されているフェニル基である請求項1または2記載の光学的立体造形方法。
  4. 前記一般式(I)中の陰イオンAがSbF 、PF 、AsF 、BF 、SbCl 、SbF(OH)、PF(OH)、AsF(OH)、BF(OH)およびSbCl(OH)からなる群から選ばれるいずれかである請求項1〜3のうちいずれか一項記載の光学的立体造形方法。
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