JP2005036169A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
(a)エチレン系共重合体ゴム100重量部、(b)シングルサイト触媒により重合され、密度が0.85〜0.91g/cm3であるエチレン系樹脂10〜80重量部、(c)架橋剤2〜30重量部、(e)非芳香族系ゴム用軟化剤10〜300重量部、(f)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体、水添芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体、水添共役ジエン化合物重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つの重合体5〜100重量部を含有することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、これらの水素添加ブロック共重合体を用いた熱可塑性エラストマー組成物は、未だゴム的特性、例えば、耐油性、加熱加圧変形率(圧縮永久歪み)や高温時のゴム弾性に問題があり、この点を改良するものとして、上記ブロック共重合体の水素添加誘導体を含む組成物を架橋させて得られる架橋体が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
しかしながら、上記公報に開示されている水添ブロック共重合体の架橋組成物は、高温時、特に100℃以上における圧縮永久歪みが未だに不十分であり、機械強度が低下し易いという問題があり、従来加硫ゴム用途で要求されている性能レベルに到達していないのが現状である。また押出成形では高温時の溶融張力が低いために形状保持性が悪化し、射出成形では成形サイクル(成形時間)が長くなるなど、成形加工面の問題点も多い。
また、引っ張り時の靭性を改善するため、ゴム、熱可塑性ランダムエチレンコポリマーに対して半結晶性ポリプロピレンを必須成分とした熱可塑性加硫ゴム組成物が開示されているが、半結晶性ポリプロピレンを多量に含んでいるため柔軟性と耐ブリード性、高温の圧縮永久歪みのパランスが悪いという問題が生じていた。(特許文献13参照。)
しかしながら、上記公報に開示されているオレフィン樹脂系熱可塑性エラストマー組成物においては、高温の圧縮永久歪みを良くするためには高ムーニー粘度のゴムを使用する必要があり、その際には押出・射出成形性が劣るという問題が生じていた。また、EPDMと密度が0.910g/cm3を超えたLLDPEやシングルサイト触媒以外(マルチサイト触媒)で合成されたエチレン系樹脂の動的架橋処理エラストマー組成物は、80℃程度の低温で混練製造することができず、樹脂混練に対して架橋反応が先行してしまい、容易に均一な熱可塑性組成物が得られず、樹脂温度が高いことによる樹脂や軟化剤の劣化からブリードやブルームの問題が生じていた。また、相容性が非常に悪いことから折り曲げ白化性や耐屈曲疲労性、耐オイルブリード性に劣り、高温時、特に100℃以上における圧縮永久歪みが未だに不十分であり、機械強度が低下し易いという問題があり、従来加硫ゴム用途で要求されている性能レベルに到達していないのが現状である。
さらにまた、上記従来技術においては架橋促進剤の添加量は、架橋剤100重量部に対し50〜200重量部であり非常に多い添加量が開示されており、その際の短期および長期の高温における圧縮永久歪みは従来加硫ゴム用途で要求されている性能レベルに到達していないのが現状であった。
また、上記オレフィン系エラストマーは硬度が50〜90Aに限定され、特に柔軟性を要求される用途には使用できないという不都合があった。
そのうえ、オレフィン系エラストマーにゴム用軟化剤を添加し、柔軟性を得ようとする場合、成形品からの軟化剤のブリードが著しく、実用上問題があった。また、特に50A以下の柔軟性を示すものでは押出・射出成形性が悪く、実用的でなかった。
(a)エチレン系共重合体ゴム100重量部、
(b)シングルサイト触媒により重合され、密度が0.85〜0.91g/cm3であるエチレン系樹脂10〜80重量部、
(c)架橋剤2〜30重量部
(e)非芳香族系ゴム用軟化剤10〜300重量部
(f)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体、
水添芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体、
水添共役ジエン化合物重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つの重合体5〜100重量部、
を含有することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物が提供される。
(a)エチレン系共重合体ゴム
本発明の熱可塑性エラストマー組成物で用いるエチレン系共重合体ゴム(a)は、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等のα−オレフィンが共重合してなるエラストマーあるいはこれらと非共役ジエンとが共重合してなるエチレン系共重合体ゴムが挙げられる。
また、非共役ジエン含有量は、0.5〜8重量%が好ましく、さらに好ましくは4〜8重量%である。下限未満では架橋による圧縮永久歪みの発現が不十分である。
ここで、DSCによる融点は、示差走査熱量計(DSC)によって得られるピークトップ融点であり、具体的には、DSCを用い、サンプル量10mgを採り、190℃で5分間保持した後、−10℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、−10℃で5分間保持した後、10℃/分の昇温速度で200℃まで測定して求める値である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物で用いるシングルサイト触媒にて重合されたエチレン系樹脂(b)は、熱可塑性エラストマー組成物の高温での圧縮永久歪みを向上させると同時に製造性の向上、低温で溶融するため成形性に寄与する成分である。また、熱可塑性エラストマー組成物の低温での混練を可能とし、そのうえ成分(a)との相容性が極めて良いため得られる組成物からなる成形体の折り曲げ白化性や耐屈曲疲労性を良好にすることができる。
シングルサイト触媒にて重合されたエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(エチレンと少量の好ましくは1〜10モル%のブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などのα−オレフィンとのコポリマー)などのポリエチレン、エチレン−プロピレンコポリマーが挙げられるが、特に好ましいのはエチレン・オクテン−1共重合体、エチレン・ヘキセン−1共重合体である。
ここで、MFRは、JIS K 7210(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定する値である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物で用いる架橋剤(c)は、エチレン系共重合体ゴム(a)を架橋することができる架橋剤であれば、有機過酸化物、硫黄系架橋剤以外の架橋剤であれば、特に限定されず用いることができ、非硫黄系架橋剤としては、フェノール樹脂類、マレイミド類及び珪素含有架橋剤等が挙げられその中でもフェノール樹脂系架橋剤が好ましい。
(式中、各Rは、1乃至20の炭素原子を有するアルキル、4乃至12の炭素原子を有するシクロアルキル及びアリールから独立して選ばれ、mは1乃至約50の値を有する整数であり、nは1乃至約50の値を有する整数であり、pは、0乃至約6の値を有する整数である)により定義され得る。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物において成分(e)は、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性付与、成形加工性改良の目的で用いられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いる(f−1)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体、(f−2)水添芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体、(f−3)水添共役ジエン化合物重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つの重合体(f)は、(e)非芳香族系ゴム用軟化剤を保持し、柔軟性を調整するために用いられる。
本発明の成分(f−2−1)としては、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物50重量%以下とのランダム構造を主体とする共重合体であって、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。
また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれる。
芳香族ビニル化合物含有量は柔軟な樹脂組成物を得るという目的から25質量%以下の少ないものが好ましい。20質量%以下ならより好ましい。また同じ目的から共役ジエン化合物の炭素・炭素二重結合を水素添加により飽和させることも重要である。
(f−2−2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水添物としては、芳香族ビニル化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体または共役ジエンブロック共重合体の水素添加物を挙げることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いることのできる芳香族ビニル化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体成分は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られる重合体である。例えば、A−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体を水素添加して得られるものである。
この中でも、本願の特徴である柔軟性付与効果に優れ、オイルブリードが極めて少ない点で、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)が最も好ましい。
また、共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の重量平均分子量は、500,000以下であり、好ましくは200,000〜450,000である。重量平均分子量が500,000を超えると、押出・射出成形性が悪化し、重量平均分子量が200,000を下回ると、オイルブリードを生じ、圧縮永久歪みが悪化する。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物では架橋促進剤(d)を用いることができ、用いる場合は、成分(c)の架橋剤の機能をより効果的に向上させるために用いる。成分(c)として、フェノール樹脂架橋剤を用いる場合は、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二塩化スズ等が挙げられる。なお、酸化亜鉛を架橋触媒として用いる際には、分散剤として、ステアリン酸金属塩等を併用することができる。上記促進剤の中でも酸化亜鉛が特に好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要に応じて、ポリオレフィン系樹脂(g)を含有させることができる。成分(g)は、熱可塑性エラストマー組成物の硬度調節、成形性向上の目的で用いられる。
本発明で用いられる成分(g)は、結晶性のエチレンもしくはプロピレンの単独重合体またはこのエチレンもしくはプロピレンを主体とする結晶性の共重合体が挙げられる。例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・ブテン−1共重合体等の結晶性エチレン系重合体、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1三元共重合体等の結晶性プロピレン系重合体が挙げられる。そのなかでも、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要に応じて、有機過酸化物(h)を含有させることができる。成分(h)は、熱可塑性エラストマー組成物の圧縮永久歪みをさらに向上させる目的で用いられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、ステアリン酸、シリコーンオイル等の離型剤、ポリエチレンワックス等の滑剤、着色剤、顔料、無機充填剤(アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ウォラストナイト、クレー)、発泡剤(有機系、無機系)、難燃剤(水和金属化合物、赤燐、ポリりん酸アンモニウム、アンチモン、シリコーン)などを配合することができる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−p−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル、トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。このうちフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤が特に好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分(a)〜(f)、又は必要に応じて、その他の成分を加えて、各成分を同時にあるいは任意の順に加えて混合することにより製造することができる。
(1)比重:JIS K 7112に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを用いて測定を行なった。
(2)硬度:JIS K 7215に準拠し、試験片は6.3mm厚プレスシートを用い、デュロメータ硬さ・タイプAにて測定した。
(3)引張強さ、100%モジュラス、伸び:JIS K 6301に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分とした。
(4)圧縮永久歪み:JIS K 6262に準拠し、試験片は6.3mm厚さプレスシートを使用した。25%変形の条件にて、70℃×22時間で測定した。
(5)製造性・:容量3Lの加圧ニーダー型ミキサーにて製造し(設定温度は180℃で10〜30分混練)、次の基準で評価した。
○:熱可塑性の混練物が排出された。
×:排出されたものは熱可塑性ではない。
(6)押出成形性:40mm押出機で17mm径の丸棒を、130〜140℃で押出成形し、ドローダウン性、表面外観や形状を観察し、次の基準で評価した。
○:良い
△:表面外観や形状は良好だが僅かにドローダウンがある
×:悪い
(7)射出成形性:120t射出成形機で130mm×130mm×2mmのシートを130〜150℃で射出成形し、その外観を目視により観察し、フローマーク、ヒケ発生の有無を次の基準で評価した。
○:良い
△:ヒケも外観は良好だが僅かにフローマークがある
×:悪い
(8)折り曲げ白化性:2mm厚プレスシートを180度折り曲げクリップで固定し、1時間放置し、クリップをはずした際の状態を次の基準で評価した。
○:折り目に割れ、白化、しわがない
×:折り目に割れ、白化、しわがある
(9)耐屈曲疲労性:JIS K 6260に準拠し、試験片は2mm厚プレスシートを、幅25mm、長さ150mmに打抜いて使用した。往復運動におけるつかみ具間の最大距離は75mmで、最少距離は18mmとした。この往復運動を毎分300回の速さで1000000回行った後、試験片をはずした際の状態を目視で確認し、次の基準で評価した。
○:亀裂なし
×:亀裂あり
(10)耐オイルブリード性:180℃、予熱2分/加圧2分、圧力50kg/cm2の熱プレスで得られた130×160×2mm厚のシートをクラフト紙に挟んで、直径70mm円盤状の500gの重りをのせ、室温(23℃)で168時間放置後のクラフト紙の状態を目視で観察し、次の基準で評価した。
◎:クラフト紙にオイルブリードの痕跡が認められない
○:クラフト紙にかすかにオイルブリードの痕跡が認められる
△:クラフト紙面積の10%以上、30%未満にオイルブリードの痕跡が認められる
×:クラフト紙面積の30%以上にオイルブリードの痕跡が認められる
(12)オイル吸収性:3L加圧ニーダーにて混練時に、非芳香族系ゴム用軟化剤を完全に吸収し液状分がなくなるまでの時間を目視にて判断し、次の基準で評価した。
○:5分以内に吸収する
×:5分以上混練しても吸収しきらない
成分(a):Nordel IP 4760P 比重:0.86 ムーニー粘度ML1+4(125℃):70(ASTM D−1646)、重量平均分子量:210,000 エチレン:67% ENB:4.9%、融点5℃
成分(b):PE、Engage EG8402(Dupont Dow Elastomers社製) 比重:0.902 硬さ:94(ShoreA)ムーニー粘度ML1+4(121℃):5以下 重量平均分子量:100,000、融点98℃、MFR 30dg/分(190℃、2.16Kg荷重)ASTM D−1238
比較成分(b−2)マルチサイト触媒で重合されたポリエチレン(PE):ナックフレックスDFDA−1137(日本ユニカー(株)製)密度:0.907g/cm3、
比較成分(b−3)密度上限超のシングルサイト触媒で重合されたポリエチレン:製品名NOVATEC HJ490(日本ポリケム社製) 密度:0.958g/cm3、硬さ:70(ShoreD)、MFR(190℃、21.18N荷重):20dg/分、Tm:133℃、
成分(c):フェノール樹脂:Tackirol201(田岡化学(株)製)
成分(d):酸化亜鉛:亜鉛華2種(堺化学(株)製)
成分(e)非芳香族系ゴム用軟化剤:パラフィンオイル:PW−90(出光興産(株)製) 平均分子量746
成分(f−1−1)SBR:JSR SL552 スチレン24%、ムーニー粘度ML1+4(100℃)55、ビニル結合量39%、比重0.94
成分(f−1−2)SBS:VECTOR 2518、DEXCO POLYMERS
成分(f−2−2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水添物:セプトン4077(商標;クラレ株式会社製)、スチレン含有量30重量%、数平均分子量260,000、重量平均分子量320,000、分子量分布1.23、水素添加率90%以上
成分(f−2−2)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の水添物:セプトン4033(SEPS)(商標;クラレ株式会社製)、スチレン含有量30重量%、数平均分子量130,000、重量平均分子量100,000、分子量分布1.30、水素添加率90%以上
成分(f)CEBC:JSR DYNARON HSB1729
比重0.88、硬さ73A、ガラス転移点−50℃(ASTM D3418)、MFR0.5g/10分(230℃、98N、ASTM D1238)
成分(g)ポリオレフィン系樹脂:HF461X(旧製品名PA189V):ポリプロピレン、PolyMirae Company Ltd.(Montell社とDAELIM社の合弁会社)製、 MFR(230℃、21.18N荷重):800dg/分
成分(h)有機過酸化物:パーヘキサ25B(2,5−ジメチル2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン;日本油脂株式会社製)
表1に示す成分比で各成分を、容量3Lの加圧ニーダータイプのミキサーに投入して、混練温度180℃、混練時間10〜30分で溶融混練をして、ペレット化した。次に、得られたペレットを射出成形、及びプレス成形して試験片を作成し、夫々の試験に供した。評価結果を表1に示す。
一方、比較例1及び2は、成分(b)の配合量を本発明の範囲外としたものである。
成分(b)が下限未満では、圧縮永久歪み、成形性が著しく低下する。また、上限値を超えると圧縮永久歪みが低下する。
比較例3及び4は、成分(c)の配合量を本発明の範囲外としたものである。下限値未満では、熱可塑性エラストマー組成物の圧縮永久歪みが悪化する。上限値を超えると、熱可塑性エラストマー組成物の流動性が著しく減少し、製造・成形が困難となる。また、圧縮永久歪みも悪化する。
比較例5及び6は、成分(e)の配合量を本発明の範囲外としたものである。下限値を下回ると充分な柔軟性を得られない。上限値を超えると得られる組成物の圧縮永久歪みが低下する。
比較例7及び8は、成分(f)の配合量を本発明の範囲外としたものである。下限未満であるとオイルブリードが生ずる場合があるため、オイルブリードを特に重視しない用途に使用される。また、上限を超えると、圧縮永久歪みが低下する。
比較例9は、成分(f)の代わりにアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)としたものである。
得られた組成物は、機械強度、折り曲げ白化、屈曲疲労に劣るうえ、オイル吸収性、耐オイルブリード性に劣るものであった。
比較例10は、成分(f)の代わりにイソプレンゴム(IR)としたものである。
得られた組成物は、オイル吸収性、耐オイルブリード性に劣るものであった。
比較例11は、成分(b)の代わりにマルチサイト系触媒で合成されたポリエチレンとしたものである。
得られた組成物は、折り曲げ白化性、耐屈曲疲労性、耐オイルブリード性に劣るものであった。
比較例12は、成分(b)の代わりに成分(b)の密度上限を超えたシングルサイト系触媒で合成されたポリエチレンとしたものである。
得られた組成物は、柔軟性、圧縮永久歪みが低下し、同時に折り曲げ白化性、耐屈曲疲労性、耐オイルブリード性にも劣るものであった。
Claims (9)
- (a)エチレン系共重合体ゴム100重量部、
(b)シングルサイト触媒により重合され、密度が0.85〜0.91g/cm3であるエチレン系樹脂10〜80重量部、
(c)架橋剤2〜30重量部
(e)非芳香族系ゴ厶用軟化剤10〜300重量部
(f)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体、
水添芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体、
水添共役ジエン化合物重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つの重合体5〜100重量部、
を含有することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。 - さらに(d)架橋促進剤0.01〜0.5重量部、
を含む、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - (a)エチレン系共重合体ゴムのムーニー粘度が10〜180(ML1+4、125℃)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (c)架橋剤がフェノール樹脂、臭化フェノール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つの架橋剤であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (c)架橋剤がアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (d)架橋促進剤が、酸化亜鉛、酸化マグネシウム及び二塩化スズからなる群から選ばれる少なくとも一つの架橋促進剤であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (d)架橋促進剤が、酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (h)有機過酸化物を、成分(a)100重量部に対して、0.01〜0.5重量部含有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物から成形されたことを特徴とする成形体。
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