JP2005032996A - サーミスタ素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗値バラツキが小さく、かつ高温高湿使用下の抵抗変化率も小さくすることが可能となるサーミスタ素子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】積層型サーミスタの製造方法において、Mn,Niを主成分とし、少なくともAlを含有するサーミスタ素子の出発化合物で、Mn化合物の比表面積が5〜30m/g、Ni化合物の比表面積が3〜15m/g、Al化合物の比表面積が5〜35m/gであり、かつMnとNiの原子比が80/20〜50/50の範囲である出発原料を混合した混合物を焼成し、仮焼粉を得る工程を備える。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーミスタ素子の製造方法であり、特にチップ型負特性サーミスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、高温高湿の厳しい環境下において、電気的特性が劣化せずに信頼性の高い負特性サーミスタを得るための種々の方法が提案されている。
【0003】
例えば、下記に示す特許文献1には、Mn15〜60モル%、Co0.01〜85モル%、Ni0.01〜85モル%で、その合計が100モル%からなる酸化物に、酸化ジルコニウム0.01〜10重量%、及び酸化アルミニウム0.01〜30重量%を添加したサーミスタ用組成物が用いられている。
【0004】
上述の特許文献1に記載された従来技術は、高温高湿使用下の抵抗変化率が小さい信頼性の高いMn−Co−Ni系酸化物からなるサーミスタ用組成物を提供することを目的としている。この目的のため、この従来技術では、Mn−Co−Ni系酸化物を主成分とする組成物に酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムを適正量添加することにより、高温高湿使用下における25℃での抵抗変化率(ΔR25)が5%以下となる電気的特性が得られる。
【0005】
【特許文献1】
特開平05−82311号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術には、以下のように、解決されるべき課題がある。
【0007】
すなわち、特許文献1に記載の技術では、酸化アルミニウムを比較的に多く添加した場合のMn−Co−Ni系酸化物を焼成すると、焼結性が悪くなるため、焼成温度を1400℃程度まで上げる必要がある。また、前述のMn−Co−Ni系酸化物では、固溶していない不安定なアルミニウムも多く存在するようになるため、電気的特性などの特性バラツキが生じる恐れがある。
【0008】
そこで、この発明の目的は、上述のような課題を解決し得る、さらに抵抗値バラツキが小さく、かつ高温高湿使用下の抵抗変化率もさらに小さくすることが可能となるサーミスタ素子の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を解決するため、この発明に係るサーミスタ素子の製造方法は、Mn,Niを主成分とし、副成分のAlを含有するサーミスタ素子の出発原料を混合し、得られた混合物を粉砕する混合粉砕工程を含むサーミスタ素子の製造方法であって、前記Mnを含有する化合物の比表面積が5〜30m/g、前記Niを含有する化合物の比表面積が3〜15m/g、前記Alを含有する化合物の比表面積が5〜35m/gで、前記Al化合物の比表面積が前記Mn化合物の比表面積と比べて同等以上であり、かつ、MnとNiの原子比が80/20〜50/50の範囲である、ことを特徴とする。
【0010】
すなわち、サーミスタ素子において、Mn−Ni−Al系で抵抗値バラツキが小さく、かつ高温高湿使用下の抵抗変化率も小さくすることが可能なサーミスタ素子を得るためには、Mn,Niを主成分とし、少なくともAlを含有するサーミスタ素子の出発原料は、Mn化合物の比表面積が5〜30m/g、Ni化合物の比表面積が3〜15m/g、Al化合物の比表面積が5〜35m/gで、Al化合物の比表面積がMn化合物の比表面積と比べて同等以上であり、かつMnとNiの原子比が80/20〜50/50の範囲であるものを用いた仮焼粉を積層体に使用して、所定の条件で焼成することにより達成される。
【0011】
また、この発明に係るサーミスタ素子の製造方法は、上記混合粉砕工程を経て得られた材料を焼成し、仮焼粉を得る工程と、この仮焼粉を用いて混合粉砕・成形してグリーンシートを得る工程と、このグリーンシートおよびこのグリーンシ−ト上に内部電極を形成した内部電極付きグリーンシートを積み重ねて圧着し、積層体を得る工程と、この積層体を焼成し、所定のサイズにカットして焼結体を得る工程と、この焼結体に外部電極を塗布・焼き付けし、外部電極付き焼結体を得る工程と、を含むのが好ましい。
【0012】
また、この発明に係るサーミスタ素子の製造方法は、この混合粉砕工程を経て得られた材料を焼成し、仮焼粉を得る工程と、この仮焼粉を用いて圧粉成型体を得る工程と、この圧粉成形体を焼成し、焼結体を得る工程と、この焼結体に外部電極を塗布・焼き付けし、外部電極付き焼結体を得る工程と、を含むのが好ましい。
【0013】
以下にその作用について記述する。
通常、Mn−Ni−Al系のサーミスタ素子では、スピネルの本体であるMnにNi,Alが固溶する形で取り込まれる。ここで、酸化物中のMnに対して酸化物中のAlの比表面積が小さい場合では、MnとAlの接触面積が小さくなり、部分的にMnにAlが接触している状態となる。このため、スピネルのMn中にAlが固溶する量は接触部で多く、非接触部で少なくなり、MnスピネルへのAl固溶量にばらつきが生じる。このために、抵抗値バラツキが大きい不安定なサーミスタ素子が得られる。
【0014】
しかしながら、今回のように、酸化物中のMnに対して酸化物中のAlの比表面積が同等もしくは大きい場合では、MnとAlの接触面積が大きくなると、全体的にMnにAlが接触している状態となる。このため、スピネルのMn中にAlが固溶する量のばらつきが抑えられ、MnスピネルへのAl固溶量も増加する。このために、抵抗値バラツキが安定するとともに信頼性の良好なサーミスタ素子が得られる。
【0015】
また、Mn−Ni−Al系のサーミスタ素子では、NiがスピネルのMn中に完全に固溶されない場合にはNiOの岩塩相が形成されて析出するが、今回のように、酸化物中のNiの比表面積を大きくすることにより、前述の岩塩相の偏析を細かく分散させることが可能となる。したがって、抵抗値バラツキが小さく安定したサーミスタ素子が得られる。
【0016】
また、Mn/Ni比において、Ni比率が50%を越えると、前述の岩塩相が非常に多く存在するため、サーミスタ素子のセラミック結晶中に内部応力が増大し、セラミックにクラックが発生する。一方、Ni比率が20%未満の場合では、安定した電気的信頼性が得られない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るサーミスタ素子の製造方法の一実施例について詳細に説明する。
【0018】
【実施例1】
(試料番号1〜17)
ここでは、組成比がモル換算でMn:Ni:Al=50:40:10(%)、かつ、MnとNiの原子比がMn/(Mn+Ni):Ni/(Mn+Ni)=56:44(%)であるMn−Ni−Al系サーミスタにおいて、原料化合物粉末の比表面積を可変させた場合について、各種抵抗特性を評価した。なお、本実施例で用いた試料のMnとNiの比率は、後述のように本発明の範囲内である。
【0019】
はじめに、サーミスタ素子材料のための原料化合物粉末として、Mn(比表面積:3.5〜35m/g)、NiO(比表面積:2.5〜18m/g)、Al(比表面積:3.5〜40m/g)の各粉末を準備し、これらの粉末を表1に示すように調合した。次に、この調合された原料化合物粉末を、ボールミルを用いて、粉砕時間40〜60時間の範囲で湿式混合し、粉砕度の異なるスラリーを作製した。
【0020】
なお、粉砕にはφ2.0mmのPSZを使用した。また、このスラリーに含まれる原料化合物の混合物について、その粉砕後粒径はレーザ散乱回折式粒度分布測定装置を用いて確認し、その分散性は波長分散型X線分析装置(WDX)を用いて確認した。
【0021】
次いで、このスラリーを脱水および乾燥し、900℃の温度で2時間仮焼し、仮焼粉末を得た。
【0022】
次に、この仮焼粉末100重量%に対して、有機バインダーとしてポリビニルアルコールを10重量%、可塑剤としてグリセリンを0.5重量%、ポリビニル系の分散材を1重量%を加え、ボールミルを用いて30時間湿式混合することにより、スラリーを作製した。
【0023】
次に、このスラリーをドクターブレード法によりシート成形を行い、厚み40〜50μmのセラミックグリーンシート(以下、単に「セラミックシート」とする)を作製した。次に、所定のサイズに打ち抜いたこのセラミックシート上に、スクリーン印刷により、内部電極用のAg/Pd電極を形成した。
【0024】
次に、セラミックシート及び内部電極用のAg/Pd電極が形成されたセラミックシートを総厚が約1mmになるように所定枚数積み重ね、厚み方向に196MPaの圧力でプレス圧着して、成形体を作製した。次に、この成形体を焼き上げ後に所定のチップサイズになるようにカットした。そしてその後、このチップサイズの成形体をアルミナ製の匣(さや)に収容し、脱脂処理を行った後、1220℃〜1250℃で2時間焼成し、チップサイズの焼結体を作製した。
【0025】
次いで、この焼結体にバレル処理を施して面取りを行なった後、この焼結体に外部電極用のAg/Pd電極を塗布し、850℃の温度で30分間焼き付けて、所望形状のサーミスタ素子の試験片を得た。
【0026】
次に、各試験片について、抵抗変化率(ΔR)と25℃での抵抗値バラツキ(R25CV))をそれぞれ以下のように求めた。
【0027】
抵抗変化率(ΔR)は、以下のように測定した。まず、各試験片を温度25℃で抵抗値を測定した。次いで、抵抗値を測定した各試験片を−55℃から125℃の温度幅を一定サイクルによって上下させる熱衝撃試験槽に入れ、100サイクル経過した後に取り出して、各試験片の抵抗値を温度25℃で再測定した。そして、熱衝撃試験槽に入れる前後での抵抗値の変化率を求め、抵抗変化率(ΔR)とした。単位は%である。
【0028】
25℃での抵抗値バラツキ(R25CV))は、各試験片を50個、温度25℃で抵抗値を測定し、その平均値及び標準偏差から変動係数CV(=標準偏差÷平均値×100)を求め抵抗値バラツキとした。単位は%である。
【0029】
表1には、試料番号1〜17についての評価結果、すなわち抵抗変化率(ΔR)と25℃での抵抗値バラツキ(R25CV))の結果を示す。ここで、抵抗変化率(ΔR)≦1%、かつ、25℃での抵抗値バラツキ(R25CV))≦2%であるものを特性が良好であると判断し、本発明の範囲内とした。なお、*印を付したものは本発明の範囲外のものであり、その他は本発明の範囲内のものである。
【0030】
【表1】
Figure 2005032996
【0031】
表1からも明らかなように、本発明の範囲内では、抵抗値バラツキの小さく、熱衝撃における抵抗変化率も小さい高信頼性の優れたサーミスタ素子が得られる。
【0032】
ここで、表1を参照しながら、本発明に係る請求項1のサーミスタ素子の製造方法において、原料化合物粉末の「比表面積」に関する数値限定の理由を以下に説明する。
【0033】
まず、原料化合物粉末であるMn化合物(Mn)の比表面積の範囲は5〜30m/gに限定した。すなわち、試料番号2〜4ように5〜30m/gの範囲である場合には、ΔR≦1%で、かつ、R25CV≦2%となり、良好な抵抗特性を示す。これに対して、試料番号1のように、5m/g未満の場合では、ΔR>1%で、かつ、R25CV>2%となり、抵抗特性が大幅に低下する。また、試料番号5のように、30m/gより大きい場合では、仮焼粉末を作製する際に使用される原料化合物粉末の調合物を含むスラリーの粘度が非常に大きくなるため、評価が不可能である。したがって、いずれの場合も本発明の目的を達成することができない。
【0034】
また、原料化合物粉末であるNi化合物(NiO)の比表面積の範囲は3〜15m/gに限定した。すなわち、試料番号7〜11ように3〜15m/gの範囲である場合には、ΔR≦1%で、かつ、R25CV≦2%となり、良好な抵抗特性を示す。これに対して、試料番号6のように、3m/g未満の場合では、ΔR>1%で、かつ、R25CV>2%となり、抵抗特性が大幅に低下する。また、試料番号12のように、15m/gより大きい場合では、仮焼粉末を作製する際に使用される原料化合物粉末の調合物を含むスラリーの粘度が非常に大きくなるため、評価が不可能である。したがって、いずれの場合も本発明の目的を達成することができない。
【0035】
そして、原料化合物粉末であるAl化合物(Al)の比表面積の範囲は5〜35m/gに限定した。すなわち、試料番号14〜16ように5〜35m/gの範囲である場合には、ΔR≦1%で、かつ、R25CV≦2%となり、良好な抵抗特性を示す。これに対して、試料番号13のように、5m/g未満の場合では、ΔR>1%で、かつ、R25CV>2%となり、抵抗特性が大幅に低下する。また、試料番号17のように、35m/gより大きい場合では、仮焼粉末を作製する際に使用される原料化合物粉末の調合物を含むスラリーの粘度が非常に大きくなるため、評価が不可能である。したがって、いずれの場合も本発明の目的を達成することができない。
【0036】
【実施例2】
(試料番号21〜41)
ここでは、組成比がモル換算でMn:Ni:Al=74:18:8(%)、かつ、MnとNiの原子比がMn/(Mn+Ni):Ni/(Mn+Ni)=80:20(%)であるMn−Ni−Al系サーミスタにおいて、原料化合物粉末の比表面積を可変させた場合について、各種抵抗特性を評価した。なお、本実施例で用いた試料のMnとNiの比率は、後述のように本発明の範囲内である。
【0037】
サーミスタ素子材料のための原料化合物粉末として、Mn(比表面積:3.5〜35m/g)、NiO(比表面積:2.5〜18m/g)、Al(比表面積:3.5〜40m/g)の各粉末を準備し、これらの粉末を表2に示すように調合した以外の点については、実施例1の場合と同様にして、各試料に係るサーミスタ素子の試験片を作製し、同様の評価を行なった。
【0038】
表2には、試料番号21〜41についての評価結果、すなわち抵抗変化率(ΔR)と25℃での抵抗値バラツキ(R25CV))の結果を示す。実施例1と同様に、抵抗変化率(ΔR)≦1%、かつ、25℃での抵抗値バラツキ(R25CV))≦2%であるものを特性が良好であると判断し、本発明の範囲内とした。なお、*印を付したものは本発明の範囲外のものであり、その他は本発明の範囲内のものである。
【0039】
【表2】
Figure 2005032996
【0040】
表2からも明らかなように、実施例1と同様に、本発明の範囲内では、抵抗値バラツキの小さく、熱衝撃における抵抗変化率も小さい高信頼性の優れたサーミスタ素子が得られる。
【0041】
【実施例3】
(試料番号51〜59)
ここでは、Mn−Ni−Al系サーミスタにおいて、MnとNiの原子比(%)を可変させた場合について、各種抵抗特性を評価した。なお、原料化合物粉末の比表面積は、前述のように本発明の範囲内である。
【0042】
サーミスタ素子材料のための原料化合物粉末として、Mn(比表面積:10m/g)、NiO(比表面積:7.5m/g)、Al(比表面積:25.0m/g)の各粉末を準備し、これらの粉末を表3に示すように調合した以外の点については、実施例1の場合と同様にして、各試料に係るサーミスタ素子の試験片を作製し、同様の評価を行なった。
【0043】
表3には、試料番号51〜59についての評価結果、すなわち抵抗変化率(ΔR)と25℃での抵抗値バラツキ(R25CV))の結果を示す。実施例1と同様に、抵抗変化率(ΔR)≦1%、かつ、25℃での抵抗値バラツキ(R25CV))≦2%であるものを特性が良好であると判断し、本発明の範囲内とした。なお、*印を付したものは本発明の範囲外のものであり、その他は本発明の範囲内のものである。
【0044】
【表3】
Figure 2005032996
【0045】
表3からも明らかなように、本発明の範囲内では、抵抗値バラツキの小さく、熱衝撃における抵抗変化率も小さい高信頼性の優れたサーミスタ素子が得られる。
【0046】
ここで、表3を参照しながら、本発明に係る請求項1のサーミスタ素子の製造方法において、原料化合物粉末の「MnとNiの原子比」に関する数値限定の理由を以下に説明する。
【0047】
原料化合物粉末の「MnとNiの原子比」の範囲は、80/20(%)〜50/50(%)に限定した。すなわち、試料番号52〜58のように、80/20(%)〜50/50(%)の範囲である場合には、ΔR≦1%で、かつ、R25CV≦2%となり、良好な抵抗特性を示す。これに対して、試料番号51のように、50/50(%)未満の場合では、ΔR>1%で、かつ、R25CV>2%となり、抵抗特性が大幅に低下する。また、試料番号59のように、80/20(%)より大きい場合では、ΔR>1%で、かつ、R25CV>2%となり、抵抗特性が大幅に低下する。したがって、いずれの場合も本発明の目的を達成することができない。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されるもので、以下に記載するような効果を奏するものである。
【0049】
すなわち、本発明によれば、Mn,Niを主成分とし、少なくともAlを含有するサーミスタ素子の出発原料で、Mn化合物の比表面積が5〜30m/g、Ni化合物の比表面積が3〜15m/g、Al化合物の比表面積が5〜35m/gであり、かつMnとNiの原子比が80/20〜50/50の範囲である出発原料を混合する混合物を用いて仮焼粉末を用いているので、特性に悪影響を及ぼす岩塩相の偏析を細かく分散させることが可能となる。したがって、抵抗値の変化率が小さくでき、安定したサーミスタ素子を得ることができる。

Claims (3)

  1. Mn,Niを主成分とし、副成分のAlを含有するサーミスタ素子の出発化合物を混合し、得られた混合物を粉砕する混合粉砕工程を含むサーミスタ素子の製造方法であって、
    前記Mnを含有する化合物の比表面積が5〜30m/g、前記Niを含有する化合物の比表面積が3〜15m/g、前記Alを含有する化合物の比表面積が5〜35m/gで、前記Al化合物の比表面積が前記Mn化合物の比表面積と比べて同等以上であり、かつ、
    MnとNiの原子比が80/20〜50/50の範囲である、ことを特徴とするサーミスタ素子の製造方法。
  2. 前記混合粉砕工程を経て得られた材料を焼成し、仮焼粉を得る工程と、前記仮焼粉を用いて混合粉砕・成形してグリーンシートを得る工程と、前記グリーンシートおよび前記グリーンシ−ト上に内部電極を形成した内部電極付きグリーンシートを積み重ねて圧着し、積層体を得る工程と、前記積層体を焼成し、所定のサイズにカットして焼結体を得る工程と、前記焼結体に外部電極を塗布・焼き付けし、外部電極付き焼結体を得る工程と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のサーミスタ素子の製造方法。
  3. 前記混合粉砕工程を経て得られた材料を焼成し、仮焼粉を得る工程と、前記仮焼粉を用いて圧粉成型体を得る工程と、前記圧粉成形体を焼成し、焼結体を得る工程と、前記焼結体に外部電極を塗布・焼き付けし、外部電極付き焼結体を得る工程と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のサーミスタ素子の製造方法。
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