JP2005032878A - 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ - Google Patents

磁気抵抗効果素子および磁気メモリ Download PDF

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Abstract

【課題】熱安定性に優れ、磁化自由層のスピンモーメントのスイッチングを繰り返しても安定した磁化固着層の磁区を維持することを可能にする。
【解決手段】スピンモーメントが膜面に垂直な方向に向いてスピンモーメントの方向が固定された磁性層を有する磁化固着層4と、スピンモーメントが膜面に垂直な方向に向く磁気記録層8と、磁化固着層と磁気記録層との間に設けられる非磁性層6と、磁化固着層の少なくとも側面に設けられた反強磁性膜9と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗効果素子および磁気メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁性体膜を用いた磁気抵抗効果素子は、磁気ヘッド、磁気センサなどに用いられているとともに、固体磁気メモリに用いることが提案されている。特に、高速読み書き、大容量、低消費電力動作が可能な次世代の固体不揮発メモリとして、強磁性体の磁気抵抗効果を利用した磁気ランダムアクセスメモリ(以下、MRAM(Magnetic Random Access Memory)とも云う)への関心が高まっている。
【0003】
近年、2つの磁性金属層の間に1層の誘電体を挿入したサンドイッチ構造を有し、膜面に対して垂直に電流を流し、トンネル電流を利用した磁気抵抗効果素子として、いわゆる「強磁性トンネル接合素子(以下、TMR(Tunneling Magneto−Resistance effect)素子とも云う)」が提案されている。強磁性トンネル接合素子においては、20%以上の磁気抵抗変化率が得られるようになったことから、MRAMへの民生化応用の可能性が高まってきた。
【0004】
この強磁性トンネル接合素子は、強磁性電極上に0.6nm〜2.0nm厚の薄いAl(アルミニウム)層を成膜した後、その表面を酸素グロー放電または酸素ガスに曝すことによって、Alからなるトンネルバリア層を形成することにより、実現できる。
【0005】
また、この強磁性1重トンネル接合を構成する一方の強磁性層に反強磁性層を付与し、この一方の強磁性層を磁化固着層とした構造を有する強磁性1重トンネル接合が提案されている。
【0006】
また、誘電体中に分散した磁性粒子を介した強磁性トンネル接合や、強磁性2重トンネル接合(連続膜)も提案されている。
【0007】
これらの強磁性トンネル接合素子においても、20%〜50%の磁気抵抗変化率が得られるようになったこと、及び、所望の出力電圧値を得るため強磁性トンネル接合素子に印加する電圧値を増やしても磁気抵抗変化率の減少が抑えられることから、MRAMへの応用の可能性がある。
【0008】
MRAMにTMR素子を用いる場合、トンネルバリア層を挟む二つの強磁性層のうち、一方が磁化の向きが変化しないように固定した磁化固着層を磁化基準層とし、もう一方が磁化の向きが反転し易いようにした磁化自由層を記憶層とする。基準層と記憶層の磁化の向きが平行な状態と反平行な状態を2進情報の “0”と“1”に対応付けることで情報を記憶することができる。
【0009】
記録情報の書き込みは、TMR素子近傍に設けられた書き込み配線に電流を流して発生する誘導磁場により記憶層の磁化の向きを反転させることにより行う。また、記録情報の読み出しは、TMR効果による抵抗変化分を検出することにより行う。
【0010】
これら強磁性1重トンネル接合あるいは強磁性2重トンネル接合を用いた磁気記録素子は、不揮発性で、書き込み読み出し時間も10ナノ秒以下と速く、書き換え回数も1015以上というポテンシャルを有する。特に、強磁性2重トンネル接合を用いた磁気記録素子は、上述したように、所望の出力電圧値を得るため強磁性トンネル接合素子に印加する電圧値を増やしても磁気抵抗変化率の減少が抑えられるため、大きな出力電圧が得られ、磁気記録素子として好ましい特性を示す。
【0011】
しかし、メモリのセルサイズに関しては、セルが1個のトランジスタと1個のTMR素子から構成されるアーキテクチャを用いた場合、半導体のDRAM(Dynamic Random Access Memory)以下にサイズを小さくできないという問題がある。
【0012】
この問題を解決するために、ビット線とワード線との間にTMR素子とダイオードを直列接続したダイオード型アーキテクチャや、ビット線とワード線の間にTMR素子を配置した単純マトリックス型アーキテクチャが提案されている。
【0013】
しかし、デザインルールを0.18μm以下にした場合、磁性体が熱擾乱の影響により熱安定性が保てず不揮発性を保てないという問題が存在する。また、デザインルールが0.18μm以上のTMR素子でも何回か磁化自由層の磁化のスイッチングを繰り返すうちに磁化自由層が多磁区化し、多磁区化したビットは極めて熱安定性が悪いという問題があった。
【0014】
これらの問題を解決するために、磁化自由層を多層化した磁気抵抗効果素子や、磁気抵抗効果素子の磁性体に垂直磁化材料を用いることなどが提案されている。
【0015】
磁化自由層を多層化した磁気抵抗効果素子(例えば、特許文献1参照)を用いれば、デザインルールが0.09μm程度までは、磁化自由層の熱安定性が保たれるが、それ以下に微細化した場合に、やはり熱擾乱の問題が顕在化する。
【0016】
また、垂直磁化材料を用いれば(例えば、特許文献2参照)、垂直磁化の方向に磁化自由層および磁化固着層の体積を大きくすることができるため、熱安定性や熱擾乱の問題が解決することが可能となるので、更なる微細化に対応できる。
【0017】
【特許文献1】
米国特許第5953248号明細書
【特許文献2】
特開平11−213650号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、磁性体に垂直磁化材料を用いた場合、良好な反強磁性層/強磁性層結合を示す素子が今までに存在していないという問題がある。
【0019】
磁性体に水平磁化材料を用いた場合は、良好な反強磁性層/強磁性層結合を示すTMR素子は知られている。例えば、下地電極、反強磁性層、強磁性層を有する磁化固着層、トンネルバリア層、磁化自由層、およびキャップ層を有し、磁化固着層と磁化自由層の磁化が面内方向に磁化されるTMR素子においては、強磁性層を有する磁化固着層と反強磁性層の積層構造が用いられているため、良好な反強磁性層/強磁性層結合を示す。
【0020】
しかしながら、この強磁性層を有する磁化固着層と反強磁性層の積層構造を、特許文献2に示した垂直磁化が可能な材料で形成されるTMR素子に対して単に適用しても、反強磁性層と強磁性層の好ましい交換結合を得ることができない。
【0021】
このため、たとえ磁化固着層の磁性材料としてCo−Cr−Pt合金などの高保磁力の垂直磁化材料を用いても、何回か磁化自由層の磁化のスイッチングを繰り返すうちに磁化自由層の漏れ磁界およびOrange Peal結合の影響で磁化固着層の磁化がばらばらになって多磁区化し、磁気抵抗変化率が減少してしまう。
【0022】
以上説明したように、微細化しても熱安定性にすぐれ何回スイッチングしても安定した磁区を維持できる磁気抵抗効果素子を実現することが必要とされる。
【0023】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、微細化しても熱安定性にすぐれ、磁化自由層の磁化のスイッチングを繰り返しても磁化固着層の安定した磁区を維持できる磁気抵抗効果素子およびこの磁気抵抗効果素子を記憶セルとして有する磁気メモリを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様による磁気抵抗効果素子は、スピンモーメントが膜面に垂直な方向に向いて前記スピンモーメントの方向が固定された磁性膜を有する磁化固着層と、スピンモーメントが膜面に垂直な方向に向く磁気記録層と、前記磁化固着層と前記磁気記録層との間に設けられる非磁性層と、前記磁化固着層の少なくとも側面に設けられた反強磁性膜と、を備えたことを特徴とする。
【0025】
なお、前記非磁性層はトンネルバリア層であることが好ましい。
【0026】
なお、前記磁化固着層は、前記磁性膜の前記非磁性層とは反対側の面に接するように設けられた非磁性導電体層を備えていても良い。
【0027】
なお、前記磁化固着層は、前記非磁性導電体層の前記磁性膜とは反対側の面に設けられたバイアス印加磁性層を備えていても良い。
【0028】
なお、前記反強磁性膜は、前記非磁性層とは反対側の前記磁化固着層の面に形成されていても良い。
【0029】
なお、前記磁化固着層の磁性膜は、Co、Fe、Niまたはそれらの合金、Co−Cr−Pt−Ta、Co−Cr−Nb−Pt、Co−Cr−Pt、Co−Cr−Pt/Ti、Co−Pt−Cr−O、Co−Cr−Pt−SiO、Co−Cr−Pt−B、Co−Cr−Ta/Co−Zr−Nb/Co−Sm、Co−Cr−Ta/Ptの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co−B/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Fe−Pt、Tb−Fe−Co、およびPr−Tb−Coのいずれからなっていても良い。
【0030】
なお、前記磁気記録層は、Co−Cr−Pt−Ta、Co−Cr−Nb−Pt、Co−Cr−Pt、Co−Cr−Pt/Ti、Co−Pt−Cr−O、Co−Cr−Pt−SiO、Co−Cr−Pt−B、Co−Cr−Ta/Co−Zr−Nb/Co−Sm、Co−Cr−Ta/Ptの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co−B/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Fe−Pt、Tb−Fe−Co、Pr−Tb−Coのいずれかからなっていても良い。
【0031】
また、本発明の第2の態様による磁気メモリは、上記記載の磁気抵抗効果素子をメモリセルの記憶素子として備えていることを特徴とする。
【0032】
また、本発明の第3の態様による磁気メモリは、第1の配線と、前記第1の配線と交差する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線の交差領域に設けられ一端が前記第1の配線と電気的に接続される上記記載の磁気抵抗効果素子と、を備えていることを特徴とする。
【0033】
なお、前記第2の配線は、前記磁気記録層に記録される情報を書き込む電流パルスを印加するための書き込み配線であっても良い。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0035】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を図1に示す。この実施形態による磁気抵抗効果素子2はTMR素子であって、スピンモーメントが垂直方向を向いた磁気固着層(以下、ピン層とも云う)4と、スピンモーメントが垂直方向を向いた、磁気記録層となる磁化自由層(以下、フリー層とも云う)8と、磁気固着層4と磁化自由層8との間に設けられるトンネルバリア層6と、磁化固着層4の側面および磁化固着層4のトンネルバリア層6とは反対側の面を覆う反強磁性膜9とを備えている。
【0036】
このように、本実施形態による磁気抵抗効果素子においては、磁化固着層4の少なくとも側面に反強磁性膜9が設けられている。これにより、微細化しても反強磁性膜9との交換結合によって、磁化固着層4のスピンモーメントが垂直方向に向き、かつ磁場のスイッチングを繰り返しても磁化固着層4の磁化がばらばらにならず、したがって磁化固着層4が多磁区化することなく安定した磁区を維持することが可能となり、磁気抵抗変化率が減少するのを防止することができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を図2に示す。この実施形態による磁気抵抗効果素子2は、図1に示す第1実施形態の磁気抵抗効果素子2において、磁化固着層4のトンネルバリア層6とは反対側の面の反強磁性膜9が削除された構成、すなわち反強磁性膜9が磁化固着層4の側面にのみ設けられた構成となっている。
【0038】
このため、微細化しても反強磁性膜9との交換結合によって、磁化固着層4のスピンモーメントが垂直方向に向き、かつ磁場のスイッチングを繰り返しても磁化固着層4の磁化がばらばらにならず、したがって磁化固着層4が多磁区化することなく安定した磁区を維持することが可能となり、磁気抵抗変化率が減少するのを防止することができる。
【0039】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を図3に示す。この実施形態による磁気抵抗効果素子2は、図1に示す第1実施形態の磁気抵抗効果素子2において、磁化固着層4の上面に非磁性導電体層5を設けた構成となっている。
【0040】
本実施形態による磁気抵抗効果素子においては、磁化固着層4の少なくとも側面に反強磁性膜9が設けられている。これにより、微細化しても反強磁性膜9との交換結合によって、磁化固着層4のスピンモーメントが垂直方向に向き、かつ磁場のスイッチングを繰り返しても磁化固着層4の磁化がばらばらにならず、したがって磁化固着層4が多磁区化することなく安定した磁区を維持することが可能となり、磁気抵抗変化率が減少するのを防止することができる。
【0041】
なお、第3実施形態の磁気抵抗効果素子を磁気メモリの記憶素子として用いる場合には、非磁性導電体層5は、ビット線として用いることができる。
【0042】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を図4に示す。この実施形態による磁気抵抗効果素子2は、図2に示す第2実施形態の磁気抵抗効果素子2において、磁化固着層4の上面に非磁性導電体層5を設けた構成となっている。
【0043】
本実施形態による磁気抵抗効果素子においては、磁化固着層4の側面に反強磁性膜9が設けられている。これにより、微細化しても反強磁性膜9との交換結合によって、磁化固着層4のスピンモーメントが垂直方向に向き、かつ磁場のスイッチングを繰り返しても磁化固着層4の磁化がばらばらにならず、したがって磁化固着層4が多磁区化することなく安定した磁区を維持することが可能となり、磁気抵抗変化率が減少するのを防止することができる。
【0044】
なお、第4実施形態の磁気抵抗効果素子を磁気メモリの記憶素子として用いる場合には、非磁性導電体層5は、ビット線として用いることができる。
【0045】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を図5に示す。この実施形態による磁気抵抗効果素子2はトップピン型トンネル一重接合であって、図1に示す第1実施形態の磁気抵抗効果素子2において、磁化固着層4が垂直磁化層4a、非磁性導電体層4b、ハードバイアス層(バイアス印加磁性層)4cの積層構造となっている。すなわち、垂直磁化層4a上に非磁性導電体層4bを介してバイアス印加磁性層4cを設けた構成となっている。この実施形態のように、バイアス印加磁性層を設けることにより反磁界を低減することが可能となり、より安定した特性を得ることができ、信頼性ある磁気抵抗効果素子を得ることができる。
【0046】
なお、本実施形態の磁気抵抗効果素子においても、磁化固着層4の少なくとも側面に反強磁性膜9が設けられている。これにより、微細化しても反強磁性膜9との交換結合によって、磁化固着層4のスピンモーメントが垂直方向に向き、かつ磁場のスイッチングを繰り返しても磁化固着層4の磁化がばらばらにならず、したがって磁化固着層4が多磁区化することなく安定した磁区を維持することが可能となり、磁気抵抗変化率が減少するのを防止することができる。
【0047】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を図6に示す。この実施形態による磁気抵抗効果素子2はトップピン型トンネル一重接合であって、図2に示す第2実施形態の磁気抵抗効果素子2において、磁化固着層4が垂直磁化層4a、非磁性導電体層4b、ハードバイアス層(バイアス印加磁性層)4cの積層構造となっている。すなわち、垂直磁化層4a上に非磁性導電体層4bを介してバイアス印加磁性層4cを設けた構成となっている。この実施形態のように、バイアス印加磁性層を設けることにより反磁界を低減することが可能となり、より安定した特性を得ることができ、信頼性ある磁気抵抗効果素子を得ることができる。
【0048】
なお、本実施形態の磁気抵抗効果素子においても、磁化固着層4の側面に反強磁性膜9が設けられている。これにより、微細化しても反強磁性膜9との交換結合によって、磁化固着層4のスピンモーメントが垂直方向に向き、かつ磁場のスイッチングを繰り返しても磁化固着層4の磁化がばらばらにならず、したがって磁化固着層4が多磁区化することなく安定した磁区を維持することが可能となり、磁気抵抗変化率が減少するのを防止することができる。
【0049】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を図7に示す。この実施形態による磁気抵抗効果素子2はボトムピン型トンネル一重接合であって、図5に示す第5実施形態の磁気抵抗効果素子2において、上下を逆にした構成となっている。すなわち、磁化固着層4がハードバイアス層(バイアス印加磁性層)4c、非磁性導電体層4b、垂直磁化層4aの積層構造であって、垂直磁化層4a上にトンネルバリア層6が形成され、このトンネルバリア層6上に磁化自由層8が形成され、磁化固着層4の側面と磁化固着層4の底面(ハードバイアス層4cの底面)に反強磁性膜9が形成された構成となっている。
【0050】
本実施形態のように、バイアス印加磁性層を設けることにより反磁界を低減することが可能となり、より安定した特性を得ることができ、信頼性ある磁気抵抗効果素子を得ることができる。
【0051】
なお、本実施形態の磁気抵抗効果素子においても、磁化固着層4の側面に反強磁性膜9が設けられている。これにより、微細化しても反強磁性膜9との交換結合によって、磁化固着層4のスピンモーメントが垂直方向に向き、かつ磁場のスイッチングを繰り返しても磁化固着層4の磁化がばらばらにならず、したがって磁化固着層4が多磁区化することなく安定した磁区を維持することが可能となり、磁気抵抗変化率が減少するのを防止することができる。
【0052】
なお、第1乃至第6実施形態の磁気抵抗効果素子は、トップピン型トンネル一重接合であったが、本実施形態の場合のように、それぞれ上下が逆となるボトムピン型一重接合であっても良い。
【0053】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を図8に示す。この実施形態による磁気抵抗効果素子2Aは二重トンネル接合であって、図5に示す第5実施形態の磁気抵抗効果素子の磁化自由層8と、図7に示す第7実施形態の磁気抵抗効果素子の磁化自由層8を共通にした構成となっている。すなわち、磁化固着層4がハードバイアス層(バイアス印加磁性層)4c、非磁性導電体層4b、垂直磁化層4aの積層構造であって、垂直磁化層4a上にトンネルバリア層6が形成され、このトンネルバリア層6上に磁化自由層8が形成され、磁化自由層8上にトンネルバリア層6が形成され、このトンネルバリア層6上に、垂直磁性層4a、非磁性導電体層4b、およびハードバイアス層4cの積層構造からなる磁化固着層4が形成され、磁化固着増4の側面および上面が反強磁性膜9で覆われ、磁化固着層4の側面および底面が反強磁性層9で覆われた構成となっている。
【0054】
本実施形態においても、磁化固着層4の少なくとも側面が反強磁性膜9で覆われ、磁化固着層4の少なくとも側面が反強磁性膜9で覆われている。これにより、微細化しても反強磁性膜9、9との交換結合によって、それぞれ磁化固着層4、4のスピンモーメントが垂直方向に向き、かつ磁場のスイッチングを繰り返しても磁化固着層4、4の磁化がばらばらにならず、したがって磁化固着層4、4が多磁区化することなく安定した磁区を維持することが可能となり、磁気抵抗変化率が減少するのを防止することができる。
【0055】
なお、本実施形態においては、第5実施形態によるトップピン型トンネル一重接合の磁気抵抗効果素子と、第7実施形態によるボトムピン型トンネル一重接合の磁気抵抗効果素子との磁化自由層を共通にして接続した二重トンネル接合であったが、第1乃至第5実施形態によるトップピン型トンネル一重接合の磁気抵抗効果素子のいずれかと、第1乃至第5実施形態のいずれかの磁気抵抗効果素子をボトムピン型にしたものを磁化自由層を共通にして接続して二重トンネル接合の磁気抵抗効果素子を構成しても良い。
【0056】
上記第1乃至第8実施形態による磁気抵抗効果素子においては、磁気抵抗効果素子の平面形状アスペクト比、すなわち長軸/短軸との比が1.5以下にしてもスピンモーメントが安定して存在するため、1ビット当たりの面積を小さくすることが可能となる。このため、上記第1乃至第8実施形態による磁気抵抗効果素子は、大容量不揮発メモリの記憶素子として用いるのに適するとともに、熱安定性にも優れ、0.1μm以下のデザインルール下で形成してもスピン磁気モーメントは安定に維持されることになり、1ギガビットを超えるMRAMの実用が可能となる。
【0057】
次に、上記実施形態による磁気抵抗効果素子において、磁化固着層、磁気記録層としてとして用いることができる強磁性体について説明する。
【0058】
まず、磁化固着層の磁性材料としては、Co、Fe、Niまたはそれら合金(Co−Fe合金、Co−Ni合金、Ni−Fe合金、Co−Ni−Fe合金)、Co−Cr−Pt−Ta、Co−Cr−Nb−Pt、Co−Cr−Pt、Co−Cr−Pt/Ti、Co−Pt−Cr−O、Co−Cr−Pt−SiO、Co−Cr−Pt−B、Co−Cr−Ta/Co−Zr−Nb/Co−Sm、Co−Cr−Ta/Ptの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co−B/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Fe−Pt、Tb−Fe−Co、Pr−Tb−Coなどを用いることができる。なお、記号「−」は合金を意味し、記号「/」は積層を意味している。
【0059】
また、磁気記録層となる磁化自由層の磁性材料としては、Co−Cr−Pt−Ta、Co−Cr−Nb−Pt、Co−Cr−Pt、Co−Cr−Pt/Ti、Co−Pt−Cr−O、Co−Cr−Pt−SiO、Co−Cr−Pt−B、Co−Cr−Ta/Co−Zr−Nb/Co−Sm、Co−Cr−Ta/Ptの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co−B/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Fe−Pt、Tb−Fe−Co、Pr−Tb−Coなどを用いることができる。
【0060】
これらの材料からなる磁化固着層としては、側面の反強磁性膜との交換結合により一方向異方性を有することとなる。磁気記録層(磁化自由層)としては、膜面に対して垂直方向に一軸異方性を有することが望ましい。またその厚さは特に制限は無いが1nmから100nmが好ましい。さらに、磁化固着層および磁化自由層を構成する強磁性層の膜厚は垂直方向へ異方性が存在するため、膜厚を厚くすることが可能であり、微細化しても熱揺らぎに強い磁気抵抗効果素子を得ることができる。
【0061】
また、上記磁化固着層として用いる強磁性層には、反強磁性膜を付加して磁化を固着することが望ましい。そのような反強磁性膜としては、Fe(鉄)−Mn(マンガン)、Pt(白金)−Mn(マンガン)、Pt(白金)−Cr(クロム)−Mn(マンガン)、Ni(ニッケル)−Mn(マンガン)、Ir(イリジウム)−Mn(マンガン)、NiO(酸化ニッケル)、Fe(酸化鉄)などを挙げることができる。
【0062】
また、これら磁性体には、Ag(銀)、Cu(銅)、Au(金)、Al(アルミニウム)、Mg(マグネシウム)、Si(シリコン)、Bi(ビスマス)、Ta(タンタル)、B(ボロン)、C(炭素)、O(酸素)、N(窒素)、Pd(パラジウム)、Pt(白金)、Zr(ジルコニウム)、Ir(イリジウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Nb(ニオブ)、B(ボロン)などの非磁性元素を添加して、磁気特性を調節することができ、その他、結晶性、機械的特性、化学的特性などの各種物性を調節することができる。また、上記、磁気記録層に用いるCo系合金に関しては多少Fe(鉄)を添加しても良い。
【0063】
一方、磁化固着層、磁気記録層として、強磁性層と非磁性層の積層膜を用いても良い。例えば、強磁性層/非磁性層/強磁性層(バイアス層)という3層構造または、3層以上の多層膜を用いることができる。この場合、非磁性層を介して両側の強磁性層に反強磁性的な層間の相互作用が働いていることが望ましい。
【0064】
非磁性材料は特に限定されるものではないが、例えば、Ru(ルテニウム)、Ir(イリジウム)、Os(オスニウム),Re(レニウム)、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金),Ta(タンタル),W(タングステン),Si(シリコン)、Bi(ビスマス)、Ta(タンタル)、B(ボロン)、C(炭素)、Pd(パラジウム)、Pt(白金)、Zr(ジルコニウム),Nb(ニオブ),V(バナジウム)、Mo(モリブデン)またはこれら合金などを用いることができる。この構造を用いると、バイアス磁界により反磁界が低減でき、磁化固着層の磁化がビット線やワード線からの電流磁界の影響をより受け難く、しっかりと磁化が固着される。この非磁性層の膜厚は、超常磁性にならない程度の厚さが必要であり、0.4nm以上10nm以下であることがより望ましい。
【0065】
磁気記録層においても、これら磁性体に、Ag(銀)、Cu(銅)、Au(金)、Al(アルミニウム)、Ru(ルテニウム)、Os(オスニウム),Re(レニウム),Mg(マグネシウム)、Si(シリコン)、Bi(ビスマス)、Ta(タンタル)、B(ボロン)、C(炭素)、O(酸素)、N(窒素)、Pd(パラジウム)、Pt(白金)、Zr(ジルコニウム)、Ir(イリジウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Nb(ニオブ)などの非磁性元素を添加して磁気特性を調節することができ、その他、結晶性、機械的特性、化学的特性などの各種物性を調節することができる。
【0066】
一方、磁気抵抗効果素子としてTMR素子を用いる場合に、磁化固着層と磁気記録層との間に設けられる絶縁層(あるいは誘電体層)としては、Al(酸化アルミニウム)、SiO(酸化シリコン)、MgO(酸化マグネシウム)、AlN(窒化アルミニウム)、Bi(酸化ビスマス)、MgF(フッ化マグネシウム)、CaF(フッ化カルシウム)、SrTiO(酸化チタン・ストロンチウム)、AlLaO(酸化ランタン・アルミニウム)、Al−N−O(酸窒化アルニウム)などの各種の絶縁体(誘電体)を用いることができる。
【0067】
これらの化合物は、化学量論的にみて完全に正確な組成である必要はなく、酸素、窒素、フッ素などの欠損、あるいは過不足が存在していてもよい。また、この絶縁層(誘電体層)の厚さは、トンネル電流が流れる程度に薄い方が望ましく、実際上は、10nm以下であることが望ましい。
【0068】
このような磁気抵抗効果素子は、各種スパッタ法、蒸着法、分子線エピタキシャル法などの通常の薄膜形成手段を用いて、所定の基板上に形成することができる。この場合の基板としては、例えば、Si(シリコン)、SiO(酸化シリコン)、Al(酸化アルミニウム)、スピネル、AlN(窒化アルニウム)など各種の基板を用いることができる。
【0069】
また、基板の上に、下地層や保護層、ハードマスクなどとして、特に限定されるものではないが、Ta(タンタル)、Ti(チタン)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Au(金)、Ti(チタン)/Pt(白金)、Ta(タンタル)/Pt(白金)、Ti(チタン)/Pd(パラジウム)、Ta(タンタル)/Pd(パラジウム)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)‐Cu(銅)、Ru(ルテニウム)、Ir(イリジウム)、Os(オスミウム)などからなる層を設けてもよい。
【0070】
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態による磁気メモリを説明する前に、本発明の磁気メモリに用いられるメモリセル構造について説明する。
【0071】
(第1具体例)
メモリアレー周辺部のみにMOSトランジスタを用い、ビットごとには選択トランジスタを用いない単純マトリックス型アーキテクチャ構造のメモリセル3の第1具体例を図9に示す。この具体例のメモリセル3は、第3実施形態の磁気抵抗効果素子2と、この磁気抵抗効果素子2の磁化自由層8の下面に設けられた下地層10と、この下地層10と電気的に接続するビット線20と、磁化自由層の側部に絶縁膜を介して形成された一対のワード線30,30とを備え、磁気抵抗効果素子2の磁化固着層4上に設けられた導電体層5がビット線を兼ねた構成となっている。ビット線20には磁性被覆膜25が形成され、ワード線30,30には磁性被覆膜35、35がそれぞれ形成されている。
【0072】
この第1具体例においては、読み出しは、ビット線20、ビット線5に接続されているMOSトランジスタをONにして磁気抵抗効果素子2にセンス電流を流すことにより行う。書き込みは、直交するビット線20と、一対のワード線30,30とを用いて行う。2つのワード線30,30には逆向きの電流パルスを印加することになる。その際、メモリアレーブロックの終端部において2本のワード線30,30の終端部を電気的に接続することにより、ワード線30,30に電流パルスを印加するためのドライバ、シンカーを1つずつにすることができ、メモリアレー効率を上げることが可能となる。書き込みに使用するビット線20、ワード線30,30には、前述したように磁性被覆膜25、35、35が施されている。この磁性被覆膜構造を用いることにより書き込み時に必要な電流を低減することが可能となり、低消費電力、低電流で書き込みを行うことができる。
【0073】
なお、この第1具体例のメモリセルは後述する第2具体例のメモリセルに比べてエッチング工程数、マスクの数が減り、製造コスト面で有利である。
【0074】
(第2具体例)
次に、本発明による磁気メモリに用いられるメモリセルの第2具体例の構成を図10に示す。この具体例のメモリセル3は、メモリアレー周辺部のみにMOSトランジスタを用い、ビットごとには選択トランジスタを用いない単純マトリックス型アーキテクチャ構造であって、第1実施形態の磁気抵抗効果素子2と、この磁気抵抗効果素子2の磁化自由層8の下面に設けられた下地層10と、この下地層10と電気的に接続するビット線20と、磁化自由層の側部に絶縁膜を介して形成された一対のワード線30,30と、磁気抵抗効果素子2の上面に接続される導電体層12と、この導電体層12に電気的に接続されるビット線22とを備えている。ビット線20には磁性被覆膜25が形成され、ワード線30,30には磁性被覆膜35、35がそれぞれ形成されている。
【0075】
この第2具体例においては、読み出しは、ビット線20、ビット線22に接続されているMOSトランジスタをONにして磁気抵抗効果素子2にセンス電流を流すことにより行う。書き込みは、直交するビット線20と、一対のワード線30,30とを用いて行う。2つのワード線30,30には逆向きの電流パルスを印加することになる。その際、メモリアレーブロックの終端部において2本のワード線30,30の終端部を電気的に接続することにより、ワード線30,30に電流パルスを印加するためのドライバ、シンカーを1つずつにすることができ、メモリアレー効率を上げることが可能となる。書き込みに使用するビット線20、ワード線30,30には、前述したように磁性被覆膜25、35、35が施されている。この磁性被覆膜構造を用いることにより書き込み時に必要な電流を低減することが可能となり、低消費電力、低電流で書き込みを行うことができる。
【0076】
(第3具体例)
次に、本発明による磁気メモリに用いられるメモリセルの第3具体例の構成を図11に示す。この具体例のメモリセル3は、メモリアレー周辺部のみにMOSトランジスタを用い、ビットごとには選択トランジスタを用いない選択ダイオード付き単純マトリックス型アーキテクチャ構造であって、第3実施形態の磁気抵抗効果素子2と、この磁気抵抗効果素子2の磁化自由層8の下面に設けられた下地層10と、ダイオード15と、このダイオード15を介して下地層10と電気的に接続するビット線20と、磁化自由層の側部に絶縁膜を介して形成された一対のワード線30,30とを備え、磁気抵抗効果素子2の磁化固着層層4上に設けられた導電体層5がビット線を兼ねた構成となっている。ビット線20には磁性被覆膜25が形成され、ワード線30,30には磁性被覆膜35、35がそれぞれ形成されている。
【0077】
この第3具体例においては、読み出しは、ビット線20、ビット線5に接続されているMOSトランジスタをONにして磁気抵抗効果素子2にセンス電流を流すことにより行う。ダイオードが無い第1および第2具体例のようなタイプでは読み出しの際、他のビット線に接続されているトランジスタをオープンにするか、ビット線20とビット線5の電圧を一定にし、なるべく非選択磁気抵抗効果素子への電流回り込みを少なくするが、完全にはゼロにできないという問題がある。しかし、本具体例例のようにダイオード15を下地層10とビット線20との間に挟むことによってこの問題を解決できる。書きこみは第1および第2具体例と同様、直交するビット線20と、一対のワード線30,30を用いて行う。2本のワード線30,30には逆向きの電流パルスを印加することになる。その際、メモリアレーブロックの終端部において2本のワード線30,30の終端部を電気的に接続することにより、ワード線30,30に電流パルスを印加するためのドライバ,シンカーを1つずつにすることができ、メモリアレー効率を上げることが可能となる。書き込みに使用するビット線20、ワード線30,30には、前述したように磁性被覆膜25,35,35が施されている。この磁性被覆膜構造を用いることにより書き込み時に必要な電流を低減することが可能となり、低消費電力、低電流で書き込みを行うことができる。
【0078】
また、本具体例の構造は後述する第4の具体例に比べてエッチング工程数,マスクの数が減り、製造コスト面で有利である。
【0079】
(第4具体例)
次に、本発明による磁気メモリに用いられるメモリセルの第4具体例の構成を図12に示す。この具体例のメモリセル3は、メモリアレー周辺部のみにMOSトランジスタを用い、ビットごとには選択トランジスタを用いない選択ダイオード付き単純マトリックス型アーキテクチャ構造であって、第1実施形態の磁気抵抗効果素子2と、この磁気抵抗効果素子2の磁化自由層8の下面に設けられた下地層10と、ダイオード15と、このダイオード15を介して下地層10と電気的に接続するビット線20と、磁化自由層の側部に絶縁膜を介して形成された一対のワード線30,30と、磁気抵抗効果素子2の上面に接続される導電体層12と、ビット線22とを備えている。ビット線20には磁性被覆膜25が形成され、ワード線30,30には磁性被覆膜35、35がそれぞれ形成されている。
【0080】
この第4具体例においては、読み出しは、ビット線20、ビット線5に接続されているMOSトランジスタをONにして磁気抵抗効果素子2にセンス電流を流すことにより行う。ダイオードが無い第1および第2具体例のようなタイプでは読み出しの際、他のビット線に接続されているトランジスタをオープンにするか、ビット線20とビット線5の電圧を一定にしなるべく、非選択磁気抵抗効果素子への電流回り込みを少なくするが、完全にはゼロにできないという問題がある。しかし、本具体例例のようにダイオード15を下地層10とビット線20との間に挟むことによってこの問題を解決できる。書きこみは第1および第2具体例と同様、直交するビット線20と、一対のワード線30,30を用いて行う。2本のワード線30,30には逆向きの電流パルスを印加することになる。その際、メモリアレーブロックの終端部において2本のワード線30,30の終端部を電気的に接続することにより、ワード線30,30に電流パルスを印加するためのドライバ,シンカーを1つずつにすることができ、メモリアレー効率を上げることが可能となる。書き込みに使用するビット線20、ワード線30,30には、前述したように磁性被覆膜25,35,35が施されている。この磁性被覆膜構造を用いることにより書き込み時に必要な電流を低減することが可能となり、低消費電力、低電流で書き込みを行うことができる。
【0081】
次に、第9実施形態による磁気メモリの構成を図13に示す。この実施形態の磁気メモリは、アレイ状に配置された複数のメモリセル3を備え、各メモリセル3は、図10に示す第2具体例のメモリセル3において、ビット線20を下地電極40に置き換えるとともに、ワード線33と、接続部50と、選択トランジスタ60とを新たに設けた構成となっている。
【0082】
ワード線33には磁性被覆膜36が形成されている。接続部50は、接続プラグ52、54、56を有している。接続プラグ52はワード線33と同一の層として形成されるため、ワード線33と同様に磁性被覆膜53が形成されている。下地電極40は、後述するように読み出しにのみ用いられ、書き込みには用いられないため、磁性被覆膜は形成されていない。選択トランジスタ60は、ゲート62と、ドレイン64と、ソース66とを備えている。接続部50の一端は下地電極40に接続され、他端が選択トランジスタ60のドレイン64に接続されている。
【0083】
この実施形態の磁気メモリにおいては、読み出しは選択トランジスタ60をONにし、磁気抵抗効果素子2を介してビット線22にセンス電流を流すことにより行う。書き込みは、ワード線30,30と、これらのワード線30,30に平行なワード線33とを用いて行う。ワード線30,30と、ワード線33とには、前述したように磁性被覆膜が施されている。この磁性被覆膜構造を用いることにより書き込み時に必要な電流を低減することが可能となり、低消費電力、低電流で書き込みを行うことができる。
【0084】
また、更なる超大容量化メモリを実現するためには、メモリアレーを積層化できるアーキテクチャを用いて、多層化することが望ましい。例えば図14に示すように、本実施形態によるメモリセル3の導電体層12とビット線22の間に、引き出し電極14、接続部16、およびメモリセル3aを設けて多層化することが可能となる。メモリセル3aは、本実施形態のメモリセル3と同じ構成となっており、接続部16に接続された下地電極40a、下地電極40a上に形成される下地層10a、下地層10a上に形成される磁化自由層8a、磁化自由層8a上に形成されるトンネルバリア層6a、トンネルバリア層6a上に形成される磁化固着層4aと、磁化固着層4aの側面および上面を覆うように形成される反強磁性層9aと、反強磁性層9a上に形成される導電体層12aと、磁化自由層8aの側部に図示しない絶縁膜を介して形成される一対のワード線30a、30aと、を備えている。このように、磁気抵抗効果素子周りのみを積層化することにより大容量化が可能となる。
【0085】
なお、図9乃至図12に記載のメモリセルは、このメモリセルの構造を図14に示すように繰り返すことにより容易に積層化可能である。
【0086】
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法を、図15乃至図27を参照して説明する。この実施形態は、図13に示す、1個のトランジスタと、1個の磁気抵抗効果素子とを有するメモリセル構造を備えた磁気メモリの製造方法である。
【0087】
まず、基板上に図13に示す選択トランジスタ60、接続部50、およびワード線33が形成されているものとする。接続部50の接続プラグ52に接続するタングステンビア51が形成された絶縁膜70上に、Taからなる下地電極層40を形成する(図15参照)。続いて、下地電極層40上にRIEしにくい金属(本実施形態ではPtを使用)からなる層を成膜し、その後、Ptからなる層をパターニングし、ワード線33上にPt層10aを形成する(図16参照)。その後、Taからなる下地電極層40をパターニングし、下地電極40を形成する(図16参照)。
【0088】
次に、図16に示すように、SiOx膜72を成膜し、CMP(Chemical Mechanical Polishing)で平坦化した後に、NiFe/Ta/AlCu/Ta/NiFeからなる積層膜を成膜する。そして、図示しないレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして上記NiFe/Ta/AlCu/Ta/NiFeからなる積層膜をパターニングしワード線形成膜を形成する。続いて、NiFeをさらにワード線形成膜30の側面に形成するためスパッタした後、上記レジストパターンを剥離することにより、ワード線形成膜30とこのワード線形成膜30を覆う磁性被覆膜35が形成される(図16参照)。すなわち、ワード線形成膜30はTa/AlCu/Taから構成され、磁性被覆膜35はNiFeから構成される。
【0089】
次に、基板全面にSiOx膜74を成膜する(図17参照)。その後、SiOx膜74を、CMPを用いて平坦化し、平坦化したSiOx膜74aを形成する(図18参照)。続いて、SiOx膜74a上にSiNx膜76を成膜した後、レジストを塗布し現像することによりワード線33上、すなわち、ワード線形成膜30のほぼ中央に開口部78aを有するレジストパターン78を形成する(図18参照)。
【0090】
次に、レジストパターン78をマスクとして、SiNx膜76を、RIE法を用いてパターニングした後、レジストパターン78を除去する。パターニングされたSiNx膜76をマスクとして、SiOx膜74a、ワード線30,35、およびSiOx膜72を、塩素系ガスを用いてRIE法を用いてエッチングし、Pt層10a上に開口部80を形成する(図19参照)。このエッチングは図19に示すように、Pt層10aでストップさせた。開口部80が形成されたことにより、ワード線形成膜30は、一対のワード線30、30に分離される。なお、開口部80は底面に近づくほど幅が広がる逆テーパ形状の断面を有しているが図面上では表されていない。
【0091】
次に、図20に示すように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いてSiOx膜82を堆積する。SiOx膜82の堆積にCVD法を用いているため、断面が逆テーパ状の開口部80の底部ばかりでなく側部にも形成されることになる。その後、指向性が良いミリング装置を用い、SiNx膜76上のSiOxおよび開口部80の底部のSiOxを除去し、開口部80の側部のみSiOx膜82を残置させる(図21参照)。
【0092】
次に、膜厚10nmのTi層10b、膜厚80nmのCoCrPt層84、トンネルバリア層となる膜厚1.5nmのAlOx層86、膜厚100nmのCoCrPt層88を成膜する(図22参照)。開口部80が逆テーパ状の断面を有しているため、開口部80の側部、すなわちSiOx膜82の側部に沿って、Ti層10b、CoCrPt層84、AlOx層86、CoCrPt層88が積層されず、図22に示すように膜厚方向にのみ積層される。
【0093】
次に、CMPを行い、SiNx膜72を露出させる(図23参照)。これにより、開口部80内のTi層10bはPt層10aとともに下地層10を構成する。また開口部80内のCoCrPt層84、AlOx層86は、それぞれ磁化自由層8、トンネルバリア層6になり、トンネルバリア層6上にはCoCrPt層88の一部が残置した状態となる。
【0094】
次に、ミリングを行って表面を軽くエッチングした後、図24に示すように膜厚100nmのCoCrPt層、膜厚20nmのIrMn層を成膜し、パターニングすることにより磁化固着層4を形成するとともに磁化固着層4の上面にIrMn層を残置する。その後、IrMnを更に成膜し、磁化固着層4の側面にもIrMnを成膜する。そして指向性が良いミリング装置を用い、磁化固着層4以外の場所に付着しているIrMnを削り、磁化固着層4の側面および上面を被覆するIrMnからなる反強磁性膜9を形成する(図24参照)。
【0095】
次に、全面にSiOx膜92を堆積し(図25参照)、その後、CMPを用いてSiOx膜92の平坦化を行い、平坦化されたSiOx膜92aを形成する(図26参照)。
【0096】
次に平坦化されたSiOx膜92aに、磁化固着層4の上面の反強磁性膜9に通じるビアを空け、このビアにW(タングステン)を埋め込み、導電体層12を形成する(図27参照)。続いて、CMPを行った後に、Ti/AlCu/Tiを順次成膜し、パターニングすることにより、導電体層12に接続するビット線22を形成する(図27参照)。
【0097】
このようにして本実施形態の製造方法によって磁気メモリが製造される。また、比較例として磁化固着層4の側面にIrMnからなる反強磁性膜が形成されない以外は本実施形態の製造方法によって製造される磁気メモリと同じものを作成した。
【0098】
なお、本実施形態による磁気メモリおよび比較例とも、TMR素子の面内アスペクト比は1:1としサイズを0.4μm×0.4μmとした。また、AlOx膜6の形成は、Alを成膜した後にプラズマ酸化を行い形成した。
【0099】
その後、本実施形態による磁気メモリおよび比較例は、ともに膜面垂直方向に磁場を印加し、この垂直磁場を印加しながらアニールを施した。
【0100】
本実施形態による磁気メモリおよび比較例に関して、図13に示すワード線30,30に印加した書き込みパルス磁界幅に対する保磁力の依存性を測定し、Sharrockの式(IEEE Trans. Magn.26, 193(1990))に基づいてKu・V/(K・T)を評価した。ここでKuは磁気記録層となる磁化自由層8の一軸異方性定数であり、Vは磁化自由層8の体積、Kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
【0101】
本実施形態による磁気メモリおよび比較例においては、磁化自由層8の体積Vは0.4μm×0.4μm×80nmであるが、Ku・V/(K・T)の値は、3760と大きく、Vを0.09μm×0.09μm×80nmにしてもKu・V/(K・T)の値が180を超え、非常に大きく熱擾乱耐性に優れていることが明らかになった。
【0102】
また、本実施形態の構造にすれば、磁気記録層の磁化を垂直に保ったまま記録層の膜厚を容易に80nmにすることが可能となり熱擾乱安定性パラメータを容易に大きくすることができる。
【0103】
また、本実施形態による磁気メモリと、比較例に関して、書き込み回数耐性の信頼性試験を行い、その結果を図28に示す。図28から分かるように、本実施形態による磁気メモリでは、10回の書き込みを行ってもMR比は減少しなかったが、反強磁性膜を磁化固着層の側面に形成していない比較例においてはMR比が減少し、メモリ素子として好ましい特性を示さなかった。
【0104】
以上説明したように、本実施形態の磁気メモリにおいては、データの保存,書き込み耐性が確認でき、不揮発性磁気メモリとして好ましい特性を示した。
【0105】
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態による磁気メモリを説明する。この実施形態の製造方法によって製造される磁気メモリは、図15乃至図27に示す第10実施形態の製造方法によって製造される磁気メモリの磁気抵抗効果素子を図6に示す磁気抵抗効果素子に置き換えた構成となっている。
【0106】
したがって、本実施形態の磁気メモリの製造工程は、第10実施形態の製造工程とほぼ同様であるが、本実施形態の磁気メモリは図6に示すように、垂直磁化層4a/導電体層4b/ハードバイアス層4cからなる磁化固着層4上に反強磁性膜9を形成しない。このため、第10実施形態の図24に示す磁化固着層4および反強磁性膜9を形成する工程において、磁化固着層4および反強磁性膜9を形成する代わりに垂直磁化層4a/導電体層4b/ハードバイアス層4cを成膜し(IrMnを成膜しないで)、パターニングを行う。その後にIrMnを成膜し、指向性のよいミリングで垂直磁化層4a/導電体層4b/ハードバイアス層4cからなる磁化固着層4の上部のIrMn層とSiNx76上のIrMn層を物理的に除去する。以降の工程は、第10実施形態と同様に行う。
【0107】
なお、本実施形態で作製したTMR素子の構造は、FePtからなる膜厚100nmの磁化自由層8/AlOxからなる膜厚1.5nmのトンネルバリア層6/FePtからなる膜厚100nmの垂直磁化層4a/Cuからなる導電体層4b/CoPtCrからなる膜厚100nmのハードバイアス層4cである。成膜条件は、FePt成膜中は300℃とした。比較のため、磁化固着層4の側面にIrMnが設けられていない磁気メモリも形成した。
【0108】
その後、本実施形態の磁気メモリ、比較例ともに膜面垂直方向に磁場を印加し、磁場中アニールを施した。
【0109】
本実施形態による磁気メモリおよび比較例に関して、図13に示すワード線30,30に印加した書き込みパルス磁界幅に対する保磁力の依存性を測定し、Sharrockの式(IEEE Trans. Magn.26, 193(1990))に基づいてKu・V/(K・T)を評価した。ここでKuは磁気記録層となる磁化自由層8の一軸異方性定数であり、Vは磁化自由層8の体積、Kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
【0110】
本実施形態による磁気メモリおよび比較例においては、磁化自由層8の体積Vは0.4μm×0.4μm×80nmであるが、Ku・V/(K・T)の値は、4700と大きく、Vを0.09μm×0.09μm×80nmにしてもKu・V/(K・T)の値が320を超え、非常に大きく熱擾乱耐性に優れていることが明らかになった。
【0111】
また、本実施形態の構造にすれば、磁気記録層の磁化を垂直に保ったまま記録層の膜厚を容易に100nmにすることが可能となり熱擾乱安定性パラメータを容易に大きくすることができる。
【0112】
また、本実施形態による磁気メモリと、比較例に関して、書き込み回数耐性の信頼性試験を行い、その結果を図29に示す。図29から分かるように、本実施形態による磁気メモリでは、10回の書き込みを行ってもMR比は減少しなかったが、反強磁性膜を磁化固着層の側面に形成していない比較例においてはMR比が減少し、メモリ素子として好ましい特性を示さなかった。
【0113】
以上説明したように、本実施形態の磁気メモリにおいては、データの保存,書き込み耐性が確認でき、不揮発性磁気メモリとして好ましい特性を示した。
【0114】
(第12実施形態)
次に、本発明の第12実施形態による磁気メモリを、図30を参照して説明する。図30は本実施形態による磁気メモリの構成を示す断面図である。本実施形態による磁気メモリは、図13に示す第9実施形態による磁気メモリにおいてワード線30,30,33およびこれらのワード線を被覆する磁性被覆膜35,35,36を削除して構成となっている。本実施形態の磁気メモリにおいては、磁気記録層となる磁化自由層8への情報の書き込みは、スピン注入法によって行う。スピン注入法の書き込み原理は以下に示す通りである。
【0115】
a)磁化固着層4、磁気記録層8のスピンモーメントが反平行→平行へのスピン反転の書き込みは、下地電極40から磁気抵抗効果素子2を介してビット線22に電流を流すことにより行う。すなわち、磁気抵抗効果素子2においては磁気記録層8から磁化固着層4の方向に電流が流れる。磁化固着層4側から磁気記録層8に電子が注入されると、磁化固着層4でスピン偏極した電子がトンネルバリア層6をトンネルし、磁気記録層8にスピントルクをおよぼし、磁気記録層8のスピンが反平行→平行へ反転する。
【0116】
b)磁化固着層4、磁気記録層8のスピンモーメントが平行→反平行へのスピン反転の書き込みは、ビット線22から磁気抵抗効果素子2を介して下地電極40に電流を流すことにより行う。すなわち、磁気抵抗効果素子2においては磁化固着層4から磁気記録層8の方向に電流が流れる。磁気記録層8側から磁化固着層4に電子が注入されると、磁気記録層8でスピン偏極した電子がトンネルバリア層6をトンネルする。その際、磁化固着層4のスピンの方向と同じスピンの方向を持つ電子はトンネル確率が高く容易にトンネルするが、反平行のスピンは反射される。磁気記録層8へ反射されてきた電子は、磁気記録層8へスピントルクをおよぼし、磁気記録層8のスピンが平行→反平行へ反転する。
【0117】
本実施形態による磁気メモリの製造手順は、以下のようになる。
【0118】
選択トランジスタ60が形成された基板上に、層間絶縁膜を堆積する。この層間絶縁膜を開口し、開口部をW(タングステン)で埋め込み接続部50を形成うる。この接続部に接続するようにTaからなる下地電極40を形成する。その後、下地電極40上に、Tiからなる膜厚10nmの下地層10、CoCrPtからなる膜厚80nmの磁気記録層8、AlOxからなる膜厚1.0nmのトンネルバリア層、CoCrPtからなる膜厚100nmの磁化固着層4、IrMnからなる膜厚20nmの反強磁性層、膜厚15nmのRu層/膜厚120nmのTa層が積層された導電体層12を形成する。その後、レジスト(図示せず)のスリミングを140℃で10分間行い、TMR素子のレジストパターンを形成する。TMR素子のレジストパターンとして0.08×0.14μmのサイズのパターンを作製した。このレジストパターンをマスクとしてTaおよびRuの積層構造からなる導電体層12をRIEでパターニングする。その後、パターニングされた導電体層12をマスクとしてTi層/CoCrPt層/AlOx層/CoCrPt/IrMn層からなるTMR膜をAlOxからなるトンネルバリア層6までミリングでパターニングする。
【0119】
その後、IrMnからなる反強磁性膜を堆積し、膜面垂直方向からミリングすることによって、IrMn膜9を磁化固着層4の側部に形成する。続いて、SiOxからなる保護膜を成膜してからTaからなる下地電極40をRIEした後、SiOxからなる層間絶縁膜(図示せず)を堆積し、エッチバックで導電体層12のTa層を露出させる。続いて、露出したTa層のコンタクトクリーニングを行った後、このTa層に接続するビット線22を形成することにより、本実施形態の磁気メモリが製造される。その後、膜面垂直方向に磁場を印加し磁場中アニールを施した。
【0120】
上記製造方法によって製造された本実施形態の磁気メモリに関して、磁場のスイープレートに対する保磁力依存性を測定し、Sharrockの式(IEEE Trans. Magn.26, 193(1990))に基づいてKu・V/(K・T)を評価した。ここでKuは磁気記録層となる磁化自由層8の一軸異方性定数であり、Vは磁化自由層8の体積、Kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
【0121】
本実施形態による磁気メモリにおいては、Ku・V/(K・T)の値は、320であり、磁化自由層8の体積Vを0.09μm×0.09μm×80nmにしてもKu・V/(K・T)の値が180を超え、非常に大きく熱擾乱耐性に優れていることが明らかになった。また、本実施形態の構造にすれば、磁気記録層の磁化を垂直に保ったまま記録層の膜厚を容易に80nmにすることが可能となり熱擾乱安定性パラメータを容易に大きくすることができる。
【0122】
また、スピン注入書き込みの測定を行った結果を図31に示す。この図31から、電流の方向を変えることによって、スピン注入書き込みが行えるころが分かる。
【0123】
以上示したように、本実施形態の磁気メモリにおいては、データの保存,書き込み耐性が確認でき、不揮発性磁気メモリとして好ましい特性を示した。
【0124】
なお、上記第9乃至第12実施形態による磁気メモリにおいては、磁気抵抗効果素子が記憶する情報を読み出すために磁気抵抗効果素子に流すセンス電流を制御するセンス電流制御素子回路、書き込みパルスを印加するための回路、ドライバをさらに具備することとなる。
【0125】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気抵抗効果素子を構成する強磁性体層、絶縁膜、反強磁性体層、非磁性金属層、電極などの具体的な材料や、膜厚、形状、寸法などに関しては、当業者が適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の範囲に包含される。
【0126】
同様に、本発明の磁気メモリを構成する各要素の構造、材質、形状、寸法についても、当業者が適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の範囲に包含される。
【0127】
また、本発明は、長手磁気記録方式のみならず垂直磁気記録方式の磁気ヘッドあるいは磁気再生装置についても本特許磁気抵抗効果素子を同様に適用して同様の効果を得ることができる。
【0128】
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気メモリを基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうるすべての磁気メモリも同様に本発明の範囲に属する。
【0129】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、微細化しても熱安定性に優れ、磁化自由層のスピンモーメントのスイッチングを繰り返しても磁化固着層の安定した磁区を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図。
【図2】本発明の第2実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図。
【図3】本発明の第3実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図。
【図4】本発明の第4実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図。
【図5】本発明の第5実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図。
【図6】本発明の第6実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図。
【図7】本発明の第7実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図。
【図8】本発明の第8実施形態による磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図。
【図9】本発明の磁気メモリに用いられるメモリセル構造の第1具体例の構成を示す断面図。
【図10】本発明の磁気メモリに用いられるメモリセル構造の第2具体例の構成を示す断面図。
【図11】本発明の磁気メモリに用いられるメモリセル構造の第3具体例の構成を示す断面図。
【図12】本発明の磁気メモリに用いられるメモリセル構造の第4具体例の構成を示す断面図。
【図13】本発明の第9実施形態による磁気メモリの構成を示す断面図。
【図14】本発明の第9実施形態の変形例による磁気メモリの構成を示す断面図。
【図15】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図16】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図17】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図18】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図19】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図20】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図21】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図22】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図23】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図24】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図25】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図26】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図27】本発明の第10実施形態による磁気メモリの製造方法の製造工程断面図。
【図28】本発明の第10実施形態による製造方法によって製造された磁気メモリと比較例の書き込み回数耐性を示す図。
【図29】本発明の第11実施形態による磁気メモリと比較例の書き込み回数耐性を示す図。
【図30】本発明の第12実施形態による磁気メモリの構成を示す断面図。
【図31】本発明の第12実施形態による磁気メモリのスピン注入書き込みの測定結果を示す図。
【符号の説明】
2 磁気抵抗効果素子
3 メモリセル
4 磁化固着層
4a 垂直磁化層
4b 導電体層
4c ハードバイアス層(バイアス印加磁性層)
6 トンネルバリア層
8 磁化自由層(磁気記録層)
9 反強磁性膜
10 下地層
15 ダイオード
20 ビット線
22 ビット線
25 磁性被覆膜
30 ワード線
30 ワード線
35 磁性被覆膜
35 磁性被覆膜
40 下地電極
50 接続部
52 接続プラグ
54 接続プラグ
56 接続プラグ
60 選択トランジスタ
62 ゲート
64 ドレイン
66 ソース

Claims (10)

  1. スピンモーメントが膜面に垂直な方向に向いて前記スピンモーメントの方向が固定された磁性膜を有する磁化固着層と、
    スピンモーメントが膜面に垂直な方向に向く磁気記録層と、
    前記磁化固着層と前記磁気記録層との間に設けられる非磁性層と、
    前記磁化固着層の少なくとも側面に設けられた反強磁性膜と、
    を備えたことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記非磁性層はトンネルバリア層であることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記磁化固着層は、前記磁性膜の前記非磁性層とは反対側の面に接するように設けられた非磁性導電体層を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記磁化固着層は、前記非磁性導電体層の前記磁性膜とは反対側の面に設けられたバイアス印加磁性層を備えていることを特徴とする請求項3記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記反強磁性膜は、前記非磁性層とは反対側の前記磁化固着層の面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記磁化固着層の磁性膜は、Co、Fe、Niまたはそれらの合金、Co−Cr−Pt−Ta、Co−Cr−Nb−Pt、Co−Cr−Pt、Co−Cr−Pt/Ti、Co−Pt−Cr−O、Co−Cr−Pt−SiO、Co−Cr−Pt−B、Co−Cr−Ta/Co−Zr−Nb/Co−Sm、Co−Cr−Ta/Ptの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co−B/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Fe−Pt、Tb−Fe−Co、およびPr−Tb−Coのいずれからなっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 前記磁気記録層は、Co−Cr−Pt−Ta、Co−Cr−Nb−Pt、Co−Cr−Pt、Co−Cr−Pt/Ti、Co−Pt−Cr−O、Co−Cr−Pt−SiO、Co−Cr−Pt−B、Co−Cr−Ta/Co−Zr−Nb/Co−Sm、Co−Cr−Ta/Ptの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Co−B/Pdの層がn(n>1)層積層された多層膜、Fe−Pt、Tb−Fe−Co、Pr−Tb−Coのいずれかからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子をメモリセルの記憶素子として備えていることを特徴とする磁気メモリ。
  9. 第1の配線と、前記第1の配線と交差する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線の交差領域に設けられ一端が前記第1の配線と電気的に接続される請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子と、を備えていることを特徴とする磁気メモリ。
  10. 前記第2の配線は、前記磁気記録層に記録される情報を書き込む電流パルスを印加するための書き込み配線であることを特徴とする請求項9記載の磁気メモリ。
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