JP2005029751A - 吸水性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲルの安定性および耐着色性に優れた吸水性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】吸水性樹脂、含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を含有してなる吸水性樹脂組成物、前記吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを含有する吸収体、ならびに液体透過性シートと液体不透過性シートとの間に、前記吸収体が保持されてなる吸収性物品。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸水性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、吸水性樹脂組成物、それが用いられた吸収体および吸収性物品に関する。
紙おむつや生理用ナプキン等の吸収性物品は、一般に、親水性繊維および吸水性樹脂で構成される吸収体を、身体に接する側に配される液体透過性シートとその反対側に配される液体不透過性シートとの間に挟むことによって形成されている。
近年、吸収体やそれが用いられた紙おむつや生理用ナプキン等は、携帯時の利便性や快適な装着感を達成するために、薄型化される傾向がある。その薄型化に伴い、多量の液体を吸収した場合であっても逆戻りや漏れを減少させるために、吸収体に用いられる親水性繊維の量を減らし、吸水性樹脂の量を増やした吸収体の開発が検討されている。
しかし、吸水性樹脂が人尿等の体液を吸収することによって生成したゲルは、一般に、経時的に劣化するため、その吸収性が低下するようになる。また、ゲルの劣化がさらに進行すると、吸水性樹脂自体が部分的に分解するため、ゲルから水溶性溶解物が溶出するようになる。
したがって、この吸水性樹脂が用いられた製品を人体と接触させて使用した場合には、溶出した水溶性溶解物が皮膚に付着し、かぶれ等が発生するおそれがある。
さらに、吸水性樹脂量が多い吸収体では、吸水性樹脂同士が互いに接触した状態でゲルが劣化するため、溶出した水溶性溶解物がゲル粒子間の隙間を閉塞し、液体が吸水性樹脂に浸透するのが妨げられる現象、いわゆる「ゲルブロッキング」が生じやすくなる。このゲルブロッキングは、吸収体の液漏れの要因の1つとして考えられている。
また、吸水性樹脂は、放置しておくと熱や湿度等の外的要因によって黄色や茶色に着色することがある。特に、紙おむつや生理用ナプキン等の吸収性物品中の吸水性樹脂が着色している場合、その外観が損なわれるため、商品価値は著しく低下する。
したがって、吸収性物品に使用される吸水性樹脂は、夏場の倉庫内のような高温高湿下の厳しい環境下に長期間にわたって保管されても、吸水性樹脂が着色しないことが求められている。
そこで、ゲルの安定性を向上させるために、含酸素還元性無機塩を含有する吸水性樹脂組成物(特許文献1)、トリポリリン酸またはその塩を吸水性樹脂に付着担持させた吸水性樹脂(特許文献2)等が提案されている。しかしながら、これらの吸水性樹脂には、十分な耐着色性を発現させることはできないという欠点がある。
また、吸水性樹脂のゲルの安定性および耐着色性を向上させるために、吸水性樹脂と還元性化合物と有機カルボン酸類および/またはその塩からなる吸水剤組成物(特許文献3)等が提案されている。しかしながら、この組成物には、十分なゲルの安定性および耐着色性を発現させることはできないという欠点がある。
特開昭63−118375号公報 特開平1−33158号公報 特開2003−52742号公報
本発明は、ゲルの安定性および耐着色性に優れた吸水性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、
〔1〕 吸水性樹脂、含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を含有してなる吸水性樹脂組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載の吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを含有する吸収体、ならびに〔3〕 液体透過性シートと液体不透過性シートとの間に、前記〔2〕記載の吸収体が保持されてなる吸収性物品
に関する。
本発明の吸水性樹脂組成物は、ゲルの安定性および耐着色性に優れたものであり、該吸水性樹脂組成物を用いればこれらの物性に優れた吸収体および吸収性物品を得ることができる。
本発明の吸水性樹脂組成物は、吸水性樹脂、含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を含有する点に1つの大きな特徴がある。本発明の吸水性樹脂組成物は、かかる特徴を有するので、ゲルの安定性および耐着色性に優れるという効果が発現される。
本発明に用いられる吸水性樹脂としては、例えば、アクリル酸塩重合体の架橋物、でんぷん/アクリル酸塩グラフト共重合体の加水分解生成物の架橋物、ビニルアルコール/アクリル酸塩共重合体の架橋物、無水マレイン酸グラフトポリビニルアルコールの架橋物、架橋イソブチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体のケン化物、α−ヒドロキシアクリル酸重合体の架橋物等が挙げられる。これらの中では、大量の水を吸収することができ、多少の荷重をかけても吸収した水を分子内に保持することができるので、アクリル酸塩重合体の架橋物が好ましい。このような吸水性樹脂の製造方法としては、特に限定されず、特開平3−227301号公報等に記載の公知の方法が挙げられる。
本発明に用いられる含酸素還元性無機塩としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸亜鉛、亜硫酸アンモニウム等の亜硫酸塩;亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素カルシウム、亜硫酸水素アンモニウム等の亜硫酸水素塩;ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸アンモニウム等のピロ亜硫酸塩;亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、亜二チオン酸アンモニウム、亜二チオン酸カルシウム、亜二チオン酸亜鉛等の亜二チオン酸塩;三チオン酸カリウム、三チオン酸ナトリウム等の三チオン酸塩;四チオン酸カリウム、四チオン酸ナトリウム等の四チオン酸塩;チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等のチオ硫酸塩;亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸亜鉛等の亜硝酸塩等が挙げられる。これらの中では、ゲルの安定性および耐着色性を高める観点から、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜二チオン酸塩、亜硝酸塩が好ましく、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩;亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸水素塩がより好ましい。
含酸素還元性無機塩の含有量は、ゲルの安定性および耐着色性を高める観点から、吸水性樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上、好ましくは0.02重量部以上が望ましい。また、含酸素還元性無機塩をあまり多量に使用しても、その量に見合うだけのゲルの安定性および耐着色性が発現されず、却って経済的でなくなることから、含酸素還元性無機塩の含有量は、吸水性樹脂100重量部に対して、5重量部以下、好ましくは3重量部以下であることが望ましい。したがって、これらの観点から、含酸素還元性無機塩の含有量は、吸水性樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜3重量部であることが望ましい。
本発明で用いられるアミノカルボン酸系金属キレート剤としては、例えば、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、trans−1,2−−ジアミノシクロヘキサン四酢酸、ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、ジアミノプロパノール四酢酸、エチレンジアミン−2−プロピオン酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン二酢酸およびこれらの塩等が挙げられる。これらの中では、着色防止効果に優れている観点から、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸およびこれらの塩が好ましく、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸およびこれらの塩がより好ましい。
アミノカルボン酸系金属キレート剤の含有量は、十分な着色防止効果を発現させる観点から、0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、さらに好ましくは0.1重量部以上であることが望ましい。また、アミノカルボン酸系金属キレート剤をあまり多量に使用しても、その量に見合うだけの着色防止効果が発現されず、却って経済的でなくなることから、アミノカルボン酸系金属キレート剤の含有量は、吸水性樹脂100重量部に対して、5重量部以下、好ましくは3重量部以下、さらに好ましくは2重量部以下であることが望ましい。したがって、これらの観点から、アミノカルボン酸系金属キレート剤の含有量は、吸水性樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部であることが望ましい。
本発明に用いられる有機酸化防止剤としては、特に限定されないが、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、D−アスコルビン酸、D−アスコルビン酸ナトリウム等のアスコルビン酸類;エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム等のエリソルビン酸類;没食子酸、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸n−プロピル、没食子酸イソアミル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル等の没食子酸類;プロトカテキュ酸、プロトカテキュ酸エチル等のプロトカテキュ酸類;2−メルカプトベンズイミダゾール等のベンズイミダゾール類;ブチルヒドロキシアニソール等のアルキルヒドロキシアニソール類が挙げられる。これらの中では、電解質水溶液に対するゲルの安定性に優れていることから、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、没食子酸類が好ましく、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸n−プロピルがより好ましい。
有機酸化防止剤の含有量は、電解質水溶液に対して十分なゲルの安定性を発現させる観点から、吸水性樹脂100重量部に対して、0.001重量部以上、好ましくは0.005重量部以上であることが望ましい。また、有機酸化防止剤をあまり多量に使用しても、その量に見合うだけのゲルの安定性が発現されず、却って経済的でなくなることから、有機酸化防止剤の含有量は、吸水性樹脂100重量部に対して、5重量部以下、好ましくは2重量部以下であることが望ましい。したがって、これらの観点から、有機酸化防止剤の含有量は、吸水性樹脂100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜2重量部であることが望ましい。
本発明の吸水性樹脂組成物は、例えば、吸水性樹脂、含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を混合することにより得ることができる。これらの成分を混合する方法および混合する際の添加順序には、特に限定がない。
吸水性樹脂、含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を混合する方法としては、例えば、(イ)吸水性樹脂を構成する重合前の単量体水溶液に含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を添加して混合する方法;(ロ)吸水性樹脂の含水ゲル状物に含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を添加して混合する方法;(ハ)吸水性樹脂を乾燥させた後に、含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を吸水性樹脂に添加して混合する方法;(ニ)吸水性樹脂を有機溶媒中に分散させた後に含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を添加して混合し、加熱・脱溶媒する方法等が挙げられる。これらの方法の中では、その操作が簡便であることから、前記(ハ)の方法が好ましい。
吸水性樹脂を乾燥させた後に含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を吸水性樹脂に添加して混合する方法においては、アミノカルボン酸系金属キレート剤は、十分な着色防止効果を発現させる観点から、粒子径106μm以下の粒子の割合が50重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましい。
吸水性樹脂を乾燥させた後に含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を吸水性樹脂に添加して混合する際に用いられる混合機としては、例えば、ナウターミキサー、リボン型ブレンダー、クロスロータリーミキサー、コニカルブレンダー、双腕型ニーダー、スクリュー型ブレンダー、V字型ブレンダー、W字型ブレンダー、タービュライザー、メカノミル等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明においては、前記吸水性樹脂組成物を用いて、吸収体を得ることができる。吸収体は、吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを含有するものである。
親水性繊維としては、例えば、セルロース繊維、人工セルロース繊維等が挙げられる。なお、親水性繊維には、本発明の目的が阻害されない範囲内であれば、疎水性を有する合成繊維が含有されていてもよい。
吸収体における吸水性樹脂組成物の含有量は、尿等の体液を十分に吸収し、快適な装着感を付与する観点から、好ましくは45重量%以上、より好ましくは55重量%以上である。また、吸収体における吸水性樹脂組成物の含有量は、得られる吸収体の形態保持性を高めるために、親水性繊維等を含有させることを考慮して、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重量%以下である。
好適な吸収体の態様としては、例えば、吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを均一な組成となるように混合することによって得られた混合分散体、2枚の層状の親水性繊維の間に吸水性樹脂組成物が挟まれたサンドイッチ構造体等が挙げられる。
前記吸収体を、例えば、液体透過性シートと、液体不透過性シートとの間に保持することにより、吸収性物品とすることができる。
液体透過性シートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の繊維からなる、エアスルー型、スパンボンド型、ケミカルボンド型、ニードルパンチ型等の不織布等が挙げられる。
液体不透過性シートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂からなる合成樹脂フィルム等が挙げられる。
吸収性物品の種類には、特に限定がされない。その代表例としては、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パッド等の衛生材料、ペット用の尿吸収材料等をはじめ、パッキング材等の土木建築用資材、ドリップ吸収剤、保冷剤等の食品鮮度保持用材料、土壌用保水材等の農園芸用物品等が挙げられる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
製造例
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計および窒素ガス導入管を備えた1000mL容の五つ口円筒型丸底フラスコに、n−ヘプタンを500mL加えた。これに、ショ糖脂肪酸エステル0.92g添加して分散させ、昇温して溶解させた後、55℃まで冷却した。
上記とは別に、500mL容の三角フラスコに、80重量%アクリル酸水溶液92gを加えた。外部から冷却しながら、この三角フラスコに30重量%水酸化ナトリウム水溶液102.2gを滴下し、アクリル酸の75モル%を中和し、アクリル酸の部分中和物を調製した。さらに、水50.2g、重合開始剤の過硫酸カリウム0.11gおよび架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル18.4mgを添加し、1段目重合用の単量体水溶液を調製した。
この1段目重合用の単量体水溶液の全量を上記の五つ口円筒型丸底フラスコに撹拌下で加えて分散させ、系内を窒素ガスで十分に置換した後、昇温し、浴温を70℃に保持して、重合反応を1時間行った後、室温まで冷却して重合スラリー液を得た。
さらに別の500mL容の三角フラスコに、80重量%アクリル酸水溶液119.1gを加え、冷却しながら30重量%水酸化ナトリウム水溶液132.2gを滴下し、アクリル酸の75モル%を中和し、水27.4g、過硫酸カリウム0.14gおよびエチレングリコールジグリシジルエーテル35.7mgを添加し、2段目重合用の単量体水溶液を調製し、氷水浴内で冷却した。
この2段目重合用の単量体水溶液の全量を前記で得られた重合スラリー液に添加した後、再び系内を窒素で十分に置換した後に昇温し、浴温を70℃に保持して、2段目の重合反応を2時間行った。重合反応終了後、n−ヘプタンに分散させた含水ゲル状物から共沸蒸留により水分のみを系外に除去した。得られたゲル状物に2重量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液8.44gを添加し、さらに水分およびn−ヘプタンを蒸留により除去して乾燥し、吸水性樹脂214.4gを得た。
実施例1
2L容のポリエチレン容器に、製造例で得られた吸水性樹脂100g、亜硫酸ナトリウム1g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(粒子径106μm以下の粒子の割合が86重量%)0.5gおよびL−アスコルビン酸0.05gを仕込み、クロスロータリーミキサー〔明和工業(株)製、品番:CM−3〕を用いて、自転速度30rpm、公転速度30rpmで1時間混合し、吸水性樹脂組成物101.5gを得た。
実施例2
2L容のポリエチレン容器に製造例で得られた吸水性樹脂100g、亜硫酸ナトリウム2g、ジエチレントリアミン五酢酸(粒子径106μm以下の粒子の割合が87重量%)0.7gおよびL−アスコルビン酸0.02gを仕込み、クロスロータリーミキサー〔明和工業(株)製、品番:CM−3〕を用いて、自転速度30rpm、公転速度30rpmで1時間混合し、吸水性樹脂組成物102.7gを得た。
実施例3
2L容のポリエチレン容器に製造例で得られた吸水性樹脂100g、亜硫酸水素ナトリウム2g、エチレンジアミン四酢酸(粒子径106μm以下の粒子の割合が88重量%)0.8gおよびエリソルビン酸ナトリウム0.1gを仕込み、クロスロータリーミキサー〔明和工業(株)製、品番:CM−3〕を用いて、自転速度30rpm、公転速度30rpmで1時間混合し、吸水性樹脂組成物102.9gを得た。
実施例4
2L容のポリエチレン容器に製造例で得られた吸水性樹脂100g、ピロ亜硫酸カリウム2.5g、トリエチレンテトラミン六酢酸(粒子径106μm以下の粒子の割合が90重量%)1.2gおよび没食子酸n−プロピル0.1gを仕込み、クロスロータリーミキサー〔明和工業(株)製、品番:CM−3〕を用いて、自転速度30rpm、公転速度30rpmで1時間混合し、吸水性樹脂組成物103.8gを得た。
実施例5
2L容のポリエチレン容器に製造例で得られた吸水性樹脂100g、亜二チオン酸ナトリウム2.5g、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸(粒子径106μm以下の粒子の割合が86重量%)1gおよびプロトカテキュ酸エチル0.5gを仕込み、クロスロータリーミキサー〔明和工業(株)製、品番:CM−3〕を用いて、自転速度30rpm、公転速度30rpmで1時間混合し、吸水性樹脂組成物104gを得た。
実施例6
2L容のポリエチレン容器に製造例で得られた吸水性樹脂100g、亜硝酸ナトリウム3g、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム(粒子径106μm以下の粒子の割合が89重量%)1.5gおよびブチルヒドロキシアニソール1gを仕込み、クロスロータリーミキサー〔明和工業(株)製、品番:CM−3〕を用いて、自転速度30rpm、公転速度30rpmで1時間混合し、吸水性樹脂組成物105.5gを得た。
実施例7
2L容のポリエチレン容器に製造例で得られた吸水性樹脂100g、亜硫酸ナトリウム1g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(粒子径106μm以下の粒子の割合が36重量%)0.5gおよびL−アスコルビン酸0.05gを仕込み、クロスロータリーミキサー〔明和工業(株)製、品番:CM−3〕を用いて、自転速度30rpm、公転速度30rpmで1時間混合し、吸水性樹脂組成物101.5gを得た。
比較例1
製造例で得られた吸水性樹脂をそのまま用いた。
比較例2
実施例1において、亜硫酸ナトリウム1gを用いない以外は実施例1と同様にして、吸水性樹脂組成物100.6gを得た。
比較例3
実施例1において、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.5gを用いない以外は実施例1と同様にして、吸水性樹脂組成物101.1gを得た。
比較例4
実施例1において、L−アスコルビン酸0.05gを用いない以外は実施例1と同様にして、吸水性樹脂組成物101.5gを得た。
評価
各実施例、および各比較例で得られた吸水性樹脂組成物および吸水性樹脂、ならびにそれらを用いて得られた吸収性物品の物性を、以下の方法により評価した。
(1)人尿吸収時のゲル安定性
成人男性から採取した人尿39gを100mL容のビーカーに分取し、吸水性樹脂組成物または吸水性樹脂1gを添加して、人尿吸収ゲルを作製した。この人尿吸収ゲルを40℃の恒温槽内に24時間放置した後、以下の評価基準に従って、ゲルの安定性を評価した。
〔評価基準〕
◎:ゲルの弾力性があり、強く押してもつぶれない。
○:ゲルの弾力性はあるが、強く押すとつぶれる。
△:ゲルの形状はあるが、軽くつまむとつぶれる。
×:ゲルの形状が崩れている。
(2)生理食塩水吸収時のゲル安定性
0.9重量%生理食塩水39gを100mL容のビーカーに分取し、これに吸水性樹脂組成物または吸水性樹脂1gを添加して、生理食塩水吸収ゲルを作製した。この生理食塩水吸収ゲルを40℃の恒温槽内に24時間放置した後、以下の評価基準に従って、ゲルの安定性を評価した。
〔評価基準〕
◎:ゲルの弾力性があり、強く押してもつぶれない。
○:ゲルの弾力性はあるが、強く押すとつぶれる。
△:ゲルの形状はあるが、軽くつまむとつぶれる。
×:ゲルの形状が崩れている。
(3)吸収性物品の耐着色性
吸水性樹脂組成物または吸水性樹脂12gと解砕された木材パルプ9gとを乾式混合した。得られた混合物を、大きさが40cm×10cmで重さが1gのティッシュに吹き付けた後、同じ大きさおよび重さのティッシュを重ねてシート状にした。得られたシートの全体に196kPaの加重を30秒間加えてプレスすることにより吸収体を作製した。この吸収体を、大きさ40cm×12cm、坪量20g/m2 のポリエチレン製エアスルー型不織布と、同じ大きさ、重さ1gのポリエチレンシートとで挟み付けることにより、吸収性物品を作製した。
得られた吸収性物品を温度50±2℃、相対湿度90±2%に設定された恒温恒湿槽内に10日間放置した後、吸収性物品中の吸水性樹脂組成物または吸水性樹脂の着色を目視で観察し、吸収性物品の耐着色性を以下の基準により評価した。
〔評価基準〕
A:不織布を取り除き、吸収体をほぐして見ても、内部の吸水性樹脂は着色していない。
B:不織布を取り除かない状態で見たとき、吸水性樹脂による着色が認められないが、不織布を取り除き、吸収体をほぐすと、一部の吸水性樹脂に着色が認められる。
C:不織布を取り除かない状態で見ても、吸水性樹脂による着色が認められる。
各実施例および各比較例で使用した含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤の種類および添加量(重量部)を表1に示す。
Figure 2005029751
また、各実施例および各比較例で得られた吸水性樹脂組成物および吸水性樹脂の物性として、前述の方法に従い、(1)人尿吸収時のゲル安定性、(2)生理食塩水吸収時のゲル安定性を評価した。さらに、得られた吸水性樹脂組成物または吸水性樹脂を用いて作製した耐着色性試験用吸収性物品を用いて前述の(3)吸収性物品の耐着色性を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2005029751
表2に示された結果から、各実施例によれば、ゲルの安定性に優れ、高温高湿下であっても耐着色性に優れた吸水性樹脂組成物が得られることがわかる。また、粒子径106μm以下の粒子の割合が36重量%であるアミノカルボン酸系金属キレート剤が用いられた実施例7の吸収性物品よりも、粒子径106μm以下の粒子の割合が実施例7よりも高い80重量%以上のアミノカルボン酸系金属キレート剤が用いられた実施例1〜6の吸収性物品の方がより耐着色性に優れていることがわかる。
本発明によれば、ゲルの安定性および耐着色性に優れた吸水性樹脂組成物を提供することができ、該吸水性樹脂組成物を用いればこれらの物性に優れた吸収体および吸収性物品を提供することができる。

Claims (9)

  1. 吸水性樹脂、含酸素還元性無機塩、アミノカルボン酸系金属キレート剤および有機酸化防止剤を含有してなる吸水性樹脂組成物。
  2. 含酸素還元性無機塩の含有量が、吸水性樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部である請求項1記載の吸水性樹脂組成物。
  3. アミノカルボン酸系金属キレート剤の含有量が、吸水性樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部である請求項1または2記載の吸水性樹脂組成物。
  4. 有機酸化防止剤の含有量が、吸水性樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部である請求項1〜3いずれか記載の吸水性樹脂組成物。
  5. 含酸素還元性無機塩が、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜二チオン酸塩および亜硝酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜4いずれか記載の吸水性樹脂組成物。
  6. アミノカルボン酸系金属キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸およびこれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜5いずれか記載の吸水性樹脂組成物。
  7. 有機酸化防止剤が、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、没食子酸類、プロトカテキュ酸類、ベンズイミダゾール類およびアルキルヒドロキシアニソール類からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜6いずれか記載の吸水性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7いずれか記載の吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを含有する吸収体。
  9. 液体透過性シートと液体不透過性シートとの間に、請求項8記載の吸収体が保持されてなる吸収性物品。
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