JP2005024760A - 光受信機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケース本体には光受信部と、光ファイバ収容部とを備え、光ファイバ収容部は、周囲に安全曲率の範囲内で小さい曲率に形成されている周壁26aを有する第1巻枠26と、第2巻枠27とを並置させ、第1巻枠26と第2巻枠27の周壁26aの外周から遠く離れた複数個所に、光ファイバを大きな曲率で配置することを許容するように、光ファイバの外周位置規制用の跳止壁29bを夫々自立状に並設し、第1巻枠26と第2巻枠27との間は、一部において重合させ、重合部においては、そこを、第1巻枠26の周壁26aとしても使え、第2巻枠27の周壁27aとしても使えるようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光伝送システムにおいて、光信号の取り込みを可能に光ケーブルをケースに引き込み、引き込んだ光ケーブルに対して、任意の通信機器(例えばメディアコンバータ)などに接続される引き出し側の光ケーブルを接続し、または、光信号をTV受像機などで受信できるような電気信号に変換するO/E変換手段を備える光受信部を接続する場合に用いられる光受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から光受信機においては、ケース本体に対して引き込んだ光ケーブルと、引き出し側の光ケーブルとの接続作業を行う場合には、両者の接続を特殊な工具を用いて接続する関係から、光ケーブルの被覆を除去した後の光ファイバの長さが夫々数十センチ必要となる。その為、両者の接続作業を終えた後は光ファイバの余分な長い部分(余長部分)の処理をしなければならない。この場合光ファイバは一定の曲率よりも小さく巻き込むと光ファイバの組織が破壊する危険がある。そこで従来は安全を見込んで光ケーブルや、光ファイバはすこぶる大きな曲率で巻く。すると、その余長の光ケーブルや、光ファイバを傷めることは少なくなる。
(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平7−325227号公報(図1及び段落(0009))
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の光受信機のように安全を見込んですこぶる大きな曲率で巻くと、光ファイバを収容する為のケースにおける専有面積が広くなり、それを納めるケースが大型になる問題点が発生する。
また光ファイバを大きなループの状態に巻くと、ケースを移動させる場合に、余長の光ファイバ収容部におけるループ状の光ファイバの一部が浮き上ったり、揺れてうねりを生じたりして、光ファイバを傷める問題点が生じる。
特に、余長部分の長さは、光ファイバ収容部におけるループ状の収納路の長さの整数倍ではない場合が殆どなので、光ファイバの余長部分をきっちりと上記ループ状の収納路に収めることのできない問題点もあった。
【0005】
本件出願の目的は、引き込まれた光ファイバと、引き出す為の光ファイバとの余長部分が長くてもそれが邪魔にならないように丸め、小嵩に収納することができるようにした光受信機を提供しようとするものである。
他の目的は、余長部分を巻枠に対して巻付ける場合、緩く巻き付けても、きつく巻き付けても、光ケーブルの安全曲率以下には曲がらないようにして、作業時に、光ファイバの曲率が小さくなって損傷することを気にしなくてもよいようにした光受信機を提供しようとするものである。
他の目的は、光ファイバの余りの長さが大きく、しかも、ループ状で、そのループの長さが適当で定かでない場合でも、短くコンパクトに巻くこともできれば、中位の長さに巻くこともでき、さらには大きなループで巻くこともできる等、光ファイバの余長部分の長さに対応して多彩な巻き方が選択できるような光受信機を提供しようとするものである。
他の目的は、二つの巻枠の間は、一部において重合させ、重合部においては、そこを、第1巻枠の周壁としても使え、第2巻枠の周壁としても使えるようにし、巻態様の多様化と、余長部分を巻いた状態で納める部分の平面的な専有面積を小さくすることができる光受信機を提供しようとするものである。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明における光受信機は、ケース本体にはO/E変換手段を備える光受信部と、余長の光ファイバ収容部とを備えている光受信機において、上記光受信部と余長の光ファイバ収容部とは、余長の光ファイバ収容部が上側となるように上下に重合させ、余長の光ファイバ収容部は、基板の上面に対し周囲に光ファイバの添付を可能とする安全曲率の範囲内で小さい曲率に形成されている周壁を有する第1巻枠と、第2巻枠とを並置させ、 上記第1巻枠と、第2巻枠との並置の状態は、第1巻枠と、第2巻枠の中心点位置を中心にして上記安全曲率が得られる半径で描かれる円弧の一部が半径方向において相互に重合するように、第1巻枠と、第2巻枠の中心点位置を相互に近づけ、第1巻枠と第2巻枠との上記重合部においては、第1巻枠と第2巻枠との外周位置に対し、夫々個別に光ファイバを安全曲率の範囲内で巻付け可能に、第2巻枠に対しては両側に第1巻枠の外周円弧面に向けて夫々開口させた開口部を有する空間を構成し、かつ、その空間の第1巻枠寄りには円弧状の光ファイバ添付の為の周壁を形成し、第1巻枠に対しては両側に第2巻枠の外周円弧面に向けて夫々開口させた開口部を有する空間を構成し、かつ、その空間の第2巻枠寄りに円弧状の光ファイバ添付の為の周壁を形成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本願発明の実施の形態を示す図面について説明する。図1乃至図8において、3は、周知のようにオフィスビルやマンションなどの出入り口近くに設置する光受信機1におけるケース本体を示し、通常は任意の蓋体4を開閉自在に備える。4aは蓋体4の止具を示す。5は、ケース本体3における収納空間を示し、O/E変換手段を備える光受信部13と、余長の光ファイバ44、45、46、47を収容する為の収容部24とを備えている。ケース本体3の前側の板体3aは、例えば底部、側部3bを含む本体部分とプラスチック材で一体に形成してある。これに備える8、9は公知のテレビ信号を取り出す為の出力端子突出口を示す。前側の板体の1部を構成する部材3cは、図6に現れているように基板25と一体に取扱う為に前側の板体3aとは別離可能に構成してあり、図1、2のように装着状態では僅かに切れ目3eが見える程度に一体化可能に構成してある。
なお本件明細書において「上下及び前後」と、方向を称する場合は、図6の状態の場合で称するものであり、図6のケース本体3の前側3aが下向きに配置された場合には、上記表現は、「前後(表側と奥側)及び上下」となる。
上記光受信部13と余長の光ファイバ収容部24とは、図6に現れているように光ファイバ収容部24が上側となるように上下に重合させ、光ファイバの余長部分を収納する場合に作業性が向上するようにしてある。
【0008】
光受信部13は、通常知られているように外部はシールド効果を有する金属製のケース(シャーシ)14で構成されており、内部には、光信号をテレビ受像機用の入力信号に変換する為の手段、通常、O/E変換手段として知られている電子回路が15が収められている。また必要に応じては周知のように増幅回路が収まっている。光受信部13のケース14は任意の着脱自在に構成されたケース本体3側の取付具、例えば鈎片10で着脱自在に保持される。ケース(シャーシ)14の表面には、基板25の表面よりも高くなるように高さを設定した光アダプタ20が着脱自在に固着されている。この光アダプタ20には、ケース14内のO/E変換手段に連なる光ファイバ17の先端に付されている光コネクタ21aが抜差自在に接続されている。光コネクタ21aはケース14に設けた孔を通してケース14の内に収納できるようにしても良いし、ケース14の蓋が開閉できるように光ファイバ17のリード線を長くしてあっても良い。16、16aは周知のテレビ信号用出力端子及びテレビ信号用出力レベル測定端子の存在を示す。
【0009】
余長の光ファイバ収容部24において、25は基板を示し、プラスチックまたは金属などの硬質平板材で形成してある。基板25は任意の手段、例えばケース本体3に対して直接的に、又はケース本体3に装着されている上記のケース14に対して着脱自在にねじ部材などを用いて装着する。図6に現れる25aは基板25から延長させたカバーを示し、リード線17を保護する為のものである。25bは基板25の上に設けたコネクタ仮止め具の存在を示すものである。
基板25の上面に対しては、図示のように光ファイバ44、45、46、47の添え付けを可能とする安全曲率の範囲内で小さい曲率に形成されている周壁26a,27aを有する第1巻枠26と、第2巻枠27とを並置させてある。安全曲率としては光ファイバのメーカーによって種々な説があるが、一般的には半径が20mm〜30mmあれば安全な曲率といわれている。
【0010】
第1巻枠26と、第2巻枠27とは、基板25が合成樹脂で成型される場合には一体材で成型される。周壁26a,27aには、光ファイバの滑りを止める為に、必要に応じて上下方向に長いスリットが周方向に多数配設してあってもよい。更に巻枠の平面形状は真円であっても良いし、安全曲率以上の曲率を備える楕円形であっても良い。
また、巻枠の周壁26a,27aは、基板25とは別体で形成し、基板25の所定位置に任意の接合手段、例えば基板25に多数の孔を穿ち、巻枠の側から延びる多数の爪を嵌合させる手段を用いて、或いは接着剤などを用いて密着状態に装着してもよい。
28は周壁26a,27aに添わせる光ファイバ44、45、46、47が跳ね上がるのを阻止するために予め周壁26a,27aの上部位置に均等に割り付けて配置された複数の跳止爪を示す。この跳止爪28は周壁26a,27aの上部位置から放射方向に向けて一体材で張り出し状に備えさせてある。上記張り出し状の跳止爪における下方の基板25には、必要に応じて、周知のように成形時に必要な型(中子)を抜き出す為に透孔を設けておくとよい。
【0011】
上記基板25の上面に対し、前述のごとく並置されている第1巻枠26と、第2巻枠27について説明する。これらの並置の状態は、第1巻枠26と第2巻枠27の夫々の中心点位置26f,27fを中心にして、上記安全曲率が得られる半径で描かれる円弧(周壁26a,27aの外周面とほぼ一致する)の一部が半径方向において相互に重合267するように、第1巻枠26と、第2巻枠27の中心点位置26f,27fを相互に近づけてある。このように配置すると当然のことながら図1から明らかなように第1巻枠26と第2巻枠27の左右全体の幅寸法は狭くなり、専有面積は小さくなる。
【0012】
第1巻枠26と第2巻枠27との上記重合部267においては、図1に現れているように構成することにより、第1巻枠26の外周と、第2巻枠27の外周に対し、図8,図9の説明から明らかなように夫々個別に光ファイバを安全曲率の範囲内で巻付け可能に構成してある。
その巻付け可能な構成を先ず第1巻枠26について説明する。図8に現れているように相手方である第2巻枠27に対して、両側に第1巻枠26の外周円弧面に向けて夫々開口させた開口部27hを有する空間R4aを構成し、かつ、その空間R4aの第1巻枠寄りには光ファイバ添付の為の円弧状の周壁26aを形成する。
次に、対応相似的に形成されている第2巻枠27について説明する。図8に現れているように相手方である第1巻枠26に対して、両側に第2巻枠27の外周円弧面に向けて夫々開口させた開口部26hを有する空間R4dを構成し、かつ、その空間R4dの第2巻枠寄りには光ファイバ添付の為の円弧状の周壁27aを形成する。
【0013】
さらに、光ケーブル出入口6における導入路R1と、第1巻枠26における左回り巻き付けの始端26dとの間に、光ファイバを通過させる為の上記安全曲率以上の曲率に形成した光ファイバ通路R4bが設けられている。この光ファイバ通路R4bは、第2巻枠27の中間位置において中心点27f寄りに湾曲させてある。 このような通路R4bを設けることにより、通常、光ケーブル出入口6から挿入される光ファイバは、第1巻枠26,第2巻枠27に対して右回りに巻けるのであるが、これを図8,図9から理解できるように、逆向きの左回りに巻き付け可能になる。また上記構成により第2巻枠27は見ためで巻枠要素27cと、巻枠要素27dと、巻枠要素27eとに分かれる。
なお、光ファイバ通路R4a、R4b、R4dにおいては、夫々の周壁26a、27a、27gに対向する面に対して光ファイバを案内する壁面が構成されている。
【0014】
基板25の上面に対しては、上記第1巻枠26と第2巻枠27の夫々の小さい曲率を有する周壁26a,27aの外周から遠く離れた位置に、第1巻枠26と第2巻枠27を取り囲むように、相互に適当な間隔を隔てて複数個所において光ファイバの外周位置規制用の跳止壁29bを夫々自立状に並設してある。外周位置規制用の跳止壁29bが並設してある位置は、第1巻枠26と第2巻枠27の周壁26a、27aから大きな間隙を隔てて光ファイバを大きな曲率で配置することを許容するように選定してある。上記跳止壁29bの上部には夫々対応する第1巻枠26と、第2巻枠27に向けて延出させた爪29aを備えさせ、光ファイバが上方に向けて跳ね上がらないように形成してある。
【0015】
これらの複数の爪29aと、上記複数の跳止爪28との配列は、図1に示してあるように平面形状において、跳止爪28の先端と、複数の爪29aの先端が相互に入り組んだ状態に配置されている。このことは光ファイバ44、45、46、47が第1巻枠26と第2巻枠27の夫々の周壁26a、27aから近い位置にて巻かれた場合は、複数の跳止爪28によってその浮き上がりは防止され、光ファイバが曲率半径大きく、夫々の周壁26a、27aから離れた遠い位置に巻かれた場合は、複数の爪29aによってその浮き上がりは防止され、図1のように光ファイバが直線状態或いはやや湾曲した状態では、上方に向けて飛び出すことができないように交互に入れ込み状態で配列してある。
【0016】
基板25の上面において、34、35は公知の第1と第2のスプライスホルダの存在を示し、光ファイバ44と47、45と46とを夫々接続するための公知の第1と第2のメカニカルスプライス36、37を着脱自在に保持する為のものである。
配設位置としては、邪魔にならないように図1における第1巻枠26と第2巻枠27の中間位置の上方に選定してある。
基板25において、基板25の上面とほぼ同じ高さに配設してある光アダプタ20が存在する隅部は、基板25を欠如させ、光ファイバ47の自由端に付着させた光コネクタ21bを光アダプタ20の受口22に着脱自在に接続できるようにしてある。
【0017】
光ケーブルの出入口6の近くの基板25の上面においては、出入口6から巻枠27に向けて大きな曲率で2芯の光ケーブル41や、2芯(又は単芯)の光ケーブル42の出入りを導くために緩やかに上昇するスロープが付された通路R1が形成されている。
出入口6の近くには上下から光ケーブル41、42を弾力的に挟み付ける為に通常知られているように上下の当たり面に弾力部材を備える挟着用部材から成る挟着具39a、39bが配設されており、挿入された光ケーブル41、42を着脱自在に保持している。
【0018】
図1〜図8に現れる構成のものに光ケーブルを敷設する作業は、光ケーブルの出入口6から先端の光ファイバ44、45を先頭にして光ファイバ収容部24に2芯の光ケーブル41を挿入する。また必要に応じて2芯(又は単芯)の光ケーブル42をも挿入し、固定する。この状態で通常知られている第1と第2のメカニカルスプライス36、37を利用する接続手段(他の任意周知の接続手段でもよい)を用いて光ファイバ44と47、及び光ファイバ45と46とを接続する。この接続作業においては通常知られている工具を用いるので、光ファイバ44、45、46、47は比較的長くなければならない。例えば50cm以上であることが望ましい。作業員の都合によっては100cm以上の場合もある。
【0019】
上記のようにして光ファイバ相互が接続された後は、図7に現れているように、これらのループ状になっている余長の光ファイバ(余分な長い光ファイバ)を光ファイバ収容部24に対して綺麗に納めなければならない。
このように引き込まれた光ファイバの余長部分を邪魔にならないように丸め、小嵩に収納する場合、図8、図9において説明するように大小多数の巻態様を選択してきっちり、過不足無くきれいに収納することができる。
なお図面(図8に良く現れている)においてR1〜R12は光ファイバを配設する場所(通路)を示すものである。
例えば第1の態様は、図8に現れているように二つの巻枠26、27の外周に沿って、通路R2、R3、R7、R6、R5、R10を渡って1巻の長さを長く巻き付ける。
第2の態様は、二つの巻枠26、27のいずれか一方の巻枠の外周に倣って最も短く巻き付ける。
第3の態様は、第1巻枠26と第2巻枠27の周壁から間隙を隔てて光ファイバを大きな曲率で配置することを許容するように配設されている複数の外周位置規制用の跳止壁29bに沿わせて、図4(B)に現れているように通路R2、R8、R6、R9を渡って1巻の長さを最も長く巻く。
【0020】
第4の態様は、図7に現れているように通路R1、R4b、R9、R6、R7、R3のように、斜めになる通路R4bを利用する巻き方である。このような巻き方を利用すると第1巻枠26,第2巻枠27に対して右回り(通路R3からR7に向けての巻き方)に巻くべき光ファイバを、逆向きの左回り(通路R10からR5に向けての巻き方)に巻き付け可能にする。
従って、挿入口6から通路R2に向けて入れた複数本の光ファイバを右回りに巻枠に巻いたり、図7のように左回り状に取り出したりすることができ、固定されている器具20に対し、左から光ファイバを接続できるようになり、光ファイバをきれいに巻いて整理することができる。
第5の態様は、図8に現れているように通路R11、R12を利用する例がある。ここの中間には第1と第2のスプライスホルダ34、35が存在固定されている。従って第1と第2のメカニカルスプライス36、37を用いて光ファイバ相互を接続した後は、その第1と第2のメカニカルスプライス36、37を第1と第2のスプライスホルダ34、35に対して着脱自在に装着することにより、図示のようにこれらに接続される光ファイバを安定させることができる。また、光アダプタ20に対して光コネクタ21を介して接続される光ファイバ47も安定状態を維持する。
【0021】
次に、光ファイバ相互が接続された後のループ状になっている余長の光ファイバを光ファイバ収容部24に対して綺麗に納める場合に選択的に利用する大小多数の巻態様を図8、図9を用いて説明する。
図8に示されている「D1〜D13」の矢印は、光ファイバを光ファイバ収容部24に収納する場合に利用できる光ファイバの配列方向を説明する為の矢印である。
図9において「番号」の欄は巻態様の事例数を示す。「収納する光ファイバの区間」及び「収納する経路の順番」の欄は、始点から終点の間の場所と、図8に示される「D1〜D13」の矢印の向きに光ファイバを収納する場合の事例を示す。右側の説明は配置の場所の概要を示す。
【0022】
このように光ファイバ接続後、余長部分を収納する場合、上記多数の態様の巻き方を適宜選択利用することにより、光ファイバの余りの長さが大きく、しかも、ループ状で、そのループの長さが適当で定かでない場合でも、光ファイバを仕上がりよく巻き付け、格好の良い仕上がりにすることが可能になる。
しかも上記態様の巻き方は夫々巻枠26、27に対して緩く巻き付けても、きつく巻き付けても、巻枠の安全曲率以下にはならないので、光ファイバの曲率が小さくなって損傷することを気にしなくても、必ず安全曲率以上の曲率で巻くことができるようになる。
【0023】
なお、上記のようにして、ケース本体3の内に光受信部13と、余長の光ファイバ収容部24とを任意の手段で装着し、光ファイバ収容部24に光ファイバを納めた後は通常の利用法方によって利用される。例えばケース本体3に蓋4を被せ、通常の如く家屋に装着する。
その後は出入口6から引き出されている光ケーブル42に例えば家屋54内におけるメディアコンバータ50、パソコン51を接続して光信号を利用する。又出入口9の接続端子16から引き出された同軸ケーブルにはセットトップボックス52、テレビ受像機53を接続して利用する。
【0024】
なお、符号58は、光ファイバを大きな曲率で配置させた場合に、外部に向けて逃げ出すのを防ぐための周壁で、内面は上記安全曲率の範囲内でカーブさせてある。この周壁58は必要に応じて上記それぞれは独立して立設されている複数の外周位置規制用の跳止壁29bと連続させて、一体に形成するとよい。
以上のように第1巻枠26と第2巻枠27との配置、構成を図1のように構成することにより、平面的な専有面積を著しく小さくすることができる。それにより、ケースの外形形状をより小型、コンパクトにすることが可能になる。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本願発明は、引き込まれた光ファイバの余長部分を邪魔にならないように丸め、小嵩に収納する場合、二つの巻枠26、27の外周に渡って、又は一つの巻枠26の外周に倣って巻き付けることにより、光ファイバをきれいに巻いて整理することのできる効果がある。
【0026】
しかもその場合、巻枠26、27に対して緩く巻き付けても、きつく巻き付けても、巻枠の安全曲率以下にはならないので、光ファイバの曲率が小さくなって損傷することを気にしなくても、必ず安全曲率以上の曲率で巻くことができる安全上の効果がある。
【0027】
光ファイバの余りの長さが大きく、しかも、ループ状で、そのループの長さが適当で定かでない場合でも、二つの巻枠に渡って巻く長い「巻付け長さ」と、光ケーブル出入口6に近い側に存在する一つの巻枠27の周囲に巻く、最も短い「巻付け長さ」と、光ケーブル出入口6から遠い側に存在する一つの巻枠26の周囲に巻く、比較的やや長くなる「巻付け長さ」とは長短三様に異なるので、これらについて巻き方を選択することにより、上記ループ状で、長さが定かでない光ファイバを仕上がりよく巻き付け、格好の良い仕上がりにすることができる効果がある。
【0028】
更に本願発明にあっては、第1巻枠26と第2巻枠27との間は、一部において重合させ、重合部においては、そこを、第1巻枠26の周壁26aとしても使え、第2巻枠27の周壁27aとしても使えるようにしたものであるから、巻態様の多様化と、余長部分を巻いた状態で納める部分の平面的な専有面積を小さくすることができ、光受信機全体を小型コンパクトに出来る効果がある。
【0029】
その上本願発明においては、光ケーブル出入口と、第1巻枠における左回り巻き付けの始端との間に光ファイバを通過させる為の上記安全曲率以上の曲率に形成した光ファイバ通路を設けれることによって、光ケーブル出入口6から挿入される光ファイバは、第1巻枠26,第2巻枠27に対して右回りに巻けるのであるが、これを逆向きの左回りに巻き付け可能になる取り扱い上の効果がある。
【0030】
しかも、上記の二つの巻枠に渡って巻く長い「巻付け長さ」と、一つの巻枠の周囲に巻く短い「巻付け長さ」との他に、本願発明にあっては、上記第1巻枠26と第2巻枠27の夫々の小さい曲率を有する周壁26a、27aの外周から遠く離れた複数個所に、第1巻枠26と第2巻枠27の周壁から間隙を隔てて光ファイバを大きな曲率で配置することを許容するように、光ファイバの外周位置規制用の跳止壁29bを夫々自立状に並設することにより、より大きな曲率で光ファイバをループ状に収めることができる等、多くの態様の巻き方が選択でき、上記ループ状で、長さが定かでない光ファイバをより一層簡便に巻いて整理することのできる作業上の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓋を除いた状態の一部を破断した光受信機の平面図。
【図2】正面図。
【図3】III−III 線断面図。
【図4】IV−IV 線断面図。
【図5】V−V 線断面図。
【図6】ケース本体と光受信部と光ファイバ収容部との関係を説明する為の分解斜視図。
【図7】光ファイバをメカニカルスプライスで接続し、第1巻枠と第2巻枠に対して巻き付ける方向を説明する為の平面図。
【図8】光ファイバを収容する通路と、配置を説明するための平面図。
【図9】光ファイバの多数の収納態様を説明するための例を示す図。
【符号の説明】
1・・・光受信機、3・・・ケース本体、4・・・蓋体(着脱、開閉)、4a・・・止具、5・・・収納空間、6・・・光ケーブル出入口、8・・・TV出力端子、9・・・TV出力端子、10・・・取付具、13・・・光受信部、14・・・ケース(シャーシ)、15・・・回路要素(O/E変換器、増幅器)、16・・・出力端、16a・・・出力端、20、21・・・光アダプタ、24・・・光ファイバ収容部、25・・・基板、26・・・第1巻枠、 26a・・・壁、27・・・第2巻枠、27a・・・壁、28・・・跳止爪、29a,b・・・跳止爪(自立型)、29d・・・跳止壁、34・・・第1スプライスホルダ、35・・・第2スプライスホルダ、36・・・第1メカニカルスプライス、37・・・第2メカニカルスプライス、41・・・2芯光ケーブル、42・・・光ケーブル、44〜47・・・光ファイバ、R1〜R12・・・光ファイバ路。
Claims (3)
- ケース本体にはO/E変換手段を備える光受信部と、
余長の光ファイバ収容部とを備えている光受信機において、
上記光受信部と余長の光ファイバ収容部とは、余長の光ファイバ収容部が上側となるように上下に重合させ、余長の光ファイバ収容部は、基板の上面に対し周囲に光ファイバの添付を可能とする安全曲率の範囲内で小さい曲率に形成されている周壁を有する第1巻枠と、第2巻枠とを並置させ、 上記第1巻枠と、第2巻枠との並置の状態は、第1巻枠と、第2巻枠の中心点位置を中心にして上記安全曲率が得られる半径で描かれる円弧の一部が半径方向において相互に重合するように、第1巻枠と、第2巻枠の中心点位置を相互に近づけ、
第1巻枠と第2巻枠との上記重合部においては、第1巻枠と第2巻枠との外周位置に対し、夫々個別に光ファイバを安全曲率の範囲内で巻付け可能に、第2巻枠に対しては両側に第1巻枠の外周円弧面に向けて夫々開口させた開口部を有する空間を構成し、かつ、その空間の第1巻枠寄りには円弧状の光ファイバ添付の為の周壁を形成し、第1巻枠に対しては両側に第2巻枠の外周円弧面に向けて夫々開口させた開口部を有する空間を構成し、かつ、その空間の第2巻枠寄りに円弧状の光ファイバ添付の為の周壁を形成したことを特徴とする光受信機。 - 上記第2巻枠には、第1巻枠と第2巻枠に対して右回りに巻け付け可能に光ケーブル出入口から挿入される光ファイバを、逆向きの左回りのいずれかにでも巻き付け可能にする為に、光ケーブル出入口と、第1巻枠における左回り巻き付けの始端との間に光ファイバを通過させる為の上記安全曲率以上の曲率に形成した光ファイバ通路が設けられていることを特徴とする請求項1の光受信機。
- ケース本体にはO/E変換手段を備える光受信部と、余長の光ファイバ収容部とを備えている光受信機において、
上記光受信部と余長の光ファイバ収容部とは、余長の光ファイバ収容部が上側となるように上下に重合させ、余長の光ファイバ収容部は、基板の上面に対し周囲に光ファイバの添付を可能とする安全曲率の範囲内で小さい曲率に形成されている周壁を有する第1巻枠と、第2巻枠とを並置させ、上記第1巻枠と、第2巻枠との並置の状態は、第1巻枠と、第2巻枠の中心点位置を中心にして上記安全曲率が得られる半径で描かれる円弧の一部が半径方向において相互に重合するように、第1巻枠と、第2巻枠の中心点位置を相互に近づけ、
第1巻枠と第2巻枠との上記重合部においては、第1巻枠と第2巻枠との外周位置に対し、夫々個別に光ファイバを安全曲率の範囲内で巻付け可能に、第2巻枠に対しては両側に第1巻枠の外周円弧面に向けて夫々開口させた開口部を有する空間を構成し、かつ、その空間の第1巻枠寄りには円弧状の光ファイバ添付の為の周壁を形成し、第1巻枠に対しては両側に第2巻枠の外周円弧面に向けて夫々開口させた開口部を有する空間を構成し、かつ、その空間の第2巻枠寄りに円弧状の光ファイバ添付の為の周壁を形成し、さらに上記基板の上面に対しては、上記第1巻枠と第2巻枠の夫々の周壁の外周から遠く離れた複数個所に、第1巻枠と第2巻枠の周壁から間隙を隔てて光ファイバをより大きな曲率で配置することを許容するように、光ファイバの外周位置規制用の跳止壁を夫々自立状に並設し、かつそれらの跳止壁の上部には夫々対応する第1巻枠と、第2巻枠に向けて延出させた爪を備えさせたことを特徴とする光受信機。
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