JP2005024368A - 放射線画像検出器の残像消去方法および装置 - Google Patents

放射線画像検出器の残像消去方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線の照射量に応じて発生した電荷を蓄積することにより放射線画像を検出する放射線画像検出器から上記電荷を読み取った後に残存した電荷を消去する残像消去方法および装置において、上記残存電荷の消去を十分かつ短時間で行う。
【解決手段】放射線画像検出器10の第1の電極層11と第2の電極層15とに電圧源40により電圧を印加するとともに、面状光源20から発せられた第1の消去光を読取用光導電層14に照射し、この照射により読取用光導電層14において発生した正の電荷と残存した電荷のうちの負の電荷とを結合させて消去し、次いで、第1の電極層11と第2の電極層15とを短絡するとともに、面状光源20から発せられた第2の消去光を読取用光導電層14に照射し、この照射により読取用光導電層14において発生した負の電荷と残存した電荷のうちの正の電荷とを結合させて消去する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線画像を担持した放射線または記録光が照射され、放射線または記録光の照射量に応じて発生した電荷を蓄積することにより放射線画像を検出する放射線画像検出器から上記電荷を読み取った後、その放射線画像検出器に残存した電荷を消去する残像消去方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被写体を透過したX線などの放射線の照射量に応じた量の電荷を蓄電部に蓄積することにより被写体の放射線画像を検出する放射線画像検出器を用いて放射線画像を記録するとともに、その放射線画像検出器に記録された放射線画像を電気信号をとして読み取る放射線画像記録読取装置が、医療用放射線画像の撮影などにおいて多く利用されており、種々のタイプのものが提案されている。
【0003】
そして、上記のような放射線画像記録読取装置において用いられる放射線画像検出器としては、たとえば、特許文献1には、放射線を透過する第1の電極層、放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層、潜像電荷に対しては絶縁体として作用し、かつ潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層、および線状電極が平行に配列された第2の電極層をこの順に積層してなる放射線画像検出器が提案されている。上記放射線画像検出器を用いた放射線画像記録読取装置においては、第1の電極層と第2の電極層とに電圧が印加された状態で第1の電極層側から放射線が照射され、その照射された放射線の照射量に応じた量の電荷が記録用光導電層において発生し、その電荷のうち一方の極性の電荷が第1の電極層に帯電された電荷と結合するとともに他方の極性の電荷が記録用光導電層と電荷輸送層との界面に形成される蓄電部に潜像電荷として蓄積されることより、放射線画像の記録が行われる。そして、第2の電極層側から照射された読取光が第2の電極層を透過して読取用光導電層に照射され、その読取光の照射により読取用光導電層において発生した一方の極性の電荷が蓄電部における潜像電荷と結合するとともに、他方の極性の電荷が線状電極に接続された電流検出アンプにより検出されることにより放射線画像が電気信号として読み出される。
【0004】
また、上記のように放射線画像検出器に読取光を照射することにより放射線画像の読取りを行う、いわゆる光読取方式の放射線画像記録読取装置の他に、放射線画像検出器に設けられたTFTスイッチをON・OFFすることにより放射線画像の読取りを行う、いわゆるTFT読取方式の放射線画像記録読取装置も提案されている。
【0005】
ここで、たとえば、上記のような光読取方式の放射線画像記録読取装置において、放射線画像検出器から放射線画像を読み取った後には、その蓄電部に蓄積された電荷の一部が読み取られることなく蓄電部に残存したり、また、読取用光導電層において発生した電荷の一部が読取用光導電層や電荷輸送層にトラップされて残存してしまうことがある。このような残存電荷を消去することなく次の放射線画像の記録を行なったのでは、その放射線画像の画質の劣化を招くことになる。
【0006】
そこで、特許文献2においては、次の放射線画像の記録を行う前に、第1の電極層と第2の電極層とに電圧を印加した状態で前露光光を読取用光導電層に照射し、その前露光光の照射により読取用光導電層において発生した電荷と上記残存電荷とを結合させることにより残存電荷を消去する方法が提案されている。
【0007】
また、特許文献3においては、次の放射線画像の記録を行う前に、第1の電極層と第2の電極層とを短絡した状態で前露光光を読取用光導電層に照射し、その前露光光の照射により読取用光導電層において発生した電荷を上記残存電荷とを結合させることにより残存電荷を消去する方法が提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−284056号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2000−105297号公報
【0010】
【特許文献3】
特開2001−108798号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放射線画像検出器に残存する電荷は正と負の両方の電荷がつりあった状態で存在するものであるため、たとえば、上記特許文献2に記載のように、第1の電極層が負の電位に、第2の電極層が正の電位となるように電圧を印加した状態で前露光光の照射を行った場合、残存電荷のうち負の電荷は、前露光光の照射により読取用光導電層で発生して第1の電極層側に向かって行く正の電荷と結合させることにより消去することができるが、残存電荷のうち正の電荷は、前露光光の照射により読取用光導電層で発生した負の電荷は第2の電極層側に向かって行き、第2の電極層に帯電された電荷と結合して消滅してしまうので消去することができず、未消去電荷として残存してしまう。
【0012】
また、上記特許文献3に記載のように第1の電極層と第2の電極層とを短絡させた状態で前露光光の照射を行う場合、照射された前露光光は主に放射線画像検出器における前露光光の入射表面の近傍で吸収されるため、その前露光光が吸収される範囲における残存電荷は消去することができるが、上記入射表面の近傍よりも内部に存在する残存電荷は消去することができないため残存電荷を十分に消去することが困難である。また、上記前露光光として長波長光を含めることにより前露光光の侵入に深さを深くし、上記内部の存在する残存電荷を消去するようにすることもできるが、長波長光では読取用光導電層における電荷発生効率が非常に低下するため、残存電荷の消去に非常に時間がかかってしまう。
【0013】
また、上記のような残存電荷は、蓄電部、電荷輸送層または読取用光導電層だけに存在するものではなく、大線量の放射線により放射線画像の記録を行なった場合などにおいては、記録用光導電層においても存在することがあり、上記と同様に、次に記録される放射線画像の画質の劣化を招いてしまう。
【0014】
また、上記のような光読取方式の放射線画像記録読取装置に用いられる放射線画像検出器だけでなく、TFT読取方式の放射線画像記録読取装置における放射線画像検出器においても、放射線の照射より電荷を発生する放射線検出層で発生した電荷が読み取られずに残存することがあり、やはり次に記録される放射線画像の画質の劣化を招くことになる。
【0015】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、上記のような放射線画像検出器から放射線画像を読み取った後、その放射線画像検出器に残存した電荷を消去する残像消去方法および装置において、より短い時間で十分な残存電荷の消去を行うことができる残像消去方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の残像消去方法は、放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射によりその放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、記録用光導電層において発生した電荷を蓄積する蓄電部と、光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、光を透過する第2の電極層とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器の読取用光導電層に読取光を照射して蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、放射線画像検出器に残存した電荷を消去する残像消去方法において、第1の電極層と第2の電極層とに電圧を印加するとともに、第1の消去光を読取用光導電層に照射し、第1の消去光の照射により読取用光導電層において発生した電荷のうち正または負のいずれか一方の極性の電荷と残存した電荷のうちの他方の極性の電荷とを結合させて他方の極性の電荷を消去し、次いで、第1の電極層と第2の電極層とを短絡するとともに、第2の消去光を読取用光導電層に照射し、第2の消去光の照射により読取用光導電層において発生した電荷のうち他方の極性の電荷と残存した電荷のうちの一方の極性の電荷とを結合させて一方の極性の電荷を消去することを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の残像消去方法は、放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射により放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、記録用光動電層において発生した電荷を蓄積する蓄電部と、光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、光を透過する第2の電極層とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器の読取用光導電層に読取光を照射して蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、放射線画像検出器に残存した電荷を消去する残像消去方法において、第1の電極層と第2の電極層とに電圧を印加するとともに、励起光を放射線画像検出器内の上記残存した電荷の存在する残存電荷存在部に照射し、励起光の照射により残存した電荷を励起して残存した電荷の一部を消去し、次いで、第1の電極層と第2の電極層とを短絡するとともに、消去光を読取用光導電層に照射し、消去光の照射により読取用光導電層において電荷を発生させ、その発生した電荷により残存した電荷のうちの未消去電荷を消去することを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の残像消去方法は、放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する電極層と、電極層を透過した放射線または記録光の照射により放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する光導電層と、光導電層で発生した電荷を読み取る検出素子が2次元状に多数配列された検出部とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器から光導電層において発生した電荷を検出部により読み取った後、光導電層に残存した電荷を消去する残像消去方法において、電極層に電圧を印加するとともに、光導電層に励起光を照射し、励起光の照射により残存した電荷を励起して残存した電荷の一部を消去し、次いで、残存した電荷のうちの未消去電荷を検出部により読み取ることにより消去することを特徴とする。
【0019】
本発明の第1の残像消去装置は、放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射により放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、記録用光動電層において発生した電荷を蓄積する蓄電部と、光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、光を透過する第2の電極層とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器の読取用光導電層に読取光を照射して蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、放射線画像検出器に残存した電荷を消去する残像消去装置において、第1の電極層と第2の電極層とに電圧を印加する電圧源と、読取用光導電層に第1の消去光を照射する第1の消去光源とを有し、電圧源により電圧が印加されている間、第1の消去光を前記読取用光導電層に照射し、第1の消去光の照射により読取用光導電層において発生した電荷のうち正または負のいずれか一方の極性の電荷と残存した電荷のうちの他方の極性の電荷とを結合させて他方の極性の電荷を消去する第1の残像消去手段と、第1の電極層と第2の電極層とを短絡する短絡手段と、第2の消去光を読取用光導電層に照射する第2の消去光源とを有し、短絡手段により短絡されている間、第2の消去光を読取用光導電層に照射し、第2の消去光の照射により読取用光導電層において発生した電荷のうち他方の極性の電荷と残存した電荷のうちの一方の極性の電荷とを結合させて一方の極性の電荷を消去する第2の残像消去手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
また、上記第1の残像消去装置においては、放射線画像検出器を、放射線の照射時において第1の電極層と第2の電極層との間に記録用電圧が印加されるものとし、電圧源の電圧の大きさを、記録用電圧の大きさの1/10〜1/1000とすることができる。
【0021】
本発明の第2の残像消去装置は、放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射により放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、記録用光動電層において発生した電荷を蓄積する蓄電部と、光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、光を透過する第2の電極層とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器の読取用光導電層に読取光を照射して蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、放射線画像検出器に残存した電荷を消去する残像消去装置において、第1の電極層と第2の電極層との間に電圧を印加する電圧源と、放射線画像検出器内の上記残存した電荷の存在する残存電荷存在部に励起光を照射する励起光源とを有し、電圧源により電圧が印加されている間、励起光の照射により残存した電荷を励起して残存した電荷の一部を消去する第1の残像消去手段と、第1の電極層と第2の電極層とを短絡する短絡手段と、消去光を読取用光導電層に照射する消去光源とを有し、短絡手段により短絡されている間、消去光の照射により読取用光導電層において電荷を発生させ、その発生した電荷により残存した電荷のうちの未消去電荷を消去する第2の残像消去手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明の第3の残像消去装置においては、放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する電極層と、電極層を透過した放射線または記録光の照射により放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する光導電層と、光導電層で発生した電荷を読み取る検出素子が2次元状に多数配列された検出部とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器から光導電層において発生した電荷を検出部により読み取った後、光導電層に残存した電荷を消去する残像消去装置において、電極層に電圧を印加する電圧源と、光導電層に励起光を照射する励起光源とを有し、電圧源により電圧が印加されている間、励起光の照射により残存した電荷を励起して残存した電荷の一部を消去するとともに、残存した電荷のうちの未消去電荷を検出部により読み取ることにより消去する残像消去手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
ここで、上記「記録光」としては、たとえば、被写体を透過した放射線の照射により蛍光体から発せられた蛍光などがあるが、被写体の放射線画像を担持した光であれば如何なるものでもよい。
【0024】
また、上記第1の残像消去方法および装置において、上記「第1の消去光」と上記「第2の消去光」とは異なる波長の光でもよいし、同じ波長の光でもよい。
【0025】
また、上記「第1の消去光源」と上記「第2の消去光源」は別個に設けるようにしてもよいし、1つの光源を上記「第1の消去光源」および「第2の消去光源」として利用するようにしてもよい。
【0026】
また、上記「読取光」と上記「第1の消去光」または「第2の消去光」とは異なる波長の光でもよいし、同じ波長の光でもよい。
【0027】
また、上記「消去光源」と読取光源は別個に設けるようにしてもよいし、1つの光源を上記「消去光源」および読取光源として利用するようにしてもよい。
【0028】
また、上記第1および第2の残像消去方法および装置において、上記「光の照射により電荷を発生する読取用光導電層」における「光」とは、上記「読取光」や上記「消去光」を含むものである。
【0029】
また、上記第1および第2の残像消去方法および装置において、上記「第1の電極層と第2の電極層とを短絡する」とは、第1の電極層と第2の電極層とを直接接続して同電位にした状態に限らず、たとえば、オペアンプのイマジナリーショートを介したり抵抗を介するなどのように、両電極層間に多少の電位差を有し得るものの、両電極層の電極が実質的に同電位となるようにした状態や、両電極層を接地している状態も含むものとする。
【0030】
また、上記第2および第3の残像消去方法および装置において、上記「励起光」としては、たとえば、赤外光を利用することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の第1の残像消去方法および装置によれば、上記のように構成された放射線画像検出器の第1の電極層と第2の電極層とに電圧を印加するとともに、第1の消去光を読取用光導電層に照射し、第1の消去光の照射により読取用光導電層において発生した電荷のうち正または負のいずれか一方の極性の電荷と残存した電荷のうちの他方の極性の電荷とを結合させて他方の極性の電荷を消去し、次いで、第1の電極層と第2の電極層とを短絡するとともに、第2の消去光を読取用光導電層に照射し、第2の消去光の照射により読取用光導電層において発生した電荷のうち他方の極性の電荷と残存した電荷のうちの一方の極性の電荷とを結合させて一方の極性の電荷を消去するようにしたので、まず、第1の消去光の照射により残存電荷のうちの上記他方の極性の電荷を消去するとともに、これにより残存電荷の正と負の電荷の量のバランスを崩し、残存電荷と第2の電極層との間に電界を形成することができ、この電界が形成された状態において第2の消去光を照射することにより読取用光電層において電荷を発生することができ、この電荷により残存電荷のうちの上記一方の極性の電荷を消去することができる。したがって、正と負の両方の残存電荷を消去することができる。また、上記第1および第2の消去光としてバンドギャップ光を利用するようにすれば、読取用光導電層における電荷発生効率がよいのでより短時間で残存電荷を消去することができる。
【0032】
また、上記第1の残像消去装置において、上記電圧源の電圧の大きさを、記録用電圧の大きさの1/10〜1/1000とし、比較的低い電圧に設定するようにした場合には、第1の消去光の照射により読取用光導電層において残存電荷を消去するのに適切な量だけ電荷を発生させるようにすることができるので、読取用光導電層における過剰な電荷の発生により、その電荷が再び残存電荷となるのを回避することができる。
【0033】
本発明の第2の残像消去方法および装置によれば、上記のように構成された放射線画像検出器の第1の電極層と第2の電極層とに電圧を印加するとともに、励起光を放射線画像検出器内の残存電荷存在部に照射し、励起光の照射により残存した電荷を励起して残存した電荷の一部を消去し、次いで、第1の電極層と第2の電極層とを短絡するとともに、消去光を読取用光導電層に照射し、消去光の照射により読取用光導電層において電荷を発生させ、その発生した電荷により残存した電荷のうちの未消去電荷を消去するようにしたので、まず、励起光の照射により残存電荷を励起することにより正と負の残存電荷を結合させてその一部を消去するとともに、残存電荷の一部を第1の電極層または第2の電極層に帯電した電荷と結合させて消去することができ、これにより残存電荷の正と負の電荷の量のバランスを崩し、残存電荷と第2の電極層との間に電界を形成することができ、この電界が形成された状態において消去光を照射することにより読取用光電層において電荷を発生させることができ、この電荷により残存電荷のうちの未消去電荷を消去することができる。したがって、正と負の両方の残存電荷を消去することができる。また、励起光の照射だけで残存電荷を消去しようとするとある程度長い時間の励起光の照射が必要であるが、上記のように励起光の照射と消去光の照射との両方で残存電荷を消去するようにすれば、より短時間で残存電荷の消去を行うことができる。
【0034】
本発明の第3の残像消去方法および装置によれば、上記のように構成された放射線画像検出器の電極層に電圧を印加するとともに、光導電層に励起光を照射し、励起光の照射により残存した電荷を励起して残存した電荷の一部を消去し、次いで、残存した電荷のうちの未消去電荷を検出部により読み取ることにより消去するようにしたので、まず、励起光の照射により残存電荷を励起することにより残存電荷の一部を電極層に帯電された電荷と結合させて消去するとともに、残存電荷のうちの未消去電荷を検出部により読み取ることができる状態にすることができ、その状態において未消去電荷を検出部により読み取ることにより、正と負の両方の残存電荷を消去することができる。また、励起光の照射だけで残存電荷を消去しようとするとある程度長い時間の励起光の照射が必要であるが、上記のように励起光の照射と検出部の読取りとの両方で残存電荷を消去するようにすれば、より短時間で残存電荷の消去を行うことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の残像消去方法を実施する残像消去装置の実施の形態について説明する。図1は本発明の残像消去装置の第1の実施の形態を用いた放射線画像記録読取装置1の概略構成図である。
【0036】
本放射線画像記録読取装置1は、図1に示すように、放射線を射出する放射線源5、放射線源5から射出され、被写体6を透過した放射線の照射により被写体の放射線画像を検出する放射線画像検出器10、放射線画像検出器10に記録された放射線画像を読み取るための読取光を放射線画像検出器10に照射する面状光源20、面状光源20の読取光の照射により放射線画像検出器10において発生した電流を検出する電流検出回路31が多数設けられた電流検出部30、放射線画像検出器10による放射線画像の記録の際に放射線画像検出器10に電圧を印加する電圧源40、放射線画像検出器10から放射線画像を電流として読み取る際に放射線画像検出器10の後述する第1の電極層11と第2の電極層15とを短絡する短絡手段50、上記面状光源20の動作を制御する読取光制御手段60と消去光制御手段70、上記電圧源40の動作を制御する電圧源制御手段80、および上記短絡手段50の動作を制御するスイッチ制御手段90を備えている。
【0037】
放射線画像検出器10は、被写体6の放射線画像を担持した放射線を透過する第1の電極層11、第1の電極層11を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層12、記録用光導電層12において発生した潜像電荷に対しては絶縁体として作用し、且つその潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層13、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層14、および読取光を透過する第2の電極層15をこの順に積層してなるものである。記録用光導電層2と電荷輸送層3との間には、記録用光導電層2内で発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部16が形成されている。
【0038】
第1の電極層11としては、放射線を透過するものであればよく、たとえば、ネサ皮膜(SnO)、ITO(Indium Tin Oxide)、アモルファス状光透過性酸化膜であるIDIXO(Idemitsu Indium X−metal Oxide ;出光興産(株))などを50〜200nm厚にして用いることができ、また、100nm厚のAlやAuなども用いることもできる。
【0039】
第2の電極層15は、多数の線状電極15aが平行に配列されてなるものである。そして、第2の電極層15における線状電極15aは読取光を遮光する材料から形成され、線状電極15aの間の部分15bは読取光を透過する材料により形成されている。
【0040】
記録用光導電層12は、放射線の照射を受けることにより電荷を発生するものであればよく、放射線に対して比較的量子効率が高く、また暗抵抗が高いなどの点で優れているa−Seを主成分とするものを使用する。厚さは500μm程度が適切である。
【0041】
電荷輸送層13としては、たとえば、第1の電極層1に帯電する電荷の移動度と、その逆極性となる電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば10以上、望ましくは10以上)ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PVK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。
【0042】
読取用光導電層14としては、読取光の照射を受けることにより導電性を呈するものであればよく、例えば、a−Se、Se−Te、Se−As−Te、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine)、CuPc(Cupper phtalocyanine)などのうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。厚さは10μm程度が適切である。
【0043】
なお、放射線画像検出器10の層構成は上記のような層構成に限らず、その他の層を含むものとしてもよく、また各層の材料についても上記各層の作用と同等の作用を有するものであれば上記以外の材料を利用するようにしてもよい。
【0044】
そして、上記のように構成された放射線画像検出器10には、図1に示すように、第2の電極層15側に面状光源20が設けられている。面状光源20は、第1の導電層21,EL層22,第2の導電層23から成るEL発光体である。なお、放射線画像検出器10の第2の電極層15と第1の導電層21との間には絶縁層24が設けられている。
【0045】
面状光源20における第1の導電層21は、多数の線状電極21aが平行に配列されてなるものであり、線状電極21aは、放射線画像検出器10の第2の電極層15の線状電極15aと直交するように配列されている。つまり、各線状電極21aとEL層22と第2の導電層23とで、実質的にライン状の光源が第2の電極層15の線状電極15aの長さ方向に多数配列された構成と同等となる。EL層32としては、放射線画像検出器10の読取用光導電層14の主成分であるa−Seとのマッチングを考慮して、波長470nm程度のEL光が発せられるような物資を用いればよい。また、第1の導電層21の線状電極21aはEL光を透過する材料から形成されている。また、各線状電極21a間は、線状電極21a同志を絶縁するものであれば、EL光を透過する材料で形成してもよいし、EL光を遮断する材料で形成するようにしてもよい。
【0046】
そして、上記面状光源20の線状電極21aは、読取光制御手段60に接続され、読取光制御手段60は、面状光源20の第1の導電層21aとそれに対向する第2の導電層23との間に所定の電圧を印加し、読取光の照射を制御するものである。例えば、読取光制御手段60が、線状電極21aを順次切り替えながら、夫々の線状電極21aと第2の導電層23との間に所定の直流電圧を印加すると、線状電極21aと第2の導電層23とに挟まれたEL層22からEL光が発せられ、線状電極21aを透過したEL光はライン状の読取光として利用される。そして、第2の電極層15の線状電極15aの長手方向の一方の端から他方の端までの全部について線状電極21aを順次切り替えてEL発光させることにより、ライン光で第2の電極層15の全面を走査することになる。なお、第2の電極層15の線状電極15aの長手方向が副走査方向に対応し、ライン光の延びる方向が主走査方向に対応する。
【0047】
また、本実施形態では、面状光源20の線状電極21aは消去光制御手段70にも接続され、この消去光制御手段70の制御により、放射線画像検出器10に残存した電荷を消去するための消去光源としても利用される。たとえば、消去光源制御手段70が、複数または全ての線状電極21aに同時に電圧を印加すると、この電圧の印加によりEL層22の全面に亘って略一様にEL光が発せられ、このEL光が残存電荷を消去する消去光として利用される。
【0048】
また、電圧源40は、放射線画像の記録の際に用いられるだけでなく、放射線画像検出器10に残存した電荷の消去時にも用いられるものであり、その電圧のON、OFFおよび電圧の大きさは電圧源40に接続された電圧制御手段80により制御される。
【0049】
また、電流検出部30は、第2の電極層15の各線状電極15a毎に接続された多数の電流検出アンプ31を有している。
【0050】
また、短絡手段50は、スイッチであり、図1に示すように、スイッチのa端子には、電圧源40の正極側の端子が接続され、b端子には放射線画像検出器10における第1の電極層11が接続され、c端子には電流検出部30の電流検出アンプ31が接続されている。この短絡手段50は、放射線画像検出器10による放射線画像の記録および読取りの際に切換えられるが、それだけでなく放射線画像検出器10に残存した電荷を消去する際にも切換えられる。この短絡手段50の切換えは、短絡手段50に接続されたスイッチ制御手段90により制御される。
【0051】
なお、第1の実施の形態においては、電圧源40、面状光源20、短絡手段50、電圧制御手段80、消去光制御手段70およびスイッチ制御手段90により本発明の第1の残像消去装置の第1および第2の残像消去手段が構成されている。
【0052】
また、第1の実施の形態においては、記録用電圧の電圧源と残存電荷の消去時に印加される電圧の電圧源とを共通のものとしたが、別個に設けるようにしてもよい。また、面状光源20を読取光源と消去光源との両方に使用するようにしたが、読取光源と消去光源とを別個に設けるようにしてもよい。この場合においては、第1の実施の形態のように放射線画像検出器と光源とを一体として構成するのではなく、放射線画像検出器とは別体として設けるようにすればよい。また、必ずしも面状光源を利用する必要はなく、放射線画像検出器の全面を照射することができるものであれば、主走査方向に延びる線状光源を副走査方向に走査することにより全面を照射するようにしてもよいし、ビーム光源から発せられたビーム光により主走査方向および副走査方向に走査することにより全面を照射するようにしてもよい。
【0053】
次に、上記第1の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置の作用について説明する。図2は、本放射線画像記録読取装置の作用を説明するタイミングチャートである。
【0054】
まず、本放射線画像記録読取装置1においては、放射線画像検出器10への放射線画像の記録の前に、放射線画像検出器10から放射線画像を読み取った後に放射線画像検出器10に残存した電荷を消去する動作を行う。以下に、その残存電荷の消去の作用について詳細に説明する。図3は、放射線画像検出器10における残存電荷の消去の作用を説明するための模式図である。
【0055】
本放射線画像記録読取装置1において、放射線画像検出器10を用いて放射線画像を記録し、その記録された放射線画像を読み取った後には、たとえば、図3(a)に示すように、蓄電部16に読み取られなかった負の電荷が残存し、またこの負の電荷とつりあうように正の電荷が電荷輸送層13にトラップされている。
【0056】
上記のような残存電荷を消去するため、本放射線画像記録読取装置1においては、まず、スイッチ制御手段90により短絡手段50のa端子とc端子とが接続され、第1の電極層11と第2の電極層15とに電圧源40が接続される。そして、図2のタイミングチャートに示すように、電圧制御手段80により電圧源40が制御され、第1の電極層11が負の電位、第2の電極層15が正の電位となるように電圧が印加されるとともに、消去光制御手段70により面状光源20が制御され、面状光源20の全ての線状電極21aおよび第2の導電層23に電圧が印加され、その電圧印加により面状光源20の全面から第1の消去光が発光される。このとき、電圧源40による電圧印加は、図2に示すように、放射線画像の記録の1s程度前から開始し、上記電圧印加の時間および第1の消去光の照射時間は0.5s程度であることが望ましい。上記のように電圧印加時間および第1の消去光の照射時間を制御するのは、あまり長い時間電圧印加および第1の消去光の照射を行うと残存電荷を消去するための電荷が過剰に発生し、その電荷が再び残存電荷となってしまうからである。また、このと第1の電極層11および第2の電極層15に印加される電圧の大きさは、放射線画像検出器10への放射線画像の記録の際に第1および第2の電極層に印加される記録用電圧の1/10〜1/1000程度であることが望ましく、より望ましくは1/100程度である。本実施の形態では、放射線画像の記録用電圧を5kV程度とし、残存電荷の消滅の際の電圧を50V程度としている。
【0057】
上記のようにして電圧源40により電圧印加されるとともに、第1の消去光が照射されると、図3(b)に示すように、読取用光導電層14内において第1の消去光の照射に応じて電荷が発生し、この電荷のうち正の電荷については、上記電圧印加により形成された電界により、負に帯電した第1の電極層11側に向かって行く。そして、この正の電荷は残存電荷のうちの負の電荷と結合することによって上記負の電荷を消滅させる。一方、読取用光導電層14において発生した負の電荷は、正に帯電した第2の電極層15側に向かって行き、第2の電極層15における正の電荷と結合して消滅する。
【0058】
上記のような作用により、残存電荷のうちの負の電荷のみが消去され、その結果、図3(c)に示すように、残存電荷のうちの正の電荷および第1の消去光の照射により発生した電荷のうちの正の電荷の一部が存在することになる。
【0059】
次に、上記のようにして存在する正の電荷を消去するために、まず、電圧制御手段80により電圧源40による電圧印加が停止され、スイッチ制御手段90により短絡手段50のb端子とc端子とが接続され、第1の電極層11と第2の電極層15とが電流検出部30における電流検出アンプ31のイマージナリーショートを介して短絡された状態となる。そして、上記のように短絡した状態において、図2のタイミングチャートに示すように、読取用光導電層14に第2の消去光が照射される。なお、本実施の形態においては、第1の消去光と第2の消去光は、同じものであり面状光源20から発せられるものである。第2の消去光の面状光源20からの照射の作用については、上記第1の消去光の面状光源20からの照射の場合と同様である。
【0060】
第2の消去光が読取用光導電層14に照射されると、図3(c)に示すように、上記正の残存電荷と第2の電極層15との間で発生した電界により読取用光導電層14において電荷が発生し、その電荷のうち正の電荷については、第2の電極層15に帯電した負の電荷と結合して消滅し、負の電荷については、上記正の残存電荷と結合して消滅する。
【0061】
上記のようにして第1の消去光の照射および第2の消去光の照射により、放射線画像検出器10に残存した正の電荷および負の電荷の両方を消去することができる。
【0062】
そして、上記のようにして放射線画像検出器10における残存電荷の消去が終了した後、放射線画像の記録が行われる。放射線画像の記録は、まず、図2に示すように、電圧制御手段80により電圧源40が制御されて放射線画像検出器10の第1の電極層11と第2の電極層15との間に記録用電圧が印加される。このとき印加される記録用電圧の大きさは、上述したように5kV程度であり、第1の電極層11が負の電位に、第2の電極層15が正の電位となるように印加される。そして、この記録用電圧の印加の後、放射線源5から放射線を射出させ、被写体6を透過した放射線を放射線画像検出器10に照射する。すると、放射線画像検出器10の記録用光導電層12内で正と負の電荷が発生し、そのうちの負の電荷が上記記録用電圧の印加により形成された電界分布に沿って第2の電極層15の各線状電極15aに集中せしめられ、記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部16に潜像電荷として蓄積される。潜像電荷の量は照射放射線量に略比例し、この潜像電荷の量が被写体6の放射線画像を示すことになる。一方、記録用光導電層12内で発生する正電荷は第1電極層11に引き寄せられて、電圧源40から注入された負の電荷と結合して消滅する。なお、本実施の形態においては、上記記録における電極層への電圧印加および放射線の照射は1s程度行われる。
【0063】
次に、上記のようにして放射線画像検出器10に記録された放射線画像を読取る際の作用について説明する。
【0064】
本放射線画像記録読取装置1において、放射線画像検出器10から放射線画像を読み取る際には、スイッチ制御手段90により短絡手段50のb端子とc端子とが接続され、第1の電極層11と第2の電極層15の線状電極15aとに、蓄電部16に蓄積された負電荷に応じた正の電荷が帯電される。そして、読取光制御手段60が面状光源20の線状電極21aを順次切り替えながら、夫々の線状電極21aと第2の導電層23との間に所定の直流電圧を印加して、EL層22から発せられるライン光で放射線画像検出器10の全面を走査する。
【0065】
このライン光の照射により読取用光導電層14内に正と負の電荷が発生し、その内の正の電荷が蓄電部16に蓄積された負電荷に引きつけられるように電荷輸送層13内を急速に移動し、蓄電部16で潜像電荷と結合して消滅する。一方、読取用光導電層14に生じた負の電荷は第2の電極層15の線状電極15aに帯電した正の電荷および第1の電極層11から電流検出アンプ31を介して流れてきた正の電荷と結合して消滅する。上記のように読取用光導電層14において発生した負の電荷が、第1の電極層11から電流検出アンプ31を介して第2の電極層15に流れてきた正の電荷と結合することにより電流検出アンプ31によって潜像電荷の量に応じた電流が検出され、放射線画像を電気信号として取得することができる。
【0066】
上記第1の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置によれば、まず、第1の消去光の照射により残存電荷のうちの負の電荷を消去するとともに、これにより残存電荷の正と負の電荷の量のバランスを崩し、残存電荷と第2の電極層15との間に電界を形成することができ、この電界が形成された状態において第2の消去光を照射することにより読取用光電層14において電荷を発生することができ、この電荷により残存電荷のうち正の電荷を消去することができる。したがって、正と負の両方の残存電荷を消去することができる。また、上記第1および第2の消去光としてバンドギャップ光を利用するようにすれば、読取用光導電層14における電荷発生効率がよいのでより短時間で残存電荷を消去することができる。
【0067】
また、残存電荷の消去時における電圧源40の電圧の大きさを、記録用電圧の大きさの1/10〜1/1000とし、比較的低い電圧に設定するようにした場合には、第1の消去光の照射により読取用光導電層14において残存電荷を消去するのに適切な量だけ電荷を発生させるようにすることができるので、読取用光導電層14における過剰な電荷の発生により、その電荷が再び残存電荷となるのを回避することができる。
【0068】
次に、本発明の残像消去方法を実施する残像消去装置の第2の実施の形態を用いた放射線画像記録読取装置2について説明する。本放射線画像記録読取装置2の概略構成図を図4に示す。なお、図4においては、図1に示した放射線源5および被写体6は図示省略してある。
【0069】
本放射線画像記録読取装置2は、放射線画像検出器10の構成については、上記第1の実施の形態を用いた放射線画像記録読取装置1と同様であるが、面状光源20の構成が異なる。本放射線画像記録読取装置2における面状光源25の平面図を図5に示す。図5に示すように、本放射線画像記録読取装置2における面状光源25は、励起光としての赤外光を発する赤外LED25aと、読取光および消去光を発する青色LEDとが、X−Y方向に2次元状に多数配列されたものである。そして、図4に示すように、赤外LED25aと青色LED25bとは、X方向およびY方向に同じ種類のLEDが隣接しないように、X方向およびY方向にそれぞれのLEDが交互に配置するように設けられている。上記のようにして構成された面状光源25は、上記第1の実施の形態と同様に、放射線画像検出器10の第2の電極層15側に設けられている。
【0070】
そして、面状光源25における赤外LED25aは、図4に示す励起光制御手段75によりその発光が制御され、青色LED25bは、読取光制御手段60および消去光制御手段70によりその発光が制御されるものである。
【0071】
なお、上記第2の実施の形態においては、上記のように赤外LED25aおよび青色LED25bとを2次元状に配列した面状光源25により励起光源、消去光源および読取光源を構成するようにしたが、上記のような構成の限らず、放射線画像検出器10の全面を照射できるものであれば、ライン光源やビーム光源などを利用してその他の構成を採用するようにしてもよい。また、励起光として赤外光を利用するようにしたが、これに限らず、残像電荷を励起できる光であればその他の波長の光を利用するようにしてもよい。また、上記第2の実施の形態においては、第2の電極層15側から励起光を照射するようにしたが、第1の電極層11側から励起光を照射するようにしてもよい。第1の電極層11側から励起光を照射するようにする場合には、第1の電極層11および記録用光導電層12の材料として励起光を透過するものを利用するようにすればよい。
【0072】
また、第2の実施の形態においては、電圧源40、面状光源25の赤外LED25a、短絡手段50、電圧制御手段80、励起光制御手段75およびスイッチ制御手段90により本発明の第2の残像消去装置の第1の残像消去手段が構成され、電圧源40、面状光源25の青色LED25b、短絡手段50、電圧制御手段80、消去光制御手段70およびスイッチ制御手段90により第2の残像消去手段が構成されている。
【0073】
次に、上記第2の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置2の作用について説明する。図6は、本放射線画像記録読取装置の作用を説明するタイミングチャートである。
【0074】
まず、本放射線画像記録読取装置2においては、上記第1の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置1と同様に、放射線画像検出器10への放射線画像の記録の前に、放射線画像検出器10から放射線画像を読み取った後に放射線画像検出器10に存在する残存電荷を消去する動作を行う。以下に、その残存電荷の消去の作用について詳細に説明する。図7は、本放射線画像記録読取装置2の放射線画像検出器10における残存電荷の消去の作用を説明するための模式図である。
【0075】
本放射線画像記録読取装置2においても、放射線画像検出器10から放射線画像を読み取った後には、図7(a)に示すように、蓄電部16に読み取られなかった負電荷が残存し、またこの負電荷とつりあうように正電荷が電荷輸送層13にトラップされている。
【0076】
上記のような残存電荷を消去するため、本放射線画像記録読取装置2においては、まず、スイッチ制御手段90により短絡手段50のa端子とc端子とが接続され、第1の電極層11と第2の電極層15とに電圧源40が接続される。そして、図6のタイミングチャートに示すように、電圧制御手段80により電圧源40が制御され、第1の電極層11が負の電位、第2の電極層15が正の電位となるように電圧が印加されるとともに、励起光制御手段75により面状光源25が制御され、面状光源25の赤外LED25aのみが駆動され、面状光源25の全面から励起光が発光される。このとき、電圧源40による電圧印加は、図6に示すように、放射線画像の記録の1s程度前から開始し、上記電圧印加の時間および励起光の照射時間は0.5s程度であることが望ましい。また、このとき第1の電極層11および第2の電極層15に印加される電圧の大きさは、放射線画像検出器10への放射線画像の記録の際に第1および第2の電極層に印加される記録用電圧と同じ程度の大きさであることが望ましい。本実施の形態では、放射線画像の記録用電圧と残存電荷の消滅の際の電圧ともに5kV程度としている。
【0077】
上記のようにして電圧源40により電圧印加されるとともに、励起光が照射されると、図7(b)に示すように、励起光により残存電荷が励起されて、残存電荷同志が結合して消滅したり、残存電荷のうち正の電荷が第1の電極層11側に向かって行き、第1の電極11に上記電圧印加により帯電された負の電荷と結合して消滅する。
【0078】
上記のような作用により、残存電荷の一部が消去され、その結果、図7(c)に示すように、残存電荷のうち正の電荷の電荷量と負の電荷の電荷量とがバランスが崩れた状態となって未消去電荷が存在する状態となる。
【0079】
次に、上記のようにして存在する未消去電荷を消去するために、まず、電圧制御手段80により電圧源40による電圧印加が停止され、スイッチ制御手段90により短絡手段50のb端子とc端子とが接続され、第1の電極層11と第2の電極層15とが電流検出部30における電流検出アンプ31のイマージナリーショートを介して短絡された状態となる。そして、上記のように短絡した状態において、図6のタイミングチャートに示すように、読取用光導電層14に消去光が照射される。上記消去光は、消去光制御手段70により面状光源25における青色LED25bのみが駆動されることにより面状光源20の全面から発せられる。
【0080】
消去光が読取用光導電層14に照射されると、図7(c)に示すように、上記未消去電荷と第2の電極層15との間で発生した電界により読取用光導電層14において電荷が発生し、その発生した電荷と未消去電荷が結合することにより上記未消去電荷が消去される。
【0081】
そして、上記のようにして放射線画像検出器10における残存電荷の消去が終了した後、放射線画像の記録および読取りが行われるが、これらの作用については、上記第1の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置1の作用と同様である。
【0082】
上記第2の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置2によれば、まず、励起光の照射により残存電荷を励起することにより正と負の残存電荷を結合させてその一部を消去するとともに、残存電荷の一部を第1の電極層11に帯電した電荷と結合させて消去することができ、これにより残存電荷の正と負の電荷の量のバランスを崩し、残存電荷と第2の電極層14との間に電界を形成することができ、この電界が形成された状態において消去光を照射することにより読取用光電層において電荷を発生させることができ、この電荷により残存電荷のうちの未消去電荷を消去することができる。したがって、正と負の両方の残存電荷を消去することができる。また、励起光の照射だけで残存電荷を消去しようとするとある程度長い時間の励起光の照射が必要であるが、上記のように励起光の照射と消去光の照射との両方で残存電荷を消去するようにすれば、より短時間で残存電荷の消去を行うことができる。
【0083】
また、上記放射線画像記録読取装置2の作用の説明においては、蓄電部16に残存した負電荷および電荷輸送層13に残存した電荷を消去する作用について説明したが、残存電荷は上記のように蓄電部16および電荷輸送層13だけでなく、図8(a)に示すように、記録用光導電層12に存在する場合もある。上記のように記録用光導電層12に残存電荷が存在する場合においても、上記第2の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置2により上記残存電荷を消去することができる。具体的には、まず、第1の電極層11が負の電位、第2の電極層15が正の電位となるように電圧を印加するとともに、面状光源25の全面から励起光を発光させ、図8(b)に示すように、励起光の照射により記録用光導電層13における残存電荷を励起する。励起光の照射による励起により残存電荷のうち正の電荷は第1の電極層11側に向かって行き、第1の電極11に上記電圧印加により帯電された負の電荷と結合して消滅する。また、記録用光導電層13における残存電荷のうち負の電荷は第2の電極層15側に向かって行き、記録用光導電層13と電荷輸送層14との界面の蓄電部16に蓄積される。そして、図8(c)に示すように、第1の電極層11と第2の電極15とを短絡した状態において、読取用光導電層14に消去光が照射され、この消去光の照射により上記蓄電部16に蓄積された負の電荷と第2の電極層15との間で発生した電界によって読取用光導電層14において電荷が発生し、その発生した電荷と上記蓄電部16に蓄積された負の電荷が結合することにより消去される。
【0084】
上記第2の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置2は、本発明の第2の残像消去方法を実施する残像消去装置の一実施形態を示したものであり、本発明の第2の残像消去方法および装置における残存電荷存在部が蓄電部および電荷輸送層、または記録用光導電層である場合についての残存電荷の消去の作用を説明したが、本発明の第2の残像消去方法および装置における残存電荷存在部は上記のような部分に限られず、放射線画像検出器の層構成によっては他の層に形成される場合もあり、そのような場合においても上記と同様にその残存電荷存在部に励起光を照射することより残像を消去するようにしてもよい。
【0085】
次に、本発明の残像消去方法を実施する残像消去装置の第3の実施の形態を用いた放射線画像記録読取装置3について説明する。本放射線画像記録読取装置3は、上記第1および第2の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置1、2とは、放射線画像検出器の構成が異なる。本放射線画像記録読取装置3において用いられる放射線画像検出器100は、いわゆるTFT読取方式のものである。
【0086】
本放射線画像記録読取装置3において用いられる放射線画像検出器100の一部断面図を図9に示す。放射線画像検出器100は、図9に示すように、放射線を透過する電極層101、電極層101を透過した放射線の照射により電荷を発生する放射線検出層102、放射線検出層102において発生した電荷を電気信号として検出する電気信号検出層103をこの順に積層してなるものである。
【0087】
電気信号検出層103は、図9に示すように、TFT(薄膜トランジスタ:thin film transistor)スイッチ104と、画素容量105と、画素電極106とからなる検出素子107が基板108の表面に2次元状の多数配列されてなるものである。なお、画素容量105と画素電極106との間には絶縁層109が形成されている。
【0088】
図10は電気信号検出層103を上面から見た模式図である。放射線画像検出器100においては、被写体を透過した放射線の照射により放射線検出層102において電荷が発生し、その電荷が画素電極106および画素容量105により形成されるコンデンサに蓄積されることにより放射線画像が記録される。そして、TFTスイッチ104は、各TFTスイッチ104に接続されたゲート走査線駆動部150が発する制御信号により各行毎のゲート走査線151を通じてON・OFF制御され、これによりTFTスイッチ104に接続されたコンデンサに蓄積された電荷が読み出され、この読み出された信号は信号線152、アンプ回路153を介して電気信号として読み出される。
【0089】
また、本放射線画像記録読取装置3は、図11に示すように、上記放射線画像検出器100の放射線検出層102に励起光を照射する面状光源110と、面状光源110からの励起光の照射を制御する励起光制御手段111と、電極層101に電圧を印加する電圧源112と、電圧源112による電圧印加を制御する電圧制御手段113とを備えている。
【0090】
面状光源110は、上記第2の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像検出装置2における面状光源25のLEDを全て赤外LEDにしたものであり、励起光として赤外光を発するものである。本放射線画像記録読取装置3においては、図11に示すように、面状光源110は電気信号検出層103側に放射線検出器100と一体にして設けるようにしたが、これに限らず、放射線検出器100とは別個に設けるようにしてもよい。また、必ずしも面状光源である必要はなく、赤外光を放射線検出器100の全面に照射できるものであれば、如何なる構成を採用してもよい。また、励起光として赤外光を利用するようにしたが、これに限らず、残像電荷を励起できる光であればその他の波長の光を利用するようにしてもよい。
【0091】
なお、放射線画像検出器103の電気信号検出層103における基板108は赤外光を透過する材料から形成されており、また、電気信号検出層103における検出素子107は面積が小さいものなので、電気信号検出層103は赤外光を十分に透過することができるものである。
【0092】
また、第3の実施の形態においては、電圧源112、面状光源110、電圧制御手段113、励起光制御手段111およびゲート走査線駆動部150により本発明の第3の残像消去装置の残像消去手段が構成されている。
【0093】
次に、上記第3の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置3の作用について説明する。図12は、本放射線画像記録読取装置3の作用を説明するタイミングチャートである。
【0094】
まず、本放射線画像記録読取装置3においては、上記第1および第2の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置1,2と同様に、放射線画像検出器100への放射線画像の記録の前に、放射線画像検出器100から放射線画像を読み取った後に放射線画像検出器10に存在する残存電荷を消去する動作を行う。以下に、その残存電荷の消去の作用について詳細に説明する。図13は、本放射線画像記録読取装置3の放射線画像検出器10における残存電荷の消去の作用を説明するための模式図である。
【0095】
本放射線画像記録読取装置3においても、放射線画像検出器100から放射線画像を読み取った後には、図13(a)に示すように、放射線検出層102に読み取られなかった負電荷およびこの負電荷とつりあうように正電荷が残存している。
【0096】
上記のような残存電荷を消去するため、本放射線画像記録読取装置3においては、まず、図12のタイミングチャートに示すように、電圧制御手段113により電圧源112が制御され、電極層101が負の電位となるように電圧が印加されるとともに、励起光制御手段111により面状光源110が制御され、面状光源110の赤外LEDが駆動され、面状光源110の全面から励起光が発光される。上記のようにして電圧源40により電圧印加されるとともに、励起光が照射されると、図13(b)に示すように、励起光により残存電荷が励起されて残存電荷のうち正の電荷が電極層101側に向かって行き、電極層101に帯電された負の電荷と結合して消滅するとともに、残存電荷のうち負の電荷は電気信号検出層103側に向かって行き、電気信号検出層103のコンデンサに蓄積される。
【0097】
次に、上記のようにして電気信号検出層103のコンデンサに蓄積された負の電荷を消去するために、図10に示すゲート走査線駆動部150によりTFTがONされ、上記負の電荷が信号線152、アンプ回路153を介して読み出される。
【0098】
そして、上記のようにして放射線画像検出器10における残存電荷の消去が終了した後、放射線画像の記録および読取りが行われる。
【0099】
上記第3の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置3によれば、まず、励起光の照射により残存電荷を励起することにより残存電荷の一部を電極層101に帯電された電荷と結合させて消去するとともに、残存電荷のうちの未消去電荷を電気信号検出層103のコンデンサに蓄積することができ、その蓄積された未消去電荷を電気信号検出層103のTFTスイッチ104をONすることより読み取ることにより、正と負の両方の残存電荷を消去することができる。また、励起光の照射だけで残存電荷を消去しようとするとある程度長い時間の励起光の照射が必要であるが、上記のように励起光の照射と電気信号検出層103の読取りとの両方で残存電荷を消去するようにすれば、より短時間で残存電荷の消去を行うことができる。
【0100】
また、上記第1から第3の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置においては、放射線画像検出器として、放射線を直接電荷に変換する、いわゆる直接変換方式のものを用いているが、放射線を一旦蛍光などの他の光に変換し、その光を電荷に変換する、いわゆる間接変換方式の放射線画像検出器を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の残像消去装置の第1の実施の形態を用いた放射線画像記録読取装置の概略構成図
【図2】図1に示す放射線画像記録読取装置の作用を説明するタイミングチャート
【図3】図1に示す放射線画像記録読取装置の放射線画像検出器における残存電荷の消去の作用を説明するための模式図
【図4】本発明の残像消去装置の第2の実施の形態を用いた放射線画像記録読取装置の概略構成図
【図5】図4に示す放射線画像記録読取装置における面状光源の概略構成図
【図6】図4に示す放射線画像記録読取装置の作用を説明するタイミングチャート
【図7】図4に示す放射線画像記録読取装置の放射線画像検出器における残存電荷の消去の作用を説明するための模式図
【図8】図4に示す放射線画像記録読取装置の放射線画像検出器の記録用光導電層における残存電荷の消去の作用を説明するための模式図
【図9】本発明の残像消去装置の第3の実施の形態を用いた放射線画像記録読取装置における放射線画像検出器の一部断面図
【図10】図9に示す放射線画像記録読取装置における放射線画像検出器の電気信号検出層の平面図
【図11】本発明の残像消去装置の第3の実施の形態を用いた放射線画像記録読取装置の概略構成図
【図12】図11に示す放射線画像記録読取装置の作用を説明するタイミングチャート
【図13】図11に示す放射線画像記録読取装置の放射線画像検出器の残存電荷の消去の作用を説明するための模式図
【符号の説明】
1,2,3 放射線画像記録読取装置
5 放射線源
6 被写体
10 放射線画像検出器
11 第1の電極層
12 記録用光導電層
13 電荷輸送層
14 読取用光導電層
15 第2の電極層
20,25 面状光源
25a 赤外LED
26b 青色LED
30 電流検出部
40 電圧源
50 短絡手段
60 読取光制御手段
70 消去光制御手段
75 励起光制御手段
80 電圧制御手段
90 スイッチ制御手段
100 放射線画像検出器
101 電極層
102 放射線検出層
103 電気信号検出層
104 TFTスイッチ

Claims (7)

  1. 放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、該第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射により該放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、該記録用光導電層において発生した電荷を蓄積する蓄電部と、光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、前記光を透過する第2の電極層とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器の前記読取用光導電層に読取光を照射して前記蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、前記放射線画像検出器に残存した電荷を消去する残像消去方法において、
    前記第1の電極層と第2の電極層とに電圧を印加するとともに、第1の消去光を前記読取用光導電層に照射し、
    該第1の消去光の照射により前記読取用光導電層において発生した電荷のうち正または負のいずれか一方の極性の電荷と前記残存した電荷のうちの他方の極性の電荷とを結合させて前記他方の極性の電荷を消去し、
    次いで、前記第1の電極層と第2の電極層とを短絡するとともに、第2の消去光を前記読取用光導電層に照射し、
    該第2の消去光の照射により前記読取用光導電層において発生した電荷のうち前記他方の極性の電荷と前記残存した電荷のうちの前記一方の極性の電荷とを結合させて前記一方の極性の電荷を消去することを特徴とする残像消去方法。
  2. 放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、該第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射により該放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、該記録用光動電層において発生した電荷を蓄積する蓄電部と、光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、前記光を透過する第2の電極層とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器の前記読取用光導電層に読取光を照射して前記蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、前記放射線画像検出器に残存した電荷を消去する残像消去方法において、
    前記第1の電極層と第2の電極層とに電圧を印加するとともに、励起光を前記放射線画像検出器内の前記残存した電荷の存在する残存電荷存在部に照射し、
    該励起光の照射により前記残存した電荷を励起して前記残存した電荷の一部を消去し、
    次いで、前記第1の電極層と第2の電極層とを短絡するとともに、消去光を前記読取用光導電層に照射し、
    該消去光の照射により前記読取用光導電層において電荷を発生させ、該発生した電荷により前記残存した電荷のうちの未消去電荷を消去することを特徴とする残像消去方法。
  3. 放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する電極層と、該電極層を透過した放射線または記録光の照射により該放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する光導電層と、該光導電層で発生した電荷を読み取る検出素子が2次元状に多数配列された検出部とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器から前記光導電層において発生した電荷を前記検出部により読み取った後、前記光導電層に残存した電荷を消去する残像消去方法において、
    前記電極層に電圧を印加するとともに、前記光導電層に励起光を照射し、
    該励起光の照射により前記残存した電荷を励起して前記残存した電荷の一部を消去し、
    次いで、前記残存した電荷のうちの未消去電荷を前記検出部により読み取ることにより消去することを特徴とする残像消去方法。
  4. 放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、該第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射により該放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、該記録用光動電層において発生した電荷を蓄積する蓄電部と、光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、前記光を透過する第2の電極層とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器の前記読取用光導電層に読取光を照射して前記蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、前記放射線画像検出器に残存した電荷を消去する残像消去装置において、
    前記第1の電極層と第2の電極層とに電圧を印加する電圧源と、前記読取用光導電層に第1の消去光を照射する第1の消去光源とを有し、前記電圧源により電圧が印加されている間、前記第1の消去光を前記読取用光導電層に照射し、該第1の消去光の照射により前記読取用光導電層において発生した電荷のうち正または負のいずれか一方の極性の電荷と前記残存した電荷のうちの他方の極性の電荷とを結合させて前記他方の極性の電荷を消去する第1の残像消去手段と、
    前記第1の電極層と第2の電極層とを短絡する短絡手段と、第2の消去光を前記読取用光導電層に照射する第2の消去光源とを有し、前記短絡手段により短絡されている間、前記第2の消去光を前記読取用光導電層に照射し、該第2の消去光の照射により前記読取用光導電層において発生した電荷のうち前記他方の極性の電荷と前記残存した電荷のうちの前記一方の極性の電荷とを結合させて前記一方の極性の電荷を消去する第2の残像消去手段とを備えたことを特徴とする残像消去装置。
  5. 前記放射線画像検出器が、前記放射線または記録光の照射時において前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に記録用電圧が印加されるものであり、
    前記電圧源の電圧の大きさが、前記記録用電圧の大きさの1/10〜1/1000であることを特徴とする請求項4記載の残像消去装置。
  6. 放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、該第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射により該放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、該記録用光動電層において発生した電荷を蓄積する蓄電部と、光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、前記光を透過する第2の電極層とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器の前記読取用光導電層に読取光を照射して前記蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、前記放射線画像検出器に残存した電荷を消去する残像消去装置において、
    前記第1の電極層と第2の電極層との間に電圧を印加する電圧源と、前記放射線画像検出器内の前記残存した電荷の存在する残存電荷存在部に励起光を照射する励起光源とを有し、前記電圧源により電圧が印加されている間、前記励起光の照射により前記残存した電荷を励起して前記残存した電荷の一部を消去する第1の残像消去手段と、
    前記第1の電極層と第2の電極層とを短絡する短絡手段と、消去光を前記読取用光導電層に照射する消去光源とを有し、前記短絡手段により短絡されている間、前記消去光の照射により前記読取用光導電層において電荷を発生させ、該発生した電荷により前記残存した電荷のうちの未消去電荷を消去する第2の残像消去手段とを備えたことを特徴とする残像消去装置。
  7. 放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する電極層と、該電極層を透過した放射線または記録光の照射により該放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する光導電層と、該光導電層で発生した電荷を読み取る検出素子が2次元状に多数配列された検出部とがこの順に積層されてなる放射線画像検出器から前記光導電層において発生した電荷を前記検出部により読み取った後、前記光導電層に残存した電荷を消去する残像消去装置において、
    前記電極層に電圧を印加する電圧源と、前記光導電層に励起光を照射する励起光源とを有し、前記電圧源により電圧が印加されている間、前記励起光の照射により前記残存した電荷を励起して前記残存した電荷の一部を消去するとともに、前記残存した電荷のうちの未消去電荷を前記検出部により読み取ることにより消去する残像消去手段を備えたことを特徴とする残像消去装置。
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KR101369432B1 (ko) 2012-09-10 2014-03-04 주식회사 디알텍 디지털 엑스선 검출장치
JP2016504567A (ja) * 2012-11-09 2016-02-12 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 検出器結晶のためのサブバンド赤外照射

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