JP2006250671A - 放射線画像検出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 放射線の照射量に応じて発生した電荷を蓄積する放射線画像検出器から上記電荷を読み取った後に、消去光を照射して電荷輸送層に残存した電荷を消去する。
【解決手段】 面状光源20から発せられた波長750nmの消去光を読取用光導電層14側から電荷輸送層13へ照射する。第2の電極層15および読取用光導電層14は、消去光に対して透過性を有するものである。また、電荷輸送層13は波長750nmの消去光に対して感度を有するものである。電荷輸送層13に消去光が照射されると、電子・正孔対が発生する。この際、発生した正の電荷(正孔)と蓄電層16に存在する負の電荷とが結合し、また負の電荷(電子)と電荷輸送層13に存在した正の電荷とが結合することにより、電荷輸送層13にトラップされている残像電荷が消去される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放射線画像を担持した放射線または記録光が照射され、放射線または記録光の照射量に応じて発生した電荷を蓄積することにより放射線画像を検出する放射線画像検出器および上記電荷を読み取った後、その放射線画像検出器に残存した電荷を消去する消去光を照射する消去光照射部を有する放射線画像検出システムに関するものである。
従来より、被写体を透過したX線などの放射線の照射量に応じた量の電荷を蓄電部に蓄積することにより被写体の放射線画像を検出する放射線画像検出器を用いて放射線画像を記録するとともに、その放射線画像検出器に記録された放射線画像を電気信号をとして読み取る放射線画像記録読取装置が、医療用放射線画像の撮影などにおいて多く利用されており、種々のタイプのものが提案されている。
そして、上記のような放射線画像記録読取装置において用いられる放射線画像検出器としては、たとえば、特許文献1には、放射線を透過する第1の電極層、放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層、潜像電荷に対しては絶縁体として作用し、かつ潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層、および線状電極が平行に配列された第2の電極層をこの順に積層してなる放射線画像検出器が提案されている。上記放射線画像検出器を用いた放射線画像記録読取装置においては、第1の電極層と第2の電極層とに電圧が印加された状態で第1の電極層側から放射線が照射され、その照射された放射線の照射量に応じた量の電荷が記録用光導電層において発生し、その電荷のうち一方の極性の電荷が第1の電極層に帯電された電荷と結合するとともに他方の極性の電荷が記録用光導電層と電荷輸送層との界面に形成される蓄電部に潜像電荷として蓄積されることより、放射線画像の記録が行われる。そして、第2の電極層側から照射された読取光が第2の電極層を透過して読取用光導電層に照射され、その読取光の照射により読取用光導電層において発生した一方の極性の電荷が蓄電部における潜像電荷と結合するとともに、他方の極性の電荷が線状電極に接続された電流検出アンプにより検出されることにより放射線画像が電気信号として読み出される。
上記のような光読取方式の放射線画像記録読取装置において、放射線画像検出器から放射線画像を読み取った後には、読取用光導電層において発生した電荷の一部が放射線画像検出器内に残存してしまうことがある。特に、前記記録用光導電層と前記電荷輸送層との界面は、蓄電部として機能するため、時間応答性が悪く、電荷輸送層にはトラップされた電荷が残りやすく、このような電荷は残存電荷となる。この残存電荷を消去することなく次の放射線画像の記録を行なったのでは、その放射線画像の画質の劣化を招くことになる。
そこで、特許文献2においては、次の放射線画像の記録を行う前に、第1の電極層と第2の電極層とを短絡した状態で前露光光を読取用光導電層に照射し、その前露光光の照射により読取用光導電層において発生した電荷を上記残存電荷とを結合させることにより残存電荷を消去する方法が提案されている。
また、特許文献3においては、次の放射線画像の記録を行う前に、第1の電極層と第2の電極層とに電圧を印加した状態で長波長(赤〜近赤外)領域の消去光を読取用光導電層側から照射し、その消去光の照射により電荷輸送層にトラップされた残存電荷を励起し、残存電荷の一部を消去し、さらに、第1の電極層と第2の電極層とを短絡した状態で、青色領域の消去光を読取用光導電層に照射して、読取用光導電層において発生した電荷と、未消去の残存電荷とを結合させることにより残存電荷を消去する方法が提案されている。
特開2000−284056号公 特開2001−108798号公報 特開2005−24368号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載のように第1の電極層と第2の電極層とを短絡させた状態で前露光光の照射を行う場合、照射された前露光光は主に放射線画像検出器における前露光光の入射表面の近傍で吸収されるため、その前露光光が吸収される範囲における残存電荷は消去することができるが、上記入射表面の近傍よりも内部に存在する残存電荷は消去することができないため電荷輸送層にトラップされた残存電荷を十分に消去することが困難である。
また、上記特許文献3に記載のように、長波長光を読取用光導電層へ照射する場合、電荷輸送層にトラップされた残存電荷が励起され、残存電荷の一部は消去される。しかし、残存電荷を励起するのみでは、電荷輸送層にトラップされた残存電荷を十分に消去することは困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、上記のような放射線画像検出器から放射線画像を読み取った後、その放射線画像検出器に残存した電荷を消去する消去光を照射する消去光照射部を備えた放射線画像検出システムにおいて、電荷輸送層にトラップされた残存電荷を十分に消去することができる放射線画像検出システムを提供することを目的とするものである。
本発明による放射線画像検出システムは、放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、該第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射により該放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、前記第1の電極層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該同極性の電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層と、読取光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、前記読取光を透過する第2の電極層とを有し、前記記録用光導電層と前記電荷輸送層との界面に形成される蓄電部に潜像電荷として放射線画像を記録する放射線画像検出器と、
該放射線画像検出器の前記読取用光導電層に前記読取光を照射して前記蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、前記放射線画像検出器に残存した電荷を消去する消去光を照射する消去光照射部とを備えた放射線画像検出システムにおいて、
前記消去光照射部が前記消去光を前記放射線画像検出器へ前記読取用光導電層側から照射するものであり、
前記読取用光導電層および前記第2の電極層が前記消去光に対して透過性を有するものであり、
前記電荷輸送層が、前記消去光に対して感度を有するものであることを特徴とするものである。
本発明の他の放射線画像検出システムは、放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、該第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射により該放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、前記第1の電極層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該同極性の電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層と、読取光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、前記読取光を透過する第2の電極層とを有し、前記記録用光導電層と前記電荷輸送層との界面に形成される蓄電部に潜像電荷として放射線画像を記録する放射線画像検出器と、
該放射線画像検出器の前記読取用光導電層に前記読取光を照射して前記蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、前記放射線画像検出器に残存した電荷を消去する消去光を前記放射線画像検出器に照射する消去光照射部とを備えた放射線画像検出システムにおいて、
前記消去光照射部が前記消去光を前記放射線画像検出器へ前記記録用光導電層側から照射するものであり、
前記記録用光導電層および前記第1の電極層が前記消去光に対して透過性を有するものであり、
前記電荷輸送層が、前記消去光に対して感度を有するものであることを特徴とするものである。
なお、ここで、上記「記録光」としては、たとえば、被写体を透過した放射線の照射により蛍光体から発せられた蛍光などがあるが、被写体の放射線画像を担持した光であれば如何なるものでもよい。
また、「消去光に対して透過性を有する」とは、前記消去光をほぼ透過することに加え、前記消去光の一部を透過することも含むものである。
さらに、「電荷輸送層が、前記消去光に対して感度を有するものである」とは、電荷輸送層に前記消去光が照射された場合に、該電荷輸送層に存在する残存電荷を消去可能な程度に電子・正孔対を発生させる電荷輸送層であることを意味している。
上記放射線画像検出システムは、前記消去光の照射時において前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に電圧を印加する電圧印加手段を備えたものであってもよい。前記電圧印加手段の電圧の大きさは、記録用電圧の大きさの1/10〜1/1000としてもよい。
前記消去光の波長は、600nm以上800nm以下であってもよい。
前記電荷輸送層は、Se−Te、Se−Te−As、Se−Te−P、Se−AsまたはSe−Sbの内少なくとも1つを主成分とする合金であってもよい。なお、これらの合金は、Cl等の希土類元素を微量含むものであってもよい。
本発明の放射線画像検出システムでは、消去光照射部が消去光を放射線画像検出器へ読取用光導電層側から照射するものであり、読取用光導電層および第2の電極層が消去光に対して透過性を有するものであり、電荷輸送層が、消去光に対して感度を有するものであるため、電荷輸送層に前記消去光が照射された場合に、該電荷輸送層に電子・正孔対が発生し、この電子・正孔が残存電荷と結合するので、電荷輸送層にトラップされた残存電荷が消去される。
また、本発明の他の放射線画像検出システムは、消去光照射部が消去光を放射線画像検出器へ記録用光導電層側から照射するものであり、記録用光導電層および第1の電極層が消去光に対して透過性を有するものであり、電荷輸送層が、消去光に対して感度を有するものであるため、電荷輸送層に前記消去光が照射された場合に、該電荷輸送層に電子・正孔対が発生し、この電子・正孔が残存電荷と結合するので、電荷輸送層にトラップされた残存電荷が消去される。
前記放射線画像検出システムが、前記消去光の照射時において前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に電圧を印加する電圧印加手段を備えたものであれば、印加された電圧により、電荷輸送層に発生した電子・正孔と残存電荷との結合が促進され、短時間で残存電荷の消去が可能となる。
消去光の波長が、600nm以上800nm以下であれば、既存の記録用光導電層または読取用光導電層を透過可能であり、かつ記録用光導電層または読取用光導電層においてほぼ電子・正孔対を発生することがないため、効率よく、残像電荷を消去することができる。
電荷輸送層が、Se−Te、Se−Te−As、Se−Te−P、Se−AsまたはSe−Sbの内少なくとも1つを主成分とする合金であれば、消去光、特に波長600nm以上800nm以下の消去光が照射された場合に、残存電荷の消去に十分な電子・正孔対が発生する。
以下、図面を参照して本発明の放射線画像検出システムを適用した第1の実施の形態である放射線画像記録読取装置について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態である放射線画像記録読取装置1の概略構成図である。
本放射線画像記録読取装置1は、図1に示すように、放射線を射出する放射線源5、放射線源5から射出され、被写体6を透過した放射線の照射により被写体の放射線画像を検出する放射線画像検出器10、放射線画像検出器10に記録された放射線画像を読み取るための読取光を放射線画像検出器10に照射する面状光源20、面状光源20の読取光の照射により放射線画像検出器10において発生した電流を検出する電流検出回路31が多数設けられた電流検出部30、放射線画像検出器10による放射線画像の記録の際に放射線画像検出器10に電圧を印加する電圧源40、放射線画像検出器10から放射線画像を電流として読み取る際に放射線画像検出器10の後述する第1の電極層11と第2の電極層15とを短絡する短絡手段50、上記面状光源20の動作を制御する読取光制御手段60と消去光制御手段70、上記電圧源40の動作を制御する電圧源制御手段80、および上記短絡手段50の動作を制御するスイッチ制御手段90を備えている。
放射線画像検出器10は、被写体6の放射線画像を担持した放射線を透過する第1の電極層11、第1の電極層11を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層12、記録用光導電層12において発生した潜像電荷に対しては絶縁体として作用し、且つその潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層13、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層14、および読取光を透過する第2の電極層15をこの順に積層してなるものである。記録用光導電層2と電荷輸送層3との間には、記録用光導電層2内で発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部16が形成されている。
第1の電極層11としては、放射線を透過するものであればよく、たとえば、ネサ皮膜(SnO)、ITO(Indium Tin Oxide)、アモルファス状光透過性酸化膜であるIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))などを50〜200nm厚にして用いることができ、また、100nm厚のAlやAuなども用いることもできる。
第2の電極層15は、多数の線状電極15aが平行に配列されてなるものである。そして、第2の電極層15における線状電極15aは読取光を遮光する材料から形成され、線状電極15aの間の部分15bは読取光を透過する材料により形成されている。
記録用光導電層12は、放射線の照射を受けることにより電荷を発生するものであればよく、放射線に対して比較的量子効率が高く、また暗抵抗が高いなどの点で優れているa−Seを主成分とするものを使用する。厚さは500μm程度が適切である。
電荷輸送層13としては、第1の電極層1に帯電する電荷の移動度と、その逆極性となる電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば10以上、望ましくは10以上)、かつ波長750nmの消去光に対して感度を有するものであればよく、例えばSe−Te、Se−Te−As、Se−Te−P、Se−AsまたはSe−Sbの内少なくとも1つを主成分とする合金が好適である。なお、これらの合金は、Cl等の希土類元素を微量含むものであってもよい。
読取用光導電層14としては、読取光の照射を受けることにより導電性を呈し、かつ波長750nmの消去光を透過するものであればよく、例えば、a−Se、Se−Te、Se−As−Te、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine)、CuPc(Cupper phtalocyanine)などのうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。厚さは10μm程度が適切である。
なお、放射線画像検出器10の層構成は上記のような層構成に限らず、その他の層を含むものとしてもよく、また各層の材料についても上記各層の作用と同等の作用を有するものであれば上記以外の材料を利用するようにしてもよい。
そして、上記のように構成された放射線画像検出器10には、図1に示すように、第2の電極層15側に面状光源20が設けられている。面状光源20は、図2に示すように、消去光としての波長750nmの光を発する近赤外LED25aと、読取光を発する青色LED25bとが、X−Y方向に2次元状に多数配列されたものである。近赤外LED25aと青色LED25bとは、X方向およびY方向に同じ種類のLEDが隣接しないように、X方向およびY方向にそれぞれのLEDが交互に配置するように設けられている。上記のようにして構成された面状光源20は、放射線画像検出器10の第2の電極層15側に設けられている。なお、面状光源20と放射線画像検出器10との間には、透明絶縁層24が設けられている。
面状光源20における近赤外LED25aは、図1に示す消去光制御手段70によりその発光が制御され、青色LED25bは、読取光制御手段60によりその発光が制御されるものである。
また、電圧源40は、放射線画像の記録の際に用いられるだけでなく、放射線画像検出器10に残存した電荷の消去時にも用いられるものであり、その電圧のON、OFFおよび電圧の大きさは電圧源40に接続された電圧制御手段80により制御される。
また、電流検出部30は、第2の電極層15の各線状電極15a毎に接続された多数の電流検出アンプ31を有している。
また、短絡手段50は、スイッチであり、図1に示すように、スイッチのa端子には、電圧源40の正極側の端子が接続され、b端子には放射線画像検出器10における第1の電極層11が接続され、c端子には電流検出部30の電流検出アンプ31が接続されている。この短絡手段50は、放射線画像検出器10による放射線画像の記録および読取りの際に切換えられる。この短絡手段50の切換えは、短絡手段50に接続されたスイッチ制御手段90により制御される。
また、第1の実施の形態においては、面状光源20を読取光源と消去光源との両方に使用するようにしたが、読取光源と消去光源とを別個に設けるようにしてもよい。この場合においては、第1の実施の形態のように放射線画像検出器と光源とを一体として構成するのではなく、放射線画像検出器とは別体として設けるようにすればよい。また、必ずしも面状光源を利用する必要はなく、放射線画像検出器の全面を照射することができるものであれば、主走査方向に延びる線状光源を副走査方向に走査することにより全面を照射するようにしてもよいし、ビーム光源から発せられたビーム光により主走査方向および副走査方向に走査することにより全面を照射するようにしてもよい。
次に、上記第1の実施の形態の放射線画像記録読取装置の作用について説明する。まず、本放射線画像記録読取装置1においては、放射線画像検出器10への放射線画像の記録の前に、放射線画像検出器10から放射線画像を読み取った後に放射線画像検出器10に残存した電荷を消去する動作を行う。以下に、その残存電荷の消去の作用について詳細に説明する。図3は、放射線画像検出器10における残存電荷の消去の作用を説明するための模式図である。
本放射線画像記録読取装置1において、放射線画像検出器10を用いて放射線画像を記録し、その記録された放射線画像を読み取った後には、電荷輸送層13の時間応答性が低いため、図3(a)に示すように、正の電荷が電荷輸送層13にトラップされて残存している。また、この正の電荷とつりあうように蓄電部16には負の電荷が残存している。
上記のような残存電荷を消去するため、本放射線画像記録読取装置1においては、まず、消去光制御手段70により面状光源20が制御され、面状光源20の近赤外LED25aのみが駆動され、面状光源20の全面から消去光が発光される。
消去光は第2の電極層5および読取用光導電層14を透過し、電荷輸送層13を照射する。電荷輸送層13は、Se−Teを主成分とするものであり、波長750nmの消去光が照射されると、図3(b)に示すように電子・正孔対が発生する。電荷輸送層13で発生した正の電荷(正孔)のうち一部は蓄電部16に残存している負の電荷と結合し、残存電荷を消去する。さらに、電荷輸送層13で発生した負の電荷(電子)の一部は、電荷輸送層13に残存している正の電荷と結合し、残存電荷を消去する。なお、正の電荷(正孔)の残りと、負の電荷(電子)の残りは、消去光の照射の終了後に再結合して消滅する。また、消去光により残存電荷が励起されて、残存電荷同士が結合しあうことによっても残存電荷が消去される。
そして、上記のようにして放射線画像検出器10における残存電荷の消去が終了した後、放射線画像の記録が行われる。放射線画像の記録は、まず、電圧制御手段80により電圧源40が制御されて放射線画像検出器10の第1の電極層11と第2の電極層15との間に記録用電圧が印加される。このとき印加される記録用電圧の大きさは、上述したように5kV程度であり、第1の電極層11が負の電位に、第2の電極層15が正の電位となるように印加される。そして、この記録用電圧の印加の後、放射線源5から放射線を射出させ、被写体6を透過した放射線を放射線画像検出器10に照射する。すると、放射線画像検出器10の記録用光導電層12内で正と負の電荷が発生し、そのうちの負の電荷が上記記録用電圧の印加により形成された電界分布に沿って第2の電極層15の各線状電極15aに集中せしめられ、記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部16に潜像電荷として蓄積される。潜像電荷の量は照射放射線量に略比例し、この潜像電荷の量が被写体6の放射線画像を示すことになる。一方、記録用光導電層12内で発生する正電荷は第1電極層11に引き寄せられて、電圧源40から注入された負の電荷と結合して消滅する。なお、本実施の形態においては、上記記録における電極層への電圧印加および放射線の照射は1s程度行われる。
次に、上記のようにして放射線画像検出器10に記録された放射線画像を読取る際の作用について説明する。
本放射線画像記録読取装置1において、放射線画像検出器10から放射線画像を読み取る際には、スイッチ制御手段90により短絡手段50のb端子とc端子とが接続され、第1の電極層11と第2の電極層15の線状電極15aとに、蓄電部16に蓄積された負電荷に応じた正の電荷が帯電される。そして、読取光制御手段60が面状光源20の青色LED25bを一ライン毎に順次駆動する。なおこのライン方向は、線状電極と直交する方向である。面状光源20から発せられるライン光で放射線画像検出器10の全面を走査する。
このライン光の照射により読取用光導電層14内に正と負の電荷が発生し、その内の正の電荷が蓄電部16に蓄積された負電荷に引きつけられるように電荷輸送層13内を急速に移動し、蓄電部16で潜像電荷と結合して消滅する。一方、読取用光導電層14に生じた負の電荷は第2の電極層15の線状電極15aに帯電した正の電荷および第1の電極層11から電流検出アンプ31を介して流れてきた正の電荷と結合して消滅する。上記のように読取用光導電層14において発生した負の電荷が、第1の電極層11から電流検出アンプ31を介して第2の電極層15に流れてきた正の電荷と結合することにより電流検出アンプ31によって潜像電荷の量に応じた電流が検出され、放射線画像を電気信号として取得することができる。
上記の説明であきらかなように、放射線画像記録読取装置1によれば、読取用光導電層14および第2の電極層15が、消去光に対して透過性を有するものであり、電荷輸送層13が波長750nmの消去光に対して感度を有するものであるため、電荷輸送層13に消去光が照射された場合に、該電荷輸送層13に電子・正孔対が発生し、この電子・正孔が残存電荷と結合するので、電荷輸送層13にトラップされた残存電荷が消去される。
次に、本発明の残像消去方法を実施する残像消去装置の第2の実施の形態を用いた放射線画像記録読取装置2について説明する。本放射線画像記録読取装置2の概略構成図を図4に示す。なお、図1に示す第1の実施形態と同等の要素についての説明は、特に必要のない限り省略する。
本実施の形態における放射線画像記録読取装置2は、残存した電荷の消去時には、第1の電極層と第2の電極層とに電圧を印加、次いで、第1の電極層と第2の電極層とを短絡するものである。
放射線画像記録読取装置2では、図1に示す放射線画像記録読取装置1に用いられた電圧源40、電圧制御手段80および短絡手段50の動作を制御するスイッチ制御手段90の代わりに、電圧源41、電圧制御手段81およびスイッチ制御手段91が用いられる。
残存した電荷の消去時には、まず、スイッチ制御手段91により短絡手段50のa端子とc端子とが接続され、第1の電極層11と第2の電極層15とに電圧源41が接続される。そして、電圧制御手段81により電圧源41が制御され、第1の電極層11が負の電位、第2の電極層15が正の電位となるように電圧が印加されるとともに、消去光制御手段70により面状光源20が制御され、消去光が発光される。このとき、電圧源41による電圧印加は、放射線画像の記録の1s程度前から開始し、上記電圧印加の時間および消去光の照射時間は0.5s程度であることが望ましい。上記のように電圧印加時間および消去光の照射時間を制御するのは、あまり長い時間電圧印加および消去光の照射を行うと残存電荷を消去するための電荷が過剰に発生し、その電荷が再び残存電荷となってしまうからである。また、このとき第1の電極層11および第2の電極層15に印加される電圧の大きさは、放射線画像検出器10への放射線画像の記録の際に第1および第2の電極層に印加される記録用電圧の1/10〜1/1000程度であることが望ましく、より望ましくは1/100程度である。本実施の形態では、放射線画像の記録用電圧を5kV程度とし、残存電荷の消滅の際の電圧を50V程度としている。
本放射線画像記録読取装置2においても、放射線画像検出器10を用いて放射線画像を記録し、その記録された放射線画像を読み取った後には、正の電荷が電荷輸送層13にトラップされて残存している。また、この正の電荷とつりあうように蓄電部16には負の電荷が残存している。以下に、その残存電荷の消去の作用について詳細に説明する。
上記のような残存電荷を消去するため、本放射線画像記録読取装置2においては、まず、スイッチ制御手段91により短絡手段50のa端子とc端子とが接続され、第1の電極層11と第2の電極層15とに電圧源41が接続される。そして、電圧制御手段81により電圧源41が制御され、第1の電極層11が負の電位、第2の電極層15が正の電位となるように電圧が印加されるとともに、消去光制御手段70により面状光源20が制御され、面状光源20の近赤外LED25aのみが駆動され、面状光源20の全面から消去光が発光される。このとき、電圧源41による電圧印加は、放射線画像の記録の1s程度前から開始し、上記電圧印加の時間および励起光の照射時間は0.5s程度であることが望ましい。
上記のようにして電圧源41により電圧印加されるとともに、消去光が照射される。消去光は読取用光導電層14を透過し、電荷輸送層を照射する。電荷輸送層は、波長750nmの消去光に対して感度を有しているため、電子・正孔対が発生する。発生した正の電荷は、第1の電極層11側に向かって行き、蓄電部に残存している負の電荷と結合し、残存電荷を消去する。また残りの正の電荷は、第1の電極11への電圧印加により帯電された負の電荷と結合して消滅する。さらに、電荷輸送層で発生した電荷のうち負の電荷の一部は、電荷輸送層13に残存している正の電荷と結合し、残存電荷を消去する。また負の電荷の残りは、第2の電極層15側に向かって行き、第2の電極15に上記電圧印加により帯電された正の電荷と結合して消滅する。また、消去光により残存電荷が励起されて、残存電荷同志が結合しあうことによっても残存電荷が消去される。
そして、上記のようにして放射線画像検出器10における残存電荷の消去が終了した後、第1の電極層と第2の電極層とを短絡させ、各電極に残存した電荷を消去する。
このようにして残存電荷が消去された後、放射線画像の記録および読取りが行われるが、これらの作用については、上記第1の実施の形態の残像消去装置を用いた放射線画像記録読取装置1の作用と同様である。
上記の説明で明らかなように、本実施の形態においては、第1の実施の形態における効果に加え、印加された電圧により、電荷輸送層13に発生した電子・正孔と残存電荷との結合が促進され、短時間で残存電荷の消去が可能となる。
また、残存電荷の消去時における電圧源41の電圧の大きさを、記録用電圧の大きさの1/10〜1/1000とし、比較的低い電圧に設定したため、電荷輸送層13における過剰な電荷の発生により、その電荷が再び残存電荷となるのを回避することができる。
なお、上記各実施の形態においては、上記のように近赤外LED25aと青色LED25bとを2次元状に配列した面状光源20により消去光源および読取光源を構成するようにしたが、上記のような構成に限らず、放射線画像検出器10の全面を照射できるものであれば、ライン光源やビーム光源などのその他の構成を採用するようにしてもよい。
また、消去光として750nmの光を用いたが、これに限らず第2の電極層15および読取用光導電層14を透過し、電荷輸送層13に電子・正孔対を発せさせることができる波長の光であれば、いかなる波長の光であってもよい。
さらに、上記各実施の形態においては、第2の電極層15側から消去光を照射するようにしたが、図5に示すように、第1の電極層11側に主走査方向に延びる線状光源を副走査方向に走査することにより放射線画像検出器10の全面を消去光により照射する消去用光源21および消去光制御手段71を設け、第1の電極層11側から消去光を照射するようにしてもよい。このように第1の電極層11側から消去光を照射する場合には、第1の電極層11および記録用光導電層12の材料として消去光を透過するものを利用するようにすればよい。また、面状光源20の変わりに、青色の読取光のみを射出する面状光源22を利用すればよい。
本発明の第1の実施の形態である放射線画像記録読取装置の概略構成図 面状光源の説明図 図1に示す放射線画像記録読取装置の放射線画像検出器における残存電荷の消去の作用を説明するための模式図 本発明の第2の実施の形態である放射線画像記録読取装置の概略構成図 本発明の他の放射線画像記録読取装置の概略構成図
符号の説明
1,2 放射線画像記録読取装置
5 放射線源
6 被写体
10 放射線画像検出器
11 第1の電極層
12 記録用光導電層
13 電荷輸送層
14 読取用光導電層
15 第2の電極層
20,22 面状光源
21 消去用光源
25a 近赤外LED
26b 青色LED
30 電流検出部
40,41 電圧源
50 短絡手段
60 読取光制御手段
70,71 消去光制御手段
80,81 電圧制御手段
90,91 スイッチ制御手段

Claims (5)

  1. 放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、該第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射により該放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、前記第1の電極層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該同極性の電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層と、読取光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、前記読取光を透過する第2の電極層とを有し、前記記録用光導電層と前記電荷輸送層との界面に形成される蓄電部に潜像電荷として放射線画像を記録する放射線画像検出器と、
    該放射線画像検出器の前記読取用光導電層に前記読取光を照射して前記蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、前記放射線画像検出器に残存した電荷を消去する消去光を照射する消去光照射部とを備えた放射線画像検出システムにおいて、
    前記消去光照射部が前記消去光を前記放射線画像検出器へ前記読取用光導電層側から照射するものであり、
    前記読取用光導電層および前記第2の電極層が前記消去光に対して透過性を有するものであり、
    前記電荷輸送層が、前記消去光に対して感度を有するものであることを特徴とする放射線画像検出システム。
  2. 放射線画像を担持した放射線または記録光を透過する第1の電極層と、該第1の電極層を透過した放射線または記録光の照射により該放射線または記録光の照射量に応じた電荷を発生する記録用光導電層と、前記第1の電極層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該同極性の電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層と、読取光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、前記読取光を透過する第2の電極層とを有し、前記記録用光導電層と前記電荷輸送層との界面に形成される蓄電部に潜像電荷として放射線画像を記録する放射線画像検出器と、
    該放射線画像検出器の前記読取用光導電層に前記読取光を照射して前記蓄電部に蓄積された電荷を読み取った後、前記放射線画像検出器に残存した電荷を消去する消去光を前記放射線画像検出器に照射する消去光照射部とを備えた放射線画像検出システムにおいて、
    前記消去光照射部が前記消去光を前記放射線画像検出器へ前記記録用光導電層側から照射するものであり、
    前記記録用光導電層および前記第1の電極層が前記消去光に対して透過性を有するものであり、
    前記電荷輸送層が、前記消去光に対して感度を有するものであることを特徴とする放射線画像検出システム。
  3. 前記消去光の照射時において前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に電圧を印加する電圧印加手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像検出システム。
  4. 前記消去光の波長が、600nm以上800nm以下であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の放射線画像検出システム。
  5. 前記電荷輸送層が、Se−Te、Se−Te−As、Se−Te−P、Se−AsまたはSe−Sbの内少なくとも1つを主成分とする合金であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の放射線画像検出システム。
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