JP2005023441A - ソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸 - Google Patents

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Abstract

【課題】製編織し、染色することで、ソフト感を有し、かつナチュラルで明瞭な杢外観を有する布帛となるソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸を提供する。
【解決手段】単糸繊度が1デシテックス以下、フィラメント数が70本以上の仮撚捲縮を有するポリエステルマルチフィラメント糸Aと、単糸繊度が前記ポリエステルマルチフィラメント糸Aの単糸繊度より大きく、かつ複屈折率が10〜60×10−3 の範囲内であるポリエステルマルチフィラメント糸Bとが混繊されたソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸。ポリエステルマルチフィラメント糸Bはカチオン可染性ポリエステルであり、複屈折率が長手方向に変動し、太細斑を有することが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製編織し、染色することで、ソフト感を有し、かつナチュラルで明瞭な杢外観を有する布帛となるソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
杢調加工糸は、その異色性を有する外観から、衣料分野で幅広く用いられており、表面感や風合いを天然繊維に近づけるべく様々な提案がなされている。
【0003】
特許文献1には、長手方向に複屈折率が20×10−3〜60×10−3の範囲で太細斑を有するポリエステルマルチフィラメント糸Aと、捲縮を有するポリエステルマルチフィラメント糸Bとからなる混繊糸であって、前記混繊糸の20〜80質量%が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を全酸成分に対して0.5〜5モル%共重合したカチオン染料に可染性のポリエステルであることを特徴とする杢調嵩高加工糸が記載されている。
【0004】
この加工糸は、なだらかな太細斑を有する糸条Aと捲縮を有する糸条Bとが混繊され、かつカチオン可染性ポリエステルが適度に含まれているので、製編織、染色して得られる布帛に、明瞭かつ急激な濃淡変化がなく、斑のある触感、ナチュラル感、ソフト感を付与できるとともに、梳毛ウール調のヌメリ感やナチュラルな杢外観を付与することができるものの、糸条Aのみの効果であるため、そのナチュラル感とソフト感には限界があり、またカチオン可染性ポリエステルとカチオン不染性ポリエステルとの色差が小さいため杢感の明瞭性に欠けるという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−115140号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の欠点を解消し、製編織し、染色することで、ソフト感を有し、かつナチュラルで明瞭な杢外観を有する布帛となるソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸を提供することを技術的な課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)単糸繊度が1デシテックス以下、フィラメント数が70本以上の仮撚捲縮を有するポリエステルマルチフィラメント糸Aと、単糸繊度が前記ポリエステルマルチフィラメント糸Aの単糸繊度より大きく、かつ複屈折率が10〜60×10−3 の範囲内であるポリエステルマルチフィラメント糸Bとが混繊されてなることを特徴とするソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸。
(2)ポリエステルマルチフィラメント糸Bが、カチオン可染性ポリエステルである上記(1)記載のソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸。
(3)ポリエステルマルチフィラメント糸Bの複屈折率が長手方向に変動し、太細斑を有する上記(1)又は(2)記載のソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明を構成するポリエステルマルチフィラメント糸A(糸条A)は、単糸繊度が1デシテックス以下で、かつ仮撚捲縮を有することが重要である。上記の構成を有することで、布帛に芯のないソフト感、ストレッチ性及びふくらみ感を同時に付与することが可能となるが、さらに、染色した際に非常に染まり難いという特性を示す。すなわち、元来、単糸繊度の小さい極細糸といわれるものは染色性が低く、単糸繊度の大きいものと比較すると淡染性を示すが、本発明では、これに加えて仮撚加工による断面変形が付与されているため、光の表面反射が大きく、さらに淡染性を示すのである。このため、後述の単糸繊度の大きいポリエステルマルチフィラメント糸B(糸条B)と混繊されたとき、染色性の差から明瞭な杢調を表現することが可能となる。前記の理由から、単糸繊度は0.7デシテックス以下が好ましく、0.5デシテックス以下がさらに好ましいが、仮撚加工性の点から0.01デシテックス以上が好ましい。
【0009】
単糸繊度が1デシテックスを超えると、ソフト感を付与できないばかりか、染色性が高くなり、糸条Bとの色差が得られ難くなるため好ましくない。また仮撚捲縮を有しない場合には、ストレッチ性、ふくらみ感に欠けるとともに、前記断面変形も付与されないため染色性が低下せず、さらには仮撚糸のトルクがなく後述のフィラメントのばらつきに寄与しないため、本発明から除外される。
【0010】
また、糸条Aは、フィラメント数が70本以上であることも重要であり、特に100本以上であることが好ましく、上限は3000本程度が好ましい。このようにフィラメント数が多く、また個々のフィラメントは仮撚によるトルクを有するため、糸条Bとの混繊糸において染色等の熱処理による収縮の際、フィラメントがばらつきながらランダムに配置されやすいため、織編物においてはナチュラル感に富んだ杢感を呈することができる。
【0011】
フィラメント数が70本未満である場合は、フィラメント数が少ないためランダムに配置され難く、混繊糸において、糸条Aと糸条Bが並列的になる割合が多くなり、織編物にナチュラル感が表現できないため好ましくない。
【0012】
次に、糸条Aと共に本発明の加工糸を構成する糸条Bは、単糸繊度が糸条Aの単糸繊度より大きく、かつ複屈折率が10〜60×10−3 の範囲内であることが必要である。糸条Bの単糸繊度が糸条Aの単糸繊度より大きく、かつ複屈折率が低い範囲にあることで、濃染性を付与できるため、糸条Aとの色差を大きくすることが可能になる。この結果、明瞭な杢感を表現できるとともに、織編物の過度なソフト化を防止することができる。
【0013】
また、糸条Aの複屈折率が長手方向に変動し、太細斑を有することはさらに好ましく、この場合は、長手方向への染色性の変化により、斑のある表面感をさらに強調することができ、前述の糸条Aにおけるフィラメントのばらつきも相俟って、よりナチュラル感を表現することが可能となる。加えて前記太細斑にネックがなく、なだらかな糸径変化である場合は、染色した際、急激な濃淡変化がないため、さらにナチュラル感を強調できる。
【0014】
糸条Bの単糸繊度は、糸条Aの単糸繊度よりも大きければ特に制限されないが、過度に大きいと織編物に芯のある硬さが現れ、本発明の効果を阻害する場合があるので、好ましい範囲は7デシテックス以下、さらに好ましくは5デシテックス以下である。
糸条Bの単糸繊度が糸条Aの単糸繊度以下である場合は、前述の理由から色差を付与し難く、明瞭な杢感が得られない。
【0015】
糸条Bの複屈折率が10×10−3未満になるとフィラメントが脆化しやすく、さらに、後工程、例えば撚糸、製編織等の工程でのしごきや摩耗に対して弱く、毛羽や糸切れを誘発することがある。また、複屈折率が60×10−3を超えると、繊維の内部構造が安定化するため外部応力等に対して容易に変化せず、柔軟な構造を有しないため、自然なソフト感が得られないとともに濃染性が得られず、糸条Aとの色差を大きくすることができない。
【0016】
また、本発明においては、糸条Aをポリエチレンテレフタレート(PET)で形成し、糸条Bをカチオン可染性ポリエステルで形成することが好ましい。カチオン可染性ポリエステルとしては、PETを主成分とする共重合ポリエステル、例えば、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を全酸成分に対して0.5〜5.0モル%、好ましくは0.8〜3.5モル%共重合したポリエステル等が好ましく用いられる。
【0017】
このように、糸条Bがカチオン可染性ポリエステルである場合には、カチオン染料と分散染料を併用した場合(両染め)はもちろんのこと、分散染料単独で染色した場合にも、カチオン染料不染性である通常のPETに比べ、濃染性が得られるので、糸条Aとの色差が大きくなり、杢感をさらに明瞭にすることができる。
【0018】
分散染料で染色した場合に、共重合ポリエステルが通常のPETに比べ濃染性を呈する要因として本発明者らは、その分子構造において、官能基が付加されていることにより分子配列が乱れ、染料が分散しやすくなることや、分子構造がルーズになることによりガラス転移点が下がり、比較的低温での分子運動が活発になるため、早い段階での染料の吸着が起こり、結果的に染料の吸着量が多くなるためではないかと推定している。
【0019】
本発明に使用するポリエステルとしては、PET、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等いずれでもよいが、前述したように糸条AをPETで形成し、糸条Bをカチオン可染性ポリエステルで形成することが好ましく、また、酸化チタン等の艶消し剤や、機能性を付与するための帯電防止剤、抗菌剤、消臭剤等が添加されていてもよい。
【0020】
本発明における糸条Aと糸条Bとの混繊形態は特に限定されるものではなく、交絡部と非交絡部が交互に存在するインターレース形態や、糸条Aと糸条Bのマルチフィラメントが長手方向に混繊し、ループを形成したタスラン形態でもよい。ただし前記効果をより効率的に発揮させるには、インターレース形態がより好ましい。
【0021】
次に、本発明のソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸の製法例について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明のソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸の製造法の一実施態様を示す概略工程図である。図1において、供給糸Yaは、第1供給ローラ1と第1引き取りローラ4の間で、ヒータ2及び仮撚施撚装置3により仮撚加工が施されて、単糸繊度が1デシテックス以下、フィラメント数が70本以上の仮撚捲縮を有する糸条Aとなった後、流体処理ノズル8に導かれる。
【0022】
一方、供給糸Ybは、第2供給ローラ5と第2引き取りローラ7及びヒータ6によって定長熱処理又は弛緩熱処理が施され、単糸繊度が前記糸条Aの単糸繊度より大きく、かつ複屈折率が10〜60×10−3 の範囲内である糸条B、または複屈折率が前記範囲で変動し太細斑を有する糸条Bとなり、第1引き取りローラ4に導かれる。なお、この時、第2引き取りローラ7から直接流体混繊ノズル8に供給してもよい。
【0023】
次いで、前記糸条Aと糸条Bは流体処理ノズル8で混繊されて本発明のソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸となり、第3引き取りローラ9を経て、パッケージ10に巻き取られる。
【0024】
【作用】
本発明のソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸は、糸条Aの単糸繊度が1デシテックス以下で、かつ仮撚捲縮を有することにより、この糸条を製編織して得られる布帛に芯のないソフト感、ストレッチ性及びふくらみ感を同時に付与することが可能になるととともに、単糸繊度の小さいことに加えて仮撚加工による断面変形が付与されているため、光の表面反射が大きく、非常に染まり難い特性を示し、単糸繊度の大きい糸条Bとの染色性の差から明瞭な杢調を付与することが可能となる。
【0025】
また、フィラメント数が70本以上であり、かつ個々のフィラメントは仮撚によるトルクを有するため、糸条Bとの混繊糸において染色等の熱処理による収縮の際、フィラメントがばらつきながらランダムに配置されやすいため、織編物においてはナチュラル感に富んだ杢感を呈することができる。
【0026】
さらに、糸条Bは、単糸繊度が前記糸条Aの単糸繊度より大きく、複屈折率が10〜60×10−3 の範囲内であることから濃染性を付与でき、糸条Aとの色差を大きくすることが可能になるため、明瞭な杢感を表現できるとともに、織編物の過度なソフト化を防止することができる。
【0027】
また、複屈折率が長手方向に変動し、太細斑を有する場合は、長手方向への染色性の変化により、斑のある表面感をさらに強調することができ、前述の糸条Aにおけるフィラメントのばらつきと相俟って、よりナチュラル感を表現することが可能となる。
【0028】
加えて、糸条Bがカチオン可染性ポリエステルである場合には、カチオン染料と分散染料を併用した場合はもちろんのこと、分散染料単独で染色した場合にも、カチオン染料不染性である通常のPETに比べ、濃染性が得られるので、糸条Aとの色差が大きくなり、杢感をさらに明瞭にすることができる。
【0029】
【実施例】
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
なお、本発明における物性値の測定方法、染色処方及び評価方法は、次のとおりである。
(1)複屈折率(Δn)
偏光顕微鏡とコンペンセーターの組合せによる干渉縞計測法で測定する。
【0030】
なお、測定は任意の30箇所とし、その最大値と最小値を表記した。
Figure 2005023441
(3)評価方法
製織、染色加工を行った織物を、熟練した判定者が評価し、次の基準で判定した。
・ソフト感
ソフト感が強く感じられるものを◎、ややソフトなものを○、ややソフト感に欠けるものを△、粗硬なものを×とした。
・杢の明瞭さ
非常に明瞭なものを◎、やや明瞭なものを○、やや明瞭さに欠けるものを△、不明瞭なものを×とした。
・ナチュラル感
ナチュラル感が強く感じられるものを◎、ややナチュラル感があるものを○、ややナチュラル感に欠けるものを△、人工的であるものを×とした。
・ふくらみ感
ふくらみ感に非常に富むものを◎、ややふくらみが感じられるものを○、ややふくらみ感に欠けるものを△、ふくらみ感のないものを×とした。
【0031】
実施例1
供給糸Yaとして複屈折率が56×10−3のPET高配向未延伸糸244デシテックス288フィラメントを、供給糸Ybとして、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とし、酸成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.5モル%共重合した共重合ポリエステルを紡糸して得られた、複屈折率が47×10−3のカチオン可染性ポリエステル高配向未延伸糸122デシテックス36フィラメントを用い、図1の工程に従い、表1に示す条件で加工を行って、330デシテックス324フィラメントのソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸を得た。
【0032】
この加工糸を経糸及び緯糸に用い、経糸密度70本/2.54cm、緯糸密度52本/2.54cmで平織物を製織し、前記両染め処方により精錬、染色後、仕上げ加工を行った。
得られた織物は、ソフト感、ふくらみ感を有するとともに、明瞭でナチュラル感に富んだ杢調が表現されていた。
【0033】
実施例2
供給糸Yaとして複屈折率が61×10−3のPET高配向未延伸糸180デシテックス416フィラメントを用いる以外は実施例1と同様にして、図1の工程に従い、表1に示す条件で加工を行って、280デシテックス452フィラメントのソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸を得た。
【0034】
この加工糸を経糸及び緯糸に用い、経糸密度76本/2.54cm、緯糸密度56本/2.54cmで平織物を製織し、前記両染め処方により精錬、染色後、仕上げ加工を行った。
得られた織物は、実施例1の織物よりさらにソフト感、明瞭でナチュラル感に富んだ杢調が表現されていた。
【0035】
実施例3
供給糸Ybとして複屈折率が54×10−3のPET高配向未延伸糸122デシテックス36フィラメントを用いる以外は実施例1と同様にして、図1の工程に従い、表1に示す条件で加工を行って、330デシテックス324フィラメントのソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸を得た。
【0036】
この加工糸を経糸及び緯糸に用い、実施例1と同様に平織物を製織し、前記分散染め処方により精錬、染色後、仕上げ加工を行った。
得られた織物は、明瞭でナチュラルな杢を有し、ソフト感、ふくらみ感が表現されていた。
【0037】
比較例1
施撚装置3を取り外し、仮撚を施さない以外は実施例1と同様に加工を行って、330デシテックス324フィラメントの比較用の加工糸を得た。
【0038】
この加工糸を経糸及び緯糸に用い、実施例1と同様に平織物を製織し、精錬、染色後、仕上げ加工を行った。
得られた織物は、ソフト感には優れていたが、ふくらみ感がなく、また糸条Aに仮撚のトルクがないため、フィラメントのばらつきが少なく、ナチュラル感にやや欠けていた。
【0039】
比較例2
供給糸Yaとして複屈折率が56×10−3のPET高配向未延伸糸244デシテックス48フィラメントを用いる以外は実施例1と同様加工を行い、330デシテックス108フィラメントの比較用の加工糸を得た。
【0040】
この加工糸を経糸及び緯糸に用い、実施例1と同様に平織物を製織し、精錬、染色後、仕上げ加工を行った。
得られた織物は、ふくらみ感を有してはいたが、糸条Aの単糸繊度が大きいのでソフト感に欠けるとともに、糸条Aと糸条Bの色差がほとんどなく、杢の明瞭性にも欠けていた。
【0041】
比較例3
供給糸Yaとして複屈折率が61×10−3のPET高配向未延伸糸44デシテックス48フィラメントを用いる以外は実施例1と同様加工を行い、150デシテックス84フィラメントの比較用の加工糸を得た。
【0042】
この加工糸を経糸及び緯糸に用い、経糸密度104本/2.54cm、緯糸密度77本/2.54cmで平織物を製織し、前記両染め処方により精錬、染色後、仕上げ加工を行った。
得られた織物は、ソフト感、明瞭さ、ふくらみ感を有してはいたが、フィラメント数が少ないため、フィラメントのばらつきが少なく、ナチュラル感に欠けていた。
【0043】
比較例4
表1の条件で供給糸Ybを延伸する以外は、実施例1と同様に加工し、260デシテックス324フィラメントの比較用の加工糸を得た。
【0044】
この加工糸を経糸及び緯糸に用い、経糸密度78本/2.54cm、緯糸密度58本/2.54cmで平織物を製織し、前記両染め処方により精錬、染色後、仕上げ加工を行った。
得られた織物は、ふくらみ感を有していたが、ソフト感にやや欠けるとともに、杢の明瞭さ、ナチュラル感に欠けるものであった。
【0045】
【表1】
Figure 2005023441
【0046】
【発明の効果】
本発明のソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸によれば、織編物に芯のないソフト感、ストレッチ性及びふくらみ感を同時に付与することができるとともに、明瞭でナチュラル感に富んだ杢調を表現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸の製法例を示す概略工程図である。
【符号の説明】
Ya、Yb 供給糸
1 第1供給ローラ
2、6 ヒータ
3 仮撚施撚装置
4 第1引き取りローラ
5 第2供給ローラ
7 第2引き取りローラ
8 流体処理ノズル
9 第3引き取りローラ
10 パッケージ

Claims (3)

  1. 単糸繊度が1デシテックス以下、フィラメント数が70本以上の仮撚捲縮を有するポリエステルマルチフィラメント糸Aと、単糸繊度が前記ポリエステルマルチフィラメント糸Aの単糸繊度より大きく、かつ複屈折率が10〜60×10−3 の範囲内であるポリエステルマルチフィラメント糸Bとが混繊されてなることを特徴とするソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸。
  2. ポリエステルマルチフィラメント糸Bが、カチオン可染性ポリエステルである請求項1記載のソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸。
  3. ポリエステルマルチフィラメント糸Bの複屈折率が長手方向に変動し、太細斑を有する請求項1又は2記載のソフト感を有するポリエステル杢調嵩高加工糸。
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