JP2005012178A - 半導体レーザ - Google Patents

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啓司 伊藤
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
Toru Takayama
徹 高山
Osamu Kondo
修 今藤
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Abstract

【課題】活性層(104)へのキャリア注入を半導体レーザ内部の共振器方向の光強度分布に応じて制御することができ、しきい値電流の低減、スロープ効率の向上、およびキンクレベルの向上が図れ、高光出力動作時まで基本横モードでの安定したレーザ発振可能な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】本発明の半導体レーザ装置は、基板(101)上に、少なくとも第1導電型のクラッド層(102)と、活性層(104)と、第2導電型のクラッド層(107)を含む半導体レーザ装置であって、キャリアを注入するためのストライプ構造(117)を有しており、レーザ光が出射される共振器の前方端面のストライプの幅が、反対側に位置する後方端面のストライプの幅よりも広く、かつ前方端面の反射率が後方端面の反射率よりも低い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、安定して高出力で動作する半導体レーザ装置、特にIII−V族窒化物系半導体材料を用いた半導体レーザ装置に関する。
窒化ガリウムをはじめとするIII−V族窒化物系半導体材料(AlxGayIn1-x-yN(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1である))からなる半導体レーザは、光ディスクによる超高密度記録を実現するためのキーデバイスであり、現在、実用レベルに最も近い青紫色半導体レーザである。この青紫色半導体レーザの高出力化は、光ディスクの高速書き込みを可能にするのみならず、レーザディスプレイへの応用など、新たな技術分野の開拓に必須の技術である。
図7は絶縁膜を用いて電流狭窄構造を形成する代表的な半導体レーザの一例を示す模式図である。p型導電性クラッドを有するストライプ構造が電流狭窄構造として機能する。一般にストライプの幅は共振器全体で一様である。電極から注入される電流の増加に伴って活性層内のキャリア密度が上昇し、その値が一定のしきい値キャリア密度に達するとレーザ発振が得られる。レーザの光出力は活性層内のキャリア密度に比例して増大する。一方、活性層内部のキャリア密度が高すぎる場合、空間的ホールバーニングによるキンクの発生、あるいは利得飽和による光出力の飽和が生じ、高光出力動作が阻害される。
キンクの発生を抑制する有効な対策のひとつは、ストライプの幅を狭くすることである。リッジ部の幅が狭くなるにつれて、活性層に注入されるキャリアの分布、および活性層で誘起される光の強度分布の横方向への拡がりが相対的に狭められ、空間的なホールバーニングに起因するキンクの発生が抑制される。
しかし、ストライプの幅を共振器全体で一様に狭くすることは素子の直列抵抗を増加させ、素子の駆動電圧は上昇する。特に窒化物系半導体レーザの信頼性は、駆動電圧および駆動電流に大きく依存することが知られており、駆動電圧の上昇はできる限り抑制されなければならない。さらに、光ディスクの書き込みに用いられる半導体レーザの重要なパラメータである水平方向遠視野角もまたストライプの幅によって決定される。つまり、リッジ部の幅は素子の電流−光出力特性、直列抵抗、および水平方向遠視野角のそれぞれを最適とする値とする必要がある。
これらの課題に対して、下記特許文献1で開示されているレーザ構造は、共振器の中央部から共振器の両端面方向に向かってストライプの幅が減少するテーパ領域を形成する。この構造において、ストライプの幅を一様に狭くする従来型のレーザ構造と比べて、素子の駆動電圧を過度に上昇させることなく、安定な基本横モードでのレーザ発振を提供するとしている。
また、下記非特許文献1には、共振器端面の反射率を非対称とする方法が半導体レーザの高出力化に有効であることが記載されている。光ディスクの書き込みに用いられる半導体レーザでは一般的な方法である。この方法は、共振器を形成する端面を誘電体膜でコーティングすることで端面の反射率を非対称にする方法で、共振器を形成する端面のうち、主たるレーザ光が出射する共振器の前方端面を低反射率に、また、その反対側の後方端面の反射率を高反射率とする。例えば前方端面10%、後方端面90%である。誘電体多層膜の反射率は、用いる誘電体の屈折率、層厚、および積層する総数によって制御することができる。
特開2000−357842号公報 伊賀健一編著,「半導体レーザ」,第1版,株式会社オーム社,1994年10月25日、p.238
しかし、共振器を形成する前方端面と後方端面の反射率が非対称である場合、半導体レーザ内部では、共振器の軸方向の光強度分布に大きな偏りを生じる。図9は、図7に示した従来の半導体レーザにおける共振器の軸方向光強度分布の一例である。図9のA線に示すように、前方端面と後方端面の反射率がともに20%である場合、前方端面と後方端面での光強度は同じとなる。一方、図9のB線に示すように、前方端面の反射率が10%、後方端面の反射率が90%である場合、前方端面での光強度は後方端面での光強度と比べて約2倍高い。
一方、図7に示したストライプの幅が共振器全体で一定である従来型のレーザ構造では、活性層に注入されるキャリア密度は、図8のC線に示すように共振器の軸方向で一様となる。したがって、前方端面と後方端面の反射率が非対称となるようにコーティングされている半導体レーザでは、前方端面と後方端面で光強度分布には大きな偏りがあるにもかかわらず、活性層に注入されるキャリア密度は一様という状態が発生する。すなわち、後方端面付近で活性層内のキャリア密度が過剰な状態となり、キンク、あるいは利得飽和の発生が問題となる。
この現象は、AlGaAs系半導体材料(AlxGa1-xAs(0≦x≦1))からなる赤外半導体レーザや、AlGaInP系半導体材料(AlxGayIn1-x-yP(0≦x≦1、0≦y≦1))からなる赤色半導体レーザと比べて、しきいキャリア密度が極めて高く、なおかつ微分利得が高い窒化物系半導体レーザで特に顕著となる。
前記特許文献1で開示されている窒化物系半導体レーザ構造では、ストライプの幅を共振器中央部から共振器の前方端面および後方端面に向かって減少させることで、基本横モードの安定化が図られるとしている。しかし、共振器端面の反射率が前方端面と後方端面で大きく異なる場合、前記構造では、前方端面と後方端面での光強度分布と注入キャリア密度分布のアンバランスな状態は解消されず、注入キャリア密度が過剰な領域の形成は避け難い。
本発明は、前記従来の問題を解決し、さらに、安定した基本横モードでレーザ発振し、高出力のレーザを得ることができ、光ディスク等へ書き込み時間の短縮が可能な半導体レーザ装置を提供する。
本発明の半導体レーザ装置は、基板上に、第1導電型のクラッド層と、活性層と、第2導電型のクラッド層を含む半導体レーザ装置であって、前記半導体レーザ装置は、キャリアを注入するためのストライプ構造を有しており、レーザ光が出射される共振器の前方端面でのストライプの幅が、反対側に位置する後方端面でのストライプの幅よりも広く、前方端面の反射率が後方端面の反射率よりも低いことを特徴とする。
本発明は、活性層へのキャリア注入を半導体レーザ内部の共振器方向の光強度分布に応じて制御することができ、しきい値電流の低減、スロープ効率の向上、およびキンクレベルの向上が図れ、高光出力動作時まで基本横モードでの安定したレーザ発振可能な半導体レーザ装置を提供できる。この結果、光ディスク等へ書き込み時間の短縮が可能な半導体レーザ装置を提供できる。
本発明の半導体レーザ装置は、基板上に、キャリアを注入するためのストライプ構造を有しており、レーザ光が出射される共振器の前方端面のストライプの幅が、反対側に位置する後方端面のストライプの幅よりも広く、かつ前方端面の反射率が後方端面の反射率よりも低い。これにより、活性層へのキャリア注入を半導体レーザ内部の共振器方向の光強度分布に応じて制御することができ、しきい値電流の低減、スロープ効率の向上、およびキンクレベルの向上が図られる。その結果、高光出力動作時まで基本横モードでの安定したレーザ発振可能な半導体レーザ装置を提供できる。
本発明の半導体レーザ装置において、少なくとも前記活性層はIII−V族窒化物系半導体材料からなることが好ましい。
また、前記活性層はAlGaInP系半導体材料であってもよいし、AlGaAs系半導体材料でもよい。
本発明によれば、活性層へのキャリア注入を、半導体レーザ内部の共振器方向の光強度分布に応じて制御することができる。本発明によるレーザ構造では、リッジ部の底部の幅が一定である従来構造、あるいは特許文献1で開示されているレーザ構造と比べて、同じ注入電流値であっても、前方端面付近により多くのキャリアが注入される。逆に後方端面付近で活性層内のキャリア密度が極端に高くなる現象が緩和される。この結果、スロープ効率の向上が図られ、注入キャリア密度の低減、および光出力の飽和レベルの向上が実現される。このリッジ部の形状制御による高光出力化の効果は、しきい値キャリア密度が高く、微分利得の高いIII−V族窒化物系半導体材料からなる半導体レーザ装置において特に有効である。
また、前記半導体レーザ装置は、前記前方端面でのストライプの幅と、前記後方端面でのストライプの幅の比が、1<(前方端面でのストライプの幅)/(後方端面でのストライプの幅)<2の関係を満たすことがさらに好ましい。
前記半導体レーザ装置は、前記前方端面から前記後方端面に向かって、ストライプの幅が連続的に減少することが好ましい。
また、前記半導体レーザ装置は、前記ストライプの幅が連続的に変化する領域と、前記ストライプの幅が一定である領域とを有し、各領域の境界におけるストライプの幅が同一であってもよい。
また、前記半導体レーザ装置は、前記前方端面および前記後方端面の近傍において、前記前方端面および前記後方端面から共振器内部に向かって、前記ストライプの幅が一定である領域を有していてもよい。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の共振器に垂直な方向の断面図を示す。図1に示した半導体レーザ素子は、n型GaN基板101上にn型AlGaNからなるn型クラッド層102、n型GaNからなる光ガイド層103、InGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層104、アンドープGaNからなるキャップ層105、p型GaNからなる光ガイド層106、p型AlGaNからなるp型クラッド層107、p型GaNからなるコンタクト層108、pメタル層109、絶縁層110、p電極115、およびn電極116を有する。絶縁膜110は台形状の凸部であるストライプ構造117の上面を除く素子の上面を被覆している。ストライプ構造117の上面を含む素子の上面にはp電極115が形成されており、p電極115はストライプ構造117の上面でのみpメタル層109と接する。n型GaN基板101の裏面にはn電極116が形成されている。
上記レーザ素子の製造方法は以下の通りである。有機金属化学気相成長法(MOCVD法)でn型GaN基板101(厚さ:400μm)上にn型AlGaNクラッド層102(厚さ:1.2μm)、n型GaN光ガイド層103(厚さ:0.1μm)、InGaNを含む多重量子井戸構造からなる活性層104(ウェル層の厚さ:3nm、バリア層の厚さ:7nm、ウェル層+バリア層を1単位として10単位、合計厚さ:0.1μm)、アンドープGaNキャップ層105(厚さ:0.03μm)、p型GaN光ガイド層106(厚さ:0.1μm)、p型AlGaNクラッド層107(厚さ:0.5μm)、およびp型GaNコンタクト層108(厚さ:0.2μm)を連続成長させた。ドライエッチングによりp型AlGaNクラッド層107、およびp型GaNコンタクト層108をリッジ形状に加工してストライプ構造117を形成した後、ストライプ構造117の上面が開口となるように素子上面部を絶縁膜110(材料Ta25、厚さ:0.1μm)で被覆し、pメタル層109(材料Pd、厚さ:0.05μm)、p電極115(材料Ti/Pt/Au、合計厚さ:0.3μm)、n電極116(材料Mo/Ti/Au、合計厚さ:0.3μm)を順次形成した。
本実施形態では素子の共振器長は600μm、チップ幅は400μm、および厚みは80μmとした。素子の共振器端面は誘電体膜によりコーティングし、レーザ光が出射される前方端面、およびその反対側の後方端面の反射率はそれぞれ10%、90%とした。
図2は本発明の実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子のストライプ構造117上部からの上面図を示す。図2では共振器全体におけるストライプの形状を明確にするために、絶縁層110、およびp電極115は省略されている。
本発明の実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子におけるストライプの幅Wxは、前方端面からの距離をxとしたとき、次の式(1)とした。
Wx=Wf−[(Wf−Wr)・x/L] (1)
ここで、Wfは前方端面でのストライプの幅、Wrは後方端面でのストライプの幅、Lは共振器長である。本実施形態では、前方端面でのリッジ幅Wfは2.0μm、後方端面でのリッジ幅Wrは、サンプルNo.1:1.4μm、サンプルNo.2:1.6μm、サンプルNo.3:1.8μm、サンプルNo.4(比較例):2.0μm、サンプルNo.5(比較例):2.2μm、サンプルNo.6(比較例):2.4μmの計6種類とした。ストライプ構造はレーザ光が出射する方向に向かって左右対称となるように形成されている。
表1は本発明の実施形態に係る半導体レーザにおける、後方端面でのストライプの幅としきい値電流、およびスロープ効率の関係である。なお、しきい値電流、およびスロープ効率はすべて連続発振動作時の値であり、スロープ効率は30mW出力時の電流−光出力特性より算出した値である。
Figure 2005012178
サンプルNo.4に示す後方端面でのストライプの幅が2.0μmであるレーザ構造は、図7に示した従来のレーザ構造(共振器全体でストライプの幅が一定)に相当する。後方端面でのストライプの幅を狭くするにつれて、しきい値電流は減少し、スロープ効率は上昇することが確認できた。
図5は本実施形態(サンプルNo.1)のレーザにおける共振器の単位長さあたりの注入キャリア密度の一例グラフ、及び図6は同、共振器の軸方向の光強度分布を示す一例グラフである。単位長さあたりの注入キャリア密度と、軸方向の光強度分布は、どちらも前方端面が高く、後方端面が低く、バランスが取れていた。すなわち、本実施形態のレーザでは前端面から後端面にかけて共振器幅を狭くしているため、前端面近傍での注入キャリア密度を後端面近傍のそれよりも高くすることができた。このレーザにおいて、前端面反射率は10%、後端面反射率は90%であるから、共振器長方向の光強度(図6)は、図9のB線に示すものと同じである。
これに対して従来技術(サンプルNo.4)のレーザでは共振器の幅が一定であるため、単位長さあたりの注入キャリア密度(図8)が共振器の軸方向で一様となった。このため、単位長さあたりの注入キャリア密度と、軸方向の光強度分布のバランスは崩れていた。
以上のとおり、本実施形態のように、主たるレーザ光を出射する前方端面のストライプの幅を拡げることにより、光強度の高い領域により多くのキャリアを注入でき、活性層内での光強度分布と注入キャリア密度分布のバランスが改善され、注入キャリア密度が過剰な領域が形成されにくくなることにより、利得の増加が図れた。その結果、表1に示すように、半導体レーザ素子の特性が改善できた。
一方、前記表1からもわかるように、前方端面側でストライプの幅が後方端面側より小さく、かつ前方端面の反射率が後方端面よりも低い場合には、しきい値電流の上昇、スロープ効率の低下といった特性の低下が見られるが、これは、後方端面でのストライプ幅を拡げることにより、光強度の低い領域により多くのキャリアが注入されてしまい、活性層内での光強度分布と注入キャリア密度分布のアンバランスをさらに助長させて、利得の低下を招くことによるものである。
また、本実施形態の半導体レーザ素子では、ストライプ形状を制御することにより、キンクレベルおよび特性温度にも大幅な改善が見られた。後方端面でのストライプの幅が2.0μmである従来型のレーザ構造では、連続発振動作時のキンクレベルは平均で63mWであった。
これに対して、後方端面でのストライプの幅を1.4μmとしたレーザ構造では、連続発振動作時のキンクレベルは平均で105mWであり、高光出力動作時まで基本横モードでの安定したレーザ発振が実現された。また、特性温度も105Kから145Kに上昇した。しきい値電流の低下からも明らかなように、活性層内のキャリア密度の低下により熱飽和レベルが向上した。
これらの現象は、本発明によるレーザ構造において活性層へのキャリア注入が共振器方向の光強度分布に応じて制御され、活性層に注入されたキャリアが効率よくレーザ光に変換されていることを示唆している。
光ディスクの書き込み時に要求されるパラメータのひとつに、垂直方向遠視野角と水平方向遠視野角の比(アスペクト比)がある。光の取り出し効率の観点から、一般にアスペクト比は3以下であることが望ましい。水平方向遠視野角はリッジの幅に強く依存する値である。共振器方向でストライプの幅が変化する本実施形態に係る半導体レーザにおいては、水平方向遠視野角はレーザ光が出射される前方端面でのリッジ幅によって制御することができる。したがって、前方端面でのリッジ幅は水平拡がり角が仕様を満たすように決められることが望ましい。
また、共振器全体でストライプの幅が一定である従来型のレーザ構造ではキンクレベルの低下を防ぐために、ストライプの幅を広くすることができなかった。
これに対して、本発明による半導体レーザにおいてはキンクレベルが向上しているため、リッジ幅の許容範囲が広がる。これは設計マージン、およびプロセスマージンの観点で優れた効果である。同時に、ストライプの幅を狭くすることに伴う素子の直列抵抗の増加も抑制されるため、素子の駆動電圧が過度に上昇することはない。
ただし、前方端面付近と後方端面付近とで極端にストライプの幅が異なる場合、散乱損失が増大する可能性がある。望ましくは前方端面でのストライプの幅と後方端面でのストライプの幅の比は、1<(前方端面でのストライプの幅)/(後方端面でのストライプの幅)<2の範囲であればよい。さらに好ましくは、1.4<(前方端面でのストライプの幅)/(後方端面でのストライプの幅)<1.8の範囲である。
なお、図2に示した本発明の実施形態に係る半導体レーザは、例えば、図3に示す構造に変形することも可能である。図3に示した構造の特徴は、前方端面、および後方端面から共振器の内部方向にそれぞれLf、Lrの領域において、ストライプの幅がそれぞれWf、Wrで一定である領域を有する点である。Lf、およびLrがそれぞれ共振器長の20分の1程度までであれば、表1に示した電流−光出力特性に影響を与えない。
また、本実施形態ではストライプの幅が前方端面から後方端面に向かって連続的に変化する場合について述べたが、ストライプ形状についてはこれに限定されない。例えば、図4に示したように前方端面から後方端面方向に向かってストライプ幅が連続的に減少する領域A 121と、ストライプ幅が一定の領域B 122とを複数組み合わせたストライプ構造であっても、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では前方端面の反射率が10%、後方端面での反射率が90%の場合について示したが、前方端面の反射率が後方端面での反射率よりも低ければ、この例示に限られるものではない。例えば、前方端面の反射率が後方端面の反射率よりも15%以上低いのが好ましい。好ましい上限は、100%である。反射率の差が大きければそれだけ本発明による効果も大きいといえる。
また、後方端面からわずかに出射されるレーザ光を、受光素子で受光してレーザの出力光モニタとしてもよい。
また、本発明の半導体レーザは、本実施形態に示した積層構造に限られるものでなく、例えば、ストライプ構造の直下にエッチングストップ層を設けていてもよいし、ストライプ形状に加工されたp型クラッド層107の側面を半導体層等で埋め込む構造であってもよい。
また、本実施形態において、p型クラッド層107およびコンタクト層108がストライプ構造となっているが、少なくとも活性層の上に形成されたp型クラッド層がストライプ構造になっていれば、電流狭窄機能を有する。
なお、本実施形態において、半導体レーザはGaN基板上に形成したが、III-V族窒化物系半導体材料がその上にエピタキシャル成長できる基板、例えば、サファイヤ基板やSiC基板等であってもよい。
また、本実施形態では、III-V族窒化物系半導体材料からなる半導体レーザについて示したが、その他のレーザ、例えば、AlGaAs系半導体材料やAlGaAsP系半導体材料からなる半導体レーザであっても、安定した基本横モードでレーザ発振する高出力半導体レーザを得ることは可能である。
特に、AlGaInP系半導体材料からなる半導体レーザは、基板面方位が(100)から[0−11]または[011]方向に傾斜したGaAs基板上に形成すれば、結晶の秩序化によるバンドギャップ変動も起こらず、安定した高出力レーザが得られる。
また、ここではひとつのレーザ素子にひとつのストライプ構造を形成する半導体レーザについて説明してきたが、ひとつのレーザ素子に複数のストライプが形成されるマルチビーム型の半導体レーザであっても、同様の効果が得られる。更に、必ずしも基本横モードのみでのレーザ発振を必要としない大出力半導体レーザにおいても、本発明によるキャリア注入密度を制御する方法を用いることによって利得の飽和が緩和され、より大出力の半導体レーザを実現することができる。
本発明の実施形態に係る半導体レーザの一例を示す、素子の共振器に垂直な方向の断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体レーザの上面図である。 本発明の実施形態における半導体レーザの上面図の変形例を示す図である。 本発明の実施形態における半導体レーザの上面図の別の変形例を示す図である。 本発明の実施形態における半導体レーザにおける共振器の単位長さあたりの注入キャリア密度の一例グラフである。 同、共振器の軸方向の光強度分布を示す一例グラフである。 従来の半導体レーザの一例を示す模式図である。 従来の半導体レーザにおける共振器の単位長さあたりの注入キャリア密度を示すグラフである。 図7に示した従来の半導体レーザにおける共振器の軸方向光強度分布を示すグラフである。
符号の説明
101 n型GaN基板
102 n型クラッド層
103 光ガイド層
104 活性層
105 キャップ層
106 光ガイド層
107 p型クラッド層
108 コンタクト層
109 pメタル層
110 絶縁層
115 p電極
116 n電極
117 ストライプ構造
121 ストライプ幅が連続的に減少する領域A
122 ストライプ幅が一定の領域B

Claims (11)

  1. 基板上に、第1導電型のクラッド層と、活性層と、第2導電型のクラッド層を含む半導体レーザ装置であって、
    前記半導体レーザ装置は、キャリアを注入するためのストライプ構造を有しており、
    レーザ光が出射される共振器の前方端面でのストライプの幅が、反対側に位置する後方端面でのストライプの幅よりも広く、
    前方端面の反射率が後方端面の反射率よりも低いことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 少なくとも前記活性層はIII−V族窒化物系半導体材料からなる請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 少なくとも前記活性層はAlGaAs系半導体材料からなる請求項2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 少なくとも前記活性層はAlGaInP系半導体材料からなる請求項2に記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記前方端面でのストライプの幅と、前記後方端面でのストライプの幅の比が、
    1<(前方端面でのストライプの幅)/(後方端面でのストライプの幅)<2
    の関係を満たす請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記前方端面でのストライプの幅と、前記後方端面でのストライプの幅の比が、
    1.4<(前方端面でのストライプの幅)/(後方端面でのストライプの幅)<1.8
    の関係を満たす請求項5に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記前方端面から前記後方端面に向かって、ストライプの幅が連続的に減少する請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記ストライプの幅が連続的に変化する領域と、前記ストライプの幅が一定である領域とを有し、各領域の境界においてストライプ幅に継ぎ目がない請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記前方端面および前記後方端面の近傍において、前記前方端面および前記後方端面から共振器内部に向かって、前記ストライプの幅が一定である領域を有する請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  10. 前記ストライプの幅が一定である領域が、前方端面、および後方端面から共振器の内部方向に向かって、それぞれ共振器長の20分の1以下の長さである請求項9に記載の半導体レーザ装置。
  11. 前方端面の反射率が後方端面の反射率よりも15%以上低い請求項1に記載の半導体レーザ装置。
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