JP2005009548A - オイルダンパー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダ1内にピストン2を介してピストンロッド3が移動自在に挿入され、シリンダ1内にピストン2を介して伸側圧力室4と圧側圧力室5とが区画され、二つの圧力室4,5はビストン2の中立位置近傍でピストン2に設けた伸側及び圧側減衰弁6,7を介して連通することにより高減衰力を発生し、中立位置近傍を越えたストロークエンド近傍でバイパスを介して連通することにより低減衰力を発生させる両ロッド型オイルダンパーにおいて、ピストン2が中立位置近傍を越えて低減衰力の発生が始まるピストンの位置と、ストロークエンド近傍領域から反転して中立方向にストロークして低減衰力が終了するピストンの位置を異ならしめることによりピストンを必ず中立に復帰させるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルダンパーに関し、特に、鉄道、自動車等の懸架装置に利用する車両用オイルダンパー又は建築・土木における構造物の制振用又は免震用オイルダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建築・土木における建物、橋等の構造物では、例えば、柱と梁とからなるラーメンにオイルダンパーが配置され、このオイルダンパーの減衰力を利用してラーメンの耐震性を向上させている。
【0003】
そして、このオイルダンパーとしては、例えば、本出願人等が開発し、特許出願(特願2002‐027814号)している図6に示すようなタイプのオイルダンパーが使用されている。
【0004】
このオイルダンパーPは、所定の中立近傍領域では高減衰力を発生し、この中立近傍領域を越えたストロークエンド近傍領域では低減衰力を発生するようにしている。
【0005】
即ち、このオイルダンパーPは、シリンダ1内にピストン2を介して両ロッド型のピストンロッド3が移動自在に挿入され、ピストン2は、シリンダ1内に伸側圧力室4と圧側圧力室5とを区画し、二つの圧力室4,5は、ピストン2に設けた伸側減衰弁6と圧側減衰弁7とを介して連通又は遮断され、更に、シリンダ1の内周に減衰弁6,7を迂回する溝からなるバイパス8,9が形成されたものである。
【0006】
このオイルダンパーPによれば、ピストン2の外周がシリンダ1の内周とラップして摺動する中立位置近傍の距離H1,H2の伸縮領域では伸側減衰弁6又は圧側減衰弁7による高減衰力が発生する。
【0007】
そして、上記の中立近傍領域を越えた伸側又は圧側のストロークエンド近傍領域では二つの圧力室4,5がバイパス8又は9を介して連通することから上記の高減衰力より低い変位依存特性の低減衰力が発生する。上記のオイルダンパーPによる変位一減衰力特性線図は、図7に示すグラフで表わされる。
【0008】
従って、構造物のラーメンにおける仕口部間にオイルダンパーPを配置して制振装置として利用すると、例えば、構造物が振動してラーメンが変位した時オイルダンパーPが伸長するが、上記のようにストロークエンド近傍ではバイパス8又は9による低減衰力となり、ラーメンに対して大きい層剪断力を発生させず、ラーメンの仕口部における破壊などを回避できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のオイルダンパーPでは構造上の欠陥があるわけではないが、次のような更なる改善が望まれる。
【0010】
即ち、このオイルダンパーは、構造物が振動してオイルダンパーPが変位し、例えば、図6の中立位置(図7の点Aの位置)からピストン2が上昇する伸び行程ではピストン2の下端エッジXがバイパス8の下端エッジYにラップするまでは伸側減衰弁6により高減衰力が発生し、エッジXがエッジYを越えた時(図7の点C位置)変位依存特性の低減衰力がバイパス8により発生し始め、ストロークエンド(図7の点D位置)まで伸びる。
【0011】
次いで、この位置から圧側ストロークに反転して上記ピストン2の下端エッジXがバイパス8のエッジYにいたるまで(図7の点E位置まで)はバイパス8による低減衰力を圧側減衰力として維持する。
【0012】
そして、このエッジXがバイパス8のエッジYにラップしたとたんにバイパス8を閉じ急激な高減衰力が発生し、この位置からは図6の中立位置まで(図7の点B位置まで)は高減衰力を維持する。
【0013】
上記のように、図6の従来のオイルダンパーPではピストン2のエッジXがバイパス8のエッジYとラップする位置から低減衰力が始まり、反転した時同じ位置で低減衰力が終る。
【0014】
いいかえれば、図7において変位依存特性の低減衰力が始まる点Cの位置と終る点Eの位置が同じである。
【0015】
しかして、この低減衰力が終る位置たるエッジX、Yがラップする位置では急激に高減衰力となり、ピストン2がこの位置で停止し、図6のように中立位置に復帰できない場合が生じる。
【0016】
この為、構造物のラーメンが元の状態に戻らず変形した状態が続いたり、オイルダンパーPが誤作動するおそれもある。
【0017】
従って、本発明の目的は、ピストンが中立位置近傍からストロークエンド近傍まで伸縮し、反転して中立方向に戻る時ピストンが正確に中立位置に戻ることができるようにしたオイルダンパーを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の基本的な手段は、シリンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、シリンダ内にピストンを介して伸側圧力室と圧側圧力室とが区画され、二つの圧力室はピストンの中立位置近傍でピストンに設けた伸側及び圧側減衰弁を介して連通することにより高減衰力を発生し、中立位置近傍を越えたストロークエンド近傍でバイパスを介して連通することにより低減衰力を発生させる両ロッド型オイルダンパーにおいて、ピストンが中立位置近傍を越えて低減衰力の発生が始まるピストンの位置と、ストロークエンド近傍領域から反転して中立方向にストロークして低減衰力が終了するピストンの位置を異ならしめることによりピストンを必ず中立位置に復帰させるようにしたことを特徴とするものである。
【0019】
同じく、本発明のオイルダンパーの一つの手段は、シリンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、シリンダ内にピストンで区画された伸側圧力室と圧側圧力室とがピストンに設けた伸側減衰弁と圧側減衰弁を介して連通され、ピストンの中立位置近傍を越えたストロークエンド近傍でバイパスを利用して二つの圧力室を連通させる両ロッド型のオイルダンパーにおいて、上記バイパスがシリンダの内周両端近傍に設けた第1,第2の溝と、シリンダの内周中間に設けた第3の溝と、ピストンに設けられて圧側圧力室に開口すると共に上記第1,第3の溝に選択的に開閉する伸側油路と、同じく伸側圧力室に開口すると共に第2,第3の溝に選択的に開閉する圧側油路とで構成され、上記伸側油路に伸側圧力室から圧側圧力室に油の流れを許容する伸側チェック弁を設け、上記圧側油路に圧側圧力室から伸側圧力室に油の流れを許容する圧側チェック弁を設けたことを特徴とするものである。
【0020】
この場合、伸側油路の入口と圧側油路の入口とがピストンの外周に形成した環状溝とで形成されているのが好ましい。
【0021】
同じく、他の手段は、シリンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、シリンダ内にピストンで区画された伸側圧力室と圧側圧力室とがピストンに設けた伸側減衰弁と圧側減衰弁を介して開閉され、ピストンの中立位置近傍を越えたストロークエンド近傍でバイパスを利用して二つの圧力室を連通させる両ロッド型のオイルダンパーにおいて、ピストンにガイドロッドを貫通させ、上記バイパスがガイドロッドの外周両端近傍に設けた第1,第2の溝と、同じくガイドロッドの外周中間で上記第1,第2の溝と異なる位置に設けた第3の溝と、ピストンに設けられて圧側圧力室に開口すると共に上記第1,第3の溝に選択的に開閉する伸側油路と、同じく伸側圧力室に開口すると共に第2,第3の溝に選択的に開閉する圧側油路とで構成され、伸側油路に伸側圧力室から圧側圧力室に油の流れを許容する伸側チェック弁を設け、圧側油路に圧側圧力室から伸側圧力室に油の流れを許容する圧側チェック弁を設けたことを特徴とするものである。
【0022】
この場合、伸側油路の入口と圧側油路の入口とが環状溝で形成され、この環状溝がガイドロッドを貫通させるピストンの貫通孔に開口しているのが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図にもとづいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施に係るオイルダンパーを示し、図3乃至図4は、本発明の他の実施の形態に係るオイルダンパーを示し、図2は、各オイルダンパーの特性を示すグラフである。
【0025】
図1,図3のオイルダンパーを含む基本的なオイルダンパーの構造は、従来のオイルダンパーと同じく、シリンダ1内にピストン2を介してピストンロッド3が移動自在に挿入され、シリンダ1内にピストン2を介して伸側圧力室4と圧側圧力室5とが区画され、二つの圧力室4,5は、ピストン2の中立位置近傍でピストン2に設けた伸側及び圧側減衰力6,7を介して連通することにより高減衰力を発生し、中立位置近傍を越えたストロークエンド近傍でバイパスを介して連通することにより低減衰力を発生させる両ロッド型オイルダンパーである。
【0026】
そして、本発明では、更に、ピストン2が中立位置近傍で越えて低減衰力の発生が始まるピストンの位置と、ストロークエンド近傍領域から反転して中立方向にストロークして低減衰力が終了するピストンの位置を異ならしめることによりピストンを必ず中立位置に復帰させるようにしたことを特徴とするものである。
【0027】
次に、各実施の形態について具体的に説明する。
【0028】
図1,図2に示す一実施の形態に係るオイルダンパーPは,上記したように、シリンダ1内にピストン2を介してピストンロッド3が移動自在に挿入され、シリンダ1内にピストン2で区画された伸側圧力室4と圧側圧力室5とがピストン2に設けた伸側減衰弁6と圧側減衰弁7を介して連通され、ピストンの中立位置近傍を越えたストロークエンド近傍でバイパスを利用して二つの圧力室4,5を連通させる両ロッド型のオイルダンパーである。
【0029】
そして、この実施の形態では、上記バイパスがシリンダ1の内周両端近傍に設けた上下の第1,第2の溝10,11と、シリンダ1の内周中間に設けた第3の溝12と、ピストン2に設けられて圧側圧力室5に開口すると共に上記第1,第3の溝10,12に選択的に開閉する伸側油路13と、同じく伸側圧力室4に開口すると共に第2,第3の溝11,12に選択的に開閉する圧側油路14とで構成されている。
【0030】
更に、上記伸側13に伸側油路13に伸側圧力室4から圧側圧力室5に油の流れを許容する伸側チェック弁15を設け、上記圧側油路14に圧側圧力室5から伸側圧力室4に油の流れを許容する圧側チェック弁16を設けている。
【0031】
上記において、伸側油路13の入口と圧側油路14の入口とがピストン2の外周に形成した環状溝26,27とで形成されている。
【0032】
第1,第2,第3の溝10,11,12は、内面が彎曲しているが、ストレートでも使用可能である。内面に彎曲していることにより各溝10,11,12の端部で絞り効果を発揮できるようにしている。
【0033】
この実施の形態に係るオイルダンパーPの特徴は、例えば、図1において、ピストン1が上昇する伸側行程において、伸側油路13の入口たる環状溝26の上端エッジSがランド巾の距離H1だけピストン2が上昇した時この環状溝26が第1の溝10を介して伸側圧力室4に開口して第1,第2の溝10,12による変位依存特性による低減衰力が始まり、逆に上記の伸び行程から反転して圧側方向にピストン2がストロークした時ピストン2の下端エッジTが第3の溝12のエッジQとラップした時上記の低減衰力が終ることである。
【0034】
いいかえれば、低減衰力が始まる位置(エッジS部分)と終る位置(エッジT部分)とが異なることであり、終了位置において必ずピストン2が中立位置に戻ることである。
【0035】
これを図2の変位一減衰力特性線図で説明すると、伸行程時にはピストン2の中立位置で始まる点aから伸側減衰弁6による高減衰力が始まり、次いで、エッジSが開く位置では点cから低減衰力が始まり、ストロークエンドで点dに示すように減衰力は零となる。
【0036】
次いで、反転して圧行程になると低減衰力となり、ピストン2のエッジTが第3の溝12のエッジQとラップするまで低減衰力が続くと共にこの位置で点eで示す位置で終わり、ピストン2は中立となる。従って上記のグラフで示すように、低減衰力が始まる位置たる点cの位置と、低減衰力が終る位置たる点eの位置とが異なることが分る。
【0037】
次に、図1のオイルダンパーPの作動について説明する。
【0038】
オイルダンパーPが構造物のラーメン等に取り付けられており、この構造物が振動して、例えばピストン2が上昇して伸行程に移行したとする。
【0039】
この時環状溝26のエッジSが第1の溝10に開口するまでの距離H1の間は伸側圧力室4の油が伸側減衰弁6を介して圧側圧力室5に流れ、この減衰弁6による高減衰力を発生する。次いで、上記環状溝26が第1の溝10に開口すると、上記の減衰弁6を迂回して伸側圧力室4の油がバイパスたる第1の溝10―環状溝26―第3の溝12及び伸側油路13−伸側チェック弁15を介して圧側圧力室5に流出し、この時第1の溝10,第3の溝12による低減衰力が発生する。
【0040】
次いで、この伸行程から反転して圧行程になると、圧側圧力室5の油は、圧側減衰弁7を迂回してバイパスたる第3の溝12−環状溝26―第1の溝10を介して伸側圧力室4に流出し、第3の溝12と第1の溝10とによる低減衰力が発生する。
【0041】
そして、環状溝26のエッジSが第1の溝10から離れて閉じられると、上記第3の溝12の油は他方の環状溝27より圧側油路14と圧側チェック弁16を介して伸側圧力室4に油を流出させ、低減衰力を続けて発生する。
【0042】
更に、ピストン2が下降してピストン2の下端エッジTが第3の溝12のエッジQとラップした時バイパスによる圧側圧力室5から伸側圧力室4への油の流れが遮断される。そしてこの時の位置がまさに中立位置となる。
【0043】
即ち、エッジT,Q同志がラップして高減衰力が発生する状態になったとしてもこの位置は元の中立位置であり、従来のようにピストン2が中立位置に復帰できないという状態を防止できる。
【0044】
従って、ピストン2が途中で止まって作動不良を起したり、オイルダンパーを設置した構造物のラーメンが元の状態に戻らない状態を回避できる。
【0045】
同じように、オイルダンパーPを車両のサスペンションとして利用したような場合でも車体が正常な位置に戻ることができ、車高を所定の位置に保持できる。
【0046】
次に、図3乃至図5に基づいて他の実施の形態に係るオイルダンパーPに付いて説明する。
【0047】
このオイルダンパーPの基本構造は、上記図1の実施の形態と同じく、シリンダ1内にピストン2を介してピストンロッド3が移動自在に挿入され、シリンダ1内にピストン2で区画された伸側圧力室4と圧側圧力室5とがピストン2に設けた伸側減衰弁6と圧側減衰弁7を介して連通され、ピストン2の中立位置近傍を越えたストロークエンド近傍でバイパスを利用して二つの圧力室4,5を連通させる両ロッド型のオイルダンパーである。
【0048】
そして、この実施の形態では、ピストン2に貫通孔23を介してガイドロッド17を貫通させ、上記バイパスがガイドロッド28の外周両端近傍に設けた第1,第2の溝18,19と、同じくガイドロッド28の外周中間で上記第1,第2の溝18,19と異なる位置、例えば、図示のように反対側に設けた第3の溝20と、ピストン2に設けられて圧側圧力室5に開口すると共に上記第1,第3の溝18,20に選択的に開閉する伸側油路13と、同じく伸側圧力室4に開口すると共に第2,第3の溝19,20に選択的に開閉する圧側油路14とで構成されている。
【0049】
更に、伸側油路13に伸側圧力室4から圧側圧力室5に油の流れを許容する伸側チェック15を設け、圧側油路14に圧側圧力室5から伸側圧力室4に油の流れを許容する圧側チェック弁16を設けている。
【0050】
又、伸側油路13の入口と圧側油路14の入口とが環状溝21,22で形成され、環状溝21,22がガイドロッド28を貫通させる上記貫通孔23に開口している。
【0051】
上記のオイルダンパーPによれば、図3の中立状態から図4に示すように、ピストン2が下降する圧行程では、ピストンストロークが距離H2の範囲ではバイパスが閉じているため圧側圧力室5の油が圧側減衰弁7を介して伸側圧力室4に流出し、この減衰弁7による高減衰力を発生する。
【0052】
更に、図4に示すように更に下降して圧縮ストロークすると、環状溝22が第2の溝19に開口するため、圧側圧力室5の油は圧側減衰弁7を迂回し、バイパスたる第1の溝19―環状溝22−第3の溝20及び圧側油路14−圧側チェック弁16を介して伸側圧力室4に流出し、この時バイパスによる低減衰力を発生する。この状態から伸方向に反転してストロークすると、図5のように環状溝22が第2の溝19に開口している間は伸側圧力室4の油が上記のバイパスを介して圧側圧力室5に流れ、この時低減衰力を発生する。
【0053】
次いで、環状溝22が第2の溝19とエッジSで遮断されると伸側圧力室4の油は第3の溝20―環状溝21―伸側油路13と伸側チェック弁15を介して圧側圧力室5に流出し、バイパスによる低減衰力を発生つづける。
【0054】
そして更に、上昇ストロークするとピストン2の孔23におけるエッジTが第3の溝20のエッジQにラップした時バイパスが閉じられ、低減衰力が終了すると共にピストン2が図3に示す中立状態となる。
【0055】
上記の実施の形態においても、低減衰力が始まる環状溝22のエッジSの位置と、低減衰力が終了するピストン2のエッジTの位置とが異なり、エッジTがバイパスを閉じた時中立状態となる。その他の作用、効果は図1の実施の形態と同じである。
【0056】
【発明の効果】
各請求項の発明によれば、一方向にストロークしてバイパスによる変位依存特性の低減衰力が始まる位置と、反転して他方向にストロークして低減衰力が終る位置とを異ならしたので、いいかえれば、ビストンが一方向から反転して他方向にストロークした時バイパスを閉じる位置を中立位置に設定したので、バイパスが閉じて急激に高減衰力が発生してもピストンが停止することなく必ず中立状態に復帰することができる。
【0057】
この為、オイルダンパーの作動不良を起さず、又、本発明のオイルダンパーを構造物の制振用、免震用オイルダンパーに利用した時オイルダンパーが必ず中立位置に戻ることにより構造物の変位も必ず元の状態に戻すことができる。
【0058】
同じく、本発明のオイルダンパーを車両用懸架装置のオイルダンパーとして利用した時オイルダンパーが中立位置に戻ることから車高が変位してもこの車高が必ず元の高さに復帰できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るオイルダンパーの縦断正面図である。
【図2】本発明の各実施の形態に係るオイルダンパーの変位一減衰力特性を示すグラフである。
【図3】他の実施の形態に係るオイルダンパーの縦断正面図である。
【図4】図3のオイルダンパーの圧側ストローク状態を示す一部切欠き縦断正面図である。
【図5】図3のオイルダンパーの圧側ストローク状態を示す一部切欠き縦断正面図である。
【図6】従来のオイルダンパーの縦断正面図である。
【図7】図6のオイルダンパーの変位一減衰力を示すグラフである。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 ピストン
3 ピストンロッド
4 伸側圧力室
5 圧側圧力室
6,13 伸側減衰力
7 圧側減衰力
10 第1の溝
11 第2の溝
12 第3の溝
15 伸側チェック弁
16 圧側チェック弁
17 ガイドロッド
18 第1の溝
19 第2の溝
20 第3の溝
21,22 環状溝
26,27 環状溝
Claims (5)
- シリンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、シリンダ内にピストンを介して伸側圧力室と圧側圧力室とが区画され、二つの圧力室はピストンの中立位置近傍でピストンに設けた伸側及び圧側減衰弁を介して連通することにより高減衰力を発生し、中立位置近傍を越えたストロークエンド近傍でバイパスを介して連通することにより低減衰力を発生させる両ロッド型オイルダンパーにおいて、ピストンが中立位置近傍を越えて低減衰力の発生が始まるピストンの位置と、ストロークエンド近傍領域から反転して中立方向にストロークして低減衰力が終了するピストンの位置を異ならしめることによりピストンを必ず中立位置に復帰させるようにしたことを特徴とするオイルダンパー。
- シリンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、シリンダ内にピストンで区画された伸側圧力室と圧側圧力室とがピストンに設けた伸側減衰弁と圧側減衰弁を介して連通され、ピストンの中立位置近傍を越えたストロークエンド近傍でバイパスを利用して二つの圧力室を連通させる両ロッド型のオイルダンパーにおいて、上記バイパスがシリンダの内周両端近傍に設けた第1、第2の溝と、シリンダの内周中間に設けた第3の溝と、ピストンに設けられて圧側圧力室に開口すると共に上記第1、第3の溝に選択的に開閉する伸側油路と、同じく伸側圧力室に開口すると共に、第2、第3の溝に選択的に開閉する圧側油路とで構成され、上記伸側油路に伸側圧力室から圧側圧力室に油の流れを許容する伸側チェック弁を設け、上記圧側油路に圧側圧力室から伸側圧力室に油の流れを許容する圧側チェック弁を設けたことを特徴とするオイルダンパー。
- 伸側油路の入口と圧側油路の入口とがピストンの外周に形成した環状溝とで形成されている請求項2に記載のオイルダンパー。
- シリンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、シリンダ内にピストンで区画された伸側圧力室と圧側圧力室とがピストンに設けた伸側減衰弁と圧側減衰弁を介して連通され、ピストンの中立位置近傍を越えたストロークエンド近傍でバイパスを利用して二つの圧力室を連通させる両ロッド型のオイルダンパーにおいて、ピストンにガイドロッドを貫通させ、上記バイパスがガイドロッドの外周両端近傍に設けた第1、第2の溝と、同じくガイドロッドの外周中間で上記第1、第2の溝と異なる位置に設けた第3の溝と、ピストンに設けられて常時圧側圧力室に開口すると共に上記第1、第3の溝に選択的に開閉する伸側油路と、同じく伸側圧力室に開口すると共に第2、第3の溝に選択的に開閉する圧側油路とで構成され、伸側油路に伸側圧力室から圧側圧力室に油の流れを許容する伸側チェック弁を設け、圧側油路に圧側圧力室から伸側圧力室に油の流れを許容する圧側チェック弁を設けたことを特徴とするオイルダンパー。
- 伸側油路の入口と圧側油路の入口とが環状溝で形成され、この環状溝がガイドロッドを貫通させるピストンの貫通孔に開口している請求項4に記載のオイルダンパー。
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