JP3889723B2 - 制振用オイルダンパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてビルや橋梁等の構造物(構築物)に使用する制振用オイルダンパーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オイルダンパーは、地震や風などの外乱に対して受動的(パッシブ)に制御力を発揮するので、パッシブダンパーとも呼ばれており、温度・速度に影響され難くて減衰特性が安定しており、強い制振力の割に小型であり、経年変化による性能低下が少ないなどの理由により広く使用されている。
【0003】
従来、この様な利点を有する制振用オイルダンパーは、ピストンにより区画したシリンダ内の第1シリンダ室と第2シリンダ室とにオイルを封入し、第1シリンダ室から第2シリンダ室にオイルを逃す流路の途中に減衰弁やオリフィス等の絞りを設けるとともに逆止弁を設け、同様に、第2シリンダ室から第1シリンダ室にオイルを逃す流路の途中にも減衰弁やオリフィス等の絞りを設けるとともに逆止弁を設け、ピストンロッドを通じて外力が入力した際に一方のシリンダ室から他方のシリンダ室にオイルが逃げるときに発生する絞り抵抗により反力を得て、震動を減衰している。この様な制振用オイルダンパーとしては、特許第3306399号(特許文献1)にあるように、ピストン内に減衰弁等を内蔵するとともに弁の数を減少して構造の簡素化を図り、信頼性の高いコンパクトなものも提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3306399号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の制振用オイルダンパーの機能はピストンロッドが動いている方向に対して抵抗力を発生するので、構造物が初期状態に戻ろうとしているときにも抵抗力(減衰力)が働くことになる。したがって、最初の振れでピストンが原点(初期位置)から一方に移動してしまうと、反対側に戻る際にも抵抗力が作用してしまい、結果的にはピストン原点位置に復帰し難く、変形の片流れや残留変形が生じやすい。
この様な不都合は、構造物が初期状態に戻ろうとしているときの抵抗力(減衰力)を無くすことにより防止することができるものと考えられる。
【0006】
これを実現するために、セミアクティブダンパーを採用することも考えられる。すなわち、前記逃がし流路に電磁弁を設け、これによりオリフィス断面を制御すれば、絞り抵抗を可変とすることも考えられる。
【0007】
しかしながら、セミアクティブダンパーはダンパーに電磁弁を取り付けて、これをコンピュータ制御するので、製造コストやメンテナンスコストが増大し、ダンパーの他にコンピュータの設置場所を要するという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、上記した事情に鑑み提案されたもので、その目的は、小型かつ簡単な構造で、構造物が初期状態に戻ろうとしているときの抵抗力(減衰力)を解放し、ピストンを原点位置(初期位置)に復帰させることができる原点復帰型の制振用オイルダンパーを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載のものは、オイルを封入したシリンダと、
該シリンダ内に移動可能に嵌装され、シリンダ内を第1のシリンダ室と第2のシリンダ室とに区画するピストンと、
該ピストンに接続され、上記シリンダから外部へと延出されたピストンロッドと、
上記ピストンの位置にかかわらず第1のシリンダ室と第2のシリンダ室とを連通する減衰流路と、
該減衰流路に設けられ、通過するオイルの抵抗となる絞り機構と、
前記ピストンを貫通した状態でシリンダの軸方向に沿って掛け渡された一対のシャフトと、
前記シャフトに形成され、ピストン原点位置におけるピストンで閉塞可能な範囲内であって第2シリンダ室寄りに一端が開口して他端が第1のシリンダ室に連通した第1の逃し流路と、
前記シャフトに形成され、ピストン原点位置におけるピストンで閉塞可能な範囲内であって第1シリンダ室寄りに一端が開口して他端が第2のシリンダ室に連通した第2の逃し流路と、
各逃し流路に設けられ、ピストン原点位置側の開口部から流入したオイルの通過を許容するがその逆方向の通過を阻止する逆止弁と、
を備え、
ピストンロッドに外力が作用してピストンがピストン原点位置から遠のく方向に移動する場合に、シリンダ室内のオイルを減衰流路に通して絞り機構により減衰力を付与し、ピストンがピストン原点位置に近づく方向に移動する場合には、オイルをピストン原点位置側の開口部から逃がし流路に通して減衰力を解放するようにしたことを特徴とする制振用オイルダンパーである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る制振用オイルダンパーの構造の第1実施形態を示す概略図である。
【0011】
本実施形態の制振用オイルダンパー1は、内部に減衰流体としてのオイル2を封入するシリンダ3と、該シリンダ3内に移動可能に設けられてシリンダ3内を第1のシリンダ室5aと第2のシリンダ室5bとに区画するピストン4と、該ピストン4に接続されてシリンダ3の両端のリング状プレート3a,3bから外部へと延出されたピストンロッド7などから概略構成されており、ピストン4の外周部には、シリンダ3の内周面との間に液密性をもたせるためにシール部材6が設けられている。なお、ピストンロッド7が貫通する上記リング状プレート3a,3bの中孔3c,3dにもシール部材(図示せず)を設けて、シリンダ3内のオイルが漏出しないように液密状にシールしてある。そして、シリンダ3内から外部へと延出したピストンロッド7の一方の端部に、適宜中継ぎ部材を介して構造物(構築物)に接続され、また、シリンダ3にトラニオンやクレビス等の取付部材を介して構造物に接続されることになる。
【0012】
なお、本実施形態では、ピストン4の両側にピストンロッド7が接続されているが、これに限るものではなく、ピストン4の片側にのみピストンロッド7を接続し、シリンダ3内から一方の外部へと延出させ、他方のシリンダ端部を閉塞して係合具(取付部材や接続具)を設けてもよい。
【0013】
また、ピストン4には、これを貫通して第1のシリンダ室5aと第2のシリンダ室5bとを連通する減衰流路8a,8bが穿設されており、各減衰流路8a,8bには、それぞれ相反する方向に(第1のシリンダ室5aから第2のシリンダ室5bへ、第2のシリンダ室5bから第1のシリンダ室5aへ、)オイル2を通過させて抵抗力(減衰力)を付与する絞り機構9a,9bが設けられている。本実施形態では、絞り機構9a,9bとして減衰弁が採用されているが、これに限るものではなく、減衰機能を有する機構であれば適宜採用することができ、例えば、オリフィスを採用してもよい。また、減衰流路8a,8bは複数設けてもよい。
【0014】
さらに、上記シリンダ3内には、その軸方向に沿って丸棒状の第1シャフト10aと第2シャフト10bがプレート3a,3b間に掛け渡されており、各シャフト10a,10bは上記ピストン4を貫通している。すなわち、各シャフト10a,10bはピストン4に穿設された貫通孔4a,4bに挿通されており、各シャフト10a,10bの外周面とピストン4に穿設された貫通孔4a,4bとの間隙は非常に小さく、その間隙を通過し得るオイル2は極微少となっている。なお、この間隙を液密状にしてオイルの通過を阻止するシール部材(図示せず)を設けてもよい。
【0015】
第1シャフト10a内には、ストロークの中央であるピストン原点位置(初期位置)に一端が開口して他端が第1のシリンダ室5aに連通した第1の逃し流路11aが形成され、第2シャフト10b内には上記ピストン原点位置(初期位置)に一端が開口して他端が第2のシリンダ室5bに連通した第2の逃し流路11bが形成されている。そして、各逃し流路11a,11bには、ピストン原点位置側の開口部から流入したオイルはその通過を許容するがその逆方向の通過を阻止する逆止弁12a,12bが設けられている。すなわち、第1の逃し流路11aには、ピストン原点側の開口部が第2のシリンダ室5bに連通したときに、第2のシリンダ室5bから第1のシリンダ室5aへ向けてオイル2を通過させる逆止弁12aが設けられており、又、第2の逃し流路11bには、この逃し流路11bのピストン原点側の開口部が第1のシリンダ室5aに連通したときに、第1のシリンダ室5aから第2のシリンダ室5bへ向けてオイル2を通過させる逆止弁12bが設けられている。
【0016】
なお、本願におけるピストン原点位置(初期位置)は、建造物が震動せずに静止した状態(常態)におけるピストンの位置であり、通常はストロークの中央である。そして、第1逃し流路11aのピストン原点位置側の開口部は、ピストンが原点位置にある時には当該ピストンによって塞がれていてもよいが、ピストンが原点位置から第1シリンダ室5a側に移動したならば開放されて第2シリンダ室5b内のオイルが流入し得る状態になることが望ましいので、ピストン原点位置におけるピストンで閉塞可能な範囲(図1ではピストンの軸方向の長さ)内で第2シリンダ室5b寄りに開設する。同じ理由により、第2逃し流路11bのピストン原点位置側の開口部は、ピストンが原点位置にある時には当該ピストンによって塞がれていてもよいが、ピストンが第2シリンダ室5b側に移動したならば開放されて第1シリンダ室5a内のオイルが流入し得る状態になることが望ましいので、ピストン原点位置におけるピストンで閉塞可能な範囲内で第1シリンダ室5a寄りに開設する。
【0017】
次に、図1から図4を用いて、以上のような構造を有する制振用オイルダンパー1の作用について説明する。図2は本実施形態の制振用オイルダンパーの作動状態(ピストン原点位置から右方向へピストンが移動した状態)を示す概略図であり、図3は本実施形態の制振用オイルダンパーの作動状態(ピストン原点位置よりも左側へピストンが移動した状態)を示す概略図である。また図4は、本実施形態の制振用オイルダンパーの荷重特性を示す説明図である。
【0018】
図1では、ピストン4がシリンダ3内の中央部、すなわち原点位置(初期位置)にあり、この状態で本実施形態の制振用オイルダンパー1が構造物(構築物)に取り付けられる。
【0019】
本実施形態の制振用オイルダンパー1において、例えば地震の最初の揺れでピストンロッド7にX方向の外力が加わったとすると、該ピストンロッド7に接続されたピストン4を原点位置(初期位置)からX方向に移動させようとする力が加わり、第1のシリンダ室5a内に収容されたオイル2は圧縮される。これにより第1のシリンダ室5a内の圧力が上昇すると、第1シリンダ室5a内のオイル2はピストン4に穿設された減衰流路8a、およびシャフト10aに形成された逃し流路11aを通り第2のシリンダ室5bへと移動しようとするが、逃し流路11aの原点側開口部はピストン4によって閉塞されており、また、逃し流路11aには逆止弁12aが設けられているので、第1のシリンダ室5a内のオイル2は減衰流路8aを通過し、その通過の際に該減衰流路8aに設けられた減衰弁9aにより流量が絞られて抵抗力、すなわち減衰力を発生する。そして、ピストン4が移動してピストン原点位置から外れて第1シリンダ室側に位置すると、図2に示すように、第1逃し流路11aの開口部が開かれる。なお、ピストン4がX方向に移動している間、減衰力が発生し続ける(図4の荷重特性(1)参照)。
【0020】
そして、X方向の外力がなくなり、ピストン4がある位置で移動を停止すると、第1シリンダ室5a内のオイルの圧力が元の圧力に戻る。
【0021】
次に、最初の揺れが戻ろうとすると、図2に示すように、Y方向の外力が作用してピストンロッド7にY方向の外力が加わり、ピストン4が第2シリンダ室5bを圧縮するので、第2シリンダ室5b内のオイルの圧力が上昇する。第2のシリンダ室5b内の圧力が上昇すると、第2シリンダ室5b内のオイル2はピストン4に穿設された減衰流路8b、およびシャフト10aに形成された逃し流路11aを通り第1のシリンダ室5aへと移動しようとする。この状態では逃し流路11aの原点側開口部から外れて開いているので、第2のシリンダ室5b内のオイル2は逃し流路11aを通って途中で逆止弁12aを開いて容易に第1のシリンダ室5aに移動する。したがって、ピストン4は殆ど減衰力(抵抗力)を受けることなく原点位置(初期位置)まで戻ることができる(図4の荷重特性(2)参照)。
【0022】
図1のようにピストン4が原点位置(初期位置)まで戻り、引き続きY方向に移動しようとする場合、この状態では逃がし流路11aの原点位置の開口部が塞がれているので、逃がし流路11aを通って第1シリンダ室5aに移動することができない。したがって、第2のシリンダ室5bのオイル2の圧力が急激に上昇し、これにより第2のシリンダ室5bのオイル2は、ピストン4に穿設された減衰流路8bに流入し、その途中の減衰弁9bを開いて第1シリンダ室5aに移動する。この様にして第2シリンダ室5b内のオイルが第1シリンダ室5aに移動すると、その通過の際に減衰弁9bにより流量が絞られて抵抗力、すなわち減衰力を発生する。したがって、ピストン4がY方向に移動して原点位置を通過すると、通過した直後から減衰力が発生する。そして、ピストン4が移動してピストン原点位置から外れて第2シリンダ室側に位置すると、図3に示すように、第2逃し流路11bの開口部が開かれる。なお、ピストン4がY方向に移動している間、減衰力が発生し続ける(図4の荷重特性(3)参照)。
【0023】
そして、Y方向の外力がなくなり、ピストン4がある位置で移動を停止すると、第2シリンダ室5b内のオイルの圧力が元の圧力に戻る。
【0024】
次に、再度X方向の外力が加えられると、図3に示すように、X方向の外力が作用してピストン4が第1シリンダ室5aを圧縮するので、第1シリンダ室5a内のオイルの圧力が上昇する。第1のシリンダ室5a内の圧力が上昇すると、第1シリンダ室5a内のオイル2はピストン4に穿設された減衰流路8a、および逃し流路11bを通り第2のシリンダ室5bへと移動しようとする。この状態では逃し流路11bの原点側開口部から外れて開いているので、第1のシリンダ室5a内のオイル2は逃し流路11bを通って途中で逆止弁12bを開いて容易に第2のシリンダ室5bに移動する。したがって、ピストン4は殆ど減衰力(抵抗力)を受けることなく原点位置(初期位置)まで戻ることができる(図4の荷重特性(4)参照)。
【0025】
図1のようにピストン4が原点位置(初期位置)まで戻り、引き続きX方向に移動しようとすると、前記したように、原点位置を通過した時点から減衰力が発生する(図4の荷重特性(1)参照)。
【0026】
このように、本実施形態の制振用オイルダンパー1はピストン4の原点位置(初期位置)を中心に変位量を減少させながら上記行程を繰り返すことになり、やがてピストン4は原点位置(初期位置)で停止する。すなわち、ピストン4が原点位置から遠ざかる動きをする震動の場合には減衰力を発生し、原点位置に近づく動きをする震動の場合には減衰力を発生しない。したがって、建造物は地震等の震動を受けて揺れた場合に、常態における静止位置を中心にして揺れることになり、しかもオイルダンパー1の制振作用を受けるので、揺れが小さいだけでなく、変形の片流れや残留変形の発生を抑制することができる。
【0027】
なお、図5は、通常の(従来の)油圧ダンパーと本実施形態における原点復帰型の制振用オイルダンパー1との荷重特性を比較して示す説明図である。
図5(a)に示すように、通常の油圧ダンパーは、原点を通過しない単一のループ軌道を描き、構造物(構築物)が初期状態に戻ろうとしているときにも抵抗力(減衰力)が働くことになり、ピストンが原点(初期位置)に復帰し難く、変形の偏流れや残留変形が生じやすい。
【0028】
一方、図5(b)に示すように、本実施形態における原点復帰型の制振用オイルダンパー1は、原点を通過し、原点に対して斜めに対称な2つの矩形ループ軌道を描き、小型かつ簡単な構造で、構造物(構築物)が初期状態に戻ろうとしているときの抵抗力(減衰力)を解放することができるので、ピストンを常に原点(初期位置)に復帰させ易く、これにより変形の偏流れや残留変形が生じないという効果を期待できる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室とを連通するピストンの各減衰流路に、それぞれ相反する方向にオイルを通過させて減衰する絞り機構が介設されているだけでなく、ピストン原点位置と第1のシリンダ室とを連通する第1の逃し流路と、ピストン原点位置と第2のシリンダ室とを連通する第2の逃し流路と、を備えており、各逃し流路にはピストン原点位置側の開口部から流入したオイルの通過を許容するがその逆方向の通過を阻止する逆止弁を設けたので、ピストンロッドに外力が加わったときには、ピストンがピストン原点位置から遠のく方向に移動する場合に、シリンダ室内のオイルを減衰流路に通して絞り機構により減衰力を付与し、ピストンがピストン原点位置に近づく方向に移動する場合には、オイルをピストン原点位置側の開口部から逃がし流路に通して減衰力を解放することができる。したがって、簡単な構造で構造物(構築物)が初期状態に戻ろうとしているときの抵抗力(減衰力)を解放して、ピストンを原点(初期位置)に復帰させることができ、これにより建造物に変形の片流れや残留変形が生じない。
【0030】
そして、シリンダの軸方向に沿って掛け渡されたシャフトにそれぞれ逃し流路を形成し、シャフトをピストンに貫通させる構成を採ったので、オイルダンパーの小型化を図ることができる。
また、第1逃し流路が前記シャフトに、ピストン原点位置におけるピストンで閉塞可能な範囲内であって第2シリンダ室寄りに一端が開口して他端が第1のシリンダ室に連通した状態で形成され、第2逃し流路が前記シャフトに、ピストン原点位置におけるピストンで閉塞可能な範囲内であって第1シリンダ室寄りに一端が開口して他端が第2のシリンダ室に連通した状態で形成されるので、ピストンが原点位置を通過した直後から減衰力を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る制振用オイルダンパーの構造の第1の実施形態を示す概略図である。
【図2】 第1実施形態の制振用オイルダンパーの作動状態(ピストン原点位置の右側にピストンが移動した状態)を示す概略図である。
【図3】 本実施形態の制振用オイルダンパーの作動状態(ピストン原点位置の左側にピストンが移動した状態)を示す概略図である。
【図4】 本実施形態の制振用オイルダンパーの荷重特性を示す説明図である。
【図5】 通常の油圧ダンパーと本実施形態における原点復帰型の制振用オイルダンパー1との荷重特性を比較して示す説明図である。
【符号の説明】
1 制振用オイルダンパー
2 作動流体
3 シリンダ
3a,3b リング状プレート
3c,3d 中孔
4 ピストン
4a,4b 貫通孔
5a 第1のシリンダ室
5b 第2のシリンダ室
6 シール部材
7 ピストンロッド
8a,8b 減衰流路
9a,9b 絞り機構(減衰弁)
10a,10b シャフト
11a,11b 逃し流路
12a,12b 逆止弁
Claims (1)
- オイルを封入したシリンダと、
該シリンダ内に移動可能に嵌装され、シリンダ内を第1のシリンダ室と第2のシリンダ室とに区画するピストンと、
該ピストンに接続され、上記シリンダから外部へと延出されたピストンロッドと、
上記ピストンの位置にかかわらず第1のシリンダ室と第2のシリンダ室とを連通する減衰流路と、
該減衰流路に設けられ、通過するオイルの抵抗となる絞り機構と、
前記ピストンを貫通した状態でシリンダの軸方向に沿って掛け渡された一対のシャフトと、
前記シャフトに形成され、ピストン原点位置におけるピストンで閉塞可能な範囲内であって第2シリンダ室寄りに一端が開口して他端が第1のシリンダ室に連通した第1の逃し流路と、
前記シャフトに形成され、ピストン原点位置におけるピストンで閉塞可能な範囲内であって第1シリンダ室寄りに一端が開口して他端が第2のシリンダ室に連通した第2の逃し流路と、
各逃し流路に設けられ、ピストン原点位置側の開口部から流入したオイルの通過を許容するがその逆方向の通過を阻止する逆止弁と、
を備え、
ピストンロッドに外力が作用してピストンがピストン原点位置から遠のく方向に移動する場合に、シリンダ室内のオイルを減衰流路に通して絞り機構により減衰力を付与し、ピストンがピストン原点位置に近づく方向に移動する場合には、オイルをピストン原点位置側の開口部から逃がし流路に通して減衰力を解放するようにしたことを特徴とする制振用オイルダンパー。
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