JP4740042B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

この発明は、緩衝器に関し、特に、たとえば、筒型の油圧緩衝器で代表されるように、その伸縮位置に依存して発生減衰力の高低調整を可能にする緩衝器の改良に関する。
たとえば、筒型の油圧緩衝器で代表されるように、その伸縮位置に依存して発生減衰力の高低調整を可能にする緩衝器としては、従来から種々の提案があるが、その中で、たとえば、特許文献1には、緩衝器を形成するシリンダ体内でのピストン体の摺動位置に依存して発生される減衰力が高低調整可能とされるものが開示されている。
すなわち、特許文献1には、シリンダ体内をピストン体が摺動するときにシリンダ体内にピストン体で画成される二つの圧力室がピストン体に配設された減衰バルブを介して連通するとし、このとき、減衰バルブによって所定の大きさの減衰力が発生されるとするのを原則とする緩衝器が開示されている。
つぎに、この特許文献1には、上記の緩衝器にあって、シリンダ体が、たとえば、両端部の内周にシリンダ体の軸線方向に沿う一対の溝を有してなるとし、したがって、シリンダ体内のピストン体がこの溝に対向する状態になるときには、ピストン体を迂回する、すなわち、ピストン体に配設の減衰バルブを迂回するバイパス路が形成され、したがって、二つの圧力室がこのバイパス路を介して連通する状態になる旨が開示されている。
そして、上記の特許文献1には、上記の緩衝器にあって、ピストン体が相反する方向の流れを阻止する一対のチェック弁を有してなるとし、この一対のチェック弁は、二つの圧力室がバイパス路を介して連通するときに、ピストン体がシリンダ体内で選択された一方向に摺動するときにはバイパス路を連通状態に維持するが、ピストン体が反転して摺動する場合にはバイパス路を遮断状態にすることを可能にする旨が開示されている。
それゆえ、この特許文献1に開示の緩衝器によれば、いわゆる伸側作動時であれあるいは圧側作動時であれ、シリンダ体内で摺動するピストン体がシリンダ体の中央部付近で摺動する場合には、二つの圧力室がピストン体に配設の減衰バルブを介して連通することになり、言わば高い減衰力の発生状態を具現化し得ることになる。
その一方で、たとえば、伸側作動時にピストン体がシリンダ体内を大きいストロークで摺動していわゆるストロークエンド近傍に至ることになると、バイパス路が開放されて二つの圧力室がバイパス路を介して連通されることになり、それまで高かった減衰力を低くする状態を具現化し得ることになる。
そして、この伸側作動時にストロークエンド近傍にまでシリンダ体内で摺動していたピストン体が反転してシリンダ体の中央部付近に迄戻る場合には、それまで連通状態にあったバイパス路が遮断状態にされて、圧側作動の高い減衰力の発生状態を具現化し得ることになる。
なお、圧側作動時にピストン体がストロークエンド近傍に至る場合にも、それまで高かった減衰力が低くなり、また、ピストン体が反転して伸側作動に移行してシリンダ体の中央部付近に迄戻る場合にも、バイパス路が遮断状態にされて、伸側作動の高い減衰力の発生状態になるのは上記したところと同様である。
しかしながら、上記した特許文献1に開示の緩衝器にあっては、減衰機能を果すと言う本来の機能上に格別の問題がある訳ではないが、その設置に際して些か不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、上記した特許文献1に開示の緩衝器をも含めてだが、凡そこの種の位置依存型とされる緩衝器にあっては、その設置に際して、ピストン体がシリンダ体内にあっていわゆる中立位置に位置決められていることが肝要とされる。
しかし、この種の緩衝器が設置される実際を看ると、様々な要因から、緩衝器の取付長が区々とされることが多く、その結果、この区々となる取付長下に緩衝器おいてシリンダ体に対してピストン体が中立位置にあるようにするのが容易でなく、このことから正確な設置状態を具現化できなくなる危惧がある。
そして、実際に、シリンダ体内に対してピストン体が中立位置にないままに設置されるとなると、その緩衝器において減衰力を変更するタイミングが狂うことになり、その意味で所定の機能の発揮を期待できなくなり、緩衝器を設置した意味を無駄にする不具合を招くことになる。
この発明は、上記した現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、ピストン体がいわゆる中立位置にあるようにするのを容易にして、その設置性を高め、その汎用性の向上を期待するのに最適となる緩衝器を提供することである。
上記した目的を達成するため、本発明の手段は、シリンダ体と、このシリンダ体内にロッド体を介して摺動自在に挿入したピストン体と、上記シリンダ体内に上記ピストン体を介して区画した二つの圧力室と、上記ピストン体に形成して上記二つの圧力室を連通する一対の油路と、上記各油路の途中に開閉自在に設けられて互いに相反する方向への連通を許容する一対の減衰バルブと、上記シリンダ体に保持されたバルブマウントと、このバルブマウント中に形成して上記各減衰バルブを迂回しながら上記二つの圧力室を連通するバイパス路と、上記バイパス路の途中に並列に設けられて互いに相反する方向への連通を許容する一対の開閉自在な制御バルブとを備え、上記各制御バルブが上記ロッド体の上記シリンダ体に対する出没となる移動に追従する入力手段からの入力によって開放作動することを特徴とするものである
それゆえ、この発明にあっては、シリンダ体内に摺動可能に収装されてシリンダ体内に二つの圧力室を画成するピストン体が二つの圧力室の連通を許容する伸側用および圧側用の減衰バルブを有してなるから、シリンダ体外のバイパス路が遮断されているときに、シリンダ体に対してロッド体が出没する伸縮作動時には、各減衰バルブによって高い減衰力が発生されることになる。
そして、この発明にあっては、シリンダ体に対するロッド体の出没するストロークが大きく、したがって、一対となる制御バルブに入力手段からの入力があるときには、バイパス路が開放されることになり、このとき、各制御バルブがシリンダ体内の二つの圧力室間にあって、一方の圧力室を他方の圧力室に連通させることになる。
その結果、制御バルブの作動でバイパス路が開放される迄はピストン体が有する減衰バルブで高い減衰力の発生状態に維持されていたものが、制御バルブの作動によるバイパス路の開放でそれまでの発生減衰力が低くなる。
そして、シリンダ体内でピストン体が反転して逆の行程に移行し、したがって、制御バルブがその作動を解除することになると、バイパス路が遮断されてピストン体が有する減衰バルブによる高い減衰力の発生状態が保障されることになる。
そしてまた、この発明にあっては、バイパス路を開閉する各制御バルブは、入力手段からの入力で開閉作動するから、入力手段と制御バルブの間隔、すなわち、制御バルブが作動するまでの間隔たる不感帯ストロークを言わば左右で同一に設定することで、緩衝器にあっては中立状態を現出し得ることになる。
すなわち、この発明の緩衝器を任意の場所に設置するとき、その設置場所におけるいわゆる設置間隔が区々となり、したがって、各緩衝器にあって、シリンダ体内でピストン体を完全な中立位置に位置決めることが事実上困難であるとしても、上記の不感帯ストロークを言わば左右で同一にすることで、緩衝器における中立状態を現出し得ることになる。
その結果、この発明にあっては、緩衝器を設置する際に、緩衝器における中立状態を視認動作で確実に現出することが可能になり、従来凡そこの種の緩衝器を設置するのにあって、いわゆる中立状態の現出が容易でなく、したがって、緩衝器の設置に手間を要していたことに比較して、迅速な設置作業の実現が可能になる。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による緩衝器は、図示するところでは、筒型のしかも両ロッド型の油圧緩衝器からなるとしている。
そして、この緩衝器は、図1に示すように、シリンダ体1と、このシリンダ体1内にロッド体3を介して摺動自在に挿入したピストン体2と、上記シリンダ体1内に上記ピストン体2を介して区画した二つの圧力室R1、R2と、上記ピストン体2に形成して上記二つの圧力室を連通する一対の油路と、上記各油路の途中に開閉自在に設けられて互いに相反する方向への連通を許容する一対の減衰バルブ21、22と、上記シリンダ体1に保持されたバルブマウントと、このバルブマウント中に形成して上記各減衰バルブ21、22を迂回しながら上記二つの圧力室R1、R2を連通するバイパス路と、上記バイパス路Aの途中に並列に設けられて互いに相反する方向への連通を許容する一対の開閉自在な制御バルブ5、6とを備えている。
そして、上記各制御バルブ5、6が上記ロッド体3の上記シリンダ体1に対する出没となる移動に追従する入力手段からの入力によって開放作動する。
以下詳細に説明する。
シリンダ体1は、この緩衝器が両ロッド型とされることから単筒からなるとしており、図中の下端側部にはシリンダ体1と同径となるサブシリンダ体11を同軸に連設させていて、このサブシリンダ体11内に他方のロッド体32の図中で下端側となる先端側を導通させ、この他方のロッド体32の下端側がいわゆる他部に干渉することを回避させるとし、また、このサブシリンダ体11は、この緩衝器のいわゆる取り付けを可能にするブラケット12を有してなるとしている。
ピストン体2は、自身がシリンダ体1内に画成する二つの圧力室R1,R2の連通を許容する減衰バルブ、すなわち、言わば伸側用とされる減衰バルブ21と言わば圧側用とされる減衰バルブ22とを並列配置させてなるとしている。
このとき、減衰バルブ21,22は、図示するところでは、上流側の圧力がクラッキング圧を超えることになると開放作動するように設定されていて、このクラッキング圧については任意に設定される。
ロッド体3は、図中で上方となる一方のロッド体31の先端にブラケット33を有していて、このブラケット33を利用してのこの緩衝器の取り付けを可能にしている。
それゆえ、この緩衝器にあっては、上記したブラケット12,33を利用しての所望の場所への取り付けが、すなわち、設置が可能とされることになり、その設置場所での作動、すなわち、いわゆる伸縮作動が可能とされることになる。
そして、この緩衝器にあっては、後述するバイパス路を無視すると、ピストン体2がシリンダ体1内を図中で上昇する場合を、たとえば、伸側作動時と仮定すると、一方の圧力室R1が減衰バルブ21を介して他方の圧力室R2に連通することになり、このとき、減衰バルブ21で所定の大きさの減衰力が発生されることになる。
また、同じくこの緩衝器にあって、ピストン体2がシリンダ体1内を図中で下降する場合を、たとえば、圧側作動時と仮定すると、他方の圧力室R2が減衰バルブ22を介して一方の圧力室R1に連通することになり、このとき、減衰バルブ22で所定の大きさの減衰力が発生されることになる。
つぎに、この緩衝器にあっては、ピストン体2に配設の減衰バルブ21,22を迂回して二つの圧力室R1,R2をシリンダ体1外で連通させるバイパス路(符示せず)を有してなるとしている。
このとき、バイパス路は、いわゆる両端がシリンダ体1内の各圧力室R1,R2に対して、各圧力室R1,R2におけるいわゆるストロークエンド領域となる部位で連通するとしている。
すなわち、ピストン体2がシリンダ体1内を大きいストロークで摺動してシリンダ体1の端部に接近するようになるストロークエンド近傍に至るときにも、シリンダ体1に開穿された開口が閉塞されずして各圧力室R1,R2のバイパス路への連通が妨げられない設定とされている。
一方、このバイパス路は、図示するところでは、シリンダ体1に一体に連設されあるいは連結されるなどしてシリンダ体1に保持されるバルブマウント4に形成されてなるとし、このバルブマウント4は、一対とされながらそれぞれ二つの圧力室R1,R2間の相反する方向の連通を許容するように並列配置とされる制御バルブ5,6を有してなるとしている。
このとき、バイパス路の本来的な機能を鑑みると、これがバルブマウント4に形成されてなるとするのはともかくとして、このバルブマウント4がシリンダ体1に保持されてなることは、この発明の緩衝器にあって、言わば好ましいこととなる。
すなわち、後述することであるが、この発明の緩衝器にあって、バイパス路に配設される制御バルブ5,6は、入力手段7を介してであるが、緩衝器の伸縮位置に依存して開閉作動することを要件としているから、少なくとも、この制御バルブ5,6を有するバルブマウント4にあっては、これがシリンダ体1の一部に擬制されていて良いことになり、したがって、この観点からして、バルブマウント4は、シリンダ体1に一体に連設されあるいは連結されるなどしてシリンダ体1に保持されるとするのが好ましいことになる。
そして、各制御バルブ5,6は、図示するところでは、ロッド体3のシリンダ体1に対する出没となる移動に追従する入力手段7からの入力によって開放作動して言わば一方の圧力室を他方の圧力室に連通させることを許容するとしている。
すなわち、たとえば、制御バルブ5にあっては、シリンダ体1内に一方のロッド体31が没入するようになる言わば圧側作動時に入力手段7からの入力によって開放状態に切り換えられ、他方の圧力室R2がこの開放された制御バルブ5を介して一方の圧力室R1に連通することになり、このとき、制御バルブ6は、他方の圧力室R2からの圧力を受けて閉鎖状態に維持され、その限りにおいてバイパス路を遮断するとしている。
そして、制御バルブ6にあっても、シリンダ体1内から一方のロッド体31が突出するようになる言わば伸側作動時に入力手段7からの入力によって開放状態に切り換えられ、一方の圧力室R1がこの開放された制御バルブ6を介して他方の圧力室R2に連通することになり、このとき、制御バルブ5は、一方の圧力室R1からの圧力を受けて閉鎖状態に維持され、その限りにおいてバイパス路を遮断するとしている。
ここで、この制御バルブ5,6について説明すると、図1に示すところでは、各制御バルブ5,6は、スプール51,61を有していて、このスプール51,61がいわゆる背後側に配設されているバネ52,62の附勢力で図示する状態たるいわゆる前進状態に維持されるときにバイパス路を遮断するとしている。
その一方で、各制御バルブ5,6は、それぞれ入力軸53,63を有してなる、すなわち、スプール51,61の上流端に基端が連設されて先端がバルブマウント4から外部に突出する入力軸53,63を有してなるとしており、この各入力軸53,63の先端に入力手段7が対向するとしている。
そして、各制御バルブ5,6にあって、入力軸53,63に入力手段7からの外力が作用して、したがって、各スプール51,61がバネ52,62の附勢力に抗して後退されるとき、いわゆる開放作動して、バイパス路を連通状態にすることになる。
一方、入力手段7は、前述したように、前記したロッド体3の動きに追従するように形成されてなるとするもので、図示するところでは、図中で上方となる一方のロッド体31に連結されるアーム部材71と、このアーム部材71に連結されながら長短調整可能に形成されるジョイント72と、このジョイント72に連結される入力本体部73とを有してなるとしている。
このとき、アーム部材71は、一方のロッド体31を横切る方向に延在され、ジョイント72は、アーム部材71の図中で右端となる先端から図中で下方に向けて、すなわち、バルブマウント4に向けて垂設され、入力本体部73は、ジョイント72の下端に連結されてバルブマウント4を言わば囲うような体勢下に近隣するとしている。
すなわち、入力本体部73は、図示するところでは、制御バルブ5,6が入力軸53,63をロッド体3の軸線方向にあって互いに反対の方向に突出させる、すなわち、バルブマウント4の上下端から突出させるとしているから、この各入力軸53,63の先端に対向することになる入力部73a,73bを有すべくいわゆる横向きほぼ角U字状に形成されてなるとしている。
そして、この入力部73a,73bは、各制御バルブ5,6における入力軸53,63の先端との間に広狭調整可能な不感帯ストロークL1,L2を有しながらこの入力軸53,63の先端に対向させている。
それゆえ、この入力手段7にあっては、たとえば、一方のロッド体31がシリンダ体1内に没入するようになるときに、上記した不感帯ストロークL1以上にロッド体31がシリンダ体1内に没入するまでは、入力部73aが制御バルブ5における入力軸53の先端に干渉せず、したがって、制御バルブ5は、これが開放作動しないことになる。
そして、ロッド体31がシリンダ体1内に没入するストロークが上記の不感帯ストロークL1以上になるときには、入力部73aが制御バルブ5における入力軸53をバルブマウント4内に没入させるようになり、したがって、制御バルブ5にあってはスプール51がバネ52のバネ力に抗していわゆる後退して開放作動することになる。
そしてまた、上記の作動は、他方のロッド体32がシリンダ体1内に没入するようになるときにも、入力手段7において反対側の入力部73bが制御バルブ6における入力軸63に対して同様に作動することになり、したがって、制御バルブ6も上記の制御バルブ5と同様の作動をすることになる。
以上のように、この発明の緩衝器にあっては、シリンダ体1に対してロッド体3が出没することになるいわゆる伸縮作動時にその伸縮量が上記した不感帯ストロークL1あるいはL2を超えることになるとき、いわば対応する各制御バルブ5あるいは6が開放作動することになってバイパス路を連通状態に切り換えることになる。
それゆえ、このことからすれば、この発明の緩衝器にあって、上記の不感帯ストロークL1,L2を同一にするときには、緩衝器がいわゆる中立状態にあることになる。
すなわち、この発明の緩衝器を任意の場所に設置するとき、その設置場所におけるいわゆる設置間隔が区々となり、したがって、各緩衝器にあって、シリンダ体1内でピストン体2を完全な中立位置に位置決めることが事実上困難であるとしても、上記の不感帯ストロークL1,L2を同一にするように調整作業をすることで、シリンダ体1に対するロッド体3のいわゆる中立位置を現出することが可能になることになる。
そして、このとき、シリンダ体1内でピストン体2が完全な中立位置にないとしても、多くの場合に、そのいわゆるずれは、いわゆる許容差よりは大きくなるであろうがいたずらに大きくなることはないから、不感帯ストロークL1,L2を同一にするように調整することで、緩衝器が中立状態にあると擬制しても問題はないと言い得ることになる。
以上からすれば、この発明にあっては、緩衝器を設置する際に、緩衝器における中立状態を視認動作で確実に現出することが可能になり、従来凡そこの種の緩衝器を設置するのにあって、いわゆる中立状態の現出が容易でなく、したがって、緩衝器の設置に手間を要していたことに比較して、迅速な設置作業の実現が可能になる。
そして、不感帯ストロークL1,L2を任意に設定し得るようにするために、たとえば、上記した入力手段7にあって、アーム部材71が一方のロッド体31に対してこのロッド体31の軸線方向に移動可能に連結されてなるとし、また、入力本体部73が中間部に伸縮調整部73cを有していて、入力部73a,73b間の間隔を変更し得るように形成されてなるとしても良い。
また、同じく不感帯ストロークL1,L2を任意に設定し得るようにするために、たとえば、各制御バルブ5,6において、入力軸53,63の、特に、バルブマウント4から外部に突出することになる部位がこの入力軸の軸線方向に軸長を長短調整できるように形成されてなるとしても良い。
ところで、前記した図1に示すところでは、制御バルブ5,6がスプール51,61を有してなるとしたが、凡そ制御弁5,6の作動を実現し得る限りには、任意の弁構造が選択されて良い。
たとえば、図2に示す制御バルブ5,6は、前記した図1に示す制御バルブ5,6におけるスプール51,61に代えてポペット54,64を有してなるとするものである。
その他のバネ52,62を有すること、入力軸53,63を有することは同じであって、したがって、作動時の効果が異なるものであって、前記した図1に示す実施形態の場合に開閉時の流量調整を可能にし得るのに対して、この図2に示す実施形態では、閉鎖作動時における漏れがなく、したがって、開閉作動に完全を期すことが可能になり、所定の減衰力を得られることになる。
つぎに、図3に示す制御バルブ5,6は、前記した図1および図2に示す制御バルブ5,6の構成を併せて有するとするもので、スプール51,61にポペット54,64を直列させてなるとしている。
そして、この実施形態にあっても、その他のバネ52,62を有すること、入力軸53,63を有することは前記した各実施形態の場合と同様である。
それゆえ、この図3に示す実施形態による場合には、開放作動時の流量調整を可能にし得ると共に、閉鎖作動時その完全を期すことが可能になる利点がある。
ちなみに、図示しないが、スプール51,61とポペット54,64とを併せて有するとするとき、直列するスプール51,61とポペット54,64の順番を図3に示すところと逆にするとしても良い。
一方、図4に示す実施形態は、基本的には、前記した図3に示す実施形態と同様であるが、さらには、チェック弁55,65を有してなるところに特徴がある。
すなわち、このチェック弁55,65を有することで、シリンダ体1内において、ピストン体2の行程が変わって、したがって、各制御バルブ5,6にあって、入力手段7からの入力が解除されるようになるとき、入力が完全に解除されて、各制御バルブ5,6がバイパス路を完全に遮断することになるまでのいわゆる圧漏れを阻止することが可能になる点で有利となる。
その点からすれば、上記のチェック弁55,65については、それぞれ前記した図1および図2の各実施形態においてこれが併設されてなるとしても良く、寧ろ好ましいと言い得る。
以上のように、この発明にあって、制御バルブ5,6については、種々の形態を提案できるが、それぞれの異なる点を、図5にあって、X軸でピストンストロークを表し、F軸で減衰力を表すときのピストンストロークに対する減衰力の特性で表示する。
ちなみに、図5にあって、X軸の上方側が圧側で下方側を伸側となり、また、緩衝器がサイン波で加振されることから図中に破線で示す円形の特性になるとし、さらに、図中に点線で示す領域aは、制御バルブ5,6が閉鎖状態にあるときの特性を示す領域である。
すなわち、図5中の(A)中の実線bで示す特性は、図1の実施形態による場合の特性であって、制御バルブ5,6がスプール51,61を有するがために流路制御が可能になる場合の特性である。
そして、図5中の(A)中の二点鎖線cで示す特性は、図2の実施形態による場合の特性であって、制御バルブ5,6がポペット54,64を有するがために流量制御をなし得ず開閉作動が明確になる場合の特性である。
また、図5中の(B)に示す特性は、各制御バルブ5,6にチェック弁55,65が併設される場合に特性を示すもので、図中に実線dで示す特性は、各制御バルブ5,6がスプール51,61を有するが故に流量制御がなされる場合であり、同図中の二点鎖線eで示す特性は、制御バルブ5,6がポペット54,64を有するのみで流量制御がなされない場合の特性である。
前記したところは、この発明による緩衝器が建築物における免制振用として利用される場合を例にしているが、この発明が意図するところからすれば、この発明による緩衝器が建築部以外の、たとえば、鉄道車両や機器類の制振用として利用されるとしても良いことはもちろんである。
そして、前記したところでは、この発明が両ロッド型の油圧緩衝器に具現化されるとしたが、この発明が意図するところからすれば、この発明が片ロッド型の油圧緩衝器に具現化されるとしても良いことはもちろんで、さらには、凡そ気体以外のいわゆる収縮しないとされる流体を利用する緩衝器であれば、その具現化が可能になることももちろんである。
また、前記したところでは、この発明による緩衝器にあって、バルブマウント4がシリンダ体1に一体に保持されてなる場合を例にして説明したが、この発明の緩衝器にあっては、バルブマウント4がシリンダ体1と分離されていても、緩衝器における中立状態の実現が可能になる。
すなわち、緩衝器を所定の位置に設置するについて、先に、シリンダ体1を大まかに看て中立状態にあると言える状況で設置場所に設置し、爾後に、シリンダ体1から分離されているバルブマウント4を移動して、不感帯ストロークL1,L2を言わば左右で同一にすれば、この緩衝器における中立状態を実現することが可能になると言い得る。
さらに、この発明による緩衝器では、制御バルブ5,6の具体化にあって、これが一軸に形成されるのではなく、二軸に形成されるとしているから、これがバルブマウント4に装備される場合や、あるいは、シリンダ体1内に装備される場合を考慮すると、バルブマウント4の小型化を妨げ易くなったり、あるいは、シリンダ体1内への装備性を不利にし易くなったりする不具合の招来を回避できる点で有利となるとも言い得る。
この発明の一実施形態による緩衝器を原理的に示す図である。 他の実施形態による制御手段を示す図である。 他の実施形態による制御手段を示す図である。 他の実施形態による制御手段を図3と同様に示す図である。 この発明の実施形態による減衰特性を示す図である。
符号の説明
1 シリンダ体
2 ピストン体
3 ロッド体
4 バルブマウント
5,6 制御バルブ
7 入力手段
21,22 減衰バルブ
31 一方のロッド体
32 他方のロッド体
51,61 スプール
53,63 入力軸
54,64 ポペット
55,65 チェック弁
73a,73b 入力部
R1,R2 圧力室

Claims (8)

  1. シリンダ体と、このシリンダ体内にロッド体を介して摺動自在に挿入したピストン体と、上記シリンダ体内に上記ピストン体を介して区画した二つの圧力室と、上記ピストン体に形成して上記二つの圧力室を連通する一対の油路と、上記各油路の途中に開閉自在に設けられて互いに相反する方向への連通を許容する一対の減衰バルブと、上記シリンダ体に保持されたバルブマウントと、このバルブマウント中に形成して上記各減衰バルブを迂回しながら上記二つの圧力室を連通するバイパス路と、上記バイパス路の途中に並列に設けられて互いに相反する方向への連通を許容する一対の開閉自在な制御バルブとを備え、上記各制御バルブが上記ロッド体の上記シリンダ体に対する出没となる移動に追従する入力手段からの入力によって開放作動することを特徴とする緩衝器。
  2. 上記入力手段が上記制御バルブに対向する入力部を有すると共に、この入力部と上記制御バルブとの間隔を広狭調整可能にしてなる請求項1に記載の緩衝器。
  3. 各制御バルブは上記バルブマウントから外部に突出する入力軸を有し、上記入力手段は上記入力軸に対向する入力部を有し、上記入力部は上記入力軸との間に不感帯ストロークを設けながら上記入力軸の先端に対向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の緩衝器。
  4. 各制御バルブは上記バルブマウントから外部に突出する入力軸を有し、上記入力手段は上記入力軸に対向する入力部を有し、上記制御バルブは上記入力部からの上記ロッド体の動きに追従する外力を上記入力軸に作用させて開放動作することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の緩衝器。
  5. 上記入力手段は上記ロッド体と上記入力部とを連結するジョイントを有し、当該ジョイントは長短調整自在に形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の緩衝器。
  6. 各制御バルブがその制御バルブで許容する両方の圧力室間における連通方向と逆方向となる連通を阻止するチェック弁を併設させてなる請求項1、2、3、4又は5に記載の緩衝器。
  7. 各制御バルブがスプール又はポペットのいずれか一方を有し、あるいは、スプールおよびポペットの両方を有してなると共に、スプール又はポペットに基端が連設される入力軸の先端が入力手段に対向してなる請求項1、2、3、4、5又は6に記載の緩衝器。
  8. 上記スプール又は上記ポペットに基端が連設されて先端が入力手段に対向する入力軸にあって、軸長が長短調整可能とされてなる請求項7に記載の緩衝器。
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