JP5142958B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

この発明は、緩衝器に関し、特に、たとえば、筒型に形成されてその伸縮位置に依存した減衰作用を具現化する緩衝器の改良に関する。
たとえば、筒型に形成されてその伸縮位置に依存した減衰作用を具現化する緩衝器としては、従来から種々の提案があるが、その中で、たとえば、特許文献1に開示の緩衝器にあっては、緩衝器を形成するシリンダ体内でのピストン体の摺動位置に依存する減衰作用が可変とされる。
すなわち、特許文献1に開示の緩衝器は、シリンダ体内をピストン体が摺動するときにシリンダ体内にピストン体で画成されてピストン体を挟む二つとなる両方の圧力室がピストン体に配設の減衰手段を介して連通し、このとき、減衰手段によって所定の減衰作用が具現化される。
そして、この緩衝器にあっては、シリンダ体が両端部の内周にシリンダ体の軸線方向に沿う一対の溝を有し、したがって、シリンダ体内のピストン体がいわゆるストロークエンド近傍に至って溝に対向する状態になると、ピストン体を迂回する、すなわち、ピストン体に配設の減衰手段を迂回するバイパス路が形成され、したがって、両方の圧力室がこのバイパス路を介して連通する状態になる。
そしてまた、この緩衝器にあっては、ピストン体が相反する方向の流れを阻止する一対のチェック手段を有し、この一対のチェック手段は、両方の圧力室がバイパス路を介して連通するときに、ピストン体がシリンダ体内で選択された一方向に摺動するときにはバイパス路を連通状態に維持するが、ピストン体が反転して摺動する場合にはバイパス路を遮断状態にする。
それゆえ、この特許文献1に開示の緩衝器によれば、ピストン体がシリンダ体の中央部付近で摺動する場合には、両方の圧力室がピストン体に配設の減衰手段を介して連通して、言わば高い減衰作用を具現化し得る。
その一方で、ピストン体がシリンダ体内を大きいストロークで摺動していわゆる所定のストローク範囲を超えると、バイパス路が開放されて両方の圧力室がバイパス路を介して連通され、それまで高かった減衰作用を低くし得る。
そして、このストロークエンド近傍にまでシリンダ体内で摺動していたピストン体が反転してシリンダ体の中央部付近に迄戻る場合には、それまで連通状態にあったバイパス路が遮断状態にされて、高い減衰作用を具現化し得る。
特開2003‐322193号公報(明細書中の段落0021,同0024から同0026,同0028から同0030,図1および図3参照)
しかしながら、上記した特許文献1に開示の緩衝器にあっては、伸縮位置に依存して減衰作用を可変にする点で、基本的に問題がある訳ではないが、その実施化を勘案すると些かの不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、上記した文献開示の緩衝器をも含めてだが、凡そこの種の位置依存型とされる緩衝器にあっては、その設置に際して、ピストン体がシリンダ体内にあっていわゆる中立位置に位置決められていることが肝要とされる。
しかし、この種の緩衝器が設置される実際を看ると、様々な要因から、緩衝器の取り付け長さが区々となることが多く、その結果、この区々となる取り付け長さの下にあって、特に大型となる緩衝器おいてシリンダ体に対してピストン体が中立位置にあるようにするのが容易でなく、このことから正確な設置状態を具現化できなくなる危惧がある。
そして、シリンダ体内に対してピストン体が中立位置にないままに設置されると、ピストン体とシリンダ体の溝とで形成されるバイパス路が開閉されるタイミングが狂い、その意味で所定の機能の発揮を期待できなくなり、緩衝器を設置する意味を無駄にすると指摘される可能性がある。
一方、上記の緩衝器にあって、バイパス路は、ピストン体と、シリンダ体の内周に設けた溝とで形成されるが、このとき、ピストン体とシリンダ体との間には両者間の摺動性を保障する上から基本的に摺動隙間が出現され、したがって、この摺動隙間を介しての流体の漏れが発現される。
すなわち、ピストン体とシリンダ体との間における流体の漏れを防止するために、ピストン体の外周にピストンシールのようなシール部材を介装させると、このシール部材のバイパス路を形成する溝へのいわゆるはみ出しが発現され、ピストン体のシリンダ体に対する摺動性に、すなわち、緩衝器における作動性に支障を来たすので、シール部材による漏れ阻止を実践できない。
このことからすると、上記の摺動隙間による流体の漏れが問題にならない場合はともかくとして、緩衝器の規模や用途によっては、この摺動隙間による流体の漏れで、緩衝器の伸縮作動を阻止できなくなり、たとえば、緩衝器が制振ダンパとされて風による建物の揺れを阻止しようとしても、これを具現化できなくなることが危惧される。
この発明は、上記した現状を鑑みて創案されたもので、その目的とするところは、設置性を良くしながら伸縮位置に依存する減衰作用の具現化を可能にして、その汎用性の向上を期待するのに最適となる緩衝器を提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明による緩衝器の構成を、シリンダ体と、このシリンダ体内に摺動可能に収装されながらこのシリンダ体内に一対となる両方の圧力室を画成すると共にこの両方の圧力室の連通を許容する減衰手段を有するピストン体と、このピストン体に連結されながら上記圧力室の軸芯部を挿通して上記シリンダ体の閉塞端から先端を外部に突出させるロッド体と、上記両方の圧力室間における相互連通を許容するバイパス路と、このバイパス路中に配設されてこのバイパス路における開閉を可能にする制御手段と、この制御手段に間隔を有しながら対向して上記ロッド体の上記シリンダ体に対する没入動作に追従して上記制御手段を開放作動させる入力手段とを有してなる緩衝器において、上記減衰手段が一対とされながら上記両方の圧力室における相反する方向への連通を許容する並列配置とされると共に、上記制御手段が一対とされながら上記バイパス路における上記両方の圧力室間の相反する方向への連通を許容する並列配置とされ、上記制御手段が対向する上記入力手段からの推力を先端に入力させる入力軸と、この入力軸の基端に連設されながら後退時に上記バイパス路を開放する弁体と、この弁体に先端が連設されながら軸径を上記入力軸の軸径より大径にして後端を大気中におく基軸とを有し、この基軸の後端に隣設の附勢バネからの附勢力で上記弁体が前進方向に附勢されるとする。
それゆえ、この発明にあっては、シリンダ体内に摺動可能に収装されてシリンダ体内に一対となる両方の圧力室を画成するピストン体が両方の圧力室の連通を許容する減衰手段を有するから、シリンダ体外のバイパス路が遮断された状態で、シリンダ体に対してロッド体が出没する作動時には、減衰手段によって高い減衰作用が具現化される。
そして、この発明にあっては、シリンダ体に対するロッド体の出没するストロークが大きく、したがって、一対となる制御手段に入力手段からの入力があるときには、それぞれバイパス路が開放され、このとき、制御手段がシリンダ体内の両方の圧力室における連通を許容する。
その結果、制御手段の作動でバイパス路が開放される迄はピストン体が有する減衰手段で高い減衰作用が具現化されていたものが、制御手段の作動によるバイパス路の開放でそれまでの減衰作用が低くなる。
そして、シリンダ体内でピストン体が反転して逆の行程に移行し、したがって、制御手段がその作動を解除すると、バイパス路が遮断されてピストン体が有する減衰手段による高い減衰作用が具現化される。
そしてまた、この発明にあっては、バイパス路がシリンダ体外に形成されると共に、このバイパス路を開閉する制御手段が入力手段からの入力で開閉作動するから、緩衝器が中立位置にあるか否かに拘わりなく、入力手段と制御手段との間隔、すなわち、制御手段が作動するまでの間隔たる不感帯ストロークを言わば左右で同一に設定することが可能になる。
すなわち、この発明の緩衝器を任意の場所に設置するとき、その設置場所におけるいわゆる設置間隔が区々となり、したがって、各緩衝器にあって、シリンダ体内でピストン体を完全な中立位置に位置決めることが事実上困難であるとしても、上記の不感帯ストロークを言わば左右で同一にすることで、あたかも緩衝器における中立状態を現出し得る。
その結果、この発明にあっては、緩衝器を設置する際に、緩衝器における中立状態を視認動作で確実に現出することが可能になり、従来凡そこの種の緩衝器を設置するのにあって、いわゆる中立状態の現出が容易でなく、したがって、緩衝器の設置に手間を要することに比較して、迅速な設置作業の実現が可能になる。
そして、この発明にあっては、バイパス路を開閉する制御手段が対向する入力手段からの推力たる外力を先端に入力させる入力軸の基端に連設されながら後退時にバイパス路を開放する弁体を有するから、バイパス路の開閉をスプールに依存する場合に比較して、流体の漏れを危惧しなくて済む。
そしてまた、この発明にあっては、制御手段において、弁体を挟む入力軸の軸径に対して後端が大気に開放される基軸の軸径を大きくするから、制御手段の開放動作たる弁体の後退動作の開始を小さい外力の入力で具現化でき、外力の入力を具現化する入力手段における負荷を小さくでき、入力手段を軽微にすることが可能になる。
さらに、この発明にあっては、バイパス路を緩衝器におけるシリンダ体外に設けて、シリンダ体とピストン体との間に設けないから、ピストン体の外周にピストンシールのようなシール部材を介装してシリンダ体とピストン体との間における流体の漏れを阻止することが可能になる。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による緩衝器は、図示するところでは、筒型でしかも両ロッド型に形成の流体圧緩衝器からなり、たとえば、建築物の各階の床と天井との間に配設される制振ダンパとされる。
ちなみに、この緩衝器に利用される作動流体としては、気体に比較して収縮性が小さいとされる作動油が選択される。
そして、この緩衝器は、図1に示すように、シリンダ体1と、このシリンダ体1内に摺動可能に収装されながらこのシリンダ体1内に断面積を同一にする一対となる両方の圧力室、すなわち、図中で上方となる一方の圧力室R1と図中で下方となる他方の圧力室R2とを画成するピストン体2と、このピストン体2に連結されながら各圧力室R1,R2の軸芯部を挿通してそれぞれシリンダ体1の閉塞端から先端を外部に突出させるロッド体3とを有してなる。
このとき、ロッド体3は、この緩衝器が両ロッド型とされることから、断面積を同一にして基端がピストン体2に連結されながら先端がシリンダ体1の閉塞端を貫通してシリンダ体1の外に突出する図中で上方となる一方のロッド体31と図中で下方となる他方のロッド体32とからなる。
そして、この緩衝器にあって、ピストン体2は、上記の両方の圧力室R1,R2の連通を許容する減衰手段を有し、シリンダ体1は、バルブマウント4を一体的に連設させ、このバルブマウント4は、図示するところでは、ポート(符示せず)だけを有しながらシリンダ体1に連結されるプレート部41と、このプレート部41に連結されて制御手段を有する本体部42とからなる。
このとき、ピストン体2が有する減衰手段は、所定の減衰作用を具現化する限りには、任意の構成を選択でき、また、バルブマウント4が有する制御手段についても、所定の制御を具現化する限りには、任意の構成を選択できる。
ところで、シリンダ体1は、この緩衝器が両ロッド型とされることからいわゆる筒体からなり、図示するところでは、図中の下端側部にはシリンダ体1と同径となるサブシリンダ部11を同軸に連設させ、このサブシリンダ部11内に他方のロッド体32の図中で下端側となる先端側を導通させ、この他方のロッド体32の下端側がいわゆる他部に干渉することを回避させ、また、このサブシリンダ部11は、この緩衝器のいわゆる取り付けを可能にするブラケット12を有している。
ピストン体2は、自身がシリンダ体1内に画成する両方の圧力室R1,R2の連通を許容する減衰手段、すなわち、言わば伸側用とされる減衰バルブ21と言わば圧側用とされる減衰バルブ22とを並列配置させてなる。
このとき、減衰バルブ21,22は、図示するところでは、上流側の圧力がクラッキング圧を超えると開放作動するように設定され、このクラッキング圧については任意に設定される。
ロッド体3は、図中で上方となる一方のロッド体31の先端にブラケット33を有し、このブラケット33を利用してのこの緩衝器の取り付けを可能にしている。
それゆえ、この緩衝器にあっては、上記したブラケット12,33を利用しての所望の場所への取り付けが、すなわち、設置が可能とされ、その設置場所での作動、すなわち、いわゆる伸縮作動が可能とされる。
そして、この緩衝器にあっては、後述するバイパス路を無視すると、ピストン体2がシリンダ体1内を図中で上昇する場合を、たとえば、伸側作動時と仮定すると、一方の圧力室R1が減衰バルブ21を介して他方の圧力室R2に連通し、このとき、減衰バルブ21で所定の大きさの減衰作用が具現化される。
また、同じくこの緩衝器にあって、上記と逆に、ピストン体2がシリンダ体1内を図中で下降する場合を、圧側作動時と仮定すると、他方の圧力室R2が減衰バルブ22を介して一方の圧力室R1に連通し、このとき、減衰バルブ22で所定の大きさの減衰作用が具現化される。
つぎに、この緩衝器にあっては、上記の両方の圧力室R1,R2間における相互連通を許容するバイパス路(符示せず)、すなわち、図示するところでは、ピストン体2に配設の減衰バルブ21,22を迂回して両方の圧力室R1,R2をシリンダ体1の外で連通させるバイパス路を有してなる。
このとき、バイパス路は、いわゆる両端がシリンダ体1内の各圧力室R1,R2に対して、各圧力室R1,R2におけるいわゆる端で連通して、ピストン体2がシリンダ体1内を大きいストロークで摺動してシリンダ体1の端部に接近するストロークエンド近傍に至るときにも、シリンダ体1に開穿された開口が閉塞されずして各圧力室R1,R2のバイパス路への連通が妨げられない設定とされている。
ちなみに、このバイパス路におけるいわゆる中間部は、後述する制御手段たる制御バルブ5,6における入力軸51,61に形成の切り溝51c,61cの領域で連通する。
一方、バイパス路は、図示するところでは、シリンダ体1に一体的に連設されるバルブマウント4に、すなわち、図示するところでは、プレート部41および本体部42に形成され、このとき、本体部42が一対とされながらそれぞれ両方の圧力室R1,R2間の相反する方向の連通を許容するように並列配置とされる制御手段たる制御バルブ5,6と、このバイパス路における流体の流れ方向を制御するチェック手段たるチェックバルブ7,8とを有している。
このとき、バイパス路の本来的な機能を鑑みると、これがバルブマウント4に形成されるのはともかくとして、このバルブマウント4がシリンダ体1に保持されることは、この発明の緩衝器にあって、言わば好ましい。
すなわち、この発明の緩衝器にあって、バイパス路に配設される制御バルブ5,6は、後述する入力手段9を介してであるが、緩衝器の伸縮位置に依存して開閉作動することを要件にするから、少なくとも、この制御バルブ5,6を有するバルブマウント4にあっては、これがシリンダ体1の一部に擬制されて良く、したがって、この観点からして、バルブマウント4は、シリンダ体1に一体的に連設されてシリンダ体1に保持されるのが好ましい。
また、バルブマウント4についてだが、図示するところでは、プレート部41と本体部42とを有してなるが、その機能するところを勘案すると、プレート部41と本体部42とを区分しない一体に形成されてなるとしても良い。
そして、各制御バルブ5,6は、図示するところでは、ロッド体3のシリンダ体1に対する出没となる移動に追従する入力手段9からの入力によって開放作動して言わば一方の圧力室を他方の圧力室に連通させる。
すなわち、たとえば、制御バルブ5にあっては、シリンダ体1内に一方のロッド体31が没入するようになる言わば圧側作動時に入力手段9からの入力によって開放状態に切り換えられ、このとき、バイパス路がこの制御バルブ5を構成する入力軸51に形成の切り溝51cで連通されることで、他方の圧力室R2がこの開放された制御バルブ5を介して一方の圧力室R1に連通し、このとき、制御バルブ6は、チェックバルブ7の作動もあって、自らの状態において閉鎖状態に維持され、その限りにおいてバイパス路を遮断する。
そして、制御バルブ6にあっても、シリンダ体1内から一方のロッド体31が突出するようになる言わば伸側作動時に入力手段9からの入力によって開放状態に切り換えられ、このとき、バイパス路がこの制御バルブ6を構成する入力軸61に形成の切り溝61cで連通されることで、一方の圧力室R1がこの開放された制御バルブ6を介して他方の圧力室R2に連通し、このとき、制御バルブ5は、上記したところと同様に、チェックバルブ8の作動するところもあって、自らの状態において閉鎖状態に維持され、その限りにおいてバイパス路を遮断する。
なお、チェックバルブ7,8についてだが、上記したように、たとえば、一方のロッド体31がシリンダ体1内に没入する緩衝器の言わば収縮によって制御バルブ5が開放作動するときにシリンダ体1内の圧力室R2の流体が制御バルブ6に流入することをチェックバルブ7が阻止し、制御バルブ5がいわゆる戻るとき、すなわち、シリンダ体1内から一方のロッド体31が突出する伸長に反転することでシリンダ体1内の圧力室R1から流出される流体が未だ遮断状態になっていない制御バルブ5に流入するときにチェックバルブ8がこれを阻止して、制御バルブ5を所定の閉鎖状態に維持するように機能すると共に、緩衝器におけるピストン体2が有する減衰バルブ21のみが作動し、所定の大きさの減衰力が発生される。
そして、一方のロッド体31がシリンダ体1内から突出する緩衝器の言わば伸長によって制御バルブ6が開放作動するときにシリンダ体1内の圧力室R1の流体が制御バルブ5に流入するのをチェックバルブ8が阻止し、制御バルブ6がいわゆる戻るとき、すなわち、シリンダ体1内に一方のロッド体31が没入する収縮に反転することでシリンダ体1内の圧力室R2から流出される流体が未だ遮断状態になっていない制御バルブ6に流入するときにチェックバルブ7がこれを阻止して、制御バルブ6を所定の閉鎖状態に維持するように機能すると共に、緩衝器におけるピストン体2が有する減衰バルブ22のみが作動し、所定の大きさの減衰力が発生される。
以上のことからすると、この発明にあっては、制御バルブ5,6によってバイパス路を開閉することで、緩衝器で具現化される減衰作用の高低調整が可能とされるのはもちろんだが、チェックバルブ7,8の協働もあって、図4に示すような減衰力の変位特性が得られる。
ところで、制御バルブ5,6は、図示するところでは、入力軸51,61と、弁体52,62と、基軸53,63と、附勢バネ54,64とを有してなる。
すなわち、制御バルブ5,6にあって、まず、入力軸51,61は、対向する入力手段9からの推力たる外力を先端に入力させるもので、図示するところでは、前記したロッド体3と軸線方向を同じにしている。
そして、この入力軸51,61は、入力手段9に対向する先端部をバルブマウント4における本体部42から外部に突出させて大気中におき、図示するところでは、詳しくは後述する図2に示すところに譲るが、先端部における軸長が長短調整可能とされ、入力手段9に対するストローク量の調整を、すなわち、後述する不感帯ストロークL1,L2の長短調整を可能にする。
なお、図示するところにあって、入力軸51,61には、後述する弁体52,62の上流側部たるスプール部において変位に応じた流量制御を実現する油路としての切り溝51c,61cが一本または複数本形成されている。
つぎに、弁体52,62は、入力軸51,61の基端に直列されながら、すなわち、図示するところでは、一体に連設されながら入力軸51,61の後退によるその後退時にバイパス路を開放するもので、図示するところでは、ポペットからなり、したがって、この弁体52,62がスプールからなる場合に比較して、バイパス路における流体の漏れを効果的に阻止する。
そして、弁体52,62の上流側に切り溝51c,61cが形成されるから、この切り溝51c,61cを介しての流体の流れが利用されてストロークに応じた流量制御が可能になり、たとえば、前記した図4の特性図における符号Xで示す領域における波形をコントロールし得ることになる。
そして、基軸53,63は、弁体52,62に直列されながら、すなわち、図示するところでは、弁体52,62の後端に先端が一体に連設されながら軸径を入力軸51,61より大きくして後端が大気中におかれ、この基軸53,63の後端が大気中におかれる一方で入力軸51,61の先端が同じく大気中におかれるから、弁体52,62が後述する附勢バネ54,64のバネ力によってのみ前進状態に維持され、すなわち、バイパス路を閉鎖する状態に維持され、この緩衝器において、バイパス路が閉鎖状態にあるがままでのシリンダ体1内におけるピストン体2の摺動が許容される。
附勢バネ54,64は、図示するところではコイルスプリングからなるが、このとき、各附勢バネ54,64における附勢力は、極端に大小されない限りにおいて、いわゆる同一性が要求されない。
そして、この附勢バネ54,64にあっては、入力手段9からの推力が入力されるときに、収縮して基軸53,63の後退、すなわち、弁体52,62の後退を許容して、この弁体52,62を介してのバイパス路における流体の流れを許容する。
それゆえ、この弁体52,62をいわゆるバルブシート部に着座させてバイパス路を閉鎖状態に維持するについては、制御バルブ5,6が作動するときのフリクションに勝るバネ力を具有する附勢バネ54,64とされて良く、したがって、附勢バネ54,64についてはこれがコイルスプリングからなるとき、いわゆる軽微なコイルスプリングで足りる。
ところで、この発明にあって、制御バルブ5,6における弁体52,62を挟む入力軸51,61と基軸53,63との間におけるいわゆる軸径a,bを大小させるが、このことについて、図2に基づいて説明する。
ちなみに、制御バルブ5および制御バルブ6の構成は、基本的には同一であるので、この図2において制御バルブ6について説明することで、制御バルブ5についての説明を省略する。
すなわち、図2に示すように、制御バルブ6は、たとえば、前記したバルブマウント4(図1参照)における本体部42に嵌挿される状態に配設されるスリーブ43の軸芯部に収装された状態下に本体部42にプラグ44が螺着されることで定着される。
このとき、スリーブ43は、図中で左端側となる先端側の段差部43aが本体部42に対向するように形成された係止部42aに当接されていわゆる抜け止めされた状態に維持され、この状態下に、プラグ44の図中で左端部となる先端部が本体部42の図中で右側部となる開口端部に螺着され、所定位置に固定状態に定着される。
そして、この制御バルブ6にあって、本体部42には、前記したシリンダ体1(図1参照)内の言わば一方の圧力室R1に連通する連通孔42bと、言わば他方の圧力室R2に連通する連通孔42cが開穿されている。
また、この制御バルブ6にあって、スリーブ43には、本体部42に開穿の連通孔に、すなわち、一方の連通孔42bに対向するポート43bと、他方の連通孔42cに対向するポート43cとが開穿されている。
このとき、一方のポート43bは、弁体62の図中で左側となるいわゆる上流側に位置決められ、他方のポート43cは、弁体62の図中で右側となるいわゆる下流側に位置決められている。
それゆえ、この制御バルブ6にあっては、上記の言わば一方の圧力室R1からの流体が本体部42の連通孔42bおよびスリーブ43のポート43bを介して弁体62の上流側に流入し、弁体62が附勢バネ64の附勢力に抗して後退していわゆる流路を出現させるとき、流体がこの流路を介して弁体62の背後側に流入すると共に、スリーブ43のポート43cおよび本体部42の連通孔42cを介して上記の言わば他方の圧力室R2に流入する。
一方、この制御バルブ6にあっては、入力軸61がスリーブ43の図中で左側となる先端側の軸芯部を貫通しながら図中で左端部となる先端部をスリーブ43の外、すなわち、本体部42外に突出させる状態におかれる。
このとき、入力軸61は、先端部にいわゆるアジャスタ構造に形成されたストローク調整手段(符示せず)を有し、このストローク調整手段は、入力軸61の先端部に出没可能に螺入される有頭ボルト61aを有し、この有頭ボルト61の出没がこの有頭ボルト61に螺装のロックナット61bで固定される。
また、この制御バルブ6にあって、入力軸61は、図中で右端となる基端に弁体62を連設させるが、この弁体62に連設される基端から先端側に向けて徐々に深くなりながら後述するスリーブ43に開穿のポート43bに対向する一本または複数本の流路としての切り溝61cを有している。
ちなみに、この流路としての切り溝61cは、弁体62が後述するシート部43dに着座しているときに、スリーブ43の外に露呈しないのはもちろんである。
そして、この流路としての切り溝61cは、弁体62が後退するとき、直ちに弁体62の前側に連通するとし、弁体62の後退量が大きくなるに従い徐々にいわゆる溝における深い方を弁体62の前側に連通させてそこにおける流体の流量を徐々に多くする。
ところで、制御バルブ6を具体化する実際を鑑みると、後述する弁体62を上記した入力軸61と後述する基軸63との間に一体に形成するについては、図3に示すように、加工時の工具のいわゆる逃げ用の環状凹溝Aおよび環状凹溝Bが形成されるのが常態である。
そこで、この逃げ用の環状凹溝A,Bが形成されることを勘案すると、環状凹溝Bについてはともかく、環状凹溝Aの形成は、前記した油路としての切り溝61cの始点位置が図2に示すところと比較して、弁体62の先端から言わば離れた位置から開始する。
その結果、この図3に示すところによる場合には、入力手段9からの入力で入力軸61がバルブマウント4内に没入されるとき、すなわち、弁体62が図中で右行して後述するシート部43dから離脱するとき、バイパス路が開放された状態にならず、爾後に切り溝61cを介して流体が流れるときにバイパス路の開放が開始され、それまでが言わば不感帯を形成する。
それゆえ、この発明の制御バルブ6にあって、入力軸61に切り溝61cを形成するのにあって、原理的には、図2に示すように、切り溝61cが弁体62の先端に連続するように形成されても良く、また、加工の実際を勘案すれば、図3に示すように、離れて形成されても良い。
つぎに、この制御バルブ6にあって、弁体62は、図2中で左方向に向けて収斂される態様に形成され、入力軸61のスリーブ43内に位置決められる基端に前端が一体に連設され、いわゆる前進状態にあるときに、いわゆるテーパ部をスリーブ43のほぼ中央部に形成の段差部たるシート部43dに離脱可能に着座させるポペットからなる。
さらに、この制御バルブ6にあって、基軸63は、図2中で左端となる先端が弁体62の後面に一体に連設されながら軸径bを入力軸61の軸径aより大きくし、スリーブ43の図2中で右側となる後端側の軸芯部を挿通する。
そして、このとき、プラグ44の先端部の軸芯部に基軸63の図中で右端部となる後端部が貫通され、この基軸63のプラグ44との間、スリーブ43とバルブマウントにおける本体部42との間、および、プラグ44と本体部42との間には、符示しないが、それぞれシール部材が配設され、いわゆる流体の漏れが阻止される。
そしてまた、プラグ44の軸芯部には、コイルスプリングからなる附勢バネ64が収装され、この附勢バネ64は、軸芯部透孔(符示せず)を有しながらプラグ44の図中で右端部となる開口端部に螺着されるキャップ45で抜け止めされる。
このとき、附勢バネ64の図2中で左端となる先端は、プラグ44内に移動可能に収装されたバネ受64aに係止され、このバネ受64aの軸芯部には、基軸63の細径化された後端部が嵌挿される。
なお、附勢バネ64の図2中で右端となる基端は、同じくプラグ44内に収装されて軸芯部に透孔(符示せず)を有するバネ受64bに担持され、このバネ受64bは、上記のキャップ45との間にフィルタ45aを介在させながら両者の透孔を連通させる。
それゆえ、この制御バルブ6にあっては、前記したところであるが、弁体62たるポペットでバイパス路を閉鎖するから、スプールでバイパス路を閉鎖する場合に比較して、流体の漏れを危惧しなくて済み、したがって、たとえば、この緩衝器が制振ダンパとされて風による建築物の揺れを阻止するとき、これを確実に実現し得る。
一方、入力軸61を後退させてポペットからなる弁体62を後退させ言わばバイパス路を連通させるときには、切り溝61cに流体が流入し、したがって、入力軸61には流体力が作用して、この入力軸61が前進方向に押し戻される状況になる。
この入力軸61に作用する流体力は、入力軸61の作動性を阻害するのはもちろんのこと、入力手段9における入力軸61への押し込み力を大きくさせるので、この入力軸61に作用する流体力を解消することが肝要になる。
そして、この制御バルブ6にあっては、弁体62を挟む入力軸61と基軸63とが軸径a,bを大小する、すなわち、基軸63の軸径bを入力軸61の軸径aより大きくしながら入力軸61の先端部を大気中におくと共に基軸63の後端を大気中に置くことで、この軸径a,bの大小による面積差により、入力軸61における押し込み力に対向する力を小さくでき、弁体62が下流側の圧力によって摺動し易くなり、弁体62を後退させるために入力軸61に入力する外力を小さくできる。
このように、入力軸61の軸径aを基軸63の軸径bより小さくすることで、この入力軸61に流体圧が作用するとき、すなわち、入力軸61に形成の切り溝61cに流体圧が導入されるとき、この制御バルブ6が簡単に開放作動する。
そして、このことからすると附勢バネ64のバネ力は、制御バルブ6が作動するときのいわゆるフリクションに打ち勝つ程度で足りることを意味し、したがって、バネ力が大きくなることによる関連部品の高強度性などが要求されない点で有利となる。
そしてまた、附勢バネ64の附勢力を小さく設定できるから、後述する入力手段9における附勢バネ94の附勢力を小さくでき、したがって、入力手段9の構成を軽微にし、あるいは、コンパクトにし得る。
一方、入力手段9は、基本的には、前記したロッド体3の動きに同期するように形成され、図1に示すように、制御バルブ5,6に対応するように一対とされて、図示するところでは、図中で上方となる一方のロッド体31に連結される連結部材91と、軸線方向を油圧緩衝器におけるピストン体2の摺動方向に、すなわち、ロッド体3の軸線方向に沿わせながらバルブマウント4における本体部42に保持されるガイドロッド92とを有してなる。
そして、ガイドロッド92は、本体部42に可動的に、すなわち、出没可能に保持されながら上記の連結部材91に連結され、連結部材91は、図示する実施形態では、いわゆる内側にあるバルブマウント4を取り囲む態勢の横向き幅広角U字状の断面を呈するように折り曲げ形成され、また、いわゆる中間部に調整部91aを有し、後述する不感帯ストロークL1,L2、すなわち、入力手段9と制御バルブ5,6との間に出現する間隔の長短調整を可能にしている。
また、ガイドロッド92は、本体部42からロッド体3の軸線方向の外側に突出する両端部たる先端部に移動可能に介装されながらこの先端部からガイドロッド92の軸線方向に抜け出る移動が許容される、すなわち、後退が許容される入力部(符示せず)を有している。
そして、この入力部は、ガイドロッド92の先端部に移動可能に介装されて制御バルブ5,6に選択的に対向するプッシュ部材93と、このプッシュ部材93の背後側に配設されてこのプッシュ部材93を前進方向に附勢する附勢バネ94とを有している。
このとき、プッシュ部材93は、制御バルブ5,6における入力軸51,61の先端に対して間隔を有しながら対向し、この間隔を不感帯ストロークL1,L2にしている。
また、このプッシュ部材93は、ガイドロッド92に形成の段差部(符示せず)に担持され、附勢バネ94のバネ力によって段差部にいわゆる押し付けられている。
それゆえ、この入力手段9にあっては、たとえば、一方のロッド体31がシリンダ体1内に没入するときに、上記した不感帯ストロークL1以上にロッド体31がシリンダ体1内に没入するまでは、プッシュ部材93が制御バルブ5における入力軸51の先端に干渉せず、したがって、制御バルブ5は、これが開放作動しない。
そして、ロッド体31がシリンダ体1内に没入するストロークが上記の不感帯ストロークL1以上になると、プッシュ部材93が制御バルブ5における入力軸51の先端に当接し、この入力軸51をバルブマウント4における本体部42内に没入させ、したがって、制御バルブ5は、これが開放作動する。
そしてまた、上記の作動は、他方のロッド体32がシリンダ体1内に没入するときにも、入力手段9において言わば反対側のプッシュ部材93が制御バルブ6における入力軸61に対して同様に作動し、したがって、制御バルブ6も上記の制御バルブ5と同様の作動をする。
そして、附勢バネ94は、上記のプッシュ部材93とガイドロッド92に螺装のバネ受95との間に配設され、このバネ受95は、図示するところにあって、ガイドロッド92の螺条軸部92aでの螺装位置をこのガイドロッド92の軸線方向に移動可能にして、附勢バネ94の伸縮長さの長短調整を可能にし、附勢バネ94のイニシャル荷重の調整を可能にしている。
ところで、この入力手段9にあって、プッシュ部材93は、ガイドロッド92の段付き部に介装されるにあって、附勢バネ94に打ち勝つようにしてガイドロッド92の軸線方向の外側に抜け出る移動が許容されている。
すなわち、この入力手段9にあって、附勢バネ94のバネ力は、制御バルブ5,6における附勢バネ54,64のバネ力と、制御バルブ5,6の作動時における摩擦力および流体力との合力に勝るとしており、したがって、プッシュ部材93が言わば前進して制御バルブ5,6における入力軸51,61に当接されるときには、この入力軸51,61を附勢バネ54,64のバネ力と、制御バルブ5,6の作動時における摩擦力および流体力との合力に打ち勝って後退させる。
このとき、プッシュ部材93は、附勢バネ94によって附勢されているために、見掛け上では、ガイドロッド92と一体となって前進することになり、ロッド体3と同じ作動になる。
しかしながら、制御バルブ5,6において弁体52,62の後退が機械的に阻止される状態になると、あるいは、入力軸51,61がバルブマウント4における本体部42に完全に没入された状態になると、入力軸51,61の後退が停止されるので、以降のプッシュ部材93の変動たる言わば前進も阻止され、附勢バネ94が収縮される。
すなわち、入力手段9は、緩衝器におけるシリンダ体1内へのロッド体3の没入時に制御バルブ5,6を開放作動させてバイパス路を開放させると共にバイパス路を開放した制御バルブ5,6をさらに開放作動させる推力の入力を停止する。
そして、制御バルブ5,6における作動ストロークが停止された以降も引き続きプッシュ部材93が本体部42に押し付けられる状況になると、あたかもプッシュ部材93が附勢バネ94のバネ力に打ち勝って後退する状況が現出され、このとき、油圧緩衝器におけるロッド体3は、さらなる伸縮作動が可能とされる。
以上のように、この緩衝器にあっては、シリンダ体1に対してロッド体3が出没するいわゆる伸縮作動時にその伸縮量が上記した不感帯ストロークL1,L2を超えるとき、言わば対応する制御バルブ5,6が開放作動してバイパス路を連通状態に切り換える。
それゆえ、このことからすれば、この緩衝器にあって、上記の不感帯ストロークL1,L2を同一にするときには、緩衝器がいわゆる中立状態にある。
すなわち、緩衝器を任意の場所に設置するとき、その設置場所におけるいわゆる設置間隔が区々となり、したがって、緩衝器にあって、シリンダ体1内でピストン体2を完全な中央部に位置決めることが、すなわち、中立状態にすることが事実上困難であるとしても、上記の不感帯ストロークL1,L2を同一にする調整作業をすることで、シリンダ体1に対するピストン体2のいわゆる中立状態を現出することが可能になる。
そして、このとき、シリンダ体1内でピストン体2が完全な中立状態にないとしても、多くの場合に、そのズレは、いわゆる許容差よりは大きくなるがいたずらに大きくならないから、不感帯ストロークL1,L2を同一にする調整で、緩衝器が中立状態にあると擬制しても問題はないと言い得る。
以上からすれば、この発明にあっては、緩衝器を設置する際に、バルブ装置における中立状態を視認しながら確実に現出することが可能になり、従来凡そこの種の緩衝器を設置するのにあって、いわゆる中立状態の現出が容易でなく、したがって、緩衝器の設置に手間を要していたことに比較して、迅速な設置作業の実現が可能になる。
そして、この発明にあっては、制御バルブ5,6における附勢バネ54,64のバネ力を小さくできるから、すなわち、制御バルブ5,6において、基軸53,63における軸径bを入力軸51,61における軸径aより大きくするから、入力軸51,61たるいわゆるスプールの戻る方向たる前進方向の力、すなわち、入力手段9に対向する力を小さくできる。
このことから、この発明にあっては、附勢バネ54,64に対抗する入力手段9における附勢バネ94のバネ力を小さく設定でき、したがって、この入力手段9の構成を簡素化しあるいは軽微にし得ることになる。
ちなみに、入力手段9における附勢バネ94のバネ力は、制御バルブ5,6における附勢バネ54,64のバネ力より大きくなり、したがって、入力手段9による入力軸51,61への操作力の入力時に入力手段9における附勢バネ94が収縮しないのはもちろんである。
前記したところは、この発明によるバルブ装置を装備する緩衝器が建築物における制振ダンパとされる場合を例にしているが、この発明が意図するところからすれば、この緩衝器が建築物以外の、たとえば、鉄道車両や機器類の制振用として利用されても良い。
そして、前記したところでは、この発明が両ロッド型の緩衝器に具現化されるとしたが、この発明が意図するところからすれば、この発明が片ロッド型の緩衝器に具現化されても良く、さらには、凡そ気体以外のいわゆる収縮しないとされる流体を利用する緩衝器であれば、その具現化が可能になる。
また、前記したところでは、図1に示すように、制御バルブ5,6が図中での左右方向に緩衝器に並列する態勢に配設されて奥行き寸法を短くしているが、この発明が意図するところからすれば、図示しないが、並列する制御バルブ5,6が緩衝器に重ねられるように配設されて幅寸法を狭くしても良い。
さらに、前記したところでは、この発明によるバルブ装置を装備する緩衝器にあって、バルブマウント4がシリンダ体1に一体に保持されてなる場合を例にして説明したが、この発明にあっては、バルブマウント4がシリンダ体1と分離されていても、緩衝器における中立状態の実現が可能になる。
すなわち、緩衝器を所定の位置に設置するについて、先に、シリンダ体1を大まかに看て中立状態にあると言える状況で設置場所に設置し、爾後に、シリンダ体1から分離されているバルブマウント4を移動して、不感帯ストロークL1,L2を言わば左右で同一にすれば、この緩衝器における中立状態を実現し得る。
そして、バルブマウント4にあって、図示するところでは、プレート部41と本体部42とに分離形成されてなるとしたが、このバルブマウント4が機能するところからすると、プレート部41と本体部42とが一体に形成されてなるとしても良い。
そしてまた、この発明によるバルブ装置では、制御バルブ5,6の具体化にあって、これが一軸に形成されるのではなく、二軸に形成されるから、これがバルブマウント4に装備される場合や、あるいは、シリンダ体1内に装備される場合を考慮すると、バルブマウント4の小型化を妨げたり、あるいは、シリンダ体1内への装備性を不利にしたりする不具合の招来を回避できる。
もっとも、この発明が意図するところからすれば、図示しないが、制御バルブ5,6の具現化にあって、これがいわゆる一軸方向に直列配置されても良い。
さらに、制御バルブ5,6は、ポペットからなる弁体52,62を有することで、この制御バルブ5,6がいわゆるスプールのみを有する場合に比較して、バイパス路における流体の漏れを効果的に阻止するが、ポペットを有する限りには、スプールを併設させても良い。
さらには、上記の弁体52,62が機能するところを勘案すると、これがスプールからなるとしても良く、また、スプールからなるとき、これにポペットを直列させても良い。
この発明の一実施形態による緩衝器を原理的に示す図である。 図1における制御手段の一実施形態を示す断面図である。 図2に示す制御手段の他の実施形態を示す部分拡大図である。 ピストン体が有する減衰手段による減衰力の変位特性を示す図である。
符号の説明
1 シリンダ体
2 ピストン体
3 ロッド体
4 バルブマウント
5,6 制御手段たる制御バルブ
7,8 チェック手段たるチェックバルブ
9 入力手段
21,22 減衰手段たる減衰バルブ
31 一方のロッド体
32 他方のロッド体
51,61 入力軸
52,62 弁体
53,63 基軸
54,64 附勢バネ
R1,R2 圧力室

Claims (8)

  1. シリンダ体と、このシリンダ体内に摺動可能に収装されながらこのシリンダ体内に一対となる両方の圧力室を画成すると共にこの両方の圧力室の連通を許容する減衰手段を有するピストン体と、このピストン体に連結されながら上記圧力室の軸芯部を挿通して上記シリンダ体の閉塞端から先端を外部に突出させるロッド体と、上記両方の圧力室間における相互連通を許容するバイパス路と、このバイパス路中に配設されてこのバイパス路における開閉を可能にする制御手段と、この制御手段に間隔を有しながら対向して上記ロッド体の上記シリンダ体に対する没入動作に追従して上記制御手段を開放作動させる入力手段とを有してなる緩衝器において、
    上記減衰手段が一対とされながら上記両方の圧力室における相反する方向への連通を許容する並列配置とされると共に、
    上記制御手段が一対とされながら上記バイパス路における上記両方の圧力室間の相反する方向への連通を許容する並列配置とされ、
    上記制御手段が対向する上記入力手段からの推力を先端に入力させる入力軸と、この入力軸の基端に連設されながら後退時に上記バイパス路を開放する弁体と、この弁体に先端が連設されながら軸径を上記入力軸の軸径より大径にして後端を大気中におく基軸とを有し、この基軸の後端に隣設の附勢バネからの附勢力で上記弁体が前進方向に附勢されることを特徴とする緩衝器。
  2. 上記バイパス路が上記シリンダ体の外に配設されてこのシリンダ体に保持されるバルブマウントに形成されてなる請求項1に記載の緩衝器。
  3. 上記入力手段が上記制御手段に対向する入力部を有すると共に、この入力部と上記制御手段との間隔を広狭調整可能にしてなる請求項1または請求項2に記載の緩衝器。
  4. 上記入力手段に対向する上記入力軸における先端部の軸長が長短調整可能とされてなる請求項1,請求項2または請求項3に記載の緩衝器。
  5. 上記制御手段にこの制御手段が許容する上記両方の圧力室間における連通方向と逆方向となる連通を阻止するチェック手段が併設されてなる請求項1,請求項2,請求項3または請求項4に記載の緩衝器。
  6. 上記基軸の後端に隣設の上記附勢バネがこの基軸の後端部を先端部の軸芯部に貫通させるプラグ内に収装され、
    このプラグの開口端部に軸芯部に透孔を有するキャップが螺着され、
    上記附勢バネの先端が上記プラグ内に収装のバネ受に係止されると共に基端が上記プラグ内に収装のバネ受に担持される請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の緩衝器。
  7. 上記入力手段が上記入力軸に対向するプッシュ部材と、このプッシュ部材の背後側に配設されてこのプッシュ部材を前進方向に附勢する附勢バネと、この附勢バネを上記プッシュ部材との間に設けるバネ受とを備えている請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載の緩衝器。
  8. 上記入力軸が上記入力手段からの入力で上記制御手段の開放状態への切り換え時にこの入力軸を挟んでの上記バイパス路における上流側と下流側との連通を許容する切り溝を備える請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7に記載の緩衝器。
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