JP2005002536A - 壁紙とその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩ビ系壁紙に劣らない柔軟性、ボリューム感、高級感を備え、かつ施工性に優れ、長期間表面美粧性が損なわれることがない壁紙を提供する。
【解決手段】ポリオレフィンラミネート裏打紙層−嵩密度0.05〜0.3g/cmで撥水性のパルプ繊維不織布層−熱可塑性樹脂フィルムのマット化処理フィルム層よりなる積層構造を有し、各層間の接着がホットメルトによる接着である壁紙積層物の前記マット化処理フィルム層側に、該マット化処理フィルム層側からの加熱エンボス加工によって形成されている凹凸模様を有することを特徴とする壁紙。前記各層間をホットメルト、特に繊維状カーテン塗布方式で前記各層間に供給される繊維状ホットメルトによって接着することを特徴とする上記壁紙の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内装飾のために壁面や天井面に貼付して使用される美粧壁紙に関するものであり、特に、優れた加工性と施工性を備え、環境ホルモン物質を発生せず、かつ、耐候性を備えていて長期間にわたって美粧性が維持される壁紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
裏打紙に発泡性塩化ビニル樹脂ペーストを塗工し、その塗膜を加熱発泡させてエンボス模様を描出した発泡エンボス・塩化ビニル壁紙は、安価で、柔軟性、可撓性に富み、かつボリューム感があることに加えて、その塗膜は不透湿性であることから、施工時に塗布される施工糊の水分が壁紙を通して蒸発することが少なく、施工し易いものである等の利点があり、広く使用されている。
【0003】
しかし、塩化ビニル樹脂は、可塑剤を含有するために経時的に可塑剤がブリードして壁紙表面に汚れが生じることがあることや、火災時や廃棄物として焼却する際に塩化水素ガス等の有毒ガスや黒煙を発生する等の問題を有している。このような塩化ビニル樹脂に代えて、エチレン・酢酸ビニル共重合体を使用するもの(特許文献1)が提案されている。しかし、エチレン・酢酸ビニル共重合体の場合は、塩化ビニル壁紙程発泡倍率を上げられないためボリューム感に乏しく、また、プラスチックとの接触により変色等の問題を起こす場合がある。
【0004】
一方、エクストルーダーから押出される熱溶融樹脂層を介して裏打紙上に表面化粧紙を貼り合せて、該樹脂層により施工糊の乾燥を抑制し、施工時間を長く取れるようにした壁紙(特許文献2)も提案されているが、表面が紙層であるために表面に凹凸加工を施すことが難しく、発泡エンボス・塩化ビニル樹脂ペーストによるエンボスを形成した壁紙のような高級感をもつものが得にくいという難点がある。
【0005】
また、裏打紙に熱溶融性樹脂ラミネート層を介してパルプ繊維不織布を貼り合せ、該不織布層に熱可塑性樹脂表面保護フィルム層を貼り合せたパルプ繊維壁紙であり、該表面保護フィルム層に加熱押圧エンボスによる凹凸が形成されているパルプ繊維壁紙も提案されている(特許文献3)。
この壁紙は、優れた加工性や施工性を備え、燃焼時に有毒ガスを発生せず、パルプ繊維不織布の嵩高性によってボリューム感のある優れた壁紙である。
【0006】
しかし、この壁紙は、加熱押圧エンボス加工される前の壁紙積層物の製造段階におけるパルプ繊維不織布層と裏打紙層との接着が熱溶融性樹脂ラミネート層を介しての加熱押圧接着であり、また、パルプ繊維不織布と表面保護フィルム層間の接着もエマルジョン系接着剤を介しての押圧接着であるために、層間接着工程での加圧及び水分の侵入によるパルプ繊維不織布層の嵩の低下が起こることは避けされない。このような不織布層の嵩の低下がおこることは、その後の加熱エンボス加工によって凹凸模様を形成した場合に、ボリューム感、高級感を付与することができる、柔軟で厚みのある凸部を有する凹凸模様を形成するためには不利である。
【0007】
【特許文献1】
特開昭58−4879号公報
【特許文献2】
実公昭61−20076号公報
【特許文献3】
特開平10−204783号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、可塑剤やハロゲンを含有しない非塩ビ系の壁紙であって、塩ビ系壁紙に劣らない柔軟性、可撓性とボリューム感、高級感を備え、かつ施工性にも優れていて長期にわたって表面美粧性が損なわれることがない壁紙を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することができる本発明は、不織布の嵩高性を損なうことなく製造されている壁紙原紙に、加熱エンボス加工によって凹凸模様を形成した壁紙に関するものであり、以下の各発明を包含する。
【0010】
(1)ポリオレフィンラミネート裏打紙層−嵩密度0.05〜0.3g/cmで撥水性のパルプ繊維不織布層−熱可塑性樹脂フィルムのマット化処理フィルム層よりなる積層構造を有し、各層間の接着がホットメルトによる接着である壁紙積層物の前記マット化処理フィルム層側に、該マット化処理フィルム層側からの加熱エンボス加工によって形成されている凹凸模様を有することを特徴とする壁紙。
【0011】
(2)前記壁紙積層物における嵩密度0.05〜0.3g/cmで撥水性のパルプ繊維不織布層は、撥水性基を有するか又は撥水剤を含有し、かつホルムアルデヒド発生源となる架橋剤を含まないアクリル系バインダーを使用してパルプ繊維より形成されている、厚さ500μm〜2000μmのエアレード不織布からなる層であることを特徴とする(1)項記載の不織布層を有する壁紙。
【0012】
(3)前記熱可塑性樹脂フィルムのマット化処理フィルム層は、裏面にコロナ放電処理を施して耐候性印刷層を形成している、目付の上限値が30g/mの未延伸のポリエチレン製又はポリプロピレン製のフィルムよりなることを特徴とする(1)項又は(2)項に記載の不織布層を有する壁紙。
【0013】
(4)前記熱可塑性樹脂フィルムのマット化処理フィルム層は、熱可塑性樹脂に酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、タルク等の顔料を添加した樹脂を使用してフィルム層を形成するか、又は、1種の熱可塑性樹脂に該樹脂と相溶性のない樹脂を添加してフィルム層を形成するか、又は、熱可塑性樹脂フィルムの製造時にエンボス等の物理的加圧手段によって表面に凹凸を形成するか、又はその他の粗面化処理によってフィルム層に光散乱性が付与されているフィルムよりなることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の壁紙。
【0014】
(5)前記ホットメルトによる接着は、繊維状カーテン塗布方式で前記各層間に供給される繊維状ホットメルトによる接着であることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の壁紙。
【0015】
(6)前記ポリオレフィンラミネート裏打紙層は、裏打紙の前記不織布側の面にエクストルーダーよりポリオレフィンを溶融押出しラミネートしてなるポリオレフィンラミネート裏打紙よりなることを特徴とする(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載の壁紙。
【0016】
(7)前記加熱エンボス加工は、ポリオレフィンラミネート裏打紙層−不織布層−熱可塑性樹脂フィルム層からなる積層体構造を形成した後、熱可塑性樹脂フィルム層側から加熱エンボス加工を施すことによって高低差の大きな深みのある凹凸模様を形成するものであることを特徴とする(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載の壁紙。
【0017】
(8)前記ポリオレフィンラミネート裏打紙層は、裏打紙面に酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等の顔料を添加したポリオレフィンをエクストルーダーより溶融押出しラミネートして形成されている隠蔽性ポリオレフィンラミネート層を有することを特徴とする(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載の不織布層を有する壁紙。
【0018】
(9)ポリオレフィンラミネート裏打紙−嵩密度0.05〜0.3g/cmで撥水性のパルプ繊維不織布−熱可塑性樹脂フィルムのマット化処理フィルム層を順次ホットメルトにより接着して積層物を製造する工程、次いで、得られる積層物に前記マット化処理フィルム側より加熱エンボス加工を施すことにより凹凸模様を形成する工程を含むことを特徴とする低嵩密度不織布層を凸部内に有する壁紙の製造方法。
【0019】
(10)前記熱可塑性樹脂フィルムのマット化処理フィルム層は、熱可塑性樹脂に酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、タルク等の顔料を添加した樹脂を使用してフィルム層を形成するか、又は、1種の熱可塑性樹脂に該樹脂と相溶性のない樹脂を添加してフィルム層を形成するか、又は、熱可塑性樹脂フィルムの製造時にエンボス等の物理的加圧手段によって表面に凹凸を形成するか、又はその他の粗面化処理によってフィルム層に光散乱性が付与されているフィルムよりなることを特徴とする(9)項記載の壁紙の製造方法。
【0020】
(11)前記ホットメルトによる各層間の接着は、繊維状カーテン塗布方式で前記各層間に供給される繊維状ホットメルトによる接着であることを特徴とする、(9)項又は(10)項に記載の壁紙の製造方法。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の壁紙は、嵩高の不織布層の一面に熱可塑性樹脂フィルム層をホットメルトにより積層接着、不織布層の他面には、裏打紙からなる紙基材の一面に溶着性ポリオレフィン樹脂の押出しラミネート層を有するポリオレフィンラミネート裏打紙層を、該押出しラミネート層を内側(不織布層側)にしてホットメルトにより積層接着した後、熱可塑性樹脂フィルム層側から加熱エンボス加工が施されている積層構造を有している。
【0022】
本発明の壁紙に使用される不織布としては、柔軟性、可撓性に富み、かつ非吸湿性で嵩高なものであれば特に制限はなく、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、湿式不織布、エアレード不織布等が使用可能であるが、製造工程で不織布全体を撥水処理することが容易であることと嵩高性に優れているものを製造することができることから、エアレード不織布が好ましく、特にパルプ繊維を主体とする繊維を積層した層に撥水性接着剤液を噴霧して製造されているエアレード不織布が好ましい。撥水性接着剤としては、ホルムアルデヒド発生源となる架橋剤を含まず、それ自体が撥水性基を含有するアクリル系接着剤又は撥水剤を含有するアクリル系接着剤が使用される。
【0023】
エアレード不織布、特にパルプ繊維を主体とする繊維から形成されているエアレード不織布は、壁紙に所望のボリューム感を付与するために用いられるものであることから、通常、0.05〜0.3g/cm程度の嵩密度で、厚みが300〜2500μm、好ましくは500〜2000μmで、坪量30〜120g/m、好ましくは40〜80g/m程度のものが使用される。エアレード不織布は、撥水性アクリル系接着剤の噴霧によって繊維表面が撥水処理されるため、繊維が親水性のパルプ繊維であっても液体難浸透性層となっている。
【0024】
嵩高の不織布の壁紙表面側には、熱可塑性樹脂フィルム、好ましくは未延伸ポリエチレン製又は未延伸ポリプロピレン製のフィルムが両層間に溶融状態で供給される繊維状ホットメルト接着剤によって積層されている。ホットメルトによる接着には強い加圧は不要であるため、不織布の嵩高性を損なうことなく両層を接着することができるため、その後の加熱エンボス加工によって不織布層全体の厚みが減少した場合でも、形成される凸部における不織布層の嵩密度を充分に低い状態に維持することができ、高低差の大きなボリューム感がある凹凸模様によって美粧性及び高級感に優れた面を形成することができる。
【0025】
前記熱可塑性樹脂フィルムは、マット化処理によって表面を非光沢面とされている。また、エンボス適性の付与と燃焼時の総発熱量を低くするために、目付は30g/m以下であることが望ましい。熱可塑性樹脂フィルムは、エンボス加工により表面に凹凸模様を形成することが容易であることから、未延伸のフィルムであることが好ましい。
【0026】
前記熱可塑性樹脂フィルムは、美粧性、高級感を付与することができる添加剤、たとえば、顔料等を含有することもできる。また、長期耐候性を付与する観点より、フィルム中に光安定剤を添加することもできる。
前記熱可塑性樹脂フィルムの裏面側には、コロナ放電処理等によって印刷適性を付与した後、さらに高級感、美粧性を向上せしめるために耐候性、耐湿性印刷インキによる模様印刷を施すことができる。
【0027】
本発明の壁紙におけるポリオレフィンラミネート裏打紙は、壁面の施工下地面を隠蔽する機能を有する紙基材(裏打紙)面に、壁紙を壁面に貼着するための粘着剤層のオープンタイムを長くすることができるバリア層となるポリオレフィン樹脂フィルムをラミネートした積層構造を有している。
ラミネート裏打紙用の紙基材(裏打紙)としては、壁面施工下地に対する隠蔽性と施工糊の塗着性を考慮して、目付50〜100g/mの紙基材が好適である。また、壁紙を難燃化するために、紙基材に難燃剤を添加することができる。
【0028】
ラミネート裏打紙は、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂等の各種の樹脂によるラミネート裏打紙とすることも考えられるが、不織布含有壁紙の燃焼時の発煙量の少なく、溶融押出し適性に優れ、ラミネートによる接着性もよい溶着性ポリオレフイン樹脂による溶融押出ラミネート裏打紙であることが好ましい。なお、隠蔽性は酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等の顔料をラミネート層に添加することによっても付与することが可能である。溶融押出しラミネート層を形成するための溶着性ポリオレフィン樹脂としてはポリエチレン樹脂が好ましい。
該隠蔽性ラミネート層として、上記のような隠蔽性が付与されているポリオレフィンフィルムを接着剤により裏打紙にラミネートしたものを使用することも可能である。
【0029】
隠蔽性ラミネート裏打紙のポリオレフィンラミネート層の厚みは、通常5〜30μmであり、5μm未満ではピンホールができ易く、施工時に施工糊の水分が不織布側へ移行することを抑制する不透湿防水層としての機能が低下する恐れがあり、また、30μmを超えると、不織布含有壁紙全体が硬くなって壁面下地の起伏に合わせた施工がし難くなる。また、糊の水分が抜けにくくなり、膨れが生じることがあるし、さらに、燃焼時の発熱量が大きくなる問題も発生する。
【0030】
本発明の壁紙は、全体の厚さに特に制限はなく、通常の壁紙に要求される、0.3〜1.5mmの範囲、好ましくは0.5〜1.0mmの範囲であり、0.3mm未満では壁紙に高級感を付与するために嵩高性の不織布を使用することのメリットがなくなり、深みのある凹凸を形成することも難しくなるので好ましくない。また、1.5mmを超える厚さとなると、壁紙全体が硬くなって壁面下地の起伏に合わせた施工がし難くなる。
【0031】
本発明の壁紙において、不織布と熱可塑性樹脂フィルム層及び隠蔽性のポリオレフィンラミネート裏打紙層との間を接着するために使用されるホットメルトとしては、たとえば、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、EVA系、ポリアミド系、ゴム系等の通常のホットメルトが使用できる。なお、長期美粧性の維持するために耐光性に優れるものが好ましい。ホットメルトは、不織布と裏打紙又は熱可塑性樹脂フィルム層との間に溶融状態で供給されるものであれば、そのホットメルト層の形状に特に制限はなく、フィルム状、線状、網状等の形状で供給されるものであってよいが、少量で接着面積を充分に確保できるとともに、壁紙全体のボリューム感が損なわれることがないことから、溶融ホットメルトを繊維状カーテン塗布方式によって層間に繊維状に供給して接着されていることが望ましい。
【0032】
層間に溶融ホットメルトが供給された積層体は、弱加圧状態のロール間に通されて層間接着が行われるが、この際の弱加圧条件は、嵩高の不織布層を圧縮してその嵩高性を損なうことがない状態で接着が行われるような加圧条件であり、通常、プレス時のクリアランスとして、積層物のトータルの厚みに対して−0.1〜−0.3mmの範囲で選択される。
【0033】
【作用】
本発明の不織布を含有する壁紙は、嵩高の不織布層の両面への隠蔽性のポリオレフィンラミネート裏打紙層及び熱可塑性樹脂フィルム層の接着が、溶融状態で層間に供給されるホットメルトによって行なわれるものであるために、積層接着の際に緩やかな押圧力で接着することが可能であり、嵩高な不織布層の嵩高性が損なわれることがなく維持されている壁紙積層物を製造することができる。
【0034】
また、上記のような嵩高な不織布層のクッション性によって、積層体の表面側の熱可塑性樹脂フィルム表面層から熱エンボス加工することによって充分な高低差を有する深みのある凹凸模様を形成することが可能となり、柔軟性、可撓性でボリューム感があり、高級感に優れた表面を有する壁紙が提供される。
【0035】
また、熱可塑性樹脂フィルム層の表面がポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム層であってぬれ性が低いために防汚性であり、また、不織布層と裏打紙層の間に介在している溶着性樹脂ラミネート層が不透湿性、防水性のバリア層であるので、施工時に施工糊が不織布層に浸み込むことがなく、さらに、その水分が表側から蒸発し難いために、施工糊塗布後のオープンタイムを充分に長くとることができて施工し易いという特性を備えている。
【0036】
また、ポリオレフイン系樹脂を使用しているために、廃棄焼却時に発煙量が少なく、有毒ガスの発生がないという利点を有する。
さらに、不織布層が撥水性であるため、施工貼り合せ時にジョイント部で糊の水分の影響を受けず、壁面に結露等による水分付着があっても壁紙端部から層間に水分が浸透することがなく、耐久性にも優れている。
【0037】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明の不織布を含有する壁紙の構成とその奏する効果について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0038】
実施例1
繊維長0.05〜5mmのパルプ繊維(NBKP:王子製紙株式会社製)をパルプマットフォーマーより散布して目付45g/mの層状マットを形成し、アクリル系接着剤(商品名「QET1003」日本ゼオン株式会社製)29.8質量部と撥水剤(商品名「アサヒガード」旭硝子株式会社製)0.2質量部とから成るバインダー水溶液をスプレーして目付75g/m、嵩密度0.075g/cm、厚さ1.0mmのパルプ繊維製のエアレード不織布を作製した。
【0039】
別に、Tダイの押し出し冷却時に180線の金属ロールにより冷却加圧で表面をマット化しているポリエチレン樹脂フィルム(「WS―21N」福助工業製、マット化前の厚さ21μm、マット化後の厚さ38μm、目付19.5g/m)の裏面にコロナ放電処理をした後、グラビア印刷を施して表面層用のフィルムを作製した。
【0040】
また、別に、低密度ポリエチレン樹脂(商品名「ミラソン」三井石油化学製)100質量部に顔料として酸化チタン及び酸化アルミニウムを含有するマスターバッチ(「PEX3004WHITE」東京インキ製)18質量部を添加した樹脂を、目付65g/cmで厚み110μmの裏打紙(商品名「NN―65KO」紀州製紙製)に10μm厚さに溶融押出しラミネートして厚み120μmの隠蔽性ポリオレフィンラミネート層用のラミネート紙を作製した。
【0041】
前記エアレード不織布の一面に前記表面層用のフィルムを、また、反対面には前記隠蔽性ポリオレフィンラミネート裏打紙を、それぞれ、ホットメルトの繊維状カーテン塗布装置(サンツール社製)により、ポリオレフィン系ホットメルト接着剤(商品名「MP7856」日本エヌエスシー製)の塗布量7g/mで積層し、隠蔽性ポリエチレンラミネート裏打紙層/パルプ繊維不織布層(嵩密度0.09g/cm)/ポリエチレンフィルム表面層からなる積層構造で、全体の厚さが1.0mmの壁紙積層物を作製した。
次いで、得られた壁紙原紙のポリエチレンフィルム表面層側から、熱エンボス装置によるエンボス加工により、高低差500μm(凸部の厚み750μm)の傾斜の緩やかな凹凸模様を形成して、パルプ繊維不織布含有壁紙を製造した。
【0042】
実施例2
ポリエチレン樹脂100質量部に酸化チタンを1質量部を添加した樹脂を使用し、Tダイの押し出し冷却時に180線の金属ロールにより冷却加圧で表面をマット化しているポリエチレン樹脂フィルム(「WS―21F」福助工業製、マット化前の厚さ21μm、マット化後の厚さ38μm、目付19.6g/m)の裏面にコロナ放電処理をした後、グラビア印刷を施して表面層用のフィルムを作製したものを表面層用のフィルムとして使用する以外は、実施例1と同様にしてパルプ繊維不織布含有壁紙を製造した。
【0043】
比較例1
実施例1における、ホットメルト接着剤に代えて、エチレン−酢酸ビニルエマルジョン接着剤(商品名「ポリゾールEVA.AD−68」昭和高分子製)を塗布量20g/mで使用して圧着する以外は、実施例1と同様にしてパルプ繊維不織布含有壁紙を製造した。
【0044】
比較例2
実施例1における、裏打ち紙側のホットメルト接着剤に代えて、エクストルーダーで押し出した低密度ポリエチレン樹脂(商品名「ペトロトン」東ソー製、厚さ30μm)を、裏打紙層とパルプ繊維不織布層の間に溶融押し出して両層を圧着ラミネートする以外は、実施例1と同様にしてパルプ繊維不織布含有壁紙を製造した。
【0045】
施工試験
上記実施例1及び2のパルプ繊維壁紙を、澱粉系施工糊を使用して壁面に施工したが、それらは在来の塩化ビニル壁紙と同様の柔軟、可擁性を有し、在来の紙壁紙に見られた折り癖が残るようなこともなく、施工時塗布する施工糊中の水分が、その塗布した裏面同士を重ね合わせて放置している間に散逸することもなく、オープンタイムを24時間以上とることができ、塩化ビニル壁紙と同等の施工性が認められた。又、それらのパルプ繊維壁紙の燃焼試験において、燃焼時の発煙、発熱量が少なく、塩化ビニル壁紙に見られる有害なハロゲンガスの発生も認められなかった。
また、壁紙原紙における不織布層の嵩密度の低下の少なく、加熱エンボス加工によって形成された凹凸模様は深みがあり、かつ凸部の感触も柔軟であり、高級感のある壁紙が形成された。
【0046】
これに対して、比較例1のパルプ繊維壁紙は、特に、壁紙原紙の不織布層にエマルジョン接着剤が浸透し、圧着によって不織布層の嵩密度が0.32g/cmに低下した状態で固定化され、全体の厚みも0.4mmに減少した。この厚みの減少によって、壁紙原紙の表面層への熱エンボスによる凹凸の深さが制限され、ボリューム感が失われた結果、全体として高級感が低下した壁紙が得られた。
【0047】
また、比較例2のパルプ繊維壁紙は、圧着によって壁紙原紙の不織布層が圧縮され、その嵩密度が0.20g/cmに低下し、全体の厚みも0.5mmに減少した。さらに、厚みの低下によって表面層への熱エンボスによる凹凸の深さが制限され、ボリューム感が失われた結果、全体として高級感が低下した壁紙となった。
【0048】
【発明の効果】
本発明の不織布含有壁紙は、嵩高の不織布層の両面に、ポリオレフィンラミネート裏打紙層と熱可塑性樹脂フィルム層とを、それぞれホットメルトによって接着して積層体を形成している構造であるために、壁紙原紙を製造するための積層接着の際に高い押圧力が不要であり、不織布層の嵩高性が損なわれることがなく、不織布層のクッション性によって、壁紙原紙の表面側の熱可塑性樹脂フィルムに熱エンボス加工によって充分な高低差を有する緩やかな凹凸模様を形成することが可能となり、柔軟でボリューム感があり、高級感のある表面を有する壁紙を構成することができる。
【0049】
さらに、裏打紙層の溶着性樹脂ラミネート層が難透湿性、防水性層であるので施工糊が不織布層に惨み込まず、また、その水分が表側から蒸発し難いために、施工糊の塗布後のオープンタイムを充分に長くとることができる。
また、不織布層が撥水性であるため、端部からの水分の浸透がなく、耐久性に優れている。

Claims (6)

  1. ポリオレフィンラミネート裏打紙層−嵩密度0.05〜0.3g/cmで撥水性のパルプ繊維不織布層−熱可塑性樹脂フィルムのマット化処理フィルム層よりなる積層構造を有し、各層間の接着がホットメルトによる接着である壁紙積層物の前記マット化処理フィルム層側に、該マット化処理フィルム層側からの加熱エンボス加工によって形成されている凹凸模様を有することを特徴とする壁紙。
  2. 前記壁紙積層物における嵩密度0.05〜0.3g/cmで撥水性のパルプ繊維不織布層は、撥水性基を有するか又は撥水剤を含有し、かつホルムアルデヒド発生源となる架橋剤を含まないアクリル系バインダーを使用してパルプ繊維より形成されている、厚さ500μm〜2000μmのエアレード不織布からなる層であることを特徴とする請求項1記載の不織布層を有する壁紙。
  3. 前記熱可塑性樹脂フィルムのマット化処理フィルム層は、裏面にコロナ放電処理を施して耐候性印刷層を形成している、目付の上限値が30g/mの未延伸のポリエチレン製又はポリプロピレン製のフィルムよりなることを特徴とする請求項1又は2に記載の不織布層を有する壁紙。
  4. 前記ホットメルトによる接着は、繊維状カーテン塗布方式で前記各層間に供給されるホットメルトによる接着であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の不織布層を有する壁紙。
  5. 前記ポリオレフィンラミネート裏打紙層は、裏打紙の前記不織布側の面にエクストルーダーよりポリオレフィンを溶融押出しラミネートして形成されているポリオレフィンラミネート裏打紙よりなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の不織布層を有する壁紙。
  6. ポリオレフィンラミネート裏打紙−嵩密度0.05〜0.3g/cmで撥水性のパルプ繊維不織布−熱可塑性樹脂フィルムのマット化処理フィルム層を順次ホットメルトにより接着して積層物を製造する工程、次いで、得られる積層物に前記マット化処理フィルム側より加熱エンボス加工を施すことにより凹凸模様を形成する工程を含むことを特徴とする低嵩密度不織布層を凸部内に有する壁紙の製造方法。
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