JP5505403B2 - 接着壁紙及び壁紙用接着剤組成物 - Google Patents

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本発明は、壁紙用接着剤組成物に関する。
壁紙などの建築内装材は、室内の居住空間としての快適性を高めるために、優れた意匠性が求められている。一般に建築内装に用いられる壁紙としては、紙基材上に塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂、印刷やエンボス加工などによる装飾を施した紙などを積層したものが挙げられる。また、意匠に立体感を持たせたものとして、近年では環境への配慮から、発泡させたポリオレフィン樹脂を用いた発泡壁紙(非塩ビ系樹脂壁紙)が用いられている(特許文献1及び2)。そして、これらの壁紙の接着には、でん粉糊が用いられ、壁紙の施工は、壁紙の壁面との接着面、あるいは石膏ボードなどの壁面にでん粉糊を塗布して、壁紙を壁面に貼着して行われている。
本来、壁紙の張替えにおいて、壁紙は壁紙と壁面との間、すなわち接着剤の層間で剥離するように剥がせることが望ましい。これは、壁紙の張替え施工において、古い壁紙が壁面に所々に残ったところに新たな壁紙を施工すると、その表面が凸凹を呈し外観仕上がりが極めて悪くなること、あるいは、防火の観点からも、壁紙の基材を壁面から完全に剥離できるにこしたことはないからである。しかし、これらの壁紙は、壁紙が容易に剥がせない、あるいは剥離界面が著しくばらついてしまうため、これを完全に剥離しようとすると、剥離剤などによる剥離が必要となったり、石膏ボードなどの壁面を損傷したりと、多大な手間と費用がかかってしまうという問題があった。そして、従来使用されてきたでん粉糊は、その凝集する性質に起因して、特にこの問題が顕著となっていた。さらに、でん粉糊は一般的に粘度が低く、該でん粉糊の塗工時などに「たれ」が生じ、これに起因する壁紙の浮きや接着力不足が問題となっており、安定した施工の点で十分満足いくものではなかった。
特開2007−70789号公報 特開2007−55229号公報
本発明は、このような状況の下で、施工する際に、優れた接着力を有し、安定した施工かつ容易な貼りなおしを可能とする接着壁紙、壁紙用接着剤組成物及び壁紙の施工方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、壁紙において特定のヒドロキシアルキルセルロースを有する接着剤組成物を用いて壁面接着層を形成することにより、前記課題を解決しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1.ヒドロキシプロピルセルロース、及び溶媒を含み、全樹脂固形分中のヒドロキシプロピルセルロースの含有量が50質量%以上である壁紙用接着剤組成物。
2.壁紙又は壁面に上記1に記載の壁紙用接着剤組成物を塗布し、該壁紙を該壁面にはりつける壁紙の施工方法。

本発明によれば、壁紙を施工する際に、優れた接着力を有し、安定した施工が可能となり、かつ容易に貼りなおしができる壁紙用接着剤組成物、これを用いて壁面接着層を形成した接着壁紙、及び壁紙の施工方法を提供することができる。
本発明の接着壁紙の断面を示す模式図である。 本発明の接着壁紙の断面を示す模式図である。 本発明の接着壁紙の断面を示す模式図である。
本発明の接着壁紙は、少なくとも基材と壁面接着剤とを有し、該基材のJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 A法により測定した値が20以上であり、該壁面接着層が基材の一方の面に、ヒドロキシプロピルセルロースを含む本発明の壁紙用接着剤組成物により形成されてなるものである。まず、本発明の壁紙用接着剤組成物から説明する。
[壁紙用接着剤組成物]
《ヒドロキシプロピルセルロース》
本発明の壁紙用接着剤組成物は、ヒドロキシプロピルセルロースを含むものである。ヒドロキシプロピルセルロースは、セルロースの構成単位であるグルコース単位の水酸基をヒドロキシプロピル基でエーテル化したセルロースのヒドロキシプロピルエーテル、言い換えると、セルロースの構成単位であるグルコース単位の水酸基をヒドロキシプロポキシ基で置換して得られるものである。
本発明で用いられるヒドロキシプロピルセルロースは、接着剤組成物の良好な塗工性を確保する目的で、その重量平均分子量が20万以上であることが好ましく、30万以上がより好ましく、50万以上がさらに好ましい。ここで、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
また、本発明で用いられるヒドロキシプロピルセルロースは、ヒドロキシプロピキシル基の置換量が50〜80質量%であることが好ましく、60〜75質量%がより好ましい。置換量が上記範囲内であれば、優れた接着力を得ることができる。ここで、上記置換量は、日本薬局方に準拠した定量法により得た値である。
《ヒドロキシプロピルメチルセルロース》
本発明の壁紙用接着剤組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むことができる。本発明の接着剤組成物において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いた場合、優れた接着力を維持しつつ、接着剤組成物を安価にすることができるので好ましい。また、接着剤組成物の塗布量を調節する、例えば塗布量を40〜60g/m2程度とすることで、緩やかな接着力が得られるので、接着力を調整する場合などには、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いることが好ましい。
本発明で用いられるヒドロキシプロピルメチルセルロースの重量平均分子量は、20万以上が好ましく、25万以上がより好ましい。ヒドロキシプロピルメチルセルロースの重量平均分子量が上記範囲内にあると、接着剤組成物の塗工性が良好となるので好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
また、本発明で用いられるヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ヒドロキシプロピキシル基の置換量が1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%がより好ましい。置換量が上記範囲内であれば、優れた接着力を得ることができる。ここで、上記置換量は、日本薬局方に準拠した定量法により得た値である。
本発明において、一種のヒドロキシプロピルセルロースを用いてもよいし、重量平均分子量が互いに異なる二種以上のヒドロキシプロピルセルロースを用いてもよく、ヒドロキシプロピキシル基の置換量が異なる二種以上のヒドロキシプロピルセルロースを用いてもよい。また、本発明において、一種のヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いてもよいし、重量平均分子量が互いに異なる二種以上のヒドロキシプロピルセルロースを用いてもよい。
《その他の樹脂成分》
さらに、本発明の壁紙用接着剤組成物は、壁紙と壁面との剥離に支障がない範囲内で、その他の樹脂成分を含んでいてもよい。その他の樹脂成分としては、でん粉糊やエチレン−酢酸ビニル系接着剤、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン系共重合体樹脂、アイオノマー系樹脂、オレフィン−αオレフィン系共重合体樹脂などが好ましく挙げられる。
《樹脂成分の配合》
本発明の壁紙用接着剤組成物は、樹脂成分として上記したヒドロキシプロピルセルロースを必須成分とし、必要に応じてヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びその他の樹脂成分を含む。
本発明においては、これらの樹脂成分の合計を全樹脂固形分としたときの、該全樹脂固形分中のヒドロキシプロピルセルロースの含有量が、50質量%以上であることが好ましく、75質量%以上がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。全樹脂固形分中のヒドロキシプロピルセルロースの含有量が上記範囲内であれば、優れた接着力を有し、かつ塗布量が変動しても安定した接着力が得られる。また、同様の理由から、ヒドロキシプロピルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロースとの合計に対するヒドロキシプロピルセルロースの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、75質量%以上がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。
《溶媒》
本発明の壁紙用接着剤組成物は、塗工性を確保する目的で、好ましくは溶媒を含む。溶媒としては、水のほか、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、イソペンタン、メチルペンタンなどの脂肪族炭化水素、およびベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。なかでも、環境への配慮、作業性、経済性などの観点から、水が好ましい。
本発明の壁紙用接着剤組成物中の溶媒の含有量は、該接着剤組成物の塗工性と壁紙の施工性とを考慮して適宜選択して調整すればよいが、通常上記した全樹脂固形分の含有量が1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%となるような範囲である。
また、この塗工性と壁紙の施工性とを考慮すると、本発明の壁紙用接着剤組成物の粘度は、10000〜50000m・Pa・sの範囲であることが好ましく、25000〜48000m・Pa・sの範囲であることがより好ましい。粘度が上記範囲内であれば、接着剤組成物を壁面に塗工する際に、容易に塗工しやすいので塗工性が向上し、該組成物がたれることがなく壁紙の塗工性も向上する。ここで、接着剤組成物の粘度は、B型粘度計で測定した値である。
《その他の成分》
本発明の壁紙用接着剤組成物は、その塗工性や接着力を阻害しない範囲内において、顔料、防腐剤、粘度調整剤などを含むことができる。
顔料としては、例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラックなどの無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローA、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、アニリンブラックなどの有機顔料(染料も含む)、アルミニウム、真鍮などの金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが好ましく挙げられる。
防腐剤としては、ピリジン系、イミダゾール系、ベンズイミダゾール系、トリアジン系、トリアゾール系、チアゾール系、ベンズチアゾール系、イソチアゾリン系などの含窒素複素環化合物のほか、第4級アンモニウム塩類、フェノール類、アルコール類、カルボン酸又はその塩・エステル類などの有機系防腐剤や、重金属イオンを含有する無機物(銀イオン含有物など)やその塩類などの無機系防腐剤、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、ピリジン系、イソチアゾリン系、及びこれらの混合物がより好ましい。
接着剤組成物中の防腐剤の含有量は、防腐剤の添加効果を十分に得つつ、接着力などを低減させない観点から、通常0.1〜3質量%程度であり、0.1〜1質量%が好ましい。
粘度調整剤としては、例えば、アルミナ、シリカ、アエロジル、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、ベントナイト、硫酸バリウムなどの無機充填剤や、アクリル、ウレタン、ナイロン、ポリプロピレン、尿素系樹脂などからなる有機充填剤、スチレン架橋フィラー、ベンゾグアナミン架橋フィラーなどが挙げられる。
このようにして得られた接着剤組成物は、壁紙を施工する際に、優れた接着力を有し、かつ塗工量のむらによる接着力の差が小さく、安定した施工を可能とする。また、容易に貼りなおしができ、特に壁紙と壁の下地とが完全に貼りついていない段階の現場作業時における貼りなおしの点で優れたものである。
[接着壁紙]
本発明の接着壁紙は、少なくとも基材と壁面接着剤とを有し、該基材のJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 A法により測定した値が20以上であり、該壁面接着層が基材の一方の面に本発明の接着剤組成物により形成されてなることを特徴とする。本発明の接着壁紙の構成は、上記した基材と壁面接着層とを有していれば特に制限はなく、例えば、該基材の壁面接着層を設けた面とは反対側の面に、塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂、印刷やエンボス加工などによる装飾を施した紙、あるいは意匠に立体感を持たせたものとして、近年では環境への配慮から、発泡させたポリオレフィン樹脂などを積層したものが挙げられる。なかでも、意匠性の観点からは、発泡させたポリオレフィン樹脂を積層したものが好ましい。
本発明の接着壁紙の好ましい態様の一例について、図1〜3を用いて説明する。図1〜3は本発明の好ましい層構成を有する接着壁紙1の一例の断面を示す模式図である。図1に示す例では、本発明の接着壁紙1は、基材2上に、樹脂層3(図1の場合は、発泡樹脂層32からなり、図2の場合は、接着樹脂層31、発泡樹脂層32、及び非発泡樹脂層33からなる)が順次積層され、基材2の裏面に壁面接着層4が積層されたものである。また、図3の場合は、基材2上に、樹脂層3(接着樹脂層31、発泡樹脂層32、及び非発泡樹脂層33からなる)、絵柄層5、接着剤層6、フィルム層7及び表面保護層8が順次積層され、基材2の裏面に壁面接着層4が積層されたものである。
《基材2》
本発明で用いられる基材2は、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 A法(以下、ワックスピッキング法という。)により測定した値が20以上であることを要する。また、壁紙施工時の貼りなおしを容易にする観点から、基材2のワックスピッキング法により測定した値は、23以上が好ましく、25以上がより好ましい。
このような基材としては、例えば、アクリルアミド樹脂などの合成樹脂を添加し、混抄させて紙間強度を強化した薄葉紙などの紙間強化紙(樹脂含浸紙)や、不織布などが好ましく挙げられ、不織布がより好ましい。
不織布としては、例えば湿式不織布、乾式不織布などがある。湿式不織布としては、例えば抄紙式が挙げられ、乾式不織布としては、例えば接着剤式、機械結合式(ニードルパンチ、ステッチボンド)、スパンボンド式などが挙げられる。より具体的には、不織布として、レーヨン紙、パルプを混抄したもの、和紙、ガラス不織布、石綿不織布、ポリエステル不織布などを用いることができる。これらのなかでも、湿式不織布が好ましく、特にパルプを混妙した不織布が好ましい。これらの基材を採用することで、壁紙施工時の貼りなおしが容易となる。
また、本発明に用いられる基材が不織布の場合は、該基材に含まれる有機質分のうちの50%以上がパルプであることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。また、上限としては、90%以下が好ましく、85%以下がより好ましい。基材中のパルプの含有量が上記範囲内であると、後述する発泡樹脂層の発泡処理を十分に行うことができ、200℃以上での加熱発泡加工が安定して行えるので、好ましい。
これらの材料は、それぞれ単独で使用してもよいが、紙同士の複合体など、任意の組み合わせによる積層体であってもよく、必要に応じて難燃剤、無機質剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤などを適宜添加してもよい。
基材2の厚さは、特に制限はないが、秤量が50〜300g/m2程度、好ましくは55〜160g/m2の範囲である。特に、壁紙施工時の下地の凹凸を拾う、いわゆる不陸が目立たなくするには、60〜160g/m2の範囲が好ましい。このような基材としては、市販品として入手可能であり、例えばアールストローム社製の「8241(品番)」、「8242(品番)」といった市販品が挙げられる。
[壁面接着層4]
壁面接着層4は、本発明の壁紙に接着性を付与し、壁紙の施工を容易にするための層であり、本発明の壁紙用接着剤組成物により形成されるものである。壁面接着層4のJIS A6901に規定される石膏ボード(GB−R)に準拠した、石膏ボードに対する剥離強度(接着力)は、1〜7N/25mmであることが好ましく、1.5〜7N/25mmがより好ましく、3〜6N/25mmがさらに好ましい。接着力が上記範囲内にあれば、壁紙施工時の貼りなおしが容易となるので好ましく、基材の紙間強度(ワックスピッキング法により測定した値)との組み合わせにより、特にこの効果を得ることができる。また、本発明における接着力は、接着壁紙を貼り付けて48時間後に、上記方法により測定した接着力のことである。
壁面接着層4は、接着剤組成物の塗布量として30〜250g/m2(wet)で形成されることが好ましく、より好ましくは100〜250g/m2(wet)、さらに好ましくは100〜150g/m2(wet)である。接着剤組成物の塗布量が上記範囲内であると、優れた接着力及び施工安定性を得ることができ、かつ容易に貼りなおすことができる。また、経済的にも優位である。
《発泡樹脂層32》
本発明の接着壁紙は、意匠性を向上させる目的で、発泡樹脂層32を好ましく有する。発泡樹脂層32は、発泡剤を含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂組成物を発泡させて得られることが好ましい。また、当該発泡樹脂組成物は、電子線、紫外線やγ線などの活性エネルギー線の照射によって、架橋されているものでもよい。
本発明において、発泡樹脂層32が架橋しているとは、発泡樹脂層32のゲル分率が0.5〜60%、好ましくは0.5〜30%、より好ましくは1〜10%の状態にあることをいう。発泡樹脂層32が架橋していることにより、後述する発泡処理の際に連続気孔が少なく独立微小気孔が多い発泡層を形成することができる。ここで、このゲル分率は、発泡樹脂層32に用いられる後述する熱可塑性樹脂を溶剤の還流下におき、未溶解分の重量を測定し、還流下におく前の熱可塑性樹脂の重量との割合を算出した値である。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの熱可塑性樹脂単体及び共重合体、これらの混合樹脂を挙げることができる。
環境保護の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好ましく、なかでもエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(EMMA)、あるいはエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂の少なくとも1種を用いることが好ましい。また、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂のうち、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)が好ましい。
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(EMMA)、あるいはエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂(EMAA)を用いる場合には、優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性などを得る観点から、該共重合体樹脂における(メタ)アクリル酸の含有量は4〜20質量%程度であることが好ましい。
(発泡剤)
発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機発泡剤、ニトロソ化合物、アゾ化合物、アジド化合物などが挙げられる。低コストであるとともに、分解熱が小さく、難燃性かつ自己消化性に優れ、水に安定であり、無毒であり、熱分解型化学発泡剤が分解温度以下での加工処理が可能であることから、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミドなどのアゾ化合物の熱分解型発泡剤が好適である。
発泡剤の添加量としては、発泡樹脂層32を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.5〜15質量部が好ましい。なお必要に応じて、一層の発泡効果を挙げるために発泡剤の分解を促進する発泡助剤を併用することができる。その発泡助剤としては使用する発泡剤の種類により異なるが、例えば発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いる場合には発泡助剤として酸化亜鉛、硫酸鉛、尿素、ステアリン酸亜鉛などが用いられる。
(無機充填剤)
発泡樹脂層32の形成に用いられる発泡樹脂組成物は、接着壁紙に目透き抑制効果や表面特性の向上効果、あるいは難燃性を付与する目的で、無機充填剤を含むことができる。本発明の接着壁紙に用いられる無機充填剤としては、特に制限はなく、様々なものを用いることができる。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カオリン、クレー、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、タルク、ケイ酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、燐酸マグネシウム、ガラスフレーク、磁性粉、セメント、ガラス粉末、珪藻土、水和石膏などが挙げられる。なかでも、分解温度が低く、吸熱量が大きく、低コストであることから水酸化アルミニウムが好適である。なお、これら無機充填剤は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
これら無機充填剤の多くは、本発明の接着壁紙に難燃性を付与する効果を有し、かつ、多量に配合された場合にはその効果は一層増大する。無機添加剤の使用量は、目透き抑制効果や表面特性の向上効果を得る目的からは、発泡樹脂層32を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましく、また、接着壁紙の難燃性を十分得る目的からは、発泡樹脂層32を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、100質量部以上であることが好ましい。
本発明において用いる無機充填剤の平均粒径は、5〜25μmが好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。
これらの無機充填剤はそのまま使用してもよいが、無機充填剤をあらかじめシラン系、チタネート系、アルミネート系、ジルコアルミニウム系などのカップリング剤、りん酸系、脂肪酸系などの界面活性剤、油脂、ワックス、ステアリン酸、シランカップリング剤などにより処理してもよい。
(各種添加剤など)
発泡樹脂層32を構成する発泡樹脂組成物は、必要に応じて、セル調整剤、顔料を含むことができる。また、発泡樹脂層32を構成する発泡樹脂組成物は、要求される物性に応じて、各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば滑剤、防カビ剤、防虫剤、防腐剤、抗菌剤、希釈剤、消臭剤、光安定剤、可塑剤などが挙げられる。
(形成方法)
発泡樹脂層32の形成は、上記のような樹脂などを含む発泡樹脂組成物を、例えばエマルジョン化してエマルジョン組成物としたもの、又はペレット化したものを、コンマコーター法や、Tダイによる押出製膜法、カレンダー製膜法、接着剤を用いるドライラミネートによる方法などの公知の方法によって形成することができる。
〈架橋処理〉
発泡樹脂組成物は、発泡樹脂層を強固とし、施工時の貼りなおしを容易にする目的で、電子線、紫外線やγ線などの活性エネルギー線、より好ましくは電子線の照射による架橋処理を行うことができる。発泡樹脂組成物を架橋処理する場合、発泡樹脂組成物には架橋剤を必要に応じて含有させることができる。
〈発泡処理〉
発泡樹脂層32は、公知の発泡処理の方法により発泡させることができ、例えば発泡加熱炉を用いて、180〜240℃程度の温度条件で発泡させることができる。発泡処理は、発泡樹脂層32として発泡樹脂組成物を製膜した後であれば特に制限なく行うことができるが、通常上記の架橋処理を行った後に行う。
発泡樹脂層の形成にあたっての、発泡倍率は、特に制限されないが、2〜15倍の範囲が好ましく、3〜10倍がより好ましい。発泡倍率が上記範囲内であれば、壁紙を施工する際に、下地をひろわず容易な施工ができ、下地の継ぎ目をひろわずヘアークラックが入りにくくできるとともに、良好な強度や加工性などを得ることができる。
また、発泡樹脂層32の厚みは、特に制限されず、所望の特性などに応じて適宜設定することができるが、製膜状態において50〜300μmが好ましく、発泡後の厚みは350〜1200μmが好ましい。
《接着樹脂層31及び非発泡樹脂層33》
接着樹脂層31は、発泡樹脂層32と基材2との接着力を向上させる目的で、必要に応じて設けられる層であり、非発泡樹脂層33は、後述する絵柄層5に用いられるインキ組成物が発泡樹脂層32を経由して基材2中に浸透することを抑制する目的で、必要に応じて設けられる層である。これらの層は、各々樹脂及び各種添加剤などを含む接着樹脂組成物及び非発泡樹脂組成物により形成されるものであり、同じ組成物により形成されてもよいし、異なる組成物により形成されてもよい。
(樹脂)
接着樹脂層31及び非発泡樹脂層32を構成する樹脂としては、特に制限はないが、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂単体及び各種共重合体樹脂を挙げることができ、なかでもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
EVA及びEMAAは特に限定されず、公知又は市販のものを使用することができる。特に、EVAは、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜30質量%であるものが好ましく、15〜30質量%であるものがより好ましい。また、EMAAは、メタクリル酸成分(MAA成分)が10〜30質量%であるものが好ましく、15〜30質量%であるものがより好ましい。これらの成分が上記範囲内にあれば、壁紙のカールを抑えることができ、発泡樹脂層32を十分に架橋できるので好ましい。
(各種添加剤)
接着樹脂層31及び非発泡樹脂層32は、各種添加剤を必要に応じて含有することができる。例えば、無機充填剤を入れて増量効果を付与、難燃剤を入れて難燃性を付与、あるいは、ジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム、オレフィンエラストマーなど各種ゴム類を添加して、樹脂に柔軟性、耐衝撃性、易接着性を付与することができる。また、顔料を添加して透明着色又は不透明着色を施すこともできる。
(接着樹脂層31及び非発泡樹脂層33の形成)
接着樹脂層31及び非発泡樹脂層33は、上記のような樹脂などを含む、各々接着樹脂組成物及び非発泡樹脂組成物を、例えばエマルジョン化してエマルジョン組成物としたもの、又はペレット化したものを、コンマコーター法や、Tダイによる押出製膜法、カレンダー製膜法、接着剤を用いるドライラミネートによる方法などの公知の方法によって形成することができる。
接着樹脂層31の厚みは、十分な接着効果と耐熱性とを得る観点から、3〜20μmが好ましく、より好ましくは3〜15μmである。非発泡樹脂層33の厚みは、優れた表面特性を得て、エンボス加工による壁紙の凹凸追従性を確保する目的より、5〜20μmが好ましく、より好ましくは7〜12μmである。
非発泡樹脂層33は、上記の樹脂からなる透明又は不透明な市販のフィルムを使用することもできる。市販されるフィルムとしては、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ウレタン系又はアクリル系コート剤でコートしたポリオレフィン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂フィルムなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。なかでも、耐汚染性、耐擦傷性、耐薬品性などの性能に優れ、エンボス加工において優れた凹凸追従性を示す、すなわち縦方向の引張伸度が十分大きく、電離放射線により崩壊することなく、製造コストが安く、また燃焼時の煙濃度が少ないエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂フィルムが好ましい。
非発泡樹脂層33に市販のフィルムを用いる場合、その厚みは、5〜25μmであることが好ましく、12〜20μmがより好ましい。フィルムの厚みが上記範囲内であれば、該フィルムの製造上の制約をうけることなく、また、優れた表面特性を得ることができ、エンボス加工による壁紙の凹凸追従性を確保することができる。
《絵柄層5》
絵柄層5は、基材2に装飾性を与えるために好ましく設けられる層であり、種々の模様を、インキ組成物と印刷機とを使用して印刷することにより形成される。一般的にはグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷など、周知の印刷方法によりインキにて形成することができる。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)などの岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様などがあり、これらを複合した寄木、パッチワークなどの模様もある。
《フィルム層7》
フィルム層7は、絵柄層5の上面に接着剤層6を介して、必要に応じて積層される層であり、本発明の接着壁紙に、耐汚染性、耐セロファンテープ性、耐擦傷性、耐薬品性などの表面特性を付与するために設けられるものである。
本発明のフィルム層7に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂単体及び各種共重合体樹脂を挙げることができ、生産効率性の観点から、上記樹脂からなる透明又は半透明な市販のフィルムを好ましく使用することができる。
上記の市販されるフィルムとしては、フッ素系樹脂フィルムのほか、非発泡樹脂層33に使用しうるオレフィン系樹脂フィルムなどが挙げられ、なかでも、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムが好ましい。
本発明のフィルム層7に用いるフィルムの厚みは、10〜25μmであることが好ましい。フィルムの厚みが上記範囲内であれば、該フィルムの製造上の制約をうけることなく、またエンボス加工による壁紙の凹凸追従性を確保することができる。
《表面保護層8》
表面保護層8は、本発明の接着壁紙の最表面に積層することで、接着壁紙の耐汚染性、耐セロファンテープ性、耐擦傷性、耐薬品性などの表面特性を向上させるものである。この表面保護層8は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、あるいは電離放射線硬化性樹脂などを含む樹脂組成物により形成される。
表面保護層8に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂、硬化性アクリル樹脂などが挙げられる。
また、表面保護層8に用いられる電離放射線硬化型樹脂としては、紫外線や電子線などの電離放射線で硬化する(メタ)アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコールなどの多官能化合物の(メタ)アルリレートなどの重合性オリゴマー又はプレポリマーなどが好ましく挙げられる。
(シリコーン(メタ)アクリレート)
表面保護層8に電離放射線硬化性樹脂が用いられる場合は、壁紙の耐汚染性などの表面物性を向上させる目的で、シリコーン(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。シリコーン(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものが使用でき、有機基が(メタ)アクリル基であれば特に限定されず、該有機基を1〜6つ有する変性シリコーンオイルを好ましく用いることができる。
上記シリコーン(メタ)アクリレートの含有量は、耐汚染性の向上とその使用効果を十分に得る観点から、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して0.5〜4質量部が好ましく、1.0超〜2.5質量部がより好ましく、1.5〜2.5質量部がさらに好ましい。また、シリコーン(メタ)アクリレートの官能基当量(分子量/官能基数)としては、例えば100〜20000、好ましくは100〜10000の条件を有するものが挙げられる。
(その他の添加剤)
表面保護層8を形成する樹脂組成物には、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤などの硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤などをさらに添加して使用することができる。
表面保護層8は、上記したような樹脂組成物を公知の方法により架橋硬化などをさせて成膜し、形成される。形成された表面保護層8には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能などを付与することもできる。
《接着剤層6》
フィルム層7と非発泡樹脂層33との接着性が低い場合、例えばフィルム層7にエチレンービニルアルコール共重合体樹脂フィルムを用いた場合には、必要に応じて両層間に接着剤層6を設けることが好ましい。接着剤層6に用いられる接着剤としては、本発明の製造工程より、一般に常温では固体であり、加熱により溶融又は軟化して接着性を発現し、冷却すると固化して強固に接着する性質を有する熱可塑性樹脂を主要成分とする感熱接着剤が好ましい。熱可塑性樹脂としては、具体的には、(メタ)アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル系、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などの易接着樹脂単体及び共重合体、あるいは、これらの混合樹脂、ならびにオレフィン樹脂や発泡樹脂組成物の主成分となる熱可塑性樹脂、フィルム層7の主成分となる熱可塑性樹脂とのブレンド品が挙げられる。
また、接着剤層を設ける以外に、層間接着力を向上させるために、所望により、フィルム層7の片面または両面にコロナ放電処理などの酸化法やサンドブラスト法などの凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
《プライマー層8》
本発明の接着壁紙は、表面保護層8に用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物と、フィルム層7との密着性を向上させる目的で、これらの層の間に必要に応じてプライマー層8を設けることができる。該プライマー層8で好ましく用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ウレタン−アクリル系樹脂などの、フィルム層7で用いられる樹脂と電離放射線硬化性樹脂組成物との密着に良好な樹脂を用いることができる。また、層間接着力の強化を目的として、発泡樹脂層32と非発泡樹脂層33との層間、及び非発泡樹脂層33とフィルム層7との層間にプライマー層8を設けることもできる。
《凹凸模様》
本発明の接着壁紙には、優れた意匠性を付与するために、エンボス加工による凹凸模様が好ましく施される。凹凸模様の形成には、周知の枚葉、もしくは輪転式のエンボス機が用いられ、凹凸模様の形状としては、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などがある。
《接着壁紙の製造方法》
本発明の接着壁紙は、例えば以下の製造方法によって製造されるが、これによって制限されるものではない。
熱可塑性樹脂のフィルムからなるフィルム層7の一方の面にプライマー層8を構成する樹脂、電離放射線硬化性樹脂組成物を順に塗工し、他方の面に必要に応じて接着剤、プライマー層を構成する樹脂を塗工し、さらに所定の電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化させて表面保護シートを得る。一方、基材2上に、接着樹脂層31を構成する樹脂を含有する接着樹脂組成物と、発泡剤、無機充填剤、その他添加剤を必要に応じて含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂組成物32とを同時にTダイによる押出製膜法により製膜して得られた接着樹脂層31と発泡樹脂層32とを積層し(必要に応じて接着樹脂層31、発泡樹脂層32、非発泡樹脂層33の順で積層し)、絵柄層5を構成するインキ組成物をグラビア印刷により塗工した後、電子線などを照射して接着樹脂層31、発泡樹脂層32、及び非発泡樹脂層33を架橋硬化させて、さらに加熱発泡炉を用いて250℃程度で前記発泡樹脂組成物を発泡させて発泡樹脂層32を形成して基材シートを得る。次いで、該基材シートを冷却した後、150℃程度まで再加熱してから、前記表面保護層シートの最外層側よりエンボス版が形成された冷却ロール(表面保護シート側)と加圧ロール間を通すことで両シートを熱圧着し、かつ凹凸模様を形成した後、冷却することで、表面保護層8の最外層側から接着樹脂層31にかけて凹凸模様を形成した壁紙を得る。得られた壁紙の、発泡樹脂層32を設けたのとは反対側の面に、本発明の壁紙用接着剤組成物を塗布して、本発明の接着壁紙を得ることができる。なお、前記のように、プライマー層及び接着剤層は必要に応じて、さらに所望の層間に設けることができる。
このようにして得られた接着壁紙は、壁紙を施工する際に、優れた接着力を有し、安定した施工が可能となり、かつ容易に貼りなおしができ、特に壁紙と壁の下地とが完全に貼りついたようなリフォーム時における貼りなおしの点で優れたものである。
[壁紙の施工方法]
本発明の壁紙の施工方法は、壁紙又は壁面に、本発明の接着剤組成物を塗布し、該壁紙を該壁面にはりつけることを特徴とする。
本発明の壁紙の施工方法において、壁紙の種類は特に限定されず、いずれの壁紙であっても優れた接着力、施工安定性及び貼りなおし容易性を得ることができる。なかでも、本発明の壁紙の施工方法は、これらの効果を得る点で、基材としてJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 A法により測定した値が20以上である基材を有する壁紙の施工に好適に採用される。
壁紙用接着剤組成物の塗布は、壁紙、壁面のいずれに行ってもよく、バーコート法などの公知の方法により行うことができる。また、その塗布量は、30〜250g/m2(wet)が好ましく、より好ましくは100〜250g/m2(wet)、さらに好ましくは100〜150g/m2(wet)である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
接着組成物及び接着壁紙について、以下の方法で評価した。
(1)壁紙用接着組成物の評価
(1)−1,接着力の測定
各調整例で得られた接着剤組成物及びでん粉系接着剤(「ルーアマイルド(商品名):ヤヨイ化学工業株式会社製」)を60g/m2(wet)、120g/m2(wet)、200g/m2(wet)の塗布量で壁面にローラーで塗工した、JIS A6901に規定される石膏ボード(GB−R)に準拠した石膏ボード(吉野石膏(株)製、商品名:不燃タイガーボード)と製造例1及び2で得られた壁紙1及び壁紙2とを貼り合わせて、すぐにテンシロン引張試験機を用いてJIS Z 0237:2000に準拠して測定した値(N/25mm)を接着力とした。この剥離は、5cm/分、及び50cm/分の剥離速度で行った。測定結果を第1表に示す。
(1)−2,貼りなおし容易性(作業時)の評価
各調整例で得られた接着剤組成物及びでん粉系接着剤(「ルーアマイルド(商品名):ヤヨイ化学工業株式会社製)を120g/m2(wet)の塗布量で壁面にローラーで塗工して、製造例1及び2で得られた壁紙1及び壁紙2と石膏ボード(吉野石膏(株)製、商品名:不燃タイガーボード)とを貼り付けた。その後、すぐに上隅より静かに壁紙を引き剥がした。引き剥がした後の壁面の様子を下記の基準で評価した。評価結果を第1表に示す。
○ :壁紙の表面は、全く損傷がなかった
△ :壁紙の表面は、若干の剥離がみられたものの、実用上問題ない
× :壁紙の表面は、著しい剥離がみられた。
(2)接着壁紙の評価(接着力及び貼りなおし容易性(リフォーム時)の評価)
各実施例及び比較例で得られた接着壁紙を、JIS A6901に規定される石膏ボード(GB−R)に準拠した石膏ボード(吉野石膏(株)製、商品名:不燃タイガーボード)に貼り合わせて、48時間後にテンシロン引張試験機を用いてJIS Z 0237:2000に準拠して測定した値(N/25mm)を接着力とした。この剥離は、5cm/分、及び50cm/分の剥離速度で行った。測定結果を第2表に示す。
また、上記と同様に接着壁紙と石膏ボードとを貼り合わせて、48時間後に上隅より静かに壁紙を引き剥がした。引き剥がした後の壁面の様子を下記の基準で評価し、貼りなおし容易性(リフォーム時)の評価とした。評価結果を第2表に示す。
○ :壁紙の表面は、全く損傷がなかった
△ :壁紙の表面は、若干の剥離がみられたものの、実用上問題ない
× :壁紙の表面は、著しい剥離がみられた。
(3)施工安定性の評価(仕上がりの評価)
各調整例で得られた接着剤組成物及びでん粉系接着剤(「ルーアマイルド(商品名):ヤヨイ化学工業株式会社製」)を、120g/m2(wet)の塗工量で壁面にローラーで塗工した石膏ボード(吉野石膏(株)製、商品名:不燃タイガーボード)の下地に、製造例1及び2で得られた壁紙1及び2を貼り付けて、壁紙の様子を下記の基準で評価した。評価結果を第1表に示す。
○ :壁紙は浮きなどが生じることなく、壁面にきれいに施工された
△ :接着力不足による壁紙の浮きや接着剤のたれが若干みられたものの、実用上問題ない
× :接着力不足による壁紙の浮きや接着剤のたれが著しく、剥離も生じた
製造例1(壁紙1の製造)
基材として、秤量75g/m2の不織布(アールストローム社製、「8241(品番)」,ワックスピッキング:26)を用いる。下記組成の接着樹脂組成物、発泡樹脂組成物、及び非発泡樹脂組成物を、Tダイによる押出し機を用いて同時に製膜し、各々10μm、100μm、15μmの厚さとなるように接着樹脂層、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を形成し、接着樹脂層の面に基材を積層した。このときの押出し条件は、接着樹脂層はシリンダー温度100℃とし、発泡樹脂層はシリンダー温度120℃とし、非発泡樹脂層はシリンダー温度160℃とし、いずれもダイス温度は120℃とした。その上にアクリル系樹脂をバインダーとし、カーボンブラックと弁柄を着色剤とするインキを用いて、塗工量3g/m2のグラビア印刷にて施して絵柄層を形成した。
上記とは別に、フィルム層としてあらかじめ接着剤が塗工されたエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂((株)クラレ製、エバールフィルムHF−ME(厚み:12μm)、エチレン含有量44mol%)を準備し、これを表面保護シートとした。
上記の絵柄層を施し、接着脂組成物、発泡樹脂組成物及び非接着樹脂層を積層した基材を、加熱発泡炉を用いて230℃、30秒で発泡樹脂組成物を発泡倍率5倍となるように発泡させて発泡樹脂層を形成させた基材を得た後、上記で得られた表面保護シートと同時にエンボス型が形成された冷却ロールと加圧ロールの間を通し、エンボス賦型をしながら熱圧着させることにより、表面に凹凸模様を有する壁紙を得た。
[接着樹脂組成物及び非発泡樹脂組成物組成]
エチレン−酢酸ビニル系共重合体(住友化学株式会社製、商品名:スミテートCV5053):100質量部
[発泡樹脂組成物組成]
エチレン−酢酸ビニル系共重合体(住友化学株式会社製、商品名:スミテートCV5053):100質量部
発泡剤(永和化成製、商品名:ADCA#3):4質量部
炭酸カルシウム(白石工業製、商品名:ホワイトンH):30質量部
二酸化チタン(顔料)(デュポン製、商品名:タイピュアR−108):20質量部
光安定剤(商品名:OF−101):1質量部
製造例2(壁紙2の製造)
製造例1において、基材として、秤量65g/m2の裏打紙(興人株式会社製、「WK−ANRD(品番)」,ワックスピッキング:12)を用いた以外は、製造例1と同様にして、壁紙2を製造した。
調製例1〜3
水を溶媒とし、ヒドロキシプロピルセルロース(重量平均分子量:60万,ヒドロキシプロピキシル基置換量:67〜73%)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(重量平均分子量:30万,ヒドロキシプロピキシル基置換量:4〜12%)、及び防腐剤(ピリジン・イソチアゾリン混合系防腐剤,「サンアイゾール920D(品番)」:三愛石油株式会社製)を、第1表に示される配合組成で含む壁紙用接着剤組成物を調製し、壁紙用接着剤組成物1〜3を得た。
実施例1〜4及び比較例1
調製例1〜3で得られた壁紙用接着剤組成物1〜3について、上記の評価を行った。評価は第1表に示す。
Figure 0005505403
本発明の壁紙用接着剤組成物を用いた実施例1〜4においては、接着力、貼りなおし容易性(作業時)及び塗工安定性(仕上がり)の点で優れた性能が示された。一方、でん粉系の接着剤組成物を用いた比較例1の場合、接着力は実施例1〜4のものと同等であり、貼りなおし容易性(作業時)の評価は良いものの、接着剤組成物が塗工中にたれてしまい、それに伴う壁紙の浮きが著しく、塗工安定性(仕上がり)の評価の点で十分な性能が示されなかった。
実施例5〜7ならびに比較例2及び3
製造例1及び2で得られた壁紙1及び2に、調製例1〜3で得られた壁紙用接着剤組成物1〜3を、塗布量が60、120及び200g/m2(wet)となるようにバーコート法で塗布して、接着壁紙を得た。得られた接着壁紙について、上記の評価を行った。評価を第2表に示す。
Figure 0005505403
本発明の接着壁紙を用いた実施例5〜7においては、接着力、貼りなおし容易性(リフォーム時)及び塗工安定性(仕上がり)の点で優れた性能が示された。一方、ワックスピッキング12の裏打紙による壁紙を用いた比較例2においては、塗工安定性(仕上がり)の点では優れていたものの、接着剤組成物の塗工から48時間後に壁紙の剥離を行ったところ、当該裏打紙における層間剥離を生じ、貼りなおし容易性(リフォーム時)の点で十分ではなかった。また、でん粉系の接着剤組成物を用いた比較例3においては、接着剤組成物の塗工から48時間後に壁紙の剥離を行ったところ、石膏ボードが損傷し、容易に貼りなおしをできる壁紙ではなかった。さらに、でん粉系の接着剤組成物はを用いた比較例3においては、接着剤組成物が塗工中にたれてしまい、それに伴う壁紙の浮きが著しく、塗工安定性(仕上がり)の評価の点でも十分な性能が示されなかった。
本発明によれば、壁紙を施工する際に、優れた接着力を有し、安定した施工が可能となり、かつ容易に貼りなおしができる壁紙用接着剤組成物、これを用いて壁面接着層を形成した接着壁紙を得ることができる。本発明の壁紙用接着剤組成物は、壁紙の種類を選ばす、優れた接着力を有し、安定した施工が可能となり、かつ壁紙の容易な貼りなおしを可能とするが、特に本発明の接着壁紙の用途において、その効果が得られる。この壁紙用接着剤組成物及び接着壁紙は、建築内装用部材として好適に用いられる。
1.接着壁紙
2.基材
3.樹脂層
31.接着樹脂層
32.発泡樹脂層
33.非発泡樹脂層
4.壁面接着層
5.絵柄層
6.接着剤層
7.フィルム層
8.表面保護層

Claims (8)

  1. ヒドロキシプロピルセルロース、及び溶媒を含み、全樹脂固形分中のヒドロキシプロピルセルロースの含有量が50質量%以上である壁紙用接着剤組成物。
  2. さらにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む請求項1に記載の壁紙用接着剤組成物。
  3. ヒドロキシプロピルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロースとの合計に対するヒドロキシプロピルセルロースの含有量が、50質量%以上である請求項1又は2に記載の壁紙用接着剤組成物。
  4. JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 A法により測定した値が20以上である基材を接着面として有する壁紙の接着に使用される請求項1〜3のいずれかに記載の壁紙用接着剤組成物。
  5. 粘度が、10000〜50000m・Pa・sである請求項1〜のいずれかに記載の壁紙用接着剤組成物。
  6. ヒドロキシプロピルセルロースの重量平均分子量が、20万以上である請求項1〜5のいずれかに記載の壁紙用接着剤組成物。
  7. ヒドロキシプロピルセルロースのヒドロキシプロポキシル基の置換量が、50〜80質量%である請求項1〜6のいずれかに記載の壁紙用接着剤組成物。
  8. 壁紙又は壁面に請求項1〜7のいずれかに記載の壁紙用接着剤組成物を塗布し、該壁紙を該壁面にはりつける壁紙の施工方法。
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