JP5120244B2 - 粘着壁紙 - Google Patents

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本発明は、粘着壁紙に関する。
壁紙などの建築内装材は、室内の居住空間としての快適性を高めるために、優れた意匠性が求められている。この優れた意匠性を壁紙に付与する手法として、意匠に立体感を持たせることがなされており、柔軟性のみでなく高度に発泡させうる材料の使用が有利となる。こうした要求に応えるものとして、近年では環境への配慮から、従来、柔軟性、加工性、及びコストの面から好ましく用いられてきた塩化ビニル樹脂を用いない発泡壁紙の開発が行われており、発泡させたポリオレフィン樹脂を用いた発泡壁紙(非塩ビ系樹脂壁紙)が提案されている(特許文献1及び2)。
しかし、これらの壁紙は、施工時の糊を塗工した後に大きくカールしたり、施工後に目開きが生じる、壁紙を貼着後に折りじわが目立つ、あるいは壁紙の貼替えにおいて古くなった壁紙が容易に剥がせない、剥がせても剥離界面がばらつくことで新たな壁紙の施工がしにくくなるといった施工性の点で大きな問題があった。
また、これらの壁紙を含め、従来の壁紙で通常用いられる裏打紙は、剥離強度が弱いため、壁紙の貼替えにおいて裏打紙で剥離することが一般的である。しかし、特に施工時に隣り合う壁紙が重なるなどして、貼りなおしが必要となった場合、一方の壁紙を剥がそうとすると、他方の壁紙の表面まで取り去ってしまうため、施工時の貼りなおしが容易ではないといった施工時の問題もあった。
特開2007−70789号公報 特開2007−55229号公報
本発明は、このような状況の下で、壁紙を施工する際に、下地をひろわず容易な施工ができ、下地の継ぎ目をひろわずヘアークラックが入りにくく、また施工時に容易に貼りなおしができる粘着壁紙を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、発泡樹脂層と基材とを有する粘着壁紙が、発泡樹脂層が架橋してなり、基材が所定の強度を有することにより、前記課題を解決しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1. 基材の一方の面に発泡樹脂層を有し、他方の面に粘着層を有する粘着壁紙であって、該発泡樹脂層が架橋されてなり、該基材が該基材に含まれる有機質分のうちの50%以上がパルプである不織布であり、該基材のJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 A法により測定した値が20以上である粘着壁紙。
2. 基材と発泡樹脂層との間に接着樹脂層を有し、該発泡樹脂層の基材側とは反対の側に非発泡樹脂層を有してなる上記1に記載の粘着壁紙。
3. 発泡樹脂層の発泡倍率が、2〜15倍である上記1又は2に記載の粘着壁紙。
4. 粘着層の鋼に対する初期粘着力が、7N/25mm以下である上記1〜3のいずれかに記載の粘着壁紙。
5. 粘着層に用いられる粘着剤が、アクリル系粘着剤である上記1〜4のいずれかに記載の粘着壁紙。
6. 発泡樹脂層を構成する樹脂が、エチレン系重合体である上記1〜5のいずれかに記載の粘着壁紙。
7. エチレン系共重合体が、エチレン−酢酸ビニル系共重合体(EVA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)の少なくとも1種を含む上記6に記載の粘着壁紙。
本発明によれば、壁紙を施工する際に、下地をひろわず容易な施工ができ、下地の継ぎ目をひろわずヘアークラックが入りにくく、また施工時に容易に貼りなおしができる粘着壁紙を提供することができる。
本発明の粘着壁紙の好ましい態様の一例について、図1〜3を用いて説明する。図1〜3は本発明の好ましい層構成を有する粘着壁紙1の一例の断面を示す模式図である。図1に示す例では、本発明の粘着壁紙1は、基材2上に、樹脂層3(図1の場合は、発泡樹脂層32からなり、図2の場合は、接着樹脂層31、発泡樹脂層32、及び非発泡樹脂層33からなる)が順次積層され、基材2の裏面に粘着層4が積層されたものである。また、図3の場合は、基材2上に、樹脂層3(接着樹脂層31、発泡樹脂層32、及び非発泡樹脂層33からなる)、絵柄層5、接着剤層6、フィルム層7及び表面保護層8が順次積層され、基材2の裏面に粘着層4が積層されたものである。
[基材2]
以下、本発明の好ましい実施形態の一つを示した図1及び図2に基づいて、詳細に説明する。
本発明で用いられる基材2は、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 A法(以下、ワックスピッキング法という。)により測定した値が20以上であることを要する。また、壁紙施工時の貼りなおしを容易にする観点から、基材2のワックスピッキング法により測定した値は、23以上が好ましく、25以上がより好ましい。
このような基材としては、例えば、アクリルアミド樹脂などの合成樹脂を添加し、混抄させて紙間強度を強化した薄葉紙などの紙間強化紙(樹脂含浸紙)や、不織布などが好ましく挙げられ、不織布がより好ましい。
不織布としては、例えば湿式不織布、乾式不織布などがある。湿式不織布としては、例えば抄紙式が挙げられ、乾式不織布としては、例えば接着剤式、機械結合式(ニードルパンチ、ステッチボンド)、スパンボンド式などが挙げられる。より具体的には、不織布として、レーヨン紙、パルプを混抄したもの、和紙、ガラス不織布、石綿不織布、ポリエステル不織布などを用いることができる。これらのなかでも、湿式不織布が好ましく、特にパルプを混妙した不織布が好ましい。これらの基材を採用することで、壁紙施工時の貼りなおしが容易となる。
また、本発明に用いられる基材が不織布の場合は、該基材に含まれる有機質分のうちの50%以上がパルプであることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。また、上限としては、90%以下が好ましく、85%以下がより好ましい。基材中のパルプの含有量が上記範囲内であると、後述する発泡樹脂層の発泡処理を十分に行うことができ、200℃以上での加熱発泡加工が安定して行えるので、好ましい。
これらの材料は、それぞれ単独で使用してもよいが、紙同士の複合体など、任意の組み合わせによる積層体であってもよく、必要に応じて難燃剤、無機質剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤などを適宜添加してもよい。
基材2の厚さは、特に制限はないが、秤量が50〜300g/m2程度、好ましくは55〜160g/m2の範囲である。特に、壁紙施工時の下地の凹凸を拾う、いわゆる不陸が目立たなくするには、60〜160g/m2の範囲が好ましい。
このような基材としては、市販品として入手可能であり、例えばアールストローム社製の「8241(品番)」、「8242(品番)」といった市販品が挙げられる。
[発泡樹脂層32]
本発明の粘着壁紙は、発泡樹脂層32を有することを必須とし、好ましくは基材2上に、(i)接着樹脂層31及び発泡樹脂層32、(ii)発泡樹脂層32及び非発泡樹脂層33、あるいは(iii)接着樹脂層31、発泡樹脂層32及び非発泡樹脂層33を順に積層してなるものである。上記の(i)〜(iii)の態様は、粘着壁紙の用途に応じて適宜選択することができるが、粘着壁紙において後述する絵柄層5を設ける場合には、該絵柄層5に用いられるインキ組成物が発泡樹脂層32を経由して基材2中に浸透することを抑制する目的で非発泡樹脂層33を設けることが好ましく、基材2と発泡樹脂層32との接着力を向上させるためには接着樹脂層31を設けることが好ましい。また、製造安定性の観点からは、上記(iii)の態様が好ましい。
発泡樹脂層32は、壁紙を施工する際に、下地をひろわず容易な施工ができ、下地の継ぎ目をひろわずヘアークラックが入りにくくするために設けられる層であり、電子線やγ線などの活性エネルギー線の照射によって架橋されていることを必須とし、好ましくは発泡剤を含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂組成物を発泡させて得られる層である。
本発明において、発泡樹脂層32が架橋しているとは、発泡樹脂層32のゲル分率が0.5〜60%、好ましくは0.5〜30%、より好ましくは1〜10%の状態にあることをいう。発泡樹脂層32が架橋していることにより、後述する発泡処理の際に連続気孔が少なく独立微小気孔が多い発泡層を形成することができる。ここで、このゲル分率は、発泡樹脂層32に用いられる後述する熱可塑性樹脂を溶剤の還流下におき、未溶解分の重量を測定し、還流下におく前の熱可塑性樹脂の重量との割合を算出した値である。
発泡樹脂層32のゲル分率の調整(架橋状態の調整)は、電子線やγ線などの活性エネルギー線の強度や照射時間などの照射条件や、使用する熱可塑性樹脂の種類などを適宜調整することにより行うことができる。なかでも、活性エネルギー線の強度や照射時間などの照射条件、特に強度により容易に所望のゲル分率を調整することができる。
《熱可塑性樹脂》
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ナイロン、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂単体及び共重合体、あるいは、これらの混合樹脂を挙げることができる。環境保護の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好ましく、なかでもエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、及びエチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂がより好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(EMMA)、あるいはエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂の少なくとも1種を用いることがさらに好ましい。また、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂のうち、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)が好ましい。
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(EMMA)、あるいはエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂(EMAA)を用いる場合には、該共重合体樹脂における(メタ)アクリル酸の含有量は4〜20質量%程度であることが好ましい。(メタ)アクリル酸の含有量が上記範囲内であると、樹脂中の水素結合などに起因する強固な層を形成することができるので、優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性などを得ることができる。
《発泡剤》
発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機発泡剤、N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソテレフタルアミド、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム・アゾジカルボキシレートなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物、カルシウムアジド、4,4'−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジドなどのアジド化合物などが挙げられる。低コストであるとともに、分解熱が小さく、難燃性かつ自己消化性に優れ、水に安定であり、無毒であり、熱分解型化学発泡剤が分解温度以下での加工処理が可能であることから、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミドなどのアゾ化合物の熱分解型発泡剤が好適である。
発泡剤の添加量としては、要求される意匠性により適宜決めればよいが、発泡樹脂層32を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.5〜15質量部が好ましい。なお必要に応じて、一層の発泡効果を挙げるために発泡剤の分解を促進する発泡助剤を併用することができる。その発泡助剤としては使用する発泡剤の種類により異なるが、例えば発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いる場合には発泡助剤として酸化亜鉛、硫酸鉛、尿素、ステアリン酸亜鉛などが用いられる。
《無機充填剤》
発泡樹脂層32の形成に用いられる発泡樹脂組成物は、粘着壁紙に目透き抑制効果や表面特性の向上効果、あるいは難燃性を付与する目的で、無機充填剤を含むことができる。本発明の粘着壁紙に用いられる無機充填剤としては、特に制限はなく、様々なものを用いることができる。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、フライアッシュ、脱水汚泥、天然シリカ、合成シリカ、カオリン、クレー、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、焼成タルク、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、燐酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、シリカバルーン、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカ、製鉄スラグ、銅、鉄、酸化鉄、カーボンブラック、センダスト、アルニコ磁石、各種フェライトなどの磁性粉、セメント、ガラス粉末、珪藻土、三酸化アンチモン、マグネシウムオキシサルフェイト、水和アルミニウム、水和石膏、ミョウバンなどが挙げられる。なかでも、分解温度が低く、吸熱量が大きく、低コストであることから水酸化アルミニウムが好適である。なお、これら無機充填剤は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
これら無機充填剤の多くは、本発明の粘着壁紙に難燃性を付与する効果を有し、かつ、多量に配合された場合にはその効果は一層増大する。無機添加剤の使用量は、目透き抑制効果や表面特性の向上効果を得る目的からは、発泡樹脂層32を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましく、また、粘着壁紙の難燃性を十分得る目的からは、発泡樹脂層32を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、100質量部以上であることが好ましい。
本発明において用いる無機充填剤の平均粒径は、5〜25μmが好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。
これらの無機充填剤はそのまま使用してもよいが、無機充填剤をあらかじめシラン系、チタネート系、アルミネート系、ジルコアルミニウム系などのカップリング剤、りん酸系、脂肪酸系などの界面活性剤、油脂、ワックス、ステアリン酸、シランカップリング剤などにより処理してもよい。
《各種添加剤など》
発泡樹脂層32を構成する発泡樹脂組成物は、必要に応じて、セル調整剤、顔料を含むことができる。
セル調整剤としては、例えばステアリン酸亜鉛などの金属石鹸などを使用することができる。セル調整剤の含有量は、発泡樹脂層32を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.3〜10質量部程度が好ましく、1〜5質量部程度がより好ましい。
顔料としては、例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラックなどの無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブリーRS、アニリンブラックなどの有機顔料(染料も含む)、アルミニウム、真鍮などの金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。これらは、用途に応じて、透明着色顔料又は不透明着色顔料のいずれかを選択することができる。これら顔料は、粉末又は鱗片状箔片として添加、分散すればよい。
また、発泡樹脂層32を構成する発泡樹脂組成物は、要求される物性に応じて、各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば滑剤、防カビ剤、防虫剤、防腐剤、抗菌剤、希釈剤、消臭剤、光安定剤、可塑剤などが挙げられる。
《形成方法》
発泡樹脂層32の形成は、上記のような樹脂などを含む発泡樹脂組成物を、例えばエマルジョン化してエマルジョン組成物としたもの、又はペレット化したものを、コンマコーター法や、Tダイによる押出製膜法、カレンダー製膜法、接着剤を用いるドライラミネートによる方法などの公知の方法によって形成することができる。ここで、エマルジョン化は通常なされる方法ですることができ、エマルジョン組成物は例えば、発泡樹脂組成物中の熱可塑性樹脂を乳化重合法などによりエマルジョン化した後に、その他の成分を所定量加えて得ることができる。
なお、発泡樹脂層32の形成にTダイによる押出製膜法を採用した場合、発泡樹脂組成物に好ましく含有される無機充填剤が、押出成形機の押出口(いわゆるダイス)に残存しやすく、無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)がシート表面の異物となりやすい傾向がある。このような場合、本発明の粘着壁紙は、上述したように、基材側から接着樹脂層31、発泡樹脂層32、非発泡樹脂層33の順に積層された態様(iii)の構成を有するものとするのが好ましい。このような構成にすれば、目やにの発生は、樹脂層を二層の非発泡樹脂層で発泡樹脂層を挟んで同時形成することで、抑制することが可能となり、優れた製造安定性が得られるからである。
接着樹脂層31、発泡樹脂層32及び非発泡樹脂層33の形成においてTダイによる押出製膜法を採用する場合、これらの層の形成は、別々に行ってもよいし、同時に行ってもよいが、上記したように同時に行うことが好ましい。同時に押出製膜する場合、各層に対応する溶融樹脂を同時に押出製膜することにより、複数層の同時形成が可能となるマルチマニホールドタイプのTダイなどが用いられる。
(架橋処理)
発泡樹脂組成物は、発泡樹脂層を強固とし、施工時の貼りなおしを容易にする目的で、電子線やγ線などの活性エネルギー線、好ましくは電子線の照射による架橋処理を行うことを要する。例えば、基材上に上記発泡樹脂組成物による層を形成し、発泡適性粘度の温度範囲を広くするために、電子線を照射して架橋させる。これにより、生産性が安定するうえ、発泡樹脂層32は強固となる。発泡樹脂組成物を架橋処理する場合、発泡樹脂組成物には架橋剤を好ましく含有させることができる。
架橋剤としては、上記の発泡樹脂層を構成する樹脂を架橋させるものであれば、特に制限なく用いることができ、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどの多官能性モノマー、オリゴマーなどの、電子線照射による架橋を促進するものが挙げられる。架橋剤は、発泡樹脂層32を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、1〜10質量部とすることが好ましく、1〜4質量部とすることがより好ましい。
電子線照射において、電子線源としては、例えばコックロフトワルトン型、パンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いればよい。照射線量としては、通常2〜200kGy(0.2〜20Mrad)、好ましくは2.5〜100kGy(0.25〜10Mrad)の範囲で選定される。
(発泡処理)
発泡樹脂層32は、公知の発泡処理の方法により発泡させることができ、例えば発泡加熱炉を用いて、180〜240℃程度の温度条件で発泡させることができる。発泡処理は、発泡樹脂層32として発泡樹脂組成物を製膜した後であれば特に制限なく行うことができるが、通常上記の架橋処理を行った後に行う。
発泡樹脂層の形成にあたっての、発泡倍率は、特に制限されないが、2〜15倍の範囲が好ましく、3〜10倍がより好ましい。発泡倍率が上記範囲内であれば、壁紙を施工する際に、下地をひろわず容易な施工ができ、下地の継ぎ目をひろわずヘアークラックが入りにくくできるとともに、良好な強度や加工性などを得ることができる。
また、発泡樹脂層32の厚みは、特に制限されず、所望の特性などに応じて適宜設定することができるが、製膜状態において50〜300μmが好ましく、発泡後の厚みは350〜1200μmが好ましい。
[接着樹脂層31及び非発泡樹脂層33]
接着樹脂層31は、発泡樹脂層32と基材2との接着力を向上させる目的で、必要に応じて設けられる層であり、非発泡樹脂層33は、後述する絵柄層5に用いられるインキ組成物が発泡樹脂層32を経由して基材2中に浸透することを抑制する目的で、必要に応じて設けられる層である。これらの層は、各々樹脂及び各種添加剤などを含む接着樹脂組成物及び非発泡樹脂組成物により形成されるものであり、同じ組成物により形成されてもよいし、異なる組成物により形成されてもよい。
《樹脂》
接着樹脂層31及び非発泡樹脂層32を構成する樹脂としては、特に制限はないが、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂単体及び各種共重合体樹脂を挙げることができ、なかでもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリオレフィンの単体及び各種共重合体、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ないしはアイオノマー、またはこれらの1種ないしそれ以上からなる混合樹脂を挙げることができる。なかでも特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。EVA及びEMAAは特に限定されず、公知又は市販のものを使用することができる。特に、EVAは、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜30質量%であるものが好ましく、15〜30質量%であるものがより好ましい。また、EMAAは、メタクリル酸成分(MAA成分)が10〜30質量%であるものが好ましく、15〜30質量%であるものがより好ましい。これらの成分が上記範囲内にあれば、壁紙のカールを抑えることができ、発泡樹脂層32を十分に架橋できるので好ましい。
《その他の樹脂》
本発明では、樹脂成分として上記の樹脂以外のその他の樹脂が含まれていてもよい。例えば、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ブテン−1・プロピレン−エチレン−3元共重合体、ブテン−1−ヘキセン−1−オクテン−1−3元共重合体、ポリメチルペンテンのほか、特開平6−16832号公報、特公平6−23278号公報などに記載されたオレフィン系エラストマーなども使用できる。これらの樹脂は1種又は2種以上で用いることができる。
《各種添加剤》
また、接着樹脂層31及び非発泡樹脂層32は、各種添加剤を必要に応じて含有することができる。例えば、無機充填剤を入れて増量効果を付与したり、難燃剤を入れて難燃性を付与することもできる。また、架橋する場合は、発泡樹脂層で用いられる架橋剤を配合することもできる。
無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルクなどの粉末(粒子)のほか、マイカ、シリカ、アルミナ、ケイソウ土、ケイ砂、シラスバルーンのような無機質中空体などが挙げられる。
難燃剤としては、例えば尿素などの窒素化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物(特に結晶水を持つ化合物)、自消性を有するリン又はハロゲン元素を含む難燃剤などが適している。特に水酸化物のような化合物を配合することにより、燃焼分解時に結晶水の気化熱で難燃化を図ることができる。また、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、窒素化合物とリン化合物からなる混合難燃化合物が25〜100質量部配合されていると好ましい。その理由としては、ポリオレフィンとの相溶性が良好となり、熱安定性も良くなるからである。
ポリオレフィン系樹脂に柔軟性、耐衝撃性、易接着性を付与する目的で各種ゴム類を添加することもできる。
ゴム類としては、例えばジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム、オレフィンエラストマーなどが挙げられる。このなかでも水素添加ジエン系ゴムが好ましい。水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子を付加させてなるもので、本発明においてはポリオレフィン系樹脂の改質材として、使用される。ポリオレフィン系樹脂の結晶化を抑え、柔軟性、透明性を高める役割がある。また、一般にポリオレフィン系樹脂にジエン系ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合のため、耐候性・耐熱性はジエン系ゴム無添加のポリオレフィン系樹脂より低下するが、本発明では、ジエン系ゴムの二重結合を水素で飽和させるため、ポリオレフィン系樹脂の耐候性、耐熱性の低下も無く良好なものとなる。
ジエン系ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴムなどが挙げられる。本発明の目的からは、特にスチレン・ブタジエンゴムなどが好ましい。
ゴム類の添加量としては、特に限定されないが、通常はポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、1〜90質量部程度とすれば良い。
また、顔料を添加して透明着色又は不透明着色を施す方法が挙げられる。顔料としては、公知又は市販のものを制限なく使用することができ、発泡樹脂層32に使用しうるものとして記載した顔料が好ましく挙げられる。
《接着樹脂層31及び非発泡樹脂層33の形成》
接着樹脂層31及び非発泡樹脂層33は、上記のような樹脂などを含む、各々接着樹脂組成物及び非発泡樹脂組成物を、例えばエマルジョン化してエマルジョン組成物としたもの、又はペレット化したものを、コンマコーター法や、Tダイによる押出製膜法、カレンダー製膜法、接着剤を用いるドライラミネートによる方法などの公知の方法によって形成することができる。ここで、エマルジョン化は通常なされる方法ですることができ、例えば、接着樹脂組成物あるいは非発泡樹脂組成物中の熱可塑性樹脂を乳化重合法などによりエマルジョン化した後に、その他の成分を所定量加えて、エマルジョン組成物は得られる。
接着樹脂組成物及び非発泡樹脂組成物は、層を強化させたり、表面特性を向上させる目的で、架橋処理をしてもよい。架橋処理の方法は限定されないが、紫外線、電子線などの電離放射線、好ましくは電子線による架橋処理(硬化処理)が好ましい。例えば、基材上に上記非発泡樹脂組成物による層を形成し、発泡適性粘度の温度範囲を広くするために、電子線などの電離放射線を照射して架橋させる。これにより、生産性が安定するうえ、非発泡樹脂層31の表面は硬くなり、表面特性が向上する。これらの組成物を架橋処理する場合、該組成物には架橋剤を好ましく含有させることができる。架橋剤としては、上記の接着樹脂層及び非発泡樹脂層を構成する樹脂を架橋させるものであれば、特に制限なく用いることができるが、発泡樹脂層の形成に用いられる架橋剤を用いればよい。
電離放射線としては、通常は紫外線、電子線などが用いられる。紫外線源としては、例えば超高圧水銀燈、高圧水銀燈、低圧水銀燈、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプなどの光源を用いることができる。また、電子線源としては、例えばコックロフトワルトン型、パンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いればよい。照射線量としては、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
接着樹脂層31の厚みは、十分な接着効果と耐熱性とを得る観点から、3〜20μmが好ましく、より好ましくは3〜15μmである。非発泡樹脂層33の厚みは、優れた表面特性を得て、エンボス加工による壁紙の凹凸追従性を確保する目的より、5〜20μmが好ましく、より好ましくは7〜12μmである。
非発泡樹脂層33は、上記の樹脂からなる透明又は不透明な市販のフィルムを使用することもできる。市販されるフィルムとしては、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ウレタン系又はアクリル系コート剤でコートしたポリオレフィン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂フィルム、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフロロエチレンなどのフッ素系樹脂フィルムなどのフィルムが挙げられる。なかでも、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、耐汚染性、耐擦傷性、耐薬品性などの性能に優れ、エンボス加工において優れた凹凸追従性を示す、すなわち縦方向の引張伸度が十分大きく、電離放射線により崩壊することなく、製造コストが安く、また燃焼時の煙濃度が少ないエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂フィルムが特に好ましい。
非発泡樹脂層33に市販のフィルムを用いる場合、その厚みは、5〜25μmであることが好ましく、12〜20μmがより好ましい。フィルムの厚みが上記範囲内であれば、該フィルムの製造上の制約をうけることなく、また、優れた表面特性を得ることができ、エンボス加工による壁紙の凹凸追従性を確保することができる。
[粘着層4]
粘着層4は、本発明の壁紙に粘着性を付与し、壁紙の施工を容易にするための層であり、鋼に対する初期粘着力は、7N/25mm以下であることが好ましく、5N/25mm以下がより好ましく、3N/25mm以下がさらに好ましい。初期粘着力の下限値は、1N/25mm以上が好ましく、1.5N/25mm以上がより好ましい。また、24時間後の鋼に対する粘着力は、5〜12N/25mmであることが好ましく、5〜10N/25mmであることがより好ましい。粘着力が上記範囲内にあれば、壁紙施工時の貼りなおしが容易となるので好ましく、基材の紙間強度(ワックスピッキング法により測定した値)との組み合わせにより、特にこの効果を得ることができる。
ここで、粘着力は、JIS Z 0237:2000に準拠して測定した。試験板はJIS G 4305に規定するSUS304鋼板で鏡面仕上げのものを用い、研磨した表面に粘着層を設けた粘着壁紙を貼り付け、テンシロン引張試験機にて測定した粘着力(単位:N/25mm)である。また、本発明における初期粘着力は、通常粘着壁紙を貼り付けて1時間後に、上記方法により測定した粘着力のことである。
粘着層4に用いられる粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが例示されるが、なかでも耐久性及び粘着性能の点でアクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
アクリル系粘着基剤としては、炭素数2〜14(メタ)アルキルアクリレートが好ましく挙げられる。このような炭素数2〜14の(メタ)アルキルアクリレートとして、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレートなどのモノマーが挙げられる。これらのモノマーは単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
これらのなかでも、得られる粘着剤組成物の粘着力と凝集力とのバランスを考慮して、炭素数2〜14の(メタ)アルキルアクリレートとして、n−ブチルアクリレート 、sec−ブチルアクリレート及びt−ブチルアクリレートから選ばれるブチルアクリレート 又は2−エチルヘキシルアクリレートが好ましく、アクリル系粘着基剤中にこれを50質量%以上含むものが好ましく、70質量%以上含むものが最も好ましい。ブチルアクリレートとしては、n−ブチルアクリレートが特に好ましい。
粘着層4の厚さは、0.025〜0.045mm程度であることが好ましい。粘着層4の厚さが上記範囲内であれば、十分な粘着力を有することができる。また、粘着層4を形成する際の、粘着剤の塗布量は、10〜60g/m2の範囲であり、好ましくは20〜40g/m2である。
[絵柄層5]
絵柄層5は、基材2に装飾性を与えるために好ましく設けられる層であり、種々の模様を、インキ組成物と印刷機とを使用して印刷することにより形成される。一般的にはグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷など、周知の印刷方法によりインキにて形成することができる。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)などの岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様などがあり、これらを複合した寄木、パッチワークなどの模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う多色印刷などによっても形成される。
絵柄層5の形成に用いられるインキ組成物としては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などの中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。なかでも、本発明の目的から、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂などの1種単独で又は2種以上を混合して用いるのが好ましい。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。
この絵柄層5は厚さ1〜20μm程度が好ましい。
[フィルム層7]
フィルム層7は、絵柄層5の上面に接着剤層6を介して、必要に応じて積層される層であり、本発明の粘着壁紙に、耐汚染性、耐セロファンテープ性、耐擦傷性、耐薬品性などの表面特性を付与するために設けられるものである。
本発明のフィルム層7に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂単体及び各種共重合体樹脂を挙げることができ、生産効率性の観点から、上記樹脂からなる透明又は半透明な市販のフィルムを好ましく使用することができる。
上記の市販されるフィルムとしては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフロロエチレンなどのフッ素系樹脂フィルム、ウレタン系又はアクリル系コート剤でコートしたオレフィン系樹脂フィルム、及びエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムなどが挙げられる。なかでも、耐汚染性、耐擦傷性、耐薬品性などの性能に優れ、エンボス加工において優れた凹凸追従性を示す、すなわち縦方向の引張伸度が十分大きく、電離放射線により崩壊することなく、製造コストが安く、また燃焼時の煙濃度が少ないエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムが好ましい。
本発明のフィルム層7に用いるフィルムの厚みは、10〜25μmであることが好ましい。フィルムの厚みが上記範囲内であれば、該フィルムの製造上の制約をうけることなく、またエンボス加工による壁紙の凹凸追従性を確保することができる。
[表面保護層8]
表面保護層8は、本発明の粘着壁紙の最表面に積層することで、粘着壁紙の耐汚染性、耐セロファンテープ性、耐擦傷性、耐薬品性などの表面特性を向上させるものである。この表面保護層8は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、あるいは電離放射線硬化性樹脂などを含む樹脂組成物により形成される。
表面保護層8に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂、硬化性アクリル樹脂などが挙げられる。
表面保護層8に用いられる電離放射線硬化型樹脂としては、紫外線や電子線などの電離放射線で硬化する(メタ)アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコールなどの多官能化合物の(メタ)アルリレートなどの重合性オリゴマー又はプレポリマーなどが好ましく挙げられる。
《シリコーン(メタ)アクリレート》
表面保護層8に電離放射線硬化性樹脂が用いられる場合は、シリコーン(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。シリコーン(メタ)アクリレートは、電離放射線硬化性樹脂との相乗効果により、主に壁紙に耐汚染性などの表面物性を付与すると同時に、表面保護層8の表面張力を制御する目的で添加されるものである。シリコーン(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものが使用でき、有機基が(メタ)アクリル基であれば特に限定されず、該有機基を1〜6つ有する変性シリコーンオイルを好ましく用いることができる。
上記シリコーン(メタ)アクリレートの含有量は、表面保護層8の表面張力が所望の範囲となるように適宜調節すればよいが、耐汚染性の向上とその使用効果を十分に得る観点から、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して0.5〜4質量部が好ましく、1.0超〜2.5質量部がより好ましく、1.5〜2.5質量部がさらに好ましい。また、シリコーン(メタ)アクリレートの官能基当量(分子量/官能基数)としては、例えば100〜20000、好ましくは100〜10000の条件を有するものが挙げられる。
《その他の添加剤》
表面保護層8を形成する樹脂組成物には、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤などの硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤などをさらに添加して使用することができる。
表面保護層8は、上記したような樹脂組成物を公知の方法により架橋硬化などをさせて成膜し、形成される。形成された表面保護層8には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能などを付与することもできる。
[接着剤層6]
フィルム層7と非発泡樹脂層33との接着性が低い場合、例えばフィルム層7にエチレンービニルアルコール共重合体樹脂フィルムを用いた場合には、必要に応じて両層間に接着剤層6を設けることが好ましい。接着剤層6に用いられる接着剤としては、特に制限はないが、本発明の製造工程より感熱接着剤が好ましい。感熱接着剤とは、一般に常温では固体であり、加熱により溶融又は軟化して接着性を発現し、冷却すると固化して強固に接着する性質を有する熱可塑性樹脂を主要成分とする接着剤のことをいう。これを適当な溶剤に溶解、もしくは加温により溶融させて、被接着体の一方又は両方の接着面に塗布し、両者を重ね合わせて加熱加圧することにより接着させるものである。熱可塑性樹脂としては、具体的には、(メタ)アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル系、ポリアミド樹脂系、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、オレフィン−αオレフィン共重合体樹脂などの易接着樹脂単体及び共重合体、あるいは、これらの混合樹脂、ならびにオレフィン樹脂や発泡樹脂組成物の主成分となる熱可塑性樹脂、フィルム層7の主成分となる熱可塑性樹脂とのブレンド品が挙げられる。
また、接着剤層を設ける以外に、層間接着力を向上させるために、所望により、フィルム層7の片面または両面に酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
[プライマー層8]
本発明の粘着壁紙は、表面保護層8に用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物と、フィルム層7との密着性を向上させる目的で、これらの層の間に必要に応じてプライマー層8を設けることができる。該プライマー層8で好ましく用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ウレタン−アクリル系樹脂などの、フィルム層7で用いられる樹脂と電離放射線硬化性樹脂組成物との密着に良好な樹脂を用いることができる。また、層間接着力の強化を目的として、発泡樹脂層32と非発泡樹脂層33との層間、及び非発泡樹脂層33とフィルム層7との層間にプライマー層8を設けることもできる。
[凹凸模様]
本発明の粘着壁紙には、優れた意匠性を付与するために、エンボス加工による凹凸模様が好ましく施される。凹凸模様は、製造過程にある壁紙が何らかの手段によってエンボス可能な温度となっているときに、表面保護層8の上面、すなわち最外層側からエンボス版で加熱加圧することにより形成することができる。凹凸模様の形成には、周知の枚葉、もしくは輪転式のエンボス機が用いられ、凹凸模様の形状としては、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などがある。
[製造方法]
本発明の粘着壁紙は、例えば以下の製造方法によって製造されるが、これによって制限されるものではない。
熱可塑性樹脂のフィルムからなるフィルム層7の一方の面にプライマー層8を構成する樹脂、電離放射線硬化性樹脂組成物を順に塗工し、他方の面に必要に応じて接着剤、プライマー層を構成する樹脂を塗工し、さらに所定の電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化させて表面保護シートを得る。一方、基材2上に、接着樹脂層31を構成する樹脂を含有する接着樹脂組成物と、発泡剤、無機充填剤、その他添加剤を必要に応じて含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂組成物32とを同時にTダイによる押出製膜法により製膜して得られた接着樹脂層31と発泡樹脂層32とを積層し(必要に応じて接着樹脂層31、発泡樹脂層32、非発泡樹脂層33の順で積層し)、絵柄層5を構成するインキ組成物をグラビア印刷により塗工した後、電子線などを照射して接着樹脂層31、発泡樹脂層32、及び非発泡樹脂層33を架橋硬化させて、さらに加熱発泡炉を用いて250℃程度で前記発泡樹脂組成物を発泡させて発泡樹脂層32を形成して基材シートを得る。次いで、該基材シートを冷却した後、150℃程度まで再加熱してから、前記表面保護層シートの最外層側よりエンボス版が形成された冷却ロール(表面保護シート側)と加圧ロール間を通すことで両シートを熱圧着し、かつ凹凸模様を形成した後、冷却することで、表面保護層8の最外層側から接着樹脂層31にかけて凹凸模様を形成した本発明の粘着壁紙を得ることができる。なお、前記のように、プライマー層及び接着剤層は必要に応じて、さらに所望の層間に設けることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
各実施例で得られた化粧シートについて、以下の方法で評価した。
(1)施工性の評価(下地隠蔽性の評価)
各実施例及び比較例で製造した粘着壁紙を、石膏ボード(吉野石膏(株)製、商品名:不燃タイガーボード)の下地に貼り付けた際の、壁紙表面の状態を下記の基準で評価した。
○:下地の状態が全く認識できず、素晴らしい壁の仕上がりである
△:下地の状態が若干認識できるが、壁の仕上がりとしては十分である
×:下地の状態が認識でき、壁の仕上がりとしては不十分である
(2)施工性の評価(ヘアークラック発生の評価)
各実施例及び比較例で製造した壁紙を、継ぎ目を有する石膏ボード(吉野石膏(株)製、商品名:不燃タイガーボード)の下地に貼り付けた際の、壁紙表面の状態を下記の基準で評価した。
○ :下地の継ぎ目は全く認識できず、素晴らしい壁の仕上がりである
△ :下地の継ぎ目が若干認識できるが、壁の仕上がりとしては十分である
× :下地の継ぎ目が認識でき、壁の仕上がりとしては不十分である
(3)施工性の評価(貼りなおし容易性の評価)
各実施例及び比較例で製造した壁紙を、石膏ボード(吉野石膏(株)製、商品名:不燃タイガーボード)の下地に貼り付けて、次いでもう一枚の壁紙を5cm重なるようにして貼り付けた。その後、すぐに上隅より静かに一方の壁紙を引き剥がした。この際、引き剥がさない壁紙の状態を下記の基準で評価した。
○ :壁紙の表面は、全く損傷がなかった
△ :壁紙の表面は、若干の剥離がみられたものの、実用上問題ない
× :壁紙の表面は、著しい剥離がみられた。
(4)初期粘着力の測定
初期粘着力は、各実施例及び比較例で製造した壁紙を貼り合わせて、1時間後にテンシロン引張試験機を用いてJIS Z 0237:2000に準拠して測定した値(N/25mm)である。
実施例1
基材として、秤量75g/m2の不織布(アールストローム社製、「8241(品番)」,ワックスピッキング:26,全有機質分中のパルプ含有率:70%)を用いる。下記組成の発泡樹脂組成物を、カレンダー成形機を用いて厚み100μmとなるようにシーティングした。次いで、発泡樹脂組成物をシーティングした側から、加圧電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、架橋処理を施した。次いで、発泡樹脂組成物をシーティングした面に、絵柄模様層を形成し、220℃、30秒の加熱処理を行い、発泡剤を発泡倍率5倍となるように発泡させて、発泡樹脂層を形成した。その後、基材の発泡樹脂層を設けたのとは反対側の面に、下記組成の粘着剤Aを塗工量20g/m2で塗工して、粘着層を形成し、粘着壁紙を得た。評価結果を第1表に示す。
実施例2
基材として、秤量75g/m2の不織布(アールストローム社製、「8241(品番)」,ワックスピッキング:26,全有機質分中のパルプ含有率:70%)を用いる。下記組成の接着樹脂組成物、発泡樹脂組成物を、Tダイによる押出し機を用いて同時に製膜し、各々10μm、100μmの厚さとなるように接着樹脂層、発泡樹脂層を形成し、接着樹脂層の面に基材を積層した。このときの押出し条件は、接着樹脂層はシリンダー温度100℃とし、発泡樹脂層はシリンダー温度120℃とし、いずれもダイス温度は120℃とした。その上にアクリル系樹脂をバインダーとし、カーボンブラックと弁柄を着色剤とするインキを用いて、塗工量3g/m2のグラビア印刷にて施して絵柄層を形成した。次いで、発泡樹脂層に加圧電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、架橋処理を施した。
上記とは別に、フィルム層としてあらかじめ接着剤が塗工されたエチレンービニルアルコール共重合体樹脂((株)クラレ製、エバールフィルムHF−ME(厚み:12μm)、エチレン含有量44mol%)を用い、該フィルム層の上面(接着剤が塗工されていない側)にウレタンーアクリル共重合体樹脂を塗工量2.0g/m2でグラビア印刷してプライマー層を形成し、その上に下記組成の電離放射線硬化性樹脂を塗工量2.0g/m2でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加圧電圧125kV、照射線量30kGy(3Mrad)の電子線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させて表面保護層を形成し、表面保護シートを得た。
上記の絵柄層を施し、接着脂組成物、発泡樹脂組成物を積層した基材を、加熱発泡炉を用いて230℃、30秒で発泡樹脂組成物を発泡倍率5倍となるように発泡させて発泡樹脂層を形成させた基材を得た後、上記で得られた表面保護シートと同時にエンボス型が形成された冷却ロールと加圧ロールの間を通し、エンボス賦型をしながら熱圧着させることにより、表面に凹凸模様を有する壁紙を得た。その後、基材の発泡樹脂層を設けたのとは反対側の面に、下記組成の粘着剤を塗工量20g/m2で塗工して、粘着層を形成し、粘着壁紙を得た。評価結果を第1表に示す。
実施例3
基材として、秤量75g/m2の不織布(アールストローム社製、「8241(品番)」,ワックスピッキング:26,全有機質分中のパルプ含有率:70%)を用いる。下記組成の接着樹脂組成物、発泡樹脂組成物、及び非発泡樹脂組成物を、Tダイによる押出し機を用いて同時に製膜し、各々10μm、100μm、15μmの厚さとなるように接着樹脂層、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を形成し、接着樹脂層の面に基材を積層した。このときの押出し条件は、接着樹脂層はシリンダー温度100℃とし、発泡樹脂層はシリンダー温度120℃とし、非発泡樹脂層はシリンダー温度160℃とし、いずれもダイス温度は120℃とした。その上にアクリル系樹脂をバインダーとし、カーボンブラックと弁柄を着色剤とするインキを用いて、塗工量3g/m2のグラビア印刷にて施して絵柄層を形成した。次いで、発泡樹脂層に加圧電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、架橋処理を施した。
上記とは別に、フィルム層としてあらかじめ接着剤が塗工されたエチレンービニルアルコール共重合体樹脂((株)クラレ製、エバールフィルムHF−ME(厚み:12μm)、エチレン含有量44mol%)を用い、該フィルム層の上面(接着剤が塗工されていない側)にウレタンーアクリル共重合体樹脂を塗工量2.0g/m2でグラビア印刷してプライマー層を形成し、その上に下記組成の電離放射線硬化性樹脂を塗工量2.0g/m2でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加圧電圧125kV、照射線量30kGy(3Mrad)の電子線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させて表面保護層を形成し、表面保護シートを得た。
上記の絵柄層を施し、接着脂組成物、発泡樹脂組成物及び非接着樹脂層を積層した基材を、加熱発泡炉を用いて230℃、30秒で発泡樹脂組成物を発泡倍率5倍となるように発泡させて発泡樹脂層を形成させた基材を得た後、上記で得られた表面保護シートと同時にエンボス型が形成された冷却ロールと加圧ロールの間を通し、エンボス賦型をしながら熱圧着させることにより、表面に凹凸模様を有する壁紙を得た。その後、基材の発泡樹脂層を設けたのとは反対側の面に、下記組成の粘着剤Aを塗工量20g/m2で塗工して、粘着層を形成し、粘着壁紙を得た。評価結果を第1表に示す。
実施例4
実施例1において、発泡処理の条件を230℃、10秒として、発泡樹脂組成物を発泡倍率2.5倍となるように発泡させた以外は、実施例1と同様にして粘着壁紙を得た。評価結果を第1表に示す。
実施例5
実施例1において、粘着剤を下記の粘着剤Bとして、粘着層の鋼に対する初期粘着力を8N/25mmとした以外は、実施例1と同様にして粘着壁紙を得た。評価結果を第1表に示す。
[接着樹脂組成物及び非発泡樹脂組成物組成]
エチレン−酢酸ビニル系共重合体(住友化学株式会社製、商品名:スミテートCV5053):100質量部
[発泡樹脂組成物組成]
エチレン−酢酸ビニル系共重合体(住友化学株式会社製、商品名:スミテートCV5053):100質量部
発泡剤(永和化成製、商品名:ADCA#3):4質量部
炭酸カルシウム(白石工業製、商品名:ホワイトンH):30質量部
二酸化チタン(顔料)(デュポン製、商品名:タイピュアR−108):20質量部
光安定剤(商品名:OF−101):1質量部
架橋剤(JSR(株)製、商品名:オブスターJVA−702):1質量部
[粘着剤A組成]
アクリル系粘着剤(総研化学株式会社製、商品名:SKダイン1309):100質量部
硬化剤(総研化学株式会社製、商品名:E−AX):0.2質量部
[粘着剤B組成]
アクリル系粘着剤(総研化学株式会社製、商品名:SKダイン1306):100質量部
硬化剤(総研化学株式会社製、商品名:E−AX):0.2質量部
[電離放射線硬化性樹脂組成]
6官能ウレタンアクリレート:60質量部
3官能ウレタンアクリレート:40質量部
シリカ(粒径約3μm):20質量部
6官能シリコーンメタクリレート:2質量部
比較例1
実施例1において、基材の不織布を裏打紙(米秤量50g/m2の壁紙用裏打紙(「WK−FKKD(品番)」:興人(株)製),ワックスピッキング法により測定された値:16,全有機質分中のパルプ含有率:95%)とした以外は実施例1と同様にして、粘着壁紙を作製した。評価結果を第1表に示す。
比較例2
実施例1において、発泡樹脂層を電子線による架橋処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして、粘着壁紙を作製した。評価結果を第1表に示す。
比較例3
実施例1において、発泡樹脂層を設けない以外は実施例1と同様にして、粘着壁紙を作製した。評価結果を第1表に示す。


Figure 0005120244
*1,基材A:アールストローム社製、「8241(品番)」,ワックスピッキング:26,全有機質分中のパルプ含有率:70%
*2,基材B:壁紙用裏打紙(「WK−FKKD(品番)」:興人(株)製,米秤量65g/m2,ワックスピッキング:16,全有機質分中のパルプ含有率:95%
*3,ワックスピッキングは、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 A法(以下、ワックスピッキング法という。)により測定した値である。
本発明によれば、壁紙を施工する際に、下地をひろわず容易な施工ができ、下地の継ぎ目をひろわずヘアークラックが入りにくく、また施工時に容易に貼りなおしができる粘着壁紙を得ることができる。
本発明の粘着壁紙の断面を示す模式図である。 本発明の粘着壁紙の断面を示す模式図である。 本発明の粘着壁紙の断面を示す模式図である。
符号の説明
1.粘着壁紙
2.基材
3.樹脂層
31.接着樹脂層
32.発泡樹脂層
33.非発泡樹脂層
4.粘着層
5.絵柄層
6.接着剤層
7.フィルム層
8.表面保護層

Claims (7)

  1. 基材の一方の面に発泡樹脂層を有し、他方の面に粘着層を有する粘着壁紙であって、該発泡樹脂層が架橋されてなり、該基材が該基材に含まれる有機質分のうちの50%以上がパルプである不織布であり、該基材のJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.1:2000 A法により測定した値が20以上である粘着壁紙。
  2. 基材と発泡樹脂層との間に接着樹脂層を有し、該発泡樹脂層の基材側とは反対の側に非発泡樹脂層を有してなる請求項1に記載の粘着壁紙。
  3. 発泡樹脂層の発泡倍率が、2〜15倍である請求項1又は2に記載の粘着壁紙。
  4. 粘着層の鋼に対する初期粘着力が、7N/25mm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の粘着壁紙。
  5. 粘着層に用いられる粘着剤が、アクリル系粘着剤である請求項1〜4のいずれかに記載の粘着壁紙。
  6. 発泡樹脂層を構成する樹脂が、エチレン系重合体である請求項1〜5のいずれかに記載の粘着壁紙。
  7. エチレン系重合体が、エチレン−酢酸ビニル系共重合体(EVA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)の少なくとも1種を含む請求項に記載の粘着壁紙。
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