JP2004538282A - 注意欠陥・多動性障害の治療 - Google Patents

注意欠陥・多動性障害の治療 Download PDF

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Abstract

エルトプラジンおよび関連化合物を使用して、ヒトにおける注意欠陥/多動性障害(「ADHD」)ならびにそれに関連する徴候、不注意、および衝動性を伴う多動性を治療する方法を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、注意欠陥/多動性障害(「ADHD」)を治療するための新規の方法に関する。本発明はまた、認識機能を改善することにも関する。
【背景技術】
【0002】
注意欠陥/多動性障害(ADHD)は、注意および多動性−衝動性の制御に伴う問題を特徴とする行動障害である。ADHDに関連する注意困難および衝動性は、認識課題を使用して、十分に実証されている。これらの問題は同時に存在するが、他を伴わない1つの問題でも、診断する資格がある(非特許文献1)(DSM−IV−TR)。一般に、注意欠陥または不注意は、小児が小学校に入学するときに明らかになる。該障害の変形した形態は成人期にまで存続し得る(非特許文献2)。注意成分について、小児は外部からの刺激によって容易に取り乱し、課題を最後まで続けることを怠り、注意を維持することが困難である。活動成分について、小児はしばしば、そわそわとし、衝動的であり、過度に活発である。ADHDの徴候は、見かけ上学齢前の子供のように幼く見える可能性があり、事実上、常に7歳前に認められる(非特許文献3)。
【0003】
DSM−IV−TRによれば、注意欠陥/多動性障害の診断基準は、不注意および/または多動性−衝動性に関連する徴候に関する。3つのサブタイプのADHDが、認められる顕著な徴候に基づいて診断される。
【0004】
ADHDの特徴である徴候の多くは、正常な小児においても時折生じる。しかし、ADHDの小児は頻繁にこれらの徴候を示し、小児の毎日の機能を干渉する傾向がある。そのような小児はしばしば、興奮しやすく、対人関係が損なわれるため、学業成績が低いことが問題になっている。
【0005】
ADHDは、小学生の2〜6%が罹患する。小児科医は、小児科の患者の約4%がADHDであると報告しているが、しかし、実際には、DSM−IV−TRにおいて推奨される診断基準のいくらか(全てとは限らない)を満たす小児において診断が行われる(非特許文献4)。男児は、該障害を有する可能性が女児の4倍高く、該障害は全ての文化において認められる(非特許文献5)。
【0006】
神経運動刺激薬は、ADHDの最も一般的な治療である。セイファー(Safer)およびクレイガー(Krager)(1988)は、99%のADHDの小児が刺激薬による治療を受け、そのうち93%には塩酸メチルフェニデート(リタリン(Ritalin))が投与され、残りには硫酸デキストロアンフェタミン(d−アンフェタミン)またはペモリンが投与されたことを報告した(非特許文献6)。次の4種の個別の精神刺激薬は、ADHDの中心的特徴、特に不注意およびADHD関連多動性−衝動性の徴候を一貫して減少する(非特許文献7)。これらの薬物は、シナプス前ニューロン上のカテコールアミンのための取り込み部位を遮断するかまたはカテコールアミン貯蔵顆粒の放出を刺激する。それらは代謝され、かなり迅速に身体から離れ、それらは1〜4時間の治療期間を有する。しかし、精神刺激薬は、社会または学業面での技能において長期的な変化を生じさせることはないようである(非特許文献8)。刺激薬は、一般に低用量で開始し、1週間ごとに調整される。一般的な刺激薬の副作用として、不眠、食欲減退、腹痛、頭痛、および神経質が挙げられる。精神刺激薬はまた、習慣性があるため、濫用の可能性を有する。従って、ADHDを治療するための現在の方法は、患者によっては不適切な治療を提供し、および/または該方法の有用性を制限する副作用を有する。
【0007】
精神刺激薬に忍容性を示すことができない小児には、しばしば、抗鬱薬であるブプロピオンを服用させる。ブプロピオンは刺激薬ほど有効ではないが、刺激薬治療を増大するための補助薬として使用することができる。
【0008】
カステラノス(Castellanos)らは、ADHDは、認識過程、注意、および運動出力行動を調節する前頭−線条体−淡蒼球−視床皮質ループの改変された機能から生じる遺伝的にプログラムされた脳発達の障害であると結論した(非特許文献9)。ADHDの正確な病因は不明であるが、神経伝達物質の欠損、遺伝学、および周産期合併症が関与している。
【0009】
ADHDの個体は、時間の感覚を認識する能力が損なわれていることが報告されている(非特許文献10)。時間認知は、動物ならびにヒトにおけるドーパミン作動性およびコリン作動性操作に対して感受性である認識機能の有用な測定である。全ての行動課題において認められるように、いくらかの過程は、時間課題における良好な定常状態のパフォーマンスの基礎になる。これらの行動課題として:注意、動機、短期および長期記憶、運動協調性、ならびに道具的学習などが挙げられる。尺度構成、弁別、および再生は、同定されている時間課題の3つの主なタイプである。尺度構成では、被験体は、例えば、刺激を所定の組のカテゴリーに分類(「長期間であった」)するかまたはその期間を言葉で評価(「4秒間であった」)しなければならない。弁別では、2つの期間(「第2の刺激は第1の刺激よりも長かった」)が評価される。最後に、再生では、刺激といくつかの関係を有する反応(例えば、刺激と同じ長さかまたはそれより長い反応のみが正しい)が行われる。
【0010】
時間認知は、ADHDの個体における認識欠陥を試験するための特に有効な測定である。例えば、コーナーズ(Conners)およびレビン(Levin)(1996)は、ADHDの成人が、ニコチンの投与によって、注意および時間調節の測定において改善することを示した。ニコチンは、精神刺激薬であるメチルフェニデートおよびd−アンフェタミンと同様に、間接的ドーパミンアゴニストとして作用し、注意および覚醒を改善する。研究は、ADHDの成人および青年は、正常な個体または他の精神医学的症状を伴う個体よりもかなり多く、おそらく、ADHD徴候に対する自己投薬の形として、喫煙することを示している。結果は、有意な医師評価包括的改善、自己評価活力および集中力、ならびに注意および時間調節確度の時間測定に対する性能の改善が認められ、副作用は最小限であったことを示した(非特許文献10)。
【0011】
フェニルピペラジン誘導体である塩酸エルトプラジン(Eltoprazine)[1−(2,3−ジヒロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン塩酸塩]は、本来「セレニック(serenic)」として開発された。「セレニック系薬剤」は、一般的機能または運動能力にネガティブな影響を及ぼさない攻撃性行動の選択的治療のために開発され、最小限の副作用を実証している。従って、エルトプラジンは、高い特異性を有する不適切な攻撃性を治療および管理するために開発された。臨床治験では成功しなかったが、エルトプラジンは臨床的に安全であることが証明された(非特許文献11)。
【0012】
攻撃性におけるエルトプラジンの作用機構は、中枢のセロトニン作動性(5−ヒドロキシトリプトファン、5−HT)システムの活性化に関連すると仮定されている(非特許文献12)。成人では、中枢5−HT神経伝達は攻撃性と逆相関する。即ち、5−HT機能の減少は攻撃性の増加と関連する。しかし、そのような関係は、小児では、ADHDの小児を含めて認められないことが報告されている(非特許文献13)。
【0013】
現在、7つの主要な5−HT受容体クラスが同定されている:5−HT1、5−HT2、5−HT3、5−HT4、5−HT5、5−HT6および5−HT7。放射性リガンド研究は、少なくとも5つのサブタイプの5−HT1受容体(1A、1B、1D、1Eおよび1F)を示している。5−HT1Bは海馬の形成において存在するため、これらの受容体の潜在的な役割は記憶過程の調節であることが示唆されている(非特許文献14)。セロトニンは、海馬の中隔末端上に配置される5−HT1B受容体によるアセチルコリンの放出(非特許文献15)およびCA1錘体ニューロン末端にある5−HT1B受容体による背側海馬台におけるグルタミン酸放出(非特許文献16)を阻害する。ラットの海馬受容体を刺激すると、空間学習課題が損なわれ、対象探査課題において新奇恐怖反応が生じる(非特許文献17)。従って、5−HT1B受容体の遮断は、注意および感情に潜在的に影響し、学習および記憶過程にポジティブに影響する(非特許文献17)。従って、5−HT1Bアゴニストは、注意または認識機能を増強しないと予想され得る。
【0014】
エルトプラジンの結合プロフィールは、[3H]エルトプラジンにより得られる直接結合データと共に、該化合物が選択的5−HT1リガンド(5−HT1以外の全ての受容体について選択的である)ことを示す。様々な5−HT受容体サブタイプに対するエルトプラジンの結合親和性は、5−HT1A、5−HT1B、および5−HT2C受容体に対する親和性と概ね等しい親和性を有する5−HT1D受容体に対する親和性が比較的低いことを除いて、セロトニンに密接に類似する(非特許文献12)。エルトプラジンは、混合型5−HT1A/1B受容体アゴニストとして作用する。エルトプラジンは、ドーパミン受容体に対して妥当な親和性を有さない(即ち、Ki>1μM、(非特許文献12))。5−HT受容体のうち、5−HT1Bは、軸索末端上の自己受容体として配置され、神経伝達物質放出の阻害を担う一方、それはまた、軸索および非セロトニン作動性ニューロンの末端上のヘテロ受容体としてシナプス後に配置され、それらの活性を阻害する。
【0015】
薬物動態研究は、エルトプラジンHClは、約95%の絶対的バイオアベイラビリティで極めて良好に吸収される。エルトプラジンの最大血漿中濃度は投与1〜4時間後に達せされ、続いて、7〜9時間の終末半減期で血漿中濃度が減少する。未変化のエルトプラジンの累積腎排泄は約40%である。血漿中消失半減期は5〜12時間の範囲である。エルトプラジンの血漿中濃度は、直線容量依存的様式で増加する(非特許文献18)。
【0016】
【非特許文献1】
Am.Psychiatric Assoc.Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第4版、改訂版、2000
【非特許文献2】
Am.Psychiatric Assoc.Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第3版、1987
【非特許文献3】
ハルペリン(Halperin)ら、J.Am.Acad.Child Adolescent Psychiatry,32:1038−1043,1993
【非特許文献4】
ウォルライヒ(Wolraich)ら、Pediatrics,86(1):95−101,1990
【非特許文献5】
ロス(Ross)およびロス(Ross)、Hyperactivity,New York,1982
【非特許文献6】
セイファー(Safer)およびクレイガー(Krager)、J.A.M.A.,260:2256−2258,1988
【非特許文献7】
スペンダー(Spender)ら、Arch.Gen.Psychiatry,52:434−443,1995
【非特許文献8】
ペルハム(Pelham)ら、J.Clin.Child Psychology,27:190−205,1998
【非特許文献9】
カステラノス(Castellanos)ら、Arch.Gen.Psychiatry,53:607−616,1996
【非特許文献10】
コーナーズ(Conners)およびレビン(Levin)、Psychopharmacol.Bulletin,32(1):67−73,1996
【非特許文献11】
デ・コーニング(de Koning)ら、Int.Clin.Psychopharmacol.,9:187−194,1994
【非特許文献12】
シッパーJ.(Schipper,J)ら、Drug Metabolism & Drug Interactions,8:85−114,1990
【非特許文献13】
シュルツ(Schulz)ら、Psychiatry Res.,101:1−10,2001
【非特許文献14】
マラーレットJ.(Malleret,J.)Neurosci.,19:6157−68,1999
【非特許文献15】
マウラ(Maura)およびライテリ(Raiteri)、Eur.J.Pharmacol.,129:333−3371986
【非特許文献16】
アイト・アマラ(Aiet Amara)ら、Brain Res.Bulletin,38(1):17−23,1995
【非特許文献17】
ブホット(Buhot)およびナイリ(Naili)、Hippocampus,5:198−208,1995
【非特許文献18】
デ・バリーズ(De Vries)ら、Clinical Pharmacology,41:485−488,1991
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、ヒトにおけるADHDおよびそれに関連する行動を治療するのに有用な方法ならびに組成物に関する。本発明において有用な化合物は、ADHDの治療において有用であると考えられ、低い副作用を示し、他の利用可能な治療薬と比較して、濫用の可能性を有さないと予想される。
【0018】
本発明のADHDの治療を使用して、ADHDに関連する診断基準のいずれか1つ以上を減少することができる。本発明の好適な実施態様では、ADHDに関連する徴候の治療を提供するために、エルトプラジンが個体に投与される。本発明の1つの目的は、式I
【0019】
【化1】
(式中、
1は、水素、アルキル、シクロアルキル、任意に、エステル化されたヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、任意に、置換されたフェニルまたはヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキル−またはジアルキル−アミノカルボニル、ニトロ、アミノ、アルキル−またはジアルキル−アミノ、アシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールアミノ、シアノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、任意に、エステル化された水酸基、アルキル−もしくはアミノ−スルホニル、または−スルフィニル、アルキル−もしくはジアルキル−アミノスルホニルまたは−スルフィニルであり、pは0〜3の値を有し;
2およびR’2は、独立して水素またはアルキル基であり、nおよびqは0または1の値を有することが可能であり;
3は、R1と同じ意味を有し得るか、またはアルキリデン、オキソもしくはチオキソ基であり、mは0〜2の値を有し;
Aは、フェニル基の2個の炭素原子と一緒になって、環中に5〜7個の原子を有する任意に全体または部分的に不飽和な環式基を形成し、O、S、およびN基のうち1〜3個のヘテロ原子を含む、但し、酸素およびイオウ原子の個数の合計が多くても2である)
の治療有効量の化合物を個体に投与することによって、ADHDを治療する方法であって、
ここで、
化合物は、ラセミ体であるか、または単一のジアステレオマーもしくはエナンチオマーであり得るか;
あるいはその薬学的に許容可能な酸付加塩である、
方法を提供することである。
【0020】
さらに、本発明は、ADHDに関連する認識機能を改善するための方法を提供する。
【0021】
本発明のもう1つの目的は、他の利用可能な治療と比較して低い副作用を有する、ADHDに関連する不注意および/または多動性−衝動性の治療のための薬学的組成物を提供する。
【0022】
以下の図面は、本発明の実施態様の例示であって、特許請求の範囲に包含される本発明の範囲を限定することを意味するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、ヒトにおけるADHDを治療する方法を提供する。本明細書において使用されるADHDは、ADHDの個体に認められ、DSM−IV−TRにおいてい規定される3つのサブタイプ、不注意、多動性/衝動性、または組み合わせに関連する異なる組の徴候を含むことが意図される。ADHDに関連する衝動性は、他の徴候、即ち、多動性または多動性および不注意と共に認められる。
【0024】
主要な不注意タイプのADHDは、以下の不注意の徴候のうちの6つ(またはそれ以上)(および下記の6未満の多動性−衝動性徴候)が、発育レベルに不適応かつ不一致な程度で少なくとも6ヶ月間存続する場合に診断される。ADHDの不注意成分は、次の徴候の1つ以上を含むことができる:(a)しばしば、細部に細心の注意を払うことができないか、または学業、作業、もしくは他の活動において不注意な誤りを犯すこと、(b)しばしば、課題または遊びの活動において注意を持続することが困難であること、(c)しばしば、直接話しかけても聞いていないように思われること、(d)しばしば、指示に従わず、学校での作業、雑用、または作業場での業務を最後まで続けることができないこと(対抗する行動によるものでも、もしくは指示の理解不足によるものでもない)、(e)しばしば、課題および活動を組織することが困難であること、(f)しばしば、精神力の持続を必要とする課題(学業もしくは宿題など)に従事することを回避するか、好まないか、またはためらうこと、(g)しばしば、課題または活動に必要な事物(例えば、玩具、学校の課題、鉛筆、本、もしくは道具)を紛失すること、(h)しばしば、外部からの刺激によって容易に取り乱すこと、ならびに(i)しばしば、日常の活動において物忘れしやすいこと(DSM−IV−TR、上掲)。
【0025】
主要な多動性/衝動性タイプのADHDは、以下の多動性−衝動性の徴候のうちの6つ(またはそれ以上)(および下記の6未満の不注意徴候)が、発育レベルに不適応かつ不一致な程度で少なくとも6ヶ月間存続する場合に診断される。ADHDの多動性成分は、次の徴候の1つ以上を含むことができる:(a)しばしば、手もしくは足をそわそわと動かすかまたは席でもじもじしていること、(b)しばしば、教室または席に座ったままでいることが期待される他の状況において席を離れること、(c)しばしば、それが不適切な状況において過度に走り回るかまたはよじ登ること(青年もしくは成人では、落ち着かないという主観的感情に限定され得る)、(d)しばしば、静かに遊ぶかまたは余暇活動に従事することが困難であること、(e)しばしば、「絶えず活動している」状態であるか、またはしばしば、「原動機によって駆動されている」かのように行動すること、および(f)しばしば、過度に話すこと。ADHDの衝動性成分は、次の徴候の1つ以上を含むことができる:(g)しばしば、質問が終了する前に答えを先に話し出すこと、(h)しばしば、順番を待つことが困難であること、および(i)しばしば、他者を妨げるかまたは侵害すること(例えば、会話もしくはゲームに干渉する)(DSM−IV−TR、上掲)。
【0026】
最も多く認められるADHDのサブタイプは、不注意、多動性および衝動性の3つの全ての組の徴候を含む組み合わせタイプである。組み合わせタイプのADHDは、6つ(またはそれ以上)の不注意の徴候および6つ(またはそれ以上)の他動性/衝動性の徴候が少なくとも6ヶ月間存続する場合に診断される。組み合わせタイプ、ならびに不注意および多動性/衝動性サブタイプのADHDは、本発明に従って治療することができる。
【0027】
濫用される可能性および/または所望でない副作用を有する従来の治療薬とは異なり、本発明は、現在最も広範に処方される薬理学的治療である精神刺激薬の濫用可能性を有さないことが予想され、他のタイプの薬理学的治療薬とは異なる副作用プロフィールを有しえる。従って、本発明によって提供されるADHD治療の方法の利点は、所望されない所定の副作用を減少または回避することができる。
【0028】
上述されるように、ADHDは、DSM−IV−TRに従って規定され、当該分野において認識される不注意、多動性および衝動性の徴候クラスターにおける徴候を有する固体に基づいて診断される。本発明によって使用されるための化合物、好ましくは、エルトプラジンを使用して、ADHDおよび/またはADHDに関連する特定の徴候もしくは一群の徴候の様々な組み合わせを治療することができる。ADHDに関連する徴候を本発明に従って治療する場合、好ましくは少なくとも2つのADHDに関連する徴候が存在し、衝動性クラスターにおける徴候が存在する場合、多動性または不注意クラスターにおけるADHDのもう1つの徴候もまた存在する。
【0029】
本発明に従うADHDの治療は、式1:
【0030】
【化2】
(式中、
1は、水素、アルキル、シクロアルキル、任意に、エステル化されたヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、任意に、置換されたフェニルまたはヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキル−またはジアルキル−アミノカルボニル、ニトロ、アミノ、アルキル−またはジアルキル−アミノ、アシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールアミノ、シアノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、任意に、エステル化された水酸基、アルキル−もしくはアミノ−スルホニル、または−スルフィニル、アルキル−もしくはジアルキル−アミノスルホニルまたは−スルフィニルであり、pは0〜3の値を有し;
2およびR’2は、独立して水素またはアルキル基であり、nおよびqは0または1の値を有することが可能であり;
3は、R1と同じ意味を有し得るか、またはアルキリデン、オキソもしくはチオキソ基であり、mは0〜2の値を有し;
Aは、フェニル基の2個の炭素原子と一緒になって、環中に5〜7個の原子を有する任意に全体または部分的に不飽和な環式基を形成し、O、S、およびN基のうち1〜3個のヘテロ原子を含む、但し、酸素およびイオウ原子の個数の合計が多くても2である)
の治療有効量の化合物を、治療を必要とする個体に投与することによって、提供される。
【0031】
他に規定しない限り、アルキルは1〜10個の炭素原子であり、アリールは6〜10個の炭素原子であり、シクロアルキルは3〜10個の炭素原子である。
【0032】
ハロゲンの場合、R1は、好ましくはフルオロ、クロロまたはブロモであり、アルキル基の場合、R1は、好ましくは1〜5個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖、飽和もしくは不飽和基である。
【0033】
アルキル基の場合、R2は、好ましくはメチルまたはエチル基である。
【0034】
ヒドロキシアルキル基の場合、R3は、好ましくは1〜3個の炭素原子を含む。
【0035】
1またはR3がエステル化された水酸基またはヒドロキシルアルキル基である場合、エステル基は、好ましくは、式O−CO−R4または−O−CS−R4を有し、式中、R4はアルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルであり、ここで、アルキル基は分岐してももしくは分岐していなくてもよく、そして(ヘテロ)アリールは任意に置換されていてもよく、またはR4はアルコキシ、ヘテロアルコキシもしくはジアルキルアミノ基であってもよく、2つのアルキル基は、窒素原子と一緒になってヘテロ環式環を形成することができる。
【0036】
1またはR3がエーテル化された水酸基またはヒドロキシアルキル基である場合、エーテル期は、好ましくは、式−O−R5を有し、式中、R5は、1〜5個のC原子を有する直鎖、分岐鎖もしくは環式アルキル基、またはそのアルコキシ部分およびアルキル部分の両方において1もしくは2個のC原子を有するアルコキシアルキル基である。
【0037】
エルトプラジン(1−(2,3−ジヒロ−1,4−ベンゾジオキサニル−5−イル)ピペラジン)は、本発明による使用に対して特に好適である:R1、R2、R’2およびR3はハロゲンであり、Aは、それに結合するフェニル基と一緒になって、2,3−ジヒロ−1,4−ベンゾジオキシン、C121622;またはその薬学的に許容可能な塩、好ましくはHClを形成する。本発明に有用であり得るもう1つの好適な化合物はバトプラジン、(8−(1−ピペレジン)−2H−1−ベンゾピラジン−2−オン)である。本発明には、式1の化合物のプロドラック、具体的には、不活性であるが、投与後に身体において活性型に変換される式1の化合物の誘導体の使用も含まれる。
【0038】
エルトプラジンを含む上記の化合物およびそれらの合成方法は当該分野において公知であり、米国特許第4,833,142号;米国特許第5,424,313号;欧州特許第189,612号;および欧州特許第138,280号(それらの全体が参考として本明細書に援用される)に記載されている。
【0039】
ADHDおよび/またはADHDに関連する徴候は、式1に従う治療用量の化合物を投与することによって治療される。
【0040】
ADHDおよびADHDに関連する徴候を治療するためのエルトプラジンの有用性は、エルトプラジンが、前記症状を治療するのに有用であることが既知である他の化合物と所定の活性プロフィールを共有するという本明細書において開示される驚くべき発見に基づく。アンフェタミンはモノアミン作動性伝達を増強する;しかし、ADHDにおけるそれらの作用機構はなおかなりの部分が憶測の域を出ていない。理論的関連付けを伴わなければ、1つの可能な機構として、前頭皮質などの注意機構に関連する脳の領域におけるドーパミン放出の増強があるが、そのようなモデルは過度に単純であり、不完全である。(ネストラー(Nestler)、ヘイマン(Hyman)、およびマレンカ(Malenka)、Molecular Neuropharmacology:A Foundation for Clinical Neuroscience、マグローヒル(McGraw Hill)、2001)。アンフェタミンなどの精神活性物質は、典型的にU型曲線を示し、低用量で認識エンハンサーであり、高用量で認識パフォーマンスの破壊剤である。
【0041】
これらのU字型曲線の基礎となる機構についてはあまり理解されておらず、1つの可能性はシナプス前およびシナプス後ドーパミンD2受容体に対する異なる作用である。低用量は、シナプス後(または前)受容体に好適に影響を及ぼし、より高い用量のみが両方のタイプに影響を及ぼす可能性がある。異なる作用は、異なる結合特徴(受容体の微妙な変化による)か、または受容体の保留量の差異(ここで、高い受容体保留はより強力な効果を生じる)の結果であり得る。ドーパミン(ならびにドーパミンアゴニスト)のこのような二重のシナプス前およびシナプス後作用は、セロトニン作動性システムにおいて模倣され、5−HT1Aおよび5−HT1B受容体は自己受容体(シナプス前)およびヘテロ受容体(シナプス後)の両方として存在し、反対の効果を有する。シナプス前作用は、典型的に神経伝達物質放出の減少(および標的受容体のより低い活性化)を生じる一方、シナプス後作用は、標的受容体の活性化の増強を生じる。
【0042】
アンフェタミン様薬物(および有害反応によって精神刺激薬の使用が妨げられる場合はADHDのために使用される1つの抗鬱薬であるブプロピオン)の主な標的はドーパミン作動性システムであるが、ドーパミンとセロトニンとの間の強力な相互作用は公知である。その結果、セロトニンシステムに影響を及ぼす薬物は、ドーパミン作動性システムにおける第2の効果を有する可能性が極めて高い。さらに、二重シナプス前およびシナプス後作用を有するセロトニン作動性薬物は、U字型反応を示すことが予想され得る。従って、低用量で認識エンハンサーとして作用し、高用量でパフォーマンスを破壊する薬物は、アンフェタミン様効果を模倣し、従ってADHDの治療において価値を有しえる薬物であってもよい。
【0043】
本発明によるADHDの治療において使用される化合物の用量は、治療を要する個体の障害の重症度、体重、および代謝健康度によって通常の様式で変動する。一般的な患者集団の好適な初期用量は、例えば、臨床治験中に行われる日常的用量範囲研究によって決定される。ここの患者の治療有効量は、副作用を最小限にする一方、所望される治療または予防効果に到達するために個体に投与される薬物の量を滴定することによって、決定することができる。この化合物の好適な初期用量は、約0.1mg/日〜100mg/日の間で見積もることができる。より好ましくは、初期用量は、0.1mg/日〜30mg/日の間で見積もられる。より好適には、初期用量は0.1mg/日〜10mg/日の間で見積もられる。
【0044】
ADHDおよびその徴候に対する治療効果を達成するために、本発明による使用のための化合物の好適な血漿中濃度は、ヒトにおいて約0.06ng/ml〜200ng/mlの間である。本発明による使用のためのエルトプラジンの好適な血漿中濃度は、ヒトにおいて約0.2ng/m〜約65ng/mlの間である。
【0045】
本発明の化合物の投与は、例えば、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下、または直腸投与などの治療薬を投与するために使用される任意の方法によることができる。
【0046】
本発明における使用のための治療化合物、具体的にはエルトプラジン[1−(2,3−ジヒロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジン]もしくは薬学的に許容可能な塩(エルトプラジンの場合好ましくはHCl)またはそのプロドラックを含むことに加えて、本発明による使用のための薬学的組成物はまた、薬学的に許容可能なキャリアを含んでもよい。そのようなキャリアは、保存剤、賦形剤、充填剤、湿潤剤、結合剤、崩壊剤などの添加物を含んでもよく、緩衝剤もまた、本発明の組成物中に存在することができる。適切な添加物は、例えば、炭酸マグネシウムおよびカルシウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、糖、ゴム、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウム、着色または香味剤などであってもよい。薬学的剤形のための広範な薬学的に許容可能な添加物が存在し、適切な添加物を選択することは、薬学的処方の当業者にとって日常的事項である。
【0047】
組成物は、錠剤、カプセル、散剤、顆粒剤、トローチ剤、坐剤、再構成可能な散剤、あるいは経口、または滅菌非経口用溶液もしくは懸濁液などの液体製剤の形態であってもよい。
【0048】
投与の一貫性を得るために、本発明の組成物は単位用量の形態にあることが好ましい。経口投与のための単位用量形態は、錠剤、カプセルなどであってもよく、結合剤、例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントゴム、またはポリビニルピロリドン;およびキャリアまたは充填剤、例えば、ラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールもしくはグリセリンなどの従来の賦形剤を含有してもよい。添加物としては、崩壊剤、例えば、デンプン、ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウムまたは微結晶性セルロース;保存剤、およびラウリル硫酸ナトリウムなどの薬学的に許容可能な湿潤剤を挙げることができる。
【0049】
単位用量形態に加えて、多用量形態もまた、本発明の範囲内で考慮される。遅延放出組成物、例えば、徐放コーティング、マイクロカプセル化、および/または緩徐溶解性ポリマーキャリアを用いることによって調製される組成物もまた当業者に明らかであり、本発明の範囲内で考慮される。
【0050】
経口用固体組成物は、混和、充填、錠剤化などの従来の方法によって調製することができる。反復混和操作を使用し、大量の充填剤を用いて、これらの組成物全体に有効成分を分散させることができる。そのような操作は当該分野において従来的である。錠剤は、例えば、腸溶コーティングによる通常の製薬実施において周知である方法に従って、被覆することができる。
【0051】
経口用液体製剤は、例えば、エマルジョン、シロップ、またはエリキシル剤の形態であってもよく、または使用前に水または他の適切なビヒクルで再構成するための乾燥生成物として存在してもよい。そのような液体製剤は、懸濁化剤、例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、および硬化食用脂;乳化剤、例えば、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、またはアラビアゴム;非水性ビヒクル(食用油を含むことができる)、例えば、アーモンド油またはヤシ油、グリセリン、プロピレングリコール、もしくはエチルアルコールなどの油性エステル;保存剤、例えば、p−ヒドロキシベンゼン酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸などの従来の添加物;ならびに所望であれば従来の香味または着色剤を含むことができる。
【0052】
非経口投与のために、液体単位投与形態は、化合物および滅菌ビヒクルを利用して調製され、使用する濃度に依存して、ビヒクル中に懸濁または溶解することができる。溶液を調製する場合、化合物を注射用水または食塩水に溶解し、適切なバイアルまたはアンプルに充填して密封する前にフィルター滅菌することができる。有利なことに、局所麻酔剤、保存剤および緩衝化剤などの添加物をビヒクルに溶解することができる。適切な緩衝化剤として、例えば、リン酸塩およびクエン酸塩がある。安定性を増大するために、ビヒクルを充填した後に組成物を凍結して、減圧下で水を取り出すことができる。非経口懸濁液も、化合物を溶解する代わりにビヒクル中に懸濁し、ろ過による滅菌を達成することができないことを除いて、実質的に同じ方法で調製される。化合物は、従来の手段、例えば、滅菌ビヒクルに懸濁する前に照射またはエチレンオキシドに対する暴露によって、滅菌することができる。有利なことに、界面活性剤または湿潤剤は、化合物の均質な分布を容易にするために組成物に含まれる。
【0053】
以下、実施例によって、本発明をより詳細に説明するが、本実施例では、原型化合物であるエルトプラジンのADHDに関連する徴候の緩和における有効性を例示する。
【実施例】
【0054】
実施例1
ピーク手順は、課題を実施するための適切な期間および課題が実施される場合に動物が報酬を得る期間を学習する動物の能力を評価するために設計された行動モデルである。被験体は、適切な場合に反応して課題を実施し、報酬の時間が経過して報酬が送達されていない場合の「空試験」では反応を停止しなければならないため、該モデルは、行動の興奮および阻害成分に関する情報を提供する。該課題は、ADHDの症例であると思われるような阻害的機構では達成不能となる条件に対して反応性がある(プリスズカ(Pliszka)ら、Biol.Psychiatry,48:238−46,2000)。
【0055】
ピーク手順では、マウスは、各試験において同じ時間に送達されるが、いくつかの非強化試験では撤退される食餌のために作業するように訓練される。典型的に、反応速度は強化時間周辺で最大まで増加し、次いで、試験の終了に向かって低度に減少する。反応速度の形は、動物が強化の時間に感受性であるかどうかを示す。このモデルで良好な結果を出すためには、動物はいくつかの課題を学習しなければならない。第1に、動物は、反応(レバーを押す、ノーズポークするまたはキーをつつく)と報酬の送達との間の関連を作製しなければならない。第2に、動物は、時間を認知し、覚えておくことができなければならない。第3に、動物は、反応を開始し、次いで、反応を停止または阻害することによって、覚えた時間に行動しなければならない。第4に、動物は、試験における経過時間と強化のために覚えた時間とを比較することができなければならない。各試験において、タイムレコーダーが再設定され、動物は内部「カウンター」を再設定しなければならず、即ち、各試験のはじめに、動物は、試験時間の「計測」をゼロから開始すべきである。この課題を実施する能力は動物の作業記憶に依存する。試験のはじめに内部時計を開始するには、動物が試験開始時間に注意を払う必要があり、それは、視覚シグナルの形態でもよく、または本実施例で報告するように、実験チャンバにレバーを導入することであってもよい。注意を払うことができなければ、ばらつき度が高くなり、試験パフォーマンス中の正確さが失われる。反応機能の形を見ることによって正確さを測定する;従って、反応機能がより急激で、強化時間において集中していれば、このことは、注意過程が増大されているという結論を支持する。
【0056】
セッション終了後に測定される量で試験セッション中に得られる食餌を補足することによって、自由に食餌を与えた場合の体重の85〜90%に、マウスを食事制限した。アンフェタミン用量反応曲線では、C57BL/6Jマウスを使用した(n=14)。エルトプラジン研究では、C3Hマウスを使用した(n=14)。一旦制限したら、超高感度レバーを使用し、オペラントボックス(メド・アソシエーツ(Med Associates))において、レバーを押すように動物を訓練した。訓練中、任意の1回のレバー押しの後に食餌が送達された。一旦、レバー押しが活発になった(約1週間)ら、試験開始(チャンバにレバーが導入される時)と強化された反応との間に10秒間の一定間隔を導入した。反応が十分でない場合は全て、プログラムされた結果は得られなかった。1週間後、一定間隔を30秒間までに増加し、反応曲線が安定になるまで、この新しい一定間隔で動物を訓練した。訓練の最後の相は、強化が撤退される空または「ピーク」試験を含み、試験は一定間隔で3回継続した。
【0057】
一旦、ピーク試験中のパフォーマンスが安定したら、用量反応研究を開始した。薬物注入をセッションの30分前に送達した。投与は月曜日、水曜日および金曜日に予定し、火曜日および木曜日は薬物を伴わない通常のセッションを行った。エルトプラジン用量反応は、同じマウスに対して行い、少なくとも1週間のウォシュアウト期間を伴った。この時間中、全ての反応の強化を解除した。これらのピーク試験中の反応を記録し、5分値域ごとの反応回数を該試験における任意の時間間隔での最大反応速度で割ることによって、相対反応測定値に変換した。各試験について相対反応を計算した後、内部因子としての試験時間および用量による分散分析(ANOVA)を実施した。食塩水反応と対応する薬物用量反応との間の計画された一対比較によって、有意な相互作用を追跡した。
【0058】
阻害および反応制御の問題を伴う被験体では、反応曲線を鋭利にし、反応に対する開始および停止時間についてのより優れた制御を被験体に提供することによって、パフォーマンスを改善する薬物を見出すことが有益である。マウスおよび時間計測手順による実験を、パフォーマンスを改善する薬物を見出す機会を最大にするように設計した。アンフェタミンを、低〜やや高い用量で試験した。濫用性の薬物であるアンフェタミンは、低用量で認識エンハンサーとして、そして、かなり高い用量(認識増大用量の5倍を超える)でリクリエーション用薬物(「高揚」状態を生じる)としてヒトが使用している。
【0059】
図1は、d−アンフェタミンによって得られる反応パターンを示す。低用量1および2mg/kgでは、アンフェタミン曲線は、食塩水と比較して、曲線においてより高いピークを実証し、続いて迅速な減少を示す(図1A、1B)。対照的に、より高い4mg/kg用量では、アンフェタミン曲線は低用量ほど高いピークは示さず、曲線はより平坦である(図1C)。食塩水とアンフェタミンとの間の一対比較が有意性に達した時間をグラフに示す。ANOVAは、有意な用量×試験時間相互作用、p<0.001を示した。
【0060】
最も低い2つの用量は認識エンハンサーとして作用すると同時に、それらの曲線は鋭利になった。最も高い用量はパフォーマンスを破壊し、曲線は平坦になった。改善されたパフォーマンスは、曲線の鋭利なピークおよびそれに続く迅速な減少によって実証される。曲線のそれほど顕著でないピークおよびそれに続く平坦化は、パフォーマンスの低下を示す。本明細書で使用する認識増大は、高められた注意過程を指す。
【0061】
実施例2
以下の結果は、実施例1に記載の方法を使用して得た。エルトプラジンについて、極めて広範な用量:0.1〜4mg/kgを使用して、調べた。図2は、より高い用量のエルトプラジンにおける認識増大の減少を実証する。1、2、および4mg/kgのエルトプラジンで、パフォーマンス曲線は、食塩水曲線よりも平坦であった(それぞれ図2A、2B、および2C)。ANOVAは、有意な用量主要効果、p<0.001、および有意な用量×試験時間相互作用、p<0.01を示した。
【0062】
しかし、より低用量のエルトプラジンでは、図3に例示されるように、認識増大が観察された。0.1および0.9mg/kgの2つの個別の研究では、反応曲線のピークはより高く、曲線はより鋭利である。食塩水とアンフェタミンとの間の一対比較が有意性に到達する時間をグラフに示す。ANOVAは、1つの研究において有意な用量主要効果、p<0.001、および両方の研究において有意な用量×試験時間相互作用、p<0.01を示した。結論として、低用量でのエルトプラジンは、認識エンハンサーとして作用し、ADHDおよびその関連徴候の治療において有用であることが予想される。
【0063】
実施例3
コロボーマ(Cm)変異マウスは、ADHDの齧歯類モデルとして提唱されている(検討については、ウィルソン(Wilson)、Neurosci.Biobehav.Rev.,24:51−57,2000)。この提唱に対する根本的理由が3つある:第1に、Cm変異体(ヘテロ接合体)は、野生型同腹子の平均で3〜4倍の活動を示す高い自発的運動多動性を示すこと(ヘス(Hess)ら、J.Neurosci.,12:2865−2874,1992;ヘス(Hess)ら、J.Neurosci.,16:3104−3111,1996);第2に、このCm変異関連多動性は、低および中用量(2〜16mg/kg)のD−アンフェタミン(ヘス(Hess)ら、1996、上掲)(ADHDを治療するために一般に処方される精神刺激薬)によって改善され得ること;最後に、Cm変異マウスは、複雑な神経発達の重要なポイントを達成するのに遅延(ヘイセル(Heyser)ら、Brain Res.Dev.Brain.Res.,89:264−269,(1995))、および海馬生理学および学習パフォーマンスに欠陥(ステエフェンセン(Steffensen)ら、Synapse,22:281−289,1996;レイベル(Raber)ら、J.Neurochem.,68:176−186,1997)が認められ、これは、ADHDに認められる障害に対応し得ること。
【0064】
Cm変異マウスに関連する遺伝的欠損には、Snap遺伝子の欠失が含まれる(ヘス(Hess)ら、1992、上掲;ヘス(Hess)ら、Genomics,21:257−261,1994)。Snapは、シナプス伝達の調節に必要なシナプス小胞の結合および融合複合体の重要な成分であるSNAP−25をコードする。結果として、Cm変異動物は、Ca2+依存性ドーパミン放出において顕著な欠陥を示す(レイベル(Raber)ら、上掲)。中脳皮質、中脳辺縁に関与し得るこの機能低下DAシステム、ならびに黒質線条体回路が、Cm変異に関連する他動性の基礎になる可能な機構として、示唆されている(サグボルデン(Sagvolden)ら、Behav.Brain Res.,94:61−71,1998;サグボルデン(Sagvolden)およびセルゲアント(Sergeant)、Behav.Brain Res.,94:1−10,1998)。
【0065】
アンフェタミン(メチルフェニデートではない)は、Cm変異マウスの他動性を正常にする;コントロールおよびCm変異体の両方において、メチルフェニデートは用量依存的に運動活動を増加する(ヘス(Hess)ら、1996、上掲)。これら2つのADHD医薬品(両方ともシナプス前終末で作用する)の異なる効果は、シナプスのDA濃度を増加する異なる作用機構に起因している(ヘス(Hess)ら、1996、上掲)。
【0066】
今回、驚くべきことに、5−HT1A/1B受容体アゴニストであるエルトプラジンが、コロボーママウスの多動性に対してアンフェタミン様効果を生じることを見出した。
【0067】
動物
ヘテロ接合コロボーママウスは、本来、ジャクソン・ラボラトリー(The Jackson Laboratory)(メイン州、バー・ハーバー(Bar Harbor,ME))より購入し、本発明者らのコロニーにおいて飼育し、維持した。本研究では、20匹の変異マウスおよび25匹の野生型同腹子(全て8〜10週齢)を使用した。動物を4つのグループに分割した:変異/薬物−処置(n=11)、変異/ビヒクル−コントロール(n=9)、野生型/薬物−処置(n=13)、野生型/ビヒクル−コントロール(n=12)。週齢および性別をグループ間で均衡化した。全ての動物を同腹子として収容し(1ケージあたり2〜4匹のマウス)、随意食餌および水を与えて、12時間の明/暗サイクルで維持した。
【0068】
行動試験
通常の照明条件下で、オープン・フィールド試験を実施した。マウスを実験室に運び、少なくとも1時間、順化させた。試験30分前に、動物にd−アンフェタミン(4mg/kg)、エルトプラジン(0.5mg/kg)または食塩水のいずれかを腹腔内注入した。次いで、マウスを活動モニターアリーナに置いた(27×27×20cm、メド・アソシエーツ(Med Associates))。遺伝子型および処置が一致する4匹の動物を一度に試験した。各試験を少なくとも40分間継続し、その後、動物をホームケージに戻した。自動化赤外ビームアレイにより、運動活動(総移動距離)および中央部進入回数(区域横断の回数)を測定した。
【0069】
結果
データは、エルトプラジン処置によって減少する他動性のパラメータに対する有意な遺伝子型効果を示す。コロボーマ変異マウスは、運動活動の増加によって測定されるように、野生型マウスと比較して、多動性である。総歩行距離に対する遺伝子型効果を図4および5A(挿入図)に示し、総横断区域に対する遺伝子型効果を図5B(挿入図)に示す。図4および図5の挿入図は、食塩水処置した変異Cmマウスが、食塩水処置した野生型同腹子よりも約36倍の距離を移動した(18,386±6387対3116±338cm、図4;17725±6636対6288±1565cm、図5A)ことを示し、その規模は、先に報告した所見(ヘス(Hess)ら、1992、1996、上掲)と一致する。分散分析(ANOVA)は、総歩行距離に対する遺伝子型効果が有意であったことを示した(F(1,41)=6.798、p=0.0127)(図5A)。図5Bは、食塩水処置した変異マウスが、食塩水処置した野生型同腹子よりも頻繁に区域を横断したことを示す。ANOVAは、総横断区域に対する遺伝子型効果もまた有用であることを示した(F(1,4 1)=7.577、p=0.0088)。
【0070】
しかし、遺伝子型に関連する運動の差異は、エルトプラジン処置した動物では大きくかつ有意に減少し、アンフェタミン処置した動物では逆転した。
【0071】
野生型マウスに対するアンフェタミン、4mg/kgの投与は、刺激効果を有し、図4に示されるように、総移動距離が有意に増加した(3116±338対11657±2370cm;ANOVA F(1,15)=11.276、p=0.0043)。対照的に、Cmマウスに対する同用量のアンフェタミンは、食塩水処置したCmマウスと比較して、総移動距離が、食塩水処置した野生型マウスの範囲内まで有意に減少した(18386±6387対5966±1938cm;ANOVA F(1,11)=5.355、p=0.0459)。アンフェタミンは、コロボーマ変異マウスの多動性運動行動を効果的に正常化し、Cm変異マウスの運動を有意に減少した。ANOVAは、有意な処置×遺伝子タイプ相互作用を示した(F(1,25)=11.038、p=0.0027)。
【0072】
エルトプラジンは、野生型マウスの運動活動に影響を及ぼさなかったが、Cm変異マウスに対するエルトプラジンの効果は、驚くほどアンフェタミンに類似した。実際、エルトプラジン(0.5mg/kg、腹腔内)の投与により、図5Aに示される通り、Cm変異体の総歩行距離が8641±1811まで減少し、食塩水処置したCm変異体よりも50%を超えて減少した。同様に、図5Bに示される通り、エルトプラジンは、Cm変異体の区域横断の回数を、食塩水処置した野生型マウスの範囲内までに減少した。とりわけ、移動距離または横断区域によって測定されるように、エルトプラジンは、野生型動物の運動に対しては僅かにしか影響を及ぼさない。このような特異な薬物効果により、エルトプラジン処置した変異体および野生型動物の運動活動は、食塩水処置した野生型動物の運動活動と区別が付かないほどにまでなった。言い換えると、エルトプラジンは、Cm変異に関連する他動性を効果的に正常化した。
【0073】
エルトプラジンは、ヒトを含む様々な種において、広範な用量について試験されており、該化合物の全体的な安全性および忍容性は良好である(デ・コーニング(de Koning)ら、上掲)。重要なことに、使用用量では、エルトプラジンの鎮静効果は観察されなかった。実際、エルトプラジン処置した動物の活動は、本研究における正常な動物の活動に匹敵し、エルトプラジンの平静化(即ち、抗多動性)効果は、一般的な移動性の減少による可能性が除外される。
【0074】
精神刺激性抗ADHD剤であるd−アンフェタミン(メチルフェニデートではない)は、Cm変異体の正常な運動活動を回復させることが先に報告されており、このモデルの多動性に対する精神刺激薬の相反する効果を示唆している(ヘス(Hess)ら、1996、上掲)。しかし、本発明の所見は、エルトプラジンが多動性について特異的な調節の役割を有することを示唆する。要約すると、エルトプラジンは、ADHDのCm動物モデルにおいて抗ADHD剤のアンフェタミンと同様に作用しているが、野生型マウスにおいて観察されるアンフェタミンの有害刺激特性を欠き、抗ADHD剤としてのエルトプラジンの治療能および利点を実証している。
【0075】
実施例4
Cm変異マウスにおける運動のエルトプラジン誘導性正常化は、探査パフォーマンスまたは後ろ足で立つ頻度の変更に関連しないことを見出した。いくつかの研究者は、エルトプラジンが齧歯類の新奇恐怖症を増大し得ることを主張している(ロドガーズ(Rodgers)ら、Behav.Pharmacol.,3:621−634,1992;グリーベル(Griebel)ら、Psychopharmacology(Berl),102:498−502,1990)が、これらの研究において使用された用量(1.25mg/kg以上)および試験(高架+迷路または明−暗ボックス)は、本発明の研究において使用した用量および試験とは異なる。
【0076】
オープン・フィールド試験を実施例3に記載の通りに実施した。アリーナの中央を越える周縁についての探査パフォーマンスおよび後ろ足で立つ頻度を含むオープン・フィールド試験における2つのパラメータによって測定されるように、齧歯類は、生来、新奇恐怖症である。エルトプラジンは、本研究においていずれのパラメータも変更しなかった。図6が示すとおり、エルトプラジンは、Cmまたは野生型マウスのいずれにおいても探査パフォーマンスに対して効果を示さなかった。両処置グループの動物は、匹敵する時間量を費やして中央部において移動し、同様の距離を歩行した(図6A、6B);それらはまた、同じパターンの後ろ足で立つ行動を示した(図6C、6D)。
【0077】
まとめると、実施例3および4は、エルトプラジンは、動物の他の行動に影響を及ぼすことなく、Cm変異マウスの運動活動を選択的に鈍化することを示す。従って、Cm誘導性他動性に関するエルトプラジンの調節高架は高度に特異的である。
【0078】
実施例5
エルトプラジンの主な標的は5−HT1Aおよび5−HT1B受容体であることが報告されている(シッパーJ.(Schipper,J)ら、上掲を参照のこと)。しかし、驚くべきことに、多動性などのADHDに関連する症状の緩和または正常化におけるエルトプラジンの効果は、5−HT1B受容体でのアゴニスト作用以外の機構によって仲介され得ることを発見した。5−HT1B受容体がエルトプラジンの抗ADHD効果を仲介するならば、特定の5−HT1B受容体アゴニストはADHDのモデルにおいてエルトプラジンの効果を模倣するべきである。5−HT1B受容体アゴニストは、運動活動に対するエルトプラジンの効果と同じ効果を生じないことを見出した。
【0079】
実施例3に記載の方法を使用して、運動活性についてのオープン・フィールド試験におけるコロボーマ変異マウスで、5−HT1B受容体アゴニストCP94253を試験した。図7は、エルトプラジンとは異なり、CP94253はコロボーママウスの多動性行動を正常化することができないことを実証している。CP94253は、0.5mg/kgで、コロボーママウスの移動距離を有意に減少しなかったが、むしろ移動距離を増加する傾向があった。CP94253はまた、野生型マウスの運動活動に対して効果を示さなかった。コロボーママウスの運動活動に対するCP94253の効果は、エルトプラジンおよびアンフェタミンの両方の効果と対照的であり、驚くべきことに、このことは、エルトプラジンの平静化効果が5−HT1B受容体以外の機構によって仲介されることを示唆する。
【0080】
実施例6
もう1つの驚くべき発見は、不注意などのADHDに関連する症状の緩和または正常化におけるエルトプラジンの効果は、5−HT1B受容体でのアゴニスト作用以外の機構によって仲介され得ることを示す。5−HT1B受容体アゴニストは、ピーク手順(Peak Precedure)に対するエルトプラジンの効果と同じ効果を生じないことを見出した。実施例1に記載の方法を使用して、ピーク手順におけるC3Hマウスで5−HT1B受容体アゴニスト、CP94253を試験した。図8において示される通り、0.3〜3.0mg/kgの用量で、CP94253は、C3Hマウスにおけるピーク手順での時間計測に対する効果を示さなかった。このことは、このパラダイムにおけるエルトプラジンおよびアンフェタミンの両方の効果と対照的である(実施例1および2を参照のこと)。これらの結果は、認識増大についてのエルトプラジンの治療的抗ADHD効果は、既知の5−HT1Bアゴニスト以外の機構によって生じることのさらなる証拠を提供する。
【0081】
実施例7
5−HT1B受容体が抗ADHD治療薬としてのエルトプラジンの有効性において役割を有するかどうかをさらに決定するために、5−HT1B受容体が遺伝子ノックアウトによって欠失されたマウス(サウドウ(Saudou)ら、Science,265:1875−1878,1994)を、強化行動パラダイム、低反応率分化強化−36秒間(DRL−36s)スケジュールの遅延について試験した。ホモ接合5−HT1B(1BKO)マウスは、報酬を得るために指定された期間を待機することに困難を示す(ブルンナー(Brunner)およびヘーン(Hen)、上掲)。このような困難は、ADHDの多動性−衝動性徴候に反映し得る動物の行動を変更する薬物の能力を評価するための有用なモデルを提供する。
【0082】
DRL−36sスケジュールに対する行動と野生型同腹子およびホモ接合5−HT1Aノックアウト(1AKO)マウスの行動とを比較することによって、1BKOマウスの多動性−衝動性を評価した。1BKOマウスとは対照的に、1AKOマウスはオープン・フィールドにおいて多動性である(ランボズ(Ramboz)ら、Proc.Nat’l Acad.Sci.,USA,95:14476−81,1998)。1AKOマウスは、1BKOマウスと比較して、対抗行動表現型を示すことが明らかにされている(ザング(Zhuang)ら、Neuropsychopharmacology 21:52−60,1999)。
【0083】
DRLスケジュールは、本来、推定上の抗鬱薬をスクリーニングするために開発され、使用されている(O’ドンネル(O’Donnell)およびセイデン(Seiden)、J.Pharmacol.Exp.Ther.224−80−88,1983;セイデン(Seiden)ら、Psychopharmacology(Berl),86:55−60,1985)。動物の時間認知能力を評価する能力および特定の時間間隔の間待機することを学習することに対し報酬を得る能力に基づいて、DRLパフォーマンスの測定を使用して、ADHDに関連する多動性−衝動性を測定することができる(モンテロッソ(Monterosso)およびアインスリー(Ainslie)、Psychopharmacology,146:339−47,1999)。
【0084】
動物
雄性ホモ接合5−HT1Aおよび5−HT1B受容体ノックアウトならびに野生型マウスをユトレヒト大学(Utrecht University)の実験動物施設内で飼育した(GDL、オランダ、ユトレヒト(Utrecht,The Netherlands))。飼育創設体は本来、R.ヘン博士(Dr.R.Hen)(コロンビア大学、ニューヨーク(Columbia University,New York))より入手し、129/Sv株由来の樹立したコロニーから誘導した(サウドウ(Saudou)ら、上掲;ランボズ(Ramboz)ら、上掲)。マウスは、ホモ接合体ノックアウトおよび同じ129/Sv遺伝的背景を有する野生型マウスを飼育することによって、作製した。食餌の消費を制限して、動物を、自由に食事を摂取させたときの体重の約85%に保持した。
【0085】
行動試験
防音および換気した小部屋に収容したステンレス製格子床を有する8つの同一マウスオペラントチャンバ(16×14×13cm)(ENV−307M;メド・アソシエーツ社(Med Associates Inc.)、米国、バーモント州、ジョージア(Georgia,VT,USA))において実験を行った。各チャンバは、2つの超高感度可倒式レバーを具備し(ノーズポーク行動を登録するための光電池を含有する食餌カップの各側面上に1つのレバー)、チャンバ内でペレットディスペンサーが20mgの食餌ペレットを送達した(フォーミュラーA/I(Formula A/I)、P.J.ノイズ・カンパニー社(P.J.Noyes Company Inc.)、米国、ニューハンプシャー州、ランカスター(Lancaster,New Hampshire,USA))。赤色ハウスライト(50ルックス)を食餌カップおよびレバーに対向する壁の中央に配置した。刺激ライトを各レバーの上方および食餌カップの上方に配置した。実験セッションを制御し、データをコンピュータに記録した。
【0086】
使用したオペラント条件付け手順は、ラットについてデ・ブルイン(De Bruin)らにより記載された手順(デ・ブルイン(De Bruin)ら、Pro.Brain Res.126:103−113,2000)(参考として本明細書に援用される)の改変であった。3つの相の条件付けを行った:自己反応形成、獲得および逆転学習、ならびに消去。自己反応形成手順では、動物(遺伝子型あたりn=8)は、左右両方のレバーに対する強化の一定速度1(FR1)スケジュール下で食餌のためにレバーを押すことを学習した。各試験のはじめに、右または左のいずれか一方に対して刺激光を点灯し、対応するレバーをチャンバに挿入した。刺激光の下方のレバーを押すと、食餌カップの上方の刺激光の点灯によって信号化された強化子が直ちに送達され、その後、レバーの情報の刺激光が消灯し、レバーが後退した。あるいは、レバーが押されなかった場合、60秒後に刺激光が消灯してレバーが後退し、食餌ペレットが送達されなかった。いずれの場合においても、食餌カップへのノーズポーク反応または30秒間のタイムアウト期間後、5〜25秒間の範囲の試験間間隔(平均15秒間)で、試験が開始した。自己反応形成セッション中の全15強化において動物が獲得した場合に基準に到達した。
【0087】
獲得および逆転では、刺激光の点灯を伴わずに、2つのレバーをチャンバに導入した。セッションは、50の試験から成り、マウスを弁別学習に供し、即ち、2つの利用可能なレバーのうちの一方のみを強化した。弁別学習の獲得が十分に習得された(基準:95〜100%の間の正確なレバー押し)場合、課題の要求を変化させて、基準に到達するまで他方のレバーを強化した。消去相は獲得および逆転と同一であったが、強化は存在しなかった。
【0088】
DRL手順で訓練されたマウスにまず、オペラント条件付けを施した。DRL−36s課題は、ラットにおいて使用された手順から適応させた(O’ドンネル(O’Donnell)およびセイデン(Seiden)、上掲)。簡単に説明すると、まず、マウスに、DRL6秒間スケジュール(マウスは、食餌報酬を得るために、連続的にレバーを押す間に少なくとも6秒間待機しなければならなかったことを意味する)下で食餌に対する反応を学習させた。続いて、6秒間〜36秒間(DRL36秒間)の段階で、セッションごとにスケジュールの要件を増加した。各セッションは、ハウスライト、食餌カップの上方の刺激光の点灯およびセッションの間に左のレバーを提示することによって開始した。レバーを押すと、反応間時間が要求されたDRL時間よりも長かった場合に、食餌ペレットが送達された。マウスが余りに早く押す場合、強化は与えられず、時計は0に再設定され、新たな36秒間の待機期間が開始する。この様式では、DRL−36sスケジュール課題は、主に、ADHDに関連する多動性−衝動性行動に反映する待機戦略を測定する。DRL36秒間スケジュールに対するパフォーマンスが安定化するまで(約25セッション)、動物を訓練した。全ての訓練セッションは60分間継続し、月曜日〜金曜日の1週間あたり5日間行った。レバーを押す(反応)全回数、強化の全回数、および反応間時間(IRT)を記録した。
【0089】
データは、他に記載されている(リチャード(Richards)ら、J.Exp.Anal.Behav.60:361−385,1993;サボール(Sabol)ら、Psychopharmacology121:57−65,1995)ように解析した。反応間時間(IRT)解析は、DRL36秒間IRT分布の特徴についての3つの測定を含んだ:ピーク面積、ピーク位置およびバースト比。ピーク面積(PkA)およびピーク位置(PkL)のみを示す。PkAの測定は、対応する負の指数より上方で得られるマウスのIRT分布の面積、IRT<3秒間のバースト成分を除く得られるIRT期間の平均に基づく演算である(リチャード(Richard)ら、詳細については上掲を参照のこと)。得られる全てのIRT分布が正確に同じ値を有する一方、最小PkA値(0)が、得られるIRT分布および対応する負の指数が同一であることを示す場合、最大可能PkA値(1.0)のみが生じる。従って、PkAの減少は、マウスのIRT分布が、スケジュール制御の消失を示すランダムパフォーマンスにより類似することを示す。PkLは、対応する負の指数の情報で得られるIRT分布の面積のメジアンとして算出される。
【0090】
結果
野生型、1BKOおよび1AKOマウスに対するオペラント条件付け手順の自己反応形成行動を図9に示す。条件に到達するのに必要な時間(図9A)は、遺伝子型間で異なった(ANOVA F(2,24)=13.45、p<0.001)。さらなる解析により、1AKOおよび1BKOマウスの両方とも自己反応形成手順を獲得するのがより速かったことが示された。さらに、1分間あたりのノーズポークの平均回数(活動の推定上の測定値)は、遺伝子型間で異なり(ANOVA F(2,24)=12.14、p<0.001)、1BKOは1分間当たり最大のノーズポークを行った(図9B)。ノンパラメトリックな相関(ケンドールのτ)は、ノーズポーク行動および基準に到達するのに必要な時間が、すべての遺伝子型において負に相関したことを示した(r=−0.88、p<0.001)。1BKOマウスにおけるノーズポーク反応の増加は、自己反応形成条件付け反応に反映し、衝動性反応の形態であり得る(トミエ(Tomie)ら、Psychopharmacology,139:376−382,1988)。自己反応形成中の1AKOマウスのノーズポーク活動は、有意には増加しなかった。
【0091】
図10は、DL−36sスケジュールを学習する野生型または1AKOとは対照的に、1BKOマウスが有する困難を示す。1BKOマウスは、重度の時間弁別問題を呈した。1BKOマウスは、野生型または1AKOマウスと比較した最初の14セッションの進行にわたって、図10Aに示されるように、一貫して、より高い反応速度、および図10Bに示されるように、より低い強化速度を有し、課題の獲得が貧弱であることが示された。対照的に、野生型および1AKOマウスは、DRL36sを学習すると、より低い頻度で積極的に反応し、強化を受けるために適切な間隔で待機した。結果として、野生型および1AKOマウスは、訓練の進行にわたってさらなる強化を受けた。図10Aは、全ての遺伝子型において反応速度が減少した(F(6,114)=15.70、p<0.001)が、しかし、ブロック×遺伝子型相互作用効果は有意ではなかった(F(12,114)=1.50、p=0.14)。さらに、遺伝子型間で反応速度に有意差が認められた(F(2,19)=20.15、p<0.001)。事後比較は、全ての遺伝子型が異なることを示し、1BKOマウスは最も高い反応速度を有し、WTは最も低い反応速度を有した。強化の回数は、野生型および1AKOでは有意に増加したが、1BKOマウスでは増加しなかった(F(6,114)=16.48、p<0.001;ブロック×遺伝子型相互作用効果、F(12,114)=4.06、p<0.001)。全ての遺伝子型の反応速度は、相互に有意に異なった(F(2,19)=22.06、p<0.001)。
【0092】
図10Cは、1BKOマウスが、野生型および1AKOマウスとは異なり、訓練の終了までに反応に対する待機時間を延長しなかったことを示す。ピーク分割解析は、全てのマウスのブロックにわたってPkLが増加した(F(6,114)=2.73、p<0.05)が、有意な遺伝子型差異が認められた(F(2,19)=17.12、p<0.001);有意なブロック×遺伝子型相互作用効果(F(12,114)=1.46、p<0.15)は認められなかった。
【0093】
一旦、DRLパフォーマンスが安定化すると、1BKOマウスの反応速度は、野生型または1AKOマウスよりも有意に高く保持し、そして強化速度は低かった。野生型、1BKO、および1AKOマウスの安定なDRLパフォーマンスのIRTヒストグラムを、それぞれ図11A、11B、および11Cに示す。図11は、PkLが、野生型(35.2秒間)または1AKOマウス(34.0秒間)よりもかなり短く(22.4秒間)保持したことを実証する。要約すると、破壊的DRL戦略を示すマウスは(1BKOと同様に)、ADHDの多動性−衝動性徴候に反映し得る動物行動を変更する薬物の能力を評価するのに有用なモデルである。従って、DRL−36sスケジュールを使用して、1BKOマウスに対する向精神薬の抗衝動性効果を測定することができる。DRL−36sパラダイムにおける1BKOマウスの行動は、一般に、ADHD小児において観察される行動のタイプと一致し、1BKOマウスはADHDの有用な動物モデルであることを示す。
【0094】
実施例8
多動性を伴う衝動性はADHDに関連する行動であるため、DRL−36sスケジュールにおける1BKOマウスについてさらに試験し、エルトプラジンの潜在的治療効果を評価した。DRL−36sスケジュールにおける1BKOおよび野生型マウスのパフォーマンスに対するエルトプラジンおよびd−アンフェタミンの効果を比較して、これらの薬物が、同じ方法で1BKOおよび野生型マウスの行動に影響したかどうかについて決定した。
【0095】
行動試験
実施例7の方法に以下の改変を伴って、DRL−36sスケジュールにおいてマウスを条件付けし、調査した。1BKOマウスは、FR1に対する条件付け後、DRL−36sスケジュールの学習に困難を有したため、野生型および1BKOマウスを一定速度5(FR5)スケジュールに対して条件付けした。FR5では、報酬のためにレバーを1回押す代わりに、動物は5回押さなければならない。オペラント条件を変化させるための根本的理由は、強化に必要な反応の回数を増加することによって、野生型マウスはより大きな困難を有するはずであり、1BKO(いずれにせよ、より高い反応速度を有する)は強化を得るのがそれほど困難ではないはずだからである。事実、本発明者らは、FR5条件付け後、野生型および1BKOマウスは、それらのDRL−36sパフォーマンスにおいて劇的には異ならなかったことを見出した。
【0096】
結果
図12において示されるように、2および8mg/kgでのd−アンフェタミンは、野生型マウスでは強化の回数を有意に減少したが、1BKOマウスにおける強化の回数に対しては有意な効果を有さなかった。ANOVAは、有意な用量主要効果(F(3,92)=3.53、p<0.05)および有意な用量×遺伝子型相互作用(F(3,92)=4.44、p<0.01)を示したが、遺伝子型主要効果は有意ではなかった。1BKOマウスにおける反応速度に対するアンフェタミンの効果は、いずれの用量においても統計的有意性が認められなかったが、アンフェタミンは2mg/kgで野生型の反応速度を有意の増加し、8mg/kgで野生型の反応速度を減少した。4mg/kgで、アンフェタミンは、1BKOマウスと比較して野生型の反応速度を有意に減少した。ANOVAは、有意な用量主要効果(F(3,92)=17.0、p<0.001)、用量×遺伝子型相互作用(F(3,92)=3.48、p<0.05)、および遺伝子型主要効果(F(1,92)=5.26、p<0.05)を示した。最も低い用量のアンフェタミンで反応速度が増加し、強化速度が減少したことから、行動の破壊が示唆される。
【0097】
対照的に、図13において示されるように、エルトプラジンは、DRL−36s課題において、野生型および1BKOマウスの行動に対し匹敵する効果を有した。エルトプラジンは0.5mg/kgおよび1mg/kgで野生型ならびに1BKOマウスにおいて同等に、強化を有意に減少し、そして、DRL−36sスケジュールにおいて、0.5mg/kgで野生型および1BKOマウスにおいて同等に、有意に反応速度を減少した。ANOVAは、強化(F(3,57)=8.57、p<0.001)および反応速度(F(3,92)=5.59、p<0.001)に対する有意な用量主要効果を示したが、強化または反応速度のいずれに対しても有意な遺伝子主要効果もしくは用量×遺伝子型相互作用は示さなかった。図12および13を比較することにより、エルトプラジンは、両遺伝子型において、アンフェタミン様特性を示すことが実証される。
【0098】
要約すると、野生型および1AKOマウスは、反応する前に、少なくとも36秒間待機することを学習し、より多くの回数の強化を受ける。対照的に、1BKOノックアウトマウスはあまりに早く反応し、それらの行動は連続試験にわたってあまり改善せず、該マウスの多動性−衝動性傾向および5−HT1B受容体の関与の欠如が示唆される。エルトプラジンは、DRL−36s行動に対する効果においてd−アンフェタミンのいくつかの特性を共有する。類似性は、強化の回数において特に顕著であり、ここで、遺伝子型依存性の減少が認められる。エルトプラジンプロフィールはd−アンフェタミンと異なるが、しかし、おそらく、精神刺激薬とは異なる抗ADHDプロフィールに反映する。
【0099】
実施例9
本発明のエルトプラジンの抗ADHD効果において5−HT1B受容体に役割があればそれは何かをさらに決定するために、DAおよび5−HT相互作用について、インビボマイクロダイアリシスを使用して、エルトプラジン処置したマウスにおけるDAおよび5−HT放出を調べた。次いで、基底DAおよび5−HT放出におけるエルトプラジン誘導性変化を、特定の5−HT1B受容体アゴニストCP93129の効果と比較した。インビボマイクロダイアリシスは、覚醒して自由に運動する動物における細胞外神経伝達物質濃度の測定を可能にする。
【0100】
インビボマイクロダイアリシスおよびHPLC−ECD分析
デグローテ(DeGroote)らの方法(本明細書において参考として援用される)に従って、野生型および5−HT1Bノックアウトマウスにマイクロダイアリシスプローブを移植した。(デグローテ(DeGroote)ら、Eur.J.Pharmacol.,439:93−100,2002)。ダイアリシスプローブを、マウス脳の立体配列地図(フランクリン(Franklin)およびパキシノス(Paxinos))に従って、ブレグマより座標AP+0.80、ML−1.7mm、硬膜より座標DV−4.0mmで背側線条に置き、歯形棒(toothbar)を0mmに設定した。先に記載されている方法(本明細書において参考として援用される)(デグローテ(DeGroote)ら、2002)を使用して、術後16〜20時間にマイクロダイアリシス実験を開始した。ダイアリシスプローブ潅流の開始後、マウスを3時間、静置した。明期間中、マウスをホームケージにおいて試験した。20分ごとに、7.5μl酢酸を含有するバイアル中にサンプルを回収し、HPLC分析まで−80℃で保存した。
【0101】
エルトプラジンの末梢投与または選択的5−HT1B受容体アゴニストCP93129二塩酸塩(1,4−ジヒドロ−3−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル)−5H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−オン、トクリス(Tocris)、英国より入手)の線条体内投与後に、DAおよび5−HTの放出を測定した。実験日に、薬物を蒸留水に溶解し、さらに最終濃度までリンゲル(Ringer)溶液で希釈した。5−HTおよびDAを、電気化学検出を伴うHPLCで分析した。ギルソン(Gilson)ポンプおよびオートサンプラー(セパレーションズ(Separations)、オランダ(The Netherlands))を使用して、サンプル(25μl)をイナートシルODS−3(InertsilODS−3)カラム(3μM、2.1×100mm、オーロラ・ボレアリス(Aurora Borealis)、オランダ(The Netherlands))に注入した。40℃で、Ag/AgCl対照電極に対して600mVの電圧に設定した電気化学検出器(イントロ、ANTECレイデン(Intro,ANTEC Leyden)、オランダ(The Netherlands))により分離を実施した。シグナルは、ギンコテック(Gynkotek)ソフトウェアを使用して、分析した。移動相は、5g/l(NH42SO4、150mg/lヘプタンスルホン酸ナトリウム塩、0.5g/lEDTA、5%メタノール、30μl/lトリエチルアミン、30μl/l酢酸、pH4.6から成った。流速は0.3ml/分であった。5−HTの検出限界は0.5fmol/25μlサンプルであった(シグナル対ノイズ比2)。
【0102】
はじめの4つの連続マイクロダイアリシスサンプルの値の平均値を求め、細胞外5−HTおよびDAの基底レベルを算出し、プローブの回収について矯正した。スチューデントt検定を使用して、基底5−HTおよびDA値を2つの遺伝子型間で比較した。「群内」因子として時間、「群間」因子として処置(または用量)および遺伝子タイプを用いて、繰り返し多変量分散分析(ANOVA)により、薬物処置の効果を解析した。
【0103】
結果
背側線条における基底細胞レベルの細胞外5−HTおよびDAレベルは、野生型および1BKO変異体間で異ならなかった。基底5−HTレベルは、野生型で4.0±0.3fmol/サンプルおよび1BKOで5.0±0.6fmol/サンプルであった。基底DAレベルは、野生型で181.3±14.6fmol/サンプルおよび1BKOマウスで183.1±15.9fmol/サンプルであった。
【0104】
DAおよび5−HT放出に対するエルトプラジン効果は同様であり、遺伝子型に依存しなかった。図13に示されるように、エルトプラジン(0.1mg/kg、腹腔内)は、投与後20分以内の覚醒している野生型マウスの背側線条におけるDAおよび5−HT両方の放出の基底放出を減少した。これらの動物では、DAおよび5−HTの線条体放出は、薬物投与後少なくとも100分間は基底レベル未満を保持する。
【0105】
エルトプラジンとは対照的に、CP93129は、低用量で遺伝子型特異的である5−HTおよびDA放出に対して、異なる効果を有した。CP93129(0.5μM)の局所投与は、野生型マウスにおいて線条体5−HT放出を減少し(図14)、エルトプラジンで観察された効果と同様の効果を呈した。繰り返し測定ANOVAは、用量主要効果(F(1,17)=6.2、p<0.05)および遺伝子型タイプ主要効果(F(1,17)=13.5、p<0.01)を示した。野生型マウスでは、CP93129(0.5μM)は、ビヒクルと比較して、5−HTを51±9%にまで減少した(F(1,10)=11.2、p<0.01)。5−HTは、CP93129の中断後40分以内に基底レベルにまで戻った。しかし、エルトプラジンとは対照的に、DA放出は、0.5μM CP93129の影響を受けなかった(図15)。CP93129による基底5−HT放出の減弱は、5−HT1B受容体を介して仲介された。図14が示すように、CP93129は、5−HT1B受容体を欠くマウス(即ち、1BKO)において5−HT放出を減少しなかった。
【0106】
1BKOマウスにおけるDAの線条体放出も同様に、CP93129の影響を受けなかった(図15)。図15がさらに示すように、極めて高濃度のCP93129(50μM)は、野生型マウスの線条においてDA放出を増加した。1BKOマウスにおいてDA放出の匹敵する増加が観察されたため、DA放出のこのようなCP93129誘導性刺激は、5−HT1B受容体の活性化に依存しない。CP93129データの繰り返し測定ANOVAは、(F(2,32)=55.6、p<0.001)および時間×用量相互作用効果(F(16,256)=7.9、p<0.001)を示したが、遺伝子型主要効果(F(2,32)=0.5、p<0.98)は示さなかった。高用量のCP93129は、ビヒクルと比較して、野生型と同じ程度で、1BKOマウスのDAレベルを増加した(p<0.001)。これらのCP93129誘導性増加は、野生型および1BKOにおいて、それぞれ525±79%および527±67%であった。
【0107】
要約すると、エルトプラジンは、5−HTおよびDA放出の両方に影響を及ぼすため、ADHDに関連する行動を緩和するその作用機構は、5−HT1Bアゴニスト特性とは異なると推定される。さらに、エルトプラジンおよび精神刺激薬である抗ADHD剤のアンフェタミンはADHD関連行動、不注意、および衝動性を伴う多動性を減弱する一方、エルトプラジンの作用機構はアンフェタミンの作用機構とは異なり得る。エルトプラジンは線条体DA放出を減少することが観察されたが、アンフェタミンが細胞外線条体DAレベルを増加することは周知である(ヘス(Hess)ら、1996、上掲を参照のこと)。
【0108】
上記の実施例は、例示のみを目的とし、本発明範囲を限定することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】A〜C−グラフは、1、2、または4mg/kgのd−アンフェタミン投与後のピーク手順(Peak Procedure)(30秒間の強化間隔)におけるC57BL/6Jマウスの相対反応速度を示す。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001。
【図2】A〜C−グラフは、1、2、または4mg/kgのエルトプラジン投与後のピーク手順(Peak Procedure)(30秒間の強化間隔)におけるC3Hマウスの相対反応速度を示す。**p<0.01;***p<0.001。
【図3】グラフは、低用量0.1および0.9mg/kgのエルトプラジン投与後のピーク手順(Peak Procedure)(30秒間の強化間隔)におけるC3Hマウスの相対反応速度を示す。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001。
【図4】グラフは、一定期間における総移動距離によって測定されるコロボーマ変異および野生型マウスの運動活性に対する4mg/kgのアンフェタミンの効果を示す。*p<0.05;**p<0.01。
【図5】A〜B−グラフは、コロボーマ変異および野生型マウスの運動活性に対する0.5mg/kgのエルトプラジンの効果を示す;5A:5分間の行動セッションのブロックあたりの移動距離;挿入図はセッションにおける総移動距離を示す;5B:5分間の行動セッションのブロックあたりの区域横断に頻度を示す;挿入図はセッションにおける横断回数の合計を示す。エルトプラジンと比較した*p<0.05。
【図6】A〜D−グラフは、コロボーマ変異および野生型マウスの探査パフォーマンスに対するエルトプラジンの効果を示す;6A:オープン・フィールド・アリーナの中央において経過した時間パーセント(%);6B:オープン・フィールド・アリーナの中央における移動距離(アリーナ全体における総移動距離のパーセント(%)として);6C:5分間の行動セッションのブロックあたりのアリーナの中央において後ろ足で立つ頻度;6D:5分間の行動セッションのブロックあたりのアリーナの周縁において後ろ足で立つ頻度。
【図7】グラフは、コロボーマ変異および野生型マウスの運動活性に対する5−HT1B受容体アゴニストCP94253、0.5mg/kgの効果を示す。
【図8】グラフは、ピーク手順(Peak Procedure)(30秒間の強化間隔)におけるC3Hマウスの反応速度に対する5−HT1B受容体アゴニストCP94253、0.3、1または3mg/kg、腹腔内の効果を示す。
【図9】A〜B−グラフは、野生型、5−HT1Bノックアウトマウス(1BKO)、および5−HT1Aノックアウト(1AKO)マウスによる自己反応形成パラダイムにおけるオペラント反応の獲得を示す。自己反応形成中に基準(9A)に到達するのに必要な時間(分)、および1分間あたりに行われるノーズポークの回数±SEM(9B)。データは、平均値±SEMとして示す。野生型と比較した*p<0.05。
【図10】A〜C−グラフは、野生型マウスと比較した5−HT1B受容体ノックアウトマウスによる低反応率分化強化−36秒(DRL−36s)スケジュールの獲得を示す。;10A:訓練セッションの進行にわたって行われる反応の回数の比較;10B:訓練セッションの進行にわたって受ける強化の回数の比較;10C:訓練セッションの進行にわたっての反応待機時間の比較。
【図11】A〜C−グラフは、WT(11A)、1AKO(11B)および1BKOマウス(11C)における安定なDRL−36秒間反応下のパフォーマンスの反応間時間(IRT)のヒストグラムを示す。頻度(全体を1として小数で現す)は、IRTに対して3秒間の値域ごとにプロットし、36秒間を強化のための標的として標示した。DRL−36秒間の2峰IRT分布が示され、短いIRT期間(IRT<3秒間、左側のグレーの棒)での一方の最頻値はバーストを示し、より長いIRT期間(IRT>3秒間、白色棒)での第2の最頻値は休止を示す。線分で結ばれているドットは、ランダムパフォーマンスを示す対応する負の指数を示す。ピークの位置(PkLまたは曲線の「メジアン」)は、野生型、1BKO、および1AKOマウスについて、それぞれ35.2、22.4、および34秒であった。
【図12】A〜B−グラフは、12A:強化の回数および12B:一定の速度5(FR5)DRL−36sスケジュールで訓練した野生型(WT)および5−HT1Bノックアウト(1BKO)マウスの反応速度に対するd−アンフェタミン(2、4または8mg/kg、腹腔内)の効果を示す。ビヒクルと比較した*p<0.05;+p<0.05WT対1BKO。
【図13】A〜B−グラフは、13A:強化の回数および13B:DRL−36sスケジュールを課した一定速度5秒間(FR5)反応の経歴を有する野生型(WT)および5−HT1Bノックアウト(1BKO)マウスの反応速度に対するエルトプラジン(0.25、0.5または1mg/kg、腹腔内)の効果を示す。ビヒクルと比較した*p<0.05。
【図14】グラフは、覚醒して自由に運動する野生型マウスの背側線条における基底DAおよび5−HT流出の変化パーセントに対するエルトプラジン(0.1mg/kg、腹腔内)の効果を示す。DAおよび5−HT放出は、インビボでのマイクロダイアリシス連結HPLC−ECDにより測定した。DAまたは5−HTレベルは、基底レベル±SEMの百分率として現した。透析物は20分間ごとにサンプリングした;薬物投与の時間を矢印で示す。
【図15】グラフは、覚醒して自由に運動する野生型および5−HT1Bノックアウト(1BKO)マウスの背側線条における基底5−HT流出の変化パーセントに対する5−HT1B受容体アゴニストCP93129(0.5μM)の局所投与の効果を示す。5−HT放出は、インビボでのマイクロダイアリシス連結HPLC−ECDにより測定した。透析物は20分間ごとにサンプリングした;マイクロダイアリシスプローブによる薬物誘導の時間を、中実の黒色棒で示す。
【図16】グラフは、覚醒して自由に運動する野生型および5−HT1Bノックアウト(1BKO)マウスの背側線条における基底DA流出の変化パーセントに対する5−HT1B受容体アゴニストCP93129(0.5または50μM)の局所投与の効果を示す。DA放出は、インビボでのマイクロダイアリシス連結HPLC−ECDにより測定した。透析物は20分間ごとにサンプリングした;マイクロダイアリシスプローブによる薬物誘導の時間を、中実の黒色棒で示す。

Claims (18)


  1. (式中、
    1は、水素、アルキル、シクロアルキル、任意にエステル化されたヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、任意に置換されたフェニルまたはヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキル−またはジアルキル−アミノカルボニル、ニトロ、アミノ、アルキル−またはジアルキル−アミノ、アシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールアミノ、シアノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、任意にエステル化された水酸基、アルキル−もしくはアミノ−スルホニル、または−スルフィニル、アルキル−もしくはジアルキル−アミノスルホニルまたは−スルフィニルであり、pは0〜3の値を有し;
    2およびR’2は、独立して水素またはアルキル基であり、nおよびqは0または1の値を有することが可能であり;
    3は、R1と同じ意味を有し得るか、またはアルキリデン、オキソもしくはチオキソ基であり、mは0〜2の値を有し;
    Aは、フェニル基の2個の炭素原子と一緒になって、環中に5〜7個の原子を有する任意に全体または部分的に不飽和な環式基を形成し、O、S、およびN基のうち1〜3個のヘテロ原子を含む、但し、酸素およびイオウ原子の個数の合計が多くても2である)
    に記載の治療有効量の化合物を投与することによって、ヒトにおける注意欠陥/多動性障害(「ADHD」)を治療する方法であって、
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、または単一のジアステレオマーもしくはエナンチオマーであり得るか;
    あるいはその薬学的に許容可能な酸付加塩である、
    方法。
  2. 1は、水素、あるいは1〜5個のC原子を有するアルキル、3〜7個のC原子を有するシクロアルキル、1〜5個のC原子を有するアルコキシもしくはアルキルチオ、ニトロ、アルキル基中に1〜5個のC原子を有するモノ−もしくはジアルキルアミノ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルキル基中に1〜5個のC原子を有するアルキルカルボニルオキシ、ハロゲンで置換されないもしくは置換されるフェニルカルボニルオキシまたはフェニル、あるいは1〜3個のC原子を有するアルキルであり、pは0〜3の値を有し;
    2およびR’2は、独立して水素または1〜5個のC原子を有するアルキルであり、nおよびqは0または1の値を有し;
    3は、R1と同じ意味を有し得るか、または1〜5個のC原子を有するアルキリデン、オキソ、チオキソ、1〜5個のC原子を有するヒドロキシルアルキル、1〜5個のC原子を有するアルコキシアルキル、アルキル基中に1〜3個のC原子を有するアルキルカルボニルオキシアルキル、アルキル基中に1〜3個のC原子を有するフェニルカルボニルオキシアルキルであり、mは0、1または2の値を有し;そして
    Aは、フェニル基の2個の炭素原子と一緒になって、環中に5〜7個の原子を有する任意に全体または部分的に不飽和な環式基を形成し、O、S、およびN基のうち1〜3個のヘテロ原子から成り、環中の残りの原子はC原子であり、但し、酸素およびイオウ原子の個数の合計が多くても2である;
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、単一のジアステレオマーまたはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である、
    請求項1に記載の方法。

  3. (式中、
    1、R2、R’2およびR3はそれぞれ水素であり、m、n、p、およびqはそれぞれ1の値を有し;
    Aは、それが結合しているフェニル環と一緒になって、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシンを形成する)
    に記載の治療有効量の化合物を投与することによって、ヒトにおけるADHDを治療する方法であって、
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、単一のジアステレオマーまたはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である、
    方法。

  4. (式中、
    1は、水素、アルキル、シクロアルキル、任意にエステル化されたヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、任意に置換されたフェニルまたはヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキル−またはジアルキル−アミノカルボニル、ニトロ、アミノ、アルキル−またはジアルキル−アミノ、アシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールアミノ、シアノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、任意にエステル化された水酸基、アルキル−もしくはアミノ−スルホニルまたは−スルフィニル、アルキル−もしくはジアルキル−アミノスルホニルまたは−スルフィニルであり、pは0〜3の値を有し;
    2およびR’2は、独立して水素またはアルキル基であり、nおよびqは0または1の値を有することが可能であり;
    3は、R1と同じ意味を有し得るか、またはアルキリデン、オキソもしくはチオキソ基であり、mは0〜2の値を有し;
    Aは、フェニル基の2個の炭素原子と一緒になって、環中に5〜7個の原子を有する任意に全体または部分的に不飽和な環式基を形成し、O、S、およびN基のうち1〜3個のヘテロ原子を含む、但し、酸素およびイオウ原子の個数の合計が多くても2である)
    に記載の治療有効量の化合物を投与することによって、ヒトにおけるADHD関連多動性−衝動性を治療する方法であって、
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、または単一のジアステレオマーもしくはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である、
    方法。

  5. (式中、
    1、R2、R’2およびR3はそれぞれ水素であり、m、n、p、およびqはそれぞれ1の値を有し;
    Aは、それが結合しているフェニル環と一緒になって、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシンを形成する)
    に記載の治療有効量の化合物を投与することによって、ヒトにおけるADHD関連多動性−衝動性を治療する方法であって、
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、単一のジアステレオマーまたはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である、
    方法。

  6. (式中、
    1は、水素、アルキル、シクロアルキル、任意に、エステル化されたヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、任意に、置換されたフェニルまたはヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキル−またはジアルキル−アミノカルボニル、ニトロ、アミノ、アルキル−またはジアルキル−アミノ、アシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールアミノ、シアノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、任意に、エステル化された水酸基、アルキル−もしくはアミノ−スルホニル、または−スルフィニル、アルキル−もしくはジアルキル−アミノスルホニルまたは−スルフィニルであり、pは0〜3の値を有し;
    2およびR’2は、独立して水素またはアルキル基であり、nおよびqは0または1の値を有することが可能であり;
    3は、R1と同じ意味を有し得るか、またはアルキリデン、オキソもしくはチオキソ基であり、mは0〜2の値を有し;
    Aは、フェニル基の2個の炭素原子と一緒になって、環中に5〜7個の原子を有する任意に全体または部分的に不飽和な環式基を形成し、O、S、およびN基のうち1〜3個のヘテロ原子を含む、但し、酸素およびイオウ原子の個数の合計が多くても2である)
    に記載の治療有効量の化合物を投与することによって、ヒトにおける不注意を治療する方法であって、
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、または単一のジアステレオマーもしくはエナンチオマーであり得るか;
    あるいはその薬学的に許容可能な酸またはその塩である、
    方法。

  7. (式中、
    1、R2、R’2およびR3はそれぞれ水素であり、m、n、p、およびqはそれぞれ1の値を有し;
    Aは、それが結合しているフェニル環と一緒になって、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシンを形成する)
    に記載の治療有効量の化合物を投与することによって、ヒトにおける不注意を治療する方法であって、
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、単一のジアステレオマーまたはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である、
    方法。
  8. 化合物が、約0.1mg/日〜100mg/日の用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  9. 化合物が、約0.1mg/日〜30mg/日の用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  10. 化合物が、約0.1mg/日〜10mg/日の用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  11. 1、R2、R’2およびR3はそれぞれ水素であり、m、n、p、およびqはそれぞれ1の値を有し;
    Aは、それが結合しているフェニル環と一緒になって、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシンを形成する;ならびに
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、単一のジアステレオマーまたはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である、
    請求項8に記載の方法。
  12. 1、R2、R’2およびR3はそれぞれ水素であり、m、n、p、およびqはそれぞれ1の値を有し;
    Aは、それが結合しているフェニル環と一緒になって、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシンを形成する;ならびに
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、単一のジアステレオマーまたはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である、
    請求項9に記載の方法。
  13. 1、R2、R’2およびR3はそれぞれ水素であり、m、n、p、およびqはそれぞれ1の値を有し;
    Aは、それが結合しているフェニル環と一緒になって、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシンを形成する;ならびに
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、単一のジアステレオマーまたはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である、
    請求項10に記載の方法。

  14. (式中、
    1は、水素、アルキル、シクロアルキル、任意に、エステル化されたヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、任意に、置換されたフェニルまたはヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキル−またはジアルキル−アミノカルボニル、ニトロ、アミノ、アルキル−またはジアルキル−アミノ、アシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールアミノ、シアノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、任意に、エステル化された水酸基、アルキル−もしくはアミノ−スルホニル、または−スルフィニル、アルキル−もしくはジアルキル−アミノスルホニルまたは−スルフィニルであり、pは0〜3の値を有し;
    2およびR’2は、独立して水素またはアルキル基であり、nおよびqは0または1の値を有することが可能であり;
    3は、R1と同じ意味を有し得るか、またはアルキリデン、オキソもしくはチオキソ基であり、mは0〜2の値を有し;
    Aは、フェニル基の2個の炭素原子と一緒になって、環中に5〜7個の原子を有する任意に全体または部分的に不飽和な環式基を形成し、O、S、およびN基のうち1〜3個のヘテロ原子を含む、但し、酸素およびイオウ原子の個数の合計が多くても2である)
    に記載の治療有効量の化合物を投与することによって、ヒトにおけるADHDに関連する1つ以上の徴候を治療する方法であって、
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、または単一のジアステレオマーもしくはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である;
    ここで、
    前記徴候は、(a)しばしば、細部に細心の注意を払うことができないか、または学業、作業、もしくは他の活動において不注意な誤りを犯すこと、(b)しばしば、課題または遊びの活動において注意を持続することが困難であること、(c)しばしば、直接話しかけても聞いていないように思われること、(d)しばしば、指示に従わず、学校での作業、雑用、または作業場での業務を最後まで続けることができないこと(対抗する行動によるものでも、もしくは指示の理解不足によるものでもない)、(e)しばしば、課題および活動を組織することが困難であること、(f)しばしば、精神力の持続を必要とする課題(学業もしくは宿題など)に従事することを回避するか、好まないか、またはためらうこと、(g)しばしば、課題または活動に必要な事物(例えば、玩具、学校の課題、鉛筆、本、もしくは道具)を紛失すること、(h)しばしば、外部からの刺激によって容易に取り乱すこと、(i)しばしば、日常の活動において物忘れしやすいこと、(j)しばしば、手もしくは足をそわそわと動かすかまたは席でもじもじしていること、(k)しばしば、教室または席に座ったままでいることが期待される他の状況において席を離れること、(l)しばしば、それが不適切な状況において過度に走り回るかまたはよじ登ること(青年もしくは成人では、落ち着かないという主観的感情に限定され得る)、(m)しばしば、静かに遊ぶかまたは余暇活動に従事することが困難であること、(n)しばしば、「絶えず活動している」状態であるか、またはしばしば、「原動機によって駆動されている」かのように行動すること、(o)しばしば、過度に話すこと、(p)しばしば、質問が終了する前に答えを先に話し出すこと、(q)しばしば、順番を待つことが困難であること、ならびに(r)しばしば、他者を妨げるかまたは侵害すること(例えば、会話もしくはゲームに干渉する)から成る群より選択される、
    方法。

  15. (式中、
    1は、水素、アルキル、シクロアルキル、任意にエステル化されたヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、任意に置換されたフェニルまたはヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキル−またはジアルキル−アミノカルボニル、ニトロ、アミノ、アルキル−またはジアルキル−アミノ、アシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールアミノ、シアノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、任意にエステル化された水酸基、アルキル−もしくはアミノ−スルホニル、または−スルフィニル、アルキル−もしくはジアルキル−アミノスルホニルまたは−スルフィニルであり、pは0〜3の値を有し;
    2およびR’2は、独立して水素またはアルキル基であり、nおよびqは0または1の値を有することが可能であり;
    3は、R1と同じ意味を有し得るか、またはアルキリデン、オキソもしくはチオキソ基であり、mは0〜2の値を有し;
    Aは、フェニル基の2個の炭素原子と一緒になって、環中に5〜7個の原子を有する任意に全体または部分的に不飽和な環式基を形成し、O、S、およびN基のうち1〜3個のヘテロ原子を含む、但し、酸素およびイオウ原子の個数の合計が多くても2である)
    に記載の治療有効量の化合物を投与することによって、ヒトにおけるADHDに関連する2つ以上の徴候を治療する方法であって、
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、または単一のジアステレオマーもしくはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である;
    ここで、
    前記徴候は、(a)しばしば、細部に細心の注意を払うことができないか、または学業、作業、もしくは他の活動において不注意な誤りを犯すこと、(b)しばしば、課題または遊びの活動において注意を持続することが困難であること、(c)しばしば、直接話しかけても聞いていないように思われること、(d)しばしば、指示に従わず、学校での作業、雑用、または作業場での業務を最後まで続けることができないこと(対抗する行動によるものでも、もしくは指示の理解不足によるものでもない)、(e)しばしば、課題および活動を組織することが困難であること、(f)しばしば、精神力の持続を必要とする課題(学業もしくは宿題など)に従事することを回避するか、好まないか、またはためらうこと、(g)しばしば、課題または活動に必要な事物(例えば、玩具、学校の課題、鉛筆、本、もしくは道具)を紛失すること、(h)しばしば、外部からの刺激によって容易に取り乱すこと、(i)しばしば、日常の活動において物忘れしやすいこと、(j)しばしば、手もしくは足をそわそわと動かすかまたは席でもじもじしていること、(k)しばしば、教室または席に座ったままでいることが期待される他の状況において席を離れること、(l)しばしば、それが不適切な状況において過度に走り回るかまたはよじ登ること(青年もしくは成人では、落ち着かないという主観的感情に限定され得る)、(m)しばしば、静かに遊ぶかまたは余暇活動に従事することが困難であること、(n)しばしば、「絶えず活動している」状態であるか、またはしばしば、「原動機によって駆動されている」かのように行動すること、(o)しばしば、過度に話すこと、(p)しばしば、質問が終了する前に答えを先に話し出すこと、(q)しばしば、順番を待つことが困難であること、ならびに(r)しばしば、他者を妨げるかまたは侵害すること(例えば、会話もしくはゲームに干渉する)から成る群より選択される、ならびに
    ここで、少なくとも1つの徴候が、(p)、(q)、または(r)ではない、
    方法。
  16. 1、R2、R’2およびR3はそれぞれ水素であり、m、n、p、およびqはそれぞれ1の値を有し;
    Aは、それが結合しているフェニル環と一緒になって、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシンを形成する;ならびに
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、単一のジアステレオマーまたはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である、
    請求項14に記載の方法。
  17. 1、R2、R’2およびR3はそれぞれ水素であり、m、n、p、およびqはそれぞれ1の値を有し;
    Aは、それが結合しているフェニル環と一緒になって、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシンを形成する;ならびに
    ここで、
    化合物は、ラセミ体であるか、単一のジアステレオマーまたはエナンチオマーであり得るか;
    あるいは薬学的に許容可能な酸またはその塩である、
    請求項15に記載の方法。
  18. 化合物が、ヒトにおいて約0.2ng/ml〜約65ng/mlの血漿中濃度を達成するために投与される、請求項3、5、7、16または17のいずれか一項に記載の方法。
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