JP2004536730A - 色を管理・処理するシステムと方法 - Google Patents

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Abstract

色管理(100)処理方法を開示する。本方法は、第1のセットの規格にしたがって校正刷りシステム(114)用の第1のセットの1次元プロフィール密度値(116)を提供するステップと、第1のセットの規格にしたがって前記校正刷りシステム用の第1のセットのシステム混合密度値を提供するステップと、第2のセットの規格にしたがってプレス出力デバイスを用いて第2のセットの1次元密度値を提供するステップとを含む。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には印刷に関し、より詳しくは、色を管理・処理するシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
美術のエリアの印刷、グラフィックデザイン及び出版を含み、グラフィックアートの世界で生産資料を準備する際の従来の慣行は、通常は、非常に特定的な手順を含むものであった。たとえば、実践者は、コンセプト製版準備と生産印刷ジョブという互いに分離した段階間の印刷生産で用いられることになっている画像データファイルをしばしば交換する。たとえば、顧客は、広告代理店で校正刷り(プルーフィング)された化合データを承認する。この顧客が承認した校正刷りを表すこの画像ファイルは、印刷生産のための1つ以上のサイト、たとえば、さまざまな雑誌や新聞を供給するサイトに転送する必要がある。
【0003】
これらの問題点を解決するためにいくつかの方法が試行されてきたが、その内には、Webオフセット出版規格(Specifications for Web Offset Publication:SWOP(登録商標))や、国際色彩協会(International Color Consortium:ICC)が提示した方法を用いる方法がある。不運にも、これらはいずれも、欠点がある。たとえば、ICCの色管理システムでは、コンセプト製版準備段階の技法的アスペクトを設計して、生産印刷ジョブで用いられる予定の特定の印刷機の特徴を合わせようと試みた。言い換えれば、このようなシステムは、特定の印刷機の特徴をシミュレートするためにフレキシビリティを校正刷りする方法を提供するように設計されている。
【0004】
そのうえ、これらの一般的に実践されてきたSWOP(登録商標)のような方法は、コンセプト製版準備段階の技法的アスペクトを設計して、「平均的な」印刷機をシミュレートするようにメーカーによって設計された契約校正刷りシステムの特徴を合わせる。さらに別の方法では、新聞印刷広告生産規格(Specifications for Newsprint Advertising Production:SNAP)と商業オフセット印刷リソグラフィにおける応用のための一般要件(General Requirements for Applications in Commercial offset Lithography:GRACoL(登録商標))によって公開されている規格と指針が利用される。
【0005】
最近提案された別の方法では、ICC色管理方法を、カラーバー上の色サンプルを測定する従来の印刷機準備方法と結合して利用するが、カラーバーに関連する画像のカラー外観若しくはアピアランスに直接関係した値を提供しない。この方法を用いると、密度やドットゲイン番号ではなくカラーアピアランスを利用して、印刷結果を校正刷りに整合させる。もう1つの欠点は、たとえば、CIE色彩測定に起因するものであって、この測定では、サブストレートのカラーアピアランスの変化を正しく補償することが不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
不運なことに、印刷業界におけるコンセプト製版準備段階は一般的に、印刷生産プロセスとは時間的にも地理的にも離れており、そのため、特定の印刷機上で印刷生産すると、その結果、印刷された画像が、顧客が承認する校正刷りとは非常に異なったものとなってしまう。不運にも、この方法を用いると、一般的に、顧客が、出版物画像を再承認しなければならず、そのため、リソースの刷り損ないと貴重な時間のロスを発生させる。そのうえ、不運にも、実践者は、SWOPを用いたりする方法やICCが提示する方法は、多くの理由によって非実用的であると信じているが、その理由には、このようなシステムでは、業界で通常用いられるような画像データファイルの交換には対応できないという理由が含まれる。たとえば、出版業界では、たとえば、1つの広告を複数の雑誌で印刷するなどの複数のプロセスが一般的に用いられる。
【0007】
加えて、SNAPやGRACoLを用いるシステムは、画像データファイルを交換して用いるプロセスではすべての当事者間で意思疎通させる十分な方法が一般的には提供されないという第1の欠点がある。バイヤーと実践者との間での意思疎通がこのように欠けるため、色管理情報が効果的な交換が妨げられ、ハイエンド出版物バイヤーを満足させるカラーアピアランスを調整しようとする試みを台無しにしてしまう。カラーアピアランスのこのような調整値を用いて、目標値からの色値の偏差を部分的に補償することが可能である。これらの偏差は、一般的にかなり大きく、また、オフプレスの生産校正刷りの日々の製品に固有のものであり、これには、契約や非契約校正刷りシステムが含まれる。そのうえ、これらの方法はすべてが、一般的には色管理プロセスを部分的にしか対応せず、また、特定のプロセスの特徴を利用するのではなくて、むしろ、平均的な印刷機の特徴で妥協してしまうという第2の欠点がある。
【0008】
さらに、CIE色彩測定を用いる方法では、複数のタイプのサブストレートを用いて複数回にわたってプロセスと校正刷りシステムを特徴付ける必要があるが、このプロセスは、非実際的で非効率である。そのうえ、この方法は、印刷機上で達成可能な色域とは、一般的に基準印刷条件で提示される色域未満であることを想定している。不運にも、基準印刷条件を表す校正刷りシステムは、一般的には、印刷機の特徴とは大きく異なった混同的な特徴を有している。したがって、この想定は不正確であり、その結果、発生し得るなんらかの域不整合を改善するのではなくそれで妥協してしまう。さらに、この方法では、印刷機の静的なフィンガープリンティングが、1つの生産印刷ジョブから別の生産印刷ジョブへと用いられる色特徴付けデータとなるものと想定している。不運にも、この想定は真実ではなく、それは、印刷機の特徴は、一般的には、静的ではない、すなわち、それは日々によって、さらに生産印刷ジョブ同士間でも異なるからである。そのうえ、一般的な商業印刷と出版の業界は、これらの方法やシステムの持つこのような不一致と欠点によって、一般的に受け入れられている4色域又は強度の範囲を印刷する高品質リソグラフィという限られた領域しか用いない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記から、改良された色管理システムと方法に対する必要性が発生したことが理解されよう。本発明の教示によれば、従来の印刷システムの欠点と問題点を大いに抑制又は解消するシステムと方法が提供される。
【0010】
ある色管理処理方法を開示する。本方法は:第1のセットを成す規格にしたがって校正刷りシステム用の第1のセットを成す1次元プロフィール密度値を提供するステップと;前記第1のセットを成す規格にしたがって前記校正刷りシステム用の第1のセットを成すシステム混合密度値を提供するステップと;第2のセットを成す規格にしたがってプレス出力デバイスを用いて第2のセットを成す1次元密度値を提供するステップと;を含む。本方法はまた、第2のセットを成すシステム混合密度値を前記第2の規格にしたがって前記プレス出力デバイスを用いて提供するステップと、前記第1のセットを成す規格に準拠する第2の校正刷りシステムを用いて生産印刷ジョブの校正刷りを作成するステップと、前記第1及び第2のセットを成す1次元密度値並びに前記第1及び第2のセットを成すシステム混合密度値に応答して前記生産印刷ジョブを提供するステップと、を含む。
【0011】
ある色管理システムもまた開示される。本システムは、処理サイトに通信可能にカップリングされ、また、少なくとも1つの反射型4色再現システムによって発生された密度値を受信し、前記密度値を測定し、前記密度値に関連する品質管理を実行するように動作可能なカウンセリング/管理サイトを備える。前記処理サイトは、前記密度値から特徴を評価し、前記密度値と前記評価に応答して係数を計算して、前記係数を加入者サイトに送信するように動作可能である。これらの係数は、印刷される予定の画像データを調整して発生するために用いられる。
【0012】
別の色管理システムがまた開示される。本システムは、複数のプレス出力デバイスの内の1つを用いて、また、複数の校正刷りシステムの内の1つに応答して生産印刷ジョブを実行する際に使用されることになっている調整用データを記憶するように動作可能な中央データレポジトリ(repozitory)を処理サイト内に含むが、前記処理サイトはさらに、前記複数の校正刷りシステムと前記複数のプレス出力デバイスと関連する変換用データを記憶するように動作可能である。本システムはまた、ネットワーク上で前記中央データレポジトリと通信するように動作可能であり、また、前記複数の校正刷りシステムの内の1つと前記複数のプレス出力デバイスの内の1つとの識別子を前記ネットワーク上で前記処理サイトで受信させるように動作可能なロジックを前記処理サイト内に含む。前記ロジックはまた、調整用データを、前記中央データレポジトリから前記ネットワークを介して複数の加入者の内の少なくとも1つに対して、前記提供された校正刷りシステムとプレス出力デバイスの識別子に応答して提供させるように動作可能であり、前記調整用データは、前記複数のプレス出力デバイスの内の前記1つを用いて、また、前記複数の校正刷りシステムの内の前記1つに応答して生産印刷ジョブを実行する際に用いられることになっている。前記処理サイトは、前記複数の加入者と通信するように動作可能である。
【0013】
別の色管理方法がまた開示される。本方法は:複数の校正刷りシステムの内の1つと複数のプレス出力デバイスの内の1つとに対して識別子をネットワークを通じて提供するステップと;変換用データを前記複数の校正刷りシステムと前記複数のプレス出力デバイスと関連付けるステップと;前記変換用データを処理サイト内の中央データレポジトリ中に記憶するステップとを含む。本方法はさらに、前記提供された校正刷りシステム及びプレス出力デバイスの識別子並びに前記変換用データに応答して調整用データを計算するステップを含み、前記調整用データは、前記提供された校正刷りシステムとプレス出力デバイスの識別子に応答して前記複数のプレス出力デバイスの内の前記1つと複数の加入者の内の少なくとも1つを用いて生産印刷ジョブを実行する際に用いられることになっている。本方法はさらに、前記調整用データを前記複数の加入者に対して前記処理から前記ネットワークを介して通信するステップを含む。
【0014】
不運にも、校正刷りは、プレスシートとは異なる固有の階調と色を含んでおり、印刷機の階調と色の再現性特徴の一致性を改善する方法を評価するには多大の時間がかかる。そのうえ、SWOP規格は、色彩科学者が色再現性を特徴付ける際に用いる比例性不良率、システム混合特徴及び色域不整合などのいくつかの変数を一般的には検討しない。国際色彩協会(ICC)の色管理システムもまた、色彩測定測定を利用することによって色管理プロセス、通常は、1つのグラフィックデータファイル多次元変換プロセスに対応しようとしたが、印刷機業界の実践者は、この対応の適応は不適切であると信じている。このようなシステムはまた、これらの変数を分離すること又は補償することができない。ICC色彩測定に基づいた色管理システムもまた、相対的又は絶対的な色彩測定又は光度測定などのさまざまな補正方法によって、より大きい色域上のポイントをより小さい色域上の最も近いポイントにマッピングしようとする。不運にも、このタイプの域マッピングをすると、その結果、一般的には、印刷業界では受け入れられない損傷が発生する。そのうえ、このようなシステムは、通常は、大きい色域を通常は有する校正刷りデバイスで用いられることになっている色を、通常は小さい色域を有する印刷デバイスで用いられることになっている色にマッピングしようとする。これらのシステムと方法は、一般的には、印刷機によって達成される出力を制限する。
【0015】
不運にもそしてたとえば、SWOP方式には不一致と不正確という問題があるが、それは、とりわけ、この方式では、ドットゲインと印刷コントラストの測定値が利用されるが、この測定値は、正確な色管理のアスペクトを実行するための正確な測定値とはならないからである。そのうえ、これらのシステムと方法は、色管理プロセスで最終的に対応すべき主要な変数に起因するさまざまな影響を考慮していない。たとえば、階調再現性特徴は、電子写真プリンタ、熱プリンタ、レーザプリンタ及びインクジェットプリンタ並びにオフセットリソグラフィ、レタープレス、グラビア及びフレキソ印刷機などの反射型再現デバイスの特長と周辺条件によって広く変動し、しかも、従来は、ドットゲインと印刷コントラストとして報告されている。これに限られないが紙/ベースサブストレート、インク、プレート、壺溶液、画像転送シリンダブランケット、プレスのメカニカルセッティング及び周辺湿度/温度条件による変動を含むプレス印刷条件の印刷特徴の変動によって引き起こされかねないこれらの変動の多くが、バッチ毎に又はその日毎に変化する。これらの変動は通常は、生産印刷ジョブを実行する毎に印刷デバイスの再現性特徴に影響し、また、不運にも、これらの変動の原因を突き止めるのは現実的ではない。
【0016】
本発明の態様は、いくつかの重要な利点を提供する。本発明のさまざまな実施形態は、これらの利点を1つも有しないか、いくつかを有するかその前部を有するかである。たとえば、本発明の1つの態様は、色管理プロセスにおいてより制御するための密度データなどのデータを収集する方法である。本方法は、基準着色剤セット(reference colorant set)を用いる基準デバイスによって生成された複数の色を有する少なくとも1つの色組み合わせに対する基準プロフィール密度値を提供するステップを含む。この基準着色剤セットは、少なくとも1つの色組み合わせに対する基準初期パーセントドット値(IPDV)を有する。本方法はまた、現行の着色剤セットを用いる現行のデバイスによって生成された少なくとも1つの色組み合わせに対する現行のプロフィール密度値を提供するステップを含む。この現行の着色剤セットは、前記少なくとも1つの色組み合わせに対する現行のIPDVを有する。本方法はまた、基準着色剤セットを用いて基準の理論パーセントドット値(TPDV)を効率属性として定量化し、現行の着色剤セットを用いて現行のTPDVを効率属性として定量化する。本方法はまた、基準効率セットで生成された画像データと現行の着色剤セットで印刷される予定の画像データとの間の少なくとも1つの差を基準効率属性と現行効率属性とに応答して補償するパーセントドット値補正係数を計算するステップを含むが、この係数は、印刷される予定の画像データを調整して発生するために用いられる。このような計算によって、プレス及び/又は校正刷り条件のフル階調スケール(1〜100%)のかなり代表的な特徴と、たとえば、画像のディジタル表示に応用される係数を提供する能力とが、コンピューターツープレート(CTP)又は直接撮像プレス生産フェーズにおいて提供される。言い換えれば、1つの反射型の再現システムの出力のアピアランスを別のアピアランスに対応させる際の精度が改善される。
【0017】
本発明の別に態様はまた、5つある主要な変数の内の1つを別々に補償するものである。たとえば、システム混合補償方法の1実施形態は、基準プロフィール密度値と基準IPDVとに応答して基準TPDVとして基準着色剤セットによって生成されたデータのシステム混合特徴を識別するステップを含む。本方法はまた、現行のプロフィール密度値と現行のIPDVとに応答して現行のTPDVとして現行の着色剤セットによって生成されたデータのシステム混合を識別するステップを含む。本方法はまた、前記係数の内の少なくとも1つと初期基準IPDVの内の対応する少なくとも1つとの和が100パーセントを超えると色域密度調整係数(CGDAF)を提供するステップを含む。このCGDAFは、色域不整合を補正し、また、前記係数の内の少なくとも1つは、制御コンポーネントを決定し、この制御コンポーネントと前記少なくとも1つの係数との目標のソリッド主要密度目標ポイントに等しい第1の値と、前記基準着色剤セットを用いるシステムが、前記現行の着色剤セットを用いる第2のシステムが前記少なくとも1つの係数を得るための完全な効率を有していた場合に第2の複数の色チャネルの内の少なくとも1つの色チャネルのための測定密度を達成するために必要とされる、前記制御コンポーネント用の現行TPDVによって除算される完全な効率を有していた場合に、複数の色チャネルの内の少なくとも1つの色チャネルのための測定密度を達成するために必要な、前記制御コンポーネント用の基準TPDVに等しい第2の値と、の積を計算することによって計算される。加えて、前記係数の内の少なくとも1つは、基準着色剤セットで生成された画像データと現行の着色剤セットで印刷される予定の画像データとの間の少なくとも1つの差を補償し、また、印刷される予定の画像データを調整して発生するために用いられる。このような利点によって、本発明には、さまざまなシステムに対して、複数の着色剤と異なった加算性不良率特徴を持つ対応するRM/CRSとの間の差を補償するという長所が備えられる。
【0018】
本発明の別の態様もまた、印刷デバイスの再現性特徴に影響する印刷機と周辺の印刷条件の印刷特徴の変動によってもたらされる係数を析出する。これらの変動には、これに限られないが、紙/ベースサブストレート、インク、プレート、壺溶液、画像転写シリンダブランケット、プレスのメカニカルセッティング、周辺空気条件、周辺湿度条件、周辺温度条件及び薬品残留物条件が含まれるが、これらはバッチ毎に又はその日毎に変化する。薬品残留物条件は、たとえば、プレートやブランケットの洗浄薬品、ローラ残留物、プレスコンポーネントの磨耗や引き裂き及びさまざまな周辺空気条件の特徴に応じて変化する。
【0019】
本発明の別の態様はデータフォームである。本システム混合データフォームは、着色剤セットを用いて生成された複数の1次元色制御領域を表す第1のカラムを含む。この第1のカラムは、プレス出力デバイスの出力経路に概して平行な第1の軸にほぼ沿って位置付けされている。本システム混合データフォームはまた、着色剤セットを用いて生成された複数の多次元色制御領域を表す第2のカラムを含む。この第2のカラムは、第1のカラムに対して概して平行で、また、これから横方向に間隔を置いた第2の軸にほぼ沿って位置付けされている。第1の軸と第2の軸は、互いに近接しておかれ、また、その横方向の間隔は、所定の距離を越えない。ある特定の実施形態では、この所定の距離は、25ミリを越えない。さらに別の実施形態では、第2のカラムは、マジェンタ、赤、緑、シアン、黄色、青及び中間のファミリからなるグループから選択される。
【0020】
システム混合データフォームの1実施形態では、色ファミリにデータを配置するようにする。本発明は、色画像編集エンジン(CIEE)機能性の使用を許容するという利点を提供するが、この機能性によって、所望次第で、すべての色ファミリを調整することが可能となる。本発明は、応用可能な測定値を取ることが可能な適切な色サンプルを提供するという利点を提供する。加えて、本発明の1つ以上の態様は、インク膜厚の測定値と階調再現性特徴の測定値との間のどのような差でも減少させることによって計算上の不正確さを減少させるという利点を提供する。このような利点によって、色の管理し易さに影響するシステムエラーが減少する。
【0021】
本発明の別の態様ではまた、CGDAFの計算が実行されるが、これによって、従来の色管理システムの光度測定や色彩測定による補正でもたらされる損傷が軽減又は解消される。そのうえ、CGDAFは、パーセントドット値色補正係数(PDCCF)及び/又は二次PDCCFと共にある方法で利用されて、通常はより小さい色域を有する印刷デバイスで用いられる100%ドット値より大きい値から通常はより大きい色域を有する校正刷りデバイスで用いられる値までの値に対応する密度が計算される。他の技法的利点は、以下の図面、説明及びクレームから当業者には容易に確認され得るであろう。
【0022】
或る態様は、意図された密度値を表す校正刷り(プルーフィング)デバイスによって生成された複数のソリッド密度と網掛け密度の値を提供するステップを含む印刷調整方法である。本方法はまた、プレス出力デバイスによって生成された複数のソリッド密度と網掛け密度の値を提供するステップを含む。本方法はまた、このプレス出力デバイスによって生成されたこの複数の密度値の内の選択された値とこの校正刷りデバイスによって生成されたこの複数の密度値の内の選択された値とに応答して、プレス出力デバイス上で、意図された密度値にほぼ対応する複数の調整済み密度値を印刷するために用いられる必要とされるパーセントドット値を計算するステップを含む。ある特定の実施形態では、このプレス出力デバイスによって生成されたこの複数のソリッド密度値は、第1の軸に沿ってその密度がほぼ線形に変化するが、この第1の軸は、プレス出力デバイスの出力が発生する方向とほぼ直角である。
【0023】
また、ある特定の実施形態では、この計算ステップはまた、このプレス出力デバイスから生成されたこの複数のソリッド密度値からソリッド密度目標ポイントにほぼ対応する値を選択するステップと、この選択された値の統計的表示を提供するステップと、ソリッド密度目標ポイントにほぼ対応するこの選択値に対して回帰分析(regression analysis)を実行するステップと、ソリッド密度目標ポイントにほぼ対応するこの選択値にほぼ対応するこのプレス出力デバイスによって生成されたこの複数のソリッド密度値の内のいくつかを用いるステップを含む。この計算ステップはまた、この回帰分析とこの校正刷りデバイスによって生成されたこの密度の内の少なくとも1つに応答して、このプレス出力デバイスによって生成されたこの密度値の内の少なくとも1つに対して第1の調整値を適用するステップを含む。この計算ステップはまた、この第1の調整値に応答して補間法を用いて、必要とされるパーセントドット値を提供するステップを含む。
【0024】
別の態様は、印刷調整データフォームであり、このデータフォームは、プレス出力デバイスによって生成され、また、ある軸にほぼ沿った位置に対応する複数のソリッド色制御領域と、このプレス出力デバイスによって生成された複数の網掛け色制御領域とを含んでいる。この複数のソリッド色制御領域の内の少なくとも2つの領域に対する密度値は、この軸に沿った所定の値を用いて意図的に変化される。ある特定の実施形態では、この密度値は、この軸にほぼ線形に沿って変化される。別の実施形態では、この密度値は、インク膜圧をこの軸に沿って調節することによって変化される。
【0025】
また別の態様は、印刷調整システムであり、このシステムは、密度値を有する画像を印刷するように動作可能なプレス出力デバイスと、このプレス出力デバイスに入力データを提供するように動作可能なコンピュータを含む。このコンピュータはさらに、意図された密度値を表す校正刷りデバイスによって生成された複数のソリッド密度と網掛け密度の値を読みとり、また、このプレス出力デバイスによって生成された複数のソリッド密度と網掛け密度の値を読みとるように動作可能である。このコンピュータはまた、さらに、このプレス出力デバイスによって生成されたこの複数の密度値の内から選択された値とこの校正刷りデバイスによって生成されたこの複数の密度値の内から選択された値とに応答して、この意図された密度値にほぼ対応する複数の調整された密度値をこのプレス出力デバイス上で印刷するために用いられる必要なパーセントドット値を計算するように動作可能である。
【0026】
別の態様は、印刷調整アプリケーションであり、このアプリケーションは、コンピュータ読みとり可能媒体とこのコンピュータ読みとり可能媒体上に常駐するソフトウエアを含む。このソフトウエアは、プレス出力デバイスによって生成された画像データの第1の複数のソリッド色領域の密度値とこのプレス出力デバイスによって生成された画像データの複数の網掛け色領域の密度値との間の数学的関係を決定するように動作可能である。このプレス出力デバイスによって生成された生成された画像データのこの第1の複数のソリッド色領域は、所定の値を用いて意図的に変化される。このソフトウエアはさらに、この数学的関係に応じて、このプレス出力デバイスによって生成された画像データのこの複数の網掛け色領域の密度値と、校正刷りデバイスによって生成された画像データの複数のソリッド色領域に応じて選択されたプレス出力デバイスによって生成された画像データの第2の複数のソリッド色領域の内のいくつかの領域の密度値とを調整する。この校正刷りデバイスによって生成された画像データのこの複数のソリッド色領域は、意図された密度値を表す。このソフトウエアはさらに、第1の値と第2の値の積に比例した量に応じてこのプレス出力デバイスによって生成された画像データのこの複数の網掛け色領域の内の少なくとも1つの領域を調整することによって補間するように動作可能である。この第1の値は、このプレス出力デバイスによって生成された画像データのこの複数の網掛け色領域の内の2つの領域のパーセントドット値同士間の差であり、この第2の値は、この意図された密度値の内の少なくとも1つの値とこのプレス出力デバイスによって生成された画像データのこの複数の網掛け色領域の内のこの2つの領域の内の一方の領域との差の、このプレス出力デバイスによって生成された画像データのこの複数の網掛け色領域の内のこの2つの領域同士間のこの差に対する比率である。このソフトウエアは、さらに、この補間動作に応答して必要なパーセントドット値を決定するように動作可能であるが、この必要とされるパーセントドット値は、このプレス出力デバイスによって生成されたこの画像データのこの領域の内の少なくとも1つの領域の色密度値を、この校正刷りデバイスによって生成された対応する領域のこの意図された密度値に近づけるように動作可能である。
【0027】
別の態様は、印刷された画像であり、この画像は基板と画像データを含む。この画像データは、この基板上に常駐するプレス出力デバイスによって生成され、また、意図された密度値を表す第1の複数のソリッド密度と網掛け密度の値の内から選択された値と、第2の複数のソリッド密度と網掛け密度の値から選択された値とに応答して自動的に計算された必要とされるパーセントドット値に応答して生成される。このプレス出力デバイスによって生成されたこの必要とされるパーセントドット値は、この意図された密度値にほぼ対応する調整された密度値となる。この第1の複数のソリッド密度と網掛け密度の値は、校正刷りデバイスによって生成され、この第2複数のソリッド密度と網掛け密度の値は、このプレス出力デバイスによって生成される。
【0028】
別の態様は、プレス出力デバイスによって生成された第1の複数のソリッド密度と網掛け密度の値を提供するステップと、第2の複数のソリッド密度と網掛け密度の値を提供するステップとを含む印刷調整方法である。本方法はまた、この第1の複数のソリッド密度と網掛け密度の値の少なくともサブセットの統計的表示と、それに対応する、この第2のソリッド密度と網掛け密度の値の少なくともサブセットの表示との間の密度分散データを自動的に計算するステップを含むが、この密度分散データは、これを用いると色調若しくは階調再現調整値を自動的に計算して、印刷物制作作業を実行する以前にこのプレス出力デバイス上でデータを生成するように動作可能である。
【0029】
別の態様は、プレスプロフィールデータをプレス出力デバイスから提供するステップと校正刷りデバイスプロフィールデータを提供するステップを含む印刷調整方法である。本方法はまた、所望しだいで、プレスプロフィールデータと校正刷りデバイスプロフィールデータから成るグループの内の少なくとも一方に応答してプレス出力デバイス上で印刷される予定のパーセントデータ値に対応する密度調整値を計算するステップを含むが、この調整値は、プレス出力デバイスによって生成された画像データに対する影響を減少させるように動作可能であり、また、この効果は、印刷機と周辺の印刷条件印刷特徴の内の少なくとも一方の変動によって引き起こされる。
【0030】
別の態様は、複数のインク壺ゾーン制御機器を有するプレス出力デバイスによって生成された複数のセグメントを提供するステップを含む方法であり、このセグメントは各々が幅と、各々がこの幅の端数として測定可能なオフセット値を有する複数のセグメントソリッド密度色値と、セグメント中心を有する。本方法はまた、このセグメントの少なくとも一部を、このプレス出力デバイスによって印刷される予定の指定されたコピー内容に対して、網羅されたセグメントとして識別するステップを含むが、この網羅されたセグメントは、第1の端セグメントと第2の端セグメントを有する。本方法はまた、この複数のセグメントソリッド密度色値の少なくとも一部に対する色密度変化を計算するステップを含む。本方法はまた、このオフセット値とこの色密度変化の少なくとも一部とに応答して、このインク壺ゾーン制御機器の内の少なくとも1つの制御機器に対する調整データを計算するステップを含むが、この調整データは、このインク壺ゾーン制御機器によって送出可能なインクを調整するために用いられるように動作可能である。
【発明の効果】
【0031】
ソリッドインク密度がプレスのシリンダ上で調整されるに連れて、階調網掛けエリアを再現する際にプレスの特性や特徴を現しこれを更に制御するデータを収集する方法を提供する。この密度は、低レベル、中間レベル及び高レベルのソリッド密度目標ポイントの仕様をほぼ線形であるこれら目標ポイント同士間での遷移と整合させるように調節される。このような利点は、プレス条件の全色調若しくは階調スケール(1〜100%)をかなり代表する特徴を提供し、また、コンピュータツープレート(CTP)又は直接撮像プレス再現フェーズで適用される要因を提供することを可能とする。言い換えれば、印刷再現業務のアピアランスすなわち外観(プレス出力データ又は印刷シート)を校正刷りデバイスの出力と合わせる際の精度が、ディジタル式であろうとそれ以外であろうと、改善されるということである。
【0032】
本発明はまた、カラーバーセグメントを用いて、色調若しくは階調再現特徴に対して階調整を施すという利点を提供するが、これは、プレスの再現チェックフェーズにおける容認可能な色認定となる。このような利点によって、階調色エリアを変更するために他の従来のシステムで一般的に必要とされていた、また、印刷画像のソリッドエリアと近ソリッドエリアを他の階調エリアが調整される際に犠牲にしてしまうインク膜圧の操作にだけ依存する必要性が解消される。
【0033】
別の技法的利点は、本発明はまた、印刷デバイスの再現特徴に影響を与える、印刷機と周辺の印刷条件の印刷特徴の変動を補償するということである。この変動には、これには限られないが、紙/基本基板、インク、プレート、壺溶液、画像転送シリンダブランケット、プレスの機械的設定値、周囲の空気条件、周囲の湿度条件、周囲の温度条件及び化学薬品残留物が含まれるが、これらはバッチ毎に又は日々に変化するものである。この変動には、プレートやブランケットの洗浄における化学的性質などの化学薬品残留物条件の変動には限られないが、ローラ残留物や、プレスコンポーネントの摩耗及び破れや、様々な周囲空気条件がある。このような利点によって、印刷デバイスの再現性特徴が測定される際の精度、次いで、プレス出力データの外観を校正刷りに合わせる際の精度が改善される。ある特定の実施形態では、この変動は、中間プレスプロフィール調整値を用いて補償してもよい。
【0034】
本発明のさらに別の技法的利点は、本発明はまた、より正確な階調の又は網掛けの色密度値を計算するために用いられる回帰方程式を利用する点である。このような利点もまた、プレス出力データの外観を校正刷りに合わせる際の精度を改善する。本発明のさらに別の技法的利点は、本発明はまた、所望の目標ポイントと比較される色彩測定値を提供するために用いられるカラーバーセグメントを提供するが、密度変動が計算され、これは記録され報告される。たとえば、本発明を利用するために、密度の読みとり値を手で注記する必要はない。そのうえ、本発明の態様を用いると、各インク壺ゾーン制御機器に具体的に関連した正確な密度変化が提供され、同時に、シートの位置合わせをしたり、また、色サンプル位置をインク壺ゾーン制御機器位置に視覚で変換したりするという従来の方法での必要性もなくなる。本方法はまた、従来のシステムでは必要とされる特定の印刷機に関連する必須条件としての距離測定の回数が減少するという利点を提供する。これらの利点は、時間や材料などのリソースを節約し、また、制作作業で印刷される製品の精度を改善する。
【0035】
このような利点もまた、本方法の、なんらかの特定の印刷機に対する又はプレス出力デバイスのモデルに対する依存性を軽減する。これらの利点はまた、オペレータに、どのキーが調整を必要としているか、また、その場合、必要とされる調整の程度はどれほどかに関する価値ある情報を提供し、また、インク膜圧の制御の精度を向上させてくれるが、これは、各色サンプルで測定されるソリッドインク密度を実質的に制御するものである。前述の利点によってまた、プレス出力データ用のソリッド密度と階調密度を校正刷りにより正確に合わせることが可能となり、また、次いで、校正刷り出力により正確に合う外観を持つ制作業務を印刷するために用いられる調整値をより正確に計算することが可能となる。
【図面の詳細な説明】
【0036】
本発明はいくつかの重要な利点を有する。本発明のさまざまな実施形態は、これらの利点を何も有しないか、その一部又は全部を有する。本発明の1態様は、プレス出力システム上に印刷された画像を校正刷りシステムを用いて印刷された画像に整合させる作業を容易化する。たとえば、本発明の1態様の第1の目的は、その開示内容が本明細書中で援用されるところの2002年2月27日に出願された“PRINTING ADJUSTMENT SYSTEM AND METHOD”(印刷を調整するシステムと方法)という名称の米国特許出願第10/086,080号とこれと同じ日付に出願された“SYSTEM ADMIXTURE COMPENSATION SYSTEM AND METHOD”(システム混合を補償するシステムと方法)という名称の米国特許出願第___号に記載の方法と一緒に校正刷りデバイスとプレス出力デバイスとの双方で用いられることになっている規格を提供することによってこれらの画像をより正確に整合させることである。本発明のある態様の別の目的は、従来のプレス出力システムを用いて提供されるガモット若しくは色域(gamut)より大きい色域を有するプレス出力システムを用いて印刷された画像を提供することである。
【0037】
そのうえ、本発明の別の態様は、現在周知であるか又は将来開発される応用可能な、反射型4色CRP(R4/CRS)などの反射型多色再現システム(RM/CRS)、3色CRS(R3/CRS)及び/又は他の多色システムである校正刷りデバイスと以前の出力デバイスが、階調再現性、光反射比例性(light reflectance proportionality)、システム混合特徴(system admixture characteristics)並びに色彩科学者が色再現プロセスを特徴付ける際に用いる色強度及び彩度の域不整合(color intesity and saturation gamut mismatches)などのいくつかの変数を特徴付けて互いに別々に補償することによって用いられるハードコピー出力に関連する色管理プロセスの態様を容易化することを想定している。本発明の1実施形態は、少なくとも部分的に、これらの変数の内の3つの変数の相互依存性に対応してこれを補償する調整を実行する。このような調整によって、これらの相互依存性を考慮できないことに起因する計算の不正確さ又は誤りという問題を持つ従来の方法が改善される。これらの変数は、表IIに関連してさらに詳述する。
【0038】
本発明の態様は、色管理プロセスに伴うこれらの変数を従来の色管理システムより正確に制御する。これらの変数の少なくとも一部をより正確に制御することによって、より高い強度と濃度を持つ色を含むより高品質の印刷済み製品が提供される。より高い強度と濃度を持つこのような色は、一般的には、通常受け入れられている従来技術による方法では、プレスシートと校正刷り色との間に予想しない大きいエラーを発生させることなく達成されることはない。たとえば、ソリッド主要密度目標ポイントとして用いられる、また、図4を参照してより詳述する、ソリッド主要密度の範囲は、4つの色チャネルの内の3つに対して約40パーセント増加し、これで、一般的な産業印刷慣行で従来用いられてきた色域上では約167パーセントプレスシステムの色域を拡大することを可能とする。本発明の方法によって発生された赤、緑及び青のサンプル(以下に検討されるように、たとえば、マジェンタ及び黄色の着色剤と、シアン及び黄色の着色剤と、シアン及びマジェンタの着色剤とのそれぞれの重ね刷り(オーバープリント)組み合わせによって生成される)のセットを一般的な業界の方法で発生されたサンプルのセットと比較する際のことを説明するために、本発明による方法で発生されたこのサンプルのセットは、平均的な観察者には、色強度、彩度及び/又は濃度はより高い、言い換えれば、より「カラーフル」であるように見える。これらのサンプルセット間の差は、CIELAB色差方程式を用いて客観的に表されて、ΔE値が、赤=11.9、緑=15.4及び青=10.8となる。多くの場合、ハイエンド印刷物バイヤーなどの色整合技術に習熟した色鑑定家は、3.0未満のΔE値の差を認識可能であろう。
【0039】
プレートメーキング前のすべての最終校正刷りの準備は、汎用校正刷りシステム(Universal Proofing System:UPS)として本命最初の目的上定められる校正刷りシステムを限られた数、たとえば、10だけ利用することによって検討される。これらのUPSは契約校正刷りシステムと同様に利用されるが、これは、業界では、SWOP(登録商標)などの規格のセット、すなわち、本命最初中では「認定されている」という用語を用いて記載されるプロセスに準拠するものとして認定又は別様に受け入れられている。たとえば、表III、V及びVIに記載されているような規格値に準拠するために、UPSは、共通のファイルから校正刷りされた互いの画像の外観若しくはアピアランスが非常に類似しているようにする。このようなUPSの1つの利点は、印刷生産の創造的なプロセス及び他のプロセスは、必ずしも特定のプレス及び/又は校正刷りシステムに依存しないということである。
【0040】
本発明の方法を用いて、印刷ジョブを特定のプレスに合わせて調整される。たとえば、本発明の態様では、この調整の提供は、従来の色管方法で用いられる他のフェーズより後のフェーズであるコンピュータツープレート(CTP)や直接撮像(DI)プレートメーキングなどの生産フェーズで考慮される。たとえば、本発明の態様は、用いられる予定のすべてのUPS及び/又は特定のプレスに対するデータの特徴付けステップを含む。これらの特徴付けされるデータと、それに後続するあらゆる変換用データは、生産印刷ジョブに印加されて、特定のプレス上の印刷結果と選ばれたUPSの印刷結果との間のアピアランスを緊密に整合させる。1例として、出版広告印刷において、雑誌は一般的に、さまざまなロケーションで作成された広告を含んでいる。このような例では、さまざまな変換を、用いられるUPSによって各々の広告に対して応用して、この広告と用いられる特定の校正刷りとを校正して、この広告に対する顧客の承認を得る。
【0041】
周囲の印刷条件に応答して生産印刷ジョブの調整する動作が考慮されるが、これによって、プレスの印刷特徴の変更するフレキシビリティが提供されて、所望の特徴が満足されるが、この場合、他の従来のシステムでは、磨耗や機械的な問題などの装置上の制限がある。さらに、本発明の態様を利用すると、プリンタは、これらの調整のための値をプリンタが推測しなければならない従来のシステムより生産性と効率が高くなる。たとえば、顧客が受け入れた校正刷りを満足するようにプレスをセットアップする従来の方法では、印刷職工は一般的に、顧客にとって受け入れ可能な階調再現性特徴を満足するようにプレスを推測で調整しなければならず、この結果、通常は、時間やリソースが無駄になり、不正確さがもたらされる。加えて、色分離器を用いる本書で考察される方法又はシステムもまた、そのプロセスを多くのプレスの特徴を満足するようにセットアップする必要なく効率を得るが、むしろ、選ばれたUPSとは無関係に上記の特徴に基づいてその作品を作成して顧客の承認を達成する。このような利点によってもまた、リソースの無駄が省かれ、より高い生産性が達成される。
【0042】
色密度測定方法を用いると、システム混合データフォーム(SADF)及び/又は印刷調整データフォーム(PADF)を用いて1つのRM/CRSの出力のアピアランスを別のアピアランスに対して整合させる動作が容易化される。本発明のシステムと方法では、オフセットリソグラフィ、レタープレス、グラビヤ、フレキソ印刷(flexography)、網掛け印刷などの、そして、無水リソグラフィや、単一流体水性インク及びプレートレスディジタルオフセット、並びに、一部の態様では、電子写真印刷プロセスや、熱式やインクジェット式の印刷プロセスによる印刷などの開発中のさまざまなリソグラフィプロセスで用いられるさまざまなRM/CRSプレス出力デバイス138の使用を考慮している。図1を参照してさらに詳述する校正刷りデバイスとプレス出力デバイスの一部又は全部で、本発明のさまざまな態様が用いられる。
【0043】
表Iに、大量印刷生産で用いられる従来のプロセスの例をリストアップする。色分離プロセスの色管理で用いられるこれら従来の方法を、印刷と出版の業界で用いられる本発明の態様と区別しておくと役に立つかもしれない。たとえば、ステップ4A〜4Cに示すように、芸術作品の監督が与える又は規定するようなオリジナルコピー及び/又は他の色規格に色、商品サンプル及び企業のロゴ/ブランドカラーは、選ばれた契約校正刷りシステムの色に整合される。他方、本発明のシステムと方法は、表Iに示すようなプロセスステップ5,8及び14を含み、また、これらの色分離プロセスとは区別される色管理の態様に対応するものである。技術上許容されるように、本発明のシステムと方法もまた、1B、2B、3D及び4Dなどの中間校正刷りステップを含む色管理の態様に対応することを考慮するものである。
Figure 2004536730
【0044】
本発明の態様は、RM/CRSによって生産される製品に提供する表IIにリストアップされている5つの主要変数を処理する。本明細書では、RM/CRSを2つのタイプに分類して、それに対して規格が作成されるようにしている。たとえば、図6を参照して説明したように、赤、緑及び青の色ファミリのコーナーサンプルにおける加算性不良(additinity foilure)を評価する場合、以下に説明するように、タイプ1のRM/CRSは、色密度の測定値に対して高効率の加算性不良キャラクタを有するシステムと定義されるが、これは、一般的には、過小効率の加算性不良をあまり示さない。このようなシステムには、これに限られないが、限られた分量の印刷、校正刷り、及び事務所で使用されるシステムが含まれる。別の例として、タイプ2のRM/CRSは、以下に説明するように色密度の測定値に対して低効率の加算性不良キャラクタを有するシステムと定義されるが、これは一般的には過小効率の加算性不良を示す。このようなシステムには、これに限られないが、大量オフセットリソグラフィ印刷で用いられるシステムが含まれる。
【0045】
従来の商業印刷業界の慣行には通常、高効率加算性不良を有することを特徴とする写真製版法による校正刷りRM/CRSを利用して画像を校正刷りし、次にこの画像を、低効率加算性不良を有することを特徴とし得るRM/CRSを作成するオフセットリソグラフィ印刷プロセスで用いる動作が含まれる。不運にも、この方法を用いると通常は、「システム混合」という変数と「色強度域サイズタイプB不整合」という変数が変動するという結果となる。1例として、表IV中に与えられているソリッド密度タイプ1規格は、さもないと制限的となるこれらの特長を克服するために必要な色範囲又は色域を提供する。
【0046】
表IIに、この変動の一般的原因となるこれらの変数と、これらの変動の影響に対処する方法とを示す。本発明は、従来の色管理システムとは対照的に、表Iを参照して検討されるように色管理の態様の場合のこれらの変数のすべてを別々に補償することを考察している。
【0047】
ICC色管理方法などの方法は、これらの変数を分離しようとはしないが、色値を変更して1つの色域を別の色域にもっとも良好に整合させる域マッピング技法を有する統合的なプロセスでルックアップテーブルを用いることによって1つの多次元変換プロセスによって処理を実行しようとし、したがって、可変色強度域サイズ不整合を別々に補償使用とはしない、すなわちタイプBである。別の例として、SWOP(登録商標)は、従来は、これらの変数を特徴付けして、ソリッドインク密度、インク色(色合い)及びシーケンス並びにドットゲイン及び印刷コントラストを利用することによってこれらの変動の一部を補償しようとしてきた。不運にも、これらの方法は、システム混合、色強度域サイズ不整合タイプA及び網掛けエリアからの光反射比例性という変数に対処するものではない。
Figure 2004536730
【0048】
表III〜VIに、特定の着色剤セットを用いている校正刷りRM/CRSに応用される場合に、光沢/非光沢コーティングされた平滑テクスチャの白色紙サブストレートに対する着色剤セットの塗布に基づき、オフセットリソグラフィインクに応用される場合は、これらのサブストレートに対する約1.0ミクロンのインク膜厚の塗布に基づく規格の例を示す。作業用着色剤中のベース着色剤、すなわち、インク中の顔料の濃度は、本発明の態様にしたがって調整され、また、着色剤又はインクの透明度の属性は、一般的に受け入れられている印刷業界の慣行と契約校正刷りシステムの属性と等価であるべきである。例として、タイプ1のRM/CRSの着色剤には、オフセット写真製版校正刷りを印刷する際に用いられる着色剤が含まれ、タイプ2のRM/CRSのインクには、オフセットリソグラフィ印刷用インクが含まれる。表III〜VI中の例示の値はステータス−T密度を用いて与えられたものであり、多くのタイプの密度測定値が用いられるが、それには、これに限られないが、ISOステータスの、−T、A、M、E及びIというスペクトルタイプの密度がある。別の例として、表V中の値は、たとえば、50%と記載の網掛けエリア、振幅変調済み、6.69行/ミリ、スクエアハードエッジドット、ハーフトーン網掛けを利用して測定される。表III、V及びVI中の規格の内のどれも用いないか、一部又は全部を用いると、印刷・出版業界の生産の標準化や一律化の必要性を満足するように選ばれたUPSが作成される。
Figure 2004536730
【0049】
表III規格のどれも用いることなく、又はその一部か全部を用いると、色画像を校正刷りする際に、たとえば、従来の印刷業界の慣行の場合より大きい色強度域を生じさせることが可能となる。この利点によって、より強くカラーフルで、さらに、広告と促進の応用分野でより効果的であると印刷業界の顧客が一般に見なすコントラストとシャープさのある印刷済み画像が提供される。この利点はまた、色分離のトレーズマンの職人(tradesman)が、写真や反射式アートなどのオリジナルのコピーの強い色と、商品サンプル、企業のロゴ/ブランドカラー及びクリエイティブディレクタの命令などの他の生産印刷ジョブ要件とをより緊密に整合させることを可能とする。
【0050】
校正刷りの色強度範囲の程度は、これらの規格の内の1つ、一部又はすべてをシステム混合補償応用アプリケーションの図3〜4を参照して検討されるシステム混合補償方法と一緒に利用すると維持される。このような利点によって、従来の方法を用いて、そして、「色強度域サイズタイプBの不整合」中の変動の結果として、光沢(色強度)を減少させた顧客が所望する色強度が維持される。
【0051】
表III中に提供されているこれらの規格の1つ、一部又は全てを用いても、これらの着色剤の各々の色合い(color hue)と1次元(1D)主要密度が、タイプ2のRM/CRSの対応する着色剤の各々の色合いと1D主要密度とコンパティブルとなるように保証される。このような利点によって、各々のタイプのRM/CRSで用いられる対応する着色剤(たとえば、各システムで用いられるシアン着色剤)は、本発明の目的の達成を支援して、それぞれ校正刷りシステムとプレス出力システムとで用いられることになっている、表III〜VIで検討されるような規格を提供することによってこれらの画像の1D密度をより正確に整合させることが可能となる。加えて、このようなプロセスは、5つの主要変数の内の2つ、すなわち、「色強度域サイズタイプA不整合」と「網掛けエリアからの光反射比例性」が上昇するのを防止する。
【0052】
表IIIに示すような値のソリッド主要密度と比例性パーセンテージを提供すると、「色強度と彩度域サイズタイプA不整合」と「網掛けエリアからの光反射比例性」という変数の変動によって影響されると、従来の方法を用いて光沢が減少する顧客が所望したより大きい色強度範囲が生成される。図5を参照して検討されたシステム混合補償方法と共に利用されると、表III中のこれらのソリッド密度タイプ1の規格は、校正刷りRM/CRS上にSADF画像を発生させる際に用いられる目標ソリッド主要密度を提供するために用いられる。
Figure 2004536730
【0053】
表IV中に提供されているソリッド密度タイプ2の規格の例は、従来の印刷業界慣行で用いられる密度より高い密度を提供する。このような密度を用いて、図7〜8を参照して検討されたシステム混合補償方法と一緒に利用されると、表IIIに示すソリッド密度タイプ1の規格の比較的低い例示密度に適用されるいかなるCGDAF域拡大にも対処する。表IV中の目標ソリッド主要密度−Pの値は、インク膜圧が1.0ミクロンの場合の値である。インク膜圧は、1.ミクロンという目標の「理想的な」インク膜圧の約−15%と+15%との間で変動して、タイプ1のRM/CRS目標ソリッド主要密度目標ポイントにCGDAFを応用することによる生産印刷ジョブ用に規定されており、また、たとえば、シート給紙とヒートセットのWebオフセットリソグラフィ印刷を利用しているシステム上で容易に調整対応され得る目標ソリッド主要密度目標ポイント用の値となる。表IVに提供されているこれらの密度の内の1つ、又は一部もしくは全てをCGDAFの応用物と一緒に用いることによって、表IIIによって与えられる域(gamut)値のどのような利得でも、変数が変動しても、維持される。
【0054】
表IV中に与えられているこれらの規格の内の1つ、又は一部もしくは全てを用いることによって、これらの着色剤の各々の色合い、1D主要密度及び階調密度が、以下に検討されるシステム混合補償方法と一緒に利用されると、タイプ1のRM/CRSの対応する着色剤の各々の色合い、1D主要密度並びに階調密度及びソリッド密度とコンパティブルとなるように保証される。このような利点によって、各々のタイプのRM/CRSで用いられる対応する着色剤(たとえば、各システムで用いられるシアン着色剤)は、校正刷りシステムとプレス出力システムのそれぞれで用いられる予定の表III〜VI中で検討される規格などの規格を提供することによってこれらの画像の1D密度をより正確に整合させる支援となることが可能である。加えて、このようなプロセスによって、5つの主要変数の内の2つ、すなわち、「色強度域サイズタイプA不整合」と「網掛けエリアからの光反射比例性」が上昇するのが防止される。
【0055】
表IVに示すこれらのソリッド密度タイプ2の規格の1つ、又はその一部もしくは全部を、表IIIに示すようなソリッド密度タイプ1の規格と一緒に利用すると、先行技術による方式によって与えられるよりも改善されたシャープさ、コントラスト及び強度を与えるより大きい色域が得られる。表IVに示すようなこれらの規格は、図5〜25を参照して以下に検討される印刷調整方法とシステム混合補償方法を提供する能力の結果として用いられるが、これは、とりわけ、印刷機による校正刷り上の色を正確に複写することができる。たとえば、以下に検討されるように、図5〜10では、システム混合密度値を用いるシステム混合補償方法が検討され、図11〜25では、とりわけ、1次元プロフィール密度値を用いる印刷調整するシステムと方法が検討される。プロセスブルーなどのより高い強度と濃さを有する色には、プロセスシアンなどの一般的に用いられる着色剤より大きい「カラーフルさ(colorfulness)」がある。表IIIと表IV中で検討されるこれらのソリッド密度規格を従来の印刷方法と一緒に用いると、その結果得られる印刷済み製品は、一般的には、忠実度が低いが、この場合、印刷機の出力は、契約校正刷りの出力からかなりずれる。すなわち、従来の印刷と校正方法は、特に、表IIIと表IV中で検討される規格中に規定されるより高い密度を用いると、正確で繰り返し可能な色管理方法とはならない。
Figure 2004536730
【0056】
表Vは、光反射比例性規格の例を示す。これらの規格は、タイプ1かタイプ2のRM/CRSで使用される着色剤に対して用いられ、また、5つの主要変数のうちの1つ、すなわち、「網掛けエリアからの光反射比例性」を抑制し易くする。この変数は、網掛けエリア全体にわたって主要密度に対する中間又はマイナーな密度の比例性を表す。ソリッドエリアの比例性パーセンテージは類似しているが、1つ以上の網掛けエリアでの比例性パーセンテージがかなり異なっている場合、RM/CRS同士間では、通常、変数に差が発生する。これらの規格は、たとえば、振幅変調済みハーフトーン網掛けパラメータの指定値がC、M及びKの場合には1位置に当たり170行で、Yの場合は1インチ当たり85行である時に50%制御セットポイントでタイプ1とタイプ2のRM/CRS着色剤セットの着色剤色合いの比例性パーセンテージに対して用いられる。一部の実施形態では、制御セットポイントが5%、10%、25%、75%及び90%の場合の値を含む他の制御セットポイントに対する追加の規格を発生すると利点がある。インクやトナーなどの着色剤の生成に用いられる顔料や染料などのベース着色剤の反射属性は、光反射比例性規格によって評価されて、次に、制御される。
Figure 2004536730
【0057】
表VIに、階調再現性規格の例を示す。これらの規格は、タイプ1の着色剤セットの90%、75%、50%、25%、10%及び5%という制御セットポイントに対する階調主要密度に対して用いられる。図11〜25を参照して検討された方法のような方法と並行して用いられるこれらの規格の内のどれも用いない、又はその一部もしくは全部を用いると、5つの主要変数のうちの1つ、すなわち、「階調再現性」を抑制するという点で印刷機の結果を校正刷りアピアランスに対して整合させるためのシステマティックな方式が可能となる。表IIIと表Vと一緒にこれらの階調再現性規格のどれも用いない、又はその一部もしくは全部を用いることによって、UPSを達成することが可能となる。
【0058】
加えて、本発明の方法では、計算を実行して、5つの変数のうちの3つの変数の相互依存性が対処され、補償される。たとえば、システム混合特徴という変数が、図5〜10を参照して以下に検討されるように目的とするサンプル(SOI)のパーセットドット値色補正係数(PDCCF)と初期パーセントドット値(IPDV)との和によってその通り示す場合、色域密度調整係数(CGDAF)の計算が実行されるが、これは、色強度域サイズ不整合タイプBという変数に対応している。例示すると、図5を参照して検討されるように生産工程で用いられる予定のソリッド主要密度−P目標ポイントを変更すると、その結果、図18を参照して検討されるように階調再現性という変数に対応する際に有用な1D変換用データが変更されることになる。すなわち、階調再現性という変数に影響するソリッド主要密度−Pと、ソリッド主要密度−Pとは、CGDAGから計算され(色強度域サイズ不整合タイプBを抑制し)、これは、システム混合特徴によって異なる。図2と3を参照して検討される方法と類似する方法が実行されるが、これは、これらの相互依存性を補償して、生産印刷画像のアピアランスを校正刷りのアピアランスに整合させるために画像データに対して行われる調整の正確さを、従来の方法より増す。
【0059】
図1は、本発明の教示にしたがって色管理を実行するために用いられるシステムの例のブロック図である。色管理システム100は、さまざまなサイトから色管理とクライアントカウンセリングサービス機能性にアクセスするために用いられる中央処理・データレポジトリサイト(CPDR)102を含む。このアクセスは、複数の加入者サイトのためにアプリケーションサービスプロバイダ(ASP)及び/又は他のクライアント−サーバ機能性の実施方法を含む多くの実施方法を用いてなされる。図1に、カウンセリング/管理サイト110、コンセプト製版サイト120、印刷出力サイト130及び、インターネット107などのネットワークを介してCPDTサイト102にカップリングされた調達サイト140の各々を1つ以上含む色管理システム100を示す。特定の実施形態では、サイト120、130及び/又は140のうちの1つ以上が同じ場所に配置される。1例として、調達サイト140は、非常に大きい企業が自分自身のコンセプト製版準備、印刷及び調達を実行する場合のように、たとえば、出版物中の広告のように、コンセプト製版120及び/又は印刷出力サイト130と同じ場所に配置される。サイト102、110、120、130及び140はそれぞれが、たとえば、私的なデータネットワークを持つ小さい組織であったり、公衆ネットワークと私的ネットワークに双方を用いる多くのロケーション及び/又は管轄区域にわたって分散されている大きい組織であったりする。サイト102、110、120及び印刷出力サイト130のその各々がまた、さまざまなネットワーキングプロトコルを含んでいる。これらのサイトの一部又は全部もまた、ファイアウオール(明示的には図示されていないが、セキュアなサイトの周辺にあってファイアウオールの標準的な機能を実行し、システム運営者によって構成されたセットを成すフィルタリングルールに従ってデータをフィルタアウトしたりパスさせたりすることによって許可されていないネットワークトラフィックを拒絶する)などの現在周知又は今後開発されるデバイスを含むセキュリティ基礎設備若しくはインフラストラクチャを含むが、これによって、サイト110、120、130及び140からのデータが最初にパスする。
【0060】
さまざまなサイト110、120、130及び140は、現在又は将来一般的に入手可能ななんらかの適切なデータ送信手段によって直接に又は間接に、CPDRサイト102に接続される。たとえば、図1に示すように、サイト110は、CPDRサイト102に対して、ブロードバンド接続、衛星、リース回線、DSL又はISDNという回線などの通信リンク108によってインターネット107上で接続されている。他のサイト120,130及び140は、それぞれ、CPDRサイト102に対して、たとえば、専用回線、ダイアルアップ接続、インターネット107(明示的には図示せず)又は他の方法などの通信リンク118、128又は148によって接続されている。通信リンク108、118、128及び148並びにサイト102、110、120、130及び140は、公衆交換電話網(PSTN)、私的もしくは公衆データネットワーク、又はインターネット、衛星システム、他の有線もしくは無線ネットワークなどのグローバル通信ネットワーク又はならかの他のローカル、区域もしくはグローバル通信ネットワークの部分である。同様に、サイト110、120、130及び140もまた、例として通信リンク111、121、131及び141などの、上記のものを含むなんらかのタイプの直接的又は間接的な通信リンクであるさまざまな技法を用いて相互接続される。こうする代わりに又はこれに加えて、これらのサイトは、インターネット107で相互接続してもよい。言い換えれば、実施方法次第では、サイト102、110、120、130及び140は、所望次第で、同じ又は互いに異なったロケーション、領域又は管轄区域に常駐して、現在周知の又は今後開発されるさまざまな技法を用いて直接的又は間接的に相互接続される。このような相互接続性は、とりわけ、画像データを変換する係数を交換し、また、出版業者や印刷業者にとって処理時間をかなり減少させ、品質管理のプロセスを改善する能力によって色管理を向上させる。
【0061】
CPDRサイト102は、これに限られないが、CD−ROM、ディスクアレイ、磁気ディスク又は他の媒体などの光記憶媒体を含むなんらかの適当な記憶媒体であるデータレポジトリ104にカップリングされている少なくとも1つのコンピュータ106を含む。データレポジトリ104は、コンピュータ106上に常駐する複数のデバイス又はそれらの双方にわたって分散される。CPDRサイト102はまた、1つ以上の中央データベース104を管理する。データレポジトリ104は、例示であり制限するものではないが、階層的でオブジェクト指向の技法又は関連する技法を用いて所望のように編成される。
【0062】
ここで用いられるコンピュータ106、112、122、132及び142とは、これに限られないが、公知のMS−DOS、PC−DOS、OS2、UNIX(登録商標)、MAC−OS、及び斬新なオペレーティングシステムを含むWindows(登録商標)のオペレーティングシステムや他のオペレーティングシステムのうちのそれでも実行するようになっているコンピュータなどのシステム100のユーザによって利用されるなんらかのコンピュータ(サーバコンピュータを含む)のことである。データ処理もまた、コンピュータ106、112、122、132及び142又は別のデバイスに包含される特種目適用ディジタル回路を用いて実行される。このような専用のディジタル回路には、たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC)、ステートマシン、ファジーロジック、さらに他の従来の回路が含まれる。
【0063】
サイト110、120、130及び140もまた、CPDRサイト102によって提供されるインターフェースに準拠し、また、CPDRサイト102を用いて所望次第で処理を要求する。なんらかのサイトのユーザは、CPDRサイト102と、たとえば、クライアント−サーバ実施例では、これに限られないが、アプリケーションプログラムインタフェース(API)、グラフィックユーザインタフェース(GUI)、リモートメソッド呼び出し(RMI)、分散ネットワークインタフェース、HTML及びXMLを含むさまざまな方法を用いて通信する。ある特定の実施形態では、サイト110、120、130及び/又は140はGUIを含み、これから、ユーザは、処理をCPDRサイト102から要求する。ある特定の実施形態では、これらの要求はCPDRサイト102からサービスされる。こうする代わりに又はこれに加えて、いくつかのCPDRサイト102を一緒にリンクさせて、このような処理を実行する。
【0064】
コンピュータ106はロジック109を含むが、これは、コンピュータ106及び/又は他のサブシステム中に常駐しており、1つ以上の処理モジュールを含み、また、色管理処理を自動的に実行するコンピュータ読み取り可能プログラムコードを含むのが望ましい。ロジック109は、コンピュータ又は他のプロセッサ上で実行され、色管理処理、運営処理又は管理処理をサイト110、120、130及び140の1つ又は多くの態様の各々からの要求を受信し、また、所望次第で処理を自動的に実行する。ロジック109はまた、サイト110、120、130及び140の各々に対するネットワークインタフェースを含み、インターネット107上で呼び出して、色管理処理の1つ又は多くの態様の要求を所望次第で要求したりその要求を受信したりする。たとえば、ロジック109は、中央カウンセリングに関連する機能に対する要求をカウンセリング/管理サイト110から受信したり、これに転送したりするために用いられる。他の例としては、ロジック109は、データレポジトリ104を維持したり更新したり、コンセプト製版準備サイト120、印刷出力サイト130及び/又は調達サイト140と通信するために用いられる。これらのインタフェースは、JAVA(登録商標)インタフェースやXMLスキーマなどのプログラミング言語インタフェースである。本発明の方法は、コンピュータ又はなんらかの他の適当なプラットフォーム上で実行され、さまざまな論理的もしくは機能的な構成を用いて実行され、また、複数もしくは1つのステップで実行される。さまざまな方法もまた、実施形態によっては、以下に検討するさまざまなステップを省略している。加えて、これらの方法は各々が、さらなるチェックステップ及び/又は処理ステップを含む。これらの方法は、オブジェクト指向のFORTRAN、C、JAVA(登録商標)及び他の言語を含むなんらかの言語を利用し、また、ある特定の実施形態では、Clipperなどの高水準言語で書かれる。これらの方法は、機械読み取り可能フォームでCD−ROM、磁気ディスク又は他の媒体上に記憶され、インターネットを介してアクセス可能であるか又はダウンロードして図1に示すようなコンピュータなどのコンピュータに入力される。
【0065】
ステップ110、120、130及び140はその各々が、それぞれのコンピュータ112、122、132及び142上に常駐するそれぞれのロジック113、123、133及び143を含む。これらのロジックモジュールの各々もまた、他のサブシステム中に常駐し、1つ以上の処理モジュールを含み、また、以下に説明するようにさまざまな処理を自動的に実行するコンピュータ読み取り可能プログラムコードを含むのが望ましい。ある特定の実施形態では、ロジック113、123、133及び143は、ロジック109と一緒にクライアント−サーバ構成中でクライアントサイトソフトウエアとして構造化されている。すなわち、ロジック109並びにロジック113、123、133及び143は、互いに通信し、また、所望の色管理処理、運営処理及び/又は管理処理を実行するために必要な処理を呼び出すように動作可能である。
調達サイト140は、企業、広告代理店、ブローカ、アーティスト、写真家又はグラフィックデザイナなどの、印刷済み製品及び/又は出版もしくは広告のスペースを直接的又は間接的に購入する加入者サイトである。調達サイト140は、内部に常駐するロジック143を持つ少なくとも1つのコンピュータ142を含み、また、サービス注文を完遂するためにCPDRサイト102と通信するように動作可能である。多くの場合、調達サイト140は、地理的にはCPDRサイト102、カウンセリング/管理サイト110、コンセプト製版準備サイト120及び/又は印刷出力サイト130から分離されている。調達サイト140のところにいるオペレータは、ロジック143にアクセスして、特定の印刷ジョブ又は広告の色管理に適用される予定のPQC記録を契約に基づいて指定するために必要なビジネス情報でPQC記録を更新する。調達サイト140とCPDRサイト102間で通信すると利点があるが、それは、さまざまなロケーションで準備され、また、さまざまなUPSを用いている広告は、同じプレスレイアウトフォームで同時に印刷され、また、顧客の承認した校正刷りに整合するからである。この通信はまた、同じアピアランスを有する同じ広告を複数の出版物中で印刷する場合及び/又は複数のプリンタで印刷する場合を容易化するので、重要である。したがって、さまざまなデータを記録し、記憶し、また、主としてデータレポジトリ104中でこれらのデータのアクセスをサイト102、110、120、130及び140に対して可能とする本発明の方法によれば、これらのデータはハイエンドバイヤーと、それと同様に、印刷職工の必要性にしたがってプレスの出力を調整するために用いられる。これらのデータには、これに限られないが、すべて本発明にしたがって測定される生産校正刷り品質データ、校正刷り密度偏差調整用データ、印刷生産品質管理データ及び他の密度読み取り値が含まれる。
【0066】
カウンセリング/管理サイト110は、専門的な評価及び査定、命令、指導並びに訓練というサービスを提供する人物によって利用される。カウンセリング/管理サイト110は、少なくとも1つの密度測定デバイス116にカップリングされた少なくとも1つのコンピュータ112を含む。密度測定デバイス116(並びに密度測定デバイス124及び134)は、分光測光器、密度計、スキャナ、又は密度値を提供するように動作可能な他のなんらかのデバイスである。代替例では、色密度測定は、たとえば、スキャナ、分光測光器又は密度計で値を提供して、次に、測定結果をキーボード又は他の手段(明示的には図示せず)を用いて入力することによって手動で実行する。カウンセリング/管理サイト110もまた、コンピュータ112にカップリングされる少なくとも1つの校正刷りデバイス114、密度測定デバイス116又はこれらの双方を用途によって含む。カウンセリング/管理サイト110は、さまざまなサービスを要求があり次第又は別様に実行するために用いられる。たとえば、カウンセリング/管理サイト110は、専門的な評価、査定、命令及び/又は指導をシステム100のユーザに提供する。カウンセリング/管理サイト110はまた、用途によっては訓練サービスを提供する。カウンセリング/管理サイト110は、さまざまなデータフォーマットと転送技法とを用いて通信リンク108上で所望次第でデータをCPDRサイト102に対して転送したりこれら受信したりするように動作可能である。たとえば、ある特定の実施形態では、カウンセリング/管理サイト110は、所望次第で、CPDRサイト102から評価を求める要求を受信するように動作可能である。カウンセリング/管理サイト110によって生成されたいかなる応答、報告書及び/又はデータも、多くの電子的フォーマットの内の1つでCPDRサイト102に転送される。
【0067】
コンセプト製版サイト120は、少なくとも1つの密度測定デバイス124にカップリングされた少なくとも1つのコンピュータ122を含む加入者サイトである。コンセプト製版サイト120もまた、コンピュータ122にカップリングされた少なくとも1つの校正刷りデバイス126、密度測定デバイス124又はこれらの双方を含み、用途次第で校正刷りのために又は印刷生産ジョブを作業するためにデータを自動的に転送する。コンセプト製版サイト120は、図2を参照して検討したように校正刷り準備プロセスステップを実行する。
印刷出力サイト130は、印刷生産ジョブを実行する加入者サイトである。ある特定の実施形態では、印刷出力サイト130もまた、コンセプト製版サイト120に関連して検討したように校正刷り準備プロセスステップを実行する。印刷出力サイト130は、少なくとも1つの密度測定デバイス134にカップリングされた少なくとも1つのコンピュータ132を含む。印刷出力サイト130はまた、少なくとも1つのCTPデバイス136と少なくとも1つのプレス出力デバイス138とを含むが、これらは各々が、コンピュータ132、密度測定デバイス134又はこれらの双方にカップリングされて、用途と技術とに応じて、印刷生産ジョブを実行するためにデータを自動的に転送する。印刷出力サイト130は、さまざまなデータフォーマットと転送技法を用いて通信リンク128上で所望次第でデータをCPDRサイト102に転送したりこれから受信したりするように動作可能である。プレス出力デバイス138は、オフセットリソグラフィ、レタープレス、フレキソ印刷、グラビア及び網掛け印刷などのプレスを用いて印刷済みの製品を提供することが可能なオフセットリソグラフィ生産印刷プレスなどのなんらかの印刷デバイスである。
【0068】
本発明は、印刷デバイスから現行では独立しているコンピュータと、印刷デバイスから独立しているCTPプレートメーキングデバイスとを従来のシステムでは利用しているが、技術が許す限りこれらのデバイスの完全自動化を考察している。たとえば、本発明は、近代的なデータ処理機能と転送機能とを組み込むネットワーク化されたシステムの使用を考察しており、この場合、調整値と係数とは、現在周知の又は将来開発されるなんらかのCTPプレートメーキングデバイスに自動的にそして電子的に提供される。1例として、直接撮像方法は、プレス出力デバイス上にある間にシリンダを書き換えるために用いられる。加えて、密度計などの密度測定デバイス124と134もまた、各システムに対するインタフェースを有している。
【0069】
システム100は、集中的なカウンセリング機能を所望次第で、コンセプト製版サイト120や印刷出力サイト130などの加入者に提供する。たとえば、カウンセリング/管理サイト110は、色管理プロセスのどのような態様の間でもデータを要求次第で作成、維持及び配布する。たとえば、カウンセリング/管理サイト110は、校正刷りデバイスの構成のために表VIで検討されているようなPADF、SADF、校正刷り品質管理(QC)用片、カラーバー及び階調再現性規格並びに他のあらゆるファイル、フォーマットもしくは、サポートに役立つ他のデータを制御する。たとえば、中心化されたカウンセルサイト110もまた、サブストレートタイプ、認定された校正刷りシステム、認定されたインクセット及びその他のリストを制御する。
【0070】
カウンセリング/管理サイト110もまた、人員の訓練をする。訓練は、電話もしくはeメールなどの手段によって一対一で通信することを含む多くの方法によって、また、セミナーもしくは他のかかれた通信方法によって提供される。カウンセリング/管理サイト110もまた、加入者及び/又は他の人物からの要求があり次第、リアルタイムでオンラインのトラブルシューティングを提供する。たとえば、カウンセリング/管理サイト110は、トラブルスーティングや、PADFとSADFをセットアップ又は発生する試運転のサポートを提供する。そのうえ、カウンセリング/管理サイト110もまた、加入者のPADFとSADFのシートサンプルの安定性を査定し、加入者と一緒に作業して、この査定で認識されたあらゆる問題点を解決する。たとえば、カウンセリング/管理サイト110は、加入者から提供されたプレスのPADFとSADFのシートから測定方法とデータ収集物とを提供して、データのインテグリティを評価し、発生するあらゆる問題を補正もしくは補正のための提案をする。印刷特徴の評価は、PADFシート及び/又はSADFシートを提供する際に被ったプレスや材料の問題を識別するために実行される。たとえば、印刷コントラストを、PADF上の広い範囲のソリッド密度にわたって研究する及び/又はPADF上でのRGBソリッド重ね刷りに対する加算性不良を研究する。評価はまた、PADF上の広い範囲のソリッド密度にわたってCMYKインクのソリッド比例性に関する情報を提供するために実行される。
【0071】
カウンセリング/管理サイト110はまた、加入者に通信して、印刷特徴研究評価で識別された問題を解決して、計算された1D変換用データと、システム混合変換用データと、CGDAFデータとを分析し、また、必要次第で経験的な調整をして、データ収集物に対するシステムノイズの影響を補償する。このようなシステムノイズは、適切なサンプルを作成する際に問題として発生し、また、さまざまなタイプのRM/CRSハードコピーサンプルを測定する際に測定デバイスの偏差によって発生する。カウンセリング/管理サイト110はまた、所望次第又は要求次第でこれらのシステムノイズ問題点に関して絶え間な研究開発実行する。カウンセリング/管理サイト110はまた、現地セールの代表者などの、カウンセリング/管理サイト110の加入者及び/又は人員から助言を求められた場合に生産プレス工程に対してリアルタイムでオンラインのトラブルシューティングを実行する。カウンセリング/管理サイト110はまた、校正刷り材料の供給者とインク供給者とに対して規格を提供し、これで、彼らの製品が色管理システムの要件に準拠するようにする。カウンセリング/管理サイト110はまた、周期的にスケジュールされた品質管理評価を、校正刷り材料供給者のバッチサンプルと、インク供給者のバッチサンプルとに対して実行して、必要に応じてこれらの供給者に通信して問題を解決する。
【0072】
システム100は、所望次第で運営と管理の機能を加入者に対して提供する。たとえば、加入者のサイトは、これに限られないが、加入者ユーザの定義などのシステム運営機能などの環境パラメータの定義を含む、また、ログイン、パスワード及び他のセキュリティ問題点を含むさまざまな機能と他の事項とを起動及び/又は実行する。加入者サイトはまた、この加入者サイトにおけるプレスデバイスの定義やリスト、CTP/DIデバイス、ソフトウエア及びそのバージョンの保守の定義やリスト、及び他のサイト動作情報などのプレス動作運営上の課題を実行する。
【0073】
ある特定の実施形態では、加入者サイトは、色管理サービスの注文を起動して、たとえば、品目の説明、分量、サブストレート、納期、見積もり及び最終請求総額の取り決めを含むこのサービス注文のさまざまな態様並びに他の事項に関してCPDRサイト102と通信する。
【0074】
さらに、CPDRサイト102、カウンセリング/管理サイト110又はそれらの組み合わせが、保守及びセキュリティの機能並びに会計及び経営上の機能を実行する。たとえば、これらのサイトの一方又は双方が、所望次第で、加入者のファイル、システム制御ファイル及びそれ以外に対する保守を実行する。CPDRサイト102とカウンセリング/管理サイト110の一方又は双方が、加入者サイト及び/又はシステムセキュリティのさらなるロジックと運営の機能を含む。加えて、これらのサイトの一方又は双方が、加入者口座のトラッキング及び保守、加入者口座の送り状送付と会計監査、加入者に対して実行されたさまざまなサービスに対する経費会計の実行及び/又は管理情報報告書の提供、配布及び/又は維持などの会計機能を実行する。
【0075】
図2と図5〜25を参照してより詳細に説明するが、システム100もまた、システム100が提供している色管理サービスを容易化するさまざまな機能を実行する。たとえば、加入者サイトは、命令や訓練情報などの関連ファイルデータ及び/又はPADF、SADF、校正刷りQC用片、カラーバー、校正刷りデバイス校正の表IV中で検討されているような階調再現性規格、サブストレートタイプリスト、認定されたインクセットリストなどの標準システムファイルデータなどの関連ファイル並びに他のファイルをダウンロードする。各加入者サイトもまた、プレートセットプロフィールを作成して、用途に応じてさまざまな手順を実行する。たとえば、各加入者サイトは、インクバッチ、PADF及びSADFの試運転及び/又は校正刷り品質管理のための1つ以上の品質管理手順を実行する。こうする代わりに又はこれに加えて、各加入者サイトは、プレス、校正刷りシステム、サブストレートタイプ及び/又は中間プレスプロフィール調整方法を指定するステップを含むCTP/DIプレートメーキングプロセスを実行する。このようなプロセスはまた、以下に検討するように、印刷生産工程で用いられる予定のCIEE変換セットアップ、1D変換用データ及び/又はソリッド主要密度−P目標ポイントを受信する及び/又は計算するステップを含む。こうする代わりに又はこれに加えて、各加入者サイトはまた、プレート品質管理、プロセス準備及び/又は印刷生産品質管理のための手順を実行する。適用可能であれば、加入社債とはまた、新しい中間プレスプロフィール調整値を作成する。
【0076】
加えて、図2を参照してさらに詳述される色管理プロセスもまた、CPDRサイト102、カウンセリング/管理サイト110又はこれらの双方の組み合わせによって実行される機能を含む。たとえば、双方のサイトの一方又は双方が、校正刷り品質管理手順並びに測定値及びデータの収集物を含む、校正刷りシステムのPADF及びSADFの試験サンプルを作成するさまざまな機能を実行する。一方又は双方のサイトもまた、このデータのインテグリティを評価する。そうする代わりに又はそれに加えて、一方又は双方のサイトもまた、PADF及びSADF測定値を用いて与えられた加入者が提供した印刷済みの試験サンプルシートから収集されたデータのインテグリティを評価する。そのうえ、一方又は双方のサイトは、PADF及び/又はSADFフォームを流す際に遭遇した材料の問題の印刷特徴を研究する。印刷特徴の評価を実行して、PADF及び/又はSADFのシートを提供する際に遭遇したプレス又は材料の問題を識別するが、これには、PADF上での広範囲にわたるソリッド密度の印刷コントラストの評価、PADF上のRGBソリッド重ね刷りの加算性不良の研究及び/又はPADF上の広い範囲にわたるソリッド密度のCMYKインクソリッド比例性に関するインクのコンプライアンスが含まれる。こうする代わりに又はこれに加えて、一方又は双方のサイトはまた、所望に応じて全てのプレスと校正刷りシステムの組み合わせに対して、PDCCFデータ、二次PDCCFデータ、CGDAFデータ及び/又はCIEE変換用セットアップデータを作成する。
【0077】
コンセプト製版サイトと印刷出力サイトは、カウンセリング/管理サイトから専門家に対してアクセスするのが望ましい。これらのサイトはすべてCPDRサイト102にアクセスするので、どのサイトのユーザも、同じデータにアクセスする能力があり、これで、問題をより効率的にトラブルシュートすることが可能である。コンセプト製版準備サイトと印刷出力サイトはまた、PADFやSADFフォーマットを読み取る際に必要とされる多量の密度測定を実行するために必要な時間や装置に投資する必要がなければ利点がある。カウンセリング/管理サイトは、PADFとSADFのシートの多量の自動化され、カスタマイズされた処理を行う特殊化された密度測定デバイスでこれらの測定を実行する。
【0078】
本発明の別の利点は、処理ロジックのほとんど及び複雑なアルゴリズムの全てが、CPDRサイト102に常駐するということである。CPDRサイト102中に維持されるソフトウエアに対するあらゆる改良は即座に、コンセプト製版準備サイト120と、印刷出力サイトの全てと、カウンセリング/管理サイト110とに対して利用可能となり、これでコンセプト製版準備の業界全体にわたる均一な生産と標準化された生産とが促進される。本発明のさらに別の利点は、CPDRサイト102は、コンセプト製版準備サイト120のすべてと、印刷出力サイト130のすべてとからのデータを包含する。この大量のデータのため、各サイトが自分自身のデータを保持していたら不可能な複雑な調査と分析とを可能とする。
【0079】
図2と図3に、本発明の教示にしたがって用いられる方法の例を示す。一般的に、UPSは、校正刷りが表III、V及びVI中に規格に準拠して作成されるようにシステムと着色剤とを調整することによってセットアップされる。たとえば、表VI中で検討されるような規格などの階調再現性規格によって、校正刷りを作成するオペレータは、適用されるべき所望の階調再現性特徴を提供するように指導される。たとえば、オペレータは次に、構成刷りシステム又はデータファイルを調整して、対応するパーセントドット値に対する適切な密度が達成されるようにする。これらの規格は、公表されれば、印刷物として又はインターネット上で閲覧される。
【0080】
特定のプレスを、PADF及びSADFを印刷出力サイト130で印刷することによってプロフィーリングする。この印刷されたPADF及びSADFは、次に、色密度値を提供するメール又は他の技法によってカウンセリング/管理サイト110に転送される。カウンセリング/管理サイト110は次に、PADF及びSADFから値のすべて又はその選択された部分を読み取る。これらの密度値は、CPDRサイト102に転送されてデータベース中に記憶される。同様に、PADFとSADFとの校正刷りが、特定のUPSのカウンセリング/管理サイト110によって提供される。このようにして、PADFとSADFとは、多くの特定のプレスと校正刷りシステムとに対して提供され、このデータは、データベース中に記憶される。これらのデータは、PADFの場合は表IIIとVIとの中で検討されている規格の一部又は全てに基づいて、また、SADFの場合はいくつかの校正刷りの平均に基づいて構成され、次に、CPDRサイト102に転送されて、データレポジトリ104中に記憶される。
【0081】
加入者印刷出力サイト130が生産印刷ジョブを実行することを所望すると、サイト130は、この生産印刷ジョブで用いられる予定の特定のUPSとプレスとに関連するCPDRサイト102からのデータを要求する。たとえば、印刷出力サイト130は、1D変換用データとCIEE変換セットアップとをCPDRサイト102に対して要求する。CPDRサイト102は、1次元データプロフィールとSADFに基づいて必要な計算をすべて実行して、そのデータを印刷出力サイト130に転送する。たとえば、印刷出力サイト130は、変換用データを受信して、そのデータをCTPデバイス136に提供し、これで、変換にしたがって1つ以上の色撮像編集エンジンの機能性によって機能が実行された後でプレートが作成されるようにする。技術が許す限り、このデータは、印刷出力サイト130にあるプレス出力デバイス138に直接に出荷されて、印刷ジョブを実行するようにする。
【0082】
図2は、本発明の教示による色管理方法のフローチャートの例である。本方法は、一般に、色管理と関連する変数を分離し、別々の調整値を計算する及び/又は変数の各々を補償する表III、IV、V及びVI中で検討されているような規格を提供する。
【0083】
本方法はステップ202から始まり、ここで、PADFの校正刷りとSADFの校正刷りとが作成される。PADFの校正刷りは、校正刷りシステムの1次元プロフィールを作成するために用いられる。SADFの校正刷りは、校正刷りシステムのシステム混合データプロフィール(SADP)を作成するために用いられる。このプロセスはカウンセリング/管理サイトで実行され、また、現在又は将来に利用可能な契約又はUPSの内のどれに対しても実行され得る。このプロフィールデータは、中央処理とデータレポジトリCPDRサイト102に記憶される。
【0084】
ステップ202から、本方法はステップ204に進み、ここで、プレス出力デバイスを用いてPADFとSADFとを印刷する。この印刷されたPADFを用いて、プレス出力デバイスの1次元プロフィールを作成する。この印刷されたSADFを用いて、プレス出力デバイスのSADFを作成する。そのフォームは、印刷出力サイトで印刷され、カウンセリング/管理サイト110に送られ、ここで、フォームは読み取られてプロフィールが作成される。このプロフィールデータは、CPDRサイト102に記憶される。
【0085】
ステップ204から、本方法はステップ206に進み、ここで、システム混合特徴変換用データ報告書が作成される。この報告書は、プレス出力デバイスのSADPと校正刷りシステムのSADPとから作成される。この報告書は、PDCCF及びCGDAFと、適用可能であれば二次PDCCFとを提供する。この報告書の作成動作は、カウンセリング/管理サイト110で起動される。実施方法次第では、PDCCF、CGDAF及び所望の二次PDCCFもまた、以下に検討するように、変換済みのグラフィック画像データを所望のように印刷されるように準備するために用いられる他の多くの代替フォーマットで提供される。
【0086】
ステップ206から、本方法はステップ208に進み、ここで、CIEE変換セットアップが作成される。このCIEE変換ステップアップはカウンセリング/管理サイトで作成され、そのデータはCPDRサイト102に記憶される。ステップ208から、本方法はステップ210に進み、ここで、資産印刷ジョブの校正刷りが作成される。この校正刷りは、コンセプト製版サイト120で、整合する校正刷りRM/CRS、UPS上に出力される。ジョブのいくつかのオーバータイムの校正刷りが作成される。これらの校正刷りの内の1つが、生産印刷ジョブ出力と比較される校正刷りとして「承認」される。校正刷り品質管理(PQC)もまた、このステップの一部として実行される。
【0087】
校正刷り品質管理(PQC)を実行する例を解説する。たとえば、カウンセリング/管理サイト110は、たとえばWebサイトを介してコンセプト製版準備サイト120にとって利用可能なコンピュータ上でPQCの適切な色サンプルを持つ制御片のグラフィックファイルを提供する。コンセプト製版準備サイト120は次に、この制御片のグラフィック画像データファイルをダウンロードして、たとえば、このファイルを将来使用するために保存する。このグラフィック画像ファイルは次に、ライブの画像データを持たないエリア中の生産画像の1つ以上のファイル中に組み込まれる。次に、生産UPS校正刷りは作成されて、目的とする校正刷りが指定される。ロジック123が次に、呼び出されて、PQC機能を実行する。たとえば、ユーザは、ジョブ番号、プロジェクトタイトル、品目タイトル、印刷及び/又は出版ビジネス情報などの情報、たとえば、広告が印刷される予定の地域や出版物、UPS識別子、デバイス識別子、オペレータ識別子、サブストレート及び、測定される予定の制御片の量を入力する。
【0088】
ロジック123は、ロジック109に、PQCを実行するために生成された新たなサービス注文を通知する。ロジック109は次に、情報に対応して将来アクセスするために、ログインデータから決定されたコンセプト製版加入者識別情報を検証して検索し、UPSアイデンティティの有効性を確認する。コンセプト製版準備サイト120のところにいるオペレータが次に、密度測定デバイス124を用いてPQC制御片の読み取りを開始する。制御片の全てが測定された後で、ロジック123はPQCの基本的情報と密度データの読み取り値とをCPDR102に転送する。
【0089】
CPDRサイト102は次に、PQC基本的情報と密度データとをデータレポジトリ104中にPQC記録として記憶する。ロジック109は次に、受信された密度データを記憶されている校正刷りデバイスプロフィールと、UPSと一致するシステム混合データプロフィールと比較する。これらのプロフィールとこれらのプロフィールを提供する方法とを、以下に図5〜25を参照して説明する。次に、ロジック109は、目的とする校正刷りの密度とプロフィールの密度との間の密度偏差を計算して、「合否」の判定をする。この判定は、第1の密度の偏差が、所定の密度公差、たとえば、C、M、Y及びKという三原色着色剤の内のどれに対する50%制御セットポイントに対する階調再現性の階調主要密度偏差+/−.03以内に収まるかどうかに依存する。次に、ロジック109は、このデータをPQC記録に加算して、PQC報告書をフォーマッティングする。この報告書は、HTML文書を含む多くのフォーマットのうちの1つに構成され、次に、コンセプト製版サイト120に送られる。
【0090】
PQC記録が次に、たとえば、最初にこの記録を作成したコンセプト製版加入者によって、たとえば、「パスした校正刷り」が「顧客が承認した」ものとしてコンセプト製版サイト120で指定されたときに発行された「認定顧客承認番号」を用いてアクセスされて更新される。
【0091】
次に、ユーザは、PQC報告書をプリントアウト及び/又はそれをコンピュータ122で表示して、PQC報告書中の情報のすべて又は一部分が調達サイト140に対して送出される又はアクセス可能とされることになっているかを選ぶ。PQC報告書が受信されると、調達サイト140は次に、それと関連するグラフィック画像データファイルを印刷出力サイト130に送信して、印刷済み製品及び/又は出版物の広告スペースを購入するという契約をこれと結ぶ。加えて、「認定顧客承認番号」もまた、画像データファイルに付随する又はこれに先行するか後に続くさまざまな調達文書中に含まれる。応用次第で、印刷及び/又は出版ビジネスの情報は、CPDRサイト102のところにある対応するPQC中に入力することによって初期化、更新及び/又は確認される。
【0092】
グラフィック画像データファイルが調達サイト140から受信されると、印刷出力サイト130は次に、さまざまな目的のために、データレポジトリ104中に記憶されているPQC記録と一緒に画像データを用いる。たとえば、印刷出力サイト130は、承認目的のために、遠隔UPS校正刷りを作成する。印刷出力サイト130はまた、顧客の認証したUPS校正刷りと整合する「複写遠隔UPS校正刷り」を作成する。この手順では、表III、V及びVI中で検討されているような規格の値に対応しているUPS校正刷りを作成することに加えて、PQCによって提供された顧客認定の校正刷りの実際の密度データを考慮し、また、これらの実際の密度から所定の密度公差(density tolerances)より大きく偏差しないようにすることがまた望ましい。これらの密度公差は、制御セットポイント50%で.02などの例示値を有する。
【0093】
これらのデータはまた、校正刷り密度偏差調整(PDDA)を作成して、それを、1D変換の際の計算に適用することによってPPQCプロセスに精度を追加するために用いられる。PDDAを作成することによって、「パス」して「顧客に承認」されたUPS校正刷りの密度とUPSと対応する記憶済みの校正刷りデバイスプロフィール及びシステム混合データプロフィールの密度間の密度偏差が補償される。
【0094】
本発明のある態様は、プレス印刷結果を顧客が承認した校正刷りアピアランスに整合させる際の精度を従来の方法の場合より高くすることを可能とする。たとえば、本発明の方法は、校正刷りシステムのまともな製造公差内にある校正刷り密度偏差によって引き起こされる不正確さに対処するものである。従来の印刷慣行と出版業界の画像データ交換では、このような対処をしていない。そのうえ、新しい(たとえば、ディジタル式の)技術は、従来の中間フィルム校正刷りシステムよりさらに校正刷り同士間の不安定性が大きい。たとえば、製造公差は、C、M、Y及びK原色着色剤のどれでもその上の50%制御セットポイントに対する階調再現性の+/−.03という階調主要密度偏差(tonal major density deviation)に対応しており、このような偏差をもつ校正刷りは、まともな校正刷りプロセス制御手順に受け入れ可能なものである。しかしながら、また、たとえば、+.03という偏差を持つ校正刷りは、−.03という偏差を持つ校正刷りとはかなり異なった色アピアランスを示す。アピアランスのこの差は、ほぼ4.0ΔEというCIELAB色差であり、この差は、精通した印刷バイヤーにとっては身脱ものであり、受け入れられない。
【0095】
本発明の態様はまた、多くのサイトからアクセス可能な中央データレポジトリを許容するものである。たとえば、計算値とデータ記録とは、CPDRサイト102中で記憶及び/実行され、したがって、全てのサイトにとってアクセス可能な顧客承認済み校正刷り1つ当たり1セットのデータを提供する。したがって、サイト同士間の通信、正確さ及び効率が改善される。たとえば、どのサイトでも、承認された校正刷りの特徴を要求し、さらに進んで、たとえば、別の校正刷りを作って顧客の承認を得て、別の校正刷りを作って顧客商人済み校正刷りと整合させ、又は、さらにプレートメーキングに進み、及び/又はそれに応じてそのデータを調整する。さらに、どのサイトもまた、顧客の承認が発生してから、通常は数ヶ月、さらに数年という時間の後で、迅速に、また、容易に必要とするデータにアクセスする。このような利点によって、間違って違うデータを使用したり及び/又は装置特徴の変動に起因して発生するこのようなデータの変動を最小化する可能性が最小化される。
【0096】
ステップ210から、本方法はステップ212に進み、ここで、生産印刷ジョブが実行される。生産印刷ジョブを実行する1つの方法を、図3を参照して詳述する。
【0097】
図3は、本発明の教示による生産印刷工程を実行する方法の例である。一般的に、本方法は、印刷出力130で用いられる予定の特定のRM/CRS又はプレス識別子を識別するステップを含む。CPDRサイト102は、この特定のRM/CRSに対応し、また、生産工程ソリッド主要密度目標ポイントを包含するCIEE変換セットアップを選択する。CPDRサイト102はまた、印刷出力サイト130で用いられる予定のこの特定のRM/CRSに対応する1D変換を計算して、選択されたCIEE変換セットアップと1D変換データとをダウンロードする。印刷出力サイト130は次に、システム混合変換と1次元変換とを生産印刷ジョブに適用する。
【0098】
本方法は、ステップ302で始まり、ここで、1D変換用データが作成される。1D変換用データを作成する1例を図20〜22を参照して詳述する。1D変換用データは、ステップ206で選択されたCGDAFに応答して新しい生産印刷ソリッド主要密度目標ポイントを用いて計算される。ある特定の実施形態では、1D変換は、図11〜25を参照して検討されるようにサンプルPADFの一部又は全部から29のサンプル制御ストリップ片の全てを読み取った後で計算される。この1D変換は、ストリップ片セクションからの密度値にもっとも近い値を持つ新しいソリッド主要密度目標ポイントによって決定されたようなPADFに基づいて、自動的に選択されたストリップ片セクションに対して計算される。
【0099】
ステップ304では、システム混合変換用データと1D変換用データとが、生産ジョブのプレート又はシリンダが作成されている間に適用される。このステップのためのデータは、CPDRサイト102から得られて、CIEE機能性の中に、自動的又は手動で、入力される。本発明の1つの利点は、本発明が、階調再現性特徴の変動とシステム混合特性との変動を別々に補償することである。このプロセスは、5つの変数のうちの3つの変数の変動を補償して制御する正確で効率的な方法となり、また、印刷バイヤーが好むより高い密度を有する着色剤を利用するという利点を提供する。そのうえ、本発明は、従来の方法を用いる場合に存在する損傷と無駄を減少させるという技術的利点を提供する。
【0100】
次に、ステップ306で、生産ジョブのプレス準備を実行し、その後で、プレスジョブのプレスチェックを観察する。プレス準備は、ステップ206で作成されたCGDAFに応答して新しい生産印刷ソリッド主要密度目標ポイントを用いて実行される。ある特定の実施形態では、改善されたプレス準備手順を、図11〜25を参照して検討された方法と類似の方法を用いて実行される。ステップ308では、本方法は、プレスシートと校正刷りが目視観察されると、プレスシートと校正刷りとの間に受け入れられる色忠実度(一般的な業界慣行内の)が存在するか問いただす。あれば、ステップ310で、生産プレス工程が実行される。なければ、ステップ312で、印刷生産品質管理(PPQC)が実行される。PPQCを実行する2つの方法を、図23と24を参照して検討する。
【0101】
例は図示されている。たとえば、印刷出力サイト130で印刷生産品質管理を実行するプレスシートを選択する。ロジック133は、とりわけ、読み取られる予定のプレスプロフィール識別子とセグメントなどの情報をユーザに対して要求するPPQC機能性を呼び出すために用いられる。印刷出力サイト130は次に、プレスプロフィール識別子の有効化を要求する。ロジック109は、データレポジトリ104に問いただして、プレスプロフィール識別子が有効か判定し、印刷出力サイト130に、プレスプロフィール識別子が有効かどうかに関して通知する。プレスプロフィール識別子が有効であれば、ロジック133は、ユーザが、プレスカラーバーの線形セグメントの読み取りを開始することを許可する。有効でなければ、エラーメッセージを印刷出力サイト130で発生する。
【0102】
次に、ユーザは、これらのセグメントを密度測定デバイス134で読み取り、次に、これらの読み取り値が、追加のPPQC情報と共にCPDRサイト102に転送され、ここで、次にデータレポジトリ104中に記憶される。ロジック109は次に、図24を参照して説明した計算を実行して、次に、PPQC報告書をフォーマッティングする。この報告書は、HTMLを含むさまざまなフォーマット中に構造化され、次に、これが印刷出力サイト130に転送され、ここで、次にプリントアウトされ及び/又はコンピュータ132上に表示されて、本発明にしたがって用いられる。
【0103】
ステップ314で、本方法は、密度分散(バライアンス)データが、一般的にプレスのオペレータ又はバイヤーによって行われる目視観察による批評を裏付け満足しているか問いただす。たとえば、シアンの測定データが50%の制御セットポイントで−0.05という密度分散を示している場合、目視観察では、校正刷りと比較して、品が「弱い」プレスシートが見とめられる。そうでない場合、ステップ316で、これに限られないが、校正刷り、プレートメーキング及び/又はインク選択などの外的な問題が探索される。
【0104】
密度分散データが目視観察批評をステップ314で裏付け満足していない場合、ステップ318で、密度分散データを用いて、IPPA値を決定する。これらの値を用いて、IPPAをステップ320で作成し、次に、本方法はステップ320からステップ302に復帰する。IPPA値を提供する1つの方法を、図26Aを参照して検討する。
【0105】
図4に、2つのセットを成す印刷用インクの、色域上のソリッド主要密度値の密度範囲、すなわち、色強度範囲の関係の例を図形で示す。例として、図4は、域(gamut)を立体で表される堆積として描写することによって、セットを成す印刷用インクの色域の範囲のコンセプトを示す。他の係数が色域のサイズに影響するが、この図はこのような係数を示していない。
【0106】
図4は、シアンとして表される軸401と、黄色として表される軸402と、マジェンタとして表される軸403を持つ3次元座標系400を示す。座標系400の原点404は、白色で表されている。図4は、立体410と420とで表される2つの体積を示している。立体410の値は、表IIIに示す例示のソリッド密度タイプ2の規格、すなわち、シアン1.85、マジェンタ1.85及び黄色1.25を表す密度値である。立体420の値は、印刷業界にとってもっとも人気のあり、SWOP(登録商標)印刷生産指針として提供される、目標とされる例示のソリッド主要密度目標ポイントを表す密度値である。これらの値は各々が、「−P」値、すなわち、シアン1.25、マジェンタ1.35、黄色0.95として比較目的で提供される。
【0107】
立体410及び420の各々の頂点は、技術上周知のカラーキューブ上で表された色によって表され、また、白色頂点すなわち原点404と、シアン頂点411及び421と、黄色頂点412及び422と、マジェンタ頂点413及び423と、緑頂点414及び424と、黒頂点415及び425と、赤頂点416及び426と、青頂点417及び427とを含んでいる。立体410及び420の各々の域サイズは、各立体の体積によって表される。
【0108】
たとえば、立体420の域サイズは次の通りである:
Figure 2004536730
【0109】
たとえば、立体410の域サイズは次の通りである:
Figure 2004536730
【0110】
したがって、2つの立体410及び420の各々の体積から、表III中に示す例示のソリッド密度タイプ2の規格として提供されているような密度範囲に基づいた域サイズは、例示の目標ソリッド主要密度目標ポイントを用いて与えられるサイズの4.276/1.603、すなわち、2.67倍である。
【0111】
本発明は、着色剤セットを用いている反射型多色再現システム(RM/CRS)の加算性不良を特徴付けすることによってシステム混合特徴を定量化することを想定している。本発明は、現在周知の又は将来開発される、応用可能な反射型4色CRS(R4/CRS)、3色CRS(R3/CRS)及び/又は他の多色システムなどのRM/CRSを用いることを考察している。そのうえ、本発明の方法及びシステムは、撮像科学者が色再現性を特徴付けする際に用いる階調再現性、比例性不良率、システム混合特徴及び色域不整合を特徴付けし、また、別々に補償することによってRM/CRSを用いる色管理プロセスの態様を容易化することを想定している。
色域不整合は、a)減法原色着色剤のソリッド密度と色合いとの不整合、したがって、着色剤セット同士間の重ね刷り色組み合わせの不整合又はb)印刷物上での加算性不良の影響によって引き起こされる。加算性不良によって引き起こされたこの域不整合は、ほとんどの標準の業界の想定とは対照的に、第1のRM/CRSの独立のソリッド減法原色着色剤を、第2の反射型再現システムのソリッド密度と色合いを整合させるように印刷した場合でも発生する。たとえば、第1のシステムの減法原色(C、M及びY)着色剤が第2のシステムの着色剤を整合させるように印刷される場合、結果として得られるマジェンタと黄色、シアンと黄色及びシアンとマジェンタの重ね刷りは一般的には、これら2つのシステム間での赤色、緑色及び青色のそれぞれと整合しない。これらの重ね刷りはまた、クロマ若しくは彩度(色強度)の差が大きく、これは、全ての濃い強烈な色に影響する色域不整合が存在することを示している。
【0112】
加算性不良は、着色剤の層を前に塗布された着色剤のその上に塗布する際に発生した影響に起因する過小効率又は過大効率を、「紙などのサブストレート上に着色剤を直接に塗布する」という理想的な状態によって発生した影響と比較したものと定義される。本明細書中に用いられ、また、印刷・写真業界によって受け入れられている加算性不良という用語の1つの定義は、GATFプレス社の1999年の第2版のフィールド(Gary G. Field)の「色とその再現性」(Color and Its Reproduction)の192〜194ページに見受けられる。
【0113】
色密度測定によって、1つのRM/CRSの出力のアピアランスを別のアピアランスに対してシステム混合データフォーム(”SADF”)を用いて整合させる動作が容易化される。本発明は、オフセットリソグラフィ、レタープレス、グラビア、フレキソ印刷、網掛け印刷システムなどの図10に示すような、そして、無水リソグラフィ、単一流体水性インク及びプレートレスディジタルオフセットでの印刷、並びに、一部の態様では、電子写真印刷、熱式やインクジェット式の印刷プロセスによる印刷などの開発中のさまざまなリソグラフィプロセスで用いられるさまざまなCM/CRSを用いることを考察している。たとえば、RM/CRSは、これに限られないが、インクジェット又は熱式プリンタなどのさまざまな撮像デバイスなどの図10に示すような校正刷りデバイスと、デュポンのWaterproof(登録商標)や、ImationのMatchprint(登録商標)や、富士フィルムのColorArtや、KodakのApprovalなどのハーフトーン印刷デバイスとを含む。これらのデバイスは、さまざまな方法を用いて、中間フィルムと直接ディジタル出力を含む校正刷りをサブストレート上に発生させる。本発明のさまざまな態様が、これらのプレス出力デバイスの一部又は全部で用いられる。
【0114】
どの測定サンプルの色密度でも通常は、4つの測定チャネル、すなわち、C、M、Y及びVを用いて提供される。これに限られないが、ISOステータス、すなわち−T、A、M、E及びIという密度のスペクトルタイプなどの多くのタイプの密度測定値が用いられる。
C、M、Y及びVは次のものを表す:
C=シアンインク色によって達成される色スペクトルの赤波長領域を吸収するRM/CRSの能力の表示;
M=マジェンタインク色によって達成される色スペクトルの緑波長領域を吸収するRM/CRSの能力(capacity)の表示;
Y=黄色インク色によって達成される色スペクトルの青波長領域を吸収するRM/CRSの能力の表示;
V=黒インク色を表示するために主として用いられる無色の(すなわち、灰色)に変換されたCMY色密度値の表示。
【0115】
ソリッド密度とは、分光測光器(スペクトロメータ)、密度計、スキャナ又は他の色密度測定デバイスを用いてソリッドの、すなわち網掛けされていない、画像エリアから取られたCMYV密度測定値のセットのことである。C、M及びYの中で、主要密度とは、C、M及びYの中で最も高い値を持ち、また、原色C、M及びYを含む色サンプルの密度測定値のことである。Kファイル、すなわち、黒インクチャネルの場合、主要(メジャー)密度とは、Vチャネルから単独で取られた密度測定値のことである。この記述に関して検討された密度の一部は、「−紙」すなわち「−P」と表現されるが、これは、色サンプルの密度値から紙/ベースサブストレートの光密度値を減算した値を表す。
【0116】
C、M、Y及びKという略字は、インクや、プレーと、フィルムや、ファイルチャネルなどのものに対する、印刷の際に用いられる4つの従来のプレス色を識別するために用いられる。これら4つの色とは、それぞれシアン(C)、マジェンタ(M)、黄色(Y)及び黒(K)であり、C、M、Y及びKに対する測定値は、上述したようにC、M、Y及びV測定値から取られる。C、M、Y及びKを組み合わせて、重ね刷りの色組み合わせを生成する。たとえば、緑色は黄色とシアンを重ね刷りすることによって形成され、赤は黄色とマジェンタを重ね刷りすることによって形成され、青はマジェンタとシアンとの重ね刷りである。「インク」という用語が本明細書では用いられるが、本発明は、これに限られないが、トナー、染料、顔料、媒介物及び変性用コンポーネントなど着色剤を印刷プロセスにおいて送出して管理するための他の方法を用いることを考察している。
【0117】
ここで、図5を参照すると、本発明の教示によるシステム混合補償方法のフローチャートの例が示されている。本方法では、一般的に、色管理の態様と関連する変数を隔離して、第1の着色剤データを利用して、印刷生産ジョブで用いられる予定の第2の着色剤データの値を調整する。これらの計算には、後で第2の着色剤データの密度と比較される第1の着色剤データの密度からパーセントドット値を計算することが含まれる。この比較によって、C、M、Y及びKという4つの色の各々に対して用いられる変換用データの正確に計算して、第1の着色剤データに対して第2の着色剤データの選択された特性特徴をより緊密に合わせるような測定値を提供する動作が容易化される。より具体的には、本方法では、第2の着色剤セットを用いている第2のRM/CRSの加算性不良で第1の着色剤セットを用いている第1のRM/CRSの加算性不良を特徴付けることによって2つのセットを成すシステム混合特徴をより緊密に合わせる。システム混合特徴は、着色剤セットを用いているRM/CRSの、加算性不良又は効率測定値などの、特徴として定義される。このように、本発明の態様によって、RM/CRSの色管理プロセスが容易になる。
【0118】
これらの調整(アジカストメント)は、パーセットドット値色補正係数(PDCCF)で表現され、たとえば、色画像編集エンジンを用いて、画像のディジタル表現のパーセントドット値を変更することによって生じる。本方法ではまた、着色剤データ同士間の色域不整合を軽減するものとして生じられる密度調整係数(色域密度調整係数:”CGDAF”)として表現されるさまざまな調整値を提供する。これらは最初に、生産の準備フェーズで着色剤のソリッド主要(メジャー)密度目標(エイム)ポイントに適用され、生産工程全体にわたって維持される。これらの調整値は双方ともが客観的なデータとなり、これによって、アピアランスと従来の生産印刷ジョブが生成される際の忠実度とに対するより高い品質管理が可能となる。
【0119】
不運にも、色域不整合はしばしば、従来の方法を用いる際、特に濃い強烈な色の場合に問題となっており、これは通常は、彩度すなわち色強度に大きい差があるためである。このような差は、一般的には、2つのRM/CRS間の加算性不良率に差があるためである。たとえば、従来の印刷方法とシステムは、第1のRM/CRSのソリッドすなわち100パーセント減法原色CMY着色剤を印刷して、第2のRM/CRSのそれをソリッド密度と色合い誤差を整合させるプロセスを利用している。その結果得られる、マジェンタと黄色、シアンと黄色、シアンとマジェンタなどの重ね刷りは、それぞれ赤、緑、青と一般的に整合しない。
【0120】
本発明の態様は、従来のそして色管理方法とは対照的にシステム混合特徴の変動と、色域不整合とを別々に補償することを考察している。たとえば、ICC色管理方法は、これらの変数を分離しようとはせず、統合的なプロセスでルックアップテーブルを用いる域マッピング(gamut mapping)によって、グラフィックデータファイルの着色剤域不整合で色を置き換えることによって、1つの多次元変換プロセスで処理を実行する。別の例として、SWOPは、従来は、これらの変数を特徴付け、また、ソリッドインク密度、インク色(色合い)/シーケンス並びにドットゲイン及び印刷トラストを利用することによってこれらの変動を補償しようとしてきた。不運にも、このような方法は、RM/CRSのシステム混合特徴と色域不整合との双方の変動に適切に対処し得ない。
【0121】
本発明を検討しながら引用されるソリッド密度目標ポイントを説明すれば分かるであろう。このような目標ポイントを調整して、技術の変化、修正又は向上に対応する。たとえば、商用オフセットリソグラフィ業界では、一般的な目標化されたソリッド主要密度目標ポイントを、表VIIのように、コピーライト2000、GRACoL4.0 2000のグラフィック通信協会(Graphic Communications Association)の許可を得てリプリントして利用している。
Figure 2004536730
【0122】
本書に述べる例の目的上、ソリッド主要密度−P目標ポイントとは、現在利用可能な又は将来開発される一般に受け入れられる校正刷りシステムのソリッド主要密度のことである。本発明の教示を説明するために、CGDAFが計算されて次にRPのソリッド主要密度−P目標ポイントに適用された後に生産工程でCPのソリッド主要密度−P目標ポイントとして用いられるソリッド主要密度目標ポイントのセットの1例として、C=1.60、M=1.60、Y=1.10、K=1.75が挙げられる。選ばれた値を利用して、第1の着色剤データに応答して第2の着色剤に対する調整値を提供する。
【0123】
一般に、本方法は、基準プロフィール(RP)及び現行プロフィール(CP)と表示され、CPを表すADFを用いて生成されたシステム混合データプロフィール(SADP)から測定された値を定量化して、RPで用いられている着色剤の印刷結果のアピアランスをより正確に整合させる。本方法は、理論的パーセントドット値(TPDV)、パーセントドット色補正係数(PDCCF)、二次PDCCF及び/又は色域密度調整係数(CGDAF)などの多くの計算された値を作成して、システム混合特徴と色域不整合とを提示することによって加算性不良の影響に合わせて調整する。1例として、加算性不良の過大及び/又は過小効率の影響はなんでも、目的とする色サンプル(SOI)の初期パーセントドット値(IPDV)に関連している。このステップを実行する1つの方法は、このような影響による結果として得られる密度をTPDVに変換して、パーセントドット値を共通の定義として設定するステップを含んで、PDCCF、二次PDCCF及び/又は色域拡大係数を計算して、システム混合補償をするステップを含む。TPDVは、所与のSOIが欠如した加算性不良に対する測定済み密度を理論的に達成するパーセントドット値である。たとえば、階調再現性色サンプル(TRCS)IPDVと、その結果としてのTRCS密度データとを基本的なスケールとして用いて、TPDVに到達する。次に、TPDVに応答して、PDCCFを計算する。PDCCFを計算する1つの方法を、図8を参照して検討する。
【0124】
加えて、TPDVと後続のPDCCFとを作成すると、階調再現性特徴とは実質的に無関係であるCGDAF、PDCCF及び二次PDCCFを提供する際にも利点がある。TPDV、PDCCF及びCGDAFは、どのような数の着色剤や着色剤セットに対しても提供される。CGDAFは密度値であり、これを計算して、1つの着色剤セットの彩度や色強度という点で色域を、それが第2の着色剤セットのより大きい色域と一致するように拡大する。このような利点によって、特に濃い強烈な色の場合に、色域不整合が軽減されるが、これは通常は、彩度すなわち色強度の差が大きいからであり、このため、グラフィックデータファイル中の色値を変更して、1つの色域を別の色域内に「最良適合」させる域マッピング技法を持つ従来の色管理システムで得られる結果より望ましい結果が得られる。このような利点は、したがって、プレス写真製版校正刷りのアピアランスに整合するアピアランスを持つ印刷済みプレスシートを作成するために用いられるデータを調整しようとする場合に、これら従来の「最良適合」方法より成功に導くものである。
【0125】
たとえば、RPの比較されているCPを作成するために用いられる色域より彩度や色強度という点で大きいRGB色域を、RPを作成するために用いられる着色剤セットが有する場合がある。このような場合においては、所望のパーセントドット値、すなわち、本発明の方法を応用することで得られたCPで用いられる着色剤のSOIに対して誘導された調整済みファイルパーセントドット値(AFPDV)は100パーセントより大きく、また、CPで用いられた着色剤セットは、RPの着色剤セットに対して用いられた目標ポイントより高いソリッド主要密度目標ポイントを用いて印刷生産で印刷されなければならない。本発明は、CGDAFを計算して、それを、後続の生産印刷セッション中にCPを作成するために用いられた着色剤セットのソリッド密度目標ポイントに適用することによって色域のいかなる不整合でも補正することを想定している。PDCCFは、着色剤を利用するRM/CRSの階調再現性特徴から実質的に無関係であるため、PDDCFに応答して計算されたいかなるCGDAFでも、階調再現性特徴の変動とは実質的に無関係となる。
【0126】
本方法はステップ502で始まり、ここで、SADFは、ステップ504でSADPを作成する際の元になるSADFが作成される。SADPは、分光測光器や、密度計などの他の密度測定デバイスから得られたSADF画像中の色サンプルの一部又は全部の測定値を取ることによって作成される。SADFの1例を、図6を参照して詳述する。2つのSADP、すなわちRPとCPを作成する。これらSADFを作成する際に利用された着色剤セットは、4つの着色剤から成っており、インクなどの多くの利用可能な着色剤から選択される。これらの着色剤は変わり得るが、これらSADPの各々に対して用いられる4C、M、Y及びKという着色剤は、そのスペクトルが、類似したものであるべきであり、これによって、これらは、観察者にとっては、実質的に同じ色であるように見える。加えて、SADPそれぞれ同士で同じような色を比較した場合、ソリッドで1次元の色サンプルは、実質的に等しい密度−P値を有すべきである。しかしながら、SADPの各々に対する重ね刷りは、どんな連続順でもサブストレートに対して実行される。1例として、第1のSADP中では、黒インクが最初に塗布され、シアンインクが二番目に、マジェンタが三番目、黄色は4番目に塗布され、一方第2のSADP中では、これらのインクが逆順で、又は他の別の順序で塗布される。SADFサンプルシートを作成するために用いられた着色剤もまた、コーティングや表面テクスチャなどの実質的に類似の特徴を有するサブストレート上で、実質的に同じハーフトーンパターンを用いることによって生成されるべきである。加えて、類似の色を各SADP間で比較する場合、階調1次元着色剤サンプルは、たとえば、互いに対して+/−20%などという公差内で実質的に類似の比例性不良特徴を有するべきである。比例性不良特徴とハーフトーンパターンとは、双方ともが公知であり、ハーフトーンパターンは、走査線数とドット形状などの特長によって変化する。
【0127】
1実施形態では、RPは、校正刷り用のSADFを最初に準備することによって作成される。このステップは、たとえば、SADFグラフィックコンピュータファイルからネガ又はポジのCMYKフィルムを作成するステップを含む。このようなRP用SADFは、所定の校正で校正刷りデバイスによって出力されるが、この校正は、ある好ましい実施形態では、校正刷りシステムメーカの規格を含んでいる。この校正刷りはネガ又はポジから作成されるか、ディジタル校正刷りデータから作成されるかであり、通常は、比較的一定のインク又は着色剤の膜圧を含んでいる。1例として、ImationのMatchprintなどの校正刷りシステムが用いられる。次に、第2のSADFが、CP用に準備される。例として、SWOP印刷生産指針にしたがったインクを用いるリソグラフィオフセットプレスがある。1実施形態では、SADF用のコンピュータツープレート(”CTP”)式プレートが作成され、次に、SADFの印刷プレス工程が、このCTPプレートを用いて実行される。たとえば、ある特定の実施形態では、SADFのCTPプレートの作成ステップには、SADFを現すデータを包含しているコンピュータファイルのコンテンツで変調されたレーザ放射エネルギでCTPプレート画像を露光するステップが含まれる。
【0128】
ステップ504から、本方法はステップ506に進み、ここで、システム混合特徴(SAC)変換用データ報告書が、CPとRPとの間における色密度偏差又は差の比較に応答して作成される。この報告書は、PDCCF及びCGDAF、並びに、適用可能な限り、CGDAFによって持ち込まれた矛盾を解決するために特定の場合に用いられる二次PDCCFとなる。PDCCFとCGDAFを計算する方法の例を、図7と図8を参照して検討する。実施例によっては、PDCCF、CGDAF及び所望の二次PDCCFはまた、以下に検討するように、ステップ512で印刷される予定の変換済みグラフィック画像データを準備するために用いられる他の多くの代替フォーマットで提供される。
【0129】
PDCCFは、CPとRPから測定された選択済みの色サンプルから計算されたパーセントドット調整値を表して、さまざまなシステム混合特徴に対して加算性不良が及ぼすあらゆる可変的影響を補償する。PDCCFには、「着色剤トラッピング」や「透明性/不透明性」などの、着色剤セットと、着色剤セットを用いる対応するRM/CRSとの属性が含まれる。着色剤トラッピングは、1つの着色剤を直接にサブストレート上に、その間に別の層を成す着色剤なしで塗布する方法とは対照的に、1つの着色剤をその前にサブストレートに塗布された別の着色剤の上に塗布する際に示された特徴として記述される。PDCCFは、色チャネル同士間の相互作用に対処する多次元変換値中に転置される。以下に検討するように、次に、現在周知の又は将来開発される多くのソフトウエア、方法又は他の色画像編集エンジン(CIEE)でPDCCFを用いる。
【0130】
PDCCFと後続のすべての多次元変換値の計算は、画像が印刷されるサブストレートと、RP及びCPの着色剤を利用するRM/CRSの階調再現性特徴とに対する実質的な独立性を提供する。このような利点によってまた、1次元階調再現性変換値を、多次元のC、M、Y、K変換値のほかにも、又は、これらとは別に印加することが可能となる。この利点によって、一般的にしばしばドリフトし、また、通常は本来的に階調再現的である変数を、一般的に初期特徴化の後ではかなり安定しているシステム混合関連の変数とは無関係に補正することが可能となる。サンプルと変換値とに適用される1次元という用語は、単一着色剤とそれに関連した計算値のことであり、他方、多次元という用語は、赤などの1つの着色剤の重ね刷り(黄色とマジェンタの重ね刷り)とそれに関連する計算値のことである。1次元サンプルの例にはTRCSが含まれ、多次元サンプルの例には色補正用色サンプル(CCCS)、システム雑音インジケータサンプル(SNIS)及び/又は補正重ね刷り検出サンプル(CODS)が含まれるが、これらはすべて、図6を参照して詳述する。
【0131】
CGDAFは、CPを作成するために用いられる着色剤セットの域を拡大し、これで、それがより大きい色域着色剤セットに対応し得るようにするために用いられる。たとえば、着色剤セットの域は、インク膜圧を調整する及び/又は異なった顔料濃度を持つ別の着色剤セットを作成することによって拡大される。色域の拡大を、図9を参照して図示し、より詳細に検討する。この方法は、自動的に色域を拡大する機能を含むと利点があるが、この方法は、従来の方法を用いても現在利用不可能である。CGDAFは、CPを生成するために用いられる着色剤セットのソリッド主要密度−P目標ポイントに適用される密度調整値である。CPを作成するために用いられる着色剤セットがオフセットリソグラフィインクを含んでいる場合、各インクのソリッド主要密度−P目標ポイントはCGDAFデータだけ増加され、また、印刷機の階調再現性をプロフィーリングする又は特徴付けするプロセスで利用される。したがって、実際の生産印刷においては、CPを作成するために用いられる着色剤セットのソリッド主要密度−P目標ポイントは、RPを作成するために用いられる着色剤セットの目標ポイントに対する調整値を表す(多くの場合、これらの調整値は一般的には増大値である)。次に、このような階調再現性特徴のあらゆる変動を、1次元印刷調整値を提供するさまざまな方法の内のどれか1つを利用することによって、別々に補償する。
【0132】
ステップ508で、CIEE変換セットアップは、所望次第でCIEE中のPDCCFを利用することによって作成される。この変換セットアップは、AFPDVを確認し、これで、生産ジョブに適用されると発生するPDCCFに応答して印刷される予定の画像内の色のドット値に対する変化をオペレータが閲覧し得るようにする。将来の開発によってCIEE機能性の必要性がステップ508及び/又は510で軽減又は解消されるとはいえ、今日の技術水準では、PDCCFをCIEEのための値システムに変換する必要があり、この場合、実験的な調整を実行して、測定誤差又は、たとえば、ラミネート膜が付着することによって影響を受ける測定値などの他のシステム制限値を補償する。PDCCFを用いてグラフィック画像ファイルの値を調整し、これで、CPを発生させるために用いられた着色剤で発生される予定の画像のアピアランスがRPを発生させるために用いられた着色剤で再現される画像のアピアランスと実質的に一致するようにする。PDCCFは、多くのCIEEで用いられるのに適したデータである。たとえば、1つの特定の実施形態では、オペレータにアンバランスを補正し、色を調整することを可能とするADOBEのPHOTOSHOPの5.0中の色範囲選択機能、曲線調整機能及び/又は選択色機能を用いて複数のパス動作を実行する。このような補正技法は、ハイエンドの画像編集スキャナ及び分離プログラムによって用いられて、画像中の9個の所定の色ファミリグループの各々のグループ中のプロセス色の量を増加及び/又は減少させる。たとえば、PDCCFの計算値が、選択された色ファミリ及び/又は選択された色サンプルに対して、それぞれシアン、マジェンタ、黄色及び/又は黒の制御コンポーネントのIPDVを増加又は減少させるべきであることを示している場合、オペレータは、そのように増加又は減少させる。たとえば、図6に示す制御セットポイント1103は、CMYKのIPDVがそれぞれ50、50、50及び0を含み、これが、PDCCFによってAFPDV中に転置される。本書に検討するように、次に、これらのAFPDVは、手引きとして用いられて、CPの所望の制御セットポイントと他の内挿された値とを印刷し、これで、それが、RP中のそれと同じアピアランスを有するようにする。ある特定の実施形態では、これらの値を用いて、印刷生産画像を作成する。これらは、CIEE次第で、相対的又は絶対的な増大もしくは減少という形で実行される。1つの実施形態では、このシステム値へ変換するという動作は、コンピュータモニター上でSADFの画像を閲覧して、CIEEプログラムを制御セッティングすることによってもたらされた色値の変更を監視することによって支援される。これらの値は、RPとCPとを作成した同じRM/CRSを用いて印刷ジョブに対して、校正刷り用着色剤と印刷用着色剤とを同じように組み合わせて将来用いる場合に使用するように保存しておく。
【0133】
PHOTOSHOPでは、選択的色補正は、任意の色を作成するために用いられている各プロセスカラーの量を示すテーブルに基づいている。オペレータは、他のどの所与の色ファミリに影響を与えることなく、任意の色ファミリ中のどれか1つのプロセスカラーの量を選択的に修正するように依頼されている他のプロセスに伴う処理の量を増大及び/又は減少させる。たとえば、選択的な色補正を用いて、画像の緑コンポーネント中のシアンを劇的に増加させ、同時に青コンポーネント中のシアンは不変のままにしておく。
【0134】
本発明は、ステップ508及び/又は510で、今日しかるべく機能している又は将来開発される、なんらかのCIEE又はCIEEを使用する必要性を軽減する等価の機能性を用いることを考察している。たとえば、本発明は、システム雑音の減少と、適切な変数の測定及び/又は計算と、より洗練された色画像編集機能性の開発とを通じて、このステップを自動化させることを考察している。たとえば、本発明の態様は、CIEE又はCIEEを用いる必要性を軽減する等価の機能性の機能によって、このような機能性に対する入力として与えられたPDCCGに応答して、自動的に計算することを考察している。CIEEを使用しているオペレータが画像のアピアランスを変更できるようにすることが主たる目的である従来のCIEEに対する代替物の1例には、本発明の教示を参照して用いられて、PDCCFを用いての色変換とあらゆる必要な二次PDCCFとを提供し、これで、グラフィック画像データが生産印刷ジョブで正しく印刷されるようにするソフトウエア、ファームウエア、ハードウエア又はこれらの組み合わせがある。
【0135】
追加としてのオプションステップとして、選択されたサンプルを用いて、誤差補正をするステップがある。たとえば、図6を参照して検討したCODSは、CIEEを用いて適用される補正で誤差を識別するために用いられる追加のPDCCFデータを提供する。このような利点は、中間色ファミリと、受け入れ可能なもしくは所望の公差又は閾値より大きい他の色ファミリとの間の重なり補正偏差を検出する際の手引きとなる。このような閾値は、あらかじめ定められるか又は動的に設定される。たとえば、CIEEを用いて、中間色ファミリと赤色ファミリなどの色ファミリとに対する適用可能なPDCCFを用いて上述したように増大させたり減少させたりする。この増大や減少によって生じた適用可能なCODSの変化はすべて、この適用可能なCODSに対して計算されたPDCCFと比較される。この計算されたPDCCFからの偏差が、所望の閾値より大きい場合、中間色ファミリに対する適用可能PDCCF、目的とする色ファミリ又はこれらの双方を調整し、この動作をステップ108で繰り返す。偏差がある交差以内に収まったら、調整して偏差を受け入れ可能なものとする。このような閾値の1例として、規制として指定されたIPDVの+/−3%がある。
【0136】
ステップ510では、ステップ508で与えられた、CIEE変換セットアップに基づいたCIEE変換を、適切なCIEE機能性を用いて適用する。このプロセスで得られた変更済み画像データは、別個のファイルに保存されるか又は、印刷生産工程に先だってCTPプレートメーキングでコンピュータグラフィック画像ファイルの値に動的に適用される。たとえば、リソグラフィオフセット印刷では、この変換は、以下に検討するように、印刷生産のCTPプレートメーキングのフェーズで適用されて、CMYK印刷プレートを提供する。ファイル中の各C、M、Y又はKのすべての値レベル(たとえば、90%、75%、50%、25%、10%、5%、及び100%と0.0%間の他のいずれかのパーセンテージドット値)は、内挿法を用いるこの変換によって所望の画素値になるように調整される。技術の許す限り、このステップの実行を変更して、CIEEの使用の必要性を軽減する等価の機能性に対応するようにしてもよい。言い換えれば、この1つ又は複数のステップは、PDCCFと二次PDCCFとを用いてグラフィック画像データを変換する機能性によって実行し、これで、変換されたグラフィック画像データが次に生産印刷ジョブで印刷されるようにしてもよい。実施例によっては、ステップ512は、ステップ506の後で、1つのステップ508の後で又は、PDCCFを用いてグラフィック画像ファイルを調整し、これで、CPを発生するために用いられた着色剤セットで発生させる予定の画像のアピアランスがRPを発生させるために用いられた着色剤セットで再現される画像のアピアランスと実質的に一致するようにさせる1つ以上の代替ステップ508及び/又は510の後で、すぐにリアルタイムで実行される。
【0137】
ステップ512で、ステップ510で作成された変換済みのグラフィック画像データは次に生産印刷ジョブで印刷されて、印刷機上で生産工程画像が作成されるが、そのアピアランスは、変換がなされなかった場合の画像の校正刷りのアピアランスにより緊密に近似するものである。1例として、CMYKの各々に対する網掛けの又は階調のパーセントドット値(たとえば、90%、75%、50%、25%、10%、5%、及び100%と0.0%間の他のいずれかのパーセンテージドット値)は、変換済みのグラフィック画像データを表している。このデータは、その目標密度値が、RPを表す生産画像の校正刷りの密度値のアピアランスにほぼ対応するアピアランスとなるプレス出力データに対する調整済みパーセントドット値を表す。言い換えれば、これら調整済みパーセントドット値で印刷された生産画像の密度値は、生産画像の校正刷りの元来意図された密度値により緊密に近似したものとなる。このプロセスは、従来のシステムより印刷を正確なものとし、また、実質的にサブストレートの影響とは無関係であり、互いに異なったいくつかの校正刷りデバイスを用いる。
【0138】
これらの調整は、たとえば、調整済みの値を、CTPプレート又はネガもしくはポジのフィルムを作成するために用いられる多くの公知のコンピュータ駆動式デバイスの内の1つに対して印加することによって実行される。たとえば、従来のシステムは、印刷デバイスから独立しているコンピュータと、印刷デバイスから独立しているCTPプレートメーキングデバイスとを現行では利用するが、本発明はまた、近代的なデータ処理機能とデータ転送機能とを区着込んだネットワーク化されたシステムを用いることを考察しており、このシステムでは、これらの調整済みの値は自動的に、現在周知の又は将来開発されるいずれかのCTPプレートメーキングデバイスに対して電子的に提供される。1例として、直接撮像方法を用いて、シリンダを、それがプレス出力デバイス上にある間に書き換える。したがって、CIEE機能性は、印刷デバイスに電子的に接続されている、この印刷デバイスから独立している及び/又はこの印刷デバイスから遠隔に置かれている1つ以上のエレメント中に常駐する。これらの調整値を、意図された密度値にほぼ対応している調整済みのドット値を印刷機上で印刷するために用いられるデータに対して適用する。たとえば、これらの調整値は、調整ファイル中に保存されるか、既存のデータファイルに適用されるか、生産印刷ジョブが実行されに連れてリアルタイムで適用されか、又はこれらの組み合わせが実行される。
【0139】
この画像データは記憶及び/又は用いられて、CTPプレートを作成するために用いられるコンピュータファイル中にデータを作成する。この明細書は便宜上CTPプレート又はCTP技術に言及しているが、本発明はまた、直接撮像(たとえば、直接的なコンピュータツーシリンダ式マスター撮像)、中間フィルムの使用及びその他などの生産ジョブを印刷するために用いられるCTPプレート以外の方法を用いることを考察している。この印刷プレートは次に、プレスシリンダ上に搭載されて、印刷機上で変換済みグラフィック画像を印刷するために用いられる。この生産フェーズでは、適用可能なCGDAFもまた、必要に応じて適用されて、生産印刷工程の着色剤セットの色域を拡大させる。
【0140】
図6に、本発明の教示にしたがって用いられるSADF600の例を示す。SADF600は、第1のRM/CRSで用いられる予定の第1の着色剤セットと比較されるときに第2のRM/CRSで用いられる予定の第2の着色剤セットをより正確に定義するために用いられる情報のプロフィールを提供するために用いられる。1つの実施形態では、このようなプロフィールは、印刷機及び/又は校正刷りデバイスの出力をより正確に定義するために用いられる。たとえば、印刷機で印刷されたSADF600の色密度測定データは、校正刷りデバイスによって出力されたSADF600から取られた色密度測定値と比較される。次に、この比較に応答して測定を実行し、これで、CPを作成するために使用された着色剤セット(又は後で誘導された着色剤セット)を用いると、RPを発生するために用いられた着色剤セットでの画像のアピアランスにより緊密に適合するこの使用された着色剤セットを用いる画像のアピアランスが提供されるようにする。1つの実施形態では、校正刷りデバイス中で用いられた着色剤により緊密に整合する印刷機出力中の着色剤を用い易くするために調整が行われる。
【0141】
一般的に、SADF600は、色管理プロセスの態様で、選択済みの値の印刷特徴を定量かするために用いられる。このSADFは、多くの電子データフォーマットの内の1つのフォーマットで提供され、また、校正刷りデバイス及び/又は印刷機を用いて印刷される。このような1つのフォーマットは、このSADFを表すCTPの4つのCMYKプレートを作成するために用いられるディジタルEPSコンピュータグラフィックファイルフォーマットである。SADF600には、複数の色管理領域又は色サンプルCS1000〜CS5257が含まれ、これらは各々が、ソリッド色密度の領域(たとえば、100パーセントドット又はソリッド領域)と、1つ以上の網掛けされたすなわち階調の領域(たとえば、5、10、25、50、75、90パーセントドット)とを含んでいる。これらのパーセントドット値の例を表II〜IVに示す。もちろん、必要に応じて、他のパーセントドット値を設定してもよく、その場合、予め定められたように又は動的に、そしてよい多くの又はより少ない領域が用いられる。ある特定の実施形態では、印刷された領域は、密度値が正確に測定されるように、その各々がさし渡しで少なくとも3mmある。これらの領域のこのような形状とサイズとは、用途によって変化し、また、そのサイズは、技術が改善されるに連れて減少する。1例として、その形状は、方形や円形などの規則的な形状又は不規則な形状をしている。
【0142】
ある特定の実施形態では、SADF600は、複数の階調再現性色サンプル(TRCS)と、複数の色補正色サンプル(CCCS)、システム雑音インジケータサンプル(SNIS)及び/又は補正重なり検出サンプル(CODS)とを含むが、これらは各々が色ファミリによって配置される。これらのサンプルの一部又はすべてが、図6に示すように、紙などのサブストレート上に、第1の側部601と第2の側部603との間で、カラム620、622、624、626、628、630、632、...、650中に配置される。これらのカラムは各々が、第1の軸とほぼ合わされ、横方向間隔606だけそれから離されている。第1の軸602は、図6に示すように、プレス出力経路に対してほぼ平行であり、他方、第2の軸604は、プレス出力経路に対してほぼ直交している。
【0143】
CCCS及び/又はSNISを、インク膜圧や階調再現性特徴を含む、適用可能なTRCSを発生する条件と類似の条件下で再現すれば利点がある。あるカラム中の1つの色ファミリのCCCS及び/又はSNISを、これらTRCSの横方向の近くに、所定の横方向間隔だけ離して近接して位置付けすることによって、これらのサンプルにとっては類似の印刷条件が得られる。この位置付けは利点があるが、それは、とりわけ、そうすることによって、サンプルタイプ同士間での条件の類似性を増すインク膜圧の変動が減少するからである。このような正確さと制御とによって、SADPを作成する際の精度が増し、したがって、CPとRPとの比較がより正確になり、このため、プレス出力のアピアランスと校正刷りのアピアランスとをより正確に整合させることが可能となる。これは、従来の方法とデータ又は試験フォームを用いた場合の3%という高い値となるTPDVとPDCCFの計算の際の誤差が減少するという利点を提供する。誤差はまた、印刷機の出力に対してほぼ平行な軸上のこのようなサンプルを編成して、平均化などの統計的な表示の元となる繰り返しサンプルセットを提供することによって減少する。ある特定の実施形態では、色サンプルの中心は、25mmを越える距離には及ばないようにすれば利点がある。同様に、上記の所定の横方向間隔は、SADF600中の色サンプルのサイズによって異なり、一部の実施形態では、たとえば、25mmである。横方向間隔600もまた、動的に決定される。1例として、TRCS制御セットポイントCS1000〜CS1057及びCS1200〜CS1257は、CCCS制御セットポイントCS11100〜CS1123に横方向に近接したものとして図示される。
【0144】
この実施形態では、赤、黄色、緑、シアン、青及び中間色(neutral)という従来の7つの色ファミリが用いられる。これらのファミリの各々に対するコーナーサンプルのパーセントドット値を、表VIIIに示す。コーナーサンプルは、そのディメンジョンが、C、M及びYにそれぞれ対応する3つの軸に対して定義されている立体として定義される標準の色モデルの、8個の頂点の内の6つの頂点、すなわち、赤、黄色、緑、シアン、青及びマジェンタ(その他の頂点は黒と白)として定義される。中間色ファミリは、黒と白の頂点の間で軸の周りに中心を持つ立体の内部の楕円形状のエリアを含み、また、表VIII中に示すように、Cチャネル、Mチャネル及びYチャネルからの等しい貢献によって達成される2つのコーナーサンプルを有している。この立体は、0%〜100%間にあるC、M及びYの各々のパーセントドット値から定義される。
Figure 2004536730
【0145】
RCSは制御セットポイントCS1000〜CS1028を含み、これは0%ドット制御セットポイント(すなわち、サブストレートにインクが付着していない)CS1000並びに、ソリッド(すなわち、100%ドット)C、M、Y及びKを表す制御セットポイントCS1001、CS1008、CS1015及びCS1022を含む。加えて、TRCもまた、各CMYKに対する5、10、25、50、75及び90パーセントドット制御セットポイントを含む。
Figure 2004536730
【0146】
この実施形態では、SADF600は、制御セットポイントCS1000〜CS1057を持つ複数のTRCSを含む。この実施形態では、制御セットポイントCS1000〜CS1028に対して検討された値は、制御セットポイントCS1029〜CS1057に対して繰り返される。制御セットポイントCS1000〜CS1057に対する値は、次に、制御セットポイントCS1200〜1257、CS1400〜CS1457、CS1600〜CS1657、CS1800〜CS1857、CS2000〜CS2057、...、CS5200〜CS5257に対する繰り返される。場合によっては、TRCSを複数のCCCSとCODとの近くに近接して置くと利点がある。次に、これらのTRCSを用いて、印刷されたプレス上に印刷されたCPなどのCPのインク膜圧のいかなる変動にも対処する。ある特定の実施形態では、サンプルCS1022〜CS1028は、用途次第で、含まれたり含まれなかったり又は用いられたり用いられなかったりする。
【0147】
CCCSは、多次元色サンプルのソリッドエリアと網掛けエリアとを含む。ある特定の実施形態では、SADF600は、色ファミリによって配置されたすべてのCCSの内の複数個を含む。この実施形態では、CCCSは、中間色ファミリ中の色サンプルCS1100〜CS1123と、赤ファミリのCS1300〜CS1319と、黄色ファミリのCS1507〜CS1524と、緑ファミリのCS1700〜CS1719と、シアンファミリのCS1907〜CS1924と、青ファミリのCS2100〜CS2119と、マジェンタファミリのCS2307〜CS2324とを含む。CCCSは、SADF600全体にわたって繰り返されるこれらのファミリのうちの1つ以上のファミリの追加の制御セットポイントを含む。たとえば、SADFはまた、上記の色ファミリの各々に対して繰り返され、また、マジェンタファミリに対する制御セットポイントCS5107〜CS5124を含む他のサンプル(明示的には図示せず)に加えて、中間色ファミリ中のCS2500〜CS2523とCS3900〜CS3923とを含む。
【0148】
CCCS、C、M、Y及びKの内の2つ以上の重ね刷りを含む。これらの値は、所望の通りに変化し、用途次第でその値の数は多くなったり少なくなったりする。1例として、中間色ファミリの場合、CCCSの制御セットポイントCS1100はそれぞれ5、5、5及び0というCMYK初期パーセントドット値(IPDV)を含み、制御セットポイントCS1101はそれぞれ10、10、10及び0というCMYKのIPDVを含み、制御セットポイントCS1102はそれぞれ25、25、25及び0というCMYKのIPDVを含み、制御セットポイントCS1103はそれぞれ50、50、50及び0というCMYKのIPDVを含む。赤ファミリの場合、CCCS制御セットポイントCS1300はそれぞれ0、100、100及び0というCMYKのIPDVを含み、制御セットポイントCS1301はそれぞれ0、90、90及び0というCMYKのIPDVを含み、制御セットポイント1307はそれぞれ90、100、100及び0というCMYKのIPDVを含み、制御セットポイントCS1313はそれぞれ0、100、100及び100というCMYKのIPDVを含む。残りの色ファミリは、所望次第でC、M、Y及び/又はKのさまざまな組み合わせを含む。本発明の教示にしたがって用いられるCCCSの1つの例示的なセットを表Xに示す。表Xに示す例の多くは、用途次第で用いられたり用いられなかったりする。これらのサンプルC、M、Y及びKを”X”として表す。
Figure 2004536730
【0149】
CCCSは、C、M、Y及びKの各々に対して8個の制御セットポイントを用いることによって可能となる4,096個のサンプル組み合わせから選ばれた色サンプルのセットを含む。ある特定の実施形態では、このサブセットは、続いて調整及び/又は計算を実行するために用いられる選択されたCIEEで用いられるように調整される。本発明は、5、10、25、50、75、90及び100以外のパーセントドット値の場合のように、所望に応じて制御セットポイントを制御及び/又は監視するために使用されるCIEEを用いることを考察している。
【0150】
ある特定の実施形態でもまた、CODは、多次元色サンプルのソリッドエリアと網掛けエリアとを含む。ある特定の実施形態では、SADF600は、RGB色ファミリによって配置されたすべてのCODの内の複数個を含む。この実施形態では、CODは、赤ファミリの制御セットポイントCS1320〜CS1323と、緑ファミリのCS1720〜CS1723と、青ファミリのCS2120〜CS2123とを含む。CODは、SADF600全体にわたって繰り返されるこれらのファミリの内の1つ以上のファミリに対する追加の制御セットポイントを含む。たとえば、SADFはまた、赤ファミリ中の制御セットポイントCS2720〜CS2723と、CS4120〜CS4123とを含むが、これらは明示的には図示しない。
【0151】
CODは、着色剤C、M、Y及びKの内の2つ以上の着色剤の重ね刷り値を有するサンプルとして記述されるが、これらの着色剤の上記のように定義された立体上のロケーションは、色ファミリのコーナーサンプルと中間色ファミリとのほぼ中間点であり、また、CODから収集されたデータが、とりわけ、使用されている色画像編集エンジンの特徴がなんらかの変則性を生じていないかを判定するために用いられる。たとえば、重ね補正の変則性は、本書に述べる方法で調整しながら検出されて、所望次第で補正される。
【0152】
SNISは、ある特定の実施形態では、C、M及びYのファミリ中の1次元色サンプルのソリッドエリアと網掛けエリアとを含む。SNISは、ある特定の実施形態では、インク膜圧及び/又は階調再現性の特徴の変動などのシステム雑音がPDCCFを計算するプロセスで存在するか判定するために用いられる。表Xに示すように、サンプルCS1500〜1506と、CS1900〜CS1906と、CS2300〜2306とは、ある特定の実施形態ではSNISである。こうする代わりに又はこれに加えて、これらのSNISは、相対的近傍TRCSに対する同じコンポーネントCMYK値を含む。相対的近傍値は、近傍のカラム中のサンプルのことである。すなわち、たとえば、カラム630中のSNISのCS1500〜CS1506は、それぞれカラム628と632中にあるTRCSのCS1415〜CS1421とCS1615〜CS1621と同じCMYKコンポーネント値を含む。IPDVの値は、SNISとその相対的近傍TRCSとでは同じであるのが理想的である。言い換えれば、SNISのPDCCFは、システム雑音が存在しないほぼ0.0に等しいのが望ましい。
【0153】
ある特定の実施形態では、SADFは、58個の制御セットポイントの22個のカラム中に配置された1,276のTRCSを含む。同様に、ある特定の実施形態では、SADFは、赤、緑及び青のファミリの各々に対する4つの色サンプル中に配置されている36個のCODSと、中間色ファミリに対する24個のCODS、赤緑及び青のファミリの各々に対する20個のCODS、並びにC、M及びYのファミリの各々に対する18個のCODSを含む414個のCCCSと、を含む。こうする代わりに又はこれに加えて、SADFは、C、M及びYのファミリの各々に対して7つの色サンプル中に配置される63個のSNISを含む。SADF中のこれらのサンプルはその各々が繰り返され、この場合、中間、C、M及びY及び/又は赤、緑及び青のファミリに対するカラムが、既述したように繰り返される。
【0154】
SADF600内のサンプルをこのように繰り返すと、同じ色ファミリに対して多くの測定値が取られるというという利点がある。次に、所望次第で、TPDVなどの、平均値などの統計的な表示を、色ファミリ内の選択された値に対して実行する。統計的な表示を用いることによって、測定値や計算値のシステム雑音及び/又は不正確さ及び/又はインク膜圧の変動などの原因による他の影響及び/又は階調再現性特徴が軽減されるという利点がある。
【0155】
ある好ましい実施形態では制御セットポイントCS1000〜CS1028は0、5、10、25、50、75、90及び100パーセントドットにセットされるが、必要に応じて代替の制御セットポイントパーセントドット値を設定してもよい。現行の8ビット画素の濃さのディジタル撮像では、100%ドット(すなわち、ソリッドエリア)から0%ドット(すなわち、サブストレート)までの合計で256のパーセントドットグラデーションが与えられる;したがって、8ビット画素濃さの撮像法を用いると、この256個という可能なグラデーション未満しか制御セットポイントとして使用しない場合でさえも、連続するパーセントドットグラデーション同士間を0.4%とすることが可能である。ある特定の実施形態では、内挿法を用いて、256のパーセントドットグラデーションの各々に適用される調整値を計算する。これらのサンプルは、目視及び計器測定で参照されるが、これによって、品質管理、統計プロセス管理及びISO9000認可を必要とする手順が採用しやすくなる。
SADFに基づいて測定された密度値は、さまざまなフォーマットで保存されるが、コンピュータ読み取り可能記憶媒体上にディジタル式又は他の表示法で1つ以上のSADP中に保存するのが望ましい。RPとCPに対するグループ分け用の多くのフォーマットが、図8を参照して以下に検討するように、制御コンポーネント及び/又は非制御コンポーネントとして選択される。RPとCPの各SADPはもまた、TPDV、PDCCF、あらゆる所望の二次PDCCF及び/又はCGDAFを含む、これらの密度値から計算された値及び/又は誘導された値を含んでいる。こうする代わりに又はこれに加えて、参照データセットと現行データセットの双方を1つのユニットに合成することが望ましい場合には、これらのデータセットを含む1つのSADPファイルが作成される。
【0156】
図7に、PDCCFとCGDAFとを計算する例を示す。一般に、この方法は:RPとCPの双方中の各TRCS値から密度平均値を計算するステップと;RPとCP双方中のCCCS、CODS及びSNISに対するTPDVを計算するステップと;適用可能なPDCCFを計算するステップとを含む。PDCCFは、CPを作成するために用いられた着色剤セットで発生された画像データを調整し、これで、生産印刷画像のアピアランスがRPを発生するために用いられた着色剤セットで再現された画像のアピアランスと実質的に一致するようにする際に用いられる調整値である。本方法はまた、適用可能なCGDAFを計算するステップを含むが、このCGDAFを用いて、100%ドット値より大きい値に対応する密度を計算して、RPの色域に適合するようにCPの色域を拡大する。
【0157】
ステップ702で、選択されたTRCSの密度値が、CPとRPの双方に対して利用される。ある特定の実施形態では、このステップは、SADFの色ファミリを、目的とする色ファミリ(CFOI)として選択するステップと、次に、この指定されたCFOIのCCCS、CODS又はSNISを目的とするサンプル(SOI)として選択するステップとを含む。ある特定の実施形態では、指定されたCFOIに隣接したTRCSデータを用いると利点がある。このような利点によって、不均一なインク膜圧及び/又は階調再現性特徴などの要因による密度測定の際の変動による影響が軽減されて、TPDV、PDCCF、所望の二次PDCCF及び/又はCGDAFがより正確に計算される。ステップ704〜708が、選択されたSOIとCFOIの各々に対するステップを実行することによってすべての色ファミリに対するすべてのCCCS、CODS及びSNISに対して実行される。
【0158】
ステップ704で、第1のSADPが基準プロフィール(RP)として指定され、第2のSADPが現行プロフィール(CP)として指定される。一般に、密度測定値をRPとCPとから獲得して、RPとCP中の各SOIに対するTPDVを計算する。内挿された密度値が次に、標準の線形技法と他の内挿法技法とを用いることによって、CPとRPとから獲得される。次に、各制御コンポーネントに対するPDCCFが、ステップ706でこれらのTPDVに応答して計算される。PDCCFを計算する1例を図8を参照して詳述するが、これは、ファイルチャネルに対するC、M、Y及び/又はKの制御コンポーネントを指定するステップが含まれる。一般に、制御コンポーネントが指定される場合、他のコンポーネントは非制御コンポーネントとなる。
【0159】
ステップ708で、選択されたCCCSに対するCGDAFが計算される。たとえば、PDCCFとその対応するIPDVとの和が100パーセントを超えると、AFPDVは100パーセントにセットされ、CGDAFが計算されて、100%ドット値より大きい値に対応する密度を計算することが可能となる。CGDAFは、RPのソリッド主要密度−P目標ポイントに適用(本発明の1実施形態では、加算)されて、生産工程中でCPのソリッド主要密度−P目標ポイントとして用いられ、そのため、プレスはこのようなより高い密度を用いて操作される。このようなより高い密度は、より高い濃度の顔料又は染料を包含する着色剤を用いて、着色剤をより高いインク膜圧で塗布することによって、又はこの2つの操作を組み合わせることによって達成される。中間色ファミリは、一般に、「エリア全体被覆」を制御するための「下色除去」という印刷業界の慣行の結果、CGDAFを用いても影響されない。一般に、CGDAFを計算することによって、光度測定又は色彩測定による補正によって域をマッピングしようとするICC色管理システムの場合に一般的に見受けられる障害が軽減又は解消されるという利点が提供される。そのうえ、本発明は、この方法は、より小さい色域を通常は有する印刷デバイスで用いられる予定の密度から、より大きい色域を通常有する校正刷りデバイスで用いられる予定の密度値までを計算するものと考察しているが、これは、印刷デバイスを用いて出力画像データを提供することに対する制限を軽減するソリューションである。CGDAFを計算する1例を次に示す。
CGDAF=目標制御ソリッド主要密度目標ポイント*PDCCF*(基準制御TPDV/現行制御TPDV)
Figure 2004536730
【0160】
ステップ710で、あらゆる所望の二次PDCCFは計算されて、あらゆる過剰保障により影響を適切に軽減又は解消する。たとえば、二次PDCCFは利点があるように使用されるが、それは、過小効率が最大である特定の色チャネルの適用可能な色ファミリに対する適切な補償が、チャネルに対するCPの目標ソリッド主要密度−P目標ポイントを適用することによって、過小効率が最小である他の2つの適用可能なファミリを過剰補償する場合である。マジェンタチャネルに対する適用可能な色ファミリはマジェンタ、赤及び青であり;黄色チャネルの場合は赤、黄色及び緑であり;シアンチャネルの場合はシアン、緑及び青である。二次PDCCFは負の値であり、これを用いて、通常は選択されたコーナーサンプルにある繰り返し100%IPDVを減少させ、これで、CGDAFを適用可能な色ファミリに適用することによる影響をバランスさせる。1例として、CGDAF、赤、青及びマジェンタのファミリに対するコーナーサンプルポイントでのマジェンタチャネルに対して計算された3つのCGDAFの内の最も高いCGDAFとして選択される。青ファミリがこれら適用可能なファミリの内で最小効率的なファミリであり、最も高いCGDAFの適用を必要とする場合、マジェンタチャネルに対して計算されたこのようなCGDAFは、青ファミリほどには過小効率的ではない赤ファミリを過剰補償する。次に、マジェンタチャネルに対して二次PDCCFが誘導され、より低いCGDAFを持つ赤とマジェンタのファミリの各々に対する100%IPDVに対してAFPDVを発生させる。91〜99パーセントドット値の値などの他の値は、内挿法を含む多くの方法を用いて誘導される。二次PDCCFは次のように表される:
二次PDCCF=(((シアン目標ソリッド主要目標ポイント(”Tcyan”)+緑ファミリ中のシアンのCGDAF(”CGDAFgreen”)−TRCSの90%制御セットポイントでのシアン密度(”90%値”))/(Tcyan+青ファミリ中のシアンのCGDAF−90%値))*)−10
Figure 2004536730
【0161】
”90%値”という用語は、所望されるどんな数のTRCS90%制御セットポイントでも平均化する方法や1つの値、たとえば、TRCS制御セットポイントCS1002を用いる方法を含むさまざまな多くの方法を用いて誘導される。シアンチャネルで測定されたアルト緑のファミリを用いる別の例を説明すると、CGDAFは、青ファミリのコーナーサンプルポイントで誘導され、記録されている値の内で最高の値として選択されたPDCCFに応答して誘導される。このようなシナリオでは、誘導されたCGDAFが緑と青のファミリに対してそれぞれ0.075と0.110である場合、シアンチャネル中の緑コーナーサンプルは、計算された二次PDCCFだけ減少する。したがって、上記の値の例を用いて、二次PDCCFは次のように表される:
Figure 2004536730
【0162】
図8は、PDCFFを計算する方法の例を示す。一般に、本方法は、RPとCPとの双方に対する各色サンプルのTPDVを計算するステップと、次に、密度調整値を計算して、これらの密度調整値ステップに対応してTPDVに対する調整済み密度値を計算するステップとを含む。次に、本方法は、調整済み密度値に応答して、PDCCFを計算するもととなる調整済みパーセントドット値を計算する。このような計算によって、さまざまな印刷デバイス、校正刷りデバイス及び/又はプレス出力デバイスの場合、複数の着色剤を用いてさまざまな加算性不良特徴を持つRM/CRS同士間の差が補償されるという利点が提供される。
【0163】
本方法はステップ802で始まり、ここで、SOIが選択される。ステップ804で、SOIに対する高コンポーネント、中間コンポーネント及び低コンポーネントのTPDVが計算される。TPDVは、SOIから得られた実際の測定密度から誘導されたドット値として記述される。ある特定の実施形態では、本方法は、反復法と、線形技法や他の内挿法技法などの技法とを用いて、測定されたC、M及びYの密度に対応するドット値に到達する。
【0164】
次に、RPとCPとの双方のCCCS、CODS及びSNISのTPDVを、適用可能なTRCSデータを用いて計算する。たとえば、密度測定値を、RPとCPから得て、プロフィール中のこれらCCCS、CODS及びSNISの各々に対するTPDVを計算する。ある特定の実施形態では、複数のサンプルの、平均値などの、統計的な表示が計算される。たとえば、3つのTPDV又はPDCCFの平均や他の統計的な表示が、特定の色ファミリの周りで実行される。1例として、CCCSの制御ポイントCS1100〜CS1123の中間色ファミリの場合、TPDVは、TRCS制御ポイントCS1000〜CS1057とCS1200〜CS1257との平均密度値から計算される。説明すると、CCCS制御ポイントCS1100〜CS1123の中間色ファミリに対して適用可能なTRCSソリッドシアン制御セットポイント主要密度値の平均密度値は、TRCS制御セットポイントCS1001、CS1201、CS1030及びCS1230に対して測定される。このプロセスはまた拡大されて、CCCS制御ポイントCS2500〜CS2523とCS3900〜CS3923との中間色ファミリに対して計算されるTPDV値とPDDCF値とを含む。本発明は、所望次第で多くの構成中でこのような統計的な表示方法を用いることを考察しており、また、SADFの測定値と計算値が取られるに連れて、システム雑音の影響を軽減する目的で用いられる。
【0165】
たとえば、SOIのC、M、Y及びKコンポーネントの各々に対するサブストレートの平均密度などの統計的な表示値をサンプルの各コンポーネントの測定密度から減算して、C、M及びYの”−P”密度値に到達する。最高の密度を持つコンポーネントは高コンポーネントとして選ばれる。たとえば、サンプルCS1310の場合、最高密度はマジェンタであり、次に高い密度は黄色であり、最低密度はシアンである。高コンポーネントの開始パーセントドット値(SPDV)は、高コンポーネントの密度をその着色剤の階調再現性密度と比較することによって内挿される。次に高い密度を持つコンポーネントが、中間コンポーネントとして選ばれ、その密度値は、高コンポーネントの着色剤の階調再現性密度から内挿される。中間コンポーネントのSPDVは、次に、中間コンポーネントの計算密度と中間コンポーネントのオリジナルの密度との間の差を用いて内挿される。低コンポーネントのSPDVは、高コンポーネントと中間コンポーネントのパーセントドット値から密度を計算し、この値を、低コンポーネントのオリジナル密度から減算することによって内挿される。このプロセスの結果、高コンポーネント、中間コンポーネント及び低コンポーネントの各々に対するSPDVが得られる。
【0166】
TPDVが次に、所望の公差に収まるまで反復する方法を含むさまざまな方法を用いて計算される。たとえば、1つの実施形態では、3つの計算されたパーセントドット値のすべてに対して、密度を3つのコンポーネントすべてに対して計算する。これらの密度は、次に、合計されて、この3つのコンポーネントの各々の合計密度となる。各コンポーネントに対して、調整係数を次に計算する。この調整係数は次のように表される:
調整係数=実際の−P密度/合計密度
Figure 2004536730
【0167】
ある特定の実施形態では、第1の計算をTPDV=SPDV調整係数と表す。TPDVのその後の新しい値を、調整係数が所望の公差内におさまるまで繰り返し計算する。たとえば、本方法は、3つの調整係数がすべて、四捨五入して1.0に等しくなると終了する。
【0168】
ステップ806〜812では、3つのTPDVを次に用いてPDCCFを計算し、RPのTRCSを用いて、RPとCPとの双方に対するパーセントドット値と密度値とを内挿する。ステップ806では、ステップ808と810を実行する対象となる制御コンポーネントを選択する。この制御コンポーネントは、この態様のアルゴリズムでは、どのドット値に対して正規化値(たとえば、C、M又はY)を計算するかを決定するために用いられる。ある特定の実施形態では、中間色ファミリ中のCCCSに対して、C、M及びYだけを本方法における制御コンポーネントとして用いているが、Kを制御として用いて計算する必要はなにもない。他方、C、M、Y及びKはすべて、他のファミリ中のCCCSに対する本方法における制御コンポーネントとして用いられるが、この場合、Kチャネルはさまざまなドット値を示す。
【0169】
ステップ808で、密度調整を、RPとCPとに対する非制御コンポーネントドット値に対応する選択された密度値を用いて実行する。制御コンポーネントの密度は次に、密度調整によって調整し、制御コンポーネントの調整済みドット値を、制御コンポーネントの調整済み密度に対して計算する。
【0170】
第1に、本方法は、RPのSOIの非制御コンポーネントのTPDVを基準として用いてCPのSOIの非制御コンポーネントに対するTPDVを正規化する。正規化によって、調整プロセスからのファイルチャネルの相互依存性が補償されるという利点が提供される。一般に、たとえば、Cチャネルを調整すると、かならず、M、Y及び/又はKチャネルが影響される。正規化は、これらの影響を補償し、また、選択されたファイルコンポーネント(たとえば、C、M、Y及び/又はK)を調整プロセスで隔離する。
【0171】
制御コンポーネントのCPのTPDVを次に、前記の正規化に応答して調整して、CPの調整済み制御理論的パーセントドット値(ACTPDV)を生成する。例は図示されている。次の例では、制御コンポーネントとしてシアンを用いており、したがって、マジェンタと黄色は非制御コンポーネントである:
密度調整値=(基準マジェンタドット値のシアン密度−
現行マジェンタドット値のシアン密度)+
(基準黄色ドット値のシアン密度−
現行黄色ドット値のシアン密度)
Figure 2004536730
調整済みシアン密度=現行シアンドット値のシアン密度+密度調整値
Figure 2004536730
調整済みシアンドット値=調整済みシアン密度のシアンドット値
Figure 2004536730
【0172】
ステップ810で、PDCCFが、制御コンポーネントのCPのACTPDVとRPのTPDVとに応答して計算される。
PDCCF=基準シアンドット値−
調整済みシアンドット値
Figure 2004536730
【0173】
ステップ812から本方法はステップ802に戻って、すべてのSOIのすべての制御コンポーネントに対して本方法が実行されていない場合には、多簿制御コンポーネントに対してステップ804と810とを実行する。TPDV又は他の値がすでに計算されている場合、これらや他の値を再計算する必要はない。
【0174】
TPDVからPDCCFを計算する際にこの先行する方式を修正すると、場合によっては利点がある。たとえば、制御コンポーネントが黒である場合、黄色、シアン及びマジェンタという色ファミリに対しては、複数の色の計算値に応答してPDCCFを得る。加えて、Kにファイルチャネルに対する制御コンポーネントが指定されている場合、制御コンポーネントは、CFOIの選択次第で、C、M及びYの内の1つ以上の組み合わせになる。この態様のアルゴリズムを用いて、制御コンポーネントではなく色ファミリを用いて、どのドット値に対して調整値が計算されているか(たとえば、C、M又はY)が判定される。また、シアンファミリ中の制御コンポーネントとしてKを用いる例を解説する:
密度調整値=(基準シアンドット値のマジェンタ密度−
現行シアンドット値のマジェンタ密度)
Figure 2004536730
調整済みマジェンタ密度=現行マジェンタドット値のマジェンタ密度+
密度調整値
Figure 2004536730
調整済みマジェンタドット値=調整済みマジェンタ密度のマジェンタドット値
Figure 2004536730
密度調整値=(基準シアンドット値の黄色密度−
現行シアンドット値の黄色密度)
Figure 2004536730
調整済み黄色密度=現行黄色ドット値の黄色密度+
密度調整値
Figure 2004536730
調整済み黄色ドット値=正規化済み黄色密度の黄色ドット値
Figure 2004536730
PDCCF=(基準マジェンタドット値+基準黄色ドット値)/2
(調整済みマジェンタドット値+調整済み黄色ドット値)/2
Figure 2004536730
【0175】
2つの例は図示されている。たとえば、表XIに、中間色ファミリに対して計算された値を示すが、ここで、第1のカラムはRPに対して計算された値を含み、第2のカラムがCPに対して計算された値を含んでいる。ローFの最後の記入項目は、2つのシステム混合特徴の比較を示している。表XI中で用いられているCCCSのCS1103は、それぞれ50、50、50及び0というCMYKのIPDVを含んでおり、これらを用いて密度を誘導し、これを実際の測定密度と比較して、とりわけ、CPとRPとを作成するために用いられたシステム中で明白な加算性不良を決定する。この例では、CCCSのCS1103の測定密度は、それぞれ50、50及び50という対応するドット値に対する1次元CMYK密度値に対する密度より小さい。表XIに示すように、互いに近接するTRCSサンプルCS1000〜CS1021とCS1200〜CS1221はまた、ローA中に1次元の値を提供するために用いられる。Kチャネルの値は計算しないで、C、M及びYチャネルに対して計算される。これらの場合、C、M及びYチャネルに対する計算が実行されるとそれに応答して、Kチャネルに対する調整が実行される。
【0176】
表XIを参照すると、ロー(row)Bに示す理論的な完全効率密度は、ローAに示す密度を加算した合計である。この例では、ローCに示す実際の密度は、ローBに示す効率密度未満であるので、RPは過小効率を示している。ローD中のTPDVの計算値は、完全システム効率を与えられたローC中の密度を発生するためには、理論上、どのドット値を必要とすべきであったかを表している。ローEは、ローAとローDに示すドット値同士間の差を示す。ローFは、2つのプロフィールに対するローD中に示すパーセントドット値同士間の差を示す。この例では、これらの値は、正規化前の未精製のPDCCFである。これらの値は、画像データグラフィックファイルのC、M及びYの各チャネルに対する色の中間色ファミリのCCCSにとって必要とされる絶対補正を表しており、これで、CPを発生させるために用いられた着色剤セットで生産印刷ジョブ中に発生される予定の画像のアピアランスが、RPを発生させるために用いられた着色剤セットで再現される画像のアピアランスと実質的に一致するようにする。
Figure 2004536730
【0177】
ローBに示す理論的完全効率密度は、ローAに示す密度を加算して得られる合計である。この例では、CチャネルとMチャネルに対するローCに示すような実際の密度はローBに示す効率密度より大きいので、RPは過剰効率を示す。ローD中のTPDVの計算値は、どのドット値が理論上、完全なシステム効率を与えられた、すなわち、加算性不良がないローC中の密度を発生するために必要とされるべきであったかを表している。ローEは、ローAとローDに示すドット値同士間の差を示している。ローFは、2つのプロフィールのローDに示すパーセントドット値同士間の差を示している。この例では、これらの値は、上述したように、正規化前のPDCCFである。これらの値は、画像データグラフィックファイルのC、M及びYの各チャネルに対する赤色のファミリに対するCCCSにとって必要とされる絶対補正値を表し、これで、CPを発生するために用いられた着色剤セットで生産印刷ジョブで発生される予定の画像のアピアランスが、RPを発生させるために着色剤セットで再現された画像のアピアランスと一致するようにする。ローGは、計算されて、その後で、生産工程でCPのソリッド主要密度−P目標ポイントとして用いられる予定のRPのソリッド主要密度−P目標ポイントに適用されるCGDAFを示している。
Figure 2004536730
【0178】
表XIIに、赤ファミリに付いて計算される値を示すが、ここで、第1のカラムがRPの計算値を含み、第2のカラムがCPの計算値を含む。ローFとローGの最後の記入項目は、2つのシステム混合特徴の2つの比較を示している。表VIで用いられているCCCS1300は、それぞれ0、100、100及び0というCMYKのIPDVを含み、これらは、とりわけ、CPとRPとを作成するために用いられたシステム中で明白な加算性不良を判定するために実際の測定済み密度と比較される密度を誘導するために用いられる。表XIIに示すように、隣接しているTRCSサンプルCS1200〜CS1221とCS1400〜CS1421はまた、ローA中に1次元値を提供するために用いられる。
【0179】
表XIIを参照して解説すると、ローFは、マジェンタチャネルの非正規化PDCCF値を+13.64パーセント、すなわち、0.1364と示している。マジェンタを制御コンポーネントと想定すると、このPDCCF値を、マジェンタチャネルの例示目標マジェンタソリッド主要密度目標ポイントである1.60で乗算する。基準マジェンタTPDVは、どのドット値を、理論上、完全なシステム効率を与えられた、すなわち、加算性不良がないローC中の密度を発生するために必要とすべきであったかを示す。ローGに示すように、CGDAFは、さまざまな式を用いて表されるが、CGDAFを表す1つの方法は次の通りである:
CGDAF=(目標マジェンタソリッド主要密度目標ポイントPDCCF)(基準マジェンタTPDV/現行マジェンタTPDV)
Figure 2004536730
CGDAF=1.600.1364(103.56/89.92)=+0.252
【0180】
図9に、3つの色チャネルと3つの重ね刷りとに対する例示のペリメータのポイントを用いて、加算性不良と色域との間の関係の例を図形で示す図である。CGDAFを使用することによって、より小さい域を拡大して生成された画像を用いることは、より大きい域を持つように生成された画像のアピアランスを整合しやすくする目的に大きく寄与するものである。互いに異なった加算性不良率を持つ2つのシステム同士間の概念的関係を説明すると解説となるであろう。色域がシアン、マジェンタ及び黄色の値で整合している場合でさえも、重ね刷り不整合の差は、2つのシステム同士間の加算性不良を現している。ここで、図9を参照すると、互いに異なった加算性不良率を持つ2つのシステムの比較を例示的に示す2次元表示900が示されている。表示900は、これに限られないが、写真製版校正刷りや印刷機RM/CRSで用いられるSWOP印刷基準によって生成された値と類似の仮想の値を例として用いてこの概念を示している。
【0181】
シェイディングされた外部エリア916は、白色又はシェイディングされていないエリア915によって支援される可視色空間を超えたところにある色空間の部分を画定するものである。ペリメータ918Aは、システム加算性不良が特徴付けられるとそれに応答して決定された高効率システム混合特徴を持つ着色剤セットのRM/CRSのペアから成るより大きい域を持つシステムの密度値を示す。したがって、ペリメータ918Aに対応するシステムは、ペリメータ918に対応するシステムより大きい域を有する。1例として、多くの場合、ペリメータ918と918Aとの相対的形状は、それぞれプレス出力デバイスと校正刷りデバイスの出力によって表される。
【0182】
より具体的には、ペリメータ918Aは、青ソリッド密度色ペリメータポイント902A、赤ソリッド密度色ペリメータポイント904A及び緑ソリッド密度色ペリメータポイント906Aを含んでいる。同様に、ペリメータ918は、青ソリッド密度色ペリメータポイント902、赤ソリッド密度色ペリメータポイント904及び緑ソリッド密度色ペリメータポイント906を含んでいる。青色ペリメータポイント902Aと902とは、思案とマジェンタの重ね刷りであり、赤色ペリメータポイント904Aと904はマジェンタと黄色の重ね刷りであり、緑色ペリメータポイント906Aと906はシアンと黄色の重ね刷りである。ペリメータポイント908、910及び912は、CX白色剤セットRM/CRSペアの双方に対するシアン、マジェンタ及び黄色の色サンプルの共通の値を示す。それぞれ2つのシステムの各々に対するシアン、黄色及びマジェンタのすべての組み合わせのハーフトーン又は階調密度は、それぞれペリメータ918と918A内に収まる。
【0183】
ICC色管理システムは、光度測定法又は色彩測定法による補正によって、ペリメータ918の外部にあるポイントを、ペリメータ918内の最も近いポイントにマッピングしようとするものである。不運にも、このタイプの域マッピングの結果、一般的には、印刷業界では受け入れないような損傷が生じる。そのうえ、このようなシステムは通常は、通常大きい色域を有する構成デバイスで用いられる予定の色を、通常は小さい色域を有する印刷デバイスで用いられる予定の色にマッピングしようとするものである。一般的に、より大きい域を持つシステム用の着色剤を混合して、小さい域を持つシステムで再現可能などのような色でも再現することが可能である。本発明の態様は、校正刷りの域をシミュレートする同じ彩度すなわち色強度を結果としてもたらすプレス上で密度値のしなければならない計算を実行することを可能とすることによって、このような損傷を軽減又は解消するCGDAFを提供する。
【0184】
図10は、システム混合補償システム1000のブロック図である。システム1000は、通信リンク1015を含む、多くのエレメントにカップリングされるコンピュータ1020を含む。たとえば、コンピュータ1020は、通信リンク1015を通じて、コンピュータネットワーク、電話回線、アンテナ、ゲートウエイ又は他の何らかのタイプの通信リンクにカップリングされている。コンピュータ1020はまた、入力デバイス1010、校正刷りデバイス1040及び/又はプレス出力デバイス1050にカップリングされている。プレス出力デバイス1050は、オフセットリソグラフィ、レタープレス、フレキソ印刷、グラビア及び網掛け印刷などのプレスを用いて印刷された製品を提供することが可能なオフセットリソグラフィ生産印刷機などのなんらかの印刷デバイスである。このような実施形態では、データは、校正刷りデバイス1040及び/又はプレス出力デバイス1050に対して転送される及び/又はこれらから受信されて、印刷生産ジョブのために、自動化されたデータ転送を実行する。
【0185】
たとえば、従来のシステムは、印刷デバイスとこの印刷デバイスから独立しているCTPプレートメーキングデバイスとから現在独立しているコンピュータを利用するが、本発明はまた、近代的なデータ処理とデータ転送の機能を組み込んだネットワーク化されたシステムを用いることを考察しているが、この場合、これらの調整済みの値は、現在周知の又は将来開発されるなんらかのCTPプレートメーキングデバイスに対して自動的にそして電子的に提供される。1例として、直接撮像方法を用いて、シリンダを、それがプレス出力デバイス上にある間に書き換える。加えて、密度計などの入力デバイス1010もまた、このシステムに対するインタフェースを有している。
【0186】
コンピュータ1020は、汎用又は特定目的コンピュータであり、プロセッサ1022と、ランダムアクセスメモリ(RAM)及びリードオンリーメモリ(ROM)を含むメモリ1024とを含んでいる。コンピュータ1020は、メモリ1024及び/又は入/出力デバイス1012中に記憶される1つ以上のシステム混合補償アプリケーション1026を実行するために用いられる。結果は、ディスプレイ1016を用いて表示される及び/又はなんらかの適切な記憶媒体である入/出力デバイス1012中に記憶される。こうする代わりに又はこれに加えて、コンピュータ1020又は別個のデバイス中に含まれる特殊目的ディジタル回路を用いてデータ処理を実行する。このような専用のディジタル回路は、たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC)、ステートマシン、ファジーロジック及び他の従来型回路を含む。コンピュータ1020は、公知のMS−DOS、PC−DOS、OS2、UNIX(登録商標)、MAC−OS及びWindows(登録商標)のオペレーティングシステム又は、従来型とは異なるオペレーティングシステムを含む他のオペレーティングシステムのいずれかを実行するように適用される。
【0187】
入力デバイス1010は、分光測光器、密度計、スキャナ又は、密度値を提供するように動作可能な他のいずれかのデバイスなどの色密度測定デバイスである。代替例では、色密度の測定は、たとえば、スキャナ、分光測光器又は密度計で値を提供し、キーボード1014又は他の手段を用いて測定結果を入力することによって、手動で実行することが可能である。
【0188】
ファイルを読み取ったり通信したりするさらなる入/出力デバイスを含むことが可能である。本発明を実行するためのハードウエア又はソフトウエアのプラットフォームは、それが本書に記載するプロセスを実行することが可能である限り、特殊なタイプである必要はない。代替例では、コンピュータ1020の代わりに、プログラムを実行する及び/又はデータファイルを記憶するコンピュータ又はサーバなどの、インターネットを介してアクセス可能なシステムを含む、コンピュータのネットワーク上で又はこれと連動して実行されるように本発明をプログラムすることが可能である。たとえば、調整値は、フロッピディスク、通信リンク1015又はこれらの組み合わせを用いて電子的形態でコンピュータ1020に提供される。次に、生産印刷ジョブが、プレス出力デバイス1050を用いて実行される。
【0189】
図5と図7〜8の方法は、コンピュータ上で実行される。これらの方法は、さまざまな論理的な又は機能的な構成を用いて実行され、また、複数のもしくは1つのステップで実行される。これらの方法はまた、実施形態次第でさまざまなステップを省略する。加えて、これらの方法は各々が、追加のエラーをチェックする及び/又は処理するステップを含む。これらの方法は、オブジェクト指向のFORTRAN、C、JAVA(R)及び他の言語を含むなんらかの言語を利用し、また、ある特定の実施形態では、Clipperなどの高水準言語で書かれる。これらの方法は、機械読み取り可能形態でCD−ROM、磁気ディスク又は他の媒体に記憶され、インターネットを介してアクセス可能である、すなわち、ダウンロードして図10に示すようなコンピュータに入力することが可能である。
【0190】
色密度測定値を用いて、印刷調整データフォーム(「PADF」)の校正刷りに対して印刷機を調整することが可能となる。本発明は、オフセットリソグラフィ、手紙プレス、グラビヤ、フレキソ印刷、スクリーン印刷などのプロセスにおいてプレスを用いて、また、乾燥若しくは無水性リソグラフィ、単一流体水性インク及びプレートレスディジタルオフセットなど開発中の様々なリソグラフィプロセスによって、また、電子写真印刷プロセスや、熱式やインクジェット式の印刷プロセスで印刷物を提供することが可能な図25に示すような様々な印刷デバイス又はプレス出力デバイスを用いることを考察している本発明の様々な態様を、これらのプレス出力デバイスの一部又はすべてと一緒に用いる。
【0191】
どの測定サンプルでもその色密度は、通常、4つの測定チャネルC、M、Y及びVを用いて提供される。
【0192】
C、M、Y及びVは、次のものを表す:
C=シアンインク色で引き立た(コンプリメント)される色スペクトルの赤波長領域を吸収するRM/CRSの容量の記述;
M=マジェンタインク色で引き立たされる色スペクトルの緑波長領域を吸収するRM/CRSの容量の記述;
Y=黄色インク色で引き立たされる色スペクトルの青波長領域を吸収するRM/CRSの容量の記述;
V=黒インク色を記述するために主として用いられる無色(たとえば、灰色)の値に変換されたCMY色密度値の記述。
【0193】
ソリッド密度とは、分光測光器、デンシトメータ、スキャナ又は他の色密度測定デバイスを用いて画像のソリッドエリア又は非網掛けエリアから取られたあるセットを成すCMYV密度測定値のことである。C、M及びYの内で、主要密度とは、C、M及びYの内で最も高い色サンプルの密度測定値のことであり、「純粋な」色CM及びYを含む。Vチャネルの場合、主要密度とは、Vチャネルから単独で取られた密度測定値のことである。
【0194】
略語C、M、Y及びKは、インク、プレート、膜及びファイルチャネルなどのもののための印刷で用いられる4つの従来のプロセス色を識別するために用いられる。これらの4色は、それぞれシアン、マジェンタ、黄色及び黒であり、C、M、Y及びKに対する測定値は、上述したようにC、MY及びVの測定値から取られる。「インク」という用語を本明細書中で用いるが、本発明は、これに限られないがトナーや染料などの印刷プロセスでの顔料を送る他の方法を考察する。
【0195】
ここで図11を参照すると、本教示による印刷調整方法のフローチャートの例が図示されている。本方法は、一般に、プレスプロフィールデータから測定されたソリッド密度を校正刷りデバイスプロフィールデータから測定されたソリッド密度と一致させ、次に、計算を実行して、印刷物制作業務で用いられる予定の調整値を提供する。この計算には、校正刷りデバイスによって生成された階調密度(tonal densities)と次いで比較されるプレスプロフィールデータのための階調密度又は網掛け密度の計算が含まれる。この比較によって、4色のC、M、Y及びKの各々に対して用いられる1次元変換データを正確に計算して、ソリッド密度の測定値に応じて階調を調整するのが容易となる。これらソリッド密度の調整は、たとえば、インク膜圧を調整することによって実行される。本方法はまた、様々な調整を、印刷準備手順、プレスチェック手順、さらに制作作業中で所望に応じて実行するようにする。これらの調整によって、制作印刷業務を、維持されるべき最初の意図した密度値を用いて制作される際の外観と忠実度に対してより品質の高い制御を実行することを可能とする客観的なデータが提供される。
【0196】
実例として、本教示の特定の実施形態を検討する際に参照される9のタイプのソリッド密度を説明する。これら目標ポイントはすべてが、技術の変化、修正又は改善に対応するために調整される。
【0197】
XIIIによる、グラフィックコミュニケーションアソシエーション、コピーライト2000、GRACoL 4.0 2000によって出版された市販オフセットリソグラフィ残業の一般的慣行を目標としたソリッド主要密度目標ポイント。
Figure 2004536730
【0198】
次の密度は、「−Paper」又は「−P」と表現されるが、これは紙/基板の光学密度値から色サンプルの密度値を減算した値のことである。
【0199】
次の密度は、「−Paper」又は「−P」と表現されるが、これは紙/基板の光学密度値から色サンプルの密度値を減算した値のことである。
1.校正刷りデバイスプロフィールのソリッド主要密度−Pとは、上記の「グレード3と5コーティング済み」目標ポイントに近い現時点で入手可能な一般的に容認されている校正刷りシステムのソリッド主要密度のこと、すなわち、C=1.30、M=1.40、Y=1.00及びK=1.60。選択された値は、以下に定めるように「校正刷りグループ#2」として校正刷りにおけるデータから測定されて、以下に定めるように校正刷りデバイスプロフィールに含まれる。
2.PADF低レベルソリッド主要密度−P目標ポイントとは、目標とされた密度の第1のセットのことであるが、これは、制作業務にとっては「理想より低い」と考えられる。ある特定の実施形態では、PADF低レベルソリッド主要密度−P目標ポイントは、C、M、Y及びKのそれが、それぞれ1.0、1.1、0.65及び1.35となっている。
3.PADF中間レベルソリッド主要密度−P目標ポイントとは、制作業務にとって「理想的」と考えられる目標密度の第2のセットのことである。ある特定の実施形態では、PADF中間レベルソリッド主要密度−P目標ポイントはC、M、Y及びKの値がそれぞれ、1.25、1.35、0.90及び1.60である。
4.PADF高レベルソリッド主要密度−P目標ポイントとは、制作業務にとって「理想的以上」と考えられる目標密度の第3のセットのことである。ある特定の実施形態では、PADF高レベルソリッド主要密度−P目標ポイントはC、M、Y及びKの値がそれぞれ、1.50、1.60、1.15及び1.85である。
5.プレスプロフィールのソリッド主要密度−P目標ポイントとは、目標とされた密度の別のセットのことである。ある特定の実施形態では、これらの密度は、次に示す基板、すなわち、グレード1と2のプレミア光沢/無光沢コーティング済み、グレード1と2のプレミア半光沢コーティング済み、グレード3と5コーティング済み、及びSupercalSCAの利用に基づいた業界の現行の慣行のほぼ平均値を反映するものであり、C=1.25、M=1.35、Y=.90及びK=1.60という値となる。他の基板に対応するより低いソリッド密度目標ポイントに対処するために、他のより低いソリッド密度目標ポイントを採用してもよいが、その場合、これは、本教示にしたがって用いられることになる。しかしながら、現時点では、校正刷りシステムは、一般的には、これらの低い密度目標値に対処するように利用可能ではない。
6.プレスプロフィールの実際のソリッド主要密度−Pとは、ソリッドエリア又は網掛けエリア(すなわち、100%制御セットポイント)の選択された密度測定値のことである。ある特定の実施形態では、これらの値は、他の測定値の平均値又は他の統計的な表示であり、C=1.25+−.07;M=1.35+−.07;Y=.90+−.07;K=1.60+−.07となる。PADFに対して可変のソリッド密度を提供することの恩典には、目標とされた密度に近接した実際の密度を記録することが可能であることが含まれる。これらの値は、印刷シート上のデータから、以下に定めるように「プレスグループ#2データ」として測定され、また、以下に定めるようにプレスプロフィール中に含まれる。
7.プレスプロフィールの調整済みソリッド主要密度−Pとは、プレスプロフィールの実際の階調又は網掛けの主要密度を調整するために用いられるソリッド密度の値のことである。この明細書では、使用される値としては、C=1.25+−.15;M=1.35+−.15;Y=.90+−.15;K=1.60+−.15である。これらの値は、プレスプロフィールの実際のソリッド主要密度−Pを校正刷りデバイスプロフィールのソリッド主要密度−Pと一致させる調整を表している。ある特定の実施形態では、階調の調整は、ソリッド密度調整の範囲にプレスプロフィールから得られたプレスグループ#1から決定された直線回帰方程式(linear regresion equation)の勾配を乗算することによってなされる。
8.準備ソリッド主要密度−P目標ポイントとは、項目1に引用されている目標ポイントに近い現時点で入手可能な一般的に容認されている校正刷りシステムのソリッド主要密度から採用された値のことである。選択された値は、以下に定める改善されたプレス準備手順におけるデータから測定され、インク壺ゾーン制御機器を調整すべきであるか、また、どの程度まですべきであるかについての指針となる。これらの目標ポイントはまた、制作作業又はプレス中に値を監視するために用いられる。たとえば、準備手順中に、これらの目標ポイントを用いて、ソリッド主要密度を校正刷りデバイスプロフィールに対して調整する。次に、プレスチェック中と、制作作業の様々な時点において、測定値をとってこれらの目標ポイントと比較して、変動がないかチェックして、判定を支援するように客観的な値を提供する。
【0200】
網掛けエリアに関連して言えば、従来の業界の指針は不運にも、見かけのドットサイズ又はドットゲインだけのことであったが、これらは、なんらかの階調密度のことではなく、ソリッド測定値に対する値である。本発明は、前述のソリッド密度値に加えて、プレスプロフィールの調整済み階調主要密度−Pを提供する目的で使用されるプレスプロフィールの実際の階調主要密度−Pを測定して利用するという利点を提供する。これらの値のために、印刷シートのための密度のすべてをより正確に校正刷りに合わせやすくなる。
【0201】
本方法は、ステップ1102から始まるが、このステップで、最初に意図した色密度値を表す校正刷りデバイスプロフィールを生成する。ステップ2104では、印刷機用のプレスプロフィールが、密度の意図的な変化によって生成される。校正刷りデバイスプロフィールとプレスプロフィールを生成する方法の例を、それぞれ図13と14を参照してさらに詳述する。ステップ2104から、本方法はステップ2106に進み、ここで、プレスレイアウトが準備される。ステップ2106で、プレスカラーバーがプレスレイアウトに追加される。このプレスカラーバーには複数の色サンプルが含まれるが、この内の一部を用いて、測定値と調整値として提供し、他のものは可視的な助けとして間接的に用いられる。印刷カラーバーもまた、追加の識別用テキストと位置マーキング用テキストを含み、その内の一部が制作のプレス準備フェーズで用いられる。本発明にしたがって用いられるプレスカラーバーの1例を図16Aと16Bを参照して詳述する。
【0202】
次に、ステップ1108で、1次元(「1D」)変換データが、カラー密度偏差の比較に応答して又は校正刷りデバイスプロフィールとプレスプロフィールとの間の差に応答して生成される。次に、この1D変換データは、データに付加されて制作印刷業務を実行し、これによって、校正刷り内の密度により緊密に対応する、又は、この校正刷りの外観により正確に対応する外観を付与するプレス出力データ内の密度を提供する。1D変換データは、記憶及び/又は用いられて、CTPプレートを作成するために用いられるコンピュータファイル中のデータを調整する。この記述は分かりやすいようにCTPプレート又はCTP技術のことを言っているとはいえ、本発明もまた、直接撮像(たとえば、直接コンピュータツーシリンダマスター撮像)などの制作業務を印刷するために用いられるCTPプレート以外の方法や、中間的フイルムを用いる方法や、利用可能となれば他の方法などを用いることを考察している。
【0203】
1D変換データは、いったん決定されると、この1D変換データが付加されなかった場合より緊密にこの制作業務(production run)画像の校正刷りに近似する印刷機の制作業務画像に付加される。たとえば、CMYKの各々に対する網掛けドット値又は階調パーセントドット値(たとえば、90%、75%、50%、25%、10%、5%、及び100%と0.0%との間の他のパーセンテージドット値)の各々を、この1D変換データを用いて調整する。この調整によって、印刷出力データ内の色密度値が、校正刷りの色密度値の外観に近似的に対応する外観を提供するような調整済みのパーセンテージドット値が提供される。言い換えれば、これらの調整されたパーセントドット値で印刷された制作画像は、制作画像の校正刷りの最初に意図された色密度により緊密に近似する色密度値を有することになる。このプロセスは、従来の印刷システムより正確な印刷を提供し、また、このプロセスは、実質的に基板の影響がなく、また、いくつかの校正刷りデバイスを用いることもある。図25に示す校正刷りデバイスには、これに限られないが、インクジェット式や熱式印刷機などの様々な撮像デバイス、DupointのWaterproof(登録商標)、FujiのColorArt又はKodakのApprovalなどが含まれる。これらのデバイスは、様々な方法を用いて、基板上に、中間膜や直接ディジタル出力を含む校正刷りを発生させる。制作印刷業務に適用される1D変換データの1例を以下に示す。
Figure 2004536730
【0204】
たとえば、シアン90%制御セットポイントは、下方に6.59パーセントだけ調整して、83.41%という調整済みの値となり、その結果、シアン90%制御セットポイントがより低い(調整された)色密度となる。これらの調整は、たとえば、調整値すなわち調整済みの値を、CTPプレート又はフイルムのネガやポジを作成するために用いられる多くの公知のコンピュータプログラムの内の1つに提供することによって実行される。これらの調整値は、意図された密度値にほぼ応する調整済みの密度値を印刷機上で印刷するために用いられるデータに付加される。たとえば、これらの調整値は、調整ファイル中のセーブされ、既存のデータファイルに付加され、制作印刷業務の実行とリアルタイム(on−the−fly)で付加されるか、又はこれらの組み合わせが実行される。図19〜24に、1D変換データを提供するプロセスで用いられる方法を示す。
【0205】
図12に、本教示にしたがって用いられるPADFの例を示す。このPADFを用いて、印刷機及び/又は校正刷りデバイスの出力をより正確に定義するために用いられる情報のプロフィールを提供する。たとえば、印刷機によって印刷されるPADFの色密度測定データ(「プレスプロフィール」)を、校正刷りデバイスによって出力されたPADFから取られた色密度測定値(「校正刷りプルーティングデバイスプロフィール」)と比較する。次に、この比較に応答して調整を実行し、これで、プレス出力が、校正刷りデバイスの出力により緊密に合うようにする。
【0206】
PADFは複数の色制御エリアを含むが、このエリアは各々が、CMYKの各々に対して、ソリッド色密度の領域(すなわち、100パーセントドット又はソリッド領域)及び1つ以上の網掛け又は階調の領域(たとえば、5、10、25、50、75、90パーセントドット)を含む。ある特定の実施形態では、PADFは、各々が制御片201〜221という形態で与えられる複数の色制御エリアを含む。制御片1201〜1221は各々が、29の制御セットポイント1230〜1258を含み、これは、0%ドット制御セットポイント(すなわち、基板にはなにもインクは付着されない)1230と、ソリッド(すなわち、100%ドット)C、M、Y及びKを表す制御セットポイント1231、1238、1245及び1252とを含む。加えて、各制御片1201〜1221もまた、CMYKの各々に対して5、10、25、50、75及び90パーセントのドット制御セットポイントを含む。もちろん、他の所定のパーセントドット値が必要に応じて確立される。ある特定の実施形態では、すると、印刷された制御セットポイント1230〜1258の各々は、そのさしわたしが少なくとも3mmとなり、これで、密度値が正確に測定されるようにする。これらの制御セットポイントのこのような形状とサイズは、アプリケーションによって異なり、また、そのサイズは、技術の向上に伴って減少する。1例として、それらは方形や円などの規則的な形状であったり不規則な形状であったりする。
【0207】
29サンプルの制御片1201〜1221は各々が、制御セットポイント1230〜1258を含むが、これは、CMYKの以下の所定のパーセントドット値を表す。
Figure 2004536730
【0208】
一般に、PADFは、印刷機の印刷特徴と周辺印刷条件の印刷特徴を定量化するために用いられ、また、利用される予定のもっとも可能性の高いと予測される制作用の紙と合う白色度/輝度レベルを持つコーティングされた紙に対するオフセット印刷プロセスの際に用いられる。PADFは、PADFの第1の側1260上での低い値からPADFの第2の側1261への高い値に徐々に増加するように設定されているインク膜圧で印刷機上で走行する;したがって、PADFが印刷されると、この用紙の第1の側1260に向かう29サンプル制御片の色密度測定は、第2の側1261でのそれを下回る傾向がある。言い換えれば、色密度測定は、第1の側1260から第2の側1261に向かって所定の量まで意図的に増加される。ある特定の実施形態では、これらの測定値は、増加するインク膜圧及び/又は印刷デバイスの階調再現特徴(印刷機と周辺の印刷条件の印刷特徴を含む)の関数として変化する。ある特定の実施形態では、この色密度測定値は、第1の側1260から第2の側1261まで、実質的に線形な遷移をすることによって増加する。たとえば、第1の側1260と第2の側1261間の距離が22インチであるPADFには、C、M、Y及びKの全4色にわたる密度変化の合計が0.50という値が含まれる。これらの密度値には、PADF低レベル、中間レベル及び高レベルのソリッド主要密度目標ポイント1278、1280及び1282が含まれる。
【0209】
PADFはまた制御機器ペリメータを含むが、これは、ある特定の実施形態では、PADF低レベル、中間レベル及び高レベルのソリッド主要密度目標ポイント1278、1280及び1282をそれぞれ表す4色CMYK色片1274及び/又はテキストを含む。4色CMYK色片1274は、印刷機が、図15でより詳細に説明されているように、PADF低レベルソリッド主要密度目標ポイント1278、PADF中間レベルソリッド主要密度目標ポイント1280及びPADF高レベルソリッド主要密度目標ポイント1282を満足しているかどうかを決定するために用いられる。PADFは、多くの電子データフォーマットの内の1つとして提供され、また、校正刷りデバイス及び/又は印刷機を用いて印刷される。このようなフォーマットの1つに、PADFを表す4CTP CMYKプレートを作成するために用いられるディジタルEPSコンピュータグラフィックスファイルフォーマットがある。
【0210】
制御セットポイント1230〜1258は、ある好ましい実施形態では0、5、10、25、50、75、90及び100パーセントドットに設定されているとはいえ、代替の制御セットポイントドット値は、必要に応じて設定される。現行の8ビット画素深みディジタル撮像は、100%ドット(すなわち、ソリッドエリア)から0%ドット(すなわち、基板)までの合計で256パーセントのドットグラデーション階調(dot gradations)に対処している;したがって、8ビット画素深みディジタル撮像によって、256未満の潜在的な階調を制御セットポイントとして用いた場合でも、連続したパーセントドットグラデーション同士間で0.4%が許容される。ある特定の実施形態では、補間によって、256のパーセントドットグラデーションの各々に対して適用される調整値を計算する。これらのサンプルは、視覚によって、また、機器測定によって参照され、これによって、品質管理、統計的プロセス制御及びISO9000認可画必要な手順が容易化される。また、ある特定の実施形態では、PADFは、29サンプルの制御片1201〜1221以外又はこれに加えて、29サンプルの色片274を含む。このような実施形態もまた、上記のすべてのソリッドと階調の制御セットポイントに対して第1の側1260と第2の側1261間で変化する密度測定値を提供する。
【0211】
図13は、校正刷りデバイスプロフィールを作成する方法の例である。校正刷りデバイスプロフィールは、ステップ1302で校正刷り用に最初にPADFを生成することによって作成される。このステップは、たとえば、CMYKフイルムのネガ又はポジをPADFグラフィックスコンピュータファイルから作成するステップを含む。ステップ1304では、PADF校正刷りは、所定の校正値(カリブレイション)で校正刷りデバイスによって出力されるが、この値には、ある好ましい実施形態では、校正刷りシステム製造業者の仕様が含まれる。この校正刷りは、ネガ又はポジから作成されたり、又は、ディジタル校正刷りとして直接に作成されたりして、変化するインクや顔料の膜圧を用いて印刷されることはない。ステップ1306では、校正刷りデバイスによって出力されたPADFの制御片1201〜1221の一部又はすべてに対する制御セットポイント1230〜1258各々の色密度が、校正刷りグループNo.2データとして測定される。たとえば、ある特定の実施形態では、選択された数(たとえば、8)の制御片1201〜1222に対する制御セットポイント1230〜1258の各々の色密度が測定される。次に、校正刷りグループNo.2データが、これらの選択された測定値の平均値などの統計的な表示として提供される。この測定値データは、校正刷りデバイスプロフィールとなる。
【0212】
図14は、プレスプロフィールの作成する方法の例である。方法400は、印刷用のPADFが作成されるステップ1402から始まる。PADFの全体的なディメンジョンは修正され、制御片1201〜1221の内の1つ以上の制御片の位置は、最大の印刷面積と調整されるべき印刷機のインク壺ゾーン制御機器の位置とこれら同士間の間隔に対応するように必要に応じてリセットされる。たとえば、PADF中の制御片1201〜1221の内の1つ以上が横方向に置き換えられ、これで、この1つ以上の片の位置が印刷機のインク壺ゾーン制御機器の中心点位置と合うようにしている。このような置き換えは利点となるが、それは、とりわけ、そうすることによって、次いで各制御片に対するソリッドインク密度を制御するインク膜圧の制御の精度が増すからである。このような精度と制御によって、校正刷りデバイスプルフィールとプレスプロフィール間のより正確な比較が可能となり、校正刷りの外観に対するプレス出力の外観をより正確に合わせることが可能となる。
【0213】
ステップ1402でPADFを作成した後、本方法はステップ1404に進み、ここで、PADF用のコンピュータツープレート(「CTP」)を作成する。たとえば、ある特定の実施形態では、PADFのCTPプレートを作成するには、PADFを表すデータを含むコンピュータファイルのコンテンツで変調されたレーザー放射エネルギーでCTPプレート画像を露光する。ステップ1406では、ステップ1404で作成されたCTPプレートを用いて印刷機でPADFに対して作業する。印刷機での作業を実行する方法の1例を、図5を参照して詳述する。
【0214】
ステップ1408で、後のステップでプレスプロフィールの生成用のデータを収集する際に用いられる、印刷機で印刷されたPADFシートを選択する。PADFシートを選択する1つの方法は、ステップ1514を参照して説明するように印刷されたシートの積層物のほぼ中心から連続したPADFシートサンプルを複数個選択するステップが含まれる。この選択される複数の連続したシートは、アプリケーションによって変化し、たとえば、25枚であったりする。次に、これらの選択された連続シートから成るサブセット(たとえば、9枚)を指定されたシートサンプルとして選り抜く。残りのシート(この場合、16枚)を、次に、これら選り抜かれたシートの内のどれか1枚でも破損した場合に備えてセーブしておき、これで、指定されたシートサンプルが識別される。たとえば、これらのシートサンプルは、「9枚の内のPADFシートサンプル1」から「9枚の内のPADFシートサンプル9」とラベル付けされて、後で、プレスプロフィールの構成の際に用いられる。
【0215】
ステップ1401では、印刷機グループNo.1と印刷機グループNo.2のデータが、印刷機上で印刷された10枚のPADFシートから収集される。印刷機グループNo.1データと印刷機グループNo.2データは、同じステップで収集されてもよいし互いに異なったステップで収集されてもよい。印刷機グループNo.1データを収集する方法の1例では、印刷機グループNo.1データを生成するために、「9枚の内のPADFシートサンプル1」と指定されたPADFシートのすべての制御片1201〜1221に対して制御セットポイント1230〜1258(0、5、10、25、50、75、90及び100パーセントドット値)の実際の色密度を測定して記録する。次に、残りの指定されたPADFシートサンプルに対する選択された制御セットポイント1230〜1258の色密度を、測定して記録して、印刷機グループNo.2データを得る。印刷機グループNo.2データを収集する方法の1例を図18を参照して詳述する。
【0216】
印刷機グループNo.1データと印刷機グループNo.2データもまた、他の様々な方法を用いて収集される。たとえば、任意の数の選択された連続シートに対するすべての制御片1201〜1221に対して、制御セットポイント1230〜1258のすべての色密度を測定する。次に、連続シートのすべてから各制御片1201〜1221について測定された色密度を平均化することによって印刷機グループNo.1データを提供し、この結果、制御セットポイント1230〜1258のセットが21個となる。同様に、図18を参照してさらに詳述されるように、これら連続シートのすべてからの選択された制御セットポイント1230〜1258の色密度が、測定されてグループNo.2データとして記録される。
【0217】
図15は、図14のステップ1406をより詳細に表すPADFのプレスを実行する方法の例である。ステップ1504で、印刷機のチェックが実行される。たとえば、十分なシートを印刷して、とりわけ、不規則性が最小化され、インクと水の適切なバランスが維持されることを確実にする。ステップ1506では、印刷機から出たPADFシートサンプルをランダムに測定して、ある特定の実施形態では、PADF低レベルソリッド主要密度−P目標ポイント1278、PADF中間レベルソリッド主要密度−P目標ポイント1280及びPADF高レベルソリッド主要密度−P目標ポイント1282を含む選択されたオリジナルの色密度値がCMYKの各々に対して満足されているかどうかを決定する。これらの測定は、たとえば、デンシトメータ、分光測光器、スキャナ又は他の色密度測定デバイスを用いて実行された色密度の測定である。
【0218】
シアン、マジェンタ、黄色及び黒色に対して、PADF低レベルソリッド主要密度目標ポイント、PADF中間レベルソリッド主要密度目標ポイント及びPADF高レベルソリッド主要密度目標ポイントが満足されているかどうか(すなわち、印刷機がこれらの目標ポイントでPADFを印刷しているかどうか)についてステップ1508で決定される。これら目標ポイントのどれも印刷機によって満足されていないと決定されると、印刷機のインク壺ゾーン制御機器は、ステップ1510で必要に応じて調整される。ステップ1510から、本方法はステップ1504に復帰する。
【0219】
シアン、マジェンタ、黄色及び黒色の各々の色に対するPADF低レベル、中間レベル及び高レベルのソリッド主要密度目標ポイントがすべて満足されている場合、本方法はステップ1512に進む。ステップ1512では、PADF低レベルと中間レベルのPADFソリッド主要密度目標ポイント同士間での遷移と、中間レベルと高レベルのPADFソリッド主要密度目標ポイント同士間での遷移がCMYKの各々に対して実質的に線形であるかどうか決定される。この決定は、たとえば、手動でユーザが、たとえば、ソリッド主要密度測定値を確かめながら行われる;しかしながら、この決定はまた、コンピュータで行ってもよい。
【0220】
ステップ1512で、遷移のすべてが実質的に線形であるとは限らない場合、本方法はステップ1510に進み、ここで、プレスのインク壺制御キーを必要に応じて調整する。ステップ1510から、本発明はステップ1504に復帰する。一方、これらの遷移がすべて実質的に線形である場合、本方法はステップ1514に進み、ここで、PADFの多くのシートが印刷機上を走行する。シートの数はアプリケーションによって異なるが、約200枚である。
【0221】
PADFを印刷機で作業してそれからデータを収集する他の方法を用いてもよい。たとえば、PADF作業を2つ以上のセッションに分離してもよい。たとえば、第1のセッションでは、印刷機を設定して、最大のインク膜をPADF全体にわたって付加し、次に、印刷機のインク供給量を完全に遮断して印刷機の動作を継続させ、引き続いて、印刷機のインクトレインが枯渇するに連れてPADFに対するインクを止めるようにしてもよい。このインク膜圧が指定された低レベル色密度目標ポイントに近づくと、PADFの印刷作業が完了する。その後で、PADFシートサンプルを測定すると、高レベルと低レベルのPADF目標ポイント間を段階的に増加する様々なインク膜圧をこれらのサンプルが含んでいることが分かる。色密度の所定の判断基準を満足するこれらのサンプルを選り抜いて、この選り抜かれたシートの制御セットポイントの色密度測定値をとる。第2のセッションでは、PADFを、PADF全体にわたってほぼ均一にほぼ中間レベルのインク膜圧で印刷して、所定の数のPADFをこの印刷機セッションから連続した順序で選り抜く。次に、選り抜かれたシートの所定の制御セットポイントの色密度測定値をとる。
【0222】
図16Aは、本教示にしたがって用いられたプレスカラーバーの例である。プレスカラーバー1600は、あらゆる印刷物制作用のプレスに対するあらゆるプレスレイアウトに含まれる。このように実施すると、プレス準備手順が改善され、プレスチェック手順が改善されるという利点が、従来のシステムを用いては利用不可能なプレスオペレータ用のツールを提供することによって得られるが、これらの手順は共に効率的で、迅速で、正確である。
【0223】
プレスカラーバー1600は、3つの判明なグループに分けられる複数の色サンプルを含む。この実施形態では、この3つの判明なサンプルグループは、一般的には約40であるプレスの幅全体にわたって2列のカラーバー上を徐々に増加するような間隔で置かれる。図16Aは、この2つの列を1連の矢印1615で連続させたものを示している。たとえば、40インチプレスでの用途向けのある実施形態では、これらのグループには、4つの線形セグメント1601〜1604、4つの変換済みセグメント1600A〜1600D及び41の準備セグメント1610を含む。この例では、中心点1650は、プレスカラーバー1600の中心点を示しており、これは、準備セグメント識別子すなわち中心50に対応する。プレスカラーバー1600は、ディジタルEPSコンピュータグラフィックスファイルフォーマットなどの多くの電子データフォーマットの内の1つとして提供してもよい。1例として、このファイルフォーマットは、リンクされたコンピュータファイルを2つ以上含むが、これらは個々が、4つのCMYKチャネルから成っている。図6には示してないが、プレスカラーバー1600もまた、追加のセグメントを含んでいる。たとえば、追加の列を所望に応じて付加して、5色印刷から8色印刷で用いられる5番目、6番目、7番目及び/又は8番目などの1つから4つの追加色を付加するようにしてもよい。これらの追加色は、C、M、Y及び/又はKの色組み合わせを用いるのではなく、1つのインクを用いることによって背景などの大きい平坦なエリアを印刷することが有利であるようなアプリケーションで用いてもよい。
【0224】
線形セグメント1601〜1604は第1のファイルに含まれるが、17個の1次元(1D)色サンプル、すなわち、互いにオーバーラップしない、本教示にしたがって用いられるソリッドエリア及び網掛けエリアを持つ「純粋の」C、M、Y及びKの顔料を含む第1の行として位置付けされる。たとえば、線形セグメント1601〜1604はその各々が、C、M、Y及びKの各々に対するソリッドと網掛けの色サンプル値(たとえば、100、75、50及び25パーセントドット値)に対応する制御セットポイント01〜16とインクを有しないサンプル00とを含む。変換セグメント1600A〜1600Dは第2のファイルに含まれ、また、本教示にしたがって用いられるソリッドエリアと網掛けエリアを持つ17の追加の1D色サンプルを含む第1の行のある部分として位置付けされる。変換セグメント1600A〜1600Dは各々が、ソリッドと網掛けの色サンプル値(たとえば、C、M、Y及びKの各々に対して100、75、50及び25パーセントドット値)に対応する制御セットポイントT01〜T161とインクを有しないサンプルT00とを含む。
【0225】
準備セグメント1610は、第1の側698から第2の側1699に連続して識別され、識別子(たとえば、70から30)を持つ位置に対してマーク付けされ、また、2つの行の内の第2の行として位置付けされる。準備セグメント610は、本発明にしたがって用いられるC、M、Y及びKのソリッドエリアを持つ4つの色サンプルを含む。1つ以上の準備セグメント1610を用いる方法の1例を、図16Bを参照して詳細に説明する。線形セグメント1601〜1604と準備セグメント1610は、制作のプレート製造フェーズではなんら変換を受領しない;したがって、最初のファイル値は、プレートが製造されるに連れて保持される。一方、変換セグメント1600A〜1600Dは、プレス制作作業中に業務に対して実行される同じID変換を受領する。こうする替りに、変換セグメント1600A〜1600Dで測定された値に対して変換を適用する場合、これらの変換は別個のファイルに記憶されてプレートが製造されるに連れて用いられる。
【0226】
制作のプレスチェックフェーズ中に、プレスカラーバー1600もまた、プレスで作成されるシート(プレスシート)の外観が容認できない場合にどのような調整をすべきであるかを決定するために用いられる客観的データを提供するために用いられる。主観的データと客観的データを組み合わせると、印刷職工が、CMYK階調の再現のために必要とされる調整の組み合わせと解釈しなければならない主観的データだけの場合にない利点が提供される。主観的データは、通常は、非専門的な用語で表現され、この場合、印刷物のバイヤーは、たとえば、「この茶色は濁っている」とか「この緑は色あせたオリーブ色だ」などの用語を用いて校正刷りの外観に対する印刷物を表現する。
【0227】
たとえば、変換セグメント1600A〜1600D内の色サンプルの密度値を測定して、収集された変換済みデータを提供し、これを次に、印刷業務に対応する校正刷りデバイスプロフィールと比較して、比較された変換データを生成する。比較された変換データは、プレスシートと校正刷りデバイスによって出力されたデータ(校正刷り)中の階調再現密度との間の密度変化を記述し、また、これを用いて、CMYK階調再現のどれか又はすべての組み合わせに対して調整が必要であるかどうか、あるとしたらどの程度必要であるかに関して判定を下す。このような判定をする1つの方法を、図23を参照して説明する。
【0228】
加えて、線形セグメント1601〜1604内の色サンプルの密度値を測定して、収集された線形データを提供し、これを次に、この特定の制作作業のために用いられるプレスに対応するプレスプロフィール中のグループNo.2データと比較して、比較済み線形データを生成する。比較された線形データは、プレスシートとプレスプロフィール中の階調再現密度との間の密度変化を記述し、また、これを用いて、CMYK階調再現のどれか又はすべての組み合わせに対して調整が必要であるかどうか、あるとしたらどの程度必要であるかに関して判定を下す。このような判定をする1つの方法を、図24を参照して説明する。
【0229】
次に、これらの密度変化に関するこのような情報を、熟練した印刷職工が解釈して、プレスシートを外観的に許容されるようにする。このような利点によって、プレスシートの外観が許容されるかどうかに関する印刷バイヤーの意見を支持するために制作の際に調整を実行するために必要とされる試験的な繰り返しの回数が減少することになる。そのうえ、視覚的な又は主観的な評価が密度変化と一致しない場合、このような方法は、外因による問題が存在することを示す。
【0230】
次に、比較された変換データと比較された線形データは、ある特定の実施形態では、中間プレスプロフィール調整値(IPPA)を生成するために用いられる。次に、IPPAを用いて、上記の調整の一部又はすべてを実行する。ある特定の実施形態では、IPPAは、図19と20に示すように、ある特定の印刷プロフィールで用いられ及び/又はこれに割り当てられて、このプレスプロフィールを調整するための密度調整値のテーブルである。たとえば、これらの調整値は、プレスプロフィールが作成されて以来発生したプレスの印刷特徴の変動の影響及び/又は印刷特徴の他の日々の変動を説明して軽減するために用いられる。これらの変動には、これに限られないが、紙/基本基板、インク、プレート、壺溶液、画像転送シリンダブランケット、プレスの機械的設定値、周囲の湿度/温度条件による変化が含まれるが、これらはバッチ毎に又は日によって変化し得るものである。このような利点によって、各制作業務を実行する以前に補正しても一般的には実用的ではない。
【0231】
使用されるIPPAの1例を、以下の表XVIに示す。
Figure 2004536730
【0232】
たとえば、90%制御セットポイントにおけるプレスプロフィールの1.15というシアン密度値を上方に.016だけ調整して、密度1.166という調整済み値を得て、この結果、とりわけ、シアン90%の制御セットポイントの密度値が調整されてより高くなる。これらの調整は、たとえば、プレスプロフィールからのデータに適用される調整値又は調整済み値を提供することによって実行される。次に、これらの調整値又は調整済み値を用いて、IPPA値を反映する1D変換データを生成する。
【0233】
図16Bに、本教示にしたがって用いられるプレスカラーバーをグラフィックに示す。準備セグメント1610を用いると、従来のシステムにない利点がある。準備セグメント610は、規則的な間隔で離間され寸法が決められていて、また、これを用いて、手順がその上で実行されるプレスとは実質的に独立な準備手順を提供する。図16Bは、準備セグメント1605の幅を示す。1例として、ある特定の実施形態では、これらの準備セグメントは、25mm間隔で置かれているか、すなわち、25mmという幅を有している。準備セグメントもまた、準備セグメントの相対的部分を表すセグメントの幅のオフセットされた正の又は負の端数を含んでいる。1例としてこれらのオフセットは、準備セグメントのMR30〜MR70の識別子の各々からの距離又は色サンプルC、M、Y及びKの中心同士間距離を表している。これらのオフセットを用いて、インク壺ゾーン制御機器の中心からの密度測定され、また、後でインク壺ゾーン制御機器に対する調整値となる座標を識別する。たとえば、準備セグメントMR42(図16Bでは、端セグメント1605の中心又は識別子と認識されている)は、それぞれオフセット1605D、1605C、1605B及び1605Aで色サンプルC、M、Y及びKを含む。C、M、Y及びKに対するオフセットは、準備セグメントの各々に対するのと同じ端数値(fractional value)を有し、また、これをセグメントの幅の端数値として表される。ある特定の実施形態では、オフセット1605Aは、−.39という端数値を有し、オフセット1605Bは、−.17という端数値を有し、オフセット1605Cは、+.17という端数値を有し、オフセット1605Dは+.39という端数値を有している。
【0234】
制作のプレス準備フェーズ中、準備セグメント1610の一部又はすべてが、プレスインクゾーン制御機器の一部又はすべてと相互関連付けられる。プレスインク壺ゾーン制御機器1635、1636、1645及び1646という4つの例を、図16ABの下層インク壺ゾーン制御機器番号(vfcs)1625と1626の例の近くに示す。また、図16Bに示すように、インク壺ゾーン制御機器1636はゾーン1656にあり、インク壺ゾーン制御機器1646はゾーン1657にあり、インク壺ゾーン制御機器1635と1646はそれぞれゾーン1663と1664にある。たいていの印刷機は、概して線形の配列を成すインク壺ゾーンを利用しているが、これらのゾーンのほぼ中心点は、インク壺ゾーンの中心であるか、又は、2つのゾーン間の境界であるかのどちらかである。各壺ゾーン制御機器は、通常は、印刷シリンダ上の自分自身の位置を示す各ゾーンのほぼ中心に識別表示又は位置番号を有している。本発明はまた、壺ゾーン制御機器がゾーン中の中心に置かれていない場合にも利用され得る。インク壺ゾーン制御機器は、スピゴット、キー、スイッチ又は、印刷中にある領域上に所望の量のインク又は顔料を分配する又は提供するために用いられる他のメカニズムであったりする。
【0235】
通常は、印刷機から出た最初の1枚のシートが、通常はコンソールのインク壺制御スケール上に明瞭にマーキングされているインク壺ゾーン制御機器(明示的には示されていない)から成る配列の中心のところに図16B中で示されるように1つ以上の中心点1650を置くことによってプレスコンソール上で合わせられる。本実施形態では、図16Bは2つの準備セグメントMR52とMR42を示しているが、これらは、それぞれ端セグメント1605と1606として選択され、また、色の出力と調整を伴うライブコピー内容を網羅(encompass)するものであり、これはすなわち「網羅されたセグメント」である。この網羅されたセグメントは、アプリケーション毎に異なり、また、通常は、プレス上に印刷された色が配分されたエリアを含み、また、紙/基礎基板のサブセットもしくは全体幅である。これら端セグメント1605と1606の各々に対して、対応する下層インク壺ゾーン制御機器1625と1626がそれぞれ割り当てられる。仮想ウインク壺ゾーン制御機器(vfcs)1625と1626は、実際のインク壺制御機器1635と1645間の相対的推定距離とインク壺ゾーン制御機器1636と1646間の相対的推定距離をそれぞれ用いて割り当てられてもよい。一部のアプリケーションでは、これらの端セグメントは、印刷機上のインク壺ゾーン制御機器の位置に正確に対応する。
【0236】
たとえば、このようなvfcsを補間する率直な方法を用いてもよい。この方法は、たとえば、端セグメントMR42とMR52の位置と比較してのプレスのインク壺ゾーンの中心の位置に対するプレスオペレータによる最良の推定が含まれる。次に、このプレスオペレータは、これらインク壺ゾーン制御機器の内のどの2つがこれらの端セグメントに対応しているか注目する。この例では、vfc10.5のロケーションは、プレスのインク壺ゾーン制御機器10とインク壺ゾーン制御機器11間の距離の50%である。したがって、この例では、プレスオペレータは、準備セグメントMR42を10.5という数値を持つvfc1625に相互関連付け、また、同様に、準備セグメントMR52が18.5という数値を持つvfc1626に相互関連付けられる。これら2つの対応するvfcが準備セグメントMR42とMR52に対するものとして注目された後、C、M、Y及びK各々に対する密度変化が注目される。仮想インク壺ゾーン制御機器(vfcs)が、網羅された準備セグメントMR42〜MR52内のすべての色サンプルに対して様々な方法を用いて計算されるが、その内の1つの方法を、図17を参照して説明する。
【0237】
セグメント43のシアンサンプル1680などの準備セグメント1610内の色サンプルの密度値の測定値を、プレス作業レイアウト内の網羅されているセグメントの幅のすべて又はある部分について取る。次に、カラーバー上で測定された各ソリッドC、M、Y及びKサンプルのソリッド密度を測定して、準備ソリッド主要目標ポイントと比較し、これによって、色密度変化データを提供する。このデータもまた、プレスのインク壺制御キーに対応するプレス作業レイアウト全体にわたる変化を記述するものである。このデータは、どのキーが調整する必要があるか、どの程度まで調整をする必要があるかについての価値ある情報をプレスオペレータに提供する。
【0238】
準備セグメント識別子をインク壺ゾーン制御機器に相互関連付けると、従来の方法と最近開発された方法の双方にない利点を提供する方法となるが、この方法は、これらのシステムにとって必要とされる退屈な距離測定をする必要性を解消するものである。たとえば、中心点1650は常に、制作の事前プレスフェーズにおいてすべての制作業務上のプレス作業レイアウトの中心に位置付けされ、次に、プレスから離れた1枚目のシートの中心点1650を、インク壺ゾーン制御機器の配列を表すプレスのコンソール上のスケールに合わせ、端セグメントの指定が注目され、また、vfcsの端セグメントに対する相互関連付けが注目され、これらはすべてが、30秒未満で実行される。これによって、時間が節約され、最近開発された方法より精度が改善される。
【0239】
加えて、他の方法になり利点を提供する本態様には、C、M、Y及びK各々に対する各準備セグメント識別子とオフセット1605A〜1605Dを用いる補間法を利用する方法が含まれる。準備ソリッド主要密度目標ポイントなどの所望の密度にしたがってインク壺ゾーン制御機器を調整するために用いられる、仮想インク壺制御機器と密度変化を決定するために、補間法を用いる。別の態様は、ライブコピー内容を指定するステップと、網羅されたセグメントと端セグメントを用いるステップとを含み、これによって、インク壺ゾーン制御機器を、図17に説明するような方法で網羅済みセグメント、この場合はセグメントMR42〜MR52、について取られた測定値を利用して調整することが可能となる。
これらの態様によって、印刷機の中心などの正確な基準ポイントに対する色サンプルの距離を測定するステップを含む必要性が軽減又は解消され、また、従来の方法やシステムでは必要であるインク壺ゾーン制御機器を調整する際に必要とされる時間とリソースがかなり減少する。このような利点は、準備手順を実行する速度が増し、オペレータのエラーの可能性が減少する。たとえば、本発明はライブコピー内容を指定するが、これによって、本発明に依らないとプレスオペレータにとって必要となり制作印刷業務の色忠実度に影響しないインク壺ゾーン制御機器の監視及び/調整に時間と努力を費やさせるような要件が軽減されるのでリソースが保存される。
【0240】
加えて、本教示はまた、ある種のアプリケーションにおいて、所望しだいで、第1の側1698と第2の側1699間の軸上の行に沿って準備セグメント1610を拡大又は縮小することを考察している。カラーバーやプレスシート上での色サンプルの位置を指定するためには座標を用いてはいないので、また、準備セグメント1610は規則的なサイズを有し、また、各セグメントの幅を知る必要はないので、このような拡大や縮小は、たとえば、簡単な印刷コマンドや他のコマンドによって所望しだいで実行される。このように準備セグメント1610を所望しだいで拡大することが可能であることによって、色測定サンプルの量を減少させることが可能であるという利点がもたらされ、これによって準備手順が効率化される。その一方では、準備セグメント1610のサイズを所望しだいで減少させることが可能であることによって、追加データを作成するための色測定サンプルの量が増加されるという利点がもたらされる。この追加データによって、当面の印刷物制作業務の要件を満足させるために必要とされるような調整を実行する際における制御がきめ細かいものとなる。準備セグメント1610のサイズの変更は、動的に実行され、また、このような変更によってプレスカラーバー1600上の準備セグメント1610中におけるサンプルの位置が変化するとはいえ、これらの変更によって、上記の方法が変更されるわけではない。このようなフレキシビリティによって、用いられる方法に影響することなく、大なり小なり必要に応じた量だけデータを提供するように動的に調整される準備手順が向上する。これと比較して、従来の又は最近開発された方法のカラーバー上におけるサンプルの位置又はこのカラーバーのサイズを同様に変更するには、一般的には、準備手順を実行する目的で調整を正確に行うために色サンプルの距離及び/又は位置測定値を新たに入力する必要がある。
【0241】
このような利点もまた、オペレータに、どのキーが調整を必要とするか、また、必要とする場合、どの程度まで調整が必要かに関する価値ある情報を与えることになり、また、次いで、各制御片で測定されるソリッドインク密度を制御するインク膜圧の制御の精度を向上させることが可能となる。前記の利点もまた、プレス出力データのためのソリッド密度と階調密度を校正刷りに対してより正確に合わせることを可能とし、また、より正確に校正刷り出力に合う外観を持つ制作業務を印刷するために用いられる調整値をより正確に計算することを可能とする。そのうえ、これらの利点によって、事実上どの印刷機とも独立しており、また、これと一緒に使用され得る密度変化の調整が簡単で容易なものとなり、しかも、これは、プレスインク壺ゾーン制御機器同士間の距離、ゾーン制御機器の品質、各インク壺ゾーン制御機器の中心から任意の基準点への距離及び/又は印刷機のディメンジョンとも無関係である。
【0242】
図17は、図19に説明するように改善されたプレス準備手順を実行する方法の例である。この方法を実行している間、インク壺ゾーン制御機器は、紙/基礎基板上のインクのレベルが適正に維持されるように調整される。
【0243】
ステップ1702では、ライブコピー内容を網羅するような準備セグメント、すなわち網羅されたセグメントは、監視されるように選択される。これらのセグメントには、端セグメント1605及び1606と、これによって網羅される準備セグメントとがある。次に、これら網羅されたセグメントは各々が、図16Bを参照して上述したようにvfcに相互関連付けされる。ステップ1704では、多くのシートが印刷される。この数はアプリケーション毎に異なるが、十分な数のシートを印刷して、とりわけ、適切なインクと水のバランスを確保し、又は、他の不規則性が発生したかったことを保証するようにする。ステップ1706では、ステップ1704で印刷されたシートの内の1枚を選択し、また、選択されたプレス準備色サンプル密度値を測定する。
【0244】
ステップ1708では、準備密度変化を、これらの色サンプルの各々に対して計算する。ある特定の実施形態では、準備密度変化は、次の式によって表される:
準備密度変化=
準備ソリッド主要密度−P目標ポイント−
(色サンプルのソリッド主要密度−P)
Figure 2004536730
【0245】
ステップ1710では、vfc番号(仮想ゾーン制御機器番号)を計算して、各色サンプルと関連する値を表す。ある特定の実施形態では、仮想ゾーン制御機器番号は次の恣意によって表される:
仮想ゾーン制御機器番号=初期仮想ゾーン制御機器+((現行セグメント−第1のセグメント+色サンプルオフセット)*(ゾーンの数/セグメントの数)
ここで、
初期仮想ゾーン制御機器=第1の端セグメントに対応するvfc
色サンプルオフセット=M−Rセグメントの幅のオフセットの正又は負の端数(フラクション)
ゾーンの数=ライブ・コピー内容中のvfcの数
セグメントの数=ライブ・コピー内容中に含まれる網羅されたセグメントの数
Figure 2004536730
【0246】
例は図示されている。図16Bを参照して説明した例を引き合いに出すと、初期仮想ゾーン制御機器は10.5に等しく;第1のセグメントは42に等しく、ゾーン制御機器の数は18.5−10.5=8であり;網羅されたセグメントの数は52−42=10である。したがって、この例では、仮想ゾーン制御機器番号は10.5+((現行のセグメント−42+色サンプルオフセット)*8/10)である。すると、仮想ゾーン制御機器番号は、現行セグメント毎にC、M、Y及びK各々に対して計算される。したがって、ここでは、10個のセグメントMR42−MR52は、8個のゾーン(10.5−18.5)に対応し、仮想ゾーン番号は、図16Bに図示するようにシアンサンプル1680の場合に対して次のように計算される:
各セグメント=1つのゾーンの(8/10)
シアンオフセット=1つのセグメントの.39
セグメント43のシアンサンプル680は、開始ポイント又は(1.39x(8/10))1.112から1.39セグメント
開始ゾーン10.5+1.112=11.612
Figure 2004536730
【0247】
vfc番号も同様に、網羅されたセグメントMR42−MR52内の他の色サンプルのすべてに対して計算される。
【0248】
ステップ1711では、各インク壺ゾーン制御機器に対して、各色サンプル毎に測定された密度値を用いて密度変化を計算する。たとえば、2つの最も近い仮想ゾーン制御機器番号同士間で、ステップ1708で得られた準備密度変化を用いて補間法を実行する。
Figure 2004536730
ここで、
fc=インク壺ゾーン制御機器番号
vfc=仮想インク壺ゾーン制御機器番号
hvfc=fcより大きく、これに最も近い仮想インク壺ゾーン制御機器
lvfc=fcより小さく、これにもっとも近いlvfc
lvfcdenv=lvfcでの準備密度変化
hvfcでの準備密度変化
Figure 2004536730
【0249】
上のサンプルを用い、また、11.3のvfcが図示目的で準備セグメントMR43用に割り当てられていると仮定すると、2つのもっとも近い仮想ゾーン制御機器の値は、10.5と11.3となる。図示目的で、これら2つの仮想ゾーン制御機器に対応する色サンプルに対する密度変化がそれぞれ0.10と0.20であると仮定すると、インク壺ゾーン制御機器21に対する密度変化は次のように計算される:
Figure 2004536730
【0250】
ステップ1712では、本方法は準備密度変化が所望の許容誤差範囲内にあるかどうか照会する。範囲内にあれば、本方法はステップ1906に進み、ここで、プレスチェックが観察される。一方、準備密度変化が所望の許容範囲内に無ければ、ステップ1714で、オペレータは、調整の程度を決定するための指針として準備密度変化を用いて壺キー制御機器設定に対して適切な調整を実行する。たとえば、プレスオペレータは、プレスのインク壺制御機器21を上方に調整して、結果として得られるインク膜圧を0.1625だけ増加させる。この調整は自動的に実行しても手動で実行してもよく、また、これには、0.1625という所望の密度増加分とプレスに供給されるインク又は顔料の体積増加分との間での計算が含まれる。次に、本方法はステップ1704に進む。
【0251】
図18は、図14のステップ1410をより詳細に表すプレスプロフィールのデータを測定する方法の例である。ステップ1802では、プレスグループNo.1データを用いて、C、M、Y及びK各々のプレスプロフィールのソリッド主要密度−P目標ポイントにもっとも近接する制御セットポイント1230〜1258を持つPADFの制御片1201〜1221内のセクションを選択する。これらのセクションは、個別の制御片内にあったり無かったりする。たとえば、プレスグループNo.1データから得られた測定値は、第1の制御片の制御セットポイント1231(C)の密度値は1.26であり;第2の制御片の制御セットポイント1238(M)の密度値は1.33であり;第3の制御片の制御セットポイント1245(M)の密度値は0.92であり;第4の制御片の制御セットポイント1252(K)の密度値は1.61であることを示す。これらの値は、ある特定の実施形態で定められるようにC、M、Y及びK各々に対するプレスプロフィールソリッド主要密度−P目標ポイントにもっとも近づく値である。このようにプレスプロフィールソリッド主要密度−P目標ポイントにより近づくように制御片各々にセクションを選択することが可能であることによって、校正刷りデバイスプロフィールとプレスプロフィール間でのソリッドインク密度の不整合を最小化しやすくなる。ステップ1804では、次に、これらの選択されたセクションを、指定されたPADFシートサンプル上で不完全なところはないか検査する。ある特定の実施形態では、これらのシートサンプルは、9個の内のPADFシートサンプル2から9として識別される。
【0252】
ステップ1806では、指定されたPADFシートサンプルのどれか上で選択済みのセクションのどれかについて不完全なところが見つかったかどうか判定される。これら選択されたセクションの内のどれかについて不完全なところが見つかった場合、本方法はステップ1808に進み、ここで、不完全なところが見つかったシートをステップ1606で提供された15のスペアのシートの内の1つで置き換える。ステップ1808から、本方法はステップ1804に復帰する。ステップ1806でこれらの選択されたセクションのどれにも不完全なところが何も見つからなかった場合、本方法はステップ1810に進み、ここで、指定されたPADFシートサンプル上のC、M、Y及びKにそれぞれ対応する選択された片セクション上でのC、M、Y及びK各々に対するすべての制御セットポイント1230〜1258の色密度を測定して、プレスプロフィールNo.2データとする。すなわち、制御セットポイント1230〜1258に対する測定値は、上記の例で注記したように第1、第2、第3及び第4の制御片から取る。
図19は、本発明の教示にしたがって、1D変換データを生成して制作プレス作業にこのデータを適用する方法の例の図である。本方法は、ステップ1902から始まるが、ここで、1D変換データが生成される。1D変換データを生成する1例を、図20〜22を参照して詳述する。
【0253】
ステップ1904では、1D変換データが、制作業務用のプレート又はシリンダの作成中に適用され、次に、ステップ1905と1906で、プレス準備とプレスのチェックによる観察が制作業務に対して実行される。ある特定の実施形態では、改善されたプレス準備手順を、本発明の教示にしたがってステップ1905で実行する。ステップ1908では、本方法は、プレスシートと校正刷りを視覚で観察したときにプレスシートと校正刷りとの間に(一般的な業界の慣行の範囲内で)容認可能な色忠実度が存在するかどうか照会する。存在する場合、ステップ1901で、製作試験作業が実行される。この製作試験作業の間、図17を参照して説明したようなプレス準備手順もまた、時折、又は所望しだいで実行して、インク壺制御機器を調整する。存在しない場合、ステップ1912で、印刷物製作品質管理を、校正刷りデバイスプロフィールを基準として用いて実行して、密度変化データを提供する。このような印刷物製作品質管理を実行する1つの方法を、図23を参照して説明する。
【0254】
ステップ1914で、本方法は、密度変化データが、一般にはプレスオペレータ又はバイヤーによって実行される視覚観察による批判を立証しているかどうかについて照会する。たとえば、シアンに対する測定済みデータが50%制御セットポイントにおいて密度変化が−0.05であると示す場合、視覚観察の結果、プレスシートは校正刷りと比較してシアンが「弱い」と示すはずである。そうでなければ、ステップ1916で、印刷物製作品質管理を、プレスプロフィールを基準として用いて実行して、密度値データを提供する。このような印刷物製作品質管理を実行する1つの方法を、図24を参照して説明する。ステップ1918で、本方法は、密度変化データが、視覚観察批判を立証しているかどうか照会する。立証していない場合、ステップ1920で、これに限られないが、校正刷り、プレート製造及び/又はインク仕様などの外因による問題が探索される。何も見つからない場合、グラフィックファイルは追加の事前プレス色補正を必要とし、本方法は終了する。
【0255】
密度変化データがステップ1914でも1918でも視覚観察批判を立証しない場合、ステップ1922で、密度変化データを用いて、IPPA値を決定する。これらの値を用いてステップ1924でIPPAを生成し、次に、本方法はステップ1924からステップ1902に復帰する。IPPA値を提供する1つの方法を、図16Aを参照して説明する。
【0256】
図20は、ステップ1902をより詳細に表す1D変換データを計算する方法の例である。方法2000はステップ2002から始まり、ここで、ステップ1810で収集されたプレスグループNo.2データ中の各制御セットポイントに対する平均値が計算される。ある特定の実施形態では、各サンプルに対して色密度の最大値と最小値が無視される。ステップ2004で、紙の平均色密度(すなわち、制御セットポイント00の測定値の平均値)を他のすべての制御セットポイントの平均値から減算して、プレスプロフィール実際ソリッドと階調主要密度−Pに対する測定値とする。
【0257】
ステップ2006では、プレスグループNo.1データを用いて直線回帰分析を実行して、後でプレスプロフィール密度を調整するために用いられる勾配を提供する。ある特定の実施形態では、校正刷りデバイスプロフィールソリッド主要密度−Pの+/−0.12などの許容誤差内のデータポイントだけが考慮される。このようなデータポイントは、たとえば、密度がPADF全体にわたって合計0.50だけ変化するような場合に正確なデータとなる。他のアプリケーションでは、他のデータポイントが考慮される。こうする替りに又はこうすることに加えて、非直線回帰技法を含む他の統計的分析が用いられる。プレスNo.1データ及び/プレスNo.2データを、図4を参照して上述したようにプレスシートのすべてから収集する場合、回帰分析はこのデータの一部又はすべてを考慮する。
【0258】
ステップ2008では、本方法は、このプレスプロフィールに対するアクティブなIPPA値が存在するかどうかについて照会する。存在する場合、ステップ2010で、本方法は、IPPAからの調整値をプレスプロフィールの適切な階調主要密度、この場合はプレスプロフィールの実際の階調主要密度−Pに加算し、次に、2012に進む。アクティブなIPPAの記録がファイル上にない場合、本方法はステップ2008からステップ2012に進む。ステップ2012で、プレスプロフィールは、校正刷りデバイスプロフィールに一致するように又はその中の値とより近似するように調整される。たとえば、C、M、Y及びK各々に対するプレスプロフィールの実際のソリッド主要密度−Pを調整して、C、M、Y及びKそれぞれに対する校正刷りデバイスプロフィールのソリッド主要密度−Pにより近似するようにする。これらの値は、プレスプロフィールの調整済みソリッド主要密度−Pである。同様に、プレスプロフィールの実際の階調主要密度−Pを、プレスプロフィールの調整済みソリッド主要密度−Pに応答して調整する。これらの調整を実行する1つの方法を、図21を参照して説明する。ステップ2014で、1D変換値を計算する。
【0259】
図21は、図20のステップ2012をより詳細に表す校正刷りデバイスプロフィール中の値により近似するようにプレスプロフィールを調整する方法の例である。この調整をCMYKの階調主要密度に対して実行して、プレスプロフィール実際ソリッド主要密度−Pと校正刷りデバイスプロフィールのソリッド主要密度−P間の差に比例して階調主要密度を調整することによってプレスプロフィール実際ソリッド主要密度−Pと校正刷りデバイスプロフィールのソリッド主要密度−P間の差を補正する。
【0260】
本方法はステップ2102から始まり、ここで、プレスグループNo.2データの制御セットポイントC、M、Y及びK各々のソリッド又は階調の主要密度−Pの各々に対して、ステップ2106と2108を実行する。ステップ2104では、プレスプロフィールの実際のソリッド主要密度−PをC、M、Y及びKのその制御ポイントに対する校正刷りデバイスプロフィールのソリッド主要密度−Pから減算する。このステップは、プレスグループNo.2データのC、M、Y及びKのすべてのソリッド主要密度−P制御セットポイントに対して実行される。ステップ2106では、ステップ2108での演算の結果にステップ2006で引き出された適用可能な回帰式の勾配を乗算する。次に、本方法はステップ2108に進み、ここで、ステップ2106の結果を制御セットポイントに対するそれぞれのプレスプロフィールのソリッド又は階調主要密度−Pの値に加算して、その制御セットポイントに対するそれぞれのプレスプロフィール調整済み主要密度−P値を計算する。
【0261】
図22に、ステップ2014をより詳細に表す1D変換データ値を計算する方法の例である。この変換データによって、CTPプレートのパーセントドット値を調整することが可能となる。このようにして、印刷機の出力(たとえば、ほとんどの場合製作作業画像である第2画像)を校正刷りに照らし合わせて校正し、これで、印刷された画像の色密度が、対応する校正刷りの色密度により近似するようにする。図22の方法は、ある好ましい実施形態では、パーセントドット値に対する調整値を計算して、校正刷りとプレスのハーフトーン又は階調色密度値が互いにもっと合うようにするプロセスを提供する。
【0262】
方法2200は、C、M、Y及びKの各制御セットポイントに対して実行され、また、ステップ2202から始まるが、ここで、CMYK各々の各制御セットポイントに対して校正刷りデバイスプロフィールの階調主要密度−Pより大きくこれに最も近いプレスプロフィール制御セットポイント密度読みとり値が選択される。
a=校正刷りデバイスプロフィールの階調主要密度−P値より大きくそれに最も近いプレスプロフィール調整済みソリッド又は階調又は密度−P
Figure 2004536730
【0263】
ステップ2204では、校正刷りデバイスプロフィールの階調主要密度値未満でこれに最も近いプレスプロフィール制御セットポイント密度読みとり値が選択される。
b=校正刷りデバイスプロフィールの階調主要密度−P値未満でこれに最も近いプレスプロフィール調整済みソリッド又は階調主要密度−P
Figure 2004536730
【0264】
ステップ2206では、これら2つの値aとbとの間の色密度の差xを計算する。ステップ2208では、ステップ2202で選択されたプレスプロフィール制御セットポイントと関連するパーセントドット値を、ステップ2204で選択されたプレスプロフィール制御セットポイントのパーセントドット値から減算する。
y=パーセントドット値(a)−パーセントドット値(b)
Figure 2004536730
【0265】
ステップ2210では、ステップ2204の結果を校正座売りデバイスプロフィールの恣意聴取用密度−P力減算する。
z=校正刷りデバイスプロフィール階調主要密度−P−b
Figure 2004536730
【0266】
ステップ2212では、ステップ2210の結果をステップ2206の結果で除算する。
Figure 2004536730
【0267】
網掛けの又は階調のパーセントドット調整値uを、w*yという乗算によってステップ2214で計算してもよい:
Figure 2004536730
【0268】
ステップ2216では、校正刷りデバイスプロフィールの階調主要密度−P値を生じるために必要とされるドットサイズ(「必要ドットサイズ」)を計算する:
必要ドットサイズ=パーセントドット値(b)+u
Figure 2004536730
【0269】
次に、このデータを、図11のステップ1108で説明したように、印刷機を校正するためにCMYK各々の各制御セットポイントに対する制作印刷業務CTPプレートに適用する。
【0270】
例を図示する。25パーセントドット値を有する0.20という校正刷りデバイスプロフィールの階調主要密度−P値の場合、2つのプレスプロフィール調整済みソリッド又は階調主要密度−P値を、ステップ2202と2204で値aとbに対して選択する。この例では、25パーセントドット値を有する校正刷りデバイスプロフィールの階調主要密度−P値より大きくこれに最も近い0.30という第1のプレスプロフィール調整済みソリッド又は階調主要密度−P値によって、a=1.11となる。同様に、この例では、10パーセントドット値を有する校正刷りデバイスプロフィールの階調主要密度−P値より小さくこれに最も近い0.10という第2のプレスプロフィール調整済みソリッド又は階調主要密度−P値によって、b=0.1となる。ステップ2206〜2216と進行すると、x=0.2;y=15パーセント;z=0.1;w=.1/.2=0.5;u=0.5*15%=7.5パーセント及び必要なドットサイズは10+7.5=17.5パーセントとなる。
【0271】
図23は、ステップ1912で説明したように、校正刷りデバイスプロフィールを基準として用いて印刷物制作品質管理を実行する方法の例である。ステップ2302では、色サンプルを、プレスカラーバー変換されたセグメント1600A、B、C及び/又はDの内の1つ以上から(たとえば、密度読みとり値を提供することによって)測定する。この方法は、従来のシステムで可能である以上に校正刷りデバイスプロフィールに対するソリッド密度を制御できるという利点がある。
【0272】
ステップ2304では、本方法は、値X1(サンプル)によって代表されるように、各サンプルに対する結果を計算する。ある特定の実施形態では、次にようになる:
X1(サンプル)=複数のセグメントの平均のソリッド又は階調主要密度−P(サンプル)
Figure 2004536730
【0273】
言い換えれば、制御セットポイントT−02の密度値を、変換済みセグメント1600A、B、C及び/又はDに対して測定する。
【0274】
ステップ2306では、値Y1(サンプル)によって代表される各サンプルの値を、変換済みセグメント1600A、B、C及び/又はDの階調とソリッド色サンプル(たとえば、100、75、50及び25パーセントドット値)に対応する制御セットポイントに対する参照された校正刷りデバイスプロフィールの平均主要密度−P毎に計算する。ステップ2308では、本方法は、X1からY1を減算することによって、変換済みセグメントのソリッド色サンプル及び階調カラーサンプルと校正刷りデバイスプロフィール間での密度変化を計算する。
【0275】
図24は、図19のステップ1918で説明したように、プレスプロフィールを基準として印刷物制作品質管理を実行するために用いられる方法の例である。ステップ2402で、色サンプルを、プレスカラーバーの線形セグメント1601、1602、1603及び/又は1604の内の1つ以上から(たとえば、密度読みとり値を提供することによって)測定する。ステップ2404では、本方法は、値X2(サンプル)で代表されるような各サンプルに対して結果としての平均値を計算する。ある特定の実施形態では、次のようになる:
X2(サンプル)=平均のソリッド又は階調主要密度−P(サンプル)
Figure 2004536730
【0276】
ステップ2406では、値Y2(サンプル)で代表されるプレスプロフィール実際ソリッド又は階調主要密度−P値は、線形セグメント1601、1602、1603及び/又は1604の階調とソリッドの色サンプル(たとえば、100、75、50及び25パーセントドット値)に対応するグループNo.2データ制御セットポイントの参照されたプレスプロフィールに対する平均の主要密度−Pを用いて計算される。ステップ2408では、プレスプロフィールを、校正刷りデバイスプロフィール中の値により近似するようにY2に基づいて調整して、値Z2、プレスプロフィールの調整済みソリッド又は階調主要密度−Pを生じる。このような調整のための1つの方法を、図21を参照して説明する。ステップ2410で、この方法は、X2からZ2を減算することによって、プレスプロフィールと線形セグメントソリッド及び階調色サンプル間の密度変化データを計算する。
【0277】
図25は、印刷調整システム2500のブロック図である。システム2500は、通信リンク2515を含む多くのエレメントにカップリングされるコンピュータ2520を含む。たとえば、コンピュータ2500は、通信リンク2515を介して、コンピュータネットワーク、電話回線、アンテナ、ゲートウエイ又は他の何らかの通信リンクにカップリングされる。コンピュータ2520もまた、入力デバイス2510、校正刷りデバイス2540及び/又はプレス出力デバイス2550にカップリングされる。プレス出力デバイス2550は、オフセットリソグラフィ、手紙プレス、フレキソ印刷、グラビア、スクリーン印刷などのプレスを用いる印刷済みプロダクツを提供することが可能なオフセットリソグラフィ制作印刷プレスなどのなんらかの印刷デバイスである。このような実施形態では、データは校正刷りデバイス2540及び/又はプレス出力デバイス2550から転送及び/又は受領されて、印刷物制作業務を実行するために自動的にデータを転送する。
【0278】
コンピュータ2520は、汎用又は特定目的用のコンピュータであり、また、プロセッサ2552と、ランダムアクセスメモリ(RAM)及びリードオンリメモリ(ROM)を含むメモリ2524とを含む。コンピュータ2520は、メモリ2524及び/又は入/出力デバイス2512に記憶される1つ以上の印刷調整用アプリケーション2526を実行するために用いられる。結果は、ディスプレイ2516を用いて表示される及び/又はなんらかの適切な記憶媒体である入/出力デバイス2512に記憶される。データ処理は、コンピュータ2520又は別個のデバイス中に含まれる特別目的のディジタル回路を用いて実行される。このような専用のディジタル回路には、たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC)、状態機械、ファジーロジック及び他の従来の回路が含まれる。コンピュータ2520は、公知のMS−DOS、PC−DOS、OS2、UNIX(R)、MAC−OS並びにウインドウオペレーティングシステムもしくは、非通常のオペレーティングシステムを含む他のオペレーティングシステムを実行するようになっている。
【0279】
入力デバイス2510は、分光測光器、デンシトメータ、スキャナ又は他の密度値提供動作可能デバイスなどの色密度測定デバイスである。こうする替りに、色密度測定を、たとえば、スキャナ、分光測光器又はデンシトメータで値を提供し、次に、測定結果をキーボード2514や他の手段を用いて入力することによって手動で実行することが可能である。
【0280】
ファイルを読みとったり記憶したりするための、また、通信するための追加の入/出力デバイスを含むことが可能である。本発明を実行するために、特定のタイプのハードウエアやソフトウエアを必要とするわけではないが、本書に記載するようなプロセスを実行することが可能である必要がある。代替例では、コンピュータ2520の代りに、本発明は、プログラムを実行する及び/又はデータファイルを記憶するコンピュータ又はサーバコンピュータなどのインターネットを介してアクセス可能なシステムを含む、コンピュータのネットワーク上で又はこれと協力して実行するようにプログラムすることが可能である。たとえば、調整値を、フロッピディスクや、通信リンク2515や、これら双方の組み合わせを用いて電子的な形態でコンピュータ2520に提供してもよい。これで、制作印刷業務を、プレス出力デバイス2550を用いて実行する。
【0281】
図11、13〜15及び17〜24に示す方法が、コンピュータ上で実行される。これらの方法は、様々なロジック的な又は機能的な校正を用いて実行され、また、複数のもしくは1つのステップで実行される。これらの方法はまた、実施形態しだいでは様々なステップを省略する。これらの方法は、オブジェクト指向、Fortran、C及び他の言語を含むどのような言語をも利用し、また、ある特定の実施形態では、Clipperなどの高級言語で書かれたりする。これらの方法は、マシン読みとり可能形態で、CD−ROM、磁気ディスク又は他の媒体上に記憶され、また、インターネットを介してアクセスし、図25に示すようにダウンロードしてコンピュータに入力可能である。
【0282】
本発明を前記の詳細な記述でいくつかの実施形態を図示、説明したが、多くの変化、変更、変換及び修正が当業者には示唆され、また、本発明は、添付クレームの精神及び範囲に入るこのような変化、変更、修正及び変換を網羅することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0283】
本発明、その目的及び利点をより完全に理解されるように、以下の添付図面と共に次の説明を参照する。
【図1】本発明のある実施形態にしたがって色管理を実行するために用いられるシステムの例のブロック図である。
【図2】本発明のある実施形態による色管理の方法の図である。
【図3】本発明のある実施形態にしたがって生産印刷ジョブを実行する方法の図である。
【図4】本発明のある実施形態による2つのセットを成す印刷用インクの色域上のソリッド主要密度値の密度範囲、すなわち色密度範囲同士間の関係の例を図示する図である。
【図5】本発明にしたがって印刷調整値を提供する方法の例の図である。
【図6】本発明の教示による例示のシステム混合データフォーム(”SADF”)の図である。
【図7】本発明の教示にしたがって色域密度調整係数(CGDAF)を提供する方法の例の図である。
【図8】本発明の教示にしたがってパーセントドット色補正係数を提供する方法の例の図である。
【図9】加算性の不良と色域との間の関係の例を図形で示す図である。
【図10】本発明で用いられる例示のコンピュータを示す高レベルの図である。
【図11】本発明にしたがって印刷調整値を提供する方法の例の図である。
【図12】本発明の教示による例示の印刷調整データフォーム(”PADF”)の図である。
【図13】本発明の教示にしたがって校正刷りデバイスプロフィールを作成する方法の例の図である。
【図14】本発明の教示にしたがってプレスプロフィールを作成する方法の例の図である。
【図15】本発明の教示にしたがってPADFの印刷機の工程を実行する方法の例の図である。
【図16A】本発明の教示にしたがって用いられるプレスカラーバーの例を示す図である。
【図16B】本発明の教示にしたがって用いられるプレスカラーバーの態様を図形で示す図である。
【図17】本発明の教示にしたがって改良済みのプレス準備手順を実行する方法の例の図である。
【図18】本発明の教示にしたがってプレスプロフィール用のデータを測定する方法の例の図である。
【図19】本発明の教示にしたがって1D変換用データを生成してこのデータを生産工程中で適用する方法の例の図である。
【図20】本発明の教示にしたがって1D変換用データを生成する方法の例の図である。
【図21】本発明の教示にしたがってプレスプロフィール主要密度を調整して、校正刷りデバイスプロフィールとプレスプロフィールとの間の差を補償する方法の例の図である。
【図22】本発明の教示にしたがって1D変換用データ値を作成する方法の例の図である。
【図23】本発明の教示にしたがって印刷生産品質管理を実行する方法の例の図である。
【図24】本発明の教示にしたがって印刷生産品質管理を実行する別の方法の例の図である。
【図25】本発明で用いられる例示のコンピュータを示す高レベルの図である。

Claims (25)

  1. 第1のセットの規格にしたがって校正刷りシステムのための第1のセットの1次元プロフィール密度値を提供するステップと;
    前記第1のセットの規格にしたがって前記校正刷りシステムのための第1のセットのシステム混合密度値を提供するステップと;
    第2のセットの規格にしたがってプレス出力デバイスを用いて第2のセットの1次元密度値を提供するステップと;
    前記第2のセットの規格にしたがって前記プレス出力デバイスを用いて第2のセットのシステム混合密度値を提供するステップと;
    前記第1のセットの規格に準拠した第2の校正刷りシステムを用いて生産印刷ジョブの校正刷りを作成するステップと;
    前記第1及び第2のセットの1次元密度値並びに前記第及び第2のセットのシステム混合密度値に応答して前記生産印刷ジョブを提供するステップと;
    を含む色管理方法。
  2. 前記第2のセットの規格が、前記第1のセットの規格の少なくとももう一つの密度値より大きい少なくとも1つの密度値を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の規格が、シアンチャンネルに対する少なくとも1.60というソリッド主要密度値と、マジェンタチャネルに対する少なくとも1.60というソリッド主要密度値と、黄色チャネルに対する少なくとも1.10というソリッド主要密度値と、黒チャネルに対する少なくとも1.85というソリッド主要密度値とを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第2の規格が、シアンチャンネルに対する少なくとも1.85というソリッド主要密度値と、マジェンタチャネルに対する少なくとも1.85というソリッド主要密度値と、黄色チャネルに対する少なくとも1.25というソリッド主要密度値と、黒チャネルに対する少なくとも1.85というソリッド主要密度値とを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 処理サイトにカップリングされ、また、少なくとも1つの反射型多色再現システム(RM/CRS)によって発生された密度値を受信し、前記密度値を測定し、前記密度値に関連した品質管理を実行するように動作可能なカウンセリング/管理サイトを備える色管理システムにおいて、前記処理サイトが:
    前記密度値から特徴を評価し;
    前記密度値と前記評価とに応答して係数を計算して、前記係数を加入者に送信し;
    前記係数が、印刷される予定の画像データを調整して発生するために用いられることになっている;
    前記色管理システム。
  6. 前記処理サイトに通信可能にカップリングされ、また、プレス出力デバイスを用いて印刷される予定の前記画像データを発生するように動作可能な印刷出力サイトをさらに備える、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記処理サイトに通信可能にカップリングされ、また、生産校正刷りから前記密度値を発生するように動作可能なコンセプト製版準備サイトをさらに備える、請求項5に記載のシステム。
  8. 前記処理サイトが、少なくとも1つのデータベースを維持するようにさらに動作可能であり、前記データベースが、前記カウンセリング/管理サイトから受信されたデータを記憶するように動作可能である、請求項5に記載のシステム。
  9. 前記データベースが、前記処理サイトにカップリングされており、また、前記密度値の内の少なくとも1つを発生するように動作可能なコンセプト製版準備サイトと、前記処理サイトにカップリングされており、また、プレス出力デバイスを用いて印刷される予定の前記画像データを発生するように動作可能な印刷出力サイトとから成るグループの内の少なくとも1つからのデータを記憶するようにさらに動作可能である、請求項8に記載のシステム。
  10. 複数の校正刷りシステムの内の1つと複数のプレス出力デバイスのうちの1つとの識別子を、処理サイトのところでネットワークを通じて受信するステップと;
    前記複数の校正刷りシステムの内の前記識別された1つと前記複数のプレス出力デバイスの内の前記識別された1つと関連する1次元データとシステム混合データとを、前記処理サイト中で計算するステップであり、前記データは、前記複数のプレス出力デバイスのうちの前記識別された1つを用いて生産印刷ジョブを実行する際に複数の加入者の内の少なくとも一人によって用いられることになっている、前記ステップと;
    前記1次元データとシステム混合データとを中央レポジトリ中に記憶するステップと;
    前記処理サイトからの調整データを、前記ネットワーク上で前記複数の加入者のうちの前記少なくとも一人に通信するステップと;
    を含む、色管理方法。
  11. 第1のセットの規格にしたがって前記複数の校正刷りシステムの内の前記識別された1つの校正刷りシステムによって第1のサンプルデータを発生するステップと;
    第2のセットの規格にしたがって前記複数のプレス出力デバイスの内の前記識別された1つを用いて第2のサンプルデータを発生するステップと;
    前記第1のセットの規格に準拠した前記複数の校正刷りシステムの内の第2の校正刷りシステムを用いて前記生産印刷ジョブの校正刷りを作成するステップと;
    前記生産印刷ジョブの前記校正刷りに応答して前記生産印刷ジョブを提供するステップと;
    をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 校正刷り密度偏差調整用データに応答して前記生産印刷ジョブを提供するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  13. 調達サイトから前記生産印刷ジョブと関連するビジネス情報を提供するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  14. 前記複数の校正刷りシステムの内の前記識別された1つの校正刷りシステムの提供済みの識別子を含むPQC記録を提供するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  15. 複数のプレス出力デバイスの内の1つを用い、また、複数の校正刷りシステムの内の1つに応答して生産印刷ジョブを実行する際に用いられる予定の調整用データを記憶するように動作可能な処理サイト内の中央レポジトリであり、前記処理サイトは、前記複数の校正刷りシステムと前記複数のプレス出力デバイスとに関連する変換用データを記憶するように動作可能である、前期中央レポジトリを備える色管理システムにおいて;
    前記処理サイト中のロジックが;
    ネットワーク上で前記中央データレポジトリと通信して、前記複数の校正刷りシステムの内の前記識別済みの1つの校正刷りシステムと前記複数のプレス出力デバイスの内の前記識別済みの1つのプレス出力デバイスの識別子を前記ネットワーク上で前記処理サイトのところで受信させるように動作し;
    前記調整用データを、前期提供された校正刷りシステムとプレスシステムの識別子に応答して複数の加入者の内の少なくとも一人に対して、前記中央データレポジトリから前記ネットワークを介して提供させる;
    ように動作可能であり;
    前記処理サイトが前記複数の加入者と通信するように動作可能である;
    前記色管理システム。
  16. 前記ロジックが、ビジネス情報を、前記複数の加入者の内の前記少なくとも一人から受信するようにさらに動作可能であり、また、前記調整用データが、前記複数の加入者の内の第2の加入者に提供されて、前記生産印刷ジョブを実行する際に用いられる、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記複数の校正刷りシステムの内の前記1つが、ユニバーサルな校正刷りシステムである、請求項15に記載のシステム。
  18. 複数の校正刷りシステムの内の1つの校正刷りシステムと複数のプレス出力デバイスの内の1つのプレス出力デバイスとの識別子を提供するステップと;
    色管理の態様に影響する5つの主要な変数の内の少なくとも1つの変数の少なくとも1つの変動を補償する前記提供された校正刷りシステムとプレスシステムの識別子に応答して調整用データを提供するステップと;
    を含み、
    前記調整用データが、前記複数のプレス出力デバイスの内の前記1つを用いて、また、前記複数の校正刷りシステムの内の1つの校正刷りシステムに応答して生産印刷ジョブを実行する際に用いられることになっている、
    色管理方法。
  19. 前記5つの主要な変数の内の前記少なくとも1つの変数が、階調再現性、システム混合、色強度域サイズ不整合タイプA、色強度域サイズ不整合タイプB及び、網掛けエリアからの光反射比例性から成るグループの内の1つを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 色管理の態様に影響する前記5つの主要な変数の内の少なくとも3つの変数の少なくとも1つの変動を補償する前記調整用データを提供するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記複数の校正刷りシステムの内の前記1つが、前記複数のプレス出力デバイスの内の前記1つのプレス出力デバイスが準拠している別のセットの規格中の密度値未満である密度値を有するあるセットの規格に準拠している、請求項18に記載の方法。
  22. サブストレートと;
    第1のセットの規格に準拠している校正刷りデバイスを用いる生産印刷ジョブの校正刷りに応答して、また、1次元密度値及びシステム混合密度値とに応答してプレス出力デバイスによって発生された画像データであり、前記画像データが前記サブストレート上に常駐する、前記画像データと;
    を備える印刷済み画像であり、
    前記1次元密度値と前記システム混合密度値とは、前記第1のセットの規格による第2の校正刷りデバイスと、第2のセットの規格による前記プレス出力デバイスとによって発生される、
    前記印刷済み画像。
  23. 前記画像データが、CTPプレート、シリンダ、中間フィルム及び直接撮像技術から成るグループの内の少なくとも1つによって発生される、請求項22に記載の画像。
  24. 前記プレス出力デバイスが、加入者サイトに常駐する、請求項22に記載の画像。
  25. 前記1次元密度値とシステム混合密度値の内の少なくとも一部分を処理サイトで計算するステップをさらに含む、請求項22に記載の画像。
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