JP2004509972A - 酵母に対する殺真菌活性を有するトリテルペン - Google Patents
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Abstract
Description
(発明の背景)
ベツリンは、アメリカシラカンバ樹(Betula paperifera)の外樹皮から誘導されたペンタサイクリックトリテルペノイドである。ベツリンは、シラカバの樹皮に約24%までの濃度で存在し得る。Merck Index、第12版、1236頁、1996年。ルペオールは、カバノキの樹皮および他の植物供給源においても見出される関連する化合物である。ルペロールは、カバノキの樹皮の約1.5〜3%の濃度で存在し、そしてCanavalia ensiformis(アジア、インドおよびアフリカの湿地熱帯地方に広がる植物)中で約8.2%までの濃度で存在する。アロベツリンは、カバノキの樹皮に見出される別のトリテルペノイドである。カバノキの処理する代表的なパルプ製材所は、有意な量のこれらのトリテルペノイドの安価な単離を可能にするに十分な、樹皮廃棄物を生成する。
【0002】
真菌は、ヒトに感染し、そしてヒトの健康上の問題の主要な原因である。真菌はまた、植物に感染し、農業生産性における莫大な損失をもたらす。哺乳動物の真菌感染の1つの型は、皮膚糸状菌感染である。髪、爪、および皮膚の真菌感染が存在する。これらの感染は、「皮膚糸状菌」と称される真菌によって引き起こされ、この真菌としては、Epidermophyton属、Microsporum属、およびTrichophyton属に属する種が挙げられる。皮膚糸状菌の種の中には、以下がある:Microsporum canis(これは、主に子供において、頭皮および皮膚の感染を引き起こす);Microsporum gypseum(これもまた、動物およびヒトにおいて、頭皮および皮膚の感染を引き起こす);Trichophyton tonsurans(頭皮の白癬を引き起こす主要な因子);Trichophyton rubrum(皮膚、爪、髪、および頭皮の感染を引き起こす);およびTrichophyton mentagrophytes(これは、体表面の全部分で生じ得る)。
【0003】
他の真菌感染因子としては、免疫不全のヒトに感染する傾向のある日和見種(opportunists)が挙げられる。これらとしては、Cryptococcus、Candida、およびAspergillusが挙げられる。
【0004】
ベツリンおよび関連化合物は、単純疱疹ウイルスに対する抗ウイルス活性を有することが示された。Carlsonら、米国特許第5,750,578号。
【0005】
真菌感染を処置するために使用される現在の薬剤としては、ポリエン抗生物質(ナイスタチンを含む);合成アゾール;およびグリセオフルビンが挙げられる。真菌感染は、例えば、ヒトのように真核生物なので、処置が困難である。
【0006】
現在、新規の抗真菌剤および新規の抗酵母剤についての必要性が存在する。特に、ある範囲の種(皮膚糸状菌真菌、酵母およびCandidaを含む)に対して作用する薬剤についての必要性が存在する。新規の抗真菌剤は、これらが豊富な天然の生成物であるか、または豊富な天然の生成物から容易に合成される場合、製造が高価ではなくなる。
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、真菌感染または酵母感染に羅患した哺乳動物を処置する医薬の製造のための、式(I)の化合物:
【0008】
【化5】
、またはその薬学的に受容可能な塩の使用を提供し、
ここで、
R1は、水素またはヒドロキシであり;
R2は、直接結合、カルボニル、オキシ、チオ、カルボニルオキシ、オキシカルボニル、(C6〜C10)アリール、または(C1〜C6)アルキルであり;
R3は、水素、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルキル、O=P(OH)2、O=P(OH)2OP(O)(OH)−、(C1〜C5)アルカノイル、Si(R)3(ここで、各Rは、H、フェニルもしくは(Cl〜C6)アルキルである)、C(O)N(R)2、ベンジル、ベンゾイル、テトラヒドロピラン−2−イル、1−[(C1〜C4)アルコキシ](C1〜C4)アルキル、またはグリコシドであり;
R4は、水素、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルキル、O=P(OH)2、O=P(OH)2OP(O)(OH)−、(C1〜C5)アルカノイル、Si(R)3(ここで、各Rは、H、フェニルもしくは(C1〜C6)アルキルである)、C(O)N(R)2、ベンジル、ベンゾイル、テトラヒドロピラン−2−イル、1−[(C1〜C4)アルコキシ](C1〜C4)アルキル、またはグリコシドであるか;あるいは、R4およびR5は、一緒になってオキソであり;そして、
R5は、直接結合、カルボニル、オキシ、チオ、カルボニルオキシ、オキシカルボニル、(C6〜C10)アリール、または(C1〜C6)アルキルであるか;あるいは、R4およびR5は、一緒になってオキソであり;
ここで、任意のアルキルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、(C6〜C10)アリール、ニトロ、シアノ、(C1〜C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレングリコール)、オキソ、NR7R8(ここで、R7およびR8は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキルもしくはポリエチレンイミンである);またはC(=O)OR9(ここで、R9は、水素、(C1〜C6)アルキル、もしくはポリエチレンイミンである)で必要に応じて置換され得;
−−−によって表わされる各々の結合は、独立して、非存在であるか、または存在しており;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、ポリエチレンイミン、またはポリ(エチレングリコール)により炭素が分断されており;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、部分的に不飽和であり;
ここで、任意のアリールは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、(C1〜C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレングリコール)、オキソ、NR7R8(ここで、R7およびR8は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキルもしくはポリエチレンイミンである);またはC(=O)OR9(ここで、R9は、水素、(C1〜C6)アルキル、またはポリエチレンイミンである)で必要に応じて置換され得る。
【0009】
本発明はまた、真菌感染または酵母感染に羅患した哺乳動物を処置する医薬の製造のための、式(II)の化合物:
【0010】
【化6】
、またはその薬学的に受容可能な塩の使用を提供し、
ここで、
R1およびR2の一方は、−O−Yであり、そして他方は、水素、またはヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ハロ、ハロ(C1〜C6)アルコキシもしくはNRjRkで必要に応じて置換された(C1〜C6)アルキルであり、ここで、RjおよびRkは、独立して、H、(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C6)アルコニルであるか;あるいは、R1およびR2は、一緒になってオキソ(=O)であり; R3は、水素、ハロ、カルボキシ、メルカプト、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、または−O−Yであり;
R4およびR5は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、またはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであり;
R6は、水素であるか、または隣接した−−−が結合である場合存在せず;
R7は、水素または(C1〜C6)アルキルであり;
R8は、水素、(C1〜C6)アルキル、またはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであり、そしてR11は、水素、(C1〜C6)アルキル、カルボキシ、またはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであるか;あるいは、R8およびR11は、一緒になって−O−C(=X)−であり;
R9およびR10は、各々独立して、水素または(C1〜C6)アルキルであり; −−−によって表わされる各々の結合は、独立して非存在であるか、または存在しており;
Xは、2個の水素、オキソ(=O)、またはチオキソ(=S)であり;
各Yは、独立して、H、アリール、P(O)(Cl)2、(C3〜C8)シクロアルキル、アダマンチル、−SO2RaO=P(Rb)2、O=P(Rc)2OP(O)(Rd)−、Si(Re)3、テトラヒドロピラン−2−イル、アミノ酸、ペプチド、グリコシド、または非過酸化物のオキシ、チオおよび−N(Rf)−から選択される1個、2個、もしくは3個のヘテロ原子を必要に応じて含む1〜10員の分枝もしくは非分枝の炭素鎖であり;ここで、この鎖は、必要に応じて、1個、2個、3個または4個のオキソ(=O)、ヒドロキシ、カルボキシ、ハロ、メルカプト、ニトロ、−N(Rg)(Rh)、(C3〜C8)シクロアルキル、(C3〜C8)シクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、アダマンチル、アダマンチルオキシ、ヒドロキシアミノ、トリフルオロアセチルアミノ、グリコシド、アミノ酸またはペプチドで、炭素を置換され得;そしてここで、この鎖は、必要に応じて、飽和もしくは不飽和(例えば、1つ、2つ、3つまたはそれ以より多くの二重結合または三重結合を含む)であり得;
Raは、(C1〜C6)アルキルまたはアリールであり;
Rb、RcおよびRdは、各々独立して、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C2〜C6)アルコキシ、アダマンチルオキシ、アダマンチル(C1〜C6)アルコキシ、ノルボルニルオキシ、1,1−ジ(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエトキシ、カルボキシ(C1〜C6)アルコキシ、2,3−エポキシプロピルオキシ、ベンジルオキシ、(C3〜C8)シクロアルキルオキシ、NRxRy、またはアリールオキシであり
Reは、H、アリールまたは(C1〜C6)アルキルであり;
Rfは、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、フェニルまたはベンジルであり;
RgおよびRhは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アダマンチル、アダマンチル(C1〜C6)アルキル、アミノ(C1〜C6)アルキル、アミノスルホニル、(C1〜C6)アルカノイル、アリール、およびベンジルからなる群より選択されるか;あるいは、RbおよびRcは、それらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ基、ピペリジノ基またはモルホリノ基を形成し;そして、
RxおよびRyは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、アリールまたはベンジルであり;
ここで、Y、Ra〜Rd、Rg〜Rh、RxおよびRyの各アリールは、必要に応じて、1個、2個、または3個のアミノスルホニル、カルボキシ、NRiRj、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、メルカプト、カルボキシ、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、トリフルオロメトキシ、(C1〜C6)アルカノイル、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルチオ、または(C1〜C6)アルカノイルオキシで置換され得;ここで、RiおよびRjは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、フェニル、またはベンジルであり;
ここで、任意のアルキルは、1つ以上のポリエチレンイミン、またはポリ(エチレングリコール)で必要に応じて置換され得;そしてここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のポリエチレンイミン、またはポリ(エチレングリコール)により分断され得る。
【0011】
本発明はまた、真菌または酵母を阻害または殺傷する方法を提供し、この方法は、この真菌または酵母に、有効な抗真菌または抗酵母量の式(I)のトリテルペン:
【0012】
【化7】
またはその薬学的に受容可能な塩を接触させる工程を包含し、ここで、
R1は、水素またはヒドロキシであり;
R2は、直接結合、カルボニル、オキシ、チオ、カルボニルオキシ、オキシカルボニル、(C6〜C10)アリール、または(C1〜C6)アルキルであり;
R3は、水素、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルキル、O=P(OH)2、O=P(OH)2OP(O)(OH)−、(C1〜C5)アルカノイル、Si(R)3(ここで各Rは、H、フェニルもしくは(C1〜C6)アルキルである)、C(O)N(R)2、ベンジル、ベンゾイル、テトラヒドロピラン−2−イル、1−[(C1〜C4)アルコキシ](C1〜C4)アルキル、またはグリコシドであり;
R4は、水素、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルキル、O=P(OH)2、O=P(OH)2OP(O)(OH)−、(C1〜C5)アルカノイル、Si(R)3(ここで各Rは、H、フェニルもしくは(C1〜C6)アルキルである)、C(O)N(R)2、ベンジル、ベンゾイル、テトラヒドロピラン−2−イル、1−[(C1〜C4)アルコキシ](C1〜C4)アルキル、またはグリコシドであるか;あるいはR4およびR5は、一緒になってオキソであり;そして
R5は、直接結合、カルボニル、オキシ、チオ、カルボニルオキシ、オキシカルボニル、(C6〜C10)アリール、または(C1〜C6)アルキルであるか;あるいはR4およびR5は、一緒になってオキソであり;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、(C6〜C10)アリール、ニトロ、シアノ、(C1〜C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレングリコール)、オキソ、NR7R8(ここで、R7およびR8は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキルもしくはポリエチレンイミンである);またはC(=O)OR9(ここでR9は、水素、(C1〜C6)アルキル、またはポリエチレンイミンである)で置換され得;
−−−によって表される結合の各々は、独立して、非存在または存在し;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、ポリエチレンイミン、またはポリ(エチレングリコール)で炭素が分断されており;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、部分的に不飽和であり;
ここで、任意のアリールは、必要に応じて、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、(C1〜C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレングリコール)、オキソ、NR7R8(ここでR7およびR8は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキルもしくはポリエチレンイミンである);またはC(=)O)OR9(ここでR9は、水素、(C1〜C6)アルキル、またはポリエチレンイミンである)で置換され得る。
【0013】
本発明はまた、真菌または酵母を阻害または殺傷する方法を提供し、この方法は、この真菌または酵母を、有効な抗真菌または抗酵母量の式(II)のトリテルペン:
【0014】
【化8】
またはその薬学的に受容可能な塩と接触させる工程を包含し、ここで、
R1およびR2のうちの一方は、−O−Yであり、そして他方は、水素、またはヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ハロ、ハロ(C1〜C6)アルコキシもしくはNRjRkにより必要に応じて置換された(C1〜C6)アルキルであり、ここで、RjおよびRkは、独立して、H、(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C6)アルコニル(alkonyl)であるか;あるいはR1およびR2は、一緒になってオキソ(=O)であり;
R3は、水素、ハロ、カルボキシ、メルカプト、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、または−O−Yであり;
R4およびR5は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキルまたはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであり;
R6水素であるか、または隣接する−−−が結合である場合は非存在であり;
R7は、水素または(C1〜C6)アルキルであり;
R8は、水素、(C1〜C6)アルキルもしくはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであり、そしてR11は、水素、(C1〜C6)アルキル、カルボキシ、もしくはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであるか;またはR8およびR11は、一緒になって、−O−C(=X)−であり;
R9およびR10は、各々独立して、水素または(C1〜C6)アルキルであり;
−−−によって表される結合の各々は、独立して、非存在または存在し;
Xは、2つの水素、オキソ(=O)またはチオキソ(=S)であり;
各Yは、独立して、H、アリール、P(O)(Cl)2、(C3〜C8)シクロアルキル、アダマンチル、−SO2RaO=P(Rb)2、O=P(Rc)2OP(O)(Rd)−、Si(Re)3、テトラヒドロピラン−2−イル、アミノ酸、ペプチド、グリコシド、または1〜10員の分枝または非分枝の炭素鎖であり、この炭素鎖は、必要に応じて、非過酸化物のオキシ、チオ、および−N(Rf)−から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含み;ここで、この鎖は、必要に応じて、炭素上で、1個、2個、3個、または4個のオキソ(=O)、ヒドロキシ、カルボキシ、ハロ、メルカプト、ニトロ、−N(Rg)(Rh)、(C3〜C8)シクロアルキル、(C3〜C8)シクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、アダマンチル、アダマンチルオキシ、ヒドロキシアミノ、トリフルオロアセチルアミノ、グリコシド、アミノ酸、またはペプチドで置換され得;そしてここで、この鎖は、必要に応じて、飽和または不飽和(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれより多くの二重結合または三重結合を含む)であり得;
Raは、(C1〜C6)アルキルまたはアリールであり;
Rb、Rc、およびRdは、各々独立して、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C2〜C6)アルコキシ、アダマンチルオキシ、アダマンチル(C1〜C6)アルコキシ、ノルボルニルオキシ、1,1−ジ(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエトキシ、カルボキシ(C1〜C6)アルコキシ、2,3−エポキシプロピルオキシ、ベンジルオキシ、(C3〜C8)シクロアルキルオキシ、NRxRy、またはアリールオキシであり;
Reは、H、アリールまたは(C1〜C6)アルキルであり;
Rfは、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、フェニルまたはベンジルであり;
RgおよびRhは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アダマンチル、アダマンチル(C1〜C6)アルキル、アミノ(C1〜C6)アルキル、アミノスルホニル、(C1〜C6)アルカノイル、アリールおよびベンジルからなる群より選択されるか;またはRbおよびRcは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ基、ピペリジノ基、またはモルホリノ基を形成し;そして
RxおよびRyは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、アリールまたはベンジルであり;
ここで、Y、Ra〜Rd、Rg〜Rh、Rx、およびRyの各アリールは、必要に応じて、1個、2個または3個のアミノスルホニル、カルボキシ、NRiRj(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、メルカプト、カルボキシ、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、トリフルオロメトキシ、(C1〜C6)アルカノイル、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルチオ、または(C1〜C6)アルカノイルオキシにより置換され得;ここで、RiおよびRjは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、フェニル、またはベンジルであり;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のポリエチレンイミンまたはポリ(エチレングリコール)で置換され得;そしてここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のポリエチレンイミンまたはポリ(エチレングリコール)で分断され得る。
【0015】
本発明は、式(I)および式(II)の新規化合物、ならびに式(I)および式(II)の化合物の合成の中間体を提供する。本発明はまた、他の有用な化合物の合成のための中間体として有用である式(I)および式(II)の化合物を提供する。本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)における細菌感染の処置に有用である医薬の製造のための式(I)および式(II)の化合物の使用を提供する。本発明はまた、式(I)および式(II)の化合物を調製するためのプロセスを提供する。
【0016】
(詳細な説明)
他に記載しない限り、以下の定義を使用する:ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードである。アルキル、アルコキシ、アルケニルなどは、直鎖基および分枝基の両方を示すが;特有の基(例えば、「プロピル」)に対する言及は、直鎖の基のみを含み、分枝鎖異性体(例えば、「イソプロピル」)は、特にそのように言及される。アリールは、フェニル基または約9〜10個の環原子(ここで、少なくとも1つの環が芳香族である)を有するオルト融合した二環式炭素環式基を示す。
【0017】
キラル中心を有する本発明の化合物が光学活性形態およびラセミ形態で存在および単離され得ることは、当業者によって認識される。いくつかの化合物は、多型で存在し得る。本発明が、本発明の化合物(これは、本明細書中に記載される有用な特性を保有する)のラセミ形態、光学活性形態、多形形態、もしくは立体異性体形態、またはこれらの混合物のいずれかを含むことが理解されるべきであり、光学活性形態を調製する方法(例えば、再結晶化技術によるラセミ形態の分割によって、光学活性な出発材料からの合成によって、キラル合成によって、またはキラル固定相を用いたクロマトグラフィー分離によって)、および本明細書中に記載される標準的な試験または当該分野で周知の他の類似試験を用いて抗菌活性を決定する方法は、当該分野で周知である。
【0018】
基、置換基、および範囲について以下に列挙する特定の値および好ましい値は、単なる例示である;これらの値は、他の規定された値または基および置換基についての規定された範囲内の他の値を除外しない。
【0019】
詳細には、(C1〜C6)アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、s‐ブチル、ペンチル、3−ペンチル、またはヘキシルであり得る;特に、不飽和(C2〜C6)アルキルまたは(C2〜C6)アルケニルは、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、または5−ヘキセニルであり得る;(C1〜C5)アルカノイルは、カルボニル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、イソプロパノイル、またはペンテノイルであり得る;(C1〜C5)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ−ブトキシ、s−ブトキシ、ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、またはヘキシルオキシであり得る;ハロ(C1〜C6)アルコキシは、トリフルオロメチルオキシ、2−クロロエチルオキシ、3,3−ジクロロプロピルオキシ、または4,4,4−トリフルオロブチルオキシであり得る;(C3〜C8)シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルであり得る;(C3〜C8)シクロアルキルオキシは、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、またはシクロオクチルオキシであり得る;ヒドロキシ(C1〜C6)アルコキシは、ヒドロキシメトキシ、1−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、1−ヒドロキシプロポキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、1−ヒドロキシブトキシ、4−ヒドロキシブトキシ、1−ヒドロキシペントキシ、5−ヒドロキシペントキシ、1−ヒドロキシヘキソキシ、または6−ヒドロキシヘキソキシであり得る;アミノ(C1〜C6)アルキルは、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、1−アミノブチル、2−アミノブチル、3−アミノブチル、4−アミノブチル、1−アミノペンチル、2−アミノペンチル、3−アミノペンチル、5−アミノペンチル、1−アミノヘキシル、2−アミノヘキシル、3−アミノヘキシル、または6−アミノヘキシルであり得る;(C1〜C6)アルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、2−メチルプロピルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、またはヘキシルオキシカルボニルであり得る;(C1〜C6)アルカノイルオキシは、カルボニルオキシ、アセチルオキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、2−メチルプロパノイルオキシ、2−メチルブタノイルオキシ、3メチルブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、またはヘキサノイルオキシであり得る。
【0020】
「3−カルボキシプロペノイルオキシメチル」は、構造−CH2OC(=O)CH=CHCOOHをいう。
【0021】
「アミノアセトキシメチル」は、構造−CH2OC(=O)CH2NH2をいう。
【0022】
「(カルボキシメトキシ)アセトキシメチル」は、構造−CH2OC(=O)CH2OCH2COOHをいう。
【0023】
「4−カルボキシブタノイルオキシメチル」は、構造−CH2OC(=O)CH2CH2CH2COOHをいう。
【0024】
「3−カルボキシプロパノイルオキシメチル」は、構造−CH2OC(=O)CH2CH2COOHをいう。
【0025】
「カルボキシカルボニルオキシメチル」は、構造−CH2OC(=O)COOHをいう。
【0026】
「2−アミノ−3−メチル−ブタノイルオキシメチル」は、構造−CH2OC(=O)CH(NH2)CH(CH3)2をいう。
【0027】
「4−カルボキシ(3,3−ジメチル)ブタノイルオキシメチル」は、構造−CH2OC(=O)CH2C(CH3)2CH2COOHをいう。
【0028】
「2−カルボキシベンゾイルオキシメチル」は、構造
【0029】
【化9】
をいう。
【0030】
「ブタノイルオキシメチル」は、構造−CH2OC(=O)CH2CH2CH3をいう。
【0031】
「2−カルボキシベンゾイル」は、構造
【0032】
【化10】
をいう。
【0033】
「2−アミノ−3−メチルブタノイル」は、構造−C(=O)CH2(NH2)CH2(CH3)2をいう。
【0034】
「3−カルボキシプロペノイル」は、構造−C(=O)CH=CHCOOHをいう。
【0035】
「アミノアセチル」は、構造−C(=O)CH2NH2をいう。
【0036】
「4−カルボキシブタノイル」は、構造−C(=O)CH2CH2CH2COOHをいう。
【0037】
「(カルボキシメトキシ)アセチル」は、構造−C(=O)CH2OCH2COOHをいう。
【0038】
「3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロペノイル」は、構造
【0039】
【化11】
をいう。
【0040】
「3−カルボキシプロパノイル」は、構造−C(=O)CH2CH2COOHをいう。
【0041】
「カルボキシカルボニル」は、構造−C(=O)COOHをいう。
【0042】
「4−カルボキシ(3,3−ジメチル)ブタノイル」は、構造−C(=O)CH2C(CH3)2CH2COOHをいう。
【0043】
「カルボキシメチレンチオアセチル」は、構造−C(=O)CH2SCH2COOHをいう。
【0044】
「3−カルボキシ−3−メチルブタノイル」は、構造−C(=O)CH2C(COOH)(CH3)2をいう。
【0045】
用語「アミノ酸」は、D形態またはL形態の天然のアミノ酸の残基(例えば、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Glu、Gln、Gly、His、Hyl、Hyp、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、およびVal)、ならびに非天然のアミノ酸(例えば、ホスホセリン、ホスホトレオニン、ホスホチロシン、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸;馬尿酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、スタチン(statine)、1,2,3,4,−ヒトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、ペニシラミン、オルニチン、シトルリン(citruline)、α−メチル−アラニン、パラ−ベンゾイルフェニルアラニン、フェニルグリシン、プロパルギルグリシン、サルコシン、およびtert−ブチルグリシン)を含む。この用語はまた、従来のアミノ保護基(例えば、アセチルまたはベンジルオキシカルボニル)を保有する天然および非天然のアミノ酸、ならびにカルボキシ末端が保護された(例えば、(C1〜C6)アルキルエステル、フェニルエステル、もしくはベンジルエステル、または(C1〜C6)アルキルアミド、フェニルアミド、もしくはベンジルアミドなど;またはα−メチルベンジルアミドなど)天然および非天然のアミノ酸を含む。他の適切なアミノ保護基およびカルボキシ保護基が当業者に周知である(例えば、T.W.Greene,Protecting Groups In Organic Synthesis;第3版,Wiley:New York,1999,およびその中に引用される参考文献を参照のこと)。アミノ酸は、カルボキシ末端、アミノ末端、または任意の他の好都合な結合点を介して(例えば、システインのイオウを介して)、式(I)または式(II)の化合物の残りの部分に連結され得る。
【0046】
用語「ペプチド」は、2〜25個のアミノ酸(例えば、本明細書中の上記に規定されるようなアミノ酸)残基またはペプチジル残基の配列を記載する。この配列は、線状であっても環状であってもよい。例えば、環状ペプチドは、配列中の2つのシステイン残基間のジスルフィド架橋の形成から調製またはもたらされ得る。ペプチドは、カルボキシ末端、アミノ末端、または任意の他の好都合な結合点を介して(例えば、システインのイオウを介して)、式(I)または式(II)の化合物の残りの部分に連結され得る。好ましくは、ペプチドは、3〜25個のアミノ酸、または5〜21このアミノ酸を含む。ペプチド誘導体は、米国特許第4,612,302号;同第4,853,371号;および同第4,684,620号に開示されるように調製され得る。
【0047】
グリコシドは、単糖、二糖、および多糖と、式(I)または式(II)の化合物の1−2ヒドロキシル基とを反応させることによって形成され、これには、グルコース、グルクロン酸、マンノース、ガラクトース、ソルビトール、リボース、マルトース、スクロース、改変セルロース誘導体、デキストラン、改変澱粉などが挙げられる。これらの誘導体は、ベツリン自体よりも改善された水溶性を有利に示し得る。Remington’s Pharmaceutical Sciences,A.R.Gennaro編、Mack Pub.Co.(第18版、1990)384〜386頁を参照のこと。グリコシド誘導体は、PCT出願WO 96/34005および97/03995に記載されるように調製され得る。
【0048】
用語「ポリエチレンイミン」とは、基(−NHCH2CH2−)x[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2−]yをいう。ポリエチレンイミンは、ハッシュ(hash)マークによって印が付けられた窒素原子のいずれかを介して化合物へと結合し得る。「ポリ(エチレングリコール)」とは、化合物H(OCH2CH2)nOHをいう。これは、末端ヒドロキシルを介して化合物へと結合し得る。
【0049】
用語「部分的に不飽和」とは、1以上の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素をいう。
【0050】
用語「ホスホノ」とは、O=P(OH)2−をいう。
【0051】
用語「直接結合」とは、基が存在しないことをいう。
【0052】
置換基および/または変数の組合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。「安定な化合物」によって、本明細書中では、反応混合物から有用な程度の純度まで単離し、そして有効な抗真菌剤へと処方することに耐えるに十分に頑丈である化合物を意味する。
【0053】
用語「真菌」とは、吸収性栄養を有し、そしてクロロフィルを欠く、真核生物の胞子形成生物の明確な一群をいう。これは、キノコ、カビおよび酵母を包含する。
【0054】
本発明の3つの代表的化合物の構造および炭素の番号付けを以下に示す。
【0055】
【化12】
【0056】
【化13】
式(I)の化合物についての具体例は以下の通りである。
【0057】
炭素1と炭素2との間の結合についての具体例は単結合である。
【0058】
炭素1と炭素2との間の結合についての別の具体例は、二重結合である。
【0059】
R1についての具体例は水素である。
【0060】
R1についての別の具体例はヒドロキシである。
【0061】
R2についての具体例は直接結合である。
【0062】
R3についての具体例は、(C1−C6)アルキルである;ここで、任意のアルキルは、1以上のオキソ、カルボキシ、アミノ、−OP(=O)(OH)2またはフェニルで必要に応じて置換され得;任意のアルキルは、1以上のオキシまたはチオで炭素が必要に応じて分断され;任意のアルキルは、必要に応じて部分的に不飽和であり;そして任意のアリールは、1以上のヒドロキシまたはカルボキシで必要に応じて置換され得る。
【0063】
R3についての別の具体例は、以下である:ヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセトキシメチル、4−カルボキシブタノイルオキシメチル、3−カルボキシプロペノイルオキシメチル、2−カルボキシベンゾイルオキシメチル、3−カルボキシプロパノイルオキシメチル、アミノアセトキシメチル、カルボキシカルボニルオキシメチル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイルオキシメチル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイルオキシメチル、または−CH2OC(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)x−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]y。
【0064】
R4についての具体例は、水素または(C1−C6)アルキルである;ここで、任意のアルキルは、1以上のオキソ、カルボキシ、アミノ、−OP(=O)(OH)2またはフェニルで必要に応じて置換され得;任意のアルキルは、1以上のオキシまたはチオで炭素が必要に応じて分断され;任意のアルキルは、必要に応じて部分的に不飽和であり;そして任意のアリールは、1以上のヒドロキシまたはカルボキシで必要に応じて置換され得る。
【0065】
R4についての別の具体例は、以下である:水素、ヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセチル、4−カルボキシブタノイル、3−カルボキシプロペノイル、2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシプロパノイル、アミノアセチル、カルボキシカルボニル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイル、3−カルボキシ−3−メチルブタノイルまたは−C(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)x−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]y。
【0066】
R5についての具体例はオキシである。
【0067】
化合物の具体的群は、式(I)の化合物であって、ここで、R1が水素またはヒドロキシであり;R2が直接結合であり;R3が(C1−C6)アルキルであり;R4が水素または(C1−C6)アルキルであり;そしてR5がオキシであるかまたはR4とR5とが一緒になってオキソであり;ここで、任意のアルキルは、1以上のオキソ、カルボキシ、アミノ、もしくは−OP(=O)(OH)2、またはフェニルで必要に応じて置換され得;任意のアルキルは、1以上のオキシまたはチオで炭素が必要に応じて分断され;任意のアルキルは、必要に応じて部分的に不飽和であり;そして任意のアリールは、1以上のヒドロキシまたはカルボキシで必要に応じて置換され得る、式(I)の化合物である。
【0068】
化合物の別の具体的群は、式(I)の化合物であって、ここで、R1が水素またはヒドロキシであり;R2が直接結合であり;R3がヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセトキシメチル、4−カルボキシブタノイルオキシメチル、3−カルボキシプロペノイルオキシメチル、2−カルボキシベンジソイオキシメチル、3−カルボキシプロパノイルオキシメチル、アミノアセトキシメチル、カルボキシカルボニルオキシメチル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイルオキシメチル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイルオキシメチル、または−CH2OC(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)x−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]yであり;R4が水素、ヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセチル、4−カルボキシブタノイル、3−カルボキシプロペノイル、2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシプロパノイル、アミノアセチル、カルボキシカルボニル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイル、3−カルボキシ−3−メチルブタノイルまたは−C(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)x−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]yであり;そしてR5がオキシであるかまたはR4とR5とが一緒になってオキソである、式(I)の化合物である。
【0069】
式(I)の化合物の別の具体的群は、以下である:ベツリン;ベツリン−3,28−ジグリシン;ベツリン−28−グリセロールオキザレート;ベツリン−28−グリシン;ベツリン−28−オキザレート;ベツリンアラビノースガラクタン;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3−マレエート;ベツリン−3,28−ジ−(L−グルタミン酸γ−ベンジルエステル)エステル;ベツリン−3,28−ジ−L−アラニン;ベツリン−3,28−ジ−L−プロリンエステル;ベツリン3,28−ジオキザレート;ベツリン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−ジフェニルアラニン;ベツリン−3,28−ジ−(L−プロリンエステル);ベツリン−3,28−ジオキザレートポリエチレンアミン;ベツリン−3,28−ジホスフェート;ベツリン−3−カフェエート;ベツリン−3,28−(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−28−ジグリコレート;ベツリン−28−グルタレート;ベツリン−28−マレエート;ベツリン−28−フタレート;ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−3,28−ジジグリコレート;ベツリン−3,28−ジチオジグリコレート;ベツリン−3,28−ジグルタレート;ベツリン−3,28−ジマレエート;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3,28−ジフタレート;ベツリン−3,28−ジ−L−バリンエステル;ベツリン−28−スクシネート;ベツリン−3,28−ジスクシネート;ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=1448);ベツリン−3,28−ジ(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906(粗製));ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906(純粋));ベツリン酸;ベツロン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−(ジポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル);ヘデリン水和物;ルペオール;ルペオール−3−グルタレート;ルペオール−3−スクシネート;ルペオール−3−チオジグリコレート;ルペオール−3−フタレート;オレアノール酸;ウルソル酸;またはウバオール(uvaol)。
【0070】
式(I)の化合物の別の具体的群は、以下である:ベツリン;ベツリン−3,28−ジグリシン;ベツリン−28−グリセロールオキザレート;ベツリン−28−グリシン;ベツリンオキザレート;ベツリンアラビノースガラクタン;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3−マレエート;ベツリンジ−(L−グルタミン酸γ−ベンジルエステル)エステル;ベツリン3,28−ジ−L−アラニン;ベツリン3,28−ジ−L−プロリン;ベツリン−3,28−ジオキザレート;ベツリン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−ジフェニルアラニンエステル;ベツリン−3,28−ジオキザレート−(ポリエチレンアミン);ベツリン−3−カフェエート;ベツリン−3,28−(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−28−ジグリコレート;ベツリン−28−グルタレート;ベツリン−28−フタレート;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3,28−ジフタレート;ベツリン−3,28−ホスフェート;ベツリン−28−スクシネート;ベツリン−3,28−ジスクシネート;ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=1448);ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906(粗製));ベツリン−3,28−ジ(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906(純粋));ベツロン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−(ジポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル);ヘデリン水和物;ルペオール−3−スクシネート;ルペオール−3−フタレート;ルペオール−3−グルタレート;オレアノール酸;ウルソル酸;またはウバオール。
【0071】
式(I)の化合物の別の具体的群は、以下である:ベツリン;ベツリン−3−マレエート;ベツリン−28−ジグリコレート;ベツリン−28−グルタレート;ベツリン−28−マレエート;ベツリン−28−フタレート;ベツリン−28−スクシネート;ベツリン−3,28−ジグリシン;ベツリン−3,28−ジジグリコレート;ベツリン−3,28−ジマレエート;ベツリン−3,28−ジオキザレート−3−ポリエチレンイミン;ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−3,28−ジオキザレート−3,28−ポリエチレンイミン;ベツリン−3,28−ジフタレート;ベツリン−3,28−ジスクシネート;ベツリン−3,28−ジ−L−バリン;ルペオール;ルペオール−3−アミン;ルペオール−3−(3’,3’−ジメチル)スクシネート;ルペオール−3−マレエート;ルペノン(lupenone);またはルペノン−1,2−エン−2−オール。
【0072】
式(II)の化合物についての具体例は、以下の通りである。
【0073】
炭素1と炭素2との間の結合についての具体例は、単結合である。
【0074】
R1についての具体例は、−O−Yであって、ここで、Yが、水素、アミノ酸または(C1−C6)アルキルであり;ここで、任意のアルキルが、1以上のオキソ、ヒドロキシ、アミノ、フェニルまたはカルボキシで必要に応じて置換され得;任意のアルキル(alky)が、1以上のオキシまたはチオで必要に応じて分断され得;任意のフェニルが、1以上のヒドロキシまたはカルボキシで必要に応じて置換され得る、−O−Yである。
【0075】
R1についての別の具体例は、−O−Yであって、ここで、Yが、水素、3−カルボキシプロパノイル、4−カルボキシブタノイル、または2−アミノ−2−メチルブタノイルである、−O−Yである。
【0076】
R2についての具体例は、水素である。
【0077】
R3についての具体例は、水素である。
【0078】
R4についての具体例は、メチルである。
【0079】
R5についての具体例は、メチルである。
【0080】
R6についての具体例は、水素である。
【0081】
炭素12と炭素13との間の結合についての具体例は、単結合である。
【0082】
R7についての具体例は、水素である。
【0083】
R8およびR11についての具体例は、一緒になって−O−CH2−である。
【0084】
R9についての具体例はメチルである。
【0085】
R10についての具体例はメチルである。
【0086】
式(II)の化合物の具体的な群は、R1が−O−Yであり、そしてYが水素、アミノ酸または(C1−C6)アルキルであり;ここでYのアルキルが、1以上のオキソ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシまたは1以上のヒドロキシもしくはカルボキシで必要に応じて置換されたフェニルで必要に応じて置換され得;そして1以上のオキシまたはチオで必要に応じて分断され得;R2が水素であり;R3が水素であり、そして炭素1と炭素2との間の結合が単結合であり;R4およびR5が各々メチルであり;R6が水素であり、そして炭素12と炭素13との間の結合が単結合であり;R7が水素であり;R8およびR11は一緒になって−O−CH2−であり;そしてR9およびR10は各々メチルである、化合物である。
【0087】
式(II)の化合物の別の特定の群は、3−β−アセトキシ−19αH−19,28ラクトンオレアナン(oleanan);アロベツリン;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリン−3−グリシン;アロベツリンラクトン;アロベツリンラクトン−3−アセテート;アロベツリンラクトン−3−リン酸;アロベツリン−3−L−アラニン;アロベツリン−3−L−バリン;アロベツリン−3−L−プロリンエステル;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリン−3ジクリコレート;アロベツリン−3−フタレート;アロベツリン−3−メチレンアミン;アロベツリン−3−エタノールアミン;アロベツリン−3−グリコレート;アロベツリン−3−グルタレート;アロベツリン−28−グルタレート;アロベツリン−3−メチルアミンHCI;アロベツリン−3−リン酸;アロベツリン−3−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=674);アロベツロン;アロベツロンラクトン−1−エン−2−オール;アロベツロンラクトン−1−エン−2−スクシネート;アロベツロン−1−エン−2−オール;アロベツロン−1−エン−2−ジグリコレート;3−アロベツロン−1−エン−2−スクシネート;アロベツリン−3−(ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル);または3−アロベツロン−1−エン−2−ジグリコレートである。
【0088】
式(II)の化合物の別の特定の群は、3−β−アセトキシ−19αH−19, 28ラクトンオレアナン;アロベツリン;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリンラクトン;アロベツリンラクトン−3−アセテート;アロベツリンラクトン−3−リン酸;アロベツリン−3−L−バリン;アロベツリン−3−L−プロリン;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリン−3−ジグリコレート;アロベツリン−3−メチレンアミン;アロベツリン−3−エタノールアミン;アロベツリン−3−グリコレート;アロベツリン−3−グルタレート;アロベツリン−3−グルタレート;アロベツリン−3−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=674);アロベツロン;アロベツロンラクトン−1−エン−2−オール;アロベツロンラクトン−l−エン−2−スクシネート;アロベツロン−1−エン−2−オール;アロベツロン−1−エン−2−ジグリコレート;3−アロベツロン−1−エン−2−スクシネート;またはアロベツリン−3−(ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル)である。
【0089】
式(II)の化合物の別の特定の群は、アロベツリン、アロベツリン−3−グルタレート、アロベツリン−3−スクシネート、またはアロベツリン−3−L−バリンである。
【0090】
本発明の特定の方法は、真菌感染または酵母感染に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、この方法は、式(I)または式(II)の化合物の有効な抗真菌量または抗酵母量を哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、この哺乳動物は、ヒトである。
【0091】
本発明の別の特定の方法は、真菌感染または酵母感染に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、この方法は、式(I)または式(II)の化合物の有効な抗真菌量または抗酵母量を哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、この真菌感染は、皮膚糸状菌の真菌によって引き起こされる。
【0092】
本発明の別の特定の方法は、真菌感染または酵母感染に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、この方法は、式(I)または式(II)の化合物の有効な抗真菌量または抗酵母量を哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、真菌感染は、Microsporum canis、Microsporum gyseum、Microsporum audouinii、Trichophyton tonsurans、Trichophyton mentagrophytes、Epidermophyton floccosum、Trichophyton rubrum、またはPityrosporum ovaleである皮膚糸状菌の真菌によって引き起こされる。
【0093】
本発明の別の特定の方法は、真菌感染または酵母感染に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、この方法は、式(I)または式(II)の化合物の有効な抗真菌量または抗酵母量を哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、この真菌感染は、Candida albicansまたはCandida guilliermoundiによって引き起こされる。
【0094】
本発明の別の特定の方法は、真菌感染または酵母感染に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、この方法は、式(I)または式(II)の化合物の有効な抗真菌量または抗酵母量を哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、この真菌感染は、Blastomyces dermatidisまたはCryptococcus neoformansによって引き起こされる。
【0095】
本発明の別の特定の方法は、酵母感染に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、この方法は、式(I)または式(II)の化合物の抗酵母量を哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、この真菌感染は、Pityrosporum ovaleによって引き起こされる。
【0096】
本発明の別の特定の方法は、真菌または酵母を阻害または殺傷する方法であって、この方法は、真菌または酵母を、式(I)または式(II)のトリテルペンの有効な抗真菌量または抗酵母量と接触させる工程を包含し、ここで、この真菌は、皮膚糸状菌の真菌である。
【0097】
本発明の別の特定の方法は、酵母を阻害または殺傷する方法であって、この方法は、真菌または酵母を、式(I)または式(II)の化合物の有効な抗真菌量または抗酵母量と接触させる工程を包含し、ここで、この皮膚糸状菌の真菌は、Microsporum canis、Microsporum gyseum、Microsporum audouinii、Trichophyton tonsurans、Trichophyton mentagrophytes、Epidermophyton floccosum、Trichophyton rubrum、またはPityrosporum ovaleである。
【0098】
本発明の別の特定の方法は、酵母を阻害または殺傷する方法であって、この方法は、真菌または酵母を、式(I)または式(II)の化合物の有効な抗真菌量または抗酵母量と接触させる工程を包含し、ここで、この真菌は、Candida albicansまたはCandida guilliermoundiである。
【0099】
本発明の別の特定の方法は、酵母を阻害または殺傷する方法であって、この方法は、真菌または酵母を、式(I)または式(II)の化合物の有効な抗真菌量または抗酵母量と接触させる工程を包含し、ここで、この真菌は、Blastomyces dermatidisまたはCryptococcus neoformansである。
【0100】
本発明の別の特定の方法は、酵母を阻害または殺傷する方法であって、この方法は、真菌または酵母を、式(I)または式(II)の化合物の有効な抗酵母量と接触させる工程を包含し、ここで、この酵母は、Pityrosporum ovaleである。
【0101】
本発明の別の特定の方法は、酵母を阻害または殺傷する方法であって、この方法は、真菌または酵母を、式(I)または式(II)の化合物の有効な抗真菌量または抗酵母量とインビトロで接触させる工程を包含する。
【0102】
本発明の別の特定の方法は、酵母を阻害または殺傷する方法であって、この方法は、真菌または酵母を、式(I)または式(II)の化合物の有効な抗真菌量または抗酵母量とインビボで接触させる工程を包含する。
【0103】
抗真菌活性または抗酵母活性を有する式(I)の特定のトリテルペンは、表1aに示され、抗真菌活性または抗酵母活性を有する式(II)の特定のトリテルペンは、以下の表1bに示される。
【0104】
(表1a.抗真菌活性または抗酵母活性を有することが示される式(I)の化合物のR基)
【0105】
【表1A】
さらに、ルペノン−1,2−エン−2−オールは、炭素1と炭素2との間で二重結合を有する。表1の他の化合物は、同じ位置で単結合を有する。
【0106】
(表1b.抗真菌活性を有することが示される式(II)の化合物のR基)
【0107】
【表1B】
本発明の化合物(すなわち、式(I)または式(II)の化合物)を調製するためのプロセスは、本発明のさらなる実施形態によって提供され、そして他に示されない限り、以下の手順(一般的な基の意味は上に与えられる)に従って、例示される。詳細には、式(I)または式(II)の化合物は、当業者に公知の手順(例えば、試薬および反応条件)を使用して、都合の良い出発材料から調製され得る。例えば、適切な試薬および反応条件は、例えば、Advanced Organic Chemistry,Part B:Reactions and Synthesis,第2版,CareyおよびSundberg(1983);Advanced Organic Chemistry,Reactions,Mechanisms,and Structure,第2版,March(1977);Greene,T.W.,Protecting Groups In Organic Synthesis,第3版,1999,New York,John Wiley & sons,Inc.;ならびにComprehensive Organic Transformations,第2版,Larock(1999)において開示される。さらに、特定の例示的な手順は、本明細書中の以下の実施例において示される。
【0108】
化合物が、安定な非毒性の酸または塩基の塩を形成するのに十分に塩基性または酸性である場合、塩としての化合物の投与は、適切であり得る。薬学的に受容可能な塩の例は、生理学的に受容可能なアニオンを形成する酸と共に形成された有機酸付加塩(例えば、トシレート、メタンスルホネート、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩、およびα−グリセロリン酸塩)である。適切な非有機塩(塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、およびカルボン酸塩を含む)もまた、形成され得る。
【0109】
薬学的に受容可能な塩は、当該分野で周知の標準的な手順を使用して(例えば、アミンのような十分に塩基性の化合物を適切な酸(これは、生理学的に受容可能なアニオンを生じる)と反応させることによって)、獲得され得る。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、またはリチウム)塩またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩もまた、作製され得る。
【0110】
式(I)または(II)の化合物は、薬学的組成物として処方され得、そして静脈内経路、筋肉内経路、局所経路または皮下経路によって、選択された投与経路に適合した種々の形態で(すなわち、経口的または非経口的に)、哺乳動物宿主(例えば、ヒト患者)に投与され得る。
【0111】
従って、本発明の化合物は、薬学的に受容可能なビヒクル(例えば、不活性希釈剤または同化可能食用キャリア)と組み合わせて、全身投与(例えば、経口投与)され得る。本発明の化合物は、硬質シェルゼラチンカプセルもしくは軟質シェルゼラチンカプセルに封入され得るか、錠剤に圧縮され得るか、または患者の食餌の食品と共に直接組み込まれ得る。治療的経口投与について、活性化合物は、1つ以上の賦形剤と組み合わされて、経口摂取可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、カシェ剤などの形態で使用され得る。このような組成物および調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきである。この組成物および調製物の割合は、もちろん変化し得、そして簡便には、所定の単位投薬形態の約2〜約60重量%の間であり得る。このような治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、有効な投薬レベルが得られるような量である。
【0112】
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などはまた、以下を含み得る:結合剤(例えば、トラガカントガム、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチン);賦形剤(例えば、リン酸二カルシウム);崩壊剤(例えば、コーンスターチ、バレイショデンプン、アルギン酸など);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);および甘味料(例えば、スクロース、フルクトース、ラクトースまたはアスパルテーム)または着香料(例えば、ペパーミント、ウインターグリーン油、またはチェリー着香料)。この単位投薬形態がカプセル剤の場合、それは、上記種類の物質に加えて、液体キャリア(例えば、植物油またはポリエチレングリコール)を含有し得る。種々の他の物質は、被覆として存在し得るか、またはそうでなければ、この固体単位投薬形態の物理的形態を変更し得る。例えば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤は、ゼラチン、ワックス、シェラックまたは糖などで被覆され得る。シロップ剤またはエリキシル剤は、この活性化合物、甘味剤としてのスクロースまたはフルクトース、保存剤としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン、染料および着香料(例えば、チェリー着香料またはオレンジ着香料)を含有し得る。もちろん、任意の単位投薬形態を調製する際に使用される任意の物質は、使用する量で、薬学的に受容可能であり、かつ実質的に非毒性であるべきである。さらに、この活性化合物は、持続放出調製物およびデバイスに組み込まれ得る。
【0113】
活性化合物はまた、注入または注射により、静脈内投与または腹腔内投与され得る。この活性化合物またはその塩の溶液は、水で調製され得、必要に応じて非毒性界面活性剤と混合され得る。分散液もまた、グリセロール、液状ポリエチレングリコール、トリアセチンおよびそれらの混合物中で、およびオイル中で、調製され得る。保存および使用の通常の条件下では、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するために、防腐剤を含有する。
【0114】
注射または注入に適切な薬学的投薬形態としては、活性成分を含有する滅菌した水溶液もしくは水性分散液、または滅菌注射用もしくは滅菌注入用の溶液もしくは分散液の即座の調製に適合され、必要に応じてリポソーム中にカプセル化された、活性成分を含む滅菌粉末が挙げられ得る。全ての場合において、その最終的な投薬形態は、製造および保存条件下にて、無菌、流体状かつ安定であるべきである。液体キャリアまたはビヒクルは、溶媒または液状分散媒体であり得、これは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、非毒性グリセリルエステル、それらの適切な混合物を含有する。その適切な流動性は、例えば、リポソームの形成によって、分散液の場合は必要な粒径の維持によって、または界面活性剤の使用により、維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)により、もたらされ得る。多くの場合、等張剤(例えば、糖、緩衝剤または塩化ナトリウム)を含有させることが好ましい。これらの注射用組成物の延長した吸収は、その組成物中に吸収遅延剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を使用することにより、もたらされ得る。
【0115】
滅菌注射用溶液は、必要に応じて、上で列挙した種々の他の成分と共に、適切な溶媒中に、必要な量で、この活性化合物を組込み、続いて、濾過滅菌することにより、調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥技術および凍結乾燥技術であり、これらは、この活性成分+任意の追加の所望成分(これは、先に滅菌濾過した溶液中に存在している)の粉末を生じる。
【0116】
局所投与について、本発明の化合物は、純粋な形態で適用され得る(すなわち、これらが液体である場合)。しかしながら、一般には、皮膚医科的に受容可能なキャリア(これは、固体または液体であり得る)と組み合わせて、組成物または処方物として、それらを皮膚に投与するのが望ましい。
【0117】
有用な固体キャリアとしては、細かく分割した固体(例えば、タルク、粘土、微結晶セルロース、シリカ、アルミナなど)が挙げられる。有用な液体キャリアとしては、水、アルコールまたはグリコール、または水−アルコール/グリコールブレンドが挙げられ、この中に、本発明の化合物は、必要に応じて、非毒性界面活性剤の助けを借りて、有効レベルで、溶解または分散され得る。アジュバント(例えば、芳香剤およびさらなる抗菌剤)が、所定の用途のために特性を最適化するために、添加され得る。得られた液体組成物は、吸収パッドから塗布され得るか、包帯および他の帯具に含浸するように使用され得るか、またはポンプ型噴霧器またはエアロゾル噴霧器を使用して罹患領域に噴霧され得る。
【0118】
増粘剤(例えば、合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸の塩およびエステル、脂肪アルコール、改変セルロースまたは変性鉱物)はまた、使用者の皮膚に直接塗布するための延展可能ペースト、ゲル、軟膏、石鹸などを形成するために、液状キャリアと共に使用され得る。
【0119】
式Iの化合物を皮膚に送達するために使用され得る有用な皮膚医科的組成物の例は、当該分野で公知である:例えば、Jacquetら(米国特許第4,608,392号)、Geria(米国特許第4,992,478号)、Smithら(米国特許第4,559,157号)およびWortzman(米国特許第4,820,508号)を参照のこと。
【0120】
式Iの化合物の有効な投薬量は、それらのインビトロ活性、および動物モデルにおけるインビボ活性を比較することによって、決定され得る。マウスおよび他の動物における有効投薬量のヒトに対する外挿法は、当該分野で公知である;例えば、米国特許第4,938,949号を参照のこと。
【0121】
一般に、液体組成物(例えば、ローション)中の式Iの化合物の濃度は、約0.1〜25重量%、好ましくは約0.5〜10重量%である。半固体組成物または固体組成物(例えば、ゲルまたは散剤)中の濃度は、約0.1〜5重量%、好ましくは約0.5〜2.5重量%である。
【0122】
処置において使用するために必要な化合物、またはその活性な塩もしくは誘導体の量は、選択した特定の塩のみならず、投与経路、処置されている状態の性質、ならびに患者の年齢および状態によっても変化し、そして最終的には、担当医師または臨床医の自由裁量である。
【0123】
しかし、一般に、適切な用量は、約0.5〜約100mg/kg体重/日、例えば、約10〜約75mg/kg体重/日(例えば、3〜約50mg/kg患者の体重/日)、好ましくは6〜90mg/kg/日の範囲、最も好ましくは15〜60mg/kg/日の範囲である。
【0124】
この化合物は、例えば、5〜1000mg/単位投薬形態の活性成分、都合良くは、10〜750mg/単位投薬形態の活性成分、最も都合良くは50〜500mg/単位投薬形態の活性成分を含む単位投薬形態で都合良く投与される。
【0125】
理想的には、この活性成分は、約0.5〜約75μM、好ましくは約1〜約50μM、最も好ましくは約2〜約30μMという、この活性化合物の最高血漿濃度を達成するように、投与されるべきである。これは、例えば、活性成分の0.05〜5%の溶液(必要に応じて生理食塩水中)を静脈内注射することによって、または約1〜100mgの活性成分を含むボーラスとして経口投与することによって、達成され得る。望ましい血液レベルは、約0.01〜5.0mg/kg/時間を提供するように連続注入することによって、または約0.4〜15mg/kgの活性成分を含む断続的な注入によって、維持され得る。
【0126】
所望の用量は、都合良くは、単回用量で提供され得るか、または適切な間隔(例えば、一日に2回、3回、4回またはそれをこえるサブ用量)で投与される分割用量で提供され得る。このサブ用量自体は、例えば、多数の別個の大まかに間隔のあいた投与(例えば、注入器による複数回の吸入、または眼への複数の液滴の適用による)にさらに分割され得る。
【0127】
本発明の化合物の抗真菌剤として作用する能力は、当該分野で周知の薬理学的モデル(以下の実施例に記載される試験を含む)を使用して決定され得る。
【0128】
本発明の化合物はまた、それらの抗真菌作用の機構のさらなる研究のための薬理学的ツールとして有用であり得る。
【0129】
本発明の化合物はまた、真菌感染もしくは酵母感染を処置するのに有効であるか、または真菌もしくは酵母を阻害もしくは殺傷するのに有効である他の治療剤と組み合わせて投与され得る。
【0130】
本発明の化合物を命名するために使用されるシステムは、以下の実施例に基づいて、当業者に明らかである。名称は、一般に、基本構造(例えば、ベツリン、アロベツリンまたはルペオール(lupeol))、次に置換基を含む。例えば、実施例1に示される構造を有するベツリン−28−スクシネートは、ベツリンの炭素28のヒドロキシルにエステル化したコハク酸分子から構成される。置換基に番号が与えられていない場合、この置換基は、基本構造の炭素3のヒドロキシルに結合している。
【0131】
ベツリン−3−グリセロールオキサレートは、R4およびR5が一緒になって、ヒドロキシルであり、R2およびR3が一緒になって、−OC(=O)C(=O)OCH2CH(OH)CH2OHであり、R1が、水素である、式(I)の化合物である。ベツリン−1−エン−2−オールは、炭素1と炭素2との間の結合が二重結合であり、R1がヒドロキシルであり、R2およびR3が一緒になって、ヒドロキシメチルであり、そしてR4およびR5が一緒になって、オキソである、式(I)の化合物である。ウバオール(uvaol)は、R10が、メチルであり、R9が、水素であり、R8が、メチルであり、R7が、水素であり、R11が、ヒドロキシメチルであり、R6が、存在せず、炭素12と炭素13との間の結合が、二重結合であり、R3が、水素であり、R4およびR5が、メチルであり、R2が、水素であり、そしてR1が、ヒドロキシである、式(II)の化合物である。オレアノール酸は、R11においてヒドロキシメチルの代わりにカルボキシを有すること以外は、ウバオールと同じ構造を有する。ヘデリン(hederin)水和物の構造は、Aldrich Chemical Co.2000−2001カタログの871ページに開示される。他の指定される化合物の構造は、Merck Indexのような標準的な情報源において見出され得る。「ベツリンアラビノースガラクタン」とは、アラビノ−ガラクタンの溶液中のベツリンをいう。
【0132】
他に明記されない限り、アミノ酸置換基は、本発明の化合物に、それらのカルボキシル基を介してエステル結合によって結合される。従って、ベツリン−3,28−ジグリシンは、ベツリン−3,28−ジグリシンエステルと同じ化合物である。
【0133】
本発明は、ここで、以下の非限定的な実施例によって例示される。
【0134】
(合成)
本発明の特定の化合物の合成は、以下の実施例に開示される。
【0135】
(実施例)
(実施例1)
(ベツリン−28−スクシネート)
【0136】
【化14】
25mlのフラスコ中に、無水コハク酸0.249g(1.1当量)およびイミダゾール0.462g(3当量)と共にベツリン1.00g(1当量)を入れた。20mlの乾燥ジクロロメタンを添加し、攪拌し、そして24時間還流した。反応の完了後、10mlの3%HClを添加し、穏やかに振盪した。pHは、2であった。有機部を分けた。水層を抽出するためにジクロロメタン(3×5ml)を使用した。この有機部を合わせ、そして3%HCl(2×10ml)を使用して、この有機部を洗浄した。Na2SO4(無水物)を使用して、有機部を乾燥した。溶媒をエバポレートし、白色粉末1.10gを得た。少量のアセトンを使用して、白色生成物を粉砕した。乾燥後、0.90gの白色顆粒状固体を収率73.2%で得た。
【0137】
【化15】
(実施例2)
(ベツリン−3,28−ジスクシネート)
【0138】
【化16】
25mlのフラスコ中に、無水コハク酸0.34gおよびイミダゾール0.46gと共にベツリン0.5gを入れた。15mlのジクロロメタン(乾燥)を添加し、そして12時間還流した。10mlの3%HClを添加し、有機部を分け、洗浄するためにCH2Cl2(3×5ml)を使用し、そしてこの有機部を合わせた。3%HCl(2×10ml)を使用して、この有機部を洗浄し、次いでこの有機部を乾燥するためにNa2SO4を使用した。この溶媒をエバポレートし、0.73gの黄色の粉末を得た。CHCl3−ヘキサンを使用して結晶化することにより、0.65gの黄色の粉末を得た。温かい条件下で12時間、3%HClでこの固体を攪拌し、続いて濾過および乾燥させることによって、収率82.5%で0.60gの粉末を得た。
【0139】
【化17】
(実施例3)
(ベツリン−28−フタレート)
【0140】
【化18】
15mlのフラスコ中に、無水フタル酸0.35g(1.05当量)と共にベツリン1g(1当量)およびイミダゾール0.31g(4当量)を入れた。5mLの1−メチル−2−ピロリドンを添加し、室温で48時間攪拌した。この混合物を水中に激しく攪拌した状態で注ぎ、そしてpHを約3に調節した。2〜3時間攪拌した。全ての塊は小さな粒子となった。濾過後、水を使用して3回洗浄し、次いでこれをオーブンで乾燥した。1.25gの白色固体を得た。酢酸エチル:ヘキサン(1:4)を使用して、このシリカゲルカラムから生成物を溶出し、そして0.69gの白色プリズム状固体を得た。収率51.5%。
【0141】
【化19】
(実施例4)
(ルペオール(Lupeol)−3−フタレート)
【0142】
【化20】
25mlのフラスコ中に、無水フタル酸0.069gと共にルペオール0.100gおよびイミダゾール0.96gを入れ、乾燥したジクロロメタン10mLを添加し、そして24時間還流した。次いで、3%HCl(3×5mL)を使用して有機部を洗浄し、これを硫酸ナトリウム(無水物)で乾燥した。溶媒をエバポレートした後、白色固体を得、これを続いて、3%HClで12時間攪拌した。次いで、濾過し、そしてオーブン中でこの白色固体を乾燥した。これにより、0.128gの白色固体を収率94.8%で得た。
【0143】
【化21】
(実施例5)
(ルペオール−3−スクシネート)
【0144】
【化22】
25mlのフラスコ中に、イミダゾール0.016g(1当量)と共にルペオール100mg(1当量)および無水酢酸0.070g(3当量)を入れた。乾燥したジクロロメタン10mLを添加し、次いで、48時間還流した。反応を実施した後、飽和重炭酸ナトリウム溶液10mLを添加し、有機相を分け、そして水相をジクロロメタン(3×5mL)で抽出した。次いで、3%HCl(3×10mL)を使用して有機部を洗浄し、これを続いて、硫酸ナトリウム(無水物)で乾燥した。この溶媒をエバポレートし、これを3%HCl(15mL)で一晩攪拌し、これを続いて濾過し、オーブン中で乾燥した。0.12gの白色粉末を、収率97.6%で得た。
【0145】
【化23】
(実施例6)
(3−アロベツロン(allbetulon)−1−エン−2−スクシネート)
【0146】
【化24】
25mlのフラスコ中に、0.13gの4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(1当量)と共に0.5gの3−アロベツロン−1−エン−2−オール(1当量)および0.33gのコハク酸無水物(3当量)を入れた。10mLのアセトニトリルを添加し、そして48時間還流し、これを続いて、15mLのクロロホルムを添加した。10mLの3%HClを使用して有機部を3回洗浄し、これを続いて、硫酸ナトリウム(無水物)を用いて乾燥した。この溶媒をエバポレートし、0.55gの粗生成物を得た。シリカゲルカラムを使用してヘキサン:ジエチルエーテル(3:1)の溶媒を用いて粗精製物を分離し、これにより、収率49.7%で、0.303gの白色アモルファス固体を得た。
【0147】
【化25】
(実施例7)
(アロベツリン−3−ジグリコレート)
【0148】
【化26】
25mLのフラスコ中において、15mLのCHCl3中のジグリコール酸無水物0.39gおよびアロベツリン0.5gを攪拌した。次いで24時間還流した。10mLの飽和NaHCO3を添加し、ゆっくりと振盪した。次いで、有機部を分け、CHCl3(2×5ml)を使用して洗浄し、そしてこの有機部を合わせた。3%HCl(10ml)および水(2×10ml)を使用して、この有機部を洗浄した。次いで、Na2SO4(無水物)を使用して有機部を乾燥した。この溶媒をエバポレートし、0.57gの白色顆粒状固体を収率90.2%で得た。
【0149】
【化27】
(実施例8)
(アロベツリン−3−グルタレート)
【0150】
【化28】
15mlのフラスコ中に、イミダゾール0.92g(6当量)と共にアロベツリン1g(1当量)および無水グルタル酸0.52g(2当量)を入れた。4.5mLの1−メチル−2−プロピリドンを添加し、そして48時間70℃で攪拌した。反応混合物を150mLの水に注いだ。pHを約2に調節した。3〜4時間攪拌し、そして全ての塊を、小さな粒子に砕いた。濾過後、粗生成物をオーブン中で乾燥した。クロロホルムとヘキサンとで粗生成物を結晶化し、白色の非結晶生成物を収率88.1%で得た。
【0151】
【化29】
(実施例9)
(アロベツリン−3−フタレート)
【0152】
【化30】
25mLのフラスコ中において、10mLのCH2Cl2中のフタル酸無水物0.20gおよびイミダゾール0.38gを攪拌し、このフラスコに0.5gのアロベツリンを添加し、次いで6時間還流した。10mlの飽和重炭酸水溶液をこのフラスコに入れ、この固体を溶解し、有機部を分け、CH2Cl2(3×5ml)を使用して洗浄し、有機部を合わせた。3%HCl(3×10ml)を使用して再び洗浄した。Na2SO4(無水物)を使用して、有機部を乾燥した。この溶媒をエバポレートし、白色固体(0.60g)を収率89.6%で得た。
【0153】
【化31】
(実施例10)
(アロベツリン−3−スクシネート)
【0154】
【化32】
15mLのCH2Cl2中のコハク酸無水物0.23gおよびイミダゾール0.46gを攪拌し、このフラスコに0.5gのアロベツリンを添加し、次いで24時間還流した。10mlの飽和重炭酸水溶液をこのフラスコに入れ、この固体を溶解し、有機部を分け、CH2Cl2(2×5ml)を使用して洗浄し、有機部を合わせた。3%HCl(2×10ml)を使用して有機部を洗浄した。Na2SO4(無水物)を使用して、有機部を乾燥した。この溶媒をエバポレートし、白色顆粒状固体を得た。粗生成物を3%HCl中で12時間攪拌し、濾過後、これを、0.48gの白色固体を、収率78.7%で得た。
【0155】
【化33】
(実施例11)
(ベツリン−3,28−ジジグリコレート)
【0156】
【化34】
15mLのフラスコ中において、4.5mlの1−メチル−2−ピロリドン中のジグルコン酸無水物0.78gおよびイミダゾール0.92gを70℃で攪拌した。これらが溶解した後、1gのベツリンを添加した。24時間攪拌した。混合物を180mlの水にゆっくりと注ぎ、pHを2に調節し、全ての沈殿物が小さな顆粒を形成するまで、この水溶液を攪拌した。濾過後、1%HCl、水を使用して生成物を洗浄した。乾燥により、1.45gの顆粒生成物(茶褐色)を収率94.8%で得た。
【0157】
【化35】
(実施例12)
ベツリン−28−ジグリコレート
【0158】
【化36】
ベツリン−28−ジグリコレート
C37H54O6
正確な質量:558.39
分子量:558.79
C,73.08;H9.74;O,17.18。
【0159】
15mLフラスコ中に、イミダゾール0.31g(4当量)とともに、ベツリン0.5g(1当量)および無水ジグリコール酸0.14g(1.02当量)を入れる。4mLの1−メチル−2−ピロリジノンを添加し、そして48時間室温で攪拌する。この混合物を150mL水中に注ぎ、続いて、これを、pHを約2に調節する。2〜3時間攪拌する。全ての塊を、小さな粒子に破壊するべきである。濾過の後に、オーブン中で粗生成物を乾燥し、続いて、これを、ヘキサン:ジエチルエーテル(3:1)を用いて、シリカゲルカラムを通過させる。これによって、収率68.3%で、0.43gの白色プリズム(prizm)固体を得た。
【0160】
【化37】
(実施例13)
ベツリン−3,28−ジグルタレート
【0161】
【化38】
ベツリン−3,28−ジグルタレート
m=0.300g
C40H62O8
正確な質量:670.44
分子量:670.92
C,71.61;H,9.31;O,19.08。
【0162】
15mlのフラスコで、4.5mlの1−メチル−2−ピロリジノン中の、無水グルタル酸1.29gおよびイミダゾール1.54gを70℃で攪拌する。後に、これらに、1gのベツリンを添加する。48時間攪拌する。混合物をゆっくり180mlの水に注ぎ、pHを2に調節し、そしてこの水溶液を、全ての沈殿物が小さな顆粒を形成するまで、攪拌する。濾過の後に、水中1%のHClを使用して、生成物を洗浄する。乾燥によって、収率80.3%で、1.22gの灰色固体粉末を得る。
【0163】
【化39】
(実施例14)
ベツリン−28−グルタレート
【0164】
【化40】
ベツリン−28−グルタレート
C35H56O5
正確な質量:556.41
分子量:556.82
C,75.50;H,10.14;O,14.37。
【0165】
25mLフラスコ中に、イミダゾール0.615g(4当量)とともに、ベツリン1g(1当量)および無水グルタル酸0.27g(1.05当量)を入れ、4mLの1−メチル−2−ピロリジノンを添加し、そして48時間室温で攪拌する。攪拌しながら、混合物を150mL水中に注ぐ。次いで、pHを約3に調節する。大きな塊を小さな粒子に破壊し、続いて、濾過し、そしてオーブン中で乾燥する。粗生成物を、ジエチルエーテル:ヘキサン(1:3)を用いて、シリカゲルカラムを通す。これにより、収率60.7%で、0.765gの白色プリズム固体を得る。
【0166】
【化41】
(実施例15)
ベツリン−3,28−ジマレエート
【0167】
【化42】
ベツリン−3,28−ジマレエート
m=0.300g
C38H54O8
正確な質量:638.38
分子量:638.83
C,71.44;H,8.52;O,20.04。
【0168】
50mlのフラスコで、20mLの1−メチル−2−ピロリジノン中の無水マレイン酸11.09gおよびベツリン5gを70℃で48時間攪拌する。この混合物を、ゆっくり800mlの水に注ぎ、pHを3に調節し、そしてこの水溶液を、全ての沈殿物が小さな顆粒を形成するまで、攪拌する。濾過の後に、水中1%のHClを使用して、生成物を洗浄する。乾燥によって、収率90.1%で、6.50gの灰色固体顆粒を得る。
【0169】
【化43】
(実施例16)
ベツリン−28−マレエート
【0170】
【化44】
ベツリン−28−マレエート
m=0.300g
C34H52O5
正確な質量:540.38
分子量:540.77
C,75.51;H,9.69;O,14.79。
【0171】
500mlフラスコにおいて、200mlのCHCl3中の無水マレイン酸3.33gおよび10gのベツリンを攪拌する。40時間攪拌する。50mLの3%HClを添加し、有機部分を分離し、CHCl3(3×20mL)を使用して、水相を洗浄し、そして有機部分を合わせる。3%HCl(2×50mL)を使用して有機相を洗浄し、続いて、これに、Na2SO4(無水)を使用して、有機部分を乾燥した。溶媒をエバポレートした後に、THF−ヘキサンを使用して、粗生成物を結晶化させる。これによって、75.2%の収率で、9.2gの白色生成物を得る。
【0172】
【化45】
(実施例17)
ベツリン−3,28−ジフタレート
【0173】
【化46】
ベツリン−3,28−ジフタレート
m=0.300g
C46H58O8
正確な質量:738.41
分子量:738.95
C,74.77;H,7.91;O,17.32。
【0174】
50mlのフラスコで、20mlの1−メチル−1−ピロリジノン中の、無水フタル酸8.37gおよびイミダゾール7.69gを70℃で攪拌する。これらが溶解した後に、5gのベツリンを添加する。48時間攪拌する。混合物をゆっくり800mlの水に注ぎ、pHを2に調節し、そしてこの水溶液を、全ての沈殿物が小さな顆粒を形成するまで、攪拌する。濾過の後に、水中1%のHClを使用して、生成物を洗浄する。乾燥によって、収率90.8%で、7.59gの顆粒(明るい黄色)を得る。
【0175】
【化47】
(実施例18)
アロベツリン(Allobetulin)、
オレアナン(oleanan)−3β−オール−28,19−β−エーテル
【0176】
【化48】
100mlフラスコで、50mlのCH2Cl2中で、2gのベツリンを0℃で攪拌する。5mlの99%CF3COOHを添加し、そして30分間攪拌する。反応混合物を100mlの砕いた氷中に注ぎ、そして有機部分を分離する。CH2Cl2(3×10ml)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を濃NaHCO3(2×20ml)および水(2×20ml)で洗浄し、そして抽出物をNa2SO4(無水)で乾燥させる。溶媒のエバポレーションによって、1.98gのアロベツリンを得、これを、ヘキサン−ジクロロメタンから再結晶化して、白色針状物を得た。
【0177】
【化49】
(実施例19)
アロベツリンラクトン
オレアナン−3β−オール−28,19−β−ラクトン
【0178】
【化50】
100mlのフラスコ中で0.723gのKOHの存在下で、50mlのCH3OH中の2gのアロベツリン−3−トリフルオロアセチルラクトンを4時間沸騰させる。メタノールをエバポレートし、そして100mLの冷水で希釈する。沈殿物を濾過し、そして水(3×50mL)で洗浄する。結晶をオーブン中で110℃で乾燥させ、そしてヘキサン−ジクロロメタンから再結晶化させて、白色針状物を得る。
【0179】
【化51】
(実施例20)
アロベツリンラクトン−3−アセテート
オレアナン−28,19−β−ラクトン−3−アセテート
【0180】
【化52】
100mlフラスコ中において、50mlのCH2Cl2中の2gの3−O−アセチル−ベツリンを0℃で攪拌する。10mlの99%プルーフ(proof)のCF3COOHを添加し、10分間攪拌し、そしてその添加の後に、2.2gの粉末状のNaBrO3を添加する。この混合物を6時間攪拌し、次いで、100mlの砕いた氷に注ぎ、そして有機部分を分離する。CH2Cl2(3×10ml)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を、10%水性NaHSO3(2×30ml)、5%水性NaHCO3(2×30ml)および水(2×20ml)で洗浄し、そして抽出物をNa2SO4(無水)で乾燥させる。溶媒のエバポレーションによって、2.08gの3−O−アセチルアロベツリン−ラクトンを得、これを、ヘキサン−ジクロロメタンから再結晶化させて、白色針状物を得た。
【0181】
【化53】
(実施例21)
アロベツリンラクトン−3−ホスフェート
オレアナン−28,19−β−ラクトン−3−ホスフェート
【0182】
【化54】
100mLの丸底フラスコ中で、50mLのジオキサンおよび1mLの水中のアロベツリン−3−ホスホジクロライドの溶液を18時間沸騰させる。冷水(50mL)で希釈し、そして白色沈殿を濾過する。フィルターを水(3×30mL)を用いて洗浄する。オーブン(110℃以下の温度)中で乾燥して、3.12gの白色結晶化合物を得る。
【0183】
【化55】
(実施例22)
アロベツリン−3−ヒドロキシ−3−アミノメチル
3−アミノメチル−3−ヒドロキシ−28,19−β−エポキシ−オレアナン
【0184】
【化56】
25mLの丸底フラスコ中で、15mLのトルエン中のアロベツロン(allobetulon)(0.86g、1.955mmol)、ZnI2(20mg、0.063mmol)およびtret−ブチルジメチルシリルシアニド(0.420g、3.78mmol)の混合物を、24時間沸騰させる。上記混合物を30mLのTHF中のLiAlH4(0.37g、10mmol)の懸濁液に滴下し、そして2時間沸騰させる。次に、0.5mLの濃KOHを添加し、30mLのTHFで希釈し、そして珪藻土を用いて濾過する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、THF溶液を通して、HClガスをバブリングし、そして白色沈殿物(0.98g)を濾過する。結晶を50mLのクロロホルムに溶解させ、そして万能紙指示薬の中和反応になるまで、1%NaHCO3で洗浄する。有機部分を分離し、そして硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒のエバポレーションによって、0.89g(96%収率)の白色結晶化合物を得る。
【0185】
【化57】
(実施例22)
(アロベツリン−3−リン酸)
(28,29−β−エポキシ−オレアナン−3−リン酸)
【0186】
【化58】
100mLの丸底フラスコ中で、50mLのジオキサンおよび1mLの水中のアロベツリン−3−ホスホジクロリドの溶液を18時間沸騰させる。冷水(50mL)で希釈し、そして白色の沈殿物を濾過する。水を用いて濾紙上で洗浄する(3×30mL)。オーブンで乾燥し(110℃以下の温度)、3.12gの白色結晶化合物を得る。mp.167.0−168.1℃(dec),IR(KBr)3469,2947,2868,1775,1467,1388,1221,1169,1022,884,585,505,481cm−1;1H NMR;31P NMR(D2O中にD3PO485%)d−0.684。
【0187】
(実施例23)
(アロベツロン)
(オレアナン−3−オン−28,19−β−エーテル)
【0188】
【化59】
100mLの丸底2首フラスコ中で、25mlの乾燥CH2Cl2中の11mmol(1.397g)(COCl)2を−50−60℃(i−Prアルコール−ドライアイス浴)に置き、そして十分に攪拌しながら、25mlの乾燥CH2Cl2中の22mmol(1.76g)の乾燥DMSOに3〜5分かけて滴下する。この混合物をさらに5分間攪拌し、そしてアロベツリンの結晶(10mmol、4.43g)を添加する。30〜45分間溶液を静置し、そして25mmol(2.53g)のトリエチルアミンを添加した後、冷浴槽を除き、そして温度を10℃まで上昇させた。100mlの割氷中でこの混合物を注ぎ、CH2Cl2(3×20ml)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を水(5×10ml)、5%HCl(2×10ml)、およびH2O(2×10ml)で洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をエバポレートし、4.4gの粗化合物を得、この化合物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=80:20)にかけた後、4.31gの白色結晶を得る。mp.228.8−233.1℃[lit.230−235℃],IR(KBr)2949,2859,1774,1702,1457,1382,1167,1034cm−1;1H NMR(CDCl3)d3.74(D,J=10.3Hz,1H,28−H),3.48(S,1−H,19−H),3.39(D,J=10.3Hz,1H,28−H),2.37(M,2H,2−H,H),1.85(M,1H,19−H),0.72,0.81,0.815,0.91,0.92,0.99(全てS,7x3H,27−,23−,24−,25−,26−,29−,30−Me),1.01−1.54(複合体CH−,CH2,25H);13C NMR(CDCl3)d218.08,88.01,71.39,55.08,50.55,47.43,46.92,41.60,40.91,40.68,39.97,37.11,36.88,36.43,34.41,34.23,33.33,32.86,29.00,26.92,26.60,26.60,26.40,24.73,21.68,21.16,19.79,16.52,15.68,13.63;MS(EI)440,422,411,369,355,281,220,207,205,191,177,163,149,135,121。
【0189】
(実施例24)
(アロベツロンラクトン−1−エン−2−オール)
(2−ヒドロキシ−オレアン−1,2−エン−3−オン−28,19−β−ラクトン)
【0190】
【化60】
乾燥ベンゼン−tert−ブチルアルコール(1:1、40ml)中のアロベツロンラクトン(1.0g)の溶液に、tert−ブチル(20ml)中のカリウムtert−ブトキシド(0.56g)の溶液を添加し、そして酸素を攪拌した混合物中で3時間バブリングした。この混合物を2.0mlの氷酢酸を用いて酸性にし、そしてCH2Cl2で抽出した。水(2×15ml)、5%NaHCO3水溶液(2×30ml)および水(30ml)で洗浄した後、抽出物をNa2SO4で乾燥し、そしてエバポレートして結晶(m=0.983g、98%)を得、この結晶をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=40:60)に供した後、白色結晶化合物を得た。mp.238.8−243.6℃,IR(KBr)3451,2944,2864,1764,1663,1642,1450,1405,1384,1234,1055,967cm−1;1H NMR(CDCl3)d6.47(S,1H,2−H),6.07−5.85(1H,OH),3.96(S,1H,19H),1.207,1.153,1.109,1.037,0.98,0.974,0.877(全てS,7x3H,23−,24−,25−,26−,27−,20−,30−Me),1.05−1.91(複合体CH−,CH2,22H);13C NMR(CDCl3)d201.36,180.025 144.217,128.966,86.192,54.501,46.879,46.631,46.376,44.292,41.654,40.525,38.936,36.393,33.836,33.632,32.568,32.174,29.034,28.006,27.365,26.571,25.784,24.232,21.841,21.397,20.923,18.868,16.282,13.768,MS(EI)468,454,441,425,407,369,340,313,303,269,259,234,215,207,189,176,165,153,151,135,128,124,108,95,78,69,55,43。
【0191】
(実施例25)
(アロベツロン−1−エン−2−オール)
(2−ヒドロキシ−28,19−β−エポキシ−オレアン−1(2)−エン−3−オン)
【0192】
【化61】
乾燥ベンゼン−tert−ブチルアルコール(1:1、40ml)中のアロベツロン(1.8g)の溶液に、tert−ブチル(20ml)中のカリウムtert−ブトキシド(1.2g)の溶液を添加し、そして酸素を攪拌した混合物中で1.5時間バブリングした。この混合物を2.5mlの氷酢酸を用いて酸性にし、そしてCH2Cl2で抽出した。水(2×15ml)、5%NaHCO3水溶液(2×30ml)および水(30ml)で洗浄した後、抽出物をNa2SO4で乾燥し、そしてエバポレートして結晶を得、この結晶をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=85:15)に供した。1402,1234,1058,1035cm−1;1H NMR(CDCl3)d6.46(S,1H,1−H),5.9(S,1H,2−OH),3.75(D,1H,28H),3.52(S,1H,19−H),3.52(S,1H,28H),0.78,0.91,0.99,1.01,1.09,1.13,1.19(全てS,7x3,23−,24−,25−,26−,27−,29−,30−Me),1.05−1.78(複合体CH−,CH2,25H);13C NMR(CDCl3)d201.43,144.202,129.29,88.16,71.523,54.49,46.99,44.3,41.75,41.312,38.97,36.98,36.56,34.53,33.83,32.97,29.1,27.41,26.6,26.52,24.86,21.89,21.51,20.87,18.96,16.5,13.64;MS(EI)454 383,327,281,245,215,207,191,177,151,137,136,123,109,95,81,69,55。
【0193】
(実施例26)
(ベツリン)
(ルペ−20(29)−エン−3,28−ジオール)
【0194】
【化62】
(ベツリンの単離)
ベツリンを、キハダカンバ(paper birch)(B.papyrifera)の樹皮から単離した。細かく刻んだ、乾燥した樹皮(500g)を、Soxhlet装置において10時間、クロロホルムを用いて抽出した。この抽出物をエバポレートし、次いで、5〜7℃で一晩静置した。結晶を濾過し、そしてヘキサンで洗浄し、次いで、オーブンで乾燥して94.5gの粗ベツリンを得た。クロロホルム、次いで、クロロホルム−イソプロピルアルコール混合物(4:1)からの二重の結晶化により、64〜68gの純粋なベツリンを得た。mp.258−259℃[lit.mp 256−261℃].IR(KBr)3378,2942,2868,1645,1453,1374,1106,1031,880 cm−1;1H NMR(CDCl3)d4.68(S,1H,29−H),4.58(S,1H,29−H),3.8(D,J=10.3 Hz,1H,28−H,3.34(D,J=10.3Hz,1H,28−H),3.18(DD,1H,3−H),2.38(M,1H,19−H),1.68(S,3H,30−Me),0.76,0.82,0.97,0.98,1.02(全てS,5x3H,27−,23−,24−,25−,26−Me),1.01−2.4(複合体CH−,CH2,25H,);13C NMR(CDCl3)d151.249,110.464,79.736,61.278,56.017,51.12,49.48,48.533,48.534,43.454,41.647,39.614,39.432,38.033,37.894,34.958,34.725,30.469,29.901,28.742,28.123,27.773,25.929,21.572,19.845,19.051,16.879,16.726,16.136,15.516;MS(EI)442,424,411,398,393,381,288,234,207,203,189,175,161,147,135,121,107。
【0195】
(実施例27)
(ベツロン−1−エン−2−オール)
(ルペ−1(2),20(29)−ジエン2,28−ジオール−3−オン)
【0196】
【化63】
乾燥ベンゼン−tert−ブチルアルコール(1:1、40ml)中のベツリン−28−アセテート(1.0g)の溶液に、tert−ブタノール(20ml)中のカリウムtert−ブトキシド(1.05g)の溶液を添加した。酸素を、攪拌した混合物中で1.5時間バブリングした。この混合物を2.2mlの氷酢酸を用いて酸性にし、そしてCH2Cl2で抽出した。水(2×15ml)、5%NaHCO3水溶液(2×30ml)および水(30ml)で洗浄した後、抽出物をNa2SO4で乾燥し、そしてエバポレートして結晶を得、この結晶をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=80:20)に供した後、白色結晶化合物を得た。mp.167−170(dec)℃,IR(KBr)3446,2944,2870,1717,1669,1647,1457,1406,1237,1032,882cm−1;1H NMR(CDCl3)d6.43(S,1H,2−H),6.12−5.81(OH),4.69(S,1H,29H),4.60(S,1H,29H),3.79(DD,1H,28−H,J=10.7Hz),3.35(DD,1H,28−H,J=10.7Hz),2.4(M,1H,19−H),1.69(S,3H,30−Me),1.203,1.124,1.105,1.09,0.976(全てS,5x3H,23−,24−,25−,26−,27−Me),1.05−2.01(複合体CH−,CH222H);13C NMR(CDCl3)d201.513,150.491,144.188,129.228,110.209,60.768,54.217,48.883,48.045,48.045,45.844,44.278,43.309,42.019,38.893,37.654,34 244,34.149,29.974,29.398,27.409,27.226,25.332,21.907,21.353,20.457,19.364,19.021,16.755 114.941;MS(EI)454,438,424,381,325,302,271,229,215,189,177,161,135,121,95,81,55。
【0197】
(実施例28)
(ベツリン−3,28−二リン酸)
(ルペ−20(29)−エン−3,28−二リン酸)
【0198】
【化64】
100mLの丸底フラスコ中で、50mLのジオキサンおよび1mLの水中のベツリン−3,28−ジホスホジクロリドの溶液を18時間沸騰させる。冷水(50mL)で希釈し、そして白色の沈殿物を濾過する。水を用いて濾紙上で洗浄する(3×30mL)。オーブンで乾燥する(110℃以下の温度)。
【0199】
(実施例29)
(ベツリン−3,28−ジホスフェートナトリウム塩)
(ルペ−20(29)−エン−3,28−ナトリウム二リン酸)
【0200】
【化65】
100mLの丸底フラスコ中で、40mLの水中の1g(1.66mmol)のベツリン−3,28−二リン酸の懸濁液に、40mLの水中の0.6gの重炭酸ナトリウムを滴下し、pHを7以下に維持した。水を減圧下でエバポレートし、そして白色沈殿物を減圧下で乾燥した。
【0201】
(実施例30)
(ベツリン酸)
(3−ヒドロキシ−ルペ−20(29)−エン−28−オイック酸)
【0202】
【化66】
ベツリンアルデヒド(1.5g)を、45mlの酢酸エチル中に溶解し、次いで、100mlの加熱可能なカラムに置いた。0.6mlの蒸留水および23mgのABINをこの溶液に添加した。50〜60℃で6時間、ABINを定期的に添加しつつ(1時間毎に5mg)、この混合物を通して酸素をバブリングした。溶媒のエバポレーションおよびその後のMeOHからの結晶化により、1.42gの白色結晶を得る。mp.288−291℃[lit.291−292],IR(KBr)3449,2941,2869,1686,1639,1451,1376,1235,1186,1043,886cm−1;1H NMR(CDCl3),d4.79(S,1H,29H),4.65(S,1H,29H),3.22(DD,1H.3−H),3.02(T,1H,19H),1.66(S,3H,30−Me),0.79,0.83,0.88,1.0,1.0(全てS,5x3H,23−,24−,25−,26−,27−Me),1.05−2.24(複合体CH−,CH2,25H);13C NMR(CDCl3)d180.403,150.542,109.86,79.146,56.433,55.471,50.64,49.401,47.025,42.573,40.824,39.01,38.842,38.529,37.348,37.174,34.456,32.291,30.688,29.85,28.138,27.54,25.631,20.982,19.518,18.417,16.282,16.173,15.495.14.847;MS(EI)(シリル化後)518,510,487,483,471,456,428,413,393,377,353,320,306,292,257,203,189,175,148,135,129,73。
【0203】
(実施例31)
(ルペオール)
(モノグルノールB、β−ビスコール、ファガラステロール)
(ルペ−20(29)−エン−3β−オール)
【0204】
【化67】
ベツリンの結晶化後の部分および溶媒のエバポレーション後の部分を合わせたものをシリカゲルで分離した(溶出hex:エーテル=10:1)。150mlの溶媒を流した(solvent delay)後、20の画分を回収した。画分1〜7は低級テルペンの混合物を含み、画分8〜13はルペロールを含んだ。mp182.7−187.3℃,IR(KBr)3380,2920,1450,1405,1025,940cm−1,1H NMR(CDCl3)d4.69(S,1H,29−H),4.55(S,1H,29−H),3.18(DD,1H,3−H),2.35(M,1H,19−H),1.67(S,3H,30−Me),0.74,0.76,0.80,0.92,0.94,1.01(全てS,6x3H,27−,23−,24−,25−,26−,28−Me),1.01−2.4(複合体CH−,CH2,25H,);13C NMR(CDCl3)d151.32,109.67,79.32,55.63,50.77,48.63,48.33,43.34,43.17,41.16,40.34,39.20,39.04,38.38,37.50,35.92,34.61,30.18,28.33,27.77,26.09,25.47,21.26,19.65,18.65,18.35,16.46,16.31,15.72,14.89;MS(EI)426,411,393,381,369,315,281,257,218,207,189,175,161,147,135,121,107。
【0205】
(実施例32)
(ベツリン−28−カフェエート)
(ルペ−20(29)−エン−28−オール−3−カフェエート)
【0206】
【化68】
コンデンサーが備わった1リットルの丸底1首フラスコ中で、樺の外側の樹皮(outer birch bark)の粗抽出物(100g)を、500mlのテトラヒドロフランに溶解した。10gのアルミニウムトリイロプロポキシドを添加した。この混合物を1時間沸騰させ、45℃まで冷ました。これは、沈殿を形成した。この沈殿を濾過し、そしてテトラヒドロフラン(5×40ml)で洗浄し、そして濾紙上で乾燥した。残った粉末(34.2g)を10% AcOHで洗浄し、濾紙上で乾燥し、そして1%AcOHを含有するイソプロピルアルコール(5×50ml)で抽出した。合わせた抽出物を50mlまで減圧下で濃縮し、そして水(200ml)で希釈し、そして濾過し、そして減圧下、40℃で乾燥した。得られた22.7gの物質を、ジアゾメタンを含有するジエチルエーテルの溶液で処理し、そしてこれ以上窒素を加えずに溶媒をエバポレートした。残った物質を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=4:1)に供し、そして100mlの溶媒を流した後に30の画分を回収し、そしてTLCにより分析した。画分7、8、9を合わせ、そして溶媒をエバポレートして4.78gの薄黄色結晶を得た。m.p.191.1,198.3℃,IR(KBr)3426,2945,2871,1708,1678,1630,1604,1514,1447,1376,1273,1181,1109,1012,977cm−1;1H NMR(CDCl3),7.602(1H,DJ=15.9,カフェエート由来のC3’H);7.1(1H,D,J=7.8,カフェエート由来のC2’−H);7.06(1H,D,J=2);6.86(1H,DD,J=7.8,C5’H);6.314(1H,D,J=15.9);4.68(1H,S,29−H);4.62(1H,M,C3H);4.59(1H,S,29H);3.82(1H,D,J=11.5,28H);3.35(1H,D,J=11.5,28H),1.69(3H,S,30−Me),1.036,0.991,0.927,0.899,0.882(5x3H,S,23−,24−,25−,26−,27−Me);1.05−2.24(複合体CH−,CH2);13C NMR(CDCl3)167.44,151.29,150.8,149.47,144.54,127.82,122.92,116.83,111.27,110.06,109.78,81.141,60.86,56.28,55.73,50.62,49.06,48.11,43.04,41.264,38.739,38.39,37.61,37.42,34.87,34.30,30.03,29.47,28.33,27.35,25.48,24.165,21.18,19.39,18.53,17.03,16.53,16.31,15.06。
【0207】
(実施例33)
(ベツリン−3,28−ジオキサレート−ポリエチレンイミンアミド(サンプル49〜51、100〜106)を調製するための一般的な手順)
500ml丸底フラスコ中で、100mlのジクロロメタン中のポリエチレンイミン(NWav600)(a mmol)の溶液に、300mlのジクロロメタン中のベツリン−3,28−ジオキサルクロリド(b mmol)溶液を、21〜23℃で攪拌しながら滴下した。次いで、この反応混合物を15分間攪拌し、そしてジクロロメタンを減圧下、40℃でエバポレートした。残渣(油状の非結晶物質)を減圧下で乾燥した。
49.ベツリン−3,28−ジオキサリルクロリド:ポリエチレンイミン(MWav600)a:b比=1:1;
50.ベツリン−3,28−ジオキサリルクロリド:ポリエチレンイミン(MWav600)a:b比=1:3;
51.ベツリン−3,28−ジオキサリルクロリド:ポリエチレンイミン(MWav600)a:b比=5:1;
100.ベツリン−3,28−ジオキサリルクロリド:ポリエチレンイミン(MWav600)a:b比=1:5;
101.ベツリン−3,28−ジオキサリルクロリド:ポリエチレンイミン(MWav,600)a:b比=3:1;
102.ベツリン−3,28−ジオキサリルクロリド:ポリエチレンイミン(MWav600)a:b比=1:10;
103.ベツリン−3,28−ジオキサリルクロリド:ポリエチレンイミン(MWav600)a:b比=1:1;
104.ベツリン−3,28−ジオキサリルクロリド:ポリエチレンイミン(MWav600)a:b比=1:2;
105.ベツリン−3,28−ジオキサリルクロリド:ポリエチレンイミン(MWav600)a:b比=2:1;
106.ベツリン−3,28−ジオキサリルクロリド:ポリエチレンイミン(MWav600)a:b比=1:4。
【0208】
【化69】
(実施例34)
本実施例において、ベツリンおよびその誘導体の抗真菌特性を、アガー希釈法により決定した。
【0209】
(アガー希釈法)
Sabourand Dextrose Ager(Difco Laboratories,Michigan)を、製造業者の指示書に従って調製した。100×25mmチューブに5mlずつ分注し、オートクレーブ処理した。45℃の5.0mlの液体アガーの入った各チューブに、0.5ml、0.25ml、0.12mlまたは0.063mlの化合物のDMSO溶液を添加し、表2に示した最終濃度にした。次いで、このアガーをスラント(slant)中で凝固させた。真菌培養物を接種した。このスラントを25〜28℃にて10〜12日間インキュベートし、そして2日ごとに真菌の増殖を記録した。
【0210】
(結果)
種々の真菌系統を用いたアガー希釈法による増殖阻害のアッセイの結果を、表2に示す。アガー希釈法により最も高い抗真菌活性または抗酵母活性を示す化合物は、以下であった:
Microsporum canisに対して、ベツリン、ベツリン−28−マレエート、アロベツリン−3−グルタレート、ベツリン−28−フタレート、アロベツリン−3−スクシネート、
Microsporum audouiniiに対して、ベツリン、アロベツリン、ベツリン−28−スクシネート、ベツリン−3,28−ジスクシネート、ベツリン−3−マレエート、アロベツリン−3−グルタレート、
Trichophyton tonsuransに対して、アロベツリン−3−グルタレートおよびベツリン−3,28−ジフタレート、
Trichophyton mentagrophyteに対して、ベツリン−3,28−ジジグリコレート(didiglycolate)、
Epidermophyton floccosumに対して、ベツリン−3,28−ジフタレート。
(表2.ヒト病原性真菌に対するベツリンおよび誘導体の抗真菌活性)
【0211】
【表2】
真菌増殖を接種の12日後に測定した。
+++ =最大の真菌増殖
++ =中程度の真菌増殖
+ =最少の真菌増殖
+/− =非常に少ない真菌増殖
− =真菌増殖なし
(実施例35)
本実施例において、ベツリンおよびその誘導体の抗真菌特性を、直接添加法およびディスク拡散(disk diffusion)法により決定した。
【0212】
(直接添加法)
Sabouraud dextrose agarを、製造業者の指示書に従って調製し、そして100×25mmチューブに5.0mlずつ分注した。このチューブを、オートクレーブ処理した。45℃の5.0mlの液体アガーの入ったチューブの各々に20mgの固体試験化合物を添加し、最終濃度の4mg/mlにした。このアガーをスラント中で凝固させた。次いで、真菌培養物を接種した。スラントを25〜28℃にて10〜12日間インキュベートし、そして2日ごとに真菌の増殖を記録した。接種から12日目の増殖を、表2の結果に示す。
【0213】
(ディスク拡散法)
Sabouraud dextrose agarを、製造業者の指示書に従って調製し、オートクレーブ処理し、そして滅菌したペトリ皿中で凝固させた。酵母培養物を綿棒で表面一面に広げた。直径10mmの濾紙ディスクに、試験化合物の1つを各々染み込ませ、次いで滅菌したピンセットを用いてプレート上にプレートした。このディスクに、試験化合物のDMSO溶液(10μl)を、1〜10mg/mlの種々の濃度で染み込ませた。24時間後に阻害領域を測定した。
【0214】
(結果)
種々の真菌系統を用いた直接添加法による増殖阻害のアッセイの結果を、表3に示す。直接添加法により最も高い抗真菌活性または抗酵母活性を示す化合物は、以下であった:
Microsporum canisに対して、ベツリン−3,28−ジグリシン、ベツリン−3,28−ジスクシネート、およびベツリン−28−マレエート、
Microsporum audouiniiに対して、ベツリン、アロベツリン−3−L−バリン、ベツリン−3,28−ジマレエートおよびベツリン−28−スクシネート、
Trichophyton rubrumに対して、ベツリンおよびベツリン−3,28−ジ−L−バリン。
【0215】
ディスク拡散法を用いて、Pityrosporum ovaleの増殖を阻害することが見出された化合物はなかった(データは示していない)。しかし、直接添加法によって、いくつかの化合物は、P.ovaleの増殖を阻害することが見出された。P.ovaleに対する直接添加アッセイの結果を、表4に示す。
【0216】
Pityrosporum ovaleに対して、アロベツリン、アロベツリン−3−L−バリン、ベツリン−28−グルタレートおよびベツリン−3,28−ジグルタレートは、直接添加法により4mg/mlで増殖を阻害した。しかし、最小阻害濃度は決定されなかった。これはP.ovale感染に対する標準的な薬物であるナイスタチンを用いた結果に匹敵し得る(ナイスタミンもまた、4mg/mlで増殖を阻害する)。
(表3.ヒト病原性真菌に対するベツリンおよび誘導体の抗真菌活性)
【0217】
【表3】
接種12日後での真菌増殖
+++ =最大の真菌増殖
++ =中程度の真菌増殖
+ =最少の真菌増殖
+/− =非常に少ない真菌増殖
− =真菌増殖なし
NP=アッセイしなかった。
(表4.Pityrosporumアガーへの直接添加による異なる化合物の抗Pityrosporum ovaleの活性)
【0218】
【表4】
接種の18時間後にPityrosporum ovaleの増殖を測定した。
+++ =最大の増殖
++ =中程度の増殖
+ =最少の増殖
+/− =非常に少ない増殖
− =増殖なし
(実施例36)
本実施例は、ルペオール(lupeol)の誘導体を、液体培養中のTrichophyton mentagraphytesの増殖を阻害するその活性について試験した。
【0219】
(液体培地に対する直接添加法)
Sabouraud dextrose brothを、製造業者の指示書に従って調製し、そして100×25mmチューブに7.0mlずつ分注し、そしてオートクレーブ処理した。7.0mlの液体ブロスの入ったチューブの各々に、DMSO中に溶解した試験化合物を添加し、最終濃度を25μg/ml、50μg/mlおよび100μg/mlにした。次いで、このチューブに150μlの真菌懸濁液を接種し、そして25〜28℃にて10〜12日間インキュベートした。滅菌したブロスを含むブランクに対する光学密度測定により(600nm)を2日ごとに増殖を測定した。
【0220】
(結果)
種々の濃度の試験化合物を含有するブロスにおけるTrichophyton mentagrophytes培養物の、増殖12日後の光学密度を、図1に示す。図に列挙した化合物の全名称は以下である。「マレエート」とは、ルペオール−3−マレエートをいう。「ジケトン」とは、ルペノン(lupenon)−1,2−エン−2−オールをいう。「ジメチルスクシネート」とは、ルペオール−3−(3’,3’−ジメチル)スクシネートをいう。「アミン」とは ルペオール−3−アミンをいう。
【0221】
試験したルペオールおよびその全誘導体は、真菌の増殖を阻害した。試験化合物(100μg/ml)での阻害程度は、2つの標準的な抗真菌化合物であるナイスタチンまたはラミシル(Lamisil)(50μg/mlまたは100μg/ml)での阻害程度に匹敵した。
【0222】
(実施例37)
本実施例は、ベツリン誘導体の抗真菌活性についての、他の種々のアッセイ結果をまとめている。その結果を、表5に示す。表5は、先の3つの実施例において開示されているような異なるアッセイ法−−直接添加法、アガー希釈法および液体培養に対する直接添加法を用いた結果をまとめている。いくつかの場合、1つのタイプのアッセイのみを、1つの化合物を用いて行った。他の場合、化合物を、複数のアッセイにより試験した。
【0223】
表5は、以下の化合物が活性化であったことを示す。
【0224】
Candida albicansに対して、アロベツリン−3−スクシネートおよびベツリン−3,28−ジオキサレート3−ポリエチレンイミン。
【0225】
Candida guilliermoundiiに対して、ベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン。
【0226】
Blastomyces dermaidisに対して、ベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン。
【0227】
Crytococcus neoformansに対して、ベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン。
【0228】
Microsporum canisに対して、アロベツリン−3−スクシネート、アロベツリン−3−グルタレート、ベツリン、ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート、ベツリン−28−グルタレート、ベツリン−28−フタレート、ベツリン−28−ジグリコレート、ベツリン−3,28−ジフタレートおよびベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン。
【0229】
Microsporum audouiniiに対して、アロベツリン−3−スクシネート、アロベツリン−3−グルタレート、ベツリン−3−マレエート、ベツリン、ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート、ベツリン−28−グルタレート、ベツリン−28−フタレート、ベツリン−28−ジグリコレート、ベツリン−3,28−ジフタレート、ベツリン−28−スクシネート、ベツリン−3,28−ジスクシネートおよびベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン。
【0230】
Microsporum gypseumに対して、ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート、ベツリン−28−グルタレート、ベツリン−28−ジグリコレート、ベツリン−3,28−ジフタレートおよびベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン。
【0231】
Trichophyton tonsuransに対して、ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート、ベツリン−28−グルタレート、ベツリン−28−フタレート、ベツリン−28−ジグリコレート、ベツリン−3,28−ジフタレートおよびベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン。
【0232】
Trichophyton rubrumに対して、アロベツリン−3−スクシネート、ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート、ベツリン−28−グルタレート、ベツリン−28−フタレート、ベツリン−28−ジグリコレートおよびベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン。
【0233】
Trichophyton mentagrophytesに対して、アロベツリン−3−スクシネート、ベツリン、ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート、ベツリン−28−グルタレート、ベツリン−28−ジグリコレート、ベツリン−3,28−ジフタレートおよびベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン。
【0234】
Epidermophyton floccosumに対して、ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート、ベツリン−28−グルタレート、ベツリン−28−ジグリコレート、ベツリン−3,28−ジフタレートおよびベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン。
(表5.ヒト病原性真菌および酵母に対する化合物の活性)
【0235】
【表5】
上記の4つの実施例のいずれかにおいて、少なくとも1種の真菌(酵母を含む)に対して活性な化合物は、以下である:
アロベツリン
アロベツリン−3−スクシネート
アロベツリン−3−グルタレート
アロベツリン−3−L−バリン
ベツリン
ベツリン−3−マレエート
ベツリン−28−ジグリコレート
ベツリン−28−グルタレート
ベツリン−28−マレエート
ベツリン−28−フタレート
ベツリン−28−スクシネート
ベツリン−3,28−ジグリシン
ベツリン−3,28−ジジグリコレート
ベツリン−3,28−ジマレエート
ベツリン−3,28−ジオキサレート−3−ポリエチレンイミン
ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート
ベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン
ベツリン−3,28−ジフタレート
ベツリン−3,28−ジスクシネート
ベツリン−3,28−ジ−L−バリン
ルペオール
ルペオール−3−アミン
ルペオール−3−(3’,3’−ジメチル)スクシネート
ルペオール−3−マレエート
ルペノン
ルペノン−1,2−エン−2−オール。
【0236】
全ての刊行物、特許、および特許文献は、個別に参考として援用されるように、本明細書中で参考として援用される。本発明は、種々の特定かつ好ましい実施形態および技術を参照して記載される。しかし、多くのバリエーションおよび改変は本発明の精神および範囲内にあるまま行なわれ得ることが、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、ルペオールの種々の誘導体を用いた液体培養における、Trichophyton mentagrophytesに対する増殖阻害研究の結果の図解である。
Claims (81)
- 真菌感染または酵母感染に羅患した哺乳動物を処置する医薬の製造のための、式(I)の化合物:
ここで、
R1は、水素またはヒドロキシであり;
R2は、直接結合、カルボニル、オキシ、チオ、カルボニルオキシ、オキシカルボニル、(C6〜C10)アリール、または(C1〜C6)アルキルであり;
R3は、水素、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルキル、O=P(OH)2、O=P(OH)2OP(O)(OH)−、(C1〜C5)アルカノイル、Si(R)3(ここで、各Rは、H、フェニルもしくは(Cl〜C6)アルキルである)、C(O)N(R)2、ベンジル、ベンゾイル、テトラヒドロピラン−2−イル、1−[(C1〜C4)アルコキシ](C1〜C4)アルキル、またはグリコシドであり;
R4は、水素、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルキル、O=P(OH)2、O=P(OH)2OP(O)(OH)−、(C1〜C5)アルカノイル、Si(R)3(ここで、各Rは、H、フェニルもしくは(C1〜C6)アルキルである)、C(O)N(R)2、ベンジル、ベンゾイル、テトラヒドロピラン−2−イル、1−[(C1〜C4)アルコキシ](C1〜C4)アルキル、またはグリコシドであるか;あるいは、R4およびR5は、一緒になってオキソであり;そして、
R5は、直接結合、カルボニル、オキシ、チオ、カルボニルオキシ、オキシカルボニル、(C6〜C10)アリール、または(C1〜C6)アルキルであるか;あるいは、R4およびR5は、一緒になってオキソであり;
ここで、任意のアルキルは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、(C6〜C10)アリール、ニトロ、シアノ、(C1〜C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレングリコール)、オキソ、NR7R8(ここで、R7およびR8は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキルもしくはポリエチレンイミン;またはC(=O)OR9であり、ここで、R9は、水素、(C1〜C6)アルキル、もしくはポリエチレンイミンである)で必要に応じて置換され得;
−−−によって表わされる各々の結合は、独立して、非存在であるか、または存在しており;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、ポリエチレンイミン、またはポリ(エチレングリコール)により炭素が分断されており;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、部分的に不飽和であり;
ここで、任意のアリールは、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、(C1〜C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレングリコール)、オキソ、NR7R8(ここで、R7およびR8は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキルもしくはポリエチレンイミンである);またはC(=O)OR9(ここで、R9は、水素、(C1〜C6)アルキル、またはポリエチレンイミンである)で必要に応じて置換され得る、
化合物の使用。 - 炭素1と炭素2との間の結合が単結合である、請求項1に記載の化合物の使用。
- 炭素1と炭素2との間の結合が二重結合である、請求項1に記載の化合物の使用。
- R1が水素である、請求項1に記載の化合物の使用。
- R1がヒドロキシである、請求項1に記載の化合物の使用。
- R2が直接結合である、請求項1に記載の化合物の使用。
- R3が(C1〜C6)アルキルである、請求項1に記載の化合物の使用であって;ここで、
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキソ、カルボキシ、アミノ、−OP(=O)(OH)2、またはフェニルで置換され得;
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシまたはチオにより炭素が分断されており;
任意のアルキルは、必要に応じて、部分的に不飽和であり;そして、
任意のアリールは、必要に応じて、1つ以上のヒドロキシまたはカルボキシで置換され得る、
化合物の使用。 - 請求項に7記載の化合物の使用であって、ここで、R3は、ヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセトキシメチル、4−カルボキシブタノイルオキシメチル、3−カルボキシプロペノイルオキシメチル、2−カルボキシベンゾイルオキシメチル、3−カルボキシプロパノイルオキシメチル、アミノアセトキシメチル、カルボキシカルボニルオキシメチル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイルオキシメチル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイルオキシメチル、または−CH2OC(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)x−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]yである、
化合物の使用。 - R4が水素または(C1〜C6)アルキルである、請求項1に記載の化合物の使用であって;ここで、
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキソ、カルボキシ、アミノ、−OP(=O)(OH)2、またはフェニルで置換され得;
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシまたはチオにより炭素が分断されており;
任意のアルキルは、必要に応じて、部分的に不飽和であり;そして、
任意のアリールは、必要に応じて、1つ以上のヒドロキシまたはカルボキシで置換され得る、
化合物の使用。 - 請求項9に記載の化合物の使用であって、ここで、R4は、水素、ヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセチル、4−カルボキシブタノイル、3−カルボキシプロペノイル、2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシプロパノイル、アミノアセチル、カルボキシカルボニル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイル、3−カルボキシ−3−メチルブタノイル、または−C(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)X−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]yである、
化合物の使用。 - R4およびR5が一緒になってオキソである、請求項1に記載の化合物の使用。
- 請求項1に記載の化合物の使用であって、ここで、
R1は、水素またはヒドロキシであり;
R2は、直接結合であり;
R3は、(C1〜C6)アルキルであり;
R4は、水素または(C1〜C6)アルキルであり;そして、
R5は、オキシであるか、またはR4およびR5は、一緒になってオキソであり;
ここで、
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキソ、カルボキシ、アミノ、−OP(=O)(OH)2、またはフェニルで置換され得;
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシまたはチオにより炭素が分断されており;
任意のアルキルは、必要に応じて、部分的に不飽和であり;そして、
任意のアリールは、必要に応じて、1つ以上のヒドロキシまたはカルボキシで置換され得る、
化合物の使用。 - 請求項1に記載の化合物の使用であって、ここで、
R1は、水素またはヒドロキシであり;
R2は、直接結合であり;
R3は、ヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセトキシメチル、4−カルボキシブタノイルオキシメチル、3−カルボキシプロペノイルオキシメチル、2−カルボキシベンゾイルオキシメチル、3−カルボキシプロパノイルオキシメチル、アミノアセトキシメチル、カルボキシカルボニルオキシメチル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイルオキシメチル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイルオキシメチル、または−CH2OC(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)x−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]yであり;
R4は、水素、ヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセチル、4−カルボキシブタノイル、3−カルボキシプロペノイル、2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシプロパノイル、アミノアセチル、カルボキシカルボニル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイル、3−カルボキシ−3−メチルブタノイル、または−C(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)x−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]yであり;そして、
R5は、オキシであるか、またはR4およびR5は、一緒になってオキソである、
化合物の使用。 - 請求項1に記載の化合物の使用であって、ここで、前記トリテルペンが、ベツリン;ベツリン−3,28−ジグリシン;ベツリン−28−グリセロールオキサレート;ベツリン−28−グリシン;ベツリン−28−オキサレート;ベツリンアラビノースガラクタン;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3−マレエート;ベツリン−3,28−ジ−(L−グルタミン酸γ−ベンジルエステル)エステル;ベツリン−3,28−ジ−L−アラニン;ベツリン−3,28−ジ−L−プロリンエステル;ベツリン−3,28−ジオキサレート;ベツリン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−ジフェニルアラニン;ベツリン−3,28−ジオキサレート−ポリエチレンアミン;ベツリン−3,28−ジホスフェート;ベツリン−3−カフェエート;ベツリン−3,28−(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−28−ジグリコレート;ベツリン−28−グルタレート;ベツリン−28−マレエート;ベツリン−28−フタレート;ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−3,28−ジジグリコレート;ベツリン−3,28−ジチオジグリコレート;ベツリン−3,28−ジグルタレート;ベツリン−3,28−ジマレエート;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3,28−ジフタレート;ベツリン−3,28−ジ−L−バリンエステル;ベツリン−28−スクシネート;ベツリン−3,28−ジスクシネート;ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=1448);ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906);ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906);ベツリン酸;ベツロン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−(ジポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル);ヘデリン水和物;ルペオール;ルペオール−3−グルタレート;ルペオール−3−スクシネート;ルペオール−3−チオジグリコレート;ルペオール−3−フタレート;オレアノール酸;ウルソル酸またはウバオールである、
化合物の使用。 - 請求項1に記載の化合物の使用であって、ここで、前記トリテルペンが、ベツリン;ベツリン−3,28−ジグリシン;ベツリン−28−グリセロールオキサレート;ベツリン−28−グリシン;ベツリンオキサレート;ベツリンアラビノースガラクタン;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3−マレエート;ベツリン−ジ−(L−グルタミン酸γ−ベンジルエステル)エステル;ベツリン−3,28−ジ−L−アラニン;ベツリン−3,28−ジ−L−プロリン;ベツリン−3,28−ジオキサレート;ベツリン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−ジフェニルアラニンエステル;ベツリン−3,28−ジオキサレート−(ポリエチレンアミン);ベツリン−3−カフェエート;ベツリン−3,28−(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−28−ジグリコレート;ベツリン−28−グルタレート;ベツリン−28−フタレート;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3,28−ジフタレート;ベツリン−3,28−ホスフェート;ベツリン−28−スクシネート;ベツリン−3,28−ジスクシネート;ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=1448);ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906、粗製);ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906);ベツロン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−(ジポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル);ヘデリン水和物;ルペオール−3−スクシネート;ルペオール−3−フタレート;ルペオール−3−グルタレート;オレアノール酸;ウルソル酸;またはウバオールである、
化合物の使用。 - 請求項1に記載の化合物の使用であって、ここで、前記トリテルペンが、ベツリン;ベツリン−3−マレエート;ベツリン−28−ジグリコレート;ベツリン−28−グルタレート;ベツリン−28−マレエート;ベツリン−28−フタレート;ベツリン−28−スクシネート;ベツリン−3,28−ジグリシン;ベツリン−3,28−ジジグリコレート;ベツリン−3,28−ジマレエート;ベツリン−3,28−ジオキサレート−3−ポリエチレンイミン;ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン;ベツリン−3,28−ジフタレート;ベツリン−3,28−ジスクシネート;ベツリン−3,28−ジ−L−バリン;ルペオール;ルペオール−3−アミン;ルペオール−3−(3’,3’−ジメチル)スクシネート;ルペオール−3−マレエート;ルペノン;またはルペノン−1,2−エン−2−オールである、
化合物の使用。 - 真菌感染または酵母感染に羅患した哺乳動物を処置する医薬の製造のための、式(II)の化合物:
ここで、
R1およびR2の一方は、−O−Yであり、そして他方は、水素、またはヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ハロ、ハロ(C1〜C6)アルコキシもしくはNRjRkで必要に応じて置換された(C1〜C6)アルキルであり、ここで、RjおよびRkは、独立して、H、(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C6)アルコニルであるか;あるいは、R1およびR2は、一緒になってオキソ(=O)であり; R3は、水素、ハロ、カルボキシ、メルカプト、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、または−O−Yであり;
R4およびR5は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、またはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであり;
R6は、水素であるか、または隣接した−−−が結合である場合存在せず;
R7は、水素または(C1〜C6)アルキルであり;
R8は、水素、(C1〜C6)アルキル、またはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであり、そしてR11は、水素、(C1〜C6)アルキル、カルボキシ、またはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであるか;あるいは、R8およびR11は、一緒になって−O−C(=X)−であり;
R9およびR10は、各々独立して、水素または(C1〜C6)アルキルであり; −−−によって表わされる各々の結合は、独立して非存在であるか、または存在しており;
Xは、2個の水素、オキソ(=O)、またはチオキソ(=S)であり;
各Yは、独立して、H、アリール、P(O)(Cl)2、(C3〜C8)シクロアルキル、アダマンチル、−SO2RaO=P(Rb)2、O=P(Rc)2OP(O)(Rd)−、Si(Re)3、テトラヒドロピラン−2−イル、アミノ酸、ペプチド、グリコシド、または非過酸化物のオキシ、チオおよび−N(Rf)−から選択される1個、2個、もしくは3個のヘテロ原子を必要に応じて含む1〜10員の分枝もしくは非分枝の炭素鎖であり;ここで、該鎖は、必要に応じて、1個、2個、3個または4個のオキソ(=O)、ヒドロキシ、カルボキシ、ハロ、メルカプト、ニトロ、−N(Rg)(Rh)、(C3〜C8)シクロアルキル、(C3〜C8)シクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、アダマンチル、アダマンチルオキシ、ヒドロキシアミノ、トリフルオロアセチルアミノ、グリコシド、アミノ酸またはペプチドで、炭素を置換され得;そしてここで、該鎖は、必要に応じて、飽和もしくは不飽和(例えば、1つ、2つ、3つまたはそれより多くの二重結合または三重結合を含む)であり得;
Raは、(C1〜C6)アルキルまたはアリールであり;
Rb、RcおよびRdは、各々独立して、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C2〜C6)アルコキシ、アダマンチルオキシ、アダマンチル(C1〜C6)アルコキシ、ノルボルニルオキシ、1,1−ジ(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエトキシ、カルボキシ(C1〜C6)アルコキシ、2,3−エポキシプロピルオキシ、ベンジルオキシ、(C3〜C8)シクロアルキルオキシ、NRxRy、またはアリールオキシであり
Reは、H、アリールまたは(C1〜C6)アルキルであり;
Rfは、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、フェニルまたはベンジルであり;
RgおよびRhは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アダマンチル、アダマンチル(C1〜C6)アルキル、アミノ(C1〜C6)アルキル、アミノスルホニル、(C1〜C6)アルカノイル、アリール、およびベンジルからなる群より選択されるか;あるいは、RbおよびRcは、それらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ基、ピペリジノ基またはモルホリノ基を形成し;そして、
RxおよびRyは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、アリールまたはベンジルであり;
ここで、Y、Ra〜Rd、Rg〜Rh、RxおよびRyの各アリールは、必要に応じて、1個、2個、または3個のアミノスルホニル、カルボキシ、NRiRj、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、メルカプト、カルボキシ、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、トリフルオロメトキシ、(C1〜C6)アルカノイル、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルチオ、または(C1〜C6)アルカノイルオキシで置換され得;ここで、RiおよびRjは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、フェニル、またはベンジルであり;
ここで、任意のアルキルは、1つ以上のポリエチレンイミン、またはポリ(エチレングリコール)で必要に応じて置換され得;そしてここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のポリエチレンイミン、またはポリ(エチレングリコール)により分断され得る、
化合物の使用。 - 炭素1と炭素2との間の結合が単結合である、請求項17に記載の化合物の使用。
- R1が−O−Yであり、Yが水素、アミノ酸、または(C1〜C6)アルキルである、請求項17に記載の化合物の使用であって;ここで、
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキソ、ヒドロキシ、アミノ、フェニル、またはカルボキシで置換され得;
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシまたはチオにより分断され得;そして、
任意のフェニルは、必要に応じて、1つ以上のヒドロキシまたはカルボキシで置換され得る、
化合物の使用。 - R1が、−O−Yであり、そしてYが、水素、3−カルボキシプロパノイル、4−カルボキシブタノイル、または2−アミノ−2−メチルブタノイルである、請求項17に記載の化合物の使用。
- R2が水素である、請求項17に記載の化合物の使用。
- R3が水素である、請求項17に記載の化合物の使用。
- R4がメチルである、請求項17に記載の化合物の使用。
- R5がメチルである、請求項17に記載の化合物の使用。
- R6が水素であり、かつ炭素12と炭素13との間の結合が単結合である、請求項17に記載の化合物の使用。
- R7が水素である、請求項17に記載の化合物の使用。
- R8およびR11が、一緒になって−O−CH2−である、請求項17に記載の化合物の使用。
- R9がメチルである、請求項17に記載の化合物の使用。
- R10がメチルである、請求項17に記載の化合物の使用。
- 請求項17に記載の化合物の使用であって、ここで、
R1は、−O−Yであり、そしてYは、水素、アミノ酸、または(C1〜C6)アルキルであり;ここで、
Yの該アルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキソ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、またはフェニル(必要に応じて、1つ以上のヒドロキシまたはカルボキシで置換されている)で置換され得;
そして、必要に応じて、1つ以上のオキシまたはチオにより分断され得;
R2は、水素であり;
R3は、水素であり、そして炭素1と炭素2との間の結合は、単結合であり;
R4およびR5は、各々メチルであり;
R6は、水素であり、そして炭素12と炭素13との間の結合は、単結合であり;
R7は、水素であり;
R8およびR11は、一緒になって−O−CH2−であり;そして、
R9およびR10は、各々メチルである、
化合物の使用。 - 請求項17に記載の化合物の使用であって、ここで、前記トリテルペンが、3−β−アセトキシ−19αH−19,28−ラクトンオレアナン;アロベツリン;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリン−3−グリシン;アロベツリンラクトン;アロベツリンラクトン−3−アセテート;アロベツリンラクトン−3−ホスフェート;アロベツリン−3−L−アラニン;アロベツリン−3−L−バリン;アロベツリン−3−L−プロリンエステル;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリン−3−ジグリコレート;アロベツリン−3−フタレート;アロベツリン−3−メチレンアミン;アロベツリン−3−エタノールアミン;アロベツリン−3−グリコレート;アロベツリン−3−グルタレート;アロベツリン−28−グルタレート;アロベツリン−3−メチルアミンHCl;アロベツリン−3−ホスフェート;アロベツリン−3−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=674);アロベツロン;アロベツロンラクトン−1−エン−2−オール;アロベツロンラクトン−1−エン−2−スクシネート;アロベツロン−1−エン−2−オール;アロベツロン−1−エン−2−ジグリコレート;3−アロベツロン−1−エン−2−スクシネート;アロベツリン−3−(ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル);または3−アロベツロン−1−エン−2−ジグリコレートである、
化合物の使用 - 請求項17に記載の化合物の使用であって、ここで、前記トリテルペンは、3−β−アセトキシ−19αH−19,28−ラクトンオレアナン;アロベツリン;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリンラクトン;アロベツリンラクトン−3−アセテート;アロベツリンラクトン−3−ホスフェート;アロベツリン−3−L−バリン;アロベツリン−3−L−プロリン;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリン−3−ジグリコレート;アロベツリン−3−メチレンアミン;アロベツリン−3−エタノールアミン;アロベツリン−3−グリコレート;アロベツリン−3−グルタレート;アロベツリン−3−グルタレート;アロベツリン−3−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=674);アロベツロン;アロベツロンラクトン−1−エン−2−オール;アロベツロンラクトン−1−エン−2−スクシネート;アロベツロン−1−エン−2−オール;アロベツロン−1−エン−2−ジグリコレート;3−アロベツロン−1−エン−2−スクシネート;またはアロベツリン−3−(ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル)である、
化合物の使用。 - 前記トリテルペンが、アロベツリン、アロベツリン−3−グルタレート、アロベツリン−3−スクシネート、またはアロベツリン−3−L−バリンである、請求項17に記載の化合物の使用。
- 前記哺乳動物がヒトである、請求項1または17に記載の化合物の使用。
- 前記真菌感染が皮膚糸状菌真菌によって引き起こされる、請求項1または17に記載の化合物の使用。
- 前記皮膚糸状菌真菌が、Microsporum canis、Microsporum gypseum、Microsporum audouinii、Trichophyton tonsurans、Trichophyton mentagrophytes、Epidermophyton floccosum、Trichophyton rubrum、またはPityrosporum ovaleである、請求項1または17に記載の化合物の使用。
- 前記真菌感染が、Candida albicans、またはCadida guilliermoundiによって引き起こされる、請求項1または17に記載の化合物の使用。
- 前記真菌感染が、Blastomyces dermatidis、またはCryptococcus neoformansによって引き起こされる、請求項1または17に記載の化合物の使用。
- 前記酵母感染が、Pityrosporum ovaleによって引き起こされる、請求項1または17に記載の化合物の使用。
- 真菌または酵母を阻害または殺傷する方法であって、該真菌または酵母を、有効な抗真菌または抗酵母量の式(I)のトリテルペン:
R1は、水素またはヒドロキシであり;
R2は、直接結合、カルボニル、オキシ、チオ、カルボニルオキシ、オキシカルボニル、(C6〜C10)アリール、または(C1〜C6)アルキルであり;
R3は、水素、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルキル、O=P(OH)2、O=P(OH)2、O=P(OH)2OP(O)(OH)−、(C1〜C5)アルカノイル、Si(R)3(ここで、各Rは、H、フェニルもしくは(C1〜C6)アルキルである)、C(O)N(R)2、ベンジル、ベンゾイル、テトラヒドロピラン−2−イル、1−[(C1〜C4)アルコキシ](C1〜C4)アルキル、またはグリコシドであり;
R4は、水素、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルキル、O=P(OH)2、O=P(OH)2、O=P(OH)2OP(O)(OH)−、(C1〜C5)アルカノイル、Si(R)3(ここで各Rは、H、フェニルもしくは(C1〜C6)アルキルである)、C(O)N(R)2、ベンジル、ベンゾイル、テトラヒドロピラン−2−イル、1−[(C1〜C4)アルコキシ](C1〜C4)アルキル、またはグリコシドであるか;またはR4およびR5は、一緒になってオキソであり;そして
R5は、直接結合、カルボニル、オキシ、チオ、カルボニルオキシ、オキシカルボニル、(C6〜C10)アリール、もしくは(C1〜C6)アルキルであるか;またはR4およびR5は、一緒になってオキソであり;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、(C6〜C10)アリール、ニトロ、シアノ、(C1〜C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレングリコール)、オキソ、NR7R8(ここで、R7およびR8は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキルもしくはポリエチレンイミンである);またはC(=O)OR9(ここでR9は、水素、(C1〜C6)アルキル、もしくはポリエチレンイミンである)で置換され得;
−−−によって表される結合の各々は、独立して、非存在または存在し;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、ポリエチレンイミン、またはポリ(エチレングリコール)で、炭素が分断されており;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、部分的に不飽和であり;
ここで、任意のアリールは、必要に応じて、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、(C1〜C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレングリコール)、オキソ、NR7R8(ここで、R7およびR8は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキルもしくはポリエチレンイミンである);またはC(=O)OR9(ここで、R9は、水素、(C1〜C6)アルキル、もしくはポリエチレンイミンである)で置換され得る、方法。 - 炭素1と炭素2との間の結合が単結合である、請求項40に記載の方法。
- 炭素1と炭素2との間の結合が二重結合である、請求項40に記載の方法。
- R1が水素である、請求項40に記載の方法。
- R1がヒドロキシである、請求項40に記載の方法。
- R2が直接結合である、請求項40に記載の方法。
- R3が(C1〜C6)アルキルであり;ここで
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキソ、カルボキシ、アミノ、−OP(=O)(OH)2、またはフェニルで置換され得;
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシまたはチオで炭素が分断されており;
任意のアルキルは、必要に応じて、部分的に不飽和であり;そして
任意のアリールは、必要に応じて、1つ以上のヒドロキシまたはカルボキシで置換され得る、請求項40に記載の方法。 - R3がヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセトキシメチル、4−カルボキシブタノイルオキシメチル、3−カルボキシプロペノイルオキシメチル、2−カルボキシベンゾイルオキシメチル、3−カルボキシプロパノイルオキシメチル、アミノアセトキシメチル、カルボキシカルボニルオキシメチル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイルオキシメチル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイルオキシメチル、または−CH2OC(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)x−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]yである、請求項46に記載の方法。
- R4が、水素または(C1〜C6)アルキルであり;ここで
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキソ、カルボキシ、アミノ、−OP(=O)(OH)2、またはフェニルで置換され得;
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシまたはチオで炭素が分断されており;
任意のアルキルは、必要に応じて、部分的に不飽和であり;そして
任意のアリールは、必要に応じて、1つ以上のヒドロキシまたはカルボキシで置換され得る、請求項40に記載の方法。 - R4が、水素、ヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセチル、4−カルボキシブタノイル、3−カルボキシプロペノイル、2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシプロパノイル、アミノアセチル、カルボキシカルボニル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイル、3−カルボキシ−3−メチルブタノイルまたは−C(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)x−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]yである、請求項48に記載の方法。
- R5がオキシである、請求項40に記載の方法。
- R4およびR5が、一緒になってオキソである、請求項40に記載の方法。
- R1は、水素またはヒドロキシであり;
R2は、直接結合であり;
R3は、(C1〜C6)アルキルであり;
R4は、水素または(C1〜C6)アルキルであり;そして
R5は、オキシであるか、またはR4およびR5は、一緒になってオキソであり;
ここで
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキソ、カルボキシ、アミノ、−OP(=O)(OH)2、またはフェニルで置換され得;
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシまたはチオで炭素が分断されており;
任意のアルキルは、必要に応じて、部分的に不飽和であり;そして
任意のアリールは、必要に応じて、1つ以上のヒドロキシまたはカルボキシで置換され得る、請求項40に記載の方法。 - R5がオキシである、請求項1に記載の化合物の使用。
- R1は、水素またはヒドロキシであり;
R2は、直接結合であり;
R3は、ヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセトキシメチル、4−カルボキシブタノイルオキシメチル、3−カルボキシプロペノイルオキシメチル、2−カルボキシベンゾイルオキシメチル、3−カルボキシプロパノイルオキシメチル、アミノアセトキシメチル、カルボキシカルボニルオキシメチル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイルオキシメチル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイルオキシメチル、または−CH2OC(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)x−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]yであり;
R4は、水素、ヒドロキシメチル、(カルボキシメトキシ)アセチル、4−カルボキシブタノイル、3−カルボキシプロペノイル、2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシプロパノイル、アミノアセチル、カルボキシカルボニル、2−アミノ−3−メチル−ブタノイル、4−カルボキシ−(3,3−ジメチル)ブタノイル、3−カルボキシ−3−メチルブタノイルまたは−C(=O)C(=O)−(−NHCH2CH2)x−[−N(CH2CH2NH2)CH2CH2]yであり;そして
R5は、オキシであるか、またはR4およびR5が一緒になって、オキソである、請求項40に記載の方法。 - 前記トリテルペンが、ベツリン;ベツリン−3,28−ジグリシン;ベツリン−28−グリセロールオキサレート;ベツリン−28−グリシン;ベツリン−28−オキサレート;ベツリンアラビノースガラクタン;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3−マレエート;ベツリン−3,28−ジ−(L−グルタミン酸γ−ベンジルエステル)エステル;ベツリン−3,28−ジ−L−アラニン;ベツリン−3,28−ジ−L−プロリンエステル;ベツリン3,28−ジオキサレート;ベツリン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−ジフェニルアラニン;ベツリン−3,28−ジオキサレート−ポリエチレンアミン;ベツリン−3,28−ジホスフェート;ベツリン−3−カフェエート;ベツリン−3,28−(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−28−ジグリコレート;ベツリン−28−グルタレート;ベツリン−28−マレエート;ベツリン−28−フタレート;ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−3,28−ジジグリコレート;ベツリン−3,28−ジチオジグリコレート;ベツリン−3,28−ジグルタレート;ベツリン−3,28−ジマレエート;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3,28−ジフタレート;ベツリン−3,28−ジ−L−バリンエステル;ベツリン−28−スクシネート;ベツリン−3,28−ジスクシネート;ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=1448);ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906);ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906);ベツリン酸;ベツロン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−(ジポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル);ヘデリン水和物;ルペオール;ルペオール−3−グルタレート;ルペオール−3−スクシネート;ルペオール−3−チオジグリコレート;ルペオール−3−フタレート;オレアノール酸;ウルソル酸;またはウバオールである、請求項40に記載の方法。
- 前記トリテルペンが、ベツリン;ベツリン−3,28−ジグリシン;ベツリン−28−グリセロールオキサレート;ベツリン−28−グリシン;ベツリンオキサレート;ベツリンアラビノースガラクタン;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3−マレエート;ベツリンジ−(L−グルタミン酸γ−ベンジルエステル)エステル;ベツリン3,28−ジ−L−アラニン;ベツリン3,28−ジ−L−プロリン;ベツリン−3,28−ジオキサレート;ベツリン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−ジフェニルアラニンエステル;ベツリン−3,28−ジオキサレート−(ポリエチレンアミン);ベツリン−3−カフェエート;ベツリン−3,28−(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−28−ジグリコレート;ベツリン−28−グルタレート;ベツリン−28−フタレート;ベツリン−3,28−ジグリコレート;ベツリン−3,28−ジフタレート;ベツリン−3,28−ホスフェート;ベツリン−28−スクシネート;ベツリン−3,28−ジスクシネート;ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=1448);ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906);ベツリン−3,28−ジ−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=906);ベツロン−1−エン−2−オール;ベツリン−3,28−(ジポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル);ヘデリン水和物;ルペオール−3−スクシネート;ルペオール−3−フタレート;ルペオール−3−グルタレート;オレアノール酸;ウルソル酸;またはウバオールである、請求項40に記載の方法。
- 前記トリテルペンが、ベツリン;ベツリン−3−マレエート;ベツリン−28−ジグリコレート;ベツリン−28−グルタレート;ベツリン−28−マレエート;ベツリン−28−フタレート;ベツリン−28−スクシネート;ベツリン−3,28−ジグリシン;ベツリン−3,28−ジジグリコレート;ベツリン−3,28−ジマレエート;ベツリン−3,28−ジオキサレート−3−ポリエチレンイミン;ベツリン−3,28−ジ(3’,3’−ジメチル)グルタレート;ベツリン−3,28−ジオキサレート−3,28−ポリエチレンイミン;ベツリン−3,28−ジフタレート;ベツリン−3,28−ジスクシネート;ベツリン−3,28−ジ−L−バリン;ルペオール;ルペオール−3−アミン;ルペオール−3−(3’,3’−ジメチル)スクシネート;ルペオール−3−マレエート;ルペノン;またはルペノン−1,2−エン−2−オールである、請求項40に記載の方法。
- 真菌または酵母を阻害または殺傷する方法であって、該真菌または酵母を、有効な抗真菌または抗酵母量の式(II)のトリテルペン:
ここで、
R1およびR2のうちの1つが、−O−Yであり、そして他方は、水素、または必要に応じて、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ハロ、ハロ(C1〜C6)アルコキシもしくはNRjRkにより置換された(C1〜C6)アルキルであり、ここで、RjおよびRkは、独立して、H、(C1〜C6)アルキルもしくは(C1〜C6)アルコニルであるか;またはR1およびR2は、一緒になって、オキソ(=O)であり;
R3は、水素、ハロ、カルボキシ、メルカプト、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、または−O−Yであり;
R4およびR5は、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、またはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであり;
R6は、水素であるか、または隣接する−−−が結合である場合は非存在であり;
R7は、水素または(C1〜C6)アルキルであり;
R8は、水素、(C1〜C6)アルキル、もしくはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであり、そしてR11は、水素、(C1〜C6)アルキル、カルボキシ、またはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであるか;またはR8およびR11は一緒になって、−O−C(=X)−であり;
R9およびR10は、各々独立して、水素または(C1〜C6)アルキルであり;
−−−によって表される結合の各々は、独立して、非存在または存在し;
Xは、2つの水素、オキソ(=O)またはチオキソ(=S)であり;
各Yは、独立して、H、アリール、P(O)(Cl)2、(C3〜C8)シクロアルキル、アダマンチル、−SO2RaO=P(Rb)2、O=P(Rc)2OP(O)(Rd)−、Si(Re)3、テトラヒドロピラン−2−イル、アミノ酸、ペプチド、グリコシド、または1〜10員の、分枝または非分枝の炭素鎖であり、該炭素鎖は、必要に応じて、非過酸化物のオキシ、チオ、および−N(Rf)−から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含み;ここで、該鎖は、必要に応じて、炭素上で、1個、2個、3個、または4個のオキソ(=O)、ヒドロキシ、カルボキシ、ハロ、メルカプト、ニトロ、−N(Rg)(Rh)、(C3〜C8)シクロアルキル、(C3〜C8)シクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、アダマンチル、アダマンチルオキシ、ヒドロキシアミノ、トリフルオロアセチルアミノ、グリコシド、アミノ酸、またはペプチドで置換され得;そしてここで、該鎖は、必要に応じて、飽和または不飽和(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれより多くの二重結合または三重結合を含む)であり得;
Raは、(C1〜C6)アルキルまたはアリールであり;
Rb、Rc、およびRdは、各々独立して、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ(C2〜C6)アルコキシ、アダマンチルオキシ、アダマンチル(C1〜C6)アルコキシ、ノルボルニルオキシ、1,1−ジ(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエトキシ、カルボキシ(C1〜C6)アルコキシ、2,3−エポキシプロピルオキシ、ベンジルオキシ、(C3〜C8)シクロアルキルオキシ、NRxRy、またはアリールオキシであり;
Reは、H、アリールまたは(C1〜C6)アルキルであり;
Rfは、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、フェニルまたはベンジルであり;
RgおよびRhは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アダマンチル、アダマンチル(C1〜C6)アルキル、アミノ(C1〜C6)アルキル、アミノスルホニル、(C1〜C6)アルカノイル、アリールおよびベンジルからなる群より選択されるか;またはRbおよびRcは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ基、ピペリジノ基、またはモルホリノ基を形成し;そして
RxおよびRyは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、アリールまたはベンジルであり;
ここで、Y、Ra〜Rd、Rg〜Rh、Rx、およびRyの各アリールは、必要に応じて、1個、2個、または3個のアミノスルホニル、カルボキシ、NRiRj、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、メルカプト、カルボキシ、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、ハロ(C1〜C6)アルキル、トリフルオロメトキシ、(C1〜C6)アルカノイル、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルチオ、または(C1〜C6)アルカノイルオキシにより置換され得;ここで、RiおよびRjは、各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル、フェニル、またはベンジルであり;
ここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のポリエチレンイミンまたはポリ(エチレングリコール)で置換され得;そしてここで、任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のポリエチレンイミンまたはポリ(エチレングリコール)で分断され得る、方法。 - 炭素1と炭素2との間の結合が単結合である、請求項58に記載の方法。
- R1が−O−Yであり、そしてYが水素、アミノ酸、または(C1〜C6)アルキルであり;ここで、
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキソ、ヒドロキシ、アミノ、フェニル、またはカルボキシで置換され得;
任意のアルキルは、必要に応じて、1つ以上のオキシまたはチオで分断され得、;
任意のフェニルは、必要に応じて、1つ以上のヒドロキシまたはカルボキシで置換され得る、請求項58に記載の方法。 - R1が−O−Yであり、そしてYが水素、3−カルボキシプロパノイル、4−カルボキシブタノイル、または2−アミノ−2−メチルブタノイルである、請求項58に記載の方法。
- R2が水素である、請求項58に記載の方法。
- R3が水素である、請求項58に記載の方法。
- R4がメチルである、請求項58に記載の方法。
- R5がメチルである、請求項58に記載の方法。
- R6が水素であり、そして炭素12と炭素13との間の結合が単結合である、請求項58に記載の方法。
- R7が水素である、請求項58に記載の方法。
- R8およびR11が、一緒になって−O−CH2−である、請求項58に記載の方法。
- R9がメチルである、請求項58に記載の方法。
- R10がメチルである、請求項58に記載の方法。
- R1が−O−Yであり、そしてYが水素、アミノ酸、または(C1〜C6)アルキルであり;ここで
Yの該アルキルが、必要に応じて、1つ以上のオキソ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、または必要に応じて1つ以上のヒドロキシもしくはカルボキシで置換されたフェニルで置換され得;
そして必要に応じて、1つ以上のオキシまたはチオで分断され得;
R2は、水素であり;
R3は、水素であり、そして炭素1と酸素2との間の結合は、単結合であり;
R4およびR5は、各々メチルであり;
R6は、水素であり、そして炭素12と炭素13との間の結合は、単結合であり;
R7は、水素であり;
R8およびR11は、一緒になって、−O−CH2−であり;そして
R9およびR10は、各々メチルである、請求項58に記載の方法。 - 前記トリテルペンが、3−β−アセトキシ−19αH−19,28ラクトンオレアナン;アロベツリン;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリン−3−グリシン;アロベツリンラクトン;アロベツリンラクトン−3−アセテート;アロベツリンラクトン−3−ホスフェート;アロベツリン−3−L−アラニン;アロベツリン−3−L−バリン;アロベツリン−3−L−プロリンエステル;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリン−3−ジグリコレート;アロベツリン−3−フタレート;アロベツリン−3−メチレンアミン;アロベツリン−3−エタノールアミン;アロベツリン−3−グリコレート;アロベツリン−3−グルタレート;アロベツリン−28−グルタレート;アロベツリン−3−メチルアミンHCl;アロベツリン−3−ホスフェート;アロベツリン−3−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=674);アロベツロン;アロベツロンラクトン1−エン−2−オール;アロベツロンラクトン−1−エン−2−スクシネート;アロベツロン−1−エン−2−オール;アロベツロン−1−エン−2−ジグリコレート;3−アロベツロン−1−エン−2−スクシネート;アロベツリン−3−(ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル);または3−アロベツロン−1−エン−2−ジグリコレートである、請求項58に記載の方法。
- 前記トリテルペンが、3−β−アセトキシ−19αH−19,28−ラクトンオレアナン;アロベツリン;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリンラクトン;アロベツリンラクトン−3−アセテート;アロベツリンラクトン−3−ホスフェート;アロベツリン−3−L−バリン;アロベツリン−3−L−プロリン;アロベツリン−3−スクシネート;アロベツリン−3−ジグリコレート;アロベツリン−3−メチレンアミン;アロベツリン−3−エタノールアミン;アロベツリン−3−グリコレート;アロベツリン−3−グルタレート;アロベツリン−3−グルタレート;アロベツリン−3−(ポリエチレングリコール)−COOH(Mw=674);アロベツロン;アロベツロンラクトン1−エン−2−オール;アロベツロンラクトン−1−エン−2−スクシネート;アロベツロン−1−エン−2−オール;アロベツロン−1−エン−2−ジグリコレート;3−アロベツロン−1−エン−2−スクシネート;またはアロベツリン−3−(ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチルエステル)である、請求項58に記載の方法。
- 前記トリテルペンが、アロベツリン、アロベツリン−3−グルタレート、アロベツリン−3−スクシネート、またはアロベツリン−3−L−バリンである、請求項58に記載の方法。
- 前記真菌が、皮膚糸状菌真菌である、請求項40または58に記載の方法。
- 前記皮膚糸状菌真菌が、Microsporum canis、Microsporum gypseum、Microsporum audouinii、Trichophyton tonsurans、Trichophyton mentagrophytes、Epidermophyton floccosum、Trichophyton rubrum、またはPityrosporum ovaleである、請求項75に記載の方法。
- 前記真菌が、Candida albicansまたはCandida guilliermoundiである、請求項40または58に記載の方法。
- 前記真菌が、Blastomyces dermatidisまたはCryptococcus neoformansである、請求項40または58に記載の方法。
- 前記酵母が、Pityrosporum ovaleである、請求項40または58に記載の方法。
- 前記接触がインビトロである、請求項40または58に記載の方法。
- 前記接触がインビボである、請求項40または58に記載の方法。
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