JP2001213875A - 3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導体及び抗癌剤 - Google Patents
3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導体及び抗癌剤Info
- Publication number
- JP2001213875A JP2001213875A JP2000018639A JP2000018639A JP2001213875A JP 2001213875 A JP2001213875 A JP 2001213875A JP 2000018639 A JP2000018639 A JP 2000018639A JP 2000018639 A JP2000018639 A JP 2000018639A JP 2001213875 A JP2001213875 A JP 2001213875A
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- JP
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- dihydro
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- dioxin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規な構造を有する3,6−ジヒドロ−1,
2−ジオキシン誘導体及び抗癌剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式 【化1】 (式中、 R1、R2は水素原子を表すか、または一体と
なって各々結合している炭素原子と共に炭素−炭素二重
結合を形成する。R3は水素原子または低級アルキル基
を表す。)で表される3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体及びこの3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体又はその薬学上許容される塩を有効成分と
する抗癌剤。 【効果】 上記3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン
誘導体は白血病細胞等の癌細胞の増殖阻害活性を持ち、
例えば、抗癌剤等の医薬としての用途を有する。
2−ジオキシン誘導体及び抗癌剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式 【化1】 (式中、 R1、R2は水素原子を表すか、または一体と
なって各々結合している炭素原子と共に炭素−炭素二重
結合を形成する。R3は水素原子または低級アルキル基
を表す。)で表される3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体及びこの3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体又はその薬学上許容される塩を有効成分と
する抗癌剤。 【効果】 上記3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン
誘導体は白血病細胞等の癌細胞の増殖阻害活性を持ち、
例えば、抗癌剤等の医薬としての用途を有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は癌細胞の増殖阻害活
性を持つ3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導体
及びそれを有効成分とする抗癌剤に関する。
性を持つ3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導体
及びそれを有効成分とする抗癌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】天然物質由来の抗癌剤はアドリアマイシ
ン、マイトマイシン等、数多く知られているが、必ずし
も満足の行かない治療成績や重篤な副作用等の点で問題
が残っており、医療の場では常により有効で、より副作
用の少ない薬剤が求められている。
ン、マイトマイシン等、数多く知られているが、必ずし
も満足の行かない治療成績や重篤な副作用等の点で問題
が残っており、医療の場では常により有効で、より副作
用の少ない薬剤が求められている。
【0003】3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘
導体としては例えば、既に抗菌作用及び弱い細胞毒性を
示す物質として報告されているプラコルチン類等がある
(Higgs, M. D. and Faulkner, D. J., J. Org. Chem.,
43, 3454, 1978:、Gunasekera, S. P. et al., J. Nat
ural Products, 53, 669, 1990. 等)。しかしながら前
記一般式(1)で表されるような炭素骨格を有する誘導
体は未だ報告されておらず、また前記一般式(1)で表
される誘導体のように低濃度で腫瘍細胞の増殖を阻害す
る例も報告されていない。
導体としては例えば、既に抗菌作用及び弱い細胞毒性を
示す物質として報告されているプラコルチン類等がある
(Higgs, M. D. and Faulkner, D. J., J. Org. Chem.,
43, 3454, 1978:、Gunasekera, S. P. et al., J. Nat
ural Products, 53, 669, 1990. 等)。しかしながら前
記一般式(1)で表されるような炭素骨格を有する誘導
体は未だ報告されておらず、また前記一般式(1)で表
される誘導体のように低濃度で腫瘍細胞の増殖を阻害す
る例も報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、癌細
胞の増殖阻害活性を持ち、抗癌剤としての用途が期待さ
れる新規な物質を提供することを目的とする。
胞の増殖阻害活性を持ち、抗癌剤としての用途が期待さ
れる新規な物質を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、沖縄県波照間島周辺海
域で採集したカイメンから分離した前記一般式(1)で
表される3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導体
が、マウスリンパ性白血病細胞P388に対して強い増
殖阻害活性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記一般式(1)
解決するため鋭意検討した結果、沖縄県波照間島周辺海
域で採集したカイメンから分離した前記一般式(1)で
表される3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導体
が、マウスリンパ性白血病細胞P388に対して強い増
殖阻害活性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記一般式(1)
【0006】
【化3】 (式中、 R1、R2は水素原子を表すか、または一体と
なって各々結合している炭素原子と共に炭素−炭素二重
結合を形成する。R3は水素原子または低級アルキル基
を表す。)で表される3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体及び、下記一般式(1)
なって各々結合している炭素原子と共に炭素−炭素二重
結合を形成する。R3は水素原子または低級アルキル基
を表す。)で表される3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体及び、下記一般式(1)
【0007】
【化4】 (式中、 R1、R2は水素原子を表すか、または一体と
なって各々結合している炭素原子と共に炭素−炭素二重
結合を形成する。R3は水素原子または低級アルキル基
を表す。)で表される3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体又はその薬学上許容される塩を有効成分と
する抗癌剤を提供する。
なって各々結合している炭素原子と共に炭素−炭素二重
結合を形成する。R3は水素原子または低級アルキル基
を表す。)で表される3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体又はその薬学上許容される塩を有効成分と
する抗癌剤を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)中の低級アルキ
ル基としては炭素数1〜6のアルキル基、具体的にはメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基等を例示することができ
る。また、薬学上許容される塩とは、ナトリウム塩、カ
リウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウ
ム塩等を挙げることができる。
ル基としては炭素数1〜6のアルキル基、具体的にはメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基等を例示することができ
る。また、薬学上許容される塩とは、ナトリウム塩、カ
リウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウ
ム塩等を挙げることができる。
【0009】本発明の上記一般式(1)で表される3,
6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導体は、沖縄県波
照間島周辺海域で採集した海洋生物、例えばカイメン
(Plakortis sp.)を有機溶媒で抽出後、
分離精製することにより、あるいは得られた化合物につ
いて公知の方法を用いて中和、エステル化等することに
よって得られる。
6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導体は、沖縄県波
照間島周辺海域で採集した海洋生物、例えばカイメン
(Plakortis sp.)を有機溶媒で抽出後、
分離精製することにより、あるいは得られた化合物につ
いて公知の方法を用いて中和、エステル化等することに
よって得られる。
【0010】抽出に用いられる溶媒としてはメタノー
ル、エタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム
等が挙げられ、クロマトグラフィはカラム、薄層及び高
速液体クロマトグラフィが用いられ、カラムクロマトグ
ラフィの充填剤としてはシリカゲルの他、セファデック
スLH20、逆相系のRP−18等が用いられ、薄層及
び高速液体クロマトグラフィの充填剤としては、シリカ
ゲルの他、RP−18等が用いられる。
ル、エタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム
等が挙げられ、クロマトグラフィはカラム、薄層及び高
速液体クロマトグラフィが用いられ、カラムクロマトグ
ラフィの充填剤としてはシリカゲルの他、セファデック
スLH20、逆相系のRP−18等が用いられ、薄層及
び高速液体クロマトグラフィの充填剤としては、シリカ
ゲルの他、RP−18等が用いられる。
【0011】本発明における前記一般式(1)に含まれ
る化合物としては具体的には、
る化合物としては具体的には、
【0012】
【化5】 で表される3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導
体1a、及び1bが挙げられる。
体1a、及び1bが挙げられる。
【0013】本発明の化合物は治療のために経口的ある
いは非経口的に投与することができる。経口投与剤とし
ては散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤などの固形製剤あ
るいはシロップ剤、エリキシル剤などの液状製剤とする
ことができる。また、非経口投与剤として注射剤、粘膜
投与剤、外用剤とすることができる。
いは非経口的に投与することができる。経口投与剤とし
ては散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤などの固形製剤あ
るいはシロップ剤、エリキシル剤などの液状製剤とする
ことができる。また、非経口投与剤として注射剤、粘膜
投与剤、外用剤とすることができる。
【0014】これらの製剤は活性成分に薬理学的、製剤
学的に認容される製造助剤を加えることにより常法に従
って製造される。更に公知の技術により持続性製剤とす
ることも可能である。当該製造助剤を用いる場合は、本
発明の製剤中の有効成分の配合量は通常は0.1〜10
重量%、好ましくは0.2〜5重量%である。
学的に認容される製造助剤を加えることにより常法に従
って製造される。更に公知の技術により持続性製剤とす
ることも可能である。当該製造助剤を用いる場合は、本
発明の製剤中の有効成分の配合量は通常は0.1〜10
重量%、好ましくは0.2〜5重量%である。
【0015】上記製造助剤として、内服用製剤(経口
剤)、注射用製剤(注射剤)、粘膜投与剤(バッカル、
トロ−チ、坐剤等)、外用剤(軟膏、貼付剤等)などの
投与経路に応じた適当な製剤用成分が使用される。例え
ば、経口剤および粘膜投与剤にあっては、賦形剤(例:
澱粉、乳糖、結晶セルロース、乳酸カルシウム、メタケ
イ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸、マンニトー
ル)、結合剤(例えばヒドロキシプロピルセルロース、
ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(例:カルボキシメ
チルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム)、滑沢剤(例:ステアリン酸マグネシム、タル
ク)、コ−ティング剤(例:ヒドロキシエチルセルロ−
ス)、矯味剤などの製剤用成分が、また注射剤にあって
は、水性注射剤を構成し得る溶解剤ないし溶解補助剤
(例:注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコ−
ル)、懸濁剤(例:ポリソルベ−ト80などの界面活性
剤)、pH調整剤(例:有機酸またはその金属塩)、安
定剤などの製剤用成分が、さらに外用剤にあっては、水
性ないし油性の溶解剤ないし溶解補助剤(例:アルコ−
ル、脂肪酸エステル類)、粘着剤(例:カルボキシビニ
ルポリマ−、多糖類)、乳化剤(例:界面活性剤)、安
定剤などの製剤用成分が使用される。
剤)、注射用製剤(注射剤)、粘膜投与剤(バッカル、
トロ−チ、坐剤等)、外用剤(軟膏、貼付剤等)などの
投与経路に応じた適当な製剤用成分が使用される。例え
ば、経口剤および粘膜投与剤にあっては、賦形剤(例:
澱粉、乳糖、結晶セルロース、乳酸カルシウム、メタケ
イ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸、マンニトー
ル)、結合剤(例えばヒドロキシプロピルセルロース、
ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(例:カルボキシメ
チルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム)、滑沢剤(例:ステアリン酸マグネシム、タル
ク)、コ−ティング剤(例:ヒドロキシエチルセルロ−
ス)、矯味剤などの製剤用成分が、また注射剤にあって
は、水性注射剤を構成し得る溶解剤ないし溶解補助剤
(例:注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコ−
ル)、懸濁剤(例:ポリソルベ−ト80などの界面活性
剤)、pH調整剤(例:有機酸またはその金属塩)、安
定剤などの製剤用成分が、さらに外用剤にあっては、水
性ないし油性の溶解剤ないし溶解補助剤(例:アルコ−
ル、脂肪酸エステル類)、粘着剤(例:カルボキシビニ
ルポリマ−、多糖類)、乳化剤(例:界面活性剤)、安
定剤などの製剤用成分が使用される。
【0016】上記構成を有する本発明の薬剤は、公知の
製造法、例えば日本薬局方第10版製剤総則記載の方法
ないし適当な改良を加えた方法によって製造することが
できる。
製造法、例えば日本薬局方第10版製剤総則記載の方法
ないし適当な改良を加えた方法によって製造することが
できる。
【0017】本発明に係る有効成分の投与量は、成人を
治療する場合で1〜1000mgであり、これを1日2〜
3回に分けて投与することが好ましい。この投与量は、
患者の年齢、体重および症状によって増減することがで
きる。
治療する場合で1〜1000mgであり、これを1日2〜
3回に分けて投与することが好ましい。この投与量は、
患者の年齢、体重および症状によって増減することがで
きる。
【0018】以下、実施例及び試験例により詳細に説明
する。
する。
【0019】
【0020】実施例1.カイメンの抽出と3,6−ジヒ
ドロ−1,2−ジオキシン誘導体(1a)の分離精製 沖縄県波照間島周辺海域の水深20mで採集したカイメ
ン(Plakortis lita)380gをはさみで細断した後、
アセトンを加えてウォーリングブレンダーを用いて粉砕
した。室温で7日間静置後、濾過し、濾液(1L)を加
熱減圧下有機溶媒を留去した。水性残渣を酢酸エチル
(0.5L)で3回抽出し、合わせて溶媒を留去濃縮し
て、酢酸エチル抽出物 7.7 gを得た。この粗生成物を9
0%メタノール(300mL)、ヘキサン(3×300
mL)で分配し、得られた90%メタノール可溶物2.
3gを60%メタノール(200mL)、ジクロロメタ
ン(2×200mL)で分配した。ジクロロメタン層を
加熱減圧下有機溶媒を留去し、ジクロロメタン抽出物を
2.2g得た。
ドロ−1,2−ジオキシン誘導体(1a)の分離精製 沖縄県波照間島周辺海域の水深20mで採集したカイメ
ン(Plakortis lita)380gをはさみで細断した後、
アセトンを加えてウォーリングブレンダーを用いて粉砕
した。室温で7日間静置後、濾過し、濾液(1L)を加
熱減圧下有機溶媒を留去した。水性残渣を酢酸エチル
(0.5L)で3回抽出し、合わせて溶媒を留去濃縮し
て、酢酸エチル抽出物 7.7 gを得た。この粗生成物を9
0%メタノール(300mL)、ヘキサン(3×300
mL)で分配し、得られた90%メタノール可溶物2.
3gを60%メタノール(200mL)、ジクロロメタ
ン(2×200mL)で分配した。ジクロロメタン層を
加熱減圧下有機溶媒を留去し、ジクロロメタン抽出物を
2.2g得た。
【0021】内径2cmのガラスカラムにベンゼンで懸
濁させたシリカゲル40gを充填し、少量のベンゼンに
溶解したジクロロメタン抽出物2.2gをこれに吸着さ
せた。このカラムに順次ベンゼン、ベンゼン/酢酸エチ
ル=19/1、ベンゼン/酢酸エチル=7/3、酢酸エ
チル、酢酸エチル/メタノール=7/3を各240mL
流し、最後にメタノールで流し出した。ベンゼン/酢酸
エチル=19/1溶出画分の最後の1/2及びベンゼン
/酢酸エチル=7/3溶出画分の最初の1/6をまとめ
て濃縮し黄色油状物0.94gを得た。
濁させたシリカゲル40gを充填し、少量のベンゼンに
溶解したジクロロメタン抽出物2.2gをこれに吸着さ
せた。このカラムに順次ベンゼン、ベンゼン/酢酸エチ
ル=19/1、ベンゼン/酢酸エチル=7/3、酢酸エ
チル、酢酸エチル/メタノール=7/3を各240mL
流し、最後にメタノールで流し出した。ベンゼン/酢酸
エチル=19/1溶出画分の最後の1/2及びベンゼン
/酢酸エチル=7/3溶出画分の最初の1/6をまとめ
て濃縮し黄色油状物0.94gを得た。
【0022】内径1.5cmのガラスカラムにメタノー
ルで懸濁した逆相系RP−18(ナカライテクス(株)
製 Cosmosil75 C18−OPN)、20gを
充填した後60%メタノールで十分置換し、少量の60
%メタノールに溶解した上記黄色油状物を吸着させた。
このカラムに60%メタノール240mL、70%メタ
ノール160mL、80%メタノール120mL、メタ
ノール120mLを順次流し、クロロホルム/メタノー
ル=9/1で流し出した。70%メタノール溶出画分の
最後の2/3及び80%メタノール溶出画分の最初の1
/6をまとめて濃縮し3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体(1a)を145mg、黄色油状物として
得た。
ルで懸濁した逆相系RP−18(ナカライテクス(株)
製 Cosmosil75 C18−OPN)、20gを
充填した後60%メタノールで十分置換し、少量の60
%メタノールに溶解した上記黄色油状物を吸着させた。
このカラムに60%メタノール240mL、70%メタ
ノール160mL、80%メタノール120mL、メタ
ノール120mLを順次流し、クロロホルム/メタノー
ル=9/1で流し出した。70%メタノール溶出画分の
最後の2/3及び80%メタノール溶出画分の最初の1
/6をまとめて濃縮し3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体(1a)を145mg、黄色油状物として
得た。
【0023】分子式 : C18H30O4 1 H-NMR(800MHz,CDCl3):δ0.79(3H, t, J=7.4Hz, 14-H),
0.88(3H, t, J=7.5Hz,16-H), 0.96(3H, t, J=7.5Hz, 1
2-H), 1.07(3H, t, J=7.3Hz, 18-H), 1.15(1H,m, 17-H
a), 1.37(1H, m, 17-Hb), 1.50(1H, dd, J=8.1, 14.6H
z, 7-Ha), 1.58(1H, dd, J=3.7, 14.6Hz, 7-Hb), 1.63
(1H, dq, J=7.5, 14.1Hz, 15-Ha), 1.74(1H, dq, J=7.
5, 14.1Hz, 15-Hb), 1.92(1H, m, 8-H), 1.98(4H, comp
lex, 11-Ha,11-Hb, 13-Ha, 13-Hb), 2.61(1H, dd, J=3.
0, 16.2Hz, 2-Ha), 2.94(1H, dd, J=9.5, 16.2Hz, 2-H
b), 4.59(1H, brd, J=8.1Hz, 3-H), 5.08(1H, dd, J=9.
1, 15.0Hz, 9-H), 5.28(1H, dt, J=6.6, 15.0Hz, 10-
H), 5.51(1H, d, J=1.5Hz, 5-H).13 C-NMR(200MHz,CDCl3) :δ8.1(q, 16-C), 11.6(q, 14-
C), 11.6(q, 18-C), 14.1(q, 12-C), 25.0(t, 13-C), 2
5.7(t, 11-C), 30.0(t, 17-C), 31.0(t, 15-C),36.7(t,
2-C), 39.7(d, 8-C), 40.7(t, 7-C), 76.4(d, 3-C), 8
3.0(s, 6-C), 125.6(d, 5-C), 131.8(d, 10-C), 134.3
(d, 9-C), 136.4(s, 4-C), 176.4(s, 1-C). IR(CHCl3, cm-1) : 2500 - 3400(br), 1715. FABMS(m/z) : 333(M+Na)+. FABHRM(m/z) : 333.2050(calcd. for C18H30O4Na, 333.
2042). 旋光度 : [α]29 D -102°(C 1.56, MeOH).
0.88(3H, t, J=7.5Hz,16-H), 0.96(3H, t, J=7.5Hz, 1
2-H), 1.07(3H, t, J=7.3Hz, 18-H), 1.15(1H,m, 17-H
a), 1.37(1H, m, 17-Hb), 1.50(1H, dd, J=8.1, 14.6H
z, 7-Ha), 1.58(1H, dd, J=3.7, 14.6Hz, 7-Hb), 1.63
(1H, dq, J=7.5, 14.1Hz, 15-Ha), 1.74(1H, dq, J=7.
5, 14.1Hz, 15-Hb), 1.92(1H, m, 8-H), 1.98(4H, comp
lex, 11-Ha,11-Hb, 13-Ha, 13-Hb), 2.61(1H, dd, J=3.
0, 16.2Hz, 2-Ha), 2.94(1H, dd, J=9.5, 16.2Hz, 2-H
b), 4.59(1H, brd, J=8.1Hz, 3-H), 5.08(1H, dd, J=9.
1, 15.0Hz, 9-H), 5.28(1H, dt, J=6.6, 15.0Hz, 10-
H), 5.51(1H, d, J=1.5Hz, 5-H).13 C-NMR(200MHz,CDCl3) :δ8.1(q, 16-C), 11.6(q, 14-
C), 11.6(q, 18-C), 14.1(q, 12-C), 25.0(t, 13-C), 2
5.7(t, 11-C), 30.0(t, 17-C), 31.0(t, 15-C),36.7(t,
2-C), 39.7(d, 8-C), 40.7(t, 7-C), 76.4(d, 3-C), 8
3.0(s, 6-C), 125.6(d, 5-C), 131.8(d, 10-C), 134.3
(d, 9-C), 136.4(s, 4-C), 176.4(s, 1-C). IR(CHCl3, cm-1) : 2500 - 3400(br), 1715. FABMS(m/z) : 333(M+Na)+. FABHRM(m/z) : 333.2050(calcd. for C18H30O4Na, 333.
2042). 旋光度 : [α]29 D -102°(C 1.56, MeOH).
【0024】実施例2.3,6−ジヒドロ−1,2−ジ
オキシン誘導体(1b)の分離精製 上記ODSカラムクロマト処理の、80%メタノール溶
出画分の最後の1/2を濃縮し、黄色油状物を150m
g得た。このうち47.2mgを高速液体クロマトグラ
フィ(Develosil ODSカラム(φ20×2
50mm)、0.1%トリフルオロ酢酸含有85%メタ
ノール、流速 5mL/min 、検出215nm)で分
離し、保持時間70.6分に現われたピークに対応する
画分を採り、濃縮して3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体(1b)を 9.5mg、黄色油状物とし
て得た。
オキシン誘導体(1b)の分離精製 上記ODSカラムクロマト処理の、80%メタノール溶
出画分の最後の1/2を濃縮し、黄色油状物を150m
g得た。このうち47.2mgを高速液体クロマトグラ
フィ(Develosil ODSカラム(φ20×2
50mm)、0.1%トリフルオロ酢酸含有85%メタ
ノール、流速 5mL/min 、検出215nm)で分
離し、保持時間70.6分に現われたピークに対応する
画分を採り、濃縮して3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体(1b)を 9.5mg、黄色油状物とし
て得た。
【0025】分子式 : C18H32O4 1 H-NMR(800MHz, CDCl3) :δ0.82(3H, t, J=7.3Hz, 18-
H), 0.89(3H, t, J=7.1Hz, 12-H), 0.90(3H, t, J=7.3H
z, 16-H), 1.08(3H, t, J=7.3Hz, 14-H), 1.18(2H, com
plex, 9-Ha, 10-Ha), 1.19(1H, m, 11-Ha), 1.24(1H,
m, 17-Ha), 1.25(2H, complex, 9-Hb, 10-Hb), 1.26(1
H, m, 11-Hb), 1.29(1H, m, 8-H), 1.35(1H,m, 17-H
b), 1.36(1H, dd, J=4.4, 15.0Hz, 7-Ha), 1.50(1H, d
d, J=5.7, 15.0Hz, 7-Hb), 1.66(1H, dq, J=7.3, 13.9H
z, 15-Ha), 1.76(1H, dq, J=7.3, 13.9Hz, 15-Hb), 2.0
2(2H, complex, 13-Ha, 13Hb), 2.62(1H, brd, J=13.6H
z, 2-Ha),2.93(1H, brs, 2-Hb), 4.58(1H, brd, J=7.3,
3-H), 5.51(1H, s, 5-H).13C-NMR(100MHz, CDCl3) :δ
8.2(q, 16-C), 10.7(q, 18-C), 11.7(q, 14-C), 14.1
(q, 12-C), 23.0(t, 11-C), 24.9(t, 13-C), 27.7(t, 1
7-C), 29.0(t, 10-C),30.8(t, 15-C), 34.2(t, 9-C), 3
4.3(d, 8-C), 37.3(t, 2-C), 39.3(t, 7-C),77.2(d, 3-
C), 83.5(s, 6-C), 125.2(d, 5-C), 137.5(s, 4-C), 17
6.3(s, 1-C).IR(CHCl3, cm-1) : 2500-3400(br), 1715 FABMS(m/z) : 335(M+Na)+. FABHRM(m/z) : 335.2226(calcd. for C18H32O4Na, 335.
21980). 旋光度 :[α]29 D -28°(C 0.42, MeOH).
H), 0.89(3H, t, J=7.1Hz, 12-H), 0.90(3H, t, J=7.3H
z, 16-H), 1.08(3H, t, J=7.3Hz, 14-H), 1.18(2H, com
plex, 9-Ha, 10-Ha), 1.19(1H, m, 11-Ha), 1.24(1H,
m, 17-Ha), 1.25(2H, complex, 9-Hb, 10-Hb), 1.26(1
H, m, 11-Hb), 1.29(1H, m, 8-H), 1.35(1H,m, 17-H
b), 1.36(1H, dd, J=4.4, 15.0Hz, 7-Ha), 1.50(1H, d
d, J=5.7, 15.0Hz, 7-Hb), 1.66(1H, dq, J=7.3, 13.9H
z, 15-Ha), 1.76(1H, dq, J=7.3, 13.9Hz, 15-Hb), 2.0
2(2H, complex, 13-Ha, 13Hb), 2.62(1H, brd, J=13.6H
z, 2-Ha),2.93(1H, brs, 2-Hb), 4.58(1H, brd, J=7.3,
3-H), 5.51(1H, s, 5-H).13C-NMR(100MHz, CDCl3) :δ
8.2(q, 16-C), 10.7(q, 18-C), 11.7(q, 14-C), 14.1
(q, 12-C), 23.0(t, 11-C), 24.9(t, 13-C), 27.7(t, 1
7-C), 29.0(t, 10-C),30.8(t, 15-C), 34.2(t, 9-C), 3
4.3(d, 8-C), 37.3(t, 2-C), 39.3(t, 7-C),77.2(d, 3-
C), 83.5(s, 6-C), 125.2(d, 5-C), 137.5(s, 4-C), 17
6.3(s, 1-C).IR(CHCl3, cm-1) : 2500-3400(br), 1715 FABMS(m/z) : 335(M+Na)+. FABHRM(m/z) : 335.2226(calcd. for C18H32O4Na, 335.
21980). 旋光度 :[α]29 D -28°(C 0.42, MeOH).
【0026】試験例1.マウスリンパ性白血病細胞(P
388)を2−ヒドロキシエチルジスルフィド5μM、
硫酸カナマイシン100μg/mLを添加した10%牛
胎児血清含有のRPMI−1640培地に加え、培養細
胞を1x104 個/mLに調製し、前記3,6−ジヒド
ロ−1,2−ジオキシン誘導体1aおよび1bを所定の
濃度になるように添加し、CO2 培養器(CO2 5%、
湿度100%、37℃)で4日間培養した。MTT比色
法により生存細胞数を計測して、対照群に対する増殖阻
害率から求めた50%細胞増殖阻害濃度(IC50)を表
1に示す。
388)を2−ヒドロキシエチルジスルフィド5μM、
硫酸カナマイシン100μg/mLを添加した10%牛
胎児血清含有のRPMI−1640培地に加え、培養細
胞を1x104 個/mLに調製し、前記3,6−ジヒド
ロ−1,2−ジオキシン誘導体1aおよび1bを所定の
濃度になるように添加し、CO2 培養器(CO2 5%、
湿度100%、37℃)で4日間培養した。MTT比色
法により生存細胞数を計測して、対照群に対する増殖阻
害率から求めた50%細胞増殖阻害濃度(IC50)を表
1に示す。
【0027】表1 P388増殖阻害活性試験結果 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 化合物 IC50(μg/mL) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1a 0.0055 1b 0.0033 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0028】
【発明の効果】本発明の3,6−ジヒドロ−1,2−ジ
オキシン誘導体は白血病細胞等の癌細胞の増殖阻害活性
を持ち、例えば、抗癌剤等の医薬としての用途を有す
る。
オキシン誘導体は白血病細胞等の癌細胞の増殖阻害活性
を持ち、例えば、抗癌剤等の医薬としての用途を有す
る。
フロントページの続き (72)発明者 矢澤 一良 神奈川県藤沢市鵠沼松が岡3−19−9 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 AA03 BA14 GA17 MA01 MA04 NA05 NA06 NA14 ZB26 ZB27
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(1)、 【化1】 (式中、 R1、R2は水素原子を表すか、または一体と
なって各々結合している炭素原子と共に炭素−炭素二重
結合を形成する。R3は水素原子または低級アルキル基
を表す。)で表される3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体。 - 【請求項2】 下記一般式(1)、 【化2】 (式中、 R1、R2は水素原子を表すか、または一体と
なって各々結合している炭素原子と共に炭素−炭素二重
結合を形成する。R3は水素原子または低級アルキル基
を表す。)で表される3,6−ジヒドロ−1,2−ジオ
キシン誘導体又はその薬学上許容される塩を有効成分と
する抗癌剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000018639A JP2001213875A (ja) | 2000-01-27 | 2000-01-27 | 3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導体及び抗癌剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000018639A JP2001213875A (ja) | 2000-01-27 | 2000-01-27 | 3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導体及び抗癌剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001213875A true JP2001213875A (ja) | 2001-08-07 |
Family
ID=18545463
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000018639A Pending JP2001213875A (ja) | 2000-01-27 | 2000-01-27 | 3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシン誘導体及び抗癌剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001213875A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102617521A (zh) * | 2011-04-26 | 2012-08-01 | 中国人民解放军第二军医大学 | 具有抗肿瘤活性的γ-丁内酯聚酮类化合物 |
-
2000
- 2000-01-27 JP JP2000018639A patent/JP2001213875A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102617521A (zh) * | 2011-04-26 | 2012-08-01 | 中国人民解放军第二军医大学 | 具有抗肿瘤活性的γ-丁内酯聚酮类化合物 |
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