JP2004507229A - コーティングされた酵素含有触媒 - Google Patents

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Abstract

水中非分散性の顆粒形態の酵素触媒であって、該触媒が酵素物質を含有するコーティングによってコーティングを施された内部コアを有し、該コーティングが30〜400ミクロンの厚みを有し、コーティング厚みに対するコアの大きさの比が2〜20であることを特徴とする前記酵素触媒。触媒の調製方法、および、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルから2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸アンモニウムへの変換における触媒の使用も記載する。

Description

【0001】
本発明は酵素触媒、特に酵素を含有するコーティングを顆粒に施した顆粒形態の酵素触媒に関する。
【0002】
酵素活性を有する固定化細胞を含有する組成物は、例えば、欧州特許0089165において知られており、これは、架橋重合体を用いて固定化されているE.coliを含有するコーティングが不活性担体上に存在する組成物を開示している。この組成物はL−アスパラギン酸を調製するために使用される。欧州特許出願0297912号はコーティングが生物学的物質および架橋重合体を含有するコーティングされた粒子を有する生物学的に活性な物質を開示している。
【0003】
我々はコーティングを施すする顆粒の内部コアに対して特定の厚みのコーティングを有するコーティングされた顆粒酵素物質が既知の酵素触媒物質を超える非常に有益な利点を示すことを発見した。
【0004】
したがって、本発明は水中非分散性の顆粒形態の酵素触媒であって、該触媒が酵素物質を含有するコーティングによってコーティングを施された内部コアを有し、該コーティングが30〜400ミクロンの厚みを有し、コーティング厚みに対するコアの大きさの比が2〜20であることを特徴とする前記酵素触媒を提供する。
【0005】
本発明の酵素触媒はコーティングの厚みを制御することにより得られる顆粒触媒がより大きい酵素活性を示すという点において従来技術を超える利点を与える。
【0006】
本発明は顆粒形態の酵素触媒、即ち以下に顆粒酵素触媒と称する物に関する。触媒は水中非分散性、好ましくは水不溶性でなければならない。この性質は内部コアにより与えられるものであり、これは水中で非分散性、好ましくは、水不溶性である。内部コアとして使用するのに適する物質はアルミナ、シリカ、ゼオライト、樹脂、ステアリン酸のような脂肪物質、ガラスビーズおよびプラスチックビーズを包含する。好ましくはコアはアルミナである。
【0007】
コアは如何なる適当な形状、例えば正球、非正球、楕円等であってもよいが、好ましい形状は平均直径0.1〜5ミリメートル、好ましくは0.4〜2.5ミリメートルの正球である。コアはマクロ孔性(macroporous)、メソ孔性(mesoporous)またはミクロ孔性(microporous)の何れかであってよい。好ましくは酵素物質が孔内に侵入するのを回避するために、大孔性ではない。
【0008】
コアのコーティングは30〜400ミクロン、好ましくは100〜250ミクロンの厚みを有する。コーティング厚に対するコアの大きさの比は2〜20、好ましくは3〜15である。本発明の目的のためには、コアの大きさは最大内部直径、即ち、コアの周璧上の外部の点二箇所の間の最大の距離と定義される。
【0009】
顆粒触媒のコーティングは酵素物質を含有する。酵素物質は可溶性または細胞結合性等の酵素、微生物(未損傷または破壊された生細胞または非生細胞)、抗体および補酵素またはこれらの混合物であってよい。特に適する酵素物質には、グルコースイソメラーゼ、ペニシリンアシラーゼ、ニトリルヒドラターゼ、ニトリラーゼ、アミダーゼ、リパーゼ、プロテアーゼおよびエステラーゼが包含される。好ましい酵素物質はニトリラーゼである。
【0010】
酵素物質のほかに、コーティングは更に重合体および架橋剤を含有するのが好ましい。これらの化合物が存在することにより、酵素物質を重合体の交差結合網目構造内に包埋することができる。この網目構造は固定化に関わる重大な問題点の1つ、即ち、固定化材料からの所望の酵素の漏出を克服可能とする。したがって、これは高分子量の物質に対して非透過性の遮蔽障壁を形成するのに有用である。適する重合体としては、ポリアゼチジン重合体、ポリエチレンイミンのようなポリアミン重合体、蛋白質のようなポリアミド重合体、イソシアネート重合体またはその混合物が挙げられる。好ましい重合体は、コーティング層に対して良好な機械的強度を与えることができる観点から、ポリアゼチジン重合体である。使用してよいポリアゼチジン重合体の例はPolycup 2002、Kymene 617およびKymene 450(全商品名とも米国Hercules社のもの)のような市販の重合体である。適当な架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミン、グルタルアルデヒドまたはアクロレインのようなアルデヒド類、アジピン酸のような酸類、ヘキサメチレンジイソシアネートのようなイソシアネート類が挙げられる。好ましい架橋剤はグルタルアルデヒドである。本発明の目的のためには、特に好ましいコーティングはニトリラーゼ、ポリアゼチジン重合体およびグルタルアルデヒドの混合物である。
【0011】
触媒物質のコーティング中の酵素物質、重合体および架橋剤の量に関しては、乾燥コーティング中の各成分の量は酵素物質が50〜80%、好ましくは40〜60%;重合体物質が5〜20%、好ましくは10〜15%;そして架橋剤が1〜5%、好ましくは2〜3%が適している。例えばグルコース、スクロース、トレハロース、マルチトール、ソルビトールおよびグリセロール等のポリオール類、および/または塩類、例えばリン酸塩のような別の成分もコーティング中に存在してよい。これらは0〜35%の量で存在することができる。コーティングはまた限定的な量の水を含有してよい。水はコーティングの0〜30%の量で存在するのが適している。
【0012】
本発明の酵素触媒は当業者の知る如何なる適当な固定化方法により調製してもよく、例えばゲル捕獲または吸着によって行なってよい。欧州特許出願0297912、0206687および0502035号は顆粒への吸着により酵素物質を含有する水性混合物を付着させる操作法を開示している。その後顆粒を乾燥する。コーティングの付着のための代替法がEP089165に開示されており、そこでは酵素物質を含有するペーストを形成し、ペーストを顆粒に適用し、次に得られた顆粒を乾燥することが行なわれている。
【0013】
我々はコーティングされた顆粒酵素触媒はまたコーティング物質の混合物をコアに噴霧することによっても調製できることを発見し、これにより本発明の別の特徴によれば、上記した酵素触媒の調製方法が提供され、その方法は、酵素物質、重合体および架橋剤の水性懸濁液を形成すること、および、該懸濁液をコアに噴霧することにより、該コアをコーティングすることを包含する。
【0014】
一般的に「噴霧コーティング」と称される噴霧技術を用いてコーティングされた酵素触媒を調製することは、本発明の酵素触媒の重要な特徴である所望の厚みを得るべくコーティングの厚みを制御できるという点において、他の知られた固定化方法を超える利点をもたらす。
【0015】
噴霧コーティング技術を用いてコーティングされた顆粒酵素触媒を調製するためには、酵素物質、重合体および架橋剤の水性懸濁液を用いる。酵素物質は直接用いてよく、或いは、予め精製した後に本発明の方法において用いてもよい。回収は、遠心分離、濾過、沈殿または凝集により行なってよい。酵素物質は水または塩化ナトリウム、リン酸塩、EDTAまたはマグネシウムのような塩を含有する水溶液で洗浄してよい。好ましい出発物質は培養ブロスを濾過または遠心分離することにより培養物より回収した酵素的に活性な細胞スラッジである。細胞スラッジはそのまま用いるか、または、予め洗浄して用いてよい、細胞はダイアフィルトレーションによるか、または再懸濁と遠心分離により洗浄してよい。
【0016】
懸濁液は酵素物質5〜25%、重合体1〜12%、および、架橋剤0.2〜4%を含有してよく、これらの量は水性懸濁液の総重量に基づく。懸濁液中の水の量は重要な要因ではなく、当業者が適宜、噴霧に使用する材料に適合させてよい。懸濁液中の固形分は容量に対する重量として10〜30%が好ましい。懸濁液はまた、ポリオール類のような少量の物質、例えばグルコース、スクロース、トレハロース、マルチトール、ソルビトールおよびグリセロール;および塩類、例えば塩化ナトリウムも含有してよい。
【0017】
必須ではないが、懸濁液のpHをpH5〜9.5、より好ましくはpH7.5〜8.5の値に設定するのが好ましい。このためには、緩衝液を使用してよい。適宜、緩衝液はリン酸1カリウムまたは2カリウムまたはリン酸1ナトリウムまたは2ナトリウムのようなリン酸塩、または、炭酸塩であってよい。好ましい緩衝液はリン酸塩緩衝液である。緩衝液が懸濁液中に存在する場合は、乾燥酵素物質の重量に基づいて15〜50重量%の緩衝液を添加する。
【0018】
懸濁液はまた如何なる適当な方法で調製してもよい。好ましくは、懸濁液の調製に際しては先ず水または緩衝液中の酵素物質の懸濁液を形成する。次に架橋剤を酵素物質の懸濁液に添加する。架橋剤が酵素物質のアミン、ヒドロキシルまたはカルボキシル官能基と反応するのに十分な時間、これを酵素物質に接触させたままとしたのち、重合体を添加する。噴霧工程を行う前に、ポリオール、緩衝液および塩化ナトリウムのような任意の物質を懸濁液に添加してもよい。
【0019】
懸濁液は0〜50℃、好ましくは10〜35℃の温度で調製するのが適している。
【0020】
次に得られた懸濁液を特に留意することなく数日間保存した後に噴霧する。保存温度は0℃〜周囲温度とすることが好都合である。
【0021】
懸濁液は何らかの噴霧コーティング装置、好ましくは空気流動床を用いてコアに付着させる。気流の流速は固体支持体の良好な流体化が達成できるように適宜調節する。空気導入温度は30〜90℃に適宜調節し、水性懸濁液の噴霧速度は流動床の温度が10〜60℃、好ましくは20〜40℃に維持できるように操作中を通じて調節する。得られたコア上のコーティング層の厚みは30〜400ミクロンである。
【0022】
このように上記した方法に従って調製された酵素触媒は水中、または緩衝媒体中、または乾燥状態で数ヶ月保存した後に使用することができる。
【0023】
本発明の顆粒酵素触媒は如何なる適当な酵素的方法において使用してもよい。特に本発明の酵素触媒は2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル(HMTBN)から相当するアンモニウム塩、即ち2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸アンモニウム(HMTBS)への変換において使用してよい。触媒はまたNYLON66オリゴマーの加水分解において使用してよい。本発明の触媒の特に有利な点は、これが他の知られた触媒よりも長い半減期を示す点である。特にコーティングされた顆粒酵素触媒は30時間以上、好ましくは70時間以上の半減期を有する。
【0024】
本発明を以下の実施例を参照しながら更に説明する。
【0025】
以下の実施例においては次の略記法を用いる。
HMTBN 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル
HMTBS 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸アンモニウム
【0026】
実施例1
1.1 酵素触媒の調製
菌株E.coli BIOCAT 714の構築
Ptrpプロモーター、ファージcll遺伝子(RBScII)のリボソーム結合部位およびAlcaligenes faecalis ATCC8750由来のニトリラーゼ遺伝子(nitB)を含む1.27kbのフラグメントを制限酵素EcoRIおよびXbaIを用いてプラスミドpRPA6BCAT6(特許出願WO98/18941)から抽出し、同じ制限酵素により開裂させたベクターpXL642(米国特許5,629,190記載)中でクローニングした。得られたプラスミドpRPA−BCAT15を酵素StuIおよびBsmIを用いて開裂させ、4.3kbのフラグメントをpRPA−BCAT4(特許出願WO98/18941)由来の精製136bpのSTul−BsmIフラグメントに連結し、プラスミドpRPA−BCAT19を得る。pRPA−BCA19の部分的配列決定によりニトロラーゼのAsp279残基のコドンとAsn279残基のコドンの置き換えが確認された。次にPtrp::RBScII::nitB融合物を含んでいるpRPA−BCAT19由来の1.2kbのEcoRI−Xbalフラグメントを同じ酵素で開裂させたベクターpRPA−BCAT28中でクローニングし、6.2kbのプラスミドpRPA−BCAT29を得た。ベクターpRPA−BCAT28はpXL642(CIP出願08/194,588号)由来の3.9kbのSspI−ScaIフラグメントをpHP45Tc(Fellay等、1987,Gene 52:147−154)由来の2.1kbのSmaIフラグメントに連結してアンピシリン耐性マーカーをテトラサイクリン耐性マーカーとおきかえることにより得た。部分的NdeI消化およびE.coliポリメラーゼI(クレノウフラグメント)の作用によりプラスミドpRPA−BCAT29の複製起点に近接するNdel部位を破壊することにより、プラスミドpRPA−BCAT41を得た。
【0027】
標準的なエレクトロポレーションによりプラスミドpRPA−BCAT41およびpXL2035(Lwvy−Schill等、1995,Gene 161:15−20)をE.coli菌株W(ATCC9637)に導入した。得られたクローンをBIOCAT 714と命名した。
【0028】
菌株の培養
A.faecalis ATCC8750由来のニトリラーゼを含有するE.coli菌株W(BIOCAT 714)を表1に示す組成を有する培地80リットルの入った100L容の培養槽で培養する。
【0029】
【表1】
Figure 2004507229
【0030】
アンモニア水を添加することによりpHを7.0に維持した。酸素飽和度は攪拌しながら1v/v(培地/分)の速度で空気を添加することにより20%に維持した。グルコースは初期は2g/Lの濃度で導入した。その後、追加のグルコースは700g/Lグルコースおよび19.6g/L MgSO4・7H2Oの保存溶液を用いて連続導入した。添加速度は2.2gグルコース/h・L培地とした。24時間培養した後、遠心分離により菌体を回収した。固形分26%のペースト状物を直接固定化に用いた。
【0031】
乾燥菌体量26.0重量%を含有する細胞ペレットの950gを1 mol/Lリン酸塩緩衝液571.5g中に希釈した。希釈は3パドルのヘリカル攪拌子を備えた反応器中、周囲温度で行った。希釈後のpHは8.0であった。1 mol/Lリン酸塩緩衝液は脱イオン水1リットル中K2HPO4165.5gおよびKH2PO46.8gを溶解することにより作製した。この溶液の初期pHは9.0であった。
【0032】
6重量%の濃度のグルタルアルデヒド水溶液164.6gを細胞懸濁液にゆっくり添加した。得られた混合物を周囲温度で最低1時間攪拌放置した後に、12.5重量%のポリアゼチジン(Kymene 617)水溶液395.2gを添加した。このようにして得られた細胞懸濁液の組成を以下の表2に示す。
【0033】
【表2】
Figure 2004507229
【0034】
この細胞懸濁液1800gを熱風気流中で流動(導入温度53℃)させた直径2.0mmのアルミナビーズ350gに噴霧した。噴霧速度はビーズの温度が35℃に維持されるように調節した。170分噴霧した後、乾燥菌体25.5重量%および残存水分16.6%を含有する生物触媒841gが得られた。コーティングの厚みは330ミクロンであった。コーティングされた顆粒の直径は2.6mmであった。コーティング厚に対する顆粒の大きさの比は7であった。
【0035】
1.2 HMTBNからHMTBSへの触媒変換
HMTBN0.1mol/Lの存在下pH6.6、25℃で測定した本触媒の活性は、触媒1kg当たり1時間当たりHMTBN0.56kgをアンモニウムの2−ヒドロキシ−3−メチルチオブタノエート(HMTBS)に変換させるものであった。
【0036】
内部直径3cm、長さ45cmのサーモスタットカラムに触媒100gを充填した。カラムには再循環ループを介してポンプを装着した。反応器の総容量は430mLであった。ループにはアンモニウム塩HMTBNの25%溶液を充填した。溶液を上部からカラムに導入し、1時間当たり20リットルの速度で底部まで通過させた。カラムの周囲の二重包囲部に水を循環させることにより温度を35℃に維持した。ミネラルウォーターを40g/時の速度でループに導入した。カラム底部から過剰な液体を排除することにより反応器の容量を一定に維持した。連続流動は95%ニトリルの変換を伴って達成された。反応器から出てくるHMTBSの濃度は25%であった。0.2モル/LのHMTBNの存在下の35℃における半減期は30時間であった。
【0037】
実施例2
2.1 酵素触媒の調製
乾燥菌体26重量%を含有し、実施例1に記載の通り調製した細胞ペレット1100gを塩化ナトリウム9g/Lを含有する水溶液13.2kg中に希釈した。懸濁液を十分攪拌された反応槽中で30分間室温で攪拌した。菌体を遠心分離により回収した。
【0038】
乾燥菌体26重量%を含有する洗浄した細胞ペレット950gを上記した実施例1に記載の通り処理し、処理懸濁液1800gを得た。170分間噴霧した後、乾燥菌体25.5重量%および残存水分17%を含有する触媒850gを得た。コーティングの厚みは190ミクロンであった。コアの直径は2.2mmであった。コーティング厚に対するコアの大きさの比は11.6であった。
【0039】
2.2 HMTBNからHMTBSへの触媒変換
触媒の活性および半減期は0.1mol/LのHMTBNの存在下、pH6.6、35℃にて実施例1に記載の通り測定した。活性は、触媒1kg当たり1時間当たりHMTBN0.5kgをアンモニウムの2−ヒドロキシ−3−メチルチオブタノエート(HMTBS)に変換させるものであった。半減期は70時間であった。
【0040】
実施例3
3.1 酵素触媒の調製
重合体マトリックスがポリエチレンイミン23%およびポリアゼチジン77%を含有するものとした以外は実施例1と同様にして行なった。細胞懸濁液の最終組成を以下の表にまとめる。
【0041】
【表3】
Figure 2004507229
【0042】
細胞懸濁液1300gを実施例2と同様の操作条件下アルミナビーズ400gに噴霧した。130分噴霧した後、乾燥菌体17.6重量%および残存水分7.5%を含有する触媒553gを得た。コーティングの厚みは210ミクロンであった。コアの直径は2.2mmであった。コーティング厚に対するコアの大きさの比は10であった。
【0043】
得られた触媒をHMTBNからHMTBSへの変換に用い、上記した他の触媒と同様の結果を得た。
【0044】
実施例4
4.1 ポリアミダーゼ活性を有する酵素触媒の調製
参照により本明細書に組み込まれる仏国特許出願9508916号に記載の通り調製した組み換えEscherichia coliの細胞ペースト134gをリン酸塩緩衝液(0.2M、pH8.0)230g中に希釈した。実施例3に記載の操作法を反復し、細胞懸濁液540gを実施例1に記載の条件下アルミナビーズ400gに噴霧した。
【0045】
4.2 NYLON66の触媒加水分解
FR95098016号に記載の操作法に従って酵素活性を測定した。NYLON6,6オリゴマー5g/Lの存在下30℃、pH7で測定した酵素活性は触媒1リットル当たり1時間当たり140gのNYLON6,6をアジピン酸に変換するものであった。半減期は790時間より長かった。
【0046】
比較例A
A.1酵素触媒の調製
実施例1に記載の通り調製した細胞懸濁液100gを熱風気流中で流動(導入温度53℃)させた直径2.0mmのアルミナビーズ350gに噴霧した。噴霧速度はビーズの温度が35℃に維持されるように調節した。170分噴霧した後、乾燥菌体3重量%を有する触媒385gが得られた。コーティングの厚みは20ミクロンであった。コアの直系は2mmであった。コーティング厚に対するコアの大きさの比は100であった。
【0047】
A.2 HMTBNからHMTBSへの触媒変換
この生物触媒の活性および半減期を0.1mol/LのHMTBNの存在下25℃、pH6.6で実施例1に記載の通り測定した。活性は触媒1kg当たり1時間当たり0.06kgのHMTBNをアンモニウムの2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタノエートに変換させるものであった。半減期は11時間であった。

Claims (19)

  1. 水中非分散性の顆粒形態の酵素触媒であって、該触媒が酵素物質を含有するコーティングによってコーティングを施された内部コアを有し、該コーティングが30〜400ミクロンの厚みを有し、コーティング厚みに対するコアの大きさの比が2〜20であることを特徴とする前記酵素触媒。
  2. 水に不溶性である請求項1記載の酵素触媒。
  3. コーティングの厚みが100〜250ミクロンである請求項1または2に記載の酵素触媒。
  4. コアの大きさに対するコーティングの厚みの比が3〜15である請求項1〜3のいずれか1項に記載の酵素触媒。
  5. コアが0.1〜5ミリメートルの平均直径を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の酵素触媒。
  6. コアがメソ孔性(mesoporous)またはミクロ孔性(microporous)である請求項1〜5のいずれか1項に記載の酵素触媒。
  7. コアがアルミナ、シリカ、ゼオライト、樹脂、脂肪物質、ガラスビーズおよびプラスチックビーズから選択される請求項1〜6のいずれか1項に記載の酵素触媒。
  8. 酵素物質がグルコースイソメラーゼ、ペニシリンアシラーゼ、ニトリルヒドラターゼ、ニトリラーゼ、アミデアーゼ、リパーゼ、プロテアーゼおよびエステラーゼから選択される請求項1〜7のいずれか1項に記載の酵素触媒。
  9. 酵素がニトリラーゼである請求項8記載の酵素触媒。
  10. コーティングが更に重合体および架橋剤を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の酵素触媒。
  11. 重合体がポリアゼチジン重合体、ポリアミン重合体、ポリアミド重合体およびイソシアネート重合体から選択され、架橋剤がアミン、アルデヒド、酸およびイソシアネートから選択される請求項10記載の酵素触媒。
  12. コーティングがニトリラーゼ、ポリアゼチジン重合体およびグルタルアルデヒドを含有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の酵素触媒。
  13. コーティングが水0〜30%を含有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の酵素触媒。
  14. 30時間以上、好ましくは70時間以上の半減期を有する請求項1〜13のいずれか1項に記載の酵素触媒。
  15. 酵素物質、重合体および架橋剤の懸濁液を形成すること、および、該懸濁液をコアに噴霧することにより該コアをコーティングすることを包含する請求項1〜14のいずれか1項に記載の顆粒酵素触媒の調製方法。
  16. 酵素物質が、懸濁液の形成の前に洗浄してある酵素的に活性な細胞スラッジである請求項15記載の方法。
  17. 酵素的変換工程における請求項1〜14の何れか1項に記載の酵素触媒の使用。
  18. 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルから2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸アンモニウムへの変換における請求項17記載の使用。
  19. ナイロン66の加水分解における請求項17に記載の使用。
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