JP2004505847A - 中心ピボットを有する収容可能なシートアセンブリー - Google Patents

Abstract

自動車に使用するためのシートアセンブリー（１０）は、一対のリクライニングアセンブリーによってシートクッション（３２）に旋回可能に連結された、シート背部（３４）を具備する。シートクッションは、前方ラッチアセンブリー（６０，６２）により、自動車の対向する側壁によって解除可能に支持される。このリクライニングアセンブリー（５２，５４）は、直立した着座位置と、シートクッションに対して前方に折り畳まれた平坦な位置との間で、シートクッション（３２）に対するシート背部（３４）の旋回移動を提供する。シートアセンブリーを折畳まれた平坦な位置にある状態で、ラッチアセンブリー（６０，６２）を解除して側壁からシートクッションのロックを外し、シートアセンブリーを中心ピボットアセンブリー（５６，５８）の回りで、折畳まれた平坦な位置から自動車フロアの収納キャビティー（１６）内の凹みに収容された収容位置へと回転させてもよい。
【選択図】図１

Description

【０００１】
（発明の分野）
本発明は、自動車のフロア上に支持されるシートアセンブリーに関し、特に、着座位置から自動車フロアのキャビティー内収納位置へとシートアセンブリーを回転させるためのピボットアセンブリーを有するシートアセンブリーに関する。
【０００２】
（関連技術の説明）
自動車用のシートアセンブリーは、典型的には、シートに着座している人を支持するための略水平なシートクッションに旋回可能に連結された、略直立したシート背部を含んでいる。このクッションは、その一方または両方の側を旋回可能に連結してもよく、幾つかの例において、シートクッションは、ピボットアセンブリーによって自動車の一方または両側の側壁に旋回可能に連結される。また、シートクッションは、ラッチアセンブリーによって前記側壁に取外し可能に取り付けられてもよい。これらラッチアセンブリーおよびピボットアセンブリーは、シートアセンブリーを側壁から取外し、フロアの中に位置する収納キャビティーの中に回転させることを可能にする。このようなシートアセンブリーの一例は、１９９３年１２月１４日にＯＤＡＧＡＫＩ ＥＴ ＡＬ．に対して発行された米国特許第５，２６９，５８１号明細書に開示されている。ここに開示されているのは、自動車フロア上の前方着座位置と、自動車フロアの下に位置する収納キャビティー内の後部収容位置との間で回転できるように、自動車の両側部に旋回可能に連結されたシートを有するシートアセンブリーである。しかし、シートクッションと自動車側壁との間に装着されたピボットアセンブリーは、自動車の側壁の顕著な補強を必要とし、これは自動車の貨物運搬能力を妨げる。
【０００３】
従って、シートアセンブリーを旋回可能に支持し、また直立した着座位置と自動車フロア中の凹みに収容された収容位置との間で該シートアセンブリーの回転を可能にするために、自動車の両側壁の中間でシートクッションに連結された中心ピボットアセンブリーが要望されている。
【０００４】
（発明の概要）
自動車のフロアおよび対向する側壁によって動作可能に支持されたシートアセンブリーは、シートクッションおよびシート背部を含んでいる。直立した着座位置と、シートクッションに対して前方に折畳まれた平坦な位置との間で、シートクッションに対してシートの背部を旋回させるために、リクライニングアセンブリーがシート背部とシートクッションとを動作可能に連結する。正面のラッチアセンブリーは、シートクッションを、自動車側壁の一方に対して取外し可能に連結する。ピボットアセンブリーは、両方の側壁の間でフロアおよびシートクッションの両方に固定されている。ピボットアセンブリーは、シートアセンブリーをフロア上に支持し、またシート背部が折畳まれた平坦な位置にあるときに、シートアセンブリーが、自動車フロアの下にある収納キャビティー中に収容された収容位置へと旋回することを可能にする。
本発明の他の利点は、添付の図面を考慮して以下の詳細な説明を参照することにより、本発明が更に良く理解されるようになると共に容易に明かになるであろう。
【０００５】
（好ましい実施例の詳細な説明）
自動車で使用するためのシートアセンブリが、図１および図２において全体が１０で示されている。自動車は、図１および図２において全体が１２で示されており、その後部に形成された凹状の収納キャビティー１６を有する支持フロア１４を含んでいる。凹状の収納キャビティー１６は、下方のフロア部分２６に相互接続された垂直の前方壁および後方壁２２，２４で隔てられた、垂直な側壁１８，２０を含んでいる。更に、自動車１２は、フロア１４から垂直に延びる一対の離間した側壁２８，３０を含んでいる。
【０００６】
シートアセンブリー１０は、シートクッション３２およびシート背部３４を含んでいる。シートクッション３２は、前方部分および後方部分４０，４２で分離された横方向の側部３６，３８を含んでいる。図１および図２を更に参照すると、シート背部３４は同様に、頂部および底部４８，５０によって分離された横方向の側部ボルスター４４，４６を含んでいる。一対の離れたリクライニングアセンブリー５２，５４が、シート背部３４の底部５０を、クッション３２の後部４２に旋回可能に連結している。
【０００７】
シートクッション３２は、支持フロア１４および側壁２８，３０の両者によって支持される。詳細には、シートクッション３２をフロア１４の上に支持できるように、一対の中心ピボットアセンブリー５６，５８が、シートクッション３２の後部４２と支持フロア１４の間に動作可能に連結される。シートクッションの当業者に知られている何れかの適切な種類の前方ラッチ６０，６２が、シートクッション３２の前方部分４０に隣接した側部３６，３８の夫々に固定されている。シートクッション３２をフロア１４から上方に離間させて、側壁２８，３０に取外し可能に支持するために、夫々の前方ラッチ６０，６２は、夫々の側壁２８，３０から外側に延びる協働するストライカー棒６３，６６と取外し可能に係合している。
【０００８】
シートアセンブリー１０は前方着座位置で示されており、ここではシートクッション３２がラッチ６０，６２によって側壁１８，２０に固定され、またピボットアセンブリー５６，５８によって略水平位置でフロア上に支持される。シート背部３４は、着座している人を直立着座位置に支持するために、シートクッション３２の後部４２から略直立に延びている。
【０００９】
リクライニングアセンブリー５２，５４は、図１に示す複数の傾斜位置と、図３および図８に示す、シートクッション３２に当接させて旋回することより前方に折畳まれた平坦な位置との間で、シートクッション３２に対するシート背部３４の旋回調節を可能にする。
【００１０】
本発明は、図１に示した前方着座位置から、図４および図９に示したフロア１４の凹んだキャビティー内に収容された収容位置へと、シートアセンブリー１０の移動を可能にするラッチ６０，６２および中心ピボットアセンブリー５６，５８に関する。或いは、シートアセンブリー１０は、図１に示した着座位置と図５に示した後向き着座位置との間で移動可能である。
【００１１】
図６に示したシートアセンブリー１０の一実施例を参照すると、シートクッション３２は、前方および後方の管状部材７０，７２により離間され且つ相互に連結された、外側管状側方部材６８，６９によって定義されたシートクッションフレーム６４を含んでいる。シートクッションフレーム６４をさらに構造的に支持するために、一対の離間した平行なクロス支持部材７４，７６が、側方部材６６，６８の間の略中間に配置されて、管状の前方および後方部材７０，７２の間に延びている。更に、シートクッションフレーム６４は、側方部材６８，６９、前方および後方の管状部材７０，７２、およびクロス支持部材７４，７６にそれぞれ溶接等により固定された、略平面的にスタンプ加工された支持プレート８１を含んでいる。
【００１２】
同様に、シート背部３４は、頂部および底部の管状部材８６，８８により離間され且つ相互に連結された、外側管状側方部材８２，８４によって形成されたシート背部フレーム８０を含んでいる。シート背部フレーム８０をさらに構造的に支持するために、一対の離間した平行なクロス支持部材９０，９２が、側方部材８２，８４の間の略中間に配置されて、管状の頂部および底部部材７０，７２の間に延びている。このシート背部フレーム８０はまた、側方部材８２，８４、頂部および底部の管状部材８６，８８、およびクロス支持部材９０，９２にそれぞれ溶接等により固定された、略平面にスタンプ加工された支持プレート９３を含んでいる。
【００１３】
図６を参照すると、リクライニングアセンブリー５２，５４は、シートクッションのクロス支持部材７４，７６近傍におけるクッション端部、およびシート背部のクロス支持部材９０，９２近傍におけるシート背部の端部に固定されており、それによってシートクッションフレーム６４およびシート背部フレーム８０を相互に連結している。即ち、図７に示すように、各リクライニングアセンブリー５２，５４は、それぞれ上部旋回ブラケット９４，９５によってシート背部３４に連結される。これら上部旋回ブラケット９４，９５は、シート背部フレーム８０の夫々のクロス支持部材９０，９２に固定されている。
【００１４】
夫々のリクライニングアセンブリー５２，５４は、ディスクリクライニング部材５３，５５を含んでおり、これらは上部ブラケット９４，９５および下部ブラケット９６，９７を動作可能に相互に連結する。このようなリクライニング部材の一例は、２０００年２月１０日に公開された本願出願人のＰＣＴ出願ＣＡ ９９／００６５３号明細書に開示されており、その全体を本明細書の一部として明示的に本願に援用する。ディスクリクライニング部材５３，５５は、ロック状態と非ロック状態との間で動作可能であり、好ましくはロック状態に付勢される。ロック状態において、シート背部３４の位置はシートクッション２６に対して固定されている。非ロック状態において、シート背部３４は、シートクッション２６に対して回転自在に調節することができる。
【００１５】
シートアセンブリー１０は、ディスクリクライニング部材５３，５５をロック位置と非ロック位置との間で選択的に動作させるために、反対向きの近位端および遠位端１００，１０２を有する解除ハンドル９８を含んでいる。近位端１００はディスクリクライニング部材５５に固定されている。引き紐１０４が、何れかの適切な手段によって遠位端１０２に連結される。ロッド１０１が夫々のディスクリクライニング部材５３，５５の間に延びており、これらを連結している。このロッド１０１は、両方のディスクリクライニング部材５３，５５に対して、それらのロック位置および非ロック位置の間で、略同期した動作を与える。
【００１６】
図６を再び参照すると、ラッチ６０，６２が、シートクッションフレーム６４の前方クロス部材７０に隣接して、それぞれシートクッションの側部部材６８，６９に固定されている。これらラッチアセンブリー６０，６２は、図６に示すように、ケーブルアセンブリー１１０，１１２によって解除される。各ケーブルアセンブリー１１０，１１２は、一端がそれぞれのラッチ６０，６２に固定されている。解除紐１１４が、夫々のケーブルアセンブリー１１０，１１２の反対端に適切な手段により固定されている。一つの解除紐１１４が両方のラッチ６０，６２を同時に動作させて、それぞれのストライカー棒６３、６６を選択的に解除する。
【００１７】
図７に示すように、中心ピボットアセンブリー５６，５８の夫々は、略Ｕ字形状のクッションブラケット１２４，１２６をそれぞれ含んでいる。これらクッションブラケット１２４，１２６の夫々は、内側プレート１３４，１３６、および該内側プレート１３４，１３６に対して離間し且つ平行な外側プレート１３２，１３８を含んでいる。上部プレート１２８，１３０は、内側プレート１３４，１３６および外側プレート１３２，１３８を相互に連結し、且つこれらに対して略垂直である。フランジ１４０，１４２，１４４，１４６は、内側および外側の側部プレート１３２，１３４，１３６，１３８の夫々から外側に向けて延びており、また上部プレート１２８，１３０に対して略平行である。図６に最も良く示されているように、フランジ１４０，１４２，１４４，１４６は、ボルト止めまたは溶接等のような何れかの適切な方法によって後部管状部材７２に固定され、それによって、中心ピボットアセンブリー５６，５８をクッションフレーム６４に固定する。図７を再び参照すると、各リクライニングアセンブリー５２，５４における下部旋回ブラケット９６，９７の夫々は、溶接またはボルト止め等によって、それぞれのクッションブラケット１２４，１２６における上部プレート１２８，１３０に固定されている。
【００１８】
更に、ピボットアセンブリー５６，５８はフロアブラケット１４８，１４９を含んでおり、その夫々は、そこから外側に延びる一対の離間し且つ略平行なフランジ１５２，１５３，１５４，１５５を支持するための、弧状のベースプレート１５０，１５１を有している。各フロアブラケット１４８，１４９は更に、弧状ベースプレート１５０，１５１の反対端に位置し且つそこから延びる上部取付けフランジ１５６，１５７および下部取付けフランジ１５８，１５９を含んでいる。上部取付けフランジ１５６，１５７は、フロア１４に固定されているのに対して、下部取り付けフランジ１５８，１５９はキャビティー１６の前方壁２２に固定されている。
【００１９】
各ピボットアセンブリー１２０，１２２は更に、第一の端部１６４、１６６および反対側の第二の端部１６８，１７０を有する細長いリンク１６０，１６２を含んでおり、これらはクッションブラケット１２４，１２６を夫々のフロアブラケット１４８，１４９に連結している。第一の端部１６４，１１６は、旋回軸Ａを構成する旋回ピン１７０，１７１によって、内側プレート１３４，１３６および外側プレート１３２，１３８の両者の間に据付けられ、且つこれらに回転可能に連結される。同様に、第二の端部１６８，１７０は、それぞれのフロアブラケット１４８，１４９におけるフランジ１５２，１５３，１５４，１５５の間に据付けられる。旋回ピン１７２，１７３は、フランジ１５２，１５３，１５４，１５５および第二の端部１６８，７０ を貫通し、且つ旋回軸Ｂに沿って延びており、第二の端部１６８，１７０をフロアブラケットに保持する。
【００２０】
動作に際して、シートアセンブリー１０は、解除ストラップ１０４を引張ることによって、図１に示した着座位置から図４および図９に示した収容位置へと移動することができる。解除ストラップ１０４を引くと解除ハンドル９８が回転され、これによりリクライニングアセンブリー５２，５４の両者がロック状態と非ロック状態との間で駆動される。非ロック状態において、シート背部３４は、シートクッション３２に当接した図３および図８に示す折畳まれた平坦な位置へと、シートクッション３２に対して自由に回転しする。次いで、解除紐１１４を引張って、前方ラッチ６０，６２をストライカー棒６３，６６との係合から外す。前方ラッチ６０，６２がストライカー棒６３，６６との係合から解除されると、シートアセンブリー１０は、中心ピボットアセンブリー１２０，１２２の旋回軸Ａ，Ｂの回りに支持および回転される。即ち、シートクッション３２およびシート背部３４は、先ず旋回軸Ａの回りで後方に向けて回転させることができる。シートクッションおよびシート背部３２，３４が回転されるに伴って、上部プレート１２８，１３０がリンク１６０，１６２に接触し，旋回軸Ｂの回りでの更なる回転を妨げる。次いで、図９に示すように、シートクッションおよびシート背部３２，３４がフロア１４の凹んだ収納キャビティー１６の中に嵌り込むまで、旋回軸Ｂの回りでシートクッションおよびシート背部３２，３４の回転が継続される。
【００２１】
または、シートアセンブリー１０は、図１に示した着座位置と図５に示した後向きの着座位置との間で移動可能である。これを達成するためには、リクライニングアセンブリー５２，５４をロック状態に維持して、シート背部を、シートクッションに対して直立した着座位置に保持する。次いで、シート背部３４を図１に示した直立位置に維持したまま、ラッチ６０，６２のための解除紐１１４を駆動する。次いで、図５に示すように、シート背部３４が凹部１６の後方のフロア部分１４に接触して支持されるまで、旋回軸Ｂの回りで、シートアセンブリーを後方に、または図１で見たときに時計方向に回転させる。この構成において、シート背部３４は略水平になり，またシートクッション３２は略垂直になって、後向きの着座位置を構成する。更に、シート背部３４はフロア４３の凹部１６を実質的に覆う。
【００２２】
本発明を図示の方法で説明してきたが、使用した用語は限定的にではなく、本質的に説明的であることを意図している。
上記の教示を考慮して、本発明の種々の変更および変形が可能である。従って本発明は、特許請求の範囲に記載した範囲内において、上述した形態以外で実施できることも理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明の一実施例の自動車シートアセンブリーの概略側面図である。
【図２】図２は、シートアセンブリーおよび後部収納キャビティーの概略平面図である。
【図３】図３は、本発明の一実施例のシートアセンブリーの概略側面図であり、シート背部は平坦な折畳まれた位置にある。
【図４】図４は、自動車フロア内の後部収納キャビティーの凹みに収容された収容位置にある、シートアセンブリーの概略側面図である。
【図５】図５は、後向きの着座位置にあるシートアセンブリーの概略側面図である。
【図６】図６は、本発明の一実施例の前向き着座位置にあるシートアセンブリーの斜視図である。
【図７】図７は、シートアセンブリーのシート背部、シートクッションおよび中心ピボットアセンブリーを旋回可能に連結するための一対のリクライニング装置を含む、本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図８】図８は、折畳まれた平坦な位置にあるシートアセンブリーの斜視図である。
【図９】図９は、収容位置にあるシートアセンブリーの斜視図である。

Claims (6)

1. 対向する側壁ならびに凹んだ収納キャビティーを有する自動車フロアを備えた自動車のためのシートアセンブリーであって、
   第一および第二の側部の間に延びるシートクッションと、
   クッションの端部と背部の端部との間に延びるリクライニングアセンブリーであって、前記クッションの端部は前記シートクッションに固定されているリクライニングアセンブリーと、
   前記リクライニングアセンブリーの背部に固定されたシート背部であって、シート背部の長さを定義し、且つ略直立した着座位置と前方に折畳まれた平坦な位置との間で移動可能であるシート背部と；
   前記凹んだ収納キャビティーに隣接して配置され、前記自動車フロアに固定されたピボットアセンブリーであって、フロアブラケットとクッションブラケットとこれらの間に延びフロア旋回点およびクッション旋回点を形成するリンクを含み、前記シートクッションが前記フロア上の前方着座位置と前記凹んだ収納キャビティー内の収容位置との間で移動されるときに、前記シートクッションが連続的に前記クッション旋回点および前記フロア旋回点の回りで旋回されるピボットアセンブリーと、
   を備えていることを特徴とするシートアセンブリー。
2. 請求項１に記載のシートアセンブリーであって、前記リクライニングアセンブリーは前記背部端から延びる背部アームを含み、該背部アームは、前記シート背部長と合体して、前記凹んだ収納キャビティーの幅よりも大きい反転長になる長さを有するシートアセンブリー。
3. 請求項２に記載のシートアセンブリーであって、
   前記背部の位置とは独立して前記ピボットアセンブリーの回りに旋回するように、前記シートクッションを解除するラッチを含むシートアセンブリー。
4. 請求項３に記載のシートアセンブリーであって、前記リクライニングアセンブリーは、前記シートクッションが前記ピボットアセンブリーの回りに旋回するときに、前記シート背部を前記シートクッションに対して同じ位置に維持するシートクッション。
5. 請求項４に記載のシートアセンブリーであって、前記シートクッションが前記ピボットアセンブリーの回りで旋回し、且つ前記シート背部が前記シートクッションに対する位置を維持するときに、前記シート背部およびシートクッションが後向きシートを形成するシートアセンブリー。
6. 請求項５に記載のシートアセンブリーであって、前記ピボットアセンブリーは、前記第一および第二の側部の間で等距離に離間されるシートアセンブリー。