JPH0542658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車シート等の車両用シートにおけ
るシートバツク（背凭部）、詳しくは、フロント
シートにおけるシートバツク本体の下部に独立状
の中抜きシート部を形成し、この中抜きシート部
を後方（リヤシート方向）に倒伏させて、この倒
伏した中抜きシート部を後席（リヤシート）に着
座した乗員の足載せ台として利用するシートバツ
クに関する。

（従来の技術とその問題点） 従来のこの種のシートバツクは、門型状バツク
フレームの下部左右に、リンクを取付け、このリ
ンクを介して中抜きシート部を装着する構造であ
る。

従つて、中抜きシート部が後方に回動できるよ
うに従来の門型バツクフレームはその下部が開放
状に形成され、一般のシートバツクに使用される
バツクフレームの如く、開放状の下部を補強用の
パイプで連結してバツクフレームの剛性を向上す
る構造にできない。

そこで、従来の中抜きシート部を有するシート
バツクは、そのバツクフレームの強度が不足する
ため、門型バツクフレームの上部左右に渉つて補
強プレート等を架設することによつてバツクフレ
ームを補強している。

そのため、従来品は補強部材をバツクフレーム
の上部に配設しているため、バツクフレーム自体
の重量が増加することは勿論、バツクフレームの
上部の重量増によつてシートバツクを後倒状態か
ら起立状態にするリクライニング装置のばね力が
不足する不具合があつた。

また、前記従来品はリンクを使用して中抜きシ
ート部を取付けているため、中折れシート部を後
倒させる際に、左右にガタが生じ操作性が頗る悪
い欠陥があつた。

そこで、本考案は前記従来品の如く、バツクフ
レームの重量を増加させることなく、中折れシー
ト部を後倒させる際、その操作性を向上すること
を目的とするものである。

そのため、本考案に係る車両用シートのシート
バツクは、本体を構成する門型状バツクフレーム
の下部左右に、後方に向けて支杆を固定し、該左
右の両支杆後部に渉つて支軸を架設すると共に該
支軸に、中抜きシート部を構成するフレームを後
方に回動自在に取付けてなるものである。

従つて、本体を構成する門型状バツクフレーム
は左右の支杆に架設した支軸によつて補強され、
ねじり剛性が向上する。また、中抜きシート部は
支軸を回転中心に回動するため、後倒する際ガタ
が生じないし、その操作性も良好になる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図Ａは、中抜きシート部ａを構成するフレ
ーム４を、シートバツクの本体Ａを構成する門型
状バツクフレーム３に取付ける前の状態を示し、
バツクフレーム３はパイプを門型状、略Ｕ字状に
折曲し、その一方開放端側をフリーヒンジ３７と
し、他方端側に従来周知のリクライニング装置３
４，３５，３６……を装着して、シートクツシヨ
ンＢのシートクツシヨンフレーム（不図示）に対
して傾動可能に取付けるものであり、そのバツク
フレーム３の上端部にはヘツドレスト取付用のブ
ラケツト３２，３２を装着し、更に上部の左右間
に渉つて補強杆３１が架設されている。図中、３
３は中抜きシート部ａのロツク用係合部を示す。

そして、この補強杆３１の下方空間部に、中抜
きシート部ａが装着される。

中抜きシート部ａを構成するフレーム４は、パ
イプを枠状に形成して、その下部左右にブラケツ
ト４１，４１′を溶接して、後述する支軸２側に
対して回動自在に枢着する。そして、このフレー
ム４の左右には上下多段状にＳばねからなるばね
部材４２，４２を張架して、中抜きシート部ａを
構成する発泡体製のクツシヨン材（不図示）を支
持するようにし、また、上端部には、前記バツク
フレーム３の係合部３３に係止するストツパ４３
を設けて、中抜きシート部ａが本体Ａに一体にな
り本体Ａの一部として使用し得るようになつてい
る。

斯る中抜きシート部ａのフレーム４下部左右に
設けたブラケツト４１，４１′は、支軸２の左右
に回動自在に軸着した軸受ブラケツト５，５′に
ボルト４４，４４′で一体に連結される。

支軸２は前記バツクフレーム３の下部左右に後
方に向けて固着した支杆１，１′の後端に両端が
架設され、支軸２にはプレート６，６′が起立状
に溶接されている。また、前記軸受ブラケツト５
は、ブツシユ５１，５１′を介して支軸２に回動
自在に挿通され、この軸受ブラケツト５における
支杆１，１′側に、前記プレート６，６′の円弧状
の長孔６１′に挿通するロツクピン５２，５２′が
突設され、前記フレーム４を略水平状に後倒でき
るように構成されている。

第２図は、中抜きシート部ａが起立し、シート
バツクＡの一部として前席の乗員の背部を支持す
る状態を示し、フレーム４の上端部に設けたスト
ツパ４３が、バツクフレーム３側の係合部３３に
係合して、且つフレーム４を固定している軸受ブ
ラケツト５，５′のピン５２，５２′がバツクフレ
ーム３側のプレート６の長孔６１下端に係止して
いる。

そのため、中抜きシート部ａとシートバツクＡ
との両着座面は、略同一平面状になり、中抜きシ
ート部ａは前後に回動することがない。

第３図は、中抜きシート部ａを第５図、第６図
に示すように、後席の乗員の足載せ台として使用
する場合を示し、前記フレーム４の上端部に設け
たストツパ４３の係合部３３に対する係合状態を
解除して、中抜きシート部ａの上部を後方に押動
若しくは後席側から引くと、中抜きシート部ａは
支軸２を回転中心に第４図に示すように回動し
て、後席の乗員の足載せ台として利用できるよう
になる。そして、この状態はフレーム４と一体の
軸受ブラケツト５，５′のピン５２，５２′がバツ
クフレーム３側のプレート６に設けた長孔６１端
部に係止することにより保持している。

（効果） 本考案は叙上の如く、中抜きシート部がバツク
フレームの下部左右に設けた支杆間に架設する支
軸を、回転中心に回動して後倒し、後席乗員の足
載せ台となる。そのため、中抜きシート部にガタ
が生ずることがないし、また、後倒する際の操作
性が頗る良好である。

更に、バツクフレームの開放状下部には、中抜
きシート部を取付けるための支軸が架設されてい
るため、この支軸によつてバツクフレームが補強
される。

従つて、前記従来品の如く、バツクフレームの
上部に重量増を招く補強部材を架設する必要がな
いため、軽量化を図ることができ、後倒した状態
のシートバツクを元の状態に起立する際、従来の
一般的なシートにおけるシートバツクと同様に僅
かな力で復帰できる。従つて、従来の一般的シー
トに使用されているリクライニング装置の復帰ば
ねによるばね力で充分対応できる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは分解斜視図、第１図Ｂは中抜きシー
ト部の取付部材の分解斜視図、第２図は要部の断
面図、第３図乃至第６図は中抜きシート部を足載
せ台として使用する状態を示し、第４図はその要
部の断面図、第４図はバツクフレームとフレーム
との側面図、第５図は同側面図、第６図は斜視図
を示す。 図中、１，１１は支杆、２は支軸、３はバツク
フレーム、４はフレーム、Ａは本体、ａは中抜き
シート部を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体の下部に独立状の中抜きシート部を形成
   し、該中抜きシート部を後倒させて、この後倒し
   た中抜きシート部を後席乗員の足載せ台として利
   用するシートバツクにおいて、前記本体を構成す
   る門型状バツクフレームの下部左右に、後方に向
   けて支杆を固定し、該両支杆の後部に渉つて支軸
   を架設すると共に、該支軸に前記中抜きシート部
   を構成するフレームを後方に回動可能に取付けて
   なることを特徴とする車両用シートのシートバツ
   ク。