JP3547415B2 - リクライニング式車椅子 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、背もたれの傾斜角度が可変のリクライニング式車椅子に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に車椅子は、金属製のパイプ材からなる、左右方向に折り畳み可能なフレームを有しており、このフレームに、左右一対の大径および小径の車輪（大車輪およびキャスタ）が取り付けられている。また、フレームには、使用者が座るための座シートや、背中をもたせ掛けるための背シートが取り付けられている。さらに、フレームの一部を利用して、座シートの左右両側に左右一対の肘掛けが設けられている。
【０００３】
このような一般的な車椅子に加えて、近年、リクライニング式車椅子も各種提案されており、例えば特開２００１−１４９４１３号公報に記載のものが知られている。このリクライニング式車椅子のフレームは、車輪を支持する本体フレームと、座シートおよび背シートを支持するシートフレームとで構成されており、シートフレームが、本体フレームに対し、前後方向に揺動するようになっている。また、両フレーム間には、シートフレームを、本体フレームに対し、所望の傾斜角度にロックするためのロック装置が設けられており、このロック装置のロックを解除するためのレバーが、背シートの背面側に設けられている。つまり、このリクライニング式車椅子では、車椅子の背後にいる介助者が上記レバーを操作することにより、ロック装置のロックを解除しながらシートフレームを動かし、これにより、背シートを使用者の望む傾斜角度に調整するようになっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このようなリクライニング式車椅子では、介助者が背シートの背面側にあるレバーを操作しなければ、リクライニングを行うことができない。すなわち、介助者がいなければ、リクライニングを行うことができず、車椅子の使用者が座ったまま、自分で背シートの傾斜角度を調整することができない。また、このリクライニング式車椅子では、リクライニング時に、フレームに撓みや捻れが生じることなく、使用者をしっかりと支えるべく、本体フレームおよびシートフレームはいずれも、左右方向に延びる複数の補強部材を有している。つまり、このリクライニング式車椅子は、左右方向に折り畳み不能な構造になっている。さらに、車椅子の肘掛けは、一般に固定されているため、リクライニングの際に背シートが後方に大きく傾斜すると、背シートと肘掛けとの間に隙間が生じたり、肘掛けが高い位置のままであったりすることで、肘掛けを適切に利用できなくなることもある。
【０００５】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、使用者が座ったまま、自分で背もたれの傾斜角度を調整することができ、また、車椅子自体を左右方向に折り畳み可能なリクライニング式車椅子を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るリクライニング式車椅子は、左右方向に折り畳み可能なフレームと、このフレームに設けられ、使用者が座るための座部と、フレームの座部の背面側に設けられ、起立した起立位置と斜め後ろ上がりに傾斜した傾斜位置との間で、左右方向の水平な軸線を中心に回動自在の背もたれと、この背もたれを、起立位置と傾斜位置との間で駆動するとともに、起立位置と傾斜位置との間の任意の位置に保持可能な背もたれ駆動装置と、座部に座った使用者により操作可能な位置に設けられ、背もたれ駆動装置を操作するための操作部と、フレームに取り付けられたヘッドレストと、を備えており、ヘッドレストは、ヘッドレスト本体と、このヘッドレスト本体を支持するとともに、フレームの左右の端部に連結され、フレームの折り畳みに伴い、ヘッドレスト本体を下方に移動させながら左右方向に折り畳まれる折り畳み機構と、を有していることを特徴とする。
【０００７】
この構成によれば、操作部が操作されることにより、背もたれ駆動装置が作動し、背もたれを、上記軸線を中心に、起立位置と傾斜位置との間の任意の位置（以下、本明細書において「リクライニング位置」という）に回動駆動するとともに、そのリクライニング位置に保持することができる。上記操作部は、使用者自身が座部に座った状態で操作可能な位置に設けられているので、使用者が車椅子に座ったまま、自分で背もたれの傾斜角度を調整することができる。また、フレームに取り付けられたヘッドレストは、ヘッドレスト本体を支持する折り畳み機構を有しており、この折り畳み機構は、フレームの折り畳みに伴い、ヘッドレスト本体を下方に移動させながら左右方向に折り畳まれるので、ヘッドレストをフレームから取り外すことなく、車椅子自体を左右方向に折り畳むことができる。
【０００８】
この場合、座部の左右両側の少なくとも一方に設けられた前後方向に延びる肘掛けと、肘掛けを、背もたれの回動に連動して、前後方向および上下方向の少なくとも一方に移動させる肘掛け連動機構と、をさらに備えていることが好ましい。
【０００９】
この構成によれば、座部の左右両側またはその一方に設けられた肘掛けが、肘掛け連動機構により、背もたれの回動に連動して、前後方向および／または上下方向に移動する。したがって、例えば、背もたれが起立位置からリクライニング位置に回動するのに連動して、肘掛けが後方および／または下方に移動することにより、リクライニングの状態であっても、肘掛けを適切に利用することが可能となる。一方、背もたれがリクライニング位置から起立位置に回動するのに連動して、肘掛けが前方および／または上方に移動することにより、肘掛けを、リクライニング前の状態に簡単に復帰させることができる。
【００１０】
またこの場合、背もたれ駆動装置は、背もたれの左右の端部にそれぞれ連結され、操作部の操作時に背もたれを駆動するとともに、操作部の非操作時に背もたれを保持する左右一対のアクチュエータと、これら一対のアクチュエータにそれぞれ一端部が接続され、一対のアクチュエータを制御するための一対の制御ケーブルと、これら一対の制御ケーブルの他端部がそれぞれ接続され、操作部によって操作されることにより、一対の制御ケーブルを介して、一対のアクチュエータを互いに同じタイミングで作動させる接続器と、を有しており、操作部は、接続器を操作するための単一の操作部材を有していることが好ましい。
【００１１】
この構成によれば、操作部の単一の操作部材を操作することにより、接続器および一対の制御ケーブルを介して、左右一対のアクチュエータを互いに同じタイミングで作動させることができる。つまり、使用者は、単一の操作部材を操作するだけで、一対のアクチュエータを簡単かつバランス良く作動させることができ、その結果、リクライニングを簡単かつ円滑に行うことができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図１および図２は、本発明の一実施形態によるリクライニング式車椅子を示している。これらの図に示すように、このリクライニング式車椅子１（以下、単に「車椅子」という）は、左右方向に折り畳み可能で、使用者が自分で車輪を回して移動できる自走タイプのものである。車椅子１は、アルミやスチールなどの金属製のパイプ材を、ほぼ左右対称に組み立てて構成されたフレーム２を有している。このフレーム２は、ベースフレーム３と、このベースフレーム３の後部（図１の右部）に設けられたバックフレーム４とで構成されている。
【００１３】
ベースフレーム３は、左右方向に互いに間隔を存し、前後方向に延びる所定形状に組み立てられた左右一対のベースフレーム本体１１、１１を有している。これら左右のベースフレーム本体１１、１１には、大径の車輪１２、１２、キャスター１３、１３およびフットレスト１４、１４（図１ではそれぞれ１つずつ図示）がそれぞれ左右対称に設けられている。また、両ベースフレーム本体１１、１１間の上部には、使用者が座るための座部１５が設けられている。この座部１５は、布状の座シート１６と、上記両ベースフレーム本体１１、１１とほぼ同じ間隔を左右方向に互いに存し、座シート１６の左右両縁部が固定された左右一対の座シート支持部材１７、１７（図１では１つのみ図示）とで構成されている。これら左右の座シート支持部材１７、１７はいずれも、前後方向に互いに平行に所定長さ延びており、各座シート支持部材１７は、それに対応する側方のベースフレーム本体１１上に、図示しない受け金具を介して、載置されている。
【００１４】
また、左右のベースフレーム本体１１、１１間には、正面から見た状態がＸ字状のクロスリンク１８が設けられている（図２参照）。このクロスリンク１８は、２本のリンクバー１８ａ、１８ａを有しており、それぞれの中心部で、前後方向に延びる連結ピン１８ｂによって、互いに回動自在に連結されている。クロスリンク１８の下端部、すなわち両リンクバー１８ａ、１８ａの下側の先端部は、互いに異なる左右のベースフレーム本体１１、１１の下部にそれぞれ固定されている。一方、クロスリンク１８の上端部、すなわち両リンクバー１８ａ、１８ａの上側の先端部は、上記座部１５の互いに異なる左右の座シート支持部材１７、１７の下部にそれぞれ固定されている。したがって、車椅子１を左右方向に折り畳んだ場合には、クロスリンク１８も左右方向に折り畳まれ、座シート１６が撓みながら、座部１５が持ち上げられる。
【００１５】
一方、バックフレーム４は、左右方向に互いに間隔を存し、上下方向に互いに平行に延びる左右一対のバックフレーム本体２１、２１を有している。各バックフレーム本体２１の下端部は、それに対応する側方のベースフレーム本体１１に、左右方向に延びる水平な連結軸２２（軸線）を介して、回動自在に連結されている。また、各バックフレーム本体２１の上端部は、湾曲しながら後方に延びており、この延びた部分が、介助者用のハンドグリップになっている。さらに、左右のバックフレーム本体２１、２１間には、布状の背シート２３が設けられており、その左右両縁部が左右のバックフレーム本体２１、２１にそれぞれ固定されている。このような左右のバックフレーム本体２１、２１および背シート２３によって、車椅子１の背もたれ２０が構成されている。したがって、この背もたれ２０は、ほぼ鉛直方向に起立した起立位置（図１の実線で示す位置）と、斜め後ろ上がりに傾斜した傾斜位置（同図の２点鎖線で示す位置）との間で、上記連結軸２２を中心に回動できるようになっている。
【００１６】
この背もたれ２０の背面側には、背もたれ２０を、回動駆動するとともに、起立位置と傾斜位置との間の任意の位置（リクライニング位置）に保持するための左右一対のアクチュエータ２４、２４（背もたれ駆動装置）が設けられている。各アクチュエータ２４は、シリンダ２４ａおよびピストンロッド２４ｂを有するガススプリングあるいはオイルスプリングなどで構成されており、常時は、ピストンロッド２４ｂがシリンダ２４ａに対してロックされる一方、後述するリクライニングレバー３３が操作されることでそのロックが解除されたときには、ピストンロッド２４ｂがシリンダ２４ａから出る方向にばね力が生じるようになっている。
【００１７】
そして、これら左右のアクチュエータ２４、２４は、ベースフレーム本体１１と、これに連結されたバックフレーム本体２１とを連結するように、背もたれ２０の背面側の左右両側にそれぞれ設けられている。より具体的には、各アクチュエータ２４は、ピストンロッド２４ｂの先端部がベースフレーム本体１１の上部後端部に回動自在に連結される一方、シリンダ２４ａの先端部がバックフレーム本体２１の上下方向のほぼ中央部に回動自在に連結されている。したがって、これらのアクチュエータ２４、２４により、ピストンロッド２４ｂがシリンダ２４ａから出る方向に移動することにより、背もたれ２０が起立位置に向かって駆動される。一方、使用者が背もたれ２０に体重をかけるようにもたれ掛かることによって、ピストンロッド２４ｂがアクチュエータ２４のばね力に抗してシリンダ２４ａに入る方向に移動し、これにより、背もたれ２０が傾斜位置に向かって回動する。
【００１８】
また、これら一対のアクチュエータ２４、２４にはそれぞれ、制御ケーブル２５ａ、２５ａの一端部が接続され、それらの他端部が接続器２６に接続されている。この接続器２６は、図２に示すように、左側のバックフレーム本体２１の下端寄りの位置に取り付けられており、２本の制御ケーブル２５ａ、２５ａを介して、一対のアクチュエータ２４、２４を互いに同じタイミングで作動させるためのものである。また、この接続器２６は、他の制御ケーブル２５ｂを介して、後述するリクライニングレバー３３に接続されている。
【００１９】
上述した座部１５の左右両側の上方には、左右一対の肘掛け３１、３１が設けられている。各肘掛け３１は、前後方向に所定長さ延びており、その後端部がバックフレーム本体２１に回動自在に連結される一方、前端寄りの部分が、上下方向に延びる連結リンク３２（肘掛け連動機構）を介して、ベースフレーム本体１１に回動自在に連結されている。したがって、左右の肘掛け３１、３１は、背もたれ２０が起立位置から傾斜位置に向かって回動すると、これに連動して、後方に大きく移動するとともに若干下降する。逆に、背もたれ２０が起立位置に向かって回動することにより、左右の肘掛け３１、３１は、前方に大きく移動するとともに若干上昇し、元の位置に戻る。
【００２０】
また、左側の肘掛け３１の先端部には、背もたれ２０の傾斜角度を調整するための単一のリクライニングレバー３３（操作部、操作部材）が設けられている。このリクライニングレバー３３は、上述したように、制御ケーブル２５ｂを介して上記接続器２６に接続されている。したがって、リクライニングレバー３３を操作することにより、その旨が、制御ケーブル２５ａ、２５ａ、２５ｂおよび接続器２６を介して、左右のアクチュエータ２４、２４に伝達され、これらアクチュエータ２４、２４のピストンロッド２４ｂ、２４ｂのロックが同時に解除される。
【００２１】
上述した背もたれ２０の上部には、ヘッドレスト４１が取り付けられている。このヘッドレスト４１は、車椅子１に座った使用者の頭を後ろから支えるヘッドレスト本体４２と、このヘッドレスト本体４２を左右のバックフレーム本体２１、２１に取り付けるための取付装置４３（折り畳み機構）とで構成されている。取付装置４３は、ヘッドレスト本体４２を前後方向および上下方向に位置調整自在に支持する支持体４５と、この支持体４５と左右のバックフレーム本体２１、２１の上端部の取付部２１ａ、２１ａとの間を連結する左右一対の折り畳み用リンク４６、４６とで構成されている。
【００２２】
支持体４５は、ヘッドレスト本体４２の背面から後方に突出した横ロッド５１を前後方向にスライド自在に支持する筒状の横ロッド支持部材５２と、この横ロッド支持部材５２から下方に所定長さ延びた縦ロッド５３を上下方向にスライド自在に支持するとともに、上記左右の折り畳み用リンク４６、４６が回動自在に連結された支持・連結部材５４とで構成されている。したがって、ヘッドレスト本体４２を、横ロッド支持部材５２および支持・連結部材５４に対し、それぞれ前後方向および上下方向にスライドさせることによって、所望の位置に位置調整することができる。
【００２３】
また、左右の折り畳み用リンク４６、４６の各々は、一端部が支持・連結部材５４に回動自在に連結されるとともに、他端部が左右のバックフレーム本体２１、２１の対応する側方の取付部２１ａに回動自在に連結されている。図２（ａ）に示すように、車椅子１の通常の状態（使用可能な状態）では、各折り畳み用リンク４６は、支持・連結部材５４側の端部が取付部２１ａ側の端部よりも若干高い位置になるように配置されている。つまり、左右の折り畳み用リンク４６、４６は、互いに水平な一直線となる死点よりも、支持・連結部材５４側の端部が高くなっており、左右のバックフレーム本体２１、２１を互いに接近させないよう突っ張った状態に保持している。これにより、これら左右のバックフレーム本体２１、２１は、左右の折り畳み用リンク４６、４６および支持・連結部材５４を介して、互いに強固に連結されている。
【００２４】
次に、上記のように構成された車椅子１のリクライニング操作および折り畳み操作について、順に簡単に説明する。なお、リクライニング操作前には、背もたれ２０が起立位置にあるものとする。
【００２５】
まず、車椅子１に座った使用者が、そのままの状態で左側の肘掛け３１に設けられたリクライニングレバー３３を操作する。使用者がリクライニングレバー３３を操作しながら、背もたれ２０に自分の体重をかけるようにもたれ掛かると、左右のアクチュエータ２４、２４の各ピストンロッド２４ｂがシリンダ２４ａ内に入る方向に移動し、これにより、背もたれ２０が傾斜位置に向かって回動するとともに、左右の肘掛け３１、３１も、後方に移動しながら若干下降する。そして、その背もたれ２０が所望の傾斜角度になったところで、使用者がリクライニングレバー３３から手を離す。これにより、左右のアクチュエータ２４、２４がロックされ、背もたれ２０が所望の傾斜角度のリクライニング位置に保持される。
【００２６】
逆に、リクライニング位置の背もたれ２０を起立位置に戻す場合には、使用者が上体をある程度起こしてから、リクライニングレバー３３を操作する。これにより、左右のアクチュエータ２４、２４のロックが解除され、各ピストンロッド２４ｂがばね力によってシリンダ２４ａから出る方向に駆動されることにより、背もたれ２０が起立位置に自動復帰する。
【００２７】
また、車椅子１を折り畳む場合にはまず、ヘッドレスト４１を押し下げ、支持・連結部材５４を、左右の折り畳み用リンク４６、４６の死点を超えるよう下降させる。そして、一般的な車椅子と同様に、座シート１６の左右方向の中央部を山折りするようにして座部１５を持上げながら、クロスリンク１８を左右方向に縮める。これにより、図２（ｂ）に示すように、左右のベースフレーム本体１１、１１同士および左右のバックフレーム本体２１、２１同士を、それぞれ接近させながら、フレーム３を左右方向に折り畳む。これに伴い、左右の折り畳み用リンク４６、４６も、左右方向に折り畳まれる。このように、この車椅子１では、ヘッドレスト４１をフレーム３から取り外すことなく、車椅子１自体を左右方向に折り畳むことができる。
【００２８】
以上詳述したように、本実施形態のリクライニング式車椅子１によれば、使用者が肘掛け３１に設けられたリクライニングレバー３３を操作することにより、使用者は座ったまま、自分で背もたれ２０の傾斜角度を調整することができる。しかも、単一のリクライニングレバー３３を操作するだけで、左右のアクチュエータ２４、２４を互いに同じタイミングで作動させることができるので、それらのアクチュエータ２４、２４を簡単かつバランス良く作動させることができ、その結果、リクライニングを簡単かつ円滑に行うことができる。また、ヘッドレスト４１の左右の折り畳み用リンク４６、４６および支持・連結部材５４を介して、左右のバックフレーム本体２１、２１が互いに強固に連結されているので、たとえ左右のアクチュエータ２４、２４に、製造上の不可避的なばね力や作動タイミングのバラツキが生じていても、左右のバックフレーム本体２１、２１が互いに同調しながら作動する。これにより、本実施形態のリクライニング式車椅子１では、背もたれ２０のリクライニングを、常に、円滑かつ安定して行うことができる。さらに、左右の肘掛け３１、３１が、背もたれ２０のリクライニングに連動して、前後方向および上下方向に移動するので、肘掛け３１、３１を、常に、適切にかつ十分に利用することができる。
【００２９】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、本発明を自走タイプの車椅子に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、介助タイプの車椅子などにももちろん適用することができる。また、リクライニングレバー３３を、左側の肘掛け３１に設けたが、使用者の手の届く範囲であれば、肘掛け３１以外にリクライニングレバー３３を設けても良く、またレバーの代わりに、ボタンやスイッチなどを採用しても良い。さらに、実施形態で示した車椅子１の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【００３０】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のリクライニング式車椅子は、使用者が座ったまま、自分で背もたれの傾斜角度を調整することができ、また、車椅子自体を左右方向に折り畳むことができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態によるリクライニング式車椅子を示す側面図である。
【図２】図１のリクライニング式車椅子を示す背面図であり、（ａ）は使用可能な状態（折り畳み前の状態）、（ｂ）は折り畳み後の状態を示す。
【符号の説明】
１ リクライニング式車椅子
２ フレーム
３ ベースフレーム
４ バックフレーム
１１ ベースフレーム本体
１５ 座部
２０ 背もたれ
２１ バックフレーム本体
２２ 連結軸（軸線）
２３ 背シート
２４ アクチュエータ（背もたれ駆動装置）
２５ａ 制御ケーブル
２５ｂ 制御ケーブル
２６ 接続器
３１ 肘掛け
３２ 連結リンク（肘掛け連動機構）
３３ リクライニングレバー（操作部、操作部材）
４１ ヘッドレスト
４２ ヘッドレスト本体
４３ 取付装置（折り畳み機構）
４６ 折り畳み用リンク

Claims (3)

1. 左右方向に折り畳み可能なフレームと、
   このフレームに設けられ、使用者が座るための座部と、
   前記フレームの前記座部の背面側に設けられ、起立した起立位置と斜め後ろ上がりに傾斜した傾斜位置との間で、左右方向の水平な軸線を中心に回動自在の背もたれと、
   この背もたれを、前記起立位置と前記傾斜位置との間で駆動するとともに、当該起立位置と当該傾斜位置との間の任意の位置に保持可能な背もたれ駆動装置と、
   前記座部に座った使用者により操作可能な位置に設けられ、前記背もたれ駆動装置を操作するための操作部と、
   前記フレームに取り付けられたヘッドレストと、を備えており、
   前記ヘッドレストは、ヘッドレスト本体と、
   このヘッドレスト本体を支持するとともに、前記フレームの左右の端部に連結され、前記フレームの折り畳みに伴い、当該ヘッドレスト本体を下方に移動させながら左右方向に折り畳まれる折り畳み機構と、
   を有していることを特徴とするリクライニング式車椅子。
2. 前記座部の左右両側の少なくとも一方に設けられた前後方向に延びる肘掛けと、
   当該肘掛けを、前記背もたれの回動に連動して、前後方向および上下方向の少なくとも一方に移動させる肘掛け連動機構と、
   をさらに備えていることを特徴とする請求項１に記載のリクライニング式車椅子。
3. 前記背もたれ駆動装置は、前記背もたれの左右の端部にそれぞれ連結され、前記操作部の操作時に前記背もたれを駆動するとともに、前記操作部の非操作時に前記背もたれを保持する左右一対のアクチュエータと、
   これら一対のアクチュエータにそれぞれ一端部が接続され、当該一対のアクチュエータを制御するための一対の制御ケーブルと、
   これら一対の制御ケーブルの他端部がそれぞれ接続され、前記操作部によって操作されることにより、前記一対の制御ケーブルを介して、前記一対のアクチュエータを互いに同じタイミングで作動させる接続器と、を有しており、
   前記操作部は、前記接続器を操作するための単一の操作部材を有していることを特徴とする請求項１または２に記載のリクライニング式車椅子。

Images