JP4552047B2 - リクライニング可能な車椅子の脚部支持枠の連動及び非連動機構 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記従来のリクライニング可能な車椅子は、背部支持枠と脚部支持枠とが連動構成されているから、使用者を椅子掛け状態から仰臥状態にワンタッチで姿勢変更できる利便性を有する反面、脚を伸ばした状態で着座することができないという問題点があった。
しかしながら、背部支持枠をリクライニングさせた状態では、脚部支持枠が上方に回動された状態となっており、背部支持枠をリクライニングさせた状態で脚部支持枠を下げた状態に角度設定ができないという欠点があった。
請求項2の発明では、上記連結ロッド(41)を一定長で保持するためのピン(43)をスプリング(47)により前記外側パイプ(41b)内に挿通する方向に付勢すると共に、車椅子(K)のハンドル(12)または前記脚部支持枠(29)に取り付けるレバー部材(49)と前記ピン(43)をワイヤー部材(48)で連結してなる挿脱手段(44)を設けたことを特徴とする。
また、請求項2の発明では、支持手段をフレーム本体に設けた支軸と脚部支持枠に上下回動可能に取り付けた支持プレートからなり、支持プレートに設けた通孔部に支軸を係合して段階的に脚部支持枠を支持するよう構成している。そして、連結ロッドを伸縮自在な状態と、一定長で保持する状態とに切替えることができるように挿脱手段が構成されており、この連結ロッドを適宜切替えることで背部支持枠のリクライニング操作に連動して脚部支持枠を回動させたり、脚部支持枠単独で回動操作可能にすることができている。したがって、構成が非常に簡単であり、安価に提供することができる。
1はフレーム本体である。このフレーム本体1は、側面視が前方開口のコ字状に形成されたフレームパイプ2aの前端側を上下方向の縦パイプ2bで連結してなる一対の側部フレーム2,2を左右に略々座幅間隔に離間させて配設し、各縦パイプ2b,2bを横パイプ3,4で連結して一体的に構成したものである。また、前記フレームパイプ2aの上側水平部の前後中間部には下向きにブラケット5が固着されており、このブラケット5,5を横パイプ6で連結している。そして、このフレーム本体1の上面部を車椅子Kの座席としている。
8は後輪であり、前記側部フレーム2の後端部において、前後方向回動可能にその中間部を枢着した回動アーム9の下端部に軸支されている。なお、前記左右の回動アーム9,9は、横方向の連結パイプ10により連結して一体的に設けている。
また、11は背部支持枠であり、12はハンドルである。
逆に、背部支持枠11を起立させるときは、当該背部支持枠11がフレーム本体1に対して上方へ伸びながら起立していくように作用する。したがって、背部支持枠11が使用者の背中に追従してリクライニングするようになり、背部支持枠11と背中の擦れを軽減させることになる。
この連動及び非連動機構は、フレーム本体1とリクライニング機構13を構成する第一リンク15と、脚部支持枠29及び連結ロッド41とによって構成される四節リンク機構からなるものである。
この四節リンクを構成する連結ロッド41以外の各部材については上述で説明したものであり、ここでは第9図に基づき連結ロッド41について説明する。
この連結ロッド41は、後端部にブラケット41aが固着された外側パイプ41bと、この外側パイプ41b内を摺動自在な内側パイプ41cとから主に構成されている。そして、この連結ロッド41の両端を前記第一リンク15,15間に横設される連結パイプ21に突設されるブラケット42と、支持プレート37の前方上部とにそれぞれ連結している。なお、43はピンであり、連結ロッド41を一定長で設定するためのものである。すなわち、第10図に示すように、当該連結ロッド41が脚部支持枠29等の自重により軸方向に圧縮されて、内側パイプ41c後端部がピン43に接当し、相対的に支持プレート37が上方に付勢保持されている。そのため、支持プレート37が支軸40に沿って前後に移動自在な状態となるため、背部支持枠11をリクライニングさせるとそれに連動して脚部支持枠29が上方回動するようになっている。そして、リクライニングした状態から背部支持枠11を起立させると脚部支持枠29が下方回動するようにもなっている。
しかし、リクライニングした際にも、脚を伸ばした状態から垂下した状態へと脚部支持枠29の角度設定を任意に行うこともできる。これは、外側パイプ41b後端部に穿設した空孔部41dからピン43を抜くことによって、連結ロッド41をさらに短くできるためである。
このように、外側パイプ41bの空孔部41dからピン43を抜き取ることによって、内側パイプ41cは外側パイプ41b内を後方に摺動自在となり、支持プレート37とブラケット42とのそれぞれの取付部の距離を短くすることができる。
したがって、ピン43を抜いた状態でリクライニングさせると次のようになる。まず、連結ロッド41の軸方向の圧縮が解除された状態となり、支持プレート37が自重により下方回動する。そして、通孔部38の前端部あるいは係合溝38aに支軸40が位置する状態で脚部支持枠29を保持する状態となる。この状態からリクライニングしても、外側パイプ41bは内側パイプ41cに沿って前方へ摺動するが内側パイプ41cを押出すことができないので背部支持枠11のみ後方に傾倒した状態となっている。(第12図参照)。
そして、背部支持枠11をリクライニングした状態で、脚部支持枠29の角度調節をする場合には、脚部支持枠29を上方回動させるだけでよい。脚部支持枠29を上方回動すれば、内側パイプ41cは前方に引き出されるが連結ロッド41は圧縮が解除された状態であり、支持プレート37は回動自在な状態となっている。そのため、脚部支持枠29を上方回動すれば、通孔部38の上側に沿って支軸40が移動する。そして、支軸40と何れかの係合溝38a,38b,38cに掛合させればよい(第13図参照)。
この状態からリクライニングに連動して脚部支持枠29を作動させる際には、背部支持枠11を起立させ、外側パイプ41bの空孔部41dにピン43を挿通した後、再度リクライニングさせ、ピン43に内側パイプ41cの後端部を接触させ連結ロッド41が圧縮状態となるようにすればよい。または、脚部支持枠29をさらに上方回動させ、ピン43を挿通する。然る後、支持プレート37を上方に持ち上げた状態で脚部支持枠29を下ろせばよい。
よって、使用者の楽な姿勢をとることができるリクライニング可能な車椅子Kとなっている。
まず、第14図に示すように外側パイプ41bの空孔部41dに合わせ、筒部材45を固着している。そして、この筒部材45内に段付ピン46及びスプリング47をはめ込み、さらに蓋部材50を螺着して、段付ピン46とスプリング47の抜け止めをしている。このように構成された段付ピン46はスプリング47により常時外側パイプ41bに挿通される方向に付勢されている。そして、この段付ピン46の端部にワイヤー部材48を掛止し、このワイヤー部材48を例えばハンドル12等に取り付けたレバー部材49に掛止している。このように構成すれば、リクライニングなどの操作と同時に段付ピン46の抜き挿しが容易に行うことができる。
また、レバー部材49を脚部支持枠29に取り付けると、脚部支持枠29の上下回動操作と挿脱手段44の操作が同時にできるのでより至便である。
このように構成しても、上述と同様に脚部支持枠を背部支持枠のリクライニング動作に連動して回動操作することもでき、さらには、背部支持枠のリクライニングに連動することなく、脚部支持枠を上下に回動操作することが可能である。
1 フレーム本体
7 前輪
8 後輪
11 背部支持枠
13 リクライニング機構
29 脚部支持枠
41 連結ロッド
Claims (2)
- 上面部を座席とすると共に左右一対の前輪(7),(7)と後輪(8),(8)を有するようにフレーム本体(1)を構成し、該フレーム本体(1)には前記座席の前方で上下回動自在となるよう脚部支持枠(29)を設けると共に前記座席の後方にリクライニング自在となるよう背部支持枠(11)を設け、前記脚部支持枠(29)は前記フレーム本体(1)との間に支持手段(34)を介在して前記座席に対して段階的に角度変更自在に支持するに、前記支持手段(34)は前記脚部支持枠(29)の裏側に上下回動可能に取り付けた支持プレート(37)と前記フレーム本体(1)に設けられる横方向の支軸(40)とからなり、前記支持プレート(37)の中央部には前記支軸(40)を挿通する通孔部(38)を形成すると共に当該通孔部(38)の上側には前記支軸(40)が係脱可能な凸状の複数の係合溝(38a),(38b),(38c)を一体的に形成し、前記支軸(40)が前記支持プレート(37)の自重による下方回動により何れかの係合溝(38a),(38b),(38c)に係合して前記脚部支持枠(29)を段階的に支持するよう構成し、当該支持手段(34)と前記背部支持枠(11)あるいはリクライニング操作により前後回動するリクライニング機構(13)の構成部材とを伸縮自在な状態と圧縮方向に対しては一定長で保持される状態とに切替自在に構成してなる連結ロッド(41)で連結するに、該連結ロッド(41)は外側パイプ(41b)に前記支持プレート(37)の取付部後方上部に連結した内側パイプ(41c)を挿通すると共に、該外側パイプ(41b)の後部に挿脱操作自在となるピン(43)を具備して構成したもので、該ピン(43)を抜いて前記連結ロッド(41)が伸縮自在な状態では前記背部支持枠(11)のリクライニング操作に係わらず、前記脚部支持枠(29)を上下に回動操作自在かつ前記支持手段(34)の支持プレート(37)が自重により下方回動することで段階的に保持できる一方、前記ピン(43)を挿通して前記連結ロッド(41)が圧縮方向に対して一定長で保持される状態ではリクライニング操作による前記背部支持枠(11)の上下回動に連動して前記連結ロッド(41)が前記支持手段(34)の支持プレート(37)を上方回動して前記脚部支持枠(29)の保持状態を解除して該脚部支持枠(29)が上下回動されその状態を保持すると共に、この保持状態から脚部支持枠(29)のみ上方側に回動操作でき前記支持手段(34)で保持されるよう構成したことを特徴とするリクライニング可能な車椅子(K)の脚部支持枠(29)の連動及び非連動機構。
- 上記連結ロッド(41)を一定長で保持するためのピン(43)をスプリング(47)により前記外側パイプ(41b)内に挿通する方向に付勢すると共に、車椅子(K)のハンドル(12)または前記脚部支持枠(29)に取り付けるレバー部材(49)と前記ピン(43)をワイヤー部材(48)で連結してなる挿脱手段(44)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のリクライニング可能な車椅子(K)の脚部支持枠(29)の連動及び非連動機構。
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