JP2793155B2 - 折畳み式車イス - Google Patents

折畳み式車イス

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JP2793155B2
JP2793155B2 JP7251970A JP25197095A JP2793155B2 JP 2793155 B2 JP2793155 B2 JP 2793155B2 JP 7251970 A JP7251970 A JP 7251970A JP 25197095 A JP25197095 A JP 25197095A JP 2793155 B2 JP2793155 B2 JP 2793155B2
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二良 水野
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】この発明は折畳み式車イスに関するもので
あり、さらに詳しくは本出願人による先願である特願平
6−336257号に提案された折畳み式車イスの改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下の記載において「使用者」とは病気
にかかっている患者、高齢者または身体障害者など、2
地点間を往来するのに車イスを使用する必要のある者を
指す。また「長手方向」とは車イスの前後水平方向を指
し、「横方向」とはこの長手方向に対して直交する水平
方向をいう。
【0003】上記の先願にかかる折畳み式車イスにあっ
ては、1対のメインフレームが車イスの長手方向に延在
しており、背もたれが幅方向に延在してこれらのメイン
フレームを後上端において着脱可能に連結し、リフター
ユニットの1対のリフター軸が回動可能であってそれぞ
れのリフター軸にはリフターアームが組み付けられて手
動によるリフター軸の回動を可能としている。またシー
トユニットの座板がこれらのリフター軸に着脱可能に吊
り下げられ、各メインフレームには主輪が着脱可能に組
み付けられている。さらにメインフレームの前下端に組
み付けられたフットユニットの1対の足載板が長手方向
に延在する中央ヒンジに沿って合体されており、メイン
フレームの後下端には1対のキャスターユニットが組み
付けられて、各キャスターユニットのキャスターがジャ
ッキレバーにより床から持ち上げられるようになってい
る。
【0004】上記のような構成において、背もたれを後
方に回動させることにより、車イスの後方が開放された
状態となる。上下の錠止を外すことにより、主輪ユニッ
ト全体をメインフレームから取り外すことができる。リ
フターユニットのリフターアームを揺動させることによ
り、座板を上下させることができる。フットユニットを
折り畳むことにより、車イス全体を平たく折り畳むこと
ができる。またジャッキレバーを操作することにより、
車イス全体を床に対して離陸、着地させることができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記のような
先願技術の場合には、座板の上下動のためにはリフター
アームを揺動させる必要があるが、座板上に使用者が座
っている場合や、操作位置周りにあまりスペースがない
場合などには、リフターアームの揺動が周囲の存在物に
妨げられて自由にできず、リフターアーム周りの作業性
が悪いという問題がある。
【0006】また主輪ユニットをメインフレームに組み
付けるには、主輪ユニットのリム軸をメインフレームの
下フレームに組み付けて錠止する必要がある。このため
に先願技術にあっては、リム軸上にロックスリーブを遊
嵌し、下フレーム後端に半筒状の下ロックを設けてあ
る。錠止に際しては、下ロックをリム軸に嵌合させてか
らリム軸上のロックスリーブを嵌合部に降下させて外挿
している。
【0007】このような錠止構造にあっては、錠止を確
実なものとするために、嵌合部にかなりの上下寸法を確
保する必要がある。この故に車イス全体が背高構造とな
り、重心が高く位置することになるので、不安定となる
という問題がある。
【0008】かかる先願技術の有する問題に鑑みてこの
発明の目的は、車イスの座板移動用リフターアーム周り
の作業性を改善するとともに、車高抑制をしながらかつ
主輪ユニットとメインフレームとの下方錠止を確実にす
ることにある。
【0009】】
【課題を解決するための手段】このためこの発明におい
ては、リフターユニットには上フレームを中心として上
下に揺動できるリフターアームを設け、該リフターアー
ムには長さが調節可能でかつ選ばれた長さを一時的に固
定する錠止構造を具え、主輪ユニットの主輪を支持する
リム軸を錠止機構を介してメインフレームの下フレーム
に組付け錠止するようにし、該錠止機構を下フレーム上
に固定されたフックと、リム軸に軸支された操作レバー
と、基端において操作レバーに軸支され末端においてフ
ックと係合可能なフックワイヤーとから構成したこと
を、要旨とするものである。
【0010】
【作用】リフターアームの長さが自由に調節されかつ選
ばれた長さで固定される。また操作レバーを回動させる
ことにより、フックワイヤーがフックに対して係離し
て、リム軸と下フレームとの組付け錠止と分離を行う。
【0011】
【実施例】以下図1〜図3により、この発明の車イスの
全体構造を概略的に説明する。なお本願発明に直接の関
係がなくしかも前記の先願に記載されている部分につい
ては説明を省略する。
【0012】この発明の車イスの主要な構成要素として
は、長手方向に延在する1対のメインフレーム1、メイ
ンフレーム1を後上端で着脱可能に連結する背もたれ
6、座板21を有するシートユニット2、メインフレー
ム1から座板21を着脱可能に吊り下げているリフター
ユニット3、主輪43をメインフレーム1に着脱可能に
組み付けている1対の主輪ユニット4、メインフレーム
1の前下端に組み付けられた折畳み可能なフットユニッ
ト7およびメインフレーム1の後下端に組み付けられた
1対のキャスターユニット8、などがある。
【0013】図2に明らかなように、各メインフレーム
1は水平状の上下フレーム11、12と、これらを前端
において連結する垂直状の前フレーム13から構成され
ている。またメインフレーム1の後側は開放されてい
る。上フレーム11の後端近くには、肘掛け用スタンド
14と主輪ユニット4のための上ロック15が設けられ
ている。上フレーム11上さらに後側には、背もたれ用
スタンド17が設けられている。
【0014】リフターユニット3は1対のリフター軸3
1を有しており、各リフター軸はメインフレーム1の対
応する上フレーム11と平行に延在している。さらに詳
しくは、各リフター軸31は、対応する上フレーム11
に遊嵌された複数のボス32を介して、上フレーム11
により支持されている。したがってリフター軸31は対
応する上フレーム11の軸について回動することができ
る。各リフター軸の前端には半径方向に連結されてリフ
ターアーム33が設けられている。すなわち、長手方向
と直交する垂直面内においてリフターアーム33が手動
により揺動されると、リフター軸31は上フレーム11
の軸について回動する。
【0015】図4〜図6にこの発明によるリフターアー
ム33の長さ調節構造の一例を示す。該リフターアーム
33は大径の外筒332とこれに出入り可能に挿入され
た小径の内筒331とから構成されており、外筒332
は基端において継手311を介して前記のリフターユニ
ット3のリフト軸31に連結されている。外筒332に
は長手方向に延在してスライド溝334が刻設形成され
ており、内筒331にはこれに遊嵌する突起333が半
径方向に突出形成されている。したがって外筒332に
対して内筒331を出入りさせるとき、突起333はス
ライド溝334内を摺動する。これにより内外筒からな
るリフターアーム33の長さを使用条件に合わせて自由
に調節することができる。
【0016】図6に示すのはリフターアーム33を選ば
れた長さに一時的に固定する錠止構造の一例である。突
起333の付近において、内筒331には直径方向の透
孔335が形成されている。この透孔335の一端はネ
ジ込み式のバネ座336により閉塞され、他端には内フ
ランジが形成されている。透孔335内には内フランジ
の開口より大きめの直径を有したロックボール328が
挿入され、バネ337により内フランジに押圧されてい
る。
【0017】リフターアーム33がある長さにあると
き、ロックボール338はバネ337の押圧作用により
内フランジの開口から若干突出し、外筒332の内周面
と圧接状態となり、その長さを固定する。リフターアー
ム33の長さを変更するときには、手動により内外筒を
相対移動させる力がバネ337による接圧摩擦力に打ち
勝つと、両筒を自由に相対移動させることができる。
【0018】つぎに主輪ユニット4のリム軸41のメイ
ンフレーム1の下フレーム12への組付け錠止機構につ
いて図7および図8により説明する。リム軸41の下端
にロックピン45が前方に突出して設けられている点、
およびこれに対応して下フレーム12の後端に受孔12
1が形成されている点は、先願の場合と同じである。下
フレーム12の後端付近には上方に突出してフック49
が固定されている。またこれに対応してリム軸41の下
端付近においては後方に向けてブラケット46が突出固
定されている。このブラケット46には支点Pを介して
操作レバー47が軸支されている。この操作レバー47
には前方に向けて延在するフックワイヤー48の基端が
軸支されている。このフックワイヤー48はU字形の構
造でその先端はフック49に係合し得る形状をしてい
る。
【0019】リム軸41を下フレーム12に組付け錠止
するには、まず図7に示すように、リム軸41のロック
ピン45を下フレーム12の受孔121に挿入し、操作
レバー47を上方に回動させてフックワイヤー48の先
端を下フレーム12上のフック49に係合させる。この
状態で操作レバー47の前端はリム軸41の後面に圧接
している。ついで操作レバー47を下方に回動させる
と、フックワイヤー48がフック49にしっかりと係合
した状態となり、錠止が完了する。この間操作レバー4
7はリム軸41との圧接状態の故に若干弾性変形する。
この錠止を解くには、操作レバー47を上方に回動させ
て図7の状態に戻してやればよい。
【0020】
【発明の効果】使用条件に合せてリフターアームの長さ
を自由に選択できるので、先願技術よりリフターアーム
の作業性が大幅に改善される、またフック式の錠止機構
を採用しているので、錠止部分にあまり上下寸法を確保
する必要がなくなり、先願技術より車高を低くでき車イ
ス全体の安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を採用した車イスの一例を示す斜視図
である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】上記の車イスにおけるリフターアームの長さ調
節構造の一例を示す斜視図である。
【図5】同じく一部断面側面図である。
【図6】その錠止構造の一例を示す断面側面図である。
【図7】リム軸組付け錠止機構の一例を非錠止状態で示
す一部断面側面図である。
【図8】同じく錠止状態で側面図である。
【符号の説明】
1 メインフレーム 12 下フレーム 2 シートユニット 21 座板 3 リフターユニット 31 リフター軸 33 リフターアーム 331 内筒 332 外筒 338 ロックボール 4 主輪ユニット 41 リム軸 43 主輪 47 操作レバー 48 フックワイヤー 49 フック 5 肘掛け 6 背もたれ 7 フットユニット 8 キャスターユニット

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向に延在しかつそれぞれが上下のフ
    レームとこれらを前端で一体に連結する前フレームとか
    ら構成される1対のメインフレームと、各メインフレー
    ムに着脱可能に組み付けられた主輪とを具えた主輪ユニ
    ットと、メインフレームに対して着脱かつ上下動可能に
    組み付けられた座板とを具えたリフターユニットとを含
    んでなる型式であって、リフターユニットには上フレー
    ムを中心として上下に揺動できるリフターアームが設け
    られており、該リフターアームは長さが調節可能でかつ
    選ばれた長さを一時的に固定する錠止構造を具えてお
    り、主輪ユニットの主輪を支持するリム軸が錠止機構を
    介してメインフレームの下フレームに組付け錠止されて
    おり、該錠止機構が下フレーム上に固定されたフック
    と、リム軸に軸支された操作レバーと、基端において操
    作レバーに軸支され末端においてフックと係合可能なフ
    ックワイヤーとを有していることを特徴とする折畳み式
    車イス。
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