JP2004361662A - 導電性透明積層体 - Google Patents

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圭作 木村
Hirobumi Oda
博文 小田
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Abstract

【目的】新規な構成の導電性透明積層体を提供すること。
【構成】透明な導電性反射防止膜18を透明基板12の表面に備えたタッチパネル等の電極層として使用する導電性透明積層体。導電性反射防止膜18は、透明基板12側から順に積層された誘電体膜14と導電膜16とからなる。そして、誘電体膜14は、内側層14aが外側層14bより高屈折率の反射防止膜材料で形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、導電性透明積層体に関し、特に、タッチパネル等の構成部品として好適な導電性透明積層体に係る発明である。ここでは、タッチパネルを例に採り説明をするが、これに限られるものではない。本発明に係る導電性透明積層体は、帯電防止用途、電磁波シールド用途、EL素子等の透明電極等に適用できるものである。
【0002】
【背景技術】
ガラス基板上(透明基板)に、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxidation)や錫酸化物(SnO)などの透明な導電膜を形成した導電膜付き透明基板(導電性透明積層体)は、タッチパネルや液晶などの表示素子における透明電極として用いられている。
【0003】
こうした表示素子として用いられる場合、透過率と透過光の色相が重要視される。
【0004】
ところが、これらは最外層を導電膜とする必要があり、上記ITOやSnOで形成した一般的な導電膜は屈折率が1.8〜2.2と高く、反射率が高くて透過率を低下させる。
【0005】
これらの問題点を解決するために、下記のような導電性透明積層体に係る先行技術文献が存在する。
【0006】
▲1▼最外層は透明導電膜で、基板/H/L/H/L/透明導電膜/空気(H:透明誘電体膜高屈折率層、Lは透明誘電体膜低屈折率層)の順に積層された5層構成からなる(特許文献1)。
【0007】
▲2▼最外層は透明導電膜で、基板/L/H/透明導電膜/空気の順に積層された3層構成からなる(特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−4902公報
【特許文献2】
特開2003−21703公報
【0009】
【発明の開示】
本発明は、上記先行技術文献に記載されていない新規な構成の導電性透明積層体を提供することを目的とし、下記構成を有するものである。
【0010】
透明な導電性反射防止膜を透明な基材の少なくとも片面に備え、
導電性反射防止膜は、基材側から順に積層された誘電体膜と導電膜とからなり、
誘電体膜が、内側面を基板に外側面を導電膜にそれぞれ接する複層構成であり、
該誘電体膜の各層は、内側面から外側面に向かって段階的に低下させた屈折率を有し、かつ、内側面を形成する層は透明基板より高い屈折率を有することを特徴とする。
【0011】
当該構成により、後述の実施例で示す如く、反射Y値と色相の間にバランスの採れた特性を示すことができる。
【0012】
上記構成において、誘電体膜は、通常、2層構成とし、誘電体膜における内側層屈折率:1.9〜2.4、外側層屈折率:1.36〜1.5、導電膜の屈折率:1.8〜2.2とする。
【0013】
更には、導電膜の膜厚を、光学膜厚:0.25λ以下で、所定のシート抵抗値が得られるものとし、また、誘電体膜における内側層および外側層の各膜厚が、内側層:0.5λ以下、外側層:0.5λ以下であり、かつ、所定反射率が得られるものとすることが望ましい。良好な透過率および透過光の色相を得易い。
【0014】
そして、上記各発明に係る導電性透明積層体は、導電性透明積層体で、下側電極層及び上側電極層の双方又は一方を形成してタッチパネルとする。
【0015】
そしてプラスチック製基材を用いて上記各構成の導電性透明積層体を製造する場合には、少なくとも導電膜をイオンアシスト真空蒸着により成膜することが望ましい。基板にアーク・熱損傷を与えずに、酸化度の高い透明性の良好な導電膜を形成できる。
【0016】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の形態を図例に基づいて、詳細に説明をする。ここでは、透明な面状基材として、透明基板を例にとり説明するが、面状基材は、フィルム(可撓性・非可撓性を含む。)・シート、成形体(例えばドーム又はレンズ状)等、面状体であれば任意である。
【0017】
基本的には、図1に示す如く、透明基板12上に順に、透明な誘電体膜14と透明な導電膜16からなる多層の導電性反射防止膜18を形成(成膜)する。そして、誘電体膜14は、複層構成であり、図例では、内側層(第1層)14a及び外側層(第2層)14bからなる2層構成である。
【0018】
誘電体膜14の内側層(第1層)14aは、透明基板12よりも高い屈折率を有する高屈折層とし、次に、外側層(第2層)14bは、内側層14aよりも低い屈折率を有する低屈折層とする。更に、誘電体膜14の外側(上)に透明な導電膜(第3層)16を形成して、導電膜を最外層とする。
【0019】
ここで、最外層(第3層)となる導電膜16は、用途に合わせた所定のシート抵抗値(面抵抗値)となるように膜厚を設定する。また、誘電体膜14の内側層(第1層)14a及び外側層(第2層)14bは、光学的に要求される所定の反射率および透過光色相が得られるように膜厚を設定する。例えば、λを光学中心波長とした場合、第1層及び第2層の光学膜厚は、第1層:0.5λ以下、第2層:0.5λ以下の各範囲で適宜設定する。
【0020】
最外層の導電膜16の膜厚を固定し、誘電体膜(第1、2層)の膜厚を変化させることで本発明の反射防止膜付き透明基板の光学特性を任意に調節可能(Y値および色相)である。なお、導電性反射防止膜18を片面に備えている場合を例にとったが、両面に備えていてもよい。
【0021】
ここで透明基板(基材)としては、無機ガラス基材、有機ガラス基材を問わない。
【0022】
無機ガラス基材としては、特に限定されないがソーダガラス、ほうけい酸ガラス、石英ガラス、サファイガラスなどを挙げることができる。
【0023】
上記有機ガラスとしては、ノルボルネン系樹脂、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、脂肪族アリルカーボネート、芳香族アリルカーボネート、ポリチオウレタン等からなるものを挙げることができる。
【0024】
特に、これらの内で、本発明には、軽量化および耐衝撃性等の見地から、ポリカーボネートが望ましい。
【0025】
透明誘電体膜の形成材料としては、下記金属酸化物、金属ハロゲン化物の内から1種又は2種以上を適宜選択して使用可能である。
【0026】
▲1▼金属酸化物:チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、アルミニウム(Al)、珪素(Si)、マグネシウム(Mg)等。
【0027】
▲2▼金属ハロゲン化物:マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、アルミニウム(Al)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、リチウム(Li)等。
【0028】
また、透明導電膜の形成材料としては、酸化インジウム(In)インジウム錫酸化物(Indium Tin oxide:ITO、In:Sn0)、酸化錫(SiO)、錫フッ素酸化物(SnO:SnF)、錫アンチモン酸化物(SnO:SbO)、酸化亜鉛(ZnO)、亜鉛アルミニウム酸化物(ZnO:Al2O)等を挙げることができる。
【0029】
ここで、シート抵抗値(面抵抗値)とは、導電膜の電気的特性として重要なものであり、通常、単位はΩ/□(読み:オームパーシート)と表記される。
【0030】
電磁波防止としては、200Ω/□以下とされており、液晶などの電極としては100Ω/□以下とされている。タッチパネル用途の場合、200〜1000Ω/□が使用可能範囲とされている。なお、本実施形態の如く、透明電極として使用せず、帯電防止のみであれであれば、10Ω/□以下で十分であり、導電膜が最表層に無くてもよい。
【0031】
本実施形態において、有機ガラス基板を使用する場合は、擦傷性の向上、反射防止膜の密着性向上を目的として、図2に示す如く、ハードコート20を、さらにはプライマーコートを、透明基板12と誘電体膜14との間に形成してもよい。
【0032】
ハードコート20としては、汎用のシリコーン硬化塗膜を利用することができる。例えば、オルガノアルコキシシランの加水分解物に、触媒、金属酸化物微粒子(複合微粒子を含む。)を加え、希釈溶剤にて塗布可能な粘度になるように調節したハードコート液を、透明基材の上に塗布して形成する。さらに、ハードコート液には、適宜、界面活性剤、紫外線吸収剤等の添加も可能である。(例えば
、特開平2002−389277号
【0024】〜
【0032】参照)
また、プライマーも、ハードコートと基材との密着性を改善可能なものなら特に限定されないが、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)やエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)に、金属酸化物微粒子をそれぞれ添加したプラ
イマー組成物を好適に使用可能である(同
【0034】〜
【0038】参照)。
【0033】
また、透明誘電体膜および透明導電膜共に、気相(蒸気)中で行う乾式成膜法(いわゆる、PVD:Physical Vapor DepositionおよびCVD:Chemical Vapor Deposition)又は液相(ゲル)中で行う湿式成膜法のいずれでも可能であるが、通常、乾式成膜法で行うことが望ましい。
【0034】
乾式成膜法としては、真空蒸着法(抵抗加熱方式、電子ビーム方式)、イオンアシスト法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、アーク放電等の各種PVD法ないしCVD法などを使用可能である。
【0035】
なお、湿式成膜法としては、デップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、インクジエット法、スクリーン印刷法などの方法を挙げることができる。
【0036】
そして、上記真空蒸着により導電性反射防止膜の各層を形成する場合は、真空蒸着に先立ち、無機蒸着膜と基板もしくはハードコートとの付着力を高めるため、イオンクリーニングをしておくことが望ましい。ここで、イオンクリーニングとは、基板もしくはハードコートの表面を酸素もしくはアルゴンなどのガスイオンにより表面改質を行う方法で、高周波によって放電を起こし、そのプラズマ雰囲気中に基板を晒す方法と、イオン銃などイオン発生源となるものからイオンを照射して行う方法とがある。
【0037】
また、上記有機ガラス基板に反射防止膜の各層(特に導電膜)を形成する場合は、イオンアシスト法(イオンアシスト真空蒸着法)により形成することが、有機ガラス基材に熱・アーク損傷を与えず密着性の良好な各層(薄膜)を形成できるため望ましい。イオンアシスト法とは、イオン銃などのイオン発生源なるものからイオンを照射しながら真空蒸着を行う方法である。イオンアシストは透明導電膜のみならず、必要に応じて透明誘電体膜にも用いてもよい。
【0038】
なお、イオンクリーニングおよびイオンアシストについては、特開平10−123301・11−174205号公報に詳細が記載されている。
【0039】
なお、タッチパネル等の用途を目的とした場合、シート抵抗値は200 Ω/□以上とすることが望ましい。
【0040】
そして、上記構成の導電性透明積層体をタッチパネルに適用する場合は、下側電極層22及び上側電極層22Aの双方又は一方を形成して構成する(図3参照)。図例では、下側電極層22がプラスチック基板(透明基板:有機ガラス基板)12上に導電性反射防止膜18を形成したものであり、上側電極層22Aがプラスチックフィルム12A上に導電性反射防止膜18を形成したものであり、両者が電極隙間24を介して配されてタッチパネル26とされている。該タッチパネル26は、空気層28を介して液晶パネル30上に取付けられてスイッチ表示装置とされる。
【0041】
なお、適用可能なタッチパネルの構成は、上記フィルムプラスチック型に限られず、フィルム−ガラス型、フィルム−フィルム型、フィルム−フィルム−プラスチック型等任意である(タッチパネルの各型については、「日経エレクトロニクス2003年2月号」p.61表2参照)
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて、更に詳細に説明をする。
【0043】
なお、以下の説明で「Y値」、「a値およびb値」とは下記のものをいう。
【0044】
「Y値」:国際照明委員会(CIE)の定めるXYZ表色系の刺激値Yの値で、分光光度計によって測定された反射率または透過率に光源による分光分布S(λ)と等色関数y(λ)との積を可視光域波長で積分して求められもので、明るさを意味する。一般的に、この刺激値Yを視感度反射率または視感度透過率と呼ぶ。〔JIS−Z−8722 を参照〕
「a値およびb値」:CIEが定めるL表色系のクロマティクネス指数であって、色相を表す。CIEが定めるL表色系色度図上で、aおよびbの両者の値の座標が色相を表す。aの数値が正の値であれば赤色方向で、負の値であれば緑色方向を表す。また、bの数値が正の値であれば黄色方向で、負の値であれば青色方向を表す。aおよびbの絶対値が大きいほど色鮮やかになり、小さくなるに従いくすんだ色となる〔JIS−Z−8729 を参照〕。
【0045】
実施例とする実際の成膜は、真空蒸着装置(図4参照)を用いて行った。本装置は、イオン銃が装備された電子ビーム方式による真空蒸着装置である。ハロゲンランプによって70℃に昇温させた蒸着室(真空槽)に、超音波洗浄した基板(ポリカーボネートn:1.59)を入れ、10−2 Pa以下の真空度まで排気した後、イオン銃に酸素導入し、酸素イオンによるイオンクリーニングを行った。
【0046】
その後、基板側から
Figure 2004361662
の順に第1・2層を電子ビーム蒸着で、第3層をイオンアシスト蒸着でそれぞれ成膜を行い、基板の片面に導電性反射防止膜を形成した。ここで、光学膜厚における括弧内のλ表示におけるλ(光学中心波長)は、図5における最小値に略対応する470nmとした。
【0047】
蒸着薬品(蒸発源)には、(株)オプトロン製のものを使用し、ZrOとITOはタブレットを使用し、SiOには顆粒をそれぞれ使用した。
【0048】
上記によって得られた実施例(導電性透明積層体)について、日立ハイテクノロジーズ製U−4100形分光光度計を用いて分光反射率および分光透過率の測定を行ったY値およびa値、b値の算出は、分光光度計の測定値を日立ハイテクノロジーズ製U−4100形分光光度計付属のプログラムUV Solutions を用いて算出した。
【0049】
分光反射率及び分光透過率を、図5,6にそれぞれ示す。反射光及び透過光のY値・a値・b値は、下記の如くであった。但し、測光は導電性反射防止膜側から入射し、反対面の特性を含む。
【0050】
反射・・・Y値:8.74、a値:5.02、b値:5.43
透過・・・Y値:90.08、a値:−1.26、b値:−0.18
透過a値および透過b値の絶対値も小さく無色彩に近く、表示パネルに好ましいことが分かる。
【0051】
また、シート抵抗値は377Ω/□であり、タッチパネル用途として使用可能範囲であった。
【0052】
図5・6から、本実施例は、反射率の谷を中心に短波長側では立ち上がりは急峻であるが、長波長側は揺かに上昇し、略その全波長域で、反射率が低く、かつ、透過率も良好であることが分かる。
【0053】
また、本発明の効果を確認するために、n:1.59のポリカーボネートの片面に、高屈折率層H(n:2.0)及び低屈折率層L(n:1.46)からなる2層構成(実施例:H/L構成、比較例:L/H構成)の透明誘電体膜の上に導電膜(第3層)(n:2.0)を形成した構成において、▲1▼反射Y値が最低となる光学設計(λ=550nm)、及び▲2▼透過b値を低下させる光学設計(λ=450nm)としたものを、それぞれ模擬比較例1・模擬実施例1及び模擬比較例2・模擬実施例2としてシミュレーションを行なって、透過率、反射率及びそれらのY値及びa値、b値を求めた。但し、入射光は導電性反射防止膜側から入射し、反対面の特性を含む。
【0054】
それらの結果を図7〜14及び表1〜4に示す。
【0055】
上記結果から、下記のことが分かる。
【0056】
模擬比較例1・2(L/H構成)ともに、導電膜の膜厚に依存して光学特性はほとんど変化せず、導電膜をうすくしても反射Y値が小さくならず(反射率が低下せず)、また、透過b値が小さくならない(表1及び図7・8並びに表3及び図11・12)。
【0057】
これに対し、模擬実施例1・2(H/L構成)ともに、導電膜の膜厚に光学特性が依存し、導電膜(ITO膜)の膜厚を薄くすれば反射Y値を低下させ、かつ、透過a・b値の絶対値も小さくでき、表示パネルに好ましい無彩色に近い特性が得られる(表2及び図9・10参照並びに表4及び図13・14)。また、導電膜の膜厚を固定して、模擬実施例1・2(H/L構成)を模擬比較例1・2(L/H構成)と比較すると、Y値は低く、透過a・b値も小さいため、光学特性に優れていることが分かる。
【0058】
なお、表示素子として利用される際、透過光の色相は黄色のものは好まれず、b値で2以下とされている。このb値を下げる手段としては、単純に青色の透過を増やせば良く、反射率の谷を500nm以下にする必要がある。
【0059】
反射率の谷をb値が小さくなるよう光学中心波長を、短波長(例えば450nm)に設定した場合、L/H構成の光学設計では、立ち上がりが急峻なため反射Y値が高くなる(図11参照)。これに対して本発明のH/L構成とすると、反射率の立ち上がりが緩やかであり、反射率の谷を短波長に設定しても、特に透明導電膜を薄くした場合、Y値の上昇はそれほど高くない(図13参照)。
【0060】
本発明は、「反射率Y値」と「色相」の両立が容易であることが分かる。すなわち、透明導電膜の膜厚の減少に伴い反射のY値が減少(高透過)させることができ、透明導電膜の膜厚の減少に伴い反射のY値が減少しない従来例に比して、Y値を低減させることが可能となる。また、透過b値を負の値としても、従来例に比して、反射Y値が低くなり、反射防止効果が高い。
【0061】
【表1】
Figure 2004361662
【0062】
【表2】
Figure 2004361662
【0063】
【表3】
Figure 2004361662
【0064】
【表4】
Figure 2004361662

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性透明積層体の一例(ハードコート無し)を示すモデル図
【図2】同じく導電性透明積層体の一例(ハードコート有り)を示すモデル断面図
【図3】タッチパネルの一例における断面構成図
【図4】実施例における導電性反射防止膜の各層を成膜するのに使用した真空蒸着装置の概略モデル図
【図5】実施例の分光反射率の測定結果を示すグラフ図
【図6】同じく光透過率の測定結果を示すグラフ図
【図7】模擬比較例1の分光反射率の測定結果を示すグラフ図
【図8】同じく光透過率の測定結果を示すグラフ図
【図9】模擬実施例1の分光反射率の測定結果を示すグラフ図
【図10】同じく光透過率の測定結果を示すグラフ図
【図11】模擬比較例2の分光反射率の測定結果を示すグラフ図
【図12】同じく光透過率の測定結果を示すグラフ図
【図13】模擬実施例2の分光反射率の測定結果を示すグラフ図
【図14】同じく光透過率の測定結果を示すグラフ図
【符号の説明】
12 透明基板
14 誘電体膜
14a 誘電体膜の内側層(第1層)
14b 誘電体膜の外側層(第2層)
16 導電膜(第3層)
18 導電性反射防止膜
20 ハードコート
22 タッチパネルの下側電極層
22A タッチパネルの上側電極層
26 タッチパネル

Claims (6)

  1. 透明な導電性反射防止膜を透明な基材の少なくとも片面に備え、
    前記導電性反射防止膜は、前記基材側から順に積層された誘電体膜と導電膜とからなり、
    前記誘電体膜が、複層構成であり、
    該誘電体膜の各層は、内側面から外側面に向かって段階的に低下させた屈折率を有し、かつ、前記内側面を形成する層は透明基板より高い屈折率を有することを特徴とする導電性透明積層体。
  2. 前記誘電体膜が2層構成であることを特徴とする請求項1記載の導電性透明積層体。
  3. 前記誘電体膜における内側層屈折率(n;以下同じ。):1.9〜2.4、外側層屈折率:1.36〜1.5、前記導電膜の屈折率:1.8〜2.2であることを特徴とする請求項2記載の導電性透明積層体。
  4. 前記導電膜の膜厚が、光学膜厚:0.25λ以下で、所定のシート抵抗値が得られるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の導電性透明積層体。
  5. 前記誘電体膜における内側層および外側層の各膜厚が、内側層:0.5λ以下、外側層:0.5λ以下であり、かつ、所定反射率が得られるものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の導電性透明積層体。
  6. 前記基材をプラスチック製として請求項1〜5のいずれかに記載の導電性透明積層体を製造するに際して、少なくとも前記導電膜をイオンアシスト真空蒸着により成膜することを特徴とする導電性透明積層体の製造方法。
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