JP5549216B2 - 透明導電性積層体およびその製造方法ならびにタッチパネル - Google Patents

透明導電性積層体およびその製造方法ならびにタッチパネル Download PDF

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本発明は、透明なプラスチック基材上に成膜された酸化インジウム・スズ(ITO)膜を有する透明導電性積層体に関し、導電性、透過率が高く、且つ優れた密着性と耐性を持ち、パターン形状が目立たないタッチパネル又はタッチパネルを用いたディスプレイ、特に静電容量式のタッチパネルに用いられる透明導電性積層体に関するものである。
従来、可視透過率の高い透明導電膜は液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、プラズマディスプレイ(PDP:plasma display panel)、タッチパネル等に使用されている。これらのディスプレイとタッチパネルは従来のブラウン管(CRT:cathode ray tube)ディスプレイに比べて圧倒的に薄く、軽量で、省電力等の多くの利点を有するので、近年、需要が著しく拡大し、主流になっている。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイとタッチパネルは光学部品であるため、その中の部材として用いられる透明導電膜には低い電気抵抗、可視光に対する高い透過率と高い耐久性などが要求される。ITO膜は、導電性が良好で、しかも可視光波長域での透光性が良好のため、各種のディスプレイ、タッチパネル及び太陽電池の透明電極、熱反射ガラス、防曇、防氷、帯電防止ガラス、電磁シールガラス等に利用されている。ITO膜の成膜方法については、マグネトロンスパッタ法、加速電子ビームを照射するEB蒸着法などの方法が工業的に広く用いられている。具体的には、下記特許文献などが提案されている。
特開平6−320661号公報 特開平7−207439号公報 特開平8−174746号公報 特開平8−192492号公報 特開2003−160362号公報
特許文献1及び2によれば、マグネトロンスパッタリング法を用いて積層体を作製することによって、可視光域での透過率が高い透明導電膜を作る方法を提案されている。しかしながら、得られた透明導電薄膜は一定の耐性を持っている一方、上記透明導電膜は基材自身の強度が不足であり、且つ透明導電膜の密着性と耐久性が不十分であるという欠点がある。
特許文献3及び4では、透明基板の片面あるいは両面に透明硬質な有機物質層によるハードコート層が設けられ、その上に、酸化ケイ素とITO透明導電膜を積層する方法が提案されている。この方法から、得られた透明導電膜は密着性と一定の耐性を持っているがタッチパネルへの応用において上記透明導電膜の耐久性はまだ不十分である。
さらに、特許文献5では、透明ガラス基板の上に、酸化金属層、酸化ケイ素層とITO透明導電膜を積層する方法が提案されている。この方法から、得られた透明導電膜は密着性と一定の耐性を持っているが、積層する時に、基板を200℃以上に加熱が必要であり、プラスチックへの応用はできない。
そこで、本発明は前記従来技術の問題点を解決し、フィルムなどの基材に対して透明性が高く、優れた密着性を持ち、且つパターン形状が目立たないディスプレイあるいはタッチパネルに用いられる透明導電性積層体を作製とすることを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、透明プラスチック基材の一方の面又は両方の面に、金属酸化物層、酸化ケイ素層及び酸化インジウム・スズ層を前記透明プラスチック基材側から順に設けてなる透明導電性積層体であって、前記金属酸化物層の屈折率が1.7以上2.6以下であり、光学膜厚が12nm以上35nm以下であり、前記酸化ケイ素層の屈折率が1.3以上1.5以下であり、光学膜厚が70nm以上110nm以下であり、前記酸化インジウム・スズ層の光学膜厚が30nm以上65nm以下であり、前記酸化インジウム・スズ層が導電性パターン領域及び非導電性パターン領域からなり、前記導電性パターン領域と前記非導電性パターン領域との透過率の差及び反射率の差が、450nm以上750nm以下の範囲で、それぞれ−3.0%以上3.0%以下であり、前記導電性パターン領域と前記非導電性パターン領域との透過色差ΔEab(T)及び反射色差ΔEab(R)が、それぞれ−5.0以上5.0以下であることを特徴とする透明導電性積層体である。
また、請求項2に記載の発明は、前記透明プラスチック基材の一方の面又は両方の面に、前記透明プラスチック基材と接するハードコート層を設け、前記ハードコート層の膜厚が1μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性積層体である。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の透明導電性積層体が、全光透過率が80%以上であり、ヘーズが1%以下であり、シート抵抗が100Ω/□以上500Ω/□以下であり、透過色相a*及びb*がそれぞれ−3.0以上3.0以下(色彩計算:2°、視野D65光源)であることを特徴とする透明導電性積層体である。
また、請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれかに記載の透明導電薄膜積層体を用いることを特徴とするタッチパネル又は前記タッチパネルを用いたディスプレイである。
また、請求項に記載の発明は、透明プラスチック基材の一方の面又は両方の面に、屈折率が1.7以上2.6以下であり、光学膜厚が12nm以上35nm以下である金属酸化物層、及び屈折率が1.3以上1.5以下であり、光学膜厚が70nm以上110nm以下である酸化ケイ素層を、前記透明プラスチック基材側から順にマグネトロンスパッタリング法にて形成する工程と、前記酸化ケイ素層の表面に、光学膜厚が30nm以上65nm以下である酸化インジウム・スズ層を、酸化スズの含量が2wt%以上15wt%以下のターゲットを用いてマグネトロンスパッタリング法にて形成する工程と、前記酸化インジウム・スズ層に導電性パターン領域及び非導電性パターン領域を形成する工程とをこの順に備え、前記導電性パターン領域と前記非導電性パターン領域との透過率の差及び反射率の差が、450nm以上750nm以下の範囲で、それぞれ−3.0%以上3.0%以下であり、前記導電性パターン領域と前記非導電性パターン領域との透過色差ΔEab(T)及び反射色差ΔEab(R)が、それぞれ−5.0以上5.0以下であることを特徴とする透明導電性積層体の製造方法である。
また、請求項に記載の発明は、前記透明プラスチック基材の一方の面又は両方の面に、前記透明プラスチック基材と接し、膜厚が1μm以上8μm以下であるハードコート層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の透明導電性積層体の製造方法である。
本発明の透明導電性積層体は、透明性が高く各層間で優れた密着性を持つ。また、透明導電膜である酸化インジウム・スズ層にパターンを形成して静電容量式タッチパネルとして用いた場合、そのパターン形状が目立つことのない視認性に優れたタッチパネルを得ることができる。
本発明の透明導電性積層体の第1の実施形態の断面説明図である。 本発明の透明導電性積層体の第2の実施形態の断面説明図である。 本発明の透明導電性積層体の第3の実施形態の断面説明図である。 本発明の透明導電性積層体の第4の実施形態の断面説明図である。 本発明の透明導電性積層体の第5の実施形態の断面説明図である。 導電性パターン領域と非導電性パターン領域の透過率の差と反射率の差の説明図である。 実施例1と比較例1、2の導電性パターン領域と非導電性パターン領域の透過率の差の説明図である。 実施例1と比較例1、2の導電性パターン領域と非導電性パターン領域の反射率の差の説明図である。 実施例2の導電性パターン領域と非導電性パターン領域の透過率と反射率の差の説明図である。
本発明の透明プラスチック基材として、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースおよびこれらの共重合樹脂、ゼラチン、カゼインなどの有機天然化合物などから、合成した透明な基板が例示できる。詳しい例として、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファンなどが、好ましくはPET、PC、PMMA、TACなどが挙げられるが、この限りではない。
本発明では、透明プラスチック基材として、特に上記のポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、トリアセテート(TAC)などを利用できる。しかし、上記透明基板の機械的な強度が不十分なため、その上に成膜した製品は機械的な強度が不十分である。この問題を解決するために、図2から5のように、透明プラスチック基材と金属酸化物層との間に第1のハードコート層を挿入することができる。ハードコート層は、透明プラスチック基材の表面に1層のみ設けてもよいが、さらに、透明プラスチック基材の強度を増加した時に発生するカールを抑制するために、透明プラスチック基材の裏面に第2のハードコート層を挿入することも可能である。
本発明の第1のハードコート層と第2のハードコート層の膜厚については、1μm以上8μm以下であることが好ましい。膜厚が薄いとハードコート層の性能が出にくい。膜厚が厚いとハードコート層の性能が出やすいが、クラック発生の可能性が高くなる。そして、第1のハードコート層の膜厚と第2のハードコート層の膜厚の調整することにより、得られた透明導電薄膜積層体の表裏の応力が対称となるべく調整することができる。
本発明のハードコート層に用いられる硬化性樹脂には、電離放射線や紫外線照射により硬化する硬化性樹脂や熱硬化性の樹脂が挙げられる。具体的には、紫外線硬化型であるアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類等のアクリル系や、有機珪素系の樹脂、熱硬化型のポリシロキサン樹脂等が好適である。以上の樹脂が挙げられるが、この限りではない。
ハードコート層の形成方法は、主成分である樹脂と紫外線を吸収する材料を溶剤に溶解させ、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーターなどの公知の塗布方法で形成する。
本発明の金属酸化物層は、高屈折率の金属酸化物層である。金属酸化物層に用いられる材料としては、ZnO、TiO、CeO、Sb、SnO、Y、La、ZrO、Al、Nb等が挙げられるが、この限りではない。
金属酸化物層の屈折率は、透明プラスチック基材とハードコート層の屈折率が1.5以上1.7以下であるため、1.7以上2.6以下であることが好ましい。この範囲にすることで、ハードコート層の屈折率より高いので、高屈折率材料として用いることができる。
また、金属酸化物層の光学膜厚は、12nm以上35nm以下であることが好ましい。この範囲にすることで、得られたパターン形状が目立つことのない視認性を持っている。なお、光学膜厚は、金属酸化物の屈折率をn、膜厚をdとしたときに、ndで表される。
本発明の酸化ケイ素層は、低屈折率の金属酸化物層であり、SiOxで表される。ここで、xは酸素原子の数である。酸化ケイ素層の屈折率は、1.3以上1.5以下であることが好ましい。この範囲にすることで、得られた酸化ケイ素層の屈折率が低いので、低屈折率材料として用いることができる。ここで、酸化ケイ素層の屈折率は、酸素原子の数xで調整することができ、その値は1.5以上2.0以下であることが好ましい。
また、酸化ケイ素層の光学膜厚は、70nm以上110nm以下であることが好ましい。この範囲にすることで、得られたパターン形状が目立つことのない視認性を持っている。
本発明の金属酸化物層及び酸化ケイ素層は、屈折率及び光学膜厚をそれぞれ上記範囲に調整することにより、所望の光学特性を有する透明導電性積層体を得ることができる。具体的には、後述するように、透明性が高く、ヘーズの値が小さく、かつ視認性が良好な透明導電性積層体を得ることができる。そして、本発明の透明導電性積層体は酸化インジウム・スズ層自身の特有な黄色色味の減少することができる。
また、本発明の金属酸化物層及び酸化ケイ素層の作用としては、単純な光学調整だけではなく、密着性改善作用もある。金属酸化物層及び酸化ケイ素層を成膜することによって、酸化インジウム・スズ層との親和性が良くなり、透明導電性積層体の密着性を改善することができる。
本発明の金属酸化物層及び酸化ケイ素層は、図1のように、透明プラスチック基材の一方の面のみに設けてもよく、また、透明プラスチック基材の両方の面に設けてもよい。また、透明プラスチック基材の表面にハードコート層を設けた場合は、図2から5のように、ハードコート層表面に設けることができる。
本発明の積層成膜方法としては、膜の特性を得るために、気相成膜が好ましい。気相成膜方法には、マグネトロンスパッタリング法や、加速電子ビームを照射するEB蒸着法などの物理真空蒸着法(PVD)と化学真空蒸着法(CVD)がある。この中で、マグネトロンスパッタリング法が特に好ましい。
本発明の酸化インジウム・スズ層は、酸化スズの含量が2wt%以上15wt%以下のターゲットを用いて成膜することが好ましい。酸化スズの含量が2wt%より小さくなるとキャリア密度が低すぎで、導電性能が著しく落ちる。酸化スズの含量が15wt%より大きくなると酸化インジウム・スズ層の構造が変化し、導電性能も悪くなる。
酸化インジウム・スズ層の光学膜厚が30nm以上65nm以下であることが好ましい。30nmより小さい場合、膜厚が薄く性能が出られない。また、65nmより大きいと得られた膜は透過率低くなり、光学特性が低下になる。
本発明の酸化インジウム・スズ層は、図1から3のように、酸化ケイ素層の表面に設けられる。また、図4又は5のように、パターンを形成して、導電性パターン領域及び非導電性パターン領域を設けてもよい。
本発明の透明導電性積層体は、全光透過率が80%以上であり、ヘーズが1%以下であり、シート抵抗が100Ω/□以上500Ω/□以下であり、且つ透過色相a*及びb*が−3.0以上3.0以下(色彩計算:2°、視野D65光源)を満たすため、優れた光学特性を持つ透明導電薄膜積層体の作製することができる。
酸化インジウム・スズ層に形成したパターン形状が目立たないことの一番理想的な条件としては、可視光範囲内各波長に対して、導電性パターン領域と非導電性パターン領域の透過率の差と反射率の差が0になっていることである。本発明では、図4又は5に記載の酸化インジウム・スズ層に、導電性パターン領域と非導電性パターン領域とを形成するパターニング後、可視光範囲内各波長に対して、導電性パターン領域と非導電性パターン領域の透過率の差と反射率の差は450nm以上750nm以下の範囲で、それぞれ−3.0%以上3.0%以下(図6)であることを特徴とする。そして、導電性パターン領域と非導電性パターン領域の透過色差ΔEab(T)と反射色差ΔEab(R)はそれぞれ−5.0以上5.0以下であることを特徴とする。この範囲を満たすことにより、得られた透明導電性積層体に形成したパターンの形状がほぼ目立たない状態になる。
本発明の応用範囲は、透明導電薄膜積層体を用いたことを特徴とするタッチパネルなどである。本発明で作製した透明導電薄膜積層体は、シート抵抗が低く、密着性が良く、透過率が高く、パターン形状を目立たないなどの特徴を持っているために、静電防止フィルム、静電容量式タッチパネルなどへの応用が可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
<実施例1>
紫外線硬化型アクリル系樹脂であるユニディックV−9500(DIC社製)を用いて、188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)両面に、ハードコート層(HC(1)及びHC(2))をマイクログラビアコーターにより塗工した。得られたハードコート層の膜厚は、HC(1)、HC(2)ともに3μmである。マグネトロンスパッタリング法にて、この194μm厚のHC(1)/PET/HC(2)フィルム(両面ハードコート付きPETフィルム)のHC(1)の表面上に、金属酸化物層である高屈折率酸化チタン(TiO)と低屈折率酸化ケイ素(SiO)を順次に積層した。このとき、TiO層の光学膜厚を22nm、SiO層の光学膜厚を85nmとし、TiO層の屈折率を2.23、SiO層の屈折率を1.46とした。次いで、酸化スズを10wt%含有する酸化インジウム・スズ(ITO)層を、光学膜厚を50nmとして成膜した。最後に、フォトリソグラフィ法によりITO層に導電性パターン領域及び非導電性パターン領域を形成した。なお、TiO層及びSiO層は、成膜時の酸素流量(分圧)を変化させることにより、形成される薄膜の酸素欠損の量を変化させ、屈折率を調整した。また、ITO層の成膜時のシート抵抗の制御は、印加電力、成膜時間、酸素流量により調整した。以上により、実施例1の透明導電性積層体を作製した。得られた透明導電性積層体の評価は以下のように行った。
[シート抵抗測定]
三菱化学社製の表面抵抗測定装置Loresta HP/MCP−410を用いて抵抗値を4端子法で測定した。
[分光スペクトルの測定]
日立製作所社製の自動分光光度計U−4000を用い、D65、2度視野の条件下で、薄膜面について入射角5°における分光スペクトルを測定した。
[全光透過率とヘーズの測定]
Nippon DENSHOKU社製のNDH 2000ヘーズメーターを使用して測定した。
[耐湿熱密着性の測定]
アニール後、得られた透明導電性積層体を、60℃、95%RHの環境下で、20日間放置した。その後、ガラス基板の上に両面テープで張り付け、透明導電性積層体の上から、ナイフで碁盤の目状に100個の切り込みを入れて、セロハン粘着テープを強く張り付けた後、90°方向に急速に剥し、透明導電薄膜剥離の有無を調べた。100目のうち剥離しない目の数をXで表示した。すなわち、剥離なし=100/100、剥離あり=X/100である。
<実施例2>
実施例1から得られた透明導電性積層体の裏面のHC(2)の表面上に、金属酸化物層である高屈折率酸化チタン(TiO)と低屈折率酸化ケイ素(SiO)を順次に積層した。このとき、TiO層の光学膜厚を22nm、SiO層の光学膜厚を85nmとし、TiO層の屈折率を2.23、SiO層の屈折率を1.46とした。次いで、酸化スズを10wt%含有する酸化インジウム・スズ(ITO)層を、光学膜厚を50nmとして成膜した。最後に、フォトリソグラフィ法によりITO層に導電性パターン領域及び非導電性パターン領域を形成した。なお、TiO層及びSiO層の屈折率の調整、及びITO層のシート抵抗の制御は、実施例1と同様の方法で調整した。以上により、実施例2の透明導電性積層体を作製した。得られた透明導電性積層体の評価は実施例1と同様の方法で行った。
<比較例1>
紫外線硬化型アクリル系樹脂であるユニディックV−9500(DIC社製)を用いて、188μmのPET両面に(HC(1)及びHC(2))をマイクログラビアコーターにより塗工した。得られたハードコート層の膜厚は、HC(1)、HC(2)ともに3μmである。マグネトロンスパッタリング法にて、HC(1)の表面に、酸化スズを10wt%含有する酸化インジウム・スズ(ITO)層を、光学膜厚を50nmとして成膜した。以上により、比較例1の透明導電性積層体を作製した。得られた透明導電性積層体の評価は実施例1と同様の方法で行った。
<比較例2>
実施例1において、TiO層の光学膜厚を40nm、SiO層の光学膜厚を88nmとして成膜し、それ以外は実施例1と同様に操作し、透明導電性積層体を得た。得られた透明導電性積層体の評価は実施例1と同様の方法で行った。
実施例1、2、及び比較例1、2についての評価結果を表1に示す。
表1の通り、実施例1及び2で得られた透明導電性積層体は、シート抵抗、全光透過率、ヘーズ、透過色相a*及びb*、導電性パターン領域と非導電性パターン領域との透過色差ΔEab(T)及び反射色差ΔEab(R)が所望の範囲内であり、優れた光学特性を持つ透明導電薄膜積層体を得ることができた。また、耐湿熱密着性も問題なく、両方とも100/100であった。
一方、比較例1で得られた透明導電性積層体は、透過色相b*及び反射色差ΔEab(R)が所望の範囲から外れ、耐湿熱密着性が実施例よりも劣る結果となった。また、比較例2で得られた透明導電性積層体は、透過色相a*及び反射色差ΔEab(R)が所望の範囲から外れる結果となった。このため、比較例1及び2で得られた透明導電性積層体は、光学特性が劣り、酸化インジウム・スズ層自身特有な黄色色味が目立った。
実施例1、比較例1及び2の分光測定結果を図7及び図8に示す。実施例1の透明導電性積層体は、可視光範囲(450nm以上750nm以下)内各波長に対して、導電性パターン領域と非導電性パターン領域の透過率の差と反射率の差は、−2.0%以上2.0%以下になった。即ち、実施例1の透明導電薄膜積層体は優れた光学特性を持ち、パターン形状が目立たないため、静電容量式タッチパネルなどへの応用が可能である。一方、比較例1及び2の透明導電性積層体は、所望の範囲から外れるため、パターン形状が目立った。
また、実施例2の分光測定結果を図9に示す。実施例2の透明導電性積層体も実施例1と同様、可視光範囲(450nm以上750nm以下)内各波長に対して、導電性パターン領域と非導電性パターン領域の透過率の差と反射率の差は、−2.0%以上2.0%以下になった。即ち、実施例2の透明導電薄膜積層体も実施例1と同様、優れた光学特性を持ち、パターン形状が目立たないため、静電容量式タッチパネルなどへの応用が可能である。
実施例1、2と比較例1、2を比較すると、本発明の透明導電薄膜積層体は優れた光学特性を持ち、パターン形状が目立たないため、静電容量式タッチパネルなどへの応用が可能であることが確認された。
本発明ではフィルムなどのプラスチック基材に対して透明性が高く、優れた密着性を持ち、且パターン形状を目立たない透明導電薄膜積層体を作製とすることができた。得られたITO透明導電薄膜積層体は静電容量タイプタッチパネル等に応用することが十分可能である。
10、20、30、40、50・・・透明導電性積層体
11、21、31、41、51・・・透明プラスチック基材
22a、32a、42a、52a・・・第1のハードコート層
22b、32b、42b、52b・・・第2のハードコート層
13、23、43・・・金属酸化物層
33a、53a・・・第1の金属酸化物層
33b、53b・・・第2の金属酸化物層
14、24、44・・・酸化ケイ素層
34a、54a・・・第1の酸化ケイ素層
34b、54b・・・第2の酸化ケイ素層
15、25・・・酸化インジウム・スズ層
35a・・・第1の酸化インジウム・スズ層
35b・・・第2の酸化インジウム・スズ層
46a、56a・・・第1の酸化インジウム・スズ層の導電性パターン領域
56b・・・第2の酸化インジウム・スズ層の導電性パターン領域
47a、57a・・・第1の酸化インジウム・スズ層の非導電性パターン領域
57b・・・第2の酸化インジウム・スズ層の非導電性パターン領域

Claims (6)

  1. 透明プラスチック基材の一方の面又は両方の面に、金属酸化物層、酸化ケイ素層及び酸化インジウム・スズ層を前記透明プラスチック基材側から順に設けてなる透明導電性積層体であって、
    前記金属酸化物層の屈折率が1.7以上2.6以下であり、光学膜厚が12nm以上35nm以下であり、
    前記酸化ケイ素層の屈折率が1.3以上1.5以下であり、光学膜厚が70nm以上110nm以下であり、
    前記酸化インジウム・スズ層の光学膜厚が30nm以上65nm以下であり、
    前記酸化インジウム・スズ層が導電性パターン領域及び非導電性パターン領域からなり、
    前記導電性パターン領域と前記非導電性パターン領域との透過率の差及び反射率の差が、450nm以上750nm以下の範囲で、それぞれ−3.0%以上3.0%以下であり、
    前記導電性パターン領域と前記非導電性パターン領域との透過色差ΔEab(T)及び反射色差ΔEab(R)が、それぞれ−5.0以上5.0以下であることを特徴とする透明導電性積層体。
  2. 前記透明プラスチック基材の一方の面又は両方の面に、前記透明プラスチック基材と接するハードコート層を設け、前記ハードコート層の膜厚が1μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性積層体。
  3. 請求項1又は2に記載の透明導電性積層体が、
    全光透過率が80%以上であり、
    ヘーズが1%以下であり、
    シート抵抗が100Ω/□以上500Ω/□以下であり、
    透過色相a*及びb*がそれぞれ−3.0以上3.0以下(色彩計算:2°、視野D65光源)であることを特徴とする透明導電性積層体。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の透明導電薄膜積層体を用いることを特徴とするタッチパネル又は前記タッチパネルを用いたディスプレイ。
  5. 透明プラスチック基材の一方の面又は両方の面に、屈折率が1.7以上2.6以下であり、光学膜厚が12nm以上35nm以下である金属酸化物層、及び屈折率が1.3以上1.5以下であり、光学膜厚が70nm以上110nm以下である酸化ケイ素層を、前記透明プラスチック基材側から順にマグネトロンスパッタリング法にて形成する工程と、
    前記酸化ケイ素層の表面に、光学膜厚が30nm以上65nm以下である酸化インジウム・スズ層を、酸化スズの含量が2wt%以上15wt%以下のターゲットを用いてマグネトロンスパッタリング法にて形成する工程と、
    前記酸化インジウム・スズ層に導電性パターン領域及び非導電性パターン領域を形成する工程と
    をこの順に備え
    前記導電性パターン領域と前記非導電性パターン領域との透過率の差及び反射率の差が、450nm以上750nm以下の範囲で、それぞれ−3.0%以上3.0%以下であり、
    前記導電性パターン領域と前記非導電性パターン領域との透過色差ΔEab(T)及び反射色差ΔEab(R)が、それぞれ−5.0以上5.0以下であることを特徴とする透明導電性積層体の製造方法。
  6. 前記透明プラスチック基材の一方の面又は両方の面に、前記透明プラスチック基材と接し、膜厚が1μm以上8μm以下であるハードコート層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の透明導電性積層体の製造方法。
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