JP2004360444A - 木造建築物の耐火構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来と同程度の厚さで、より高い耐火性能を得ることができる木造建築物の耐火構造を提供する。
【解決手段】 木質材料で構成された枠組体1(木質下地)と、この枠組体1の室内側に取り付けられた第1の石膏ボード2(他の防火被覆層)と、この第1の石膏ボード2の室内側に取り付けられたアルミニウムシート3(金属製シート)と、このアルミニウムシート3の室内側に取り付けられた第2の石膏ボード4(防火被覆層)とにより枠組壁工法の耐火木造壁10(木造建築物の耐火構造)を構築する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、木造建築物の耐火構造に関する。
従来、木造建築物に耐火性能を付与する場合、枠組壁工法の木造壁を例とすれば、図7に示すように、木製の枠組体100の室内側の面に、所定厚さの石膏ボード110を取り付けていた(例えば非特許文献1参照)。
木製の枠組体100は、床版上に釘打ち固定された下枠101と、この下枠101の上に所定間隔で立設された複数の竪枠102と、この竪枠102の上端に取り付けられた上枠103とから形成されている。石膏ボード110は、単層または複数層により所定の厚さに構成され、前記枠組体100の室内側の面を覆うように取り付けられている。なお、図7では、石膏ボード110を2つの層、すなわち、第1の石膏ボード111と第2の石膏ボード112とにより構成した例を示している。
かかる構造によれば、火災時には、石膏ボード110に含まれる結晶水が、火災の熱によって水蒸気に変化することで熱エネルギーを消費するので、一定時間火災を食い止めることが可能となる。したがって、石膏ボード110、すなわち防火被覆層の厚みを適宜調整することにより、所望の耐火性能を得ることができる。
"社団法人 石膏ボード工業会"、(「どのように施工しますか」、「せっこうボード製品の種類と規格」参照)、[online]、社団法人石膏ボード工業会、[平成15年4月16日検索]、インターネット<URL:http://www.gypsumboard-a.or.jp/use2.shtml>
しかし、かかる方法によって木造建築物に一定以上の耐火性能を付与するためには、防火被覆層の厚さを大きくしたり、重ね張りする枚数を多くしたりする必要がある。このため、壁厚の増大による居住空間の減少、施工効率の低下、建物の重量増加、建築費の増加といった問題が生じていた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、従来と同程度の厚さで、より高い耐火性能を得ることができる木造建築物の耐火構造を提供することを課題とする。
本発明に係る木造建築物の耐火構造は、木質材料で構成された木質下地と、前記木質下地の室内側に取り付けられた金属製シートと、この金属製シートの室内側に取り付けられた防火被覆層と、を有することを特徴とする(請求項1)。
火災の熱の伝達形態には「対流」、「伝導」及び「輻射」の3つの態様があるが、かかる構造によれば、木質下地と防火被覆層との間に配置された金属製シートの輻射断熱機能により、火災による輻射熱が室内側へと反射され、木質下地に伝わる熱が減少する。したがって、金属製シートを用いない場合に比べて、防火被覆層を薄くすることができる。
ここで、「木質下地」とは、防火被覆層が取り付けられる木質の下地をいい、柱や梁などの構造体でも単なる下地材でもよい。木質下地が構造体である場合は、その工法は、木造軸組工法、枠組壁工法、ヘビーティンバー工法等、どのような工法であってもよい。また、本発明の耐火構造が適用される部位は、特に限定されるものではなく、壁、床、柱、梁、天井、屋根、階段、軒裏等、建物のあらゆる部位に適用することができる。
また、木造建築物の耐火構造において、防火被覆層は、石膏ボードを用いて構成するようにしてもよい(請求項2)。
このように、防火被覆層として石膏ボードを用いることにより、高い耐火性能を得ることができる。すなわち、火災の熱で石膏ボードに含まれる結晶水が水蒸気化して火災の熱を消費し、当該熱が木質下地に伝達するまでに要する時間を遅らせることができる。
また、木造建築物の耐火構造は、木質下地と金属製シートとの間に、他の防火被覆層を有するように構成してもよい(請求項3)。
このように、金属製シートの木質下地側に他の防火被覆層を設けることにより、金属製シートの室内側に取り付けられた防火被覆層を薄くすることができる。ここで、金属製シートの木質下地側に設けられた「他の防火被覆層」は、火災の輻射熱が金属製シートで反射されることから、比較的薄いもので足りる。
また、木造建築物の耐火構造において、他の防火被覆層は、石膏ボードを用いて構成するようにしてもよい(請求項4)。
また、木造建築物の耐火構造において、金属製シートの室内側に取り付けられた防火被覆層と金属製シートの木質下地側に設けられた他の防火被覆層は、それぞれ目地部を有しており、金属製シートは前記各目地部を跨いで取り付けられているように構成してもよい(請求項5)。
このように構成することにより、各目地部の室内側又は木質下地側は必ず金属製シートで塞がれることとなる。したがって、熱気や火炎が目地部の隙間を通って木質下地に到達するのを、金属製シートによって防止することができる。
また、本発明に係る木造建築物の耐火構造において、金属製シートは、アルミニウムシートを用いて構成してもよい(請求項6)。
アルミニウムは、金属の中でも高い輻射断熱性能を有しており(輻射率0.04〜0.08程度)、火災の輻射熱を効率よく反射して、木質下地に伝達される熱を減少させる。したがって、従来の耐火構造に比べて防火被覆層を薄くすることが可能となる。
また、アルミニウムは鉄や銅等と比べて融点が低いが、アルミニウムシートの室内側に防火被覆層が配置されることにより、アルミニウムシートが直接火炎に曝されることが無く、比較的長時間輻射断熱機能を発揮することができる。
また、本発明に係る木造建築物の耐火構造は、木質材料で構成された木質下地と、木質下地の室内側に取り付けられ、目地部を有する防火被覆層と、該目地部に沿って該目地部の木質下地側に帯状に取り付けられた金属製シートと、を有することを特徴とする(請求項7)。
従来の耐火構造では、防火被覆層に目地部が存在する場合、防火被覆層を厚くしても、目地部から木質下地に火災の熱が伝わってしまうため、所定の耐火性能を満足するためには防火被覆層が非常に厚くなってしまうという問題があった。
かかる発明によれば、防火被覆層の目地部に沿って金属製シートを帯状に取り付けたことから、防火被覆層の目地部から木質下地に伝わる火災の輻射熱を減少させることができる。
したがって、従来の耐火構造に比べて防火被覆層を薄くすることができる。また、金属製シートを取り付ける範囲が少なくて済むことから、施工効率を向上させ、材料費を低減することができる。
また、前記防火被覆層は、石膏ボードで構成されているのが望ましく(請求項8)、金属製シートはアルミニウムシートで構成されているのが望ましい(請求項9)。
本発明によれば、金属製シートを用いて火災の輻射熱を室内側に反射させることにより、木質下地に伝わる熱を低減することができる。したがって、従来と同程度の防火被覆層の厚さで、より高い耐火性能を得ることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、いくつかの例を挙げて詳細に説明する。初めに、第1の実施形態として、本発明に係る耐火構造を枠組壁工法の壁に適用した場合について説明する。図1は、枠組壁工法の耐火木造壁を示す一部切り欠き斜視図であり、部屋と部屋とを仕切る間仕切壁を耐火構造とした場合を示している。
本実施形態において、枠組壁工法の耐火木造壁10(以下、「枠組壁10」という。)は、図1に示すように、木質下地たる枠組体1と、この枠組体1の室内側に取り付けられた第1の石膏ボード2と、この第1の石膏ボード2の室内側に取り付けられた金属製シートたるアルミニウムシート3と、このアルミニウムシート3の室内側に取り付けられた第2の石膏ボード4とを含んで構成されている。ここで、「第1の石膏ボード2」が、請求項にいう「他の防火被覆層」に相当し、「第2の石膏ボード4」が、請求項に言う「金属製シートの室内側に取り付けられた防火被覆層」に相当する。以下、これらの各構成要素について詳細に説明する。
(1)枠組体1
枠組体1は、正面視方形枠状の部材であり、床版上に設置された下枠1aと、この下枠1aの上面に所定間隔で垂直に立設された複数の竪枠1b、1b…と、これらの竪枠1b、1b…の上端に下枠1aと平行に取り付けられた上枠1cとから構成されている。これら下枠1a、竪枠1b、上枠1cは、いずれも木製であり、同一断面の角形棒状部材である。このように構成される枠組体1は、枠組壁10の骨格的な機能を果たすものであり、これに張着される石膏ボード等を支持するものである。
なお、本実施形態においては、剛性を高めるために、この枠組体1の室内側の面を覆うように合板1dが取り付けられている。また、下枠1a、竪枠1b、上枠1c及び合板1dに囲まれて形成された空間には、断熱材1eが充填されている。
(2)第1の石膏ボード2
第1の石膏ボード2は、所定厚さを有する板状部材であり、枠組体1の室内側、つまり本実施形態では合板1dの室内側に取り付けられている。材料としては、例えば強化石膏ボード(GB−S,JIS A 6913)を使用することができ、石膏ボード用の釘(JIS A 5508)で枠組体1に固定されている。第1の石膏ボード2は、結晶水を含有しており、火災の熱がアルミニウムシート3を通して伝わってくると、この結晶水が水蒸気となり、温度の上昇・熱の伝達を阻害する。すなわち、第1の石膏ボード2は、アルミニウムシート3を通して伝わってきた熱から、枠組体1を保護する役割を果たすものである。
なお、「所定厚さ」については後記する。
ここで、石膏ボード1枚の面積が枠組体1の面積よりも小さい場合には、複数枚の石膏ボードを同一面上で突き合せるようにして、合板1dの室内側の面をすべて覆うように敷きつめて、第1の石膏ボード2を形成してもよい。このとき、石膏ボード同士を突き合せた位置には、目地部2aが形成される。
(3)アルミニウムシート3
アルミニウムシート3は、所定厚さのシート状部材であり、第1の石膏ボード2と第2の石膏ボード4との間に配置される。本実施形態では、第1の石膏ボード2の室内側の面に接着剤等によって張り付けられている。このアルミニウムシート3は、輻射断熱機能を有しており、火災の輻射熱を反射して、第1の石膏ボード2に伝わる熱を減少させる役割を果たす。これにより、第1の石膏ボード2及び第2の石膏ボード4を薄くすることができる。
なお、アルミニウムシート3は、第1の石膏ボード2の室内側の全面に隙間なく張り付ける。また、アルミニウムシート3の材料としては、JIS規格(JIS H 4160)に適合するものを使用するのが望ましい。
(4)第2の石膏ボード4
第2の石膏ボード4は、所定厚さを有する板状部材であり、アルミニウムシート3の室内側に配置されている。材料としては、第1の石膏ボード2と同じく、例えば強化石膏ボード(GB−S,JIS A 6913)を使用することができ、石膏ボード用の釘(JIS A 5508)によって枠組体1に固定されている。さらに、第2の石膏ボード4は、ステープル及び釘などによって第1の石膏ボード2に打ち付けられており、これにより第1の石膏ボード2と、アルミニウムシート3と、第2の石膏ボード4の密着性が高められている。このように、第2の石膏ボード4が、アルミニウムシート3の室内側に配置されることにより、アルミニウムシート3は直接火炎に曝されることがなくなり、輻射断熱機能を十分発揮することができる。すなわち、第2の石膏ボード4は、結晶水を水蒸気に変化させてアルミニウムシート3への熱の伝達を遅延させるのみならず、アルミニウムシート3を火炎から保護して輻射断熱機能を十分に発揮させる役割を果たす。
なお、第1の石膏ボード2と同様に、複数枚の石膏ボードで第2の石膏ボード4を構成してもよい。このとき、石膏ボード同士を突き合せた位置には、目地部4aが形成される。
図2は、枠組壁10の目地部を拡大して示した水平断面図である。
図2に示すように、第1の石膏ボード2は、複数の石膏ボードを突き合せて形成されている。また、第2の石膏ボード4も、複数の石膏ボードを突き合せて形成されている。ここで、第1の石膏ボード2の目地部2aと第2の石膏ボード4の目地部4aとは、互いに重ならないように配置する。また、アルミニウムシート3は、これら各目地部2a、4aのそれぞれを跨いで(塞ぐように)取り付ける。
このように構成することにより、目地部2aの室内側は、第2の石膏ボード4とアルミニウムシート3とによって塞がれることとなる。また、目地部4aの枠組体側は、アルミニウムシート3と第1の石膏ボード2とによって塞がれることとなる。したがって、火災の熱は、必ずアルミニウムシート3と第1の石膏ボード2又は第2の石膏ボード4との組合せによって遮断される。言い換えれば、アルミニウムシート3のみ或いは第1の石膏ボード2又は第2の石膏ボード4のみで火災の熱に対抗することがなくなる。これにより、目地部2a又は目地部4aを通って熱気や火炎が枠組体1に到達することを効果的に防止することができる。
また、第2の石膏ボード4の目地部4aは、目地処理材にて平滑に仕上げるのが望ましい。具体的には、石膏系又は炭酸カルシウム系のパテ(JIS A 6914,塗布量200g/m以上)を塗布し、その表面にガラスファイバーテープを貼り付けるようにするのが望ましい。
(5)「所定厚さ」について
枠組壁10の各構成部材の厚さは、所望の耐火性能が得られるようにそれぞれの厚さを調節する。特に、第1の石膏ボード2の厚さは15mm以上とし、アルミニウムシート3の厚さは0.05mm以上とし、第2の石膏ボード4の厚さは21mm以上とし、そしてさらに、アルミニウムシート3については、密度が2.7g/cm3以上であることが望ましい。このようにすることにより、建築基準法上の「耐火性能」を満足することができる。
次に、第2の実施形態として、本発明を木造軸組工法の壁に適用した場合について説明する。ここでは、前記第1の実施形態と同じ構成要素には同じ番号を付して説明を省略する。
図3は、木造軸組工法の耐火木造壁を示した一部切り欠き斜視図であり、木造建築物の外壁を耐火構造とした場合を示している。
木造軸組工法の耐火木造壁20は、図3に示すように、下地となる軸組体21と、この軸組体21の室内側に取り付けられた第1の石膏ボード2と、この第1の石膏ボード2の室内側に取り付けられたアルミニウムシート3と、このアルミニウムシート3の室内側に取り付けられた第2の石膏ボード4とから構成されている。
軸組体21は、木造軸組工法の軸組部材で構成されており、所定間隔で立設された柱21a、21aと、この柱21aと柱21aとの間に配置された間柱21bと、これら柱21aと間柱21bとの間に架け渡された胴縁21cと、から構成されている。
柱21aは、屋根、床、梁など(図示せず)の荷重を支えるのに必要な所定の間隔で設置されており、この柱21aの間に壁材を支えるのに必要な所定の間隔で間柱21bが設置される。これら柱21a及び間柱21bの室内側の面には、胴縁21cを嵌め込むための凹部が形成されており、この凹部に嵌め込むように胴縁21cを取り付けると、軸組体21の室内側の面は平坦な面となる。したがって、軸組体21の室内側の面に第1の石膏ボード2を容易に取り付けることができる。
本実施形態では、軸組体21の屋外側の面には、公知の外装材Gが取り付けられている。このように、本発明に係る耐火構造は、部屋と部屋とを仕切る間仕切壁だけでなく建築物の外壁にも適用することができる。かかる軸組体21の室内側の面に、第1の石膏ボード2、アルミニウムシート3及び第2の石膏ボード4を順次取り付けることにより、木造軸組工法の耐火木造壁20が形成される。
次に、第3の実施形態として、本発明を木造建築物の天井に適用した場合について説明する。図4は、木造建築物の天井の構造を示した一部切り欠き斜視図であり、木造建築物の天井を耐火構造とした場合を示している。
木造建築物の天井30は、図4に示すように、天井の下地となる天井下地31と、この天井下地31の室内側に取り付けられた第1の石膏ボード2と、この第1の石膏ボード2の室内側に取り付けられたアルミニウムシート3と、このアルミニウムシート3の室内側に取り付けられた第2の石膏ボード4とから構成されている。
天井下地31は、公知の天井の下地構造であり、根太、梁、吊木受等(図示せず)から吊り下げられた吊木31aと、この吊木31aの先端に取り付けられた野縁受31bと、この野縁受31bに所定間隔で取り付けられた野縁31cと、から構成されている。
かかる天井下地31の室内側に、第1の石膏ボード2、アルミニウムシート3及び第2の石膏ボード4を順次取り付けることにより、木造建築物の天井30を耐火構造とすることができる。
次に、第4の実施形態として、枠組壁工法の耐火木造壁にアルミニウムシートを帯状に取り付けた場合について説明する。図5は、第4の実施形態に係る枠組壁工法の耐火木造壁を示す一部切り欠き斜視図である。また、図6は、第4の実施形態に係る枠組壁工法の耐火木造壁の一部を拡大して示した水平断面図である。ここで、前記第1〜第3の実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
第4の実施形態に係る枠組壁工法の耐火木造壁40(以下、単に「耐火木造壁40」と略称する)は、図5に示すように、枠組体1と、この枠組体1の室内側に取り付けられた目地部5aを有する石膏ボード5と、この目地部5aに沿って取り付けられた帯状アルミニウムシート6とから構成されている。
石膏ボード5は、図6に示すように、複数の石膏ボードを同一面上で突き合せ接合して構成されており、当該突き合せ部分が目地部5aを形成している。石膏ボード5は、含有する結晶水が火災の熱によって水蒸気となることにより、火災の熱が木質下地に伝わるのに要する時間を遅らせる役割を果たしている。材料としては、他の実施例の石膏ボードと同様に、例えば強化石膏ボード(GB−S,JIS A 6913)を使用することができ、石膏ボード用の釘(JIS A 5508)で枠組体1に固定されている。
帯状アルミニウムシート6は、図5及び図6に示すように、石膏ボード5に形成された目地部5aに沿って、石膏ボート5の枠組体1側の面に接するように取り付けられている。これにより、目地部5aの枠組体1側が帯状アルミニウムシート6で覆われることとなる。ここで、帯状アルミニウムシート6は、接着剤等によって、石膏ボード5の枠組体1側の面に直接貼り付けられていてもよいし、目地部5aが形成される位置に合わせて合板1dの表面に貼り付けておいてもよい。
目地部5aは、石膏ボード5が連続している部分に比べて火災の熱を枠組体1に伝え易いため、かかる部分に帯状アルミニウムシート6を設置することにより、火災の輻射熱が反射され、枠組体1が延焼するまでに要する時間を遅らせることができる。
従来、石膏ボード5を厚くしても目地部5aが弱点となってしまうため、所定の耐火性能を満足するためには目地部5aを基準として石膏ボード5の厚さを定めなければならなかったが、本実施形態のように、目地部5aに沿って帯状アルミニウムシート6を取り付けることにより、従来よりも石膏ボード5の厚さを小さくすることが可能となる。
なお、帯状アルミニウムシート6の材料としては、アルミニウムシート3と同様に、JIS規格(JIS H 4160)に適合するものを使用するのが望ましい。また、帯状アルミニウムシート6の取り付け方法は、火災の熱に耐えられるものであれば、接着剤、ステープラー等、いかなる方法で取り付けてもよい。
また、目地部5aは、前記第2の石膏ボード4の目地部4aと同様に、目地処理材にて平滑に仕上げるのが望ましい。また、鉛直方向に石膏ボードを突き合せ接合する場合には、当該突き合せ部分に水平方向の目地部が形成されるが、かかる水平方向の目地部にも帯状アルミニウムシート6を取り付けるのが望ましい。
このように、第4の実施形態においては、アルミニウムシートを目地部に沿って帯状に取り付けることから、アルミニウムシートの必要量が少なくて済むため、材料費の低減を図ることができる。また、アルミニウムシートを壁全体に面的に取り付けるのに比べて、施工が容易である。さらに、石膏ボードの厚さを小さくできるので、木造住宅等においては居室空間を大きくすることが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態についていくつか例を挙げて説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、第1〜第3の実施形態では、金属製シートの室内側の防火被覆層(第2の石膏ボード4)のみならず、木質下地と金属製シートとの間にも、他の防火被覆層(第1の石膏ボード2)を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、金属製シートの室内側の防火被覆層(第2の石膏ボード4)を厚くして、他の防火被覆層(第1の石膏ボード2)を省略することもできる。
かかる構成によっても、金属製シートの輻射断熱機能によって、従来の木造建築物の耐火構造に比べて、同程度の厚さで耐火性能の高い、若しくは同程度の耐火性能で厚さの小さい、木造建築物の耐火構造を実現することができる。
また、第1〜第4の実施形態は、防火被覆層として石膏ボードを用いたが、火災の熱の伝導を好適に妨げることができる材料であれば、石膏ボード以外のものを使用しても差し支えない。かかる場合においても、金属製シートの輻射断熱機能により、防火被覆層を薄くすることができる。
また、本実施形態では,石膏ボードとして強化石膏ボード(GB−S,JIS A 6913)を使用したが、これと同等の性能を有する他の石膏ボードを使用してもよい。
また、第1〜第4の実施形態では、金属製シートとしてアルミニウムシートを使用したが、火災の輻射熱を反射するものであれば、鉄、鉛など、どのような金属製のシートであってもよい。
また、第1〜第3の実施形態では、木質下地と第1の防火被覆層とを互いに直接取り付けたが、木質下地の室内側に第1の防火被覆層が配置されれば、これらの間に何等かの層が介在してもよい。同様に、第1の防火被覆層と金属製シートとの間、金属製シートと第2の防火被覆層との間にも何等かの層が介在してもよい。同様に、第4の実施形態において、枠組体1の合板1dと帯状アルミニウムシート6との間に、例えば石膏ボードで形成された他の防火被覆層が介在してもよい。
また、第1〜第4の実施形態では,木質下地として枠組体1、軸組体21、天井下地31を用いたが、防火被覆層を取り付けることができるものであれば、工法や部位は問わない。
また、第1〜第4の実施形態では、第1の石膏ボード2、第2の石膏ボード4及び第4の実施形態の石膏ボード5の固定に際して、石膏ボード用の釘(JIS A 5508)を使用したが、その他に、SNF釘(JIS A 5508)、十字穴つき木ねじ(JIS B 1112)、ドリリングタッピンねじ(JIS B 1125)等を使用してもよい。
第1の実施形態に係る枠組壁工法の耐火木造壁を示す一部切り欠き斜視図である。 第1の実施形態に係る枠組壁工法の耐火木造壁の一部を拡大して示した水平断面図である。 第2の実施形態に係る木造軸組工法の耐火木造壁を示す一部切り欠き斜視図である。 第3の実施形態に係る木造建築物の天井を示す一部切り欠き斜視図である。 第4の実施形態に係る枠組壁工法の耐火木造壁を示す一部切り欠き斜視図である。 第4の実施形態に係る枠組壁工法の耐火木造壁の一部を拡大して示した水平断面図である。 従来の耐火木造壁を示す一部切り欠き斜視図である。
符号の説明
10 枠組壁工法の耐火木造壁
1 枠組体(木質下地)
1a 下枠
1b 竪枠
1c 上枠
1d 合板
1e 断熱材
2 第1の石膏ボード(他の防火被覆層)
3 アルミニウムシート(金属製シート)
4 第2の石膏ボード(防火被覆層)

Claims (9)

  1. 木質材料で構成された木質下地と、
    前記木質下地の室内側に取り付けられた金属製シートと、
    この金属製シートの室内側に取り付けられた防火被覆層と、を有することを特徴とする木造建築物の耐火構造。
  2. 前記防火被覆層は、石膏ボードで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の木造建築物の耐火構造。
  3. 前記木質下地と前記金属製シートとの間に、他の防火被覆層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木造建築物の耐火構造。
  4. 前記他の防火被覆層は、石膏ボードで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の木造建築物の耐火構造。
  5. 前記防火被覆層と前記他の防火被覆層は、それぞれ目地部を有しており、
    前記金属製シートは、前記各目地部を跨いで取り付けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の木造建築物の耐火構造。
  6. 前記金属製シートは、アルミニウムシートで構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の木造建築物の耐火構造。
  7. 木質材料で構成された木質下地と、
    前記木質下地の室内側に取り付けられ、目地部を有する防火被覆層と、
    前記目地部に沿って該目地部の木質下地側に帯状に取り付けられた金属製シートと、を有することを特徴とする木造建築物の耐火構造。
  8. 前記防火被覆層は、石膏ボードで構成されていることを特徴とする請求項7に記載の木造建築物の耐火構造。
  9. 前記金属製シートは、アルミニウムシートで構成されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の木造建築物の耐火構造。
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