JP3233066U - 屋根構造及び屋根裏部屋 - Google Patents

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孝夫 原
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Abstract

【課題】屋根裏を室内空間として利用でき、この室内空間の断熱性が優れ、しかも施工が容易な屋根構造を提供する。【解決手段】木造軸組工法の小屋組2を備える建物19において、軒桁3と棟木7の間に架設される少なくとも2本の登り梁6と、必要に応じて登り梁6の間に架設される少なくとも1本の母屋8と、登り梁6及び、軒桁3又は棟木7又は必要に応じて設けられる母屋8のいずれかに固定具により固定される屋根パネル11、11’と、を備え、この屋根パネル11、11’は、登り梁6の天面に面して設けられ、内装用面13aが室内空間18に配される内装用板材13と、この内装用板材13上に所望間隔毎にかつ互いに平行に設けられる垂木14と、この垂木14同士の空隙でかつ内装用板材13上に設けられ、垂木14よりも厚みが薄い断熱材15と、垂木14を挟んで内装用板材13と対向して設けられる野地合板16と、を備える。【選択図】図6

Description

本考案は、木造軸組工法による建物、又は木造軸組工法と他の工法を組み合わせてなる混構造の建物、における屋根構造及びそれを用いてなる屋根裏部屋に関する。
従来、木造軸組工法の小屋組の形式として主に和小屋と洋小屋が知られている。
そして、和小屋の場合は、小屋桁の下に天井板を配して小屋組を見せない室内空間とするのが一般的である。
他方、洋小屋の場合は、小屋桁の下に天井板を配することなく小屋組を裸出させた室内空間とするのが一般的である。
ただし、いずれの場合も小屋組の内側の空間はデッドスペースになるため、室内空間として有効に活用することができなかった。
そして、このよう課題に対処するための先願がいくつか開示されている。
特許文献1には「通気屋根パネル及びその取付け構造」という名称で、木造住宅の屋根面を構成する屋根パネルに関し、特に通気層を有する屋根構造を構成するための通気屋根パネル及びその取付け構造に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明は、同文献中の図3に記載される符号をそのまま用いて説明すると、矩形の枠材2内に断熱材3を充填し、該枠材2を上板4と下板5で覆い、上板4の上面に垂木6及び野地板7を接合して通気層8を形成し、上板4の両側縁が枠材2から突出し、登り梁13間に枠材2を嵌め込んだ状態で上板4の突出部4aを登り梁13に固定することを特徴とするものである。
特許文献1に開示される発明によれば、コンパクトな形状で通気層と断熱材とを一体ユニット化することができ、現場での屋根パネルの取付け作業の作業性及び気密性を向上させることができる。
特許文献2には「野地パネル」という名称で、木造建築物の屋根構造に使用される野地パネルに関する考案が開示されている。
特許文献2に開示される考案は、同文献中の図4に記載される符号をそのまま用いて説明すると、木造建築物の屋根構造に使用される野地パネルであって、野地板1と、板状部材2と、遮熱シート3と、垂木4と、断熱材5と、内装用化粧板6とから成り、該野地板1の一面に左右平行に配設した複数の該垂木4と、該垂木4間に取付け固定した該断熱材5とを有するとともに、該野地板1と該垂木4との間に該板状部材2を介設し、該板状部材2と該垂木4との間に介在して該遮熱シート3を渡設し、該遮熱シート3の表裏両側に、該垂木4に沿って連通する通気空間を設け、該断熱材5を被覆するように該内装用化粧板6を取付け固定して、これらを一体に形成したものである。
上記構成の特許文献2に開示される考案によれば、木造建築物の屋根構造である洋風小屋組(洋小屋)に適した野地パネルを提供することができる。また、特許文献2に開示される考案によれば、建築作業を省力化できるとともに、断熱・防湿効果、意匠性にも優れた野地パネルを提供することができる。
特開2001−3507号公報 実用新案登録第3199350号公報
特許文献1に開示される発明の場合、木造軸組工法における小屋組が登り梁を有するため、桁上に母屋を支持するための束(小屋束)を配設する必要がない。このため、特許文献1に開示される発明の場合は、登り梁下の空間を室内空間や吹き抜け天井として有効に活用できる可能性がある。
しかしながら、特許文献1に開示される発明の場合、屋根パネルの下面側に突設される断熱材層が、登り梁同士の間に嵌設される構造を有している。このため、特許文献1に開示される発明の場合は、登り梁の下面や側面を室内空間に裸出させて意匠として利用することが難しい。
より具体的には、特許文献1に開示される発明を参酌する場合は、登り梁の上面側から屋根パネルを嵌設した後、登り梁の下面側に天井板を貼設する必要があると考えられる。
このため、特許文献1に開示される発明の場合は、屋根に断熱構造や通気構造を形成しながら野地板を敷設する作業を軽減できると考えられるものの、登り梁の下面側を内装する手間を軽減することができない。
特許文献2に開示される考案によれば、小屋桁上に配設される合掌同士の間に形成される空間を吹き抜け天井や屋根裏部屋として利用できる可能性がある。
しかしながら、洋小屋の場合はその構造上、合掌を構成する木材の上面(傾斜面)に母屋が載置されるのが一般的である。このため、小屋組の一部を吹き抜け天井や屋根裏部屋のような室内空間として利用する際に、合掌の上面と母屋の上面の間の隙間を埋める必要がある。この場合、室内空間として使用する空間と、使用しない空間の間に壁を形成する際に、合掌の上面と母屋の上面の間の隙間を埋める手間がかかるという課題があった。
また、小屋組の形式が洋小屋の場合は、合掌を構成する木材の上面(傾斜面)に母屋を配設することなく野地パネルを直貼りすることも考えられる。この場合は、屋根構造に十分な強度を付与するために、合掌をより狭い間隔で桁上に配置する必要がある。この場合、小屋組の施工に要するコストが割高になる可能性があった。
本考案はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、木造軸組工法の小屋組を備える建物において、施工が容易で、かつ屋根裏を室内空間として利用する場合に優れた断熱性を備え、しかも屋根パネルの設置後に屋根裏を内装することなくそのまま室内空間として利用できる屋根構造及びそれを用いてなる屋根裏部屋を提供することにある。
さらに、本考案は屋根裏の一部のみを室内空間として利用する場合でも断熱性及び施工性が良好な屋根構造及びそれを用いてなる屋根裏部屋を提供することにある。
上記課題を解決するため第1の考案である屋根構造は、木造軸組工法の小屋組を備える建物において、軒桁と棟木の間に架設される少なくとも2本の登り梁と、必要に応じて登り梁の間に架設される少なくとも1本の母屋と、登り梁及び、軒桁又は棟木又は必要に応じて設けられる母屋のいずれかに固定具により固定される屋根パネルと、を備え、屋根パネルは、登り梁の天面に面して設けられ、内装用面が室内空間に配される内装用板材と、内装用板材上に所望間隔毎にかつ互いに平行に設けられる垂木と、垂木同士の空隙でかつ内装用板材上に設けられ、垂木よりも厚みが薄い断熱材と、垂木を挟んで内装用板材と対向して設けられる野地合板又は野地板と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第1の考案において、登り梁及び、軒桁又は棟木又は必要に応じて設けられる母屋のいずれかは、屋根パネルを支持するという作用を有する。また、少なくとも登り梁は、屋根パネルとともに、これらの下面側に内装が不要な室内空間を形成するという作用を有する。また、場合によっては軒桁又は棟木又は必要に応じて設けられる母屋も、登り梁及び屋根パネルとともに、これらの下面側に内装が不要な室内空間を形成するという作用を有する。
また、屋根パネルにおける内装用板は、屋根パネルの室内空間側に配される面を装飾するという作用を有する。さらに、屋根パネルにおける垂木は、内装用板材及び野地合板又は野地板を補強するという作用を有する。加えて、垂木は、屋根パネルの内部において断熱材とともに、軒桁から棟木に向かう空気の流路を形成するという作用を有する。また、屋根パネルの内部において、並設される垂木の間に介設される断熱材は、建物の外から内側への熱の出入りを、又はこの逆方向への熱の出入りを妨げるという作用を有する。さらに、断熱材の厚みを垂木の厚みよりも小さく設定することで、並設される垂木の間でかつ断熱材の野地合板又は野地板側に配される面上に隙間が生じ、この隙間が上述の空気の流路になる。そして、屋根パネルがその内部に、上述のような空気の流路を備えていることで、屋根パネルの内部を常時換気することができる。これにより、屋根パネルの断熱効果を向上させるとともに、屋根パネル内に湿気がこもるのを防いで、屋根パネルを構成する木材、すなわち垂木、野地合板又は野地板、並びに内装用板材として使用される化粧板が、腐朽して劣化するのを妨げるという作用を有する。
さらに、第1の考案では、屋根構造が主に小屋組を形成する木材と、屋根パネルと、屋根パネルを小屋組に固定するための例えばビス等の固定具により構成されている。しかも、第1の考案における屋根パネルは、予め工場等において製造したものを使用する。このため、第1の考案によれば、屋根構造の形成作業を容易かつ迅速に行うことを可能にするという作用を有する。
第2の考案である屋根構造は、室内空間に裸出している横架材、すなわち登り梁、軒桁、棟木、必要に応じて設けられる母屋の裸出面は、化粧表し加工面を有していることを特徴とするものである。
上記構成の第2の考案は、上述の第1の考案による作用と同じ効果に加えて、屋根構造を構成する横架材が、室内空間に裸出する面に化粧表し加工面を有していることで、横架材自体が室内空間を装飾する意匠として作用する。
つまり、第2の考案では、屋根構造を構成する横架材及び屋根パネルがともに、屋根を形成する構造材として機能するとともに、室内空間の装飾材としても機能する。
第3の考案である屋根構造は、上述の第1又は第2の考案であって、屋根パネルは、登り梁の天面に面する側でかつ室内空間を構成しない領域に、内装用板材に代えて内装用でない合板又は板体を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第3の考案は、上述の第1又は第2の考案による作用と同じ作用に加えて、屋根パネルを登り梁及び横架材上に設置した際に、屋根裏において室内空間を構成しない領域の内装用板材を、内装用でない合板又は板体に置換することで、屋根パネルの製造に要するコストを削減することができる。
一般に、内装用板材である化粧材又は内装用石膏ボードは、内装用でない合板又は板体に比べて高価である。このため、屋根パネルを製造する際に、屋根裏において室内空間を構成する領域にのみ内装用板材を設けることで、屋根パネルの製造コストを削減することができる。
第4の考案である屋根構造は、上述の第1乃至第3のいずれかの考案であって、屋根パネルは、内装用板材を備える領域に、屋根パネルの厚み方向に光を透過させるための採光構造を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第4の考案は、上述の第1乃至第3のそれぞれの考案による作用と同じ作用を有する。また、第4の考案において「採光構造」は、例えば開閉可能な又は開閉不能な窓等である。
上述のような第4の考案によれば、屋根パネルにおいて内装用板材を備える領域の下面側を室内空間として使用する場合に、屋根パネルの設置作業と、この室内空間に採光構造を取付け作業を同時に完了することができる。
第5の考案である屋根裏部屋は、上述の第1乃至第4のいずれかの考案である屋根構造と、登り梁の直下に配されている梁上に設けられる床と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第5の考案における屋根構造は、上述の第1乃至第4のそれぞれの屋根構造による作用と同じ作用を有する。また、第5の考案において、登り梁の直下に配されている梁上に設けられる床は、屋根裏の空間を人の居住スペース又は収納スペースとして使用可能にするという作用を有する。
上述のような第1の考案によれば、登り梁の上面側に覆設される屋根パネルにおいて、室内空間に配される側の面は、そのまま内装材として使用することができる。このため、第1の考案によれば、小屋組に屋根パネルを取付けるだけで、小屋組の内側の空間を室内空間の一部として、より具体的には吹き抜け天井や屋根裏部屋として利用することができる。
また、小屋組において屋根パネルの内側の空間を室内空間として利用する場合、この室内空間は日射や外気温の影響を特に受けやすい。つまり、屋根裏を室内空間として利用する場合、冬季は寒く夏季は暑くなりやすい。
これに対し、第1の考案における屋根パネルは、その厚み方向断面に断熱材を備えていることで、熱や冷気が屋根上側から室内空間側に伝わるのを、あるいは屋根裏の室内空間側の熱や冷気が屋根上側に逃げるのを防ぐことができる。つまり、第1の考案における屋根パネルの厚み方向の断熱性を向上させることができる。
さらに、第1の考案に係る屋根パネルは、その内部に断熱材に加えて通気路を備えている。このため、第1の考案では小屋組に屋根パネルを取付けた際に、屋根パネルの内部に垂木の長さ方向に沿って複数本の通気路が並設され、この通気路内を空気が建物の軒側から棟側に向かって流動する。したがって、第1の考案における屋根パネルでは、この空気の流れによっても屋根パネルの厚み方向の断熱性を一層向上させることができる。
よって、第1の考案によれば、屋根パネルの内側の室内空間の断熱性を向上させることができ、屋根パネルの内側の室温を快適に維持することができる。
しかも、第1の考案における屋根パネルは施工現場以外の工場等で製造されたものを、ビス等の固定具のみを用いて容易に小屋組に取付けることができるので、第1の考案である屋根構造の施工性を大幅に向上させることができる。
第2の考案は、上述の第1の考案による効果と同じ効果を有する。さらに、第2の考案によれば、屋根裏の室内空間に裸出する横架材をそのまま装飾として利用することができる。この場合、木材である横架材がむき出しの状態になり、自然な風合いで、しかも木の温もりを感じられるような室内空間を形成することができる。
よって、第2の考案によれば機能性及び意匠性の高い建物を提供することができる。
第3の考案によれば、上述の第1又は第2の考案と同じ効果に加えて、小屋組の内側において室内空間を構成しない領域の屋根裏に、内装用板材に代えて内装用でない合板又は板体を設けることで、屋根パネルの製造に要するコストを削減することができる。
その一方で、第3の考案によれば、室内空間を構成しない領域に設けられる屋根パネルもその内部に断熱材及び通気路を備えている。つまり、室内空間側に内装用板材を備える屋根パネルも、室内空間を構成しない屋根パネルもその内部構造は同じである。よって、第3の考案によれば、小屋組の一部のみを室内空間として利用する場合でも、その建物の屋根構造全体の断熱性及び施工性を高めることができる。
つまり、第3の発明によれば、屋根裏の一部を室内空間として利用でき、その場合でも屋根構造全体の断熱性が良好で、かつ屋根パネルの取付けが容易であり、しかも屋根パネルの製造コストが廉価な屋根構造を提供することができる。
第4の考案は、上述の第1乃至第3の考案のそれぞれと同じ効果に加えて、屋根パネルが採光構造を備えていることで、小屋組への屋根パネルの設置と同時に、屋根裏に形成される室内空間への、窓等の採光構造の設置作業を完了することができる。
よって、第4の考案によれば屋根裏を室内空間として利用する際に、この室内空間に採光構造を設ける作業を省略することができる。
したがって、第4の考案によれば、採光構造を備えた屋根裏の室内空間を形成する作業を簡素化することができる。
第5の考案において屋根構造は、上述の第1乃至第4のそれぞれの考案による効果と同じ効果を有する。
また、第5の考案において登り梁の直下に配されている梁上に床を設けることで、小屋組の内側を人の居住スペース又は収納スペースとして利用することが可能になる。
よって、第5の考案によれば、屋根構造の形成を容易かつ迅速に行うことができ、しかも屋根裏に形成される室内空間を人の居住スペースや収納スペースとして利用することができる、機能性の高い建物を提供することができる。
本考案の実施形態に係る屋根構造の外観を示す斜視図である。 本考案の実施形態に係る屋根パネルの斜視図である。 本考案の実施形態に係る屋根パネルの断面図である。 本考案の実施形態に係る屋根パネルを小屋組に固定するのに用いられる固定具の一例であるビスの側面図である。 本考案の実施形態に係る屋根構造の施工手順を示すフローである。 本考案の実施形態に係る屋根構造の鉛直方向断面図である。 本考案の実施形態に係る屋根構造の要部を拡大して示す鉛直方向断面図である。 本考案の実施形態に係る屋根パネルにおいて軒桁上に配される屋根パネルを内装用板材側から見た斜視図である。
本考案の実施形態に係る屋根構造及びそれを備えてなる屋根裏部屋について図1乃至図8を参照しながら詳細に説明する。
<1;本考案の基本構成について>
はじめに、図1乃至図3を参照しながら本実施形態に係る屋根構造について説明する。
図1は本考案の実施形態に係る屋根構造の外観を示す斜視図である。また、図2は本考案の実施形態に係る屋根パネルの斜視図である。さらに、図3は本考案の実施形態に係る屋根パネルの断面図である。つまり、図3は図2中のA−A線断面図である。加えて、図4は本考案の実施形態に係る屋根パネルを小屋組に固定するのに用いられる固定具の一例であるビスの側面図である。
本実施形態に係る屋根構造1は主に、例えば図1に示すように、木造軸組工法の小屋組2を備える建物19において、軒桁3と棟木7の間に架設される少なくとも2本の登り梁6と、この登り梁6の間に必要に応じて架設される少なくとも1本の母屋8と、登り梁6及び、軒桁3又は棟木7又は必要に応じて設けられる母屋8のいずれかに、例えば図4に示すような固定具であるビス12を用いて取付けられる屋根パネル11により構成されている。
また、本実施形態に係る屋根構造1を構成する屋根パネル11は、例えば図2及び図3に示すように、室内空間18側(後段に示す図6を参照)に配される面に内装用面13aを備えた内装用板材13と、この内装用板材13上に所望間隔毎にかつ互いに平行に設けられる垂木14と、この垂木14同士の空隙でかつ内装用板材13上に設けられ、かつ垂木14の厚みP(図3を参照)よりもその厚みQ(図3を参照)が薄い断熱材15と、垂木14を挟んで内装用板材13と対向して設けられる野地合板16により構成されている。なお、野地合板16に代えて野地板を用いることもできる。
さらに、本実施形態に係る屋根構造1における小屋組2において、軒桁3から棟木7までの距離が比較的大きい場合は、例えば図1の紙面左側に示すように、軒桁3と棟木7の間に架設される登り梁6同士の間に母屋8を設けてもよい。なお、母屋8は、小屋組2を構成する横架材の一部をなし、通常、軒桁3又は棟木7と平行に配される。
このように、本実施形態に係る小屋組2が母屋8を有する場合、本実施形態に係る屋根パネル11は、図1の紙面左側に示すように、建物19の妻側に配される側縁又はこの側縁寄りの部分が登り梁6の上面(傾斜面)上に例えばビス12等の固定具を用いて固定される。また、屋根パネル11において軒桁3又は棟木7側に配される側縁又はこの側縁寄りの部分は、軒桁3又は棟木7又は母屋8上に例えばビス12等の固定具を用いて固定される。
また、特に図示しないが、軒桁3と棟木7の間に2本以上の母屋8を備える場合も想定される。この場合は、2本の登り梁6と2本の母屋8に、例えばビス12等の固定具を用いて本実施形態に係る屋根パネル11を固定することができる。
他方、本実施形態に係る屋根構造1における小屋組2において、軒桁3から棟木7までの距離がさほど離れていない場合は、例えば図1の紙面右側に示すように、軒桁3と棟木7の間に架設される登り梁6同士の間に母屋を設けない場合がある。この場合、本実施形態に係る屋根パネル11は、図1の紙面右側に示すように、2本の登り梁6と軒桁3及び棟木7に、例えばビス12等の固定具を用いて固定される。
<2;本考案の施工手順について>
<2−1;本実施形態に係る屋根構造1の施工手順について>
本実施形態に係る屋根構造1の施工手順について図5を参照しながら説明する。
図5は本考案の実施形態に係る屋根構造の施工手順を示すフローである。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る屋根構造1を形成する場合、図5に示すように、小屋組2の下の躯体と小屋組2の施工は施工現場において行う。他方、本実施形態に係る屋根パネル11は、施工現場以外の工場等の施設で製造される。
より詳細には、図5に示すように、建物19の施工現場ではまず、小屋組2の下部構造である躯体が形成される(ステップS01;躯体形成工程)。なお、先の図1では小屋組2の下部構造である躯体(図1中では例えば柱10等)が木造軸組工法からなる場合を例に挙げて説明しているが、この躯体は鉄筋コンクリート造でもよい。なお、後者の場合は、一般に「混構造」といわれる。
そして、小屋組2の下部構造である躯体が形成された後は、その上に木造軸組工法からなる小屋組2を形成する工程である(ステップS02;小屋組形成工程)。
このステップS02では、先の図1に示すように、下部構造である躯体を構成する柱10群の上端に軒桁3、桁4及び梁5が架設され、さらに桁4及び梁5上に立設される束9(小屋束)上に架設される棟木7と、軒桁3との間に少なくとも2本の登り梁6が互に平行に設けられる。なお、ステップS02では、屋根構造1をなすそれぞれの傾斜面に少なくとも2本の登り梁6を設けるとよい。
つまり、先の図1に示す本実施形態に係る屋根構造1では、紙面右側と左側のそれぞれに1つずつ傾斜面を備えているので、この傾斜面毎に少なくとも2本の登り梁6を設ければよい。
なお、本実施形態に係る屋根構造1では、屋根パネル11を支持する構造材として主に登り梁6を用いる場合を例に挙げて説明しているが、本実施形態に係る屋根構造1において屋根裏を室内空間として使用しない部分にまで登り梁6を配する必要はなく、屋根パネル11の一部を従来公知の母屋と小屋束によりを支持してもよい。
より具体的には、例えば図1において紙面左側の斜面側の屋根裏にのみ室内空間を形成する場合、図1の紙面右側に登り梁6を設ける代わりに束と母屋を設けてもよい(図示せず)。
本実施形態に係る屋根構造1では、上述のように小屋組2に登り梁6を用いることで、その下部空間を室内空間として有効に活用することができる。
また、本実施形態に係る屋根構造1では、棟木7から軒桁3までの距離が離れている場合は、先にも述べたように登り梁6同士の間に、必要に応じて母屋8を架設しておき、登り梁6、軒桁3及び棟木7、並びに必要に応じて設けられる母屋8で屋根パネル11を支持してもよい(任意選択構成要素)。
なお、木造軸組工法の一般的な小屋組では、屋根材(垂木、野地板又は野地合板、ルーフィング、屋根瓦又はスレート等)は主に母屋によって支持される。また、この母屋は桁上又は梁上に立設される束(小屋束)によって支持される。したがって、木造軸組工法における一般的な小屋組では、屋根裏に小屋束(例えば図1中の束9を参照)が林立した状態になるため、屋根裏を室内空間として有効活用することが困難であった。
これに対して本実施形態に係る屋根構造1では、屋根パネル11を含む屋根材を、軒桁3、棟木7及び登り梁6、並びに、必要に応じて設けられる母屋8によって支持するよう構成されている(先の図1を参照)。このため、本実施形態に係る屋根構造1では、屋根パネル11を支持するために桁上又は梁上に小屋束を林立させる必要がないので、屋根裏を室内空間として有効活用することができる。
そして、上記ステップS02に続く工程が、登り梁6を備えた小屋組2に屋根パネル11を設置する工程である(ステップS03;屋根パネル設置工程)。
このステップS03の屋根パネル設置工程では、工場等で予め製造された屋根パネル11を、例えば先の図4に示すビス12等の固定具により小屋組2に固定する。
なお、小屋組2を構成する登り梁6上に屋根パネル11を設置する場合、屋根パネル11内に収容される垂木14及び断熱材15が、軒桁3から棟木7に向かって連なるようにそれぞれの屋根パネル11を配置する必要がある。
この場合、後段において詳細に説明するが、屋根パネル11の厚み方向断面において断熱材15と野地合板16の間に形成される隙間である通気路17が(先の図2及び図3を参照)、軒桁3から棟木7に向かって連通した状態になる。
そして、複数の屋根パネル11からなる屋根パネル11群において、軒桁3から棟木7に向かって複数の通気路17が並設された状態になる。
この結果、本実施形態に係る屋根構造1では、屋根パネル11群の内部を空気が軒桁3側から棟木7側に向かって常時流動する。
また、本実施形態に係る屋根構造1の小屋組2では、先の図1に示すように、軒桁3及び棟木7、並びに必要に応じて設けられる母屋8のそれぞれの天面に、登り梁6の上面(傾斜面)と略同一平面をなす傾斜面を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、本実施形態に係る屋根構造1を形成する際に、登り梁6のみならず軒桁3や棟木7、あるいは必要に応じて設けられる母屋8に屋根パネル11を面接触させた状態で取付けることができる。
この場合、登り梁6、軒桁3及び棟木7、あるいは必要に応じて設けられる母屋8と、屋根パネル11が面接触する部分を、先の図4に示す例えばビス12等の固定具を用いて固定することで、小屋組2と屋根パネル11の接合強度を高めることができる。
また、この場合は、本実施形態に係る屋根構造1における屋根パネル11を屋根裏側から見た場合に、小屋組2を構成する構造材と屋根パネル11の接合部分に固定具であるビス12の一部が裸出しない。このため、屋根裏の室内空間に裸出する屋根パネル11及び小屋組2を構成する構造材の外観上の審美性を高めることができる。
さらに、小屋組2を構成する横架材に屋根パネル11を固定具である例えばビス12等を用いて取付ける場合、内装用板材13、垂木14及び野地合板16が重なる部分に固定具である例えばビス12等を打込むとよい。
また、屋根パネル11の野地合板16の上面、すなわち裸出面に、固定具である例えばビス12等を打込むべき位置であること示すために、垂木14の中心線と符合する位置等に、図示しない目印線を設けておいてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、屋根パネル11の厚み方向断面において垂木14が配置されない箇所に固定具である例えばビス12等を打込んでしまうのを好適に防ぐことができる。また、この場合は、小屋組2への屋根パネル11の設置作業を効率的に進めることができるというメリットも有する。
さらに、上記ステップS03に続く工程が、小屋組2に覆設された屋根パネル11上に防水材であるルーフィングを敷設する工程である(ステップS04;ルーフィング設置工程)。
また、上記ステップS04に続く工程が、上記ルーフィング上に屋根瓦やスレート等の屋根材を敷設する工程である(ステップS05;屋根材設置工程)。
なお、ステップS04のルーフィング設置工程、並びにステップS05の屋根材設置工程は、従来公知の工法と同じであるためここでの詳細な説明については省略する。
さらに、図5に示すステップS01乃至ステップS05を完了した後は、従来公知の工法と同様に、本実施形態に係る屋根構造1を備える躯体に対し内装及び外装工事を実施することで建物19が完成する。
<2−2;本実施形態に係る屋根パネルの作製手順について>
ここで、図5及び先の図2及び図3を参照しながら本実施形態に係る屋根パネル11の作製手順について説明する。
本実施形態に係る屋根パネル11は、図5に示すように建物19の施工現場でない例えば工場等で製造される(ステップS11;屋根パネル製造工程)。
この屋根パネル製造工程(ステップS11)ではまず、本実施形態に係る屋根構造1において屋根裏の室内空間側に配される内装用板材13の裏面に、すなわち内装用板材13の内装用面13aの反対側の面に、垂木14が所望間隔毎に並設される。
この場合、内装用板材13の両側縁に垂木14を配置することで、屋根パネル11の両側縁の強度を高めることができる。
また、内装用板材13と垂木14の接合は、従来公知の接着剤により行ってもよいし、頭部が目立たないつぶし釘等の固定具を用いてもよい。あるいは、これらを併用してもよい。さらに、上述以外の従来公知の接合手段を支障なく採用することができる。
次に、内装用板材13の裏面に並設された垂木14同士の間に、従来公知の合成樹脂(例えばフェノールフォーム等)又はグラスウール等からなる板状又はマット状の断熱材15を介設する。なお、内装用板材13の裏面への断熱材15の固定は、接着剤等を使用するとよい。
このとき、内装用板材13の厚み方向における垂木14の厚みP(図3を参照)を、内装用板材13の厚み方向における断熱材15の厚みQよりも大きく設定しておく必要がある。
そして、垂木14同士の間に断熱材15を介設した後、垂木14において内装用板材13を備える面の反対側の面に野地合板16を接合して一体化すればよい。
なお、垂木14と野地合板16の接合は、従来公知の接着剤を用いてもよいし、釘等の固定具を用いてもよい。あるいは、これらを併用してもよい。さらに、上述以外の従来公知の接合手段を支障なく採用することができる。
よって、上述のような一連の手順により本実施形態に係る屋根パネル11を作製することができる。
さらに、本実施形態に係る屋根パネル11では、その厚み方向断面において野地合板16と断熱材15の間に隙間が形成され、この隙間が屋根パネル11の内部における空気の通気路17となる。
また、特に図示しないが、本実施形態に係る屋根パネル11は、断熱材15上に、すなわち断熱材15において野地合板16と対向する側の面に金属シート(例えばアルミシート等)を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、本実施形態に係る屋根パネル11の断熱性を一層向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る屋根パネル11における内装用板材13としては、例えば従来公知の化粧板や内装用の石膏ボードを用いることができる。
なお、本実施形態に係る屋根パネル11を構成する各構成部材の寸法は、例えば下記のように設定することができる。

・垂木;38mm×89 mm(=P)×(長さは任意)
・垂木同士の間隔は例えば333.3 mm
・断熱材;厚み=63 mm(=Q、長さ及び幅は任意)
・内装用板材;
・化粧板;厚み=9 mm(長さ及び幅は任意)
・内装用石膏ボード;厚み=9.6 mm(長さ及び幅は任意)
・野地合板又は野地板;厚み=12 mm

また、屋根パネル11を構成する各構成部材の寸法を例えば上記のように設定する場合、野地合板16の厚み方向における通気路17の高さは26mmになる。
<3;本考案による作用・効果について>
続いて、先の図1、並びに図6及び図7を参照しながら本実施形態に係る屋根構造1による作用・効果について説明する。
図6は本考案の実施形態に係る屋根構造の鉛直方向断面図である。より詳細には、図6は先の図1中のB−B線断面図である。また、図7は本考案の実施形態に係る屋根構造の要部を拡大して示す鉛直方向断面図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る屋根パネル11を小屋組2に設置した場合、図6及び図7に示すように、屋根裏に室内空間18を形成することができる。
また、この室内空間18では、屋根パネル11を構成する内装用板材13の内装用面13a、及び登り梁6の下面及び側面(又は両側面)が裸出した状態になる。あるいは、登り梁6に必要に応じて母屋8が架設される場合は、母屋8の下面及び両側面も室内空間18に裸出した状態になる。
よって、本実施形態に係る屋根構造1によれば、小屋組2の内側に形成される室内空間18を、登り梁6や、必要に応じて設けられる母屋8の風合いを生かした木の温かみを感じる空間にすることができる。
また、このような室内空間18は吹き抜け天井として使用することができる。この場合、建物19内において鉛直方向に広がりを有する室内空間を実現できる。
さらに、例えば図6及び図7に示す小屋組2において、梁5上に床面(図示せず)を形成する場合は、屋根裏に形成される室内空間18を屋根裏部屋やロフトとして利用することができる。この場合、従来デッドスペースであった屋根裏を、人の居住スペースとして、あるいは収納スペースとして有効活用することができる。
また、本実施形態に係る屋根構造1によれば先の図2及び図3に示すように、屋根パネル11がその内部に断熱材15を備えていることで、屋根パネル11自体の断熱性を高めることができる(断熱効果1)。
さらに、屋根パネル11はその内部に通気路17を備えていることで、図7に示すように、本実施形態に係る屋根構造1において軒桁3側から棟木7側に向かう(図7中の符号Cで示す方向を参照)空気の流れを生じさせることができ、この空気の流れによっても屋根パネル11の断熱効果を高めることができる(断熱効果2)。
よって、本実施形態に係る屋根構造1によれば、上述の断熱効果1及びの断熱効果2が同時に発揮されることで、屋根裏に形成される室内空間18の室温を四季を通じて快適な状態に保つことができる。
また、本実施形態に係る屋根構造1によれば、屋根パネル11の内部に通気路17が形成されることで、屋根パネル11の内部が常時換気されることになる。
この場合、屋根パネル11を構成する木材を常時乾燥させることができるので、屋根パネル11を構成する木質系材料が腐朽するなどして屋根構造1が損傷する等の不具合が生じるのを好適に抑制することができる。
つまり、本実施形態に係る屋根構造1によれば、屋根パネル11が通気路17を備えることで屋根構造1自体の耐久性も向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る屋根構造1によれば、木造又は鉄筋コンクリート造の躯体に、木造軸組工法からなる小屋組2を形成した後(図5中のステップS01及びステップS02を参照)、この小屋組2に工場等において製造された屋根パネル11を、取付けるだけで屋根構造1の形成を完了することができる。
この場合、従来公知の木造軸組工法のように小屋組2に垂木を設け、この垂木上に野地合板又は野地板を敷設し、さらに必要に応じてこの野地合板又は野地板上に通気構造を設ける等の一連の作業を小屋組2において人手により行う必要がない。
よって、本実施形態に係る屋根構造1を採用する場合は、屋根パネル11を用いない従来工法に比べて、小屋組2上に作業者が滞在する時間を短くすることができる。
この場合、建物19を施工する際の作業性を向上できるとともに、作業時の作業者の安全性も向上させることができる。
<4;本考案の細部構造について>
<4−1;屋根裏の室内空間に裸出する横架材について>
本実施形態に係る屋根構造1において、屋根裏に形成される室内空間18に裸出する横架材の裸出面は、すなわち軒桁3、棟木7及び登り梁6、並びに必要に応じて設けられる母屋8の裸出面は、化粧表し加工面を有していてもよい(図示せず;任意選択構成要素)。
この場合、室内空間18に裸出する横架材の裸出面が、カンナがけされた状態になるため、室内空間18の審美性を一層向上させることができる。
よって、室内空間18に裸出する横架材の裸出面が化粧表し加工面を有する場合は、より高品質で付加価値の高い室内空間18を提供することができる。
<4−2;採光構造を備えた屋根パネルについて>
本実施形態に係る屋根パネル11は、必要に応じてその厚み方向に光を透過させるための採光構造、より具体的には例えば開閉可能な又は開閉不能な窓等を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、本実施形態に係る小屋組2に採光構造を備えた屋根パネル11を設置するだけで、室内空間18に採光構造を設ける作業についても完了することができる。
この場合、採光構造を備えた室内空間18を形成するにあたり壁面に別途窓等を設ける作業を行う必要がない。また、屋根パネル11に上述のような採光構造を設ける作業は、屋根パネル11の製造時に工場等において行うことができる。
したがって、屋根パネル11が採光構造を備える場合は、室内空間18を有する建物19の施工性を向上させることができるとともに、より付加価値が高く快適な室内空間18を提供することができる。
<4−3;室内空間を構成しない屋根パネルについて>
本実施形態に係る屋根構造1における屋根裏の一部のみを室内空間18として利用する場合、室内空間18として使用しない領域に設置される屋根パネル11にまで内装用板材13を設けることは不経済である。
よって、本実施形態に係る屋根構造1では、屋根裏を室内空間18として使用する領域の屋根パネル11にのみ内装用板材13を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
より具体的には、本実施形態に係る屋根パネル11は、登り梁6の天面に面する側でかつ室内空間18を構成しない領域の内装用板材13を、内装用でない合板又は板材に置き換えたものを用いてもよい(任意選択構成要素)。この場合は、内装用板材13と置換される内装用でない合板又は板材の厚みを、内装用板材13の厚みと略同じにしておくことが望ましい。
また、本実施形態に係る屋根パネル11は、工場等の施工現場以外の場所で製造されるため、内装用板材13を内装用でない合板又は板材に置換したものについても容易に作製できる。
この場合、小屋組2に設置される屋根パネル11において、室内空間18として利用される領域にのみ内装用板材13を備えることで、本実施形態に係る屋根パネル11の製造コストを削減することができる。
さらに、この場合、内装用板材13に代えて内装用でない合板又は板材を備えた屋根パネル11は、内装用板材13を備えた屋根パネル11と同様に取り扱うことができる。つまり、小屋組2への両屋根パネルの取付け方法が同じである。
このため、本実施形態に係る屋根構造1における屋根裏の一部のみを室内空間18として利用する場合でも、屋根構造1全体において軒桁3側から棟木7側に向かう通気路17を形成することができる。
よって、本実施形態に係る屋根構造1では室内空間18を構成する屋根パネル11と、室内空間18を構成しない屋根パネル11の屋根裏側の仕様を変更することで、本実施形態に係る屋根構造1の施工性及び機能性を維持しながら、屋根パネル11の製造コストを削減することができる。
<4−4;軒桁上に配される屋根パネルについて>
最後に、図8を参照しながら軒桁3上に配される屋根パネルについて図5、図6並びに図8を参照しながら説明する。
図8は本考案の実施形態に係る屋根パネルにおいて軒桁上に配される屋根パネルを内装用板材側から見た斜視図である。なお、図1乃至図7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る屋根構造1において軒桁3上に配される屋根パネル11’は、 例えば図5、図6並びに図8に示すように、軒桁3から建物19の外側に向かって突出する垂木14の下面側に、内装用板材13又はこの内装用板材13に代えて設けられる内装用でない合板又は板材を備えていないものを使用してもよい(任意選択構成要素)。
この場合、軒下の空気を屋根パネル11’の通気路17にスムーズに案内することができる。この結果、屋根パネル11’及び屋根パネル11からなる屋根パネル群の内部に形成される通気路17内の空気が効率良く換気されるため、室内空間18や、建物19全体の断熱性を高めることができる。
また、屋根パネル11’及び屋根パネル11の内部に湿気がこもって、屋根パネル11’及び屋根パネル11を構成する木質材料が腐朽するなどして損傷するのを好適に抑制でき、これにより屋根構造1及び建物19の耐久性を向上させることができる。
さらに、屋根パネル11’では、例えば図5、図6並びに図8に示すように、軒桁3から突出する垂木14の端面を被覆する横芯材20を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、屋根パネル11’の端部、すなわち垂木14の端面が配される側の屋根パネル11’端面の強度を高めることができる。
加えて、屋根パネル11’では、例えば図5、図6並びに図8に示すように、必要に応じて、断熱材15の端面に仕切り材21を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、断熱材15の端面を保護して、断熱材15の劣化の進行を遅らせることができる。
以上説明したように本考案は、屋根裏を室内空間として利用でき、この室内空間の断熱性が優れ、しかも施工が容易な屋根構造及びそれを用いてなる屋根裏部屋であり、建築に関する技術分野において利用可能である。
1…屋根構造 2…小屋組 3…軒桁 4…桁 5…梁 6…登り梁 7…棟木 8…母屋 9…束 10…柱 11,11’…屋根パネル 12…固定具(ビス) 13…内装用板材 13a…内装用面 14…垂木 15…断熱材 16…野地合板 17…通気路 18…室内空間 19…建物 20…横芯材 21…仕切り材


Claims (5)

  1. 木造軸組工法の小屋組を備える建物において、
    軒桁と棟木の間に架設される少なくとも2本の登り梁と、
    必要に応じて前記登り梁の間に架設される少なくとも1本の母屋と、
    前記登り梁及び、前記軒桁又は前記棟木又は必要に応じて設けられる前記母屋のいずれかに固定具により固定される屋根パネルと、を備え、
    前記屋根パネルは、
    前記登り梁の天面に面して設けられ、内装用面が室内空間に配される内装用板材と、
    前記内装用板材上に所望間隔毎にかつ互いに平行に設けられる垂木と、
    前記垂木同士の空隙でかつ前記内装用板材上に設けられ、前記垂木よりも厚みが薄い断熱材と、
    前記垂木を挟んで前記内装用板材と対向して設けられる野地合板又は野地板と、を備えていることを特徴とする屋根構造。
  2. 前記室内空間に裸出している横架材の裸出面は、化粧表し加工面を有していることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造。
  3. 前記屋根パネルは、前記登り梁の前記天面に面する側でかつ前記室内空間を構成しない領域に、前記内装用板材に代えて内装用でない合板又は板体を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の屋根構造。
  4. 前記屋根パネルは、前記内装用板材を備える領域に、前記屋根パネルの厚み方向に光を透過させるための採光構造を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の屋根構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の屋根構造と、
    前記登り梁の直下に配されている梁上に設けられる床と、を備えていることを特徴とする屋根裏部屋。

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