JP2004358027A - 消臭剤組成物および水解性消臭体 - Google Patents

消臭剤組成物および水解性消臭体 Download PDF

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Abstract

【課題】水解性の基材を溶解または崩壊させることなく製造することができるとともに、消臭剤の定着性に優れた水解性消臭体を提供する。
【解決手段】有機溶媒に、有機溶媒可溶性でありかつ水溶性である高分子を溶解させるとともに、消臭剤を分散させたものを消臭剤組成物とし、その消臭剤組成物を、水解性でありかつ耐有機溶媒性を有する基材に塗布または含浸し、水解性消臭体とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水解性の消臭体およびその製造に使用することのできる消臭剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、消臭機能を有する製品のタイプには種々のものがあり、例えば、スプレータイプのもの、活性炭等の吸着作用を利用したもの、ゲル状のもの、シート状のものなどが挙げられる。これらの消臭製品は、消臭効果、持続性等にそれぞれ特徴があるが、使用後の廃棄方法までは考慮されておらず、用途によっては、簡便な廃棄方法が求められているのが実状である。
【0003】
簡便な廃棄方法が求められる用途としては、例えば、介護用のポータブルトイレやペット用トイレ等が挙げられる。これらの用途では、最終的に排泄物をトイレに廃棄することになるが、それまでの間は部屋の中に放置しておくのが通常であり、排泄物の臭気が問題となる。
【0004】
臭気対策として、一般的に消臭効果および持続性に優れる消臭シートを使用することが考えられるが、従来の消臭シートは水解性になっていないため、トイレに廃棄するときに消臭シートを分別する必要があり、手間がかかるとともに衛生的に問題があった。
【0005】
そこで、消臭剤を水溶性紙または水分散性紙に担持させた消臭性紙が提案された(特許文献1)。この消臭性紙においては、消臭剤を水溶性紙または水分散性紙に担持させる方法として、(1)予め水溶性ポリマーに消臭剤を練り込みこれを繊維状にした後、抄紙する方法、(2)パルプなどの繊維を分散させたスラリーに消臭剤を添加し抄紙する方法、(3)消臭剤を分散させたスラリーを、噴霧、コーティング、パディング、ディッピング等により水溶性紙に後加工する方法が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−49396号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(1)および(2)の方法では、既存の水溶性紙または水分散性紙を利用することができず、繊維製造段階または製紙段階で新たな工程を必要とし、大掛かりな製造ラインを別途要するため、消臭性紙の製造コストが非常に高くなる。
【0008】
また、(3)の方法では、消臭剤を分散させたスラリーを水溶性紙に後加工するときに、水溶性紙または水分散性紙が溶解または崩壊するおそれがある。このような水溶性紙または水分散性紙の溶解または崩壊を防止するために、粉末状の消臭剤のみを水溶性紙または水分散性紙に直接付着させる方法も考えられるが、かかる消臭性紙では消臭剤の定着性が悪く、消臭剤が消臭性紙から容易に脱落してしまう。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、水解性の基材を溶解または崩壊させることなく製造することができるとともに、消臭剤の定着性に優れた水解性消臭体、およびかかる水解性消臭体の製造に使用することのできる消臭剤組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1に本発明は、消臭剤と、有機溶媒可溶性でありかつ水溶性である高分子とを含有することを特徴とする消臭剤組成物を提供する(請求項1)。
【0011】
上記発明(請求項1)に係る消臭剤組成物は、有機溶媒に溶解または分散させ、水解性でありかつ耐有機溶媒性を有する基材に塗布または含浸することにより、その基材を溶解または崩壊させることなく、上記高分子を介して消臭剤が基材に確実に保持された水解性の消臭体を得ることができる。
【0012】
なお、本明細書における「水解性」とは、水に対して溶解もしくは分散、または水との接触で崩壊し易い性質をいい、水溶性、水溶解性、水分散性、水崩壊性等の概念を広く含むものとする。また、本明細書における「耐有機溶媒性」とは、有機溶媒に対して溶解もしくは分散、または有機溶媒との接触で崩壊し難く、有機溶媒に対して所定の強度を示す性質をいうものとする。
【0013】
上記発明(請求項1)に係る消臭剤組成物は、さらに抗菌剤を含有していてもよい(請求項2)。かかる消臭剤組成物を使用した水解性消臭体によれば、菌に起因する臭気の発生を防止することができる。
【0014】
上記発明(請求項1,2)に係る消臭剤組成物は、さらに有機溶媒を含有していてもよい(請求項3)。かかる消臭剤組成物は、水解性でありかつ耐有機溶媒性を有する基材に塗布または含浸することにより、その基材を溶解または崩壊させることなく、上記高分子を介して消臭剤が基材に確実に保持された水解性の消臭体を得ることができる。
【0015】
上記発明(請求項1〜3)において、前記有機溶媒可溶性でありかつ水溶性である高分子は、ビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドからなる群より選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい(請求項4)。これらの高分子は、有機溶媒可溶性および水溶性の両性質において優れている。
【0016】
第2に本発明は、有機溶媒と、前記有機溶媒に溶解させた、有機溶媒可溶性でありかつ水溶性である高分子と、消臭剤とを含有する消臭剤組成物を、水解性でありかつ耐有機溶媒性を有する基材に塗布または含浸してなる水解性消臭体を提供する(請求項5)。
【0017】
第2に本発明は、水解性でありかつ耐有機溶媒性を有する基材に、有機溶媒可溶性でありかつ水溶性である高分子を介して消臭剤が保持されてなる水解性消臭体を提供する(請求項7)。
【0018】
上記発明(請求項5,7)に係る水解性消臭体は、水解性を有し水中に廃棄することができるとともに、有機溶媒を溶媒とした消臭剤組成物を、耐有機溶媒性を有する基材に塗布または含浸することにより得られるため、基材を溶解または崩壊させることなく製造することができる。また、消臭剤は上記高分子を介して基材に確実に保持されるため、上記水解性消臭体は消臭剤の定着性に優れる。
【0019】
上記発明(請求項5)において、前記消臭剤組成物は、さらに抗菌剤を含有してもよいし(請求項6)、上記発明(請求項7)において、前記基材には、前記高分子を介して、さらに抗菌剤が保持されてもよい(請求項8)。かかる水解性消臭体によれば、菌に起因する臭気の発生を防止することができる。
【0020】
上記発明(請求項5〜8)において、前記基材は、カルボキシメチルセルロースおよび/またはそのアルカリ金属塩をバインダーまたは構成繊維とした繊維集合体(紙、不織布等)からなるのが好ましい(請求項9)。かかる繊維集合体は、水解性および耐有機溶媒性の両性質において優れている。
【0021】
上記発明(請求項5〜9)において、前記基材は、シート状であるのが好ましい(請求項10)。このように水解性消臭体がシート状であると、種々の用途において取扱いが便利である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る水解性消臭体は、有機溶媒に、有機溶媒可溶性でありかつ水溶性である高分子を溶解させるとともに、消臭剤を分散または溶解させた消臭剤組成物を、水解性でありかつ耐有機溶媒性を有する基材に塗布または含浸することにより得ることができる。
【0023】
〔消臭剤組成物〕
本消臭剤組成物における、有機溶媒可溶性でありかつ水溶性である高分子(以下「高分子A」という場合がある。)としては、例えば、ビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられ、それぞれ単独でまたは2種以上混合して使用することができる。ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体におけるビニルピロリドンと酢酸ビニルとの比率(質量比)は、5:95〜95:5であるのが好ましい。
【0024】
本消臭剤組成物における消臭剤としては、消臭作用または脱臭作用を有するものであれば特に限定されることなく、いかなる種類のものも使用することができる。例えば、ジルコニウム系、シリカ系、チタン系、アルミニウム系、亜鉛系、ジルコニウム−シリカ系、アルミニウム−シリカ系、マグネシウム−アルミニウム系等の無機系消臭剤、鉄(II)−アスコルビン酸系、銅化合物−アスコルビン酸系、アミン系、ヒドラジン系等の有機系消臭剤の他、活性炭等の脱臭剤も使用することができる。
【0025】
消臭剤の形態としては、粉体状、液体状のいずれであってもよい。粉体状の場合、その粒径は、0.1〜50μmであるのが好ましく、特に0.5〜20μmであるのが好ましい。また、液体状の場合、消臭剤は水系および非水系(有機溶媒系)のいずれであってもよい。
【0026】
有機溶媒の種類は、高分子Aが溶解し、かつ後述する基材が溶解・崩壊・分散し難い種類のものであれば特に限定されることなく、通常、メタノール、エタノール等のアルコール類、ケトン類、エステル類等が用いられる。
【0027】
有機溶媒中における高分子Aの含有量は、10〜90質量%であるのが好ましく、特に20〜80質量%であるのが好ましい。また、有機溶媒中における消臭剤の含有量は、0.5〜85質量%であるのが好ましく、特に5〜50質量%であるのが好ましい。一方、消臭剤に対する高分子Aの質量比は、0.05〜20であるのが好ましく、特に0.1〜10であるのが好ましい。
【0028】
有機溶媒中における高分子Aの含有量が10質量%より低いと、基材に塗布した際に裏抜けする不具合を生じ、高分子Aの含有量が90質量%より高いと、溶液の粘度が高くなりすぎて塗布することが困難となる。また、消臭剤に対する高分子Aの質量比が0.05より低いと、高分子Aによる消臭剤の基材に対する結合効果が低くなり、質量比が20を超えると消臭効果が低下する。
【0029】
本消臭剤組成物は、その他の成分、例えば、抗菌剤、芳香剤、顔料、染料等を含有してもよい。特に抗菌剤を使用することにより、菌に起因する臭気の発生を防止することができる。
【0030】
抗菌剤の種類は特に限定されることなく、例えば、銅系、銀系、亜鉛系、酸化チタン等の金属または金属イオン、あるいはそれらをシリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス等の無機粒子に担持させたものなどを使用することができる。抗菌剤を使用する場合、有機溶媒中における抗菌剤の含有量は、0.01〜20質量%であるのが好ましく、特に0.1〜10質量%であるのが好ましい。
【0031】
〔基材〕
基材の材料としては、水解性であり、かつ耐有機溶媒性を有するとともに、上記消臭剤組成物を塗布または含浸させることのできるものであれば特に限定されない。また、基材の形態についても、水解性が妨げられない限り特に限定されず、例えば、シート状、チップ状、小球状、構造体等いずれであってもよい。
【0032】
そのような基材としては、一般的には、水解性紙(水解紙)を使用することができる。水解性紙には、繊維自体が水に溶解するタイプ(水溶性タイプ)のものと、水によって紙が崩壊し繊維が水に分散するタイプ(水分散性タイプ)のものがあるが、いずれのタイプのものも使用することができる。
【0033】
水溶性タイプの水解性紙としては、例えば、セルロース繊維をカルボキシメチル化した繊維状カルボキシメチルセルロース水溶性塩を必要に応じて木材パルプ等と抄紙したもの、水に不溶な遊離酸型カルボキシメチルセルロースを抄造してシート化したものをアルカリ溶液に浸漬して水溶性で繊維状のカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩としたもの、シート状のセルロース系積層体(紙または不織布)をそのままカルボキシメチル化したもの等が挙げられる。
【0034】
水分散性タイプの水解性紙としては、例えば、木材パルプ繊維をシートとしたものや、繊維間結合力の弱いレーヨンやポリエステルの繊維を水溶性バインダー等で固着、積層化したものなどが挙げられる。
【0035】
水解性紙として好ましいものは、カルボキシメチルセルロースおよび/またはその金属塩をバインダーまたは構成繊維とした紙(または不織布)あり、特に好ましいものは、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩をバインダーとした紙(または不織布)である。
【0036】
基材が水解性紙の場合、その目付量は、10〜200g/mであるのが好ましく、特に30〜100g/mであるのが好ましい。
【0037】
〔水解性消臭体の製造〕
本実施形態に係る水解性消臭体は、上記消臭剤組成物を上記基材に塗布または含浸することにより製造することができる。基材がシート状のものである場合には、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の塗工機によって消臭剤組成物を基材の片面または両面に塗布し、あるいはディッピングした後、乾燥させればよい。
【0038】
消臭剤組成物の塗布または含浸量は、乾燥後において1〜100g/mであるのが好ましく、特に5〜50g/mであるのが好ましい。
【0039】
ここで、消臭剤組成物は有機溶媒を溶媒とし、基材は耐有機溶媒性を有するため、水解性消臭体の製造時において、基材が溶解または崩壊するおそれがなく、常法によって容易に水解性消臭体を製造することができる。また、消臭剤は、高分子Aを介して基材に確実に定着するため、消臭剤が脱落する等の問題はない。
【0040】
〔水解性消臭体の使用〕
本実施形態に係る水解性消臭体の使用対象は、特に限定されることはないが、例えば、介護用のポータブルトイレ、携帯用のポータブルトイレ、ペット用トイレ等に好ましく使用することができる。
【0041】
この場合、水解性消臭体の使用方法としては、排泄前にあらかじめ水解性消臭体を設置し、排泄物によって水解性消臭体を水解させる方法、排泄前に、あらかじめ水解性消臭体をゲル状物質に水解させておく方法、排泄後、排泄物の上に水解性消臭体を載置し、水中に廃棄するときに水解性消臭体を水解させる方法等を例示することができる。
【0042】
このように、本実施形態に係る水解性消臭体は、排泄物等から分別する必要がなく、水洗トイレ等にそのまま廃棄することが可能である。
【0043】
本実施形態に係る水解性消臭体は、上記トイレに限定されることなく、水分を含んだゴミ、例えば生ゴミに対して使用することもできるし、配管等に対して使用することもできる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0045】
〔実施例1〕
高分子Aとしてのビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体50質量部と、第1の無機系消臭剤(東亞合成社製,ケスモンNS−10,ジルコニウム系)5.7質量部と、第2の無機系消臭剤(東亞合成社製,ケスモンNS−10C,ジルコニウム系)5.7質量部と、無機系抗菌剤(東亞合成社製,ノバロンVZF−200)0.57質量部とを、エタノール50質量部に溶解または分散させ、これを消臭剤組成物(固形分:55.3質量%)とした。
【0046】
得られた消臭剤組成物を、基材としての水解性紙(三島製紙社製,ディゾルボ60MDP)の片面に、乾燥後の塗布量が20g/mになるようにナイフコーターによって塗布した。このとき、基材が溶解または崩壊することはなかった。消臭剤組成物の塗布後、100℃で3分間乾燥させ、これを消臭シートとした。
【0047】
〔実施例2〕
高分子Aとしてのビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体20質量部と、第1の無機系消臭剤(東亞合成社製,ケスモンNS−10,ジルコニウム系)20質量部と、第2の無機系消臭剤(東亞合成社製,ケスモンNS−10C,ジルコニウム系)20質量部と、無機系抗菌剤(東亞合成社製,ノバロンVZF−200)0.02質量部とを、エタノール40質量部に溶解または分散させ、これを消臭剤組成物(固形分:60.0質量%)とした。
【0048】
得られた消臭剤組成物を、基材としての水解性紙(三島製紙社製,ディゾルボ60MDP)の片面に、乾燥後の塗布量が20g/mになるようにナイフコーターによって塗布した。このとき、基材が溶解または崩壊することはなかった。消臭剤組成物の塗布後、100℃で3分間乾燥させ、これを消臭シートとした。
【0049】
〔比較例1〕
基材として水解性紙の替わりにクラフト紙(厚さ:100μm)を使用する以外、実施例1と同様にして消臭シートを作成した。
【0050】
〔比較例2〕
第1の無機系消臭剤(東亞合成社製,ケスモンNS−10,ジルコニウム系)10質量部と、第2の無機系消臭剤(東亞合成社製,ケスモンNS−10C,ジルコニウム系)10質量部と、無機系抗菌剤(東亞合成社製,ノバロンVZF−200)0.1質量部とを、水20質量部に分散させ、これを消臭剤組成物(固形分:50質量%)とした。
【0051】
得られた消臭剤組成物を、基材としての水解性紙(三島製紙社製,ディゾルボ60MDP)の片面に、乾燥後の塗布量が20g/mになるようにナイフコーターによって塗布したが、このとき、基材が溶解・崩壊してしまい、消臭シートを得ることはできなかった。
【0052】
〔試験例1〕
実施例1,2および比較例1で得られた消臭シートを10cm×10cmにカットし、水に浸漬した。その結果、実施例1,2で得られた消臭シートは、約10秒で水に溶解・分散し、良好な水解性を有することが確認された。一方、比較例1で得られた消臭シートは、10分経過した後でも水に溶解・分散しなかった。
【0053】
〔試験例2〕
実施例1,2で得られた消臭シートを10cm×10cmにカットし、テスト容器(容量:450ml)に収容した後、テスト容器内にメチルメルカプタンを40ppmとなるように充填・密封し、2時間後のメチルメルカプタンの濃度を検知管(ガステック社製)により測定した。
【0054】
同様にして、テスト容器内に硫化水素を70ppmとなるように充填・密封し、2時間後の硫化水素の濃度を測定した。
【0055】
また、コントロールとして、10cm×10cmにカットした水解性紙自体について、上記と同様の測定を行った。さらに、ブランクとして、テスト容器内に何も収容しない状態で、上記と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 2004358027
【0057】
表1より、実施例1,2で得られた消臭シートは、コントロールおよびブランクと比較して、臭気ガスの濃度を著しく低減させており、消臭効果を発揮していることが分かる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、水解性の基材を溶解または崩壊させることなく、消臭剤の定着性に優れた水解性消臭体を得ることができる。

Claims (10)

  1. 消臭剤と、有機溶媒可溶性でありかつ水溶性である高分子とを含有することを特徴とする消臭剤組成物。
  2. さらに抗菌剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の消臭剤組成物。
  3. さらに有機溶媒を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の消臭剤組成物。
  4. 前記有機溶媒可溶性でありかつ水溶性である高分子が、ビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の消臭剤組成物。
  5. 有機溶媒と、前記有機溶媒に溶解させた、有機溶媒可溶性でありかつ水溶性である高分子と、消臭剤とを含有する消臭剤組成物を、水解性でありかつ耐有機溶媒性を有する基材に塗布または含浸してなる水解性消臭体。
  6. 前記消臭剤組成物は、さらに抗菌剤を含有することを特徴とする請求項5に記載の水解性消臭体。
  7. 水解性でありかつ耐有機溶媒性を有する基材に、有機溶媒可溶性でありかつ水溶性である高分子を介して消臭剤が保持されてなる水解性消臭体。
  8. 前記基材には、前記高分子を介して、さらに抗菌剤が保持されていることを特徴とする請求項7に記載の水解性消臭体。
  9. 前記基材は、カルボキシメチルセルロースおよび/またはその金属塩をバインダーまたは構成繊維とした繊維集合体からなることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の水解性消臭体。
  10. 前記基材は、シート状であることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の水解性消臭体。
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