JP2004316024A - 水解性清掃物品 - Google Patents

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Hiroyuki Akai
弘幸 赤井
Kazuo Mori
一雄 森
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Abstract

【課題】清掃作業に十分に耐え得る湿潤強度を有し、しかも水中へ廃棄することで迅速に繊維レベルまでばらばらに崩壊する水解性清掃物品を提供すること。
【解決手段】空気搬送された繊維を堆積させて得られた繊維ウエブの構成繊維間が高分子バインダによって結合されてなる水解性のシート基材に、有機溶剤及び前記バインダの架橋剤を含有する水性洗浄剤が含浸されてなる水解性清掃物品。前記バインダがカルボキシル基を有するバインダであり、前記架橋剤がアルカリ土類金属、マンガン、亜鉛、コバルト及びニッケルからなる群から選択される1種又は2種以上の金属イオンである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用時には十分な強度があり、廃棄時には僅かな水流によって容易に崩壊する水解性清掃物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は先に、湿式抄造によって製造され且つカルボキシル基を有する水溶性バインダを含有する水解紙に、多価金属イオンと有機溶剤を必須成分として含有する水性清浄薬剤を含浸させてなる水解性清掃物品を提案した(特許文献1参照)。また湿式抄造によって製造され且つポリビニルアルコールをバインダとして含有する水解紙に、水溶性溶剤を含有するホウ酸水溶液を含浸させてなる水解性清掃物品も提案した(特許文献2参照)。これらの水解性清掃物品は、清掃作業に耐え得る強度を有し、しかも良好な水解性も有している。
【0003】
水解性の清掃物品として、生分解性繊維からなる繊維質シート基材に薬液と静菌剤とが含まれている生分解性湿潤シートも知られている(特許文献3参照)。このシートに用いられているシート基材は主として湿式抄造法によって製造される。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−149237号公報
【特許文献2】
特開平3−292924号公報
【特許文献3】
特開平10−195797号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、水解性の清掃物品に要求される性能はますます高くなっており、清掃作業に耐え得る湿潤強度は一層高く、しかも廃棄時の水解性が一層良好である水解性清掃物品が求められている。
【0006】
従って本発明は、清掃作業に十分に耐え得る湿潤強度を有し、しかも水中へ廃棄することで迅速に繊維レベルまでばらばらに崩壊する水解性清掃物品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、空気搬送された繊維を堆積させて得られた繊維ウエブの構成繊維間が高分子バインダによって結合されてなる水解性のシート基材に、有機溶剤及び前記バインダの架橋剤を含有する水性洗浄剤が含浸されてなる水解性清掃物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の水解性清掃物品は水解性のシート基材に水性洗浄剤が含浸されてなるウエットタイプのものであり、一般にシート状の形態をしている。
【0009】
シート基材は、空気搬送された繊維を堆積させて得られた繊維ウエブ、好ましくはエアレイド法によって形成された繊維ウエブ(以下、エアレイドウエブともいう)の構成繊維間が、水溶性高分子バインダによって結合されてなる。エアレイド法は、短繊維を解繊して空気の流れにのせて搬送し、金網又は細孔を有するスクリーンを通過させた後、ワイヤーメッシュ上に落下堆積させてウエブを形成するウエブ製造方法である。形成されたエアレイドウエブには、高分子バインダが塗布などの方法によって施され、該バインダによってエアレイドウエブの構成繊維間が結合される。
【0010】
本発明においては、清掃物品のシート基材の材料として、エアレイドウエブを用いることに大きな特徴を有している。具体的には、エアレイドウエブは、湿式抄造法などの他のウエブ形成方法によって形成されたウエブに比べて嵩高となる。その結果、同じ坪量で比較した場合、エアレイドウエブは、構成繊維間の交点数が、湿式抄造法などの他のウエブ形成方法によって形成されたウエブに比べて少なくなる。また構成繊維の方向が、三次元のランダムな方向となる。従って、エアレイドウエブを材料としている本発明の清掃物品を水中に廃棄すると、交点数が少なく且つ構成繊維の方向が三次元のランダムな方向であることに起因して、繊維レベルでばらばらに崩壊しやすくなる。しかも崩壊までの時間も短くなる。このことは、繊維の交点で水素結合を形成する繊維であるセルロース系繊維を用いた場合に特に顕著となる。
【0011】
清掃用具の具体的な用途にもよるが、エアレイドウエブは、その坪量が30〜150g/m、特に40〜100g/mであることが、十分な強度の確保や清掃作業性の点から好ましい。
【0012】
エアレイドウエブを構成する繊維としては、空気搬送によって堆積させることができる繊維長のものが用いられる。具体的には、繊維長が1〜10mm程度、特に2〜7mm程度の繊維が好ましく用いられる。繊維の種類としては、木材パルプ、非木材パルプ、レーヨン、コットンなどのセルロース系繊維、ポリ乳酸等からなる生分解性繊維等が挙げられる。パルプとしては、通常のパルプの他にマーセル化パルプやカール状に立体捲縮した化学架橋パルプなどを用いることができる。また、これらの繊維を主体として、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、合成パルプ、ガラスウール等を併用してもよい。
【0013】
エアレイドウエブに施される高分子バインダとしては、従来この種の物品に用いられているものを特に制限なく用いることができる。高分子バインダとしては水溶性のもの及び水不溶性のものの双方を用いることができるが、水溶性のものを用いることが好ましい。水溶性高分子バインダとしては、例えばカルボキシル基を有する水溶性バインダ、ポリビニルアルコール、デンプンまたはその誘導体、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルプラン、ポリエチレンオキシド、ビスコース、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸のヒドロキシル化誘導体、ポリビニルピロリドン/ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらのバインダのうち、水解性が良好である点や後述する架橋剤との親和性の点からカルボキシル基を有する水溶性バインダやポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
【0014】
カルボキシル基を有する水溶性バインダは、水中で容易にカルボキシラートを生成するアニオン性の水溶性バインダである。その例としては多糖誘導体、合成高分子、天然物が挙げられる。多糖誘導体としてはカルボキシメチルセルロース又はその塩、カルボキシエチルセルロース又はその塩、カルボキシメチル化デンブン又はその塩などが挙げられ、特にカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が好ましい。合成高分子としては、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩、不飽和カルボン酸と該不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体との共重合体の塩などが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。これらと共重合可能な単量体としては、これら不飽和カルボン酸のエステル、酢酸ビニル、エチレン、アクリルアミド、ビニルエーテルなどが挙げられる。特に好ましい合成高分子は、不飽和カルボン酸としてアクリル酸やメタクリル酸を用いたものであり、具体的にはポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸メタクリル酸共重合体の塩、アクリル酸又はメタクリル酸とアクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキルとの共重合体の塩が挙げられる。天然物としては、アルギン酸ナトリウム、ザンサンガム、ジェランガム、タラガントガム、ペクチンなどが挙げられる。
【0015】
カルボキシル基を有する水溶性バインダのうち特に好ましいものはカルボキシメチルセルロース(以下CMCともいう)のアルカリ金属塩である。CMCはそのエーテル化度が0.8〜1.2、特に0.85〜1.1であることがバインダとしての性能が良好となる点、及び後述する架橋剤との親和性が良好である点から好ましい。同様の理由により、CMCは25℃における1重量%水溶液の粘度が10〜40mPa・s、特に15〜35mPa・sであり、同温度における5重量%水溶液の粘度が2500〜4000mPa・s、特に2700〜3800mPa・sであり、更に60℃における5重量%水溶液の粘度が1200mPa・s以下であることが好ましい。
【0016】
水溶性高分子バインダの他の典型例であるポリビニルアルコール(以下PVAともいう)としては、完全ケン化物及び部分ケン化物の両方を用いることができる。PVAの重合度は、これを粘度で表すと、20℃における4重量%水溶液の粘度が2〜50mPa・s、特に5〜30mPa・s、とりわけ7〜20mPa・sであることがバインダとしての性能が良好となる点、及び後述する架橋剤との親和性が良好である点から好ましい。つまり低重合度ないし中重合度のものを用いることが好ましい。
【0017】
水不溶性の高分子バインダとしては、水不溶性のカルボキシメチルセルロースおよび/またはその塩が挙げられる。その置換度は0.30〜0.60程度であることが好ましい。またそのpHは5.0以上であることが好ましい。
【0018】
高分子バインダをエアレイドウエブへ施す量は、バインダの種類によもよるが、エアレイドウエブの乾燥重量に対して1〜20重量%、特に1〜15重量%であることが、エアレイドウエブの構成繊維間が十分に結合される点、及び得られるシート基材の水解性が十分となる点から好ましい。高分子バインダをエアレイドウエブへ施すには、例えば該バインダの水溶液をエアレイドウエブに塗布した後に乾燥させればよい。
【0019】
このようにして得られた水解性のシート基材はその坪量が31.5〜172.5g/m、特に42〜115g/mであることが、十分な強度の確保や清掃作業性の点から好ましい。
【0020】
得られたシート基材は水解性を有するものでなので、これを水中に廃棄したり或いはこれに水性液を含浸させると容易に崩壊してしまう。そこで本発明においてはシート基材に水性洗浄剤を含浸させてウエットの水解性清掃物品を製造するにあたり、該水性洗浄剤中に前記高分子バインダの架橋剤を含有させておく。架橋剤によって該バインダが架橋して不溶化する結果、少量の水では該バインダが溶解しなくなる。しかし大量の水中に廃棄すれば不溶化していた該バインダが再び水に溶解するようになって、速やかに且つ繊維レベルでばらばらに崩壊する。
【0021】
架橋剤は、高分子バインダの種類に応じて適切なものが用いられる。例えば、バインダが前述したCMCなどのカルボキシル基を有する水溶性バインダである場合には、架橋剤として多価金属イオンを用いることが好ましい。特にアルカリ土類金属、マンガン、亜鉛、コバルト及びニッケルからなる群から選択される1種又は2種以上の金属イオンを用いることが、繊維間が十分に結合されて清掃作業に耐え得る強度が発現する点、及び水解性が十分になる点から好ましい。これらの金属イオンのうち、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、コバルト、ニッケルのイオンを用いることが特に好ましい。但し水溶性高分子バインダとしてカラギーナンやガラクトマンナン等を用いた場合には、カリウムのイオンを用いることが良好な架橋の点から好ましいことがある。
【0022】
金属イオンは、水酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩などの水溶性金属塩の形で水性洗浄剤に添加される。金属イオンは、本発明の水解性清掃物品中に存するバインダにおけるカルボキシル基1モルに対して1/4モル以上、特に1/2モル以上の量となるように添加されることが、十分な架橋反応を起こさせる点から好ましい。
【0023】
一方バインダとして前述したポリビニルアルコールを用いる場合の架橋剤としてはホウ酸を用いることが好ましい。これによってポリビニルアルコールとホウ酸との間に架橋反応が生じ、ポリビニルアルコールが不溶化する。ホウ酸は、水性洗浄剤中に1〜5重量%の濃度で配合されていることが好ましい。特に高重合度のポリビニルアルコールを用いる場合には1〜3重量%、中重合度ないし低重合度のポリビニルアルコールを用いる場合には3〜5重量%の濃度で配合されることが好ましい。
【0024】
水性洗浄剤には、前述した架橋剤に加えて有機溶剤が配合される。この理由は、前記の高分子バインダを含む水解性のシート基材に架橋剤を加えて該バインダを架橋させただけでは、清掃作業に耐え得る十分な強度を有する水解性清掃物品が得られないからである。有機溶剤を併用することによって、高分子バインダと架橋剤との架橋コンプレックスの生成が著しく増大し、そのコンプレックスが不溶化した状態で存在するので、基材シートに含浸される水性洗浄剤中の水の量が多くても、清掃作業に耐え得る十分な強度が発現する。
【0025】
有機溶剤は水溶性の溶剤であることが好ましい。具体的にはエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、これらグリコール類ルとメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールとのモノ又はジエーテル、前記グリコール類と低級脂肪酸とのエステル、グリセリンやソルビトール等の多価アルコールが挙げられる。
【0026】
水性洗浄剤中に有機溶剤を1重量%以上配合すると、水解性清掃物品の湿潤強度の増加が認められる。50重量%超配合すると水溶性汚れに対する清拭除去効果が低下する場合がある。また火気に対する危険性もある。有機溶剤を10重量%以上配合すると、水解性清掃物品の湿潤強度が著しく増加する。これらの観点から、水性洗浄剤中における有機溶剤の配合量は1〜50重量%、特に10〜50重量%であることが好ましい。
【0027】
水性洗浄剤は水を媒体として前述した架橋剤及び有機溶剤が配合されてなるものである。水性洗浄剤にはこれらの成分に加えて必要に応じ界面活性剤、殺菌剤、消臭剤などを配合して、該水性洗浄剤の性能を高めてもよい。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の何れもが用いられ、特に洗浄性と仕上がり性の両立の面から、ポリオキシアルキレン(アルキレンオキサイド付加モル数1〜20)アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エーテル、アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)グリコシド(平均糖縮合度1〜5)、ソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エステル、及びアルキル(炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖)グリセリルエーテル等の非イオン界面活性剤並びにアルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドカルボキシベタイン、アルキルアミドスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン等のアルキル炭素数8〜24の両性界面活性剤が好適に用いられる。
【0028】
水性洗浄剤は、シート基材の重量(乾燥基準)に対して50%〜500重量%、特に100〜500重量%、とりわけ100〜300重量%含浸されることが、十分な清拭効果が発現する点から好ましい。
【0029】
このようにして得られた本発明の水解性清掃物品は、水性洗浄剤が含浸されている程度では水解しないが、大量の水中に廃棄されると速やかに且つ繊維レベルでばらばらに崩壊する。本発明の水解性清掃物品の水解の程度は、JIS P 4501−1993(トイレットペーパー)に規定されるほぐれやすさの値が好ましくは60秒以下、更に好ましくは30秒以下、一層好ましくは20秒以下、更に一層好ましくは10秒以下という極めて低い値となる。この理由は、先に述べた通り、シート基材がエアレイドウエブから構成されていることに起因している。つまり、シート基材が嵩高であり、構成繊維間の交点数が少ないことに起因している。従って、本発明の水解性清掃物品に用いられるシート基材は、従来の水解性清掃物品に用いられているシート基材、即ち湿式抄造法によって得られたシート基材に比べて嵩高、即ち比容積の大きなものとなっている。具体的には本発明の水解性清掃物品に用いられるシート基材の比容積は好ましくは7〜15cm/g、更に好ましくは7〜12cm/gという、従来のものよりも大きな値となっている。
【0030】
シート基材の比容積の測定方法は次の通りである。シート基材に0.3kPaの荷重を加え、その状態での厚みを測定する。また別途、シート基材の坪量を測定する。測定された厚みを坪量で除すことで比容積が算出される。
【0031】
シート基材は何枚も積層して用いることができる。またシートにエンボス加工を施してもよい。更に、使いやすい大きさに切るために、シート基材にミシン目を入れることもできる。
【0032】
本発明の水解性清掃物品は、例えばトイレ、洗面所、台所など水回りの清掃に好適に用いられる。使用後の清掃物品はそのまま水に流して廃棄すればよく、水に流すと速やかに水解するので排水管を詰まらせることはない。本発明の水解性清掃物品を、外出時に使用するウエットティッシュ、メーク落としシート、日焼け止めシート等として用いることもできる。その場合、構成繊維が生分解性のものであれば、使用後に海や川にそのまま流すことも可能である。
【0033】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかし本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
【0034】
〔実施例1〕
針葉樹晒しクラフトパルプ(平均繊維長3mm)を空気搬送し、ワイヤメッシュ上に堆積させて坪量60g/mのエアレイドウエブを得た。このエアレイドウエブに、CMCナトリウム塩(日本製紙製のサンローズ(商品名)、エーテル化度;DS=0.9、25℃での1%水溶液の粘度;30mPa・s、25℃での5%水溶液の粘度;3000mPa・s、60℃での5%水溶液の粘度;800mPa・s)の1%水溶液を噴霧し、次いで乾燥させて坪量63g/mの水解性シート基材を得た。エアレイドウエブの乾燥重量に対するCMCナトリウム塩の塗布量は5%であった。
【0035】
シート基材に、以下の処方(処方Aという)からなる水性洗浄剤を含浸させた。含浸量はシート基材の乾燥重量の2倍とした。このようにして水解性清掃物品を得た。
【0036】
<処方A>
・ドデシルヒドロキシスルホベタイン 0.5%
・ZnSO 3%
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 10%
・エタノール 10%
・水 バランス
【0037】
〔実施例2及び3〕
エアレイドウエブの乾燥重量に対するCMCナトリウム塩の塗布量をそれぞれ10%及び12%とする以外は実施例1と同様にして水解性清掃物品を得た。
【0038】
〔実施例4〕
針葉樹晒しクラフトパルプ(平均繊維長3mm)を空気搬送し、ワイヤメッシュ上に堆積させて坪量60g/mのエアレイドウエブを得た。このエアレイドウエブに、ポリビニルアルコール(クラレ製のPVA−110(商品名)、中重合度品)の1%水溶液を噴霧し、次いで乾燥させて坪量61.8g/mの水解性シート基材を得た。エアレイドウエブの乾燥重量に対するポリビニルアルコールの塗布量は3%であった。シート基材に、以下の処方(処方Bという)からなる水性洗浄剤を含浸させた。含浸量はシート基材の乾燥重量の2倍とした。このようにして水解性清掃物品を得た。
【0039】
<処方B>
・ドデシルヒドロキシスルホベタイン 0.5%
・ホウ酸 3%
・ポリエチレングリコール−400(PEG−400) 10%
・水 バランス
【0040】
〔実施例5〕
エアレイドウエブの乾燥重量に対するポリビニルアルコールの塗布量を5%とする以外は実施例4と同様にして水解性清掃物品を得た。
【0041】
〔比較例1及び2〕
繊維シートの乾燥重量に対するCMCナトリウム塩の塗布量を表1に示す通りとし、且つ水性洗浄剤として同表に示す処方のものを用いる以外は実施例1と同様にして水解性清掃物品を得た。なお、処方C及び処方Dは以下の通りである。
【0042】
<処方C>
・ドデシルヒドロキシスルホベタイン 0.5%
・ZnSO 3%
・水 バランス
【0043】
<処方D>
・ドデシルヒドロキシスルホベタイン 0.5%
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 10%
・エタノール 5%
・水 バランス
【0044】
〔比較例3〕
木材パルプを湿式抄紙し、坪量63g/mの紙を得た。実施例1におけるエアレイドウエブに代えてこの紙を用いる以外は実施例1と同様にして水解性清掃物品を得た。
【0045】
〔比較例4〕
木材パルプを湿式抄紙し、坪量66g/mの紙を得た。実施例1におけるエアレイドウエブに代えてこの紙を用い且つこの紙の乾燥重量に対するCMCナトリウム塩の塗布量を10%とする以外は実施例1と同様にして水解性清掃物品を得た。
【0046】
〔比較例5〕
以下の処方Eの洗浄剤を含浸させた以外は実施例5と同様にして水解性清掃物品を得た。
<処方E>
・ドデシルヒドロキシスルホベタイン 0.5%
・ポリエチレングリコール−400(PEG−400) 20%
・水 バランス
【0047】
〔比較例6〕
木材パルプを湿式抄紙し、坪量63g/mの紙を得た。実施例5におけるエアレイドウエブに代えてこの紙を用いる以外は実施例5と同様にして水解性清掃物品を得た。
【0048】
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた水解性清掃物品について、先に述べた方法でシート基材の厚み及び比容積を測定した。また次の方法で水解性清掃物品の乾燥強度及び湿潤強度を測定した。更に次の方法で水解性清掃物品の水解性を評価した。これらの結果を表1に示す
【0049】
〔乾燥強度の測定〕
水解性清掃物品を乾燥させて水分を除去した。次いで幅25mm、長さ100mmの短冊状に裁断して測定片を作製した。測定片をテンシロン引張試験機(オリエンテック社製のRTM−25(商品名)にチャック間距離50mmで取り付けた。試験片を300mm/minの速度で引っ張り、破断時の強度を測定し、その値を乾燥強度とした。測定はMD及びCDの両方向について行った。
【0050】
〔湿潤強度の測定〕
湿潤状態の水解性清掃物品そのものを用いて、前述の乾燥強度の測定と同様の方法で測定を行った。湿式強度は、洗浄剤が含浸された水解性清掃物品を使用した場合に、使用中に該清掃物品が裂けたり破れたりしないための目安である。湿潤強度はMD及びCDの何れの方向においても100cN/25mm以上であることが必要である。
【0051】
〔水解性の評価〕
JIS P 4501−1993に準じて行った。300mlのビーカーに水を入れ、撹拌子(NALGENE製のスターヘッド 35mmφ×12mm)を600±10rpmの回転数で回転させ水を撹拌する。7cm×7cmの大きさに裁断した水解性清掃物品を水中に投入する。これによって撹拌子の回転数が低下する。水解性清掃物品の水解と共に撹拌子の回転数は上昇し始める。撹拌子の回転数が540rpmになるまでの時間を測定し、その値をほぐれやすさの値とする。また、水解性清掃物品を水中に投入して撹拌子の回転数が540rpmになったときの該清掃物品の状態を肉眼で観察し以下の基準で崩壊の程度を評価した。
○:シート形態が無くなり繊維レベルまで崩壊した。
△:シート形態が崩れ大きな断片になる。
×:シート形態が変化しない。
【0052】
【表1】
Figure 2004316024
【0053】
表1に示す結果から明らかなように、実施例の水解性清掃物品(本発明品)は、乾燥強度及び湿潤強度が高く、これと同時に速やかに水解して且つ繊維レベルまでばらばらに崩壊することが判る。比較例1の清掃物品は洗浄剤に有機溶剤が配合されていないので湿潤強度が大きく低下してしまう。比較例2及び5の清掃物品は洗浄剤に架橋剤が配合されていないので、やはり湿潤強度が大きく低下してしまう。比較例3、4及び6の清掃物品は湿式抄造紙を用いていることから構成繊維間の交点数が多く、その結果水解性に劣ることが判る。
【0054】
【発明の効果】
本発明の水解性清掃物品は、清掃作業に十分に耐え得る湿潤強度を有し、しかも廃棄時の水解性が極めて良好なものである。

Claims (5)

  1. 空気搬送された繊維を堆積させて得られた繊維ウエブの構成繊維間が高分子バインダによって結合されてなる水解性のシート基材に、有機溶剤及び前記バインダの架橋剤を含有する水性洗浄剤が含浸されてなる水解性清掃物品。
  2. 前記バインダがカルボキシル基を有するバインダであり、前記架橋剤がアルカリ土類金属、マンガン、亜鉛、コバルト及びニッケルからなる群から選択される1種又は2種以上の金属イオンである請求項1記載の水解性清掃物品。
  3. 前記バインダがポリビニルアルコールであり、前記架橋剤がホウ酸である請求項1記載の水解性清掃物品。
  4. JIS P 4501−1993(トイレットペーパー)に規定されるほぐれやすさの値が60秒以下である請求項1〜3の何れかに記載の水解性清掃物品。
  5. 前記シート基材の比容積が7〜15cm/gである請求項1〜4の何れかに記載の水解性清掃物品。
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