JP2004356431A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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弘明 中岡
Kentaro Nakanishi
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博之 海本
Atsuhiro Kajitani
敦宏 柁谷
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Abstract

【課題】微細化され、ゲート電極中の不純物のチャネル領域への侵入とゲート電極の空乏化とを共に抑制しうる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ゲート電極20,21に注入された不純物の活性化のための第1の熱処理として、ポリシリコンの各結晶粒内へのボロンの拡散はほとんど生じることがなく、かつ、結晶粒界におけるボロンの拡散が生じるような低温長時間の熱処理を行なう。次に、第2の熱処理として、ポリシリコン層中の各グレイン内への不純物の拡散が生じるような高温短時間の熱処理、スパイクアニール,フラッシュアニール等を行なう。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリシリコン膜を含むゲート電極を備えた半導体装置及びその製造方法に係り、特に、ゲート電極の特性改善対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置,特にMISトランジスタ(MISFET)の高性能化,低消費電力化が要求されており、半導体装置の高性能化,低消費電力化のためには、オフリーク電流の低減,短チャネル効果の抑制が効果的である。そこで、Nチャネル型MISFETと、Pチャネル型MISFETとで、導電型が相異なる不純物(ドーパント)を含むゲート電極を備えたデュアルゲート構造を有する半導体装置が採用されている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
図7(a)〜図8(d)は、デュアルゲート構造を有する従来の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0004】
まず、図7(a)に示す工程で、P型の半導体基板上101に、表面領域を複数の活性領域に区画する分離領域102を形成した後、図7(b)に示す工程で、しきい値調整のための不純物注入と、ウエル形成用の不純物注入とを行ない、Nチャネル型MISFET用の活性領域(NMISFET形成領域Rnt)であるPウエル104と、、Pチャネル型MISFET用の活性領域(PMISFET形成領域Rpt)であるNウエル105とを形成する。
【0005】
次に、図7(c)に示す工程で、各ウエル104,105上へのゲート絶縁膜106の形成と、ゲート絶縁膜106上へのポリシリコン膜107の堆積とを行なう。その後、PMISFET形成領域Rptを覆うレジスト膜108を形成した後、レジスト膜108をマスクとして、ポリシリコン膜107のうちNMISFET形成領域Rntに位置する部分にN型不純物であるリンイオン(P )を注入する。
【0006】
また、図7(d)に示す工程で、NMISFET形成領域Rntを覆うレジスト膜109をマスクとして、ポリシリコン膜107のうちPMISFET形成領域Rptに位置する部分にP型不純物であるボロンイオン(B )を注入する。
【0007】
次に、図7(e)に示す工程で、ポリシリコン膜107をパターニングして、Nチャネル型MISFETのゲート電極110と、Pチャネル型MISFETのゲート電極111とを形成する。なお、このとき、ゲート絶縁膜106は、そのまま残っていてもよいし、図7(e)に示すごとくゲート電極110,111と同じ形状にパターニングされてもよい。
【0008】
次に、図7(f)に示す工程で、NMISFET形成領域Rntを覆うレジスト膜112及びゲート電極111をマスクとして、Nウエル105内へのフッ化ボロンイオン(BF )の注入を行なって、PMISFETのLDD領域又はエクステンション領域となる低濃度不純物拡散領域113を形成する。
【0009】
次に、図8(a)に示す工程で、PMISFET形成領域Rptを覆うレジスト膜114及びゲート電極110をマスクとして、Pウエル104内へのリンイオン(P )の注入を行なって、NMISFETのLDD領域又はエクステンション領域となる低濃度不純物拡散領域115を形成する。
【0010】
次に、図8(b)に示す工程で、基板上にシリコン酸化膜,シリコン窒化膜等の絶縁膜を堆積した後、絶縁膜のエッチバックを行なうことにより、各MISFETの各ゲート電極110,111の側面を覆うサイドウォール116を形成する。
【0011】
次に、図8(c)に示す工程で、NMISFET形成領域Rntを覆うレジスト膜117,ゲート電極111及びサイドウォール116をマスクとして、Nウエル105内へのフッ化ボロンイオン(BF )の注入を行なって、PMISFETのソース・ドレイン領域となる高濃度不純物拡散領域118を形成する。
【0012】
次に、図8(d)に示す工程で、PMISFET形成領域Rptを覆うレジスト膜119,ゲート電極110及びサイドウォール116をマスクとして、Pウエル104内への砒素イオン(As )の注入を行なって、NMISFETのソース・ドレイン領域となる高濃度不純物拡散領域120を形成する。
【0013】
その後、図8(e)に示す工程で、ゲート電極110,111,不純物拡散領域113,115,118,120に注入された不純物(ドーパント)の活性化のためのRTA処理(高温短時間の熱処理)を行なう。このときの熱処理条件は、例えば1050℃,10sec程度である。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−275788号公報(要約書)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
デュアルゲート構造を有する半導体装置においては、ゲート電極にはイオン注入によって不純物が導入され、各チャネル型MISFETにおいて、ゲート電極中で不純物が十分活性化され、かつ、できるだけゲート電極の下部まで不純物が拡散していることが望まれる。
【0016】
一方、ゲート電極中の不純物の分布状態やプロセス条件によっては、ゲート電極中の不純物(特にボロン)がゲート絶縁膜を通過してチャネル領域に侵入する現象(いわゆる突き抜け)が生じ、MISFETのしきい値電圧の変動などの不具合をもたらすことがある。反面、チャネル領域への不純物の侵入を防止するために、ゲート電極中の不純物量を抑制すると、ゲート電極の空乏化による飽和電流値の低下が問題となる。MISFETの微細化の進行につれて、ゲート絶縁膜の厚みが3nmよりも薄くなってくると、ゲート電極中の不純物のチャネル領域への侵入とゲート電極の空乏化とを併せて回避することが次第に困難になってきている。
【0017】
例えば、上記従来の半導体装置の製造方法では、ゲート電極中への不純物を導入すればゲート電極の空乏化を抑制することが容易であるが、ゲート電極中の不純物量を多くすると、後工程(例えばサイドウォール形成時のCVDや不純物活性化のための熱処理)の際にゲート電極からチャネル領域に不純物が侵入するという不具合が生じうる。
【0018】
そこで、ポリシリコン膜の形成時には、不純物(特にボロン)のイオン注入は行なわず、図8(c)に示す高濃度不純物拡散領域118形成のためのイオン注入工程の際に、同時にゲート電極111内にボロンを導入する方法もある。しかし、この方法では、ゲート電極111の空乏化を防ぐために不純物のドーズ量を増やすと、ドーズ量を増やしたことにより高濃度不純物拡散領域118が深くなりすぎて、短チャネル効果が生じやすくなる。この短チャネル効果を抑制するために、不純物活性化のための熱処理時間を短縮すると、ゲート電極111中の不純物が十分にゲート絶縁膜付近まで(つまり、ゲート電極111の下部にまで)拡散しないため、結局、ゲート電極111の空乏化によってMISFETの駆動力は低下する。
【0019】
本発明の目的は、ポリシリコン層を含むゲート電極を備え、トランジスタが微細化されたときにも、ゲート電極中の不純物のチャネル領域への侵入とゲート電極の空乏化とを共に抑制しうる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリシリコン内の拡散が2種類あることに着目したもので、第1種の拡散は、シリコン結晶粒内の拡散(シリコン基板中と同じ)であり、第2種の拡散は、各結晶粒の粒界に沿って行なわれる拡散である。第1種の拡散は、通常のシリコン基板内の拡散と同様に、比較的高温でないと進行しない。第2種の拡散は、比較的低温で拡散し、拡散速度も第1種の拡散に比べて速い。
【0021】
そこで、本発明の半導体装置の製造方法は、ゲート電極,ソース・ドレイン領域を形成した後に、低温長時間の第1の熱処理を行なう工程と、高温短時間の第2の熱処理を行なう工程とを含んでいる。
【0022】
この方法により、第1の熱処理によって不純物(ドーパント)がゲート電極中の粒界を拡散して、ゲート電極の下面付近に達するが、粒界だけなのでゲート電極の下面付近の不純物濃度は比較的低い。その後、第2の熱処理により、不純物が粒界からゲート電極中の各結晶粒内に比較的均一に拡散する。したがって、ゲート電極の空乏化と、ゲート電極中の不純物の活性領域(チャネル領域)への侵入(突き抜け)とを併せて抑制することができ、駆動力の高い,かつしきい値電圧の安定したトランジスタを得ることができる。
【0023】
特に、ゲート電極がP型不純物(ボロン)を含む場合に、ゲート電極中の不純物のチャネル領域への侵入が問題となる。そして、シリコン膜をパターニングする前にはP型不純物のイオン注入を行なわずに、PMISFETのソース・ドレイン領域形成のためのイオン注入の際に、PMISFETのゲート電極にP型不純物を導入することにより、ソース・ドレイン形成前の熱処理を経ることによって、ゲート電極中の不純物がチャネル領域に侵入するのを確実に抑制することができる。
【0024】
第1の熱処理を、550℃よりも高く650℃よりも低い温度,10sec以上の時間の条件で行ない、第2の熱処理を、1000℃よりも高く1100℃よりも低い温度,10secよりも短時間の条件で行なうことが好ましい。
【0025】
ゲート電極を、グレインサイズの大きいポリシリコンからなる下部ゲート電極と、下部ゲート電極よりもグレインサイズの小さいポリシリコンからなる少なくとも1層の上部ゲート電極とによって構成することにより、第1の熱処理による下部ゲート電極中の不純物の拡散を抑制することができるので、ゲート電極中の不純物のチャネル領域への侵入を効果的に抑制することができる。
【0026】
その場合、シリコン膜を、アモルファスシリコンからなる下部シリコン膜と、ポリシリコンからなる少なくとも1つのポリシリコン膜とを含む多層構造にすることが好ましい。
【0027】
そして、下部シリコン膜の厚さは、第2の熱処理により上記ソース・ドレイン領域の上記高濃度不純物拡散領域が拡大する寸法よりも厚く、上部シリコン膜の厚さよりも小さいことにより、ゲート電極中の不純物のチャネル領域への侵入をより効果的に抑制することができる。下部シリコン膜の厚さは、20nm以上で50nm以下の範囲が適正範囲である。
【0028】
本発明の半導体装置は、グレインサイズの大きいポリシリコンからなる下部ゲート電極と、グレインサイズの小さいポリシリコンからなる少なくとも1層の上部ゲート電極とからなるゲート電極を備えている。
【0029】
これにより、不純物(ドーパント)がゲート電極中の粒界を拡散するような第1の熱処理と、不純物が粒界からゲート電極中の各結晶粒内に比較的均一に拡散する第2の熱処理とを行なうことによって、ゲート電極の空乏化と、ゲート電極中の不純物の活性領域(チャネル領域)への侵入(突き抜け)とを併せて抑制することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1(a)〜図2(e)は、第1の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。本実施形態では、単層ポリシリコンゲート構造,かつ,デュアルゲート構造を有する半導体装置の製造工程について説明する。
【0031】
まず、図1(a)に示す工程で、P型の半導体基板(シリコン基板)11に、表面領域を複数の活性領域に区画する分離領域12を形成した後、図1(b)に示す工程で、しきい値調整のための不純物注入と、ウエル形成用の不純物注入とを行ない、Nチャネル型MISFET用の活性領域(NMISFET形成領域Rnt)であるPウエル14と、、Pチャネル型MISFET用の活性領域(PMISFET形成領域Rpt)であるNウエル15とを形成する。
【0032】
次に、図1(c)に示す工程で、各ウエル14,15上へのゲート絶縁膜16の形成と、ゲート絶縁膜16上へのポリシリコン膜17の堆積とを行なう。このとき、ゲート絶縁膜16の厚さは、例えば2nm程度である。ポリシリコン膜17の厚さは、例えば160nm程度である。その後、PMISFET形成領域Rptを覆うレジスト膜18を形成した後、レジスト膜18をマスクとして、ポリシリコン膜17のうちNMISFET形成領域Rntに位置する部分にN型不純物であるリンイオン(P )を、注入エネルギー10keV,ドーズ量8×1015・cm−2の条件で注入する。
【0033】
ここで、本実施形態においては、ポリシリコン膜17へのボロンのドープは行なわず、後述するソース・ドレイン領域形成のためのイオン注入の際にゲート電極にボロンを注入する。
【0034】
次に、図1(d)に示す工程で、ポリシリコン膜17をパターニングして、Nチャネル型MISFETのゲート電極20と、Pチャネル型MISFETのゲート電極21とを形成する。なお、このとき、ゲート絶縁膜16は、そのまま残っていてもよいし、図1(d)に示すごとくゲート電極20,21と同じ形状にパターニングされてもよい。MISFETには、ゲート長の短い高速用MISFETや、ゲー長の長い低リーク用MISFETなど、複数種類があり、ゲート電極20,21の長さにも何種類かある。たとえば、高速用のMISFETのゲート電極のゲート長は65nm程度であり、低リーク用のMISFETのゲート電極のゲート長は90nm程度である。
【0035】
次に、図1(e)に示す工程で、NMISFET形成領域Rntを覆うレジスト膜22及びゲート電極21をマスクとして、Nウエル15内にボロンイオン(B )を、注入エネルギー0.5keV,ドーズ量4×1014・cm−2の条件で注入して、PMISFETのLDD領域又はエクステンション領域となる低濃度不純物拡散領域23を形成する。
【0036】
次に、図1(f)に示す工程で、PMISFET形成領域Rptを覆うレジスト膜24及びゲート電極20をマスクとして、Pウエル14内に砒素イオン(As )を、注入エネルギー5keV,ドーズ量8×1014・cm−2の条件で注入して、NMISFETのLDD領域又はエクステンション領域となる低濃度不純物拡散領域25を形成する。
【0037】
次に、図2(a)に示す工程で、基板上にシリコン酸化膜,シリコン窒化膜等の絶縁膜を堆積した後、絶縁膜のエッチバックを行なうことにより、各MISFETの各ゲート電極20,21の側面を覆うサイドウォール26を形成する。
【0038】
次に、図2(b)に示す工程で、NMISFET形成領域Rntを覆うレジスト膜27,ゲート電極21及びサイドウォール26をマスクとして、Nウエル15内にボロンイオン(B )を、注入エネルギー3keV,ドーズ量5×1015・cm−2の条件で注入して、PMISFETのソース・ドレイン領域となる高濃度不純物拡散領域28を形成する。このとき、PMISFETのゲート電極21内に、P型不純物であるボロンが導入される。
【0039】
次に、図2(c)に示す工程で、PMISFET形成領域Rptを覆うレジスト膜29,ゲート電極20及びサイドウォール26をマスクとして、Pウエル14内に砒素イオン(As )を、注入エネルギー50keV,ドーズ量4×1015・cm−2の条件で注入して、NMISFETのソース・ドレイン領域となる高濃度不純物拡散領域30を形成する。
【0040】
次に、図2(d)に示す工程で、ゲート電極20,21に注入された不純物(ドーパント)の活性化のための低温長時間の熱処理(第1の熱処理)を行なう。このときの条件は、温度が600℃〜675℃の範囲で、熱処理におけるピーク温度での保持時間は、例えば600℃の条件では1Hr程度、例えば650℃の条件では30min程度が好ましい。このような条件下での熱処理では、PMISFETのゲート電極21内では、ポリシリコンの各結晶粒内へのボロンの拡散はほとんど生じることがなく、かつ、結晶粒界におけるボロンの拡散が生じる。したがって、半導体基板11(単結晶)内ではボロンの拡散はほとんど生じない。なお、温度550℃での熱処理によっては、結晶粒界においても、ボロンの拡散はほとんど生じないので、550℃よりも高温で熱処理することが好ましい。温度650℃での熱処理によっては、ある程度結晶粒内へのボロンの拡散が生じることがわかっている。加熱方法は、電気炉における加熱,ランプによる加熱などがあり、どのような方法であってもかまわない。
【0041】
次に、図2(e)に示す工程で、ゲート電極20,21,不純物拡散領域23,25,28,30に注入された不純物(ドーパント)の活性化のための高温短時間の熱処理(第2の熱処理)を行なう。このときの条件は、温度1050℃〜1075℃の範囲で、ピーク温度での保持時間が0であるか、あっても実質的に0であることが好ましい。このような条件下での熱処理により、ポリシリコン層中の各結晶粒内への不純物の拡散や、半導体基板(単結晶)内での不純物の拡散が生じる。このような熱処理として、ピーク温度での保持時間が0又は実質的に0であるスパイクアニール,フラッシュアニール,レーザーアニールと呼ばれる方法を採用することが好ましい。第2の熱処理は、1000℃よりも高く1100℃よりも低い温度で、10secよりも短時間の間行なうことが好ましい。
【0042】
なお、図2(e)に示す工程の後で、層間絶縁膜の形成と、配線層の形成とを交互に繰り返して、多層配線層が形成されるが、多層配線層の形成は公知の多種多様の方法によって行なうことができ、いずれの方法を用いてもよいので、本実施形態においては、多層配線層の形成工程の図示及び説明は省略する。
【0043】
本実施形態の半導体装置の製造方法によると、不純物活性化のために第1,第2の熱処理を行なうことにより、以下のような作用が得られる。
【0044】
まず、図2(d)に示す低温長時間の第1の熱処理により、PMISFETのゲート電極21内のボロンが結晶粒界を通ってゲート電極21におけるゲート絶縁膜16との境界付近の領域まで拡散する。このときの熱処理温度が600℃〜675℃の範囲であれば、結晶粒内や半導体基板11(単結晶)内でのボロンの拡散は実質的に無視しうる。
【0045】
そして、図2(e)に示す高温短時間の第2の熱処理により、結晶粒界から各結晶粒内にボロンが拡散し、ゲート電極21中でのボロンの活性化が十分に行なわれる。したがって、図2(b)に示す工程におけるボロンのイオン注入の際のドーズ量を特別多くしなくても、PMISFETの駆動力の低下を抑制することができる。
【0046】
また、図2(e)に示す高温短時間の第2の熱処理により、半導体基板11中でのボロンの拡散が生じるので、PMISFETの低濃度不純物拡散領域23及び高濃度不純物拡散領域28中でもボロンが拡散して、ボロンの活性化が行なわれる。しかし、図2(b)に示す工程におけるボロンのイオン注入の際のドーズ量を特別多くする必要もないので、PMISFETの高濃度不純物拡散領域28が拡大しすぎることもない。第2の熱処理におけるボロンの拡散による高濃度不純物拡散領域28の拡大量は、本実施形態では20〜30nmの範囲である。
【0047】
なお、第1の熱処理により、ゲート電極21の結晶粒界を通ってゲート電極21の下面付近までボロンが達しているが、各結晶粒内までボロンが拡散しているわけではないので、ゲート電極21の下面付近の領域のボロン濃度はそれほど高くない。したがって、短時間の第2の熱処理により、ゲート電極21中のボロンがゲート絶縁膜16を通過して半導体基板11のチャネル領域に侵入するのを効果的に抑制することができる。よって、このボロンのいわゆる突き抜けに起因するPMISFETのしきい値電圧の変動はないか、あっても無視しうる程度に小さい。
【0048】
それに対し、従来の方法のごとく、1回の熱処理によってゲート電極内に注入された不純物を活性化する場合には、ある程度の時間をかけてゲート電極の上部に注入された不純物をゲート電極の下面付近の領域の各結晶粒内に拡散させる必要があるので、その間に、結晶粒界を不純物が高速で拡散して、ゲート絶縁膜を通過してチャネル領域に侵入する確率が高くなる。
【0049】
したがって、本実施形態の半導体装置の製造方法により、トランジスタが微細化されたときにも、ポリシリコン層を含むゲート電極中の不純物のチャネル領域への侵入とゲート電極の空乏化とをいずれも抑制することができ、駆動力の高い,しきい値電圧が安定したトランジスタを備えた半導体装置が得られる。
【0050】
なお、本実施形態においては、ポリシリコン単層からなるゲート電極を備えた半導体装置の製造方法について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、ポリサイド構造のゲート電極であってもよい。その場合、ゲート電極の上部のシリサイド化は、ゲート電極形成後に公知のサリサイドプロセスを用いて行なうことができる。
【0051】
(第2の実施形態)
図3(a)〜図4(e)は、第2の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図である。本実施形態では、2層ポリシリコンゲート構造,かつ,デュアルゲート構造を有する半導体装置の製造工程について説明する。
【0052】
まず、図3(a)に示す工程で、P型の半導体基板11(シリコン基板)に、表面領域を複数の活性領域に区画する分離領域12を形成した後、図3(b)に示す工程で、しきい値調整のための不純物注入と、ウエル形成用の不純物注入とを行ない、Nチャネル型MISFET用の活性領域(NMISFET形成領域Rnt)であるPウエル14と、、Pチャネル型MISFET用の活性領域(PMISFET形成領域Rpt)であるNウエル15とを形成する。
【0053】
次に、図3(c)に示す工程で、各ウエル14,15上へのゲート絶縁膜16の形成と、ゲート絶縁膜16上への下部シリコン膜17a及び上部シリコン膜17bの形成とを行なう。このとき、ゲート絶縁膜16の厚さは、例えば2nm程度である。下部シリコン膜17aの厚さは例えば80nm程度である。下部シリコン膜としてアモルファスシリコン膜を形成した場合、アモルファスシリコン膜は、その後、サイドウォール形成工程などの熱履歴を経ると、グレインサイズ(結晶粒の平均粒径)が例えば0.4μm程度に大きいポリシリコン膜に変化する。ただし、下部シリコン膜17aとして、グレインサイズの大きいポリシリコン膜を堆積してもよい。上部シリコン膜17bはグレインサイズの小さいポリシリコンからなる。上部シリコン膜17bの厚さは例えば80nm程度であり、上部シリコン膜17bを構成するポリシリコン中のグレインサイズは例えば25nm程度であって、下部シリコン膜17aのグレインサイズよりもはるかに小さい。その後、PMISFET形成領域Rptを覆うレジスト膜18を形成した後、レジスト膜18をマスクとして、上部シリコン膜17bのうちNMISFET形成領域Rntに位置する部分にN型不純物であるリンイオン(P )を、注入エネルギー10keV,ドーズ量8×1015・cm−2の条件で注入する。
【0054】
ここで、本実施形態においては、上部シリコン膜17bへのボロンのドープは行なわず、後述するソース・ドレイン領域形成のためのイオン注入の際にゲート電極にボロンを注入する。
【0055】
次に、図3(d)に示す工程で、下部シリコン膜17a及び上部シリコン膜17bをパターニングして、Nチャネル型MISFETのゲート電極20と、Pチャネル型MISFETのゲート電極21とを形成する。NMISFETのゲート電極20は、グレインサイズの大きいポリシリコンからなる下部ゲート電極20aと、グレインサイズが小さいポリシリコンからなる上部ゲート電極20bとを有している。PMISFETのゲート電極21は、グレインサイズの大きいポリシリコンからなる下部ゲート電極21aと、グレインサイズが小さいポリシリコンからなる上部ゲート電極21bとを有している。ただし、各下部ゲート電極20a,21aは、通常のプロセス条件下では、図3(d)に示す時点でアモルファスシリコン層である可能性が大きいが、その後、サイドウォール形成時などの高温処理工程を経ると、グレインサイズの大きいポリシリコン層になる。なお、このとき、ゲート絶縁膜16は、そのまま残っていてもよいし、図3(d)に示すごとくゲート電極20,21と同じ形状にパターニングされてもよい。第1の実施形態と同様に、たとえば、高速用のMISFETのゲート電極のゲート長は65nm程度であり、低リーク用のMISFETのゲート電極のゲート長は90nm程度である。
【0056】
次に、図3(e)に示す工程で、NMISFET形成領域Rntを覆うレジスト膜22及びゲート電極21をマスクとして、Nウエル15内にボロンイオン(B )を、注入エネルギー0.5keV,ドーズ量4×1014・cm−2の条件で注入して、PMISFETのLDD領域又はエクステンション領域となる低濃度不純物拡散領域23を形成する。
【0057】
次に、図3(f)に示す工程で、PMISFET形成領域Rptを覆うレジスト膜24及びゲート電極20をマスクとして、Pウエル14内に砒素イオン(As )を、注入エネルギー5keV,ドーズ量8×1014・cm−2の条件で注入して、NMISFETのLDD領域又はエクステンション領域となる低濃度不純物拡散領域25を形成する。
【0058】
次に、図4(a)に示す工程で、基板上にシリコン酸化膜,シリコン窒化膜等の絶縁膜を堆積した後、絶縁膜のエッチバックを行なうことにより、各MISFETの各ゲート電極20,21の側面を覆うサイドウォール26を形成する。
【0059】
次に、図4(b)に示す工程で、NMISFET形成領域Rntを覆うレジスト膜27,ゲート電極21及びサイドウォール26をマスクとして、Nウエル15内にボロンイオン(B )を、注入エネルギー3keV,ドーズ量5×1015・cm−2の条件で注入して、PMISFETのソース・ドレイン領域となる高濃度不純物拡散領域28を形成する。このとき、PMISFETのゲート電極21内に、P型不純物であるボロンが導入される。
【0060】
次に、図4(c)に示す工程で、PMISFET形成領域Rptを覆うレジスト膜29,ゲート電極20及びサイドウォール26をマスクとして、Pウエル14内に砒素イオン(As )を、注入エネルギー50keV,ドーズ量4×1015・cm−2の条件で注入して、NMISFETのソース・ドレイン領域となる高濃度不純物拡散領域120を形成する。
【0061】
次に、図4(d)に示す工程で、ゲート電極20,21に注入された不純物(ドーパント)の活性化のための低温長時間の熱処理(第1の熱処理)を行なう。このときの条件は、温度が600℃〜675℃の範囲で、熱処理におけるピーク温度での保持時間は、例えば600℃の条件では1Hr程度、例えば650℃の条件では30min程度が好ましい。このような条件下での熱処理では、PMISFETのゲート電極21内では、ポリシリコンの各結晶粒内へのボロンの拡散はほとんど生じることがなく、かつ、結晶粒界におけるボロンの拡散が生じる。したがって、半導体基板11内ではボロンの拡散はほとんど生じない。なお、温度550℃での熱処理によっては、結晶粒界においても、ボロンの拡散はほとんど生じない。温度650℃での熱処理によっては、ある程度結晶粒内へのボロンの拡散が生じることがわかっている。加熱方法は、電気炉における加熱,ランプによる加熱などがあり、どのような方法であってもかまわない。
【0062】
次に、図4(e)に示す工程で、ゲート電極20,21,不純物拡散領域23,25,28,30に注入された不純物(ドーパント)の活性化のための高温短時間の熱処理(第2の熱処理)を行なう。このときの条件は、温度1050℃〜1075℃の範囲で、ピーク温度での保持時間が0か、あっても実質的に0であることが好ましい。このような熱処理として、スパイクアニール,フラッシュアニール,レーザーアニールと呼ばれる方法を採用することが好ましい。
【0063】
なお、図4(e)に示す工程の後で、層間絶縁膜の形成と、配線層の形成とを交互に繰り返して、多層配線層が形成されるが、多層配線層の形成は公知の多種多様の方法によって行なうことができ、いずれの方法を用いてもよいので、本実施形態においては、多層配線層の形成工程の図示及び説明は省略する。
【0064】
図5は、本実施形態の製造方法によって形成された半導体装置の断面図である。同図に示すように、本実施形態の半導体装置は、分離領域12によって囲まれる活性領域にそれぞれ設けられたNMISFETとPMISFETとを備えている。NMISFETは、半導体基板11(シリコン基板)の一部に形成されたPウエル14と、Pウエル14上に形成されたゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16上に形成されたゲート電極20と、ゲート電極20の側面を覆うサイドウォール26と、Pウエル14のうちゲート電極20の両側に位置する領域に形成された低濃度不純物拡散領域25及び高濃度不純物拡散領域30からなるソース・ドレイン領域とを備えている。
【0065】
そして、NMISFETのゲート電極20は、グレインサイズの大きいポリシリコンからなる下部ゲート電極20aと、グレインサイズが小さいポリシリコンからなる上部ゲート電極20bとを有している。PMISFETのゲート電極21は、グレインサイズの大きいポリシリコンからなる下部ゲート電極21aと、グレインサイズが小さいポリシリコンからなる上部ゲート電極21bとを有している。
【0066】
本実施形態の半導体装置の製造方法によると、不純物活性化のために第1,第2の熱処理を行なうことにより、以下のような作用が得られる。
【0067】
まず、図4(d)に示す低温長時間の第1の熱処理により、PMISFETのゲート電極21のうち小さなグレインサイズを有する上部ゲート電極21b内のボロンが結晶粒界を通って、下部ゲート電極21aの上面部に達する。このとき、下部ゲート電極21bのグレインサイズは非常に大きいことから、結晶粒界が少ないので、下部電極21b内でのボロンの拡散はあまり進行しない。したがって、下部ゲート電極21aの下面付近の領域(ゲート絶縁膜16との境界付近の領域)にはほとんどボロンは拡散していない。つまり、このときの熱処理温度が600℃〜675℃の範囲であれば、上部ゲート電極21bの結晶粒,下部ゲート電極21a,半導体基板11(単結晶)内でのボロンの拡散は実質的に無視しうる。
【0068】
そして、図4(e)に示す高温短時間の第2の熱処理により、上部ゲート電極21b及び下部ゲート電極21aの各結晶粒界から結晶粒内にボロンが拡散し、ゲート電極21中でのボロンの活性化が十分に行なわれる。したがって、図4(b)に示す工程におけるボロンのイオン注入の際のドーズ量を特別多くしなくても、PMISFETの駆動力の低下を抑制することができる。
【0069】
また、図4(e)に示す高温短時間の第2の熱処理により、半導体基板11(単結晶)中でのボロンの拡散が生じるので、PMISFETの低濃度不純物拡散領域23及び高濃度不純物拡散領域28中でもボロンが拡散して、ボロンの活性化が十分に行なわれる。そして、図4(b)に示す工程におけるボロンのイオン注入の際のドーズ量が特別多くないので、PMISFETの低濃度不純物拡散領域23及び高濃度不純物拡散領域28が拡大しすぎることもない。第2の熱処理におけるボロンの拡散によるPMISFETの低濃度不純物拡散領域23及び高濃度不純物拡散領域28の拡大量は、本実施形態では20〜30nmの範囲である。
【0070】
特に、本実施形態では、第1の実施形態の効果に比べて、以下のようなさらに有利な効果を発揮することができる。
【0071】
本実施形態においては、第1の熱処理により、PMISFETの上部ゲート電極21bの粒界を通って、下部ゲート電極21aとの境界までは確実にボロンが達しているが、第2の熱処理が高温短時間であるので、第2の熱処理により、上部ゲート電極21b中のボロンが下部ゲート電極21a及びゲート絶縁膜16を通過して半導体基板11のチャネル領域に侵入することはほとんどない。また、下部ゲート電極21a中の結晶粒界は少ないので、第1の熱処理により下部ゲート電極21aの下面にまで達しているボロンはわずかである。よって、ボロンのいわゆる突き抜けに起因するPMISFETのしきい値電圧の変動を、より効果的に抑制することができる。
【0072】
したがって、本実施形態の半導体装置の製造方法により、トランジスタが微細化されたときにも、ポリシリコン層を含むゲート電極中の不純物のチャネル領域への侵入とゲート電極の空乏化とをいずれもより効果的に抑制することができる。
【0073】
なお、上部ゲート電極を形成するポリシリコン層は2層以上存在していてもよく、2層以上の場合には、いずれのポリシリコン層のグレインサイズも下部ゲートを構成するポリシリコン層のグレインサイズよりも大きく、かつ、上方のポリシリコン層ほどグレインサイズが小さくなるようにすることが好ましい。
【0074】
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態の半導体装置の断面図である。本実施形態では、2層ポリシリコンゲート構造,かつ,デュアルゲート構造を有する半導体装置について説明する。本実施形態の半導体装置の製造方法は、第2の実施形態と基本的には同じであるので、その図示及び説明を省略する。
【0075】
同図に示すように、本実施形態の半導体装置は、分離領域12によって囲まれる活性領域にそれぞれ設けられたNMISFETとPMISFETとを備えている。NMISFETは、半導体基板11の一部に形成されたPウエル14と、Pウエル14上に形成されたゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16上に形成されたゲート電極20と、ゲート電極20の側面を覆うサイドウォール26と、Pウエル14のうちゲート電極20の両側に位置する領域に形成された低濃度不純物拡散領域25及び高濃度不純物拡散領域30からなるソース・ドレイン領域とを備えている。
【0076】
そして、NMISFETのゲート電極20は、グレインサイズの大きいポリシリコンからなる下部ゲート電極20xと、グレインサイズが小さいポリシリコンからなる上部ゲート電極20yとを有している。PMISFETのゲート電極21は、グレインサイズの大きいポリシリコンからなる下部ゲート電極21xと、グレインサイズが小さいポリシリコンからなる上部ゲート電極21yとを有している。
【0077】
本実施形態の各MISFETの基本的な構造は、図5に示す第2の実施形態の各MISFETの構造と同じであるが、第1の実施形態とは下部ゲート電極20x,21xが上部電極20y,21yに比べて薄く形成されている点が異なる。
【0078】
本実施形態では、下部ゲート電極20x,21xの厚さは約30nmであり、上部ゲート電極20y,21yの厚さは約130nmである。下部デート電極20x,21xの厚さは、高温短時間の条件下で行なわれる第2の熱処理(図4(e)に示す工程)の際に、PMISFETの上部ゲート電極21yの下面付近に存在するボロンが下部ゲート電極21xの下面に実質的に達しない程度に定められている。具体的には、下部デート電極20x,21xの厚さは、第2の熱処理におけるボロンの拡散によるPMISFETの高濃度不純物拡散領域28の拡大量と実質的に等しいか大きいように定められている。
【0079】
したがって、本実施形態の半導体装置により、トランジスタが微細化されたときにも、第2の実施形態の効果と同じ効果を発揮することができる。加えて、本実施形態においては、第2の実施形態に比べて、PMISFETの下部ゲート電極21xが上部ゲート電極21yよりも薄いことから、よりゲート絶縁膜16の近くまでボロンを拡散させることができるので、PMISFETの下部ゲート電極21xの空乏化をより確実に抑制することができる。しかも、第2の熱処理の際におけるボロンのチャネル領域への侵入を確実に抑制することができる。
【0080】
第2の実施形態において説明したように、第2の熱処理におけるボロンの拡散によるPMISFETの高濃度不純物拡散領域28の拡大量は、20〜30nm程度である。したがって、本実施形態においては、下部ゲート電極20x,21xの厚さは20nmよりも大きいことが好ましい。一方、PMISFETの下部ゲート電極21xが厚すぎると、下部ゲート電極21xの空乏化を招くので、下部ゲート電極21xの厚さは、50nm以下であることが好ましい。
【0081】
なお、上記各実施形態においては、PMISFET形成領域のポリシリコン膜には、ゲート電極形成前にはボロンを導入しないようにしているが、ポリシリコン膜の形成からソース・ドレイン領域形成のためのイオン注入工程までの過程において、ボロンが実質的に拡散するような熱処理が行なわれない場合には、図1(c)又は図3(c)に示す工程の前後いずれかにおいて、ポリシリコン膜のうちPMISFET形成領域Rptに位置する部分にボロンのイオン注入を行なってもよい。
【0082】
上記各実施形態におけるゲート絶縁膜は、シリコン酸化膜であってもよいが、シリコン酸窒化膜であってもよい。
【0083】
【発明の効果】
本発明の半導体装置及びその製造方法によれば、ポリシリコン層を含むゲート電極中の不純物のチャネル領域への侵入とゲート電極の空乏化とをいずれもより効果的に抑制することができ、よって、駆動力の高い,しきい値の安定した半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、第1の実施形態の半導体装置の製造工程の前半部を示す断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、第1の実施形態の半導体装置の製造工程の後半部を示す断面図である。
【図3】(a)〜(f)は、第2の実施形態の半導体装置の製造工程の前半部を示す断面図である。
【図4】(a)〜(e)は、第2の実施形態の半導体装置の製造工程の後半部を示す断面図である。
【図5】第2の実施形態の半導体装置の断面図である。
【図6】第3の実施形態の半導体装置の断面図である。
【図7】(a)〜(f)は、従来の半導体装置の製造工程の前半部を示す断面図である。
【図8】(a)〜(e)は、従来の半導体装置の製造工程の後半部を示す断面図である。
【符号の説明】
11 半導体基板
12 分離領域
14 Pウエル
15 Nウエル
16 ゲート絶縁膜
17 シリコン膜
17a 下部シリコン膜
17b 上部シリコン膜
18 レジスト膜
20 ゲート電極
20a 下部ゲート電極
20b 上部ゲート電極
21 ゲート電極
21a 下部ゲート電極
21b 上部ゲート電極
20x 下部ゲート電極
20y 上部ゲート電極
21x 下部ゲート電極
21y 上部ゲート電極

Claims (13)

  1. 基板の活性領域上に、ゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、
    上記ゲート絶縁膜上にシリコン膜を形成する工程(b)と、
    上記シリコン膜をパターニングしてゲート電極を形成する工程(c)と、
    少なくとも上記ゲート電極をマスクとして、不純物のイオン注入を行なって高濃度不純物拡散領域を含むソース・ドレイン領域を形成する工程(d)と、
    上記ゲート電極に導入された不純物を活性化するための第1の熱処理を行なう工程(e)と、
    上記第1の熱処理よりも高温かつ短時間の条件で、上記ゲート電極及び上記ソース・ドレイン領域に導入された不純物を活性化するための第2の熱処理を行なう工程(f)と
    を含む半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    上記活性領域は、NMISFET形成領域とPMISFET形成領域とを有しており、
    上記工程(c)では、NMISFETのゲート電極とPMISFETのゲート電極とを形成し、
    上記工程(d)では、NMISFET形成領域とPMISFET形成領域とに個別にN型不純物,P型不純物のイオン注入をそれぞれ行ない、
    上記工程(b)から上記工程(c)までの間に、上記シリコン膜のうちNMISFET形成領域に位置する部分にはN型不純物のイオン注入を行なう一方、上記シリコン膜のうちPMISFET形成領域に位置する部分には不純物の導入を行なわず、上記工程(d)で、PMISFETのゲート電極にP型不純物を導入する,半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(c)の後で、上記工程(d)の前に、
    上記ゲート電極をマスクとして、低濃度の不純物のイオン注入により、低濃度不純物拡散領域を形成する工程と、
    上記ゲート電極の側面を覆うサイドウォールを形成する工程とを含み、
    上記工程(d)では、上記ゲート電極及び上記サイドウォールをマスクとして、高濃度の不純物のイオン注入を行なうことにより、上記低濃度不純物拡散領域と高濃度不純物拡散領域とからなるソース・ドレイン領域を形成する,半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(e)では、第1の熱処理を、550℃よりも高く650℃よりも低い温度,10sec以上の時間の条件で行ない、
    上記工程(f)では、上記第2の熱処理を、1000℃よりも高く1100℃よりも低い温度,10secよりも短時間の条件で行なう,半導体装置の製造方法。
  5. 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(f)では、上記第2の熱処理として、フラッシュアニール又はスパイクアニールを行なう,半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(b)では、下部シリコン膜と、ポリシリコンからなる少なくとも1層の上部シリコン膜とを形成することにより、
    上記工程(d)の前に、グレインサイズの大きいポリシリコンからなる下部ゲート電極と、下部ゲート電極よりもグレインサイズの小さいポリシリコンからなる少なくとも1層の上部ゲート電極を得る,半導体装置の製造方法。
  7. 請求項6記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(b)では、下部シリコン膜としてアモルファスシリコン膜を形成する,半導体装置の製造方法。
  8. 請求項6又は7記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(b)において形成される上記下部シリコン膜の厚さは、第2の熱処理により上記ソース・ドレイン領域の上記高濃度不純物拡散領域が拡大する寸法よりも厚く、上部シリコン膜の厚さよりも小さい,半導体装置の製造方法。
  9. 請求項6又は7記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(b)において形成される上記下部シリコン膜の厚さは、20nm以上で50nm以下である,半導体装置の製造方法。
  10. 基板と、
    上記基板の活性領域上に形成されたゲート絶縁膜と、
    上記ゲート絶縁膜上に形成され、グレインサイズの大きいポリシリコンからなる下部ゲート電極と、下部ゲート電極よりもグレインサイズの小さい少なくとも1層のポリシリコン層からなる上部ゲート電極とを有するゲート電極と、
    上記活性領域のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に形成され、高濃度不純物拡散領域を含むソース・ドレイン領域と
    を備えている半導体装置。
  11. 請求項10記載の半導体装置において、
    上記ソース・ドレイン領域は、上記活性領域のうち上記高濃度不純物拡散領域と、上記ゲート電極の直下領域との間に形成され、高濃度不純物拡散領域よりも低濃度の不純物を含む低濃度不純物拡散領域とを有しており、
    上記ゲート電極の側面を覆うサイドウォールをさらに備えている,半導体装置。
  12. 請求項9又は10記載の半導体装置において、
    上記下部ゲート電極の厚さは、上記ゲート電極中の不純物の活性化のための熱処理の際に、上記ソース・ドレイン領域の上記高濃度不純物拡散領域が拡大する寸法よりも厚く、上部ゲート電極の厚さよりも小さい,半導体装置。
  13. 請求項9又は10記載の半導体装置において、
    上記下部ゲート電極の厚さは、20nm以上で50nm以下である,半導体装置。
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