JP2004354914A - ストロボ装置及びこれを用いたレンズ付きフイルムユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズ付きフイルムユニットのストロボ装置の電池寿命を向上させる。
【解決手段】充電回路は、発振トランス20,発振トランジスタ25等から構成されており、二次コイル22から帰還される二次側電流で発振トランジスタ25を発振させ、この発振トランジスタ25によって、電池15から一次コイル21に流れる一次側電流を増減し、二次コイル22にメインコンデンサ27を充電するための二次側電流を流す。発振トランジスタ25として、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が0.5Aの条件下の直流電流増幅率hFE500±10、かつ、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が5Aの条件下の直流電流増幅率hFEが290±10を満たすものを用いる。
【選択図】 図2
【解決手段】充電回路は、発振トランス20,発振トランジスタ25等から構成されており、二次コイル22から帰還される二次側電流で発振トランジスタ25を発振させ、この発振トランジスタ25によって、電池15から一次コイル21に流れる一次側電流を増減し、二次コイル22にメインコンデンサ27を充電するための二次側電流を流す。発振トランジスタ25として、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が0.5Aの条件下の直流電流増幅率hFE500±10、かつ、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が5Aの条件下の直流電流増幅率hFEが290±10を満たすものを用いる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストロボ装置及びこれを用いたレンズ付きフイルムユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
未露光の写真フイルムがユニット本体に予め装填されたレンズ付きフイルムユニットが各種販売されている。このようなレンズ付きフイルムユニットには、室内や夜間等の暗い場所でも撮影できるようにストロボ装置を内蔵したものもある。このストロボ内蔵型レンズ付きフイルムユニットで、ストロボ撮影を行う際には、撮影に先立って充電操作部材を操作して充電スイッチをオンとし、ストロボ装置を作動させることによりメインコンデンサの充電を行っている。
【0003】
レンズ付きフイルムユニットに用いられるストロボ装置は、一次コイルと二次コイルを有する発振トランス,発振トランジスタ,整流用ダイオードを主とした充電回路を用いたものである。この充電回路では、二次コイルから帰還される二次側電流で発振トランジスタを発振させて、この発振トランジスタによって、電池から一次コイルに流れる一次側電流を増減し、二次コイルに高電圧の交流を発生させ、この二次コイルに流れる二次側電流を整流して出力することでメインコンデンサを充電する。
【0004】
ストロボ装置は、それとともにユニット本体に内蔵された電池を電源として作動しているが、ユーザによる充電スイッチの切り忘れによって電池が消耗し、ストロボ発光が行えなくなるという問題が多々発生していた。ここで、ストロボ内蔵型レンズ付きフイルムユニットの電池寿命の測定は、次のようにして計測される経過時間Tとして定義される。充電スイッチをオンとして充電を開始するとともに、充電スイッチをオンとしてからの経過時間Tの測定を開始する。充電スイッチをオンとした状態で1時間毎にストロボ発光を行ってメインコンデンサを放電させる。ストロボ発光毎に、その時点からメインコンデンサが再び規定電圧(発光可能電圧)に達するまでの充電時間T1を計測する。このようにしてストロボ発光を行いながら充電を続けることによって電池が消耗し、それにしたがって充電時間T1が長くなっていく。そして、充電時間T1が所定の規定時間(例えば30秒)以上になった時点での経過時間Tを電池寿命とする。
【0005】
メインコンデンサに充電する充電回路内の抵抗の値を規定することにより、充電スイッチが連続してオンとされているときの電池の消耗を低減するものが特許文献1によって知られている。これによれば、電池から発振トランジスタのベース電流を供給する経路上に設けた抵抗の値を適当な範囲で設定している。
【0006】
また、コンパクトカメラや一眼レフカメラ等では、充電電圧を監視して、充電が完了した時点で充電動作を停止し、その後には適当な周期毎に、あるいはレリーズ操作が行われたときに充電電圧をチェックして、充電電圧が不足しているときには、充電を行ってストロボ発光が行えるようにする充電制御回路を設けている。これにより、電池の不必要な電力消耗を抑制している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ストロボ内蔵型レンズ付きフイルムユニットでは、使用済となったものを回収し、そのストロボ装置を再利用している。この再利用の際に、電池寿命の向上を図るために電池から発振トランジスタのベース電流を供給する経路上に設けた抵抗を電池寿命を向上させるための抵抗値のものに変更しようとすると、抵抗の変更だけにとどまらず、発振トランジスタまでを交換しなければなくなるといった問題が発生する。これは、発振トランジスタは、その直流電流増幅率hFEが前記抵抗値に応じた適切なものとなっている必要があるが、抵抗値を変えると、その抵抗値に対して不適切な直流電流増幅率hFEとなる懸念があるためである。また、不要な発振トランジスタの交換を避けるため、あるいは発振トランジタの直流電流増幅率hFEに応じた抵抗に変更しようとすると、直流電流増幅率hFEを測定するための工程やその結果に基づく選別工程等が必要になり再利用のコストを上昇させてしまう。
【0008】
複数の抵抗値でも問題なく使用できるように直流電流増幅率hFEの範囲を予め限定しておけば、上記のような問題を避けることができるが、これは既に製造されているストロボ装置に対しては適用できない他、抵抗の交換を見越して新規に製造されるストロボ装置に適用したとしても、狭い直流電流増幅率hFEの範囲で利用可能な発振トランジスタを選別しなくてはならないのでコストの上昇を招く。また、新規に製造したストロボ装置の抵抗値が従来のものと異なると、発振トランジスタの故障時には、やはり抵抗値に応じた適切な直流電流増幅率hFEの発振トランジスタに付け替える必要があるので、抵抗値に基づく選別工程が追加されてコストが上昇してしまう。もちろん、この場合にも、抵抗値に関係なく使用できる直流電流増幅率hFEの範囲の発振トランジスタを用いれば、選別工程が不要になるが、直流電流増幅率hFEの範囲が狭まるので発振トランジスタのコスト上昇につながる。
【0009】
さらに、上記のような充電制御回路は、電池寿命を効果的に向上させることができるが、このような回路は高価である。レンズ付きフイルムユニットは、安価であることを特徴の1つとしているため、このような充電制御回路を設けることは実際には困難である。
【0010】
本発明は、電池寿命を向上させることができ、しかも再利用に適したストロボ装置及びこれを用いたレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ストロボ装置の発振トランジスタは、メインコンデンサを充電する二次側電流とほぼ同じベース電流が流れ、このベース電流を直流電流増幅率であるhFE倍したコレクタ電流を流し、このコレクタ電流が発振トランスの一次コイルに一次側電流として流れる。そのため、同じ値のベース電流に対して直流電流増幅率hFEが大きい場合には一次側電流が大きくなり、発振トランスの二次コイルに流れる二次側電流が大きくなる。
【0012】
上記のようなことから、発振トランジスタ25の直流電流増幅率hFEの大小によってストロボ装置の相対的な性能は次の表のようになる。なお、表1中の充電時間は、充電開始からメインコンデンサが規定充電に達するまでの時間を評価したものである。
【0013】
【表1】
【0014】
前述し、また表1に示されるように、発振トランジスタの直流電流増幅率hFEが大きい場合には、小さい場合と比べて二次側電流が大きくなる、すなわちストロボ発光可能になるまでの充電時間が短くなるとともに、十分な時間が経過して一定になったと見なせるメインコンデンサの充電電圧である収束電圧が高くなる。
【0015】
また、発振トランジスタの直流電流増幅率hFEが大きい場合には、ベース電流が小さくても、直流電流増幅率hFEが大きい分だけ電池からコレクタ電流として流れる電流も大きくなり、それに応じて二次側電流も大きくなる。このため、低温時に発振トランジスタの直流電流増幅率hFE、及び電池の出力電圧が低下しているときでも、十分な二次側電流が出力されるため、充電回路は安定して動作することが可能であり、メインコンデンサをストロボ発光可能な充電電圧にまで充電することができる。
【0016】
一方、直流電流増幅率hFEが小さい場合には、電池からコレクタ電流として流れる電流も小さくなり、それに応じて二次側電流も小さくなるので、低温時においての充電回路の動作が不安定となることがある。
【0017】
収束電圧に達した後、すなわち充電完了後にも、主としてメインコンデンサの内部リークのために充電電圧の低下が生じる。充電回路が継続的に動作されている場合には、その充電電圧の低下を補うようにメインコンデンサに二次側電流の供給が継続される。したがって、収束電圧に達した後には、電池から漏れ電流と称される電流が継続的に流れる。そして、メインコンデンサの内部リークは、メインコンデンサの充電電圧が高くなる程大きくなるが、メインコンデンサの充電電圧は発振トランジスタの直流電流増幅率hFEが大きいほど高くなる。よって、この漏れ電流は、直流電流増幅率hFEが大きいほど大きくなる。
【0018】
発明者らは、上記のように直流電流増幅率hFEの大小によるストロボ装置の性能への影響とともに、発振トランジスタのコレクタ電流が充電初期では大きく、充電が進むにしたがって小さくなることに着目して鋭意検討した。その結果、コレクタ電流の小電流域における直流電流増幅率hFEと、コレクタ電流の大電流域における直流電流増幅率hFEとの範囲を適切に設定した発振トランジスタを用いることにより、効果的に電池寿命を向上させることが可能であることを見い出した。
【0019】
すなわち、コレクタ電流の小電流域における直流電流増幅率hFEを小さくすることによって、充電完了後の漏れ電流を小さくすることができ、充電完了後の電池消耗を抑えることができるので、電池寿命を向上させる上で極めて有効であり、またコレクタ電流の大電流域における直流電流増幅率hFEを大きくすることによって、充電初期における二次側電流を大きくして充電時間を短縮するように充電性能を向上させることができ、規定電圧にメインコンデンサを再充電するまでの充電時間を短くすることができるので、電池寿命を向上させる上で有効であることがわかった。
【0020】
コレクタ電流の小電流域における直流電流増幅率hFEを小さくすること、コレクタ電流の大電流域における直流電流増幅率hFEを大きくすることのいずれか一方だけでもその効果を期待できる。しかしながら、発振トランジスタは、その構造上、コレクタ電流が大きくなるほど内部損失が大きくなり、これにともない直流電流増幅率hFEが低下する性質を有する。このため、ストロボ装置の全体的な性能を考慮して、コレクタ電流の小電流域における直流電流増幅率hFEと、コレクタ電流の大電流域における直流電流増幅率hFEと両方を規定し電池寿命の向上を図るのも好ましいことも見い出した。
【0021】
また、発明者らは、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が0.5Aの条件下における発振トランジスタの直流電流増幅率hFE(以下、hFE1とする)と、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が5Aの条件下における発振トランジスタの直流電流増幅率hFE(以下、hFE2とする)を用いて、直流電流増幅率hFEの範囲を設定すれば、発振トランジスタとして好ましいトランジスタを簡単に判別できることも見い出した。
【0022】
以上のことから、主として漏れ電流の低減により電池寿命の向上を図るには、直流電流増幅率hFE1が330以上430以下、かつ、直流電流増幅率hFE2が220以上240以下を満たす発振トランジスタを用いるのがよいことを見い出した。。このときに、直流電流増幅率hFE1と直流電流増幅率hFE2との差(=hFE1−hFE2)が190以下とするのがより好ましい。
【0023】
また、漏れ電流の低減と充電性能の向上とにより電池寿命の向上を図るには、直流電流増幅率hFE1が500±10、かつ、直流電流増幅率hFE2が290±10を満たす発振トランジスタを用いるのが好ましいことを見い出した。
【0024】
さらに、主として充電性能の向上により電池寿命の向上を図るには、直流電流増幅率hFE1が640以上700以下、かつ、直流電流増幅率hFE2が360以上420以下を満たす発振トランジスタを用いるのが好ましいことを見い出した。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1に本発明を実施したストロボ内蔵型レンズ付きフイルムユニット(以下、単にレンズ付きフイルムユニットという)の外観を示す。レンズ付きフイルムユニットは、ユニット本体2と、このユニット本体2を部分的に覆う外装体3とから構成されており、ユニット本体2にはシャッタ機構,フイルム給送機構,後述するストロボ装置等の各種撮影機構が内蔵されている。また、ユニット本体2には、未露光の写真フイルムと、撮影済の写真フイルムを収納するカートリッジとが製造時に装填されている。
【0026】
ユニット本体2の前面には、撮影レンズ4,ファインダ5の対物側窓5a,ストロボ操作部材9,ストロボ発光部10が設けられている。また、ユニット本体2の上面には、レリーズボタン11,残り撮影可能コマ数を表示するカウンタ窓12,ストロボ発光の準備が完了したことを表示する充電完了表示窓13が設けられている。
【0027】
さらに、背面には、1コマの撮影ごとに回転操作される巻上げノブ14が露呈され、対物側窓5aに対面する位置にファインダ5の接眼側窓(図示省略)が設けられている。外装体3は、ユニット本体2の中央部分に貼付されており、各部に設けた開口から撮影レンズ4,ファインダ5,カウンタ窓12,充電完了表示窓13を外部に露呈させている。
【0028】
ストロボ操作部材9は、これを操作することによって撮影時のストロボ発光のオン・オフを選択することができる。このストロボ操作部材9は、図示されるオフ位置と、このオフ位置から上方にスライド移動されたオン位置との間でスライド自在にされている。
【0029】
ストロボ操作部材9をオン位置とすると、ストロボ装置が作動し、ストロボ発光を行うための充電が行われるとともに、ストロボ発光が許容される。充電後にレリーズボタン11を操作して撮影を行うと、その撮影に同期してストロボ発光部10から被写体に向けてストロボ光が照射される。また、ストロボ操作部材9をオフ位置とすると、充電動作が停止されるとともに、充電の有無にかかわりなくストロボ発光が禁止される。
【0030】
図2に上記レンズ付きフイルムユニットに内蔵されているストロボ装置の回路図を示す。ストロボ装置は、その電源として電池15が用いられている。この電池15は、レンズ付きフイルムユニットの製造時に装填されている。電池15としては、公称出力電圧が1.5Vの単三型の乾電池が用いられている。
【0031】
ストロボスイッチ16は、第1〜第3接点16a〜16cを有する3接点のものが用いられており、充電動作を制御する充電スイッチとストロボ発光の有無を選択する発光選択スイッチとの機能を有する。ストロボスイッチ16は、ストロボ操作部材9に連動してオン・オフされ、ストロボ操作部材9をオン位置とすることによってオンとなり、オフ位置とすることでオフとなる。このストロボスイッチ16は、オンのときに各接点16a〜16cを互いに接続し、オフのときに互いに非接続とする。
【0032】
シンクロスイッチ17は、シャッタ機構に連動しており、シャッタ羽根がシャッタ開口を全開したときにオンとなる。このシンクロスイッチ17がオンとなったタイミングでストロボ発光が行われる。
【0033】
充電回路18は、発振トランス20,発振トランジスタ25,整流用ダイオード26を主部品として構成されている。発振トランス20は、それぞれが誘導結合された一次コイル21,二次コイル22,三次コイル23とから構成されている。この発振トランス20には、第1〜第5端子20a〜20eが設けられている。第1端子20a,第2端子20bは、一次コイル31の一端,他端が接続されており、第3端子20cは、三次コイル23の一端が接続されている。また、第4端子20dには、三次コイル23の他端と二次コイル22の一端が接続されている。さらに、第5端子20eには、二次コイル22の他端が接続されている。
【0034】
この発振トランス20は、第1端子20aが電池15のプラス電極に接続され、第2端子20bが発振トランジスタ25のコレクタ端子に接続されている。第3端子20cは、抵抗R1を介してストロボスイッチ16の第1接点16aに接続されている。第4端子20dは、電池15のプラス電極に接続されている。第5端子20eは、整流用ダイオード26のアノードに接続され、この整流用ダイオード26のカソードはメインコンデンサ27の一端に接続されている。メインコンデンサ27の他端は、ストロボスイッチ16の第1接点16aに接続されている。
【0035】
発振トランジスタ25としては、NPN型のものが用いられている。この発振トランジスタ25は、そのエミッタ端子が電池15のマイナス電極に、ベース端子が抵抗R4を介してストロボスイッチ16の第2接点16bに接続されている。この発振トランジスタ25は、前述のようにコレクタ端子が一次コイル21に接続されており、ベース電流に応じたコレクタ電流を一次コイル21にコレクタ電流として流す。また、発振トランジスタ25のベース端子には、ダイオード28のカソードが接続されており、このダイオード28のアノードが発振トランジスタ25のエミッタ端子に接続されている。
【0036】
上記のように接続された充電回路18は、周知のブロッキング発振回路を構成しており、電池15から一次コイル21に流れる一次側電流を発振トランジスタ25で増減することにより、二次コイル22に高電圧の交流を発生させ、この交流を整流用ダイオード26で整流して出力する。これにより、二次コイル22に流れる二次側電流を整流用ダイオード26を介して充電回路18から出力し、この二次側電流でメインコンデンサ27を充電する。充電回路18は、ストロボスイッチ16がオンのときに動作し、ストロボスイッチ16がオフとなることにより動作を停止する。
【0037】
トリガコンデンサ31は、一端が抵抗R2を介して整流用ダイオード26のカソードに接続され、他端がストロボスイッチ16の第3接点16cに接続されている。トリガコイル32は、誘導結合された一次コイル32aと二次コイル32bとから構成されている。一次コイル32aは、一端がトリガコンデンサ31の一端(抵抗R2側)に接続され、他端が二次コイル32bの一端とともに、シンクロスイッチ17を介してストロボスイッチ16の第1接点16aに接続されている。二次コイル32bの他端は、ストロボ放電管34に近接しても設けられたトリガ電極35に接続されている。
【0038】
上記のように接続されたシンクロスイッチ17,トリガコンデンサ31,トリガコイル32は、ストロボ発光を開始するためのトリガ回路を構成している。トリガコンデンサ31は、ストロボスイッチ16がオンのときに、充電回路18から出力される二次側電流でメインコンデンサ27とともに充電される。
【0039】
ストロボスイッチ16がオンのときにシンクロスイッチ17がオンとなると、トリガコンデンサ31が放電して一次コイル32aに放電電流を流す。これにより、二次コイル32bに発生したトリガ電圧がトリガ電極35を介してストロボ放電管34に印加される。ストロボスイッチ16がオフのときには、シンクロスイッチ17がオンとなってもトリガコンデンサ31が放電しないので、ストロボ放電管34にトリガ電圧は印加されない。
【0040】
ストロボ放電管34は、メインコンデンサ27の端子間に接続されており、トリガ電圧が印加されると、充電されたメインコンデンサ27の電荷をその内部で放電してストロボ光を放出する。このストロボ放電管34は、ストロボ発光部10の奧に配されており、ストロボ放電管34から放出されたストロボ光は、ストロボ発光部10から被写体に向けて照射される。
【0041】
発光ダイオード38は、充電が完了したことを撮影者に知らせるために設けられている。この発光ダイオード38は、そのカソードが第4端子20dに、アノードが抵抗R3を介して第3端子20cに接続されている。この発光ダイオード38は、充電回路18の作動中にメインコンデンサ27の充電電圧の変化にしたがって第3−第4端子20間の電圧が変化することを利用して点灯するようにされており、メインコンデンサ27の充電電圧が規定充電電圧(最低発光可能電圧)まで充電されると明るく点灯する。
【0042】
発光ダイオード38は、充電完了表示窓13を臨む位置に配されている。撮影者は、充電完了表示窓13を通して発光ダイード38の点灯を確認することで充電の完了を知ることができる。なお、従来のようにネオン管を用いて充電完了表示を行うこともできる。
【0043】
上記のストロボ装置は、後述するように発振用トランジスタの直流電流増幅率が異なる他は、出願人により製造・販売されているレンズ付きフイルムユニットのストロボ装置と同じ回路構成,回路定数を採用しており、発振トランジスタを交換するだけで、従来のストロボ装置を利用して電池寿命の向上させることができる。したがって、使用済のレンズ付きフイルムユニットを回収してストロボ装置の電池寿命を向上させてから再利用する際にも有利である。
【0044】
図3に発振トランジスタ25のコレクタ・エミッタ電圧VCE=2Vにおけるコレクタ電流IC と直流電流増幅率hFEの関係を実線で示す。発振トランジスタ25としては、コレクタ・エミッタ電圧VCE=2V,コレクタ電流IC =0.5Aの条件下における直流電流増幅率(以下、直流電流増幅率hFE1と称する)が500±10、かつコレクタ・エミッタ電圧VCE=2V,コレクタ電流IC =5Aの条件下における直流電流増幅率(以下、直流電流増幅率hFE2と称する)が290±10を満たすものが用いられている。
【0045】
上記のような直流電流増幅率hFE1,直流電流増幅率hFE2の発振トランジスタ25を用いることにより、漏れ電流を低減するとともに、充電性能を向上させることよって電池寿命の向上を図っている。なお、このような発振用トランジスタ25としては、例えば「2SC5486 T23(製品名:イサハヤ電子(株))」,「2SC2687S(製品名:ローム(株))」等を採用することができる。
【0046】
発振トランジスタ25は、上記の従来のストロボ装置の発振トランジスタよりも、コレクタ電流の小電流域における直流電流増幅率hFEが小さく、大電流域における直流電流増幅率hFEが大きい。なお、従来のストロボ装置の発振トランジスタのコレクタ電流IC と直流電流増幅率hFEの関係を図3に一点鎖線で示してある。
【0047】
次に上記構成の作用について説明する。撮影を行う場合には、撮影者は、巻上げノブ14を回転操作して、写真フイルムを1コマ分巻き上げる。このフイルム巻上げに連動してシャッタチャージが行われる。また、ストロボ操作部材9を操作してストロボ発光のオン・オフを選択する。
【0048】
例えば、ストロボ撮影を行う場合には、ストロボ操作部材9をオン位置とする。ストロボ操作部材9をオン位置とすると、ストロボスイッチ16がオンとなる。ストロボスイッチ16がオンとなると、電池15からの電流が発振トランジスタ25のベース電流として流れることにより充電回路18が動作を開始する。すなわち、電池15のプラス電極から三次コイル23,抵抗R1,ストロボスイッチ16(第1接点16a−第2接点16b間),抵抗R4,発振トランジスタ25のベース−エミッタ間から電池15のマイナス電極の経路でベース電流が流れて、発振トランジスタ25がオンとなる。
【0049】
発振トランジスタ25がオンとなると、電池15のプラス電極から一次コイル21,発振トランジスタ25のコレクタ−エミッタ間から電池15のマイナス電極に戻る経路で発振トランジスタ25のコレクタ電流が流れる。
【0050】
このコレクタ電流は、発振トランジスタ25のベース電流に応じた大きさであり、ベース電流をhFE倍したものである。ここで発振トランジスタ25の直流電流増幅率hFEは、図3に示されるように、コレクタ電流に応じた大きさであって、「コレクタ電流Ic=ベース電流×hFE」の関係があるので、結果としてその時点のベース電流に応じた直流電流増幅率hFEで増幅されたコレクタ電流が流れる。
【0051】
上記のように発振トランジスタ25のコレクタ電流、すなわち一次コイル21に一次側電流が流れると、二次コイル22に起電力が発生し二次側電流が流れる。この二次側電流は、発振トランス20の第5端子20eから整流用ダイオード26,メインコンデンサ27,ストロボスイッチ16(第1接点16a−第2接点16b間),抵抗R4,発振トランジスタ25のベース−エミッタ間,電池15,発振トランス20の第4端子20dの経路で流れる。
【0052】
この二次側電流が流れることによって、メインコンデンサ27が充電されるとともに、この二次側電流が帰還電流として発振トランジスタ25のベース端子に流れるので、ベース電流が増大する。このベース電流の増大にともない、コレクタ電流すなわち一次側電流も増大して発振する。このようにして、一次側電流が増大している間では、二次コイルに継続的に起電力が発生して二次側電流が流れ、メインコンデンサ27の充電が行われる。
【0053】
発振トランジスタ25が飽和するまでコレクタ電流が増大すると、すなわち一次側電流が変化しなくなると、やがて発振トランス20内における相互誘導作用によって磁束の強さを維持しようとして逆起電力が各コイル21〜23に発生する。一次コイル21に発生する逆起電力は、第1端子20aから電池15,ダイオード28,発振トランジスタ25のベース−エミッタ間,第2端子20bの経路で電流を流す向きであり、結果として発振トランジスタ25がオフとなる。
【0054】
逆起電力の消失後、電池15からベース電流が再び流れ、上記と同様な手順により発振トランジスタ25が発振し、この発振中に流れる二次側電流でメインコンデンサ27が充電される。このような動作を繰り返し行うことで、メインコンデンサ27が充電され、その充電電圧が高くなる。また、二次側電流の一部は、トリガコンデンサ31にも流れ、これを充電する。
【0055】
そして、メインコンデンサ27が規定充電電圧に達してストロボ発光が可能になると、発光ダイオード38が点灯する。これにより、撮影者は、ストロボ撮影の準備が完了したことを充電完了表示窓13を通して確認できる。
【0056】
メインコンデンサ27が規定充電電圧に達した後にも、メインコンデンサ27の充電は継続して行われ、メインコンデンサ27の充電電圧は、充電回路18の回路定数等によって決まる収束電圧に達する。
【0057】
メインコンデンサ27が収束電圧に達して充電が完了後では、メインコンデンサ27の内部リークによる充電電圧の低下を補うように、二次側電流が流れてメインコンデンサ27が充電される。このときの二次側電流が発振トランジスタ25のベース電流として帰還されて、それに応じたコレクタ電流(一次側電流)を流すように動作を発振を繰り返し行う。そして、このときの発振トランジスタ25のコレクタ電流が漏れ電流となる。
【0058】
発光ダイオード38の点灯によりストロボ発光の準備が完了したことを確認した後、撮影者は、ファインダ5を覗いてフレーミングを決定し、レリーズボタン11を押圧操作して撮影を行う。レリーズボタン11が押圧されると、シャッタ機構が作動し、シャッタ羽根の開閉動作が行われる。そして、シャッタ羽根がシャッタ開口を全開した瞬間に、シンクロスイッチ17がオンとなる。
【0059】
シンクロスイッチ17がオンとなると、ストロボスイッチ16がオンとなっているからトリガコンデンサ31が放電し、その放電電流がトリガコイル32の一次コイル32aに流れ、二次コイル32bに発生したトリガ電圧がトリガ電極35を介してストロボ放電管34に与えられる。これにより、メインコンデンサ27に蓄積された電荷がストロボ放電管34で放電されてストロボ発光が行われ、そのストロボ光がストロボ発光部10より被写体に向けて照射される。
【0060】
ストロボ発光が完了すると、動作中の充電回路18によって再びメインコンデンサ27の充電が行われ、充電完了後には上記と同様な手順でストロボ撮影を行うことができる。
【0061】
ストロボ発光を行わない場合には、ストロボ操作部材9をオフ位置にしてストロボスイッチ16をオフとする。この操作は、メインコデンサ27の充電完了前でも後でもよい。
【0062】
ストロボスイッチ16がオフとなると、発振トランジスタ25にベース電流が流れなくなるので、その時点で充電回路18が停止し、メインコンデンサ27は充電されなくなる。また、ストロボスイッチ16がオフとなると、シンクロスイッチ17がオンとなってもトリガコンデンサ31が放電しないので、メインコンデンサ27が規定充電電圧まで充電されていてもストロボ発光は行われない。
【0063】
ところで、ストロボスイッチ16をオンにした状態にしておくと、前述のように充電が完了してからも充電回路18は動作を継続し、漏れ電流が流れることにより電池15が消耗することになる。この漏れ電流は、その時点で発振トランジスタ15のベース電流をhFE倍したものである。しかしながら、充電が完了している状態であるから発振トランジスタ25のベース電流として帰還される二次側電流が小さく、その小電流域で小さな直流電流増幅率hFEのものを用いているから、充電完了後に流れるコレクタ電流、すなわち漏れ電流が小さくなるので、電池15の消耗が低減される。
【0064】
また、大電流域では、直流電流増幅率hFEを高くしているので、大きなコレクタ電流が流れる充電初期においては、一次側電流が大きくなり、結果として大きな二次側電流でメインコンデンサ27が充電されるので、充電性能が向上している。したがって、電池15が消耗していないときでは、充電時間が短縮される。また、例えば電池15がある程度消耗して、従来では規定時間内に充電が完了しないような場合でも、このストロボ装置では規定時間内に充電が完了することが可能となり、結果として電池寿命が向上する。
【0065】
次に、上記構成による電池寿命の測定結果について説明する。電池寿命の測定は、前述のように連続的にストロボスイッチ16をオンとして充電を行いながら、1時間毎にストロボ発光を行い、そのストロボ発光後にメインコンデンサ27が最低発光可能電圧になるまでの充電時間を計測し、電池が劣化するにつれて充電時間は長くなっていくが、この充電時間が規定時間(30秒)に達するまでのストロボスイッチ16をオンとしてからの経過時間を電池寿命とする手法によって行った。
【0066】
この測定では、本実施形態の発振トランジスタ25としては図3に実線で示される直流電流増幅利率hFEの特性を有するものを使用した。また、比較例として、同じ構回路成で従来標準的に用いられている直流電流増幅利率hFEの発振トランジスタ(以下、発振トランジスタAという)を用いたストロボ装置の場合についても測定した。発振トランジスタAの直流電流増幅利率hFEを図3に一点鎖線で示す。なお、従来の発振トランジスタとしては、その直流電流増幅率hFE1が560±10,直流電流増幅率hFE2が260±10が標準的である。その他の各部品の仕様はいずれについても従来のストロボ装置のものと同一にしており、その主な仕様は次の表2の通りである。
【0067】
【表2】
【0068】
図4に充電時間を測定した結果を示す。図4において、横軸はストロボスイッチ16をオンとしてからの経過時間であり、縦軸はストロボ発光後の最低発光可能電圧になるまでの充電時間である。また、図4では、本実施形態の測定結果を実線で、比較例の測定結果を一点鎖線でそれぞれ描いてある。
【0069】
図4のグラフからわかるように、比較例の発振トランジスタAを用いたストロボ装置では、充電時間が電池寿命の判断基準となる規定時間(30秒)となるまで、すなわち電池寿命は約22時間であるが、本実施形態のものでは約29時間程度となっており、電池寿命が約30%向上したことがわかる。
【0070】
図5は、充電性能の向上に重点をおいて、電池寿命の向上を図った例を示すものである。なお、直流電流増幅率hFE1と直流電流増幅率hFE2とが異なる発振トランジスタを用いている他は、上記実施形態と同じである。
【0071】
この例では、図5にその範囲を示すように、発振トランジスタ25として、直流電流増幅率hFE1が640以上700以下、かつ直流電流増幅率hFE2が360以上420以下のものを用いている。直流電流増幅率hFE2を高く設定することにより充電性能の向上を図っており、消耗が大きな電池15であっても規定時間内にストロボ発光が可能になるようにしている。
【0072】
このように直流電流増幅率hFE2を大きくした場合に、これにともなって直流電流増幅率hFE1が大きくなる。直流電流増幅率hFE1が過度に大きくなると、漏れ電流が大きくなった影響で電池寿命を短くしてしまったり、高温時に発振トランジスタ25が破壊、あるいは劣化したり、必要以上にメインコンデンサ27の収束電圧が高くなるなどの恐れがあるので、上記のように、直流電流増幅率hFE2が360以上420以下を満たしながら、直流電流増幅率hFE1が640以上700以下となるトランジスタを選定して発振トランジスタ25として用いるのが好ましい。
【0073】
なお、図5には、この例における直流電流増幅率hFEの範囲に近い従来の発振トランジスタBの直流電流増幅率hFEとコレクタ電流の関係を一点鎖線で参考に描いてある。このような直流電流増幅率hFEの特性を持つ発振トランジスタBは、従来のストロボ装置において直流電流増幅率hFEのバラツキによって許容される範囲の上限となるものに相当している。
【0074】
図6は、漏れ電流の低減に重点をおいて、電池寿命の向上を図った例を示すものである。なお、直流電流増幅率hFE1と直流電流増幅率hFE2とが異なる発振トランジスタを用いている他は、最初の実施形態と同じである。
【0075】
この例では、図6に一例が示されるように、発振トランジスタ25として、直流電流増幅率hFE1が330以上430以下、かつ直流電流増幅率hFE2が220以上240以下のものを用いている。直流電流増幅率hFE1をより低く設定することにより漏れ電流の効果的な低減を図り、充電完了後の電池消耗の進行を遅らせている。
【0076】
直流電流増幅率hFE1を小さくした場合に、これにともなって直流電流増幅率hFE2が小さくなるが、過度に小さくなると、充電性能が低下して、結果として電池寿命を短くしてしまったり、低温時に発振トランジスタ25の動作が不安定になったり、所望とする充電電圧が得られなくなる恐れがあるので、上記のように、直流電流増幅率hFE1が330以上430以下を満たしながら、直流電流増幅率hFE2が220以上240以下となるトランジスタを選定して発振トランジスタ25として用いるのが好ましい。
【0077】
なお、図6には、この例における直流電流増幅率hFEの範囲に近い従来の発振トランジスタCの直流電流増幅率hFEとコレクタ電流の関係を一点鎖線で参考に描いてある。このような直流電流増幅率hFEの特性を持つ発振トランジスタCは、従来のストロボ装置において直流電流増幅率hFEのバラツキで許容される範囲の下限となるものに相当している。
【0078】
なお、上記各実施形態で示したストロボ装置の回路構成、及び抵抗、コンデンサ等の回路定数は一例であり、本発明は同様な回路構成、回路定数のものにも利用できる。また、発振トランジスタの直流電流増幅率hFEは、上記に説明した電池寿命を向上させる手法により、回路構成,回路定数に応じて適宜に変更することも可能である。
【0079】
上記各実施形態では、ストロボ装置をレンズ付きフイルムユニットに内蔵した例について説明したが、本発明は、コンパクトカメラやデジタルカメラ等に内蔵されるストロボ装置、カメラの装着して使用するストロボ装置にも利用することができる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、充電回路に用いられる発振トランジスタのコレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が0.5Aの条件下における直流電流増幅率をhFE1とし、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が5Aの条件下における直流電流増幅率をhFE2としたときに、直流電流増幅率hFE1が330以上430以下、かつ、直流電流増幅率hFE2が220以上240以下、または、直流電流増幅率hFE1が500±10、かつ、直流電流増幅率hFE2が290±10,あるいは直流電流増幅率hFE1が640以上700以下、かつ、直流電流増幅率hFE2が360以上420以下としたから、電池寿命を向上することができる。
【0081】
また、ストロボ回路の構成,回路定数の変更をともなうことなく、発振トランジスタの変更だけによって、電池寿命の向上させられるので、レンズ付きフイルムユニットのリサイクル適性に影響を与えることがない。さらには、直流電流増幅率hFE1,hFE2を用いてトランジスタの判定を行えるので、レンズ付きフイルムユニットのストロボ装置に適したトランジスタの判定を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したストロボ内蔵型レンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図2】ストロボ装置の回路構成を示す回路図である。
【図3】発振トランジスタの直流電流増幅率とコレクタ電流の関係を示すグラフである。
【図4】電池寿命を測定した際の充電時間の変化を示すグラフである
【図5】充電性能を上げることにより、電池寿命を向上させた例を示すものである。
【図6】漏れ電流を少なくすることにより、電池寿命を向上させた例を示すものである。
【符号の説明】
15 電池
18 充電回路
20 発振トランス
21〜23 コイル
25 発振トランス
27 メインコンデンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストロボ装置及びこれを用いたレンズ付きフイルムユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
未露光の写真フイルムがユニット本体に予め装填されたレンズ付きフイルムユニットが各種販売されている。このようなレンズ付きフイルムユニットには、室内や夜間等の暗い場所でも撮影できるようにストロボ装置を内蔵したものもある。このストロボ内蔵型レンズ付きフイルムユニットで、ストロボ撮影を行う際には、撮影に先立って充電操作部材を操作して充電スイッチをオンとし、ストロボ装置を作動させることによりメインコンデンサの充電を行っている。
【0003】
レンズ付きフイルムユニットに用いられるストロボ装置は、一次コイルと二次コイルを有する発振トランス,発振トランジスタ,整流用ダイオードを主とした充電回路を用いたものである。この充電回路では、二次コイルから帰還される二次側電流で発振トランジスタを発振させて、この発振トランジスタによって、電池から一次コイルに流れる一次側電流を増減し、二次コイルに高電圧の交流を発生させ、この二次コイルに流れる二次側電流を整流して出力することでメインコンデンサを充電する。
【0004】
ストロボ装置は、それとともにユニット本体に内蔵された電池を電源として作動しているが、ユーザによる充電スイッチの切り忘れによって電池が消耗し、ストロボ発光が行えなくなるという問題が多々発生していた。ここで、ストロボ内蔵型レンズ付きフイルムユニットの電池寿命の測定は、次のようにして計測される経過時間Tとして定義される。充電スイッチをオンとして充電を開始するとともに、充電スイッチをオンとしてからの経過時間Tの測定を開始する。充電スイッチをオンとした状態で1時間毎にストロボ発光を行ってメインコンデンサを放電させる。ストロボ発光毎に、その時点からメインコンデンサが再び規定電圧(発光可能電圧)に達するまでの充電時間T1を計測する。このようにしてストロボ発光を行いながら充電を続けることによって電池が消耗し、それにしたがって充電時間T1が長くなっていく。そして、充電時間T1が所定の規定時間(例えば30秒)以上になった時点での経過時間Tを電池寿命とする。
【0005】
メインコンデンサに充電する充電回路内の抵抗の値を規定することにより、充電スイッチが連続してオンとされているときの電池の消耗を低減するものが特許文献1によって知られている。これによれば、電池から発振トランジスタのベース電流を供給する経路上に設けた抵抗の値を適当な範囲で設定している。
【0006】
また、コンパクトカメラや一眼レフカメラ等では、充電電圧を監視して、充電が完了した時点で充電動作を停止し、その後には適当な周期毎に、あるいはレリーズ操作が行われたときに充電電圧をチェックして、充電電圧が不足しているときには、充電を行ってストロボ発光が行えるようにする充電制御回路を設けている。これにより、電池の不必要な電力消耗を抑制している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ストロボ内蔵型レンズ付きフイルムユニットでは、使用済となったものを回収し、そのストロボ装置を再利用している。この再利用の際に、電池寿命の向上を図るために電池から発振トランジスタのベース電流を供給する経路上に設けた抵抗を電池寿命を向上させるための抵抗値のものに変更しようとすると、抵抗の変更だけにとどまらず、発振トランジスタまでを交換しなければなくなるといった問題が発生する。これは、発振トランジスタは、その直流電流増幅率hFEが前記抵抗値に応じた適切なものとなっている必要があるが、抵抗値を変えると、その抵抗値に対して不適切な直流電流増幅率hFEとなる懸念があるためである。また、不要な発振トランジスタの交換を避けるため、あるいは発振トランジタの直流電流増幅率hFEに応じた抵抗に変更しようとすると、直流電流増幅率hFEを測定するための工程やその結果に基づく選別工程等が必要になり再利用のコストを上昇させてしまう。
【0008】
複数の抵抗値でも問題なく使用できるように直流電流増幅率hFEの範囲を予め限定しておけば、上記のような問題を避けることができるが、これは既に製造されているストロボ装置に対しては適用できない他、抵抗の交換を見越して新規に製造されるストロボ装置に適用したとしても、狭い直流電流増幅率hFEの範囲で利用可能な発振トランジスタを選別しなくてはならないのでコストの上昇を招く。また、新規に製造したストロボ装置の抵抗値が従来のものと異なると、発振トランジスタの故障時には、やはり抵抗値に応じた適切な直流電流増幅率hFEの発振トランジスタに付け替える必要があるので、抵抗値に基づく選別工程が追加されてコストが上昇してしまう。もちろん、この場合にも、抵抗値に関係なく使用できる直流電流増幅率hFEの範囲の発振トランジスタを用いれば、選別工程が不要になるが、直流電流増幅率hFEの範囲が狭まるので発振トランジスタのコスト上昇につながる。
【0009】
さらに、上記のような充電制御回路は、電池寿命を効果的に向上させることができるが、このような回路は高価である。レンズ付きフイルムユニットは、安価であることを特徴の1つとしているため、このような充電制御回路を設けることは実際には困難である。
【0010】
本発明は、電池寿命を向上させることができ、しかも再利用に適したストロボ装置及びこれを用いたレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ストロボ装置の発振トランジスタは、メインコンデンサを充電する二次側電流とほぼ同じベース電流が流れ、このベース電流を直流電流増幅率であるhFE倍したコレクタ電流を流し、このコレクタ電流が発振トランスの一次コイルに一次側電流として流れる。そのため、同じ値のベース電流に対して直流電流増幅率hFEが大きい場合には一次側電流が大きくなり、発振トランスの二次コイルに流れる二次側電流が大きくなる。
【0012】
上記のようなことから、発振トランジスタ25の直流電流増幅率hFEの大小によってストロボ装置の相対的な性能は次の表のようになる。なお、表1中の充電時間は、充電開始からメインコンデンサが規定充電に達するまでの時間を評価したものである。
【0013】
【表1】
【0014】
前述し、また表1に示されるように、発振トランジスタの直流電流増幅率hFEが大きい場合には、小さい場合と比べて二次側電流が大きくなる、すなわちストロボ発光可能になるまでの充電時間が短くなるとともに、十分な時間が経過して一定になったと見なせるメインコンデンサの充電電圧である収束電圧が高くなる。
【0015】
また、発振トランジスタの直流電流増幅率hFEが大きい場合には、ベース電流が小さくても、直流電流増幅率hFEが大きい分だけ電池からコレクタ電流として流れる電流も大きくなり、それに応じて二次側電流も大きくなる。このため、低温時に発振トランジスタの直流電流増幅率hFE、及び電池の出力電圧が低下しているときでも、十分な二次側電流が出力されるため、充電回路は安定して動作することが可能であり、メインコンデンサをストロボ発光可能な充電電圧にまで充電することができる。
【0016】
一方、直流電流増幅率hFEが小さい場合には、電池からコレクタ電流として流れる電流も小さくなり、それに応じて二次側電流も小さくなるので、低温時においての充電回路の動作が不安定となることがある。
【0017】
収束電圧に達した後、すなわち充電完了後にも、主としてメインコンデンサの内部リークのために充電電圧の低下が生じる。充電回路が継続的に動作されている場合には、その充電電圧の低下を補うようにメインコンデンサに二次側電流の供給が継続される。したがって、収束電圧に達した後には、電池から漏れ電流と称される電流が継続的に流れる。そして、メインコンデンサの内部リークは、メインコンデンサの充電電圧が高くなる程大きくなるが、メインコンデンサの充電電圧は発振トランジスタの直流電流増幅率hFEが大きいほど高くなる。よって、この漏れ電流は、直流電流増幅率hFEが大きいほど大きくなる。
【0018】
発明者らは、上記のように直流電流増幅率hFEの大小によるストロボ装置の性能への影響とともに、発振トランジスタのコレクタ電流が充電初期では大きく、充電が進むにしたがって小さくなることに着目して鋭意検討した。その結果、コレクタ電流の小電流域における直流電流増幅率hFEと、コレクタ電流の大電流域における直流電流増幅率hFEとの範囲を適切に設定した発振トランジスタを用いることにより、効果的に電池寿命を向上させることが可能であることを見い出した。
【0019】
すなわち、コレクタ電流の小電流域における直流電流増幅率hFEを小さくすることによって、充電完了後の漏れ電流を小さくすることができ、充電完了後の電池消耗を抑えることができるので、電池寿命を向上させる上で極めて有効であり、またコレクタ電流の大電流域における直流電流増幅率hFEを大きくすることによって、充電初期における二次側電流を大きくして充電時間を短縮するように充電性能を向上させることができ、規定電圧にメインコンデンサを再充電するまでの充電時間を短くすることができるので、電池寿命を向上させる上で有効であることがわかった。
【0020】
コレクタ電流の小電流域における直流電流増幅率hFEを小さくすること、コレクタ電流の大電流域における直流電流増幅率hFEを大きくすることのいずれか一方だけでもその効果を期待できる。しかしながら、発振トランジスタは、その構造上、コレクタ電流が大きくなるほど内部損失が大きくなり、これにともない直流電流増幅率hFEが低下する性質を有する。このため、ストロボ装置の全体的な性能を考慮して、コレクタ電流の小電流域における直流電流増幅率hFEと、コレクタ電流の大電流域における直流電流増幅率hFEと両方を規定し電池寿命の向上を図るのも好ましいことも見い出した。
【0021】
また、発明者らは、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が0.5Aの条件下における発振トランジスタの直流電流増幅率hFE(以下、hFE1とする)と、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が5Aの条件下における発振トランジスタの直流電流増幅率hFE(以下、hFE2とする)を用いて、直流電流増幅率hFEの範囲を設定すれば、発振トランジスタとして好ましいトランジスタを簡単に判別できることも見い出した。
【0022】
以上のことから、主として漏れ電流の低減により電池寿命の向上を図るには、直流電流増幅率hFE1が330以上430以下、かつ、直流電流増幅率hFE2が220以上240以下を満たす発振トランジスタを用いるのがよいことを見い出した。。このときに、直流電流増幅率hFE1と直流電流増幅率hFE2との差(=hFE1−hFE2)が190以下とするのがより好ましい。
【0023】
また、漏れ電流の低減と充電性能の向上とにより電池寿命の向上を図るには、直流電流増幅率hFE1が500±10、かつ、直流電流増幅率hFE2が290±10を満たす発振トランジスタを用いるのが好ましいことを見い出した。
【0024】
さらに、主として充電性能の向上により電池寿命の向上を図るには、直流電流増幅率hFE1が640以上700以下、かつ、直流電流増幅率hFE2が360以上420以下を満たす発振トランジスタを用いるのが好ましいことを見い出した。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1に本発明を実施したストロボ内蔵型レンズ付きフイルムユニット(以下、単にレンズ付きフイルムユニットという)の外観を示す。レンズ付きフイルムユニットは、ユニット本体2と、このユニット本体2を部分的に覆う外装体3とから構成されており、ユニット本体2にはシャッタ機構,フイルム給送機構,後述するストロボ装置等の各種撮影機構が内蔵されている。また、ユニット本体2には、未露光の写真フイルムと、撮影済の写真フイルムを収納するカートリッジとが製造時に装填されている。
【0026】
ユニット本体2の前面には、撮影レンズ4,ファインダ5の対物側窓5a,ストロボ操作部材9,ストロボ発光部10が設けられている。また、ユニット本体2の上面には、レリーズボタン11,残り撮影可能コマ数を表示するカウンタ窓12,ストロボ発光の準備が完了したことを表示する充電完了表示窓13が設けられている。
【0027】
さらに、背面には、1コマの撮影ごとに回転操作される巻上げノブ14が露呈され、対物側窓5aに対面する位置にファインダ5の接眼側窓(図示省略)が設けられている。外装体3は、ユニット本体2の中央部分に貼付されており、各部に設けた開口から撮影レンズ4,ファインダ5,カウンタ窓12,充電完了表示窓13を外部に露呈させている。
【0028】
ストロボ操作部材9は、これを操作することによって撮影時のストロボ発光のオン・オフを選択することができる。このストロボ操作部材9は、図示されるオフ位置と、このオフ位置から上方にスライド移動されたオン位置との間でスライド自在にされている。
【0029】
ストロボ操作部材9をオン位置とすると、ストロボ装置が作動し、ストロボ発光を行うための充電が行われるとともに、ストロボ発光が許容される。充電後にレリーズボタン11を操作して撮影を行うと、その撮影に同期してストロボ発光部10から被写体に向けてストロボ光が照射される。また、ストロボ操作部材9をオフ位置とすると、充電動作が停止されるとともに、充電の有無にかかわりなくストロボ発光が禁止される。
【0030】
図2に上記レンズ付きフイルムユニットに内蔵されているストロボ装置の回路図を示す。ストロボ装置は、その電源として電池15が用いられている。この電池15は、レンズ付きフイルムユニットの製造時に装填されている。電池15としては、公称出力電圧が1.5Vの単三型の乾電池が用いられている。
【0031】
ストロボスイッチ16は、第1〜第3接点16a〜16cを有する3接点のものが用いられており、充電動作を制御する充電スイッチとストロボ発光の有無を選択する発光選択スイッチとの機能を有する。ストロボスイッチ16は、ストロボ操作部材9に連動してオン・オフされ、ストロボ操作部材9をオン位置とすることによってオンとなり、オフ位置とすることでオフとなる。このストロボスイッチ16は、オンのときに各接点16a〜16cを互いに接続し、オフのときに互いに非接続とする。
【0032】
シンクロスイッチ17は、シャッタ機構に連動しており、シャッタ羽根がシャッタ開口を全開したときにオンとなる。このシンクロスイッチ17がオンとなったタイミングでストロボ発光が行われる。
【0033】
充電回路18は、発振トランス20,発振トランジスタ25,整流用ダイオード26を主部品として構成されている。発振トランス20は、それぞれが誘導結合された一次コイル21,二次コイル22,三次コイル23とから構成されている。この発振トランス20には、第1〜第5端子20a〜20eが設けられている。第1端子20a,第2端子20bは、一次コイル31の一端,他端が接続されており、第3端子20cは、三次コイル23の一端が接続されている。また、第4端子20dには、三次コイル23の他端と二次コイル22の一端が接続されている。さらに、第5端子20eには、二次コイル22の他端が接続されている。
【0034】
この発振トランス20は、第1端子20aが電池15のプラス電極に接続され、第2端子20bが発振トランジスタ25のコレクタ端子に接続されている。第3端子20cは、抵抗R1を介してストロボスイッチ16の第1接点16aに接続されている。第4端子20dは、電池15のプラス電極に接続されている。第5端子20eは、整流用ダイオード26のアノードに接続され、この整流用ダイオード26のカソードはメインコンデンサ27の一端に接続されている。メインコンデンサ27の他端は、ストロボスイッチ16の第1接点16aに接続されている。
【0035】
発振トランジスタ25としては、NPN型のものが用いられている。この発振トランジスタ25は、そのエミッタ端子が電池15のマイナス電極に、ベース端子が抵抗R4を介してストロボスイッチ16の第2接点16bに接続されている。この発振トランジスタ25は、前述のようにコレクタ端子が一次コイル21に接続されており、ベース電流に応じたコレクタ電流を一次コイル21にコレクタ電流として流す。また、発振トランジスタ25のベース端子には、ダイオード28のカソードが接続されており、このダイオード28のアノードが発振トランジスタ25のエミッタ端子に接続されている。
【0036】
上記のように接続された充電回路18は、周知のブロッキング発振回路を構成しており、電池15から一次コイル21に流れる一次側電流を発振トランジスタ25で増減することにより、二次コイル22に高電圧の交流を発生させ、この交流を整流用ダイオード26で整流して出力する。これにより、二次コイル22に流れる二次側電流を整流用ダイオード26を介して充電回路18から出力し、この二次側電流でメインコンデンサ27を充電する。充電回路18は、ストロボスイッチ16がオンのときに動作し、ストロボスイッチ16がオフとなることにより動作を停止する。
【0037】
トリガコンデンサ31は、一端が抵抗R2を介して整流用ダイオード26のカソードに接続され、他端がストロボスイッチ16の第3接点16cに接続されている。トリガコイル32は、誘導結合された一次コイル32aと二次コイル32bとから構成されている。一次コイル32aは、一端がトリガコンデンサ31の一端(抵抗R2側)に接続され、他端が二次コイル32bの一端とともに、シンクロスイッチ17を介してストロボスイッチ16の第1接点16aに接続されている。二次コイル32bの他端は、ストロボ放電管34に近接しても設けられたトリガ電極35に接続されている。
【0038】
上記のように接続されたシンクロスイッチ17,トリガコンデンサ31,トリガコイル32は、ストロボ発光を開始するためのトリガ回路を構成している。トリガコンデンサ31は、ストロボスイッチ16がオンのときに、充電回路18から出力される二次側電流でメインコンデンサ27とともに充電される。
【0039】
ストロボスイッチ16がオンのときにシンクロスイッチ17がオンとなると、トリガコンデンサ31が放電して一次コイル32aに放電電流を流す。これにより、二次コイル32bに発生したトリガ電圧がトリガ電極35を介してストロボ放電管34に印加される。ストロボスイッチ16がオフのときには、シンクロスイッチ17がオンとなってもトリガコンデンサ31が放電しないので、ストロボ放電管34にトリガ電圧は印加されない。
【0040】
ストロボ放電管34は、メインコンデンサ27の端子間に接続されており、トリガ電圧が印加されると、充電されたメインコンデンサ27の電荷をその内部で放電してストロボ光を放出する。このストロボ放電管34は、ストロボ発光部10の奧に配されており、ストロボ放電管34から放出されたストロボ光は、ストロボ発光部10から被写体に向けて照射される。
【0041】
発光ダイオード38は、充電が完了したことを撮影者に知らせるために設けられている。この発光ダイオード38は、そのカソードが第4端子20dに、アノードが抵抗R3を介して第3端子20cに接続されている。この発光ダイオード38は、充電回路18の作動中にメインコンデンサ27の充電電圧の変化にしたがって第3−第4端子20間の電圧が変化することを利用して点灯するようにされており、メインコンデンサ27の充電電圧が規定充電電圧(最低発光可能電圧)まで充電されると明るく点灯する。
【0042】
発光ダイオード38は、充電完了表示窓13を臨む位置に配されている。撮影者は、充電完了表示窓13を通して発光ダイード38の点灯を確認することで充電の完了を知ることができる。なお、従来のようにネオン管を用いて充電完了表示を行うこともできる。
【0043】
上記のストロボ装置は、後述するように発振用トランジスタの直流電流増幅率が異なる他は、出願人により製造・販売されているレンズ付きフイルムユニットのストロボ装置と同じ回路構成,回路定数を採用しており、発振トランジスタを交換するだけで、従来のストロボ装置を利用して電池寿命の向上させることができる。したがって、使用済のレンズ付きフイルムユニットを回収してストロボ装置の電池寿命を向上させてから再利用する際にも有利である。
【0044】
図3に発振トランジスタ25のコレクタ・エミッタ電圧VCE=2Vにおけるコレクタ電流IC と直流電流増幅率hFEの関係を実線で示す。発振トランジスタ25としては、コレクタ・エミッタ電圧VCE=2V,コレクタ電流IC =0.5Aの条件下における直流電流増幅率(以下、直流電流増幅率hFE1と称する)が500±10、かつコレクタ・エミッタ電圧VCE=2V,コレクタ電流IC =5Aの条件下における直流電流増幅率(以下、直流電流増幅率hFE2と称する)が290±10を満たすものが用いられている。
【0045】
上記のような直流電流増幅率hFE1,直流電流増幅率hFE2の発振トランジスタ25を用いることにより、漏れ電流を低減するとともに、充電性能を向上させることよって電池寿命の向上を図っている。なお、このような発振用トランジスタ25としては、例えば「2SC5486 T23(製品名:イサハヤ電子(株))」,「2SC2687S(製品名:ローム(株))」等を採用することができる。
【0046】
発振トランジスタ25は、上記の従来のストロボ装置の発振トランジスタよりも、コレクタ電流の小電流域における直流電流増幅率hFEが小さく、大電流域における直流電流増幅率hFEが大きい。なお、従来のストロボ装置の発振トランジスタのコレクタ電流IC と直流電流増幅率hFEの関係を図3に一点鎖線で示してある。
【0047】
次に上記構成の作用について説明する。撮影を行う場合には、撮影者は、巻上げノブ14を回転操作して、写真フイルムを1コマ分巻き上げる。このフイルム巻上げに連動してシャッタチャージが行われる。また、ストロボ操作部材9を操作してストロボ発光のオン・オフを選択する。
【0048】
例えば、ストロボ撮影を行う場合には、ストロボ操作部材9をオン位置とする。ストロボ操作部材9をオン位置とすると、ストロボスイッチ16がオンとなる。ストロボスイッチ16がオンとなると、電池15からの電流が発振トランジスタ25のベース電流として流れることにより充電回路18が動作を開始する。すなわち、電池15のプラス電極から三次コイル23,抵抗R1,ストロボスイッチ16(第1接点16a−第2接点16b間),抵抗R4,発振トランジスタ25のベース−エミッタ間から電池15のマイナス電極の経路でベース電流が流れて、発振トランジスタ25がオンとなる。
【0049】
発振トランジスタ25がオンとなると、電池15のプラス電極から一次コイル21,発振トランジスタ25のコレクタ−エミッタ間から電池15のマイナス電極に戻る経路で発振トランジスタ25のコレクタ電流が流れる。
【0050】
このコレクタ電流は、発振トランジスタ25のベース電流に応じた大きさであり、ベース電流をhFE倍したものである。ここで発振トランジスタ25の直流電流増幅率hFEは、図3に示されるように、コレクタ電流に応じた大きさであって、「コレクタ電流Ic=ベース電流×hFE」の関係があるので、結果としてその時点のベース電流に応じた直流電流増幅率hFEで増幅されたコレクタ電流が流れる。
【0051】
上記のように発振トランジスタ25のコレクタ電流、すなわち一次コイル21に一次側電流が流れると、二次コイル22に起電力が発生し二次側電流が流れる。この二次側電流は、発振トランス20の第5端子20eから整流用ダイオード26,メインコンデンサ27,ストロボスイッチ16(第1接点16a−第2接点16b間),抵抗R4,発振トランジスタ25のベース−エミッタ間,電池15,発振トランス20の第4端子20dの経路で流れる。
【0052】
この二次側電流が流れることによって、メインコンデンサ27が充電されるとともに、この二次側電流が帰還電流として発振トランジスタ25のベース端子に流れるので、ベース電流が増大する。このベース電流の増大にともない、コレクタ電流すなわち一次側電流も増大して発振する。このようにして、一次側電流が増大している間では、二次コイルに継続的に起電力が発生して二次側電流が流れ、メインコンデンサ27の充電が行われる。
【0053】
発振トランジスタ25が飽和するまでコレクタ電流が増大すると、すなわち一次側電流が変化しなくなると、やがて発振トランス20内における相互誘導作用によって磁束の強さを維持しようとして逆起電力が各コイル21〜23に発生する。一次コイル21に発生する逆起電力は、第1端子20aから電池15,ダイオード28,発振トランジスタ25のベース−エミッタ間,第2端子20bの経路で電流を流す向きであり、結果として発振トランジスタ25がオフとなる。
【0054】
逆起電力の消失後、電池15からベース電流が再び流れ、上記と同様な手順により発振トランジスタ25が発振し、この発振中に流れる二次側電流でメインコンデンサ27が充電される。このような動作を繰り返し行うことで、メインコンデンサ27が充電され、その充電電圧が高くなる。また、二次側電流の一部は、トリガコンデンサ31にも流れ、これを充電する。
【0055】
そして、メインコンデンサ27が規定充電電圧に達してストロボ発光が可能になると、発光ダイオード38が点灯する。これにより、撮影者は、ストロボ撮影の準備が完了したことを充電完了表示窓13を通して確認できる。
【0056】
メインコンデンサ27が規定充電電圧に達した後にも、メインコンデンサ27の充電は継続して行われ、メインコンデンサ27の充電電圧は、充電回路18の回路定数等によって決まる収束電圧に達する。
【0057】
メインコンデンサ27が収束電圧に達して充電が完了後では、メインコンデンサ27の内部リークによる充電電圧の低下を補うように、二次側電流が流れてメインコンデンサ27が充電される。このときの二次側電流が発振トランジスタ25のベース電流として帰還されて、それに応じたコレクタ電流(一次側電流)を流すように動作を発振を繰り返し行う。そして、このときの発振トランジスタ25のコレクタ電流が漏れ電流となる。
【0058】
発光ダイオード38の点灯によりストロボ発光の準備が完了したことを確認した後、撮影者は、ファインダ5を覗いてフレーミングを決定し、レリーズボタン11を押圧操作して撮影を行う。レリーズボタン11が押圧されると、シャッタ機構が作動し、シャッタ羽根の開閉動作が行われる。そして、シャッタ羽根がシャッタ開口を全開した瞬間に、シンクロスイッチ17がオンとなる。
【0059】
シンクロスイッチ17がオンとなると、ストロボスイッチ16がオンとなっているからトリガコンデンサ31が放電し、その放電電流がトリガコイル32の一次コイル32aに流れ、二次コイル32bに発生したトリガ電圧がトリガ電極35を介してストロボ放電管34に与えられる。これにより、メインコンデンサ27に蓄積された電荷がストロボ放電管34で放電されてストロボ発光が行われ、そのストロボ光がストロボ発光部10より被写体に向けて照射される。
【0060】
ストロボ発光が完了すると、動作中の充電回路18によって再びメインコンデンサ27の充電が行われ、充電完了後には上記と同様な手順でストロボ撮影を行うことができる。
【0061】
ストロボ発光を行わない場合には、ストロボ操作部材9をオフ位置にしてストロボスイッチ16をオフとする。この操作は、メインコデンサ27の充電完了前でも後でもよい。
【0062】
ストロボスイッチ16がオフとなると、発振トランジスタ25にベース電流が流れなくなるので、その時点で充電回路18が停止し、メインコンデンサ27は充電されなくなる。また、ストロボスイッチ16がオフとなると、シンクロスイッチ17がオンとなってもトリガコンデンサ31が放電しないので、メインコンデンサ27が規定充電電圧まで充電されていてもストロボ発光は行われない。
【0063】
ところで、ストロボスイッチ16をオンにした状態にしておくと、前述のように充電が完了してからも充電回路18は動作を継続し、漏れ電流が流れることにより電池15が消耗することになる。この漏れ電流は、その時点で発振トランジスタ15のベース電流をhFE倍したものである。しかしながら、充電が完了している状態であるから発振トランジスタ25のベース電流として帰還される二次側電流が小さく、その小電流域で小さな直流電流増幅率hFEのものを用いているから、充電完了後に流れるコレクタ電流、すなわち漏れ電流が小さくなるので、電池15の消耗が低減される。
【0064】
また、大電流域では、直流電流増幅率hFEを高くしているので、大きなコレクタ電流が流れる充電初期においては、一次側電流が大きくなり、結果として大きな二次側電流でメインコンデンサ27が充電されるので、充電性能が向上している。したがって、電池15が消耗していないときでは、充電時間が短縮される。また、例えば電池15がある程度消耗して、従来では規定時間内に充電が完了しないような場合でも、このストロボ装置では規定時間内に充電が完了することが可能となり、結果として電池寿命が向上する。
【0065】
次に、上記構成による電池寿命の測定結果について説明する。電池寿命の測定は、前述のように連続的にストロボスイッチ16をオンとして充電を行いながら、1時間毎にストロボ発光を行い、そのストロボ発光後にメインコンデンサ27が最低発光可能電圧になるまでの充電時間を計測し、電池が劣化するにつれて充電時間は長くなっていくが、この充電時間が規定時間(30秒)に達するまでのストロボスイッチ16をオンとしてからの経過時間を電池寿命とする手法によって行った。
【0066】
この測定では、本実施形態の発振トランジスタ25としては図3に実線で示される直流電流増幅利率hFEの特性を有するものを使用した。また、比較例として、同じ構回路成で従来標準的に用いられている直流電流増幅利率hFEの発振トランジスタ(以下、発振トランジスタAという)を用いたストロボ装置の場合についても測定した。発振トランジスタAの直流電流増幅利率hFEを図3に一点鎖線で示す。なお、従来の発振トランジスタとしては、その直流電流増幅率hFE1が560±10,直流電流増幅率hFE2が260±10が標準的である。その他の各部品の仕様はいずれについても従来のストロボ装置のものと同一にしており、その主な仕様は次の表2の通りである。
【0067】
【表2】
【0068】
図4に充電時間を測定した結果を示す。図4において、横軸はストロボスイッチ16をオンとしてからの経過時間であり、縦軸はストロボ発光後の最低発光可能電圧になるまでの充電時間である。また、図4では、本実施形態の測定結果を実線で、比較例の測定結果を一点鎖線でそれぞれ描いてある。
【0069】
図4のグラフからわかるように、比較例の発振トランジスタAを用いたストロボ装置では、充電時間が電池寿命の判断基準となる規定時間(30秒)となるまで、すなわち電池寿命は約22時間であるが、本実施形態のものでは約29時間程度となっており、電池寿命が約30%向上したことがわかる。
【0070】
図5は、充電性能の向上に重点をおいて、電池寿命の向上を図った例を示すものである。なお、直流電流増幅率hFE1と直流電流増幅率hFE2とが異なる発振トランジスタを用いている他は、上記実施形態と同じである。
【0071】
この例では、図5にその範囲を示すように、発振トランジスタ25として、直流電流増幅率hFE1が640以上700以下、かつ直流電流増幅率hFE2が360以上420以下のものを用いている。直流電流増幅率hFE2を高く設定することにより充電性能の向上を図っており、消耗が大きな電池15であっても規定時間内にストロボ発光が可能になるようにしている。
【0072】
このように直流電流増幅率hFE2を大きくした場合に、これにともなって直流電流増幅率hFE1が大きくなる。直流電流増幅率hFE1が過度に大きくなると、漏れ電流が大きくなった影響で電池寿命を短くしてしまったり、高温時に発振トランジスタ25が破壊、あるいは劣化したり、必要以上にメインコンデンサ27の収束電圧が高くなるなどの恐れがあるので、上記のように、直流電流増幅率hFE2が360以上420以下を満たしながら、直流電流増幅率hFE1が640以上700以下となるトランジスタを選定して発振トランジスタ25として用いるのが好ましい。
【0073】
なお、図5には、この例における直流電流増幅率hFEの範囲に近い従来の発振トランジスタBの直流電流増幅率hFEとコレクタ電流の関係を一点鎖線で参考に描いてある。このような直流電流増幅率hFEの特性を持つ発振トランジスタBは、従来のストロボ装置において直流電流増幅率hFEのバラツキによって許容される範囲の上限となるものに相当している。
【0074】
図6は、漏れ電流の低減に重点をおいて、電池寿命の向上を図った例を示すものである。なお、直流電流増幅率hFE1と直流電流増幅率hFE2とが異なる発振トランジスタを用いている他は、最初の実施形態と同じである。
【0075】
この例では、図6に一例が示されるように、発振トランジスタ25として、直流電流増幅率hFE1が330以上430以下、かつ直流電流増幅率hFE2が220以上240以下のものを用いている。直流電流増幅率hFE1をより低く設定することにより漏れ電流の効果的な低減を図り、充電完了後の電池消耗の進行を遅らせている。
【0076】
直流電流増幅率hFE1を小さくした場合に、これにともなって直流電流増幅率hFE2が小さくなるが、過度に小さくなると、充電性能が低下して、結果として電池寿命を短くしてしまったり、低温時に発振トランジスタ25の動作が不安定になったり、所望とする充電電圧が得られなくなる恐れがあるので、上記のように、直流電流増幅率hFE1が330以上430以下を満たしながら、直流電流増幅率hFE2が220以上240以下となるトランジスタを選定して発振トランジスタ25として用いるのが好ましい。
【0077】
なお、図6には、この例における直流電流増幅率hFEの範囲に近い従来の発振トランジスタCの直流電流増幅率hFEとコレクタ電流の関係を一点鎖線で参考に描いてある。このような直流電流増幅率hFEの特性を持つ発振トランジスタCは、従来のストロボ装置において直流電流増幅率hFEのバラツキで許容される範囲の下限となるものに相当している。
【0078】
なお、上記各実施形態で示したストロボ装置の回路構成、及び抵抗、コンデンサ等の回路定数は一例であり、本発明は同様な回路構成、回路定数のものにも利用できる。また、発振トランジスタの直流電流増幅率hFEは、上記に説明した電池寿命を向上させる手法により、回路構成,回路定数に応じて適宜に変更することも可能である。
【0079】
上記各実施形態では、ストロボ装置をレンズ付きフイルムユニットに内蔵した例について説明したが、本発明は、コンパクトカメラやデジタルカメラ等に内蔵されるストロボ装置、カメラの装着して使用するストロボ装置にも利用することができる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、充電回路に用いられる発振トランジスタのコレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が0.5Aの条件下における直流電流増幅率をhFE1とし、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が5Aの条件下における直流電流増幅率をhFE2としたときに、直流電流増幅率hFE1が330以上430以下、かつ、直流電流増幅率hFE2が220以上240以下、または、直流電流増幅率hFE1が500±10、かつ、直流電流増幅率hFE2が290±10,あるいは直流電流増幅率hFE1が640以上700以下、かつ、直流電流増幅率hFE2が360以上420以下としたから、電池寿命を向上することができる。
【0081】
また、ストロボ回路の構成,回路定数の変更をともなうことなく、発振トランジスタの変更だけによって、電池寿命の向上させられるので、レンズ付きフイルムユニットのリサイクル適性に影響を与えることがない。さらには、直流電流増幅率hFE1,hFE2を用いてトランジスタの判定を行えるので、レンズ付きフイルムユニットのストロボ装置に適したトランジスタの判定を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したストロボ内蔵型レンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図2】ストロボ装置の回路構成を示す回路図である。
【図3】発振トランジスタの直流電流増幅率とコレクタ電流の関係を示すグラフである。
【図4】電池寿命を測定した際の充電時間の変化を示すグラフである
【図5】充電性能を上げることにより、電池寿命を向上させた例を示すものである。
【図6】漏れ電流を少なくすることにより、電池寿命を向上させた例を示すものである。
【符号の説明】
15 電池
18 充電回路
20 発振トランス
21〜23 コイル
25 発振トランス
27 メインコンデンサ
Claims (5)
- 少なくとも一次コイルと二次コイルを有する発振トランス、及び二次コイルから帰還される二次側電流で発振し、電池から一次コイルに流れる一次側電流を増減する発振トランジスタとからなる充電回路と、充電回路から出力される二次側電流で充電されるメインコンデンサとを備えたストロボ装置において、
前記発振トランジスタは、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が0.5Aの条件下における直流電流増幅率をhFE1とし、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が5Aの条件下における直流電流増幅率をhFE2としたときに、直流電流増幅率hFE1が330以上430以下、かつ、直流電流増幅率hFE2が220以上240以下であることを特徴とするストロボ装置。 - 直流電流増幅率hFE1と直流電流増幅率hFE2との差が190以下であることを特徴とする請求項1記載のストロボ装置。
- 少なくとも一次コイルと二次コイルを有する発振トランス、及び二次コイルから帰還される二次側電流で発振し、電池から一次コイルに流れる一次側電流を増減する発振トランジスタとからなる充電回路と、充電回路から出力される二次側電流で充電されるメインコンデンサとを備えたストロボ装置において、
前記発振トランジスタは、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が0.5Aの条件下における直流電流増幅率をhFE1とし、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が5Aの条件下における直流電流増幅率をhFE2としたときに、直流電流増幅率hFE1が500±10、かつ、直流電流増幅率hFE2が290±10であることを特徴とするストロボ装置。 - 少なくとも一次コイルと二次コイルを有する発振トランス、及び二次コイルから帰還される二次側電流で発振し、電池から一次コイルに流れる一次側電流を増減する発振トランジスタとからなる充電回路と、充電回路から出力される二次側電流で充電されるメインコンデンサとを備えたストロボ装置において、
前記発振トランジスタは、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が0.5Aの条件下における直流電流増幅率をhFE1とし、コレクタ・エミッタ電圧VCEが2V,コレクタ電流IC が5Aの条件下における直流電流増幅率をhFE2としたときに、直流電流増幅率hFE1が640以上700以下、かつ、直流電流増幅率hFE2が360以上420以下であることを特徴とするストロボ装置。 - 未露光の写真フイルムが製造時に装填されたユニット本体に、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のストロボ装置を備えたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。
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