JP3957853B2 - カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラッシュ手段を有するカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラッシュ付カメラの小型化にともない、フラッシュ発光部も小型化し、気密性も高くなっている。このためフラッシュ連続発光をしたときにフラッシュ発光部とその周辺部が発熱し、使用者に不快感を与える場合があった。
【0003】
このため、特公平1−22717号公報には、フラッシュ充電動作でカウンタを加算するとともに、タイマーによる所定時間が経過したときはカウンタ値を減算するようにし、カウンタ値が設定回数以上になったときにフラッシュ発光を停止するカメラが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報開示のカメラのように、充電カウンタとタイマーとを兼用する構成は複雑である。また、カメラの非使用時にもタイマー回路が作動するようにしなくてはならないため、電池の消費電流のロスがあるといった欠点がある。
【0005】
そこで、本発明は、簡単な構成で、フラッシュ発光部およびその周辺部の過熱を防止できるようにしたカメラを提供することを目的としている。
【0008】
本発明では、閃光発光するフラッシュ手段を有するカメラにおいて、フラッシュ手段の発光回数のカウント値が所定値を超えたときに、カメラ動作を規制する動作規制手段を有し、この動作規制手段は、撮影レンズにズーム動作を行わせるズーム用操作部材およびリモコン操作を可能とするリモコン用操作部材のいずれかが操作されたときは、前記カウント値を減じている。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態のカメラの電気回路を示している。この図において、1は電源であるところの電池、2は電池1に接続されて負荷への電源供給を制限するスイッチ、3は電池1の電圧を昇圧するための昇圧回路である。
【0011】
31はPNPトランジスタで、エミッタがスイッチ2を介して電池1に接続される発振トランジスタである。
【0012】
32はN−チャンネル電界効果トランジスタ(以下、FETと略す)で、ドレインにPNPトランジスタ31のベースが接続されてPNPトランジスタ31の発振開始を制御する。なお、FET32のゲートは、後述のワンチップマイクロコンピュータ17に接続されている。
【0013】
34はダイオードで、カソードはFET32のソースに接続され、アノードは接地されている。
【0014】
36は発振昇圧のためのトランスで、一次巻線36aにはPNPトランジスタ31のコレクタが接続されている。また、帰還巻線36bの一端にはFET32のソースが接続され、他端には後述の抵抗37が接続されている。さらに、二次巻線36cには後述のダイオード4のアノードが接続されている。
【0015】
37は抵抗で、一端は発振トランス36の帰還巻線36bに接続され、他端はアースされている。
【0016】
38は抵抗37の両端に接続されるコンデンサ、39は発振トランス36の二次巻線36cに接続されるコンデンサである。これらトランジスタ31,32、ダイオード34、トランス36、抵抗37およびコンデンサ38,39により昇圧回路3が構成されている。
【0017】
4は高圧整流用ダイオードで、アノードは発振トランス36の二次巻線36cが接続され、カソードは後述の電圧検知回路5に接続されている。
【0018】
5は電圧検知回路で、後述する主コンデンサ6の電圧を検出し、ワンチップマイクロコンピュータ17に充電電圧(実際の電圧に比例する分圧電圧)信号を送る。
【0019】
51はコンデンサ、52,53は主コンデンサ6の充電電圧を分圧する抵抗である。抵抗52はダイオード4のカソードとコンデンサ51に接続され、抵抗53の一端は抵抗52に接続され、抵抗53の他端は接地されている。
【0020】
主コンデンサ6の電圧を分圧した信号はSEN信号としてワンチップマイクロコンピュータ17に入力され、このコンピュータ17内のA/D変換器に送られる。
【0021】
54はコンデンサで、抵抗53の両端に接続されている。これらコンデンサ51,54および抵抗52,53により電圧検知回路5が構成されている。
【0022】
29はダイオードで、アノードに電圧検知回路5が接続され、カソードに後述の主コンデンサ6が接続されている。
【0023】
主コンデンサ6は、フラッシュ発光に必要なエネルギーを充電する。7は抵抗で、主コンデンサ6の正極に接続されている。8は抵抗7に接続されるトリガ用コンデンサである。
【0024】
9は発光開始のためのスイッチングを行う発光サイリスタで、アノードには抵抗7とコンデンサ8の一端とが接続され、カソードはアースされている。
【0025】
10は抵抗である。11はコンデンサで、抵抗10とともにサイリスタ9のゲート−カソード間に接続されている。
【0026】
12は抵抗で、一端はサイリスタ9のゲートに接続され、他端はワンチップマイコン17に接続されている。発光開始信号としてワンチップマイクロコンピュータ17よりTRG1信号がパルス出力されると、サイリスタ9のゲートがオンになり、トリガがかかる。
【0027】
13はトリガトランスで、一次巻線にはトリガコンデンサ8の他端が接続され、二次巻線には閃光放電管14が接続されている。閃光放電管14は上記トリガによりフラッシュ発光し、陽極には主コンデンサ6の正極と抵抗7の一端とが接続され、陰極には後述のダイオード28のアノードが接続されている。
【0028】
電池1を昇圧回路3で昇圧し、抵抗7を介してトリガコンデンサ8に充電し、TRG1信号でサイリスタ9をオンしてトリガコンデンサ8を放電させると、トリガトランス13の一次巻線にパルスが発生するとともに、二次巻線に高圧パルスが発生し、閃光放電管14に発光トリガがかかる。
【0029】
26はコンデンサで、一端は抵抗7の一端とサイリスタ9のアノードとに接続されている。27は抵抗で、一端はコンデンサ26の他端に接続され、他端は閃光放電管14の陰極に接続されている。
【0030】
28はダイオードで、アノードは閃光放電管14の陰極に接続され、カソードはアース接続されている。なお、コンデンサ26も抵抗27およびダイオード28により倍圧回路が構成されている。
【0031】
15は定電圧回路で、電池1の電圧が変化しても一定の電圧(Vcc)を出力する回路である。16はカメラの制御を行うためのスイッチ制御回路である。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
ワンチップマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)17は、CPU171やROM、RAMと、入出力制御(I/O CONTROL)回路172と、A/Dコンバータ(A/D変換器)173と、マルチプレクサ174と、タイマ回路等とを含むマイコン内蔵ワンチップIC回路からなる。このマイコン17は、カメラシステムのコントロールをソフトウエアに従って行う。マイコン17には、電源として定電圧出力Vccが接続され、またスイッチ2がオンすると電池1(Vbat)が接続されている。
【0033】
18は自動焦点検出(オートフォーカス:AF)回路で、被写体のピントを合わせるために自動的に焦点検出を行い、不図示の撮影レンズを駆動する。このAF回路18には、マイコン17から焦点検出に必要な信号(AFC信号)が送られ、AF回路18からは焦点検出に必要な信号(AFD信号)が送信される。
【0034】
19は自動露出(AE)回路で、被写体の輝度を測光する。このAE回路19には、適正な露出を決める(シャッタ速度、絞り)ため、測光動作を決める信号(AEC信号)がマイコン17から送られ、AE回路19は露出に必要なデータ(AED信号)をマイコン17に送信する。
【0035】
20はLCDやLED等からなる表示回路で、カメラ動作制御に関する情報(シャッタ速度、絞り、充電完了、フィルム感度、リモコンモード、セルフタイマ等の各種情報)を表示する。
【0036】
21はシャッタ回路で、マイコン17からの制御信号によってシャッタ動作を行う(シンクロスイッチ含む)。
【0037】
22は絞り制御回路で、マイコン17からの制御信号によってレンズの絞りを制御する。
【0038】
231はサイリスタで、アノードは主コンデンサ6の正極に接続され、カソードは接地されている。
【0039】
232はコンデンサで、サイリスタ231のゲート−カソード間に接続されている。233は抵抗で、サイリスタ231のゲートカソード間に接続されている。234は抵抗で、サイリスタ231のゲートとマイコン17間に接続されている。なお、これらサイリスタ231、コンデンサ232および抵抗233,234により発光停止回路23が構成されている。
【0040】
30は測光回路である。400はフィルム感度検知回路であり、フィルムのDX接点を検知してフィルム感度を自動的に検知し、マイコン17にフィルム感度情報(ISO信号)を送る。
【0041】
700は昇圧回路3の電源電流制限のためのコンパレータで、電源電圧がマイコン17より設定される電源電圧遮断レベル(Vref1電圧)以下になると昇圧回路3の制御信号OSCを遮断する。
【0042】
701はNPNトランジスタで、昇圧回路3の制御信号OSCを遮断するためトランジスタである。NPNトランジスタ701のベースは抵抗702を介してコンパレータ700に接続されている。
【0043】
以上のように構成された電気回路においては、まず一定の電源電圧以下にならないようにマイコン17によりVref1電圧が決定される。
【0044】
次に、昇圧動作を開始するためにマイコン17は発振開始信号OSC信号を“ローレベル(以下、LLという)”から“ハイレベル(以下、HLという)”にする。これによりダイオード34を介してFET32がオンし、これに伴ってPNPトランジスタ31もオンし、発振トランス36aに電池1からの電源が供給されて発振がスタートする。
【0045】
発振がスタートすると、発振トランス36cの2次側に高圧電圧が発生し、PNPトランジスタ31のエミッタ、ベースおよびFET32のドレイン、ソースを介して発振トランス36cの2次側に電流が流れ、ダイオード4,29を介して主コンデンサ6への充電が行われる。
【0046】
このとき、PNPトランジスタ31のオンにより電池電源1の電圧が急激に低下する。しかし、コンパレータ700の入力としてVref1電圧以下まで電源電圧1の電圧が下がると、コンパレータ700が“LL”から“HL”に反転し、抵抗702を介してNPNトランジスタ701のベースがオンになり、マイコン17の充電制御信号OSCの出力を下げてFET32がオフになるので、PNPトランジスタ31がオフになり、発振トランス36aへの電池1からの電源供給が止まって発振が止まる。
【0047】
発振が止まることで電池1の電圧の低下は止まり、電圧が復帰してくる。電池1の電圧が復帰してコンパレータ700の入力としてVref1電圧を越えると、コンパレータ700が“HL”から“LL”に反転し、抵抗702を介してNPNトランジスタ701のベースがオフになり、マイコン17の充電制御信号OSCの出力が“HL”になる。このため、NPNトランジスタ32がオンになり、PNPトランジスタ31がオンになって発振トランス36aへの電池1からの電源供給がなされ発振する。
【0048】
以上の動作が繰り返されることにより、電源電圧は一定電圧以下に低下することはない。
【0049】
500はフラッシュズーム回路で、マイコン17に接続されている。600はデート写し込み回路でマイコン17に接続されている。800はEEPROM(電気的消去可能プログラム書き込み可能ROM)で、マイコン17に接続されている。マイコン17は、EEPROM800にカメラ動作制御に必要な設定情報を書き込む。なお、このEEPROM800に、後述の発光回数の設定値を書き込み、設定変更ができるようにしてもよい。
【0050】
スイッチ回路16は、メイン(電源)SW,フィルム装填検知SW,ズームSW,リモコンSW,ストロボSWの検知回路等を含む。
【0051】
900は、レンズ焦点距離を可変するためのズーム回路で、スイッチ回路16の中の1つであるズームSWを押すことによりレンズを駆動する。ズームSWはレンズをテレ側に移動させるズームTeleSWと、ワイド側に移動させるズームWideSWを有し、各SWのオンにより撮影レンズが移動する。
【0052】
次に、図2〜図10に示すフローチャートに基づいて上記カメラ(特に、動作規制手段としてのマイコン17)の動作を説明する。まず電源スイッチ2がオンすると、昇圧回路3に電池1が接続され、また定電圧回路15が起動する。これにより、定電圧回路15に定電圧Vccが発生し、マイコン17や各回路ブロックに定電圧が供給される。
【0053】
マイコン17に電源が入力されると、図2および図3に示すメインルーチンにおけるステップ(図では、Sと略す)1にて、マイコン17内のCPU171のリセット(初期設定)が行われる。具体的には、プログラムのフラグ(FALフラグ、FONフラグ、FOFFフラグ、Hカウンタフラグ、remSWフラグ、remMフラグ等)をクリアしたり、メモリの内容をリセットしたりする。また、閃光発光管14の発光回数を示すHカウンタのリセットも行う。
【0054】
次に、ステップ2において、スイッチ回路16によりカメラの制御のためのスイッチ(シャッタ、絞り、フラッシュモード切換えのためのストロボ動作SW、フィルム装填検知SW、ズーム動作SW、リモコン設定SW、フィルム感度切換えSW、レリーズSW等)の状態を検知し、マイコン17に信号伝達する。またフィルムが装填されるのが確認されたときは、フィルム感度検知回路400により自動的にフィルム感度を読み取る。
【0055】
次に、ステップ3において、レリーズスイッチの半押しによりスイッチS1がオンすると、測光や焦点検出等の撮影準備動作を行わせるとともに、ステップ4に進む。
【0056】
ステップ4では、電池1の電圧(バッテリ電圧)をマイコン17で検知する。例えば、マイコン17内のA/D変換器でバッテリレベルをアナログ値からデジタル値に変換してメモリしておく。そして検知したバッテリ電圧をマイコン17で電圧判別を行い、任意のレベル(例えば、カメラ最低動作電圧)以下であると判断したとき(NG)はステップ2に戻り、任意の電圧より大きいと判断したとき(OK)はステップ6に進む。
【0057】
ステップ6では、マイコン17からAF回路18に焦点検出に必要な信号(AFC信号)が送られ、AF回路18からは焦点検出に必要な信号(AFD信号)がマイコン17に送られる。これにより、自動的に焦点検出が行われ、撮影レンズを駆動して被写体にピントを合わせる。
【0058】
また、次のステップ7では、マイコン17からAE回路19に測光動作を決める信号(AFC信号)が送られる。AE回路19は被写体の輝度を測光し、露出に必要なデータ(AED信号)をマイコン17に送る。マイコン17は適正な露出(シャッタ速度、絞り)を演算する。
【0059】
次に、ステップ8では、後述するステップ23でのストロボSW動作で強制フラッシュオフが設定されたことを示すFOFFフラグの判定を行い、設定されているとき(FOFFフラグ=1のとき)はステップ13に進み、設定されていないとき(FOFFフラグ=0のとき)はステップ9に進む。
【0060】
ステップ9では、ステップS23のストロボSW動作で強制フラッシュオンが設定されたことを示すFONフラグの判定を行い、設定されているとき(FONフラグ=1のとき)はステップ11に進み、設定されていないとき(FONフラグ=0のとき)はステップ10に進む。
【0061】
次に、ステップ10では、被写体輝度が予め任意に設定された輝度以下(低輝度)であるか否かを判別し、上記輝度以下であるとき、フラッシュ必要としてステップ11に進み、上記輝度より高いときはフラッシュ不要としてステップ13に進む。
【0062】
ステップ11では、フラッシュの充電シーケンス(フラッシュモード)を実行する。このシーケンスについては、後述する。
【0063】
フラッシュモードを実行後、ステップ12では、充電が完了したか否かを判断し、完了したときはマイコン17は充電完了のラッチ動作を行い、表示回路20に充電完了を示す表示を行い、ステップ13に進む。充電が完了していないときはステップ2に戻る。
【0064】
ステップ13では、レリーズスイッチの全押しによりスイッチS2がオンしているか否かの判別を行い、オフのときはステップ2に戻り、オンのときは図3に示すステップ14に進む。
【0065】
ステップ14では、レンズのリセット位置(初期位置)から、AF回路18による焦点検出データに基づいたレンズ移動量だけレンズを動かして合焦させる。
そして、ステップ15で、シャッタ絞り制御およびフィルム発光が必要であるときはフラッシュ発光制御を行って露光を行う。なお、このシーケンスについては後述する。続いて、ステップ16では、レンズをリセット位置に戻す。さらに、ステップ17で、フィルムの1駒巻き上げ動作を行う。
【0066】
次に、ステップ18において、後述するフラッシュモードにて立てられたフラッシュ(FAL)フラグが1か0か(フラッシュが必要か不要か)を判別し、FAL=1であるとき(フラッシュ必要のとき)はステップ19に進み、FAL=0のとき(フラッシュ不要のとき)はステップ2に戻る。
【0067】
ステップ19では、ステップ11と同様にフラッシュ充電(フラッシュモード)のシーケンスを実行する。
【0068】
次に、図4のフローチャートを用いて上記ステップ11,19で実行されるフラッシュ充電(フラッシュモード)シーケンスについて説明する。
【0069】
まず、ステップ1101にて、フラッシュが必要であることを示すフラッシュフラグFALに1を立てる。
【0070】
次に、ステップ1102にて、分圧抵抗52,53による主コンデンサ6の電圧の分圧電圧(コンデンサ51,54は安定検出用コンデンサ)の検知回路5からの信号を、マイコン17内のCPU171の命令により内部のA/Dコンバータ173と、マルチプレクサ174とにつなぎ、主コンデンサ6の充電電圧をアナログ値からデジタル値(電圧に対応する値)に変換してCPU171に記憶する。
【0071】
このとき、測定した充電電圧のレベルが、予め設定された閃光放電管14の発光可能電圧であって撮影可能なフラッシュ充電レベルに達したか否か(充電完了か否か)を判別し、充電完了のときはステップ1103に進み、充電未完であるときはステップ1105に進む。
【0072】
ステップ1103では、昇圧動作を停止させるために、マイコン17は発振開始信号OSC信号を“HL”から“LL”にする。これによりFET32がオフし、これに伴ってPNPトランジスタ31もオフして発振トランス3aへの電池1からの電源供給が遮断され、発振が停止する。続いて、ステップ1104にて表示回路20に充電完了の表示を行い、メインルーチンのステップ12又はステップ2に戻る。
【0073】
一方、ステップ1105では、昇圧動作を開始させるために、マイコン17は発振開始信号OSC信号を“LL”から“HL”にする。これによりFET32がオンし、これに伴ってPNPトランジスタ31もオンして発振トランス36aに電池1からの電源供給がなされ発振がスタートする。発振がスタートすると、発振トランス36cの2次側に高圧電圧が発生し、ダイオード4,29を介して主コンデンサ6への充電が行われる。そして、再度ステップ1102にて充電が完了したかどうかの判別を行う。
【0074】
次に、図5および図6を用いてステップ15にて実行されるシャッタ・絞り制御シーケンスについて説明する。
【0075】
また、ステップ1501では、ステップ7にて測光データにより決められたシャッタ・絞り値にするためのシャッタ回路21および絞り回路22の動作を開始する。
【0076】
次に、ステップ1502にて、フラッシュフラグ(FAL)が1か否かを判別し、FAL=1(フラッシュ必要)のときはステップ1503に進み、FAL=0(フラッシュ不要)のときはステップ1507−2に進む。
【0077】
ステップ1503では、マイコン17がTRG信号をパルス出力する。
【0078】
さらに、ステップ1504では、昇圧回路3の動作により抵抗7を介してコンデンサ8とコンデンサ26に充電電流を流してこれらをチャージする。また、主コンデンサ6が充電されており、閃光放電管14に高圧がかかっているときに、TRG信号がパルス出力されると、抵抗12を介してサイリスタ9のゲートがオンになり、コンデンサ8およびコンデンサ26の一端が接地されて放電し、閃光放電管14の両端に主コンデンサ6の端子電圧とコンデンサ26の端子電圧の和の電圧がかかる。そしてコンデンサ8の放電によりトランス13の1次側にパルスが発生し、これにより2次側に高圧パルスが発生して閃光放電管14にトリガがかかり発光する。
【0079】
次に、ステップ1505にて、主コンデンサ6の充電レベルが適正光量に相当するか否かを判断し、適正露光量に相当する発光量だけ発光すると、発光を停止する。
【0080】
そして、ステップ1507にて、ステップ7での測光データおよび発光量・露出演算により決められたシャッタ・絞り値にするために、シャッタ回路21および絞り回路22の動作を停止させる。なお、ステップ1507−2の動作は、S1507と同じである。
【0081】
次に、ステップ1508にて、閃光放電管14が何回発光したかをカウントするマイコン17の内部カウンタ(Hカウンタ)を1つ加算する。そして、ステップ1509では、Hカウンタ値が予めカメラの過熱を防止するのに適当な値として設定された発光回数(X回)に到達したか否かを判別し、X回以下のときはステップ16に戻り、X回を超えたときは図6に示すステップ1511に進む。
【0082】
なお、設定回数Xについては、マイコン17内のROMに書き込んでもよいし、外部のEEPROM800にデータを書きこむことによって設定を変えられるようにしてもよい。
【0083】
ステップ1511では、カメラ動作を規制すべき旨を表示回路20に表示して使用者に警告する。次に、ステップ1512にて、スイッチ回路16の1つであるメインSWが動作されたこと(ON→OFF→ON)を検知したときは、ステップ1に戻り、検知しないときはステップ1511に戻って、カメラ動作を規制すべき旨の表示を保持する。
【0084】
なおこのステップ1511では、カメラ動作を規制すべき旨が使用者に分かればよいので、表示回路20の表示をすべて消すようにしてもよい。
【0085】
次に、図7を用いてステップ20にて実行されるズームスイッチ検知シーケンスについて説明する。
【0086】
まず、ステップ2001では、スイッチ回路16の中の1つである焦点距離を可変するためのズームスイッチのうちズームTeleSWがオンされたかどうかを判断し、押されたときはステップ2002に進み、押されていなければステップ2004に進む。
【0087】
ステップ2002では、マイコン17からズーム回路900にテレ側の焦点距離に移動させるよう信号を送り、レンズをテレ方向にズーム駆動させる。
【0088】
次に、ステップ2003にて、Hカウンタをリセット又はカウンタ値を予め設定した回数分減算する。そして、ステップ2004に進む。
【0089】
ステップ2004では、スイッチ16の中の1つであるズームwideSWが押されたかどうかを判断し、押されたときはステップ2005に進み、押されていなければステップ2に戻って他のスイッチ状態の検出を行う。
【0090】
ステップ2005では、マイコン17からズーム回路900にワイド側の焦点距離に移動させるように信号を送り、レンズをワイド側にズーム駆動させる。
【0091】
次に、ステップ2006では、Hカウンタをリセット又はカウンタ値を予め設定した回数分減算する。そして、ステップS2に戻り、他のスイッチ状態の検出を行う。
【0092】
次に、図8を用いて、ステップ21にて実行されるフィルム装填検知シーケンスについて説明する。
【0093】
ステップ1201では、スイッチ回路16の中の1つであるフィルムが装填されたことを確認するためのスイッチがオンか否かを確認し、オンのとき(フィルム装填状態のとき)はステップ2102に進み、オフのとき(フィルム未装填状態のとき)はステップ2に戻って他のスイッチ状態の検出を行う。
【0094】
ステップ2102では、Hカウンタをリセットする。これにより、フィルムが装填された状態では、Hカウンタのリセットが継続され、閃光放電管14が発光してもHカウンタ値を加算しない。逆に言えば、フィルムが未装填の状態でのみHカウンタ値を加算する。
【0095】
ここで、フィルム未装填状態でのみHカウンタ値を加算するのは、図11に示すように、フィルム装填状態ではフィルム給送およびフィルム交換等が行われるために図中のBカーブのようにカメラの温度は急上昇しないが、フィルム未装填状態では図中のAカーブのように電池1が消耗するまで温度上昇するためである。
【0096】
但し、フィルム装填、未装填にかかわらず、Hカウンタ値を加算するようにしてもよい。
【0097】
そして、Hカウンタのリセット後は、ステップ2に戻って他のスイッチ状態の検出を行う。
【0098】
次に、図9を用いてステップ22にて実行されるリモコンスイッチ検知シーケンスについて説明する。
【0099】
ステップ2201では、スイッチ回路16の中の1つであるリモコン操作を可能とするためのスイッチがオンか否かを確認し、オンのとき(リモコン操作可能のとき)はステップ2203に進み、オフのとき(リモコン操作不能のとき)はステップ2202に進む。
【0100】
ステップ2201では、リコモンフラグremSWに0を立て、ステップ2に戻って他のスイッチ状態の検出を行う。
【0101】
一方、ステップ2203では、Hカウンタをリセット又は予め設定された回数分Hカウンタ値を減算し、ステップ2204に進む。
【0102】
ステップ2204では、リモコンフラグremSWに1を立てる。次にステップ2205では、リモコンモードがmode1かmode2かの判別を行う。リモコンmode1は、リモコン送信器(不図示)がオンしたときに即レリーズするモードであり、リモコンmode2はリモコン送信器がオンしてから数秒後にレリーズするモードである。
【0103】
リモコンモードがmode1のときは、ステップ2206に進み、リモコンモード1にするためリモコンモードフラグremMに0を立てる。そしてステップ2に戻り、他のスイッチ状態の検出を行う。
【0104】
一方、リモコンモードmode2のときは、リモコンモードフラグremMに1を立てて、ステップ2に戻り、他のスイッチ状態の検出を行う。
【0105】
次に、図10を用いてステップ23にて実行されるストロボモードSW検知シーケンスについて説明する。
【0106】
まずステップ2301では、ストロボフラグFALに0を立てる。次に、ステップ2302では、スイッチ回路16の中の1つである、ストロボモードをフラッシュ強制ONモード、フラッシュ強制OFFモード又はオートモードに変更するスイッチがオンか否かを確認し、オンのとき(フラッシュ強制モード又はフラッシュ禁止モードが設定されているとき)はステップ2303に進み、オフのとき(暗中で自動発光するオートモードが設定されているとき)はステップ2に戻って他のスイッチ状態の検出を行う。
【0107】
ステップ2303では、Hカウンタをリセット又は予め設定された回数分Hカウンタ値を減算して、ステップ2304に進む。
【0108】
ステップ2304では、フラッシュ強制OFFモードか否かを判別し、このモードのときはステップ2309に進み、このモードでないときはステップ2305に進む。
【0109】
ステップ2309では、フラッシュ強制OFFモードにするためにフラグFOFFに1を立て、ステップ2へ戻る。
【0110】
一方、ステップ2305では、フラッシュ強制OFFモードではないのでフラグFOFFに0を立てる。そして、ステップ2306に進み、フラッシュ強制ONモードか否かを判別する。このモードのときはステップ2308に進み、このモードでないときはステップ2307に進む。
【0111】
ステップ2308では、フラッシュ強制ONモードにするためにフラグFONに1を立てて、ステップ2に戻る。
【0112】
一方、ステップ2307では、フラッシュ強制ONではないのでフラグFONに0を立てて、ステップ2に戻り、他のスイッチ状態の検出を行う。
【0113】
なお、スイッチのオン検知によるHカウンタのリセット又は減算を、ここであげたスイッチ以外のスイッチのオン検知でも同様に行うようにしてもよい。
【0114】
また、予め設定するカウンタ値や減算するカウンタ数については、マイコン17内のROMで設定してもよいし、外部のEEPROMに書きこんでもよい。
【0115】
(第2実施形態)
図12には、本発明の第2実施形態であるカメラのシャッタ絞り制御シーケンスの後段部分を示している。なお、この図のシーケンスは、第1実施形態の図6にて説明したシャッタ絞り制御シーケンスの後段部分に代わるものである。また、本実施形態における他のシーケンスについては、第1実施形態と同じである。本実施形態では、図6に示すステップ1511の前に、ステップ1509にてHカウンタ値がX回を超えたと判断されたときにレンズを沈胴位置(格納位置)に移動させて不図示のレンズバリアを閉じるステップ1510を挿入している。
【0116】
本実施形態によれば、撮影規制時にレンズを沈胴位置に移動させ、レンズバリアを閉じることで、使用者により明確にカメラ動作が規制されていることを認識させることができる。
【0119】
本発明によれば、フラッシュ発光回数が所定回数を超えたときにはカメラ動作を規制するとともに、ズーム用操作部材やリモコン用操作部材が操作されたとき、すなわちフラッシュ発光の間にある程度の時間が経過してカメラの温度の低下が期待できる場合には、発光回数のカウント値を減じれば、不用意にカメラ動作が規制されてしまうのを防止しつつ、カメラの過熱を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるカメラの電気回路ブロック図である。
【図2】上記カメラの動作フローチャートである。
【図3】上記カメラの動作フローチャートである。
【図4】上記カメラの動作フローチャートである。
【図5】上記カメラの動作フローチャートである。
【図6】上記カメラの動作フローチャートである。
【図7】上記カメラの動作フローチャートである。
【図8】上記カメラの動作フローチャートである。
【図9】上記カメラの動作フローチャートである。
【図10】上記カメラの動作フローチャートである。
【図11】上記カメラのフィルム装填の有無による温度上昇の違いを示すグラフである。
【図12】本発明の第2実施形態のカメラの動作フローチャートである。
【符号の説明】
1…電池
2…電源スイッチ
3…昇圧回路
5…電圧検知回路
6…主コンデンサ
16…スイッチ回路
17…ワンチップマイコン
20…表示回路
21…シャッタ回路
22…絞り回路
900…ズーム回路
800…EEPROM
Claims (1)
- 閃光発光するフラッシュ手段を有するカメラにおいて、
前記フラッシュ手段の発光回数のカウント値が所定値を超えたときに、カメラ動作を規制する動作規制手段を有し、
前記動作規制手段は、撮影レンズにズーム動作を行わせるズーム用操作部材およびリモコン操作を可能とするリモコン用操作部材のいずれかが操作されたときは、前記カウント値を減じることを特徴とするカメラ。
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-
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- 1998-01-28 JP JP01547198A patent/JP3957853B2/ja not_active Expired - Fee Related
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