JP2004352142A - 自動車モール表層材 - Google Patents

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JP2004352142A
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Haruyuki Takayama
治幸 高山
Michihiro Ishiguro
通裕 石黒
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Kuraray Plastics Co Ltd
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Kuraray Plastics Co Ltd
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Abstract

【課題】柔軟で、光沢があり、傷が付きにくく、かつ、自動車モール基材のポリオレフィン樹脂や一般的なオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーに容易に熱融できる自動車モール表層材を提供すること。
【解決手段】tanδのピーク温度が−20℃以上40℃以下で、数平均分子量が30000〜300000の水素添加ビニル芳香族モノマー−ジエンモノマー共重合体(I)100重量部に対し、ポリオレフィン樹脂(II)25〜900重量部からなる自動車モール表層材。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟で、光沢があり、傷が付きにくく、かつ、自動車モール基材のポリオレフィン樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーに容易に熱融着する自動車モール表層材に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車モール材は、ウィンドモールディング、ルーフモールディング、プロテクターモールディング、ウェザーモールディング、ストリップモールディング等の各種モールによって構造は異なるが、一般的に表層と基材の2層、もしくは、表層、基材、ヒレ材の3層構造となっており、表層は傷が付きにくく、光沢のある材料が要求される。この自動車モールの材料には、塩化ビニル系樹脂が一般的に使用されていた。しかし、塩化ビニル系樹脂は成形・加工が容易で、かつ安価であるが、廃棄物を焼却処分する際に、塩素を含有しているために有毒なガスを発生する可能性があり、分別や処理に手間と費用がかかるという問題点がある。そこで、成形加工性が容易で、かつ比較的柔軟なオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー組成物に代替されることがある。しかし、この材料は、べとつき、傷が付きやすく、光沢がないため表層材としてはあまり適さない。そこで、近年は、モール材の表層材にエチレン・メタクリル酸共重合体または、その金属塩の組成物を使用し、傷付き防止や光沢感を実現している(例えば、特許文献1〜2)。しかし、エチレン・メタクリル酸共重合体は、自動車モールの基材となるオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等に熱融着しないため、これらのエラストマーに特殊な材料を添加して使用しなければならなかった(例えば、特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−32152号公報 ([0013]〜[0015])
【特許文献2】
実開平7−26217号公報 ([0013]〜[0015])
【特許文献3】
特開2002−128970号公報([0010]〜[0012])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術のかかる状況に鑑み、柔軟で、光沢があり、傷が付きにくく、かつ、自動車モール基材のポリオレフィン樹脂や一般的なオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーに容易に熱融着する自動車モール表層材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、tanδのピーク温度が−20℃以上40℃以下で、数平均分子量が30000〜300000の水素添加ビニル芳香族モノマー−ジエンモノマー共重合体(I)100重量部に対し、ポリオレフィン樹脂(II)25〜900重量部からなる自動車モール表層材を使用することにより達成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の水素添加ビニル芳香族モノマー−ジエンモノマー共重合体(I)(以下、水素添加共重合体(I)と称する)とは、ビニル芳香族モノマー(A)とイソプレン、ブタジエン単独もしくはイソプレンとブタジエンモノマーを併用し、ランダム共重合体もしくはブロック共重合体とし、その共役ジエン部分の二重結合を水添したものである。
【0007】
ビニル芳香族モノマー(A)は、具体例にはスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどであり、とりわけスチレンの使用が好ましい。
【0008】
また、このビニル芳香族モノマー(A)の水素添加共重合体(I)中の割合は、5〜50重量%の範囲にあるのが好ましい。この割合が5重量%より小さいと機械的性質が不十分となり、逆に割合が50重量%を越えると粘度が著しく高くなるために加工が困難となることがある。
【0009】
ジエンモノマーとしてはイソプレン、ブタジエン単独もしくはイソプレンとブタジエンを併用して用いることができる。
【0010】
本発明において、水素添加共重合体(I)は、動的粘弾性測定により得られるtanδ(損失正接)の主分散のピークの温度が−20℃以上40℃以下であることが必要である。−20℃よりも低い温度領域にtanδの主分散のピークが存在する場合には、傷付き易くなる。40℃を超える場合は、室温での柔軟性が不足する。
【0011】
水素添加共重合体(I)のtanδ(損失正接)の主分散のピークの温度を−20℃以上40℃以下にするためには、ジエンモノマーの結合様式をブタジエンの場合は1,2−結合、イソプレンの場合には3,4−結合(以下、これらを総称してビニル結合と称する)を40%以上にすることで達成できる。イソプレンを用いた場合にはビニル結合量を40%〜70%、ブタジエンを用いた場合にはビニル結合量を55%〜90%とするのが良い。ビニル結合含有量が40%より少ない場合には、ポリオレフィン樹脂(II)との相溶性が悪くなり、傷付き易くなる。
【0012】
本発明において用いられる水素添加共重合体(I)の数平均分子量は、30000〜300000の範囲にあることが必要である。数平均分子量が30000より小さいと機械的性質が低下して好ましくない。また、数平均分子量が300000を越えると、加工性が悪くなり好ましくない。
【0013】
水添ジエン共重合体の水添率は要求される物性のレベルにより任意に決定しうるが、耐熱性および耐候性を重視する場合、水添率を50%以上、好ましくは70%以上にするのがよい。
【0014】
本発明の水素添加共重合体(I)としては、クラレ製「ハイブラー」(登録商標)、ジェイエスアール製「ダイナロン」(商品名)などが挙げられる。
【0015】
本発明に使用されるポリオレフィン樹脂(II)としては、いわゆるポリプロピレンすなわちプロピレンからなるホモポリマー、プロピレンとエチレンなどとのコポリマーを好適に使用できるが、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂を使用することもできる。
【0016】
水素添加共重合体(I)とポリオレフィン樹脂(II)の割合は、水素添加共重合体(I)100重量部に対し、ポリオレフィン樹脂(II)25〜900重量部であることが必要である。ポリプロピレン樹脂(II)が25重量部未満であるとべとつき、ポリプロピレンやスチレン系エラストマーやオレフィン系エラストマーとの熱融着性が不足する。また、900重量部より多い場合は、柔軟性が不足する。ポリオレフィン樹脂(II)のより好適な配合量は50〜500重量部である。
【0017】
本発明の自動車モール表層材には、水素添加共重合体(I)、ポリオレフィン樹脂(II)のほかに、公知の配合剤、たとえば安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、滑剤、充填剤(炭酸カルシウム、タルクなど)、着色剤(顔料、染料など)を含有してもよい。
さらに、本発明の自動車モール表層材には、本発明の趣旨を損なわない範囲内で、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、α−メチルスチレン樹脂、ABS等のスチレン系樹脂を添加してもよい。
【0018】
本発明の自動車モール表層材を構成する水素添加共重合体(I)とポリオレフィン樹脂(II)の組成物は、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ヘンシェルミキサー、オープンロール、ニーダー等の混練機あるいは混合機を用いて原料を加熱溶融状態で混練することにより得られる。自動車モール表層材は、ウィンドモールディング、ルーフモールディング、プロテクターモールディング、ウェザーモールディング、ストリップモールディング等の各種モールによって構造は異なるが、上記(I)と(II)の組成物と自動車モール基材のポリオレフィン樹脂や一般的なオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等とを共押出成形することで得られる。また、インサート成形、トランスファー成形でも成形できる。表層の厚みは任意であるが、一般的に0.05mm以上2mm以下で使用できる。
【0019】
本発明の自動車モール表層材は、柔軟で、光沢があり、傷が付きにくく、かつ、自動車モール基材のポリオレフィン樹脂や一般的なオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーに容易に熱融着するため、自動車モール表層材の他に、自動車用内装部材、家電製品、建材に用いることもできる。
【0020】
【実施例】
本発明をより具体的かつ詳細に説明するために以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0021】
尚、本発明により得られる樹脂組成物の性能評価は以下に示す方法によって、硬さ、光沢性、耐傷付き性、熱融着性の評価を行った。結果を表1に示した。
【0022】
また、表1の実施例1〜2および比較例1〜5では、水素添加共重合体(I)、ポリオレフィン系樹脂(II)、アイオノマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーとしてそれぞれ以下のものを使用した。水素添加共重合体(I)
「ハイブラー7125」 ((株)クラレ製) スチレン含有量20重量%、水素添加スチレン−ビニル−ポリイソプレン−スチレントリブロック共重合体、tanδ−5℃
「ダイナロン1320P」 (ジェイエスアール(株)製) スチレン含有量10重量%、水素添加スチレン・ブタジエンランダム共重合体、tanδ−15℃
ポリオレフィン系樹脂( II
「ノバッテックPP EA9」 (日本ポリケム(株)製)
MFR:0.5g/10分
アイオノマー
「ハイミラン1702」 (三井・デュポン ポリケミカル(株)性) エチレン・メタクリル酸共重合物
スチレン系熱可塑性エラストマー
「セプトンコンパウンドCE003」 {クラレプラスチックス(株)製} スチレン系熱可塑性エラストマー
オレフィン系熱可塑性エラストマー
「サントプレン101−55」(AESジャパン(株)製)
【0023】
a)柔軟性
表1に示す樹脂組成物を、プレス成形(温度230℃)で、縦250×横150×厚み2mmのシートを作製した。得られたシートを用いて、 JIS K6253準拠の方法によるタイプDデュロメータ硬度の値を柔軟性の指標とし、評価を行った。結果を表1に示した。
○・・・柔軟性あり、×・・・硬い。
【0024】
b)光沢性
表1に示す樹脂組成物を200℃に設定した単軸押出機((口径40mm、L/D=30)で、厚み2mm、幅25mmの押出テープを作製し、表面の光沢性を目視で観察した。
○・・・光沢性あり、×・・・光沢性不足。
【0025】
c)耐傷付き性
表1に示す樹脂組成物を200℃に設定した単軸押出機(口径40mm、L/D=30)で、厚み2mm、幅25mmの押出テープを作製し、爪で引っかき耐傷付き性を目視で観察した。
○・・・傷付き難い、×・・・傷付きやすい。
【0026】
d)熱融着性
表1に示す樹脂組成物とポリプロピレン(PP)、一般的なスチレン系エラストマー(TPS)、オレフィン系エラストマー(TPO)をそれぞれ二色共押出しして複合樹脂成形品を得、引張試験機により2つの樹脂層をそれぞれ180度の反対方向に引張り、その剥離強度を測定した。
【0027】
【表1】
Figure 2004352142
【0028】
実施例1、2、3
二軸押出機(口径46mm、L/D=46)を使用して、表1に示す配合に従って、各構成成分を200℃で溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られたペレットコンパウンドを用い、上記評価方法a)、b)、c)、d)に準じて試験片を作製し、評価を行った。柔軟性、光沢性を有し、傷付き難く、オレフィン樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーとの熱融着性も良好であった。この評価結果により、得られたテープは自動車モールの表層材として有用であることが確認された。
【0029】
比較例1
表1に示す配合で、実施例1と同様にして、各種物性評価を行った。柔軟性、光沢性を有し、傷付き難いが、オレフィン樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーとの熱融着性が不足していた。
【0030】
比較例2
表1に示す配合で、実施例1と同様にして、各種物性評価を行った。柔軟性、オレフィン樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーとの熱融着性は優れているが、光沢がなく、傷付きやすかった。
【0031】
比較例3
アイオノマーは、柔軟性、光沢性を有し、傷が付き難いが、オレフィン樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーとの熱融着性が不足していた。
【0032】
比較例4、5
オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーは、柔軟性、オレフィン樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーとの熱融着性は優れているが、光沢がなく、傷が付きやすかった。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、柔軟で、光沢があり、傷が付きにくく、かつ、自動車モール基材のポリオレフィン樹脂や一般的なオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーに容易に熱溶着でき、しかも焼却する際に有毒ガスを発生する恐れがない自動車モール表層材を提供することができる。

Claims (1)

  1. tanδのピーク温度が−20℃以上40℃以下で、数平均分子量が30000〜300000の水素添加ビニル芳香族モノマー−ジエンモノマー共重合体(I)100重量部に対し、ポリオレフィン樹脂(II)25〜900重量部からなる自動車モール表層材。
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