JP2004348386A - 硬貨放出装置及び硬貨処理装置 - Google Patents

硬貨放出装置及び硬貨処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】装置内の硬貨の状態を正確に検知し、前記検知の結果に基づいて各部の動作を制御することで、信頼性を向上させた硬貨放出装置を提供する。
【解決手段】収納部5と、繰出部10と、収納硬貨検知手段6と、搬送通路20と、搬送通路20を移動する硬貨の移動方向とおよそ垂直方向に複数配置された繰出硬貨検知手段30と、収納した硬貨の検知又は繰出硬貨検知手段30による硬貨の検知に基づいて、繰出部10を制御する制御部50とを備え、制御部50は、硬貨の繰り出しを行う直前に、繰出硬貨検知手段30の状態を確認し、また複数配置された繰出硬貨検知手段30の各々による硬貨の検知が、所定の時間差以内でなされたときに、硬貨を計数し、さらに硬貨の繰り出しを行っている期間に硬貨を検知出来ない期間があったときには、繰出円板11を逆方向に断続的に回転させるように構成される硬貨放出装置とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨放出装置及び硬貨処理装置に関し、特に装置内の硬貨の状態を正確に検知し、前記検知の結果に基づいて各部の動作を制御することで、信頼性を向上させた硬貨放出装置及び硬貨処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の硬貨放出装置としては、例えば収納した硬貨を、回転円板を有する繰出機構により1枚ずつ硬貨を繰り出せるホッパがあった。またホッパは、繰出機構により繰り出した硬貨を、繰出機構に接続された搬送通路(放出シュート)を介して外部に放出できる構造を有している。このようなホッパは、例えば硬貨処理装置に内蔵され、釣銭用硬貨の収納、放出に用いられている。
【0003】
このようなホッパは、硬貨を安定して放出できるように、回転円板を、回転方向を変えて回転させることで収納した硬貨を均す処理(平滑処理)を行っていた(例えば、特許文献1参照。)。また平滑処理は、例えば硬貨の繰り出しに不具合となるような硬貨の積層状態、いわゆるブリッジ状態を検知したときにも行うようにしていた。具体的には硬貨の繰り出しを完了したときに、収納された硬貨の残量を検知するエンドセンサで硬貨が検知出来ない場合に平滑処理を行うようにしていた。
【0004】
さらに、このようなホッパには、繰り出された硬貨を検知する計数センサが備えられていた。計数センサは例えば放出シュートに設けられ、ホッパは、この計数センサにより、繰り出された硬貨を計数できるように構成されていた(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−222449号公報 (第4−7頁、第9図)
【特許文献2】
特開平11−195155号公報 (第3−5頁、第1−2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上のようなホッパでは、例えば上記のブリッジ状態を正確に検知できないことで、平滑処理が適切に行えず、硬貨が繰り出せないことがあった。また、放出シュート内に硬貨や異物等が停滞していた場合であっても、そのまま硬貨が繰り出されていたため、詰まりを発生することがあった。
【0007】
また、計数センサは、放出シュート内に1個又は硬貨の移動方向に2個配置されていたため、ゴミ等の異物の影響を受けやすく、誤計数を発生していた。また、硬貨の移動方向に添って処理を行うと、硬貨の通過を判定する即ち計数するまでに時間がかかっていた。
【0008】
そこで本発明は、装置内の硬貨の状態を正確に検知し、前記検知の結果に基づいて各部の動作を制御することで、信頼性を向上させた硬貨放出装置及び硬貨処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による硬貨放出装置1は、例えば図1に示すように、硬貨を収納する収納部5と;前記収納した硬貨を1枚ずつ繰り出す繰出部10と;前記収納した硬貨を検知する収納硬貨検知手段6と;前記収納した硬貨の検知に基づいて、繰出部10を制御する制御部50とを備え;繰出部10は、所定方向の回転により硬貨を1枚ずつ繰り出せる繰出円板11を有し、制御部50は、前記硬貨の繰り出しを行っている期間に、収納硬貨検知手段6で硬貨を検知出来ない期間があったときには、前記硬貨の繰り出しを行った後、繰出円板11を前記所定方向と逆方向に断続的に回転させるように制御するように構成される。
【0010】
このように構成すると、収納部5と、繰出円板11を有する繰出部10と、収納硬貨検知手段6と、制御部50とを備えるので、制御部50により、前記硬貨の繰り出しを行っている期間に、収納硬貨検知手段6で硬貨を検知出来ない期間があったときには、前記硬貨の繰り出しを行った後、繰出円板11を前記所定方向と逆方向に断続的に回転させるように制御することにより、装置内の硬貨の状態を正確に検知し、前記検知の結果に基づいて各部の動作を制御することで、信頼性を向上させた硬貨放出装置を提供できる。
【0011】
また請求項2に記載のように、請求項1の記載の硬貨放出装置1では、制御部50は、前記所定方向と逆方向の回転を所定時間行った後に前記回転を停止し、さらに収納硬貨検知手段6で硬貨を検知出来ないときには、さらに、前記所定方向と逆方向の回転を所定時間行うように制御するとよい。このように構成すると、例えばより効果的に収納された硬貨を均すことができる。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項3に係る発明による硬貨放出装置1は、例えば図1に示すように、硬貨を1枚ずつ繰り出す繰出部10と;前記繰り出された硬貨が移動する搬送通路20と;搬送通路20を移動する硬貨を検知する繰出硬貨検知手段30と;繰出硬貨検知手段30による硬貨の検知に基づいて、繰出部10を制御する制御部50とを備え;制御部50は、前記硬貨の繰り出しを行う直前に、搬送通路20の状態を含めた繰出硬貨検知手段30の状態を確認するように構成される。
【0013】
このように構成すると、繰出部10と、搬送通路20と、繰出硬貨検知手段30と、制御部50とを備えるので、制御部50により、前記硬貨の繰り出しを行う直前に、搬送通路20の状態を含めた繰出硬貨検知手段30の状態を確認することにより、装置内の硬貨の状態を正確に検知し、前記検知の結果に基づいて各部の動作を制御することで、信頼性を向上させた硬貨放出装置を提供できる。
【0014】
また請求項4に記載のように、請求項3に記載の硬貨放出装置1では、制御部50は、繰出硬貨検知手段30の状態の確認で、常態と異なると判断したときには、外部装置150に警報信号を出力するように構成するとよい。
【0015】
このように構成すると、前記常態と異なると判断したときには、外部装置150に警報信号を出力するので、例えば常態と異なると判断されたときには、外部装置150が硬貨の放出を行わないように制御するといった、外部装置150が硬貨放出装置1の状態により適切な制御を行えることで、信頼性を向上させることができる。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項5に係る発明による硬貨放出装置1は、例えば図1、図2に示すように、硬貨を1枚ずつ繰り出す繰出部10と;前記繰り出された硬貨が移動する搬送通路20と;搬送通路20を移動する硬貨を検知する繰出硬貨検知手段30と;繰出硬貨検知手段30による硬貨の検知に基づいて、繰出部10を制御する制御部50とを備え;繰出硬貨検知手段30は、搬送通路20を移動する硬貨の移動方向とおよそ垂直方向に、複数配置され、制御部50は、前記複数配置された繰出硬貨検知手段30の各々による硬貨の検知が、所定の時間差以内でなされたときに、前記繰り出された硬貨を計数するように構成される。
【0017】
このように構成すると、繰出部10と、搬送通路20と、搬送通路20を移動する硬貨の移動方向とおよそ垂直方向に、複数配置された繰出硬貨検知手段30と、制御部50とを備えるので、制御部50により、前記複数配置された繰出硬貨検知手段30の各々による硬貨の検知が、所定の時間差以内でなされたときに、前記繰り出された硬貨を計数することにより、装置内の硬貨の状態を正確に検知し、前記検知の結果に基づいて各部の動作を制御することで、信頼性を向上させた硬貨放出装置を提供できる。
【0018】
また請求項6に記載のように、請求項5に記載の硬貨放出装置1では、制御部50は、前記計数の結果を外部装置150に出力するように構成するとよい。
【0019】
また請求項7に記載のように、請求項5に記載の硬貨放出装置1では、制御部50は、前記計数の結果を一定の長さの計数信号として外部装置150(図4に図示)に出力することを特徴とするとよい。このように構成すると、例えば、計数の結果が一定の長さの計数信号で出力されるので、外部装置150の処理が安定する。
【0020】
上記目的を達成するために、請求項8に係る発明による硬貨処理装置100は、例えば図9に示すように、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の硬貨放出装置1と;硬貨放出装置1から硬貨を放出させるように制御する制御部50と異なる第2の制御部150とを備えている。
【0021】
このように構成すると、硬貨放出装置1と、第2の制御部150とを備えるので、第2の制御部150により、硬貨放出装置1から硬貨を放出させるように制御することができ、例えば第2の制御部150が硬貨放出装置1内の硬貨の状態を正確に検知し、前記検知の結果に基づいて硬貨の放出動作を制御することで、信頼性を向上させた硬貨処理装置を提供できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係る硬貨放出装置としてのホッパ1を説明する正面図である。本実施の形態ではホッパ1は、図9で後述する硬貨処理装置100に内蔵されるものである。ホッパ1は、硬貨を収納する収納部としてのホッパケース5と、前記収納した硬貨を検知する収納硬貨検知手段としてのエンドセンサ6と、前記収納した硬貨を1枚ずつ繰り出す繰出部10と、繰出部10により繰り出された硬貨が移動する搬送通路としての放出シュート20と、放出シュート20を移動する硬貨を検知する繰出硬貨検知手段としての計数センサ30と、計数センサ30による硬貨の検知に基づいて、繰出部10を制御する制御部としてのホッパ制御部50とを含んで構成される。ホッパ制御部50は、前記収納した硬貨の検知に基づいて、繰出部10を制御するものでもある。本実施の形態では、ホッパ制御部50は、繰出部10に一体に取り付けられている場合で説明する。ホッパ1は、繰出部10により収納した硬貨を繰り出すことで、硬貨を放出することができる。以下各構成の詳細について説明する。
【0024】
ホッパケース5は、ホッパ1の上部に配置されている。また、ホッパケース5は、上部に上部開口部5aを有しており、この上部開口部5aから硬貨が供給できるように構成されている。ホッパケース5は、透明な樹脂により形成されている。これにより収納された硬貨の状態を外部から目視することで確認できる。また本実施の形態では、ホッパケース5と繰出部10で協働して硬貨を収納するように構成される。ここではホッパケース5は、硬貨を1000枚程度収納できる大きさを有している。さらに、ホッパケース5の底部近傍の側面には、繰出部10により繰り出される硬貨を放出できる出口開口部5cが形成されている。ホッパケース5は、出口開口部5cから繰出部10により繰り出される硬貨を、図中M1方向へ放出できる。
【0025】
さらに、ホッパケース5には、収納された硬貨が無いことを検知するためのエンドセンサ6と、収納された硬貨が少ないことを検知するためのニヤエンドセンサ7が取り付けられている。なおニヤエンドセンサ7も収納した硬貨を検知する収納硬貨検知手段である。エンドセンサ6は、ホッパケース5の底部近傍に、ニヤエンドセンサ7は、エンドセンサ6の少なくとも上方に配置されている。さらに具体的には、エンドセンサ6は、後述のキャリングディスク11の上面とおよそ同じ高さの位置に配置されている。エンドセンサ6、ニヤエンドセンサ7は、光を投光する投光部と、投光部より投光された光を受光する受光部とで構成され、投光部で投光された光が物体で遮光されることにより、受光部で受光できなるなることでその物体の存在を検知する光学センサ、例えばフォトセンサである。以下、エンドセンサ6、ニヤエンドセンサ7は、フォトセンサを用いる場合で説明する。エンドセンサ6、ニヤエンドセンサ7は、それぞれ硬貨の検知結果をホッパ制御部50へ出力するように構成されている。
【0026】
ここで図2の平面図を参照して、適宜図1を参照して繰出部10と放出シュート20について説明する。なお、図2はホッパケース5を取り外した状態の図1のA−A’矢視図である。繰出部10は、所定方向の回転により硬貨を1枚ずつ繰り出せる繰出円板としてのキャリングディスク11を有している。キャリングディスク11は円板形状を有している。なお、キャリングディスク11の所定方向の回転については後述する。
【0027】
また繰出部10は、キャリングディスク11を保持するホッパベース13と、キャリングディスク11を回転駆動する駆動手段とを有している。さらに、図1に示すように、駆動手段は、ギヤヘッド14とモータ15とを含んで構成される。モータ15には、トルクに優れるもの例えば直流モータ(DCモータ)を用いるとよい。以下モータ15は、DCモータ15の場合で説明する。ギヤヘッド14は、DCモータ15の回転を減速してキャリングディスク11に伝達するものである。キャリングディスク11は、ギヤヘッド14を介してDCモータ15により回転駆動可能に構成されている。また、ホッパベース13には、上面に水平面に対して所定の角度で傾斜した繰出面13aが形成されている。
【0028】
キャリングディスク11は、ホッパベース13の繰出面13a上に回転可能に取り付けられている。即ちキャリングディスク11は、水平面に対して所定の角度で傾斜している。言い換えれば、鉛直方向から所定の角度で傾斜した軸回りに回転可能に取り付けられる。所定の角度は、好ましくは20〜40度程度である。なお、図1は30度程度の場合を示している。このようにすることで、例えばキャリングディスク11に収納された硬貨の荷重が適切に作用し、繰出部10は、収納した硬貨を安定して繰り出せる。
【0029】
キャリングディスク11は、鉛直方向から所定の角度で傾斜した中心軸O(オー)回りで、前記駆動手段により回転駆動される。キャリングディスク11は、図中R1方向に回転駆動されることで硬貨を繰り出す。即ちキャリングディスク11の所定方向の回転は、ここでは図中R1方向に回転である(以下所定方向の回転を正回転という)。なお、キャリングディスク11は、所定方向と逆方向の図中R2方向にも回転駆動される(以下所定方向と逆方向の回転を逆回転という)。R2方向に回転した場合には、硬貨は繰り出されないように構成されている。
【0030】
ここで図3の平面図を参照して、キャリングディスク11についてさらに説明する。図3は、キャリングディスク11の裏面図である。キャリングディスク11には、硬貨を受入可能な大きさの孔11aが1以上形成されている。さらに言えば、孔11aの形状は円形であり、その直径は、硬貨の直径よりも僅かに大きい。本実施の形態では、孔11aは、中心軸Oと同心のピッチ円上に3つ形成されている。
【0031】
キャリングディスク11の裏面には、孔11aが受け入れた硬貨を繰り出すための段差11bが形成されている。この段差11bは、手裏剣形状の部位11cを残して、他の部位11dをおよそ硬貨1枚分の厚さだけ削ることにより形成されている。これにより段差11bの対面には、段差11eが形成されている。また、部位11cには、後述のゲートピン16が逃げるための溝11fが形成されている。
【0032】
図2に戻って、繰出部10についてさらに説明する。繰出部10は、キャリングディスク11の孔11aに受け入れられた硬貨を出口開口部5cへ案内するためのゲートピン16を有している。ゲートピン16は、不図示の板バネにより、ゲートピン16の長手方向に下から上へ付勢されて取り付けられている。即ちゲートピン16は、ホッパベース13の繰出面13aから、不図示の板バネの付勢力によりその一部を突出した状態にある。これにより、硬貨がキャリングディスク11とゲートピン16との間に挟まって噛み込まれた場合でも、ゲートピン16が板バネの付勢力に打ち勝って沈み込むことで、この噛み込みが解消しやすくなる。
【0033】
また、繰出部10は、ホッパケース5の出口開口部5cの幅を規制するためのコインガイド17と、硬貨の放出を規制するとともに硬貨をはじき飛ばすための送出機構18とを有している。コインガイド17は、ホッパベース13の繰出面13aの出口開口部5c近傍に取り付けられている。コインガイド17は、硬貨の大きさに対応してホッパケース5の出口開口部5cの幅を規制する略台形の板状のものであり、扱う硬貨の金種毎に大きさ及び形状が異なる。さらに、コインガイド17は、後述の送出ローラ18aの回動によるバネ18cの伸び量が一定となるようにしてバネ18cの付勢力をほぼ一定に保つように放出される硬貨の動きを規制する構造となっている。
【0034】
送出機構18は、ホッパベース13の繰出面13aの出口開口部5c近傍に、コインガイド17に対向して取り付けられている。送出機構18は、硬貨の放出を規制するとともに硬貨をはじき飛ばすための送出ローラ18aと、送出ローラ18aを回動可能に支持するリンク18bと、送出ローラ18aを付勢するバネ18cとを含んで構成される。
【0035】
ここで、キャリングディスク11の回転による硬貨の繰り出しについて説明する。キャリングディスク11の孔11a受け入れられた硬貨は、キャリングディスク11の正回転(R1方向の回転)により出口開口部5cまで案内された位置で、コインガイド17と送出機構18の送出ローラ18aによりその移動が規制される。しかし硬貨は、正回転するキャリングディスク11の段差11bにより、バネ18cによる付勢力に打ち勝って送出ローラ18aを回動させながら、M1方向に押出される。硬貨は、さらに段差11bにより押出されると、送出ローラ18aの回動により蓄積されたバネ18cの弾性エネルギーにより、はじき飛ばされるように繰り出される。また、キャリングディスク11が逆回転(R2方向の回転)しているときには、キャリングディスク11の孔11a受け入れられた硬貨は、出口開口部5cまで案内されても、コインガイド17と送出ローラ18aによりその移動が規制され、繰り出されることはない。これは、キャリングディスク11が逆回転しているときには、段差11eにより、硬貨が孔11a内に留まる方向の力が作用するためである。
【0036】
次に放出シュート20について説明する。放出シュート20は、前述したように、繰出部10により繰り出された硬貨が移動するものである。放出シュート20は、ホッパケース5と同様に、透明な樹脂により形成されている。これにより、例えば内部に存在する硬貨の状態を外部から目視することで確認できる。放出シュート20は、ホッパケース5の出口開口部5c近傍に接続されており、繰出部10により繰り出される硬貨を装置外へ放出できる。
【0037】
さらに、放出シュート20には、計数センサ30が取り付けられている。また、計数センサ30は、放出シュート20を移動する硬貨の移動方向とおよそ垂直方向に、複数配置されている。言い換えれば、計数センサ30は、放出シュート20に延設方向と垂直方向に、複数配置されている。計数センサ30の配置数は、例えば2つ以上であり、本実施の形態では2つである。ここでは、この2つの計数センサ30を、それぞれ第1の計数センサ31、第2の計数センサ32と呼ぶ。ここで、図2中紙面に向かって上が第1の計数センサ31、下が第2の計数センサ32として説明する。以下、第1の計数センサ31と第2の計数センサ32を特に区別しないときには、単に計数センサ30という。計数センサ30は、例えば前述のエンドセンサ6と同様なもの、即ち光を投光する投光部と、投光部より投光された光を受光する受光部とで構成され、投光部で投光された光が物体で遮光されることにより、受光部で受光できなるなることでその物体の存在を検知するフォトセンサである。以下、計数センサ30は、フォトセンサを用いる場合で説明する。計数センサ30は、硬貨の検知の結果を硬貨検知信号としてホッパ制御部50へ出力する。
【0038】
2つの計数センサ30の配置位置は、放出シュート20の、送出ローラ18aによりはじき飛ばされた硬貨が確実に検知できる位置に配置される。さらに具体的にいうと、ここでは、放出シュート20に延設方向と垂直方向に、2つ併設されており、さらに前記垂直方向の位置は、コインガイド17と送出ローラ18aの間の送出ローラ18a側の位置に配置されている。このように2つの計数センサ30を配置することで、繰出部10より繰り出され、放出シュート20を移動する硬貨を確実に検知できる。また、このように送出ローラ18a側の位置に配置することで、例えば外径のことなる複数の金種にそれぞれ対応させる場合でも、計数センサ30の配置位置を変えずに、コインガイド17を換えるだけで済むので汎用性が高い。
【0039】
ここで、図4のブロック図を参照して、ホッパ制御部50について説明する。ホッパ制御部50は、例えばマイクロコンピュータといったいわゆるコンピュータである。ここでは、ホッパ制御部50は、図9で後に詳述する硬貨処理装置100に内蔵される場合で説明する。なお、硬貨処理装置100は、後述するように、硬貨放出装置としてのホッパ1から硬貨を放出させるように制御する制御部としてのホッパ制御部50と異なる第2の制御部としての制御装置150を備えている。ホッパ制御部50は、制御装置150に接続されている。本実施の形態では、ホッパ制御部50は、制御装置150から出力される硬貨を放出する旨を示す信号である払出指示信号を入力することで、硬貨の放出を行うように構成されている。なお、払出指示信号には、硬貨の必要枚数即ち放出する枚数の情報も含まれる。
【0040】
ホッパ制御部50は、繰出部10による硬貨の繰り出しを行う直前に、放出シュート20の状態を含めた計数センサ30の状態を確認する放出シュート確認部61を備えている。なお、繰り出しを行う直前とは、繰出部10による1回の繰り出し動作の直前のことである。より具体的には、キャリングディスク11を回転させる直前のことである。また、放出シュート20の状態を含めた計数センサ30の状態の確認とは、放出シュート20と計数センサ30が常態であるか否かの確認である。ここで常態とは、放出シュート20及び計数センサ30が全く問題の無い状態、即ち正常な状態のことをいう。また、常態と異なるとは、正常な動作が行えない状態、即ち異常な状態であり、より具体的には例えば放出シュート20内に硬貨や異物が詰まった状態といったような放出シュート20での硬貨の放出が行えない状態、または計数センサ30の配線の断線や、計数センサ30に外乱光が入射した状態といったような計数センサ30が硬貨の検知が行えない状態であることをいう。
【0041】
さらに、放出シュート確認部61は、制御装置150からの払出指示信号を入力したときに、放出シュート20の状態を含めた計数センサ30の状態を確認しするように構成される。さらに放出シュート確認部61は、この確認の結果が常態である場合には、後述の繰出駆動制御部53へ硬貨の繰り出しの指示を示す繰出指示信号を出力するように構成される。また、確認の結果が常態でない即ち異常である場合には、その計数センサ30に異常がある旨を示すセンサ異常信号を出力するように構成される。センサ異常信号は、後述の異常情報出力部64へ出力される。
【0042】
また、ホッパ制御部50は、放出シュート確認部61による計数センサ30の状態の確認で、常態と異なると判断したときには、外部装置に警報信号を出力する異常情報出力部64を備えている。外部装置は、ここでは制御装置150である。ここでは警報信号は、ホッパ1の異常例えば硬貨の正常放出不能を制御装置150へ伝えるための信号である。警報信号には、異常が確認された計数センサ30が、複数(ここでは2つ)のうちどの計数センサ30であるかを特定する異常個所警告信号が含まれるものとする。なお、異常情報出力部64は、後述の計数検出部62から計数異常信号を出力されたときに、外部装置に警報信号を出力するようにも構成されている。
【0043】
また、ホッパ制御部50は、複数配置された計数センサ30の各々による硬貨の検知が、所定の時間差以内でなされたときに、繰出部10で繰り出された硬貨を計数する計数検出部62を備えている。具体的には、計数検出部62は、前述の2つの計数センサ30の各々から出力される硬貨検知信号から、所定の時間差以内にそれぞれ硬貨が検知されたときに硬貨を計数する。さらに言えば、ここでは、2つの計数センサ30の両方が所定の時間差以内に硬貨を検知すれば計数する。所定の時間差とは、例えば1枚の硬貨を2つの計数センサ30がそれぞれ検知する言い換えれば、両方の計数センサ30が検知するまでの最長の時間である。なお、所定の時間差は、後述のタイマ52により計時される。なお、第1の計数センサ31による硬貨の検知で設定される所定の時間差を第1タイマ、第2の計数センサ32による硬貨の検知で設定される所定の時間差を第2タイマと呼ぶことにする。本実施の形態では、所定の時間差を20msに設定している。計数検出部62は、硬貨を計数した際には、その計数の結果を出力するように構成されている。なお、計数の結果は、後述の計数情報加工部63へ出力する。
【0044】
また、計数検出部62は、2つの計数センサ30の内、どちらか一方が硬貨を検知してから、残りの一方での硬貨の検知が、第1の所定時間経過してもなされないときに、異常を示す計数異常信号を出力するように構成される。第1の所定時間は、硬貨が詰まったと判断できる時間であり、本実施の形態では、60msに設定されている。即ち、計数検出部62は、上記のようなときには、硬貨が詰まったと判断し、計数異常信号を出力するように構成されている。計数異常信号は、前述の異常情報出力部64へ出力される。なお、第1の所定時間をジャムタイマ(JAMタイマ)と呼ぶ。
【0045】
さらに、ホッパ制御部50は、硬貨の計数の結果を外部装置に出力する計数情報加工部63を備えている。さらに、計数情報加工部63は、前記計数の結果を一定の長さの計数信号として外部装置に出力する。即ち計数情報加工部63は、前記計数の結果を一定の長さの計数信号に加工して出力する。外部装置は、ここでは制御装置150である。なお、本実施の形態では、一定の長さの計数信号は、30msの方形波で出力される。このようにすることで、例えば計数センサ30から出力される硬貨検知信号に基づいて、制御装置150により硬貨を計数する場合と比較して、制御装置150の処理負荷を軽減できる。
【0046】
また、ホッパ制御部50は、繰出部10により硬貨の繰り出しを行っている期間に、エンドセンサ6で硬貨を検知出来ない期間があったときには、繰出部10による硬貨の繰り出しを行った後、キャリングディスク11を所定方向と逆方向即ち逆回転方向(図2中R2方向)に断続的に回転させるように制御する平滑処理部65を備えている。ここで、断続的に回転させるとは、例えば周期的に回転、停止を行うことであるが、例えば回転を停止させずに、その回転力を変化させることも含むものとする。ここでは、周期的に回転、停止を行う場合で説明する。またここでは、エンドセンサ6で硬貨を検知出来ない期間があったか否かの判断は、検知出来ない時間がごく短い時間例えばエンドセンサ6の出力を規定のサンプリング間隔で取得した複数のデータの1つでも硬貨を検知出来ないときがあったら、硬貨を検知出来ない期間があったと判断するように設定する。なおここでは、サンプリングは、例えば複数のデータを10個ずつ繰り返し取得する。そしてその中で1回のサンプリング間隔は、40msである。
【0047】
このようにすることで、ホッパ制御部50は、硬貨の繰り出しを行っている期間の収納部5の硬貨の収納状態をエンドセンサ6で監視できる。そしてホッパ制御部50は、前記監視に基づいて、繰出部10の制御を行えるので、適宜な硬貨収納状態とすることができる。
【0048】
さらに、平滑処理部65は、繰出部10により硬貨の繰り出しを行っている期間に、エンドセンサ6で硬貨を検知出来ない期間があったときには、所定方向と逆方向の回転即ち逆回転を所定時間行った後に、逆回転を停止し、さらにエンドセンサ6で硬貨を検知出来ないときには、さらに、逆回転を所定時間行うように制御するように構成されている。より具体的には、繰出部10により硬貨の繰り出しを行っている期間に、エンドセンサ6で硬貨を検知出来ない期間があったときには、逆回転を第2の所定時間行った後に、逆回転を第3の所定時間停止させる。さらにエンドセンサ6で硬貨を検知出来ないときには、さらに逆回転を第2の所定時間行った後に、逆回転を第3の所定時間停止させることを所定回数繰り返すように構成される。本実施の形態では、第2の所定時間即ち逆方向に回転する時間を500ms、第3の所定時間即ち回転を停止している時間を300msに設定している。また、所定回数は4回に設定している。なお、平滑処理部65は、上記の逆回転又は逆回転の停止を行う際には、後述の繰出駆動制御部53へキャリングディスク11言い換えればDCモータ15の回転駆動指示を示す回転指示信号を出力するように構成される。
【0049】
さらに、ホッパ制御部50は、記憶部51と、タイマ52と、繰出駆動制御部53とを備えている。記憶部51は、ホッパ制御部50で行う処理に必要な情報を記憶するためのものである。記憶部51は、例えば計数検出部62による硬貨の計数の際に用いる所定の時間差の他、上述の第1、第2、第3の所定時間が記憶されている。
【0050】
タイマ52は、設定した時間の経過を監視するために用いられるものである。タイマ52は、計数処理部60により設定した時間を計時し、その経過を監視して、設定した時間が経過したときには、設定時間の経過を計数処理部60へ出力するように構成されている。
【0051】
繰出駆動制御部53は、繰出部10のキャリングディスク11の回転を制御するもの言い換えればDCモータ15の回転駆動を制御するものである。繰出駆動制御部53は、例えば計数処理部60より出力された繰出指示信号を基に、DCモータ15の回転駆動を制御する。なお、繰出駆動制御部53は、前記回転指示信号に基づいても、DCモータ15の回転駆動を制御する。
【0052】
ここで、図5のフロー図を参照して、図1、図4を適宜参照して、ホッパ1の動作の概略について説明する。まず、ホッパ制御部50は、制御装置150から電源ONの指示を入力すると、ホッパ1の電源を投入し、各センサの初期化処理であるイニシャル処理を行う(S1)。イニシャル処理は、基本的に各センサが正常に機能しているか否かの確認を行う処理である。イニシャル処理が正常に終了すると、ホッパ制御部50は、エンドセンサ6による収納された硬貨の監視を開始し、待機する(S3)。そして、制御装置150からの払出指示信号の入力を監視する(S5)。なお、ホッパ制御部50は、エンドセンサ6の監視と同時に、ニヤエンドセンサ7による収納された硬貨の監視も行う。
【0053】
制御装置150から払出指示信号が入力された場合には(S5がY)、まず放出シュート確認部61により放出シュート確認処理を行う(S7)。放出シュート確認処理で異常があった場合には(S9がN)、エラー処理を行い(S11)、終了する。なお、エラー処理は、異常情報出力部64により制御装置150へ警報信号を出力する処理である。
【0054】
放出シュート確認部61による放出シュート確認処理で異常なしであった場合には(S9がY)、放出シュート確認部61より繰出駆動制御部53へ繰出指示信号が出力される。そして、繰出指示信号を入力した繰出駆動制御部53は、繰出部10のDCモータ15を回転駆動させることでキャリングディスク11を正回転させ、硬貨の放出を開始する(S13)。
【0055】
ホッパ制御部50は、硬貨の放出を開始すると、計数検出部62により計数処理を行う(S15)。計数処理で異常があった場合には(S17がN)、エラー処理を行い(S11)、終了する。計数処理で異常が無かった場合には(S17がY)、計数情報加工部63により一定の長さの計数信号に加工し、制御装置150へ出力する(S19)。そして、ホッパ制御部50は、硬貨が計数処理により計数された硬貨の枚数が必要枚数に達したか否かを監視する(S21)。必要枚数に達しない場合には(S21がN)、硬貨の放出が継続され、計数処理が行われる(S15)。必要枚数に達した場合には(S21がY)、繰出駆動制御部53により、キャリングディスク11の正回転を停止させ、硬貨の放出を終了する。
【0056】
そして、ホッパ制御部50は、平滑処理部65により平滑処理を行う(S23)。ホッパ制御部50は、平滑処理が終了すると、制御装置150より電源OFFの指示があるか否かを確認する(S25)。電源OFFの指示が無い場合には(S25がY)、待機し(S3)、制御装置150からの払出指示信号の入力の監視を行う(S5)。電源OFFの指示があった場合には(S25がY)、ホッパ1の電源をOFFにし、終了する。
【0057】
ここで図6のフローを参照して、上記の放出シュート確認処理(図5のS7参照)についてさらに説明する。放出シュート確認処理は、図5で説明したように、制御装置150から払出指示信号が入力された場合に(図5のS5がY)、放出シュート確認部61により行われる。また放出シュート確認処理は、2つの計数センサ30の各々について行う。まず、計数センサ30の投光部による投光を停止する(S31)。そして、計数センサ30の受光部が光を受光しているか否かを確認する(S33)。計数センサ30が光を受光している場合には(S33がY)、計数センサ30に異常があると判断し、エラー処理を行う(S35)。具体的には、2つ計数センサ30のどちらに異常があるかを特定する異常個所警告信号を異常情報出力部64へ出力し、これを入力した異常情報出力部64は、異常個所警告信号を含む警報信号を制御装置150へ出力する。
【0058】
また、計数センサ30が光を受光していない場合には(S33がN)、計数センサ30の投光部による投光を開始する(S37)。そして、再び計数センサ30の受光部が光を受光しているか否かを確認する(S39)。計数センサ30が光を受光していない場合には(S39がN)、計数センサ30に異常あるいは放出シュート20に硬貨やほこり等の異物が停滞していると判断し、エラー処理を行う(S35)。計数センサ30が光を受光している場合には(S39がY)、正常と判断し、放出シュート確認処理を終了する。
【0059】
次に図7のフローを参照して、上記の計数処理(図5のS15参照)についてさらに説明する。図5で説明したように、計数処理は、硬貨の放出が開始された場合に(図5のS13)、計数検出部62により行われる。ここでは、2つの計数センサ30を、図2で前述した第1の計数センサ31、第2の計数センサ32として説明する。まず、第1の計数センサ31により硬貨が検知されたか否かが確認される(S41)。第1の計数センサ31により硬貨が検知された場合には(S41がY)、計数検出部62は、所定の時間差としての第1タイマと、第1の所定時間としてのJAMタイマを設定し、タイマ52により、第1タイマとJAMタイマの計時をスタートする(S43)。次に、第2の計数センサ32により硬貨が検知されたか否かが確認される(S45)。また、第1の計数センサ31により硬貨が検知されていない場合にも(S41がN)、第2の計数センサ32により硬貨が検知されたか否かが確認される(S45)。
【0060】
第2の計数センサ32により硬貨が検知された場合には(S45がY)、計数検出部62は、所定の時間差としての第2タイマと、JAMタイマを設定し、タイマ52により、第2タイマとJAMタイマの計時をスタートする(S47)。そして、第1の計数センサ31と第2の計数センサ32の両方の計数センサ30で硬貨が検知されたか否かが確認される(S49)。
【0061】
両方の計数センサ30で硬貨が検知されていない場合には(S49がN)、第1の計数センサ31のみで硬貨が検知されているか否かを確認する(S51)。第1の計数センサ31のみで硬貨が検知されている場合には(S51がY)、第1タイマがタイムアップ即ち20ms経過したか否かを確認する(S53)。そして、第1タイマがタイムアップしていない場合には(S53がN)、計数センサ30で硬貨が検知されたか否かの確認に戻る(S41)。なお、この場合には図示しないが、前記S43の各タイマが設定済みのときには再設定を行わずS45に移行する。また、第1タイマがタイムアップしている場合には(S53がY)、硬貨が詰まったと判断し、エラー処理を行う(S55)。具体的には、計数異常信号を異常情報出力部64へ出力し、これを入力した異常情報出力部64は、警報信号を制御装置150へ出力する。
【0062】
また、第1の計数センサ31のみで硬貨が検知されていない場合には(S51がN)、第2の計数センサ32のみで硬貨が検知されているか否かを確認する(S57)。第2の計数センサ32のみで硬貨が検知されている場合には(S57がY)、第2タイマがタイムアップ即ち20ms経過したか否かを確認する(S59)。また、第2の計数センサ32のみで硬貨が検知されていない場合には(S57がN)、両方の計数センサ30による検知がない場合なので、計数センサ30で硬貨が検知されたか否かの確認に戻る(S41)。S59に戻って、第2の計数センサ32のみで硬貨が検知され、第2タイマがタイムアップしていない場合には(S59がN)、計数センサ30で硬貨が検知されたか否かの確認に戻る(S41)。なお、この場合には図示しないが、前記S47の各タイマが設定済みのときには再設定を行わないでS49に移行する。計数センサ30で硬貨が検知されたか否かの確認に戻る(S41)。そして、第2タイマがタイムアップしていない場合には(S59がN)、計数センサ30で硬貨が検知されたか否かの確認に戻る(S41)。また、第2タイマがタイムアップしている場合には(S59がY)、硬貨が詰まったと判断し、エラー処理を行う(S55)。
【0063】
また、両方の計数センサ30で硬貨が検知されたか否かの確認で(S49)、両方の計数センサ30で硬貨が検知されている場合には(S49がY)、硬貨を計数し、計数結果を計数情報加工部63へ出力する(S61)。そして、JAMタイマがタイムアップ即ち60ms経過したか否かを確認する(S63)。JAMタイマがタイムアップしている場合には(S63がY)、硬貨が詰まったと判断し、エラー処理を行う(S55)。また、JAMタイマがタイムアップしていない場合には(S63がN)、両方の計数センサ30で硬貨が検知されていないことを確認する(S65)。
【0064】
両方の計数センサ30で硬貨が検知されている場合には(S65がN)、JAMタイマがタイムアップしたか否かの確認へ戻る(S63)。両方の計数センサ30で硬貨が検知されていない場合には(S65がY)、第1の計数センサ31により硬貨が検知されたか否かの確認へ戻る(S41)。即ち、次の硬貨の計数処理に入る。計数検出部62は、以上の処理を繰り返し、硬貨を計数する。
【0065】
また、図8のフローを参照して、上記の平滑処理(図5のS23参照)についてさらに説明する。平滑処理は、図5で説明したように、硬貨の放出を終了した後に、平滑処理部65により行われる。まず、平滑処理部65は、制御装置150から払出指示信号が入力される前に、エンドセンサ6により硬貨を検知していたか否かを確認する(S71)。言い換えれば、ホッパケース5に収納された硬貨があったことを確認する。エンドセンサ6により硬貨を検知していなかった場合には(S71がN)、そのまま平滑処理を終了する。
【0066】
エンドセンサ6により硬貨を検知していた場合には(S71がY)、キャリングディスク11の正回転による硬貨の放出中に、エンドセンサ6で硬貨を検知出来ない期間があったか否かを確認する(S73)。エンドセンサ6で硬貨を検知出来ない期間が無かった場合には(S73)、そのまま平滑処理を終了する。
【0067】
エンドセンサ6で硬貨を検知出来ない期間があった場合には(S73)、平滑処理部65は、繰出駆動制御部53へキャリングディスク11を第2の所定時間即ち500ms逆回転させる旨を示す回転指示信号を出力し、これを入力した繰出駆動制御部53は、キャリングディスク11を500msだけ逆回転させる(S75)。そして、キャリングディスク11を500msだけ逆回転させた後、キャリングディスク11の回転を第3の所定時間即ち300ms停止させる(S77)。さらに、キャリングディスク11の回転を300ms停止させた後に、エンドセンサ6で硬貨の検知されているか否かを確認する(S79)。
【0068】
エンドセンサ6で硬貨が検知されている場合には(S79がY)、平滑処理を終了する。エンドセンサ6で硬貨が検知されていない場合には(S79がN)、さらに逆回転を500ms行った後に(S75)、逆回転を第3の所定時間停止させる(S77)ことを所定回数即ち4回繰り返す(S81)。繰り返しの回数が4回に達したら(S81がY)、平滑処理を終了する。
【0069】
以上のようにホッパ1は、ホッパ制御部50の放出シュート確認部61により、繰出部10による硬貨の繰り出しを行う直前に、放出シュート20の状態を含めた計数センサの状態を確認するので、放出シュート20及び計数センサ30が常態と異なること、例えば放出シュート20内に硬貨や異物が詰まった状態や、計数センサ30の配線の断線や、計数センサ30に外乱光が入射した状態といったホッパ1による硬貨の放出が正常に行えない状態を判断できる。また、ホッパ1は、放出シュート確認部61で常態と異なると判断したときには、異常情報出力部64により、制御装置150へ警報信号を出力するので、制御装置150が、放出シュート20及び計数センサ30が常態と異なることを検出できる。これにより、ホッパ1は、上記のように、常態と異なるときには、硬貨の放出を行わないようにすることで、例えば硬貨の放出不良を未然に防ぐことができる。即ち、信頼性を高めることができる。また、不要な放出の動作を行なわずに済む。
【0070】
このように、ホッパ制御部50は、硬貨の繰り出しを行う直前に、放出シュート20の状態を含めた計数センサ30の状態を確認するので、前記確認の基づいて、繰出部10を制御できる。これにより、例えば放出シュート20の硬貨詰まりが発生した場合には、繰出部10による硬貨の繰り出しを行わないように制御する、即ち例えば不要な放出の動作を行なわないようにできるので、信頼性を向上させることができる。
【0071】
また、ホッパ1には、計数センサ30が、放出シュート20を移動する硬貨の移動方向とおよそ垂直方向に、2つ配置されているので、移動方向に1つ又は複数配置する場合に比べて、例えばゴミの影響を受けて、硬貨を誤計数しにくくなり、硬貨の計数の信頼性を向上させられる。また、計数センサ30を移動方向とおよそ垂直方向に2つ配置することで、移動方向に1つ又は複数配置する場合に比べて、計数センサ30で検知した硬貨を計数するか否かの判断を速く行える。さらに計数センサ30は、放出シュート20に延設方向と垂直方向に、2つ併設されており、さらに前記垂直方向の位置は、コインガイド17と送出ローラ18aの間の送出ローラ18a側の位置に配置されているので、例えば外径のことなる複数の金種にそれぞれ対応させる場合でも、計数センサ30の配置位置を変えずに、コインガイド17を換えるだけで済むので汎用性が高い。さらに、計数センサ30を、放出シュート20を移動する硬貨の移動方向とおよそ垂直方向に2つ配置することで、硬貨の検知が正確に行える。
【0072】
また、ホッパ1は、ポッパ制御部50の計数検出部62による硬貨の計数の結果を、外部装置である制御装置150へ出力するので、例えば制御装置150へ直接的に計数センサ30の出力を行う場合に比べて、制御装置150の処理の負担を低減できる。また、計数の結果を一定の長さの計数信号を制御装置150へ出力するので、例えば、硬貨の速度や、大きさ等の影響で、計数センサ30により硬貨の検知される際の時間は一定でなくとも、計数の結果が一定の長さの計数信号(ここでは30msの方形波)で出力されるので、制御装置150の処理が安定する。即ち、処理の負担を低減できる。また、制御装置150側で処理するのに適した計数信号を出力できるので、制御装置150での計数信号の処理の負担が軽減でき、信頼性が向上する。
【0073】
さらにホッパ制御部50の計数検出部62は、2つ配置された計数センサ30の各々による硬貨の検知が、所定の時間差以内でなされたときに、繰出部10で繰り出された硬貨を計数するので、繰り出され、放出シュート20を移動する硬貨を正確に検知でき、計数できる。
【0074】
さらに、ホッパ1は、ホッパ制御部50の平滑処理部65により、繰出部10により硬貨の繰り出しを行っている期間に、エンドセンサ6で硬貨を検知出来ない期間があったときには、キャリングディスク11の逆回転を第2の所定時間行った後に、逆回転を第3の所定時間停止させる。これにより、繰り出しの期間での硬貨の収納状態を監視することで、把握し難い収納部5でのブリッジ状態などを正確に検出でき、繰り出し後に平滑処理を行うことで、収納部5内の硬貨の収納状態を繰り出しに適した状態に保つことができる。さらに言えば、従来のように、硬貨の放出処理が終了したときの硬貨の検知を基に平滑処理を行う場合では、ブリッジ状態が継続しているにもかかわらず、繰り出しの停止によりわずかに硬貨が移動してエンドセンサ6に検知されると、平滑処理が行われずに通常の繰り出し動作を行うため、未放出(未繰出)となる確立が高い。また、繰り出し動作の際に硬貨が未放出の場合では、繰り出し動作の期間が延長されるが、本実施の形態では、繰り出しを行っている期間の硬貨の収納状態の基づいて、繰り出しが終了したときに平滑処理を行う。このため、例えば制御装置150が別の処理を行っているときに、並行処理を行うことが可能であり、さらに未放出が発生しにくいので、繰り出し期間の延長とはならない。
【0075】
また、未放出が発生すると、継続している繰り出し動作を確実に終了させるため平滑処理に比べ、逆回転の時間や、回数を多くするように制御しているので、キャリングディスク11やDCモータ15に負担がかかる。しかし、本実施の形態は、繰り出し終了時に平滑処理による硬貨の均しを行なうので、未放出になることを未然に防ぐことが可能でトータル的には寿命を長くすることができる。
【0076】
また、前記の平滑処理による第3の所定時間停止後もエンドセンサ6で硬貨を検知出来ないときには、さらに逆回転を第2の所定時間行った後に、逆回転を第3の所定時間停止させることを所定回数繰り返すように構成されるので、収納された硬貨の攪拌が繰り返されることで、効果的に収納部5内の硬貨の状態を繰り出しに適した状態へ均して安定して硬貨を繰り出すことができる。即ち信頼性が高い。
【0077】
図9は、本発明の実施の形態に係る硬貨処理装置100の概略構成を説明するブロック図である。なお、図中太線は硬貨の流れを示すものである。硬貨処理装置100は、上述した本発明の実施の形態に係るホッパ1を備えたものである。ホッパ1は、後述の循環釣銭部160を構成するものとして、硬貨処理装置100に複数備えられる。硬貨処理装置100は、例えば自動販売機に内蔵されるようなものである。なお、硬貨処理装置100は、自動販売機に内蔵される際には、例えば利用者が、自動販売機の正面に形成された接客面から、後述の投入部103に硬貨を投入できる位置に内蔵される。
【0078】
硬貨処理装置100は、例えば日本円硬貨である1円、5円、10円、50円、100円、500円を、詰まりを起こさずに正常に扱えるものである。さらに、硬貨処理装置100は、上記の硬貨のうち10円、50円、100円、500円の4金種を入金処理できるもので説明する。即ち、10円、50円、100円、500円の4金種は正硬貨として処理され、1円、5円硬貨は、後述のリジェクト硬貨として処理される。
【0079】
硬貨処理装置100は、利用者からの硬貨の投入を受け付ける投入部103と、投入部103で受け付けた硬貨を収容し、前記収容した硬貨を1枚ずつ繰り出す繰出部105と、繰り出された硬貨を搬送する入金搬送部110と、入金搬送部110により搬送される硬貨を識別する識別部120と、入金搬送部110により搬送される硬貨を振り分ける振分部130と、振分部130により振り分けられた硬貨を種類毎に収納し、収納した硬貨を放出可能な循環釣銭部160と、循環釣銭部160から放出された硬貨を搬送する出金搬送部107と、出金搬送部107で搬送された硬貨を放出する放出部109とを含んで構成される。なお、本実施の形態では、循環釣銭部160は、4つのホッパ1を含んで構成される。
【0080】
さらに、硬貨処理装置100は、ホッパ1から硬貨を放出させるように制御するホッパ制御部50と異なる第2の制御部としての制御装置150を備えている。制御装置150は、硬貨処理装置100の各構成を制御するためものである。以下、上記各構成について詳細に説明する。
【0081】
投入部103は、利用者から投入された1枚又は複数枚の硬貨を受け付け、繰出部105へ供給するものである。投入部103は受け付けた硬貨を放出することで繰出部105へ供給できる。また放出部109は、出金搬送部107で搬送された硬貨を利用者に受け渡す(返却する)ものである。
【0082】
繰出部105は、投入部103で受け付けた硬貨を収容し、前記収容した硬貨を1枚ずつ繰り出すものである。繰出部105は、投入部103の硬貨の流れる方向下流に配置されている。即ち、ここでは繰出部105は、投入部103から放出された硬貨が重力により繰出部105に供給される位置に配置されている。繰出部105は、本実施の形態では、回転円板を有したホッパ構造のものを用いる。
【0083】
入金搬送部110は、繰出部105により1枚ずつ繰り出された硬貨を搬送するものである。本実施の形態では、入金搬送部110は、硬貨の搬送にベルトを使用するものを用いる。また、入金搬送部110の繰出部105と振分部130との間には、識別部120が配置されている。識別部120は、入金搬送部110で搬送される硬貨を識別するものである。識別部120は、硬貨の、正硬貨の種類の識別、正硬貨であるか否かの識別即ち、正硬貨かリジェクト硬貨かの識別を行うものである。また識別部120は、この識別結果を制御装置150へ出力する。なおここでは、正硬貨は、10円、50円、100円、500円の4金種の硬貨である。またここでは、上記正硬貨以外の硬貨をリジェクト硬貨という。即ち1円、5円はここではリジェクト硬貨である。
【0084】
振分部130は、前述のように、入金搬送部110により搬送される硬貨を振り分けるものである。さらに、振分部130は、入金搬送部110により搬送される硬貨のうち正硬貨以外のもの即ちリジェクト硬貨を振り分けるリジェクト機構131と、入金搬送部110により搬送される硬貨で、識別部120で正硬貨と識別された硬貨を種類毎に振り分ける振分板133とを有している。
【0085】
振分板133は、上述のように、正硬貨と識別された硬貨を種類毎に振り分けるものである。振分板133は、上面に正硬貨が通過可能な通路が形成されている。なお、前記通路は、振分部130全体に延設されている。さらに言えば、入金搬送部110によりその上面に、硬貨を押し付けて摺動搬送可能である。
また、振分板133は、前記通路に、振り分ける各硬貨の外径より僅かに大きい孔が、振り分ける硬貨の種類毎に形成されている。硬貨の外径より僅かに大きいとは、種類毎に各々形成された孔が、振分板133上を摺動搬送される硬貨を、対応する孔から落下させることで振り分けが可能な大きさである。これらの孔は、入金搬送部110による搬送方向上流側から、言い換えれば識別部120側から、対応する硬貨の外径の小さい順に形成されている。即ちここでは、識別部120側(図中左側)から50円用、100円用、10円用、500円用の各孔が順に形成されている。このような順に各硬貨に対応する孔が形成されていることにより、確実に正硬貨を種類毎に振り分けることができる。
【0086】
また振分板133の下部には、各孔毎に対応して不図示のシュートが接続されている。シュートは、循環釣銭部160まで接続されており、振り分けられた硬貨を種類毎に循環釣銭部160へ供給できる。さらに振分板133は、硬貨を計数するための不図示のセンサを有している。このセンサは、例えば振り分けられた硬貨の通過を種類毎に検知するものである。即ち、この検知結果に基づいて、振り分けられた硬貨を種類毎に計数できる。ここでは、この計数は各センサの検知結果に基づいて制御装置150で行う。振分板133は、このセンサによる検知結果を、随時的に制御装置150へ出力するように構成されている。
【0087】
リジェクト機構131は、前述したように、入金搬送部110により搬送される硬貨のうち、リジェクト硬貨を振り分けるものである。リジェクト機構131は、振分部130の硬貨の搬送方向の最も上流側、即ち振分部130の最も識別センサ120側(図中左側)に配置されている。また、リジェクト機構131は、硬貨の振り分けを行うための振分爪132を有している。振分爪132は、不図示の駆動手段により、揺動可能に構成されている。リジェクト機構131は、振分爪32を揺動させ、搬送路を落下方向に切り替えることにより、振分部132上を摺動搬送された硬貨を落下させることで振り分けることができる。
【0088】
また、このようなリジェクト機構131の駆動即ち振分爪132の揺動は、制御装置150により制御されている。言い換えれば、制御装置150により、リジェクト機構131が駆動される即ち振分爪132を揺動させることで、硬貨を落下させることができる。
【0089】
またリジェクト機構131の下部には、不図示のシュートが接続されている。このシュートは、出金搬送部107の上部近傍まで延設されており、リジェクト機構131で振り分けられたリジェクト硬貨を出金搬送部107へ放出することができる。
【0090】
循環釣銭部160は、振分部130の下部に設けられている。循環釣銭部160は、各硬貨の種類毎に収納放出部として前述のホッパ1(図1参照)が備えられている。ホッパ1は、振分板133に対応するように、図中左側から50円用ホッパ1a、100円用ホッパ1b、10円用ホッパ1c、500円用ホッパ1dが配置されている(以下、これらを特に区別しないときには単にホッパ1という)。即ち、循環釣銭部160は、上記各々のホッパ1が一体に形成されたものを含んで構成される。各ホッパ1は、それぞれに備えられたホッパ制御部50が制御装置150に接続されている。
【0091】
また各ホッパ1の硬貨の収納可能枚数は、1000枚程度とするとよい。ホッパ1は、利用者への釣銭としての硬貨を出金搬送部107へ放出したり、循環釣銭部160が満杯にならないように、収納した硬貨を不図示の回収金庫へ放出することができる。循環釣銭部160は、ホッパ1を備えることで、利用者により投入された硬貨を釣銭として放出できる。即ち硬貨を循環させることができる。
【0092】
出金搬送部107は、循環釣銭部160のおよそ下部から放出部109まで延設されている。出金搬送部107は、例えば硬貨を水平方向に搬送する水平部と、およそ鉛直方向に搬送する鉛直部とで構成されている。出金搬送部107は、硬貨を水平部では上に載せて、鉛直部では挟持して搬送するベルトで構成されている。
【0093】
また出金搬送部107は、循環釣銭部160から放出された硬貨を放出部109まで搬送する。また、出金搬送部107は、振分部130のリジェクト機構131より振り分けられたリジェクト硬貨を放出部109まで搬送するものでもある。
【0094】
制御装置150は、硬貨処理装置100の各構成を制御するものであり、ここでは、電源装置と一体に構成されている。制御装置150は、例えばパソコンやマイコンなどのコンピュータである。本実施の形態では、制御装置150はマイコンである。
【0095】
図9を参照して、硬貨処理装置100の作用例を説明する。まず、入金処理について説明する。入金処理とは、利用者により投入された硬貨を取込、識別、種類毎に計数等する動作である。ここで、硬貨の経路を図中太線で示す。まず利用者により投入部103へ硬貨が投入される。硬貨処理装置100の制御装置150は、硬貨の投入を不図示の検知器により検知すると入金処理を開始する。利用者により投入部103に投入された硬貨は、投入部103により受け付けられ、繰出部105に供給される。繰出部105は、供給された硬貨を収納し、収納した硬貨を1枚ずつ入金搬送部110に繰り出す。
【0096】
次に繰出部105から1枚ずつ搬送されてきた硬貨は、入金搬送部110により搬送され、識別部120に到達する。識別部120は、搬送されてきた硬貨を識別し、識別結果を制御装置150に出力する。そして識別部120を通過した硬貨は、入金搬送部110により振分部130へと搬送される。
【0097】
振分部30まで搬送された硬貨は、制御装置150により識別結果に基づいて正硬貨と判定された場合には、振分板133までそのまま摺動搬送され、振分板133により種類毎に振り分けられ、不図示のセンサにより検知される。この振分板133による検知結果は、入金データとして制御装置150へ出力される。制御装置150はこの入金データにより硬貨を種類毎に計数する。振分板133により振り分けられ、さらに計数された硬貨は、不図示のシュートにより循環釣銭部160へ供給され、各循環釣銭部160に収納される。即ち、各ホッパ1に収納される。
【0098】
また、制御装置150によりリジェクト硬貨と判定された場合には、制御装置150は、振分爪132を揺動し、不図示のシュートへ落下させる。即ち振り分けられる。振分爪132により振り分けられた硬貨は、このシュートにより出金搬送部107上に落下し、出金搬送部107により放出部109へ搬送される。これで、入金処理が終了する。
【0099】
次に硬貨処理装置100の出金処理の動作を説明する。出金処理は、例えば釣銭を利用者に返却する動作である。利用者による入金を確認すると、制御装置150は、入金された硬貨の金額と、例えば利用者の操作により入力されたサービスに必要な金額とを比較して、釣銭金額即ち釣銭に必要な硬貨の金種と各々の金種の枚数を算出する。制御装置150は、この算出結果に基づいて、必要な硬貨の金種のホッパ1へ、必要枚数の放出を指示する払出指示信号を出力する。これにより各ホッパ1は、制御装置150からの払出指示信号により必要枚数の硬貨を出金搬送部107に放出する。各ホッパ1即ち循環釣銭部160から放出された硬貨は、出金搬送部107上に落下する。同時に制御装置150は、出金搬送部107を駆動し、硬貨を放出部109まで搬送する。これで、出金処理が終了する。
【0100】
以上のように、硬貨処理装置100は、ホッパ1と、ホッパ1から硬貨を放出させるように制御するホッパ制御部50と異なる制御装置150を備えているので、例えば、ホッパ1により硬貨を放出される際の処理が大幅に低減されるので、処理の高速化を図ることができる。また、ホッパ1からは放出した硬貨の計数の結果が一定の長さの計数信号で出力されるので、硬貨放出の際の処理が容易の行える。さらに、ホッパ1が動作の直前で常態と異なると判断されたときには、該当するホッパ1からの硬貨の放出を中止させ、他のホッパ1により硬貨の放出を代替することも可能である。例えば、50円や100円用のホッパが常態と異なると判断されたときには、10円用のホッパでその放出を代替することが可能である。即ち、硬貨処理装置100は、最低額金種用のホッパが常態と異なると判断された場合の除いて、その放出を他のホッパにより代替することが可能である。これにより、例えば装置を休止させずに運用できる。
【0101】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、硬貨を収納する収納部と、前記収納した硬貨を1枚ずつ繰り出す繰出部と、前記収納した硬貨を検知する収納硬貨検知手段と、前記収納した硬貨の検知に基づいて、前記繰出部を制御する制御部とを備え、前記繰出部は、所定方向の回転により硬貨を1枚ずつ繰り出せる繰出円板を有し、前記制御部は、前記硬貨の繰り出しを行っている期間に、前記収納硬貨検知手段で硬貨を検知出来ない期間があったときには、前記硬貨の繰り出しを行った後、前記繰出円板を前記所定方向と逆方向に断続的に回転させるように制御する場合は、装置内の硬貨の状態を正確に検知し、前記検知の結果に基づいて各部の動作を制御することで、信頼性を向上させた硬貨放出装置を提供できる。
【0102】
また、硬貨を1枚ずつ繰り出す繰出部と、前記繰り出された硬貨が移動する搬送通路と、前記搬送通路を移動する硬貨を検知する繰出硬貨検知手段と、前記繰出硬貨検知手段による硬貨の検知に基づいて、前記繰出部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記硬貨の繰り出しを行う直前に、前記搬送通路の状態を含めた前記繰出硬貨検知手段の状態を確認するように構成される場合は、装置内の硬貨の状態を正確に検知し、前記検知の結果に基づいて各部の動作を制御することで、信頼性を向上させた硬貨放出装置を提供できる。
【0103】
また、硬貨を1枚ずつ繰り出す繰出部と、前記繰り出された硬貨が移動する搬送通路と、前記搬送通路を移動する硬貨を検知する繰出硬貨検知手段と、前記繰出硬貨検知手段による硬貨の検知に基づいて、前記繰出部を制御する制御部とを備え、前記繰出硬貨検知手段は、前記搬送通路を移動する硬貨の移動方向とおよそ垂直方向に、複数配置され、前記制御部は、前記複数配置された繰出硬貨検知手段の各々による硬貨の検知が、所定の時間差以内でなされたときに、前記繰り出された硬貨を計数するように構成される場合は、装置内の硬貨の状態を正確に検知し、前記検知の結果に基づいて各部の動作を制御することで、信頼性を向上させた硬貨放出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るホッパの外観を示す正面図である。
【図2】図1での、ホッパのホッパケースを取り外した状態のA−A’矢視図である。
【図3】図1での、キャリングディスクの裏面を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るホッパの構成について説明するブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るホッパの動作について説明するフロー図である。
【図6】図5での、放出シュート確認処理について説明するフロー図である。
【図7】図5での、計数処理について説明するフロー図である。
【図8】図5での、平滑処理について説明するフロー図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るホッパを備えた硬貨処理装置の概略構成について説明するブロック図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d ホッパ
5 ホッパケース
6 エンドセンサ
7 ニヤエンドセンサ
10 繰出部
11 キャリングディスク
13 ホッパベース
15 DCモータ
17 コインガイド
18 送出機構
20 放出シュート
30 計数センサ
31 第1の計数センサ
32 第2の計数センサ
50 ホッパ制御部
61 放出シュート確認部
62 計数検出部
63 計数情報加工部
64 異常情報出力部
65 平滑処理部
100 硬貨処理装置
150 制御装置
160 循環釣銭部

Claims (8)

  1. 硬貨を収納する収納部と;
    前記収納した硬貨を1枚ずつ繰り出す繰出部と;
    前記収納した硬貨を検知する収納硬貨検知手段と;
    前記収納した硬貨の検知に基づいて、前記繰出部を制御する制御部とを備え;
    前記繰出部は、所定方向の回転により硬貨を1枚ずつ繰り出せる繰出円板を有し、
    前記制御部は、前記硬貨の繰り出しを行っている期間に、前記収納硬貨検知手段で硬貨を検知出来ない期間があったときには、前記硬貨の繰り出しを行った後、前記繰出円板を前記所定方向と逆方向に断続的に回転させるように制御する;
    硬貨放出装置。
  2. 前記制御部は、前記所定方向と逆方向の回転を所定時間行った後に前記回転を停止し、さらに前記収納硬貨検知手段で硬貨を検知出来ないときには、さらに、前記所定方向と逆方向の回転を所定時間行うように制御する;
    請求項1の記載の硬貨放出装置。
  3. 硬貨を1枚ずつ繰り出す繰出部と;
    前記繰り出された硬貨が移動する搬送通路と;
    前記搬送通路を移動する硬貨を検知する繰出硬貨検知手段と;
    前記繰出硬貨検知手段による硬貨の検知に基づいて、前記繰出部を制御する制御部とを備え;
    前記制御部は、前記硬貨の繰り出しを行う直前に、前記搬送通路の状態を含めた前記繰出硬貨検知手段の状態を確認するように構成された;
    硬貨放出装置。
  4. 前記制御部は、前記繰出硬貨検知手段の状態の確認で、常態と異なると判断したときには、外部装置に警報信号を出力するように構成された;
    請求項3に記載の硬貨放出装置。
  5. 硬貨を1枚ずつ繰り出す繰出部と;
    前記繰り出された硬貨が移動する搬送通路と;
    前記搬送通路を移動する硬貨を検知する繰出硬貨検知手段と;
    前記繰出硬貨検知手段による硬貨の検知に基づいて、前記繰出部を制御する制御部とを備え;
    前記繰出硬貨検知手段は、前記搬送通路を移動する硬貨の移動方向とおよそ垂直方向に、複数配置され、
    前記制御部は、前記複数配置された繰出硬貨検知手段の各々による硬貨の検知が、所定の時間差以内でなされたときに、前記繰り出された硬貨を計数するように構成された;
    硬貨放出装置。
  6. 前記制御部は、前記計数の結果を外部装置に出力するように構成された;
    請求項5に記載の硬貨放出装置。
  7. 前記制御部は、前記計数の結果を一定の長さの計数信号として外部装置に出力することを特徴とする;
    請求項5に記載の硬貨放出装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の硬貨放出装置と;
    前記硬貨放出装置から硬貨を放出させるように制御する前記制御部と異なる第2の制御部とを備えた;
    硬貨処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007029455A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Samii Kk ホッパー装置を備えた遊技機
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