以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
まず、コイン処理装置の概要について、図5を用いて説明する。図5は、コイン処理装置の概要を説明する図である。一般に使用されているコインには、複数の金種によって構成される。コインは、サイズ、材質、デザインなどの要素が金種毎に異なっている。コイン処理装置は、コインを識別して金種毎に分けて収納することができる。また、収納されたコインを、払出しなどに再利用している。
コイン処理装置1は、投入されたコインを一枚ずつ分離し、金種を識別し、金種毎に格納し、所望の金種と枚数のコインを排出する機構を備えている。コイン処理装置1は、例えば、自動釣銭機、自動両替機等である。投入口2に投入されるコイン10は、コイン通路12によって貯留容器13に格納される。貯留容器13には、複数の金種を混ぜた状態で格納することができる。複数のコイン10を、分離部6で一枚ずつに分け、受渡部8を介して識別部7に受け渡す。識別部7は、コイン10の金種を識別し、振分部5に受け渡す。振分部5は、金種を識別されたコイン10を、対応する金種のコインホッパーに格納する。さらに、所望の金種及び枚数のコイン10を、金種毎に設けられているコインホッパーから払出する。払出されたコイン10は、排出ベルト47上に載置され、排出ベルト47によって出金口45又は回収金庫11に搬送される。
コイン処理装置1は、大きく分けて3つの部分に分けられる。すなわち、投入されたコインを1枚ずつ区分して送り出す分離部6、コインの金種を識別する識別部7、コインを金種毎に分けて格納する振分部5である。コイン送出装置は、投入されたコインを1枚ずつ区分して送り出す装置であり、分離部6を含む。また、コイン送出装置は、分離部6に加えて識別部7やコインの投入部などを含む構成としても良い。ここでは、コイン送出装置として分離部6と識別部7を含む構成の装置として説明する。
コイン10を投入口2へ入れると、コイン通路12を通り、貯留容器13へ格納される。金種に関係無く複数のコイン10が貯留容器13に格納される。コイン通路12は図5では破線で示されている。
ディスク15はコイン10が摺動するベース14の上を、ディスク回転軸16を中心にして矢印で示されるディスク回転方向18に回転する。ベース14は、鉛直方向に対して交差する方向に、例えば45度の角度で、傾斜させて配置されている。傾斜角度は、30度から80度程度でも良いが、40度から50度の間が好ましい。傾きが小さいと不要なコインを凹部から滑り落せなくなり、傾斜が大きいと凹部にコインが入り難くなる。
ディスク15には、3カ所の凹部17が設けられている。コイン10が凹部17に入り受渡部8に搬送される。ディスク15の鉛直方向側、すなわち、下方側には、貯留容器13が配置されている。貯留容器13は図5では破線で示されている。貯留容器13は、ディスク15の外周に沿って、貯留容器13の底部が形成されている。貯留容器13は、ディスク15の下側半分程度を覆う。ある程度の量のコイン10が堆積するので、少なくともディスク15の下側の三分の一程度を覆うことが好ましい。貯留容器13は、複数のコイン10を堆積させることができる。また、ベース14が傾斜しているので、コイン10がベース14及びディスク15にもたれ掛ると共に貯留容器13内に堆積する。コイン10がディスク15側にもたれ掛る状態でディスク15を回転させると、コイン10が凹部17に一枚ずつ入り、搬送される。
ベース14のディスク15の外周の外側に、ディスク15を取り囲むように外壁が設けられ、コイン10の移動を制限している。ディスク15に設けられた凹部17が、コイン10を1枚ずつ保持することができる。コイン10は、ベース14の平坦な底面に、表面又は裏面が対向するように保持される。そして、コイン10の側面は、凹部17の内側の側面に当接し、押され、ベース14の上を摺動する。コイン10は凹部17と外壁によって囲われ、受渡部8に搬送される。受渡部8は、分離部6から識別部7へコイン10を受け渡す領域であり、外壁が途切れている。また、受渡部8の領域は、ホイール19が回転したときのホイール19の先端の軌跡にコイン10が係わる位置から、ディスク15からホイール19にコイン10が受け渡され、ディスク15からコイン10が離れる位置までを含む。
分離部6の上方であり、識別部7の下方でコイン10が受け渡される。ディスク15によって分離部6の上方に搬送されたコイン10が、識別部7に送り出される。
識別部7では、ホイール19が、平坦なベース14の上を、ホイール回転軸20を中心にして矢印で示されているホイール回転方向21に回転する。ホイール19は、ディスク15の回転と連動して回転する。分離部6から送り出されるコイン10は、コイン10の側面がホイール19と当接し、押されてベース14の上を移動する。コイン10が識別部7の検出領域を移動中に、コイン10のサイズ、材質等の特徴を、複数のセンサーによって構成される識別センサーユニット9で検出し、後述する制御回路によってコイン10の金種を識別する。コイン10が一枚ずつ区分して搬送されるので、コイン10の金種を好適に識別できる。コイン10は、案内部22に沿って移動し、次工程の振分部5へ受け渡される。
振分部5では、案内部22に続くレール46が配置されている。このレール46に沿ってコイン10が搬送される。レール46に沿って搬送ベルト24が配置されている。搬送ベルト24には、ピン23が等間隔で配置されている。隣り合うピン23間に1枚のコイン10が入る。コイン10の周面がピン23に押され、コイン10はレール46に沿って搬送される。搬送ベルト24は、無端ベルトであり、ディスク15およびホイール19と連動して、矢印で示されている搬送ベルト回転方向25に回転する。コイン10は、ピン23に区切られ、一枚ずつ搬送させる。
レール46に沿って、第1スライダー26、第2スライダー27、第3スライダー28、第4スライダー29、第5スライダー30、第6スライダー31、第7スライダー32、第8スライダー33、第9スライダー34が配置されている。これらのスライダーは、予め決められた金種のコインホッパーに接続されている。コイン10は、識別部7で識別された金種に基づいて、対応する金種のスライダーに落とされ、対応する金種のコインホッパーに格納される。
識別部7で金種の識別されたコイン10は、コイン10の金種に対応する何れかのスライダーに落とされ、格納される。すなわち、第1スライダー26は第1コインホッパー36に、第2スライダー27は第2コインホッパー37に、第3スライダー28は第3コインホッパー38に、第4スライダー29は第4コインホッパー39に、第5スライダー30は第5コインホッパー40に、第6スライダー31は第6コインホッパー41に、第7スライダー32は第7コインホッパー42に、第8スライダー33は第8コインホッパー43に、第9スライダー34はオーバーフロー容器44に接続され、それぞれのスライダーに落とされたコイン10は対応するコインホッパーに格納される。
オーバーフロー容器44をコインホッパーに変えることで、9種類の金種に対応することもできる。また、オーバーフロー容器44は、回収容器として用いることができる。例えば、流通を抑制したい旧コインを再利用しないように回収する目的に用いることができる。また、再利用しない金種を設定することで、金種の識別結果に基づいて、オーバーフロー容器44に格納することができる。第1コインホッパー36~第8コインホッパー43の8台を用いることで、格納したコイン10の再利用は8金種まで可能である。また、使用量の多い金種がある場合は、同一金種に対して2台のコインホッパーを使用することができる。この場合、交互に使用する制御や、一方がフルなった場合に切替える制御をすることで、同一金種に対して2台をあてがうことができる。また、同一金種に対して3台以上のコインホーパーを設定することもできる。例えば同一金種に対して6台のコインホッパーを設定することができる。この様にした場合は、再利用できる金種は、8金種より少なくなる。
第10スライダー35は、金種を識別できなかったコイン10を返却することに使用できる。金種を識別できなかったコイン10は、第10スライダー35を通り、排出ベルト47の上に落とされる。排出ベルト47を回転させることで、金種が識別できなかったコイン10を、出金口45に送ることができる。
各コインホッパーは、排出ベルト47に沿って配置されているとも言える。排出ベルト47を駆動することで、各コインホッパーから排出されたコイン10を出金口45に搬送できる。
排出ベルト47の出金口45側の端部から、出金口45までの間に、コイン10を出金口45に導くスライド部48が配置されている。排出ベルト47に続き配置されているスライド部48は、排出ベルト47から落とされたコイン10を、出金口45に導く搬送路である。また、排出ベルト47の出金口45側の端部から出金口45までの間に、回収金庫11が配置されている。フラップ49は、コイン10を出金口45に向かわせるか又は回収金庫11に向かわせるかを切替える。フラップ49はスライド部48の途中に配置されている。
フラップ49は、スライド部48に設けられた開口を開閉する。スライド部48の途中に設けられたフラップ49を閉じることで、コイン10を出金口45に導く。図5において点線で示される開口位置のフラップ50は、スライド部48に設けられた開口を開いた状態である。スライド部48の途中に開口ができ、コイン10を回収金庫11に導く。
次に、コイン処理装置について図1から図3を用いて詳述する。図1は、コイン処理装置の概要を説明する斜視図である。図2は、コイン処理装置の概要を説明する第1の断面図である。図3は、コイン処理装置の概要を説明する第2の断面図である。
コイン処理装置1は、筐体3の上部に、投入口2を含む分離部6、識別部7、振分部5のレール(図5の46)に沿ってコイン10を搬送する部分が配置されている。筐体3の下部に振分部5の各コインホッパーが配置されている。コインホッパーのコインの排出口が、傾斜して配置されている排出ベルト47よりも上方になるように、上下3列に配置されている。
各コインホッパーについては、上段に、第1コインホッパー36、第2コインホッパー37、第3コインホッパー38、オーバーフロー容器44が配置されている。中段に、第4コインホッパー39、第5コインホッパー40、第6コインホッパー41が配置されている。下段に、第7コインホッパー42、第8コインホッパー43が配置されている。各コインホッパーには、対応するスライダーが接続され、レール(図5の46)に沿って搬送されるコイン10を案内する。図1または図2には、第5スライダー30、第6スライダー31、第7スライダー32、第8スライダー33、第10スライダー35の上端部が描かれている。他のスライダーの上端部は、奥側に配置されているので図示していない。進路切替バー88が各スライダーに対応して設けられている。進路切替バー88によって、コイン10を落とすスライダーを切替えることができる。すなわち、コイン10を手前の何れかのスライダーに落とすか奥側の何れかのスライダーに落とすかを切替えることができる。例えば、ソレノイド等の駆動手段で進路切替バー88の位置を変えることで、搬送されるコイン10の移動方向を可変し、スライダーに落とすか、レール46に沿って移動させることができる。
排出ベルト47は、上部に配置された駆動プーリー60と下部に配置された従動プーリー61にかけ回されている無端ベルトである。排出ベルト47のコイン10の載置面は、長手方向が水平方向に対して傾斜して配置され、短手方向が水平方向に対して平行である。排出ベルト47のコイン10の載置面は、大凡45度傾けられた斜面となっている。排出ベルト47の載置面に載せられたコイン10は、下方から上方に向けて搬送される。排出ベルト47の上方の端部から、コイン10が出金口45方向に向けて落とされる。また、排出ベルト47には、保持突起62が一定間隔で複数の位置に設けられている。コイン10は、保持突起62に掛ることで、下方に落ちずに保持される。排出ベルト47が、斜めに配置されているので、排出ベルト47の表面にコイン10の表面または裏面が対向するように置かれることになる。コイン10は周面で起立することなく運ばれる。
また、排出ベルト47によって搬送されるコイン10が、下方に落ちないように逆止機構が配置されている。すなわち、第1逆止体63、第2逆止体64、第3逆止体65、第4逆止体66が配置されている。これら逆止体は、傾斜して配置されている排出ベルト47に沿って、コイン10が転がり落ちないように、また滑り落ちないように止めることができる。各逆止体の先端と排出ベルト47との隙間がコイン10の厚みより狭くなるように配置され、コイン10が間から抜け落ちることを防いでいる。第1逆止体63、第2逆止体64、第3逆止体65、第4逆止体66は、先端側が排出ベルト47に接し、保持突起62またはコイン10の形状に応じて上下動する。逆止体の上下動の支点となる基端側に比べ、先端側を排出ベルト47の回転方向に向けて配置することで、先端側が、やや上向きとなる。排出ベルト47の回転によって、保持突起62が下方から上方に向かって移動する。保持突起62に移動に伴い、保持突起62に掛るコイン10も移動する。移動する保持突起62またはコイン10の形状に連動して逆止体の先端側が上下動する。上から落ちてくるコイン10に対しては、逆止体と排出ベルト47との間に十分な隙間がないので、逆止体を超えて下に落ちることはない。
各コインホッパーには、コイン10を排出する排出口が備わっている。第1コインホッパー36には第1排出口70、第2コインホッパー37には第2排出口72、第3コインホッパー38には第3排出口74、第4コインホッパー39には第4排出口76、第5コインホッパー40には第5排出口78、第6コインホッパー41には第6排出口80、第7コインホッパー42には第7排出口82、第8コインホッパー43には第8排出口84が備わる。
各排出口に対応して、コイン10を排出ベルト47に案内する傾斜部が設けられている。第1排出口70に対応して第1傾斜部71が、第2排出口72に対応して第2傾斜部73が、第3排出口74に対応して第3傾斜部75が、第4排出口76に対応して第4傾斜部77が、第5排出口78に対応して第5傾斜部79が、第6排出口80に対応して第6傾斜部81が、第7排出口82に対応して第7傾斜部83が、第8排出口84に対応して第8傾斜部85が備わる。
第1傾斜部71と第2傾斜部73は、第1逆止体63よりも上方の排出ベルト47にコイン10を案内する。第3傾斜部75と第4傾斜部77は、第1逆止体63と第2逆止体64の間の排出ベルト47にコイン10を案内する。第5傾斜部79と第6傾斜部81は、第2逆止体64と第3逆止体65の間の排出ベルト47にコイン10を案内する。第7傾斜部83と第8傾斜部85は、第3逆止体65と第4逆止体66の間の排出ベルト47にコイン10を案内する。各逆止体間に、2台のコインホッパーの排出口が配置されることになる。数多くのコイン10が、排出ベルト47の下方に落ちて堆積しないようにすることができる。また、排出ベルト47のコイン10を載置する側の面は、従動プーリー61から駆動プーリー60の方向に移動する。排出ベルト47のコイン10を載置する側の面を考えると、回転方向の上流側が下方、下流側が上方に配置されているとも言える。排出ベルト47に、各コインホッパーから排出されたコイン10が載置され、載置されたコイン10は下方から上方に搬送される。各コインホッパーから排出されたコイン10の搬送路は、各傾斜部、排出ベルト47、スライド部48、フラップ49を含み、コイン10を出金口45または回収金庫11に運ぶ径路である。
コイン10の搬送路の一部である排出ベルト47が配置されている部分は、各逆止体によって複数の区分に分けられている。また、隣り合う区分の間に逆止体を含む逆止機構が設けられているとも言える。下方から上方にコイン10を一方通行で搬送する搬送路が形成されている。また、各コインホッパーのコイン10の排出先は、何れか一つの区分に対応して配置されている。
排出ベルト47によって、下方から上方に搬送されるコイン10は、駆動プーリー60側の端部でスライド部48に落とされる。コイン10は、フラップ49の状態に応じて出金口45かまたは回収金庫11に送られる。回収金庫11の内部には金庫傾斜部86が備わり、フラップ49から落ちたコイン10がこの金庫傾斜部86に当たり、その部分がクッションとなり、その後底に落ちる。回収金庫の11に形成された窪みの内側に、金庫傾斜部86が設けられている。また、その窪みに把持部87が備わる。把持部87を把持することで、回収金庫11を、引き出し、また持つことができ、例えば、回収金庫11を筐体3内部に挿抜するときの出し入れ等の取扱が容易となる。また、回収金庫は、この様な形状の金庫でなくとも、例えば、大凡直方体の形状として、その上部に把手を設けた形状のものを利用できる。把手を設けることで容易に着脱ができる。
各コインホッパーには、駆動用のモーターがそれぞれ備わる。図3に記載されているように、第3コインホッパー38には第3モーター90が、第5コインホッパー40には第5モーター91が、第7コインホッパー42には第7モーター92が備わる。また、他の各コインホッパーも同様に各モーターが備わる。このモーターの駆動を制御することで、格納されているコインを、一枚ずつ所望の枚数排出することができる。
図4は、コインホッパーを説明する図である。コインホッパーは、本体99とコイン10を格納する格納容器とから構成されている。図4は、格納容器を取り外した状態で上面から見た場合の図である。格納容器は、本体99の上側に着脱自在に取り付けることができる。格納容器に設けられた凸部が本体99の固定部93に挿入され、固定される。固定部93は、回転体94を囲うように4カ所設けられている。格納容器の底部には、回転体94に対向する位置に開口部が設けられている。すなわち、回転体94及びホッパベース97を底面とし、格納容器を側面とした、コイン10の格納部を形成することになる。
ホッパベース97は、平坦な面を有し、その上をコイン10の表面または裏面が接し、摺動する。回転体94は、ホッパベース97の上方に配置され、回転軸98を中心に反時計回りに回転する。回転体94は、4カ所にコイン10が入るホッパ凹部96が設けられる。ホッパ凹部96に入ったコイン10は、回転体94の回転に伴い、ホッパベース97の上を摺動し、搬送される。ホッパベース97には、コイン10の搬送路を妨げるように制限ピン95が設けられている。回単体94には、制限ピン95を避ける円周状の窪みが設けられている。ホッパ凹部96の回転体94の外周側にはコイン10が通過可能な溝が設けられている。回転体94によって搬送されるコイン10は、制限ピン95に当接すことで、移動方向を変える。コイン10は、排出口の方向に移動方向が変えられ、ホッパ凹部96に設けられた溝による通路を通り、排出口から外部へ排出される。排出するコイン10を検出する後述の払出センサーが設けられ、排出するコイン10の枚数を計数することができる。例えば、排出するコイン10の枚数を計数し、所望の枚数に達した場合に、回転体94の回転を停止させることで、コイン10の排出を停止できる。
次にコイン処理装置1の構成について、ブロック図を用いて説明する。図6は、コイン処理装置のブロック図である。コイン処理装置1は制御手段によって各種制御がされる。
コイン処理装置1は、制御回路100を含む制御手段を有する。コイン処理装置1は、制御回路100に接続されるメモリー101、タイマー102、割込回路103、識別センサー104、外部IF(インターフェス)105、トレイセンサー106、搬送路を切替えるフラップ駆動回路107、排出ベルト駆動回路108、コイン搬送駆動回路109、進路切替バー駆動回路110を有する。また更に、コイン処理装置1は、制御回路100に接続される第1ホッパ駆動回路111、第2ホッパ駆動回路112、第3ホッパ駆動回路113、第4ホッパ駆動回路114、第5ホッパ駆動回路115、第6ホッパ駆動回路116、第7ホッパ駆動回路117、第8ホッパ駆動回路118、第1払出センサー119、第2払出センサー120、第3払出センサー121、第4払出センサー122、第5払出センサー123、第6払出センサー124、第7払出センサー125、第8払出センサー126を有する。
制御回路100はCPUを含み、メモリー101に記憶されているプログラム、設定値に従って、装置全体の各種制御を行う。メモリー101はプログラム、初期設定値などを記憶するROM、一時的なデータの保存、ワーキングメモリ、設定値などを記憶するRAMを含む。タイマー102は、制御回路100の制御によって動作する。タイマー102は時刻を計時し、また時間を計測することができる。また発振回路の信号を分周し、定期的に信号を出力することができる。
割込回路103は、制御回路100の制御によって動作する。割込回路103は、各種入力手段の入力に連動して割込信号を生成し、制御回路100に出力することができる。また、割込回路103は、タイマー102からの信号に基づいて割込信号を生成し、制御回路100に出力することができる。
識別センサー104は、制御回路100の制御によって動作する。識別部7に配置され、コイン10の特徴を検出する。識別センサー104は、識別センサーユニット9に配置される複数のセンサーである。識別センサー104は、コイン10の材質、サイズを含む特徴を検出する。制御回路100は、識別センサー104によって検出された検出信号を取得することができる。制御回路100は、取得した検出信号に基づいて、コイン10の金種を判断することができる。判断の基礎となるデータはメモリー101に記憶されている。メモリー101に記憶されているデータと取得した検出信号を比較し、コイン10の金種を識別できる。制御回路100は、識別した金種に基づいて、各種制御を行う。
外部IF105は、外部機器と信号の送受信をする。外部機器は、POSシステムの制御装置などである。外部機器へ、制御回路100が取得した情報を送信することができる。また外部機器から情報を取得することができる。これにより、各コインホッパーに格納されるコイン10の枚数の情報を外部機器へ送信することができる。また、外部機器から払出しを行うコインホッパーの指定、払出すコイン10の枚数の指定をして、払出しの指示をすることができる。例えば、投入口2から入れられた複数のコイン10は、金種に対応するコインホッパーに格納される。その際に、金種毎の枚数は、制御回路100によって取得できる。その取得した金種毎の枚数を外部IF105から外部機器へ送信することができる。外部機器では、投入口に入れられたコイン10の枚数、金種、金額、払出されたコイン10の枚数、各コインホッパーに格納されているコイン10の総枚数などの情報を取得することができる。
例えば、外部機器がPOSシステムであれば、売上金額として投入口2に投入されたコイン10の金種毎の枚数を、コイン処理装置1からPOSシステムが取得することができる。そして、釣銭の金額として、金種毎の枚数、払出の指示命令をPOSシステムからコイン処理装置1に送信することができる。また、コイン処理装置1は、POSシステムから取得した金種毎の枚数を、対応するコインホッパーから排出する制御を行うことができる。
トレイセンサー106は、制御回路100の制御によって動作する。トレイセンサー106は、出金口45にコイン10を受けるトレーが装着されたか否かを検出し、検出結果に応じて信号を制御回路100へ出力する。
フラップ駆動回路107は、制御回路100の制御によって動作する。フラップ駆動回路107は、フラップ49を駆動する。フラップ49を閉じることで、コイン10を出金口45へ導くか、開くことでコイン10を回収金庫11へ導く。
排出ベルト駆動回路108は、制御回路100の制御によって動作する。排出ベルト駆動回路108は、制御回路100の制御によって排出ベルト47を駆動する。排出ベルト47を駆動することで、排出ベルト47の上に置かれているコイン10を搬送する。搬送先にはスライド部48が備わる。排出ベルト47を駆動することで、コイン10をスライド部48へ搬送することができる。更にその先は、フラップ49によって行き先が制御される。
コイン搬送駆動回路109は、制御回路100の制御によって動作する。コイン10の搬送路である分離部6、識別部7、振分部5のディスク15、ホイール19、搬送ベルト24の駆動を行う。これらは、連動して駆動される。
進路切替バー駆動回路110は、制御回路100の制御によって動作する。コイン10を、識別された金種に対応したスライダーに落とすため、金種に対応する進路切替バー88を駆動する。進路切替バー駆動回路110は、スライダー毎に配置された進路切替バー88を個別に動作させることができる。また、識別部7による識別の結果、格納すべきではないと判断したコイン10については第10スライダー35に落とすように動作させる。また、各コインホッパーで格納できるコイン10の量を超えた場合は、対応する進路切替バー88を駆動せずに、コイン10を落とさないようにすることができる。さらに、オーバーフロー容器44に接続されている第10スライダー35にコイン10を落とすように、進路切替バー88を動作させる。これによって、オーバーフロー容器44が満杯になるまで、コイン処理装置1を暫定的に動作させることができる。また、コインホッパーがフル状態の場合に、フルになった金種を返却することができ、また同一金種を格納する他のコインホッパーに格納するように設定することもできる。
第1ホッパ駆動回路111は、制御回路100の制御によって動作する。第1ホッパ駆動回路111は、制御回路100の制御によって第1コインホッパー36を駆動する。第1払出センサー119は、制御回路100の制御によって動作する。第1払出センサー119は、第1コインホッパー36から排出されるコイン10を検出し、検出結果の信号を制御回路100へ出力する。制御回路100は、検出結果の信号を入力し、第1コインホッパー36からコイン10が排出されたことを示す情報を取得し、各種制御を行うことができる。排出されるコイン10を検出することで、排出される枚数を計数することができる。例えば、制御回路100の制御によって、第1コインホッパー36を駆動することで、格納されているコイン10を排出し、第1払出センサー119からの信号を入力することで、排出されるコイン10の枚数を計数する。第1コインホッパー36から排出された枚数、すなわち、計数結果が所定枚数に達した場合に、第1コインホッパー36の駆動を停止することができる。この様にすれば、第1コインホッパー36に格納されているコイン10を、所定枚数排出することができる。また、第1コインホッパー36に格納されているコイン10の枚数が分かるので、制御回路100は、排出可能枚数や、現在の収納枚数を取得することもできる。
第2ホッパ駆動回路112は、制御回路100の制御によって動作する。第2ホッパ駆動回路112は、制御回路100の制御によって第2コインホッパー37を駆動する。
第2払出センサー120は、制御回路100の制御によって動作する。第2払出センサー120は、第2コインホッパー37から排出されるコイン10を検出し、検出結果の信号を制御回路100へ出力する。制御回路100は、検出結果の信号を入力し、第2コインホッパー37からコイン10が排出されたことを示す情報を取得し、各種制御を行うことができる。
第3ホッパ駆動回路113は、制御回路100の制御によって動作する。第3ホッパ駆動回路113は、制御回路100の制御によって第3コインホッパー38を駆動する。
第3払出センサー121は、制御回路100の制御によって動作する。第3払出センサー121は、第3コインホッパー38から排出されるコイン10を検出し、検出結果の信号を制御回路100へ出力する。制御回路100は、検出結果の信号を入力し、第3コインホッパー38からコイン10が排出されたことを示す情報を取得し、各種制御を行うことができる。
第4ホッパ駆動回路114は、制御回路100の制御によって動作する。第4ホッパ駆動回路114は、制御回路100の制御によって第4コインホッパー39を駆動する。
第4払出センサー122は、制御回路100の制御によって動作する。第4払出センサー122は、第4コインホッパー39から排出されるコイン10を検出し、検出結果の信号を制御回路100へ出力する。制御回路100は、検出結果の信号を入力し、第4コインホッパー39らコイン10が排出されたことを示す情報を取得し、各種制御を行うことができる。
第4ホッパ駆動回路114は、制御回路100の制御によって動作する。第4ホッパ駆動回路114は、制御回路100の制御によって第4コインホッパー39を駆動する。
第4払出センサー122は、制御回路100の制御によって動作する。第4払出センサー122は、第4コインホッパー39から排出されるコイン10を検出し、検出結果の信号を制御回路100へ出力する。制御回路100は、検出結果の信号を入力し、第4コインホッパー39からコイン10が排出されたことを示す情報を取得し、各種制御を行うことができる。
第5ホッパ駆動回路115は、制御回路100の制御によって動作する。第5ホッパ駆動回路115は、制御回路100の制御によって第5コインホッパー40を駆動する。
第5払出センサー123は、制御回路100の制御によって動作する。第5払出センサー123は、第5コインホッパー40から排出されるコイン10を検出し、検出結果の信号を制御回路100へ出力する。制御回路100は、検出結果の信号を入力し、第5コインホッパー40からコイン10が排出されたことを示す情報を取得し、各種制御を行うことができる。
第6ホッパ駆動回路116は、制御回路100の制御によって動作する。第6ホッパ駆動回路116は、制御回路100の制御によって第6コインホッパー41を駆動する。
第6払出センサー124は、制御回路100の制御によって動作する。第6払出センサー124は、第6コインホッパー41から排出されるコイン10を検出し、検出結果の信号を制御回路100へ出力する。制御回路100は、検出結果の信号を入力し、第6コインホッパー41からコイン10が排出されたことを示す情報を取得し、各種制御を行うことができる。
第7ホッパ駆動回路117は、制御回路100の制御によって動作する。第7ホッパ駆動回路117は、制御回路100の制御によって第7コインホッパー42を駆動する。
第7払出センサー125は、制御回路100の制御によって動作する。第7払出センサー125は、第7コインホッパー42から排出されるコイン10を検出し、検出結果の信号を制御回路100へ出力する。制御回路100は、検出結果の信号を入力し、第7コインホッパー42からコイン10が排出されたことを示す情報を取得し、各種制御を行うことができる。
第8ホッパ駆動回路118は、制御回路100の制御によって動作する。第8ホッパ駆動回路118は、制御回路100の制御によって第8コインホッパー43を駆動する。
第8払出センサー126は、制御回路100の制御によって動作する。第8払出センサー126は、第8コインホッパー43から排出されるコイン10を検出し、検出結果の信号を制御回路100へ出力する。制御回路100は、検出結果の信号を入力し、第8コインホッパー43からコイン10が排出されたことを示す情報を取得し、各種制御を行うことができる。
この様に制御回路100の制御によって、第1コインホッパー36と同様に他のコインホッパーも駆動することができる。各コインホッパーは、制御回路100によって個別に制御でき、指定された枚数のコイン10の排出が可能である。
次に、コイン処理装置の動作についてフローチャートを用いて説明する。排出ベルト47の上に、コイン10が大量に排出されると、コイン10が排出ベルト47と他の部材の間に挟まり、搬送不良を生じる恐れがある。排出ベルト47の上に排出するコイン10の枚数を制御することで、搬送不良の低減乃至防止を行うことができる。以下に、コイン10の排出動作について説明する。
図7は、コイン処理装置の動作を説明する第1のフローチャートである。各コインホッパーからコイン10を排出する第1の処理を説明する。各コインホッパーには、コイン10が格納されている状態で、格納枚数が把握されており、各コインホッパーから所望の枚数のコイン10の排出(以下、排出を払出と称する場合がある)を開始する処理について説明する。複数通りの排出の仕方があり、条件に応じて排出の仕方を変えて、搬送不良を生じさせないようにする。
外部装置から外部IF105を介してコイン処理装置1に対して、各コインホッパーから所定枚数の払出を指示することができる。そして、コイン処理装置1は、その指示に対応するコインホッパーに対して、払出す枚数をセットし、セットした枚数の払出を行う。
先ず、ステップS1では、払出枚数が正しくセットされているか否かを判断する。各コインホッパーに格納されているコイン10の枚数は、制御回路100によって把握されている。すなわち、投入されたコイン10について1枚ずつ金種を識別し、金種に応じて対応するコインホッパーに格納するので、制御回路100によって金種毎の枚数が取得できる。例えば、格納されている枚数を超える払出枚数の指定は、正しい枚数のセットではないと言える。セット枚数が正しければステップS2へ、正しくなければステップS10へ移行する。
次に、ステップS2では、払出す枚数が、全数であるか、または指定する枚数であるかを判断する。全数を払出す場合は、特別に枚数を指定せずに、全数を払出すコマンドが用意されている。全数の払出ならばステップS3へ、そうでない場合はステップS5へ処理が移行する。
次に、ステップS3では、各コインホッパーに格納されているコイン10を回収金庫11に格納するため、フラップ49を駆動して回収金庫11にコイン10が入るようにする。
次に、ステップS4では、全数のコイン10を払出すコインホッパーを指定し、払出処理を開始する。予め決められた順番通りに最初のコインホッパーを指定する。コインホッパーの指定の方法は、1台だけ指定しても良いし、排出ベルト47上にコイン10が堆積してもジャムが生じない枚数であれば2台を同時に指定してもよい。例えば、コイン10の排出先の区分の異なる2台のコインホッパーを同時に指定して、2台からコイン10の払出を開始することもできる。区分が異なるので、ジャムが発生し難いからである。
また、ステップS5では、指定した枚数のコインを受けるトレーが配置されているかを判断し、トレーがあればステップS6へ、無ければステップS10へ移行する。トレーの有無は、トレイセンサー106の検出結果により判断することができる。
次に、ステップS6では、払出枚数が指示されているコインホッパーがあるか判断する。あればステップS7へ、無ければステップS10へ移行する。
次に、ステップS7では、払出すコイン10の総枚数を確認する。例えば所定枚数を40枚として、払出す総枚数が所定枚数以下か、あるいは超えるかを判断する。40枚以下ならステップS8へ、40枚を超えればステップS9へ移行する。払出枚数が少なければ指定されている全コインホッパーから同時に払出す。払出枚数が少なければ、ジャム等の搬送不良は生じないからである。多ければ、払出す枚数を制御しながら払出しを行う必要がある。
ステップS8では、払出すコイン10の総数が、同時に払出しても問題とならない所定枚数以下であるので、コイン10を同時に払出す処理を行う。そため、払出しを行う全てのコインホッパーの指定、払出す全ての枚数をセットし、指定されたコインホッパーによって、指定された枚数のコイン10を払出す処理を開始する。
ステップS9では、払出すコイン10の総数が、同時に払出すと問題となる所定枚数を超えているので、コイン10を払出すコインホッパーを予め決められた条件に従い、順番に指定して払出す処理を行う。そのため、払出を行う最初のコインホッパーを指定し、払出す枚数をセットし、コイン10を払出す処理を開始する。例えば、同時にコイン10を連続して払出しても問題とならない台数のコインホッパーを指定することになる。例えば、2台ずつ指定してコイン10の払出を行う。順番に払出すことで、問題となるような大量のコイン10が一度に排出ベルト47の上に払出されないようにすることができる。例えば、第1傾斜部71、第2傾斜部73は、第1逆止体63より上側の排出ベルト47にコイン10を導くので、コイン10を同時に排出すると、第1逆止体63より上側に多くのコイン10が堆積してしまう可能性が高い。好ましくは、どちらか一方のみからコイン10が排出されるようにコインホッパーを制御すべきである。隣り合う逆止体間には、一つのコインホッパーからのみ、コイン10が排出されるように、コイン10を排出するコインホッパーの順番を制御することで、搬送不具合を低減乃至防止できる。また、1台ずつ払出すようにしても良い。2台以上同時に排出しても問題が生じなければ、排出の処理時間が短くなるので好ましい。
ステップS10では、エラー処理を行う。例えば、外部機器等から指定された払出枚数が、対応するコインホッパーに格納されている枚数を超えるような値である場合は、正しく払出すことができない。このように、正しい処理ができないような場合に、エラー処理を行うことになる。例えば、指定された払出枚数は誤りである旨のエラーコードの出力、表示、報知、外部機器への情報の送出を行う。また、トレーが無い旨の表示、トレーのセットの指示表示などを行う。このように、異常状態が生じた場合に、それを解除するための処理を行うと共に、異常状態が解消されない場合は、全ての処理を終わらせる。
この様に、制御条件に応じて、払出方法を変える。制御条件は、例えば払出すコイン10の枚数である。払出す総枚数に基づいて、第1駆動制御を行うか、第2駆動制御を行うかを切替える処理を行っている。例えば、第1駆動制御は各コインホッパーから同時に払出す制御であり、第2駆動制御は順番に払出す制御である。排出ベルト47に載置されたコイン10の枚数が多ければ多いほど、搬送不良を起こす可能性が高くなる。搬送不良を起こさないために、払出枚数に応じて制御を行う。
図8は、コイン処理装置の動作を説明する第2のフローチャートである。指定されたコインホッパーから、指定された枚数のコイン10を払出す処理の動作ついて説明する。この処理は、排出するコインポッパーを指定し、指定されたコインホッパーからのコイン10の排出枚数を指定した後に実行する処理である。指定されたコインホッパーについて、コインホッパー個別の処理を行う。コインホッパー個別の処理は、指定された枚数のコイン10を排出する処理である。指定されたコイン10の枚数は、特に、格納容器に格納されているコイン10の全てを指定する場合の処理である。また、コインホッパー個別の処理は、何れのコインホッパーにおいても同様の処理であるので、一つのコインホッパーの処理を例に取りあげ、詳細を後述する。
先ず、ステップS20では、第1コインホッパー36が指定されている否かを判断する。第1コインホッパー36が指定されていれば、ステップS21へ移行し、そうでなければステップS22へ移行する。
ステップS21では、第1コインホッパー36から、指定された枚数のコイン10を払出す処理を行う。コインホッパー個別の処理については、後述する。
次にステップS22では、第2コインホッパー37が指定されている否かを判断する。第2コインホッパー37が指定されていれば、ステップS23へ移行し、そうでなければステップS24へ移行する。
ステップS23では、第2コインホッパー37から、指定された枚数のコイン10を払出す処理を行う。
次にステップS24では、第3コインホッパー38が指定されている否かを判断する。第3コインホッパー38が指定されていれば、ステップS25へ移行し、そうでなければステップS26へ移行する。
ステップS25では、第3コインホッパー38から、指定された枚数のコイン10を払出す処理を行う。
次にステップS26では、第4コインホッパー39が指定されている否かを判断する。第4コインホッパー39が指定されていれば、ステップS27へ移行し、そうでなければステップS28へ移行する。
ステップS27では、第4コインホッパー39から、指定された枚数のコイン10を払出す処理を行う。
次にステップS28では、第5コインホッパー40が指定されている否かを判断する。第5コインホッパー40が指定されていれば、ステップS29へ移行し、そうでなければステップS30へ移行する。
ステップS29では、第5コインホッパー40から、指定された枚数のコイン10を払出す処理を行う。
次にステップS30では、第6コインホッパー41が指定されている否かを判断する。第6コインホッパー41が指定されていれば、ステップS31へ移行し、そうでなければステップS32へ移行する。
ステップS31では、第6コインホッパー41から、指定された枚数のコイン10を払出す処理を行う。
次にステップS32では、第7コインホッパー42が指定されている否かを判断する。第7コインホッパー42が指定されていれば、ステップS33へ移行し、そうでなければステップS34へ移行する。
ステップS33では、第7コインホッパー42から、指定された枚数のコイン10を払出す処理を行う。
次にステップS34では、第8コインホッパー43が指定されている否かを判断する。第8コインホッパー43が指定されていれば、ステップS35へ移行し、そうでなければステップS36へ移行する。
ステップS35では、第8コインホッパー43から、指定された枚数のコイン10を払出す処理を行う。
次にステップS36では、指定されている全てのコインホッパーについての処理が終了したか否かを判断する。終了していればステップS37へ、終了していなければこの処理を終了する。
次にステップS37では、全ての排出が終了したのでフラップ49を駆動してデフォルトの位置に戻す。デフォルトは、出金口45へコイン10を導く位置である。次にステップS38へ移行する。
次にステップS38では、指定されたコインホッパーから指定された枚数のコイン10の排出が終了した旨の情報を表示する。あるいは、外部機器へ通知する。これら報知の処理後、処理を終了する。
この一連の処理は、定期的な割込毎に処理され、コインホッパーの状態に応じて、各コインホッパー個別の処理を行う。定期的な割込は、例えば5ミリ秒毎など、定期的な短い間隔で生じる。コインホッパー個別の処理は、コイン10の排出が指定されているコインホッパーから、指定された枚数のコイン10の排出を行う処理である。コインホッパーから指定された枚数のコイン10の排出が終了すれば、そのコインホッパーの指定が解除される。排出が継続されていれば、そのコインホッパーの指定は続き、コインホッパーの個別の処理が行われ、コイン10が排出される。このよに、定期的に全てのコインホッパーに対して、指定の有無を確認し、その有無に応じて、コイン10の排出処理を行う。
図9は、コイン処理装置の動作を説明する第3のフローチャートである。格納されているコイン10を全数払出す場合の処理について説明する。払出すコインホッパーを指定し、払出す枚数を、格納されているコイン10の全数とする指定をし、コインホッパー個別の払出処理を実行することになる。コイン10を連続で多数排出することになる。複数台のコインホッパーを同時に動作させると、排出ベルト47上に堆積し、搬送阻害を生じる可能性が高まる。そのため、コインホッパーを予め決められた台数ずつ動作せる必要がある。例えば、1台ずつ動作させる。また、排出するコイン10の枚数が少なければ問題が生じないので、格納容器内のコイン10が少ない場合は、並行して他のコインホッパーからコイン10を排出する処理を行うことができる。
先ず、ステップS40では、指定されたコインホッパーが撹拌中であるか否かを判断する。撹拌中であれば、ステップS41に移行し、撹拌中でなければステップS42に移行する。撹拌は、コイン10が払出せない状態が続いた場合に、格納容器内のコイン10の状態を変えることで、払出せるようにする動作である。撹拌は所定回転数、所定時間など、予め決められた撹拌条件で回転体を逆転させる。または、コイン10を排出しない程度に正転を更に含めて撹拌する。撹拌中であるか否かは、撹拌条件の範囲内にあるか否かで判断する。例えば、所定時間が撹拌条件ならば、撹拌を開始したときに時間計測を開始し、その時間を超えたか否かを判断する。また、この処理は定期的な割込で実施されるならば、撹拌処理が開始されてから、このステップS40を何回処理したかをカウントし、予め決められた回数内でれば撹拌中であり、超えたら撹拌中でないと判断することもできる。
コインホッパーは、回転体94を正回転させれば、コイン10を一枚ずつ排出することができ、逆転させれば、コイン10は排出しない。回転体94を逆転させることで、格納容器内のコイン10を排出せずに移動させることができる。例えば、回転体94の上にコイン10が乗り上げた状態が続くことや、ブリッジ状にコイン10が重なった状態になることなどで、ホッパ凹部96にコイン10が入らない場合がある。そのようなときに、回転体94を逆回転させることで、通常とは異なる動きをさせ、格納容器内のコイン10を撹拌し、コイン10の状態を変え、ホッパ凹部96にコイン10が入るようにできる。
次に、ステップS41では、リトライタイマをリセットする。リトライタイマは、払出が無い状態の時間を計測するタイマーである。コイン10の払出があれば、リトライタイマをリセットした後、処理を終了し、次の割り込み処理を待つ。
コイン10が前回の排出時から予め決められた時間経過しても払出されなかった場合は、格納容器内にコイン10が入っていないと推定できる。また、何らかの原因で、格納容器内にコイン10が入っている状態であっても、払出ができないことが考えられる。リトライ制御は、格納容器内にコイン10が入っていないことをより確実に推定するために、撹拌後にコイン10が払出せるか否かを確かめる動作とも言える。撹拌後にコイン10の払出の処理、すなわちリトライをする。撹拌を行うことで、コイン10が払出せる状態になることがあるからである。複数回、例えば5回、リトライをしてもコイン10が払出せなかった場合は、格納容器内にコイン10が無いと判断することができる。
次に、ステップS42では、撹拌が終了したか否かを判断する。撹拌中であれば、コイン10の払出処理は実施していない状態である。撹拌中でなければコイン10の払出処理を実施している状態であるか、これから実施する必要がある状態でる。そこで、払出処理の状態に応じて、撹拌が終了したばかりでまだ払出処理がされていない状態なのか、既に撹拌が終了していて払出処理がされている状態なのかを判断する必要がある。撹拌が終了したばかりでまだ払出処理がされていなければ、ステップS43へ移行し、そうでなければステップS44へ移行する。
次に、ステップS43では、指定されているコインホッパーからコイン10を払出す処理を開始する。指定されているコインホッパーに対応するホッパ駆動回路を制御し、コイン10の払出を行う。すなわち、回転体94を正回転させる。コイン10の払出を開始したら、ステップS41に移行する。払出がされていれば、リトライタイマをリセットしておく必要があるからである。
次に、ステップS44では、払出の有無を確認する。払出があればステップS41へ移行する。払出がなければステップS45へ移行する。払出の有無は、各コインホッパーに対応する払出センサーの出力によって判断することができる。前回から、今回までの間にコインホッパーからコイン10の払出が有ったか否かを判断する。コインホッパーのコイン10の払出間隔より短い定期的な間隔でこの処理を通ることになる。コインホッパーから払出が継続的にされていれば、リトライの判断となる所定時間を超えずに払出があると判断される。
次に、ステップS45では、リトライタイマをカウントする。その後、ステップS46へ移行する。このステップS45の処理は定期的なタイミングで処理されるので、この処理の中でリトライタイマをカウントしている。また、別途タイマーによってリトライを判断する所定時間を計測しても良い。リトライをさせるには、コイン10の払出が無い状態が続いていると判断する必要があるので、正確に時間を計測する必要がある。コインの払出がなければ、リトライタイマをカウントする。例えば、5ミリ秒毎に定期的に割込の処理が行われており、所定時間が5秒ならば、1000カウントすることで5秒を正確に計測することができる。
次に、ステップS46では、コイン10の払出の無い時間が所定時間続いたか否かを判断する。コイン10の払出がない時間が所定時間を超えていればステップS47へ移行し、所定時間以内ならば処理を終了し、次の割り込み処理を待つ。コインホッパーからコイン10を連続して排出する処理をしているときに、コイン10の実際の排出を所定時間検出できないときは、格納されているコイン10が無い状態か、何かしらのトラブルが生じたと考えられる。
次に、ステップS47では、リトライの回数をカウントし、ステップS48へ移行する。予め決められた回数のリトライを行うためである。
次に、ステップS48では、予め決められたリトライの最大回数である第1の所定回数を超えたか否かを判断する。超えていればステップS49へ移行し、超えていなければステップS54へ移行する。リトライの許容できる回数を超えた場合は、格納容器内にコイン10が無いと判断し、処理をすることになる。例えば、各コインホッパーに対応する払出センサーを用いて、払出したコイン10の枚数をカウントし、その値だけで制御をすることも考えられる。しかし、何かしらの原因で、格納されているコイン10の枚数と、計測したコイン10の枚数が異なることも考えられる。そのようなときには、格納用容器内にコイン10が実際には無い場合でも、払出処理を続けてしまうなどの問題が生じることが考えられる。そのような問題を避けるためにも、リトライ制御を行い、完全に無い状態であると判断することが好ましい。
ステップS49では、リトライ回数をリセットする。リトライを数えるためのカウンターを初期値に戻す。その後、ステップS50に移行する。
ステップS50では、指定されているコインホッパーの払出処理を停止する。すなわち、回転体94の駆動を停止する。その後、ステップS51に移行する。
ステップS51では、指定されているコインホッパーの指定を解除する。その後、ステップS52に移行する。コインホッパーの指定を解除することで、例えば図8で説明したように、指定が解除されたコインホッパーは個別に払出の処理がされないことになる。
次に、ステップS52では、リトライオーバーした状態であることが分かっているので、この状態では、指定されたコインホッパーから、格納されている全てのコイン10が払出されたことになる。全数払出されたと推定することができる。リトライオーバーしたことを、外部機器等に通知する。その他必要な処理を行う。その後、ステップS53に移行する。
次に、ステップS53では、未払いのコインホッパーが有るか無いか判断する。すなわち、格納されているコイン10の全数を払出すコインホッパーが他に有るか無いかを判断する。無ければ処理を終了する。有れば、ステップS58に移行する。
次に、ステップS54では、コイン10の払出のリトライをするため、コイン10の払出の停止をする。回転体94の回転を停止する。その後、ステップS55に移行する。
次に、ステップS55では、格納容器内のコイン10の撹拌を開始する。撹拌は、回転体94を所定時間逆転させる。または、回転体94を所定回数逆転させる。
次に、ステップS56では、リトライ回数が第2の所定回数に達したか否かを判断する。達していなければ処理を終了し、次の割り込み処理を待ち、達していればステップS57へ移行する。第2の所定回数は、第1の所定回数より少ない値である。例えば、リトライの最大回数である第1の所定回数が5回であり、第2の所定回数がそれより少ない値である1回である。1回で心配であるなら2回とすることができる。いずれにしろ、リトライがされていることは、格納容器内のコイン10が無いか、少ない状態であると推測できる。コイン10の払出枚数が少なければ、搬送阻害を生じる可能性が低い。そこで、リトライが開始されたら、予め決められた順番に従って同時に他のコインホッパーを動作させる。
次に、ステップS57では、指定するコインホッパーの有無を判断する。並行して動作させるコインホッパーがあれば、ステップS58に移行し、無ければ処理を終了し、次に割り込み処理を待つ。
次に、ステップS58では、コイン10を払出すコインホッパーを指定し、そのコインホッパーから全てのコイン10を払出す指定をする。その後処理を終了し、次の割り込み処理を待つ。
例えば、排出ベルト47の搬送能力にもよるが、指定するコインホッパーは1台または2台などの複数台にすることができる。複数台にする場合は、第1逆止体63、第2逆止体64、第3逆止体65、第4逆止体66で分けられている各区分に同時に2台のコインホッパーからコイン10が排出されないように制御する。隣り合う逆止体間には2台のコインホッパーからのコイン10が案内される。2台のコインホッパーから同一区分に同時に排出すると、排出ベルト47上にコイン10が多く堆積してしまい、搬送阻害の可能性が高まる。それを防止する必要がある。例えば、現在指定されているコンホッパーと、次に指定するコインホッパーの排出先の区分が異なるように順番が予め決められている。
また、排出ベルト47は、下から斜め上に向かいコインを運ぶ。下方で排出されたコイン10が排出ベルト47上に載置されていると、上方で排出されたコイン10が運ばれない。そのため、同時に動作させるコインホッパーの台数を少なくした方が良い。
また、リトライ後に指定されるコインホッパーは、同一の区分に排出先が配置されていないコインホッパーを指定するのが好ましい。コイン10がブリッジしていて一時的に排出されない場合もあるので、排出先の区分が異なるコインホッパーを指定することで、ブリッジが解消したときに同一の区分で2台のコインホッパーが同時に動作してしまうことを防止できる。
次に図10を用いて、指定されたコインホッパーから所望の数のコイン10を指定して排出する処理について説明する。図10は、コイン処理装置の動作を説明する第4のフローチャートである。予め決められた所定枚数よりコイン10の払出総数が少なければ、搬送阻害が生じない。例えば、所定枚数を40枚とした場合に、払出の総数が40枚以下なら全てのコインホッパーを同時に動作させて払出す。そして、40枚を超える場合は、予め決められた条件で、払出すコインホッパーを指定して払出す。同時に動作させるコインホッパーの台数が、予め決められており、一度に多くのコイン10は、払出しできない。
POSシステムなどの外部機器から、払出すコイン10の金種と枚数が指定される。また、金種に応じて払出すコインホッパーが決まる。
ステップS60では、払出すコイン10の総数が、予め決められた最大払出総数以下か否かを判断する。以下ならステップS61、超えていればステップS79に移行する。例えば総枚数は40枚である。排出ベルト47の搬送能力に応じて予め決められた枚数である。
ステップS61では、第1コインホッパー36が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS62に移行する。指定されていなければステップS63に移行する。ステップS62では、第1コインホッパー36から、指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。第1コインホッパー36及び払出す枚数が指定され、指定された枚数のコイン10の排出が完了するまで第1コインホッパー36を駆動する。第1払出センサー119によって払出されたコイン10の枚数を取得できる。
ステップS63では、第2コインホッパー37が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS64に移行する。指定されていなければステップS65に移行する。ステップS64では、第2コインホッパー37から、指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。第2コインホッパー37及び払出す枚数が指定され、指定された枚数のコイン10の排出が完了するまで第2コインホッパー37を駆動する。第2払出センサー120によって払出されたコイン10の枚数を取得できる。
ステップS65では、第3コインホッパー38が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS66に移行する。指定されていなければステップS67に移行する。ステップS66では、第3コインホッパー38から、指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。第3コインホッパー38及び払出す枚数が指定され、指定された枚数のコイン10の排出が完了するまで第3コインホッパー38を駆動する。第3払出センサー121によって払出されたコイン10の枚数を取得できる。
ステップS67では、第4コインホッパー39が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS68に移行する。指定されていなければステップS69に移行する。ステップS68では、第4コインホッパー39から、指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。第4コインホッパー39及び払出す枚数が指定され、指定された枚数のコイン10の排出が完了するまで第4コインホッパー39を駆動する。第4払出センサー122によって払出されたコイン10の枚数を取得できる。
ステップS69では、第5コインホッパー40が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS70に移行する。指定されていなければステップS71に移行する。ステップS70では、第5コインホッパー40から、指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。第5コインホッパー40及び払出す枚数が指定され、指定された枚数のコイン10の排出が完了するまで第5コインホッパー40を駆動する。第5払出センサー123によって払出されたコイン10の枚数を取得できる。
ステップS71では、第6コインホッパー41が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS72に移行する。指定されていなければステップS73に移行する。ステップS72では、第6コインホッパー41から、指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。第6コインホッパー41及び払出す枚数が指定され、指定された枚数のコイン10の排出が完了するまで第6コインホッパー41を駆動する。第6払出センサー124によって払出されたコイン10の枚数を取得できる。
ステップS73では、第7コインホッパー42が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS74に移行する。指定されていなければステップS75に移行する。ステップS74では、第7コインホッパー42から、指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。第7コインホッパー42及び払出す枚数が指定され、指定された枚数のコイン10の排出が完了するまで第7コインホッパー42を駆動する。第7払出センサー125によって払出されたコイン10の枚数を取得できる。
ステップS75では、第8コインホッパー43が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS76に移行する。指定されていなければステップS77に移行する。ステップS76では、第8コインホッパー43から、指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。第8コインホッパー43及び払出す枚数が指定され、指定された枚数のコイン10の排出が完了するまで第8コインホッパー43を駆動する。第8払出センサー126によって払出されたコイン10の枚数を取得できる。
ステップS77では、全コインホッパーから払出処理が終了したか否かを判断する。終了していればステップS78に移行する。終了していなければ、処理を終了し、次の割込を待つ。
ステップS78では、全コインホッパーからの払出の処理が終了した旨の情報を表示する。あるいは、外部機器へ通知する。これら報知の処理後、処理を終了する。ここまでは、払出枚数が所定枚数以下である場合の処理である。各コインホッパーの処理については、後述する。
次に、所定枚数、例えば40枚を超えている場合の処理について説明する。予め決められた順番に基づいて最初のコイン10を排出するコインホッパーを指定し、払出す枚数を指定し、指定された枚数のコイン10の払出しを行う。払出が終われば、予め決められた順番に基づいて次のコインホッパーを指定し、処理が続く。外部装置等から指定される全コインホッパーから払出が完了するまで順番にコインホッパーを指定しながら、コイン10を払出す処理を行う。同時に払出を行うコインホッパーの台数を制限しながら動作させることになる。
ステップS79では、第1コインホッパー36が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS80に移行する。指定されていなければステップS81に移行する。ステップS80では、払出総数が所定枚数を超えている場合の第1コインホッパー36から指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。
ステップS81では、第2コインホッパー37が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS82に移行する。指定されていなければステップS83に移行する。ステップS82では、払出総数が所定枚数を超えている場合の第2コインホッパー37から指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。
ステップS83では、第3コインホッパー38が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS84に移行する。指定されていなければステップS85に移行する。ステップS84では、払出総数が所定枚数を超えている場合の第3コインホッパー38から指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。
ステップS85では、第4コインホッパー39が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS86に移行する。指定されていなければステップS87に移行する。ステップS86では、払出総数が所定枚数を超えている場合の第4コインホッパー39から指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。
ステップS87では、第5コインホッパー40が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS88に移行する。指定されていなければステップS89に移行する。ステップS88では、払出総数が所定枚数を超えている場合の第5コインホッパー40から指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。
ステップS89では、第6コインホッパー41が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS90に移行する。指定されていなければステップS91に移行する。ステップS90では、払出総数が所定枚数を超えている場合の第6コインホッパー41から指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。
ステップS91では、第7コインホッパー42が指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS92に移行する。指定されていなければステップS93に移行する。ステップS92では、払出総数が所定枚数を超えている場合の第7コインホッパー42から指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。
ステップS93では、第8コインホッパー43指定されているか否かを判断する。指定されていればステップS94に移行する。指定されていなければステップS95に移行する。ステップS94では、払出総数が所定枚数を超えている場合の第8コインホッパー43から指定された枚数のコイン10を排出する処理を行う。
ステップS95では、全てのコインホッパーの排出が完了したか否かを判断する。終了していればステップS96に移行する。終了していなければ、処理を終了し、次の割込を待つ。
ステップS96では、全コインホッパーからの払出の処理が終了した旨の情報を表示する。あるいは、外部機器へ通知する。これら報知の処理後、処理を終了する。ここまでは、払出枚数が所定枚数を超えている場合の処理である。このときの各コインホッパーの処理については、後述する。
これら一連の処理は、定期的に生じる割込毎に、状態を監視し、それに応じた処理を行っている。すなわち、順番にコインホッパーを指定し、指定されているコインホッパーについてコインを排出する処理を行い、指定されていなければ、コインを排出する処理を行わないことになる。
次に、払出総数が所定枚数以下、例えば40枚以下の場合の各コインホッパーの個別の処理を説明する。ここでは、各コインホッパーについて同様の処理なので、例として、一つのコインホッパーの処理について説明する。図11は、コイン処理装置の動作を説明する第5のフローチャートである。格納容器内のコイン10から、指定の枚数のコイン10を払出すことになる。払出すコインホッパーと払出す枚数が指定されている。また、全てのコインホッパーは同時に払い出す。排出ベルト47上にコイン10が堆積しても、搬送阻害を生じない許容範囲内である。指定されているコインホッパーを、それぞれ独立に並行して動作させる。
先ず、ステップS100では、指定されたコインホッパーが撹拌中であるか否かを判断する。撹拌中であれば、ステップS101に移行し、撹拌中でなければステップS102に移行する。
次に、ステップS101では、リトライタイマをリセットする。リトライタイマは、払出が無い状態の時間を計測するタイマーである。攪拌中であればリトライタイマをカウントさせる必要がない。また、リトライタイマをリセットした後、処理を終了し、次の割り込み処理を待つ。
次に、ステップS102では、撹拌が終了したか否かを判断する。撹拌中であれば、コイン10の払出処理は実施していない状態である。撹拌中でなければコイン10の払出処理を実施しているか、これから実施する状態である。そこで、払出処理の状態に応じて、撹拌が終了したばかりでまだ払出処理がされていない状態なのか、既に撹拌が終了していて払出処理がされている状態なのかを判断する。撹拌が終了したばかりでまだ払出処理がされていなければ、ステップS103へ移行し、そうでなければステップS104へ移行する。
次に、ステップS103では、指定されているコインホッパーからコイン10を払出す処理を開始する。指定されているコインホッパーに対応するホッパ駆動回路を制御し、コイン10の払出を行う。すなわち、回転体94を正回転させる。コイン10の払出を開始したら、ステップS101に移行する。払出がされていれば、リトライタイマをリセットしておく必要があるからである。
次に、ステップS104では、払出の有無を確認する。払出があればステップS105へ移行する。払出がなければステップS110へ移行する。払出の有無は、各コインホッパーに対応する払出センサーの出力によって判断することができる。前回から、今回までの間にコインホッパーからコイン10の払出が有ったか否かを判断する。コインホッパーのコイン10の払出間隔より短い定期的な間隔でこのステップS104の処理を通ることになる。コインホッパーから払出が継続的にされていれば、リトライの判断となる所定時間を超えずに払出があると判断される。
次に、ステップS110では、リトライタイマをカウントする。その後、ステップS111へ移行する。このステップS110の処理は定期的なタイミングで処理されるので、定期的にリトライタイマをカウントすることになる。また、別途タイマーによってリトライを判断する所定時間を計測しても良い。リトライさせるには、コイン10の払出が無い状態が続いているかを判断する必要があるので、正確に時間を計測する必要がある。コインの払出がなければ、リトライタイマをカウントする。例えば、5ミリ秒毎に定期的に割込の処理が行われており、所定時間が5秒ならば、1000カウントすることで5秒を正確に計測することができる。
リトライタイマによって時間を計測し、あらかじめ決められた時間を経過したか否かを判断する。コイン10が払出されてから、予め決められた時間内に、次のコイン10の払出しがされなかった場合は、格納容器内にコイン10が入っていない状態であるか、何かしらのトラブルが生じた場合であると推定できる。格納容器内にコイン10が入っている状態でも、何かしらの原因で払出ができないことが考えられる。撹拌後、コイン10の払出のリトライを行う。撹拌を行うことで、コイン10が払出せる状態になることがあるからである。あらかじめ決められた回数、例えば5回などの複数回、リトライをしてもコイン10を排出できない場合は、格納容器内にコイン10が無いか、トラブルがあったと判断することができる。
次に、ステップS111では、コイン10の払出が行われない時間が所定時間続いたか否かを判断する。コイン10の払出が行われない時間が所定時間を超えていればステップS112へ移行してリトライの処理を行い、所定時間以内ならば処理を終了し、次の割り込み処理を待つ。
次に、ステップS112では、コインホッパーのリトライの回数をカウントし、ステップS113へ移行する。リトライを無制限に行うのではなく、予め決められた回数のリトライを行うためである。
次に、ステップS113では、予め決められたリトライの最大回数である第1の所定回数を超えたか否かを判断する。超えていればステップS114へ移行し、超えていなければステップS118へ移行する。リトライの許容できる回数を超えた場合は、格納容器内にコイン10が無いか、何かしらのトラブルがあったものと判断し、処理をすることになる。例えば、各コインホッパーに対応する払出センサーを用いて、払出したコイン10の枚数をカウントし、その値だけで制御をすることも考えられる。しかし、何かしらの原因で、格納されているコイン10の枚数と、計測したコイン10の枚数が異なることも考えられる。そのようなときには、格納用容器内にコイン10が実際には無い場合でも、払出処理を続けてしまうなどの問題が生じることが考えられる。また格納容器内でコイン10がブリッジして、コイン10がある状態であっても払出ができない問題を生じている場合も考えられる。リトライがある回数に達したらリトライを繰り返さず、不具合を解消するための処理を行う。
ステップS114では、リトライ回数をリセットする。リトライを数えるためのカウンターを初期値に戻す。その後、ステップS115に移行する。
ステップS115では、指定されているコインホッパーの払出処理を停止する。すなわち、回転体94の駆動を停止する。その後、ステップS116に移行する。
ステップS116では、指定されているコインホッパーの指定を解除する。その後、ステップS117に移行する。コインホッパーの指定を解除することで、解除したコインホッパーに関しては払い出しの処理が行われなくなる。
ステップS117では、リトライオーバーした状態であることが分かっているので、この状態では、指定されたコインホッパーから、格納されている全てのコイン10が払出されたか、何かしらの不具合が生じたと判断できる。リトライオーバーしたことを、報知し、外部機器等に通知する。その他必要な処理を行う。その後、処理を終了する。
次にステップS118では、リトライの制限回数以下なので、リトライの処理を行うことになる。リトライを行う前に、リトライを行うコインホッパーの払い出しを停止する。すなわち、回転体94の駆動を停止する。その後、ステップS119に移行する。
次に、ステップS119では、攪拌処理を開始する。攪拌を行うことで、一時的にコイン10を排出できないトラブルを解消できる。攪拌処理を開始し、次の割り込み処理を待つ。
攪拌中でなく、払い出しが行われている状態であれば、ステップS105の処理を行うことになる。ステップS105では、払い出しが行われているので、リトライタイマはリセットしておく。そしてステップS106に移行する。
ステップS106では、払い出されたコイン10の枚数をカウントする。新たに、払い出したことが分かれば、その払い出しが何枚目であるかわかるようにカウントする。そしてステップS107に移行する。
ステップS107では、払い出されたコイン10の枚数が、当初指定されていた枚数に到達したか否かを判断する。指定枚数の払い出しがされていればステップS108に、まだ払い出し枚数が不足していれば処理を終了し、払い出し処理を継続し、次の割り込み処理を待つ。
ステップS108では、指定された枚数のコイン10が払い出されたので、コインホッパーの払い出しを停止する。すなわち、回転体94の駆動を停止する。その後、ステップS109に移行する。
ステップS109では、指定されているコインホッパーの指定を解除する。その後、処理を終了する。指定を解除するので、次の割り込みの処理の時に、解除したコインホッパーに関しては払い出しの処理が行われなくなる。また、指定枚数のコイン10を払い出したことを報知し、外部機器に通知する。
このように、予め指定された枚数のコイン10が払い出されるまで、処理が継続する。または、何かしら不具合が生じた場合も処理が終了する。払い出しが完了したことや、不具合があったことを外部機器に通知するので、その通知に基づいて、払い出し終了やトラブルの対応の処理がされることになる。
次に、払出総数が所定枚数を超えている場合、例えば41枚以上の場合の各コインホッパーの個別の処理を説明する。ここでは、各コインホッパーについて同様の処理なので、例として、一つのコインホッパーの処理について説明する。図12は、コイン処理装置の動作を説明する第6のフローチャートである。格納容器内のコイン10から、指定の枚数のコイン10を払出すことになる。しかし、全てのコインホッパーから同時に払い出すのではなく、あらかじめ決められた順番に基づいて、払出すコインホッパーを動作させる。同時に払い出す枚数が多くなると排出ベルト47上にコイン10が堆積して、搬送阻害を生じるからである。指定されているコインホッパーを、それぞれ独立に並行して制御する。
先ず、ステップS120では、指定されたコインホッパーが撹拌中であるか否かを判断する。撹拌中であれば、ステップS121に移行し、撹拌中でなければステップS122に移行する。
次に、ステップS121では、リトライタイマをリセットする。リトライタイマは、払出が無い状態の時間を計測するタイマーである。攪拌中であればリトライタイマをカウントさせる必要がない。また、リトライタイマをリセットした後、処理を終了し、次の割り込み処理を待つ。
次に、ステップS122では、撹拌が終了したか否かを判断する。撹拌中であれば、コイン10の払出処理は実施していない状態である。撹拌中でなければコイン10の払出処理を実施しているか、これから実施するかの状態である。そこで、払出処理の状態に応じて、撹拌が終了したばかりでまだ払出処理がされていない状態なのか、既に撹拌が終了していて払出処理がされている状態なのかを判断する。撹拌が終了したばかりでまだ払出処理がされていなければ、ステップS123へ移行し、そうでなければステップS124へ移行する。
次に、ステップS123では、指定されているコインホッパーからコイン10を払出す処理を開始する。指定されているコインホッパーに対応するホッパ駆動回路を制御し、コイン10の払出を行う。すなわち、回転体94を正回転させる。コイン10の払出を開始したら、ステップS121に移行する。払出がされていれば、リトライタイマをリセットしておく必要があるからである。
次に、ステップS124では、払出の有無を確認する。払出があればステップS125へ移行する。払出がなければステップS130へ移行する。払出の有無は、各コインホッパーに対応する払出センサーの出力によって判断することができる。前回から、今回までの間にコインホッパーからコイン10の払出が有ったか否かを判断する。コインホッパーのコイン10の払出間隔より短い定期的な間隔でこの処理を通ることになる。コインホッパーから払出が継続的にされていれば、リトライの判断となる所定時間を超えずに払出があると判断される。
ステップS125では、払い出しが行われているので、リトライタイマはリセットしておく。そしてステップS126に移行する。
ステップS126では、払い出されたコイン10の枚数をカウントする。新たに、払い出したことが分かれば、その払い出しが何枚目であるかわかるようにカウントする。そしてステップS127に移行する。
ステップS127では、払い出されたコイン10の枚数が、当初指定されていた枚数に到達したか否かを判断する。指定枚数の払い出しがされていればステップS128に、まだ払い出し枚数が不足していれば処理を終了し、払い出し処理を継続し、次の割り込み処理を待つ。
ステップS128では、指定された枚数のコイン10が払い出されたので、コインホッパーの払い出しを停止する。すなわち、回転体94の駆動を停止する。その後、ステップS129に移行する。
ステップS129では、指定されているコインホッパーの指定を解除する。その後、ステップS141に移行し、次に払い出すコインホッパーの指定をする。動作させるコインホッパーの指定を解除するので、次の割り込みの処理の時に、解除したコインホッパーに関しては払い出しの処理が行われなくなる。また、指定枚数のコイン10を払い出したことを報知し、外部機器に通知する。このように、予め指定された枚数のコイン10が払い出されるまで、定期的な割り込みの処理の中で状態を確認しながらその状態に応じた処理がされる。各コインホッパーは、独立して払出処理が行われる。また後述するが、何かしら不具合が生じた場合も払い出しの処理が終了する。払い出しが完了したことや、不具合があったことを外部機器に通知するので、その通知に基づいて、払い出し終了やトラブルの対応の処理がされることになる。
次に、ステップS130では、リトライタイマをカウントする。その後、ステップS131へ移行する。このステップS130の処理は定期的なタイミングで処理されるので、定期的にリトライタイマがカウントされる。また、別途タイマーによってリトライを判断する所定時間を計測しても良い。リトライさせるには、コイン10の払出が無い状態が続いているかを判断する必要があるので、正確に時間を計測する必要がある。コインの払出がなければ、リトライタイマをカウントする。例えば、5ミリ秒毎に定期的に割込の処理が行われており、所定時間が5秒ならば、1000カウントすることで5秒を正確に計測することができる。
リトライタイマによって時間を計測し、あらかじめ決められた時間を経過したか否かを判断する。コイン10が払出されてから、予め決められた時間内に次のコイン10の払出しがされなかった場合は、格納容器内にコイン10が入っていない状態であるか、何かしらのトラブルが生じた場合であると推定できる。格納容器内にコイン10が入っている状態でも、何かしらの原因で払出ができないことが考えられる。撹拌後、コイン10の払出のリトライを行う。撹拌を行うことで、コイン10が払出せる状態になることがあるからである。あらかじめ決められた回数、例えば5回などの複数回、リトライをしてもコイン10を排出できない場合は、格納容器内にコイン10が無いか、トラブルがあったと判断することができる。
次に、ステップS131では、コイン10の払出が行われない時間が所定時間続いたか否かを判断する。コイン10の払出が行われない時間が所定時間を超えていればステップS132へ移行してリトライの処理を行い、所定時間以内ならば処理を終了し、次の割り込み処理を待つ。
次に、ステップS132では、コインホッパーのリトライの回数をカウントし、ステップS133へ移行する。リトライを無制限に行うのではなく、予め決められた回数のリトライを行うためである。
次に、ステップS133では、予め決められたリトライの最大回数である第1所定回数を超えたか否かを判断する。超えていればステップS134へ移行し、超えていなければステップS138へ移行する。リトライの許容できる回数を超えた場合は、格納容器内にコイン10が無いか、何かしらのトラブルがあったものと判断し、処理をすることになる。例えば、各コインホッパーに対応する払出センサーを用いて、払出したコイン10の枚数をカウントし、その値だけで制御をすることも考えられる。しかし、何かしらの原因で、格納されているコイン10の枚数と、計測したコイン10の枚数が異なることも考えられる。そのようなときには、格納用容器内にコイン10が実際には無い場合でも、払出処理を続けてしまうなどの問題が生じることが考えられる。また格納容器内でコイン10がブリッジして、コイン10がある状態であっても払出ができない問題が生じている場合も考えられる。リトライがある回数に達したらリトライを繰り返さず、不具合を解消するための処理を行う。
ステップS134では、リトライ回数をリセットする。リトライを数えるためのカウンターを初期値に戻す。その後、ステップS135に移行する。
ステップS135では、指定されているコインホッパーの払出処理を停止する。すなわち、回転体94の駆動を停止する。その後、ステップS136に移行する。
ステップS136では、指定されているコインホッパーの指定を解除する。その後、ステップS137に移行する。コインホッパーの指定を解除することで、解除されたコインホッパーに関しては払い出しの処理が行われなくなる。
ステップS137では、リトライオーバーした状態であることが分かっているので、この状態では、指定されたコインホッパーから、格納されている全てのコイン10が払出されたか、何かしらの不具合が生じたと判断できる。リトライオーバーしたことを、報知し、外部機器等に通知する。その他必要な処理を行う。その後、ステップS141に移行する。
次にステップS138では、リトライの最大制限回数以下なので、リトライの処理を行うことになる。リトライを行う前に、リトライを行うコインホッパーの払い出しを停止する。すなわち、回転体94の駆動を停止する。その後、ステップS139に移行する。
次に、ステップS139では、攪拌処理を開始する。攪拌を行うことで、一時的にコイン10が排出できないトラブルを解消できる。攪拌処理を開始し、その後ステップS140に移行する。
ステップS140では、リトライの回数が、予め決められたリトライの最大回数である第1所定回数より少ない第2所定回数に達したか否かを判断する。最大のリトライ回数は、それ以上リトライを行っても、コイン10の排出の不具合を解消できないと推定できる回数である。例えば第1所定回数は5回とする。リトライを5回してもコインホッパーからコイン10の排出が無ければ、コイン10が無いか、リトライでは解決できない不具合が生じていると判断できる。
第2所定回数は、例えば2回である。5回リトライを行えば、かなり長い時間を要する。コインホッパーを順番に動作させるので、リトライの時間が長ければ、全てのコインホッパーを終了させるまでの時間が長くなる。そこで、リトライの回数が2回など、少ない回数の段階で、コインホッパーを並行して同時に動作させる。コインホッパーを動作させるために予め決められた順番に従って指定する。リトライをする多くの場合は、1度の攪拌で問題を解消できるコインホッパー内の軽微な問題である。一方、例えば、コインホッパー内のコイン10の残数が少なく、回転体94に入りにくくなっているときは、1度では解消できず、2、3回程度攪拌することで、解消することが多い。また、コイン10の残数が少なければ、複数台のコインホッパーを同時に動作させてコイン10を排出しても、搬送不良を起こすことはない。コイン10が強く嵌まり込んだブリッジでは、何度攪拌して解消できないことが多い。第2所定回数は、コインホッパー内の残数が少なくなっている状態であり、同時に複数台のコインホッパーを動作させても問題が生じることがないと推定するための条件でもある。
次にステップS141では、未払いのコインホッパーが有るか無いか判断する。すなわち、あらかじめ決められた順番に基づいて、まだ指定されていないコイン10を払い出すコインホッパーが他に有るか無いかを判断する。無ければ処理を終了し、次の割り込み処理を待つ。有れば、ステップS142に移行する。
次に、ステップS42では、並行して動作させるコインホッパーを指定し、払い出し処理を開始する。その後、処理を終了し、次に割り込み処理を待つ。
あらかじめ決められた駆動するコインホッパーの順番に基づいて、コイン10の払い出しを行う。通常は順番通りに払い出しが行われる。しかし、コインの残数が少ない場合などは、回転体94に拾われにくくなるので、リトライをする場合がある。例えば、コイン10を5枚排出する場合に、問題が無ければ直ぐに排出が完了するが、コイン10が拾い難いときもあり、複数回のリトライが発生する可能性がある。リトライ回数が多くなると、それだけ長時間かかってしまう。このような問題を解消するため、例えばリトライを2回行ったら、次の順番のコインホッパーを同時に並列に動作させることで、時間短縮につなげることができる。この場合は、大量にコインを排出するのではないので、搬送不具合の原因にもならない。
上述の様に処理することで、コインホッパーから排出されるコイン10が排出ベルト47上に多量に堆積することがないので、それによる搬送不具合を防止できる。