JP3423645B2 - 硬貨入出金機 - Google Patents

硬貨入出金機

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JP3423645B2
JP3423645B2 JP17343399A JP17343399A JP3423645B2 JP 3423645 B2 JP3423645 B2 JP 3423645B2 JP 17343399 A JP17343399 A JP 17343399A JP 17343399 A JP17343399 A JP 17343399A JP 3423645 B2 JP3423645 B2 JP 3423645B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投入された硬貨を
入金させるとともにこれを必要に応じて出金させる還流
式の硬貨入出金機に関する。
【0002】
【従来の技術】投入された硬貨を入金させるとともにこ
れを必要に応じて出金させる還流式の硬貨入出金機とし
て、例えば、特開平10−97667号公報に開示され
たものがある。この硬貨入出金機は、入金のため投入さ
れた硬貨を一枚ずつ分離して機内に繰り出し、この繰り
出された硬貨の真偽判別と、真と判別された硬貨の正損
判別および金種鑑別とを入金鑑別部で行った後、正貨と
判別された硬貨のみを硬貨分類部で金種別に選別分類す
る。そして、これら選別分類された硬貨を、一時貯留部
の貯留部にて金種毎に一時貯留させるとともに、入金の
承認操作が入力されると、一時貯留部からその下方に設
けられた金種別の収納繰出部に放出させ該金種別の収納
繰出部で金種毎に収納する。これにより硬貨の入金が完
了する。また、金種別の収納繰出部には、収納された硬
貨を載置させる傾斜配置されたベルトコンベアがそれぞ
れ設けられており、出金時には、必要なベルトコンベア
を駆動させて、該ベルトコンベアに載置させた硬貨を金
種別に一枚ずつ分離して機外に放出させることでその出
金を可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような還流式の
硬貨入出金機では、入金処理あるいは出金処理を機械側
が全て行うことから、その機内にある金種別の硬貨の枚
数データ、さらには金種別に硬貨を収納している各金種
別の収納繰出部の残枚数等を正確に管理しておく必要が
ある。しかしながら、入金処理時に正貨と判別された硬
貨が硬貨分類部で誤選別されてその金種に応じた収納繰
出部に収納されずに、他の金種に応じた収納繰出部に収
納されてしまうことがある。このような不具合が生じて
も、上記従来の硬貨入出金機では、これを確認すること
ができないため、金種別の収納繰出部に収納される金種
別の硬貨の枚数データが不正確なままその管理が行われ
てしまうことになる。このため、収納繰出部に混入した
異金種硬貨が該収納繰出部に対応する金種の硬貨として
繰り出されてしまったり、業務終了後に機械側が管理す
る各金種毎の枚数データと機内にある硬貨の枚数とが一
致しないという問題が生じることがある。したがって、
本発明は、収納繰出部における硬貨のデータを機械側自
身によって精査し確認することを可能とすることによ
り、収納繰出部に混入した異金種硬貨が該収納繰出部に
対応する金種の硬貨として繰り出されてしまうことを防
止でき、業務終了後に機械側が管理する各金種毎の枚数
データと機内にある硬貨の枚数とが一致しない状態が生
じることを防止できる硬貨入出金機を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の硬貨入出金機は、入金され
た硬貨を入金鑑別部で鑑別し該鑑別後の硬貨を選別部で
選別分類して金種別に各収納繰出部に収納させるととも
に、必要に応じて該硬貨を前記収納繰出部から出金口に
出金させる還流式の硬貨入出金機であって、前記収納繰
出部を取り扱う金種数より一つ多く設け、これら収納繰
出部から繰り出された硬貨を一枚ずつ分離して搬送する
搬送手段と、該搬送手段で搬送される硬貨の金種を鑑別
する出金鑑別部と、前記搬送手段で搬送され前記出金鑑
別部で鑑別された硬貨を異なる第1の方向および第2の
方向に振り分け可能な振分手段と、該振分手段で前記第
1の方向に振り分けられた硬貨を前記出金口に搬送する
出金搬送部と、前記振分手段で前記第2の方向に振り分
けられた硬貨を前記各収納繰出部に選択的に搬送可能な
戻搬送手段と、前記収納繰出部のうちの一つの収納繰出
部から硬貨をすべて前記搬送手段に繰り出させ、該硬貨
を前記搬送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で鑑別さ
せさらに前記振分手段で前記第2の方向に振り分け前記
戻搬送手段で搬送させて前記収納繰出部のうちの空状態
にあった一つの収納繰出部に収納させるとともに前記出
金鑑別部の鑑別結果に基づいて計数を行う精査処理を実
行する制御手段と、を有することを特徴としている。
【0005】これにより、収納繰出部を取り扱う金種数
より一つ多く設けて、空状態の収納繰出部を存在させ、
制御手段が、収納繰出部のうちの一つの収納繰出部から
硬貨をすべて搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬送手段
で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに振分手段で
第2の方向に振り分け戻搬送手段で搬送させて収納繰出
部のうちの空状態にあった一つの収納繰出部に収納させ
るとともに、出金鑑別部の鑑別結果に基づいて前記一つ
の収納繰出部の硬貨の計数を行う。そして、このような
鑑別および計数を全金種の収納繰出部について行うこと
で、異金種硬貨を見つけることができる上、各収納繰出
部における硬貨のデータを機械側自身によって精査し確
認することが可能となる。
【0006】本発明の請求項2記載の硬貨入出金機は、
請求項1記載のものに関して、前記制御手段は、前記精
査処理として、前記収納繰出部のうちの一つの繰出元収
納繰出部から硬貨をすべて前記搬送手段に繰り出させ、
該硬貨を前記搬送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で
鑑別させさらに前記振分手段で前記第2の方向に振り分
け前記戻搬送手段で搬送させて前記収納繰出部のうちの
空状態にあった一つの予備収納繰出部に収納させるとと
もに前記出金鑑別部の鑑別結果に基づいて計数を行い、
その後、前記予備収納繰出部のすべての硬貨を前記搬送
手段、前記振分手段および前記戻搬送手段を介して前記
繰出元収納繰出部に戻す精査作動を、前記予備収納繰出
部を除くすべての収納繰出部について順次行うことを特
徴としている。
【0007】これにより、制御手段が、収納繰出部のう
ちの一つの繰出元収納繰出部から硬貨をすべて搬送手段
に繰り出させ、該硬貨を搬送手段で搬送させつつ出金鑑
別部で鑑別させさらに振分手段で第2の方向に振り分け
戻搬送手段で搬送させて収納繰出部のうちの空状態にあ
った一つの予備収納繰出部に収納させるとともに出金鑑
別部の鑑別結果に基づいて、前記繰出元収納繰出部の硬
貨について計数を行うことになり、計数を行った後の予
備収納繰出部のすべての硬貨を、その後、搬送手段、振
分手段および戻搬送手段を介して繰出元収納繰出部に戻
す。そして、このような精査作動を、予備収納繰出部を
除くすべての収納繰出部について順次行うことで、各収
納繰出部における硬貨のデータを機械側自身によって精
査し確認することが可能となる。
【0008】本発明の請求項3記載の硬貨入出金機は、
請求項1記載のものに関して、前記選別部は、選別分類
した各金種の硬貨のそれぞれの収納先である収納繰出部
を変更可能な切換手段を有しており、前記制御手段は、
前記精査処理として、前記収納繰出部のうちの一つの収
納繰出部から硬貨をすべて前記搬送手段に繰り出させ、
該硬貨を前記搬送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で
鑑別させさらに前記振分手段で前記第2の方向に振り分
け前記戻搬送手段で搬送させて前記収納繰出部のうちの
空状態にあった一つの予備収納繰出部に収納させるとと
もに前記出金鑑別部の鑑別結果に基づいて計数を行う精
査作動を、直前の硬貨の繰り出しにより空となった前記
収納繰出部を次の予備収納繰出部としつつ、すべての金
種の収納繰出部について順次行い、該精査処理の終了後
に、各収納繰出部の収納金種に合わせて、前記切換手段
により、前記選別部で選別分類した各金種の硬貨のそれ
ぞれの収納先である収納繰出部を変更させることを特徴
としている。
【0009】これにより、制御手段が、収納繰出部のう
ちの一つの収納繰出部から硬貨をすべて搬送手段に繰り
出させ、該硬貨を搬送手段で搬送させつつ出金鑑別部で
鑑別させさらに振分手段で第2の方向に振り分け戻搬送
手段で搬送させて収納繰出部のうちの空状態にあった一
つの予備収納繰出部に収納させるとともに出金鑑別部の
鑑別結果に基づいて前記一つの収納繰出部についての計
数を行う精査作動を実行することになり、次に、この精
査作動で空となった前記一つの収納繰出部を新たな予備
収納繰出部として、収納繰出部のうちの他の一つの収納
繰出部から硬貨をすべて搬送手段に繰り出させ、該硬貨
を搬送手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに
振分手段で第2の方向に振り分け戻搬送手段で搬送させ
て前記新たな予備収納繰出部に収納させるとともに出金
鑑別部の鑑別結果に基づいて前記他の一つの収納繰出部
についての計数を行う精査作動を実行することになっ
て、このような精査作動を、すべての金種の収納繰出部
について順次行う。そして、各収納繰出部の収納金種に
合わせて、切換手段により、選別部で選別分類した各金
種の硬貨のそれぞれの収納先である収納繰出部を変更さ
せる。
【0010】本発明の請求項4記載の硬貨入出金機は、
請求項3記載のものに関して、前記収納繰出部は並列に
配置されており、前記切換手段は、揺動することによ
り、隣り合う収納繰出部に対し選択的に硬貨を導入させ
る、取り扱う金種数と同数のシュート部と、これらシュ
ート部を揺動させる一つの駆動源とを具備することを特
徴としている。
【0011】このように、切換手段は、揺動することに
より、隣り合う収納繰出部に対し選択的に硬貨を導入さ
せる、取り扱う金種数と同数のシュート部と、これらシ
ュート部を揺動させる一つの駆動源とで構成されるた
め、構造の複雑化およびコスト増を抑制することができ
る。
【0012】本発明の請求項5記載の硬貨入出金機は、
請求項1乃至4のいずれか一項記載のものに関して、前
記振分手段は、硬貨を前記第1の方向および前記第2の
方向に加えて、これらの方向とは異なる第3の方向に振
り分け可能とされるとともに、前記振分手段で前記第3
の方向に振り分けられた硬貨を収納可能な出金リジェク
トボックスと、前記搬送手段における前記出金鑑別部よ
り下流側に設けられて該搬送手段上の硬貨の移動を規制
する搬送規制部とを有し、前記制御手段は、前記精査処
理中に、前記出金鑑別部の鑑別結果から精査中の金種以
外の異金種硬貨を確認すると、前記搬送規制部により該
異金種硬貨の搬送を停止させるとともに前記収納繰出部
からの硬貨の繰り出しを停止させ、さらに、前記搬送手
段において該異金種硬貨より下流側にあった硬貨をすべ
て前記戻搬送手段側に搬送させた状態で、前記振分手段
により該異金種硬貨を含む前記搬送手段上に残存する硬
貨を前記第3の方向に振り分けることを特徴としてい
る。
【0013】このように、制御手段が、精査処理中に、
出金鑑別部の鑑別結果から精査中の金種以外の異金種硬
貨を確認すると、搬送規制部により該異金種硬貨の搬送
を停止させるとともに収納繰出部からの硬貨の繰り出し
を停止させ、さらに、搬送手段において該異金種硬貨よ
り下流側にあった硬貨をすべて戻搬送手段側に搬送させ
た状態で、振分手段により該異金種硬貨を含む前記搬送
手段上に残存する硬貨を第3の方向に振り分けること
で、異金種硬貨を出金リジェクトボックスに収納させ
る。
【0014】本発明の請求項6記載の硬貨入出金機は、
請求項5記載のものに関して、前記制御手段は、前記入
金鑑別部および前記出金鑑別部のそれぞれの鑑別結果に
基づく収納中の全硬貨の金種別の硬貨枚数と、前記精査
処理による前記出金鑑別部の鑑別結果に基づく各収納繰
出部の金種別の硬貨枚数とから、前記出金リジェクトボ
ックスに収納された硬貨の金種別の硬貨枚数を割り出す
ことを特徴としている。
【0015】これにより、制御手段が、機外から入金さ
れた硬貨枚数および機外に出金させた硬貨枚数に相当す
る入金鑑別部および出金鑑別部のそれぞれの鑑別結果に
基づいて現在収納中の全硬貨の金種別の硬貨枚数を把握
する一方、精査処理による出金鑑別部の鑑別結果に基づ
いて各収納繰出部の金種別の硬貨枚数を把握し、これら
から、出金リジェクトボックスに収納された硬貨の金種
別の硬貨枚数を割り出すことになる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の硬貨入出金機の第1の実
施の形態を図1〜図18を参照して以下に説明する。こ
の硬貨入出金機11は、入金された硬貨を収納させると
ともに必要に応じて出金させるいわゆる還流式のもの
で、主に銀行等の金融機関において、他の紙幣入出金機
等と組み合わせられて出納機として用いられ、同じく出
納機を構成するとともに硬貨入出金機11および紙幣入
出金機等を管理する上位機12(図17参照)からの指
令に基づいて入金処理あるいは出金処理等の各処理を行
い、その処理結果等の情報を上位機12に送るように構
成されている。このため、この硬貨入出金機11に関す
る操作入力およびデータ表示はこの上位機12に設けら
れた図示せぬ操作部および表示部によって行われるよう
になっている。
【0017】なお、以下における機体前側、機体後側、
機体前後、機体最前部、機体最後部等の表現は、機体1
3の前後方向における前側、後側、前後、最前部、最後
部等の略であり、機体左側、機体右側、機体左右等は、
機体13を前方から見たときの機体における左側、右
側、左右等の略である。
【0018】「全体外観」まず、機体13の外観側の構
成について主に図1を参照して説明する。この硬貨入出
金機11は、入金されたバラ硬貨を取り込んでその真偽
と真である場合の正損および金種等とを鑑別し、これを
金種別に選別分類する入金選別ユニット(選別部)14
と、該入金選別ユニット14で金種別に分類された硬貨
を各金種別に収納させるとともに、このように収納させ
た硬貨を上位機12からの出金処理の指令に基づいて出
金用硬貨として繰り出す収納出金ユニット15と、該収
納出金ユニット15から繰り出された硬貨を運ぶ出金リ
フト部(出金搬送部)16とを有している。
【0019】入金選別ユニット14および収納出金ユニ
ット15は、機体13の上側に入金選別ユニット14
が、機体13の下側に収納出金ユニット15がそれぞれ
位置するように互いに重なり合って配置されており、入
金選別ユニット14は単独で、収納出金ユニット15
は、機体左側に設けられる出金リフト部16とともに機
体13に対し引き出し自在に設けられている。
【0020】機体13の上部には、入金のため投入され
るバラ硬貨を受け入れ可能な入金口18と、機体前後方
向にスライドすることにより入金口18を開閉可能なス
ライドシャッタ19とが設けられている。また、入金口
18には、閉状態のスライドシャッタ19で覆われない
位置に、点灯表示を行う表示ランプ20が設けられてい
る。この表示ランプ20は、例えば、入金口18に硬貨
の投入を促す状態等において点滅を行う。
【0021】入金選別ユニット14の機体前側には、入
金口18に投入されたバラ硬貨のうち、鑑別の結果、判
別不能を含む偽と判定された偽硬貨が送り込まれる入金
リジェクトボックス22と、真と判定されたものの再使
用に不適な汚損と判別された汚損硬貨が送り込まれる汚
損収納ボックス23と、入金処理が取り消された場合
に、該入金処理のために取り込んだ硬貨が返却のため送
り込まれる返却ボックス24とが設けられており、これ
ら入金リジェクトボックス22、汚損収納ボックス23
および返却ボックス24は、必要に応じて入金選別ユニ
ット14から引き出し可能とされている。
【0022】入金選別ユニット14の機体前面には、点
灯表示を行う表示ランプ26が入金リジェクトボックス
22の横に隣接配置されており、また、点灯表示を行う
表示ランプ27が汚損収納ボックス23の横に隣接配置
されていて、さらに、点灯表示を行う表示ランプ28が
返却ボックス24の横に隣接配置されている。これらの
表示ランプ26〜28は、それぞれ隣接するボックスか
らの硬貨の取り出しを促す状態等において点滅を行う。
【0023】収納出金ユニット15の機体前面側には、
出金処理時に搬送不良や判別不能等が原因となって出金
途中の硬貨の計数が確定できなくなった場合に、このよ
うな硬貨を機械側管理の硬貨として保管しておくための
出金リジェクトボックス30が設けられている。この出
金リジェクトボックス30も収納出金ユニット15から
必要に応じて引き出し可能とされている。また、収納出
金ユニット15の機体前面側には、点灯表示を行う表示
ランプ31が出金リジェクトボックス30の上側に隣接
配置されている。この表示ランプ31も、出金リジェク
トボックス30からの硬貨の取り出しを促す状態等にお
いて点滅を行う。
【0024】入金選別ユニット14および収納出金ユニ
ット15に隣り合う機体13の前面側上部位置には、出
金リフト部16で搬送される出金硬貨を外部に対し取り
出し可能とする出金口32と、機体上下方向にスライド
することにより出金口32を開閉可能なスライドシャッ
タ33とが設けられている。
【0025】「入金選別ユニット」次に、入金選別ユニ
ット14の詳細について主に図2〜図7,図16,図1
7を参照して説明する。
【0026】入金選別ユニット14は、図2に示すよう
に、上記した入金口18と、該入金口18を開閉するス
ライドシャッタ19と、制御部(制御手段)35(図1
7参照)で駆動および停止が制御されてスライドシャッ
タ19を開閉させる正逆回転可能な入金口モータ36
(図17参照)と、入金口18の直下位置に設けられ
て、操作者により入金口18に投入されたバラ硬貨を案
内するホッパ37と、制御部35で制御されて、該ホッ
パ37で案内された硬貨の真偽(偽には判別不能を含
む)、正損、金種等を鑑別し、偽と判別された硬貨と、
真かつ汚損と判別された硬貨と、さらに真かつ正と判定
された硬貨とに選別分類し、真かつ正と判定された硬貨
のみを金種別に選別分類する入金選別部38と、入金選
別部38で偽と判別されて選別分類された硬貨を収納さ
せる上記した入金リジェクトボックス22と、制御部3
5で制御されて、入金選別部38で真かつ汚損と判別さ
れて選別分類された硬貨をその入金処理が確定するまで
一時貯留させる汚損一時貯留部39と、該汚損一時貯留
部39に一時貯留された硬貨を、操作者による上位機1
2への入金処理確定操作の入力で収納させる上述した汚
損収納ボックス23と、制御部35で制御されて、入金
選別部38で真かつ正と判別されて金種別に選別分類さ
れた硬貨を金種別に一時貯留させる入金一時貯留部40
と、汚損一時貯留部39および入金一時貯留部40から
硬貨を操作者による上位機12への入金処理キャンセル
操作の入力で受け入れる上記した返却ボックス24と、
入金一時貯留部40から放出された金種別の硬貨を金種
別に収納出金ユニット15に案内する金種別収納シュー
ト41とを有している。
【0027】{入金選別部}以下、入金選別部38につ
いて説明する。入金選別部38には、図4に示すよう
に、ホッパ37からのバラ硬貨を受け入れる供給円盤4
3と、制御部35で駆動および停止が制御されて供給円
盤43を回転させる正逆回転可能な供給円盤モータ44
(図17参照)と、供給円盤43の横に隣接配置された
回転円盤45と、制御部35で駆動および停止が制御さ
れて回転円盤45を回転させる正逆回転可能な回転円盤
モータ46(図17参照)と、回転円盤45に隣接配置
された硬貨通路47とが設けられている。回転円盤45
は、供給円盤43から回転時の遠心力で繰り出されるバ
ラ硬貨を受け入れるとともに、この受け入れた硬貨を回
転時の遠心力で図示せぬ分離部を通過させることにより
一枚ずつ硬貨通路47に繰り出させる。
【0028】硬貨通路47は、回転円盤45から繰り出
される硬貨を両側の一段高いガイド49,50の間の通
路面51で案内するもので、回転円盤45をほぼ囲むよ
うに水平配置されている。硬貨通路47は、回転円盤4
5に接続される第1直線部53と、この第1直線部53
の回転円盤45に対し反対側に接続された第1屈曲部5
4と、この第1屈曲部54の第1直線部53に対し反対
側に接続された第2直線部55と、この第2直線部55
の第1屈曲部54に対し反対側に接続された第2屈曲部
56と、この第2屈曲部56の第2直線部55に対し反
対側に接続された第3直線部57とを有している。
【0029】硬貨通路47の上方には、硬貨通路47上
の硬貨を該硬貨通路47に沿って搬送する搬送部59が
設けられている。この搬送部59は、通路面51に対し
硬貨の一枚分の厚みより小さい間隔をなして配置される
ことにより、回転円盤45から繰り出された硬貨に上側
から当接してこれを摩擦力で、第1直線部53、第1屈
曲部54および第2直線部55の一部に沿って搬送する
搬送ベルト60と、該搬送ベルト60で搬送されてきた
硬貨を同様にしてさらに第2直線部55の後端位置まで
搬送する搬送ベルト61と、制御部35で駆動および停
止が制御されてこれら搬送ベルト60,61を走行させ
る正逆回転可能な入金第1モータ62(図17参照)
と、搬送ベルト61で搬送されてきた硬貨を同様にして
さらに第2屈曲部56および第3直線部57で搬送する
搬送ベルト63と、制御部35で駆動および停止が制御
されて搬送ベルト63を走行させる正逆回転可能な入金
第2モータ64(図17参照)とを有している。
【0030】回転円盤45と硬貨通路47の第1直線部
53との間であって、一方のガイド49の先端部位置に
は、このガイド49の先端部に衝突して滞留する硬貨
を、回転円盤45内へ戻すか、硬貨通路47へ導きやす
くするための、回転自在のガイドローラ65を有してい
る。硬貨通路47の第1直線部53には、該第1直線部
53上で搬送される硬貨の磁気的性質を検出する磁気セ
ンサ66が配置されている。なお、該磁気センサ66の
両側には、該磁気センサ66による検出データの取り込
みのタイミングを計るための硬貨検知センサ67,67
が設けられている。すなわち、これら硬貨検知センサ6
7,67で共に硬貨が検出された時点で磁気センサ66
は検出データを取り込んで制御部35に出力する。
【0031】また、硬貨通路47の第2直線部55の前
部には、該第2直線部55で搬送される硬貨の画像を検
出する画像検出部68が配置されている。なお、画像検
出部68の両側には、該画像検出部68による検出デー
タの取り込みのタイミングを計るための硬貨検知センサ
69,69が設けられている。すなわち、これら硬貨検
知センサ69,69で共に硬貨が検出された時点で画像
検出68は検出データを取り込んで制御部35に出力す
る。これら磁気センサ66および画像検出部68が、入
金された硬貨を鑑別する入金鑑別部70を構成してい
る。
【0032】ここで、磁気センサ66および画像検出部
68の出力は制御部35に入力されることになり、制御
部35では、例えば、上流側の磁気センサ66の検出デ
ータを各金種の硬貨の材質別の磁気の基準データと順に
比較し、磁気の検出データがいずれの金種の硬貨の基準
データとも一致しないと判定した場合には、その時点で
偽硬貨と判別する。他方、いずれかの金種の基準データ
と一致したと判定した場合には、次に、該一致した金種
の硬貨の画像の基準データを読み出し、この画像の基準
データと、同じ検出硬貨に対する画像検出部32の検出
データとを比較して、これらが一致しているか否かを検
出する。そして、これら画像の基準データおよび検出デ
ータが一致していると判定した場合には、該硬貨が検出
された金種の真の硬貨であると判定し同時に計数を行う
一方、これら画像の基準データおよび検出データが一致
していないと判定した場合には、該硬貨が判別不可であ
ると判定する。さらに、画像の基準データおよび検出デ
ータが一致していると判定した場合において、一致度が
所定のしきい値より高い場合はその硬貨は再利用可能な
正貨であると判定し、一致度が前記しきい値より低い場
合はその硬貨は再利用不可な汚損硬貨であると判定す
る。
【0033】第2直線部55の後部には、磁気センサ6
6および画像検出部68の検出結果で判別不能を含む偽
と判別された硬貨、さらには汚損硬貨と判別された硬貨
を硬貨通路47から排除させるためのリジェクト孔72
が通路面51に形成されている。該リジェクト孔72の
硬貨搬送方向における上流側には、第2直線部55内に
単独で突出することにより、硬貨をリジェクト孔72に
落下させる第1のストッパ部材73が設けられている。
この第1のストッパ部材73は制御部35に制御される
ロータリソレノイド74(図17参照)で駆動されて突
出・引込みが切り換えられる。また、この第1のストッ
パ部材73に対向する位置には、第2直線部55内に単
独で突出することにより、第2直線部55で第1のスト
ッパ部材73とは反対の側を搬送される小径の硬貨状異
物などをリジェクト孔72に落下させる第2のストッパ
部材75が設けられている。この第2のストッパ部材7
5は、制御部35に制御されるロータリソレノイド76
(図17参照)で駆動されて突出・引込みが切り換えら
れる。
【0034】そして、第1のストッパ部材73および第
2のストッパ部材75が同時に第2直線部55内に突出
することにより、第2直線部55を搬送される硬貨の通
過が阻止される。これにより、制御部35は、搬送され
る硬貨が、いずれの金種の正硬貨であるとも、または、
偽硬貨であるとも判別できなかった硬貨の場合には、第
1のストッパ部材73および第2のストッパ部材75を
同時に第2直線部55内に突出させることで、その通過
ないしはリジェクトを阻止することができ、搬送ベルト
60,61を逆転させて、この硬貨を、再判別のため
に、回転円盤45内に戻すことができる。勿論、最終的
に、この硬貨のみが判別できない状態で残されてしまう
こともあるため、例えばこのような硬貨が所定回数連続
で検出される場合に、制御部35は、これを判別不能硬
貨としてリジェクト孔72に落下させることになる。
【0035】さらに、リジェクト孔72の硬貨搬送方向
における上流側には、第1のストッパ部材73および第
2のストッパ部材75を駆動するタイミングなどを得る
ための硬貨検知センサ77が設けられている。
【0036】第3直線部57には、磁気センサ66およ
び画像検出部68の検出結果に基づいて真かつ正と判別
された硬貨を金種別に選別する金種別選別部86が設け
られている。この金種別選別部86は、搬送される硬貨
を金種別に選別して落下させる各金種別の複数(具体的
には、日本国内で流通する硬貨は、1円、5円、10
円、50円、100円、500円の6種であるため、6
つ)の選別孔87a〜87fを有しており、これら選別
孔87a〜87fは、硬貨径の小さいものから順に落下
させるように配置されている。すなわち、機体最前部に
ある選別孔87aは1円硬貨を、その機体後側に隣接す
る選別孔87bは50円硬貨を、その機体後側に隣接す
る選別孔87cは5円硬貨を、その機体後側に隣接する
選別孔87dは100円硬貨を、その機体後側に隣接す
る選別孔87eは10円硬貨を、機体最後部にある選別
孔87fは500円硬貨を、それぞれ落下させるように
なっている。
【0037】なお、各選別孔87a〜87fのそれぞれ
の直前には計数センサ88a〜88fが対応配置され、
制御部35において、計数センサ88a〜88fのうち
隣り合う前後のものをそれぞれ通過した硬貨数の差が、
選別孔88a〜88fのうち、その間に位置するものに
選別された枚数として計数されるようになっている。
【0038】ここで、図2に示すように、入金選別部3
8の下側には、リジェクト孔72に落下された硬貨を異
なる2方向の振り分けるように下部に一対の放出案内部
80,81が形成された二股分岐形状のシュート82が
配置されている。シュート82内の放出案内部80,8
1の分岐点の上側には、リジェクト孔72から落下する
硬貨を放出案内部80,81のいずれか一方に選択的に
案内する振分部材83が設けられており、該振分部材8
3は、制御部35に制御される振分ソレノイド84(図
17参照)で駆動されて、放出案内部81に硬貨を案内
することなく放出案内部80に硬貨を案内する状態と、
放出案内部80に硬貨を案内することなく放出案内部8
1に硬貨を案内する状態とに切り換えられる。このシュ
ート82の一方の放出案内部80の下側には、入金リジ
ェクトボックス22が配置されており、リジェクト孔7
2から判別不能を含む偽硬貨を落下させる場合は、制御
部35が振分ソレノイド84を制御して、該硬貨を放出
案内部80で案内させて入金リジェクトボックス22に
収納させることになる。また、他方の放出案内部81の
下側には、汚損一時貯留部39が配置されており、リジ
ェクト孔72から真かつ汚損の硬貨を落下させる場合
は、制御部35が振分ソレノイド84を制御して、該硬
貨を放出案内部81で案内させて汚損一時貯留部39に
貯留させることになる。
【0039】{汚損一時貯留部}以下、汚損一時貯留部
39について説明する。汚損一時貯留部39は、リジェ
クト孔72に通じるシュート82の片側の放出案内部8
1で案内される硬貨を受け入れるとともに上下に開口す
る形状をなす汚損硬貨一時貯留ボックス90と、この汚
損硬貨一時貯留ボックス90の底部開口を閉塞可能な位
置固定の底板91と、底板91の上側に機体左右方向に
離間して配置された一対のプーリ92,93と、これら
プーリ92,93に掛けられるとともに汚損硬貨一時貯
留ボックス90に一部固定される駆動ベルト94と、制
御部35に制御されてプーリ92,93の一方を回転さ
せることにより駆動ベルト94を走行させて汚損硬貨一
時貯留ボックス90を機体左右方向に移動させる正逆回
転可能な汚損移動モータ95(図17参照)と、底板9
1の機体右側に配置されたシュート96と、底板91の
機体左側に配置されたシュート97とを有している。
【0040】ここで、一方のシュート96の直下には返
却ボックス24が設けられており、他方のシュート97
の直下には汚損収納ボックス23が設けられている。そ
して、制御部35は、操作者による上位機12への操作
で入金処理が確定またはキャンセルされるまでは、入金
選別部38で選別された汚損硬貨を一時貯留させるた
め、汚損硬貨一時貯留ボックス90を底板91上に配置
させており、入金処理をキャンセルする操作が上位機1
2に入力されると、汚損移動モータ95により汚損硬貨
一時貯留ボックス90を機体右方に移動させることによ
り、汚損硬貨一時貯留ボックス90に一時貯留させてい
た当該入金処理における汚損硬貨を移動させてシュート
96を通じ返却ボックス24に落下させる。また、制御
部35は、入金処理を確定する操作が上位機12に入力
されると、汚損移動モータ95により汚損硬貨一時貯留
ボックス90を機体左方に移動させることにより、汚損
硬貨一時貯留ボックス90に一時貯留させていた当該入
金処理における汚損硬貨を移動させてシュート97を通
じ汚損収納ボックス23に落下させる。
【0041】{入金一時貯留部}以下、入金一時貯留部
40について説明する。入金一時貯留部40は、選別孔
87a〜87fの下側に配置されている。図3および図
5に示すように、この入金一時貯留部40は上から順
に、選別孔87a〜87fで金種別に選別分類された硬
貨を金種別に分けたまま案内するため各選別孔87a〜
87fに一対一で対応する案内部99(図5において一
つのみ図示)を有する金種別シュート100と、金種別
シュート100で案内された硬貨を金種別に受け入れる
ために各案内部99に一対一で対応する一時貯留空間部
101a〜101fを有する入金一時貯留ボックス10
2と、底板103と、仕切板104とを有している。具
体的に、選別孔87aは一時貯留空間部101aに、選
別孔87bは一時貯留空間部101bに、選別孔87c
は一時貯留空間部101cに、選別孔87dは一時貯留
空間部101dに、選別孔87eは一時貯留空間部10
1eに、選別孔87fは一時貯留空間部101fに、そ
れぞれ硬貨を落下させるようになっており、その結果、
入金一時貯留ボックス102の機体最前部にある一時貯
留空間部101aは1円硬貨を、その機体後側に隣接す
る一時貯留空間部101bは50円硬貨を、その機体後
側に隣接する一時貯留空間部101cは5円硬貨を、そ
の機体後側に隣接する一時貯留空間部101dは100
円硬貨を、その機体後側に隣接する一時貯留空間部10
1eは10円硬貨を、機体最後部にある一時貯留空間部
101fは500円硬貨を、それぞれ一時貯留させるよ
うになっている。
【0042】図6,図7に示すように、鉛直に沿いかつ
機体前後方向に沿うように配置される一対の壁部10
5,106が、互いに左右方向に間隔をあけた状態で位
置固定で配置されており、これら壁部105,106間
には、一対のガイド軸107,108が機体左右方向に
沿って固定されている。これらガイド軸107,108
は、互いに機体前後に離間して配置されており、これら
ガイド軸107,108に入金一時貯留ボックス102
が機体左右方向に移動可能に支持されている。
【0043】ここで、ガイド軸107,108に支持さ
れた状態で、入金一時貯留ボックス102は、上下に開
口する形状をなしている。入金一時貯留ボックス102
は、選別孔87a〜87fから落下された硬貨を金種別
に受け入れるため、各選別孔87a〜87fに対応した
一時貯留空間部101a〜101fが機体前後方向に配
列されるように仕切られている。
【0044】鉛直に沿いかつ機体左右方向に沿うように
配置される一対の壁部109,110が、互いに機体前
後方向に間隔をあけた状態で配置されている。そして、
壁部109の壁部110側には、機体左右方向に離間し
て一対のプーリ111,112が配置されており、これ
らプーリ111,112にはベルト113が掛けられて
いる。他方、壁部110の壁部109側にも、機体左右
方向に互いに離間してプーリ114,115が配置され
ており、これらプーリ114,115にはベルト116
が掛けられている。
【0045】左側のプーリ111,114同士は機体前
後方向に延在する駆動軸117で連結されており、該駆
動軸117にはプーリ118が固定されている。このプ
ーリ118は、制御部35に制御される正逆回転可能な
貯留箱駆動モータ119の回転軸に固定されたプーリ1
20とベルト121で連結されている。そして、入金一
時貯留ボックス102は、ベルト113,116の一部
に固定されている。これにより、貯留箱駆動モータ11
9を正逆回転させることで、入金一時貯留ボックス10
2がガイド軸107,108に沿って機体左右方向に移
動する。
【0046】入金一時貯留ボックス102の機体後部に
は、検知片123が固定されている。そして、入金一時
貯留ボックス102が機体右側の所定の貯留箱第1位置
に位置するとき検知片123を検知し、該貯留箱第1位
置から離れると検知片123を検出しなくなる位置に貯
留箱第1位置検知センサ124が設けられている。ま
た、入金一時貯留ボックス102が機体左側の所定の貯
留箱第2位置に位置するとき検知片123を検知し、該
貯留箱第2位置から離れると該検知片123を検知しな
くなる位置に貯留箱第2位置検知センサ125が設けら
れている。ここで、貯留箱第1位置に位置するとき、入
金一時貯留ボックス102は、各選別孔87a〜87f
から金種別の硬貨を各一時貯留空間部101a〜101
fに金種別に分けた状態で受け入れ可能となる。
【0047】図6に示すように、壁部109,110の
所定位置には、機体左右方向に図示せぬガイド溝がそれ
ぞれ形成されており、これらガイド溝により、底板10
3が機体左右移動可能に支持されている。ここで、底板
103は、入金一時貯留ボックス102との相対位置関
係によって該入金一時貯留ボックス102の下部開口部
を開閉可能とされている。そして、壁部109の壁部1
10に対し反対側には、機体左右方向に互いに離間して
プーリ126,127が配置されており、これらプーリ
126,127にはベルト128が掛けられている。他
方、壁部110の壁部109に対し反対側にも、機体左
右方向に互いに離間してプーリ129,130が配置さ
れており、これらプーリ129,130にはベルト13
1が掛けられている。
【0048】左側のプーリ126,129同士は前後方
向に延在する駆動軸132で連結されており、該駆動軸
132にはプーリ133が固定されている。このプーリ
133は、制御部35に制御される正逆回転可能な底板
駆動モータ134の回転軸に固定されたプーリ135と
ベルト136で連結されている。そして、底板103は
ベルト128,131の一部に固定されている。これに
より、底板駆動モータ134を正逆回転させることで、
底板103が機体左右方向に移動する。
【0049】底板103には検知片138が固定されて
いる。そして、底板103が機体右側の所定の底板第1
位置に位置するとき該検知片138を検知し、該底板第
1位置から離れると該検知片138を検知しなくなる位
置に、底板第1位置検知センサ139が設けられてい
る。また、底板103が機体左側の所定の底板第2位置
に位置するとき該検知片138を検知し、該底板第2位
置から離れると該検知片103を検知しなくなる位置
に、底板第2位置検知センサ140が設けられている。
【0050】図5に示すように、仕切板104は、貯留
箱第1位置に位置する一時貯留ボックス102の各一時
貯留空間部101a〜101fと一対一で水平方向の位
置を合わせるように複数(図5において一つのみ図示)
の硬貨投入孔141が形成されており、また、貯留箱第
2位置に位置する一時貯留ボックス102の各一時貯留
空間部101a〜101fと一対一で水平方向の位置を
合わせるように複数(図5において一つのみ図示)の硬
貨投入孔142が形成されている。
【0051】ここで、底板103は、底板第1位置に位
置するとき仕切板104の右側の硬貨投入孔141をす
べて閉塞させるとともに左側の硬貨投入孔142をすべ
て開放させる。このとき、入金一時貯留ボックス102
が右側の貯留箱第1位置に位置すると、その下部開口部
は底板103で全面的に閉塞させられることになり、こ
の状態から入金一時貯留ボックス102が左側の貯留箱
第2位置に位置すると、その下部開口部は全面的に開放
させられて硬貨投入孔142に連通させられることにな
る。
【0052】また、底板103は、底板第2位置に位置
するとき仕切板104の左側の硬貨投入孔142をすべ
て閉塞させるとともに右側の硬貨投入孔141をすべて
開放させる。このとき、入金一時貯留ボックス102が
左側の貯留箱第2位置に位置すると、その下部開口部は
底板103で全面的に閉塞させられることになり、この
状態から入金一時貯留ボックス102が右側の貯留箱第
1位置に位置すると、その下部開口部は全面的に開放さ
せられて硬貨投入孔141に連通させられることにな
る。
【0053】仕切板104の硬貨投入孔141の下側に
は、該硬貨投入孔141を介して落下される硬貨を一括
して収容させる上記した返却ボックス24が設けられて
いる。また、仕切板104の硬貨投入孔142の下側に
は、一時貯留空間部101a〜101fに一対一で対応
する各金種別のシュート部144a〜144fを機体前
後方向に配列させた金種別収納シュート41が配置され
ている。すなわち、図3に示すように、一時貯留空間部
101aはシュート部144aに、一時貯留空間部10
1bはシュート部144bに、一時貯留空間部101c
はシュート部144cに、一時貯留空間部101dはシ
ュート部144dに、一時貯留空間部101eはシュー
ト部144eに、一時貯留空間部101fはシュート部
144fに、それぞれ連通可能となっている。
【0054】そして、制御部35は、入金処理が確定ま
たはキャンセルされるまでは、入金選別部38で選別さ
れた硬貨を一時貯留させるため、入金一時貯留ボックス
102が貯留箱第1位置にあり、かつ底板103が底板
第1位置にある状態とさせており、入金処理をキャンセ
ルする操作が上位機12に入力されると、底板駆動モー
タ134により底板103を機体左方すなわち底板第2
位置に移動させることにより、入金一時貯留ボックス1
02の下部開口部を開放させて、入金一時貯留ボックス
102に一時貯留させていた当該入金処理における真か
つ正の硬貨を返却ボックス24に一括して落下させる。
【0055】また、制御部35は、入金処理を確定する
操作が上位機12に入力されると、底板駆動モータ13
4および貯留箱駆動モータ119を同期駆動させて、底
板103および入金一時貯留ボックス102を一体に機
体左方にすなわち底板第2位置および貯留箱第2位置に
移動させ、その後、底板駆動モータ134のみを逆転さ
せて、底板103のみを底板第1位置に戻すことで、入
金一時貯留ボックス102の下部開口部を開放させて、
入金一時貯留ボックス102に一時貯留させていた当該
入金処理における真かつ正の硬貨を、金種別収納シュー
ト41を介して金種別に分けた状態で収納出金ユニット
15に落下させる。
【0056】「収納出金ユニット」次に、収納出金ユニ
ット15の詳細について主に図2,図3,図8〜図18
を参照して説明する。収納出金ユニット15は、大きく
分けると、図3に示すように、上記した入金選別ユニッ
ト14の入金一時貯留部40から金種別収納シュート4
1を介して落とし込まれた硬貨を金種別に収納するとと
もに出金処理の指令等に基づいて収納している硬貨を出
金用硬貨として機体左方に繰り出し可能な機体前後方向
に並列された複数の収納繰出部150a〜150gと、
図8に示すように、各収納繰出部150a〜150gか
ら繰り出された硬貨を一枚ずつ分離して機体左側におい
て機体前方に向け搬送する第1搬送部(搬送手段)15
2と、該第1搬送部152によって搬送される硬貨を受
け取るとともにこれを機体前側位置において機体右方向
に搬送し、この搬送中に硬貨の金種等を鑑別し鑑別結果
に基づいて硬貨を出金・回収・出金リジェクト用方向お
よび精査用方向(第2の方向)の異なる2方向に振り分
ける第2搬送部(搬送手段,振分手段)153と、該第
2搬送部153で精査用方向に振り分けられた硬貨を受
け取り、これを機体右側において機体後方に搬送させて
再び各収納繰出部150a〜150gに選択的に戻す第
3搬送部(戻搬送手段)154とを有している。
【0057】また、収納出金ユニット15は、図3に示
すように、第2搬送部153で出金・回収・出金リジェ
クト用方向に振り分けられた硬貨を受け取ってこれを一
時貯留させるとともに、機体前後方向に移動することに
よって一時貯留させた硬貨を出金用方向(第1の方
向)、回収用方向および出金リジェクト用方向(第3の
方向)の異なる3方向に振り分け可能な出金一時貯留部
(振分手段)155と、出金一時貯留部155の下側に
設けられ、該出金一時貯留部155で出金リジェクト用
方向に振り分けられた硬貨(出金エラー、回収エラーお
よび精査処理エラーとなった硬貨)を収納する上記した
出金リジェクトボックス30と、出金一時貯留部155
の下側かつ出金リジェクトボックス30の機体後方に設
けられ、各収納繰出部150a〜150gに収納される
各金種硬貨を金種別に回収する際に出金一時貯留部15
5で回収用方向に振り分けられた硬貨を金種別に収納可
能な金種別の回収ボックス156a〜156fとを有し
ている。
【0058】{収納繰出部}以下、収納繰出部150a
〜150gについて説明する。収納繰出部150a〜1
50gは、図3に示すように、金種別収納シュート41
の下側に設けられるもので、機体前後方向に並列配置さ
れた複数のものである。
【0059】ここで、収納繰出部150a〜150g
は、図3,図8に示すように、取り扱う金種数より一つ
多く設けられている。具体的には、日本国内で流通する
硬貨は、1円、5円、10円、50円、100円、50
0円の6種であるため、収納繰出部150a〜150g
は7つ設けられている。そして、機体最後部の収納繰出
部150gは、金種別収納シュート41とは連通してお
らず、これを除く機体前部側の6つが、金種別収納シュ
ート41の各金種別のシュート部144a〜144fに
一対一で連通している。すなわち、シュート部144a
に収納繰出部150aが、シュート部144bに収納繰
出部150bが、シュート部144cに収納繰出部15
0cが、シュート部144dに収納繰出部150dが、
シュート部144eに収納繰出部150eが、シュート
部144fに収納繰出部150fが、それぞれ連通させ
られている。
【0060】これにより、上記した入金選別ユニット1
4の入金一時貯留部40の一時貯留空間部101a〜1
01fから金種別収納シュート41の各金種別のシュー
ト部144a〜144fを介して落とし込まれた硬貨
は、機体前側の6つの収納繰出部150a〜150fに
金種別に収納されることになる。その結果、機体最前部
にある収納繰出部150aは1円硬貨を、その機体後側
に隣接する収納繰出部150bは50円硬貨を、その機
体後側に隣接する収納繰出部150cは5円硬貨を、そ
の機体後側に隣接する収納繰出部150dは100円硬
貨を、その機体後側に隣接する収納繰出部150eは1
0円硬貨を、その機体後側に隣接する収納繰出部150
fは500円硬貨を、それぞれ収納させるようになって
いる。なお、機体最後部の収納繰出部150gは、本実
施の形態においては、精査処理時に使用される精査用の
もので、精査処理時以外は空とされている。
【0061】図8に示すように、各収納繰出部150a
〜150gは、互いに同じ構成とされており、それぞ
れ、硬貨を収納させる収納部158と、該収納部158
の第1搬送部152側に設けられて硬貨を第1搬送部1
52に向け繰り出すための繰出部159とを有してい
る。
【0062】各収納繰出部150a〜150gの収納部
158は、図9に示すように、それぞれを構成する筐体
160自体が内側に、硬貨を収納するための収納空間1
61を形成している。また、収納部158の上部には、
金種別収納シュート41のシュート部144a〜144
fの対応する一のものから硬貨を収納空間161内に受
け入れるための入金用取込口162が形成されており
(ただし、第1の実施の形態において、機体最後部の収
納繰出部150gの入金用取込口162にはこのような
硬貨の受け入れはない)、該入金用取込口162の第1
搬送部152側(機体左側)に、収納空間161内の硬
貨を繰出部159に繰り出すための供給口163が設け
られている。さらに、入金用取込口162の第3搬送部
154側(機体右側)に、第3搬送部154から収納空
間161内に硬貨を取り込むための精査用取込口164
が設けられている。
【0063】収納部158の供給口163側には、収納
空間161内の硬貨を供給口163に向けて搬送する供
給ベルト機構166が設けられている。この供給ベルト
機構166は、収納部158の上部および下部に配置さ
れる一対のプーリ167,168と、これらプーリ16
7,168に掛けられることで収納空間161の一部を
画成する供給ベルト169と、下側のプーリ168を固
定支持する軸170に固定されたギア171と、該ギア
171に噛み合う位置に配置されたギア172と、該ギ
ア172を固定支持する軸173に固定されたベベルギ
ア174と、該ベベルギア174に噛み合う位置に配置
されたベベルギア175と、該ベベルギア175をその
駆動軸に固定する正逆回転可能な供給モータ176とを
有しており、この供給モータ176が制御部35による
制御で一定方向へ駆動されることにより、供給ベルト1
69をその収納空間161側が下から上へ移動する方向
(図9における反時計回り方向)に回転させるようにな
っている。なお、プーリ167,168の配置により、
供給ベルト169は、上側に位置するほど水平方向にお
いて供給口163側に位置するように傾斜している。
【0064】この供給ベルト169の外側には、収納空
間161内の硬貨を掬い上げるための複数の突起17
7,177,…が所定間隔毎に設けられており、該供給
ベルト169が回転することによって突起177,17
7,…が硬貨を掬い上げて上昇させ、供給口163から
繰出部159に向け送り出すことになる。また、収納部
158の供給ベルト169に対し反対側には、下側に位
置するほど水平方向において供給ベルト169側に位置
するよう傾斜するとともに収納空間161の一部を画成
する傾斜面178が形成されており、この傾斜面178
に沿って移動することにより収納空間161内の硬貨は
自重で供給ベルト169側に案内されることになる。
【0065】この傾斜面178の下側には、固定軸17
9を中心に回動自在に支持される押圧部材180が設け
られており、該押圧部材180には、ON/OFFされ
ることにより、該押圧部材180の上部の押圧面181
を、傾斜面178と同一平面に位置させる状態と、該傾
斜面178の延長線から上方に突出させる状態とに切り
換え駆動する押圧ソレノイド182が連結されている。
この押圧ソレノイド182は、各収納繰出部150a〜
150gに応じて設けられており、硬貨を供給するとき
の収納繰出部150a〜150gの押圧部材180のみ
を駆動する。なお、制御部35は、硬貨の供給が開始さ
れてから予め設定された所定時間毎に押圧ソレノイド1
82をON/OFFし、押圧面181が傾斜面178の
延長線上に一致した状態にあった押圧部材180を、上
方に突出させた後、元に戻すことで、供給ベルト169
の突起177に掬い上げられにくい姿勢になっている硬
貨を強制的に持ち上げてその姿勢を変え、その結果、供
給ベルト169で硬貨を効率良く繰出部159に供給さ
せるようになっている。
【0066】各収納繰出部150a〜150gの繰出部
159は、図8に示すように収納繰出部150a〜15
0gの同じものを構成する収納部158と一対一で対応
して設けられており、図9〜図12に示すように、収納
空間161から供給口163を介して放出される硬貨を
上面の載置面184上に載置させる回転円盤185と、
該回転円盤185の接線方向に延在し該回転円盤185
の回転による遠心力で送り出される硬貨を案内する硬貨
通路186と、回転円盤185から該硬貨通路186に
送り出される硬貨の複数重なり合った状態での通過を規
制し該硬貨を一枚ずつに分離して通過させる厚み規制部
材187と、硬貨通路186上の硬貨を第1搬送部15
2に向け搬送する硬貨搬送部188と、回転円盤185
と硬貨搬送部188をともに駆動する駆動機構部189
と、硬貨通路186の途中に設けられ、該硬貨通路18
6で搬送される硬貨の通過を検出しその数を計数する硬
貨計数部190と、硬貨通路186の硬貨計数部190
よりも第1搬送部152側に設けられて、必要に応じて
硬貨通路186から第1搬送部152への硬貨の送り出
しを規制する送出規制部191と、硬貨通路186から
繰り出された硬貨を第1搬送部152に案内するガイド
部材192と、回転円盤185上の硬貨がフル状態にあ
るか否かを検出するフル検知センサ193と、回転円盤
185上に硬貨が存在するか否かを検出する残留センサ
194とを有している。
【0067】硬貨通路186は、図12に示すように、
回転円盤185の載置面184と同じ高さの上面196
を有し、回転円盤185から繰り出された硬貨を前記上
面196上で搬送させる搬送底部材195と、図10に
示すように、該搬送底部材195の両側に配置されて該
搬送底部材195の上面196上に繰り出された硬貨の
搬送を両側からガイドするガイド部材197,198と
で形成されている。ここで、図11に示すように、厚み
規制部材187は、搬送底部材195と両ガイド部材1
97,198とで、硬貨を一枚ずつ繰り出させるための
繰出口199を画成する。なお、繰出口199の高さ
は、取り扱うすべての金種の硬貨を一枚ずつのみ通過さ
せることができる高さとされており、また、硬貨通路1
86の通路幅すなわちガイド部材197,198同士の
間隔は、取り扱うすべての金種の硬貨を搬送可能な幅と
されている。
【0068】硬貨搬送部188は、図12に示すよう
に、搬送底部材195に形成された切欠201からその
外周面の上部を突出させることにより、搬送底部材19
5上の硬貨を載せて第1搬送部152の方向に送る搬送
ローラ202と、図10,図11に示すように、該搬送
ローラ202に対向する上方位置に設けられて、搬送ロ
ーラ202で送られる硬貨の姿勢をガイドするガイドロ
ーラ203と、該ガイドローラ203を回転自在に支持
するとともに該ガイドローラ203を搬送ローラ202
と所定の間隔を維持するよう付勢する板バネ204とを
有している。なお、ガイドローラ203と搬送ローラ2
02との間隔は、これらの間を通過する硬貨の厚みより
小さくかつ互いに当接することがない間隔とされてい
る。また、ガイドローラ203の中心軸線と搬送ローラ
202の中心軸線とは、互いに平行な水平面内に配置さ
れつつ平行ではなく若干角度をもち、さらにガイドロー
ラ203の中心軸線上における軸線方向の中点と搬送ロ
ーラ202の中心軸線上における軸線方向の中点とを結
んだ線が鉛直に沿いかつ通路幅の中心位置を通過するよ
う配置されている。
【0069】駆動機構部189は、図11,図12に示
すように、回転円盤185の下側に設けられその駆動軸
に直接回転円盤185を固定支持する正逆回転可能な繰
出モータ206と、回転円盤185の底部に固定され該
回転円盤185と一体に回転するベベルギア207と、
機体フレームに支持された回転軸208と、該回転軸2
08の一端側に固定されてベベルギア207に噛み合う
ベベルギア209と、回転軸208の他端側に固定され
たギア210と、該回転軸208と平行をなすように機
体フレームに支持されるとともに搬送ローラ202が固
定される回転軸211と、該回転軸211に固定された
ギア212と、ギア210とギア212との間に張り渡
される駆動伝達ベルト213とを有しており、これによ
り、制御部35が繰出モータ206を駆動させることに
より、回転円盤185が回転するとともに搬送ローラ2
02が回転する。ここで、回転円盤185が硬貨通路1
86に硬貨を繰り出す方向に駆動される状態では搬送ロ
ーラ202は硬貨を第1搬送部152に向けて繰り出す
方向に駆動され、逆に、搬送ローラ202が硬貨を回転
円盤185に戻す方向に駆動される状態では回転円盤1
85は硬貨通路186から硬貨を受け入れる方向に駆動
されることになる。
【0070】硬貨計数部190は、搬送底部材195の
切欠201の第1搬送部152側端部とほぼ位置を合わ
せて形成された二カ所のセンサ孔214,215と、各
センサ孔214,215上を通過する硬貨の有無をそれ
ぞれ検出する二つの硬貨検知センサ216,217とを
有している。ここで、硬貨検知センサ216,217
は、硬貨通路186を搬送される全金種の硬貨を、搬送
方向に直交する方向のいずれの位置にあっても検知可能
とされている。なお、制御部35は、これら硬貨検知セ
ンサ216,217の検知結果に基づいて、第1搬送部
152へ繰り出す硬貨を計数することになるが、これに
加えて、該検知結果で送出規制部191で硬貨の搬送を
規制するタイミングも取ることになる。
【0071】送出規制部191は、図10,図12に示
すように、搬送底部材195とガイド部材192との間
に上下動可能に設けられ、上昇し搬送底部材195の上
面196に対し上側に突出することにより硬貨の周面に
当接してその移動を規制する一方、搬送底部材195の
上面196より下まで下降して硬貨の通過を許容する一
対の規制片219,219を上部に有するストッパ22
0と、このような上下動が可能となるようにストッパ2
20を支持するガイド部材221と、ON/OFFによ
りストッパ220を上下動させる規制ソレノイド222
とを有している。ここで、このストッパ220の規制片
219,219同士は取り扱うすべての金種の硬貨の移
動を規制可能な幅(すなわち取り扱う最小径の硬貨より
狭い幅)となっており、通路幅方向に対し左右対称位置
に配置されている。
【0072】硬貨の搬送を規制する際の制御部35によ
る規制ソレノイド222の駆動タイミングは、硬貨検知
センサ216,217が硬貨を検知した後、いずれの硬
貨検知センサ216,217も当該硬貨を検知しなくな
ってから所定時間経過後(図13に示す硬貨C1の位置
に硬貨が位置するタイミング)とされており、このタイ
ミングで規制ソレノイド222を駆動すると、規制片2
19,219が搬送底部材195から突出して、前記検
知〜非検知となった硬貨よりも後続の硬貨(図13,図
14に示す硬貨C2)の移動をタイミングよく規制する
ようになっている。ここで、規制ソレノイド222を駆
動するタイミングすなわち前記所定時間は、金種によっ
て硬貨の径が異なることから、制御部35は、全金種に
ついて金種に応じた最適な前記所定時間を予めROMに
記憶させており、ROMから各繰出部159,159,
…で繰り出す硬貨の最適な所定時間をそれぞれ読み出し
これらに基づいてそれぞれの規制ソレノイド222を駆
動することになる。
【0073】上記したガイドローラ203は、図14に
示すように、ストッパ220が硬貨の搬送を規制した状
態で搬送ローラ202が硬貨を搬送しようとした際に、
搬送する硬貨の搬送方向前方が上方に向いてストッパ2
20を飛び越えてしまうことを防止するためのものであ
り、ガイドローラ203と搬送ローラ202とストッパ
220との位置関係は、ガイドローラ203と搬送ロー
ラ202との間に硬貨を取り込む際にガイドローラ20
3が取り込みに支障を及ぼすことがなく、かつガイドロ
ーラ203と搬送ローラ202との間で硬貨を挟持した
状態で該硬貨を水平に維持しストッパ220が該硬貨の
移動を規制するように設定されている。これにより、上
記のようにストッパ220を乗り越えて硬貨が移動して
しまうことがなく、確実に硬貨の移動を規制することが
できる。
【0074】{第1搬送部}以下、第1搬送部152に
ついて説明する。第1搬送部152は、図2,図3,図
8に示すように、収納繰出部150a〜150gの両端
側であって繰出部159の収納部158に対し反対側に
設けられた一対の回転軸224および従動軸225と、
これら回転軸224および従動軸225に固定された一
対のプーリ226,227と、これらプーリ226,2
27に張り渡されることで、すべての繰出部159,1
59,…の側方にこれら繰出部159,159,…の配
列方向に沿って延在するよう配置された搬送ベルト22
8と、回転軸224に固定されたベベルギア229と、
該ベベルギア229に噛み合うベベルギア230と、該
ベベルギア230をその駆動軸に固定させた正逆回転可
能な第1搬送モータ231とを有しており、該第1搬送
モータ231の回転で搬送ベルト228を回転させる。
【0075】ここで、搬送ベルト228は、その上に、
すべての繰出部159,159,…から繰り出された硬
貨を載置可能とされており、第1搬送モータ231の一
方向の回転で搬送ベルト228を、載置させた硬貨を機
体前方に移動させるように回転させることになる。な
お、搬送ベルト228の両側には、搬送ベルト228の
回転による該搬送ベルト228に載置された硬貨の移動
を案内するガイドフレーム232,233が設けられて
おり、回転軸224および従動軸225は、ガイドフレ
ーム232,233に回転自在に支持されている。
【0076】搬送ベルト228の収納繰出部150a〜
150gよりも機体前側には、該搬送ベルト228の上
側に分離ローラ234が、硬貨一枚のみが通過可能な隙
間をあけて設けられている。この分離ローラ234は支
持軸235に固定されており、該支持軸235にはプー
リ236が固定されている。また、上述した従動軸22
5にはプーリ237が固定されており、該プーリ237
と前記プーリ236とに駆動伝達ベルト238が張り渡
されている。
【0077】これにより、制御部35が第1搬送モータ
231の一方向の回転で搬送ベルト228を、載置させ
た硬貨を機体前方に移動させるように回転させると、分
離ローラ234は、搬送ベルト228に対向する側を搬
送ベルト228の移動方向に対し逆方向に移動させるよ
うに回転することになる。その結果、この分離ローラ2
34で、搬送ベルト228に接する硬貨の上に積み重な
る硬貨の通過を規制し、該搬送ベルト228に接する硬
貨のみを分離ローラ234と搬送ベルト228との隙間
に通過させる。よって、第1搬送部152は、各収納繰
出部150a〜150gから繰り出された硬貨を一枚ず
つ分離して搬送することになる。
【0078】搬送ベルト228の搬送方向最下流側位置
には、上記分離ローラ234で一枚ずつに分離されて搬
送される硬貨を第2搬送部153に案内する傾斜面24
0を有するガイド部材241が設けられている。
【0079】{第2搬送部}以下、第2搬送部153に
ついて説明する。図8に示すように、第2搬送部153
は、第1搬送部152の搬送ベルト228と同じ高さの
上面243を有し、該搬送ベルト228から送り込まれ
た硬貨を前記上面243上で搬送させる搬送底部材24
4と、該搬送底部材244の両側に配置されることによ
り、該搬送底部材244の上面243に送り込まれた硬
貨の搬送を両側からガイドするガイド部材245,24
6とで構成される硬貨通路247を有している。この硬
貨通路247は、最も機体前側の収納繰出部150aよ
り機体前側で機体左右方向に延在している。また、第2
搬送部153は、硬貨通路247上の硬貨を第3搬送部
154に向け搬送する硬貨搬送部248と、硬貨搬送部
248を駆動する駆動機構部249とを有している。
【0080】硬貨搬送部248は、硬貨通路247の両
端の上方に配置された一対のプーリ250,251と、
これらプーリ250,251の間位置に設けられたプー
リ252と、プーリ250とプーリ251とに張り渡さ
れる搬送ベルト253と、プーリ251とプーリ252
とに張り渡される搬送ベルト254とを有している。な
お、搬送ベルト253,254と搬送底部材244の上
面243とは硬貨の一枚分の厚みより小さい間隔とされ
ており、これにより、搬送ベルト253,254は、搬
送底部材244上の硬貨に上側から当接してこれを摩擦
力で搬送するようになっている。
【0081】駆動機構部249は、中間のプーリ252
を固定支持する回転軸256に固定されたベベルギア2
57と、このベベルギア257に噛み合うベベルギア2
58と、このベベルギア258を駆動軸に固定させた正
逆回転可能な第2搬送モータ259とを有しており、こ
れにより、制御部35が第2搬送モータ259を駆動す
ることで搬送ベルト253,254が回転する。
【0082】第2搬送部153には、搬送中に硬貨の金
種等を鑑別する出金鑑別部261が設けられている。以
下、この出金鑑別部261について説明する。出金鑑別
部261は、第2搬送部153の硬貨通路247の第1
搬送部152側に設けられた磁気センサ262およびラ
インセンサ263を有しており、磁気センサ262は硬
貨の材質に応じた磁気的性質を検出して硬貨の金種を判
別し、ラインセンサ263は硬貨の径等を判別する。こ
れら磁気センサ262およびラインセンサ263の検出
結果により硬貨の真偽判別と、真と判別された硬貨の正
損判別および金種鑑別とを行う。具体的には、例えば、
一の硬貨について磁気的性質で判別された金種と径で判
別された金種とが一致し、しかも径の基準データに対す
る相違量が小さい場合、当該金種の真かつ正の硬貨と判
定する。また、一の硬貨について磁気的性質で判別され
た金種と径で判別された金種とが一致し、しかも径の基
準データに対する相違量が若干大きい場合、当該金種の
真かつ損の硬貨と判定する。さらに、一の硬貨について
磁気的性質で判別された金種と径で判別された金種とが
一致しない場合さらには対応する金種がない場合、偽硬
貨と判定する。
【0083】第2搬送部153には、出金鑑別部261
の鑑別結果に基づいて硬貨を出金・回収・出金リジェク
ト用方向および精査用方向の異なる2方向に振り分ける
振分部(振分手段)264が設けられている。以下、こ
の振分部264について説明する。振分部264は、図
8に示すように、第2搬送部153の搬送底部材244
の、出金鑑別部261より下流側すなわち第3搬送部1
54側に機体前後方向に沿うように形成された振分溝部
265と、搬送底部材244と同一平面に配置された状
態で該振分溝部265内で該振分溝部265の延在方向
にスライド可能に設けられた振分部材266と、該振分
部材266をスライドさせる開閉駆動部267とを有し
ている。
【0084】開閉駆動部267は、振分部材266に一
端側が回転自在に支持された駆動アーム268と、該駆
動アーム268の他端側を駆動軸に固定させた正逆回転
可能な振分モータ269(図17参照)とを有してお
り、この振分モータ269で駆動アーム268を回動さ
せることで振分部材266を振分溝部265内で機体前
後方向に移動させる。そして、制御部35が振分モータ
269で振分部材266を振分溝部265内において最
も機体前側に位置させる(図8における実線で示す振分
部材266の状態)と、振分溝部265の硬貨通路24
7に位置する部分を閉塞させることになり、その結果、
硬貨が振分部材266を越えて第3搬送部154方向に
移動する。この状態が振分部264の待機状態となる。
他方、制御部35が振分モータ269で振分部材266
を振分溝部265内において最も機体後側に位置させる
(図8における一点鎖線で示す振分部材266の状態)
と、振分溝部265の硬貨通路247に位置する部分を
開放させることになり、その結果、硬貨が振分溝部26
5から落下する。
【0085】なお、第3搬送部154の方向が精査用方
向であり、振分溝部265からの落下方向が出金・回収
・出金リジェクト用方向である。そして、振分溝部26
5の下側には、図2に示すように、該振分溝部265か
ら落とし込まれた硬貨を下側の出金一時貯留部155に
一括して案内するシュート270が設けられている。
【0086】さらに、第2搬送部153には、図8に示
すように、搬送中に出金鑑別部261で鑑別された硬貨
を必要に応じて停止させる搬送規制部272が設けられ
ている。以下、この搬送規制部272について説明す
る。搬送規制部272は、第2搬送部153の振分部2
64より下流側すなわち第3搬送部154側に、回転す
ることにより硬貨通路247側に突出・引込み可能に設
けられたストッパ273と、該ストッパ273を回転さ
せるロータリソレノイド274(図17参照)と、硬貨
通路247で搬送される硬貨の通過を確認するとともに
ロータリソレノイド274の駆動タイミングをはかるた
めのタイミングセンサ275,275とを有している。
ここで、制御部35がタイミングセンサ275,275
で硬貨が検出されてから所定時間経過後にロータリソレ
ノイド274でストッパ273を硬貨通路247に突出
させると、該ストッパ273は、前記タイミングセンサ
275,275で検出された硬貨とこれより上流側にあ
る硬貨の下流側への移動を規制することになり、他方、
制御部35がロータリソレノイド274でストッパ27
3を硬貨通路247から引込ませると、該ストッパ27
3は、それより上流側にある硬貨の下流側への移動を許
容することになる。なお、この搬送規制部272は、精
査処理中に出金鑑別部261の鑑別結果から処理対象外
となる金種の硬貨が確認された場合に、該硬貨のそれ以
上の搬送方向下流への移動を停止させるものである。
【0087】{第3搬送部}以下、第3搬送部154に
ついて説明する。図2,図8に示すように、第2搬送部
153の最下流位置には、収納繰出部150a〜150
gの両端側であって収納部158の繰出部159に対し
反対側に設けられた一対の軸277,278と、これら
軸277,278に固定された一対のプーリ279,2
80と、これらプーリ279,280に張り渡されるこ
とで、すべての収納繰出部150a〜150gの側方に
これら収納繰出部150a〜150gの配列方向に沿っ
て延在するよう配置された搬送ベルト281と、一方の
プーリ280を支持する軸278に固定されたプーリ2
83と、該プーリ283を駆動する正逆回転可能な第3
搬送モータ284(図17参照)とを有しており、第3
搬送モータ284の回転で搬送ベルト281を回転させ
る。
【0088】ここで、搬送ベルト281は、その上に第
2搬送部153から送り出された硬貨が載置されること
になり、かつその上の硬貨をすべての収納繰出部150
a〜150gの精査用取込口164に送り込み可能とさ
れている。そして、第3搬送モータ284の一方向の回
転で搬送ベルト281を、載置させた硬貨を機体後方に
移動させるように回転させることになる。なお、搬送ベ
ルト281の両側には、搬送ベルト281の回転による
該搬送ベルト281上に載置された硬貨の移動を案内す
るガイドフレーム285,286が設けられており、一
対の軸277,278は、ガイドフレーム285,28
6に回転自在に支持されている。
【0089】また、機体最後部の収納繰出部150gを
除くすべての収納繰出部150a〜150fの精査用取
込口164には、それぞれ対応する精査用取込口164
に搬送ベルト281上の硬貨を必要に応じて送り込むた
めの取込部材288が設けられている。この取込部材2
88は、対応する精査用取込口164の機体後側におい
て支持軸289に固定されており、該支持軸289の回
転によりこれと一体に回転する。この支持軸289に
は、図9,図15に示すように、この取込部材288を
回転させるための入力カム290が固定されている。
【0090】そして、搬送ベルト281の近傍に、各取
込部材288,288,…をそれぞれ、精査用取込口1
64を閉塞させ搬送ベルト281上の硬貨に干渉しない
ように搬送ベルト281に沿わせる待機状態と、精査用
取込口164を開放させ該精査用取込口164に搬送ベ
ルト281上の硬貨を取り込むように搬送ベルト281
の幅方向に斜めに突出させる取込状態とに切り換える取
込駆動部291を有している。
【0091】この取込駆動部291は、搬送ベルト28
1の内側部分と高さ位置を合わせて搬送ベルト281に
沿って配置された一対の摺動軸292,293と、搬送
ベルト281の内側部分に位置するように一対の摺動軸
292,293に摺動自在に支持された摺動ブロック2
94と、該摺動ブロック294に固定された支持部材2
95と、該支持部材295に回転自在に支持されて上記
した入力カム290に接触し入力を行う押圧ローラ29
6と、搬送ベルト281の両端側であって収納部158
に対し反対側に設けられた一対の回転軸297,298
と、これら回転軸297,298に固定された一対のプ
ーリ299,300と、これらプーリ299,300に
張り渡されるとともに摺動ブロック294に一部固定さ
れた搬送ベルト287と、一方のプーリ299を駆動す
る正逆回転可能な取込駆動モータ301とを有してい
る。
【0092】そして、この取込駆動モータ301の駆動
で摺動ブロック294すなわち押圧ローラ296を機体
前後方向に移動させ、該押圧ローラ296が近接する一
の入力カム290を押圧してこれに固定された取込部材
288を回動させる。ここで、摺動ブロック294に
は、図15に示すように、その位置すなわち押圧ローラ
296の位置を検出させるための検知片302が設けら
れており、押圧ローラ296が各取込部材288を取込
状態とさせる各位置および押圧ローラ296が最も機体
前側にあってすべての取込部材288を待機状態とさせ
る位置には、それぞれの位置において検知片302を検
出する位置検知センサ303a〜303f,303(図
17参照)が設けられている。そして、制御部35は、
この各位置検知センサ303a〜303f,303によ
る検知片302の検出状態に基づいて取込駆動モータ3
01を制御する。
【0093】ここで、具体的には、位置検知センサ30
3aは、押圧ローラ296が収納繰出部150aの取込
部材288を取込状態とする位置にあることを、位置検
知センサ303bは、押圧ローラ296が収納繰出部1
50bの取込部材288を取込状態とする位置にあるこ
とを、位置検知センサ303cは、押圧ローラ296が
収納繰出部150cの取込部材288を取込状態とする
位置にあることを、位置検知センサ303dは、押圧ロ
ーラ296が収納繰出部150dの取込部材288を取
込状態とする位置にあることを、位置検知センサ303
eは、押圧ローラ296が収納繰出部150eの取込部
材288を取込状態とする位置にあることを、位置検知
センサ303fは、押圧ローラ296が収納繰出部15
0fの取込部材288を取込状態とする位置にあること
を、位置検知センサ303は、押圧ローラ296がすべ
ての取込部材288を待機状態とする待機位置にあるこ
とを、それぞれ検出する。
【0094】なお、図8に示すように、機体最後部の収
納繰出部150gの精査用取込口164の近傍には、該
精査用取込口164に搬送ベルト281上の硬貨を送り
込むためのガイド面305を有するガイドフレーム30
4が固定されている。すなわち、上述したすべての取込
部材288が待機状態にあるとき、搬送ベルト281で
硬貨が機体後方に向けて搬送されると、ガイド面305
ですべての硬貨が機体最後部の収納繰出部150gの精
査用取込口164に送り込まれることになる。
【0095】{出金一時貯留部}以下、出金一時貯留部
155について説明する。図2,図3に示すように、振
分部264の振分溝部265の下側に設けられたシュー
ト270のさらに下方位置に、該シュート270を介し
て落とし込まれた硬貨を受け入れてこれを一時貯留する
出金一時貯留部155が設けられている。
【0096】この出金一時貯留部155は、上下方向に
開口するとともにシュート270を介して落とし込まれ
た硬貨を上部開口から受け入れる出金一時貯留ボックス
306と、該出金一時貯留ボックス306の下部開口を
開閉させるスライドシャッタ307と、該スライドシャ
ッタ307を駆動するシャッタ開閉モータ308と、こ
れら出金一時貯留ボックス306、スライドシャッタ3
07およびシャッタ開閉モータ308を全体的に移動さ
せる出金一時貯留駆動部309とを有している。
【0097】出金一時貯留駆動部309は、シュート2
70の下側で機体前後方向に延在するよう配置された摺
動軸310と、該摺動軸310に摺動自在に支持された
摺動ブロック311と、機体前後に配置された一対のプ
ーリ314,315と、これらプーリ314,315に
張り渡されるとともに摺動ブロック311に一部固定さ
れた搬送ベルト316と、一方のプーリ314を駆動す
る正逆回転可能な出金移動モータ317とを有してい
る。
【0098】そして、摺動ブロック311が、出金一時
貯留ボックス306の機体右側に固定されており、ま
た、出金一時貯留ボックス306の機体左側に回転自在
に取り付けられたローラ318が、支持フレーム319
上を機体前後方向に移動可能とされている。これによ
り、出金移動モータ317の正逆回転で出金一時貯留ボ
ックス306が摺動軸310と支持フレーム319とで
案内されて機体前後方向に移動することになる。
【0099】ここで、出金一時貯留ボックス306が各
所定位置に位置するときこれを検出する位置検知センサ
320,321,321a〜321f(図17参照)が
設けられており、制御部35は、これら位置検知センサ
320,321,321a〜321fの検出結果に基づ
いて出金移動モータ317を駆動制御し出金一時貯留ボ
ックス306を目的の位置まで移動させることになる。
なお、出金一時貯留ボックス306は、図3に示す機体
最前部の位置が所定の待機位置となり、この待機位置の
他に、後述する所定のリジェクト位置と、所定の各金種
別回収位置とに移動することになる。なお、位置検知セ
ンサ320は、出金一時貯留ボックス306が待機位置
に位置することを、位置検知センサ321は、出金一時
貯留ボックス306がリジェクト位置に位置すること
を、位置検知センサ321a〜321fは、出金一時貯
留ボックス306が各金種別回収位置に位置すること
を、それぞれ検出する。
【0100】待機位置に位置する出金一時貯留ボックス
306の直下には、スライドシャッタ307の開作動に
より該出金一時貯留ボックス306から落とし込まれた
硬貨を受け入れてこれを機体左方の出金リフト部16に
案内するリフト用シュート323が設けられている。な
お、このときの出金一時貯留部155の硬貨の振り分け
方向が、出金用方向となる。
【0101】また、該リフト用シュート323の機体後
側には、リジェクト位置に位置する出金一時貯留ボック
ス306の直下となる位置に、スライドシャッタ307
の開作動により該出金一時貯留ボックス306から落と
し込まれた硬貨を受け入れてこれをその直下の出金リジ
ェクトボックス30に案内するリジェクト用シュート3
24が設けられている。なお、このときの出金一時貯留
部155の硬貨の振り分け方向が、出金リジェクト用方
向となる。
【0102】{出金リジェクトボックス}出金リジェク
トボックス30は、出金処理時に搬送不良や判別不能等
が原因となって出金途中の硬貨の計数が確定できなくな
った場合に、このような硬貨を機械側管理の硬貨として
保管しておくためのもので、リジェクト位置に位置する
出金一時貯留ボックス306からスライドシャッタ30
7の開作動により落とし込まれた一時貯留硬貨をリジェ
クト用シュート324を介して受け入れる。出金リジェ
クトボックス30は、個別に収納出金ユニット15から
引き出し可能とされている。
【0103】{回収ボックス}回収ボックス156a〜
156fは、取り扱う金種数と同じ数分のみ設けられて
おり、出金一時貯留ボックス306の移動方向すなわち
機体前後方向に沿って並列されている。そして、これら
回収ボックス156a〜156fは、収納出金ユニット
15を機体13から引き出した状態で、それぞれ個別に
収納出金ユニット15から取り外し可能とされている。
各金種別回収位置に位置する出金一時貯留ボックス30
6の直下に、それぞれ、回収ボックス156a〜156
fのうち対応する一つの回収ボックスが配置されること
なり、各金種別回収位置のいずれかに位置する出金一時
貯留ボックス306からスライドシャッタ307の開作
動により落とし込まれた一時貯留硬貨を、各回収ボック
ス156a〜156fのうち出金一時貯留ボックス30
6の直下に位置する一つの回収ボックスで受け入れるこ
とになる。なお、このときの出金一時貯留部155の振
り分け方向が、回収用方向となる。
【0104】ここで、上記した位置検知センサ321a
は、出金一時貯留ボックス306が回収ボックス156
aに硬貨を落とし込む位置に位置することを、位置検知
センサ321bは、出金一時貯留ボックス306が回収
ボックス156bに硬貨を落とし込む位置に位置するこ
とを、位置検知センサ321cは、出金一時貯留ボック
ス306が回収ボックス156cに硬貨を落とし込む位
置に位置することを、位置検知センサ321dは、出金
一時貯留ボックス306が回収ボックス156dに硬貨
を落とし込む位置に位置することを、位置検知センサ3
21eは、出金一時貯留ボックス306が回収ボックス
156eに硬貨を落とし込む位置に位置することを、位
置検知センサ321fは、出金一時貯留ボックス306
が回収ボックス156fに硬貨を落とし込む位置に位置
することを、それぞれ検出することになる。
【0105】「出金リフト部」出金リフト部16は、図
2に示すように、入金選別ユニット14および収納出金
ユニット15の機体左側に配置されており、リフト用シ
ュート323で案内されて落とし込まれた硬貨を収納可
能な上方のみ開口する形状の出金箱326と、該出金箱
326を昇降させる昇降機構部327とを有している。
【0106】昇降機構部327は、鉛直方向に延在する
摺動軸328と、該摺動軸328に摺動自在に支持され
る上下一対の摺動部材329,329と、これら摺動部
材329,329に固定されるとともに出金箱326を
その底面、側面および背面を囲むことにより着脱自在に
載置させるリフト部材330と、上下に配置された一対
のプーリ333,334と、これらプーリ333,33
4に張り渡されるとともにリフト部材330に一部固定
された昇降ベルト335と、一方のプーリ333を駆動
する正逆回転可能なリフトモータ336(図17参照)
とを有している。これにより、リフトモータ336の正
逆回転でリフト部材330および出金箱326が摺動軸
328で案内されて昇降移動することになる。
【0107】ここで、リフト部材330が所定の下部位
置にあって出金箱326が図2に示すリフト用シュート
323から硬貨を受け入れ可能な下部の待機位置に位置
するときと、該リフト部材330が所定の上部位置にあ
って出金箱326が出金口32を介して外部に取り出さ
れることが可能となる上部の受渡位置に位置するときと
を、それぞれ検出する位置検知センサ337,338
(図17参照)が設けられており、制御部35は、これ
ら位置検知センサ337,338の検出結果に基づいて
リフトモータ336を駆動して、リフト部材330すな
わち出金箱326を移動させる。
【0108】なお、リフト部材330には、出金箱32
6の着脱状態を検出するための出金箱有無検知センサ3
39(図17参照)が設けられており、制御部35は、
この出金箱有無検知センサ339の検出結果から、出金
口32に設けられるスライドシャッタ33を開閉させる
出金口シャッタモータ341(図17参照)および上記
リフトモータ336の駆動タイミングをはかることにな
る。例えば、スライドシャッタ33が開かれ出金箱有無
検知センサ339の検出結果から出金箱326がリフト
部材330から取り外されたことが検知された後、再び
出金箱有無検知センサ339の検出結果から出金箱32
6がリフト部材330に取り付けられたことが検知され
ると、制御部35は、スライドシャッタ33を出金口シ
ャッタモータ341で閉作動させ、その後、リフトモー
タ336でリフト部材330を下降させる。
【0109】次に、上記構成の硬貨入出金機11におけ
る各処理について説明する。 「入金処理」まず、入金処理について説明する。操作者
が入金処理を選択する旨の入力を行うと、該上位機12
から入金処理の指令が制御部35に出力されることにな
り、上位機12から入金処理の指令を受けると、制御部
35は、入金口モータ36を駆動してスライドシャッタ
19を移動させて入金口18を開放させるとともに、表
示ランプ20を点滅させて、操作者に対し入金する硬貨
の受け入れが可能であることを知らせる。
【0110】この状態で、操作者が入金処理する硬貨を
入金口18に投入させ、上位機12に入金処理を開始さ
せる旨の入力を行うと、該上位機12から入金処理の開
始指令が出力されることになり、制御部35は、該開始
指令に基づいて、供給円盤モータ44および回転円盤モ
ータ46を駆動して供給円盤43および回転円盤45を
回転させることにより、供給円盤43から回転円盤45
に該回転円盤45から図示せぬ分離部を通過させつつ硬
貨通路47に、硬貨を一枚ずつ繰り出させる。それとと
もに、入金第1モータ62および入金第2モータ64を
駆動して搬送ベルト60,61,63を駆動し、回転円
盤45から繰り出された硬貨を硬貨通路47に沿って順
次直列にならべた状態で搬送させる。このように硬貨通
路47に沿って搬送される硬貨は、入金鑑別部70の磁
気センサ66で材質が検出された後に、同入金鑑別部7
0の画像検出部68で画像が検出される。
【0111】ここで、磁気センサ66および画像検出部
68の出力は、制御部35に入力されることになり、該
制御部35では、上述したように判別を行う。すなわ
ち、硬貨を、判別不能を含む偽硬貨と、真かつ汚損と判
別された硬貨と、真かつ正と判別された各金種の硬貨と
に分類する。そして、判別不能を含む偽硬貨と、真かつ
汚損と判別された硬貨とを、硬貨検知センサ77の検出
の基づくタイミングで駆動されるロータリソレノイド7
4,76による第1,第2のストッパ部材73,75の
作動で硬貨通路47からリジェクト孔72に排除させる
ことになり、制御部35は、振分ソレノイド84の駆動
により、振分部材83を作動させて、判別不能を含む偽
硬貨を放出案内部80を介して入金リジェクトボックス
22に落とし込ませ収納させる一方、真かつ汚損と判別
された硬貨を放出案内部81を介して汚損硬貨一時貯留
ボックス90に落とし込ませ一時貯留させることにな
る。なお、制御部35は、真かつ汚損と判別された硬貨
については金種別に計数することになり、また、入金リ
ジェクトボックス22に硬貨が収納されると、表示ラン
プ26を点灯させて、硬貨が入金リジェクトボックス2
2内にあることを操作者に知らせる。
【0112】一方、真かつ正と判別された各金種の硬貨
は、それぞれ、金種別に計数されるとともに、硬貨通路
47の第3直線部57において、選別孔87a〜87f
の対応する一つの選別孔に落下させられ、金種別シュー
ト100を介して、底板103で下部が閉塞された入金
一時貯留ボックス102の金種別の一時貯留空間部10
1a〜101fの対応する一つに落とし込まれ一時貯留
される。
【0113】以上のようにして、入金口18から投入さ
れた当該入金処理に係る硬貨がすべて硬貨通路47から
なくなると、制御部35は、この入金処理を行った真硬
貨(真かつ正の硬貨および真かつ汚損の硬貨)のデータ
を上位機12に出力させる。すると、上位機12がこの
データを表示させることになり、操作者がこの表示を確
認して、この入金処理を確定するかキャンセルするかの
操作を行う。
【0114】操作者による入金確定操作に伴う確定指令
が上位機12から出力されると、制御部35は、汚損硬
貨が汚損硬貨一時貯留ボックス90にある場合には、汚
損一時貯留部39の汚損移動モータ95を駆動して汚損
硬貨一時貯留ボックス90を機体左方に移動させ、汚損
硬貨一時貯留ボックス90内のすべての汚損硬貨をシュ
ート97を介して汚損収納ボックス23に収納させる。
それとともに、制御部35は、底板駆動モータ134お
よび貯留箱駆動モータ119を同期駆動させて、底板1
03および入金一時貯留ボックス102を一体に機体左
方に移動させ、その後、底板駆動モータ134のみを逆
転させて底板103のみを戻すことで、この入金一時貯
留ボックス102のすべての金種別の硬貨を、金種別収
納シュート41の金種別のシュート部144a〜114
fを介して金種別の収納繰出部150a〜150f内
に、それぞれ金種別に収納させることになる。
【0115】他方、操作者による入金キャンセル操作に
伴う返却指令が上位機12から出力されると、制御部3
5は、汚損硬貨が汚損硬貨一時貯留ボックス90にある
場合には、汚損一時貯留部39の汚損移動モータ95を
駆動して汚損硬貨一時貯留ボックス90を機体右方に移
動させ、汚損硬貨一時貯留ボックス90内のすべての汚
損硬貨をシュート96を介して返却ボックス24に収納
させる。それとともに、制御部35は、入金一時貯留部
40の底板駆動モータ134を駆動し、入金一時貯留ボ
ックス102はそのままで底板103を機体左方に移動
させることにより、この入金一時貯留ボックス102の
すべての金種別の硬貨を、返却ボックス24に硬貨を一
括して収納させることになる。これにより、入金処理に
て受け入れた硬貨を返却ボックス24から操作者に返却
することになる。
【0116】「出金処理」次に、出金処理について説明
する。操作者が上位機12に対し出金総金額の入力を含
む出金処理の操作を行うと、該上位機12から操作に応
じた出金処理の指令が制御部35に出力される。する
と、制御部35は、まず出金総金額を含む出金処理の指
令データに基づいて、出金させるべき各金種の硬貨を収
納させている各収納繰出部150a〜150fの繰出部
159の繰出モータ206と、第1搬送部152の第1
搬送モータ231と、第2搬送部153の第2搬送モー
タ259および振分モータ269とを駆動させる。これ
により、振分部材266を移動させ硬貨通路247の振
分溝部265を開口させて該振分溝部265から硬貨を
落とし込む状態にすることになり、それとともに、出金
させるべき各金種の硬貨を有する各収納繰出部150a
〜150fの回転円盤185から硬貨通路186に硬貨
を繰り出させそれぞれ硬貨検知センサ216,217で
計数しつつ搬送ローラ202で第1搬送部152に送り
出させることになる。ここで、硬貨検知センサ216,
217で、出金処理の指令に基づく枚数の最後の硬貨が
検出された繰出部159について、制御部35は、前記
最後の硬貨が検出された後、この硬貨を第1搬送部15
2に送り出させ、かつこの硬貨の次の硬貨の第1搬送部
152への送り出しを規制するタイミングで送出規制部
191の規制ソレノイド222を駆動してストッパ22
0の規制片219,219を突出させるとともに、繰出
モータ206を停止させ回転円盤185および搬送ロー
ラ202を停止させて、それ以上の硬貨の第1搬送部1
52への硬貨の送り出しを停止させる。
【0117】なお、上記のように繰出部159の回転円
盤185から硬貨を硬貨通路186に繰り出させている
際に、フル検知センサ193で回転円盤185の硬貨が
検出されず、該硬貨の残量が少なくなっていると判定さ
れると、制御部35は、供給モータ176を駆動して供
給ベルト169により収納部158から回転円盤185
に硬貨を供給させることになり、フル検知センサ193
で硬貨のフル状態が再び検知されると、供給モータ17
6を停止させることになる。制御部35は、このように
繰出部159の回転円盤185に十分な残量の硬貨が常
に得られるように供給モータ176を制御する。勿論、
例えば回転円盤185が非回転状態にある上でフル検知
センサ193が所定時間硬貨を検出しない状態が続いた
こと等により、収納部158側の硬貨が空になったこと
が検出されると、制御部35は供給モータ176を停止
させることになり、他方、この状態から入金鑑別部70
の鑑別結果等に基づいて収納部158に硬貨が収納され
たと判断すると、供給モータ176を駆動させることに
なる。
【0118】そして、第1搬送部152に送り出された
硬貨は、第1搬送部152の搬送ベルト228で搬送さ
れるとともに、分離ローラ234で一枚ずつに分離され
た後に、第2搬送部153に送り込まれ該第2搬送部1
53の搬送ベルト253,254で硬貨通路247に押
し付けられながら搬送される。この第2搬送部153の
搬送ベルト253,254による搬送中に出金鑑別部2
61の磁気センサ262およびラインセンサ263でそ
れぞれ鑑別が行われ、制御部35は、この鑑別結果に基
づいて、硬貨の真偽および金種等を確認し、この出金鑑
別部261の鑑別結果に基づいて、出金される硬貨の総
金額あるいは金種別枚数を計数する。
【0119】このように出金鑑別部261で鑑別が行わ
れた後の硬貨は、すべて第2搬送部153の出金鑑別部
261より下流側の振分部264で、出金・回収・出金
リジェクト用方向に振り分けられる。すなわち、振分部
264の振分溝部265から出金一時貯留部155の待
機位置で待機している出金一時貯留ボックス306内に
落とし込まれ、その下部開口を閉塞させているスライド
シャッタ307上に一時貯留されることになる。
【0120】制御部35は、出金処理の指令データに基
づいて各繰出部159から繰り出される予定の硬貨がす
べて繰り出されてから、これら硬貨がすべて出金一時貯
留ボックス306に一時貯留されるのに十分な時間が経
過すると、当該出金処理において、出金鑑別部261の
鑑別結果に基づいて、出金一時貯留ボックス306に一
時貯留された一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定す
ることになる。
【0121】すなわち、例えば、出金鑑別部261の鑑
別結果から、出金一時貯留ボックス306に一時貯留さ
れた一時貯留硬貨に偽硬貨や汚損硬貨が含まれている場
合は、該一時貯留硬貨が適正でないと判定する。また、
一時貯留硬貨に偽硬貨や汚損硬貨が含まれていないこと
を条件に、さらに、出金鑑別部261の鑑別結果に基づ
く、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時
貯留硬貨の金額と、上位機12からの出金指令データに
基づく出金金額とを比較して、これらが一致した場合に
は出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯
留硬貨が適正であると判定する一方、これらが不一致の
場合には出金一時貯留ボックス306に一時貯留された
一時貯留硬貨が適正でないと判定する。
【0122】なお、一時貯留硬貨に偽硬貨や汚損硬貨が
含まれていないことを条件に、さらに、出金鑑別部26
1の鑑別結果に基づく、出金一時貯留ボックス306に
一時貯留された一時貯留硬貨の金種別枚数と、上位機1
2からの出金指令データに基づく金種別枚数とを比較し
て、これらが一致した場合には出金一時貯留ボックス3
06に一時貯留された一時貯留硬貨が適正であると判定
する一方、これらが不一致の場合には出金一時貯留ボッ
クス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正でない
と判定してもよい。
【0123】そして、制御部35は、上記判定結果か
ら、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時
貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時
貯留部155で出金用方向に振り分けさせる。すなわ
ち、出金一時貯留ボックス306を待機位置に位置させ
た状態のまま、シャッタ開閉モータ308を駆動してス
ライドシャッタ307を開作動させ、該スライドシャッ
タ307上にあった硬貨を下方に放出させる。このよう
に放出された硬貨は、リフト用シュート323を介し
て、待機位置に位置する出金箱326にすべて収納され
る。
【0124】制御部35は、スライドシャッタ307を
開放させてから出金箱326に硬貨が収納されるのに十
分な時間が経過すると、再びシャッタ開閉モータ308
を駆動してスライドシャッタ307を閉位置に戻すとと
もに、出金リフト部16のリフトモータ336を駆動し
て、リフト部材330とともに出金箱326を上昇さ
せ、位置検知センサ338から出金箱326が受渡位置
すなわち出金口32から取り出し可能な位置に位置した
ことが検出されると、リフトモータ336の駆動を停止
させるとともに、出金口シャッタモータ341を駆動し
て出金口32を閉鎖していたスライドシャッタ33を移
動させて出金口32を開放させる。これにより、出金口
32を介して出金箱326が操作者により取り出し可能
となる。
【0125】制御部35は、出金箱有無検知センサ33
9の検知結果から、待機位置にあった出金箱326がリ
フト部材330から取り外された後に再びリフト部材3
30に戻されたことを確認すると、リフトモータ336
を駆動して出金口32をスライドシャッタ33で閉塞さ
せるとともに、出金箱326およびリフト部材330を
待機位置まで下降させて出金処理を終了させる。
【0126】他方、制御部35は、上記判定結果から、
出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留
硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留
部155でリジェクト用方向に振り分けさせる。すなわ
ち、スライドシャッタ307を閉状態としたまま出金移
動モータ317を駆動して出金一時貯留ボックス306
をリジェクト位置に位置させ、この状態でシャッタ開閉
モータ308を駆動してスライドシャッタ307を開作
動させ、該スライドシャッタ307上にあった硬貨を下
方に放出させる。このように放出された硬貨は、リジェ
クト用シュート324を介して、下部の出金リジェクト
ボックス30にすべて収納される。この後、制御部35
は、スライドシャッタ307を閉位置に戻し出金一時貯
留ボックス306を待機位置に戻した後、再度上記出金
指令データに基づいて出金処理をやり直す。
【0127】「回収処理」次に、回収処理について説明
する。この回収処理には、いずれかの収納部158に収
納された硬貨の量が多くなったと判定される場合に、制
御部35が自動的に硬貨量が多くなった硬貨量過多状態
の収納部158内の硬貨を操作者に回収させる自動満杯
硬貨回収処理や、上位機12に操作者が操作入力するこ
とにより該上位機12から出力された回収指令に基づい
て指定された金種の硬貨を指定された枚数だけ回収させ
る手動回収処理、業務終了時に上位機12に操作者が操
作入力することにより該上位機12から出力された回収
指令に基づいて各収納部158に収納された全ての硬貨
を操作者に金種別に回収させる業務終了時回収処理等が
ある。
【0128】ここで、上位機12には、手動回収処理等
において、回収する硬貨の金種および枚数が操作者の入
力で任意に指定可能でありこのように指定された金種お
よび枚数を含む回収指令データを制御部35に出力させ
ることができる。すなわち、上位機12は、操作者に回
収する金種を選択指定させるための、各金種別に設けら
れた「金種選択キー」と、枚数を任意で入力させるため
の「テンキー」とを有しており、これらの操作に基づい
て回収指令データを作成する。
【0129】また、回収された硬貨の多くは硬貨包装機
で包装硬貨とされることが多いことから、上記に加え
て、回収する枚数として、包装されて棒金とされる包装
単位枚数(日本国内においては50枚)の選択指定も可
能とされている。すなわち、上位機12は、操作者が枚
数として包装単位枚数をワンタッチで入力可能な「包装
単位枚数キー」を有しており、「金種選択キー」および
「包装単位枚数キー」の操作に基づいて回収指令データ
を作成する。
【0130】なお、使用上、回収枚数が包装単位枚数だ
けに限られる場合は、上位機12には「金種選択キー」
のみを設け、該「金種選択キー」のみを操作すれば、回
収枚数は自動的に包装単位枚数が指定されるようにして
もよい。
【0131】このように指定された包装単位枚数からな
る回収枚数を含む回収指令データを制御部35に出力さ
せることができるようになっている。そして、制御部3
5では、このように上位機12から出力された回収指令
データの回収枚数を回収させるように制御を行う。
【0132】また、上記した自動満杯硬貨回収処理の際
の回収枚数としては、予め包装単位枚数が制御部35に
設定記憶されており、自動満杯硬貨回収処理の際には、
制御部35が、自動的に硬貨量過多状態の金種の収納繰
出部から設定された包装単位枚数で硬貨を回収させるよ
うに制御を行う。
【0133】制御部35は、指定された金種および枚数
を含む回収指令データを上位機12からの受けた場合、
収納繰出部150a〜150fのうちこの指定された一
金種の収納繰出部から指定された枚数の硬貨を繰り出さ
せることになり、また、収納繰出部150a〜150f
のうちいずれかの収納繰出部が硬貨量過多状態の状態に
ある場合、当該一金種の収納繰出部から設定された包装
単位枚数の硬貨を繰り出させることになる。
【0134】すなわち、制御部35は、収納繰出部15
0a〜150fのうち回収対象となる一金種の硬貨を収
納させている一つの収納繰出部の繰出モータ206と、
第1搬送部152の第1搬送モータ231と、第2搬送
部153の第2搬送モータ259および振分モータ26
9とを駆動させる。これにより、振分部材266を移動
させ硬貨通路247の振分溝部265を開口させて該振
分溝部265から硬貨を落とし込む状態にすることにな
り、それとともに、収納繰出部150a〜150fのう
ち回収対象となる一金種の硬貨を収納させている一つの
収納繰出部の回転円盤185から硬貨通路186に硬貨
を繰り出させ硬貨検知センサ216,217で計数しつ
つ搬送ローラ202で第1搬送部152に送り出させる
ことになる。
【0135】なお、出金処理と同様に、収納繰出部15
0a〜150fのうち回収対象となる一金種の硬貨を収
納させている一つの収納繰出部の回転円盤185から硬
貨を硬貨通路186に繰り出させている際に、フル検知
センサ193で該回転円盤185の硬貨が検出されず、
その残量が少なくなっていると判定されると、制御部3
5は、供給モータ176を駆動して供給ベルト169に
より収納部158から回転円盤185に硬貨を供給さ
せ、フル検知センサ193で硬貨のフル状態が再び検知
されると供給モータ176を停止させることにより、回
転円盤185に常に十分な残量の硬貨が得られるように
供給モータ176を制御する。
【0136】ここで、残留センサ194および硬貨検知
センサ216,217で硬貨が検出されなくなってから
所定時間が経過する状態が生じると、制御部35は、対
象となる収納繰出部に硬貨がなくなったものと判断し、
送出規制部191の規制ソレノイド222を駆動してス
トッパ220の規制片219,219を突出させるとと
もに、繰出モータ206を停止させ回転円盤185およ
び搬送ローラ202を停止させる。
【0137】第1搬送部152に送り出された硬貨は、
第1搬送部152の搬送ベルト228で搬送されるとと
もに、分離ローラ234で一枚ずつに分離された後に、
第2搬送部153に送り込まれ該第2搬送部153の搬
送ベルト253,254で硬貨通路247に押し付けら
れながら搬送される。この第2搬送部153の搬送ベル
ト228による搬送中に出金鑑別部261の磁気センサ
262およびラインセンサ263でそれぞれ鑑別が行わ
れ、制御部35は、この鑑別結果に基づいて、硬貨の真
偽および金種等を確認するとともに、回収される硬貨の
枚数の最終的な計数を行う。
【0138】このように出金鑑別部261で鑑別が行わ
れた後の硬貨は、すべて第2搬送部153の出金鑑別部
261より下流側の振分部264で出金・回収・出金リ
ジェクト用方向に振り分けられる。すなわち、振分部2
64の振分溝部265から出金一時貯留部155の待機
位置で待機していた出金一時貯留ボックス306内に落
とし込まれ、その下部開口を閉塞させているスライドシ
ャッタ307上に一時貯留されることになる。
【0139】制御部35は、収納繰出部150a〜15
0fのうち回収対象となる一金種の硬貨を収納させてい
る一つの収納繰出部から繰り出されるべき硬貨がすべて
繰り出されてから、これら硬貨がすべて出金一時貯留ボ
ックス306に一時貯留されるのに十分な時間が経過す
ると、第1搬送部152の第1搬送モータ231および
第2搬送部153の第2搬送モータ259の駆動を停止
させるとともに、当該回収処理において、出金鑑別部2
61の鑑別結果に基づいて、出金一時貯留ボックス30
6に一時貯留された一時貯留硬貨が適正であるか否かを
判定することになる。
【0140】すなわち、例えば、出金鑑別部261の鑑
別結果から、出金一時貯留ボックス306に一時貯留さ
れた一時貯留硬貨に偽硬貨や汚損硬貨が含まれている場
合は、該一時貯留硬貨が適正でないと判定する。そし
て、上位機12から受けた回収指令データに基づいて回
収を行う手動回収処理の場合、一時貯留硬貨に偽硬貨や
汚損硬貨が含まれていないことを条件に、さらに、出金
鑑別部261の鑑別結果に基づく出金一時貯留ボックス
306に一時貯留された所定の一金種の一時貯留硬貨の
枚数と、回収指令データに含まれる指定枚数とを比較し
て、これらが一致した場合には出金一時貯留ボックス3
06に一時貯留された一時貯留硬貨が適正であると判定
する一方、これらが不一致の場合には出金一時貯留ボッ
クス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正でない
と判定する。
【0141】また、硬貨量過多状態の収納部158内の
硬貨について自動的に回収を行う自動満杯硬貨回収処理
の場合、一時貯留硬貨に偽硬貨や汚損硬貨が含まれてい
ないことを条件に、出金鑑別部261の鑑別結果に基づ
く出金一時貯留ボックス306に一時貯留された所定の
一金種の一時貯留硬貨の枚数と、予め設定された回収枚
数とを比較して、これらが一致した場合には出金一時貯
留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正
であると判定する一方、これらが不一致の場合には出金
一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨
が適正でないと判定する。
【0142】そして、制御部35は、上記判定結果か
ら、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時
貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時
貯留部155で回収用方向に振り分けさせる。すなわ
ち、スライドシャッタ307を閉状態としたまま出金移
動モータ317を駆動して出金一時貯留ボックス306
を、回収ボックス156a〜156fのうち回収した所
定の一金種用の回収ボックスの直上となる金種別回収位
置に位置させ、この状態でシャッタ開閉モータ308を
駆動してスライドシャッタ307を開作動させ、該スラ
イドシャッタ307上にあった硬貨を下方に放出させ
る。このように放出された硬貨は、回収ボックス156
a〜156fのうちの対応する金種のものにすべて収納
される。この後、制御部35は、スライドシャッタ30
7を閉位置に戻し出金一時貯留ボックス306を待機位
置に戻した後、必要に応じて次の回収処理を行うか、回
収処理を終了させる。
【0143】他方、制御部35は、上記判定結果から、
出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留
硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留
部155でリジェクト用方向に振り分けさせる。すなわ
ち、スライドシャッタ307を閉状態としたまま出金移
動モータ317を駆動して出金一時貯留ボックス306
を、リジェクト用シュート324の直上となるリジェク
ト位置に位置させ、この状態でシャッタ開閉モータ30
8を駆動してスライドシャッタ307を開作動させ、該
スライドシャッタ307上にあった硬貨を下方に放出さ
せる。このように放出された硬貨は、出金リジェクトボ
ックス30にすべて収納される。
【0144】この後、制御部35は、スライドシャッタ
307を閉位置に戻し出金一時貯留ボックス306を待
機位置に戻した後、手動回収処理の場合は回収処理をや
り直し、自動満杯硬貨回収処理の場合は、硬貨量過多状
態にあった収納繰出部が硬貨量過多状態から脱した場合
は、回収処理を終了させる一方、硬貨量過多状態から脱
しない場合は回収処理をもう一度行う。
【0145】なお、回収枚数が、出金一時貯留ボックス
306の収納量を越えている場合には、複数回に分け一
連の回収処理として処理を行うことになる。また、収納
繰出部150a〜150fの対応するものが回収枚数を
繰り出す前に空となってしまったことが検出されると、
最後の繰り出し硬貨が第1搬送部152に確実に繰り出
されるタイミングで該収納繰出部の繰出モータ206の
駆動を停止させるとともに、繰り出された最後の硬貨が
出金一時貯留ボックス306に確実に収納されるタイミ
ングで、第1搬送部152の第1搬送モータ231およ
び第2搬送部153の第2搬送モータ259の駆動を停
止させて、回収処理を終了させることになる。さらに、
上記自動満杯硬貨回収処理等において回収対象となる金
種が複数ある場合には、各金種毎に上記した回収処理を
行うことになる。
【0146】ここで、上記回収処理の実行中に、収納繰
出部150a〜150fのうち回収対象となる所定の一
金種の硬貨を収納させている一つの収納繰出部から繰り
出され第1搬送部152および第2搬送部153で搬送
される硬貨のうちの一つが出金鑑別部261で回収対象
となる所定の一金種の硬貨でない異金種硬貨と鑑別され
た場合、制御部35は、このとき回転円盤185が硬貨
を繰り出している状態にある場合には、硬貨検知センサ
216,217でその直後の硬貨が検出された後、この
硬貨を第1搬送部152に送り出させ、かつこの硬貨の
次の硬貨の第1搬送部152への送り出しを規制するタ
イミングで、送出規制部191の規制ソレノイド222
を駆動してストッパ220の規制片219,219を突
出させるとともに、繰出モータ206を停止させ回転円
盤185および搬送ローラ202を停止させて、それ以
上の硬貨の第1搬送部152への硬貨の送り出しを停止
させる。
【0147】また、異金種硬貨が鑑別された場合、制御
部35は、すでに収納繰出部から繰り出されて第1搬送
部152上および第2搬送部153上にある硬貨が、す
べて、振分部264の振分溝部265から出金一時貯留
部155の待機位置で待機していた出金一時貯留ボック
ス306内に落とし込まれ、その下部開口を閉塞させて
いるスライドシャッタ307上に一時貯留されるタイミ
ングで、出金一時貯留部155に一時貯留された上記異
金種硬貨を含む一時貯留硬貨を、リジェクト用方向に振
り分けさせる。すなわち、スライドシャッタ307を閉
状態としたまま出金移動モータ317を駆動して出金一
時貯留ボックス306を、リジェクト用シュート324
の直上となるリジェクト位置に位置させ、この状態でシ
ャッタ開閉モータ308を駆動してスライドシャッタ3
07を開作動させ、該スライドシャッタ307上にあっ
た硬貨を下方に放出させる。このように放出された硬貨
は、出金リジェクトボックス30にすべて収納される。
【0148】この後、制御部35は、スライドシャッタ
307を閉位置に戻し出金一時貯留ボックス306を待
機位置に戻した後、手動回収処理の場合は回収処理をや
り直し、自動満杯硬貨回収処理の場合は、硬貨量過多状
態にあった収納繰出部が硬貨量過多状態から脱した場合
は、回収処理を終了させる一方、硬貨量過多状態から脱
しない場合は回収処理をもう一度行う。
【0149】なお、上述した業務終了時回収処理を行う
操作入力がなされると、上位機12は、スライドシャッ
タ307で下部が閉じられた出金一時貯留ボックス30
6の最大収納量を回収枚数とし予め定められた順番の金
種を選択した回収指令データを自動的に制御部35に出
力して、残量がなくなるまですべての収納繰出部150
a〜150fについて、それぞれ、回収ボックス156
a〜156fの対応する一つに硬貨を送り込む回収処理
を行うことになる。
【0150】「精査処理」次に、精査処理について説明
する。この精査処理は、各金種別の収納繰出部150a
〜150fにおけるそれぞれの硬貨の収納枚数を確認す
る処理である。すなわち、上述したように入金鑑別部7
0の鑑別結果と出金鑑別部261の鑑別結果とから、収
納繰出部150a〜150fおよび出金リジェクトボッ
クス30内に収納された硬貨の全体の金種別枚数は管理
可能であるものの、搬送不良や収納繰出部150a〜1
50fに対応しない異金種硬貨が混入した場合等に出金
処理エラーや回収処理エラーが生じると、各収納繰出部
150a〜150fおよび出金リジェクトボックス30
のそれぞれの硬貨の正確な管理ができなくなってしま
う。このため、特に各処理において正確な硬貨枚数を把
握しておかなければならない各収納繰出部150a〜1
50fのそれぞれの硬貨の正確な硬貨枚数をこの精査処
理によって確認するのである。なお、制御部35は、こ
の精査処理を、他の処理が行われていないことを前提
に、定期的に、あるいは出金処理エラーや回収処理エラ
ーが生じる毎に、あるいは操作者による入力に基づく上
位機12からの指令を受けたタイミング等で行う。
【0151】上記のようなタイミングで精査処理を開始
すると、制御部35は、第1搬送部152の第1搬送モ
ータ231と、第2搬送部153の第2搬送モータ25
9と、第3搬送部154の第3搬送モータ284とを駆
動させる。なお、この精査処理の開始時において、振分
部264は待機状態すなわち振分部材266で振分溝部
265を閉塞させた状態となっており、第2搬送部15
3で搬送される硬貨を第3搬送部154のの方向すなわ
ち精査用方向に振り分けるようになっている。精査処理
は、以下のように各収納繰出部150a〜150f毎に
行われる複数の精査作動からなる。
【0152】上記第1搬送モータ231、第2搬送モー
タ259および第3搬送モータ284の駆動の後、制御
部35は、収納繰出部150a〜150fのうち精査作
動を最初に行う所定の一つの収納繰出部(繰出元収納繰
出部)の繰出部159の繰出モータ206を駆動させ
る。これにより、収納繰出部150a〜150fのうち
精査作動を最初に行う一つの収納繰出部の回転円盤18
5から硬貨通路186に硬貨を繰り出させ硬貨検知セン
サ216,217で計数しつつ搬送ローラ202で第1
搬送部152に送り出させることになる。
【0153】このように、収納繰出部150a〜150
fのうち精査作動を最初に行う一つの収納繰出部の回転
円盤185から硬貨を硬貨通路186に繰り出させてい
る際に、フル検知センサ193で該回転円盤185の硬
貨が検出されず、その残量が少なくなっていると判定さ
れると、制御部35は、出金処理と同様、供給モータ1
76を駆動して供給ベルト169により収納部158か
ら回転円盤185に硬貨を供給させるとともに、フル検
知センサ193で硬貨のフル状態が再び検知されると供
給モータ176を停止させることになり、回転円盤18
5に常に十分な残量の硬貨が得られるように供給モータ
176を制御する。
【0154】そして、以上のようにして、収納繰出部1
50a〜150fのうち精査作動を最初に行う所定の一
つの収納繰出部からすべての硬貨が第1搬送部152に
繰り出されたことが、繰出部159の残留センサ194
の検出結果に基づき検出されると、その繰出部159の
繰出モータ206を停止させるとともに、フル検知セン
サ193で硬貨のフル状態が検知されないことから回転
状態に維持されていた収納部158の供給モータ176
の駆動をも停止させる。
【0155】第1搬送部152に送り出された硬貨は、
第1搬送部152の搬送ベルト228で搬送されるとと
もに、分離ローラ234で一枚ずつに分離された後に、
第2搬送部153に送り込まれ該第2搬送部153の搬
送ベルト253,254で硬貨通路247に押し付けら
れながら搬送される。この第2搬送部153の搬送ベル
ト253,254による搬送中に出金鑑別部261の磁
気センサ262およびラインセンサ263でそれぞれ鑑
別が行われることになる。制御部35は、この出金鑑別
部261の鑑別結果に基づいて、出金処理と同様に、硬
貨の真偽および金種等を確認するとともに、その硬貨が
精査作動を行っているものと同じであると判断される
と、さらに搬送方向下流側に設けられたタイミングセン
サ275,275で該硬貨の通過を確認後、該硬貨を確
定して加算計数する。
【0156】そして、このように確定された確定硬貨
は、そのまま第2搬送部153の硬貨通路247から第
3搬送部154の搬送ベルト281上に受け渡され、該
搬送ベルト281によって機体後方に向け搬送される。
このように第3搬送部154の搬送ベルト281で搬送
された硬貨を、第3搬送部154の最下流側に設けられ
たガイドフレーム304のガイド面305で案内して、
当該精査処理前に空状態であった機体最後部に位置する
収納繰出部(予備収納繰出部)150gの収納部158
に精査用硬貨取込口164を介して投入させる。このよ
うにして、収納繰出部150a〜150fのうち精査作
動を最初に行う所定の一つの収納繰出部に収納されてい
たすべての硬貨の計数を行う。
【0157】そして、制御部35は、収納繰出部150
a〜150fのうち精査作動を最初に行う一つの収納繰
出部についてすべての硬貨が機体最後部の収納繰出部1
50gに一時貯留されたことを確認する(この確認は、
当該精査作動を行っている収納繰出部の残留センサ19
4の検出結果および出金鑑別部261の検出結果から行
い、具体的には、残留センサ194で硬貨が検出されな
くなった後に出金鑑別部261で硬貨が検出されなくな
り該出金鑑別部261で最後に鑑別した硬貨が収納繰出
部150gに収納されるのに十分な時間が経過したこと
の検出により行う)と、収納繰出部150g内の硬貨を
再度、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を
最初に行った一つの収納繰出部に戻す。
【0158】すなわち、収納繰出部150gの供給モー
タ176を駆動してその収納部158内に一時貯留され
た硬貨を繰出部159に送り出すとともに、該繰出部1
59で残留センサ194が硬貨を検出すると、該繰出部
159の繰出モータ206を駆動させて、上記と同様に
して、その回転円盤185および搬送ローラ202で第
1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、この繰
出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ3
03,303a〜303fの検出結果に基づいて第3搬
送部154の取込駆動モータ301を駆動させて、収納
繰出部150a〜150fのうち精査作動を最初に行っ
た一つの収納繰出部に付設された取込部材288を搬送
ベルト281上に突出させる取込位置に位置させる。
【0159】これにより、収納繰出部150gにあった
硬貨が、第1搬送部152、第2搬送部153および第
3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内され
て、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を最
初に行った一つの収納繰出部(元の収納繰出部)に収納
されることになる。ここで、収納繰出部150gからす
べての硬貨が第1搬送部152に繰り出されたことが、
その繰出部159の残留センサ194の検出結果に基づ
き検出されると、その繰出部159の繰出モータ206
を停止させるとともに、フル検知センサ193で硬貨の
フル状態が検知されないことから回転状態に維持されて
いた収納部158の供給モータ176の駆動をも停止さ
せる。
【0160】そして、制御部35は、収納繰出部150
gのすべての硬貨が元の収納繰出部に戻ったことを、収
納繰出部150gの残留検知194センサの検出結果お
よび出金鑑別部261の検出結果から、上記と同様にし
て確認すると、取込駆動モータ301を駆動制御して、
押圧ローラ296および摺動ブロック294を待機位置
に戻し、取込部材288を搬送ベルト281上から逃が
して、最初の一つの金種の硬貨の精査作動が完了する。
【0161】そして、制御部35は、以上のような精査
作動を精査用収納繰出部150gを除くすべての収納繰
出部150a〜150fについて順次行って精査処理を
完了することになる。すなわち、例えば、収納繰出部1
50f〜精査用収納繰出部150g〜元の収納繰出部1
50fに硬貨を移動させつつの500円硬貨についての
精査作動(このときの硬貨の流れを図18において矢印
X1,X2で示す)、収納繰出部150e〜精査用収納
繰出部150g〜元の収納繰出部150eに硬貨を移動
させつつの10円硬貨についての精査作動(このときの
硬貨の流れを図18において矢印X3,X4で示す)、
収納繰出部150d〜精査用収納繰出部150g〜元の
収納繰出部150dに硬貨を移動させつつの100円硬
貨についての精査作動(このときの硬貨の流れを図18
において矢印X5,X6で示す)、収納繰出部150c
〜精査用収納繰出部150g〜元の収納繰出部150c
に硬貨を移動させつつの5円硬貨についての精査作動
(このときの硬貨の流れを図18において矢印X7,X
8で示す)、収納繰出部150b〜精査用収納繰出部1
50g〜元の収納繰出部150bに硬貨を移動させつつ
の50円硬貨についての精査作動(このときの硬貨の流
れを図18において矢印X9,X10で示す)、収納繰
出部150a〜精査用収納繰出部150g〜元の収納繰
出部150aに硬貨を移動させつつの1円硬貨について
の精査作動(このときの硬貨の流れを図18において矢
印X11,X12で示す)というように、収納繰出部1
50a〜150fの機体後側から順に精査作動を行うの
である。勿論、収納繰出部150a〜150fについて
一つずつ行えば、その順番はどのように変更することも
でき、例えば、機体前側から順に行ってもよい。そし
て、すべての収納繰出部150a〜150fの精査作動
が終了すると、制御部35は、第1搬送モータ231、
第2搬送モータ259および第3搬送モータ284の駆
動を停止させる。
【0162】一方、上記した各金種別の精査作動中に、
出金鑑別部261による鑑別結果から、精査を行ってい
る金種とは異なる金種の硬貨を確認した場合、つまり、
収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を行って
いる収納繰出部に収納されていた硬貨の中に異金種硬貨
が混入しており、これを出金鑑別部261による鑑別結
果から確認した場合、この異金種硬貨をそのまま搬送さ
せると、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動
を行っている収納繰出部に異金種硬貨が混在した状態の
ままとされ、出金処理時あるいは回収処理時にエラーが
発生してしまうことになるため、第2搬送部153のタ
イミングセンサ275,275がこの異金種硬貨を検出
したタイミングで、制御部35は、搬送規制部272の
ロータリソレノイド274を駆動してストッパ273を
硬貨通路247内に突出させ、異金種硬貨の搬送を停止
させるとともに、収納繰出部150a〜150fのうち
精査作動を行っている繰出部159の回転円盤185に
ついて、硬貨検知センサ216,217でその直後の硬
貨が検出された後、この硬貨を第1搬送部152に送り
出させ、かつこの硬貨の次の硬貨の第1搬送部152へ
の送り出しを規制するタイミングで、送出規制部191
の規制ソレノイド222を駆動してストッパ220の規
制片219,219を突出させるとともに、繰出モータ
206を停止させ回転円盤185および搬送ローラ20
2を停止させて、それ以上の硬貨の第1搬送部152へ
の硬貨の送り出しを停止させるとともに第1搬送部15
2の第1搬送モータ231を停止させる。
【0163】この後、ストッパ273よりも下流側すな
わち第3搬送部154側に位置する確定硬貨がすべて第
3搬送部154に確実に受け渡されるタイミングで、制
御部35は、第2搬送部153の第2搬送モータ259
および第3搬送部154の第3搬送モータ284を停止
させてその精査作動を一時中断させる。これにより、第
1搬送部152にある硬貨は、まだ出金鑑別部261で
鑑別されていない硬貨であり、第3搬送部154にある
硬貨は確定硬貨だけとなるため、第2搬送部153の硬
貨通路247上にある硬貨のみが確定不明な硬貨という
ことになる。精査作動を再開させるために、この確定不
明な硬貨を次のように排除する。
【0164】すなわち、まず、ロータリソレノイド27
4を駆動してストッパ273を硬貨通路247から退避
させるとともに、振分部264の振分モータ269を駆
動して振分部材266を移動させ振分溝部265を開口
させる。その後、第2搬送部153の第2搬送モータ2
59を、第2搬送部153に残された硬貨をすべて確実
に振分溝部265に落とし込むことができる予め定めら
れた所定量正逆回転させる。これにより、第2搬送部1
53の硬貨通路247上にあった確定不明な硬貨がすべ
て振分部264で出金・回収・出金リジェクト用方向に
振り分けられる。すなわち、振分部264の振分溝部2
65から出金一時貯留部155の待機位置で待機してい
た出金一時貯留ボックス306内に落とし込まれ、その
下部開口を閉塞させているスライドシャッタ307上に
一時貯留されることになる。
【0165】制御部35は、第2搬送部153の硬貨通
路247上にあった確定不明な硬貨がすべて出金一時貯
留ボックス306に一時貯留されるのに十分な時間が経
過すると、出金一時貯留ボックス306に一時貯留され
た一時貯留硬貨を出金一時貯留部155でリジェクト用
方向に振り分けさせる。すなわち、スライドシャッタ3
07を閉状態としたまま出金移動モータ317を駆動し
て出金一時貯留ボックス306をリジェクト位置に位置
させ、この状態でシャッタ開閉モータ308を駆動して
スライドシャッタ307を開作動させ、該スライドシャ
ッタ307上にあった硬貨を下方に放出させる。このよ
うに放出された硬貨は、リジェクト用シュート324を
介して、下部の出金リジェクトボックス30にすべて収
納される。この後、制御部35は、振分部264の振分
モータ269を駆動して振分部材266を移動させ振分
溝部265を閉塞させるとともに、スライドシャッタ3
07を閉位置に戻し出金一時貯留ボックス306を待機
位置に戻した後、中断した精査作動を再開させる。
【0166】そして、制御部35は、精査処理が完了す
ると、入金鑑別部70および出金鑑別部261のそれぞ
れの鑑別結果に基づく収納中の全硬貨の金種別の硬貨枚
数と、上記精査処理による出金鑑別部261の鑑別結果
に基づく各収納繰出部150a〜150fの金種別の硬
貨枚数とから、出金リジェクトボックス30に収納され
た硬貨の金種別の硬貨枚数を割り出すことになる。
【0167】以上に述べた第1の実施の形態によれば、
制御部35が、出金処理時に、金種別の収納繰出部15
0a〜150fから硬貨を第1搬送部152に繰り出さ
せ、該硬貨を第1搬送部152および第2搬送部153
で搬送させつつ出金鑑別部261で鑑別させさらに出金
一時貯留部155に一時貯留硬貨として一時貯留させる
とともに、出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて、一
時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬
貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部
155で出金用方向に振り分け、出金リフト部16を介
して出金口32に出金させる一方、一時貯留硬貨が適正
でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155で
リジェクト用方向に振り分け、出金リジェクトボックス
30に収納させることになる。
【0168】このように、出金させる硬貨を鑑別し、適
正である場合のみ出金口32に出金させ、適正でない場
合には、出金リジェクトボックス30に収納させること
になるため、収納繰出部150a〜150fに、収納す
る金種硬貨とは異なる異金種硬貨が混入してしまった場
合にも、出金時に当該異金種硬貨が、収納繰出部150
a〜150fのうち出金を行う収納繰出部に対応する金
種の硬貨として出金口32に繰り出されてしまうことを
未然に防止することができる。
【0169】また、制御部35は、出金処理時には、出
金鑑別部261の鑑別結果に基づく一時貯留硬貨の総金
額に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定
することになるため、一時貯留硬貨が適正であるか否か
の判定を容易に行うことができる。
【0170】さらに、制御部35が、回収処理時に、対
象となる金種の収納繰出部から硬貨を第1搬送部152
に繰り出させ、該硬貨を第1搬送部152および第2搬
送部153で搬送させつつ出金鑑別部261で鑑別させ
さらに出金一時貯留部155に一時貯留硬貨として一時
貯留させるとともに、出金鑑別部261の鑑別結果に基
づいて一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一
時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一
時貯留部155で回収用方向に振り分けて回収ボックス
156a〜150fの対応する金種のものに収納させる
一方、一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨
を出金一時貯留部155でリジェクト用方向に振り分け
て出金リジェクトボックス30に収納させることにな
る。
【0171】このように、回収する硬貨を鑑別し、適正
である場合のみ回収ボックス156a〜150fの対応
する金種のものに回収させ、適正でない場合には、出金
リジェクトボックス30に収納させることになるため、
収納繰出部150a〜150fに、収納する金種硬貨と
は異なる異金種硬貨が混入してしまった場合にも、回収
時に当該異金種硬貨が、収納繰出部150a〜150f
のうち回収を行っている収納繰出部に対応する金種の硬
貨として回収ボックス156a〜150fのいずれかに
繰り出されてしまうことを未然に防止することができ
る。
【0172】加えて、制御部35は、回収処理時には、
出金鑑別部261の鑑別結果に基づく一時貯留硬貨の硬
貨枚数に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを
判定することになるため、一時貯留硬貨が適正であるか
否かの判定を容易に行うことができる。
【0173】さらに、制御部35は、回収処理時に、収
納繰出部150a〜150fのうち対象となる一金種の
収納繰出部から硬貨を繰り出させ、該収納繰出部から繰
り出され第1搬送部152および第2搬送部153で搬
送される硬貨がすべて出金鑑別部261で前記一金種の
硬貨と鑑別された場合、これら硬貨を出金一時貯留部1
55に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、さ
らに、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155で金種別
方向のうち対応する金種の方向に振り分けて、回収ボッ
クス156a〜156fのうち対応する金種の回収ボッ
クスに収納させる一方、前記一金種の収納繰出部から繰
り出され第1搬送部152および第2搬送部153で搬
送される硬貨のうちの一つが出金鑑別部261で前記一
金種の硬貨でないと鑑別された場合、前記一金種の収納
繰出部からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、す
でに繰り出された硬貨を出金一時貯留部155に一時貯
留硬貨として一時貯留させた後、該一時貯留硬貨を出金
一時貯留部155でリジェクト用方向に振り分け、出金
リジェクトボックス30に収納させることになる。この
ように、異金種硬貨を出金鑑別部261で鑑別した場合
に収納繰出部150a〜150fのうち回収を行ってい
る収納繰出部を停止させるため、出金リジェクトボック
ス30に収納させる硬貨が不要に増えてしまうことがな
い。
【0174】加えて、回収処理においては、包装されて
棒金とされる包装単位枚数の硬貨を回収することになる
ため、回収した硬貨を包装して棒金とする場合に、硬貨
が余ってしまうことがない。
【0175】また、収納繰出部150a〜150gとこ
れらを取り扱う金種数より一つ多く設けて、空状態の予
備の収納繰出部150gを存在させ、制御部35が、収
納繰出部150a〜150fのうちの一つの収納繰出部
から硬貨をすべて第1搬送部152に繰り出させ、該硬
貨を第1搬送部152および第2搬送部153で搬送さ
せつつ出金鑑別部261で鑑別させさらに振分部264
で精査用方向に振り分け第3搬送部154で搬送させて
予備の収納繰出部150gに収納させるとともに、出金
鑑別部261の鑑別結果に基づいて前記一つの収納繰出
部の硬貨の計数を行う。そして、このような鑑別および
計数を全金種の収納繰出部150a〜150fについて
行うことで、異金種硬貨を見つけることができる上、各
収納繰出部150a〜150fにおける硬貨のデータを
機械側自身によって精査し確認することが可能となる。
したがって、上記精査確認により、収納繰出部150a
〜150fに混入した異金種硬貨が該収納繰出部に対応
する金種の硬貨として繰り出されてしまうことを防止可
能となり、業務終了後に機械側が管理する各金種毎の枚
数データと機内にある硬貨の枚数とが一致しない状態が
生じることを防止可能となる。
【0176】加えて、制御部35が、収納繰出部150
a〜150fのうちの一つの繰出元収納繰出部から硬貨
をすべて第1搬送部152に繰り出させ、該硬貨を第1
搬送部152および第2搬送部153で搬送させつつ出
金鑑別部261で鑑別させさらに振分部264で精査用
方向に振り分け第3搬送部154で搬送させて空状態に
あった一つの予備の収納繰出部150gに収納させると
ともに出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて、前記繰
出元収納繰出部の硬貨について計数を行うことになり、
計数を行った後の予備の収納繰出部150gのすべての
硬貨を、その後、第1搬送部152、第2搬送部15
3、振分部264および第3搬送部154を介して繰出
元の収納繰出部に戻す。そして、このような精査作動
を、予備の収納繰出部150gを除くすべての収納繰出
部150a〜150fについて順次行うことで、各収納
繰出部150a〜150fにおける硬貨のデータを機械
側自身によって精査し確認することが可能となる。した
がって、精査のため収納繰出部150a〜150fから
繰り出した硬貨を精査後に元の収納繰出部に戻すため、
金種別の収納繰出部150a〜150fの位置が変わる
ことがなく、よって、入金された硬貨を選別分類して各
収納繰出部150a〜150fに収納させる入金選別ユ
ニット14が、選別分類した各金種の硬貨のそれぞれの
収納先である収納繰出部を変更させる必要がなく、その
結果、該入金選別ユニット14を簡素な構成にできる。
【0177】さらに、制御部35が、精査処理中に、出
金鑑別部261の鑑別結果から精査中の金種以外の異金
種硬貨を確認すると、搬送規制部272により該異金種
硬貨の搬送を停止させるとともに送出規制部191によ
り収納繰出部150a〜150fのうち精査処理をおこ
なっているものからの硬貨の繰り出しを停止させ、さら
に、第2搬送部153において該異金種硬貨より下流側
にあった硬貨をすべて第3搬送部154側に搬送させた
状態で、振分部264および第2搬送部153により該
異金種硬貨を含む第2搬送部153上に残存する硬貨の
みをリジェクト用方向に振り分けることで、異金種硬貨
を出金リジェクトボックス30に収納させる。これによ
り、異金種硬貨確認時において第2搬送部153上にあ
った、異金種硬貨を含む該異金種硬貨より上流側の残存
硬貨のみを出金リジェクトボックス30に収納させるこ
とになり、よって、出金リジェクトボックス30に収納
させる硬貨を少なく抑えることができる。
【0178】また、制御部35が、機外から入金された
硬貨枚数および機外に出金させた硬貨枚数に相当する入
金鑑別部70および出金鑑別部261のそれぞれの鑑別
結果に基づいて現在の収納繰出部150a〜150fお
よび出金リジェクトボックス30に収納中の全硬貨の金
種別の硬貨枚数を把握する一方、精査処理による出金鑑
別部261の鑑別結果に基づいて各収納繰出部150a
〜150fの金種別の硬貨枚数を把握し、これらから、
金種別に引算を行うことにより、出金リジェクトボック
ス30に収納された硬貨の金種別の硬貨枚数を割り出す
ことになる。したがって、各収納繰出部150a〜15
0fおよび出金リジェクトボックス30に収納された硬
貨の金種別の硬貨枚数をすべて把握することができる。
【0179】次に、本発明の第2の実施の形態の硬貨入
出金機について、図8、図19〜図21を主に参照し
て、第1の実施の形態との相違部分を中心に以下に説明
する。なお、第1の実施の形態と同様の部分には同一の
符号を付しその説明は略す。第2の実施の形態は、第1
の実施の形態に対し入金選別ユニット14の金種別収納
シュートが異なっている。すなわち、第2の実施の形態
の金種別収納シュート(切換手段)350は、入金選別
部38で選別分類した各金種の硬貨のそれぞれの収納先
である収納繰出部150a〜150gを変更可能となっ
ている。
【0180】すなわち、金種別収納シュート350は、
図19に示すように、機体左右方向における両側に配置
される一対(一方のみ図示)の側板部351と、側板部
351の間に互いに間隔をあけて機体前後方向に配置さ
れる、取り扱う金種数より一つ多い複数の仕切板35
2,352,…とを有している。仕切板352,35
2,…は、すべて上部の支持軸353において側板部3
51に回動自在に支持されており、一対の側板部351
と、隣り合う仕切板352,352同士とで、それぞ
れ、内側に硬貨を通過させるシュート部354a〜35
4fが構成されることになる。このようなシュート部3
54a〜354fは金種数と同じ6つ形成され、隣り合
うシュート同士は仕切板352を共用している。
【0181】そして、すべての仕切板352,352,
…は、それぞれの中間位置に設けられた連結軸355,
355,…を介して一つの連結部材356に回動自在に
連結されており、この状態で仕切板352,352,…
はすべて平行をなしている。また、端の仕切板352に
は、長穴357を有する取付部材358が支持軸353
より下側に固定されており、該取付部材358の長穴3
57には、切換ソレノイド(駆動源)359の係合軸3
60が係合されている。これにより、切換ソレノイド3
59の駆動により連結部材356を介してすべての仕切
板352,352,…が互いに平行な状態で下部を前後
に移動させることになる。
【0182】そして、各シュート部354a〜354f
の上部開口部は、それぞれ入金一時貯留ボックス102
の金種別の一時貯留空間部101a〜101fすなわち
入金選別部38の各金種別の選別孔87a〜87fに一
対一で対応し、選別孔87a〜87fのうち対応する一
つから硬貨を受け入れるようになっている。 具体的に
は、機体最前部のシュート部354aは常に一時貯留空
間部101aを介して選別孔87aのみから、機体最前
部側から数えて2番目のシュート部354bは常に一時
貯留空間部101bを介して選別孔87bのみから、同
様に3番目のシュート部354cは常に一時貯留空間部
101cを介して選別孔87cのみから、4番目のシュ
ート部354dは常に一時貯留空間部101dを介して
選別孔87dのみから、5番目のシュート部354eは
常に一時貯留空間部101eを介して選別孔87eのみ
から、シュート部354fは常に一時貯留空間部101
fを介して選別孔87fのみから、それぞれ硬貨を受け
入れるようになっている。
【0183】これに対し、切換ソレノイド359の駆動
で、シュート部354a〜354fの下部開口部は、全
体として機体前後に移動することになり、図20(a)
に示すように、全体として機体前側に位置した状態で
は、シュート部354aが収納繰出部150aの入金用
取込口162のみに、シュート部354bが収納繰出部
150bの入金用取込口162のみに、シュート部35
4cが収納繰出部150cの入金用取込口162のみ
に、シュート部354dが収納繰出部150dの入金用
取込口162のみに、シュート部354eが収納繰出部
150eの入金用取込口162のみに、シュート部35
4fが収納繰出部150fの入金用取込口162のみ
に、それぞれ硬貨を落とし込むことになり、収納繰出部
150gは、シュート部354a〜354fのいずれか
らも硬貨が落とし込まれない状態となる。このような金
種別収納シュート350の状態を、前方案内状態と称
す。
【0184】他方、切換ソレノイド359の駆動で、図
20(b)に示すように、シュート部354a〜354
fの下部開口部が全体として機体後側に位置した状態で
は、シュート部354aが収納繰出部150bの入金用
取込口162のみに、シュート部354bが収納繰出部
150cの入金用取込口162のみに、シュート部35
4cが収納繰出部150dの入金用取込口162のみ
に、シュート部354dが収納繰出部150eの入金用
取込口162のみに、シュート部354eが収納繰出部
150fの入金用取込口162のみに、シュート部35
4fが収納繰出部150gの入金用取込口162のみ
に、それぞれ硬貨を落とし込むことになり、収納繰出部
150aは、シュート部354a〜354fのいずれか
らも硬貨が落とし込まれない状態となる。このような金
種別収納シュート350の状態を、前方案内状態と称
す。このような金種別収納シュート350の状態を、後
方案内状態と称す。
【0185】このように、第2の実施の形態の金種別収
納シュート350は、切換ソレノイド359の駆動で各
金種別のシュート部354a〜354fが、取り扱う金
種数より一つ多い収納繰出部150a〜150gのうち
一端側のものを除く残りのものに対し一体一で対応する
状態と、すべて一つずれて、収納繰出部150a〜15
0gのうち他端側のものを除く残りのものに対し一体一
で対応する状態とに切り換わることになる。すなわち、
この金種別収納シュート350は、隣り合う収納繰出部
150a,150b同士、収納繰出部150b,150
c同士、収納繰出部150c,150d同士、収納繰出
部150d,150e同士、収納繰出部150e,15
0f同士、収納繰出部150f,150g同士に対し、
それぞれ選択的に硬貨を導入させる、取り扱う金種数と
同数のシュート部354a〜354fと、これらシュー
ト部354a〜354fを切り換えのため揺動させる一
つの切換ソレノイド359とを具備している。
【0186】そして、このような金種別収納シュート3
50の採用により制御部35は、主に精査処理を第1の
実施の形態に対し以下のように変更して行うようになっ
ている。
【0187】ここで、それまで、金種別収納シュート3
50が前方案内状態にあって出金処理あるいは回収処理
を行っていたとすると、収納繰出部150aで1円硬貨
が、収納繰出部150bで50円硬貨が、収納繰出部1
50cで5円硬貨が、収納繰出部150dで100円硬
貨が、収納繰出部150eで10円硬貨が、収納繰出部
150fで500円硬貨が、それぞれ収納および繰り出
しされており、収納繰出部150gでは硬貨の収納およ
び繰り出しは行われていない状態にある。
【0188】逆に、金種別収納シュート350が後方案
内状態にあったとすると、収納繰出部150bで1円硬
貨が、収納繰出部150cで50円硬貨が、収納繰出部
150dで5円硬貨が、収納繰出部150eで100円
硬貨が、収納繰出部150fで10円硬貨が、収納繰出
部150gで500円硬貨が、それぞれ収納および繰り
出しされており、収納繰出部150aでは硬貨の収納お
よび繰り出しは行われていない状態にある。当然、制御
部35はこのような各収納繰出部150a〜150gと
各金種の対応に基づいて出金処理あるいは回収処理の制
御を行っている。
【0189】そして、例えば、金種別収納シュート35
0が前方案内状態で出金処理あるいは回収処理が行われ
ていた状態で、第1の実施の形態と同様のタイミングで
精査処理を開始すると、制御部35は、第1搬送部15
2の第1搬送モータ231と、第2搬送部153の第2
搬送モータ259と、第3搬送部154の第3搬送モー
タ284とを駆動させる。なお、この精査処理の開始時
において、振分部264は待機状態となっている。ま
た、精査処理は、以下のように各収納繰出部150a〜
150f毎に行われる複数の精査作動からなる。
【0190】上記第1搬送モータ231、第2搬送モー
タ259および第3搬送モータ284の駆動の後、制御
部35は、収納繰出部150f(この精査作動における
繰出元収納繰出部)の繰出部159の繰出モータ206
を駆動させる。これにより、該収納繰出部150fの回
転円盤185から硬貨通路186に硬貨(500円硬
貨)を繰り出させ硬貨検知センサ216,217で計数
しつつ搬送ローラ202で第1搬送部152に送り出さ
せることになる。
【0191】このように、収納繰出部150fの回転円
盤185から硬貨を硬貨通路186に繰り出させている
際に、フル検知センサ193で該回転円盤185の硬貨
が検出されず、その残量が少なくなっていると判定され
ると、制御部35は、第1の実施の形態と同様、供給モ
ータ176を駆動して供給ベルト169により収納部1
58から回転円盤185に硬貨を供給させ、フル検知セ
ンサ193で硬貨のフル状態が再び検知されると供給モ
ータ176を停止させることになり、回転円盤185に
常に十分な残量の硬貨が得られるように供給モータ17
6を制御する。そして、以上のようにして、収納繰出部
150fからすべての硬貨が第1搬送部152に繰り出
されたことが、残留センサ194の検出結果に基づき検
出されると、繰出モータ206および供給モータ176
の駆動を停止させる。
【0192】一方、上記により第1搬送部152に送り
出された硬貨は、第1搬送部152の搬送ベルト228
で搬送されるとともに、分離ローラ234で一枚ずつに
分離された後に、第2搬送部153に送り込まれ該第2
搬送部153の搬送ベルト253,254で硬貨通路2
47に押し付けられながら搬送される。この第2搬送部
153の搬送ベルト253,254による搬送中に出金
鑑別部261の磁気センサ262およびラインセンサ2
63でそれぞれ鑑別が行われることになる。制御部35
は、この出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて、硬貨
の真偽および金種等を確認するとともに、その硬貨が精
査作動を行っているものと同じであると判断されると、
さらに搬送方向下流側に設けられたタイミングセンサ2
75,275で該硬貨の通過を確認後、該硬貨を確定し
て加算計数する。
【0193】そして、このように確定された確定硬貨
は、そのまま第2搬送部153の硬貨通路247から第
3搬送部154の搬送ベルト281上に受け渡され、該
搬送ベルト281によって機体後方に向け搬送される。
このように第3搬送部154の搬送ベルト281で搬送
された硬貨を、第3搬送部154の最下流側に設けられ
たガイドフレーム304のガイド面305で案内して、
当該精査作動前に空状態であった機体最後部に位置する
収納繰出部150g(この精査作動における予備収納繰
出部)の収納部158に投入させる。このようにして、
機体最後部から2番目の収納繰出部150fに収納され
ていたすべての硬貨の計数を行う。上記の硬貨の流れを
図21(a)において矢印X13で示す。
【0194】以上のようにして、制御部35は、収納繰
出部150fについてすべての硬貨が収納繰出部150
gに一時貯留されたことを確認する(この確認は、当該
収納繰出部150fの残留センサ194の検出結果およ
び出金鑑別部261の検出結果から行い、具体的には残
留センサ194で硬貨が検出されなくなった後に出金鑑
別部261で硬貨を検出しなくなり該出金鑑別部261
で最後に鑑別した硬貨が収納繰出部150gに収納され
るのに十分な時間が経過したことの検出により行う)
と、収納繰出部150fの硬貨の精査作動を終了させ
る。
【0195】次に、制御部35は、上記した直前の精査
作動で空状態となった収納繰出部150f(この精査作
動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150e(この精
査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨を移しつつ、該収納
繰出部150eの硬貨(10円硬貨)の精査作動を行
う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150eの繰
出モータ206を駆動させて、その回転円盤185およ
び搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出
させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時
に、位置検知センサ303fで検出片302が検出され
る位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆
動モータ301を駆動させて、収納繰出部150fに付
設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0196】これにより、収納繰出部150eにあった
硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑
別および計数が行われながら、駆動状態が維持されてい
る第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送
部154で搬送され、取込部材288に案内されて、直
前に精査作動を行った収納繰出部150fに収納される
ことになる。そして、収納繰出部150eの残留センサ
194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納
繰出部150eから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部
150fに収納されるのに十分な時間が経過したことを
確認すると、該収納繰出部150eの精査作動を終了さ
せる。上記の硬貨の流れを図21(a)において矢印X
14で示す。
【0197】次に、制御部35は、上記した直前の精査
作動で空状態となった収納繰出部150e(この精査作
動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150d(この精
査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨を移しつつ、該収納
繰出部150dの硬貨(100円硬貨)の精査作動を行
う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150dの繰
出モータ206を駆動させて、その回転円盤185およ
び搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出
させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時
に、位置検知センサ303eで検出片302が検出され
る位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆
動モータ301を駆動させて、収納繰出部150eに付
設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0198】これにより、収納繰出部150dにあった
硬貨が、上記と同様に、第2搬送部153の出金鑑別部
261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1
搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部15
4で搬送され、取込部材288に案内されて、直前に精
査作動を行った収納繰出部150eに収納されることに
なる。そして、収納繰出部150dの残留センサ194
および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部
150dから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150
eに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認す
ると、該収納繰出部150dの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(a)において矢印X15で
示す。
【0199】次に、制御部35は、上記した直前の精査
作動で空状態となった収納繰出部150d(この精査作
動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150c(この精
査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨を移しつつ、該収納
繰出部150cの硬貨(5円硬貨)の精査作動を行う。
すなわち、上述と同様に、収納繰出部150cの繰出モ
ータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬
送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させ
るとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、
位置検知センサ303dで検出片302が検出される位
置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モ
ータ301を駆動させて、収納繰出部150dに付設さ
れた取込部材288を取込位置に位置させる。
【0200】これにより、収納繰出部150cにあった
硬貨が、上記と同様に、第2搬送部153の出金鑑別部
261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1
搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部15
4で搬送され、取込部材288に案内されて、直前に精
査作動を行った収納繰出部150dに収納されることに
なる。そして、収納繰出部150cの残留センサ194
および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部
150cから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150
dに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認す
ると、該収納繰出部150cの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(a)において矢印X16で
示す。
【0201】次に、制御部35は、上記した直前の精査
作動で空状態となった収納繰出部150c(この精査作
動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150b(この精
査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨を移しつつ、該収納
繰出部150bの硬貨(50円硬貨)の精査作動を行
う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150bの繰
出モータ206を駆動させて、その回転円盤185およ
び搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出
させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時
に、位置検知センサ303cで検出片302が検出され
る位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆
動モータ301を駆動させて、収納繰出部150cに付
設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0202】これにより、収納繰出部150bにあった
硬貨が、上記と同様に、第2搬送部153の出金鑑別部
261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1
搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部15
4で搬送され、取込部材288に案内されて、直前に精
査作動を行った収納繰出部150cに収納されることに
なる。そして、収納繰出部150bの残留センサ194
および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部
150bから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150
cに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認す
ると、該収納繰出部150bの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(a)において矢印X17で
示す。
【0203】次に、制御部35は、上記した直前の精査
作動で空状態となった収納繰出部150b(この精査作
動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150a(この精
査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨を移しつつ、該収納
繰出部150aの硬貨(1円硬貨)の精査作動を行う。
すなわち、上述と同様に、収納繰出部150aの繰出モ
ータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬
送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させ
るとともに、該第1搬送モータ231の駆動開始と同時
に、位置検知センサ303bで検出片302が検出され
る位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆
動モータ301を駆動させて、収納繰出部150bに付
設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0204】これにより、収納繰出部150aにあった
硬貨が、上記と同様に、第2搬送部153の出金鑑別部
261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1
搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部15
4で搬送され、取込部材288に案内されて、直前に精
査作動を行った収納繰出部150bに収納されることに
なる。そして、収納繰出部150aの残留センサ194
および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部
150aから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150
bに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認す
ると、該収納繰出部150aの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(a)において矢印X18で
示す。
【0205】このようにして、すべての収納繰出部15
0a〜150fの精査作動が終了すると、制御部35
は、取込駆動モータ301を駆動制御して、押圧ローラ
296および摺動ブロック294を待機位置に戻し、取
込部材288を搬送ベルト281上から逃がすととも
に、第1搬送モータ231、第2搬送モータ259およ
び第3搬送モータ284の駆動を停止させ、さらに、切
換ソレノイド359を駆動して、前方案内状態にあった
金種別収納シュート350を後方案内状態に切り換え、
機体最前部側から数えて2番目の収納繰出部150bに
対し1円硬貨、3番目の収納繰出部150cに対し50
円硬貨、4番目の収納繰出部150dに対し5円硬貨、
5番目の収納繰出部150eに対し100円硬貨、6番
目の収納繰出部150fに対し10円硬貨、7番目の収
納繰出部150gに対し500円硬貨と、各収納繰出部
150a〜150gと各金種との対応関係を変更して以
降の出金処理あるいは回収処理の制御を行うことにな
る。
【0206】逆に、金種別収納シュート350が後方案
内状態で出金処理あるいは回収処理が行われていた状態
で、第1の実施の形態と同様にタイミングで精査処理を
開始すると、制御部35は、上述と同様、第1搬送部1
52の第1搬送モータ231と、第2搬送部153の第
2搬送モータ259と、第3搬送部154の第3搬送モ
ータ284とを駆動させる。なお、この精査処理の開始
時において、振分部264は待機状態となっている。ま
た、精査処理は、以下のように各収納繰出部毎に行われ
る複数の精査作動からなる。
【0207】上記第1搬送モータ231、第2搬送モー
タ259および第3搬送モータ284の駆動の後、制御
部35は、空状態にある収納繰出部150a(この精査
作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150b(この
精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(1円硬貨)を移
しつつ、該収納繰出部150bの硬貨の精査作動を行
う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150bの繰
出モータ206を駆動させて、その回転円盤185およ
び搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出
させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時
に、位置検知センサ303aで検出片302が検出され
る位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆
動モータ301を駆動させて、収納繰出部150aに付
設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0208】これにより、収納繰出部150bにあった
硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑
別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2
搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込
部材288に案内されて、収納繰出部150aに収納さ
れることになる。そして、収納繰出部150bの残留セ
ンサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該
収納繰出部150bから全ての硬貨の繰り出され収納繰
出部150aに収納されるのに十分な時間が経過したこ
とを確認すると、該収納繰出部150bの精査作動を終
了させる。上記の硬貨の流れを図21(b)において矢
印X19で示す。
【0209】次に、制御部35は、上記した直前の精査
作動で空状態となった収納繰出部150b(この精査作
動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150c(この精
査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(50円硬貨)を移
しつつ、該収納繰出部150cの硬貨の精査作動を行
う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150cの繰
出モータ206を駆動させて、その回転円盤185およ
び搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出
させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時
に、位置検知センサ303bで検出片302が検出され
る位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆
動モータ301を駆動させて、収納繰出部150bに付
設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0210】これにより、収納繰出部150cにあった
硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑
別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2
搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込
部材288に案内されて、収納繰出部150bに収納さ
れることになる。そして、収納繰出部150cの残留セ
ンサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該
収納繰出部150cから全ての硬貨の繰り出され収納繰
出部150bに収納されるのに十分な時間が経過したこ
とを確認すると、該収納繰出部150cの精査作動を終
了させる。上記の硬貨の流れを図21(b)において矢
印X20で示す。
【0211】次に、制御部35は、上記した直前の精査
作動で空状態となった収納繰出部150c(この精査作
動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150d(この精
査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(5円硬貨)を移し
つつ、該収納繰出部150dの硬貨の精査作動を行う。
すなわち、上述と同様に、収納繰出部150dの繰出モ
ータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬
送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させ
るとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、
位置検知センサ303cで検出片302が検出される位
置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モ
ータ301を駆動させて、収納繰出部150cに付設さ
れた取込部材288を取込位置に位置させる。
【0212】これにより、収納繰出部150dにあった
硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑
別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2
搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込
部材288に案内されて、収納繰出部150cに収納さ
れることになる。そして、収納繰出部150dの残留セ
ンサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該
収納繰出部150dから全ての硬貨の繰り出され収納繰
出部150cに収納されるのに十分な時間が経過したこ
とを確認すると、該収納繰出部150dの精査作動を終
了させる。上記の硬貨の流れを図21(b)において矢
印X21で示す。
【0213】次に、制御部35は、上記した直前の精査
作動で空状態となった収納繰出部150d(この精査作
動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150e(この精
査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(100円硬貨)を
移しつつ、該収納繰出部150eの硬貨の精査作動を行
う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150eの繰
出モータ206を駆動させて、その回転円盤185およ
び搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出
させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時
に、位置検知センサ303dで検出片302が検出され
る位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆
動モータ301を駆動させて、収納繰出部150dに付
設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0214】これにより、収納繰出部150eにあった
硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑
別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2
搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込
部材288に案内されて、収納繰出部150dに収納さ
れることになる。そして、収納繰出部150eの残留セ
ンサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該
収納繰出部150eから全ての硬貨の繰り出され収納繰
出部150dに収納されるのに十分な時間が経過したこ
とを確認すると、該収納繰出部150eの精査作動を終
了させる。上記の硬貨の流れを図21(b)において矢
印X22で示す。
【0215】次に、制御部35は、上記した直前の精査
作動で空状態となった収納繰出部150e(この精査作
動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150f(この精
査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(10円硬貨)を移
しつつ、該収納繰出部150fの硬貨の精査作動を行
う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150fの繰
出モータ206を駆動させて、その回転円盤185およ
び搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出
させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時
に、位置検知センサ303eで検出片302が検出され
る位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆
動モータ301を駆動させて、収納繰出部150eに付
設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0216】これにより、収納繰出部150fにあった
硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑
別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2
搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込
部材288に案内されて、収納繰出部150eに収納さ
れることになる。そして、収納繰出部150fの残留セ
ンサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該
収納繰出部150fから全ての硬貨の繰り出され収納繰
出部150eに収納されるのに十分な時間が経過したこ
とを確認すると、該収納繰出部150fの精査作動を終
了させる。上記の硬貨の流れを図21(b)において矢
印X23で示す。
【0217】次に、制御部35は、上記した直前の精査
作動で空状態となった収納繰出部150f(この精査作
動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150g(この精
査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(500円硬貨)を
移しつつ、該収納繰出部150gの硬貨の精査作動を行
う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150gの繰
出モータ206を駆動させて、その回転円盤185およ
び搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出
させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時
に、位置検知センサ303fで検出片302が検出され
る位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆
動モータ301を駆動させて、収納繰出部150fに付
設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0218】これにより、収納繰出部150gにあった
硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑
別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2
搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込
部材288に案内されて、収納繰出部150fに収納さ
れることになる。そして、収納繰出部150gの残留セ
ンサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該
収納繰出部150gから全ての硬貨の繰り出され収納繰
出部150fに収納されるのに十分な時間が経過したこ
とを確認すると、該収納繰出部150gの精査作動を終
了させる。上記の硬貨の流れを図21(b)において矢
印X24で示す。
【0219】そして、すべての収納繰出部150b〜1
50gの精査作動が終了すると、制御部35は、取込駆
動モータ301を駆動制御して、押圧ローラ296およ
び摺動ブロック294を待機位置に戻し、取込部材28
8を搬送ベルト281上から逃がすとともに、第1搬送
モータ231、第2搬送モータ259および第3搬送モ
ータ284の駆動を停止させ、切換ソレノイド359を
駆動して、前方案内状態にあった金種別収納シュート3
50を後方案内状態に切り換え、機体最前部の収納繰出
部150aに対し1円硬貨、機体最前部側から数えて2
番目の収納繰出部150bに対し50円硬貨、3番目の
収納繰出部150cに対し5円硬貨、4番目の収納繰出
部150dに対し100円硬貨、5番目の収納繰出部1
50eに対し10円硬貨、6番目の収納繰出部150f
に対し500円硬貨と、各収納繰出部150a〜150
gと各金種との対応関係を変更して以降の出金処理ある
いは回収処理の制御を行うことになる。
【0220】一方、第2の実施の形態においても、上述
した各金種別の精査作動中に、出金鑑別部261による
鑑別結果から、精査を行っている金種とは異なる金種の
硬貨を確認した場合は、第1の実施の形態と同様にし
て、この異金種硬貨を、振分部264および出金一時貯
留部155で出金リジェクトボックス30にリジェクト
させることになる。
【0221】以上に述べた第2の実施の形態によれば、
制御部35が、収納繰出部150a〜150gのうちの
一つの収納繰出部から硬貨をすべて第1搬送部152に
繰り出させ、該硬貨を第1搬送部152および第2搬送
部153で搬送させつつ出金鑑別部261で鑑別させさ
らに振分部264で精査用方向に振り分け第3搬送部1
54で搬送させて収納繰出部150a〜150gのうち
の空状態にあった一つの予備収納繰出部に収納させると
ともに出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて前記一つ
の収納繰出部についての計数を行う精査作動を実行する
ことになり、次に、この精査作動で空となった前記一つ
の収納繰出部を新たな予備収納繰出部として、収納繰出
部150a〜150gのうちの他の一つの収納繰出部か
ら硬貨をすべて第1搬送部152に繰り出させ、該硬貨
を第1搬送部152および第2搬送部153で搬送させ
つつ出金鑑別部261で鑑別させさらに振分部264で
精査用方向に振り分け第3搬送部154で搬送させて前
記新たな予備収納繰出部に収納させるとともに出金鑑別
部261の鑑別結果に基づいて前記他の一つの収納繰出
部についての計数を行う精査作動を実行することになっ
て、このような精査作動を、すべての金種の収納繰出部
について順次行う。そして、各収納繰出部150a〜1
50gの収納金種に合わせて、金種別収納シュート35
0を切換ソレノイド359で切り換えることにより、入
金選別部38で選別分類した各金種の硬貨のそれぞれの
収納先である収納繰出部を変更させる。したがって、精
査のため収納繰出部から繰り出し空の収納繰出部に収納
させた硬貨を精査後に元の収納繰出部に戻すことがない
ため、精査処理に要する時間を短縮することができる。
【0222】また、金種別収納シュート350は、隣り
合う収納繰出部に対し選択的に硬貨を導入させる、取り
扱う金種数と同数のシュート部354a〜354fと、
これらシュート部354a〜354fを揺動させる一つ
の切換ソレノイド359とで構成されるため、構造の複
雑化およびコスト増を抑制することができる。
【0223】なお、以上の第1,第2の実施の形態によ
れば、精査処理において、出金鑑別部261の鑑別結果
から、その処理中に異金種硬貨を確認した場合、少なく
とも第2搬送部153にある異金種硬貨および計数不能
硬貨を出金リジェクトボックス30に排除させる処理を
行うようにしているが、さらに精査処理時間を短縮する
ために、制御部35が異金種硬貨を確認した場合であっ
ても、この異金種硬貨を排除させずに、そのまま混入さ
せた状態で収納部に収納させるようにしてもよい。これ
は、この硬貨入出金機が、その構成上、精査処理時にこ
の異金種硬貨を排除しなくても、出金処理および回収処
理でこの異金種硬貨を確認した場合にこれを排除させる
ことができるためである。このようにすれば、時間のか
かる精査処理において時間短縮を優先させることができ
るのである。なお、この場合、後で異金種硬貨の混入を
確認できるように、制御部35は、各収納繰出部単位で
の金種別硬貨枚数データを記憶しておくようにする。
【0224】また、第1,第2の実施の形態は、上位機
12に接続されるものを例にとり説明したが、上位機1
2に接続されるのではなく、単独で用いられる硬貨入出
金機であっても、上位機12の操作部および表示部等の
機能部がこの硬貨入出金機に組み込まれる以外は第1,
第2の実施の形態と同様である。
【0225】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載の硬貨入出金機によれば、収納繰出部を取り扱う金
種数より一つ多く設けて、空状態の収納繰出部を存在さ
せ、制御手段が、収納繰出部のうちの一つの収納繰出部
から硬貨をすべて搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬送
手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに振分手
段で第2の方向に振り分け戻搬送手段で搬送させて収納
繰出部のうちの空状態にあった一つの収納繰出部に収納
させるとともに、出金鑑別部の鑑別結果に基づいて前記
一つの収納繰出部の硬貨の計数を行う。そして、このよ
うな鑑別および計数を全金種の収納繰出部について行う
ことで、異金種硬貨を見つけることができる上、各収納
繰出部における硬貨のデータを機械側自身によって精査
し確認することが可能となる。したがって、上記精査確
認により、収納繰出部に混入した異金種硬貨が該収納繰
出部に対応する金種の硬貨として繰り出されてしまうこ
とを防止可能となり、業務終了後に機械側が管理する各
金種毎の枚数データと機内にある硬貨の枚数とが一致し
ない状態が生じることを防止可能となる。
【0226】本発明の請求項2記載の硬貨入出金機によ
れば、制御手段が、収納繰出部のうちの一つの繰出元収
納繰出部から硬貨をすべて搬送手段に繰り出させ、該硬
貨を搬送手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさら
に振分手段で第2の方向に振り分け戻搬送手段で搬送さ
せて収納繰出部のうちの空状態にあった一つの予備収納
繰出部に収納させるとともに出金鑑別部の鑑別結果に基
づいて、前記繰出元収納繰出部の硬貨について計数を行
うことになり、計数を行った後の予備収納繰出部のすべ
ての硬貨を、その後、搬送手段、振分手段および戻搬送
手段を介して繰出元収納繰出部に戻す。そして、このよ
うな精査作動を、予備収納繰出部を除くすべての収納繰
出部について順次行うことで、各収納繰出部における硬
貨のデータを機械側自身によって精査し確認することが
可能となる。したがって、精査のため収納繰出部から繰
り出した硬貨を精査後に元の収納繰出部に戻すため、金
種別の収納繰出部の位置が変わることがなく、よって、
入金された硬貨を選別分類して各収納繰出部に収納させ
る選別部が、選別分類した各金種の硬貨のそれぞれの収
納先である収納繰出部を変更させる必要がなく、その結
果、該選別部を簡素な構成にできる。
【0227】本発明の請求項3記載の硬貨入出金機によ
れば、制御手段が、収納繰出部のうちの一つの収納繰出
部から硬貨をすべて搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬
送手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに振分
手段で第2の方向に振り分け戻搬送手段で搬送させて収
納繰出部のうちの空状態にあった一つの予備収納繰出部
に収納させるとともに出金鑑別部の鑑別結果に基づいて
前記一つの収納繰出部についての計数を行う精査作動を
実行することになり、次に、この精査作動で空となった
前記一つの収納繰出部を新たな予備収納繰出部として、
収納繰出部のうちの他の一つの収納繰出部から硬貨をす
べて搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬送手段で搬送さ
せつつ出金鑑別部で鑑別させさらに振分手段で第2の方
向に振り分け戻搬送手段で搬送させて前記新たな予備収
納繰出部に収納させるとともに出金鑑別部の鑑別結果に
基づいて前記他の一つの収納繰出部についての計数を行
う精査作動を実行することになって、このような精査作
動を、すべての金種の収納繰出部について順次行う。そ
して、各収納繰出部の収納金種に合わせて、切換手段に
より、選別部で選別分類した各金種の硬貨のそれぞれの
収納先である収納繰出部を変更させる。したがって、精
査のため収納繰出部から繰り出し空の収納繰出部に収納
させた硬貨を精査後に元の収納繰出部に戻すことがない
ため、精査処理に要する時間を短縮することができる。
【0228】本発明の請求項4記載の硬貨入出金機によ
れば、切換手段は、揺動することにより、隣り合う収納
繰出部に対し選択的に硬貨を導入させる、取り扱う金種
数と同数のシュート部と、これらシュート部を揺動させ
る一つの駆動源とで構成されるため、構造の複雑化およ
びコスト増を抑制することができる。
【0229】本発明の請求項5記載の硬貨入出金機によ
れば、制御手段が、精査処理中に、出金鑑別部の鑑別結
果から精査中の金種以外の異金種硬貨を確認すると、搬
送規制部により該異金種硬貨の搬送を停止させるととも
に収納繰出部からの硬貨の繰り出しを停止させ、さら
に、搬送手段において該異金種硬貨より下流側にあった
硬貨をすべて戻搬送手段側に搬送させた状態で、振分手
段により該異金種硬貨を含む前記搬送手段上に残存する
硬貨を第3の方向に振り分けることで、異金種硬貨を出
金リジェクトボックスに収納させる。これにより、異金
種硬貨確認時において、搬送手段上にあった、異金種硬
貨を含むその上流側の硬貨のみを出金リジェクトボック
スに収納させることになり、よって、異金種硬貨を排除
できる上、出金リジェクトボックスに収納させる硬貨を
少なく抑えることができる。
【0230】本発明の請求項6記載の硬貨入出金機によ
れば、制御手段が、機外から入金された硬貨枚数および
機外に出金させた硬貨枚数に相当する入金鑑別部および
出金鑑別部のそれぞれの鑑別結果に基づいて現在収納中
の全硬貨の金種別の硬貨枚数を把握する一方、精査処理
による出金鑑別部の鑑別結果に基づいて各収納繰出部の
金種別の硬貨枚数を把握し、これらから、出金リジェク
トボックスに収納された硬貨の金種別の硬貨枚数を割り
出すことになる。したがって、各収納繰出部および出金
リジェクトボックスに収納された硬貨の金種別の硬貨枚
数をすべて把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態を
示す斜視図。
【図2】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態を
示す正断面図。
【図3】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態を
示す側断面図。
【図4】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の
入金選別ユニットを示す平面図。
【図5】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の
入金選別ユニットの部分拡大正断面図。
【図6】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の
入金選別ユニットの底板等を示す平面図。
【図7】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の
入金選別ユニットの入金一時貯留ボックス等を示す平面
図。
【図8】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の
収納出金ユニットを示す平面図。
【図9】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の
収納出金ユニットの収納繰出部を示す正断面図。
【図10】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態
の収納出金ユニットの繰出部を示す平面図。
【図11】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態
の収納出金ユニットの繰出部を示す正面図。
【図12】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態
の収納出金ユニットの繰出部を示す側面図。
【図13】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態
の収納出金ユニットの繰出部の部分拡大平面図。
【図14】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態
の収納出金ユニットの繰出部の部分拡大側面図。
【図15】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態
の収納出金ユニットの第3搬送部の一部を示す平断面
図。
【図16】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態
の硬貨の流れを示すブロック図。
【図17】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態
の制御系を示すブロック図。
【図18】 本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態
の精査処理時の硬貨流れを示す図。
【図19】 本発明の硬貨入出金機の第2の実施の形態
の入金選別ユニットの金種別収納シュートを示す側面
図。
【図20】 本発明の硬貨入出金機の第2の実施の形態
の入金選別ユニットの金種別収納シュートの切換状態を
示す側面図。
【図21】 本発明の硬貨入出金機の第2の実施の形態
の精査処理時の硬貨の流れを示す図。
【符号の説明】
11 硬貨入出金機 16 出金リフト部(出金搬送部) 30 出金リジェクトボックス 32 出金口 35 制御部(制御手段) 70 入金鑑別部 150a〜150f 収納繰出部 152 第1搬送部(搬送手段) 153 第2搬送部(搬送手段,振分手段) 154 第3搬送部(戻搬送手段) 155 出金一時貯留部(振分手段) 261 出金鑑別部 264 振分部(振分手段) 272 搬送規制部 350 金種別収納シュート(切換手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−54231(JP,A) 特開 平4−333997(JP,A) 特開 昭61−88390(JP,A) 特開 平4−213187(JP,A) 特開 昭61−276091(JP,A) 特開 平1−311395(JP,A) 特開 平7−237742(JP,A) 実開 平5−15990(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G07D 1/00 - 13/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入金された硬貨を入金鑑別部で鑑別し該
    鑑別後の硬貨を選別部で選別分類して金種別に各収納繰
    出部に収納させるとともに、必要に応じて該硬貨を前記
    収納繰出部から出金口に出金させる還流式の硬貨入出金
    機において、 前記収納繰出部を取り扱う金種数より一つ多く設け、 これら収納繰出部から繰り出された硬貨を一枚ずつ分離
    して搬送する搬送手段と、 該搬送手段で搬送される硬貨の金種を鑑別する出金鑑別
    部と、 前記搬送手段で搬送され前記出金鑑別部で鑑別された硬
    貨を異なる第1の方向および第2の方向に振り分け可能
    な振分手段と、 該振分手段で前記第1の方向に振り分けられた硬貨を前
    記出金口に搬送する出金搬送部と、 前記振分手段で前記第2の方向に振り分けられた硬貨を
    前記各収納繰出部に選択的に搬送可能な戻搬送手段と、 前記収納繰出部のうちの一つの収納繰出部から硬貨をす
    べて前記搬送手段に繰り出させ、該硬貨を前記搬送手段
    で搬送させつつ前記出金鑑別部で鑑別させさらに前記振
    分手段で前記第2の方向に振り分け前記戻搬送手段で搬
    送させて前記収納繰出部のうちの空状態にあった一つの
    収納繰出部に収納させるとともに前記出金鑑別部の鑑別
    結果に基づいて計数を行う精査処理を実行する制御手段
    と、を有することを特徴とする硬貨入出金機。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記精査処理として、
    前記収納繰出部のうちの一つの繰出元収納繰出部から硬
    貨をすべて前記搬送手段に繰り出させ、該硬貨を前記搬
    送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で鑑別させさらに
    前記振分手段で前記第2の方向に振り分け前記戻搬送手
    段で搬送させて前記収納繰出部のうちの空状態にあった
    一つの予備収納繰出部に収納させるとともに前記出金鑑
    別部の鑑別結果に基づいて計数を行い、その後、前記予
    備収納繰出部のすべての硬貨を前記搬送手段、前記振分
    手段および前記戻搬送手段を介して前記繰出元収納繰出
    部に戻す精査作動を、前記予備収納繰出部を除くすべて
    の収納繰出部について順次行うことを特徴とする請求項
    1記載の硬貨入出金機。
  3. 【請求項3】 前記選別部は、選別分類した各金種の硬
    貨のそれぞれの収納先である収納繰出部を変更可能な切
    換手段を有しており、 前記制御手段は、前記精査処理として、前記収納繰出部
    のうちの一つの収納繰出部から硬貨をすべて前記搬送手
    段に繰り出させ、該硬貨を前記搬送手段で搬送させつつ
    前記出金鑑別部で鑑別させさらに前記振分手段で前記第
    2の方向に振り分け前記戻搬送手段で搬送させて前記収
    納繰出部のうちの空状態にあった一つの予備収納繰出部
    に収納させるとともに前記出金鑑別部の鑑別結果に基づ
    いて計数を行う精査作動を、直前の硬貨の繰り出しによ
    り空となった前記収納繰出部を次の予備収納繰出部とし
    つつ、すべての金種の収納繰出部について順次行い、該
    精査処理の終了後に、各収納繰出部の収納金種に合わせ
    て、前記切換手段により、前記選別部で選別分類した各
    金種の硬貨のそれぞれの収納先である収納繰出部を変更
    させることを特徴とする請求項1記載の硬貨入出金機。
  4. 【請求項4】 前記収納繰出部は並列に配置されてお
    り、 前記切換手段は、揺動することにより、隣り合う収納繰
    出部に対し選択的に硬貨を導入させる、取り扱う金種数
    と同数のシュート部と、これらシュート部を揺動させる
    一つの駆動源とを具備することを特徴とする請求項3記
    載の硬貨入出金機。
  5. 【請求項5】 前記振分手段は、硬貨を前記第1の方向
    および前記第2の方向に加えて、これらの方向とは異な
    る第3の方向に振り分け可能とされるとともに、 前記振分手段で前記第3の方向に振り分けられた硬貨を
    収納可能な出金リジェクトボックスと、 前記搬送手段における前記出金鑑別部より下流側に設け
    られて該搬送手段上の硬貨の移動を規制する搬送規制部
    とを有し、 前記制御手段は、前記精査処理中に、前記出金鑑別部の
    鑑別結果から精査中の金種以外の異金種硬貨を確認する
    と、前記搬送規制部により該異金種硬貨の搬送を停止さ
    せるとともに前記収納繰出部からの硬貨の繰り出しを停
    止させ、さらに、前記搬送手段において該異金種硬貨よ
    り下流側にあった硬貨をすべて前記戻搬送手段側に搬送
    させた状態で、前記振分手段により該異金種硬貨を含む
    前記搬送手段上に残存する硬貨を前記第3の方向に振り
    分けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項
    記載の硬貨入出金機。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記入金鑑別部および
    前記出金鑑別部のそれぞれの鑑別結果に基づく収納中の
    全硬貨の金種別の硬貨枚数と、前記精査処理による前記
    出金鑑別部の鑑別結果に基づく各収納繰出部の金種別の
    硬貨枚数とから、前記出金リジェクトボックスに収納さ
    れた硬貨の金種別の硬貨枚数を割り出すことを特徴とす
    る請求項5記載の硬貨入出金機。
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